『あゆみちゃん物語』(パソコンゲーム)

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【発売】:アリスソフト
【対応パソコン】:PC-9801、FM TOWNS、X68000
【発売日】:1993年
【ジャンル】:アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム

[game-ue]

■ 概要

作品の誕生と時代背景

1993年という年は、パソコン用ゲーム市場において大きな転換点を迎えていた時期でした。NECのPC-98シリーズを中心とした日本のPC市場はまだ活況を呈しており、CD-ROMドライブの普及や大容量メディアの登場によって、ビジュアルを重視したアドベンチャーやシミュレーション作品が次々に生まれていました。そんな状況下で、アリスソフトが送り出した『あゆみちゃん物語』は、これまでのアダルトゲームの枠組みを刷新するかのような存在感を放ちます。本作は、ヒロイン「河合あゆみ」と主人公との関係性に焦点を当て、余計な枝葉を排除したコンセプトを採用。いわば「一点突破型」のゲームデザインを掲げ、その徹底ぶりは後のアダルトゲーム史に多大な影響を残しました。

当時のプレイヤーにとって、この作品は単なる猥雑な遊びではなく、新しい表現の実験場でもありました。成人向けゲームがまだ「シナリオ+おまけ要素」としてHシーンを配置するのが一般的だった中で、『あゆみちゃん物語』はあえて逆を行き、Hそのものを核に据えた設計に挑戦しています。

開発の経緯と「ALICE-NET」

このゲームが誕生するまでの過程は、当時のアリスソフトのファンコミュニティ文化と深く結びついています。アリスソフトは自社BBS「ALICE-NET」を運営しており、ユーザーとの交流を通じて新しいアイデアを吸収していました。『あゆみちゃん物語』の企画は、まさにこのBBS上で立ち上がった「あゆみちゃんプロジェクト」から始まったものです。シナリオやアイデアの多くは熱心なユーザー有志によって寄せられ、後にプロのシナリオライターとして活躍するメンバーも輩出しました。商業作品でありながら、同人色やユーザー参加型の要素を色濃く残しているのは、このプロジェクトならではの特徴といえます。

また、初期段階では『DALK』の通販特典ディスクや『アリスの館CD2』といったファンディスクにプロトタイプ版が収録されるなど、ファン層に向けた先行公開の試みもなされています。これは当時としては非常に先鋭的なマーケティングであり、テストプレイを兼ねた「実験作」的側面も持ち合わせていました。

ゲームシステムの特性

『あゆみちゃん物語』のシステムは、一見すると単調に見えるかもしれません。基本の流れは「学校でのやり取り」→「放課後の体育用具室」→「帰宅」というシンプルな日常サイクルで構成され、プレイヤーは選択肢を選びながら進行します。しかし、実際にプレイしてみると、そこには意外な奥深さが潜んでいます。

ゲーム内では複数のパラメータが管理されており、ヒロイン側の「興奮度」「耐久力」、主人公側の「精力」、そして悪行を示す「悪行値」が重要な指標となります。プレイヤーは、ただ無造作に行動するのではなく、あゆみを気絶させないように配慮したり、自身の精力を調整したりといった戦略を考える必要があります。また、プレイの過程であゆみが淫乱化する仕組みや、アイテム購入によるバリエーションの広がりなど、やり込み要素も充実していました。

ヒロイン「河合あゆみ」という存在

本作の中心にいるのは、もちろんタイトルにも冠された「河合あゆみ」です。彼女は学級委員を務める真面目で模範的な少女でありながら、主人公に対しては恋人として従順に振る舞う、理想化されたヒロイン像です。当時のプレイヤーにとって、あゆみは単なるCGのキャラクター以上の存在感を持ちました。

シナリオ展開は極めてシンプルで、複数のヒロインを攻略するギャルゲー的な楽しみはありません。しかし逆に「ひとりの女の子と徹底的に関わる」という構図が、当時としては新鮮であり、その徹底ぶりが作品のアイデンティティとなりました。大量のバリエーションCGも、すべてがあゆみとの関係に割かれているため、プレイヤーは「1人に向き合う体験」を味わうことができたのです。

ビジュアルと演出面

原画を担当したのは漫画家のラッシャーヴェラク氏で、彼のタッチをそのままスキャンしたCGが本作の特徴となっています。現代的な視点から見れば、色彩や解像度の面で粗さが目立つかもしれません。しかし当時のPCスペックやディスク容量を考えれば、150枚近い差分を実装したこと自体が快挙といえるでしょう。

また、プレイ中に流れるBGMも印象的で、特にあゆみが淫乱化した際に切り替わる音楽は、ユーザーの記憶に強く刻まれました。こうした「雰囲気作り」の面でも本作は妥協せず、限られたリソースを最大限に活用しています。

販売実績と評価

『あゆみちゃん物語』は発売当時から大きな話題を呼び、アリスソフト社内でも「鬼畜王ランスが登場するまでは最も売れた作品」と言われるほどのヒットを記録しました。単純で分かりやすいゲームデザイン、豊富なCG、そしてキャッチーなヒロイン像が功を奏し、口コミで広まっていったのです。

この成功は、単に売上という点だけでなく、アダルトゲームの方向性を拡張する意義を持ちました。それまでの「シナリオ主導型」とは異なる「H特化型」というジャンルの確立を後押しし、後の調教ゲームやヤリゲーと呼ばれる作品群の先駆けとなったのです。

その後の展開

『あゆみちゃん物語』の人気は、単なる一過性のものではありませんでした。続編として『さやかちゃん物語』が企画されながらも未完に終わったことは知られていますが、関連作品やメディア展開も行われました。漫画家ラッシャーヴェラクによる読み切り漫画『あゆみちゃん物語外伝』が雑誌「メガストア」に掲載されたほか、関連同人誌や小冊子も複数刊行されました。さらに1995年には、白夜書房から実写版が発売され、ヒロイン役には木ノ内つぐみが起用されています。こうした展開は、当時のアダルトゲームとしては異例の広がりを見せたといえるでしょう。

総括

『あゆみちゃん物語』は、一見すると単調な構成を持つ作品ですが、その裏には「一点突破の魅力」「ユーザー参加型開発」「大胆なマーケティング」「膨大なビジュアルリソース」といった複数の革新が詰め込まれていました。アダルトゲームというジャンルにおいて、その存在は単なるヒット作に留まらず、一つのマイルストーンとして位置付けられるべき作品です。

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■ ゲームの魅力とは?

一点集中のシンプルさが生む独特の没入感

『あゆみちゃん物語』の最も大きな魅力のひとつは、システムやシナリオを徹底的に削ぎ落とし、ひとりのヒロイン「河合あゆみ」に全てを集中させた点です。複数のキャラクターを攻略するギャルゲーや、複雑なストーリーを追うアドベンチャーに慣れたユーザーからすると、この極端なまでの割り切りは逆に新鮮に映りました。「この女の子とだけ関わる」「他の要素はいらない」という明確な方向性が、プレイヤーに強烈な没入感を与えたのです。

豊富なCGと多彩なバリエーション

1990年代前半のPCゲーム市場において、ディスク容量の制限は開発者にとって常に悩みの種でした。限られた枚数のフロッピーディスクに、いかにシナリオとCGを収めるかが課題となっていたのです。ところが『あゆみちゃん物語』では、一人のヒロインに絞ったことで、その分のリソースを徹底的にCGに投入することができました。結果として150枚近いイラストが用意され、シーンごとの細やかな差分や豊富なプレイバリエーションを実現。プレイヤーは繰り返し遊びながら「まだ見ていないCGがあるはずだ」という期待感を持ち続けることができました。

さらに達成率表示機能が備わっていたため、「コンプリートしたい」という収集欲を刺激する仕掛けも施されています。これは当時としては珍しく、単なる消費型ではなく、やり込み型のゲーム体験を提供する先駆的な工夫といえます。

パラメータシステムが生む戦略性

本作は「シンプルさ」を売りにしながらも、単なる一本道ゲームではありません。興奮度、耐久力、精力、悪行値といった複数のパラメータが、毎回の行動に影響を及ぼします。たとえば、無理に過激な行為を選ぶと耐久力が減り、あゆみが気絶してその日のプレイが強制終了してしまう。逆に慎重すぎると進行が遅れ、解放されるアイテムや新しいシーンに辿り着けない。プレイヤーは「どこまで踏み込むか」という駆け引きを毎日繰り返すことになります。

このバランス調整は秀逸で、ただの作業になりがちなジャンルに緊張感を与えていました。攻略サイトや雑誌に頼らず、自分なりの方法で「最適解」を見つけていく過程自体が、プレイヤーにとって大きな魅力だったのです。

キャラクター性による感情移入

「河合あゆみ」というキャラクターは、単にCGのモデルではなく、当時のユーザーにとって「理想の彼女像」として強く印象づけられました。品行方正な学級委員という立ち位置でありながら、恋人である主人公の要求には従順で、時には大胆な面も見せる。この二面性がプレイヤーの感情移入を促しました。

また、あゆみは単なる受け身ではなく、ゲームの進行に応じて反応が変化します。淫乱化した後の積極的な態度や、それに伴うボイス・テキストの変化は、多くのユーザーに「同じキャラクターでありながら別人のようだ」という印象を与え、長時間遊んでも飽きさせない工夫になっていました。

遊びやすさと敷居の低さ

当時のアダルトゲームは、シナリオを読み進めてようやくHシーンに到達するスタイルが主流でした。そのため「せっかく買ったのに核心に辿り着くまでが長い」と感じるユーザーも少なくありませんでした。『あゆみちゃん物語』はその不満を大胆に解消しています。開始直後から核心のコンテンツに触れることができ、しかも繰り返し何度でも遊べる。この手軽さは、多忙な社会人ユーザーや、気軽に楽しみたいプレイヤーにとって非常に大きな魅力でした。

「わかりやすい」「すぐ遊べる」という直感的な設計は、初心者層の取り込みにも貢献し、結果として販売本数の拡大につながったと考えられます。

プレイヤー参加型の開発が生む親近感

前章でも触れた通り、この作品は「ALICE-NET」でのユーザー参加プロジェクトから生まれました。ユーザーの意見やアイデアが直接反映されたゲームであるという事実は、当時のファンにとって大きな魅力でした。「自分たちの声が形になった」という感覚が、プレイヤーと開発者との距離を縮め、特別な愛着を生み出したのです。

商業作品でありながら同人色を感じさせるこのスタンスは、結果的に「ファンと共に作り上げるアリスソフト」というブランドイメージを強化しました。その後のアリスソフト作品にも、このユーザー志向は脈々と受け継がれていきます。

時代を超えた影響力

『あゆみちゃん物語』の魅力は、発売当時の衝撃だけにとどまりません。後年、多くのクリエイターやファンがこの作品を「ヤリゲー」「調教ゲーム」の原点として振り返り、評価しています。複雑なシナリオを必要とせず、ひとりのヒロインと徹底的に向き合うという構図は、その後の数多くの派生ジャンルに繋がっていきました。

さらに、現在では配布フリー宣言によって入手可能となり、歴史的資料としても価値を持っています。今プレイしても古さよりも「シンプルだからこそ光る魅力」を感じられるのは、この作品の完成度が高かった証拠です。

まとめ

『あゆみちゃん物語』の魅力は、一見すると単純で大胆なコンセプトにあります。しかし、その裏には「遊びやすさ」「多彩なバリエーション」「ユーザーとの距離感」「時代を超える影響力」といった多層的な要素が重なっており、単なるアダルト作品を超えた存在感を放ちました。だからこそ発売から30年以上経った今でも語り継がれ、研究されるほどの作品となっているのです。

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■ ゲームの攻略など

基本的な進行サイクルの理解

『あゆみちゃん物語』の攻略において最初に押さえておくべきは、ゲームの進行リズムです。1日は大きく「学校」「放課後」「帰宅」の三段階で構成され、プレイヤーは選択肢を通してヒロインであるあゆみとの関係を深めていきます。最も重要なのは放課後の体育用具室で展開されるHパートであり、ここでどのような選択をするかによって、その後のイベントやCG解放率に大きな影響が出ます。

また、7日ごとに日曜日が訪れ、デートイベントを発生させることが可能です。普段は体育用具室に固定されがちな舞台から一転して、喫茶店や街角といったシチュエーションに切り替わることで変化を生み、攻略の幅を広げてくれます。

パラメータ管理の重要性

本作で最もプレイヤーを悩ませるのが、複数のパラメータ管理です。攻略を目指すうえで注目すべきは以下の4つ。

興奮度:あゆみの反応に直結し、一定値を超えると淫乱化して行動が変化する。

耐久力:彼女の体力のようなもので、激しい行為を続けるとゼロになり気絶。

精力:主人公側のスタミナ。尽きるとその日のプレイは強制終了。

悪行値:乱暴なプレイや過剰な行動を取った際に上昇し、シナリオ分岐やアイテム獲得条件に影響する。

序盤は両者ともに耐久力・精力が低いため、無理をするとすぐに気絶してしまいます。そのため「様子を見ながら段階的に興奮度を上げる」戦術が求められます。慣れてくると徐々に限界値が伸び、より大胆なプレイも可能になるので、序盤は焦らず基盤を固めることが肝心です。

デートイベントの活用

日曜日のデートは攻略において非常に重要なポイントです。ここでは体育用具室のような制限がなく、ユニークなCGやサブイベントを体験することができます。特にデートでの選択肢は、後半の展開やアイテム解放条件に関わる場合もあるため、安易にスキップするのは避けた方がよいでしょう。

攻略を目指すなら、「日曜日をどう使うか」がプレイ効率を左右します。単に休息の場ではなく、新しい刺激やCG達成率を高める機会として積極的に活用することが推奨されます。

アイテムショップとHパターン拡張

シナリオが進むにつれ、大人のおもちゃ屋やマニアックな本屋が登場し、プレイヤーは様々なアイテムを購入できるようになります。これらは単なる小道具ではなく、Hシーンのバリエーションを増やす鍵です。たとえばローションや拘束具を入手することで、今まで選択できなかった新しいパターンが解放されることもあります。

購入可能なアイテムは経過日数やプレイ回数、さらには悪行値に左右されるため、効率的に解放したい場合は「アイテム条件」を意識して行動を積み重ねる必要があります。攻略本や雑誌を参考にするのも良いですが、あえて試行錯誤を重ね、自分のプレイでアイテムを開放する過程を楽しむのもまた一興です。

淫乱化システムと攻略上の恩恵

ゲーム中盤以降の攻略で外せない要素が「あゆみの淫乱化」です。一定以上興奮度を高めることで、彼女の反応や行動パターンが一変し、これまで嫌がっていたようなプレイにも積極的に応じるようになります。この状態は攻略における大きなターニングポイントであり、通常では見られないCGやテキストが解放されるため、狙って発生させる価値があります。

ただし、淫乱化を急ぎすぎると耐久力消耗が激しく、気絶が頻発してしまいます。そのため「精力と耐久力を成長させつつ、段階的に淫乱化を狙う」というバランス感覚が攻略の要となります。

気絶の扱いと隠し要素

本作において「気絶」は単なるゲームオーバー要素ではありません。実は敢えて気絶させたり、自分が気絶したりすることで解放されるシーンも存在します。通常の攻略本ではあまり触れられない要素ですが、コンプリートを目指すならば「わざと気絶を狙う」というプレイも試してみる価値があります。

ただし、このルートは当然リスクが伴うため、耐久力や精力が十分に成長した後半戦で挑戦するのが無難です。序盤で無計画に気絶を繰り返すと進行が停滞し、逆にコンプリートが難しくなるので注意が必要です。

隠しイベントと一度きりのチャンス

攻略を難しくしている要素のひとつに、「特定のタイミングでしか発生しないイベント」があります。序盤で一度きりの選択肢を間違えると、その後に関連するCGが永遠に解放できなくなるケースもありました。これは本作特有の“意地悪な仕掛け”とも言え、全CG達成を狙うプレイヤーを大いに悩ませました。

そのため、セーブデータを小まめに分けて保存しておくことが攻略上の鉄則です。攻略本が手に入りにくい今では、自分で条件を探しながら進める楽しみがありますが、完璧を求めるならリトライの準備を怠らないようにする必要があります。

裏技や小ネタ

当時のゲーム雑誌やファン同士の情報交換では、本作の裏技や小ネタも数多く共有されました。代表的なものとしては、特定のパラメータ調整で通常より早く淫乱化させる方法や、バグを利用して本来見られないテキストを引き出す方法などがあります。こうした小技は、公式に意図されたものではないにせよ、プレイヤーにとっては「裏の楽しみ」として人気がありました。

特にアリスソフト作品は、ユーザーの自由な検証や改造文化と親和性が高く、『あゆみちゃん物語』もその例外ではありません。こうした“遊び心”が攻略体験をより豊かにしていました。

攻略の最終目標 ― コンプリートの達成

本作には明確なエンディングが存在しないため、プレイヤーにとっての最終目標は「CG達成率100%」を満たすことです。すべてのシーンを解放し、達成率が100%に到達すると、あゆみ自身から「全てを見た」というメッセージが提示されます。これが一種の“裏エンディング”のような役割を果たし、プレイヤーに大きな達成感を与えました。

ただし、前述の一度きりのイベントや気絶条件などを逃すと100%には到達できないため、粘り強く挑戦し続ける姿勢が求められます。これこそが本作の「やり込み型アダルトゲーム」としての醍醐味といえるでしょう。

まとめ

『あゆみちゃん物語』の攻略は、シンプルながらも戦略性とやり込み要素が絶妙に絡み合う点に特徴があります。パラメータの管理、デートイベントの活用、アイテムの収集、そして隠しイベントや気絶条件といった特殊な要素。これらを理解してバランスよく進めていくことで、初めてコンプリートという高みに到達できます。

ただ「遊ぶ」だけではなく「攻略する」楽しさが詰め込まれていることこそ、本作が単なる成人向けタイトルに留まらず、今なお語り継がれる所以なのです。

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■ 感想や評判

発売当時のユーザーの第一印象

『あゆみちゃん物語』が発売された1993年当時、多くのプレイヤーがまず驚いたのは「こんなにストレートなコンセプトでゲームが成立するのか」という点でした。従来のアダルトゲームはシナリオ進行の合間にご褒美的にHシーンを挟む構成が一般的でしたが、本作は最初から最後まで“それだけ”に特化しています。この徹底ぶりは賛否を呼びつつも、ユーザーの強い関心を引きました。特に「すぐに遊べて、しかもバリエーション豊富」という点が高く評価され、「お手軽で濃密」という感想が多く寄せられました。

雑誌メディアでの評価

当時の美少女ゲーム雑誌「メガストア」や「TECH GIAN」などでも取り上げられ、本作は“実験的ながら新しい潮流を生み出した作品”として紹介されました。レビュー記事では、「一本道のゲーム性に物足りなさを感じる人もいるが、特定ジャンルのファンには強烈に刺さる」と分析されています。また、150枚を超える豊富なCG枚数や、達成率システムといったやり込み要素は「ユーザーのモチベーションを高める秀逸な仕掛け」として好意的に評価されました。

賛否を分けたゲームデザイン

ただし、全ての評価が肯定的だったわけではありません。「ヒロインが1人しかいないため、どうしても展開が単調に感じる」という声や、「ストーリー性が薄く、作業感が出やすい」といった不満も少なくありませんでした。特にシナリオ重視型のアドベンチャーゲームに慣れた層からは「ゲームとしての広がりが乏しい」との指摘が目立ちました。

一方で、こうした批判自体が“本作の特徴”を裏返しに語っているとも言えます。徹底的に無駄を排し、「一人の女の子との関係を追体験する」という一点に集中したからこそ、他にはない独自性を発揮できたのです。

リピーター層からの熱い支持

発売後しばらく経つと、特定のユーザー層から熱烈な支持を得るようになります。繰り返しプレイすることで新しい差分CGやイベントが開放されるシステムは「もう一回試したい」という欲求を自然に生み出し、リピーターを増やしていきました。特に「淫乱化」後のあゆみの変化に魅了されたプレイヤーからは、「同じキャラなのにまるで別人のように感じられる」「飽きが来にくい」と絶賛されています。

配布フリー化による再評価

2000年代に入り、アリスソフトが本作を「配布フリー宣言」作品に指定したことによって、再び脚光を浴びることになります。中古市場で入手困難になっていた時期に、公式が自由配布を認めたことで、当時プレイできなかった世代が一斉に触れる機会を得ました。

この再評価の流れの中で、「単純だけど今遊んでも面白い」「システムが無駄に凝っていないので逆にテンポが良い」といった感想が寄せられるようになります。また、「今の作品に慣れた目で見ると粗は多いが、時代を考えれば革新的だった」と歴史的意義を強調する声も増えました。

同人文化・ファン活動への波及

『あゆみちゃん物語』はファン活動にも大きな影響を残しました。ラッシャーヴェラク氏自身が関連同人誌を発行したほか、ユーザーによる二次創作やファンブックが登場し、「あゆみ」というキャラクター像がゲームの枠を越えて広がっていきました。ファンの中には「もし続編が完成していたら…」と想像し、独自にシナリオを考える人も少なくありませんでした。

このような熱量の高いファンコミュニティは、本作が単なる「遊び」以上の存在として受け止められていたことを示しています。

実写版に対する反応

1995年に白夜書房から発売された実写版『あゆみちゃん物語』は、原作ファンの間で大きな話題となりました。キャスティングされた木ノ内つぐみ(竹中なお)の存在感は一部で好評を博しましたが、「ゲーム版のイメージとは違う」「演出がチープ」といった批判も少なくありませんでした。それでも「アダルトゲーム原作が実写化された」という事実自体が当時としては珍しく、本作の影響力の大きさを裏付けています。

現代の視点から見た評価

近年では、アダルトゲームの研究やレトロPCゲーム愛好家の中で『あゆみちゃん物語』は「ジャンルの始祖」として再評価されています。システム的には単純ですが、「徹底的に一点に集中する」という発想が革新的であり、後続の作品に大きなインスピレーションを与えたと考えられています。

一方で、現代のプレイヤーからは「コンテンツがあまりにも直球すぎて単調」「長時間続けるのは厳しい」という率直な意見も見られます。しかし、それこそが本作の立ち位置を明確にしており、評価は二極化しながらも議論の対象になり続けています。

総括

『あゆみちゃん物語』の感想や評判は、発売当初から現在に至るまで常に賛否が入り混じっています。しかし、それこそがこの作品のユニークさを物語っています。万人受けするわけではないが、特定の層にとってはかけがえのない存在であり、アダルトゲームの歴史において避けて通れない作品。評価が割れること自体が、その存在感を裏付けているのです。

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■ 良かったところ

徹底した一点集中のゲームデザイン

『あゆみちゃん物語』の最も大きな長所は、何といっても「一人のヒロインに全てを注ぐ」という徹底したコンセプトにあります。当時のアダルトゲームの多くは、複数の女の子を攻略対象として並べ、好みのキャラクターを選ばせる形が主流でした。しかし本作は、それを潔く捨て去り、河合あゆみ一人だけにスポットを当てています。 この割り切りによって、プレイヤーは「一人の女の子との関係性に没頭する」という濃密な体験を得ることができました。他作品にはない一点突破の魅力こそ、多くのプレイヤーを引きつけた最大の要因と言えるでしょう。

豊富なCG枚数と多彩な差分

当時としては驚異的なCGの枚数も好評を博しました。およそ150枚に及ぶイラストが用意されており、それぞれに差分やバリエーションが存在します。「どうせ同じようなシーンばかりだろう」という予想を裏切り、プレイヤーは毎回新しいビジュアルを目にすることができました。 さらにCG達成率が画面上で確認できるため、コンプリートを目指す意欲が自然と高まります。やり込み要素としての完成度が高く、当時のユーザーから「長く遊べる」「繰り返し楽しめる」という評価が多く寄せられました。

パラメータシステムによる適度なゲーム性

単にCGを鑑賞するだけのソフトにとどまらなかった点も高く評価されました。興奮度・耐久力・精力・悪行値といったパラメータの存在によって、プレイヤーは毎日の行動を慎重に選ぶ必要がありました。これにより、単調になりがちなジャンルにゲーム的な緊張感が加わり、遊びごたえを生み出していたのです。 「パラメータをどう調整するか」「どこまで踏み込むか」という駆け引きが、シンプルながら奥深い楽しさを与えていました。

テンポの良さと遊びやすさ

多くのプレイヤーが口を揃えて褒めたのが、本作のテンポの良さです。一般的なアドベンチャーゲームでは、長いテキストを読み進め、ようやくイベントが発生してHシーンに入るのが常でした。それに対して『あゆみちゃん物語』は、開始直後から本題に入り込むことができる構成となっており、待ち時間のストレスがほとんどありません。 「買ってすぐに楽しめる」「短時間でも満足感がある」という気軽さは、忙しい社会人層や初心者ユーザーから高い評価を受けました。

ヒロイン「あゆみ」のキャラクター性

河合あゆみというキャラクターそのものも、好意的な感想を集めた大きな要因です。真面目で優等生的な少女でありながら、恋人である主人公の求めには従順に応じる。そのギャップがプレイヤーに強烈な印象を与えました。 また、ゲームの進行に伴って態度や反応が変化し、特定条件で淫乱化するというシステムも「あゆみの新しい一面を発見できる」と好評でした。単なるCGモデルではなく、プレイヤーの選択によって変化する“生きたキャラクター”として受け入れられたのです。

初心者でも入りやすいシンプルさ

本作のシンプルな構成は、当時アダルトゲームに初めて触れる層にとっても入りやすいものでした。複雑な謎解きや長いストーリーに煩わされることなく、直感的に楽しめる。結果として「これが初めて遊んだ美少女ゲーム」というユーザーも多く、入門編としての役割も果たしました。 さらに過激さのバランスも絶妙で、「鬼畜」と呼ばれるほどのハードさはなく、ライトな層でも抵抗なく楽しめた点も評価につながっています。

ユーザー参加型開発が生んだ親近感

ALICE-NETでのユーザー参加企画から生まれたという経緯は、ファンにとって特別な魅力となりました。「自分たちの意見が反映された作品」という実感は愛着を強め、他の作品以上に思い入れを持つプレイヤーを生み出しました。 この独自の開発背景は、商業作品でありながらコミュニティの熱を感じさせる点として、多くのユーザーに支持されました。

やり込み要素と長寿命

「明確なエンディングがない」という点は賛否両論を呼びましたが、一方で「ずっと遊べる」という長所にもなっていました。CGコンプリートを目指すやり込みや、異なるプレイスタイルでの反応変化を試すことなど、繰り返し遊ぶ動機が豊富に用意されています。 このため一度クリアした後も、自然と何度も起動してしまう中毒性があり、発売から長期間にわたって遊ばれ続けた作品となりました。

総括

『あゆみちゃん物語』の「良かったところ」を整理すると、シンプルさ・豊富なCG・遊びやすさ・キャラクターの魅力・やり込み要素など、当時のプレイヤーが欲していた要素を的確に押さえていたことが分かります。奇抜に見えて実は計算された設計が、多くのユーザーに満足感を与えました。 この作品がヒットしたのは偶然ではなく、時代に合致したデザインと、ファン心理を捉えた工夫の積み重ねの結果だったのです。

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■ 悪かったところ

エンディングが存在しないという物足りなさ

『あゆみちゃん物語』最大の弱点としてしばしば指摘されるのが、「明確なエンディングが存在しない」点です。多くのアドベンチャーゲームでは、シナリオの結末やヒロインとの未来が描かれることでプレイヤーは達成感を得ます。しかし本作では、どれだけ遊んでも「ひたすら続く日常」の繰り返しであり、結末らしい結末はありません。 もちろんコンセプト自体が“エンドレス”を狙ったものなので一概に欠点とは言えませんが、「クリアした」という区切りを求めるユーザーにとっては物足りなさが強く、批判の声も目立ちました。

シナリオ性の乏しさ

本作は徹底して「行為そのもの」に特化しているため、ドラマ性や物語性を期待すると肩透かしを食らいます。主人公とあゆみの関係は最初から恋人として確立されており、そこから大きく変化することはありません。キャラクター同士の衝突や成長、複数ルートの分岐といった要素も乏しいため、ストーリーを楽しみたい層からは「単調で深みがない」と評価されました。 「読み物としてのゲーム」を期待していたプレイヤーにとって、本作の構造はシンプルすぎたのです。

単調になりやすいゲーム進行

システム的に一定の流れを繰り返す構成は、「最初は新鮮でも途中から作業感が強くなる」という欠点を抱えていました。学校でのイベント → 体育用具室での行為 → 帰宅という一連のループは、数日間は面白くても長時間プレイすると同じことの繰り返しに見えてしまいます。 もちろんパラメータの成長やアイテム購入で新しい展開が開放されますが、そのテンポがやや遅いため「新しい刺激を得るまでに飽きてしまう」プレイヤーも少なくありませんでした。

ヒロインが一人しかいない点の賛否

一点集中という強みは、同時に弱点でもあります。対象が河合あゆみ一人しかいないため、「他のタイプのキャラクターとも関わりたかった」という声が多く寄せられました。ギャルゲー的な“誰を攻略するか”という楽しみがなく、選択肢の幅が狭いのです。 実際、続編として『さやかちゃん物語』が企画されたこと自体、この欠点を制作側も自覚していたことの証拠といえるでしょう。

CGコンプリートの難しさ

コンプリート要素が好評だった一方で、「特定条件を逃すとCG達成率100%が不可能になる」という厳しさもありました。特に序盤で一度しか発生しないイベントを取り逃すと、以後どれだけ頑張っても完全達成できません。この不親切さは多くのユーザーに不満を与え、「理不尽に感じる」という意見が雑誌レビューでも散見されました。 やり込み型の要素としては意欲的でしたが、遊びやすさの面ではやや欠点となってしまったのです。

演出や表現の粗さ

CGは豊富ながら、当時の技術的制約から色合いや画質に粗さが目立ちました。漫画原稿をスキャンしただけの絵は、当時のユーザーから「味がある」と評価される一方で、「もっと丁寧に仕上げてほしかった」という声も上がっています。 また、音楽や効果音のバリエーションも少なく、長時間プレイすると単調さが際立ってしまいました。特に淫乱化時のBGMは印象的であった反面、繰り返し聴くと耳に残りすぎて「飽きる」という感想も見られます。

他キャラクターの扱いの薄さ

登場キャラクター自体はあゆみ以外にも存在しますが、彼らはあくまで脇役であり、物語やイベントを大きく動かすことはありません。たとえば本屋の店主やおもちゃ屋の伊集院みゆきといった人物は、アイテム購入のための存在に留まり、キャラクター性を深掘りされることはありませんでした。 「せっかく面白そうなキャラがいるのに活かされていない」という指摘は、後年のレビューでも繰り返されています。

繰り返しプレイ時の作業感

CGコンプリートを目指すプレイヤーは、どうしても同じ行動を何度も繰り返す必要があります。特に終盤になると未回収のCGが少なくなり、発生条件を満たすまで延々と同じループを続けなければならない状況に陥ります。この「作業感の強さ」はプレイヤーのモチベーションを削ぎ、途中で断念するユーザーもいました。 エンドレス構造ゆえの宿命ですが、ゲームとしてのバランス調整にはもう一歩工夫が欲しかった点です。

現代から見た時のハードル

現代の視点からすると、操作性やUIの不便さも弱点として浮かび上がります。セーブ・ロードの管理が煩雑で、CG回収のために細かくセーブを分けておかなければならない点は特に初心者には不親切でした。 また、ストーリー性や多様なキャラクターを期待する今のユーザーには、「シンプルすぎる」「内容が直球すぎる」と感じられがちです。配布フリーで誰でも遊べるようになった現在でも、古さゆえに途中で離脱する人も少なくありません。

総括

『あゆみちゃん物語』の悪かったところを振り返ると、エンディングの不在やシナリオの希薄さ、単調になりやすい進行など、作品コンセプトゆえの弱点が多く挙げられます。しかし同時に、これらの欠点は「一点集中の潔さ」と表裏一体でもあります。 つまり、本作は明確な長所と短所を併せ持つ“尖った作品”であり、その尖り具合こそが後世まで語り継がれる理由になっているのです。

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■ 好きなキャラクター

プレイヤー人気の中心 ― 河合あゆみ

本作で最も多くの支持を集めたのは、当然ながらタイトルにも冠されているヒロイン「河合あゆみ」です。学級委員という真面目で模範的な立ち位置でありながら、恋人となった主人公には従順で、時には大胆に応える――この二面性が強烈な印象を残しました。 多くのプレイヤーは「理想の彼女像」としてあゆみを愛し、また淫乱化後の変化に強い魅力を感じました。「清楚で品行方正な少女が、状況次第で快楽に身を委ねていく」というギャップが、後の調教ゲームやヤリゲーに通じる要素として受け継がれていきます。

あゆみの従順さと献身性

プレイヤーから好意的に受け止められたのは、あゆみの従順で優しい性格です。主人公が求めれば嫌な顔をせず応じ、次第に積極性を増していく姿は「恋人に尽くす理想の彼女」というイメージを強化しました。 また、序盤の恥じらいと、中盤以降の積極的な態度の変化がドラマチックに映り、プレイヤーに「自分の行動が彼女を変化させた」という実感を与える点も人気の理由です。

淫乱化後の大胆な一面

攻略を進めてあゆみが淫乱化すると、それまでの従順で清楚なイメージが一変します。積極的に行為を求め、過激なプレイにも喜んで応じるようになるその姿は、プレイヤーに強烈なインパクトを与えました。 「同じキャラクターなのにまるで別人のようだ」という驚きや、「二つの顔を楽しめる」というお得感が、あゆみ人気を一層高めました。彼女は単なるヒロインに留まらず、変化を楽しむ対象としても評価されていたのです。

主人公・浩一の存在感

本作の主人公「浩一」もまた、一部のプレイヤーから好意的に受け止められました。性欲旺盛でやや鬼畜な一面を持ちながらも、極端な暴力性や残酷さはなく、あくまで「エロにひたすら熱心な青年」という位置づけに留まっています。 名前を変更できる仕様により、プレイヤー自身を投影しやすい点も魅力でした。「自分とあゆみが恋人になった」ような没入感を味わえるのは、この主人公のキャラクター性があったからこそです。

脇役たちのユニークな個性

あゆみ以外のキャラクターも、一部プレイヤーの記憶に残りました。たとえば本屋の店主・明日香は、メガネ美人かつグラマラスな体型で、サブキャラながら存在感を放ちました。「攻略対象だったら面白かったのに」という意見も少なくありませんでした。

また、大人のおもちゃ屋を営む伊集院みゆきは、実は男性という意外な設定を持ち、プレイヤーに強烈な印象を与えました。彼の存在は「アリスソフトらしいユーモア」として語り継がれています。

さらに、生徒会長の野村真は、突如乱入してくるショッキングな展開を担うキャラクターであり、そのインパクトの強さから「一度見たら忘れられないキャラ」と評されることもありました。

人気を支えた絵柄と演出

原画を担当したラッシャーヴェラク氏のタッチも、キャラクター人気を支える要素でした。あゆみの清楚で優等生的な雰囲気と、行為の中で見せる表情のギャップは、氏の描く独特の線と表情演出によって強調されています。 「漫画的で親しみやすいのに、エロシーンになると妙に生々しい」という評価は多く、ファンの間では「あゆみは彼の絵柄だからこそ成立したキャラ」と語られることもありました。

ファンコミュニティでの人気投票や話題

当時のパソコン通信や雑誌の読者投稿欄では、「好きなヒロインランキング」のような企画が頻繁に行われましたが、『あゆみちゃん物語』の河合あゆみは常に上位にランクインしていました。 また、彼女を題材にした二次創作や同人誌が数多く発表され、ファンの間では「さやかちゃん物語が完成していれば、あゆみと人気を二分していたかもしれない」と想像されるほどでした。

総括

『あゆみちゃん物語』に登場するキャラクターの中で、やはり最も支持されたのはヒロイン・河合あゆみでした。清楚と従順、そして淫乱化後の大胆さという多面性が、当時のプレイヤーに強烈な印象を残しました。 主人公や脇役たちも個性的で、一部では「もっと掘り下げてほしかった」という惜しむ声すら聞かれるほどです。キャラクターの魅力がこの作品の寿命を延ばし、今も語り継がれる理由となっているのは間違いありません。

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●対応パソコンによる違いなど

対応機種の全体像

『あゆみちゃん物語』は1993年にアリスソフトから発売され、当時の代表的なパソコンプラットフォームに順次展開されました。代表的な対応機種は **PC-9801シリーズ**, **FM TOWNS**, そして **X68000** などで、それぞれの環境に応じて細かな違いが存在しました。 当時のパソコンはグラフィック性能や音源、ディスク容量に大きな差があり、同じ作品でも体験の仕方が変わっていたのです。プレイヤーの中には、複数環境版を比較しながら「どの機種のあゆみが一番かわいいか」を語り合うファンも少なくありませんでした。

PC-9801版 ― 王道のスタンダード

PC-9801シリーズ向けにリリースされたバージョンは、当時最も普及していたため、多くのプレイヤーにとっての“基本形”となりました。 – **画質**:16色表示が基本で、グラデーション表現に限界がありましたが、それでもラッシャーヴェラク氏のイラストを的確に再現。ユーザーは「味のある塗り」として受け入れていました。 – **音源**:FM音源ボードに対応しており、シンプルながら印象的なBGMを奏でました。淫乱化時のBGMが特に記憶に残ったという声が多いです。 – **プレイ感**:処理速度は快適で、テキスト表示や画面切り替えにストレスは少なめ。フロッピーディスク数枚でのインストール型でした。

最も多くのユーザーに遊ばれたため、当時の攻略記事や雑誌レビューのほとんどはPC-98版を基準に語られています。

FM TOWNS版 ― CD-ROMによる豪華さ

FM TOWNS版は、CD-ROMを活用できたことから、他の機種にはない特徴を備えていました。 – **グラフィック**:256色表示に対応していたため、原画の色彩がより鮮やかに再現されました。これにより、あゆみの表情や雰囲気が格段に引き立ち、「TOWNS版のあゆみが一番可愛い」と語るファンも少なくありませんでした。 – **音楽**:CD-DA音源によるBGMが収録され、より臨場感あるサウンドを楽しめました。これによりゲーム全体の雰囲気が一層高まり、特にデートイベントなどでは「まるでドラマを見ているようだ」という感想が寄せられています。 – **収録内容**:『アリスの館CD2』にプロトタイプ版が収録されており、TOWNSユーザーは先行して触れる機会を持つことができました。これもまた、TOWNS版の特別感を高めた要因です。

ただし、当時はTOWNS本体の普及率が低く、体験できたプレイヤーは限られていました。それでも「最良の環境で遊びたい」という熱心なファンはFM TOWNS版を探し求めたのです。

X68000版 ― マニア層に愛された移植

ハード的な性能に定評のあったX68000版も存在し、こちらは「硬派なゲーマー向け」として人気を博しました。 – **表示性能**:PC-98と比較して高速な描画能力を持ち、画面切り替えやスクロールがスムーズ。CGの発色も鮮やかで、色数の多さを活かした立体的な見栄えが実現されていました。 – **操作感**:快適さでは群を抜いており、「X68K版を遊んでしまうと他の機種に戻れない」と語るユーザーもいたほどです。 – **ファン層**:本体価格が高額だったため、X68Kユーザーはゲーム好き・パソコン好きのコア層が中心。したがって評価の言葉も厳しく、「ここはもっと工夫できたはず」という細かな意見が寄せられることもありました。

プラットフォームごとのユーザー体験の差

同じゲームでありながら、どの機種で遊ぶかによって大きく印象が異なりました。PC-98版は「広く受け入れられる標準」、FM TOWNS版は「グラフィックとサウンドの豪華さ」、X68000版は「操作感と硬派さ」がそれぞれの特徴です。 当時のユーザー同士の会話では「俺の遊んだのは98版だけど、友達のTOWNS版は音楽がすごかった」といった情報交換が盛んに行われ、互いに自分の環境の良さを語り合う光景が見られました。

技術的制約がもたらした演出の違い

グラフィックの色数や音源の違いは、キャラクターの印象に直結しました。例えばPC-98版のあゆみは淡い色合いで「優等生らしい清楚さ」が強調される一方、FM TOWNS版では肌や髪の艶が鮮明になり、よりリアルな魅力を感じさせました。 音楽に関しても、FM音源のシンプルな旋律は「レトロな味わい」として懐かしまれ、CD-DAの高音質は「新世代のアダルトゲーム体験」として驚きを与えました。

互換性と入手性の問題

悪かった点としては、対応機種による互換性の壁が挙げられます。PC-98用に買ったソフトはTOWNSやX68Kでは動かず、遊びたい機種が違えば再び購入し直さなければなりませんでした。さらに、TOWNSやX68Kの本体自体が高価で普及率も低いため、「興味があっても遊べなかった」というユーザーも多かったのです。 こうした事情から、当時は「どの環境で遊んだか」によってプレイヤーの思い出が大きく変わる作品となりました。

まとめ

『あゆみちゃん物語』は、対応機種ごとに表現力や操作感に違いがあり、それぞれの環境で異なる魅力を放っていました。PC-98版は大多数のユーザーにとっての基準であり、FM TOWNS版は映像・音響面で最も豪華、X68000版はマニア層に愛される高性能移植という位置づけでした。 こうしたバリエーションが存在したことは、当時のPCゲーム文化の多様性を象徴しています。どの機種を選んでも「河合あゆみ」と過ごす体験が核にあることに変わりはなく、プラットフォームの違いすらも楽しみの一部にしていたのが、本作の特徴と言えるでしょう。

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●同時期に発売されたゲームなど

1993年前後の美少女ゲーム市場

『あゆみちゃん物語』が登場した1993年は、美少女ゲームが急速に進化を遂げていた時期でした。ハードの進歩に伴い、より高精細なグラフィックやCD-ROMを活用した音楽・音声演出が取り入れられ、ジャンルの幅も広がっていました。シナリオ重視型の大作や、マルチヒロイン攻略型の作品が増える一方で、本作のように徹底的に一点集中型のゲームも登場し、市場は多様化を見せていたのです。

★ 同級生

(エルフ / 1992年 / 8800円) 『同級生』は1992年末に発売され、1993年にかけて爆発的な人気を得た恋愛シミュレーションゲームです。夏休みの40日間を舞台に、自由な行動選択と多数のヒロインを攻略できる自由度の高さが評価されました。 『あゆみちゃん物語』が一点集中型だったのに対し、『同級生』は多人数攻略型の代表作であり、方向性の対比が鮮やかです。

★ D.P.S. 全般

(アリスソフト / 1992~1993年 / 6800円前後) アリスソフトが展開した短編アダルトアドベンチャー集。1本ごとのボリュームは小さいものの、多彩なシチュエーションを気軽に楽しめるのが特徴でした。 『あゆみちゃん物語』のような一点突破型に対し、D.P.S.シリーズは“多品種少量”を売りにしており、同社の柔軟な試みを示す作品群でした。

★ シャングリラ

(エルフ / 1993年 / 8800円) ファンタジー世界を舞台にしたアドベンチャー作品。エルフらしい重厚な世界観とストーリーが特徴で、当時のプレイヤーから「物語性に没入できる作品」と評価されました。 『あゆみちゃん物語』とは正反対に、物語を大切にする姿勢が強く、両者を遊び比べたユーザーは「アダルトゲームの方向性がいかに多様か」を実感することになりました。

★ 雫

(リーフ / 1996年 / 8800円)※参考的に近年の影響作 厳密には1996年発売ですが、1993年前後の市場に種をまいたジャンル進化の先に登場した作品として挙げる価値があります。シナリオ重視とマルチヒロイン攻略、そして心理描写の濃さが話題を呼び、のちのノベルゲーム隆盛を導きました。『あゆみちゃん物語』のシンプルさと対極にあり、両極端の進化の象徴的存在です。

★ DALK

(アリスソフト / 1992年 / 8800円) RPG要素と調教システムを融合させたアリスソフトの実験作。実は『あゆみちゃん物語』のプロトタイプ版が特典ディスクとして先行収録されたことでも知られています。つまり本作は『あゆみちゃん物語』の“前夜祭”的な位置づけを持ち、ファンにとって両者は切っても切れない関係にあります。

★ 遺作 (エルフ / 1995年 / 8800円)

1995年発売ですが、1993年前後の流れを汲む「調教型」ゲームの代表作として挙げられます。シリアスなストーリーと調教要素を融合させ、「ただHするだけのゲームでは物足りない」と感じていた層に支持されました。『あゆみちゃん物語』が「調教ジャンルの始祖」とすれば、『遺作』はそれを物語性へと進化させた後継者とも言えるでしょう。

★ ぷろすちゅーでんとG

(アリスソフト / 1994年 / 8800円) 学生生活を舞台にしたアドベンチャーで、通販特典として「あゆみちゃん」の別冊が付属したことでも話題になりました。アリスソフト自身が自社の人気キャラをクロスオーバー的に扱い始めた事例であり、ファンの間では「やはりあゆみは特別な存在」と再認識されました。

★ 痕

(リーフ / 1996年 / 8800円) これも1996年作品ですが、「恋愛ゲームにシリアスなドラマを組み込む」という流れの完成形。『あゆみちゃん物語』とは真逆の方向性ながら、同じ美少女ゲーム史の系譜において語られることが多く、比較対象としてしばしば引き合いに出されます。

市場における『あゆみちゃん物語』の位置づけ

同時期に発売された作品群と比べると、『あゆみちゃん物語』はあまりにシンプルで直球な存在です。しかし、それこそが本作の魅力であり、「多人数ヒロイン攻略型」「シナリオ重視型」と並んで、「一点集中型」という新しいジャンルを開拓しました。 市場全体の流れを振り返ると、『同級生』のような自由度重視型、『シャングリラ』のような物語重視型、そして『あゆみちゃん物語』のような一点突破型が並立し、それぞれの路線がのちの大作へとつながっていったのです。

まとめ

1993年前後は美少女ゲームが多様化し、名作が数多く登場した時代でした。その中で『あゆみちゃん物語』は、異端でありながら独自のポジションを確立し、後のジャンル形成に多大な影響を与えました。同時期の他作品と比較することで、本作の持つ革新性とユニークさがより鮮明に浮かび上がります。

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