『まんがはじめて面白塾』(1989年)(テレビアニメ)

まんがはじめて物語 DVD-BOX [ 岡まゆみ ]

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8,800 円 (税込) 送料込
評価 4.5
岡まゆみ 曽我仁彦マンガハジメテモノガタリ ディーブイディー ボックス 発売日:2019年01月11日 ダックスインターナショナル、TBS TCEDー4144 JAN:4562474196420 <キャスト> お姉さん:岡まゆみ モグタン:津賀有子 ナレーター:ロングおじさん(吉村光夫) <スタッフ..
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【製作】:ダックスインターナショナル、TBS
【アニメの放送期間】:1989年2月4日~1991年4月27日
【放送話数】:全110話
【放送局】:TBS系列
【関連会社】:童話舎

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■ 概要

1980年代から1990年代初頭にかけて、子供たちに「初めて」の出来事や文化、発明の背景を伝える教育的な番組群が数多く生まれました。その流れの中で誕生したのが、1989年2月4日から1991年4月27日までTBS系列で放送された『まんがはじめて面白塾』です。本作は、それまで放送されていた『まんがはじめて物語』シリーズの系譜を継ぐ作品であり、いわば「第5作目」にしてシリーズの締めくくりにあたる番組でした。制作を担当したのは、アニメーション制作で知られるダックスインターナショナル。系列外への配給は放送番組センターが担い、さらに厚生省中央児童福祉審議会から推薦を受けるなど、当時の子ども向け教育番組としては一定の社会的評価を得ていました。

『まんがはじめて面白塾』の特徴は、従来のシリーズと同じく「身近なものや文化の起源を分かりやすく紹介する」というコンセプトを持ちながらも、時代の空気に合わせた新しい試みが取り入れられていた点です。例えば、お姉さん役にはアイドル的な魅力を持つ森川由加里が抜擢され、これまでの「優しく導いてくれるお姉さん」というイメージから一転、よりポップで明るいキャラクターづくりが試みられました。また、シリーズの象徴ともいえるマスコットキャラクターも刷新され、モグタンの流れを汲む存在ではなく、全く新しいキャラクター「ゴン左衛門」が登場。バンソウコウを額に貼ったユーモラスな姿は、子供たちに親しみやすい一方で「従来と違う」と感じる視聴者も少なくなかったようです。

このように「新しさ」を前面に押し出したシリーズの方向転換は、当時のテレビ業界が抱えていた課題にも関係しています。80年代末はアイドル文化が全盛期を迎え、子供向け番組にも「ポップさ」や「明るさ」「華やかさ」を求める声が多くありました。その流れを意識し、従来の落ち着いた雰囲気から一歩踏み出そうとしたのが本作の挑戦だったのです。しかし、実際には視聴者の受け止め方は複雑でした。これまで長年親しまれてきた「安心感」のあるシリーズ像からの乖離は、必ずしも好意的には受け止められず、特にファミリー層からは「少し落ち着かない」という声も寄せられました。

その結果、放送開始から約半年後には大きな転換が行われます。お姉さん役の森川由加里が番組を離れ、新たに貴本亜莉紗が「オリーブ」として登場。彼女は眼鏡をかけた落ち着いた雰囲気を持ち、「お婆ちゃん子」というキャラクター設定も相まって、シリーズ初期に近い安心感を再び視聴者に届ける役割を担いました。この交代劇は、制作陣が視聴率低迷を受けて「原点回帰」を目指した象徴的な出来事といえます。

また、番組の演出面でも変化が見られました。ユカリン期(森川由加里)では、カラフルな傘を使ったワープ演出など、ビジュアル的な派手さが強調されていましたが、オリーブ期に入ると「ゴンとオリーブの、ワープでジャンプ!」という口上を合図にするなど、よりシンプルでテンポの良い演出が重視されました。こうした調整は、シリーズの持つ教育的要素を保ちながら、視聴者に安心感を与える狙いがあったと考えられます。

とはいえ、番組全体の流れとしては徐々に視聴率が下がっていきました。背景には、子供向け教育アニメというジャンルそのものが、90年代に向けてバラエティ番組や新しいアニメ作品に押されていた事情があります。娯楽性の高い番組が増えるなかで、教育的な内容を軸にした『まんがはじめて面白塾』は、徐々に居場所を失っていったのです。結果として、13年にわたって続いた「はじめて物語」シリーズは、この作品をもって幕を閉じることになりました。

最終回はシリーズの終焉を明確に告げるものではなく、ゴン左衛門とオリーブが番組終了の挨拶をする程度で淡々と幕を閉じました。そこに「シリーズが完全に終わる」という言葉は一切なく、むしろ子供たちに余計な寂しさを感じさせないように配慮された構成だったのかもしれません。その静かな終幕は、長年続いたシリーズへの一種の敬意ともいえるでしょう。

教育番組とアニメの融合という独自のスタイルを確立し、時代に合わせて変化を試みながらも、最後には「原点」の大切さを改めて示した『まんがはじめて面白塾』。その存在は、日本の子供向けテレビ史において「知識と楽しさを結びつけた先駆け的シリーズ」の最終章として、今なお記憶に残り続けています。

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■ あらすじ・ストーリー

『まんがはじめて面白塾』の物語は、一言で表すと「子どもたちが普段の生活で何気なく使っている道具や文化、遊びや食べ物が、どのようにして誕生したのかを物語仕立てで伝える」というものでした。従来の「はじめて物語」シリーズの精神を引き継ぎながらも、本作では「塾」というタイトルの通り、楽しみながら学ぶという雰囲気が強調されており、ただの説明ではなく「冒険」や「ドラマ」として描かれるのが大きな特徴でした。

物語の基本構造はシンプルです。お姉さん(初期は森川由加里=ユカリン、途中からは貴本亜莉紗=オリーブ)がゴン左衛門とともに、子どもたちが抱いた「なぜ?」という疑問をきっかけに旅へと出発します。彼らがワープによって時空を超えると、そこには「物事がはじめて生まれた時代」が広がっており、その場で起こるドラマを体験しながら視聴者に知識を伝えていく、というのが番組の流れでした。

■ 学びをドラマに変える仕組み

たとえば「パンはどうやってできたの?」というテーマの回があるとします。お姉さんとゴン左衛門はワープを使って古代エジプトに飛び、そこでは偶然発酵した小麦を焼いたことでパンが誕生するシーンを目撃します。ただ歴史を解説するのではなく、当時の人々の驚きや喜び、生活の変化を「まんが仕立て」で描くことで、子どもたちはストーリーを楽しみながら知識を吸収できるようになっていました。

また「電話」や「自動車」といった近代の発明を取り上げる場合も同じです。発明家が苦労しながら試行錯誤を重ね、失敗を繰り返しながら成功する姿を描くことで、「便利なものも、最初は小さな挑戦から生まれた」ということを実感できるよう工夫されていました。この「挑戦の物語」に子供たちは自然と感情移入し、「自分もやってみたい」「もっと知りたい」と思うきっかけを得られたのです。

■ ユカリン期とオリーブ期の違い

ユカリン(森川由加里)が出演していた初期のエピソードは、全体的に明るく、アイドル番組のような華やかさが加えられていました。ワープ演出もカラフルでポップ、ストーリーのテンポも軽快で、楽しさを前面に出す方向性が強かったといえます。一方、オリーブ(貴本亜莉紗)が登場してからのエピソードは、少し落ち着いた語り口に戻り、昔ながらの「学習番組らしさ」を意識した演出にシフトしていきました。

たとえば、ユカリン期では子供たちの疑問に対して「えー?そんなの面白いじゃん!」と軽快に突っ込むのに対し、オリーブ期では「それはね、おばあちゃんから聞いた話があるの」といった温かみのある導入が目立ちます。同じ「知識を伝える」スタイルでありながらも、お姉さん役の個性がストーリー展開に反映されるのは、このシリーズの面白い特徴といえるでしょう。

■ 取り上げられたテーマの幅広さ

『まんがはじめて面白塾』が扱ったテーマは多岐にわたります。食べ物や道具、スポーツや遊び、音楽や文化など、子供たちが「これはどうして生まれたの?」と疑問を抱きそうな題材が網羅されていました。

例えば「鉛筆」や「消しゴム」といった文房具の起源、「野球」や「サッカー」といったスポーツの発展史、「音楽」の始まりや「楽器」の進化、「祭り」や「正月」といった日本の伝統行事まで、幅広いジャンルを物語仕立てで紹介しました。これにより、子供たちは学校の教科書では得られない「身近な知識の物語」を楽しめるのです。

■ 子供たちが感情移入する工夫

物語には必ず「子供目線のキャラクター」が登場し、彼らが「これってどうやってできたの?」と疑問を持つことで話が始まります。その疑問にお姉さんとゴン左衛門が答える形でストーリーが展開するため、視聴者の子供たちは「自分の代わりに聞いてくれる存在」を通じて共感を覚えることができました。

また、ゴン左衛門の少しユーモラスでおっちょこちょいな性格は、ただの案内役ではなく「子供たちと一緒に驚き、失敗し、学ぶ仲間」として描かれていました。この構造が、学びを強制ではなく「一緒に楽しむ」ものへと変えていたのです。

■ 最終回に向けて

物語の最終回にあたるエピソードは特に派手な演出もなく、通常回と同じく「ある事物の起源」を紹介する形で幕を閉じました。ただし、その最後にゴン左衛門とオリーブが番組終了を告げるシーンがあり、長年続いた「はじめて物語」シリーズの締めくくりとなりました。「シリーズが終わる」と直接口にしなかったのは、子供たちに余計な寂しさを与えないための配慮と考えられています。

『まんがはじめて面白塾』のストーリーは、単なる教育番組の域を超え、子供たちに「知ることの楽しさ」を物語として伝え続けました。その姿勢は、教育的意義だけでなく、エンターテインメントとしても評価されるべき要素を数多く備えていたといえるでしょう。

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■ 登場キャラクターについて

『まんがはじめて面白塾』の大きな魅力のひとつは、物語を進行するキャラクターたちにあります。本作では「お姉さん」と「ゴン左衛門」を中心に据え、そこにナレーターが知識を補足する形でストーリーを形作っていました。従来の「はじめて物語」シリーズと同様に、キャラクター同士の掛け合いや個性の違いが、番組に独特のテンポと温かみを生み出していたのです。ここでは、それぞれのキャラクターの特徴や、視聴者からの印象について詳しく見ていきましょう。

■ 森川由加里(ユカリン)

本作初期に登場したお姉さん役が、歌手・タレントとしても活動していた森川由加里です。シリーズの歴代お姉さんたちが持っていた「優しく落ち着いたお姉さん像」とは異なり、ユカリンはとても明るく、時にお転婆で、口調もはきはきとしていました。視聴者からすると「頼れるお姉さん」というより「元気なお姉さん」「ちょっと年上のお姉さん的存在」として映っていたのではないでしょうか。

ユカリンの最大の特徴は、そのテンションの高さです。ときにゴン左衛門をからかったり、逆にゴンにたしなめられたりと、掛け合いのテンポが非常に軽快でした。特に高所恐怖症という設定があり、歴史の旅の途中で「きゃー!」と大げさに叫ぶ姿は、子供たちにとって親しみやすいポイントでした。

しかし、従来のシリーズの雰囲気からすると「少し元気すぎる」「落ち着きが足りない」と受け取られることもあり、結果として放送半年で交代が行われたのは、このユカリンのキャラクター性が賛否両論を呼んだからともいえます。

■ 貴本亜莉紗(オリーブ)

第35回から登場したのが、新たなお姉さん「オリーブ」です。貴本亜莉紗が演じたこのキャラクターは、ユカリンとは対照的に落ち着きがあり、優しさと知的な雰囲気を兼ね備えていました。さらに、歴代お姉さんの中では唯一「眼鏡をかけたキャラクター」として設定されており、その知的なビジュアルも印象的でした。

オリーブは「おばあちゃん子」という設定を持ち、昔話を聞かせてもらうように、物語を語る際に温かみが感じられるのが特徴でした。ユカリン期が「元気で突っ走る」スタイルだとすれば、オリーブ期は「一歩引いて見守る」スタイル。ゴン左衛門の暴走や子供たちの疑問を優しく受け止め、丁寧に答えていく姿に、安心感を覚えた視聴者も多かったのではないでしょうか。

また、髪型が特徴的で「ミッキー頭」と呼ばれるツインテール風の髪型をほぼ全編で貫いたことも話題となりました。ポップさを維持しつつも、落ち着いたお姉さん像を描いた点が、彼女の人気につながっていったといえます。

■ ゴン左衛門

番組のマスコットキャラクターであり、ストーリーを盛り上げる存在が「ゴン左衛門」です。声を担当したのは伊東みやこ。右のおでこに大きなバンソウコウを貼っている姿が印象的で、ユニークなビジュアルは一度見たら忘れられないものでした。

彼の役割は、物語を進行する案内役でありながら、おどけたり失敗したりする「子供の友達」のような立ち位置でもあります。ユカリンと組んでいた時は、少し突っ込み役のようなサバサバした性格を見せ、彼女の元気すぎる行動をフォローする役割を担っていました。一方、オリーブ期になると「一緒に考える相棒」としての色が濃くなり、二人で力を合わせて歴史を旅する構図が定着していきました。

特にワープ演出はゴン左衛門の見せ場でした。ユカリン期ではカラフルな傘を取り出し、それを回すことで時空移動するという演出が使われましたが、オリーブ期では「ゴンと、オリーブの、ワープでジャンプ!」という合言葉が定番化し、子供たちが一緒に真似するフレーズとなりました。この掛け声は、放送当時の子供たちに強い印象を残した名場面の一つといえるでしょう。

■ ナレーター(桝井論平)

もう一人欠かせない存在が、ナレーターです。声を担当したのは当時TBSアナウンサーの桝井論平。番組における「知識の補足」を担う存在であり、物語をテンポよく進行させながらも、必要な部分で歴史的背景や事実をしっかりと説明してくれました。

お姉さんやゴン左衛門の掛け合いはどうしても軽妙でコミカルに傾きがちですが、その流れを引き締めるのがナレーションの役割でした。桝井の落ち着いた語り口は、子供たちだけでなく親世代にも安心感を与え、番組が「教育的価値のある作品」として評価される大きな要因になっていたといえます。

■ 視聴者からの印象

視聴者から寄せられた感想を見ると、「ユカリンは元気で面白かった」「オリーブは落ち着いていて安心できた」と、お姉さん二人のキャラクター性の違いが強く記憶されていることが分かります。また、ゴン左衛門のユーモラスな姿や、ワープの掛け声は、当時の子供たちにとって遊びの一部になっていたという声も多く聞かれます。

結果的に「お姉さん交代」という大きな変化があったことで、番組は二つの異なる雰囲気を持つ作品として記憶されることになりました。これは、長年続いた「はじめて物語」シリーズの中でも『まんがはじめて面白塾』ならではの特徴であり、視聴者にとって語り草となるポイントでもあります。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

『まんがはじめて面白塾』を語る上で欠かせないのが音楽の存在です。子供向け番組として教育的な内容を扱いながらも、番組は常にポップで楽しい雰囲気を大切にしており、その空気を支えたのが主題歌やエンディングテーマでした。音楽は番組の第一印象を形づくる大きな要素であり、視聴者にとっては物語の内容と同じくらい記憶に残る要素でもあったのです。

■ オープニングテーマ

番組開始から第34回まで使用されたのは、森川由加里が歌う 「あなたらしく」 です。作詞は森浩美、作曲は高槻真裕、編曲は森村献という布陣で制作され、軽快なリズムと明るいメロディが特徴の楽曲でした。この曲は、ユカリン自身が番組のお姉さん役を演じていた時期の雰囲気と強く結びついています。元気いっぱいでポップなお姉さん像をそのまま音楽に落とし込んだような楽曲であり、歌詞にも「自分らしさを大切にしよう」というメッセージが込められていました。これが子供たちにとって番組を楽しむ上での導入となり、「これから面白い旅が始まる」というワクワク感を盛り上げていたのです。

第35回以降、オリーブの登場とともにオープニング曲は 「知らないおばけはでてこない」 に変更されました。作詞はアメリカのソングライター L RUSSELL BROWN の原詞を秋元康が訳詞し、作曲はIrwin Levine、編曲は鶴由雄、歌は当時活動していたグループ BANANA が担当しました。この楽曲はユカリン期の明るいポップ路線からさらに一歩進んだ「軽快さ」と「ユーモア」を感じさせる曲調で、オリーブ期の落ち着いた雰囲気を補うように、番組全体を盛り上げる役割を果たしました。子供たちが思わず一緒に口ずさみたくなるフレーズが多く、オープニングアニメーションと相まって番組の象徴的存在となりました。

■ エンディングテーマ

エンディング曲も番組の雰囲気を大きく左右しました。ユカリン期のエンディングは森川由加里が歌う 「DEAR FRIEND」。こちらも森浩美作詞、森村献が作曲・編曲を担当した作品で、オープニング「あなたらしく」と対になっている印象がありました。アップテンポなオープニングに対して、エンディングは少し落ち着いた曲調で、視聴者に「今日も一緒に学んだね」という安心感を与えるものでした。

一方、オリーブ期に入るとエンディングは 「がんばれ!」 に変わります。こちらはPAT VALANDO、CARLOS RIGVAL、RONNIE CARSONらが手掛けた楽曲で、秋元康が訳詞を担当、歌唱はオープニング同様 BANANA。明るく前向きなメッセージ性が強調された歌で、聴く人にエネルギーを与えるようなパワフルな曲調が特徴でした。番組の最後に流れることで「明日も元気に過ごそう」という気持ちを自然と持たせてくれるエンディングソングとなりました。

■ 挿入歌やキャラクターソング

『まんがはじめて面白塾』は主題歌やエンディングテーマがメインでしたが、エピソードによっては場面転換やコメディ調の演出で短い音楽フレーズが使用されることもありました。たとえばゴン左衛門がドジを踏んだ時に流れる軽快なBGMや、ワープの際に使われる独特の効果音入り音楽など、耳に残る要素が散りばめられていました。

シリーズ全体を通してみると、「キャラクター自身が歌うキャラソン」のような展開は多くありませんでしたが、ユカリン自身が歌手であったため、彼女の歌唱力を活かした演出が随所に盛り込まれていたのが特徴です。特に「あなたらしく」や「DEAR FRIEND」は、彼女の存在そのものを強調する意味合いもあり、ユカリン期の番組イメージを決定づけた楽曲群といえます。

■ 視聴者の思い出と音楽の影響

当時の子供たちにとって、これらの主題歌やエンディングは単なるアニメソング以上の存在でした。学校で友達と一緒に「知らないおばけはでてこない」を口ずさんだり、ワープの掛け声とセットでリズムを真似したりと、日常生活に自然と溶け込んでいたのです。

また、成長してからも「子供の頃に聴いたあの曲をもう一度聴きたい」と感じる人が多く、近年でも懐かしのアニメソングを特集する番組やイベントで取り上げられることがあります。音楽が当時の記憶を鮮やかに呼び起こすきっかけとなり、『まんがはじめて面白塾』を忘れられない作品にしているのです。

■ 音楽の意義

教育番組であると同時にアニメでもある本作において、音楽は「楽しさ」と「親しみやすさ」を与える重要な要素でした。もし学習的な要素だけであれば堅苦しくなりがちですが、ポップで元気な楽曲が流れることで「勉強も面白い」と感じられる雰囲気を演出していました。こうした楽曲の力が、シリーズが長年続いた理由のひとつだったといえるでしょう。

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■ 声優について

『まんがはじめて面白塾』は「お姉さん」と「マスコットキャラクター」という実写とアニメ要素が混ざった番組構成でした。その中でアニメーション部分やキャラクターに命を吹き込んだのが声優陣です。声優たちの演技は、教育的な内容を子供たちに分かりやすく、かつ楽しく伝えるために欠かせない要素であり、番組の雰囲気を決定づける大きな要因となっていました。

■ ゴン左衛門役:伊東みやこ

マスコットキャラクターであるゴン左衛門の声を担当したのは、声優の 伊東みやこ。ゴン左衛門はおどけた姿とユーモラスな仕草が特徴的なキャラクターで、子供たちに親しみを持ってもらうためには、単なる解説役以上の「遊び心」が必要でした。伊東の演技は、その点を絶妙に表現していました。

彼女の声は高めで柔らかく、少し鼻にかかった愛嬌のあるトーンで、ゴン左衛門の「愉快さ」「優しさ」「ドジっぽさ」を同時に体現していました。特に「ワープでジャンプ!」の掛け声では、子供たちが一緒に真似をしたくなるようなリズム感と明るさを持っており、まさに番組を象徴する声のひとつとなりました。

また、ユカリン期とオリーブ期での演じ分けも印象的です。ユカリンと組んでいた頃はツッコミ役として「もう、しょうがないなあ」と軽く突っ込みを入れる場面が多く、サバサバした相棒の雰囲気を醸し出していました。一方、オリーブと組んでからは少し落ち着いた相棒役へと変化し、一緒に考えたり励ましたりする要素が強くなりました。伊東はその変化を声のニュアンスで巧みに表現し、長期にわたる番組の雰囲気の変化を支えていたのです。

■ ナレーション:桝井論平

ナレーターを務めたのは、当時TBSアナウンサーとして活躍していた 桝井論平 です。アニメ番組においてアナウンサーがナレーションを担当するのは珍しいわけではありませんが、本作のように教育要素が強い作品では特に「落ち着き」と「信頼感」が求められました。桝井の声は低めで安定感があり、淡々としつつも温かみを感じさせる語り口で、視聴者に安心感を与えていました。

お姉さんやゴン左衛門がコミカルに掛け合う中、桝井のナレーションが入ることで物語は一気に引き締まり、「今伝えたい知識はここです」とはっきり示すことができていました。このバランスがあったからこそ、番組は教育番組としても、エンターテインメントとしても成立していたのです。

■ 歴代お姉さんとの関わり

本作では、実写出演者である「お姉さん」たちが番組の顔であり、その存在感が非常に大きかったため、アニメキャラクターや声優は時に引き立て役に回ることもありました。しかし、声優陣は「お姉さん」とのやり取りを自然に見せるために工夫を凝らしていました。

たとえば、伊東みやこのゴン左衛門は、ユカリンが元気すぎて突っ走ると「ちょっと待ってよ!」と声を張り、オリーブが真面目に語る時は「そうだよね」と共感を示す。声のトーンやテンポを相手に合わせることで、視聴者には「実際にその場に一緒にいるキャラクター」として受け止められるようになっていました。こうした自然なやり取りは、声優の演技力によって支えられていたといえるでしょう。

■ 声優の重要性

『まんがはじめて面白塾』のような教育番組において、声優の役割はアニメ作品以上に大きな意味を持ちます。それは、声が「学びを楽しくするか、退屈にするか」を左右するからです。単に知識を伝えるだけなら堅苦しくなりがちですが、ゴン左衛門の軽妙な声やナレーションの落ち着いた声があることで、子供たちは「難しいことを学んでいる」という意識をせずに楽しめるのです。

視聴者の中には「ゴン左衛門の声を聞くと、あの時代を思い出す」という人も多く、声優の演技がいかに番組体験と強く結びついているかがわかります。

■ 視聴者からの印象

放送当時の子供たちからは「ゴン左衛門の声が可愛かった」「掛け声が耳に残っている」「ナレーションの声が落ち着いていて安心できた」といった感想が多く寄せられています。声優たちは子供たちにとって「知識を届ける先生」であると同時に、「一緒に笑ってくれる友達」でもあったのです。

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■ 視聴者の感想

『まんがはじめて面白塾』は1989年から1991年にかけて放送された作品ですが、その時代をリアルタイムで観ていた子供たちや親世代、そして後に振り返る形で作品を知った人々の間で、多様な感想や思い出が語られています。ここでは、番組を実際に体験した視聴者の声や印象に残った部分を整理しながら、作品の受け止められ方を掘り下げていきます。

■ 子供たちの感想

放送当時、ターゲットであった小学生たちにとって、この番組は「勉強が遊びに変わる時間」として強く記憶されています。
「学校で習う歴史や発明の話は難しいけど、この番組だと面白い話みたいで覚えやすかった」
「ゴン左衛門の『ワープでジャンプ!』の掛け声を友達と真似して遊んでいた」
といった声が多く残っています。

特に、普段の生活に身近な題材を扱った回は人気が高く、例えば「チョコレートの歴史」や「野球の始まり」などは、次の日の学校で友達同士が「知ってる?」と話題にするきっかけになったそうです。子供たちにとって、番組はただの娯楽ではなく「豆知識を仕入れる場所」としても機能していたのです。

■ 親世代の感想

一方で、一緒に番組を見ていた親たちからは「安心して子供に見せられる番組だった」という感想が多く聞かれます。教育的要素が強く、厚生省の推薦番組でもあったため、学習番組としての信頼感があったのです。

また、「昔のことを自分も知らなかったから、子供と一緒に勉強できた」という声もあります。大人にとっても新鮮な知識が盛り込まれていたため、家族そろって楽しめる番組として評価されていました。特に日曜の朝や土曜の時間帯に家族で見る習慣があった家庭では、教育番組でありながら「一家団らんのひととき」を彩る存在だったともいえるでしょう。

■ ユカリン期とオリーブ期の評価

視聴者の感想を集めると、やはり「お姉さん交代」の前後で印象が大きく変わったことが分かります。

ユカリン期は「明るくて元気」「アイドルみたいで楽しい」という肯定的な声がある一方、「騒がしくて落ち着かない」と感じた視聴者もいました。特に親世代からは「教育番組としては少し軽すぎるのでは」という意見も少なからずあったようです。

それに対してオリーブ期になると「安心して見られる」「落ち着いた雰囲気に戻った」という評価が増えました。オリーブの柔らかい雰囲気と知的な印象は、親世代にも好まれやすかったようです。ただし、一部の子供からは「ユカリンの方が面白かった」と惜しむ声もあり、両者の違いは番組に二つの時代を刻み込む結果となりました。

■ ゴン左衛門とワープ演出

感想の中で特に多いのが「ゴン左衛門が可愛かった」「声が耳に残る」というものです。ドジを踏んだり、ワープの合言葉を叫んだりする姿が、子供たちの遊びや会話のネタになっていました。中には「学校で休み時間に友達と一緒に『ゴンとオリーブの、ワープでジャンプ!』とやっていた」というエピソードも少なくありません。

教育番組でありながら、ここまでキャラクター性が子供たちの遊びに浸透したのは、このシリーズならではの特徴だといえるでしょう。

■ 視聴率や終了に対する声

放送当時は、教育番組全体が徐々に人気を失いつつある時代であり、視聴率は苦戦を強いられました。しかし、当時見ていた視聴者の中には「もっと続いてほしかった」「終わるなんて思わなかった」と惜しむ声が多く残っています。特に最終回があっさりと終わったことに対して、「シリーズが終わるって言ってほしかった」という意見もあれば、「寂しさを感じさせない優しい終わり方で良かった」という意見もあり、受け止め方は人それぞれでした。

■ 現在の再評価

近年になってからは、インターネットやSNS上で「懐かしい番組」として再び話題になることがあります。視聴者は「子供の頃、この番組で初めて○○を知った」というエピソードを語り合い、「学びと楽しさを同時に届けてくれた貴重な番組だった」と振り返る声が目立ちます。DVDや動画配信などで容易に見直せる作品ではないため、「もう一度観たい」という声も少なくありません。

■ 感想のまとめ

全体として、『まんがはじめて面白塾』は「勉強嫌いな子供でも楽しめた教育番組」「親子で安心して観られる番組」としてポジティブに受け止められてきました。お姉さん交代による雰囲気の変化や、シリーズ最終作としての立場などから賛否両論もありましたが、子供時代を共に過ごした思い出として、強い印象を残したことは間違いありません。

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■ 好きな場面

『まんがはじめて面白塾』は教育番組でありながら、子供たちの記憶に強く残るユーモアや感動的なシーンが数多く存在しました。視聴者が「この場面が忘れられない」と語るポイントは多岐にわたり、それぞれに番組の魅力が凝縮されています。ここでは、ファンや当時の子供たちが特に好きだったシーンを振り返りながら、その魅力を探っていきましょう。

■ ワープシーンの名物演出

視聴者が最も強く覚えている場面のひとつが「ワープ演出」です。
ユカリン期では、カラフルな傘を取り出してユカリンが回すことで時空を飛び越える仕掛けが描かれていました。ゴン左衛門が横で慌てたり、転びそうになったりするおどけた姿とセットで、「また始まった!」とワクワクする瞬間でした。

オリーブ期になると、この演出は「ゴンと、オリーブの、ワープでジャンプ!」という合言葉へと変わり、子供たちがテレビの前で一緒に叫ぶ「参加型」のシーンとなりました。特にこの掛け声をきっかけに番組が一気に盛り上がるため、放送を見ていた世代の間では「一番真似した場面」として強く記憶されています。

■ ゴン左衛門のドジ場面

ゴン左衛門は常に番組にユーモアを与える存在で、彼のドジや失敗は子供たちにとって格好の笑いどころでした。ワープの最中に傘に引っかかって回れなかったり、説明の途中で自分の知識を間違えたりするシーンは、視聴者に「自分と同じで完璧じゃない」という安心感を与えていました。

こうしたドジ場面はただのギャグではなく、「失敗してもやり直せばいい」という前向きなメッセージを含んでおり、多くの子供たちに「学ぶことを怖がらなくていい」という印象を残しました。

■ 歴史の中の感動シーン

教育番組としての大きな魅力は、歴史や発明の瞬間を「物語」として描いていたことにあります。たとえば、火の発見を題材にした回では、原始人が初めて火を扱うことに成功し、夜を明るく照らす光に驚きと喜びを見せるシーンがありました。この場面は「便利さだけでなく、命を守る力を持った発明だった」と子供たちに実感させ、強い感動を与えました。

また、パンやチョコレートといった食べ物の「誕生秘話」が描かれる回も人気で、視聴者は「今食べているものにもこんな歴史があったんだ」と驚きを持って受け止めました。特に甘いものに憧れを持つ子供にとって、食の歴史を知るシーンは印象深い場面となったようです。

■ ユカリンとオリーブの個性が光るシーン

ユカリン期では、彼女が高所恐怖症で思わず叫ぶ場面や、ゴン左衛門に突っ込まれるシーンが印象的でした。子供たちにとっては「元気なお姉さんが自分と同じように怖がる」というギャップが面白く、笑いを誘う場面として人気がありました。

一方、オリーブ期では彼女が眼鏡をかけて真剣に歴史を語る場面や、子供の疑問に優しく応えるシーンが好評でした。とりわけ「おばあちゃんに教えてもらったの」というセリフとともに話を展開するシーンは、温かみがあり、落ち着いた雰囲気を好む視聴者から強い支持を受けました。

■ 最終回の静かな幕引き

印象的な場面として多く語られるのが最終回です。番組のラストで、ゴン左衛門とオリーブが淡々と「番組はこれで終わります」と挨拶をするシーンは、子供たちにとって意外でありながら強く記憶に残るものでした。大げさな演出や涙の別れはなく、日常の延長のように幕を閉じたことが「逆に寂しかった」という声も多く聞かれます。

一方で、「静かに終わることで、シリーズが生活の一部だったと実感できた」と前向きに受け止める視聴者もおり、このシンプルな幕引きは後世に残る名シーンのひとつといえます。

■ 子供たちの遊びに影響を与えた場面

当時の子供たちは、番組のシーンをそのまま遊びに取り入れていました。特に「ワープでジャンプ!」の掛け声を友達同士で再現したり、ゴン左衛門の真似をしてドジを演じたりするのは日常的な遊びの一部でした。こうした遊びを通じて、番組はただ「観るもの」ではなく「一緒に楽しむもの」として機能していたのです。

■ 好きな場面のまとめ

視聴者にとっての「好きな場面」は、ただの映像の記憶ではなく、その時代の生活や遊びと直結していました。ゴン左衛門のドジ、ワープの掛け声、ユカリンの元気さ、オリーブの落ち着き、そして最終回の静かな終わり方――これらは一人ひとりの思い出の中で色濃く残り、『まんがはじめて面白塾』を「知識と笑いを同時にくれた番組」として印象づけているのです。

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■ 好きなキャラクター

『まんがはじめて面白塾』は、教育と娯楽を融合させたユニークな番組でしたが、その魅力を大きく支えたのは個性豊かな登場キャラクターたちでした。視聴者はそれぞれの性格や役割に共感し、自分なりの「推しキャラ」を見つけて番組を楽しんでいました。ここでは、当時の子供や親世代から特に人気を集めたキャラクターと、その理由を詳しく紹介していきます。

■ ゴン左衛門 ― 不動の人気者

圧倒的に人気が高かったのは、やはりマスコットキャラクターの ゴン左衛門 です。額にバンソウコウを貼ったユーモラスな見た目、ちょっと抜けているけれど憎めない性格、そして「ワープでジャンプ!」という名台詞。これらは子供たちの心をつかんで離しませんでした。

子供たちの感想を集めると、「ゴンが失敗する場面が一番面白かった」「掛け声を真似して遊んでいた」「あの声が忘れられない」といった声が多く見られます。教育番組のキャラクターでありながら、単なる案内役ではなく「一緒に驚き、一緒に学ぶ存在」として描かれていたため、まるで友達のように親しまれたのです。

■ ユカリン(森川由加里) ― 明るさと元気の象徴

初期に登場したお姉さん ユカリン は、従来のシリーズに比べて格段にポップで元気なキャラクターとして描かれていました。視聴者の中には「ユカリンの明るさで番組が楽しく感じられた」という子供たちも多く、特に小学校低学年の子供から支持が厚かったようです。

彼女の特徴である高所恐怖症をネタにした場面も人気があり、「強そうに見えても怖いものがある」というギャップに共感した子供たちが少なくありません。元気いっぱいでアイドル的な華やかさを持ち、親世代にとっても「明るく子供を引っ張ってくれる存在」として印象に残ったキャラクターでした。

■ オリーブ(貴本亜莉紗) ― 安心感のある存在

第35回以降に登場したお姉さん オリーブ は、ユカリンとは正反対の魅力で人気を集めました。眼鏡をかけた知的な雰囲気と、おばあちゃん子という設定がもたらす優しさが特徴で、落ち着いて物事を説明する姿は「安心して見られる」と親世代からも好評でした。

子供たちの間でも「勉強しているみたいで落ち着いた」「優しい声が好きだった」といった感想が残っており、ユカリン派とオリーブ派に分かれて語られることもありました。特に女の子の視聴者からは「メガネが似合ってかわいい」「真面目なお姉さんが好き」と支持を集めたキャラクターです。

■ ナレーター ― 番組の「先生」的存在

表舞台には立たないものの、安定した人気を持っていたのが ナレーター(桝井論平) です。落ち着いた声で知識を補足してくれるその存在は、子供たちからすると「ちょっと怖いけど頼りになる先生」、親世代からすると「信頼できる解説者」として映っていました。

ゴン左衛門やお姉さんがふざけたり騒いだりする中で、ナレーションが入ると「ここは覚えておこう」という気持ちになれたという声も多く、教育番組としての軸を担う重要なキャラクター的存在でした。

■ キャラクター人気のまとめ

『まんがはじめて面白塾』におけるキャラクター人気は、単に「誰がかわいい」「誰が面白い」という話にとどまらず、それぞれの性格や役割が視聴者の学び方や感じ方と深く結びついていました。

笑いと親しみを与えた ゴン左衛門

元気で明るいポップさを象徴した ユカリン

落ち着きと安心感を届けた オリーブ

知識をしっかり支えた ナレーター

これらのキャラクターのバランスによって、番組は「教育」と「娯楽」の両立を実現していたのです。今でも視聴者が「あのキャラクターが好きだった」と振り返ることができるのは、それだけ強い存在感を放っていた証拠だといえるでしょう。

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■ 関連商品のまとめ

『まんがはじめて面白塾』はテレビ放送そのものが主なメディア展開でしたが、当時のアニメ・子供向け番組の例に漏れず、さまざまな関連商品が世に送り出されました。家庭での再視聴を可能にした映像ソフト、子供たちの生活を彩った文房具やホビー、さらには音楽作品や食玩まで、その広がりは多岐にわたります。ここでは、放送当時から現在にかけて確認できる関連グッズをジャンルごとに整理して紹介していきます。

■ 映像関連商品

1980年代末から90年代初頭、家庭用ビデオデッキが急速に普及していた時代背景を反映し、『まんがはじめて面白塾』も VHSテープ がリリースされました。特に初期エピソードを収録した巻は教育的価値が高く、家庭学習教材としても扱われていました。

また、マニア層向けには一部 レーザーディスク(LD) 版も発売され、コレクターズアイテムとして流通しました。さらに2000年代に入ると、過去作品を懐かしむ層をターゲットに DVD-BOX が限定発売され、全話を収録したパッケージはファンにとって宝物のような存在となりました。付属するブックレットには設定資料や制作スタッフのコメントも収録され、当時の制作現場を知る貴重な資料としても価値があります。

■ 書籍関連

『まんがはじめて面白塾』自体に原作漫画はありませんが、関連書籍は多く発行されました。代表的なのは アニメコミックス形式の書籍 で、番組映像をもとにしたフィルムコミックが教育出版社から刊行され、子供たちの副読本としても利用されました。

さらに、児童書コーナーには「はじめてシリーズ」の一環として「○○のはじめてを知ろう」といったテーマ別の解説本が並びました。イラストや番組カットを交えて分かりやすく構成されており、テレビを見られない時間でも知識を復習できるようになっていました。

アニメ雑誌でも特集が組まれることがあり、当時の『アニメディア』や『OUT』、『月刊テレビマガジン』といった誌面に番組の記事やお姉さんのグラビアが掲載されることもありました。ファンブック的な扱いで特集号を保存していた読者も少なくありません。

■ 音楽関連

番組の大きな魅力のひとつである主題歌・エンディングテーマも、当然ながら シングルレコードやCD として発売されました。ユカリン期の「あなたらしく」「DEAR FRIEND」、オリーブ期の「知らないおばけはでてこない」「がんばれ!」といった楽曲は、それぞれレコード盤・カセットテープとしてリリースされ、アイドルファンやアニメソングファンの間で人気を博しました。

特に森川由加里が歌ったオープニングとエンディングは、彼女自身の音楽活動の延長としても注目され、一般のポップソングとアニメソングの垣根を越えた作品といえます。後年には CDベスト盤 に収録されたり、アニメソングコンピレーションの一曲として再収録されたりしており、今なお懐かしさと共に聴かれ続けています。

■ ホビー・おもちゃ関連

子供たち向けのキャラクターグッズとしては、まず ぬいぐるみ や マスコット人形 が人気でした。ゴン左衛門のぬいぐるみは特に親しみやすく、部屋に飾ったり遊んだりする定番グッズとなりました。

また、文具店やおもちゃ売り場には ソフビ人形 や カプセルトイ(ガチャガチャ) として小型フィギュアが登場しました。額にバンソウコウを貼ったゴン左衛門の姿はインパクトがあり、子供たちが集めて遊ぶには十分な魅力を持っていました。

さらに、番組の内容を題材にした すごろく型のボードゲーム も発売され、歴史の「はじめて」をマス目ごとに体験できる内容は家庭での知育玩具としても利用されました。

■ 食玩・文房具・日用品

キャラクター商品として定番だったのが 文房具類。鉛筆、消しゴム、下敷き、ノート、筆箱など、学校生活で毎日使う道具にゴン左衛門やお姉さんのイラストがあしらわれていました。特に女の子向けにはラメ入りやポップな色彩のグッズも展開され、友達同士で持ち物を見せ合う楽しみがありました。

また、駄菓子屋やスーパーでは シール付きお菓子 や 消しゴムがついたガム などの食玩が販売されました。おまけのシールやカードは子供たちにとってコレクション性が高く、番組を身近に感じる手段のひとつでもありました。

■ ゲーム関連

当時はファミコン全盛期でしたが、『まんがはじめて面白塾』が家庭用ゲームソフト化されることはありませんでした。しかし、教育的な番組であったことから、ボードゲーム や クイズ形式のカードゲーム といった商品は展開されました。雑誌付録として「はじめてクイズカード」が配布されたこともあり、番組の世界観を遊びながら学べる工夫が施されていました。

■ 関連商品の意義

これらの関連商品は、単にキャラクターを楽しむためだけではなく、番組の教育的価値を家庭に持ち帰る役割も果たしていました。例えば、VHSや書籍は「学び直し」の手段となり、文房具や食玩は日常の中で「番組を思い出すきっかけ」として機能しました。こうして『まんがはじめて面白塾』は、テレビを超えて子供たちの生活に浸透していったのです。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

『まんがはじめて面白塾』は、1989年から1991年にかけて放送された教育アニメ・実写混合番組としては比較的マニアックな存在ですが、シリーズ最終作という位置づけからコレクター需要が根強く存在しています。現在、ヤフオクやメルカリなどの中古市場では、映像ソフトや音楽商品、文房具やおもちゃなど多彩な関連アイテムが取引されています。その傾向は、番組の人気だけでなく「昭和・平成初期アニメグッズのノスタルジー価値」によっても支えられています。

■ 映像関連商品の相場

もっとも高い人気を誇るのはやはり VHSテープやDVD です。

当時販売された セルVHS は、教育教材的な需要から保存されている数が限られており、現在も1本あたり 2,000~4,000円 前後で取引されるのが一般的です。

特に初回巻や最終巻といった「区切りの良い巻」はプレミアがつきやすく、美品であれば 5,000円以上 に跳ね上がるケースもあります。

2000年代に発売された DVD-BOX は現在では希少品となっており、状態が良いものであれば 15,000~25,000円 ほどの価格帯で落札される例も確認できます。ブックレットや特典映像ディスクが揃った完全版はさらに高値になりやすく、アニメファンや教育番組マニアの間で競争率の高いアイテムです。

レーザーディスク(LD)も一部で流通しており、こちらはコレクターズアイテムとしての需要が根強く、1枚あたり 3,000~6,000円 前後で取引されています。

■ 書籍・雑誌関連

当時の児童向け書籍やアニメ雑誌特集号も人気があります。

番組映像をもとにした フィルムコミック形式の書籍 は、保存状態が良いものであれば 2,000~3,500円 前後の値がつきます。

雑誌『アニメディア』や『OUT』、『テレビマガジン』の特集号は、記事やポスター目当てに購入されることが多く、1冊 1,500~2,500円 程度で取引されることが一般的です。

設定資料やキャラクター紹介を収めたムック本は希少価値が高く、5,000円前後 で落札される例もあり、研究資料としても扱われています。

■ 音楽関連

オープニング・エンディングテーマを収録した EPレコードやCD も市場で安定した需要があります。

ユカリン(森川由加里)時代の「あなたらしく」「DEAR FRIEND」シングルは、アイドル歌手としての活動と結びつくためファン層が広く、状態が良いもので 2,000~3,000円。帯付きや未開封なら 5,000円超 の値がつくこともあります。

BANANAが歌った「知らないおばけはでてこない」「がんばれ!」も、当時のレコードやカセットは比較的出品数が少なく、1,500~3,000円 で安定しています。

後年発売されたベスト盤CDやオムニバス収録盤は比較的安価(1,000~2,000円 程度)で手に入りますが、やはり当時物のレコードやシングルはコレクター心をくすぐる存在です。

■ ホビー・おもちゃ関連

マスコットキャラ・ゴン左衛門を中心に展開されたグッズも中古市場では根強い人気があります。

ぬいぐるみ は人気が高く、状態が良いものは 3,000~6,000円 で取引されます。タグ付き未使用品はさらに価値が高まり、1万円近い値 がつくこともあります。

ガチャガチャのフィギュアやソフビ人形 は単品で 1,000~2,000円 前後。フルコンプリートで出品されると 8,000円以上 になる例もあります。

すごろくやカードゲーム などの知育玩具は、箱・駒・説明書が揃った完品で 3,000~7,000円 前後。欠品がある場合は安くなりますが、希少性の高さからコレクターが狙うジャンルのひとつです。

■ 文房具・日用品・食玩

当時の文房具や食玩は「昭和レトログッズ」として近年人気が高まっています。

下敷きやノート は1枚 1,000~2,500円 前後。未使用・美品はさらに高値で落札されます。

消しゴムや鉛筆セット は、まとめ売りで 2,000~4,000円 前後。キャラクターがフルカラー印刷されたものは特に人気です。

食玩のシールやカードは希少で、コンプリートセットだと 5,000円以上 の値がつくこともあります。

■ 市場全体の傾向

『まんがはじめて面白塾』関連グッズは、アニメ作品全体の人気商品に比べると出品数は少ないですが、その分 一点物の希少性が高い のが特徴です。特に教育番組由来のアイテムは保存率が低いため、美品が出ると競り合いになりやすく、価格が高騰する傾向があります。

近年は「昭和レトロ」「平成レトロ」ブームの影響もあり、かつて子供時代に番組を見ていた世代が懐かしさから購入するケースが増えています。そのため市場価格はじわじわ上昇しており、今後さらにプレミア化が進む可能性があります。

■ 中古市場での魅力

中古市場における魅力は、単なるグッズ収集にとどまりません。それは「自分が子供の頃に触れた思い出を、手の中に取り戻せる」という体験です。VHSテープの擦れたパッケージや、使い込まれた鉛筆に刻まれたキャラクターの顔を見ると、当時の土曜の朝にテレビをつけてワクワクしていた時間が蘇るのです。

その意味で、『まんがはじめて面白塾』関連商品の中古市場は、懐かしさを形として残すための「タイムカプセル」といえるでしょう。

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