『メルラン・プリズムリバー』(東方Project)

【中古】バッジ・ビンズ メルラン・プリズムリバー(はのみどイラスト) 缶バッジ 「東方Project」

【中古】バッジ・ビンズ メルラン・プリズムリバー(はのみどイラスト) 缶バッジ 「東方Project」
590 円 (税込)
発売日 2024/11/05 メーカー キャラマ 型番 - JAN 4572603092578 備考 商品解説■東方projectのキャラを作家様に執筆頂き缶バッジにしました。【商品詳細】サイズ:約70mm×40mm素材:ブリキ・錫(C)上海アリス幻樂団 関連商品はこちらから キャラマ 
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【名前】:メルラン・プリズムリバー
【種族】:騒霊(ポルターガイスト)
【活動場所】:お祭り会場など
【二つ名】:騒霊トランペッター、心をざわつかせる騒霊三姉妹の次女
【能力】:手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力、手を使わずに楽器を演奏する程度の能力、躁の音を演奏する程度の能力

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■ 概要

プリズムリバー三姉妹の「太陽」のような存在

『メルラン・プリズムリバー』は、『東方Project』の世界観の中でも、音楽と幽霊という要素を色濃く体現しているキャラクターです。プリズムリバー三姉妹と呼ばれる幽霊楽団の次女であり、トランペットを担当する騒霊の少女として描かれています。 三姉妹の中では常にセンターに立つことが多く、ステージ上では観客の視線と熱気を一身に浴びる「花形」のポジションを任されている存在です。ライブやコンサートといった「場の空気」を盛り上げる役回りを自然と引き受けてしまう性格も相まって、彼女は幽霊楽団の顔として認識されることが多く、作品世界の中でも、ファンの間でも“陽気でにぎやかな騒霊トランぺッター”という印象が強く根付いています。

騒霊という種族と、音に宿る「躁」の力

メルランたちプリズムリバー三姉妹は、幽霊の一種である「騒霊」として設定されています。騒霊は単なる成仏できない霊ではなく、音楽や騒ぎ、にぎやかな宴席など「さわがしい場」に引き寄せられ、あるいは自ら騒ぎを作り出してしまうような存在です。メルランの能力は、有名な公式テキストの表現を借りれば「躁の音を演奏する程度の能力」とされており、彼女のトランペットから放たれる音色は、聞く者の感情を高揚させ、気分をハイテンションな方向へと導いてしまう性質を持っています。 しかも、その音は単に耳から聞こえてくる“空気の振動”としての音ではなく、「音の幽霊」として精神に直接響くとされており、ライブを目の前で聞いた者は、知らないうちに身体が揺れ、心が踊らされ、楽しいはずの宴がいつの間にか制御不能な大騒ぎへと変わってしまうことさえあります。そのため、メルランは楽しい宴会を何倍にも盛り上げてくれる一方で、やりすぎると周囲の人間や妖怪のテンションを必要以上に引き上げてしまう危険さも併せ持った、まさに“躁の音”を操る騒霊として描かれているのです。

プリズムリバー楽団と、幻想郷での立ち位置

メルランは単独で行動することもありますが、基本的にはルナサ・プリズムリバー、リリカ・プリズムリバーとともに「プリズムリバー楽団」を構成するメンバーとして描かれます。この三姉妹は、いつ現れるとも知れない気まぐれな幽霊楽団として幻想郷のあちこちでコンサートを開いており、祭りや花見、幽霊たちの集会、はたまた人里から離れた墓場でのライブなど、にぎやかで賑わいの生まれる場所であればどこにでも出没する可能性を秘めています。彼女たちの演奏は、単なるBGMや余興に留まらず、観客の精神状態に直接作用する“弾幕の一種”とも言える代物であり、静かな夜を一瞬にしてカーニバルのような騒ぎへと塗り替えてしまうほどの力を持っています。その中で、メルランはトランペットというリード楽器を担当し、明るく突き抜ける高音と、奔放なフレーズで曲全体を引っ張る役目を担うことが多く、ライブの盛り上がりを決定づける存在として描かれています。 幻想郷の住人にとって、プリズムリバー楽団の公演は「騒がしくも忘れがたい一夜」を約束してくれるイベントであり、その印象の中心にはいつも楽しげにトランペットを吹き鳴らすメルランの姿があります。

初登場作品と、シリーズ内でのポジション

メルランの初登場は、Windows版作品の中でも人気の高い弾幕シューティング『東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.』です。作中では、春の異変を追って冥界へ向かう主人公たちの前に立ちはだかるボスの一人として登場し、三姉妹による共演や、姉妹のうち二人が組んで戦うパターンなど、多彩な組み合わせでプレイヤーに弾幕を浴びせかけます。この時点で、メルランはすでに「躁の音」を武器にしたハイテンションな攻撃と、明るくもどこか不気味な幽霊楽団のムードメーカーというイメージを確立しており、楽譜や音符をモチーフにした弾幕のビジュアルも相まって、音楽と弾幕が混ざり合う独特のステージ演出の一翼を担っています。その後の作品でも、プリズムリバー三姉妹としてイベントや異変に関わったり、書籍や音楽CDのテキスト、各種二次メディアなどで言及されたりと、メインストーリーの“ど真ん中”に立つ機会は多くないものの、幻想郷の一住人として継続的に存在感を発揮し続けています。

設定面に潜む「危うさ」と愛嬌

公式の資料では、三姉妹は総じてかなり高いポテンシャルを持つ存在とされており、その中でもメルランは魔力の強さにおいて三人の中でも突出している、といった記述が見られます。 しかしその一方で、彼女はその強大な力をあくまで「楽しく騒ぐため」に使おうとする傾向があり、真面目な方向ではなくどこか遊び半分で扱ってしまう節があるため、本人の資質と潜在能力に比べると、その力が必ずしも有効活用されているとは言い難い面も持ち合わせています。この「強いが、使い道がどこかズレている」「真剣さよりも楽しさを優先してしまう」というバランスが、メルランというキャラクターに特有の危うさと愛嬌を与えており、ただの明るいムードメーカーにとどまらない奥行きを感じさせる要素になっています。また、プリズムリバー楽団は幻想郷内に多くのファンを抱えているとされ、彼女の演奏を心待ちにしている幽霊や妖怪、人間たちも少なくありません。 ファンの熱気とメルランの躁の音が共鳴し合うことで、ライブの場はさらにヒートアップし、時にはコンサートそのものが小さな異変とも言える混沌状態に発展してしまうことさえある――そんな「楽しくて危ない宴」を象徴する存在として、メルランは東方世界の中で独自のポジションを占めていると言えるでしょう。

ファンから見たメルラン像の入り口として

このように、メルラン・プリズムリバーは「明るい騒霊トランぺッター」という表面的なキャッチーさの裏側に、騒霊としての特異な能力設定や、プリズムリバー楽団というユニークなユニットの一員であること、そして強大な力を“遊び心”とともに扱う危うさなど、多くの要素が折り重なったキャラクターです。シリーズ内では決して出番が突出して多いわけではありませんが、その明るく軽やかなイメージと、設定面の奥深さ、そして幽霊楽団というグループ全体の物語性も手伝って、コアなファンから根強い支持を受け続けています。 ここまでに触れてきた概要は、メルランというキャラクターの入り口にすぎず、彼女の魅力は、容姿や性格、能力やスペルカード、人間関係や二次創作での解釈など、多角的な視点から掘り下げていくことで、さらに立体的に見えてきます。次の章では、その中でも特に印象に残りやすい「容姿・性格」に焦点を当て、作品ごとの違いや、ファンの間で語られてきたイメージを交えながら詳しく見ていきます。

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■ 容姿・性格

明るい金髪と青いドレスが目を引く舞台映えするデザイン

メルラン・プリズムリバーの容姿は、プリズムリバー三姉妹の中でもひときわ「ステージ映え」を意識したデザインになっており、ひと目見ただけで賑やかで陽気な雰囲気が伝わってくるのが特徴です。ふんわりと広がった金色の髪は、演奏中に大きく揺れ動き、観客の視線を自然と彼女に集中させます。髪型は作品によって描き方に差はあるものの、基本的にはショート寄りで跳ねたシルエットが多く、カールのかかり具合やボリューム感が「元気さ」「自由奔放さ」を視覚的に表現しています。衣装は青系統のカラーリングを基調としたドレスで、ややクラシカルなドレスに帽子やリボンが組み合わさることで、幽霊でありながらどこか陽気な行商人や旅芸人のようなイメージも感じさせます。スカートの裾は演奏時に広がるようなデザインが多く、トランペットを構えたポーズと合わせて、まさに「動いてこそ完成する」ライブ仕様の衣装と言えるでしょう。また、全体の配色も青・白・金髪というコントラストがはっきりしており、画面上で弾幕と混ざってもキャラクターが埋もれないように工夫されています。

表情は常にハイテンション、笑顔がデフォルトの騒霊

性格面を象徴するのが、その表情です。メルランの立ち絵やイラストの多くでは、口を大きく開けた笑顔や、にやりと楽しげに笑うカットが多く、笑顔が「標準表情」と言ってもいいほどです。目元もぱっちりと開かれていることが多く、瞳の描き方も好奇心と期待でキラキラしているようなタッチで表現されることが多いため、画面越しでもテンションの高さが伝わってきます。怒った顔や真剣な表情が描かれることは少なく、たとえ戦闘中であっても、彼女にとっては戦いそのものが一種のショーであり、お祭りの延長線上であるかのようなノリが感じられます。敵として対峙するプレイヤー側から見ると、緊迫した弾幕戦の最中にも楽しそうな笑顔を崩さない姿は、単純に明るいというだけでなく、「危ういほどのハイテンション」を象徴する表現としても機能しています。笑ってはいるものの、その笑顔の奥には、感情の振れ幅が常に高い位置に固定されているような異質さや、騒霊としての本質が垣間見えるのです。

ルナサと対照的な「躁」としての性格付け

メルランの性格を語る上で欠かせないのが、長女ルナサとの対比です。ルナサは憂鬱や沈静、落ち着きといった「鬱」を象徴するキャラクターとして描かれているのに対し、メルランはその正反対で、陽気・前向き・テンションの高さといった「躁」の側面を司っています。同じ幽霊楽団の一員でありながら、精神のベクトルが正反対に振り切れているというコントラストが、三姉妹のドラマ性や楽団としての面白さを大きく引き上げています。メルランは、沈みがちなムードや重苦しい空気を本能的に嫌い、見かければすぐさまトランペットを構えて場を明るくしようとします。そのため、周囲から「場の空気を読まない」と見られることもあるでしょうが、本人としてはあくまで「みんなが楽しくなればOK」という善意100%で動いているケースが多く、空回りしてもあまり反省しません。仮に騒ぎすぎて場が収拾のつかない状態になっても、「楽しかったからいいよね」と笑ってしまうようなところがあり、その無邪気さが彼女の魅力であると同時に、周囲のキャラクターを振り回す要因にもなっています。

自由奔放で楽天的、細かいことは気にしない性格

メルランの行動原理はきわめてシンプルで、「楽しそうかどうか」「面白そうかどうか」が最優先になります。計画を立てて慎重に物事を進めるタイプではなく、思いついたらすぐ行動に移すフットワークの軽さが特徴です。ライブの場所選びにしても、「ここで演奏したら面白そう」「この景色なら絶対盛り上がる」と思えば、たとえそこが冥界の墓地であろうと、人里近くの迷惑になりそうな場所であろうと、あまり深く考えずにステージにしてしまいます。細かい段取りや調整はリリカに任せてしまうことも多く、自分はただ全力で楽しむことに集中する――という役割分担が暗黙のうちに出来上がっている印象です。怒られてもケロッとしている楽天家ぶりも健在で、ルナサに「やりすぎだ」とたしなめられても、「でもお客さん楽しそうだったよ?」と悪びれることなく笑い飛ばしてしまいがちです。この「気にしなさ」が、彼女を精神的にタフなキャラクターとしても際立たせており、トラブルや失敗をいつまでも引きずらないメンタルの強さがうかがえます。

作品ごとに見える微妙なニュアンスの違い

各種作品におけるメルランの描写を見比べると、おおまかな性格は一貫しているものの、媒体ごとにニュアンスの違いが見て取れます。弾幕シューティング本編では、会話のテキスト量が限られていることもあり、短いセリフや掛け合いの中で「ノリの良さ」「陽気さ」「いたずらっぽさ」が強調されます。プレイヤーに対する挑発もどこか楽しげで、「本気で怒っている」というよりは「遊びの延長としての勝負」を持ちかけているような雰囲気が濃厚です。一方、書籍や設定テキストなど、文字情報が多い媒体では、彼女のハイテンションさが周囲に与える影響や、ルナサとの関係性など、少し踏み込んだ描写が行われることもあり、単なる陽気な騒霊を越えた奥行きが感じられます。また、ファンアートや二次創作では、テンションの高さはそのままに「姉妹思いな一面」や「ステージ袖でちょっと緊張している姿」など、公式では見せない繊細な感情が描かれることも多く、そのギャップがメルランの新たな魅力として受け止められています。

動きや仕草に宿る「音楽家らしさ」

トランペット奏者としてのメルランは、立ち姿やポーズにも音楽家らしいこだわりが感じられます。片足を軽く上げながらリズムに乗る仕草や、身体全体でビートを刻むようなポーズは、単に楽器を持っているだけのキャラクターではなく、「音楽とともに生きている存在」であることを視覚的に強調しています。演奏中には帽子やスカートが大きく翻り、髪が跳ね、弾幕演出と合わさって視覚的なライブパフォーマンスとして成立するよう構成されています。こうした仕草の一つ一つが、「音を操る騒霊」という設定を支える重要なパーツであり、彼女の性格――楽しさのためなら全力で身体を動かすことを惜しまない――とも見事にリンクしています。舞台の上で汗をかくことも、声を張り上げることもいとわない、“体ごと音楽になる”タイプの演奏者としてのイメージが、メルランの容姿やモーションの隅々にまで埋め込まれていると言えるでしょう。

幽霊でありながら「生者以上に生き生きしている」印象

最後に、容姿と性格を総合した印象として語られることが多いのが、「幽霊なのに誰よりも生き生きしている」という評価です。透き通った存在であるはずの幽霊が、色彩豊かな衣装を身にまとい、絶え間ない笑顔と身振り手振りで観客を煽る姿は、逆説的に「生きていることの喜び」を体現しているようにも見えます。生死の境界を越えたところにいるからこそ、細かな心配や将来への不安から解放され、「今この瞬間をめいっぱい楽しむ」ことに全力を注いでいる――そんな哲学的な読み取りをするファンも少なくありません。メルランの明るさは、単なる能天気さではなく、「どうせなら楽しく騒いでいたい」という確固としたスタンスの表れであり、その姿勢が、彼女の見た目と性格を通じて、プレイヤーや読者の心に強く刻み込まれているのです。

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■ 二つ名・能力・スペルカード

二つ名「騒霊トランペッター」が示すもの

メルランの二つ名として公式に与えられているのが「騒霊トランペッター」です。 まず「騒霊」という言葉には、単なる幽霊ではなく、騒ぎや音と強く結びついたポルターガイスト的存在というニュアンスがあります。物音を立てたり、勝手に楽器を鳴らしたりする、いわば“音の怪異”としての側面が含まれているわけです。そこに「トランペッター」という職能が重なることで、メルランは「音楽によって騒ぎそのものを生み出す幽霊の演奏家」という、非常に分かりやすいキャラクター性を獲得しています。この二つ名は『妖々夢』で初めて提示され、プリズムリバー三姉妹の中でメルランが担う役割――すなわち、ステージ上で最も派手に、最も目立つかたちで観客を煽る花形プレイヤー――を端的に言い表したものだと言えるでしょう。後年の資料や外部作品でもこの呼び名は踏襲されており、ファンの間でも「騒霊トランペッター=メルラン」という対応は完全に定着しています。

能力「躁の音を演奏する程度の能力」―テンションを直接いじる力

メルラン固有の能力として挙げられるのが、「躁の音を演奏する程度の能力」です。 ここでいう「躁」とは、医学用語としても使われる、気分が過剰に高揚した状態を指します。彼女の音色はまさにその“躁状態”を引き起こす性質を持っており、演奏を聴いた者は気分が一気に明るくなり、妙なハイテンションに包まれてしまうのです。短時間であれば、落ち込んだ気分を一気に吹き飛ばしてくれる良薬のように働きますが、あまりに長時間浴び続けると、必要以上に攻撃的・活動的になってしまう危険性もあるとされています。 この能力は、ルナサの鬱の音が「沈静化・落ち込み」をもたらすのと対になる性質であり、リリカの幻想の音を加えた三重奏によって、観客のテンションが極端に振れ過ぎないように調整される、という設定も語られています。三人の音がそろうことで、躁と鬱、現実と幻想が絶妙なバランスで混ざり合う――プリズムリバー楽団の魔力は、まさにこの「音による感情操作の合奏」によって生まれているわけです。

もう一つの能力「手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力」

メルランにはもう一つ、「手足を使わずに楽器を演奏する程度の能力」という記述も存在します。 これはポルターガイストとしての本質――物体を直接触れずに動かす力――が、音楽家としての活動に特化した形で現れたものだと解釈できます。彼女たち三姉妹は、楽器そのものだけでなく、音符や音の精霊のような存在を自在に操ることができ、その結果、人間では不可能な速度や構成の演奏を行うことが可能になっています。現実のトランぺッターであれば息継ぎが必要な長大なフレーズや、指が追いつかないような跳躍も、騒霊であるメルランにとっては大した問題ではありません。霊力によって楽器や音を直接制御しているため、彼女の演奏は常に人間離れした迫力と密度を持ち、弾幕としての攻撃にも直結しています。また、“手を使わずに演奏できる”という特性は、弾幕ごっこでの動きにおいても重要です。両手が自由であることは、トランペットを吹きながら自在に飛び回り、ポーズを決め、観客を煽る仕草をする余裕を生み出します。その見た目の派手さ、ステージパフォーマンスとしての完成度もまた、メルランの二つ名や能力によって支えられていると言えるでしょう。

『妖々夢』での代表的スペルカード―管霊と冥管

弾幕シューティングとしての『東方妖々夢』において、メルランは主にトランペットと管楽器の霊をテーマにしたスペルカードを使用します。代表的なものが「管霊『ヒノファンタズム』」と「冥管『ゴーストクリフォード』」の二系統です。 「ヒノファンタズム」は、ジャズトランペットの巨匠を思わせる名前を冠したスペルで、大きな波のようにうねる弾幕が画面を覆い尽くすのが特徴です。プレイヤー側から見ると、広がる音の波の合間を縫うようにして避けるパターンが要求され、メルランのハイテンションな音がそのまま“押し寄せる楽しさと圧力”として可視化されたような攻撃になっています。一方、「ゴーストクリフォード」系統は、より鋭く狙いすました弾が多く、一定のリズムで押し寄せる音符弾と、狙い撃ちのようなストリーミング弾が組み合わさった構成です。 こちらは、音楽的にはアドリブソロのように自由奔放でありながら、プレイ上は“流れに乗って避けなければ一気に押しつぶされる”タイプのスペルであり、メルランの能力である躁の音――気分を上げさせながらも、油断すると飲み込まれてしまう危うさ――をよく表現したデザインになっています。

『花映塚』での騒符系スペルカード

対戦型弾幕STG『東方花映塚』では、メルランはプレイアブルキャラクターとして登場し、「騒符『ソウルゴーハッピー』」「騒符『メルラン・ハッピーライブ』」といったスペルカードを使用します。 ここで注目したいのは、スペル名に共通して「騒符」という冠が付けられている点です。これは彼女が“騒霊トランペッター”であることを前面に押し出したカテゴリであり、花々が咲き乱れる異変のさなか、騒ぎをさらに加速させる役目を担っていることが表現されています。「ソウルゴーハッピー」は、魂を直接ハッピーにするかのようなタイトルどおり、画面上に大量の音符弾や爆発的な弾幕を発生させ、相手フィールドを一気に混沌とした状態へ追い込むスペルです。「ハッピーライブ」の方は、ライブ本番のテンションをそのまま弾幕に変えたような構成で、視覚的にも派手なエフェクトや連続した音符弾が印象に残ります。対戦ゲームという性質上、これらのスペルは「相手のリズムを崩す」「精神的なプレッシャーを与える」といった役割も担っており、まさに“躁の音による妨害”というメルランの能力が、ゲームシステムと直結する形で活かされています。

合葬系スペルと三姉妹アンサンブルの中での役割

『妖々夢』のステージ終盤では、三姉妹がそろって使用する合葬系スペルカード「プリズムコンチェルト」「スティジャンリバーサイド」「霊車コンチェルトグロッソ」などが展開されます。 これらのスペルは三人の連名で発動されるもので、画面いっぱいに広がる弾幕が、まるで大規模なオーケストラの演奏を視覚的に再現したかのような壮大さを持っています。この中でメルランは、金管パートとして、音楽的にも弾幕的にも“前へ出る”役割を担っています。ルナサの弦楽器が重厚で陰りのある和音を支え、リリカの鍵盤が幻想的で複雑なハーモニーを彩る中、メルランは突き抜けるような高音とリズミカルなフレーズを担当し、スペル全体の印象を明るい方向へ引き上げています。弾幕の挙動を見ても、彼女に由来するパートは、直線的で勢いのある波状攻撃や、観客(=プレイヤー)に向かってまっすぐ飛び込んでくるような弾が多く、ソロスペルで見られた「波のように押し寄せる躁の音」のイメージが、さらに大規模なスケールで再構成されているのが分かります。合葬系スペルは、三姉妹の物語や設定と密接に結びついた象徴的な攻撃でもあり、メルランにとっては「姉妹とともに一つの大曲を作り上げる」という、騒霊アーティストとしての存在意義を体現する瞬間だと言えるでしょう。

ゲームプレイ面から見たスペルの特徴とイメージ

プレイヤー視点でメルランのスペルカードを振り返ると、その多くが“波”や“流れ”を意識した構成になっていることに気づきます。『妖々夢』のスペル解説でも、彼女の攻撃は「波のように押し寄せる」「流れてくる弾幕を掻い潜る」といったニュアンスで語られており、 ひとつひとつの弾はそこまで極端に高速ではなくとも、リズムを外すと一気に追い詰められるタイプのパターンが多めです。これは、ジャズやブラスバンドのリズムに乗り遅れると途端に演奏全体が崩れてしまうのに似ており、「音楽のノリ」にプレイヤーを強制的に同調させる能力表現だと見ることもできます。また、『花映塚』においても、メルランの攻撃は“場をかき乱す”タイプのものが多く、画面全体の情報量を増やして相手の判断力を鈍らせる性質を持っています。高揚感と混乱、楽しさと危うさ――その両方を同時に押し寄せさせるメルランのスペルカードは、「躁の音を演奏する程度の能力」をゲームシステムの中で視覚化・体験化したものだと捉えることができるでしょう。プレイヤーが彼女のスペルに対して抱く印象――うるさいほど派手で、だけどどこかクセになる――という感覚は、そのままメルランというキャラクターそのもののイメージとも重なっています。

二つ名・能力・スペカが形作る「メルラン像」

ここまで見てきたように、「騒霊トランペッター」という二つ名、「躁の音」「手足を使わずに演奏」といった能力、そして管霊・冥管・騒符・合葬系スペルカードの数々は、いずれも一貫して“躁的な高揚と音楽による騒ぎ”というテーマに収束しています。幽霊でありながら、誰よりも派手に、誰よりも楽しそうに演奏し、その音色で観客の心を直接揺さぶる――メルランは、幻想郷におけるライブパフォーマンスの象徴のような存在です。ゲーム上のスペルカードとしては、時にプレイヤーを苦しめる厄介な弾幕でありながら、そのビジュアルとコンセプトはファンの創作意欲を大いに刺激し、多くの二次創作楽曲やイラストにも影響を与えてきました。二つ名と能力、そしてスペルカード――この三つの要素は、それぞれが独立した設定でありながら、互いに補完し合うことで「メルラン・プリズムリバー」というキャラクター像を立体的に浮かび上がらせているのです。

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■ 人間関係・交友関係

プリズムリバー三姉妹の次女としての立ち位置

メルランの人間関係、いや「幽霊関係」を語るうえで、まず外せないのがプリズムリバー三姉妹との関係です。彼女は長女ルナサと三女リリカのあいだに位置する次女であり、三人の性格バランスの中では“場の空気を一気に明るくする係”として機能しています。ルナサが沈静と憂鬱をまとったクールなストイックさを持ち、リリカがちゃっかり者で要領の良い調整役とするなら、メルランはとにかくテンションと勢いで物事を押し切ろうとする、陽気なエンジンのような存在です。三姉妹の会話では、沈みがちなルナサに対してメルランが軽口を叩き、そのやりとりをリリカが半分ツッコミ、半分あきれ顔で流すという構図が多く、家族としての距離感の近さと長年連れ添ったバンド仲間の空気感が同時に伝わってきます。メルラン自身は、姉や妹のことを「一緒に騒いでくれる仲間」として深く信頼しており、演奏だけでなく日常生活においても、三人でいることが当たり前になっている様子がうかがえます。

ルナサとの補完関係―鬱と躁のバランス

長女ルナサとの関係は、単なる姉妹以上に象徴的です。ルナサの弾くヴァイオリンは「鬱の音」を司り、聴く者の心を静かに沈ませる性質があるのに対し、メルランのトランペットは「躁の音」であり、気分を過剰なまでに高揚させます。この正反対の性質を持つ二人が同じステージに立つことで、気分の振れ幅がうまく調整され、観客は極端な鬱にも極端な躁にも偏りすぎない、心地よい揺らぎの中に浸ることができるわけです。演奏の場面だけでなく、日常のやりとりにおいても、ルナサはメルランの暴走を「やりすぎ」とたしなめるブレーキ役になることが多く、一方でメルランは、考えこみがちなルナサを「まあまあ、難しいことはあとでいいじゃない」と外へ連れ出すアクセル役になります。二人の関係はしばしば漫才のボケとツッコミのように描かれますが、その裏には互いの精神状態を自然に補い合う、深いレベルでの相互依存があると言えるでしょう。

リリカとのコンビネーション―現場感覚で動く仲間

三女リリカとの関係は、姉妹というより「同じ現場で動く相棒」というニュアンスが濃いものになっています。演奏会やライブの段取り、観客の入り具合のチェック、MCの回し方など、いわゆる“現場感覚”が求められる場面では、メルランとリリカが率先して動くことが多く、ルナサはどちらかといえば冷静に全体を見守るポジションに回ります。リリカは状況判断やアドリブが得意で、メルランの勢いが空回りしそうになったときに、さりげなく曲の構成を変えたり、MCでうまくまとめたりしてくれる陰の立役者です。メルランもそのことをよく分かっており、「あとはリリカがどうにかしてくれるだろう」と、ある意味で絶対的な信頼を寄せています。二人きりでの会話では、ふざけたノリで盛り上がりつつも、次のライブのネタやセットリストを話し合う、“現場の打ち合わせ”のようなやりとりが展開されている光景が目に浮かびます。リリカからすると、メルランは扱いづらいところもあるムードメーカーですが、その明るさと勢いがなければプリズムリバー楽団の華やかさは成り立たないこともよく理解しており、「仕方ないなあ」と言いつつも、最終的にはメルランの背中を押してくれる、そんな関係性が感じられます。

幽霊たちとの交流―冥界の人気パフォーマー

メルランたち三姉妹が主な活動拠点としているのは冥界であり、そこで暮らす幽霊たちとのつながりは非常に強いものがあります。冥界は本来、死者が静かに安らぐための世界ですが、プリズムリバー楽団の存在によって、そこはしばしば大規模なコンサートホールのような騒がしさに包まれます。メルランは、その中心で観客の幽霊たちに声をかけ、時には一緒に歌わせたり、手を振って応えさせたりと、距離の近いパフォーマンスを得意としています。彼女にとって、幽霊と生者の区別はあまり重要ではなく、「盛り上がってくれるかどうか」が交流の基準になっている節があります。そのため、冥界の住人に限らず、幻想郷中の妖怪・人間・神様・妖精たちとも、イベント会場や宴会場で顔を合わせればすぐに打ち解けてしまうことが多く、気づけばその場の中心で笑っている――そんな姿がよく想像されます。

幻想郷の住人との関係―宴会好きとは特に相性抜群

作品のテキストや二次創作のイメージを総合すると、メルランは“宴会勢”と相性が良いキャラクターとして描かれることが多いです。博麗神社の宴会に呼ばれれば、すぐさま飛んでいって出張ライブを始めそうですし、霧雨魔理沙や伊吹萃香のような騒ぎ好きの面々とは、酒の勢いも相まって、夜通し演奏してしまうこともあり得るでしょう。逆に、静けさを好む八雲紫や、規律を重んじる十六夜咲夜といったキャラクターとは、騒ぎすぎて注意される場面も想像されますが、それでもメルラン本人はあまり気にせず、「次はもう少し音量を下げようかな」くらいの軽い反省で終わりそうです。こうした距離感の取り方からも、彼女が他者に対して壁を作らず、基本的には誰とでもフレンドリーに接するタイプであることがうかがえます。ただし、あまりにも静かな空気が続く場所――たとえば図書館や寺など――では、「ここで演奏したら怒られるかな」と、さすがに少しは空気を読むこともあるようです。その辺りの“最低限の自制心”があるからこそ、完全なトラブルメーカーではなく、「ちょっとやかましいけど憎めない奴」として受け入れられているのでしょう。

三姉妹の過去にまつわる因縁と絆

プリズムリバー三姉妹は、その成り立ちにおいてある種の悲劇を背負った存在でもあります。詳しい経緯は作品ごとの解釈に委ねられている部分もありますが、「失われた姉妹の記憶」「本来の肉体を失った後の騒霊としての再構成」といった断片的な情報から、彼女たちが一度“死”や“喪失”を経験したうえで、今の幽霊楽団として再び結びついていることがほのめかされています。その中でメルランは、過去の重さを必要以上に表に出さず、とにかく今の時間を全力で楽しむことを選んでいるようにも見えます。思い出を振り返れば感傷的になってしまいそうな場面でも、彼女はトランペットを手にとって明るい曲を吹き鳴らし、あえて涙の匂いを笑い声と歓声でかき消してしまうタイプです。そうした姿勢は、過去を忘れたいという逃避ではなく、「どうせなら悲しい記憶さえも笑い飛ばせるくらい騒いでしまおう」という、彼女なりのケジメのつけ方なのかもしれません。ルナサやリリカも、そのメルランの選択を理解しているからこそ、時に呆れつつも、最終的には一緒にステージに立ち続けているのでしょう。

二次創作で描かれる交流関係の広がり

公式設定以上に、メルランの交友関係が広がりを見せるのは二次創作の世界です。音楽家・パフォーマーという属性から、東方屈指の音楽勢であるミスティア・ローレライや、楽器を扱うわけではないもののライブ会場を提供しそうな星熊勇儀、地霊殿勢などと組ませる作品も多く見られます。また、「宴会」「お祭り」「ステージ」といったキーワードから、博麗霊夢の神社をライブ会場にしたり、守矢神社とコラボイベントを行ったりといったシチュエーションも人気で、そこにメルランの奔放なノリが加わることで、普段は冷静なキャラまで巻き込んだ大騒ぎが描かれることもしばしばです。こうした二次創作ならではの組み合わせは、メルランの“誰とでも盛り上がれる”性格があってこそ成立するものであり、結果的に彼女の交友関係を公式以上にカラフルで賑やかなものとして印象づけています。

まとめ―騒ぎの中心に立ち続ける「場のキャラクター」

総じて、メルラン・プリズムリバーの人間関係・交友関係は、「場」の中心に立つキャラクターならではの形をとっています。特定の誰かとだけ深いドラマを築くというよりは、姉妹との固い絆を軸にしつつ、ライブや宴会のたびに周囲の人々とゆるやかな縁を結び、それを積み重ねていくスタイルです。彼女がそこにいるだけで空気が変わり、いつの間にかその場にいた全員が観客であり共演者になっている――そんな不思議な引力こそが、メルランの人間関係の本質だと言えるでしょう。三姉妹の中での立ち位置、冥界の幽霊たちとの交流、幻想郷の宴会勢との相性、そして二次創作によって広がる交友の輪。どの視点から眺めても、彼女は常に“騒ぎの中心”に立ち続ける存在であり、その賑やかな輪の中には、いつでも新しい誰かが加わる余地が残されています。

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■ 登場作品

本家弾幕STGでの初登場―『東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.』

メルラン・プリズムリバーが公式作品に初めて姿を現したのは、Windows版第7弾『東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.』です。ここではプリズムリバー三姉妹の一員として、冥界へ向かう主人公たちの前に立ちはだかる4面ボスという重要なポジションを任されています。ステージ中盤で三姉妹のいずれかが中ボスとして登場し、その後に三人がそろって本格的なライブバトルを仕掛けてくる構成になっており、メルランも単独・コンビ・三人同時と、さまざまなパターンで弾幕戦に参加します。 このステージは、墓地や屋敷といったモチーフに楽譜や音符を重ねたビジュアルが印象的で、三姉妹の演奏がそのまま弾幕としてプレイヤーに襲いかかってくる演出が特徴です。メルランはトランペット担当として、力強く突き抜けるような弾幕や、波のように押し寄せる管楽器モチーフの攻撃を担当しており、視覚的にも聴覚的にも“ライブ会場のど真ん中”に放り込まれたかのような高揚感を与えてくれます。作中テキストでは、三姉妹が西行寺家に雇われた幽霊楽団であること、花見の余興として呼び出されていることなども語られており、メルランが幻想郷の「宴会文化」と深く結びついたキャラクターであることが、この時点ですでに明確に示されています。

対戦弾幕STG『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』でのプレイアブル化

9作目『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』では、メルランは対戦型弾幕STGのプレイアブルキャラクターとして再登場します。ここでは「騒霊トランペッター」という肩書きと、「躁の音を演奏する程度の能力」という設定が改めて強調されており、花の異変そのものにはさほど興味を示さず、「お祭り騒ぎになっている幻想郷がおもしろそうだから出てきた」といったノリで行動しているのが公式テキストからも伝わってきます。 ゲームシステム上は、対戦相手のフィールドに大量の弾幕を送り込む攻撃キャラとしてデザインされており、彼女のスペルカードは「騒符」を冠したものが多く、画面全体を一気ににぎやかにしてしまう性能を持っています。CPU戦では、テンションの高いセリフ回しや軽快なBGMとあいまって、“楽屋からそのままステージに飛び出してきたようなノリのアーティスト”としての側面が前面に押し出されており、『妖々夢』で感じたライブ感が、よりポップでコミカルなかたちで再現されていると言えるでしょう。

書籍・公式ファンブックでの掘り下げ―『東方文花帖』『求聞史紀』など

弾幕STG本編以外でも、メルランは各種書籍・ファンブックでたびたび取り上げられています。代表的なのが、公式ファンブック『東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red.』に収録された文々。新聞の記事とインタビューです。本書では、射命丸文によるスクープとして「プリズムリバー次女ソロデビューか?」といった調子の記事が掲載され、メルラン自身へのインタビューや、ステージ裏のエピソードなどがコミカルに描かれています。 ここでは、三姉妹の中でも特に表に出ることが多いメルランの“フロントマン”としての素質や、ハイテンションすぎる性格ゆえにソロ活動の噂まで立ってしまう人気ぶりなどが強調されており、ゲーム本編では描ききれない細かな性格づけが行われています。また、幻想郷の住人たちを百科事典的にまとめた『東方求聞史紀(Perfect Memento in Strict Sense)』でも、プリズムリバー三姉妹の一人としてメルランの解説が掲載され、種族・能力・活動内容・冥界での評判などが整理された形で記述されています。 さらに、スペルカードの解説書的な位置づけの『The Grimoire of Marisa』にも、三姉妹が使用する合葬スペルや、メルラン由来の管楽器系スペルに言及する項目があり、弾幕と音楽がどのように結びついているのかが、魔理沙の視点から語られています。こうした書籍群によって、メルランは単なるステージボスに留まらず、「幽霊アーティスト」としての側面を多角的に掘り下げられたキャラクターになっているのです。

グッズ情報やフィギュア・カードゲーム等での登場

ゲームや書籍以外の公式周辺展開でも、メルランはプリズムリバー三姉妹の一人として扱われることが多く、フィギュア・トレーディングカード・タペストリーなど、さまざまなグッズに姿を見せています。キャラクターグッズ情報を集約したデータベースなどを参照すると、三姉妹セットのフィギュアやアクリルスタンドの中にメルランが含まれていたり、東方を題材にしたトレーディングカードゲームに個別カードとして登場していたりする例が確認できます。 特に、ライブ衣装風の立ち絵や、トランペットを掲げてポーズを取るイラストはグッズ化との相性が良く、ポスターやタペストリーなどのビジュアルアイテムにも採用されやすい傾向があります。鮮やかな色彩と分かりやすいモチーフ(青いドレス、金髪、トランペット)は、ファンにとっても「ひと目でメルランと分かるアイコン」として機能しており、グッズ展開の中でも彼女のキャラクター性を強く印象づける役割を果たしています。

スマホゲーム・外部ライセンス作品でのプレイアブル化

近年では、公式ライセンスを受けたスマートフォン向けゲームやブラウザゲームにも東方キャラクターが多数参戦しており、メルランもそのラインナップの一員としてプレイアブル化されるケースが増えています。たとえばスマホ向け作品『東方LostWord』では、プリズムリバー三姉妹の一人として登場し、原作を意識したスキル構成や弾幕演出を持つキャラクターとして実装されています。 ここでは、原作の「躁の音」「騒霊トランペッター」という要素を、数値化されたステータスやスキル名に落とし込むことで、ターン制バトルの中にメルランらしさを再現しています。こうした外部作品での登場は、弾幕STGをあまりプレイしない層にとって、メルランを知る入口にもなっており、原作とはまた違った角度から彼女の人気を支える要素になっています。

二次創作ゲームでの扱い―音楽・宴会系イベントの常連

東方Projectは二次創作が非常に盛んなシリーズであり、その中でメルランは「音楽」「ライブ」「宴会」といったテーマを扱う作品において、ほぼ定番と言っていいほど出番の多いキャラクターです。ファンメイドの弾幕STGやRPG、アクションゲームでは、原作どおりプリズムリバー三姉妹の一員としてボスやイベントキャラに採用されることが多く、ライブ会場ステージでのバトルや、音楽イベントをめぐる物語などに絡んでくるケースが多数見られます。また、音ゲー風の同人ゲームやリズムゲーム的なミニゲームでも、トランペット担当として楽曲に合わせて演奏する役回りが与えられやすく、“音楽=メルラン&三姉妹”という図式が自然と定着しています。原作の弾幕やテーマ曲に由来するアレンジ楽曲が多く存在するため、それらをBGMとして使用する二次創作ゲームの中で、メルランがシナリオ・ビジュアルの両面から登場しやすい環境が整っているとも言えるでしょう。

二次創作アニメ・同人映像での登場傾向

同人サークルによるアニメーション作品やPV風のショートムービーにおいても、メルランは比較的出番の多いキャラクターです。プリズムリバー楽団のライブシーンを描いた映像作品では、三姉妹がステージ上で演奏する様子を、原作BGMのアレンジやボーカル曲に合わせて表現することが多く、その中でメルランはセンターに近いポジションでトランペットを掲げ、観客を煽る役として描かれます。また、宴会やお花見をテーマにしたショートアニメでは、博麗神社の境内や冥界の庭園を即席のステージにしてしまい、他キャラクターを巻き込んだセッションを始める、という形で登場することも珍しくありません。二次創作アニメは公式設定に縛られない自由な表現が許されているため、メルランがボーカルを担当して歌い出したり、現代風のロックバンドやジャズバンドの一員として再解釈されたりする例もあり、そうした映像を通して、ファンはさまざまな“もしも”のメルラン像を楽しんでいます。

メディア全体を通して見た「登場作品」像のまとめ

こうして振り返ると、メルラン・プリズムリバーの登場作品は、原作弾幕STG『妖々夢』『花映塚』という二つの柱を中心に、公式書籍・ファンブック、スマホゲームなどの外部展開、さらには膨大な数の二次創作ゲーム・アニメ・映像作品へと、同心円状に広がっていることが分かります。公式側では、弾幕とテキスト、設定資料を通じて「騒霊トランペッター」としてのキャラクター像が固められ、そのイメージを受け取ったファンが、同人作品の中でさらに多彩なメルランを描き出している――という関係性が成り立っているのです。どの媒体でも共通しているのは、「音楽」と「騒ぎ」をキーワードに、場を賑やかにする存在として描かれている点であり、登場作品が増えれば増えるほど、メルランは“幻想郷のライブシーンを象徴するキャラクター”としての地位を強固なものにしてきました。今後も新作や新たなメディア展開が生まれるたびに、彼女のトランペットは、どこかのステージで高らかに鳴り響くことになるでしょう。

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■ テーマ曲・関連曲

代表曲「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」の位置づけ

メルラン・プリズムリバーを語るうえで外せないのが、プリズムリバー三姉妹の合同テーマ曲である「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」です。この曲は『東方妖々夢 ~ Perfect Cherry Blossom.』4面ボス戦で流れる楽曲であり、雲海の上に広がる桜花結界のステージで、三姉妹が繰り広げるゴーストライブを支えるキーピースとして機能しています。 公式の楽曲情報では、作曲はZUN、サークルは上海アリス幻樂団、BPMはおおよそ156前後とされており、テンポよく駆け抜ける中速~やや速めのビートの中に、三姉妹それぞれの楽器パートが絡み合う構成になっています。 ステージそのものが「幽霊楽団のライブ会場」という位置づけであるため、この曲は単なるBGMではなく、“その場でプリズムリバーが実際に演奏している曲”として鳴っているような臨場感を持っており、プレイヤーは弾幕を避けながら同時にゴーストバンドの演奏を体験している、という構図になっているのがポイントです。

三姉妹それぞれの楽器を意識した構成とメルランの役割

「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」は、冒頭の静かな入りから徐々に盛り上がっていく構成が特徴的で、ヴァイオリンを思わせる旋律、鍵盤楽器のアルペジオ、そして管楽器のリードフレーズが段階的に重なっていきます。解説系のファンサイトなどでも指摘されている通り、曲全体はルナサの弦・メルランのトランペット・リリカの鍵盤という三つの楽器が、それぞれ主役を交代しながらアンサンブルを形成しているように聴こえるよう作られており、特にサビにあたる部分では、ブラスを思わせる力強いメロディラインが前面に押し出されます。 この「前へ飛び出してくるリード」がメルラン的なパートと解釈されやすく、プレイヤーの中には、あの高らかに駆け上がるフレーズを聴くと自然とメルランの姿を思い浮かべてしまう、という人も少なくありません。弦と鍵盤が複雑に動き回る土台の上で、トランペット的なメロディがぐいっと曲全体を引っ張っていく構図は、まさに“騒霊トランペッター”としてのメルランの役割を音楽的に表現したものだと言えるでしょう。

『花映塚』版「Phantom Ensemble」とライブ感の強調

『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』では、プリズムリバー三姉妹のテーマとして「Phantom Band ~ Phantom Ensemble」というアレンジ版が使用されています。 『妖々夢』版と比べると、対戦型弾幕STGに合わせてリズムのノリがより前面に出ており、各パートの掛け合いがくっきりと分かりやすく強調された印象があります。枝分かれするメロディや、テンションの高いフレーズの応酬はそのままに、ライブ会場でのセッションを思わせるアレンジになっており、対戦という“にぎやかな場”にふさわしいアップテンポな躍動感が加わっています。とくに中盤以降、テーマフレーズが何度も繰り返されながら少しずつニュアンスを変えていく構成は、まるでアドリブソロを回しているジャズバンドのようであり、その中でメルラン的な管楽器パートが、ひときわ派手に観客(プレイヤー)の注意をさらっていくイメージが強く描かれています。同じメロディでありながら、『妖々夢』では“幽霊のコンサート”、『花映塚』では“お祭り騒ぎのライブバトル”と、作品ごとに違った表情を見せる点も、プリズムリバー楽団の音楽性の奥行きを感じさせる部分です。

楽曲そのものの音楽的特徴とメルランらしさ

「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」の音楽的な特徴としてしばしば語られるのが、明るくコミカルでありながら、どこか不気味さや哀愁も同居しているという点です。メロディラインは軽快で覚えやすく、思わず口ずさみたくなるポップさを備えている一方、コード進行には短調寄りのニュアンスや、幽霊らしい浮遊感を感じさせる音使いも散りばめられており、“楽しいのにどこか寂しい”という独特の情緒を醸し出しています。 こうした二面性は、陽気で楽天的なメルランと、憂鬱気味なルナサ、幻想的なリリカが一つの楽団として共存している状況を、そのまま音楽に落とし込んだ結果とも言えます。トランペット系のリードが元気に跳ねる部分ではメルランの明るさが前面に出ているように感じられ、低音域でうねるストリングスや、影のあるコードを鳴らす鍵盤パートでは、鬱と幻想という二人の姉妹の要素がにじみます。メルラン視点でこの曲を聴くと、全体を包む“愉快な騒ぎ”の中に、どこか割り切れない感情や、過去への未練のようなものが細く流れているのが分かり、その微かな陰影が、単なる陽気一辺倒にならない彼女のキャラクター性と響き合っているようにも受け取れます。

公式・同人をまたぐ膨大なアレンジとソロ解釈

プリズムリバー三姉妹のテーマは、東方アレンジ界隈でも人気の高い題材であり、ロック、メタル、ジャズ、スカ、オーケストラ、EDMなど、ありとあらゆるジャンルにリアレンジされた楽曲が発表されています。とくに「幽霊楽団」のタイトルにちなんだ同人CDや、三姉妹をフィーチャーしたアレンジアルバムでは、それぞれの楽器パートに焦点を当てた解釈が行われることも多く、ヴァイオリンソロやトランペットソロ、ピアノソロとして再構成されたバージョンも見られます。 こうしたソロアレンジでは、メルランの担当する“元気なトランペット”を主役にした曲が制作されることもあり、原曲での合奏の中では埋もれていた細かなフレーズや、リズムのノリがクローズアップされることで、彼女の「躁の音」をよりストレートに味わうことができます。実際、ライブイベントや同人即売会で頒布されるCDの中には、プリズムリバー三姉妹をイメージしたアルバムや、メルランをテーマにしたトラックを収録した作品が数多く存在し、そのジャケットイラストにはトランペットを掲げた彼女の姿が描かれていることが少なくありません。 これらのアレンジは、原曲の持つ“幽霊楽団らしさ”を保ちつつも、メルランの明るさや勢いを前面に押し出したものが多く、ファンが彼女に抱くイメージの形成にも大きく寄与しています。

テーマ曲とキャラクター人気の結びつき

東方シリーズでは、キャラクターの人気とテーマ曲の魅力が強く結びつくことが多く、プリズムリバー三姉妹もその典型例です。楽曲人気投票などでも「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」は常に上位に顔を出す常連曲であり、ゴーストバンドらしい賑やかさと、3人の個性を見事にまとめ上げたアンサンブルが、多くのリスナーに支持されています。 メルラン視点で見れば、この曲の「聴くとテンションが上がってくる」性質そのものが、彼女の能力である“躁の音”を象徴しており、それがプレイヤーやリスナーの感情に実際に作用している、というメタ的な面白さも存在します。ゲームを遊んでいなくても、音楽だけをきっかけにプリズムリバーに興味を持ち、そこから三姉妹やメルランを知っていくというファンも多く、テーマ曲は彼女たちにとって、重要な「入口」の役割を果たしているのです。とくに、ライブ形式の同人イベントでこの曲のアレンジを生演奏で聴いたファンにとっては、会場全体が一体感に包まれる体験そのものが、メルランたち幽霊楽団のライブと重なり、キャラクターへの愛着を一層強めるきっかけになっています。

二次創作楽曲におけるメルラン像の広がり

二次創作楽曲の世界では、「幽霊楽団」そのもののアレンジだけでなく、メルラン単独の視点や心情を描いたボーカル曲も数多く制作されています。そこでは、表向きの明るさやハイテンションの裏側に、過去の記憶や失われた日々への想いをほのめかしたり、三姉妹の中で“元気な次女”として振る舞うことへの葛藤を歌詞に込めたりと、原作では描かれていない内面を音楽的に補完する試みが行われています。また、ディスコ風やスカ、ブラスバンドアレンジなど、トランペットが主役になりやすいジャンルとの相性も良く、ホーンセクションを前面に出したダンスチューンでは、「メルランがもし現代のライブハウスやクラブで演奏したら」といったIFの光景が音楽として表現されているとも言えます。 こうした二次創作楽曲の積み重ねは、メルランを「ただ明るいだけの騒霊」から、「音楽を通じて過去も現在も未来も一気に駆け抜けようとするアーティスト」へと拡張しており、ファンは原曲とアレンジの両方を聴き込むことで、彼女というキャラクターをより立体的に感じ取ることができるようになっています。

テーマ曲・関連曲が形作るメルラン像の総括

総合すると、メルラン・プリズムリバーに関連するテーマ曲・楽曲群は、「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」を核としつつ、作品ごとのアレンジや膨大な二次創作を通じて、彼女のイメージを幾重にも塗り重ねてきたと言えます。疾走感のあるビート、軽快で耳に残るメロディ、三姉妹の楽器が掛け合うアンサンブル――そのどれもが、メルランの能力である“躁の音”と密接に結びついており、彼女がステージの中心でトランペットを吹き鳴らす姿を自然と想像させます。原作で一度聴けば忘れがたいこのテーマは、プレイヤーの記憶の中で何度も再生され、そのたびにゴーストライブの光景とともにメルランの笑顔を呼び起こします。そして、数え切れないほどのアレンジやボーカル曲が、そのイメージに新たな色を加え続けている――テーマ曲・関連曲は、まさにメルランというキャラクターの“もう一つの物語”であり、彼女を好きになったファンの数だけ、さまざまな幽霊楽団が心の中で鳴り響いているのです。

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■ 人気度・感想

三姉妹の中での「わかりやすい推し」ポジション

東方ファンの間でメルラン・プリズムリバーの人気を語る際、まず挙がるのが「三姉妹の中で一番性格が分かりやすく、推しやすい」という評価です。ルナサはクールで内向的、リリカは小賢しくて読めないところがあるのに対し、メルランはとにかく明るくてノリが良く、感情表現もストレートです。そのため、キャラクターを一目見た瞬間に「この子楽しそう」「好きなタイプだ」と直感的に惹かれるファンが多く、いわゆる“第一印象で推しが決まるタイプ”のキャラとして受け止められることが少なくありません。また、青いドレスと金髪という王道の配色、トランペットという花形楽器、いつも笑っている表情など、「ライブのセンターに立っているアイドル」的な要素がそろっていることもあり、「三姉妹の中で一番アイドルっぽい」「ステージに出てきた瞬間の華がすごい」といった感想もしばしば見られます。こうした分かりやすい魅力が、東方の膨大なキャラクター群の中でもメルランを“覚えやすい存在”として印象づけていると言えるでしょう。

テンションの高さと「騒がしくて可愛い」ギャップ

メルランに対するファンの感想で特に多いのが、「騒がしいのに不思議と癒やされる」「軽率なのに可愛い」という、いわば“騒がしくて可愛いギャップ”への言及です。セリフや設定上はハイテンションで落ち着きがなく、何か面白そうなことがあればすぐ飛びつくタイプとして描かれているものの、その根っこにあるのは「みんなに楽しんでほしい」「場を盛り上げたい」という純粋な善意です。だからこそ、多少空気を読めていなかったり、結果としてトラブルを起こしてしまったとしても、「まあメルランだから許せる」「本気で悪気がない感じがかわいい」と好意的に受け止められることが多くなります。また、躁の音を演奏するという能力設定から、「実は本人もテンションを制御しづらいのでは」「自分で自分のテンションを上げすぎて、あとからちょっとだけ疲れているのでは」といった想像がなされることもあり、そうした“見えない疲れ”を想像して「表ではずっと笑っているけど、裏ではふぅってなってそうなところが愛おしい」と感じるファンも少なくありません。

ライブ感あふれる弾幕演出への評価

ゲームプレイの観点から見ると、メルランの登場ステージやスペルカードは「遊んでいて気持ちがいい」「音楽との一体感が強い」といった評価を受けることが多いです。管楽器の音色をイメージさせる大きな波状弾や、リズムに合わせて押し寄せる弾幕構成は、避けているだけで“曲に合わせて踊っている”ような感覚を覚えさせ、うまくパターンに乗れたときには、プレイヤー自身がステージの一員になったような高揚感を味わうことができます。そのため、「ほかのボスよりも何度も戦いたくなる」「難しいけれど楽しいタイプの弾幕」として好意的に語られることが多く、そうした体験を通してメルランを好きになったという声も珍しくありません。“強すぎて嫌い”ではなく、“強くてやかましいけど気づいたら好きになっていた”という感想が多いのは、彼女の弾幕がストレスではなく高揚感を生むデザインになっているからこそでしょう。

三姉妹セットでの人気と、その中で光る個性

プリズムリバー三姉妹は「ユニットとして推されることの多いキャラクター群」であり、イラストやグッズでも三人セットで描かれるケースが非常に多く見られます。その中でメルランは、「センターでポーズを決めている」「一番動きが大きい」「一番笑顔が派手」といった形で目立つことが多く、三姉妹をまとめて推しているファンの視線を、自然と自分の方向へ引き寄せてしまうタイプです。もちろん、「三人そろってこそプリズムリバー」「誰か一人だけが好きというより、三人のバランスが好き」というファンも多いのですが、その中で“個別の最推し”を問われるとメルランの名前を挙げる人が少なくないのは、やはり彼女が最も感情表現豊かで、視覚的にも聴覚的にも華やかな役回りを受け持っているからでしょう。総じて、「三姉妹箱推しだけど一番はメルラン」「ルナサに共感しつつ、騒ぎたいときはメルランを見たくなる」といった、箱推しと単推しの中間のようなポジションで愛されている印象があります。

二次創作における“陽キャ”枠としての定着

二次創作界隈では、メルランはしばしば「陽キャ」「パリピ枠」として描かれることがあります。クラブやライブハウス的な現代風アレンジの幻想郷を舞台にした作品では、DJブースの横でトランペットを吹き鳴らしたり、観客を煽ったりする役目を自然と担わされることが多く、他のキャラクターと比べても圧倒的に“夜が似合うキャラ”としてのイメージが強まっています。一方で、そうした騒ぎの中心にいながら、姉や妹、あるいは仲の良いキャラにふと向ける眼差しが優しく描かれることも多く、「うるさいけど情に厚い」「友達思いの陽キャ」というポジションがしっかり確立しています。この“うるさいけど根はいい奴”という像は、現実の友人関係などとも重ね合わせやすく、読者や視聴者が感情移入しやすいポイントとなっており、「もし幻想郷に行けたら一番最初に友達になりたいタイプ」として名前を挙げるファンも少なくありません。

人気投票や話題性の面での立ち位置

東方シリーズにはキャラクターが非常に多く、その中でトップクラスの人気を争うメンバーと比べると、メルランは“常に話題の中心にいるタイプ”ではありません。しかし、だからといって存在感が薄いわけではなく、「三姉妹が話題になるたびに必ず名前が挙がる」「楽曲やアレンジの話題になると評価が一気に上がる」といった、ややニッチでありながらも堅実な人気を持つキャラクターです。とくに、プリズムリバー楽団をモチーフにしたファンアレンジや同人CDが新しく出るたびに、「やっぱりこの三人はいい」「メルランのパートがたまらない」と再評価されることが多く、一度好きになったファンが長く推し続ける傾向が強いのも特徴です。いわば“瞬間最大風速のスター”ではなく、“気づけばそばにいていつも場を明るくしてくれる存在”として、長期的に愛されるタイプのキャラクターだと言えるでしょう。

ファンが語る「好きなところ」―笑顔・音楽・生き様

最後に、メルランのどこが好きかという問いに対する、ファンの典型的な答えを整理してみると、「いつも笑っていて見ているだけで元気が出る」「音楽と一体になっている感じがかっこいい」「過去に何があったとしても今を楽しもうとしている生き様が好き」といったキーワードに集約されます。見た目の可愛さや明るさはもちろんのこと、「幽霊であること」「騒霊という特異な種族であること」「失われたものを抱えながら騒いでいるかもしれないこと」といった背景を知るほどに、その笑顔の意味が変わって見えてくる――その多層的な魅力が、メルランというキャラクターを“ただの明るい子”ではなく、“物語のあるアーティスト”として印象づけているのです。ゲームでの弾幕、テーマ曲、公式テキスト、そして二次創作の物語や楽曲。それらすべてが積み重なった結果として、多くのファンが「メルランがトランペットを構えて笑っているだけで嬉しい」と感じるようになっており、その笑顔こそが何よりの人気の源泉になっていると言えるでしょう。

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■ 二次創作作品・二次設定

ライブと宴会の「便利屋」的ポジション

二次創作の世界におけるメルラン・プリズムリバーは、まず「とりあえず場を賑やかにしたいときに呼ばれるキャラ」として、きわめて扱いやすいポジションを獲得しています。同人漫画やSS、Web小説などでは、博麗神社の宴会シーンや花見、夏祭り、ハロウィンといったイベント回が描かれる際、「音楽担当」としてプリズムリバー三姉妹が登場し、その中でメルランはテンション担当・盛り上げ役として真っ先に前に出てくることが多くなります。原作どおりトランペットを構えて演奏するだけでなく、マイクを握ってMCをしたり、観客を煽ったり、即興でコール&レスポンスを始めて周囲を巻き込んだりと、騒ぎを一段階上のフェーズへ押し上げるスイッチのような役割を託されがちです。二次創作作者にとって、メルランは「登場させればその場が一気に華やかになるキャラ」であり、宴会回や音楽ネタを描く際の“便利屋”として重宝されていると言えるでしょう。

現代音楽・バンドものへの組み込み

東方二次創作では、幻想郷を現代風にアレンジした「もしも」設定が数多く存在しますが、その中でメルランはロックバンドやジャズバンド、スカバンドなどのホーン担当として再解釈されることが非常に多いキャラクターです。原作のトランペットという設定から、そのままブラスセクションとして登場させやすく、ギターを持った霧雨魔理沙や、ボーカルを務める博麗霊夢・フランドールなどと組んで、“幻想郷ガールズバンド計画”の一員として描かれるパターンも定番化しています。また、ビッグバンド風のジャズ編成や、ブラスロック、スカパンクといったジャンルに落とし込まれる場合も多く、派手なステージ衣装を着たメルランが、現代風のライブハウスや野外フェスでトランペットを吹き鳴らしている姿がよく描かれます。こうした作品群では、「幽霊である」という要素は軽く流されるか、あるいは「物理法則を無視した超絶技巧ができる演奏者」として強調される程度に抑えられ、代わりに“音楽で世界を盛り上げるアーティスト”としての側面が前面に押し出されているのが特徴です。

“陽キャ”と“パリピ”の中間のようなキャラ付け

二次創作におけるメルランの性格付けは、だいたい「陽キャ」もしくは「パリピ」に分類されますが、多くの場合、単純なチャラつきではなく、“騒ぐのが純粋に好きなムードメーカー”として描かれます。クラブやバーを舞台にした作品で、メルランがDJと一緒にフロアを盛り上げていたり、他キャラを無理やりダンスフロアに引っ張り出したりするのはよく見る光景ですが、その根底には「せっかく来たんだから楽しんでほしい」というホスピタリティがある、と解釈されることが多いです。そのため、騒ぎ方は派手でも、他人を馬鹿にしたり傷つけたりする方向にはあまり振れず、「ちょっと強引だけど悪意はゼロ」という絶妙なバランスで動くキャラとして定着しています。メルランがいると静かなキャラが振り回されたり、真面目なキャラがペースを崩されたりする展開も頻出しますが、最終的にはみんな笑顔になっていることが多く、その“結果オーライ感”が彼女らしさとして受け入れられているのです。

シリアス寄り二次設定―笑顔の裏側や過去への掘り下げ

一方で、シリアス寄りの二次創作では、メルランの明るさが「何かを隠すための仮面」として扱われることもあります。プリズムリバー三姉妹の過去や、“本来の肉体を失った後の騒霊としての再構成”といった公式の断片的設定を手がかりに、「本当は喪失感や孤独を抱えているが、それを見せないようにわざと騒いでいる」「姉妹の誰かが沈み込まないよう、自分だけは明るく振る舞おうとしている」といった解釈が加えられるケースです。この手の作品では、メルランがふとした瞬間に見せる疲れた表情や、ステージが終わったあとに一人で物思いにふけるシーンなどが描かれ、読者に「いつも笑っている彼女だからこそ、泣いたときの破壊力がすごい」という印象を与えます。ルナサとの関係性を掘り下げる形で、「鬱に傾きがちな姉を支えるために、自分は躁に振り切ろうとしている」という構図が描かれることも多く、その場合、メルランは“明るさを任された次女”という、少し切ない役割を背負ったキャラクターとして浮かび上がってきます。こうしたシリアス解釈は、同じ原作設定からまったく異なる物語を紡ぎ出す東方二次創作ならではの醍醐味であり、メルランの奥行きを感じさせる要素にもなっています。

CP・カップリング面での扱い

二次創作のカップリング(いわゆるCP)界隈では、メルランは主に「三姉妹内カプ」と「宴会仲間とのカプ」の二つの方面で扱われることが多いです。三姉妹内では、とくにルナサとの組み合わせが人気で、鬱と躁、静と動という対比の妙から「感情を支え合う関係」として描かれがちです。真面目で自分を責めがちなルナサに対し、メルランがひたすらポジティブな声をかけ続ける構図や、逆にメルランがふと折れそうになったときにルナサが静かに支える構図など、方向性の違う支え合いが描かれます。一方、宴会勢や音楽勢とのカプでは、伊吹萃香やミスティア・ローレライ、星熊勇儀、霧雨魔理沙など、“騒ぎが似合う面々”と組まされることが多く、こちらは比較的ライトでコメディ寄りの作品が中心です。恋愛色は薄く、「飲み友達」「バンド仲間」「悪友」といった距離感が好まれ、視線を少しだけ恋愛寄りにずらした“友情以上恋未満”な関係性として楽しむファンも多く見られます。

メルラン中心の長編・シリーズ作品

キャラ数の多い東方界隈では、メイン級でもなかなか単独主役の長編を得にくいのが現実ですが、メルランは“三姉妹もの”や“音楽もの”の作品を中心に、彼女にフォーカスした中長編シリーズがいくつか存在します。たとえば、「幻想郷でプロの楽団として食べていく」ことを目指すサクセスストーリーや、幻想郷の各地をツアーして回るロードムービー風の作品などでは、ムードメーカーでありステージの顔でもあるメルランが、物語の語り手や主人公ポジションを務めることが多くなります。ツアー先でさまざまなキャラとセッションしたり、時にはトラブルに巻き込まれたりしながらも、最終的には「音楽があればなんとかなる」と笑って吹き抜けていく――そんな筋立ては、メルランというキャラクター像と非常に相性がよく、読者にとっても“明るくてちょっと切ない旅物語”として受け入れられやすいパターンです。

ギャグ・4コマ作品での「オチ担当」としての活躍

ギャグ寄りの4コマ漫画やショートストーリーでは、メルランは「とにかく話をかき回す係」「最後に全部持っていくオチ担当」として登場することが少なくありません。真面目に進行していた会議や儀式に突然乱入してトランペットを吹き鳴らし、その爆音で全員を吹き飛ばしてしまう、みたいな極端なオチも定番ですし、宴会の後片付けをしている最中に「二次会いこー!」と大声で叫んで全員を巻き込む、といった小さな騒動もよく描かれます。こうした作品では、彼女の騒霊としての能力は、もはや“作者にとっての便利なギャグ装置”であり、読者は「またメルランがやらかした」と分かっていても、そのたびに笑わされてしまうわけです。

ファンアート・音楽PVにおける象徴的モチーフ

静止画のファンアートや、音楽アレンジのPVでは、メルランはしばしば「光」「花吹雪」「音符」といったモチーフと組み合わされます。夜空や暗いステージ背景の中で、彼女のトランペットから光の粒や音符が溢れ出し、それがそのまま観客や街並みを彩っていく――そんな構図が定番となっており、「音楽が世界を明るくする」というテーマを視覚的に象徴する存在として描かれます。また、三姉妹全員が揃ったイラストでは、ルナサが低音と陰影を、リリカが色彩とひねりを、メルランが光と勢いを担当しているような画面作りが多く、見る側の視線は自然とメルランの方向へ引き寄せられます。これは決して他の二人より優遇しているということではなく、あくまで「センターで派手に動く役割」がメルランの二次設定として定着していることの表れであり、そのおかげで三姉妹全体のバランスが視覚的にも心地よく感じられるようになっているのです。

二次創作が広げた「メルラン像」の総括

総じて、二次創作作品・二次設定の世界で形作られたメルラン・プリズムリバー像は、「場を明るくする陽気な騒霊」という原作の軸を保ちながら、その周囲にさまざまなバリエーションが塗り重ねられたものだと言えます。宴会やライブの便利屋としての側面、現代音楽シーンに入り込んだブラス担当としての姿、笑顔の裏に過去や喪失感を抱えたシリアスな解釈、仲間や姉妹を支える情に厚い一面――どの解釈も、元をたどれば「音楽と騒ぎが大好き」というコアな設定から自然に枝分かれしたものです。二次創作という鏡に映されることで、メルランは単なるステージボスから、一人のアーティストとして、あるいは友人として、読者やプレイヤーの心の中に居場所を持つようになりました。これからも新しい同人作品が生まれるたびに、「メルランならこう動くはずだ」「こんな笑い方をするはずだ」といった解釈が少しずつ増え続け、幽霊楽団のトランペッターは、より多彩で奥行きのある存在として描かれていくことでしょう。

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■ 関連商品のまとめ

公式グッズにおけるメルランの基本的な立ち位置

メルラン・プリズムリバー関連の商品を俯瞰してみると、まず分かるのが「単独よりも三姉妹セットでの展開が非常に多い」という点です。プリズムリバー楽団というユニット性が強いキャラクター群であるため、タペストリーやクリアポスター、アクリルスタンド、缶バッジなどのビジュアル系グッズでは、ルナサ・メルラン・リリカの三人が揃った構図が定番になっており、その中でメルランはセンター寄り、あるいは一番大きなポーズで描かれることがよくあります。シリーズ全体としては、博麗神社例大祭などのイベントに合わせて制作される公式・公認グッズセットの中に三姉妹がまとまって収録されているケースが多く、メルランは「プリズムリバーセットを買えば必ずついてくる顔ぶれ」の一人として、長期的に存在感を維持し続けていると言ってよいでしょう。単独名義のグッズがまったく無いわけではありませんが、あくまで三姉妹展開の中に自然に組み込まれているのが、彼女の定番的なポジションです。

アクリルキーホルダー・スタンド類―ライブポーズが映える定番アイテム

近年の東方グッズの主力と言えば、やはりアクリルキーホルダーやアクリルスタンドといった透明素材のビジュアルアイテムです。メルランの場合、この手のグッズではトランペットを掲げたライブポーズや、くるりと回転してスカートの裾が広がる瞬間を切り取ったイラストが使われることが多く、奥行きのある構図でもシルエットが分かりやすいことから、アクリルとの相性はかなり良好です。三姉妹セットのアクリルスタンドでは、三人横一列に並べて飾れるよう台座が連結型になっているタイプもあり、その中央あるいは少し前方にメルランが配置されるデザインもよく見られます。キーホルダー系では、カバンや楽器ケース、ペットボトルホルダーなどに付けられるサイズ感で作られることが多く、音楽イベントや同人ライブに足を運ぶファンが「自分の持ち物に幽霊楽団をぶら下げていく」といった楽しみ方をしている光景も想像できます。

タペストリー・ポスター―ステージをそのまま部屋に持ち込む感覚

B2サイズ前後のタペストリーやポスターなど、大きめのビジュアルグッズでは、メルランの「ステージ映えするデザイン」が最大限に活かされます。背景に光の粒や音符、花吹雪が飛び交い、その中央でメルランがトランペットを吹き鳴らしている構図は、部屋に飾るだけで一気にライブ会場のような雰囲気を作り出してくれます。三姉妹揃いのタペストリーでは、左右にルナサとリリカ、中央にメルランというレイアウトが非常に多く、観る側の視線が自然と彼女に集まるよう計算されたデザインになっていることが少なくありません。また、季節限定のイラストを用いたポスターでは、花見シーズンに合わせて桜吹雪の中で演奏していたり、夏祭りの提灯に照らされながらの夜のライブが描かれていたりと、“幽霊楽団×季節イベント”という鉄板の組み合わせが多用されており、コレクションとして飾り替えを楽しむファンもいます。

フィギュア・立体物―三姉妹セットやデフォルメ系での展開

立体物の分野では、スケールフィギュアやねんどろいど風のデフォルメフィギュア、ガレージキットなどでメルランを立体化した例が見られます。特にインパクトが大きいのは、三姉妹をまとめて再現したフィギュアセットや、台座を組み合わせることで三人のステージが完成するタイプのシリーズです。長い髪が翻るルナサ、鍵盤に手を置くリリカと並ぶ形で、メルランはトランペットを高く掲げたポーズで造形されることが多く、金髪と青いドレス、広がるスカートといった要素が立体表現で強調されることで、原作イラスト以上に“ライブの花形”らしい印象が際立ちます。一方、デフォルメ系フィギュアでは、頭身を下げることで表情の可愛らしさや帽子・リボンなどの小物の存在感が増し、机の上やPC周りにちょこんと飾っておくのにちょうど良いサイズ感となっています。こうした「三姉妹が勢ぞろいした立体物」は、プリズムリバーファンにとって半ば憧れのアイテムであり、イベント会場やショーケースで見かけるたびに足を止めて見入ってしまう、存在そのものが小さなライブステージのような商品になっています。

文房具・日用品―さり気なく幽霊楽団を持ち歩く楽しみ

クリアファイル、ノート、ステッカー、マグカップ、コースターといった日常使いのアイテムにも、メルランを含むプリズムリバー三姉妹の柄が採用されている例は少なくありません。クリアファイルでは、表面に三姉妹の演奏シーン、裏面に楽譜や音符を散らしたデザインが多く、学校や職場で使っていてもさほど奇抜になりすぎないバランスで、“音楽好きのキャラクター”というテーマが表現されています。マグカップやコースターなどのキッチン系グッズでは、ライブのワンシーンを切り取ったフルカラーイラストのほか、顔だけをシンプルに並べたものや、楽器のアイコンと組み合わせたデザインなど、日常風景にさり気なく幽霊楽団を紛れ込ませるような工夫が見られます。こうした文房具・日用品系グッズは価格帯も比較的手頃で、東方全体のファングッズの中でも「最初に買いやすいメルラン関連アイテム」として機能しており、三姉妹推しの入門編のような位置づけになっています。

音楽CD・同人アルバムのジャケットとしての登場

少し毛色の違う関連商品として重要なのが、音楽CDや同人アルバムのジャケットにおけるメルランの扱いです。プリズムリバー楽団をテーマにしたアレンジCDや、幽霊楽団~Phantom Ensemble系統のアレンジ曲を収録したアルバムでは、ジャケットイラストに三姉妹のライブシーンが描かれることが多く、その中央でトランペットを掲げたメルランが大きくフィーチャーされがちです。こうした作品は、純粋な「キャラクターグッズ」というよりも、“音楽作品の顔”としての役割を担っており、CD棚に並べたときの存在感や、音を再生する際のイメージの喚起に大きく貢献しています。特に、ジャズやスカ、ブラスロックなどのジャンルに寄せたアレンジアルバムでは、メルランのポーズや衣装もそれに合わせてアレンジされ、サングラスやステージライトなど、ライブミュージシャン風の小物が追加されることも多く、「こういうバンドのフロントにいそう」という説得力のあるビジュアルに仕上がっているのが印象的です。

カードゲーム・ボードゲーム系でのアイコン的な扱い

東方を題材にした公式・公認のカードゲームやボードゲーム、あるいは二次創作のTCG・デッキビルドゲームなどでも、メルランはしばしば登場します。ここでは戦闘用の数値や効果テキストとともに、イラストとしてのメルランがカード面を飾ることになり、その能力表現として「場のテンションを上げる」「味方の攻撃力を一時的にブーストする」「相手の行動を混乱させる」といった効果が与えられることが多くなります。プレイヤーはカードを使うたびに、そのイラストの中のメルランがトランペットを鳴らしている光景を想像し、ゲームのテンションとキャラクター性が連動する形で盛り上がる――そんな楽しみ方ができるのも、カード系グッズならではの魅力です。コレクションとして眺める場合にも、三姉妹のカードを並べて「ミニ幽霊楽団デッキ」を作るなど、キャラクター性とゲーム性を両方楽しむ遊び方が自然に生まれています。

同人グッズとの境界が曖昧な「ライブ系」アイテム

東方界隈特有の現象として、公式グッズと同人グッズが同じイベント空間に並ぶことが多く、その中でメルラン関連の商品は、特に“ライブ系”アイテムとの相性がよく語られます。たとえば、幽霊楽団をモチーフにしたペンライトやリストバンド、ピック型キーホルダーなどは、実際に同人ライブイベントやアレンジサークルのステージで使用されることもあり、「メルランの色=青系のペンライト」といったイメージが自然に共有されていきます。公式のライセンス品ではなくとも、ファンが自主的に作成したグッズや、サークルの頒布物として生まれたアイテムが「結果的にメルランのイメージカラーやモチーフを広めていく媒介」となっているケースも多く、グッズとファン活動が互いに影響し合いながら、幽霊楽団の“リアルライブ”を支えていると言えるでしょう。

関連商品の特徴のまとめ―「三姉妹の中のセンター」として

こうして関連商品全体を眺めてみると、メルラン・プリズムリバーに紐づくグッズは、単独で大量に展開されるよりも、「プリズムリバー三姉妹の一員として、あるいはセンターとして存在する」タイプが圧倒的に多いことが分かります。アクリルスタンドやタペストリーでは三人セットの中で華やかに目立ち、フィギュアや立体物ではステージの中心を任され、日用品やカードゲームではさり気なく音楽モチーフを添えてくれる――どのジャンルのアイテムであっても、「場を明るくするトランペッター」というキャラクター性がブレることはありません。ファンにとって、これらのグッズは単にコレクション対象というだけでなく、自分の生活空間や持ち物の中に“幽霊楽団の一角”を招き入れるための小さなライブ機材のような存在であり、メルランの笑顔やトランペットがそこにあるだけで、日々の風景が少しだけ楽しくなる――そんな効能を持ったアイテム群だと言えるでしょう。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

メルラン関連グッズ全体の中古市場の傾向

メルラン・プリズムリバーに関連したグッズの中古市場をざっくり眺めると、「東方全体の中ではニッチ寄りだが、プリズムリバー三姉妹というユニット人気に支えられて安定した需要がある」という立ち位置に落ち着いています。霊夢や魔理沙のような看板キャラほど出品数も価格帯も激しく動くわけではありませんが、三姉妹セットのビジュアルが映えること、音楽系イベントと相性の良いキャラクターであることから、一定数のコレクターが継続的に買い支えている状態と言えます。特に、三姉妹が揃ったビジュアルのグッズや、ライブシーンを大きく描いたタペストリー、アクリルスタンドなどは、「部屋に飾りやすい」「見栄えが良い」という理由で、発売から時間がたってもじわじわと需要が続く傾向があります。一方で、完全な単独絵のグッズや、イベント限定の一点物などは、そもそも流通量が少ないため、出品の頻度も価格のブレ幅も大きくなりがちです。総じて、メルラン関連は「暴騰・暴落しづらいが、欲しいものをピンポイントで狙うには少し根気がいるカテゴリ」というイメージに近く、気長にウォッチしているファンほど良い出物に巡り会えることが多いジャンルだと言えるでしょう。

アクリル系・紙物系グッズの相場感と特徴

最も流通量が多く、初心者でも手を出しやすいのが、アクリルキーホルダー・アクリルスタンド・缶バッジ・クリアファイルといった「軽量ビジュアル系」グッズです。これらはイベントや公式企画ごとに新作が登場しやすく、そのたびに一通り出回ったあと、中古市場へと流れていきます。メルラン関連の場合、単品での取引価格は、おおむね数百円〜千円台前半くらいに収まることが多く、「送料込みでワンコイン〜」という感覚の出品も決して少なくありません。ただし、プリズムリバー三姉妹がセットになったアクスタシリーズや、台座を連結して一枚絵になるタイプのグッズなどは、「三人揃っている状態」に価値を見出すコレクターが多いため、バラ売りよりセット売りの方がやや高めの価格で安定しやすい傾向があります。また、紙物としては、タペストリーやポスターよりも気軽に扱えるクリアファイルが人気で、デザインが気に入れば「保存用」「実用用」と複数枚確保したいファンも少なくありません。その結果、一時的に市場から姿を消してしまうデザインも出てきて、中古市場では「この絵柄の三姉妹クリアファイルだけ妙に見ない」といった偏りが生まれることもあります。

フィギュア・立体物のプレミア傾向

価格面で大きな振れ幅が出やすいのが、スケールフィギュアやデフォルメフィギュア、ガレージキットといった立体物です。メルラン単独、あるいはプリズムリバー三姉妹をまとめて立体化したアイテムはもともと生産数が限られていることが多く、再販もそう頻繁には行われないため、時間がたつほど入手難度が上がりやすいカテゴリです。特に、三姉妹のステージを再現したジオラマ風フィギュアや、台座を組み合わせることで一つのシーンが完成するシリーズなどは、「三人揃っている状態」にプレミアが付きやすく、未開封・美品・箱付きとなると、新品当時の価格を上回る相場で取引されるケースも珍しくありません。一方で、デフォルメ系・トレーディング系の小型フィギュアは、ブラインド販売だったかどうか、ワンボックスで三姉妹が揃えやすかったかどうかなどによって、出回り方と価格帯がかなり変わってきます。メルランだけピンポイントで欲しい場合、フリマアプリでの単体出品を狙うか、箱買い後の「ダブり放出」を狙うかで、かかるコストや時間が変わるため、立体物好きのファンは、このあたりの事情を踏まえて狙いどころを見極めていることが多い印象です。

同人グッズ・音楽CDの中古流通と「一点物感」

東方界隈ならではの特徴として、メルラン関連では「同人サークル製のグッズや音楽CD」が中古市場に流れてくるケースも多くあります。プリズムリバー楽団をテーマにしたアレンジCDや、幽霊楽団系のジャケットイラストに三姉妹が大きく描かれた作品は、イベント頒布から時間が経つと、新品での入手が難しくなり、中古がほぼ唯一の入手経路になることも少なくありません。この手の同人CDは、再プレスされないまま完売したものも多いため、欲しいタイトルを決め打ちで探すよりも、「プリズムリバー系のジャケットが好みだからまとめて購入」といったスタイルで出物を拾っていく方が結果的に効率が良い場合もあります。また、サークル特典として配布されたポストカードや、ライブイベント限定のステッカー、手作り感のあるグッズなどは、中古市場に出てくる量自体が極端に少なく、「存在は知っているが実物を見たことがない」というアイテムも珍しくありません。こうした同人系アイテムは、コンディションや細かな仕様が出品説明に書かれていないことも多く、写真をよく確認したり、出品者に質問したりといった一手間が必要になる場面もありますが、その分「自分だけの掘り出し物を見つけた」という満足感も得やすく、コレクター心をくすぐる分野と言えるでしょう。

三姉妹セットとバラ売りの価格差・需要差

中古市場ならではの事情として興味深いのが、「三姉妹セット」と「バラ売り」での扱いの違いです。プリズムリバー楽団はユニットとしてのまとまりが強いため、三人揃いの状態を大事にするコレクターは多く、「ルナサ・メルラン・リリカのセット」を崩さずに保管し続ける人も少なくありません。そのため、元々セット販売だったグッズをバラして売ると、セット状態よりも合計金額が下がってしまうことがよくあります。逆に、バラで出たものをコツコツ集めて三人揃えようとすると、あと一人がなかなか見つからず、結果的に割高になってしまうケースもあります。メルラン単推しの人にとっては、「欲しいのはメルランだけだが、どうせなら三姉妹揃えて飾りたくなる」という心理も働きやすく、気づいたらルナサ・リリカ分も集めていた……というパターンもありがちです。市場全体としては、「三人揃った状態にプレミアが付きやすく、単品は比較的手に入りやすいが、人気イラストのものはそれでもすぐ売れてしまう」というバランスになりがちで、コレクターは自分のスタンス――単推しでいくのか、箱推しで揃えるのか――を決めたうえで戦略的に中古市場と付き合っていることが多いようです。

オークション・フリマアプリ・中古ショップでの違い

メルラン関連グッズを中古で探す場としては、ネットオークション、フリマアプリ、実店舗の中古ショップなどがありますが、それぞれ傾向が少しずつ異なります。オークション形式のサイトでは、レアなフィギュアや、今では入手困難なイベント限定グッズなどが出品された際に、入札合戦によって価格が跳ね上がることがあります。特にプリズムリバー三姉妹の立体物や、大判タペストリーなどは、「次いつ出るか分からない」という希少性が意識されやすく、終了直前に大きく値段が動くことも珍しくありません。一方、フリマアプリでは、出品者が相場をあまり意識せず、「手元のグッズをまとめて片付けたい」という感覚で価格設定している場合も多く、思いがけない掘り出し物に出会えるチャンスがあります。その代わり、商品の説明やコンディションの記載が簡素なこともあるため、写真で状態を見極める目が求められます。実店舗の中古ショップは、全体としてネット通販よりやや高めに価格が設定される傾向があるものの、現物を手に取って状態を確認できる安心感があり、「箱のへこみや日焼けを自分の目で見たい」タイプのコレクターに向いています。また、ショップごとに品揃えのクセがあり、「この店は東方フィギュアが多い」「この店は同人CDが充実している」といった特徴を把握しておくと、メルラン関連を効率よく探せるようになります。

コンディション・相場の見極めとコレクターの注意点

メルラン関連に限らず中古市場全般に言えることですが、グッズの価値は「レア度」「人気」「状態」の三要素でほぼ決まります。特にタペストリーやフィギュアなどは、飾っていた期間や保管環境によって、日焼け・色褪せ・ほこり・タバコ臭などの差が出やすく、同じアイテムでも状態によって評価が大きく変わります。フィギュアの場合、トランペットなどの細いパーツが欠けていないか、接着面が白化していないか、帽子やリボンの彩色に大きな傷がないかといったポイントも要チェックです。また、東方グッズは公式・公認・同人の境界がやや分かりにくい部分もあるため、「どのラインまで集めたいのか」を自分の中で決めておくと、無理のないコレクションが作りやすくなります。相場の見極めについては、いきなり一発で判断するのではなく、しばらくの間、同じキーワードで検索してみて「どの程度の価格帯で売れ残り、どの価格だとすぐ売れていくのか」を肌で掴んでおくと安心です。メルラン関連は爆発的な値動きが少ない分、「慌てて高値掴みをするより、じっくり最適な一枚を探す」スタイルが向いており、時間を味方にできるコレクターほど、満足度の高いコレクションを築きやすいと言えるでしょう。

中古市場とメルラン人気の「静かな連動」

最後に、オークション・フリマなどの中古市場が、メルラン・プリズムリバーというキャラクターの人気とどう結びついているかを整理してみると、「爆発的なブームはないが、長く静かに愛され続けている」という構図が浮かび上がってきます。新作ゲームや公式書籍、アレンジCDなどでプリズムリバー楽団が話題になると、そのタイミングで一時的にグッズの出品・売買が活発になることはありますが、しばらくするとまた落ち着いたペースに戻り、それでも完全には途切れずに「三姉妹セット」「ライブシーンのイラスト」「フィギュア」などが細く長く取引され続けます。これは、メルランがいわゆる“バズるタイプ”のキャラではなく、「一度好きになった人がじっくり付き合い続けるタイプ」のキャラであることの裏返しでもあり、グッズの流通にもその性質が反映されていると見ることができます。中古市場は、そうしたファン同士のバトンリレーのような役割を果たしており、ある時期に集中的にメルランを推していた人が手放したグッズが、別の誰かの手に渡って新たなコレクションの一部になっていく――その静かな循環の中で、幽霊楽団のトランペッターは、今日もどこかの棚の上や壁の一角で、トランペットを掲げて笑い続けているのかもしれません。

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■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

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発売日 2021/10/31 メーカー アキバホビー 型番 - JAN 4580371413983 備考 商品解説■大人気スマホアプリ「東方LostWord」のゲーム内絵札を使用したトレーディングミニ色紙にワイド版が登場!東方LostWordは「東方Project」を原作とした公認二次創作作品です。【商品詳細】サ..

【中古】アニメ系トレカ/ノーマル/東方雅華乱舞 〜2011年 夏の章〜 GA10030[ノーマル]:メルラン・プリズムリバー

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【中古】アニメ系トレカ/プラ/東方雅華乱舞 〜2010年 冬の章〜 GA5048[プラ]:メルラン・プリズムリバー

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【中古】バッジ・ビンズ メルラン・プリズムリバー 「東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View. トレーディング缶バッジ Bボック..

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発売日 2020/06/19 メーカー ブシロード 型番 - 備考 分類:CH/レア度:Cシリーズ:ブースターパック 東方Project商品解説■「Reバース」は2020年3月に発売したトレーディングカードゲーム(TCG)!「東山 有」ちゃんたちオリジナルキャラクターが展開するTCGをはじめ、他にも様..

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【中古】アニメ系トレカ/東方雅華乱舞 メルラン・プリズムリバー/illust:茶葉

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