『鈴瑚』(東方Project)

【ギロチン銀座】東方携帯ストラップ81 鈴瑚

【ギロチン銀座】東方携帯ストラップ81 鈴瑚
630 円 (税込)
 東方Project作品に登場するキャラクターのメタルストラップです。年齢制限一般種別ストラップジャンル東方Projectその他-
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【名前】:鈴瑚
【種族】:月の兎
【二つ名】:橘色のイーグルラヴィ、月より団子の月の兎
【能力】:団子を食べる程に強くなる程度の能力
【テーマ曲】:九月のパンプキン

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■ 概要

●「月の兎」としての立ち位置

鈴瑚(りんご)は、『東方Project』第15弾『東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.』で本格的にスポットが当たった月の兎(玉兎)の一人で、地上に降りた“調査側”の人員として描かれるキャラクターだ。月の住人に従う立場ではあるものの、作品内での動きは単純な敵兵のそれとは少し違う。前線で派手に暴れるというより、状況と情報を見て、損をしない手を選ぶ。彼女が見せるのは「戦うために現れた」というより、「場を整えるために配置された」タイプの存在感で、ここがまず鈴瑚というキャラの輪郭を決めている。初登場時点で、彼女は地上調査部隊「イーグルラヴィ」に属し、その中でも情報管理の役回りを担っていた、と説明される。

●“異変”の現場で彼女がやっていたこと

『紺珠伝』の序盤では、地上の舞台に月の兎たちが入り込んでいること自体が不穏さを生むが、鈴瑚はその不穏さを「正面衝突」ではなく「誘導」で処理しようとする。彼女は自分の担当領域が“情報”であるがゆえに、現状の月の都や周辺で何が起きているかを、断片的ながら把握していた側にいる。ただし、全てを理解している万能の参謀というより、“気づいてしまったことが逆に危険”という立場でもある。知っているからこそ、誰にどう話すかを間違えると自分が消されかねない。だから彼女は、敵を力でねじ伏せるよりも、相手を「必要な場所へ動かす」方向に頭を使う。実際に公式の説明では、主人公側をある経路へ通すことで、間接的に調査が進むよう仕向けた、という趣旨の語られ方がされている。

●ステージボスとしての“役割の置き方”

ゲーム上では、鈴瑚は『紺珠伝』で中盤手前のボスとして登場する(いわゆる「2面ボス」)。 ここで重要なのは、彼女のボス戦が「大物の圧」ではなく「現場担当の強かさ」を見せる配置になっている点だ。強敵として恐怖を植え付けるというより、地上調査の現場に紛れ込んでいた相手と鉢合わせる感じが強く、弾幕の方向性も“現場の手持ちで工夫している”温度がある。つまり、鈴瑚の戦いは「物語上の関門」であると同時に、「この異変は末端の兵だけで完結していない」という空気を、プレイヤーにじわじわ伝えるための装置にもなっている。

●名前・モチーフが作るキャラクター像

「鈴瑚」という名前は、音の響きが柔らかく、どこか和菓子や素朴な日常を連想させる。それが彼女の能力やアイテム表現と噛み合うことで、“月の兎=遠い世界の存在”というイメージを、食べ物や屋台の距離感まで引き寄せてくる。月の都や浄化といった硬いテーマの中で、鈴瑚がいると画面の肌触りが少しだけ身近になるのは、この名づけと設定の連動が効いているからだ。二つ名として「橘色のイーグルラヴィ」が挙げられ、色のイメージまで含めてキャラの輪郭が固定されているのも特徴で、登場が短くても印象が残る要因になっている。

●“団子”が物語とゲームをつなぐ

鈴瑚を語るうえで避けられない核が「団子」だ。彼女の能力は「団子を食べるほど強くなる程度の能力」とされていて、これが単なるギャグ小物ではなく、弾幕表現や行動原理の説明として働く。 食べる→強くなる、という直線的な設定はわかりやすい一方で、東方らしく“わかりやすさ”がそのままキャラの愛嬌にもなる。さらに、スペルカード名や弾幕の見た目にまで団子の要素が流れ込みやすく、プレイヤーの記憶に「団子の兎」として刻まれる。英語圏の資料でも、団子を食べて強化される点が鈴瑚の要所として説明されており、この特徴が国や言語を越えて共有されていることがうかがえる。

●異変後の“地上残留”という選択

鈴瑚は、戦いの後に地上へ残る道を選んだキャラクターとして語られる。 ここが彼女の後味を決めるポイントで、「月から来た敵」で終わらない余地が生まれる。地上での暮らしは、月の都の価値観から見れば“穢れ”と隣り合わせだが、鈴瑚の性格や立ち回りを考えると、その選択は“反逆”というより“合理”に見える。危ない橋を渡ってまで組織のメンツを守るより、自分が生き残れて、しかも好きなもの(団子)を軸に生活が組める環境へ着地する。公式のキャラクター紹介では、人里で団子屋「鈴瑚屋」を営んでいる、という後日談が示され、彼女のキャラ性が日常の風景に接続されていく。

●他作品での“ちらり”が生む奥行き

また鈴瑚は、後から別の媒体で「実は過去にこんな場面に居合わせていた」という形で語られるタイプの補強もある。たとえば、月を扱う物語の流れの中で、霊夢を目撃していた、という趣旨の記述が紹介されており、鈴瑚が“ただの末端”ではなく、月関連の出来事の周辺に以前から存在していたことが匂わされる。 こうした点は、東方のキャラが「初登場=誕生」ではなく、後から過去や日常が付け足されて立体化していく作り方と相性がいい。鈴瑚もまた、短い登場の中に“世界の隅で暮らしていた人”の気配を残し、そこから二次創作やファン解釈が広がる土台を持っている。

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■ 容姿・性格

●配色で先に“キャラの役割”が伝わる

鈴瑚の外見は、ひと目で「橘色」を連想させる暖色が中心に組まれている。月の兎という設定は耳で即座に分かるが、彼女の場合はそれ以上に“色”が強い。月の都や浄化という硬いテーマに対して、橙〜黄のトーンは生活感や食欲を呼び込む方向に働き、同じ月の兎でも「軍事」より「日常の匂い」を先に感じさせる。二つ名自体が色をまとっているため、デザインは二つ名を視覚に翻訳したものとしても機能している。

●服装の要点:軽装なのに“現場仕様”

衣装はオレンジ系のトップスに、縦縞が目立つ“かぼちゃパンツ(ブルマ寄りの短いボトム)”という組み合わせが語られることが多い。 このボトムは可愛らしさを強調する一方で、走る・しゃがむ・持ち運ぶといった“現場の動き”に向いた実用性も示唆していて、鈴瑚が前線の指揮官ではなく、調査の実働に混ざる人員であることを納得させる。派手な装飾で権威を誇示するタイプではない、という性格付けも、ここで自然に伝わってくる。

●帽子と耳のシルエットが作る「ゆるさ」

鈴瑚は帽子を被って描かれることがあり、この帽子が神主風の意匠を連想させる、という言及も見られる。 兎耳は“種族の証明”として常に目に入るが、帽子が乗ることで輪郭が丸くなり、軍装の直線的な硬さから離れる。結果として、「任務で来ているはずなのに、どこか抜けて見える」という鈴瑚らしい空気が、台詞より先に視覚で立ち上がる。

●立ち絵・ドット絵で強調される小道具と所作

鈴瑚は“団子”と結び付けられるキャラクターで、立ち絵やスプライトでも団子を食べているような描写が語られている。 この所作が効いているのは、強キャラの威圧ではなく「腹が減ったから動く」「美味しいものがあるから残る」という、生活の理屈で行動する人物に見えるからだ。弾幕STGのボスでありながら、“戦闘のためのポーズ”ではなく“食べる人の姿勢”が印象の核になっているのが鈴瑚の面白いところで、ここがファンアートでも強調されやすい。

●顔つきと雰囲気:強気より“図太いマイペース”

表情の読み取りとしては、怒りや敵意で押すタイプというより、相手の出方を見てから余裕を崩さないタイプに寄っている。もちろん弾幕勝負では敵として立ちはだかるが、態度の根っこにあるのは「勝ち負けで自分の価値を決めない」図太さだ。これは性格の“優しさ”というより“損をしない鈍感力”に近い。だから会話でも、相手を威圧する言葉より、要点だけを押さえた淡々とした調子が似合う。

●性格の核:情報係らしい“現実感”と“保身”

鈴瑚の役職は地上調査部隊「イーグルラヴィ」の情報管理で、異変後は地上に残って人里で団子屋「鈴瑚屋」を営む、という流れが示されている。 情報管理という肩書きは、彼女を「勇敢な戦士」より「状況判断の人」として固定する。現場で英雄になるより、事態の大枠を掴んで危険を回避し、必要なら相手を“使って”でも前に進める。そのやり方は冷酷というより、月の組織の論理を知っている者の自己防衛だ。

●“戦っていいが、勝つ必要はない”が作る独特の距離感

鈴瑚には「任務は調査であり、戦闘は許可されているが勝利は必須ではない」という趣旨の説明があり、ここが性格を決定づける。 この条件下での彼女は、戦闘を“目的”ではなく“手段”として扱う。勝つことを求められていないなら、無理に消耗するより、相手を測って、逃がして、通して、結果として“必要な情報”が回収できればいい。だから鈴瑚は、敵として対峙していても「殺気の塊」にはなりにくく、どこかビジネスライクな温度で動く。

●知ってしまった情報が“彼女を慎重にする”

情報係であるがゆえに、鈴瑚は「自分たちが住んでいると認識している月の都」そのものに異様な前提が絡んでいることを察していた、という説明がある。 ただし、全てを理解しているわけではなく、下手に踏み込めば消されかねない。だから彼女は、正義感で突っ走るより、他者を動かして“安全に確かめる”方向に知恵を回す。ここに、鈴瑚の計算高さと小心さが同居していて、単純な悪役に収まらない人間味が出る。

●“地上の団子”に惹かれる性格は、弱点ではなく武器

鈴瑚は「団子を食べるほど強くなる程度の能力」を持ち、異変後に地上で団子屋を営む。 この設定はコミカルだが、性格面では重要な支点になる。彼女は、遠大な理念や組織の大義よりも、目の前の“美味しい”“得する”“安全”を優先しやすい。だからこそ、危機の場面でも感情で暴走しにくく、状況に合わせて立ち位置を変えられる。食いしん坊っぽさは、鈴瑚にとって“地上に馴染める適性”でもある。

●清蘭との並びで見える“性格の差”

同じ月の兎で、同じ調査部隊の清蘭と並べられることが多いのは、性格のコントラストが作りやすいからだ。鈴瑚は、前に出て勢いで片付けるより、裏で段取りを整える側にいる。表ではのんびりして見えても、頭の中は“次の一手”を考えている。逆に言えば、鈴瑚が本気で慌てるのは、段取りが壊れて「自分が責任を負う形」に寄ったときで、その瞬間だけ感情が表に出やすい。

●作品ごとのニュアンス:ボスの顔、夢の顔、日常の顔

『紺珠伝』ではステージボスとして、調査任務の一環で立ちはだかる“仕事の顔”が強い。一方で、『秘封ナイトメアダイアリー ~ Violet Detector.』の登場人物にも名前が挙がっており、夢のシチュエーションで別の角度から出会う機会が用意されている。 さらに、異変後に団子屋として人里に根を下ろす後日談が語られることで、鈴瑚は「敵」「夢の住人」「商売人」という三つの顔を持てるキャラになる。 この幅があるから、外見の“ゆるさ”と、性格の“抜け目なさ”が同時に成立する。戦闘では冷静、夢では奇妙、日常では気さく。鈴瑚の性格は固定ではなく、置かれた場面で表情を変える“生活者のしたたかさ”として読み解くと、作品をまたいでもブレにくい。

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■ 二つ名・能力・スペルカード

●二つ名「橘色のイーグルラヴィ」が示す“現場の所属”

鈴瑚の二つ名として最もよく挙げられるのが「橘色のイーグルラヴィ」だ。 この呼び名は、単なる色のイメージ以上に「彼女がどんな立場で幻想郷へ来ていたのか」を短い言葉で固定する役割を持つ。イーグルラヴィは地上調査部隊として語られ、鈴瑚はその中でも情報管理を担う個体として説明される。 つまり二つ名は“個人の武勇”というより“配属の札”に近い。だからこそ、鈴瑚のキャラクターは最初から「何かを守る英雄」ではなく「任務を回す仕事人」として立ち上がる。色名が前に出るのも象徴的で、軍や組織の硬さを薄め、団子や商売へつながる生活感の入り口を開けている。

●能力「団子を食べるほど強くなる」=戦闘理屈を日常に落とす仕掛け

鈴瑚の能力は「団子を食べるほど強くなる程度の能力」とされる。 この能力が面白いのは、戦闘力の根拠を“精神論”でも“神秘の修行”でもなく、「食べた分だけパワーになる」という極端に具体的な日常行動へ落とし込んでいる点だ。東方では抽象度の高い能力が並ぶ一方、鈴瑚は説明が短く、絵も浮かびやすい。結果として彼女は、月の浄化計画という大きな話の中にいても、視点が常に“腹の減り具合”へ戻ってくる。強くなる条件が簡単であるほど、キャラの行動原理も単純に見えるが、鈴瑚の場合はそこが逆に“計算高さ”を引き立てる。食べて強くなるなら、戦う前に食べる、危ないなら食べて逃げる、余裕があるなら食べながら様子を見る。能力が「戦い方」ではなく「生き残り方」の合理性に直結しているため、彼女のしたたかさが自然に説得力を持つ。

●団子=弾幕の弾薬、そして“在庫”というキャラ付け

鈴瑚の弾幕表現は、団子を弾として扱うイメージに強く寄る。スペルカード名にも団子が連続して登場し、視覚的にも“丸い弾の塊”が団子の連想を固定する。 ここで重要なのは、団子が「可愛い小物」で終わらず、彼女の性格(商売気質・現場主義)や、その後の生活(人里で団子屋を営むという後日談)へ接続しやすい素材になっている点だ。 団子を投げる、撃つ、ばら撒く、巨大化させる――こうした過剰さはギャグとして機能しつつも、「弾薬=商品」「弾幕=売り物」「大量発射=大量在庫処理」といった連想を許す。鈴瑚の攻撃は、殺意の象徴というより“物量の処理”に見えやすい。これが彼女を、恐怖よりも親しみの方向へ押し出す。

●スペルカード構成の全体像:苺→増量→月見で締める流れ

『東方紺珠伝』における鈴瑚のスペルカードは、大きく「ベリー系の団子」「団子の影響(インフリューエンス)」「月見(セプテンバー)」という三段階の性格を持っている。たとえば、兎符「ストロベリーダンゴ」、兎符「ベリーベリーダンゴ」、兎符「ダンゴインフリューエンス」、月見「セプテンバーフルムーン」、月見酒「ルナティックセプテンバー」といった名前が並び、前半は食べ物の具体性、後半は“月見”という季節行事へ寄っていく。 この流れは「兎=団子」の分かりやすさで掴み、途中で団子を増やして弾幕としての圧を上げ、最後に“月”へ戻して締める構成になっている。鈴瑚が月の兎であることを忘れさせない工夫が、ネーミングの段階で組まれているわけだ。

●兎符「ストロベリーダンゴ」:入口のスペルは“甘さ”と“当たり判定”の両立

兎符「ストロベリーダンゴ」は、鈴瑚の団子路線を最初に刻み込む看板の一つだ。 苺という味の具体性があるぶん、プレイヤーの記憶に残りやすい一方、弾幕としては“丸い弾の列”や“塊”の見え方が、避けの判断を狂わせるタイプになりやすい。東方の弾幕は美しさと危険が重なるが、苺団子系は「可愛いのに詰まる」方向で印象を作る。鈴瑚は2面ボスという立ち位置で、ここでプレイヤーに「この作品は、序盤から変な圧をかけてくるぞ」と感じさせる役を負う。苺団子はそのための“可愛い針”で、見た目の柔らかさで油断させ、角度や密度で刺してくる。

●兎符「ベリーベリーダンゴ」:同系統の“増量版”で、感覚のズレを生む

兎符「ベリーベリーダンゴ」は、苺団子の延長線にあるようでいて、体感の重さが変わるタイプだ。 名前の時点で“もっとベリー”を宣言しているため、プレイヤーは「量が増える」「濃くなる」「粒が多い」といった予感を持つ。その予感通り、弾の塊感・まとまり感が強まり、避け筋を細く見せる圧が増す。ここで鈴瑚のキャラ性がにじむのは、攻撃の強化が“殺意の上昇”というより“盛り付けの増量”に見えることだ。敵が本気になった、というより「在庫を追加で出してきた」感覚が出る。結果として、鈴瑚は強敵というより“厄介な供給者”になる。

●兎符「ダンゴインフリューエンス」:団子が“影響力”を持つ瞬間

兎符「ダンゴインフリューエンス」は、団子を単なる味や形ではなく、場を支配する“影響”として扱う名づけが特徴だ。 ここで鈴瑚は、食べ物の可愛さを保持したまま、弾幕としての圧力を一段上へ持ち上げる。インフリューエンスという言葉が示す通り、弾が飛ぶだけではなく「弾があるせいで、こちらの動きが制限される」状態を作りやすい。つまり、このスペルは鈴瑚の能力(食べて強化)を“戦場の支配”へ翻訳したものとして読める。食べた団子が強さになるなら、その強さは相手に影響を与える。鈴瑚は情報係として“相手の選択肢を狭める”のが得意そうだが、ダンゴインフリューエンスはまさにその性格を弾幕にしたような一枚になる。

●月見「セプテンバーフルムーン」:団子から月へ、視点を戻す転換点

月見「セプテンバーフルムーン」は、鈴瑚のスペル群の中で「月の兎」であることを再提示する節目だ。 九月(セプテンバー)と満月(フルムーン)という組み合わせは、月見の季節感をまといながら、弾幕の見た目も“丸い満月”の連想を強める。団子も丸い、月も丸い。ここで鈴瑚は、団子を投げる面白キャラではなく、「月の文化圏から来た存在」として輪郭が締まる。ゲーム的にも、団子系の“食べ物ギャグ”に慣れた頃に月見系へ移るので、プレイヤーの集中が一度切り替わる。可愛い弾から、綺麗で少し冷たい弾へ。鈴瑚の弾幕は、温度差で印象を残す作りがうまい。

●月見酒「ルナティックセプテンバー」:締めの一撃は“月の狂気”を混ぜる

月見酒「ルナティックセプテンバー」は、鈴瑚の最終スペルとして知られ、英語資料でも Moon-Viewing Saké: Lunatic September として整理されている。 ここで“酒”が入ることで、月見が単なる鑑賞ではなく、宴や酔いのニュアンスを帯びる。鈴瑚というキャラは日常寄りの存在だが、ルナティックという単語が入った瞬間、作品全体のテーマ(狂気・純化・追い詰められた感覚)へ接続される。つまりこのスペルは、鈴瑚の軽さの中に“月の怖さ”を一滴落とす装置だ。弾幕としても、きらめく光や輪のような配置で美しさを見せつつ、避けを誤らせる密度や角度で追い詰める方向が語られやすい。攻略情報でも、難易度ごとの性質が言及され、特にLunatic相当の挙動が別格として扱われることがある。

●難易度差という演出:同じ題名でも“月の圧”が変わる

『紺珠伝』の鈴瑚戦は、難易度によって見える景色が変わるタイプとして語られやすい。月見「セプテンバーフルムーン」がE/N/Hで現れ、Lでは月見酒「ルナティックセプテンバー」が登場する整理は、攻略ページやスペル一覧でも確認できる。 つまり、同じ“月見”の文脈でも、到達する難易度によって「月を眺める」から「月に酔う」へ意味が変化する。これはゲームデザイン上のご褒美であり、同時に“月が本気を出す”演出でもある。鈴瑚は序盤のボスでありながら、作品のタイトルにある Lunatic の匂いを、最後の一枚でプレイヤーに嗅がせる役も担っている。

●『秘封ナイトメアダイアリー』側のスペル:夢で団子が変奏する

鈴瑚は『秘封ナイトメアダイアリー ~ Violet Detector.』にも関連する形で現れ、そこでのスペルカードとして団子系が別名で整理されている情報もある。 ここでのポイントは、夢のシチュエーションになると、団子が「任務の弾薬」から「夢が作る象徴」へ寄っていくことだ。現実の鈴瑚が在庫や効率を気にするなら、夢の鈴瑚は“団子のイメージが増殖して暴れる”方向に行きやすい。つまり、同じ団子でも、現場では道具、夢では怪異。鈴瑚はこの二面性が作りやすいから、公式の登場が短くても、曲やスペル名を手がかりに解釈の幅が広がっていく。

●スペル名の読み方:団子の俗っぽさで近づけて、月見で引き締める

鈴瑚のスペルカード群をまとめると、前半は団子という俗っぽい手触りで距離を縮め、後半は月見という行事とルナティックという不穏で引き締める、という呼吸になっている。 この呼吸があるから、鈴瑚は“ギャグ担当”に落ち切らず、“月の異変に連なる兵”としても機能する。弾幕STGでボスを印象づけるのは、強さだけではなく「このキャラの言葉で、このキャラの弾幕が飛んでいる」と納得できるかどうかだ。鈴瑚は、団子を食べて強くなるという能力が、そのまま団子を撃つ・増やす・月見へ繋ぐという表現に変換されていて、キャラ設定とゲーム表現が噛み合う。結果として彼女は、短い登場でも“説明のいらないボス”になる。

●補足:二つ名とスペルの関係は“色”より“季節”が鍵

橘色のイーグルラヴィという二つ名は視覚的だが、スペルカードの軸は色より季節に寄っている。九月、満月、月見酒。 この季節性が効いているのは、幻想郷の時間が“祭り”や“行事”で流れやすい世界観だからだ。鈴瑚が地上に馴染み、団子屋を営む後日談へ自然につながるのも、彼女の攻撃が「任務の武器」だけでなく「行事の食べ物」や「季節の空気」をまとっているからだと言える。 鈴瑚の二つ名・能力・スペルカードは、別々の要素に見えて、実は“生活”という一本の線でつながっている。月の兎であり、調査兵であり、団子を食べて強くなり、団子で弾幕を作り、月見の九月へ着地し、最後は人里で団子屋として暮らす。彼女は東方の中でも、戦闘と日常が最短距離で直結しているキャラクターの一人だ。

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■ 人間関係・交友関係

●“同僚”から始まる関係:清蘭との並びが基本線

鈴瑚の人間関係を語るうえで、まず外せないのが清蘭との関係だ。二人は同じ月の兎であり、地上調査部隊「イーグルラヴィ」に属して地上へ送られた、という共通点を持つ。 このペアは、東方の「敵同士の因縁」よりも「同じ職場の同僚」っぽい温度で描けるのが強みで、戦場で肩を並べる戦友というより、任務中の雑談や愚痴が似合う関係として受け取られやすい。清蘭が“潜入調査寄りの現場”で、鈴瑚が“情報管理”という後方寄りの役割とされるため、二人の距離感は上下というより“担当違いの横並び”に近い。 そのせいか、どちらが引っ張る/引っ張られるという固定が作りにくく、場面によって主導権が入れ替わるバディとして扱いやすい。ファン界隈では二人セットの呼び方が広く定着していて、組み合わせ自体が一つの“関係性テンプレ”になっている。

●“同郷の先輩”としての鈴仙:顔なじみの意味

鈴瑚は月の兎であり、同じく月の兎として幻想郷で暮らす鈴仙・優曇華院・イナバ(いわゆる鈴仙)とは、設定上「顔なじみ」と説明される。 この一言が効いているのは、鈴瑚が単なる“地上侵入者の敵”ではなく、月の社会(兎たちの階層や役割)を背負っていると感じさせるからだ。鈴仙は月から逃れて地上へ根を下ろした存在で、鈴瑚は任務で地上へ来た存在。立場は違うが、月の兎という属性が同じであるぶん、互いに相手の背景を想像できる。鈴瑚から見れば鈴仙は「地上に住み着いた先例」であり、鈴仙から見れば鈴瑚は「まだ月の論理を引きずった同郷の後輩」に映りやすい。この“同郷の先輩後輩”の構図は、公式で深掘りされなくても、設定だけで会話の方向性が自然に立ち上がる。

●永琳・輝夜・迷いの竹林への接続:月の兎の生活圏という縁

鈴仙と顔なじみという情報は、そのまま永遠亭(八意永琳/蓬莱山輝夜)周辺の話題へもつながる。 ただし鈴瑚自身が永遠亭と直接濃く絡む描写が多いわけではなく、ここは「接点の可能性が高い」という形で関係が置かれているタイプだ。だからこそ、鈴瑚の交友関係は“確定の縁”より“距離の近い縁”として語りやすい。月の兎同士は、組織や任務が違っても話が通じる。地上の文化に馴染めるかどうか、穢れをどう捉えるか、任務と生活のどちらを優先するか。そうした価値観の違いが、同じ兎同士の対比として表に出やすい。鈴瑚は合理性で生き残るタイプなので、永遠亭の面々に対しても“敵対”より“損得で距離を測る”接し方になりやすく、そこがキャラの会話を転がしやすい部分になる。

●ドレミー・スイートとの関係:知ってしまった側の怖さ

鈴瑚の人間関係を少し不穏にするのが、夢に関わる存在との距離だ。鈴瑚は情報管理の役目ゆえに「自分たちが住んでいると認識している月の都」に夢の要素が絡むことを薄々知っていた、という筋立てが説明されることがある。 さらに、その事実を夢を扱う側に知られれば消されかねない、という緊張も示され、鈴瑚は自分が直接踏み込むのではなく、主人公側を通路へ誘導して間接的に探ろうとする。 ここでの鈴瑚は、交友関係が広いというより「危険人物とは近づかない」という生存戦略が強い。相手が強いから避ける、というより“相手の領域で勝負しない”。この距離の取り方は、鈴瑚の性格(現場の損得勘定)とも一致していて、彼女の人間関係が“情”より“安全”で組まれやすいことを示している。

●霊夢・魔理沙たちへの態度:敵対よりも「利用できる動線」

『紺珠伝』の流れで鈴瑚は主人公側と戦うが、彼女の立ち回りは“倒すため”というより“動かすため”に寄っている。情報を握っている立場だからこそ、正面から潰し合うより、相手を適切な場所へ通して状況を観測する方が得になる。公式の説明でも、主人公側を通路へ向かわせる動きが語られ、鈴瑚が「勝つ必要はない」任務で動いている点と噛み合う。 このため、霊夢たちとの関係は“宿敵”になりにくく、どちらかというと「目的の一部が重なった相手」に近い。敵として戦っても、相手の情報価値は認める。相手を嫌うより、相手の強さや行動力を“観測装置”として使う。その冷静さが、鈴瑚の対人スタンスの特徴になる。

●地上残留後の人里:商売が作る“薄く広い縁”

異変後、鈴瑚は地上に残り、人里で団子屋「鈴瑚屋」を営む、と説明される。 ここで彼女の交友関係は、軍隊的な“縦の関係”から、商売的な“横の関係”へ切り替わる。店を開けば、客は人間だけではなく、妖怪や山の勢力、寺の門前に集まる者など、幻想郷の雑多な層へ自然に広がる。鈴瑚は理念で人を選り分けるより、相手が客かどうかで判断しやすい。結果として、強い結びつきよりも、顔見知りが増えていくタイプの交友関係になる。人里の生活に馴染める“軽さ”は、月の兎としては異端寄りだが、鈴瑚にとってはむしろ強みで、彼女が地上で生きるための最適解として機能する。

●清蘭との“その後”:同僚が並んで地上に根を下ろす物語

清蘭もまた異変後に地上へ残った、と整理されることが多く、結果として二人は「任務で来た兎が、そのまま地上に居つく」という共通の“その後”を持ちやすい。 この共通点は、関係性に“逃亡者の連帯”を足す。月に戻れば何が待つか分からない。地上に残れば穢れの問題がある。どちらも楽ではないが、地上には団子があるし、店を出せば生活は回る。二人がもし近くで商売をしていれば、仕入れや情報交換、売上の愚痴、客層の違いなど、日常の話題が尽きない。公式が細部を語らなくても、設定だけで“会話の絵”が大量に立ち上がるのが、鈴瑚と清蘭の強いところだ。

●月の組織との距離:帰属よりも“自己保全”が勝つ

鈴瑚はイーグルラヴィ所属の情報管理とされ、任務は調査であって勝利は必須ではない、と説明される。 この前提に立つと、彼女の対人関係は組織への忠誠よりも自己保全が優先になりやすい。上司や大義のために命を捨てるより、危険を避けて次の手を考える。その結果、組織内では“従順な兵”に見えつつ、心の中ではいつでも離脱できる距離を保っている。地上に残る選択は、その距離感が最後に表へ出た結果とも言える。鈴瑚の人間関係は、情で縛られるより、関係の結び目を自分で緩められる形で作られる。だから彼女は、敵とも味方とも商売相手ともなれる。関係を固定しないことで、生き残るタイプのキャラクターだ。

●まとめ:鈴瑚の交友関係は「深く刺さる縁」より「生きるための縁」

鈴瑚の人間関係を一言でまとめるなら、ドラマチックな因縁より、現実的に生き残るためのつながりが中心だ。清蘭とは同僚として支え合える距離、鈴仙とは同郷として話が通じる距離、夢の存在とは踏み込みすぎない距離、主人公勢とは利用し合える距離、そして人里では商売で薄く広くつながる距離。 鈴瑚は“誰かのために戦い抜く”より、“誰とでもほどほどにやっていく”ことで未来を作る。その身軽さが、月の兎という硬い背景を持ちながら、幻想郷の日常へ自然に溶け込める理由になっている。

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■ 登場作品

●公式ゲームでの主な登場――「紺珠伝」での立ち位置

鈴瑚が公式に“キャラクターとして前面に出てくる”入口は、東方Project第15弾『東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom』である。ここで彼女は2面の中ボス~ボスとして配置され、侵攻や破壊の象徴というより「現場で情報を回し、任務を淡々とこなす月の兎」という顔が強く打ち出される。弾幕も、敵を圧倒して排除するための一撃必殺というより、一定の規則性やリズムを持たせた“試験”のような色合いがあり、相手がどう動くかを見ている雰囲気が漂う(ステージ攻略情報でも鈴瑚の通常攻撃・スペルが段階的に解説される形で扱われている)。 彼女がここで担う役回りは、月側の地上調査部隊「イーグルラヴィ」に属し、情報管理の担当として前線を支える、いわば後方寄りの要員だという点にある。ゆえに会話やプロフィール上でも、血気盛んな武闘派というより、要領の良さ・立ち回りのうまさ・状況把握の速さが“仕事の癖”として見えやすい。加えて、鈴瑚を象徴するアイテムが団子であることも重要だ。彼女は団子を口にするほどに強くなるという性質を持ち、月の兎としての任務と、食べ物=補給=戦力という連想を、キャラクターの個性として一体化させている(戦闘中の印象も「団子を食べる→勢いが付く」という理解で整理されやすい)。また、2面ボスとしての位置は、物語全体の大黒幕とは距離がある一方で、プレイヤーが世界観へ入り込む序盤に“月側の論理”を手触りとして提示する役にもなっており、鈴瑚はその案内役として機能している。彼女に勝つことは、ただ強敵を倒したというより「月の理屈に触れたうえで、なお先へ進む」通過儀礼に近い感触を残す。

●公式ゲームでの再登場――「秘封ナイトメアダイアリー」での扱い

次に鈴瑚がまとまって顔を出す場として語られやすいのが、東方Project第16.5弾『秘封ナイトメアダイアリー ~ Violet Detector』だ。ここでは菫子が“夢の中で弾幕を撮影する”構造が前提となり、敵キャラたちも現実の戦場というより、夢が組み立てた舞台装置として現れる。その中で鈴瑚は、清蘭とセットで月曜日側の敵キャラクターとして登場し、また「Wrong Sunday」側にも顔を出す枠が用意されている。 この作品での鈴瑚は、紺珠伝のように“任務の延長としての戦闘”というより、夢のパッケージに収まった「鈴瑚らしい弾幕」「鈴瑚らしい小道具(団子)」「鈴瑚らしいコンビ感(清蘭と同時に出てくる)」が、短い場面の中でテンポよく提示されるのが特徴になる。つまり、濃いドラマを背負うというより、キャラクターの記号をぶつけてくることで、プレイヤーに“あの二人だ”と即座に伝える役割が強い。攻略ページでも月曜日の各シーンに清蘭と鈴瑚が交互に割り当てられ、鈴瑚のスペルが明示される形で整理されているため、登場の仕方そのものが「短い夢の連続」と相性が良い。

●公式書籍・オフィシャルムックでの露出――“補助線”としての鈴瑚

東方キャラは、ゲーム本編だけでなく、書籍やムックで“設定の補助線”が引かれることが多い。鈴瑚も例外ではなく、まずキャラクターを設定とイラストでまとめた公式ムック『東方Project人妖名鑑 宵闇編』で取り上げられる。 こうした媒体では、ゲーム中の短い会話だけでは掴みにくい「役割」「能力の整理」「キャラクターとしての狙い」が、読者に読みやすい形へ整形されやすい。鈴瑚の場合、月の兎という属性と“団子”の結びつきが一目で理解できるように配置され、清蘭との並びで語られることも多い(コンビとしての輪郭が強いキャラであるためだ)。また、弾幕という東方の核を“紹介本”としてまとめた公式書籍『The Grimoire of Usami 秘封倶楽部異界撮影記録』は、個々のキャラクターを弾幕・スペルカードという角度から再認識するのに向いた媒体で、鈴瑚もその文脈で読者の視界に入る。 さらに2025年刊行の公式書籍『東方幻存神籤 Whispered Oracle of Hakurei Shrine.』は、東方キャラを“おみくじ”として総覧する企画色の強い本で、ここでも鈴瑚は数多い登場キャラの一体としてカタログ化される。 そしてオフィシャルムック『東方外來韋編』の関連企画では、清蘭と鈴瑚を前面に出した“団子屋対決”の告知が公式アカウントから発信されており、彼女たちが「日常寄りの題材で動かしやすいキャラ」としても扱われていることが見て取れる。

●公認・商業系の派生作品――「東方キャノンボール」での登場

東方は二次創作文化が大きいが、その中には“公認・商業展開”として、キャラに声や新規イラストが与えられるケースもある。スマホ向けアプリ『東方キャノンボール』では、鈴瑚が清蘭とともにピックアップ対象として告知され、イラストレーター名・CVなど、原作本編とは別の座組で再構成されたプロフィールが提示されている。 こうした派生作品での鈴瑚は、弾幕STGの“2面ボス”という立場から一歩離れ、ゲーム内のユニットとして運用されたり、イベントの顔として配置されたりすることで、より幅広い関係性や日常的な表情を与えられやすい。原作の鈴瑚が「月の任務」「情報担当」「団子で強化」という骨格を持つぶん、商業派生ではそこに“しゃべる”“交流する”“イベントを回す”要素が上乗せされ、キャラ像が横方向へ膨らむのがポイントになる。

●二次創作ゲーム・映像(同人アニメ/MMDなど)での広がり――公式登場の少なさをどう補うか

東方Projectは公式のTVアニメシリーズが存在しない一方で、同人・二次創作のアニメーションやMMD、短編動画、同人ゲームが膨大に作られてきた土壌を持つ。鈴瑚は原作での登場が比較的コンパクトな部類に入るため、二次創作側では“少ない材料で回しやすい強み”が活きる。要素は明快で、①月の兎、②清蘭とセットになりやすい、③団子という視覚的アイコン、④情報担当=裏方気質、というパーツが揃っている。これらは、シリアスにもコメディにも寄せられるし、日常回では団子屋や食べ物ネタで動かせる。さらに、月の都という巨大な背景と、幻想郷の人里・博麗神社といった“馴染みの場所”を橋渡しできるため、物語の導線役としても便利だ。二次創作ゲームでは、原作通り弾幕ボスとしての再現(2面枠の難度調整に合う)に加え、サポート役・情報屋役・補給役など、原作の「情報管理」イメージを拡張する形で配置されやすい。映像系でも、清蘭と並べて掛け合いをさせるだけで場が成立しやすく、視聴者に“月兎コンビ”として認知される流れが作りやすい。

●“登場作品”から逆算する鈴瑚のキャラクター設計

鈴瑚の登場履歴を俯瞰すると、彼女は「物語の中心で全てを動かすキャラ」ではなく、「中心へ至る道の途中で、世界観の質感を渡すキャラ」として設計されているのが分かる。紺珠伝では、月側の調査部隊という立場から、敵でありつつ“現場の空気”を伝える。 秘封ナイトメアダイアリーでは、短い夢の中でキャラ記号を鮮やかに提示し、清蘭とのセット感を強調する。 書籍やムックでは、設定の補足やカタログ化によって、ゲーム中の短い出番を“理解できる形”に整える。 さらに外來韋編や商業派生では、日常題材・イベント題材に落とし込まれ、団子というアイコンとコンビ性を活かして、読者やプレイヤーが“生活者としての鈴瑚”を想像しやすくなる。 こうして見ると、鈴瑚は「戦うために出てくるキャラ」である以上に、「東方世界のどこかで今日も働いて食べているキャラ」としての手触りを持ち、登場作品の増え方そのものが、彼女の“日常へ降りていく強さ”を裏付けている。

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■ テーマ曲・関連曲

●鈴瑚の“公式テーマ曲”は「九月のパンプキン」

鈴瑚に紐づく代表的な原曲として定着しているのが、『東方紺珠伝 ~ Legacy of Lunatic Kingdom.』に収録された「九月のパンプキン」だ。サウンドトラックの曲目でも、1面ボス(清蘭)の「兎は舞い降りた」に続く流れの中で、鈴瑚に対応する2面ボス曲として並び、作品内で彼女の“顔”になるメロディとして配置されている。 タイトルにある「九月」という季節感が、月見や団子のイメージとも相性が良く、月の兎である彼女を“軍事”より“行事・食”の方向へ引き寄せる働きをしている。つまり、鈴瑚は登場時点で「月の調査部隊」という硬い札を持ちながら、テーマ曲で一気に“生活の匂い”へ着地する。ここが鈴瑚の音楽面の個性の核になる。

●同じ月兎でも、清蘭の曲との対比で“鈴瑚らしさ”が立つ

『紺珠伝』序盤の月兎は、清蘭→鈴瑚という順にボスが置かれているため、音楽もセットで記憶されやすい。清蘭の曲「兎は舞い降りた(The Rabbit Has Landed)」が“前線の勢い”を感じさせるのに対し、鈴瑚の「九月のパンプキン」は、同じ兎でも少し引いた視点や迷いを含むように描かれる、という整理がされやすい。実際、曲解説系の資料では「鈴瑚は前線兵というより裏方寄り」といったニュアンスで、曲がキャラの立ち位置を補強していることが述べられている。 この対比が効いているのは、鈴瑚が“強敵”でありながら、戦うこと自体にどこか躊躇や判断の匂いを残すキャラクターとして読めるからだ。弾幕ゲームのボス曲は、強さの誇示だけでなく「この相手と戦っている意味」を匂わせることがあるが、鈴瑚の曲はまさにそのタイプで、勝負の熱よりも状況の不穏さが先に見える。

●タイトルが作る二重の連想:秋の“月見”と、食べ物の“団子”

「九月のパンプキン」は、字面の時点で秋の行事や季節の気配を呼び込む。月見が連想される季節に、団子が象徴として登場しやすい東方の文法を踏まえると、曲名だけでも鈴瑚の“団子キャラ”を後押しする。さらに「パンプキン」という単語が、和の月見に対して少し異国っぽい温度を混ぜることで、「月から来た兎が、地上文化(行事や食)に触れている」ズレを演出できる。結果として鈴瑚は、月の都の清潔で硬い空気より、地上の季節の匂いと相性が良いキャラとして印象づく。サウンドトラック上でも、月兎パートが“曲名の段階”で日常寄りに寄せられているのが分かりやすい。

●曲調の読みどころ:可愛いだけじゃなく、どこか“迷い”が混ざる

「九月のパンプキン」は、食べ物由来の軽さを感じさせつつ、進行やフレーズの置き方で“迷い”や“逡巡”が立ち上がるタイプとして語られやすい。これは鈴瑚の役割――地上調査部隊の情報管理という、いわば裏方の判断が必要なポジション――と噛み合う。 前線で勢いよく押し切る清蘭と違い、鈴瑚は「状況を見て選ぶ」ことで生き残るキャラとして立ちやすい。そのため、曲も一直線の勝利宣言ではなく、少し揺れるような陰影を持つ。プレイヤーが戦っていて感じるのは、敵意のនみに振り切れた相手というより、「この戦い、そもそも正しいのかな」という空気を含んだ相手だ。鈴瑚の曲は、その空気を“可愛さ”の皮で包んだまま届けてくる。

●作品内の“流れ”で聴く:2面道中曲とのセット運用

東方の音楽は、ボス曲単体でも強いが、ステージ道中曲→ボス曲のつながりで印象が完成する。『紺珠伝』のサウンドトラックでは、「湖は浄めの月光を映して」が2面テーマとして置かれ、その次に「九月のパンプキン」が来る並びになっている。 この“湖”“月光”という語が先に立つことで、プレイヤーは「月の異変」の匂いを強く吸い込んだ状態でボスへ入る。そこに「九月のパンプキン」が来るから、月の冷たさと、食べ物の温度が衝突する。鈴瑚が“月から来たのに地上へ残る”という後日談へ自然につながるのは、まさにこの衝突が、音楽の時点で仕込まれているからだと考えると、プレイ体験の記憶も整理しやすくなる。

●“関連曲”の考え方:鈴瑚の曲は「アレンジ文化」で増殖する

東方の関連曲というと、公式に複数テーマが与えられるキャラもいるが、鈴瑚の場合は「九月のパンプキン」が核になり、そこから同人アレンジで膨大に枝分かれしていくタイプだ。アレンジのデータベース的なサイトでも、「兎は舞い降りた」「九月のパンプキン」といった『紺珠伝』序盤の月兎曲は、イベント頒布やアルバム収録の形で多様な派生が記録されている。 鈴瑚の関連曲を追うコツは、「鈴瑚名義の曲」を探すというより、「九月のパンプキン原曲アレンジ」を入口にして、そこからジャンル(ロック/ジャズ/EDM/民族系/ピアノ/オーケストラ/チップチューンなど)で分岐していくことだ。鈴瑚は団子のイメージが強いので、軽快・可愛い寄りが目立ちやすい一方、原曲の“迷い”や“陰影”を拾って、しっとりしたアレンジに落とすサークルもいる。ここで同じメロディが、全く違う人物像を映す鏡になる。

●ボーカルアレンジの方向性:歌詞で“団子”“月”“地上暮らし”が強化される

ボーカル曲になると、鈴瑚の関連曲は概ね三系統に分かれやすい。①団子・食いしん坊・屋台感を前面に出すコミカル系、②月の兎としての任務や矛盾を歌うシリアス寄り、③地上に残ったあとの“暮らし”や“開き直り”を描く日常系、という三つだ。原曲が持つ「軽さ」と「迷い」の二面性が、歌詞でどちらに転ぶかの分岐点になる。もちろん、ここでの歌詞はサークルごとの創作なので、鈴瑚が“こういう人物だ”と決め打ちするより、「この曲は鈴瑚のこの面を強調している」と読み解くのが似合う。例えば、同じ『紺珠伝』の月兎曲を原曲に取ったボーカルアレンジが頒布されていること自体は、公式曲が“物語の土台”として機能している証拠になる。

●インストアレンジの方向性:弾幕の“手触り”を音で再現する

インスト系のアレンジでは、「九月のパンプキン」は主に二つの遊び方をされやすい。ひとつは、メロディをあえて可愛く立てて、丸い音・跳ねる音で“団子弾”の見た目を想起させる方向。もうひとつは、リズムや低音を太くして、鈴瑚の“強敵感”と“迷い”を前面に出し、月の異変の圧へ寄せる方向だ。東方の曲は短いフレーズが強いので、アレンジでは「どのフレーズを主役にするか」がそのままキャラ解釈になる。鈴瑚の場合、主役フレーズを明るく扱えば“屋台の看板娘”っぽくなるし、暗く扱えば“裏方の葛藤を抱えた兵”っぽくなる。曲が一人の人格を二通りに見せられるのが、鈴瑚の関連曲が飽きにくい理由だ。

●“公式サントラで追う”という最短ルート

鈴瑚の音楽をまず押さえるなら、公式サウンドトラックの曲目を辿るのが一番早い。『東方紺珠伝』サウンドトラックには「兎は舞い降りた」「湖は浄めの月光を映して」「九月のパンプキン」が並んで収録されており、月兎パートの導入~鈴瑚戦の流れが、そのまま“音楽で読む序盤の物語”になっている。 ここを押さえたうえで、アレンジを聴くと「このサークルは湖~月光の冷たさを拾ってるな」「このアレンジはパンプキンの季節感を強調してるな」と、聴き比べの軸が一気に増える。鈴瑚の関連曲は数が多いぶん、最初に“原点の温度”を耳に焼き付けておくと迷子になりにくい。

●まとめ:鈴瑚の音楽は「団子の軽さ」と「月の迷い」の間で揺れる

鈴瑚のテーマ曲「九月のパンプキン」は、曲名の時点で季節と食の匂いをまとい、月の異変という硬いテーマに“生活の温度”を持ち込む。 一方で曲の陰影は、鈴瑚が裏方寄りで、戦うことの意味に迷いを抱えるような立ち位置であることを感じさせ、単なるコミカル枠に落ちない。 だから関連曲も、可愛い団子寄りと、月の不穏寄りに二股で伸びていく。鈴瑚の“曲”を追うことは、そのまま「鈴瑚というキャラを、どっちの顔で見るか」を選ぶことに近い。団子屋の看板娘としての鈴瑚も、任務と生存の間で判断する鈴瑚も、どちらも同じ旋律から立ち上がる。そこが、鈴瑚の音楽が長く聴かれる理由になっている。

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■ 人気度・感想

人気投票の数字が示す「安定して刺さる層」の存在

鈴瑚は、初登場以降に爆発的な上位常連になるタイプというより、「好きな人が継続して票を入れる」ことで存在感を保つキャラクターとして語られやすい。実際、東方Project人気投票の記録を見ると、第16回(2020年)では人妖部門で112位、ポイント362・得票数338・一押し24・コメント65と、票の集まり方が“濃い”ことが読み取れる。 さらに直近のTHWiki Popularity Poll 2025(投票期間:2025年8月15日〜29日)では、作品(東方紺珠伝)枠の内訳として鈴瑚は順位137、ポイント442、得票93、一押し29、コメント数93、(同ページ上の集計では)応援ファンワーク0というデータになっており、「ちゃんと投票されているのに、同時に“まだ伸びしろがある”」という独特の位置にいる。 この数字の面白さは、鈴瑚の魅力が一言で説明しにくいところにある。つまり、派手な最強格や物語の中心に立つ役回りではないのに、日常寄りの設定と月要素の緊張感が共存していて、刺さる人には長く刺さり続ける——その結果として「順位は中堅〜下位寄りでも、印象の濃度は高い」という評価に落ち着きやすい。

“団子屋の看板娘”が生む親しみと生活感の強さ

ファンの感想で特に多いのが、鈴瑚を「生活の匂いがする月の兎」として捉える視点だ。月の使者・侵攻側という物騒な立場で登場しつつも、どこか肩の力が抜けていて、結果的に地上の暮らしへ馴染んでいく(あるいは最初から馴染めそうに見える)空気がある。人気投票のコメント欄でも、鈴瑚の魅力として“団子屋に収まる感じ”“一緒に団子を食べたくなる距離感”“飄々とした雰囲気が良い”など、戦闘よりもキャラクターの温度や日常性に焦点が当たりやすい傾向が見える。 ここで大事なのは、日常要素が「弱さ」ではなく「強み」になっている点だ。東方世界は、異変解決のスケールが大きくなるほど人物像が神格・怪異寄りに寄っていくが、鈴瑚はその逆方向——商売、食べ物、働きぶり、だらっとした時間——を想像させる。だから二次創作でも、彼女を中心に据えると“会話劇が回る”“店の空気が立つ”“仲間が自然に集まる”という利点があり、読者側も「戦わせなくても絵になる」と感じやすい。

「飄々としているのに、実は有能そう」ギャップの快感

鈴瑚への好意的な見られ方で、もう一つ根強いのがギャップだ。表面はどこか気だるく、マイペースで、余裕があるように見える。その一方で、月の兎として任務に就いていた経歴や、状況判断の冷静さを匂わせる描写があるため、「本気を出したら怖い」「能力や頭の回転は相当なのでは」という想像が生まれやすい。人気投票コメントにも、鈴瑚の“飄々とした態度”と“有能さの片鱗”を同時に面白がる声が並び、怠そうに見えるのに実務は回せそう、という評価に集約されていく。 このタイプは、東方のキャラ群の中でも“語りがい”がある。なぜなら、公式が全部を説明しないぶん、ファンが「どこまで計算で、どこまで天然なのか」「店をやっているのは逃避なのか、適応なのか」「月の論理をどの程度引きずっているのか」といった解釈を積み上げられるからだ。結果として、鈴瑚は“派手な台詞や大技がなくても、人物像の余白で人気を作る”タイプになっている。

清蘭とのセット人気が、入口と奥行きを同時に作る

鈴瑚の人気を語るうえで、清蘭との関係性はほぼ必須の話題になる。いわゆる「セットで好き」「二人の掛け合いが見たい」という支持が強く、ベストパートナー部門の結果にもそれが表れている。第13回(2017年)の人気投票ベストパートナーでは「清蘭と鈴瑚」が33位で、ポイント899・一押し93・コメント179という強さを見せ、組み合わせとしての認知が早い段階で定着していたことが分かる。 また第16回人気投票Ex(2020年)でも「清蘭と鈴瑚」が59位として記録され、ペアで語られる流れが継続している。 この“ペア人気”は鈴瑚単体の魅力を薄めるどころか、むしろ入口を広げて奥行きを深くする働きをする。入口としては、二人の並びが視覚的に分かりやすく、団子屋や日常シーンを想像しやすい。奥行きとしては、同じ月の兎でも性格や立ち回りが違うぶん、鈴瑚の「余裕」「計算」「だらけ方」「面倒見」などが比較で浮かび上がる。ファンが鈴瑚を好きになる導線として「清蘭との関係で気になって→鈴瑚の単体解釈に沈む」という流れが作りやすいのは、人気が長持ちする理由の一つだろう。

ファンが語る「かわいさ」の方向性が多層的

鈴瑚の“かわいい”は、単純なアイドル的かわいさよりも、いくつかの層に分かれて語られる。第一に、食べ物や店のイメージと結びついた「もっちり・ふわっとした可愛さ」。第二に、飄々としていて掴みどころがない「ずるい可愛さ」。第三に、月の兎としての背景を抱えたまま、地上の空気に混ざってしまう「危うい可愛さ」。人気投票コメントでも、見た目の好み・雰囲気の好み・一緒に何かしたい(団子を食べたい等)という生活密着型の好意が混在しており、支持の仕方が一方向に偏っていない。 この多層性は、創作側にとっても扱いやすい。ほのぼのに振れば“良い店の子”として機能し、シリアスに寄せれば“月の匂いが抜けきらない諜報員”として影を落とせる。だからこそ、熱狂的な上位勢とは別の形で、一定数のファンに「自分の好みの角度で愛せる」キャラとして残り続ける。

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■ 二次創作作品・二次設定

●前提:公式の“余白”が、二次創作での伸びしろになる

鈴瑚は公式での出番がコンパクトな部類に入りやすい一方、キャラクター要素が分かりやすく、しかも互いに矛盾しにくいのが二次創作向きだ。月の兎としての背景(任務・組織・月の価値観)と、団子を軸にした生活感(食・商売・日常)が同居しているため、作者はどちらの方向へも舵を切れる。しかも「地上に残った」「人里で団子屋を営む」という後日談のイメージが強いので、戦闘後の“その後”を描く舞台が最初から用意されている。この“舞台の強さ”が、鈴瑚の二次設定を量産しやすくしている。

●定番その1:団子屋「鈴瑚屋」を中心にした日常回

二次創作で最も安定して回りやすいのが、団子屋を拠点にしたほのぼの・コメディだ。鈴瑚は「店番」「看板娘」「仕込み担当」「客引き」「新メニュー開発」など、役割の分解がしやすい。さらに幻想郷は人里の客層が多種多様で、妖怪・神様・僧侶・仙人・天狗・河童など、誰を来店させても絵になる。結果として、鈴瑚は“物語の中心人物”というより“日常の交差点”として機能しやすい。店に人が来る→会話が起きる→小さな事件が解決する、という流れだけで短編が成立するため、4コマ、ショート漫画、MMD短編、ボイスドラマのいずれでも扱いやすい。

●定番その2:清蘭との「月兎コンビ」掛け合い

鈴瑚の二次創作で欠かせないのが、清蘭とのコンビ性だ。二人は同じ“月の兎”で、同じ“地上に馴染む側”として描きやすいので、会話の温度が最初から合う。定番の型としては、清蘭が勢いとノリで前に出て、鈴瑚が淡々と受け止めて要点だけ拾い、最後に少しだけ毒を混ぜる、という役割分担になりやすい。逆に、鈴瑚が本気で動く回では、清蘭が“ツッコミ役”になって鈴瑚の計算高さを怖がる、という反転もできる。二人の関係は「仲良し」だけでなく、「同僚」「腐れ縁」「戦友」「同居人」「共同経営者」「ライバル店」などに分岐できるので、作者ごとに味付けが変わっても破綻しにくい。

●定番その3:鈴仙・永遠亭との“同郷”ネタ

月の兎という共通項から、永遠亭周辺と絡ませる二次設定も定番だ。鈴瑚は“任務で来た兎”、鈴仙は“逃げて残った兎”として対照にしやすく、価値観の違いが会話に出る。よくある描き方としては、鈴仙が地上のルールを教える保護者役になり、鈴瑚が「なるほどね」と吸収していく適応者になるパターン。逆に、鈴瑚が商売の才覚で人里に根を張っていて、鈴仙が「地上に溶け込みすぎでは?」と戸惑うパターンもある。永琳・輝夜の側は、鈴瑚を“研究対象”として面白がったり、“月の事情”を探るための窓口として扱ったりできるので、ほのぼのからシリアスまで振り幅が広い。

●定番その4:食いしん坊・グルメ・もちもち路線

能力の連想と団子モチーフの強さから、鈴瑚は食いしん坊キャラとして描かれやすい。ただし単なる大食いより、「食べることが生存戦略」「食べることが強化」「食べることが商売」という三段階の意味を持たせられるのが鈴瑚の強みだ。二次創作では、(1)団子の食べ比べ、(2)季節限定メニュー、(3)月見イベントの団子供給、(4)寺・神社・宴会への出店、(5)河童の技術で冷凍団子や自動蒸し器導入、など“料理回のネタ”が自然に生える。さらに、見た目の柔らかさ(丸い弾、丸い月、丸い団子)と、性格の飄々さが噛み合うので、可愛いのに抜け目ない、というギャップを料理の場面で強調できる。

●定番その5:情報係・諜報・裏方の“実は有能”路線

鈴瑚は、表ではのんびり、裏では仕事が早い、という二重構造を作りやすい。二次設定では「情報管理=情報屋」「調査担当=探偵役」「書類係=事務の鬼」「在庫管理=計算が速い」「戦闘は必要最低限=合理主義」といった方向へ伸ばされやすい。ここからさらに、月の組織に未練がある/ない、月の監視を恐れている/開き直っている、という内面の分岐が生まれる。シリアス作品だと、鈴瑚は“知ってはいけないものを知った側”として描かれ、黙っている理由が保身なのか、仲間を守るためなのか、あるいは未来のための布石なのか、というドラマが立つ。コメディ作品でも、「実は全部計算してた」「勝たなくていいから負けもしない」といった台詞回しで、抜けて見えるのに怖い、という味が出せる。

●定番その6:弾幕ネタの再解釈(団子=弾薬=商品)

弾幕表現が団子に寄っているため、二次創作では“団子弾”が多用途に変換される。例えば、団子弾が本当に団子として落ちてきて後で拾える、弾幕の後始末が大変で人里の清掃奉行(誰か)に怒られる、弾幕で団子の宣伝をしている(「当たるとクーポンが出る」など)、というギャグが作れる。一方シリアスでは、団子弾が補給線の象徴になり、団子=兵站=戦力の比喩として使われることもある。鈴瑚は“弾幕を撃つ理由”が生活に直結しているので、弾幕そのものを日常の延長として扱う二次設定が成立しやすい。

●カップリング・関係性の二次解釈が増えやすい理由

鈴瑚は「誰とでも会話が成立する」タイプのキャラ付けにしやすいので、関係性の二次解釈が増殖しやすい。清蘭との鉄板コンビはもちろん、鈴仙との“同郷”、菫子との“夢で遭遇”、霊夢や魔理沙との“人里ビジネス”、早苗や妖夢との“店の常連”など、導線の付け方が簡単だ。恋愛的な解釈に寄せる場合でも、鈴瑚は感情で突っ走るより、先に状況を読む側として描けるため、「照れてるのに悟られない」「押してるのに淡々としてる」「本気のときだけ距離が近い」といった演出で独特の味が出る。逆に友情寄りにするなら、“同業者(屋台仲間)”や“情報交換の相棒”として描けばよく、こちらも無理がない。

●描かれやすい口調・行動の癖(ファン側の共通イメージ)

二次設定での鈴瑚は、概ね「落ち着いてる」「要点だけ喋る」「面倒くさがり」「でも仕事はやる」「食べ物にだけ反応が速い」という癖が付与されやすい。口調は砕け気味で、煽りというより、淡々とした小さな毒で場を転がす描写が多い。行動としては、(1)団子を食べてから考える、(2)危ない話は人に投げる、(3)損得で動いてるように見せつつ最低限の情は残す、(4)必要なときだけ動きが鋭い、という“省エネ有能”がよく採用される。これらは公式が細かく決め打ちしているというより、鈴瑚の設定パーツから自然に生まれる「一番しっくりくる解釈」に近い。

●二次創作での役割:主役にも、便利な脇役にもなれる

鈴瑚は主人公に据えると「地上に定着した月兎の生活」というテーマで長編が作れるし、脇役に置くと「情報提供」「補給」「店」「休憩場所」として物語を回せる。つまり“主役適性”と“装置適性”の両方を持つ。しかも、装置として使われても嫌味が出にくいのは、鈴瑚が「目立ちたがり」より「場を整える」方向で描かれやすいからだ。主役回では、月への未練・恐れ・適応・開き直りといった内面を掘れる。脇役回では、団子と商売の軽さで空気を和らげ、必要なら情報係の顔で話を締める。二次創作での鈴瑚が安定して出番を得るのは、この“運用のしやすさ”が大きい。

●まとめ:鈴瑚の二次設定は「日常」と「裏方」の二枚看板で増える

鈴瑚の二次創作は、大きく分けると団子屋を中心にした日常コメディと、情報係としての裏方・諜報・合理主義を強調したドラマの二系統が柱になる。そこに清蘭とのコンビ性、鈴仙との同郷性、弾幕=団子という視覚ネタが絡み、作品のトーンに応じていくらでも味付けが変えられる。公式の余白が大きいキャラほど、二次創作では“自分の鈴瑚”が生まれやすい。鈴瑚は、その余白を埋めるための材料(団子・月兎・仕事人・地上適応)が最初から揃っているので、笑える鈴瑚も、怖い鈴瑚も、優しい鈴瑚も全部成立してしまう。だからこそ、彼女は中堅的な立ち位置でありながら、長く描かれ続けるタイプのキャラクターになっている。

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■ 関連商品のまとめ

●鈴瑚グッズの“核”は「団子」と「月兎コンビ」

鈴瑚の関連商品は、東方キャラの中でもモチーフが分かりやすいぶん、商品化の方向性がはっきり出やすい。軸になるのは大きく二つで、ひとつは「団子」=食べ物・丸い形・秋の月見という連想、もうひとつは清蘭と並べたときの「月兎コンビ」=ペアで揃える楽しさだ。単体でも成立するが、同じ棚に清蘭がいるだけで“物語が始まる”タイプなので、グッズでも「鈴瑚だけ買う」「清蘭とセットで買う」の両方が自然に成立する。結果として、単品展開とペア展開が同時に回りやすく、同人・商業のどちらでも商品が作りやすいキャラと言える。

●同人系の王道:アクリル(アクスタ・アクキー)と缶バッジ

まず現実的に数が多くなりやすいのは、アクリルスタンド/アクリルキーホルダー/缶バッジの類だ。理由は単純で、ビジュアルのアイコン(橘色の服装、兎耳、団子)が小さな面積でも見栄えし、さらに「並べると楽しい」からだ。アクスタは“店の看板娘”という文脈とも相性が良く、机の上に置くだけで鈴瑚屋の雰囲気が出る。アクキーや缶バッジは持ち歩き需要に乗せやすく、団子屋・月見・秋イベントなど、季節の気分で付け替える遊び方もできる。二次創作では表情差分や衣装違い(屋台エプロン、月見の和装っぽいアレンジ、スポーティー寄り等)も作りやすいので、同じ鈴瑚でも“集めたくなるバリエーション”が増えやすい。

●紙ものの強さ:イラスト本、漫画、短編集、ポストカード

鈴瑚は設定の余白が広いキャラなので、紙もの(同人誌)との相性が良い。日常回なら団子屋の一日、シリアスなら月の組織との距離や「知ってはいけないことを知った側」の緊張を描ける。短編が回しやすく、清蘭・鈴仙・人里勢など誰を出しても成立しやすいから、合同誌や短編集でも使われやすい。関連する紙もの商品としては、フルカラーイラスト本、4コマ、漫画短編集のほか、ポストカード、しおり、クリアファイル、ステッカーなど“絵の気分”を買う形が強い。鈴瑚は団子の丸みや秋の色合いが映えるため、色の気持ちよさ(橙・黄・夜の藍・月の白)を楽しむイラストが多く、絵柄の幅も広くなる。

●ぬいぐるみ・マスコット類:兎耳+団子で造形が強い

鈴瑚は“ぬい・マスコット向き”の記号を最初から持っている。兎耳が目立ち、配色が明るく、表情も硬派に寄りすぎないため、デフォルメしても破綻しにくい。さらに団子を小物として持たせられるので、手のひらサイズの商品でも“鈴瑚っぽさ”が出る。ぬいは「連れて歩く」「店に座らせる」「団子と一緒に撮る」などの遊び方と相性が良く、写真文化が強い東方界隈では特に定着しやすいカテゴリだ。清蘭と同時に揃えることで“二体セットの満足感”が出る点も、購買動機として強い。

●食べ物モチーフの派生:団子・月見・秋祭りグッズ

鈴瑚の最大の個性である団子は、グッズ化で非常に強い。たとえば団子デザインのチャーム、団子柄の手ぬぐい・タオル、和風テイストの巾着やポーチ、月見を意識したポスターやアートプリントなど、食べ物そのものを売らなくても“食のイメージ”を商品に落とし込める。イベント側の企画としても、秋~月見シーズンに鈴瑚を看板に据えるだけで季節感が出るので、季節限定頒布や記念セットの顔にしやすい。ここでは「鈴瑚屋」要素が効いて、ただのキャラクターグッズではなく“店のノベルティ”みたいな作り方ができるのも強みだ。

●ゲーム・音楽・書籍の周辺:原作パッケージと“曲”の需要

関連商品を広く見ると、原作ゲーム(紺珠伝)やそのサウンドトラック、公式書籍・ムックといった「公式の情報源」も鈴瑚関連の中核に入る。鈴瑚の場合はテーマ曲がはっきりしているので、「曲が好きで集める」という導線が強い。そこから同人音楽(原曲アレンジ)へ自然に流れ、CD、DL販売、ジャケットイラスト、特典ポストカードといった形で“鈴瑚の絵”に触れる機会が増える。音楽系は「キャラが好き」だけでなく「曲が好き」でも買えるため、鈴瑚の入口として機能しやすいジャンルだ。

●ボイス・ドラマ・動画系の派生:キャラの“会話が回る”強さ

鈴瑚は台詞回しやテンポが想像しやすく、清蘭との掛け合いも作りやすいので、動画・ボイスドラマ・短編アニメ風の二次創作で登場しやすい。ここから派生する商品として、DL音声、ドラマCD、設定資料っぽいおまけ冊子、キャラソン風アレンジなどが生まれることがある。鈴瑚は“主役として叫ぶ”より“淡々と突く”側に寄せても成立するため、演技の方向性も幅が広い。結果として、同じ鈴瑚でも作品ごとに味付けが変わり、聴き比べ・見比べの楽しみが生まれる。

●まとめ買い・セット売りの定番:清蘭セット、月兎セット、団子セット

鈴瑚の関連商品は、単品で買わせるより“セットで買わせる”設計が決まりやすい。清蘭とペアのセット、月の兎をまとめたセット、秋・月見テーマのセット、団子モチーフを集めたセットなど、まとめ方の軸が複数ある。特に「清蘭と鈴瑚」は、並べたときに絵が成立し、会話も成立し、店の物語も成立するので、最も自然なセット需要を持つ。グッズ制作者側にとっても“売り方が想像しやすい”組み合わせであり、購入者側も“揃えた満足感が高い”組み合わせになる。

●買い方の傾向:同人イベント→通販、季節企画→再販待ち

関連商品の入手導線は、同人イベント頒布から通販へ流れるもの、通販限定で展開されるもの、季節企画として短期間だけ出るもの、などに分かれやすい。鈴瑚は秋・月見に強いキャラなので、季節に合わせた頒布や限定セットが出ると“その時にしか買えない感”が出やすく、再販待ちや中古探しに繋がることも多い。逆にアクキーや缶バッジなどは再頒布されることもあるため、「まずは手頃なものから入る→気に入ったら本やぬいへ」という階段が作れる。鈴瑚の関連商品は総じて“入り口が広い”ので、軽いグッズで触れてから沼に落ちる動線ができやすいのが特徴だ。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

●中古市場の全体像:鈴瑚は「薄く広く出回るが、イベント限定は跳ねる」タイプ

鈴瑚の中古流通は、東方全体の中では“常に大量に出ている”トップ層ではないものの、清蘭とのセット需要と「団子/月兎」という分かりやすい記号のおかげで、アクキー・缶バッジ・クリアファイル・同人誌などが定期的に流れてくるタイプだ。実際、フリマ系では鈴瑚単体の小物がワンコイン前後で出ている例があり、たとえばメルカリ上で「東方Project 鈴瑚」が¥555で取引表示されている例が確認できる。 一方で、まとめ売り・セット売りになると値段は上がりやすく、同じくメルカリ上でアクリルキーホルダーのセットが¥3,111で提示されている例もある。 この「単体は手頃、セットは少し高い」という構図が、鈴瑚中古の基本的な見取り図になりやすい。そこへ、イベント限定(例大祭やコラボ配布)や、人気サークル頒布、入手難の在庫切れ品が混ざると、急に相場が跳ねることがある。

●主戦場その1:フリマ(メルカリ等)は“ワンコイン〜数千円”の幅が出る

フリマは、出品者の整理放出と需要が噛み合うと値付けが読みやすい反面、同じカテゴリでも価格差が出やすい。鈴瑚の場合、単体小物が比較的手に取りやすい例として、前述の¥555のような価格が見える一方で、キャラ混在セットでは数千円帯になりやすい。 また、缶バッジやラバストの複数点セットが出品されている例もあり、こうした「点数×送料込み」の条件で値段が決まるケースが多い。 フリマでのコツは、①単体で欲しいのか、②清蘭・鈴仙などと一緒でも良いのか、③未開封にこだわるのか、を先に決めておくこと。鈴瑚は“セットで出されがち”なキャラなので、単体狙いだと待ちが発生しやすい反面、セットOKにすると一気に選択肢が増える。価格も「余り物として安い」か「まとめ売りで割高」に振れやすく、狙い方で体感相場が変わる。

●主戦場その2:ヤフオクは“コラボ・限定品”が浮上しやすい

ヤフオクは、定番小物よりも、限定配布やコラボ系の雑貨が目に入りやすい傾向がある。実際、検索結果の例として、鈴瑚のクリアファイル(東方LostWord表記のもの)が即決¥1,500で提示されている例や、アトレ秋葉原コラボ系と思われるアクリルキーホルダーが即決¥490で提示されている例が確認できる。 ここで重要なのは「限定の肩書き」が付くと、たとえ小物でも“欲しい人がはっきりしている”状態になりやすい点だ。入札が伸びるかどうかはタイミング次第だが、少なくともフリマより「限定物が流れてくる率」が上がりやすい。鈴瑚はコア人気の層が一定数いるため、限定品は“刺さる人に刺さって”価格が残ることがある。

●主戦場その3:中古ショップ(駿河屋など)は“在庫の読みやすさ”が強み

中古ショップ系は、フリマほど大きくブレないかわりに、在庫の有無で全てが決まる。鈴瑚関連では、同人誌が中古¥310で並んでいる例があり、「とりあえず鈴瑚が出ている本を読んでみたい」という入り口として機能しやすい。 一方で、イベント頒布のクリアファイルが中古¥2,100で在庫1、さらに買取価格¥900が表示されている例もあり、限定物が“店頭在庫の希少さ”と結びつくと価格が上がるのが見える。 ショップ系は、同じ品でも状態ランクや在庫数、販売タイミングで価格が動くが、「いま買える/いま買えない」がはっきりしているのが利点だ。欲しい物が決まっている人ほど、ショップで型番や商品名一致で刺しに行く方がストレスが少ない。

●新品(BOOTH等)と中古の関係:新品が安いと中古は“送料込みの便利枠”になる

鈴瑚は同人頒布(BOOTH)で新作が出ることも多く、価格帯がかなり手頃な例もある。たとえば鈴瑚のアクリルスタンドが¥100で出ている例があり、同じ検索結果でも¥200〜数千円まで幅広い。 この「新品が安い」領域があると、中古は価格勝負というより、①まとめて買える、②既に完売している、③イベント限定や配布物で新品入手が難しい、という“便利枠/希少枠”で価値が立つ。つまり鈴瑚グッズは、中古が常に安いとも高いとも言い切れず、品目ごとに市場が分裂している。普通に買えるアクキーは新品・中古とも手頃、完売済みや限定品は中古だけが高くなる、という二層構造になりやすい。

●価格帯の目安:カテゴリ別に“出やすいレンジ”を作っておく

実勢は日々動くが、目安としてレンジを持っておくと探しやすい。 ・同人誌:ショップ中古で数百円から見える(例:¥310)。 ・小物単体(アクキー・缶バッジ等):フリマでワンコイン前後が見える(例:¥555)。 ・小物セット/キャラ混在セット:数千円に乗りやすい(例:¥3,111)。 ・コラボ/限定雑貨:数百円〜千円台から、状態や希少性で伸びる(例:¥490、¥1,500)。 ・イベント頒布品(ファイル等):在庫希少だと2,000円台の例もある(例:¥2,100、買取¥900)。 このあたりを“自分の許容範囲”として握っておくと、出品を見た瞬間に「買い」「見送り」の判断が早くなる。鈴瑚は一点狙いより、清蘭セットや月兎セットで出やすいので、「セットならこの上限まで」と決めておくのが現実的だ。

●相場が上がりやすい条件:限定・在庫1・セット需要の三点セット

鈴瑚関連で値が張りやすいのは、だいたい次の条件が重なったときだ。①イベント頒布やコラボで再入手が難しい、②ショップ在庫が少ない(在庫1など)、③清蘭とセットで欲しい人が多い。駿河屋の例では、清蘭&鈴瑚のクリアファイルが在庫1かつ2,000円台で提示されており、まさに“希少×セット需要”の圧がかかっている。 ヤフオクでも、コラボ名が付く小物が複数出ているのが見えるので、限定物はプラットフォームを跨いで一定の価値を保ちやすい。

●買う側のコツ:検索語の揺れと「清蘭セット」を味方にする

鈴瑚は漢字が珍しいため、検索に揺れが出ることがある。BOOTH検索結果の例でも「鈴湖」表記が混ざっている出品が見える。 フリマやオークションでは、出品者が誤変換している可能性もあるので、「鈴瑚」「鈴湖」「月兎」「清蘭 鈴瑚」「紺珠伝 兎」など、複数ワードで定期的に当て直すと拾える確率が上がる。さらに、単体にこだわりすぎると母数が減るので、「清蘭とセットならOK」にすると出会いが増える。どうしても鈴瑚単体が欲しい場合は、セット品から“鈴瑚だけ残る”タイミング(整理出品)を狙うのが現実的だ。

●売る側のコツ:状態説明と“由来(イベント名・コラボ名)”で価値が決まる

売却する場合、鈴瑚は「何の鈴瑚か」が価格を左右しやすい。限定・コラボ・イベント頒布の情報が商品価値そのものになるからだ。ヤフオクの例でも、アトレ秋葉原コラボらしき記載が見えるだけで“限定感”が立つ。 クリアファイルのような紙物は折れ・スレの影響が大きいので、未開封かどうか、角の状態、保管方法を丁寧に書くほど信頼が上がる。ショップ買取を使うなら、販売価格だけでなく買取価格が表示されているケースもあり、相場の目安を作りやすい(例:販売¥2,100/買取¥900)。

●まとめ:中古で鈴瑚を集めるなら「小物は手頃、限定は粘り、セットは割り切り」

鈴瑚の中古市場は、ワンコイン級の小物が見える一方で、限定配布やイベント物は2,000円台に乗る例もあり、同じキャラでも“品目で別市場”になりやすい。 だから集め方の最適解は、普段使いの小物はフリマで気楽に、限定はショップ在庫・オークションで粘って、セットは「清蘭込みでも良い」と割り切って母数を増やすこと。新品(BOOTH)で安価に入る道も残っているので、新品と中古を行き来しながら、欲しい鈴瑚の“顔”(団子屋・月兎・限定ビジュアル)に合わせて買い分けるのが一番失敗しにくい。

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