モデルアート 1/72 エリア88 スペシャルデカール Vol.1 A88D-7201 (ZS146187)
【発売】:ファミリーソフト
【対応パソコン】:PC-9801
【発売日】:1995年
【ジャンル】:シミュレーションゲーム
■ 概要
● PC-9801後期を彩った「エリア88」戦術シミュレーション
1995年にファミリーソフトから発売された『エリア88 エトランジェ1995』は、人気マンガ『エリア88』(新谷かおる原作)を題材にしたPC-9801用の戦術級航空戦シミュレーションゲームです。発売日は1995年6月16日とされ、ちょうどPC-98市場が円熟期を迎えていたタイミングで登場しました。 メディアは3.5インチ/5インチフロッピーディスク版がそれぞれ用意されており、いずれも複数枚組(4ディスク構成)で販売されました。 当時の定価表記は資料によって差があり、税込み価格で1万円強(おおよそ9,600〜10,780円前後)とされており、一般的なPC-98用シミュレーションとしてはやや高価な部類に入るタイトルでした。 本作はジャンル表記上は「シミュレーション」もしくは「ストラテジー」に分類され、ゲーム内では小隊単位の空戦を扱う“戦術級”に焦点を当てた作りになっています。 プレイヤーはエリア88に所属するパイロットとして、各種作戦に参加しつつ、愛機の購入・整備・武装選択などを行いながら、前線の過酷な戦いを生き抜いていきます。
● 原作マンガ「エリア88」とのつながりとタイトルに込められた意味
『エリア88』は、中東風の架空国家・アスラン王国を舞台に、外人部隊の戦闘機パイロットたちの栄光と葛藤を描いた航空マンガの金字塔です。本作『エトランジェ1995』は、その世界観を引き継ぎながらも、原作の名場面をなぞるだけではなく、ゲームならではのオリジナル要素やサイドストーリーを盛り込む方針が取られています。タイトルに付けられた「エトランジェ(étranger)」はフランス語で「異国人・よそ者」を意味し、外人部隊という原作の根幹テーマをゲームタイトルそのものに埋め込んだ形といえます。プレイヤー自身が“異邦人パイロット”となり、アスランの空で戦う――その立場を強く意識させるネーミングです。 また、本作は同年に発売された姉妹作『エリア88 〜一角獣の軌跡〜』と並ぶPC-98版エリア88ゲーム群の一角であり、両作はシステムや表現上の系譜を共有しながらも、シナリオ構成や焦点となるキャラクターの違いによって差別化されています。
● オリジナルキャラクターと「ナツキ」の再登場
本作の大きな特徴として、原作者・新谷かおるによる描き下ろしオリジナルキャラクターが複数登場する点が挙げられます。前作に登場した「サクラ」が、今作では別人として再構成された「ナツキ(桜 奈津紀)」というキャラクターとして再登場し、さらに男女3人の新パイロット――ステラ、デビッド、ヒュームといった、ゲームオリジナルの人物が物語を彩ります。彼らは単なる“モブの増員”ではなく、それぞれにバックボーンや戦う理由を持ち、ブリーフィングやインターミッションの会話、戦闘中の無線メッセージなどを通して、プレイヤーの選択や戦況に反応する存在として描かれています。 新谷かおる本人がゲーム用に新規デザインしたキャラクターが前面に押し出されているため、原作ファンにとっては“もうひとつのエリア88外伝”として楽しめる構成になっており、マンガだけでは描き切れなかった「別の空の物語」が、プレイヤーの手で紡がれていきます。
● ゲームの基本的な流れとシステム概要
『エトランジェ1995』のプレイサイクルは、おおまかに「ブリーフィング → 機体整備・装備選択 → 出撃 → 戦闘 → 帰還・リザルト」という流れで進行します。開幕時点でプレイヤーはナツキの機体をマッコイじいさんの店から購入することになり、A-4M、F-5E、F-104Gといった実在機の中から愛機を選択します。各機体は速度・旋回性・搭載量・耐久力などのパラメータが異なり、兵装との組み合わせによって得意なミッションも変化するため、この最初の選択だけでもその後のプレイスタイルに大きな影響を与えることになります。 戦闘パートは、上空から見下ろしたマップ上で自機および僚機を操作し、敵編隊や地上標的を次々と撃破していく形式です。ゲームとしては“戦術級航空戦シミュレーション”と銘打たれており、アクションゲームのように反射神経だけを競うのではなく、編隊の進路設定、目標の優先度、弾薬や燃料の残量、撤退タイミングなど、戦場全体を俯瞰した判断が求められます。リアルタイムで状況が動いていく中で、いかに冷静に指示を出し、戦況をコントロールできるかがプレイヤーの腕の見せどころです。
● PC-9801ならではのグラフィックとインターフェイス
本作のグラフィックは、PC-9801シリーズ標準の640×400ドット・16色表示を前提としたドット絵で描かれており、当時のPC-98戦術シミュレーションとしてはかなり描き込みの細かい部類に入ります。 空港施設や滑走路、砂漠地帯、山岳地帯など、マップごとに大きく雰囲気の異なる地形が用意されており、背景に描かれた雲や地表の陰影などもディザリングを駆使して表現されているため、16色という制約をあまり意識させない画面作りがなされています。 インターフェイスは、上部に戦況表示やレーダー、下部に機体情報やコマンドウィンドウが集約される、PC-98シミュレーションではおなじみのスタイルです。キーボード操作を前提としており、テンキーやファンクションキーを駆使して高度・速度の調整、兵装切り替え、僚機への指示出しといった操作を行います。マウス対応環境でも遊べますが、キーボードでのショートカットを覚えることで、より素早い機体操作が可能となり、上級者向けの「手になじむ操作感」が得られるよう設計されています。
● 同年リリース作品の中での立ち位置
1995年前後は、PC-98向けのシミュレーションゲームが非常に充実していた時代であり、同じファミリーソフトからは『機動戦士ガンダム』関連の戦略シミュレーションや、『エリア88 〜一角獣の軌跡〜』なども発売されています。 その中にあって『エトランジェ1995』は、原作者描き下ろしの新キャラクター、外人部隊というモチーフ、実在機のリアルなラインナップといった要素が組み合わさることで、他のロボット物や汎用戦争シミュレーションとは一線を画すポジションを占めています。 さらに、現在ではパッケージ版がプレミア価格で取引されるほど希少価値が高くなっており、中古市場では数万円クラスの値が付くこともある“コレクターズアイテム”としても知られています。 当時、リアルタイムでPC-98を使っていたユーザーにとっては、「あのとき普通に買えたゲームが、今ではとんでもないレアソフトになっている」という象徴的なタイトルのひとつと言えるでしょう。 こうした背景も相まって、『エリア88 エトランジェ1995』は、単なるメディアミックス作品を超え、PC-9801後期の“空の名作シミュレーション”として、今なお強い存在感を放ち続けているのです。
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■ ゲームの魅力とは?
● 原作ファンのツボを押さえた世界観とオリジナル展開の融合
『エリア88 エトランジェ1995』の一番の魅力としてまず挙げられるのは、原作マンガ『エリア88』の空気感を丁寧にすくい上げながら、ゲームならではの展開やオリジナルキャラクターを違和感なく溶け込ませている点です。砂漠の基地「エリア88」から見上げる乾いた空、アスラン王国を巡る内戦構図、外人部隊として集められたパイロットたちの複雑な過去と感情――これらはテキストによる会話シーンやブリーフィングの語り口、マップ上に描かれた基地や都市の雰囲気などからじわじわと伝わってきます。単に「原作のストーリーをなぞる再現ゲーム」ではなく、「エリア88の世界で自分も一人のパイロットとして生きている」という体験に重点が置かれているため、原作を読んでいる人ほど細かな演出にニヤリとできる構造になっています。一方で、ゲーム内で描かれる任務や人間関係は完全に原作通りというわけではないため、作品を知らないプレイヤーでも「中東の紛争地域にある外人部隊基地」という設定だけ押さえてしまえば、戦争ドラマとして純粋に楽しめる作りになっているのもポイントです。
● 戦術級航空戦シミュレーションならではの“駆け引き”の面白さ
システム面では「戦術級航空戦シミュレーション」というジャンルにふさわしく、1回のミッションにおける細かな駆け引きが非常に面白く作られています。マップ上では自機と僚機、敵機や地上兵器が入り乱れ、レーダー画面と全体マップを見比べながら、どの敵編隊を先に叩くか、護衛機と対地攻撃機をどう役割分担させるか、損傷した機体をどのタイミングで撤退させるか、といった判断が常に求められます。単純に「見えた敵を片っ端から撃墜する」だけでは弾薬も燃料も足りなくなり、重要目標を逃してしまったり、味方機が包囲されて失われたりすることもあり、プレイヤーは限られた戦力をどう運用すべきか頭を悩ませることになります。機体ごとの性能差もはっきりしており、癖の少ないA-4Mで堅実に戦うか、高速のF-104Gで一撃離脱戦法を徹底するかなど、自分の好みに応じた戦術を組み立てられるのも魅力です。戦闘そのものはリアルタイムで進行しますが、単に反射神経だけを競うアクションゲームとは異なり、状況判断と事前の準備が結果を大きく左右する“思考型の空戦”が味わえます。
● 機体選択・兵装カスタマイズが生むプレイスタイルの幅
開幕直後、マッコイじいさんの店で購入できる機体が複数用意されている時点で、このゲームが「機体選びそのものを遊ばせる」ことにこだわっているのが分かります。各機体に搭載できる兵装も、空対空ミサイルの種類や数、ロケット弾、爆弾などが細かく分かれており、ミッション内容に応じて最適な装備を考える工程そのものがゲーム性になっています。例えば、防空任務では長射程のミサイルを多めにして遠距離から敵編隊を削るか、近距離戦に持ち込むことを前提に機関砲と短射程ミサイルを中心に組むか、といった選択が可能です。一方で、地上施設の破壊がメインの作戦では、対地攻撃用の誘導爆弾やロケット弾が主役になり、護衛に回る僚機には空戦向きの兵装を持たせるなど、部隊全体としての役割分担まで考え始めると、自然と“指揮官”としての視点が身に付いてきます。これらのカスタマイズは一見複雑そうに感じられるかもしれませんが、慣れてくると「この作戦ならこの機体と装備が鉄板」という自分なりの定番セットができていき、リプレイを重ねるほどに編成を詰めていく楽しさが増していきます。
● キャラクターのドラマとテキストによる没入感
プレイヤーが操作するのは無機質な“兵器の駒”ではなく、過去や感情を持った人間としてのパイロットたちです。ナツキ、ステラ、デビッド、ヒュームといったオリジナルキャラクターを中心に、それぞれがなぜエリア88にやってきたのか、祖国や家族をどう思っているのか、戦争に対してどんなスタンスを持っているのかが、ミッションの合間の会話やイベントで少しずつ明かされていきます。特に、作戦前のブリーフィングで交わされる何気ない会話や、戦闘後のささやかなやり取りは、結果だけが提示されるシミュレーションゲームとは一線を画す“ドラマ性”を与えており、プレイヤーに「この仲間を死なせたくない」という感情移入を生み出します。原作でおなじみの人物たちも顔を出すため、ファンにとっては「漫画では見られなかった組み合わせの会話」が読める点も嬉しいところです。テキスト量もPC-98のシミュレーションとしてはかなり多めで、読み進めるほどにエリア88という特異な環境の息苦しさと魅力が伝わり、「ストーリーを読むためにもう一戦」と思わせる牽引力が備わっています。
● PC-98らしいドット絵とサウンドが醸し出す“90年代の匂い”
グラフィック面では、PC-9801の16色表示を前提とした精緻なドット絵が、90年代半ばのPCゲームらしい独特の質感を放っています。機体のシルエットは資料に基づいて描き込まれており、A-4やF-5、F-104といった実在機の特徴を、限られた解像度と色数の中でうまく表現しています。作戦開始時のベース画面、発進準備中の滑走路シーン、爆撃で炎上する施設など、1枚絵として見ても十分楽しめるカットが多く、今なおスクリーンショットを眺めているだけで「PC-98時代の空気」がよみがえるというプレイヤーも少なくありません。サウンドも、FM音源らしいシャリっとしたサウンドが中心で、出撃前の緊張感を煽るBGMや、戦闘中に流れるアップテンポな楽曲が、戦況の盛り上がりに合わせて気分を高めてくれます。爆発音やミサイル発射音といった効果音も、派手すぎず地味すぎず、耳に残るバランスでまとめられており、ヘッドフォンでじっくりプレイすると「深夜の自室でPC-98を起動したときの雰囲気」までセットで味わえるのが、レトロPCファンにとってたまらないポイントです。
● じっくり遊べるボリューム感とリプレイ性
ミッション数は決して少なくなく、1つひとつの作戦もじっくり考えながら挑む必要があるため、クリアまでには相応の時間が必要になります。さらに、序盤で選んだ機体や、その後の機体乗り換え、どのミッションを優先して攻略するかといった要素によって展開が変わる部分もあるため、1周クリアしたあとに「次は別の機体で、違う戦略を試してみよう」と思わせてくれるリプレイ性も備えています。キャラクターの好感度や生存状況に応じて会話やイベントの細部が変化する要素もあり、全てのパターンを見ようとすると何度も周回する必要があります。「純粋なシミュレーション」と「キャラクタードラマ」の両方を楽しめるため、システム重視のプレイヤーとストーリー重視のプレイヤー、どちらの層にとっても“もう1回遊びたくなる”魅力を持った作品と言えるでしょう。
● コレクターズアイテムとしての存在感
現在ではPC-98自体がレトロハードとして扱われるようになり、その中でも版権物のシミュレーションゲームは市場に出回る数が限られているため、『エリア88 エトランジェ1995』も例に漏れず入手困難なタイトルとなっています。パッケージのイラストは新谷かおるテイスト全開のビジュアルで、外箱・マニュアル・フロッピーディスクが揃った完品は、コレクターの間で一種のステータス的な位置付けすらあります。単に「懐かしいPCゲームのひとつ」という枠を超え、原作ファン、ミリタリーゲームファン、PC-98コレクター、いずれの視点から見ても“手元に置いておきたい一本”として語られることが多く、そうしたコレクターズアイテムとしての価値も、このゲームが持つ大きな魅力の一部となっています。
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■ ゲームの攻略など
● 難易度の感覚と「死なない」ことを最優先にした序盤方針
『エリア88 エトランジェ1995』は、見た目こそ派手な空戦シミュレーションですが、実際の難易度はかなりシビア寄りです。特に序盤は資金も機体も潤沢とは言えず、無理な突撃で損耗を出すとあっという間に詰み状態に追い込まれかねません。そのため、攻略の基本方針は「撃墜数よりも生還率を優先すること」です。ミッション目標をきちんとこなしつつ、味方機の損害を最小限に抑える運用を徹底するだけで、後半の難所に備えた戦力を蓄えやすくなります。序盤のうちは、難しい任務や報酬の高い作戦に無理して手を出すよりも、自分の腕前や手持ち機体と相談しながら、負担の少ないミッションをコツコツ確実にこなしていく方が結果的に効率が良い――という感覚を持ってプレイすると、全体の見通しがぐっと楽になります。
● 最初の機体選び:A-4M・F-5E・F-104Gのおすすめ度
最初にマッコイじいさんの店で選ぶことになるA-4M、F-5E、F-104Gの3機は、それぞれ性格がはっきりと分かれています。完全な初心者には、バランス型のA-4Mが無難です。速度・旋回性・搭載量のバランスが良く、対空・対地どちらにもある程度対応できるため、「この機体ならとりあえずどのミッションでも大きく困らない」という安心感があります。F-5Eは軽快さと扱いやすさが魅力で、素早く接近して距離を詰め、短時間で敵編隊を崩す戦い方に向きます。一方で搭載量が控えめなため、弾薬管理が甘いと肝心なときに弾切れを起こしがちです。F-104Gは圧倒的な速度が武器ですが、旋回性と扱いづらさもセットでついてくる“上級者向け”の機体です。一撃離脱戦法を徹底できるプレイヤーなら強力な相棒になりますが、敵編隊のど真ん中に飛び込むような運用をするとあっという間に被弾・撃墜されてしまいます。初回プレイではA-4MかF-5Eを選び、ゲームに慣れてきた2周目以降にF-104Gで挑戦する、といった段階的な遊び方がおすすめです。
● 兵装選択の基本:対空任務と対地任務をきちんと分ける
兵装の組み合わせは、ミッションの内容に合わせて“役割を絞る”ことが大切です。敵戦闘機の迎撃がメインの作戦であれば、長射程の空対空ミサイルと機関砲を中心に構成し、無理に爆弾やロケット弾まで積み込む必要はありません。対地兵装を詰め込み過ぎると、重量増加で機体の動きが重くなり、結果として被弾率が上がってしまいます。逆に地上施設や車列の破壊が目的の任務では、高威力の爆弾やロケット弾を多めに積み、護衛役の僚機に対空兵装を任せる布陣が有効です。すべての仕事を一機でこなそうとすると中途半端な構成になりやすいため、「主力攻撃機+護衛機」という組み合わせを基本とし、自機がどの役割を担うのかを明確にしたうえで装備を選ぶと、戦闘中に迷いが少なくなります。また、ミサイルの種類には誘導性能や射程の違いがあるため、慣れてきたら「遠距離開戦用」「接近戦用」といった具合に用途を意識して積み分けると、弾薬のムダが減って安定感が増していきます。
● 僚機運用とフォーメーション:無理をさせない指揮が勝利への近道
戦術級シミュレーションの肝は「自分ひとりが活躍する」のではなく「編隊全体としてどう戦うか」にあります。僚機には、危険な敵エースや対空砲火の厚いエリアへの単独突入はさせないのが鉄則です。基本は自機が先行して敵の注意を引き、敵編隊の陣形が崩れたところを僚機に畳み掛けさせる、あるいは自機が爆撃を行う間に僚機に護衛を任せる、といった連携を意識しましょう。編隊の進路設定も重要で、対空砲火やSAM(地対空ミサイル)が予想される地域を無警戒に通過させると、あっという間に僚機を失ってしまいます。敵地上レーダーの範囲を大きく迂回して接近し、「一撃離脱」を徹底するルート取りを心がけると、損害を抑えつつ効率よく任務をこなせます。僚機の損傷状況はこまめに確認し、耐久力が危険域に達したら早めに撤退命令を出す決断力も必要です。彼らを無茶な突撃に使い捨てるのではなく、「戦力として育てる」意識で運用することが、後半の難度を大きく下げるポイントとなります。
● 資金管理と損傷コスト:修理費をなめているとジリ貧になる
本作では、ミッション達成報酬だけでなく、敵機撃墜数や地上目標の破壊量などが資金に直結しますが、その一方で機体の修理費や再購入費用も馬鹿になりません。特に高性能機ほど一度の損傷で飛んでいく金額が大きく、調子に乗って前線に突っ込ませていると、いつの間にか赤字に転落している――ということが起こりがちです。攻略上のコツは、「高価な機体を買ったら、それを大事に使い続ける運用」に切り替えることです。安易に被弾させない戦い方を心がけ、任務選択の際も、報酬に見合わないリスクの高い作戦は避けていく判断が求められます。場合によっては、「今回は敵を全滅させる必要はない。目標だけ破壊して早めに帰還しよう」という割り切りも重要です。長期的に見れば、撃墜数よりも“継続的に戦える部隊”を維持することが、結果としてクリアへの最短ルートになります。
● 危険な敵の見分け方と優先撃破の考え方
画面上に多数の敵が出現すると、つい目の前の標的から順番に撃ってしまいがちですが、本作では「どの敵を先に落とすか」が生死を分けることも多くあります。一般的には、①こちらの行動を強く制限してくる敵(高機動戦闘機、SAMサイトなど)、②ミッション目標に直接関わる敵(爆撃機、輸送機、重要施設を守る護衛部隊など)、③その他の雑魚敵、という優先度で対処すると安全です。高高度から急降下してくる敵エースを放置すると、あっという間に僚機が削られてしまうこともあるため、レーダーで“普通と違う動きをしている編隊”を見つけたら早めに目を付けておく癖をつけましょう。また、対空砲火が集中している地点に長居するのは自殺行為なので、一度突入したらすぐに離脱し、旋回して再突入する“ヒット&アウェイ”を徹底すると、被弾率が目に見えて下がります。
● 撤退判断とセーブ活用:引き際の見極めが生存率を高める
「まだいける」「もう少し粘ればもっと撃墜できる」と欲を出しすぎると、帰還直前に被弾して任務失敗、というのは本作でありがちなパターンです。弾薬や燃料、僚機の損耗具合を見て、「これ以上は危険」と感じたら、潔く撤退を選ぶ勇気も攻略の一部です。特に初めて挑むミッションは敵の配置や増援のタイミングが読めないため、様子見も兼ねてやや早めの撤退ラインを自分なりに設定しておくと良いでしょう。また、重要な任務の前後ではセーブデータをこまめに残しておくことも大切です。いわゆる“やり直し前提”のセーブ&ロードは好みが分かれるところですが、本作のシビアさを考えると、理不尽な事故的敗北で完走不可能になるよりは、要所で巻き戻せる保険を用意しておいた方が、ストーリーも含めて最後まできちんと楽しめます。
● 上級者向け:機体制限プレイや高難度ミッション完遂へのチャレンジ
ゲームシステムに慣れてきたら、あえて機体や装備に縛りをかけた“チャレンジプレイ”も楽しみ方のひとつです。例えば、「最初に選んだ機体から最後まで乗り換えない」「爆弾の搭載数をあえて減らして、精密攻撃だけでミッションをこなす」「僚機の損失ゼロを目標に全ミッションをクリアする」といった目標を自分で設定すると、同じ作戦でもまったく違う緊張感が生まれます。また、一度クリアしたミッションでも、より短時間・少ない弾薬消費・ノーダメージでの達成を目指すといった“記録狙い”のプレイに挑戦すると、編隊運用やルート取りの研究が深まり、ゲームシステムの奥行きを再発見できるはずです。「勝つだけ」から「どう勝つか」を追求していく過程そのものが、このゲームの本質的な攻略法と言えるでしょう。
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■ 感想や評判
● 当時のPC-9801ユーザーが抱いた第一印象
『エリア88 エトランジェ1995』が発売された頃、すでにPCゲーム市場ではWindowsへの移行や3D表現の台頭が始まりつつあり、PC-9801専用タイトルは“わかる人向け”の少数派になりかけていました。そんな中で本作を手に取ったユーザーは、まずパッケージの時点で強い印象を受けたと言われます。新谷かおるテイスト満載のイラスト、エリア88という名前、そして「戦術級航空戦シミュレーション」というキャッチコピー――これらが組み合わさることで、「これは本気のミリタリー系ゲームだ」「原作をきちんとリスペクトしていそうだ」という期待感をもたらしました。実際にプレイしてみると、序盤から容赦のない難易度と、地味ながらも味わい深いグラフィック・サウンドに“通好み”な雰囲気を感じ取るユーザーが多く、「とっつきやすい華やかさよりも、じっくり遊べる渋い作品」というのが初期の共通した印象になっていたようです。
● シミュレーションゲームとしての評価:地味だが奥深い
ジャンルとして見たとき、本作は決して派手な“売れ筋ゲーム”ではありませんでしたが、シミュレーション好きの間では「腰を据えて遊べる良質作」として評価されることが多くありました。1ミッションごとの準備と戦術立案、機体や兵装の選択、僚機への指示など、考える要素が多い一方で、ゲームシステム自体はシンプルで、ルールが理解できると“どこを工夫すべきか”が徐々に見えてきます。この「わかってくると面白くなる」という感覚が、硬派なシミュレーションファンのツボを押さえており、派手な演出や豪華ムービーこそないものの、何度も起動して遊び直したいと思わせる“クセになる”作りだという感想が目立ちます。一方で、軽い気持ちで原作名だけを頼りに購入したユーザーからは、「思っていたよりも難しい」「アクションゲーム的な爽快感を期待していたが、実際はかなり考えさせられる内容だった」といった戸惑いの声もあり、シミュレーションにどこまで慣れているかで評価が分かれる傾向も見られます。
● 原作ファンの視点からの感想:外伝として楽しめる一方で敷居も高い
『エリア88』原作ファンにとって、本作は“公式が出した新たな外伝的作品”として受け止められた面が強く、オリジナルキャラクターを含む人間ドラマに好意的な感想が多く寄せられました。ナツキやステラたちの言動は、原作の雰囲気を壊さない範囲で個性が立っており、「もしエリア88に別の部隊がいたらこういう物語もあり得る」という説得力を感じた人も少なくありません。一方で、原作の名シーンをそのまま追体験するタイプのゲームではないため、「シンや風間真、サキたちのストーリーをメインに遊びたい」という期待をしていた人には、やや肩透かしに感じられる部分もあったようです。また、ゲーム部分が本格的な戦術シミュレーションであるがゆえに、物語を追うには一定のプレイ技量と根気が必要で、「原作が好きなだけではクリアできない」という点も、賛否を呼んだポイントです。それでも総じて、世界観とキャラの扱いに対する真面目な姿勢は高く評価されており、「ファミリーソフトらしい丁寧な作り」というコメントとともに好意的に語られることが多い作品です。
● グラフィック・サウンド面への評価:PC-98ファンにはたまらない味わい
ビジュアルとサウンドについては、「当時としては標準的〜やや上のレベル」「PC-98の16色としてはかなり頑張っている」といった評価が中心です。細かなメカ描写や基地、地形の描き込みはミリタリー好きに好評で、特に作戦前後のイベントビジュアルやキャラクター立ち絵には新谷テイストが色濃く反映されており、「この絵を見るためにプレイを続けている」と語るファンもいました。サウンドに関しては、FM音源の楽曲が持つ独特の“メタリックな響き”を好むユーザーから高い支持を受け、一方で派手なPCM音声に慣れていたユーザーからは「やや地味」と感じられることもあったようです。しかし、長時間プレイを前提とするシミュレーションというジャンルを考えると、耳に残りながらも疲れにくいBGM構成はむしろ評価すべき点であり、「何時間も遊んでいられる音の作り」という意味では好意的な意見が多数派と言えます。
● 難易度とテンポに対する賛否:人を選ぶがハマる人はとことんハマる
本作の大きな論点になりやすいのが難易度とゲームテンポです。戦闘がリアルタイムで進行しつつも、情報をしっかり確認しながら指示を出さないとあっという間に状況が悪化するため、「忙しさのわりに即座の爽快感が得にくい」と感じる人もいました。また、ミッションが長引くと緊張状態が続くため、カジュアルに短時間で楽しみたいプレイヤーにとっては、やや構えて遊ぶ必要のある作品、という印象になることも多いようです。一方で、こうした“緊張と集中”を好むプレイヤーにとっては、「一戦ごとの重み」「失敗したときの悔しさ」「やり直して成功したときの達成感」が非常に大きく、「ただのキャラゲーと思っていたら、本格的な戦術シミュレーションだった」と良い意味で裏切られた、という感想も目立ちます。つまり、ライトゲーマーには敷居が高い反面、シミュレーション好きにとってはたまらない一品、という“尖ったバランス”が本作の特徴であり、そのことが後年のカルト的人気にもつながっています。
● メディアやゲーム雑誌での扱い:派手な話題作ではないが堅実な評価
発売当時の専門誌やパソコン雑誌などでは、派手な大作RPGやアドベンチャーに比べると誌面の扱いはさほど大きくありませんでしたが、レビューや紹介記事のトーンは概ね好意的でした。「原作を丁寧にゲーム化した硬派な戦術シミュレーション」「ファミリーソフトらしいミリタリー色の強い一本」といった表現で語られることが多く、グラフィックやサウンドよりも、ゲームとしての骨太さや世界観の再現度に焦点を当てた評価が目立ちます。総合点では“名作クラス”とまで持ち上げられることは少なかったものの、「シミュレーション好きはチェックして損はない」「エリア88ファンなら内容に満足できるはず」といった推薦コメントが添えられており、“知る人ぞ知る佳作”というポジションで落ち着いていた印象です。
● 現代のレトロゲーマーによる再評価とコレクター視点
PC-9801自体がレトロプラットフォームとして語られるようになった現在、本作は当時の評価とは別の意味で注目される存在となっています。まず、原作付き戦術シミュレーションというジャンルがそもそも少なく、さらに新谷かおる描き下ろしのオリジナルキャラクターや、エリア88という人気作品との結びつきが強いことから、「資料的価値が高いゲーム」としてコレクターに狙われやすいタイトルです。その結果、パッケージ完品はオークションや中古市場で高値になりがちで、「学生時代に普通に買って遊んでいたゲームが、今では数万円クラスのレアソフトになってしまった」と驚きを込めて語る元ユーザーもいます。また、エミュレーション環境の整備が進んだことで、当時遊べなかった世代が改めてプレイに挑戦するケースも出てきており、「今遊んでみると、UIこそ古いものの、戦術面の作り込みは今でも十分通用する」「ストーリーの雰囲気がとにかく良い」といった再評価も増えています。こうした“時間を経て見直されるタイプの作品”であることも、本作が持つ独特の魅力のひとつと言えるでしょう。
● 総合的な印象:不器用だが真面目で、だからこそ記憶に残る一本
総じて、『エリア88 エトランジェ1995』に対する感想や評判を一言でまとめるなら、「不器用なほど真面目なキャラゲー」であり、「遊ぶ人を選ぶが刺さる人には深く刺さる作品」と言えるでしょう。派手なムービーや豪華な演出で一気に盛り上げるタイプではなく、地道な戦術思考と、淡々としたテキストの積み重ねでじわじわと世界観に引き込んでいくスタイルは、今の基準で見ても十分に個性的です。原作ファンにとっては、もうひとつの“エリア88の物語”として味わう価値があり、シミュレーション好きにとっては、PC-98後期の隠れた佳作としてチェックしておきたい一本。レトロPCゲームの歴史を振り返るとき、この作品の名前が必ずと言っていいほど挙がるのは、そうした“真面目さ”が多くのプレイヤーの記憶に残り続けているからなのかもしれません。
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■ 良かったところ
● 世界観の再現度が高く「エリア88」の空気にどっぷり浸れる
『エリア88 エトランジェ1995』の長所として真っ先に挙げられるのが、原作マンガが持つ独特の雰囲気を、PC-9801という限られたハードの上で見事に再現している点です。砂漠の基地に吹きつける熱風、酷薄な戦場に放り込まれた外人部隊のパイロットたちの孤独、任務を重ねるごとにジワジワと蓄積されていく疲労と葛藤――こうした要素が、派手なムービーやフルボイスに頼ることなく、テキストとドット絵だけで静かに描かれていきます。ミッション前後の会話シーンでは、キャラクター同士が交わす短い台詞の中に、それぞれの過去や価値観がさりげなく織り込まれており、プレイヤーは読み進めるうちに「この人物を死なせたくない」「この部隊を最後まで見届けたい」という気持ちになっていきます。戦闘中の画面は情報量が多く、見ようによっては地味ですが、そのぶん“戦場での生存”に意識を集中できる作りになっており、プレイを重ねるほどにエリア88という架空の基地が、まるで自分の現実の所属部隊であるかのように感じられてくるのが大きな魅力です。
● 戦術級シミュレーションとしての骨太なゲーム性
ゲームとしての中身は、キャラクターゲームという枠に収まらないほど本格的です。機体の性能差や兵装の選択、編隊の組み方、敵陣地への接近ルート、撤退のタイミングなど、プレイヤーがコントロールすべき要素は多岐にわたりますが、そのすべてが生存率や任務成功率に直結しているため、一つひとつの決断に重みがあります。単に「強い機体でごり押しすれば勝てる」といった安易なバランスではなく、「安定した戦力を長く維持するにはどう動けば良いか」「どこまでならリスクを取って前に出られるか」といった“軍隊運用”の視点が自然と身に付く構造になっているのが、戦術級シミュレーションとしての美点と言えるでしょう。敵が強いからといって理不尽に感じる場面は意外と少なく、敗北したときも「次はもっとこう動こう」と具体的な改善点を思いつきやすいため、難しいながらも挑戦意欲をかき立てられる絶妙なゲームデザインになっています。
● 機体・兵装カスタマイズの楽しさとプレイスタイルの幅広さ
数多くの実在機が登場し、そのそれぞれに異なる性能が与えられている点も、本作の大きな魅力です。速度重視で一撃離脱戦法に徹するのか、旋回性を活かしたドッグファイトを選ぶのか、それとも搭載量を頼りに重武装で地上攻撃をメインに据えるのか――機体と兵装の組み合わせ次第で、戦場での立ち回り方は大きく変化していきます。同じミッションでも、プレイヤーによって全く違う攻略法が成立するため、「自分らしい戦い方」を模索する楽しさがあります。さらに、僚機の編成も含めて考え始めると、部隊全体の役割分担や行動パターンの設計まで視野に入ってきて、「この作戦ならこのメンバーとこの装備がベスト」といった答えを探る過程そのものが、非常に濃密なゲーム体験になります。システムに慣れるまでは少々とっつきにくいものの、ハマったプレイヤーからは「編成画面であれこれ悩んでいる時間が一番楽しい」と評されるほどで、このカスタマイズ性の高さは間違いなく本作の長所と言えるでしょう。
● キャラクター描写の丁寧さとオリジナルキャラの存在感
ナツキをはじめとするオリジナルキャラクターたちは、単なる“プレイヤーの駒”ではなく、きちんと血肉の通った人物として描かれています。過去の出来事や、エリア88に来ざるを得なかった事情、それぞれが抱える罪悪感や望みなどが、イベントや会話を通して少しずつ明らかになっていく構成のため、長くプレイしているうちに自然と感情移入が進んでいきます。原作おなじみのキャラだけでなく、ゲームオリジナル組にもきちんとスポットライトが当てられている点は、原作ファンからも好意的に受け取られる部分です。「このキャラがいることで、原作の世界が横に広がって見える」「別視点からエリア88の戦場を眺めているような気分になる」といった感想が出るのも、オリジナルキャラの描き方が丁寧で、物語と戦闘のバランスがうまく取れているからこそです。
● PC-98ならではのドット絵とFM音源BGMの相性の良さ
技術的な観点から見ても、本作はPC-9801向けタイトルの中でかなり高いレベルにあります。640×400ドット・16色という制約の中で、戦闘機や基地、地形が細やかに描き込まれており、航空機のシルエットや塗り分けも、ミリタリーファンの納得を得られるクオリティに仕上がっています。特に、滑走路からの発進シーンや爆撃による炎上表現などは、当時のドット絵ならではの“味”が強く、今見ても思わずスクリーンショットを残しておきたくなるほどです。FM音源によるBGMも、戦場の緊張感や、エリア88特有の陰鬱さを巧みに表現しており、派手さはないものの耳に残るフレーズが多く、長時間のプレイでも疲れにくい音作りになっています。グラフィックとサウンドのテイストがしっかりと噛み合っているおかげで、「PC-98というハードの上で遊ぶこと自体が楽しい」と感じさせてくれるのも良い点です。
● リプレイ性と“やり込み”要素の豊富さ
ミッションの数や分岐こそ爆発的に多いわけではありませんが、最初に選ぶ機体や、その後の装備選択、任務への挑み方によって展開が大きく変化するため、1周クリアしたあとも「次は別の機体で」「もっと損害を減らして」など、さまざまな目標を自分なりに設定して遊び直したくなるリプレイ性があります。僚機の生存状況や編隊構成の違いによって、会話やイベントの細部が変わるケースもあり、「全員を生存させた状態で終盤まで進める」「特定のキャラを主力にして部隊を組み立てる」といった遊び方を考え始めると、一気に“やり込みゲー”としての顔が見えてきます。難易度は高いものの、きちんと戦術を組み立てれば突破口が開けるバランスになっているため、試行錯誤を重ねて少しずつ攻略の糸口を見つけていく過程そのものが、大きな満足感につながります。
● キャラゲーと本格シミュレーションのバランスが絶妙
キャラクターゲームとしての側面と、本格シミュレーションとしての要素が、どちらかに偏りすぎずバランスよく共存している点も、本作を語るうえで欠かせない長所です。キャラのドラマや原作ファンサービスを前面に出しつつも、それに甘えることなくゲーム部分をきっちり作り込んでいるため、「原作が好きだから買ったけれど、シミュレーションとしても十分面白かった」「キャラゲーだと思って油断していたら、本気の戦術ゲームだった」といった、良い意味での驚きを提供してくれます。逆に、シミュレーション好きが“ミリタリー物の新作”として手を伸ばした場合でも、遊んでいくうちにキャラクターの背景やドラマに惹き込まれ、「システム重視で買ったのに、気づけばストーリー目当てで続けていた」というパターンも珍しくありません。この二つの層を同時に満足させている点は、キャラゲーとシミュレーションの融合例として見ても評価できるポイントです。
● 時を経てなお語り継がれる“レトロPCの名脇役”的存在感
派手な大ヒット作ではなかったものの、年月を経ても語り継がれているという事実そのものが、このゲームの良さを証明しています。PC-9801というプラットフォームの終盤を知るユーザーの中には、「あの時代の空気を象徴する一本」として本作を挙げる人も多く、原作マンガとPCゲーム文化の交差点に位置する作品として、独自の存在感を持ち続けています。パッケージやマニュアルを含めて大切に保管しているユーザーも少なくなく、「売らずに取っておいて良かった」と語られることが多いのは、単にレアだからという以上に、プレイ体験そのものが強く印象に残っているからでしょう。良質なゲームは時代が変わっても色褪せない――そのことを静かに教えてくれる、“名作というより名脇役”のような立ち位置も、本作の魅力のひとつだといえます。
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■ 悪かったところ
● 難易度の高さと“人を選ぶ”ゲームバランス
本作についてよく言われるのが、「序盤から容赦ない」という難易度面の厳しさです。ちょっと判断を誤って敵の密集地帯に突っ込んでしまうと、あっという間に被弾・撃墜・任務失敗…というパターンが珍しくなく、シミュレーションゲームに慣れていないプレイヤーほど早々に心が折れやすい作りになっています。特に序盤は資金や戦力に余裕がなく、一度大きな損害を出すと立て直しに時間がかかるため、「1つのミスが後々まで尾を引く」設計です。この緊張感こそが魅力でもある一方で、ライトユーザーからすると「練習モードや難易度設定がほしかった」「もっと温めの導入があれば」と感じるポイントでもあります。チュートリアル的な説明も最低限にとどまっているため、初プレイではシステムを理解する前に撃墜され続けてしまい、「何が悪いのかわからないまま負ける」ストレスを覚える人も少なくありません。結果として、シミュレーション経験者には“歯応えのある良作”、初心者には“敷居の高い玄人向けタイトル”という印象になりやすいバランスだと言えます。
● インターフェイスの不親切さと操作のわかりにくさ
PC-9801向けゲーム全般に言えることですが、本作も現代の感覚から見るとインターフェイス面がかなり不親切です。キーボード操作を前提としているため、機体操作・兵装変更・僚機指示・各種情報表示などが多数のキーに割り振られており、マニュアルを熟読しないと全貌がつかめません。画面上には多くの情報が表示されているものの、「どこを見れば何が分かるのか」が直感的に理解しづらく、慣れないうちはレーダーとステータス表示を確認するだけで精一杯になりがちです。また、コマンドの階層構造もやや複雑で、「あの操作はどのメニューにあったか」「どのキーでこの画面に戻れるか」といった部分で迷いやすく、戦況とは関係ないところで戸惑いを感じる場面もあります。当時のPC-98ユーザーにとっては標準的な作りだったかもしれませんが、今からプレイすると「説明不足」「操作説明がゲーム内で完結していない」という印象が強く、UI面をもっと洗練させていれば、より多くの人が入り込みやすかっただろうと惜しまれます。
● テンポの重さと“プレイ時間に対するハードル”
1回のミッションが比較的長く、準備から戦闘、帰還までを通してプレイすると、それなりの時間と集中力を要求されます。戦闘がリアルタイムで進行するため、常に状況を確認し続ける必要があり、少し気を抜くと敵に包囲されてしまうため、“ながらプレイ”にはまったく向きません。セーブ・ロードは用意されているものの、テンションを維持したままじっくり腰を据えて遊ぶことが前提になっており、「仕事や学校の合間にちょっとだけ進める」といった遊び方が難しい作りです。その結果、「遊び始めるまでの心理的ハードル」が高くなりがちで、忙しい時期には起動をためらってしまう、という声もあります。さらに、ミッション失敗時にやり直しを余儀なくされると、同じ展開を再現するために再び長時間の集中を要求されることになり、「失敗したときの精神的ダメージ」が大きく感じられる点もマイナスに働く場合があります。じっくり楽しめる一方で、「少し手軽に遊びたいときには選びにくいゲーム」であることは否めません。
● ストーリーを楽しむまでのハードルが高い構造
本作の物語は、ミッション間に挿入される会話やイベントを通じて語られますが、そのほとんどが「任務をクリアしなければ見られない」構造になっています。つまり、ストーリーを追うためにも一定以上の腕前が必要であり、ゲームの難しさがそのまま物語へのアクセス障壁になってしまっているのです。物語重視のプレイヤーからすると、「キャラクターやドラマは魅力的なのに、そこにたどり着くまでのハードルが高すぎる」「ノベルゲームのようにストーリー優先モードがほしかった」という不満につながりがちです。また、イベントの分岐や条件もゲーム内では明示されていないため、「どうすればこのキャラのイベントが発生するのか」「特定の会話を見るには何を満たせばいいのか」が分かりづらく、攻略情報なしでコンプリートを目指すと、かなりの試行錯誤を強いられます。シミュレーションとしてはやりがいのある設計ですが、「ドラマを楽しむための導線」という意味では、プレイヤーフレンドリーとは言いにくい側面があります。
● 演出面の地味さと“とっつきにくさ”
PC-98というハードの制約もあり、ムービーや派手なカットイン演出は存在せず、攻撃時のエフェクトや撃墜表現も比較的控えめです。ドット絵の味わいを好むプレイヤーにはむしろ好印象ですが、「アニメ的な派手さ」「爽快感重視の演出」を期待していたユーザーからすると、やや地味に映るのは否めません。また、UIデザインやフォント表示も機能優先で、華やかさよりも実用性を重視した作りになっているため、第一印象で「難しそう」「古臭そう」と感じてしまう人も多かったはずです。当時すでにCD-ROMを使ったアニメーション豊富なゲームが増えつつあったことを考えると、本作の演出方針はあくまで“玄人向けシミュレーション”に徹しており、ライト層を引き込むための視覚的なフックが少なかったことは、売り手の立場から見ても弱点だったと言えるでしょう。結果として、「遊んでみると面白いのに、その入り口で損をしているゲーム」という評価になりがちな点が残念なところです。
● 現代環境でのプレイ難度と“幻のゲーム”化
ゲームそのものの出来とは少し別の話ですが、現在の視点で見ると、「そもそもプレイ環境を整えるハードルが高い」という意味での“悪さ”も無視できません。PC-9801自体がすでに入手困難になっており、実機とオリジナルディスクを揃えて遊ぶのは、相当コアなレトロPCファンでなければ難しい状況です。中古市場でもパッケージ完品は高騰しており、「興味はあるのに手が出ない」というもどかしさを抱く人も多いでしょう。もちろん、これは時代の流れによるもので、本作単体の欠点とは言えませんが、“遊んでみたいと思っても簡単には触れない”という現実は、多くのゲームファンにとってマイナス要素として映ります。「良作なのに埋もれてしまっている」「名前だけが一人歩きしている」という意味で、もったいなさを感じさせるタイトルになっているのは否定できません。
● まとめ:硬派さゆえの欠点がそのまま魅力の裏返しに
総じて、本作の“悪かったところ”を整理すると、「硬派すぎるゲームバランス」「不親切なUI」「演出の地味さ」「ストーリーへのアクセス難度の高さ」といった要素に集約されます。いずれも、カジュアルなプレイヤーにとっては大きなマイナス要因であり、「もっと間口を広げる工夫があっても良かったのでは」と感じさせる部分です。一方で、それらは同時に“妥協していないシミュレーションゲーム”“派手さよりも中身で勝負する作品”であることの証拠でもあり、だからこそ今なおコアなファンに支持されている側面もあります。言い換えれば、本作は“短所の数だけ長所がある”タイプのゲームであり、それを受け入れられるかどうかが評価の分かれ目になっていると言えるでしょう。遊びやすさや親切さを最優先するなら確かに不満点は多いものの、そこを乗り越えて自分なりの遊び方を見つけたプレイヤーにとっては、忘れがたい一本として心に残り続ける――そんな、少し不器用で、しかし愛すべき作品なのです。
[game-6]
■ 好きなキャラクター
● ナツキ(桜 奈津紀)――プレイヤーと一緒に戦場を見つめる“もう一人の主人公”
本作のキャラクターの中で、多くのプレイヤーが真っ先に名前を挙げるのがナツキです。前作に登場した「サクラ」とは別人として再構成された彼女は、エリア88という苛酷な環境の中で、それでも人間らしい感情を失わずにいようとする存在として描かれています。プレイヤーはゲーム開始直後、マッコイじいさんの店でナツキの機体を購入するところから物語に巻き込まれますが、その導入自体が「この人物の運命を自分の手で背負う」感覚を強く印象付ける仕掛けになっています。戦闘前のブリーフィングで見せる冷静さと、ふとした会話に滲む不安や葛藤のギャップが魅力で、ただのクールなエースパイロットではなく、“戦場で笑おうとする普通の若者”としての生身の姿が感じられるところが、プレイヤーから愛される大きな理由でしょう。ミッションを重ねるほどに彼女のセリフの重みが変わって聞こえてくる構成も見事で、「この人を絶対に墜としたくない」と思う瞬間が何度も訪れるキャラクターです。
● ステラ――戦場に咲く“鋼の花”のような存在感
新谷かおる描き下ろしのオリジナルキャラクターの中でも、特に印象に残るのがステラです。見た目は華やかで、どこか余裕を感じさせる雰囲気を持ちながらも、その内側には戦場を生き抜いてきた者にしか分からない覚悟と諦観が同居しており、一言で説明できない複雑さをまとっています。出撃前に交わされる軽口や皮肉交じりの台詞が多い一方で、ときおり発せられる真面目な一言が非常に重く、「ああ、この人もまたエリア88に縛られた一人なんだ」と痛感させられます。女性キャラでありながら“ヒロイン役”に収まることなく、あくまで一人のパイロットとして前線に立ち続ける姿は、本作の“キャラゲーに甘えない”姿勢を象徴していると言っても過言ではありません。プレイヤーの間では、「真っ先に育てたくなるエース」「一度気に入ると他の僚機が目に入らなくなる」と評されることも多く、部隊の顔として愛用する人がとても多いキャラクターです。
● デビッド――不器用さがかえって愛おしい熱血パイロット
デビッドは、一見すると分かりやすい熱血タイプの若者に見えますが、単なる勢いだけのキャラクターに終わらないのが本作らしいところです。彼は戦場に憧れを抱いてエリア88にやってきたのではなく、さまざまな事情と感情が絡み合った結果として“ここにいる”人物であり、その複雑な背景が時折の言動から匂わされます。戦闘前には大口を叩きながらも、仲間が傷ついたときには誰よりも動揺し、失敗すれば真っ先に自分を責める――そんな不器用さが、プレイヤーの心を掴むのです。戦術的にもデビッドは扱いやすいオールラウンダーであることが多く、“頼れるけれど放っておくと無茶をしがち”というバランスがゲームプレイにも反映されています。指揮官として彼をどう使ってあげるかを考える過程で、自然とキャラクターへの愛着が増していき、「こいつの無茶をどうにか上手くコントロールしてやりたい」と思わせてくれる存在になっていきます。
● ヒューム――静かな狂気と冷静さを併せ持つ“影のエース”
ヒュームは、ステラやデビッドと比べると物静かで感情表現も控えめですが、その沈黙の奥に何を抱えているのかを想像させる深みのあるキャラクターです。任務に対して常に冷静で、必要とあらば容赦ない判断も辞さない姿勢は、頼もしさと同時に“どこか危うい匂い”も漂わせています。会話シーンでは短い台詞しか発しない場面も多いものの、その一言一言が妙に印象に残り、プレイヤーの中で徐々に“気になる存在”として存在感を増していきます。戦場では高い戦闘能力を見せることが多く、彼を主力に据えた部隊構成にしてから一気に戦況が安定した、というプレイヤーも少なくありません。ストイックでクールなキャラクターが好きな人にとっては、間違いなく心に刺さる一人であり、“喋りすぎないからこそ想像の余地がある”タイプの魅力を体現した人物だと言えるでしょう。
● 原作組――シンやサキ、マッコイじいさんの“安心感”
オリジナルキャラが大きくフィーチャーされる一方で、原作からおなじみの面々――シンやサキ、マッコイじいさんたちも、作品世界の“柱”として欠かせない存在です。彼らが画面に現れるだけで「ここはたしかにエリア88の世界なんだ」と強く実感させられ、原作を読んできたファンにとっては、ゲーム全体を包み込む安心感の源になっています。特にマッコイじいさんは、ゲームシステム上も序盤から頻繁に顔を合わせるキャラクターであり、機体や装備を購入するたびに「またこの人にお金を吸い取られている」という妙な親近感が芽生えてきます。シンやサキは、物語の“軸”として時折姿を見せることで、エリア88全体の歴史や重みを感じさせる役割を担っており、オリジナルキャラたちの物語が“本編とは別のどこかで起きているエピソード”ではなく、「同じ空の下で同時に進行している出来事」なのだと実感させてくれます。
● プレイヤーごとに“推し”が分かれる絶妙なバランス
本作の優れている点は、「このキャラが絶対的な主役」と決めつけず、複数のキャラクターにそれぞれ異なる魅力と役割を持たせているところにあります。戦闘スタイルやシナリオの進め方によって誰と接する場面が多くなるかが変わるため、プレイヤーの好みや選択によって“推しキャラ”が自然に分かれていきます。ステラのような芯の強い女性パイロットが好きな人もいれば、デビッドの泥臭い熱さに惹かれる人もいるでしょうし、ヒュームのような寡黙なエースに心を掴まれる人もいるでしょう。さらに、ナツキのようなプレイヤーの分身的存在を一番に推す人も多く、「自分が組んだ部隊にはこのメンバーが欠かせない」というこだわりが生まれることで、ゲーム自体への愛着も深まっていきます。こうした“どのキャラを選んでも正解”と言える絶妙なキャスティングバランスこそが、本作に対して「キャラゲーとしても良くできている」と評価が集まる理由のひとつです。
● 死なせたくないからこそ戦場が怖くなる――キャラクターとゲーム性の連動
最後に特筆したいのは、キャラクターの魅力が単なる物語面の要素にとどまらず、ゲームプレイそのものの感じ方に直結している点です。お気に入りのキャラクターができればできるほど、「無茶な突撃を命じたくない」「危なくなったら早めに撤退させたい」という気持ちが強くなり、結果としてプレイヤーの戦い方も慎重になります。誰か一人でも撃墜されると、本当に胸が締め付けられるような感覚になり、次からは同じミスを繰り返すまいと自然に戦術の精度を高めようとする――この循環こそが、本作のゲーム性とキャラクター描写ががっちり噛み合っている証です。“好きなキャラがいるからこそ、戦場が怖くなる”“戦場が怖いからこそ、彼らの言葉が重く響く”という相互作用が、他の作品にはなかなかない独特の没入感を生み出しており、多くのプレイヤーが「エトランジェ1995の記憶はキャラクターとセットで思い出す」と語るのも頷ける仕上がりになっています。
[game-7]
●対応パソコンによる違いなど
● 「PC-9801用」とは言っても世代でかなり環境が違う
『エリア88 エトランジェ1995』はパッケージ表記上は「PC-9801シリーズ対応」のゲームですが、当時すでにPC-98は長い歴史を持ち、80286世代から486世代まで多様な機種が混在していました。そのため、同じ「動作対象」の範囲内でも、どのモデルで遊ぶかによって快適さや印象が細かく変わってきます。たとえば、CPUが比較的遅い初期〜中期のPC-9801機では、戦闘中の画面スクロールや自機・敵機の移動処理がややもたつき、全体的にじっくり腰を据えて遊ぶ“重厚シミュレーション”のような手触りになります。一方で、486系CPUを搭載したPC-9801RA/RX系やPC-9821シリーズといった後期機種では、同じゲームでも描画処理がスムーズになり、戦闘中のレスポンスが明らかに向上します。結果として、同じミッションでも「古い機種ではじっくり考えながら」「新しい機種ではキビキビとした動きで」と、プラットフォームの世代差によって若干プレイフィールが変わる――というのが、この時代のPC-98ゲーム全般に共通する特徴であり、本作もその例に漏れません。
● メモリ搭載量による快適さの差とロード時間の体感
当時のPC-9801は、搭載メモリが1MB前後〜数MBという構成が一般的で、OSもMS-DOS環境が中心でした。『エトランジェ1995』もDOS上で動作することを前提としており、必要メモリを満たしていれば基本的には問題なく起動しますが、搭載メモリに余裕があるかどうかで、ロード時間やディスクアクセスの頻度に体感差が出てきます。最小構成ギリギリのメモリ環境だと、シナリオデータやグラフィックを読み込むたびにフロッピーアクセスが頻発し、ミッション前後の切り替えにやや時間がかかることがあります。対して、メモリを多めに積んだ上位機や、RAMディスクを活用できる環境では、読み込みが比較的スムーズになり、テンポよくミッションを回していける印象になります。PC-98ユーザーの間では「同じゲームでもメモリ増設で快適さが段違いになる」というのはよくある話で、本作もその恩恵を受けるタイトルのひとつだと言えるでしょう。
● 3.5インチ版と5インチ版フロッピーの違い
『エリア88 エトランジェ1995』は、3.5インチフロッピー版と5インチフロッピー版が用意されており、ユーザーは自分のPC環境に合わせてどちらかを選ぶ形になっていました。ゲーム内容そのものに差はありませんが、物理メディアの違いが“プレイ前の体験”に独自の色を添えています。3.5インチ版はコンパクトで扱いやすく、フロッピーディスクの収納や持ち運びがしやすいのが利点です。一方、5インチ版は大きなディスクを慎重に扱いながらドライブに挿入する過程そのものが、レトロPC時代の儀式のような味わいを持っており、今となってはそれ自体が貴重な体験と言えるでしょう。また、PC本体によっては3.5インチドライブしか搭載していないモデル、あるいは逆に5インチドライブをメインとしているモデルも存在したため、「どの版を選ぶか」はそのまま“どの世代のPC-98を使っているか”の目安にもなっていました。
● 内蔵グラフィックと表示モードの差は小さいが雰囲気は変わる
PC-9801シリーズの多くは640×400ドット・16色表示を前提としたグラフィック機能を備えており、本作もその標準仕様に合わせたドット絵で構成されています。そのため、対応機種間で解像度や色数が大きく変わることはなく、「ゲーム内容が見劣りする/強化される」といった極端な差はありません。ただし、機種によっては画面の発色傾向やモニタの表示品質に差があり、同じグラフィックでも「やや暗めに見える」「コントラストが強く感じられる」といった印象の違いが出ることがあります。特に、当時主流だったCRTモニタの種類によっては、砂漠地帯のベージュ〜ブラウン系の色合いがくっきり見えたり、逆に少し眠く見えたりと、微妙なニュアンスが変わってくるのが面白いところです。プレイヤーの中には、「学生時代に使っていた98で見た色合いこそが、自分の中のエリア88の砂漠の色」と語る人もおり、ハードウェア側の個性がゲームの記憶に深く結び付いていることがうかがえます。
● サウンドボードやFM音源環境による違い
サウンド面でも、PC-9801シリーズではFM音源ボードの種類や搭載方法によって音の印象が変わります。標準のFM音源のみで鳴らした場合でも十分雰囲気は出ますが、拡張ボードや外部音源を使うことで、わずかながら音質の向上やノイズの減少を体感できる環境もありました。ゲーム自体は特定の高級音源ボードに依存せず、一般的なFM音源環境で問題なく動作する設計ですが、レトロPCファンの中には「自分好みの音で聴きたい」と、あえて特定のサウンドボードを用意してプレイするこだわり派もいます。出撃前のBGMや戦闘中の緊張感ある曲は、音色のわずかな差でも印象が大きく変わるため、当時のユーザーにとっては「どの音源環境で遊ぶか」も含めて本作の楽しみ方のひとつだったと言えるでしょう。
● HDDインストールの有無とプレイスタイルの違い
90年代半ばのPC-98ユーザーの多くは、すでにハードディスクドライブ(HDD)を導入していましたが、フロッピーのみで運用していた環境もまだ残っていました。本作がどこまでHDDインストールを公式に想定していたかは環境によって異なるものの、実際にはHDDにファイルをまとめることで、ディスクの入れ替え頻度を減らしたり、ロード時間を短縮したりといったメリットが得られます。HDD環境が整っているユーザーにとっては、「とりあえずゲームを起動してすぐに戦闘に入れる」軽快さがあり、一方でフロッピー運用のユーザーにとっては、ディスク交換の手間も含めて“PCゲームらしい儀式”として楽しんでいた側面もあります。特に5インチ版を複数枚入れ替えながら遊んでいたプレイヤーにとって、本作はまさに“あの頃のPC-98生活を象徴するタイトル”のひとつとして記憶されていることが多いでしょう。
● エミュレーション環境でのプレイと実機とのギャップ
現代では、PC-9801実機でプレイするよりも、エミュレータを用いてWindowsや別ハード上で動かす形で本作を体験するケースが増えています。エミュレータ上ではCPU性能が実機を大きく上回るため、処理落ちやもたつきがほとんどなく、戦闘中の動作も非常に軽快になります。また、仮想HDDを利用することでディスクアクセスも高速化され、かつ物理的なディスク交換も不要になるため、利便性という点では圧倒的に優位です。ただし、そのぶん「ロード中のドライブ音」や「CRTモニタ特有のにじみ」といった実機ならではの味わいは失われてしまい、当時のユーザーが感じていた“PC-98で遊んでいる実感”とは少し異なる体験になるのも事実です。レトロPCファンの中には、「実機で少し処理落ちするくらいがちょうどいい」「あの微妙なレスポンスの遅さ込みで思い出の作品だ」と語る人もおり、エミュレータと実機ではゲーム内容こそ同じでも、プレイ感覚に独特のギャップがあることがうかがえます。
● 対応パソコンの幅広さが生んだ“それぞれのエリア88”
こうして見ていくと、『エリア88 エトランジェ1995』は「PC-9801用ゲーム」という一言に収まりきらない、多様なプレイ環境の上に成り立っていたことが分かります。CPU世代、メモリ量、フロッピードライブの種類、サウンド環境、HDDの有無、そして実機かエミュレータか――これらの要素が少しずつ異なるだけで、同じ戦場でも違った手触りを持ったゲームとして立ち上がってくるのです。ある人にとっては、低速な98でじっくり考えながら進める“重厚な戦争シミュレーション”だったかもしれませんし、別の人にとっては、ハイスペック機で軽快に遊べる“サクサク進む戦術ゲーム”だったかもしれません。対応パソコンの違いは、そのままプレイヤーの記憶の違いにもつながっており、「自分のPC-98とともにあったエリア88」という、それぞれの個人的な思い出を形作っていると言えるでしょう。
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●同時期に発売されたゲームなど
★幻世快盗伝(PC-9801/コンパイル)
:★幻世快盗伝 ・販売会社:コンパイル ・販売された年:1995年 ・販売価格:当時のPC-98向けRPGとして標準的な9,000~10,000円前後とされる ・具体的なゲーム内容: 『ぷよぷよ』で知られるコンパイルが、自社の看板RPG「幻世」シリーズの一作として発表したのが『幻世快盗伝』です。雑誌形式ソフト「DiscStation」BOOKタイプに収録されたタイトルで、義賊となったアリババが主人公のファンタジーRPGとして展開します。ステージ制ではなく物語性の強い構成で、各マップを巡りながら盗みと正義の間で揺れる主人公の活躍が描かれます。戦闘はオーソドックスなコマンドバトルながら、アイテム収集やイベント分岐が多く、「雑誌付録とは思えない作り込み」が当時から話題でした。PC-98らしい16色グラフィックで、砂漠やオアシスなどの風景が温かみのあるドットで描かれ、BGMもFM音源らしい軽快さと切なさを兼ね備えたものになっています。『エリア88 エトランジェ1995』と同じく中量級のRPGとして、当時のPCゲーマーの“日常的な一本”だったと言えるでしょう。
★リバイバル ザナドゥII(PC-9801/日本ファルコム)
:★リバイバル ザナドゥII ・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1995年 ・販売価格:PC-98版RPGの標準的な定価帯(およそ9,800円前後) ・具体的なゲーム内容: 名作アクションRPG『ザナドゥ』を16ビットPC向けに再構成した「リバイバル ザナドゥ」の続編として登場したのが本作です。1995年にPC-9801向けに発売されたリメイク作品で、全10ステージ構成のアクションRPGというスタイルを取りつつ、武器・魔法を使い込むほど成長する育成システムなどが特徴です。ダンジョン探索と戦闘を繰り返しながらキャラクターを鍛えていくゲーム性は、“昔ながらのマゾいRPG”としてコアなファンに高く評価されました。前作からさらにグラフィックやBGMが強化されており、PC-98後期ならではの緻密なドット絵と重厚なFM音源サウンドが楽しめます。『エリア88 エトランジェ1995』と同じく、じっくり腰を据えて遊ぶタイプの作品で、「一晩じっくりダンジョンを攻める夜」「翌日は戦術級シミュレーションで戦場へ」という遊び方をしていたユーザーも少なくありません。
★東京トワイライトバスターズ ~禁断の生贄帝都地獄変~(PC-9801/日本テレネット)
:★東京トワイライトバスターズ ~禁断の生贄帝都地獄変~ ・販売会社:日本テレネット ・販売された年:1995年 ・販売価格:当時のADV+RPG級タイトルとして1万円前後の価格帯 ・具体的なゲーム内容: 1995年6月にPC-9801用として発売された本作は、大正風の帝都を舞台に、怪奇事件と退魔アクションを組み合わせたダークなアドベンチャーRPGです。探偵・退魔師的な立場のキャラクターたちが、怪異がうごめく東京を駆け回り、事件の真相に迫っていきます。ゲームシステムは、会話や調査を行うアドベンチャーパートと、フィールドを移動して敵と戦うRPGパートの二段構えで、プレイヤーは情報収集と戦闘準備を並行して進める必要があります。独特の陰影の強いグラフィックや、ホラー寄りのシナリオ展開が評価され、「98末期の名作」と再評価されることも多い一本です。戦術シミュレーションである『エリア88 エトランジェ1995』と比べると、よりシナリオ主導型ですが、“自分の選択で状況が変わっていく”という意味では共通する手応えのあるタイトルでした。
★鉄甲旗艦アトラゴン(PC-9801/ムービック)
:★鉄甲旗艦アトラゴン ・販売会社:ムービック ・販売された年:1995年(2月24日) ・販売価格:PC-98用シミュレーションとして標準的な8,800~9,800円クラス ・具体的なゲーム内容: 特撮映画『海底軍艦』などで知られる“アトランティス系兵器”のイメージを下敷きにした海戦・SFシミュレーションが『鉄甲旗艦アトラゴン』です。プレイヤーは巨大潜水艦/旗艦を中心に艦隊を指揮し、敵勢力との海中・海上戦に挑みます。マップ上では艦隊の移動や索敵、攻撃命令などをターンベースで行い、視界に入らない敵はレーダーの反応から推測する必要があるなど、戦術的な読み合いが重要な作品です。艦艇ごとの装甲や兵装、移動力なども細かく設定されており、“数の暴力”ではなく編成と運用の工夫で勝利をもぎ取るタイプのシミュレーションと言えます。海を舞台にした戦術級ゲームという点で、『エリア88 エトランジェ1995』と同じ“兵器×戦術”の系譜にあり、陸・空・海それぞれの戦場をPC-98上で楽しんでいたユーザーにとっては、セットで思い出されるタイトルのひとつです。
★けっこう仮面2 おしおき伝説の巻(PC-9801/アイデス)
:★けっこう仮面2 おしおき伝説の巻 ・販売会社:アイデス ・販売された年:1995年(8月14日) ・販売価格:アダルト寄りADVとして8,000~9,000円前後 ・具体的なゲーム内容: 永井豪原作の破天荒ギャグ漫画『けっこう仮面』を題材にしたPC向けアドベンチャーの続編で、PC-9801向けにリリースされたタイトルです。原作の過激なギャグとお色気要素を、テキストADVとイベントグラフィックで再現しつつ、学園内で起こるトラブルを主人公(プレイヤー)が解決していくストーリー構成になっています。もちろん18禁向け作品であるため、ゲーム内容は大人向けですが、当時のPCゲーム市場ではこうしたコミカル寄りのアダルトADVも重要なジャンルのひとつでした。ここでは内容の細部には踏み込みませんが、「原作のノリをPC-98のテキストADVとして楽しむ」という意味で、キャラクターゲームとしての仕立ては『エリア88 エトランジェ1995』と通じるものがあります。原作ファンが“PCで楽しむもうひとつの世界”として手に取ることが多かった代表的作品です。
★Ace of Spades(PC-9801/ラブ・ガン)
:★Ace of Spades ・販売会社:ラブ・ガン ・販売された年:1995年(12月7日) ・販売価格:成人向けゲームとして1万円前後の価格帯 ・具体的なゲーム内容: 『Ace of Spades』は、PC-98向けに発売されたアダルト要素を含むストラテジー/ギャンブル系ゲームで、ポーカーや賭博的なミニゲーム要素とストーリーを組み合わせた作品です。カードゲームを軸にしつつ、対戦相手との駆け引きやイベントシーンが挿入される構成で、運と戦略の両方を求められるゲームデザインになっています。ラブ・ガンというブランド名からも分かる通り、こちらも成人向けのタイトルですが、カードを使った駆け引きの面白さや、登場キャラクターとの掛け合いを楽しむ作品として、当時のユーザーに印象を残しました。当時のPCゲーム市場では、真面目なシミュレーションやRPGだけでなく、こうしたギャンブル+ADV系タイトルも多く、『エリア88 エトランジェ1995』のような硬派な戦術ゲームと同じ棚に並んでいたのが、90年代PC売り場の雑多で豊かな雰囲気を象徴しています。
★三國志V(PC-9801/光栄)
:★三國志V ・販売会社:光栄(現コーエーテクモゲームス) ・販売された年:1995年(PC-98版も同年12月15日発売) ・販売価格:シミュレーションの看板タイトルとして12,800円前後の高価格帯 ・具体的なゲーム内容: 国産歴史シミュレーションの代名詞「三國志」シリーズの第五作であり、PC-98版は同時期のPCゲーマーにはおなじみの存在でした。プレイヤーは三国志時代の群雄のひとりとなり、中国全土の統一を目指します。内政・外交・軍事がバランスよく配置されたゲームシステムで、各都市の開発や人材登用、諜報戦などを駆使しながら勢力を広げていくプレイ感は、“時間を忘れて没頭してしまう危険なゲーム”として有名です。戦場の戦術レベルは『エリア88 エトランジェ1995』ほど細かくはないものの、軍団運用や前線への補給線など、マクロな視点での戦略が重要になるため、「戦術ゲーム」と「大戦略級ゲーム」を遊び分けたいユーザーにとって理想的なもう一本でした。当時のPC-98ユーザーにとって、“エリア88で空を飛び、三國志で大陸を治める”というのは決して珍しくない遊び方だったと言えるでしょう。
★同級生2(PC-9801/エルフ)
:★同級生2 ・販売会社:エルフ ・販売された年:1995年(1月31日) ・販売価格:定価9,800円 ・具体的なゲーム内容: 1995年発売の恋愛アドベンチャーとして、PC-98世代を語るうえで避けて通れないのが『同級生2』です。プレイヤーは男子高校生となり、夏休みから冬休みまでの限られた期間を自由に過ごしながら、多数のヒロインと交流し、恋愛イベントを進めていきます。時間帯と場所の概念がしっかり導入されており、「何曜日の何時にどこへ行くか」が出会いやイベントフラグに直結するシステムは、当時としては非常に画期的でした。もちろん18禁タイトルであるため、具体的な表現には触れませんが、“日常の中で少しずつ距離を縮めていく”過程を丁寧に描いたシナリオは高く評価され、後の恋愛シミュレーション・ギャルゲーにも大きな影響を与えました。『エリア88 エトランジェ1995』のような戦場の物語とは真逆の、学生生活を舞台にした作品でありながら、「限られた時間でどのルートを選ぶか」という点では共通する“選択の重さ”があり、同じ1995年のPCゲームとして対照的な存在です。
★学園ソドム(PC-9801/PIL)
:★学園ソドム ・販売会社:PIL ・販売された年:1995年 ・販売価格:フロッピー版定価7,500円(FD版) ・具体的なゲーム内容: 『学園ソドム』は、学園を舞台にしたアダルト要素を含むアドベンチャーゲームで、PILのPC-98向けタイトルのひとつです。プレイヤーは学園内で起こるさまざまな事件やトラブルに関わりながら、生徒たちとの関係性を築いていくことになります。システムとしてはコマンド選択式ADVがベースで、場所移動や聞き込みを通じてイベントフラグを立てていく、当時としては標準的な作りです。シリアスなミステリー要素と、ややショッキングな演出が混ざり合っているため、ライトな恋愛ADVとは一線を画す雰囲気を持っています。具体的な描写はここでは控えますが、“尖ったテーマ性の作品”としてマニアの間で語られることが多く、『エリア88 エトランジェ1995』のような硬派シミュレーションと同じ時代に、こうした攻めたADVが多数存在していたことは、90年代PCゲーム文化の幅広さを物語っています。
★ルナティックドーン 開かれた前途(Windows 3.1/95/アートディンク)
:★ルナティックドーン 開かれた前途 ・販売会社:アートディンク ・販売された年:1995年(Windows用として発売) ・販売価格:Windows向けRPGとして1万円前後 ・具体的なゲーム内容: 『ルナティックドーン 開かれた前途』は、自由度の高さで知られる「ルナティックドーン」シリーズの一本で、1995年にWindows 3.1/95用として発売されたRPGです。シリーズの流れを汲みつつも、本作ではマップ上を完全自由に歩き回る方式ではなく、都市や町を結ぶ街道・航路を選択しながら移動するスタイルが採用されています。プレイヤーは冒険者として各地の依頼をこなし、財産や名声、仲間を増やしながら、自分だけの物語を紡いでいきます。職業や行動次第でエンディングや評価が変化するため、“決まった物語をなぞる”というより、“自分で物語を作る”感覚が強い作品です。PC-98向けのシリーズ作も存在しますが、Windows版の本作はインターフェイスの改良や表示のリッチさもあり、“これからはWindowsの時代だ”と感じさせたタイトルとしても印象深い一本でした。『エリア88 エトランジェ1995』がPC-98戦術シミュレーションの到達点のひとつだとすれば、『ルナティックドーン 開かれた前途』は、Windows時代のRPGの幕開けを象徴する存在と言えるでしょう。
このように、『エリア88 エトランジェ1995』と同じ1995年前後には、PC-9801向けの戦術級・歴史シミュレーションから、恋愛ADV、アダルト色の強いADV、そしてWindows時代を切り開くRPGまで、じつに多彩なPCゲームがひしめき合っていました。硬派な戦場シミュレーションである『エトランジェ1995』は、その雑多で豊かなラインナップの中で、ミリタリーとシナリオと戦術性を高いレベルで両立させた一本として、今なお個性を放ち続けているのです。
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