『ホーガンズアレイ』(ファミリーコンピュータ)

【中古】 ファミコン (FC) ホーガンズアレイ (ソフト単品)

【中古】 ファミコン (FC) ホーガンズアレイ (ソフト単品)
326 円 (税込)
機種 【ファミコン】こちらは「ソフト単品」となります。初期動作確認済みです。商品によりましては、発売時期の古い御品物ですので、綺麗な状態の商品もあれば、汚れ(黄ばみ)やシールの破れ、シールをはがした跡やラクガキの跡などある場合もございます。内臓バックアップ..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop

【発売】:任天堂
【開発】:任天堂
【発売日】:1984年6月12日
【ジャンル】:シューティングゲーム

[game-ue]

■ 概要

開発と発売の背景

1984年6月12日、任天堂はファミリーコンピュータ用ソフトとして『ホーガンズアレイ(Hogan’s Alley)』を発売した。本作は、同社が開発した周辺機器「光線銃シリーズ(NES Zapper)」に対応したシューティングタイトルであり、同年発売の『ダックハント』に続く第2弾として登場した。1980年代初頭、家庭用ゲーム機はまだジョイスティックや十字ボタンによる操作が中心で、実際に照準を合わせて撃つ「体感型シューティング」は極めて珍しい試みであった。そのため『ホーガンズアレイ』は、家庭で本格的な射撃訓練のような体験を味わえるという革新的なコンセプトを持ち、プレイヤーに強い印象を与えた。 当時の任天堂は“遊びの拡張”をテーマに掲げ、ファミコンに多様な入力デバイスを導入していた。ロボット「R.O.B.」や家庭用キーボードなどもその一環だが、『ホーガンズアレイ』はその中でも特に「直感的操作」を重視した作品である。銃口を画面に向け、わずか一瞬で標的を見抜くプレイ感覚は、アーケードゲームの臨場感を家庭のテレビ画面に持ち込むことに成功していた。

ゲームタイトルの由来と世界観

「ホーガンズアレイ」という名称は、19世紀後半にアメリカで刊行された風刺漫画『ホーガンズ・アレイ(Hogan’s Alley)』に由来している。この作品は、実際にアメリカの警察が射撃訓練場の名称として転用しており、「Hogan’s Alley」は警察学校の訓練コースの俗称となった。任天堂版『ホーガンズアレイ』もこの伝統を受け継ぎ、警察の訓練施設を模した背景設定を採用。プレイヤーは訓練生として登場し、画面に現れるターゲットパネルの中から「撃つべき敵」と「撃ってはいけない市民」を瞬時に判断しなければならない。 当時の説明書には、物語的な導入はほとんど記されていないが、「射撃の正確さと判断力を競う訓練ゲーム」という明快なテーマが、プレイヤーに緊張感と達成感を与えていた。シンプルでありながら、リアルな判断要素を組み込んだことで、単なる反射神経ゲームではなく、観察力や冷静な判断を要する知的なシューティング体験となっている。

3種類のゲームモード

『ホーガンズアレイ』には、A・B・Cの3種類のモードが収録されている。 **GAME A(訓練場)**では、固定された3か所のパネルからギャング、市民、警官といった人物が次々と出現する。プレイヤーは拳銃を持つギャングのみを撃ち、その他の市民を撃つとペナルティとなる。素早く正確に撃つほど高得点が得られ、命中精度と反応速度の両方が試される。 **GAME B(街中の訓練)**は、より実戦的な環境を再現しており、背景にはビルや窓が描かれ、複数の窓からターゲットが不規則に現れる。動きや位置がランダム化されており、より高い集中力と瞬発力が必要だ。 そして**GAME C(トリックショット)**は雰囲気が一変する。空き缶を撃ち上げ、その缶を落とさずに台座へ乗せ続けるというユニークなミニゲームで、純粋な射撃技術が求められる。画面上部から次々に落下する缶をリズミカルに撃つ必要があり、アーケードライクな爽快感を味わえるモードだ。

ゲームシステムと操作性

光線銃を使用する本作では、画面に表示された対象物に銃を向けてトリガーを引くと、テレビの画面が一瞬暗転し、照射された光の反射を受けて命中判定が行われるという仕組みが採用されていた。当時のブラウン管テレビ(CRT)の特性を利用した技術であり、液晶ディスプレイでは正確に反応しない。命中すれば「ピン」という高音の効果音が鳴り、標的が倒れる。ミスすると「ブザー音」とともに警告が表示され、スコアが減点される。 コントローラによるメニュー選択以外はすべて光線銃で操作するため、まさに「体で遊ぶファミコン」といえる設計である。射撃精度やタイミングがシビアに要求されるが、慣れてくると銃の感覚を掴み、より没入的なプレイが可能になる。音響面でも、撃つたびの乾いた発射音、的が倒れる短いメロディなどが耳に残る仕掛けが施されており、単純ながら中毒性の高いリズム感を生み出していた。

当時の反響と家庭用市場への影響

『ホーガンズアレイ』は、発売当時からアーケードのガンシューティングを家庭で体験できる画期的ソフトとして注目を集めた。特に北米市場では、警察訓練モチーフのリアルなテーマが受け入れられ、NES版も高い人気を得ている。国内でも子どもたちの間で「本物の銃で撃つような感覚が味わえるゲーム」として話題となり、光線銃シリーズの存在を広く知らしめた。 また、このソフトは単に「遊び」としてだけでなく、「反射神経を鍛えるトレーニングゲーム」として評価された側面もある。ファミコン時代の任天堂が示した“体感と教育性の両立”という方向性を象徴する作品の一つであり、後の『バーチャコップ』や『タイムクライシス』といった3Dガンシューティングの原点とも言える存在だ。 家庭用ゲームの進化過程において、プレイヤーの“身体動作”を取り入れた先駆的タイトルとして、今もなお歴史的な価値を持ち続けている。

■■■

■ ゲームの魅力とは?

一瞬の判断力を試す緊張感

『ホーガンズアレイ』の最大の魅力は、プレイヤーの**反射神経と判断力が一体化する瞬間的な緊張感**にある。画面に登場するパネルは、ギャング、警官、教授、女性など複数の人物で構成されており、プレイヤーは数秒以内に「撃つべき相手」と「撃ってはいけない相手」を見極めねばならない。このわずかな時間内の決断が、スコアやステージ進行に直結するため、常に心拍数が上がるようなプレッシャーを感じる。 単純に見えて、誤射すれば即減点、時間切れでもミスになるため、正確さとスピードの両立が重要だ。たとえば警官の姿を確認して引き金を引くかどうか一瞬ためらう――このわずかな迷いが失敗につながる。プレイヤーは自然と「冷静さと勇気のバランス」を身につけることになる。この心理的な駆け引きが本作の中核的な魅力であり、単なる反射ゲーム以上の奥深さを生み出している。

家庭で楽しめる“射撃訓練”体験

当時、射撃ゲームといえばアーケードの大型筐体でしか味わえなかったが、『ホーガンズアレイ』はそれを家庭で再現した点が革新的だった。任天堂は「遊びの拡張」という理念のもと、光線銃という物理的なデバイスを通してリアリティを追求した。その結果、プレイヤーはまるで警察学校の訓練生のような気分で的を撃つ体験を得られた。 銃を構え、照準を合わせ、的を撃ち抜く――これらの動作は直感的で、誰でもすぐに遊べる。だがスコアを上げようとすると一気に難易度が増す。的の出現スピードが速くなり、配置も複雑化するため、視覚的情報の処理能力が問われる。まさに「遊びながら鍛える」構造であり、子どもだけでなく大人も夢中にさせた。

シンプルながら洗練されたデザイン

『ホーガンズアレイ』は、当時の8ビットファミコンの限られた表現力の中で、極めて洗練された画面構成を実現していた。背景は簡素だが、人物のシルエットや服装の特徴で誰がギャングかを瞬時に判断できるようデザインされている。視覚的なわかりやすさが重視され、グラフィックがゲーム性に直結する構造となっている点が見事だ。 さらに音響面でも、命中時の「ピン」という軽快な音、誤射時のブザー、クリア時のファンファーレなど、短いながら記憶に残る効果音がプレイヤーの集中を支える。BGMがない代わりに静寂と音のコントラストが緊張感を高め、プレイヤーは音で成功と失敗を判断するという感覚的な没入体験を得られる。

トリックショットの爽快感

GAME Cのトリックショットモードは、純粋に「撃つ快感」を追求したミニゲーム的要素だ。空き缶を撃って上空に跳ね上げ、次の撃ち込みで落とさずに他の台座へ移す。この連続アクションがうまく決まった瞬間、まるでジャグリングのような達成感を得られる。 このモードは反射神経だけでなく、タイミング感覚やリズム感も重要で、プレイヤーごとに個性が出る。単調になりがちな射撃訓練に“遊び心”を加えることで、飽きずに長く楽しめるよう設計されている。ある意味で、後の『Wii Sports』や『スプラトゥーン』にも通じる「フィジカルな楽しさ」が、この時点で形になっていたと言える。

家族で遊べるパーティー性

もう一つの大きな魅力は、光線銃というインターフェースが家庭のリビングで共有できる体験を作り出したことだ。プレイヤーが銃を構え、周囲の家族が歓声を上げたり「今の当たった!」と声をかけたりする――まるでミニアーケードが家庭にやってきたような一体感があった。 ファミコン時代は「一人で黙々と遊ぶ」よりも「家族や友人が集まってワイワイ遊ぶ」文化が強く、本作はまさにその中心的存在のひとつであった。競争モードこそ存在しないが、スコアを比較しあったり、誰が最も早くギャングを倒せるかを競うなど、自然発生的にパーティーゲーム化していったのだ。

アーケードへの橋渡し

『ホーガンズアレイ』はファミコンの枠を越え、後にアーケード版としてもリリースされた。家庭用から逆輸入される形でゲームセンターに登場した点は、当時としては異例だった。アーケード版は大型の筐体に本物のサイズ感を持つ光線銃を装備し、背景が都市の訓練場風に改良されていた。この展開によって、『ホーガンズアレイ』は「家庭で遊ぶ射撃ゲーム」から「本格的な射撃体験を提供するブランド」へと成長した。 アーケードと家庭用をまたぐメディア展開は、後の『マリオブラザーズ』や『ドンキーコング』にも繋がる任天堂の戦略の一端を示している。

遊びやすさと奥深さの絶妙なバランス

単純なルールながら、続けるほどに腕前が上がり、自己記録を更新する喜びが得られる。ステージが進むにつれてパネルの出現スピードが上がり、複数ターゲットが同時に現れるようになる。どの順番で撃つか、どのタイミングでリロード動作を想定するか――そんな“戦略的思考”も自然に生まれる。 初心者でもすぐに遊べる間口の広さと、上級者がスコアアタックに挑む奥深さ。そのバランスが取れている点こそが、本作が長く愛され続ける理由である。

■■■

■ ゲームの攻略など

まず押さえるべき基本操作と反応のコツ

『ホーガンズアレイ』を攻略するうえで最初に重要なのは、**「的確な照準と冷静な判断」**である。光線銃を使用するゲームは、単に速く撃てばよいわけではない。的が現れる一瞬の間に「撃つ相手」と「撃たない相手」を区別する必要があるため、焦って引き金を引くと誤射になり、減点されてしまう。 基本の姿勢は、銃を軽く両手で支え、画面全体を見渡すように構えること。銃口を常に中央や下段に構えておくと、どの位置にパネルが出ても最短で照準を合わせやすい。目線を動かしすぎると反応が遅れるため、視界の端で人物を捉え、直感的に腕を動かすのがコツだ。 また、照準のズレを確認するために最初のステージでは**「どの位置で撃つと当たるか」**を感覚的に覚えることが重要。光線銃はテレビの明るさや距離によって反応精度が変化するため、最初の10発ほどで画面との相性を掴むと良い。

GAME Aの攻略 ― 反射と記憶力の勝負

GAME Aでは、3か所に固定されたパネルのどこに誰が出るかを、反射神経で判断する。最初の数ラウンドは出現順がほぼパターン化されており、慣れると「次は右にギャングが来る」などと予測できるようになる。この「パターン記憶」を意識することで、難易度が一気に下がる。 ステージが進むとパネルが出るスピードが上がり、出現時間も短くなるため、ためらわずに撃つ勇気が試される。焦りそうな時は、ギャングの特徴(サングラス・黒帽子・拳銃の形)を意識しておくと誤射を防げる。逆に、女性や教授、警官は手を挙げていることが多く、落ち着いて見極めれば誤射は減る。 10ステージを超えるあたりから、ランダム性が強くなる。そこで有効なのが「中央→左右→戻る」というリズム撃ち。中央パネルは最も反応しやすいため、まず中央を確認し、空振りがなければ左右へ移る。スコアを伸ばしたい場合、1発で命中させる精度を重視しよう。

GAME Bの攻略 ― 市街地モードでの視覚認識

GAME Bは、建物の窓や扉の隙間からパネルが現れる実戦的なモード。出現位置が上下に分かれており、視線移動が増えるため、GAME Aよりも体力と集中力が必要になる。攻略のポイントは、**「視線ではなく構えで追う」**ことだ。頭だけで画面を追うと反応が遅れるので、上段と下段で銃の高さを変えるよりも、肘を軸に素早く振る意識で対応する。 また、ここでは**「誤射のリスクを減らすこと」**が何より重要。建物の窓に市民とギャングが交互に現れるため、誤って撃つと即減点になる。判断の目安は“銃を構えているか否か”。一瞬でも拳銃が見えたら撃ってよい。疑わしいときは撃たないほうが安全だ。高スコアを狙うより「ノーミス」を維持する方が後半ステージでは効率的に得点できる。 ゲーム終盤では3体同時出現や時間差出現が多くなり、視覚処理のスピードが試される。焦ったら深呼吸してリズムを取り戻すのも有効だ。

GAME Cの攻略 ― トリックショットの極意

GAME Cは、他の2モードとは異なる“技巧型”のプレイが求められる。目標は、落ちてくる空き缶を撃ち続けて地面に落とさず、台座に乗せること。撃つ角度とタイミングが重要で、早すぎると缶が高く跳ねて失敗し、遅すぎるとそのまま落下してしまう。 最初は「缶が画面中央付近に来たら撃つ」くらいの感覚でよいが、ステージが進むと台座の位置や高さが変化するため、反射的な連射よりも**リズムを保つこと**が大切になる。缶が高く跳ねた瞬間にもう一発を準備し、着地前に次の位置を確認する。この連続処理ができるようになると、途端に爽快感が増す。 上級者は缶の軌道を“予測撃ち”で制御する。わずかに横にずれた位置を狙うことで、次の台座に自然に乗るよう調整できる。ここに達すると、単なる得点稼ぎではなく“職人芸”の領域に近づく。

高得点を狙うための戦略

高スコアを狙ううえでは、**「命中精度」「スピード」「誤射防止」**の3要素をバランスよく磨くことが不可欠である。特に初期ステージではミスを絶対に避けること。後半でのミスよりも序盤の誤射はリカバリーが難しい。 命中精度を上げるには、画面の端から端まで撃つ練習をするのが効果的。ファミコン本体には練習モードはないが、あえてGAME Aを繰り返して手の動きを体に覚え込ませる。 また、スコア計算では**連続命中ボーナス**が鍵を握る。連続で的を倒すと加点が大きくなるため、リズムを崩さず撃ち続けるのが理想。撃ちすぎず、ためらわず、正確に――この三拍子が揃ったとき、スコアは一気に伸びる。 最終ステージまで進むと、出現時間がわずか0.3秒ほどになることもある。ここで有効なのが「呼吸の制御」だ。深呼吸しながら一定のリズムで引き金を引くことで、余計な緊張を和らげられる。実際の射撃訓練と同様に、精神の安定が最大の武器になる。

裏技・小ネタ・知っておくと便利な豆知識

本作には公認の隠し要素は多くないが、いくつかの小技が存在する。 例えば、ブラウン管テレビの明るさを少し落とすと、光線銃の感度が上がることがある。これは画面の反射が減り、命中判定が安定するためである。また、部屋の照明が明るすぎると誤認識が起こりやすいので、軽く照明を落とすのも効果的。 もう一つの裏技的なテクニックとして、「パネル出現音で判断する」方法がある。よく聞くと、ギャングが出現する際と市民が出る際の効果音のタイミングに微妙な違いがある。集中すれば聴覚的に判断が可能だ。 さらに、海外版NES『Hogan’s Alley』ではステージ構成が一部異なり、モードBで背景がレンガ造りになっているなど、マニアックな違いがある。日本版を遊び慣れたプレイヤーが海外版を試すと、微妙な難易度差を体感できるだろう。

練習で上達するコツと心構え

『ホーガンズアレイ』は一見シンプルだが、繰り返し遊ぶことで少しずつ精度と判断力が上達していく。最初は反応が遅くても、10分ほど続けていると「視覚と手の反応」が同期し始め、驚くほど速くなる。重要なのは**「失敗を気にせず続けること」**。焦って止めるとリズムが崩れる。 また、長時間プレイ時にはこまめに休憩を挟むことも大切だ。特に光線銃は腕を伸ばした状態で使うため、肩や手首に負担がかかる。5分に1回、腕を下げて軽くストレッチすると集中力が維持できる。 そして、上達の最終段階は“直感的判断”。これは訓練を重ねることでしか得られない。パネルが出た瞬間に「撃てる」と思ったら即撃つ――その反射速度が、まさにこのゲームの醍醐味である。

■■■

■ 感想や評判

発売当時のプレイヤーの反応

1984年当時、『ホーガンズアレイ』が発売された直後、ファミコンユーザーの間では「テレビの画面を本当に撃てる」という新感覚の遊び方が大きな話題となった。特に、光線銃(ザッパー)を初めて手にした子どもたちは、テレビに銃を向けて遊ぶという体験そのものに夢中になった。家庭で遊べる“体感型ゲーム”という概念がまだ珍しかった時代、プレイヤーたちは驚きと感動をもってこの作品を受け入れた。 当時のファミコン通信やファミリーコンピュータマガジンでも「ゲームセンターの射撃体験を家庭で再現できる」「反応速度を競う刺激的なソフト」として紹介され、特にGAME Bの市街地モードの緊張感は高く評価された。一方で、誤射によるペナルティの厳しさに戸惑うプレイヤーも多く、「冷静さを失うと一気にスコアが下がる」という点が“訓練ゲーム”らしさを強調していた。

光線銃シリーズとしての評価

本作は任天堂が展開した「光線銃シリーズ」の第二弾として登場しており、『ダックハント』に続いて周辺機器の実力を見せつけた作品だった。ファミコン黎明期において、ハードウェアの拡張性を活かした作品は数少なく、『ホーガンズアレイ』はその中でも「技術的挑戦」として高く評価された。 プレイヤーの多くは、従来の十字ボタン操作に慣れていたため、最初は操作感に戸惑いを覚えた。しかし一度慣れると、光線銃を構えて撃つという行為そのものがエンターテインメントとなり、家族全員で楽しむパーティー要素を持つゲームとして人気が広まった。 特にアメリカでは、警察訓練を模したテーマがリアルさを感じさせ、「教育的にも面白い」と評されることもあった。このように『ホーガンズアレイ』は単なる遊びにとどまらず、「反射神経を鍛えるトレーニングツール」としても一部で注目された。

当時のメディアによるレビュー

雑誌レビューでは、本作の「即断即決を求めるテンポの良さ」や「誤射時の緊張感」を高く評価する意見が多かった。1984年当時の『ファミコン通信』では、「家庭用光線銃ソフトとしては最高の完成度」と評され、同誌の編集者が「警官を誤って撃った時の罪悪感がリアル」と語っていたという。 一方で、評価の中には「連射性が乏しく、派手さに欠ける」という意見もあった。『ホーガンズアレイ』はあくまで冷静な判断を求める訓練型ゲームであり、アクション性を重視する層には少々地味に映ったのかもしれない。しかし、プレイヤーの集中力を極限まで引き出すという点で、多くの批評家が“硬派な名作”として位置づけていた。

海外での受け入れと文化的インパクト

海外版『Hogan’s Alley』は、1985年にアメリカ・カナダなどでNES用ソフトとしてリリースされた。北米では西部劇やガンマンの文化が根強いこともあり、光線銃を使ったシューティングは非常に好評を博した。任天堂オブアメリカの販売戦略では、実際の射撃訓練を模したテーマを「教育的なトレーニング」として宣伝し、警察訓練場を意識したビジュアルデザインも大きく貢献した。 レビュー誌『Electronic Games』では、「子どもが安全に射撃訓練の疑似体験をできる」として、教育的な価値を含んだゲームとして紹介されている。アーケード版の展開もあり、ゲームセンターでは実際に子どもから大人までプレイする姿が見られた。アメリカでは「家族で楽しめる射撃シミュレーター」として家庭に普及し、NES光線銃(Zapper)を象徴するタイトルのひとつに数えられている。

プレイヤーが語る思い出と体験

当時プレイした人々の証言を見ると、「父親と一緒に遊んだ」「家族全員で交代で撃っていた」という思い出が多い。1980年代の家庭では、まだゲームが“家族共有の娯楽”であり、テレビ1台を囲んで皆でスコアを競う文化があった。『ホーガンズアレイ』はその象徴的な存在となり、「ゲーム=一人遊び」というイメージを変えるきっかけのひとつでもあった。 また、一部のユーザーは「誤射したときに家族からブーイングが飛ぶのが楽しかった」と振り返っている。失敗すらエンタメになる――そんなコミュニケーション性が、この作品の隠れた魅力でもあった。

現代における再評価

近年、『ホーガンズアレイ』はレトロゲーム愛好家の間で再評価が進んでいる。Nintendo Switch Onlineのファミコン配信や、ミニファミコン収録タイトルを通じて再び脚光を浴び、「単純なのに奥が深い」「今でも手に汗握る」といった感想が寄せられている。 また、現代のFPS(ファーストパーソン・シューティング)との比較で、「この時点で既に“狙って撃つ”快感が完成していた」という指摘も多い。グラフィックこそ簡素だが、プレイヤーの集中力・判断力・正確性を鍛える構造は、最新のeスポーツ系タイトルにも通じるものがある。 特に、任天堂が“体験型インタラクション”を家庭向けに落とし込んだ最初期の例として、『ホーガンズアレイ』はゲーム史的にも重要な作品として位置づけられている。

総合的な評価と今なお残る魅力

総合的に見て、『ホーガンズアレイ』は派手さはないが、プレイヤーの五感を刺激し続ける緊張感とリアリティを兼ね備えたシューティングゲームである。ファミコン黎明期のタイトルの中でも完成度が高く、当時のハードウェア技術を最大限に活かした設計が評価されている。 また、“撃つべき相手と撃ってはいけない相手を瞬時に判断する”というルールは、単純でありながら心理的な深みを持っており、今なお独自の魅力を放っている。プレイヤーが画面の中に引き込まれ、現実の射撃訓練をしているかのような没入感を味わえる作品――それが『ホーガンズアレイ』の最大の価値である。

■■■

■ 良かったところ

体感的な射撃操作の爽快さ

『ホーガンズアレイ』で最も多くのプレイヤーが称賛した点は、なんといっても**実際に銃を構えて撃つという体感的操作の気持ちよさ**だ。十字ボタンやジョイスティック操作が主流だった時代に、テレビに向けてトリガーを引くという動作は、それ自体が新しいエンターテインメントであった。 光線銃の反応音、命中時の“ピン”という短い効果音、ターゲットが倒れる瞬間のアニメーション――これらが連動して、プレイヤーに強い達成感を与えた。まるでアーケードのガンシューティングを家庭に持ち込んだような感覚であり、手元の動作と画面の反応が直結する喜びは、今なお他のゲームにはない特別な魅力として語られている。 また、照準を合わせる瞬間の緊張感と、命中時の爽快感のギャップが大きく、子どもでも大人でも「もう一回!」とつい繰り返してしまう中毒性があった。

反射神経と判断力を同時に鍛えられるゲーム性

『ホーガンズアレイ』は単純な射撃ゲームにとどまらず、**「狙って撃つ前に考える」**という知的要素を含んでいる。プレイヤーは敵と味方を見分ける判断を瞬時に行う必要があり、その数秒の思考がスコアに直結する。 つまり本作は、反射神経だけでなく、認識力・判断力・集中力といった総合的な能力を刺激する構造になっている。誤射の緊張感がプレイヤーに適度なストレスを与え、成功時の快感をより強く感じさせる。 この設計は後年の任天堂作品にも受け継がれ、プレイヤーの「観察→判断→行動」という心理的流れを自然に導く基礎となった。教育的な視点から見ても、集中力を養う効果があると評価された点は見逃せない。

シンプルながら完成度の高いデザイン

1984年当時のファミコンソフトは技術的な制約が多かったが、『ホーガンズアレイ』はその中でもグラフィック、音響、操作感の三拍子が揃った作品であった。登場キャラクターはドット数こそ少ないが、ギャングの黒帽子、教授の白衣、女性のドレスといった特徴が明確で、誰が敵で誰が市民かが一瞬でわかるよう設計されている。 また、余計な背景やアニメーションを省いたことで、ターゲットの出現に集中できる視認性の高さも好評だった。画面がごちゃつかず、余白を活かした構図は、後年のデザイン評価でも「機能美のあるファミコン初期グラフィック」として称えられている。 さらに、音響面ではBGMをあえて省略し、射撃音や効果音だけで緊張感を演出している点が秀逸だ。無音の中に響く発砲音は、まるで訓練場の空気を感じさせる。限られたリソースを最大限に生かした設計が、長く遊べるゲーム体験を支えている。

ゲームモードの多様さと奥行き

『ホーガンズアレイ』は、シンプルなルールながら3つの異なるモードを備えており、それぞれに独立した楽しみ方が存在する。GAME Aの基礎訓練では反射神経と精度を磨き、GAME Bでは実戦的な判断を求められ、GAME Cではリズム感とタイミングが重要になる。 この構成により、プレイヤーは飽きることなく長時間遊べる。単調にならない工夫として、各モードで求められるスキルが微妙に異なる点も優れている。特にトリックショットは、射撃ゲームの中に“遊びの余裕”を感じさせ、緊張感のあるA・Bモードとの対比が見事だ。 難易度の上昇も緩やかで、初心者から上級者まで楽しめるバランスが保たれており、ファミコンソフトとしての完成度は極めて高い。

家族や友人と盛り上がるコミュニケーション性

本作は1人プレイ専用でありながら、なぜか複数人で楽しめる“観戦型ゲーム”として人気を博した。光線銃を構える姿が派手で、外から見ても盛り上がるため、自然と周囲が応援やツッコミを入れる雰囲気が生まれた。 当時は「ゲームはテレビの前で遊ぶもの」という常識が定着しつつあったが、『ホーガンズアレイ』はプレイヤーの動作を含めて“見て楽しむ”体験を提供した。父親が真剣に構える姿や、兄弟が順番を取り合う様子など、家庭内での共有時間を増やしたという意見も多く寄せられている。 この「ゲームを介して人が集まる」仕組みは、のちの『Wii Sports』や『リングフィット アドベンチャー』にも通じる任天堂の理念の原点と言える。

ゲームセンター体験を家庭に再現した革新性

アーケードゲームが主流だった1980年代において、『ホーガンズアレイ』は“ゲームセンターの体感を家庭に持ち帰る”という願望を見事に叶えた作品だった。射撃訓練場を模したシチュエーション、ランダムに出現するターゲット、制限時間という要素は、まさにアーケードの緊張感そのものだった。 家庭用でありながら、練習すれば上達する手応えがあり、スコアアタックという競技性も備えていた。プレイヤーによって「一発必中の精密型」「連射で押すスピード型」などプレイスタイルが分かれ、ゲームの個性が出る点も魅力だった。 このように、『ホーガンズアレイ』は“家で遊ぶアーケード”を実現した先駆者的タイトルであり、家庭用ゲームの可能性を広げた意義深い作品といえる。

今遊んでも色褪せない完成度

発売から40年以上が経過しても、『ホーガンズアレイ』のシステムは古びていない。光線銃という特殊なハードウェアに依存しているにもかかわらず、プレイ体験の本質は「瞬時の判断と正確な行動」という普遍的な快感に基づいているため、今の時代でも通用する。 近年ではブラウン管テレビが減少したため実機プレイは難しくなったが、動画配信やエミュレーションを通じて再評価するファンも多い。「単純なのに緊張する」「短時間で集中できる」「1プレイのテンポが良い」といった声が多く、現代のインディーゲームの感性にも通じる設計美を持っている。 “古いけれど新しい”――そんな表現がぴったりな一作であり、プレイヤーの記憶に残る名作として語り継がれている。

■■■

■ 悪かったところ

プレイ環境に左右される光線銃の感度

『ホーガンズアレイ』最大の欠点は、**テレビ環境に大きく依存していた**点である。光線銃はブラウン管テレビ(CRT)の発光タイミングを利用して命中判定を行う仕組みであるため、部屋の照明、テレビの明るさ、さらにはプレイヤーとの距離までが反応精度に影響した。 例えば、昼間の明るい部屋でカーテンを開けたままプレイすると、外光が画面に反射して誤反応を起こすことがあり、命中しているのに反応しない、あるいは外しているのに反応する、という現象が起きた。これにより、プレイヤーが純粋な腕前だけで勝負できないという不満を抱くことがあった。 また、液晶テレビでは技術的に対応しておらず、現代では実機を再現して遊ぶのが難しい点もマイナス要素である。ファミコンミニなどで復刻されても光線銃が使えないため、当時の体験をそのまま再現できないという点は残念だ。

ステージ構成の単調さ

本作のもう一つの弱点として挙げられるのが、**ステージの構成が単調になりがち**という点である。GAME A、B、Cと3つのモードがあるものの、各モード内では背景や音楽の変化がほとんどなく、長時間プレイすると単調さを感じるプレイヤーも多かった。 特にGAME Aは、パネルの出現場所が常に同じ3カ所に固定されており、後半になっても見た目上の変化が乏しい。そのため、「いつも同じ場所で撃っている感覚」が強くなり、慣れてくると刺激が薄れてしまう。 また、ステージクリア時の演出が控えめで、報酬的な達成感が薄い点も惜しい。より強いモチベーションを維持するための演出(ランキング画面やアニメーションなど)があれば、リプレイ性はさらに高まっていたと考えられる。

ゲームとしてのボリューム不足

ファミコン初期のソフトとしては十分な内容ではあるが、現代の感覚で見ると**全体のボリュームが少ない**ことは否めない。3モードを一通りプレイすれば、1時間足らずで全体を把握できてしまうため、長期的な目標を持って遊ぶには物足りなさを感じる。 ステージ数の概念も曖昧で、ループ構成のため終わりが見えにくい。スコアアタックを繰り返すうちにプレイヤーが“惰性で撃っている”状態に陥ることも多かった。特にGAME C(トリックショット)は爽快ではあるが、一定パターンの繰り返しで、飽きやすいという意見も少なくない。 また、パスワードやセーブ機能が存在しないため、途中で中断するたびに最初からやり直しとなる。今で言う「短期集中型アーケード体験」に特化しているが、家庭用ゲームとしては持続的な遊び方が難しかった。

誤射時のストレスと理不尽さ

『ホーガンズアレイ』のルールは明快だが、その分、**ミスに対して非常に厳しい**。市民や警官を誤って撃つと即減点、しかも連続で誤射すればゲームオーバーに直結する。このペナルティの厳しさが緊張感を生み出している一方で、「少しの判断ミスで一気に崩れる」理不尽さを感じるプレイヤーも多かった。 特に、パネルが一瞬しか表示されない高難度ステージでは、画面の点滅やキャラクターの重なりによって誤認識が起こることがある。ギャングの持つ銃が見えにくい位置にあったり、警官のポーズが紛らわしかったりする場合もあり、純粋な判断より“運”に左右される場面もあった。 これにより、一部のプレイヤーからは「反応速度より運の要素が強い」「集中しても報われにくい」といった声も上がった。難易度曲線がやや急で、初心者が途中で挫折するケースも見られたのは事実だ。

演出面の地味さ

本作はリアリティを重視しているため、演出面が非常に控えめである。背景は単色、BGMはほぼ無音、キャラクターの動きも最小限。その静寂が緊張感を高めているのは確かだが、派手な演出や爽快なエフェクトを求める層には“地味”に感じられた。 とくに1980年代中盤は、同時期に『ゼビウス』や『マッピー』など、カラフルでサウンド面が華やかなタイトルが増えていた時期であり、『ホーガンズアレイ』の無音演出は“古風”に映ったという指摘もあった。 もう少しゲーム進行に応じた効果音や、ボーナス時の派手な演出があれば、プレイヤーの緊張感に“ご褒美的演出”を加えることができたかもしれない。

家庭以外での再現性の低さ

光線銃を使うという特性上、『ホーガンズアレイ』はファミコン本体と専用銃を持っている人しか遊べなかった。そのため、友人の家では盛り上がるが、自分の家に銃がないと遊べないという環境の差があった。ファミコンソフトの中でも珍しく“本体だけでは完結しない”仕様であり、プレイヤー層が限定されたのは大きな課題だった。 また、ブラウン管テレビが主流でなくなった現代では再現が難しく、復刻版でもオリジナルの遊び心地を完全に再現できない。技術進化が進む中で“過去の名作を体験しにくい”という皮肉な状況は、多くのレトロゲームファンの悩みの種でもある。 もし現代風にリメイクされるなら、モーションコントローラやジャイロ操作で再現されることが期待されるが、当時の光線銃特有の「光を撃つ感覚」はやはり失われてしまうだろう。

長期的リプレイ性の不足

『ホーガンズアレイ』は一度プレイすると短時間で全体を把握できる反面、**長期的にやり込む要素が乏しい**。スコアを更新する以外の目標がないため、一定の腕前に達すると「もうこれ以上上がらない」と感じてしまうプレイヤーも多い。 ランダム性はあるが、出現パターンは限られており、ステージごとのテーマや背景の変化も少ない。ボス戦や特殊イベントが存在すれば、より深い満足感が得られた可能性は高い。 とはいえ、当時のファミコンにおいて“射撃練習を繰り返す”という遊び方自体が珍しく、飽きやすさは構造的な制約の結果でもあった。今の目で見ると物足りないが、1984年当時としては技術の限界を突き詰めた作品だったといえる。

まとめ ― それでも評価を下げきれない理由

これらの短所を踏まえても、『ホーガンズアレイ』の評価が大きく下がることはなかった。理由は、欠点が**「挑戦の証明」**でもあったからである。光線銃という未踏のインターフェースを家庭用ゲームに取り入れた挑戦は、技術的制約を超えて評価されるべきものであった。 たしかに環境依存や単調さといった問題はあるが、それらを補って余りある新鮮さと発明性が本作にはあった。つまり、「完璧ではないが、時代を前に進めた作品」――それが『ホーガンズアレイ』に対するもっとも正確な評価だろう。

[game-6]

■ 好きなキャラクター

プレイヤーの永遠の的 ― ギャングたち

『ホーガンズアレイ』で最も印象的な存在といえば、やはりプレイヤーが撃つべきターゲットである**ギャングたち**だ。黒い帽子とサングラス、無表情な顔、そして手にした拳銃――彼らはまさに「80年代アメリカの悪党像」を象徴している。プレイヤーにとっては常に撃つべき敵でありながら、その登場のタイミングやポーズが絶妙で、思わず撃ち損じてしまうことも多い。 特に中盤以降に登場する高速ギャングや、わずかに遅れて銃を構えるフェイント型のギャングは、プレイヤーの判断力を極限まで試す存在だった。彼らを素早く見抜いて撃ち抜いた瞬間の快感は格別で、まさに“訓練成功”の象徴とも言える。 ギャングは単なる標的ではなく、プレイヤーを緊張と達成の間で揺さぶる存在だった。外見こそ無機質だが、その無表情さこそがリアルな“敵役”として印象に残る。彼らを撃ち抜くたびに響く乾いた発砲音は、プレイヤーの記憶に深く刻まれている。

守るべき存在 ― 警官のキャラクター

ギャングと対をなすのが、プレイヤーが**絶対に撃ってはいけない警官**のキャラクターである。彼らは警察官として市民を守る立場で登場し、拳銃を持ってはいるが撃ち返してくることはない。そのため、一見するとギャングと似ている外見ながら、撃ってしまうとペナルティとなる。 警官の存在は、プレイヤーに「正確な判断こそが重要だ」というメッセージを与える。素早く撃つだけではダメで、対象を識別する冷静さが求められる。 また、警官のパネルは帽子や服装の色がギャングと微妙に違っており、プレイヤーが注意深く観察する必要がある。ここに“誤射の恐怖”というスリルが生まれ、ゲーム全体の緊張感を支えていた。撃つ相手と守る相手が同じ画面に存在することで、ただの射撃ゲームではない“人間の判断訓練”のような奥深さを感じさせた。

撃ってはいけない存在 ― 教授のキャラクター

ゲームの中で最もユーモラスな存在が、白衣を着た**教授(学者風の男性)**だ。メガネをかけ、どこか穏やかな表情を浮かべる彼は、明らかに無害な市民だが、出現タイミングが絶妙で、思わず撃ってしまうプレイヤーも多かった。 教授の存在はゲームにユーモアと皮肉を与えている。真剣な射撃訓練の中に、どこか間の抜けた彼が現れることで、プレイヤーの集中が乱れ、誤射を誘発する。「撃つな」とわかっていながら反射的に撃ってしまったときの後悔と笑いが、家庭での盛り上がりを生んだ。 このように教授は、ゲームバランス上の“緩衝材”として機能しており、プレイヤーの集中とリラックスの間を行き来させる存在だった。撃ってはいけないキャラでありながら、印象に残る人気キャラクターでもある。

プレイヤーの心を惑わせる ― 女性のキャラクター

もう一人、プレイヤーが誤射してはいけない代表的なキャラクターが**女性(市民)**だ。彼女はギャングたちと同じパネル位置から登場するが、手には何も持たず、にこやかに立っている。この“非戦闘的な存在”が、ゲーム全体の緊張と倫理観を象徴している。 多くのプレイヤーが「焦って撃ってしまった」「ギャングだと思ったら女性だった」と語っており、このキャラクターは誤射の原因ランキングで常に上位に挙がる存在だった。撃ってはいけないというルールを知っていても、瞬間的な反応が裏目に出る――それがこのゲームの核心的な面白さでもある。 また、女性キャラクターは当時としては珍しく、単なる“背景的存在”ではなく、プレイヤーの心理に直接作用する“試金石”のような役割を担っていた。彼女の登場で、ゲームのテーマに“倫理的判断”という奥深さが加わったのだ。

無機質なのに愛される ― トリックショットの空き缶

GAME Cで登場する**空き缶**は、無機質なオブジェクトでありながら、多くのプレイヤーに愛された“もう一人のキャラクター”である。落ちてくる缶を撃ち、弾ませて台座へ乗せるというルールは単純だが、この缶にはまるで意思があるかのように動き、時には思い通りに乗らず、時には奇跡的な跳ね方で成功する。 プレイヤーは次第に缶に人格を感じ始め、「頼む、落ちるな!」と声をかけてしまうほど感情移入してしまう。この“物体への擬人化”は任天堂ゲーム特有の魅力であり、シンプルなドット表現の中にもプレイヤーが想像力を働かせられる余白がある。 空き缶が上手く連続で台座に乗ったときの爽快感は、他のモードにはない種類の快感であり、キャラクター的にも独立した人気を誇った。

プレイヤー自身がキャラクターになる感覚

『ホーガンズアレイ』は、画面内に主人公の姿が存在しない。だが、光線銃を構えた瞬間、**プレイヤー自身が主人公(警察官)**として物語の一部になる感覚が得られる。この“自分が登場人物になる”という没入感が、後の体感型ゲームの原点となった。 プレイヤーは敵を撃つたびに使命感を覚え、誤射すれば自分の責任として反省する。まるで本当に訓練を受けているかのような緊張感は、他のゲームでは味わえない。つまり、この作品の“好きなキャラクター”とは、画面に映る人物だけでなく、プレイヤー自身の分身も含まれているのだ。 『ホーガンズアレイ』は、キャラクターの魅力を通じて「プレイヤーをゲーム世界に参加させる」仕組みを確立した、きわめて先鋭的な作品だったといえる。

キャラクターたちが作り出す物語性

『ホーガンズアレイ』には明確なストーリーは存在しないが、キャラクターたちの関係性がプレイヤーの中に小さな物語を生み出していく。撃つべき敵と撃ってはいけない人々、その間に生まれる緊張と安堵のリズムが、プレイヤーごとに異なる“想像上のドラマ”を形づくる。 たとえば、教授を何度も誤射してしまったプレイヤーは「次こそ救う」と心に誓い、ギャングを連続で仕留めることで“正義の証”を感じる。こうした心理的な物語構築は、ドット絵の中に生きるキャラクターたちが、ただのパネル以上の存在に感じられる理由だ。 ゲームのシンプルさゆえに、プレイヤーの想像力が豊かに働く――それこそが『ホーガンズアレイ』のキャラクターデザインの真価であり、多くの人がこの無言の登場人物たちに愛着を抱いた理由である。

[game-7]

■ 中古市場での現状

2020年代以降の中古市場における『ホーガンズアレイ』の位置づけ

1984年に発売された『ホーガンズアレイ』は、今やファミコン黎明期を象徴する**歴史的タイトル**として、中古市場でも一定の需要を保っている。単なる懐古的なアイテムではなく、「任天堂が最初に光線銃を家庭に持ち込んだ象徴的作品」としてコレクターの間では評価が高い。 光線銃シリーズは対応ソフトが少ないため、ソフト単体よりも「光線銃セット(ザッパー同梱)」や「箱説付き完品」を求める購入者が多く、価格の幅が広い。状態次第ではわずか数百円から数千円まで変動することがあり、保存状態の良い個体はプレミア化する傾向が続いている。 特に近年はレトロブームやゲーム保存文化の高まりを受け、コレクション目的で購入する層が増加。これにより、動作確認済み・良好コンディションのものは以前よりも取引価格が上昇している。

ヤフオク!での取引動向

ヤフオク!では、『ホーガンズアレイ』の中古ソフトが**1,000円〜3,000円前後**で安定して取引されている。状態に応じた価格差が明確で、箱・説明書付きの完品は2,500円〜3,000円、カートリッジのみの裸ソフトは1,000円台前半で落札されることが多い。 オークション形式よりも即決出品が主流で、2020年代以降は入札競争になるケースは少なくなった。ファミコンのソフト全体が年代物化しているため、外箱の傷みや日焼けがある場合は価格が下がりやすい。 特に“動作確認済み”という記載がある出品は人気で、写真で端子の状態が確認できるものはウォッチ数が伸びやすい。 また、未使用または新品同様のものは希少で、確認されると**4,000〜5,000円**前後の即決で落札されることもある。任天堂純正の光線銃と同梱された「光線銃セット版」は特に人気が高く、完品状態では1万円を超える例も報告されている。

メルカリでの販売状況

フリマアプリ「メルカリ」では、販売価格が比較的安定しており、**1,200円〜2,800円**の範囲で取引されている。特筆すべきは、状態の良いものほど即売れする傾向が強い点である。出品文に「箱・説明書付き」「動作確認済」「端子清掃済」などの記載がある商品は、出品後1〜2日以内に売れるケースも多い。 特にレトロゲームファン層が多く利用するメルカリでは、説明文の丁寧さや写真枚数の多さが価格に直結する傾向が強い。端子部分やパッケージの写真が鮮明な出品ほど高値で売れやすい。 一方、箱や説明書が欠けた状態では1,000円台前半まで価格が下がる。また、動作未確認・日焼けありなどのコンディションは700円前後からの値下げ交渉が多く、実売価格との差も開きやすい。 なお、メルカリでは光線銃と一緒に販売される“セット出品”も多く、光線銃本体の動作確認が取れていれば**4,000円〜6,000円前後**で売買されている。

Amazonマーケットプレイスの価格帯

Amazonの中古マーケットでは、『ホーガンズアレイ』の出品数自体は少ないが、価格はやや高めに設定される傾向がある。**2,800円〜4,500円**が主な価格帯であり、プライム対応の商品や倉庫発送品は品質保証があるため3,000円台後半が中心。 説明書付き・外箱付き完品は出品時点でプレミア扱いとなることが多く、状態の良いものは「コレクター商品」として5,000円を超えることもある。 Amazonの場合、購入者層がコレクション目的寄りのため、価格競争よりも保存状態の良さと配送の信頼性が重視される。動作確認済みの明記がない場合でも販売が成立することがあるが、レビュー欄では「端子が錆びていた」「反応しなかった」などの報告も見られるため、購入時は出品者の評価を確認するのが賢明だ。

楽天市場での取り扱い状況

楽天市場では、ゲーム専門店や中古ショップが運営する公式店舗での販売が中心である。販売価格はやや高めで、**2,500円〜3,800円**前後で推移している。 楽天では「ファミコンコレクター向け商品」として扱われることが多く、箱・説明書付きの美品が主に販売される。状態ランクが明示されている店舗も多く、「Aランク(美品)」は3,000円以上、「Bランク(並品)」で2,000円前後が相場である。 また、光線銃セットやディスプレイ用にクリアケース入りの出品も増えており、インテリア目的で購入するユーザーも少なくない。ゲームとして遊ぶより、**レトロ文化の象徴的アイテム**としての価値が高まっている。

駿河屋での在庫と価格傾向

中古ゲームの大手通販サイト「駿河屋」では、『ホーガンズアレイ』は常時在庫があるわけではなく、入荷と売り切れを繰り返す人気タイトルのひとつとなっている。2025年時点の販売価格は、**カートリッジのみで約1,800〜2,300円**、箱説付き完品では**2,700〜3,200円前後**で安定している。 駿河屋は商品のコンディションを細かく分類しており、「外箱傷み」「説明書折れ」なども明記されているため、購入者にとって安心感がある。特に「動作良好」「美品」タグが付いたものは即日完売することが多い。 また、在庫切れ後に再入荷するまでの期間が長いため、価格がじわじわ上昇する傾向も見られる。近年はファミコンソフトの人気再燃により、在庫があるうちに確保するコレクターが増えているという。

状態・付属品による価格差とコレクター需要

中古市場での価格差を決める最大の要素は、やはり**付属品の有無と保存状態**である。箱・説明書が揃っている完品はコレクター需要が高く、未使用・未開封品は4,000円を超えることもある。一方で、箱なし・説明書なし・端子汚れありの個体は1,000円を切ることもあり、その差は数倍に及ぶ。 また、光線銃本体と同時に揃えたいというコレクターも多く、「光線銃シリーズ完全セット」としてまとめ買いされるケースが多い。そのため、状態の良いものは単品での需要だけでなく、シリーズ全体の価値を支える役割も果たしている。 中には、パッケージデザインを好んでインテリアとして飾るファンもおり、**“使うゲーム”から“飾るアート”へと価値が変化**しているのも特徴的である。

総合的な中古市場の評価と将来展望

『ホーガンズアレイ』は、希少性というよりも“歴史的価値”によって支えられた安定相場を保っている。極端な価格上昇は見られないものの、状態の良い完品が年々減少しているため、今後も緩やかな上昇傾向が続くと予想される。 コレクター市場では「ファミコン光線銃シリーズ三部作(ダックハント、ホーガンズアレイ、ワイルドガンマン)」を揃える需要が根強く、シリーズセットでの高額取引も増えている。 もし今後、任天堂がSwitchなどで光線銃ゲームを復刻する機会があれば、再注目される可能性は高い。現時点でもレトロ愛好家の間では“技術と発想の原点”として再評価されており、**単なる古いソフトではなく、家庭用体感ゲームの起点**として歴史に残る一本であることは間違いない。

[game-8]

■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

【中古】 ファミコン (FC) ホーガンズアレイ (ソフト単品)

【中古】 ファミコン (FC) ホーガンズアレイ (ソフト単品)
326 円 (税込)
機種 【ファミコン】こちらは「ソフト単品」となります。初期動作確認済みです。商品によりましては、発売時期の古い御品物ですので、綺麗な状態の商品もあれば、汚れ(黄ばみ)やシールの破れ、シールをはがした跡やラクガキの跡などある場合もございます。内臓バックアップ..

【送料無料】【中古】FC ファミコン ホーガンズアレイ

【送料無料】【中古】FC ファミコン ホーガンズアレイ
776 円 (税込)
画像はサンプルです。セット内容と商品状態は以下をご参照ください。 セット内容:ソフトのみです。外箱、説明書はありません。 商品状態:ソフトに日焼けがあります。中古品のため商品によっては多少の汚れやキズがある場合がございます。 ※ゆうメールをご選択の場合は全国..

【中古】 FC ホーガンズアレイ ソフトのみ ファミコン 中古

【中古】 FC ホーガンズアレイ ソフトのみ ファミコン 中古
1,180 円 (税込) 送料込
【状態】中古 Used 【説明】クリーニング、メンテナンス、動作確認済みです。経年劣化、ヤケ、スレ、使用感、汚れ、傷等ございます。 【内容】ソフトのみ 【送料】送料無料 【保証】あんしん30日保証対象商品 ※互換機での動作不良は保証対象外です ※商品画像はサンプルです ..

ファミコン ホーガンズアレイ ※専用銃必要(ソフトのみ) FC【中古】

ファミコン ホーガンズアレイ ※専用銃必要(ソフトのみ) FC【中古】
980 円 (税込)
ソフトのみの商品(中古品)になります。 光線銃専用ソフトです! 端子クリーニング・初期動作確認済みです。 商品の方は、やや使用感がございます。 バックアップ電池のあるものに関しましては、 動作確認時に、確認を致しておりますが、 ご購入後の補償は致しかねますので..

【中古】北米版 ファミコン NES Hogan's Alley ホーガンズアレイ

【中古】北米版 ファミコン NES Hogan's Alley ホーガンズアレイ
4,950 円 (税込) 送料込
こちらの商品は中古品となっております。 また画像はイメージ写真ですので商品のコンディションに関しては入荷の度異なりますので ご理解の方お願いいたします。 *海外版ですのでソフトに関しては変換アダプタ等が必要な場合がございます。

【中古】 ホーガンズアレイ ※ソフトのみです。

【中古】 ホーガンズアレイ ※ソフトのみです。
4,000 円 (税込) 送料込
【お届け日について】お届け日の"指定なし"で、記載の最短日より早くお届けできる場合が多いです。お品物をなるべく早くお受け取りしたい場合は、お届け日を"指定なし"にてご注文ください。お届け日をご指定頂いた場合、ご注文後の変更はできかねます。【要注意事項】掲載さ..

【送料無料】【中古】FC ファミコン ホーガンズアレイ

【送料無料】【中古】FC ファミコン ホーガンズアレイ
733 円 (税込)
画像はサンプルです。セット内容と商品状態は以下をご参照ください。 セット内容:ソフトのみです。外箱、説明書はありません。 商品状態:ご注意ください。ボディに日焼け、傷、擦り傷があります。裏面ラベルに落書き、汚れがあります。中古品のため商品によっては多少の汚..

【中古】(新古品・未使用品) ホーガンズアレイ

【中古】(新古品・未使用品) ホーガンズアレイ
15,700 円 (税込) 送料込
【お届け日について】お届け日の"指定なし"で、記載の最短日より早くお届けできる場合が多いです。お品物をなるべく早くお受け取りしたい場合は、お届け日を"指定なし"にてご注文ください。お届け日をご指定頂いた場合、ご注文後の変更はできかねます。【未開封・新古品につ..

FC ファミコンソフト 任天堂 ホーガンズアレイシューティングゲーム ファミリーコンピュータカセット 動作確認済み 本体のみ【中古】【..

FC ファミコンソフト 任天堂 ホーガンズアレイシューティングゲーム ファミリーコンピュータカセット 動作確認済み 本体のみ【中古】【..
1,600 円 (税込)
   その他のゲームソフトを50音順で検索!                    ■□■□ギフト注意書きページはこちら□■□■ 商 品 紹 介 商品名 ホーガンズアレイ 商品概要 - ジャンル シューティング 対応機種 ファミリーコンピュータ 商品状態 中..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop
[game-9]

[game-sata]