『ポールポジション』(アーケードゲーム)

ポールポジション レーシングプレーヤー My Arcade Pole Position Racing Player

ポールポジション レーシングプレーヤー My Arcade Pole Position Racing Player
11,600 円 (税込) 送料込
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【発売】:ナムコ
【開発】:ナムコ
【発売日】:1982年9月
【ジャンル】:レースゲーム

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■ 概要

● 1982年9月、ゲームセンターに“本格レース”を持ち込んだ作品

1982年9月にナムコから登場した『ポールポジション』は、当時のアーケードで主流だった“上から見下ろす”レース表現から一歩踏み出し、プレイヤーが車の後方に座っているかのような疑似3D視点で走らせることを前面に押し出したレースゲームです。舞台は、当時のコースレイアウトを意識した富士スピードウェイ。単に速さを競うだけではなく、「予選でタイムを出して出走権を得る」「決勝で周回を重ねて完走を狙う」という“モータースポーツ的な流れ”を、ゲームセンターの1プレイに凝縮して見せたところが大きな特徴でした。

● “操作がそのまま運転になる”という思想:ハンドル・ペダル・2段ギア

本作が強烈に印象に残る理由のひとつが、操作系の説得力です。ハンドルで進行方向を決め、アクセルとブレーキで速度を作り、LOW/HIGHの2段ギアで加速域を切り替える——この構成は、後年のレースゲームで“当たり前”になっていく設計の原型でもあります。 当時のビデオゲームでは、ボタンやレバー中心の操作が一般的でした。そこへ「運転の手触りを、できるだけそのまま遊びに変換する」考え方を持ち込み、プレイの上達がそのまま“運転の上達感”につながる作りに寄せたのが『ポールポジション』の狙いでした。さらに2段ギアは、単にスピードが上がる下がる以上に、コーナーへの入り方・立ち上がりの作法をプレイヤーに意識させ、走りの組み立てを生みます。

● ゲームの基本構成:予選→決勝という“レースの儀式”

流れは大きく分けて「予選」と「決勝」です。 予選では、制限時間の中でコースを走り、規定タイム内でまとめることが最初の壁になります。ここで求められるのは、ただ飛ばすことではなく“ミスをしない速さ”。コースアウトや接触がタイムに直結し、焦りが焦りを呼ぶ作りなので、最初は「真っ直ぐ走らせるだけでも難しい」と感じやすいタイプです。 そして規定タイムを突破すると決勝へ。決勝は複数周回(標準では複数ラップ)を走り切る形式で、周回ごとに時間が加算される要素があるため、「攻めすぎて事故ると、稼いだ時間が消える」「慎重すぎると、抜けずに点が伸びない」というジレンマが生まれます。つまり本作は、スピードゲームの皮をかぶった“リスク管理のゲーム”でもあります。

● 富士スピードウェイを走る意味:コースがプレイヤーを育てる

富士スピードウェイを思わせるコース構成は、ただの背景ではありません。長い直線は「HIGHで伸ばして気持ちよくなる場所」であると同時に、次のコーナーでブレーキングを誤ると一気に破綻する“罠”にもなります。逆に、連続コーナーは速度を落とすだけではなく、ライン取りと姿勢の整え方が問われる区間になり、上達すると「どこで我慢して、どこで取り返すか」を自分の言葉で語れるようになっていきます。 この“コースにしつけられる”感覚こそ、当時のプレイヤーにとって新鮮で、以後のレースゲームが「コース攻略」という概念を当たり前にしていく土台になりました。

● 擬似3Dリアビューの衝撃:トップビューから“体感”へ

それまでのレースゲームは、全体を見渡せるトップビューが多く、操作はゲーム的に整理されていました。『ポールポジション』はそれを逆転させ、「前方を見て、迫ってくるコーナーに合わせて自分が判断する」感覚を前面に出します。視点が変わるだけで、同じ“右に曲がる”でも意味が変わる。距離感が曖昧になり、スピード感が強まり、恐怖と快感が同居する——この変化が、プレイヤーの没入を一段引き上げました。

● 大型筐体と“座って遊ぶ迫力”:ゲーセンの景色を変えた

本作は、筐体面でも話題になりました。座席つきで運転姿勢に近い形で遊ばせる大型タイプが強く印象づけられ、ゲームセンターに「見るからに本気の機械」が置かれる時代の象徴にもなります。店舗にとっては設置スペースの覚悟が要る一方、プレイヤーにとっては「ここに座るだけで特別な体験が始まる」入口になる。そうした“儀式性”が、レースという題材と相性よく噛み合いました。 また、当時は筐体込みの価格も高額だったとされ、作品の存在自体が“新しい大型アーケードの時代”を感じさせるトピックになっています。

● 開発の背景:エレメカ由来の知見をビデオゲームへ

ナムコはビデオゲーム以前からレース系のエレメカを手掛けており、その蓄積が「画面で走らせても、運転している気分に近づける」という挑戦に結びついた、と語られています。実際、座席つきの発想や、運転操作をゲームの中心に据える設計は、ビデオゲームだけの文脈というより“体験装置としてのレース”をどう作るか、という流れの延長線上にあります。

● 技術面の野心:当時としては先進的なCPU構成

『ポールポジション』は、当時としては先進的なCPUを用いたアーケード基板としても語られます。16ビットCPUであるZ8000系(Z8002を含む)を採用していたことが知られており、レースゲームに必要な“速度感のある画面更新”“多数の要素の同時処理”“挙動の計算”を成り立たせるための技術的な挑戦が背景にありました。

● “難しさ”が価値になる設計:予選落ちが生むドラマ

本作を語るうえで外せないのが、初見の難度です。簡単に決勝へ行けないからこそ、1コーナーごとの緊張感が濃くなり、予選を通した瞬間に小さな達成が生まれます。 つまり『ポールポジション』は、プレイヤーを甘やかさない代わりに、上達をはっきり返してくれるタイプのゲームです。ハンドル操作が安定し、ブレーキの踏みどころがわかり、ギアの切り替えが身体に馴染んだとき、画面の風景が“ただの背景”から“読める情報”に変わる。その変化が、当時のゲームセンターで繰り返し遊ばれる強い理由になりました。

● 続編への橋渡し:シリーズ化されるだけの芯がある

本作の基本思想——予選と決勝、運転操作の実在感、疑似3Dの迫力、コース攻略の快楽——は、そのまま続編へ繋がっていきます。実際に『ポールポジションII』が翌年以降に登場し、コースバリエーションの拡張などで遊びの幅を広げていくことになります。『ポールポジション』は、単発のヒットで終わらず「レースゲームはこう作れる」という設計図を残したからこそ、シリーズとして語られ続ける作品になりました。

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■ ゲームの魅力とは?

● 魅力1:後方視点の“スピード感”が、当時の常識を塗り替えた

『ポールポジション』を初めて触った人がまず驚くのは、画面の見え方そのものです。それまでのレースゲームは、コース全体が把握しやすい見下ろし型が多く、「車を動かしている」というより「記号を操っている」感覚が強めでした。ところが本作は、マシンの後ろから前方を見通す疑似3Dの視点を採り、地平線へ向かって道が吸い込まれていくような迫力を前面に出します。コーナーが近づくにつれて視界が狭まり、速度が上がるほど判断の猶予が消えていく――この緊張感が、レースという題材と強烈に噛み合いました。結果として「ゲームの画面を見ている」のではなく「走っている状況を読んでいる」気分になり、1プレイの没入度が段違いに上がったのです。

● 魅力2:予選→決勝の構成が“レースの物語”を生む

本作の上手さは、単に周回して終わりではなく、最初に“予選”を置いたところにあります。まずは制限時間の中で1周をまとめ、規定タイムに届かなければ決勝へ進めない。この仕組みがあるだけで、プレイヤーの気持ちは一気に「本番の前に試される」方向へ傾きます。 そして予選を突破したあと、決勝では複数ラップを走って完走を狙う流れに切り替わる。ここで重要なのは、ゲームがプレイヤーに「攻め」と「安全」を同時に要求する点です。速く走れば時間には余裕ができるが、速いほど事故の確率が上がる。慎重に走れば事故は減るが、抜けずにスコアも伸びない。つまり本作は、腕前が上がるほど“走りの設計”が面白くなるタイプで、プレイのたびに自分の課題が見えてくるのが魅力です。

● 魅力3:ハンドル+2ペダル+2段ギアが、運転の手応えを作る

『ポールポジション』の操作は、見た目の派手さ以上に“手足の使い方”が記憶に残ります。ハンドルで進路を作り、アクセルで速度を乗せ、ブレーキで荷重と姿勢を整える。さらにLOW/HIGHの2段ギアが加わり、単なる速度調整ではなく「いまは立ち上がりに備える」「ここは伸びを取りに行く」といった“走りの意図”まで操作に反映できるようになります。 この操作体系の良いところは、上達の実感が非常に分かりやすいことです。最初は曲がるだけで精一杯でも、慣れてくると「この区間はHIGHで引っ張れる」「このコーナーは早めに整えてから踏む」と、自分の中に手順が積み上がっていきます。ゲームが“コツの蓄積”を許してくれる設計だからこそ、通い続けたくなる中毒性が生まれました。

● 魅力4:コースが1本でも飽きにくい――“同じ道を違う走り方で攻略できる”

初代『ポールポジション』は、基本的に富士スピードウェイを模したコースを走る体験が中心です。それだけ聞くと単調に思えるかもしれませんが、実際は逆で、同じコースだからこそ“差”が浮き彫りになります。直線で稼いでコーナーは我慢するのか、コーナーで崩さず一定リズムでまとめるのか。予選では安全寄りに、決勝では追い越し点も意識して少し攻めるのか。 同じ道でも目的が変わるだけで最適解が変わるため、プレイヤーは自然に「自分の走り方」を組み立て始めます。コースがプレイヤーを育て、プレイヤーがコースの表情を引き出す。ここに“通う価値”が生まれ、ゲームセンターでの定番になっていきました。

● 魅力5:接触やミスが痛いからこそ、成功体験が濃い

本作は優しくありません。接触やコースアウトがタイムと展開に直結し、1回のミスがそのまま予選落ち・完走失敗につながりやすい。だからこそ、ノーミスに近い周回ができたときの気持ちよさが強烈です。 特に予選は「たった1周を、限られた時間内でまとめる」構造のため、集中力がギュッと圧縮されます。ここでライン取りと速度調整が噛み合うと、“自分が上手くなった証拠”がタイムとして返ってくる。この分かりやすさは、アーケードでお金を入れて遊ぶ体験と相性が良く、上達の動機を自然に作っていました。

● 魅力6:大型筐体の存在感――プレイする前から心が煽られる

『ポールポジション』は、筐体の体験込みで語られやすい作品です。座ってハンドルを握り、ペダルを踏む姿勢自体が“レースの型”になっていて、プレイ前から気分が入る。ゲームセンターのフロアで、明らかに別格の存在感を放つ大型筐体は、プレイヤーにとって「一度は座りたい憧れの席」になり、見ている側にとっても“見世物としての面白さ”を提供しました。 この「筐体が体験の一部になる」価値は、のちの体感系レースの流れへも繋がっていきます。レースゲームを“操作するゲーム”から“乗り込むゲーム”へ寄せた点も、本作の魅力の核です。

● 魅力7:音と演出が“レースの空気”を作る

アーケードのレース体験は、映像だけでは完成しません。エンジンの高まり、走行中の効果音、節目でプレイヤーを煽る音の使い方。『ポールポジション』は、遊んでいるときの賑やかさと、アトラクト(デモ)での印象的な合図のような音の置き方が語られることもあり、音による記憶の残り方が強いタイプです。 ゲームセンターは周囲も騒がしい空間ですが、その中でも「いまレースが始まった」「いま勝負どころだ」と分かる音の輪郭があり、体験がぼやけません。視点の迫力と音の勢いが重なることで、プレイの臨場感が一段押し上げられています。

● 魅力8:実在感のある風景や看板が、世界を“本物っぽく”見せる

本作が当時のプレイヤーに与えた“リアルさ”は、3D表現だけではありません。コース脇の看板や風景の置き方により、走っている世界が「ゲームの抽象空間」ではなく「どこかにあるサーキットのような場所」に感じられる。背景を飾りではなく、速度感や位置取りの目印としても使えるため、慣れるほどプレイヤーは周辺情報を読んで走れるようになります。 こうした環境情報が“運転の手掛かり”になる作りは、のちのレースゲームで定番化していく要素でもあり、『ポールポジション』が先に提示した魅力のひとつと言えます。

● 魅力9:レースゲームの“基礎文法”を、気持ちよさとして定着させた

総合すると、『ポールポジション』の魅力は「本格っぽさ」と「ゲームとしての分かりやすさ」を両立したところにあります。予選通過という目標、決勝完走という到達点、操作の手応え、視点の迫力、ミスが痛い設計、そして筐体の特別感。これらが一体になって、プレイヤーの中に“レースゲームってこういうものだよね”という感覚を植え付けました。 後年のレースゲームを遊ぶとき、私たちが当たり前に受け入れている緊張と快感のセット――その原型を、1982年のゲームセンターで強い説得力で体験させた。そこに『ポールポジション』という作品の、時代を超える魅力があります。

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■ ゲームの攻略など

● まず押さえる前提:このゲームは「速さ」より「失速しないリズム」で勝てる

『ポールポジション』の攻略で最初に理解しておきたいのは、アクセル全開の気持ちよさと、完走・予選通過に必要な走りが必ずしも一致しない点です。疑似3Dの後方視点はスピード感が強く、体感的には「もっと踏める」と感じやすいのですが、実際にはコーナーごとの旋回限界がはっきり存在し、限界を超えるとコースアウトや看板への衝突で大きなタイムロス(実質的な足止め)になります。さらに決勝は敵車が増えて接触リスクも跳ね上がるため、“一発の速さ”より“事故らない平均速度”を作るほうが安定して伸びます。

● 操作の基礎:LOW→HIGHの切り替えは「早すぎても遅すぎても損」

本作の核は2段ギアです。スタートはLOWで待機し、発進後に速度が乗ってきたタイミングでHIGHへ入れるのが基本形になります。早すぎると加速が鈍り、遅すぎると伸びが頭打ちになって、同じコーナーに同じ形で入っているつもりでも“立ち上がりの余裕”が変わってきます。家庭用移植や現行配信の解説でも、LOW発進からおおむね150〜160km/h付近でHIGHへ切り替える目安が語られることが多く、まずはここを体に覚えさせると全体が安定します。

● 予選攻略:最初の目標は「1周を事故なくまとめる」→次に「削れる場所を決める」

予選は1周勝負で、決勝と比べて交通量(邪魔車)が少なめな分、ライン取りと速度維持がそのままタイムに出ます。ここでありがちな失敗は、序盤から攻めすぎてコーナーで破綻し、看板衝突でリセットに近いロスを背負うパターンです。 最初の段階では、タイムを削るより「ミスの発生箇所を特定する」ほうが価値があります。たとえば、同じコーナーで毎回外へ膨らむなら“進入が速い”、逆にイン側へ刺さって看板に触れるなら“切り込みが急”というように、原因が分かりやすい作りです。 慣れてきたら、コース全体を一気に速くするのではなく、「ここだけは踏む」「ここだけは我慢する」という“削る区間の固定”が効きます。予選は成功率が命なので、再現性のある攻め方を1個ずつ増やすのが近道です。

● 決勝攻略:抜きどころは「直線の速度差」より「コーナーの出口」

決勝(グランプリ)は敵車が増え、接触によるクラッシュや失速が最も大きな敵になります。ここで重要なのは、抜きに行く場所の選び方です。直線で無理にねじ込むよりも、コーナー出口で自車の姿勢が整っている状態を作り、次の加速で自然に前へ出るほうが安全で速いです。 敵車は“壁”ではなく“流れ”として見ると楽になります。車列の左右どちらが空きやすいかを早めに判断し、ハンドルを小さく当てるだけで済むように位置取りを前もって作る。これだけで接触率がガクッと下がり、完走が現実的になります。

● コーナリングのコツ:ブレーキは「踏む/踏まない」より「踏む時間の短さ」

本作のブレーキは、長く踏むほど損をしやすい性格です。理想は“短く、必要な分だけ速度を落とし、すぐ加速へ戻す”こと。言い換えると、ブレーキは減速のためだけでなく、曲がれる姿勢に車を整えるスイッチとして使う感覚が近いです。 また、視点が後方からの疑似3Dなので、コーナー入口で「思ったより曲がらない」と感じた瞬間にハンドルを増やしがちですが、ここで切り足すほど挙動が荒れて、外へ逃げたり内へ刺さったりしやすくなります。進入前に速度を“ちょうど曲がれる”ところへ置き、ハンドルは必要最小限にして、出口で早めに戻す。これが安定の基本です。

● 最難関対策:ヘアピンは「入口で勝負を決めない」。出口で取り返す

多くのプレイヤーが詰まりやすいのがヘアピン系の鋭いコーナーです。ここは入口で欲張ると、アンダー気味に外へ逃げて路肩や看板に吸われやすく、逆に切り込みすぎると内側の看板が近づきすぎて危険になります。 攻略の考え方としては、入口で完璧に速く入ろうとするより、「事故らない速度で入って、出口で踏める形を作る」ほうがトータルで速くなります。ヘアピンを抜けた直後に加速を早く開始できるかどうかで、その後の直線の伸びが変わり、結果的にラップ全体が安定します。コーナー単体の“気持ちよさ”より、周回の“つながり”を優先するのがコツです。

● 障害の扱い:水たまり・接触・芝生は「失速の種類が違う」

本作では、速度を失う要因がいくつかあります。たとえば水たまりに乗ると、一定量の減速が発生して立て直しに時間がかかります。敵車との接触は、位置取りが崩れて次のコーナー進入が難しくなる“連鎖”を起こしやすい。芝生へのはみ出しは、即クラッシュではなくてもジワジワと失速し、ライン復帰のために余計な舵が必要になります。さらに致命的なのが看板への衝突で、これは完全に大きな足止めになります。 攻略としては「とにかく看板だけは避ける」が最優先です。水たまりは避けられるなら避ける、無理なら最小限の時間で抜ける。接触は“抜きの欲”を抑えることで減らす。芝生は“早めの諦め”で被害を小さくする。原因ごとに対策の性格が違うので、失速したときに「今の失速はどれか」を意識すると改善が速いです。

● ラップ管理:時間加算を「安心材料」にせず「攻め直す燃料」にする

決勝では周回ごとに時間が加算されるため、1周うまく走れると余裕が生まれます。ただ、ここで気が緩むと接触が増えて結局帳消しになりがちです。 おすすめの考え方は、加算された時間を“保険”ではなく“次の周回を丁寧に走るための燃料”として使うこと。時間が増えたら攻め方を雑にするのではなく、むしろ「次はノーミスで走る」方向へ集中を上げる。安定周回を1回作れると、敵車の流れも読みやすくなり、結果として抜きも自然に増えていきます。

● 上級者の発想:サインや看板を“目印”にして、判断を前倒しする

疑似3Dのレースは、目の前の情報だけで判断すると遅れやすいです。そこで効いてくるのが、コース脇の看板やサインを“距離の目印”として覚える方法です。「この看板が来たらブレーキ」「このサインを過ぎたら切り始める」というように、判断基準を景色に固定すると、毎回同じタイミングで同じ操作ができるようになり、ミスが減ります。 特に予選ではこれが強力で、タイムの良し悪し以前に“再現性”が高まります。再現性が上がると、攻める区間を追加しても崩れにくくなり、結果的にタイムが伸びやすい土台ができます。

● 練習メニュー:伸びる人がやっている「小さな課題分割」

最後に、上達が早い練習の組み方を“ゲーム向け”に整理します。 1) スタートのギア切り替えだけを毎回同じにする(LOW発進→一定速度でHIGH)。 2) 最難関コーナーを「事故らず抜ける速度」を固定する(まずは速さを捨てて成功率を上げる)。 3) 予選を“完走の儀式”にして、毎回同じラインで走る(タイムより再現性)。 4) 決勝は“抜きより接触回避”だけを意識し、車列を読む練習に振る。 こうして課題を分けると、失敗の原因が明確になり、改善が積み上がります。『ポールポジション』は、運転の型ができるほど結果が素直に返ってくるゲームなので、この積み上げがそのまま面白さになります。

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■ 感想や評判

● 当時の第一印象:「レースゲームが急に“本気”になった」

『ポールポジション』の評判を語るとき、まず出てくるのが「見た瞬間に別物だと分かる」という種類の衝撃です。ゲームセンターでよく見かけたレースゲームは、上から見下ろす画面や簡略化されたコース表現が多く、どちらかといえば“反射神経で走り切る”方向に寄っていました。ところが本作は、後方から前を見据える疑似3Dの画面で、道が遠くへ伸びていく感覚を押し出し、プレイヤー側の脳内に「速い」「怖い」「曲がりきれるのか」という感情を直接呼び起こします。初見の人ほどアクセルを踏みたくなる一方で、踏んだ結果としてコーナーで破綻しやすい。だからこそ、体験の密度が濃く、プレイが終わった後に“語れる”ゲームとして残りやすかった印象があります。

● 難易度への反応:「厳しい、でも納得できる」

感想で特に分かれやすいのが難易度です。予選通過という関門があるため、慣れていないうちは決勝へ行けずに終わることも珍しくありません。ここで「難しすぎる」と感じる人がいる一方で、「失敗が自分のミスとして理解できる」点を評価する声も強いタイプです。たとえば、曲がりきれないのは速度が高すぎる、膨らむのは進入が雑、内側に刺さるのは切り込みすぎ、敵車に当たるのは視野が狭い――こうした因果が比較的はっきりしているので、悔しさがそのまま“次の一回”につながりやすい。 つまり本作の難しさは、理不尽というより“シビアな運転訓練”に近く、上達したときの報酬が大きいぶん、熱心なプレイヤーを生みやすかったといえます。

● 体感筐体の存在感:「座った時点で勝負が始まる」

評判を押し上げた要素として、筐体の印象も大きいです。座席に座ってハンドルを握り、ペダルを踏む姿勢になるだけで、ゲームが“遊び”から“体験”へ切り替わる。プレイしている本人はもちろん、周囲で見ている側も「本格的なレースをやっている」雰囲気を感じやすく、フロアで目立つ存在になりました。 当時のゲームセンターは、いろいろなジャンルの筐体が密集する場所です。その中で『ポールポジション』は、サイズや構えの迫力が分かりやすく、“あそこに座ると何かが起きる”という期待を作れる機械でした。そういう意味では、評判はゲーム内容だけでなく、登場の仕方そのものが支えていた面があります。

● ゲームセンターでの空気:「タイムが名刺になる」

本作が長く語られる理由には、プレイヤー同士の競争が生まれやすかった点もあります。予選はタイムがはっきり出て、しかも1周で結果が決まる。だから「どこで失敗したか」「どこで縮めたか」が話題になりやすく、自然にタイムの比較が始まります。上達してくると、走り方のちょっとした工夫――ギアの切り替え位置、ブレーキの踏む長さ、コーナーの入り方――が如実に結果へ出るため、上手い人の走りが見本として語られ、店ごとの“速い人”がスターになりやすい。 この「タイムが名刺になる」空気は、レースゲームと非常に相性がよく、プレイヤーのリピーター化にもつながっていました。速さを競うだけでなく、安定して決勝へ行けること自体が評価されるのも、本作が“競技っぽい”と言われる理由です。

● 親しみやすさへの評価:「分かりやすいのに深い」

意外と重要なのが、初見でも目的が理解しやすいことです。ハンドルで曲がり、アクセルで進み、ブレーキで減速する。勝つために速く走る。基本の理解が直感で成立するので、説明書を読まなくても始められます。 一方で、続けて遊ぶほど深みが見えてくる。最初は「曲がれない」から始まって、「曲がれるようになった」次に「安定して通過できる」「タイムが縮む」「決勝で抜ける」「ミスが減る」という階段が用意されています。ここが“分かりやすいのに深い”と評されるポイントで、ライト層は体験で満足でき、コア層は攻略で沼に入る。両方の入口があるから、評判が広がりやすかったわけです。

● 批判・不満の出どころ:「思ったよりシビア」「ぶつかった時の損が大きい」

もちろん、良い話ばかりではありません。苦手な人が挙げやすい不満は主に2つです。 1つ目は、視点の迫力と引き換えに距離感がつかみにくく、初心者が壁や看板に吸われやすいこと。画面の情報量は増えているのに、判断の猶予は短く感じるため、“楽しさに届く前に終わる”体験になりがちです。 2つ目は、接触やコースアウトの損失が大きく、立て直しに時間がかかること。レースゲームが得意な人は「それが面白い」と言いますが、気軽に遊びたい人には「ミス一回で全部が終わる」印象が残ることもあります。 ただ、この“厳しさ”が同時に魅力でもあるため、賛否は表裏一体です。批判が出るほど癖が強いのに、熱心なファンが残る――まさに名作らしい評価のされ方です。

● 長期的な評価:「レースゲームの基礎を作った作品」としての敬意

時間が経ってからの評判は、より整理された形で語られます。『ポールポジション』は、「後方視点のスピード感」「運転操作の手応え」「予選→決勝というレース構造」「コース攻略の面白さ」を、当時のアーケードで強い説得力を持って提示した作品として見られています。後年、さまざまなレースゲームが登場したあとに振り返ると、本作が“当たり前の型”を先にまとめていたことが分かりやすい。だからこそ、単なる人気作ではなく、ジャンル史の節目として名前が挙がり続けます。 また、懐古の文脈でも強いです。プレイヤーの記憶に残るのは、クリアやエンディングだけではありません。「決勝に初めて進めた日」「最後の周回でミスして終わった悔しさ」「自分の走り方が固まった瞬間」など、体験の断片が物語として残りやすい。こういうゲームは、世代を越えて語られる土台が強いです。

● まとめ:評判の芯は「厳しさが気持ちよさに変わる瞬間」

『ポールポジション』の感想や評判を総合すると、最終的に多くの人が行き着くのは“厳しいけれど、乗り越えた瞬間に快感がある”という一点です。最初は曲がれない。次に走れる。次に速くなる。やがて、景色の中に自分の目印が見え、操作が意識から手足へ落ちていく。そこで初めて、このゲームは「難しいゲーム」から「気持ちいいゲーム」へ変わります。 この変化を体験した人ほど、長く覚えていて、繰り返し語る。だから評判が残る。レースゲームの歴史の中で『ポールポジション』が特別視されるのは、技術や視点の新しさだけではなく、その“上達が快感へ変わる設計”が、今でも通用する強さを持っているからです。

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■ 良かったところ

● 良かった点1:座った瞬間に“レースが始まる”体験装置としての完成度

『ポールポジション』の良さを語るとき、ゲーム内容以前に「筐体に座った瞬間から気分が変わる」という体験の強さが挙げられます。ハンドルを握り、ペダルに足を置き、視線を前に向ける。この姿勢を取っただけで、頭の中が“ゲームを遊ぶ”から“走る準備をする”へ切り替わるのが大きいです。 当時のアーケードは、レバーとボタンの前に立って遊ぶ形式が中心でした。そこへ、座席つきの構えで“乗り込ませる”作りを持ち込み、遊びの入り口からして特別感がある。これが「一度はやりたくなる」「見ているだけでもワクワクする」という魅力に直結していました。

● 良かった点2:疑似3Dの後方視点が生む、圧倒的な速度感と緊張

画面の見え方が、プレイ感覚を根底から変えているのも高く評価される部分です。後方視点の疑似3Dは、直線での伸びが爽快なだけでなく、コーナーが迫ってくる恐怖まで含めて“レースの感情”を作ります。 見下ろし型なら、曲がる量や位置関係が把握しやすい代わりに、緊迫感は薄くなりがちです。本作はそこを逆にし、情報の整理よりも体感の迫力を優先する。だからこそ、短い1プレイでも「本気で集中した」という密度が残りやすい。プレイ後の疲労感すら、良い意味で“走った感”になるのが強みです。

● 良かった点3:運転操作が素直で、上達の筋道が見える

ハンドル・アクセル・ブレーキ・2段ギアという操作体系は、難しく感じる一方で“学習の道筋”が分かりやすいのが良いところです。最初はコーナーで膨らむ、次に減速の感覚が掴める、次にギア切り替えで伸びが出る、さらにライン取りが安定する……と、できることが段階的に増えていきます。 しかも、上達がそのままタイムや決勝進出率に反映されやすい。努力が報われる構造なので、繰り返し挑戦するモチベーションが自然に生まれます。「練習すると本当に上手くなる」レースゲームとしての手触りが、当時から強く支持された理由のひとつです。

● 良かった点4:予選→決勝が作る“競技っぽさ”とドラマ

本作は、ただ走って終わるゲームではありません。まず予選で一定タイムを出し、通過できれば決勝へ進める。この構造があるだけで、1プレイに小さなドラマが生まれます。 予選では「自分との勝負」、決勝では「敵車と展開の勝負」。同じコースでも目的が変わるため、遊びが単調になりにくいのが大きいです。しかも、予選を通過できた瞬間の嬉しさが明確なので、初級者でも達成感を掴みやすい。逆に、決勝で最後の周回まで行って失敗したときの悔しさも強く、これが次の挑戦を生みます。ゲームセンターで“何度もお金を入れて挑む理由”が、設計の中に組み込まれていました。

● 良かった点5:コースがプレイヤーを育て、プレイヤーがコースを理解していく

富士スピードウェイを意識したコースは、単なる背景ではなく“練習台”として機能します。直線でどれだけ伸ばせるか、どこでブレーキを入れるか、どのコーナーは我慢してどのコーナーで取り返すか。プレイヤーが繰り返し走るほど、景色が情報に変わり、目印が増えていきます。 最初は「曲がれない道」だったものが、慣れると「ここは入れる」「ここは危ない」「ここは抜ける」という地図になる。この変化が、同じコースでも飽きにくい理由です。遊びの内容が、プレイヤーの成長で自然に変わっていくのが、長期的な楽しさにつながっています。

● 良かった点6:ミスが痛いからこそ、成功が気持ちいい

『ポールポジション』は甘くありません。コースアウトや接触、看板への衝突は、タイムも展開も一気に崩します。だからこそ、ノーミスでまとめられた周回は強い快感を生みます。 ここで面白いのは、ただ速いだけではダメで、“速さを管理する技術”が必要になる点です。無理をすれば必ず痛い目を見るが、慎重すぎても結果が出ない。絶妙なところを探り当てたとき、「自分は今、レースを組み立てた」と感じられる。この“操縦と判断の快感”が、良かった点として多く語られます。

● 良かった点7:観客が生まれるゲームだった

ゲームセンターでは、「遊ぶ人」と同じくらい「見る人」も重要です。『ポールポジション』は座席つき筐体の存在感と、画面のスピード感の分かりやすさによって、周囲に観客が生まれやすいゲームでした。 上手い人が走っていると、「今の抜き方すごい」「あそこを踏み切れるのか」と、見ているだけで盛り上がれる。逆にミスしてクラッシュすると「あっ…!」という空気が流れる。プレイがそのまま小さなショーになるため、店全体の賑わいにも貢献しやすいタイプでした。この“見世物としての強さ”も、良かったところとして大きいです。

● 良かった点8:後のレースゲームに通じる“基礎の型”を、面白さとして定着させた

最終的に『ポールポジション』の良さは、後年のレースゲームで当たり前になっていく要素を、いち早く“遊びの快感”として成立させた点にあります。後方視点の速度感、運転操作の手応え、コース攻略、予選→決勝の競技構造、タイムで上達が見える仕組み。 これらがバラバラに存在するのではなく、1プレイの中でひとつにまとまっている。だから当時のプレイヤーは「これは新しい」と感じ、後の世代は「ここが原点だ」と理解できる。時代を越えて評価される“良さ”が、作品の芯として残っています。

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■ 悪かったところ

● 不満点1:初見殺しになりやすく、入口で折れる人が出やすい

『ポールポジション』の弱点としてまず挙がりやすいのは、最初の数プレイがかなり厳しく感じられることです。後方視点の疑似3Dは迫力がある反面、距離感や速度感の把握が難しく、初心者は「思ったより曲がれない」「ブレーキが間に合わない」となりがちです。 しかも本作は、予選という関門があるため、慣れないうちは決勝に行けずに終わることが多い。プレイヤーによっては「面白くなる前に終わる」体験になり、そこで離脱してしまう可能性があります。上達すれば見える景色が変わるゲームだからこそ、入口の敷居が高い点は、当時でも賛否が出やすかった部分です。

● 不満点2:ミスのペナルティが重く、リカバリーの余地が少ない

本作は“シビアさ”が魅力ですが、裏返すと「一度のミスが致命傷になりやすい」ということでもあります。コースアウト、看板への衝突、敵車との接触——これらで失うのは単なる速度だけではなく、その後のライン取りやリズムまで崩れてしまう点が辛いところです。 特に看板に当たったときのタイムロスは大きく、「今の1回で今日は終わった」と感じることもあります。アーケードは1プレイの時間が短いぶん、立て直しの猶予が少なく、ミスから盛り返す面白さよりも“ミスしないことの緊張”が前に出ます。ここが合わない人には、窮屈に映ったはずです。

● 不満点3:操作のリアルさが、逆に“遊びとしての軽さ”を奪う場合がある

ハンドル・ペダル・ギアという操作は、本作の魅力であると同時に、人によっては負担にもなります。 たとえば、気軽にボタン操作で遊びたい層にとっては「座らないといけない」「足も使う」「ギアも触る」という時点で“重い遊び”に見えてしまう。さらに、操作に慣れる前は動作がぎこちなくなり、結果として事故が増えてストレスになる。 レースゲームに没入したい人には刺さる一方で、軽く遊ぶにはハードルが高い。この“体験の濃さゆえの敷居”は、悪かった点として語られがちです。

● 不満点4:視認性の癖——情報は多いのに、判断が追いつかない瞬間がある

疑似3D視点は速度感を生む代わりに、コーナー進入の距離感や、敵車との位置関係が瞬間的に掴みにくい場面があります。特に、画面手前に車が迫ってくると視界が詰まり、判断が遅れがちです。 また、当時の表現では遠景が粗くなりやすく、先のカーブの曲率を“感覚で読む”必要がある。慣れれば目印が増えて解決しますが、慣れるまでの間は「見えているのに対応できない」という歯がゆさを感じやすい。これも入口での印象を悪くする要因になり得ます。

● 不満点5:決勝の交通量が増えると、運よりも“理不尽”に感じることがある

決勝は敵車が多く、抜くこと自体がスコアや達成感につながるのですが、混雑が増えるほど「避けたかったのに避けられない」「ちょっと触れただけで崩壊する」という場面が出やすくなります。 本来は位置取りと先読みで回避するゲーム性ですが、初心者や中級者の段階では、交通の読みが間に合わず、“運が悪かった”と感じるケースがある。これが繰り返されると、練習で改善できる部分だと理解していても、感情的には理不尽に見えてしまいます。レースゲームにありがちな“渋滞ストレス”が、当時から存在したとも言えます。

● 不満点6:スコアや評価の分かりにくさ——「どこが伸びたのか」を把握しづらい人もいる

本作はタイムで成果が見える一方、スコアの伸び方は「抜いた台数」「残り時間」など複数要素が絡みます。慣れている人は自然に理解しますが、初期段階では「結局、何をすれば一番得なのか」がぼんやりしがちです。 予選通過と完走自体が目的になりやすいため、スコアを追う楽しみが後回しになり、「クリアできるようになったけど、次に何を目標にすればいい?」という迷いが出ることもあります。スコアアタックの導線がもう少し親切なら、さらに広い層に刺さった可能性はあります。

● 不満点7:筐体の大きさゆえの“遊べる場所の偏り”

大型筐体は魅力ですが、同時に普及面での制約になります。設置スペースの都合で置けない店もあるし、置けても台数は限られがちです。結果として、人気店では順番待ちが発生しやすく、「遊びたいのに遊べない」という不満が出やすい。 また、座席つきはプレイしている人が占有する時間が目立つので、周囲からの視線が気になって集中できない人もいます。筐体の強さが、場所と環境によっては逆にストレス要因になる。これも“大型体感系”が抱えがちな欠点です。

● まとめ:弱点は「入口の厳しさ」と「ミスの重さ」。ただし、それが魅力でもある

『ポールポジション』の悪かったところをまとめると、初心者には厳しく、ミスの代償が大きく、慣れるまでの段階でストレスが溜まりやすい点に集約されます。視点の癖や混雑の読み、操作の重さも、合わない人にははっきり欠点として刺さります。 ただし、本作の場合はその欠点が同時に“名作の理由”でもあります。簡単に通さないから上達が嬉しい。ミスが痛いから成功が気持ちいい。重い操作だから“運転している感”がある。つまり、悪かった点は弱点でありながら、作品の個性を支える骨格でもある。だからこそ評価が割れつつも、強い記憶として残り続けるゲームになったのだと思います。

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■ 好きなキャラクター

● そもそも『ポールポジション』に“キャラクター”はいるのか?——「人」より「役割」が立つゲーム

『ポールポジション』は、物語や登場人物の掛け合いで進むタイプのゲームではありません。主役はあくまで「プレイヤーのマシン」と「コース」、そして「レースの流れ」です。だから“キャラクター人気”を語るときも、RPGやアクションのように固有名の人物が前面に出るわけではなく、プレイヤーが体験の中で自然に愛着を持つ対象——つまり「役割としての存在」や「記号としての人物像」——を中心に話が膨らみやすい作品です。 それでも本作には、プレイヤーの記憶に残りやすい“顔”がいくつかあります。ここでは当時のプレイヤーが語りやすい「好きになりがちな存在」を、キャラクター的な視点で整理していきます。

● 好きになりやすい存在1:自車(プレイヤーマシン)——“相棒”としての主役

最も愛着が湧きやすいのは、やはり自車です。画面の下部に固定され、プレイヤーが操作した分だけ正直に反応する存在で、ミスすれば暴れ、丁寧に扱えば綺麗に抜けていく。 この“素直さ”があるから、自車は単なる駒ではなく相棒になります。最初は「言うことを聞かないじゃじゃ馬」に見え、慣れてくると「自分の癖を理解してくれる相棒」に変わる。この変化がプレイヤーの中で人格化を生み、「今日は調子がいい」「今のは車が流れた」という言い方で語られるようになります。キャラの台詞はなくても、手触りがキャラクターを作るタイプの主役です。

● 好きになりやすい存在2:敵車(ライバル車列)——“邪魔”なのに、いないと成立しない相手役

決勝で登場する敵車は、プレイヤーにとって厄介者です。接触すればクラッシュの引き金になり、抜けなければ展開が詰まる。けれど同時に、敵車がいるからこそ“レースのドラマ”が成立します。 上達してくると、敵車はただの障害物ではなく「流れを読む対象」になります。どこで車列が固まりやすいか、どちら側が空きやすいか、どのタイミングで抜けば安全か。そういう“読み合い”が生まれた瞬間、敵車は憎い存在から、面白さを生む相手役へ変わります。プレイヤーが好きになるのは、敵車そのものというより「敵車が作る展開」です。ライバルがいるから主役が輝く——その関係性が、本作のキャラ的魅力に当たります。

● 好きになりやすい存在3:ピットクルー的な気配——“見えない応援団”としての空気

本作には、露骨にストーリーを語る演出は多くありませんが、レースという題材の性質上、プレイヤーは無意識に「自分の背後にチームがいる」感覚を抱きやすいです。予選を通せば「よし、行ける」。決勝でミスすれば「すまん、やっちまった」。 こうした感情は、ゲームが直接描写していなくても、プレイヤーの中で“ピットクルー”や“監督”のような存在を想像させます。これはキャラクターというより、レース文化そのものが持つ空気の力ですが、当時のプレイヤーが語る“レースごっこ”の楽しさの一部になっていました。

● 好きになりやすい存在4:コースサイドの看板や風景——「常連の顔」になる背景

キャラクターとして語られがちなのが、コース脇の看板や風景です。普通なら背景は背景ですが、『ポールポジション』では攻略が進むほど、看板が“目印”になり、行動の合図になります。「あの看板が来たらブレーキ」「あの場所は抜ける」「あのへんは危ない」。 この段階に入ると、背景は単なる飾りではなく“知っている顔”になります。毎周会うから親しみが湧き、逆に看板にぶつかると「お前にまたやられた!」と恨み言が出る。こういう感情の乗り方は、キャラクター性そのものです。プレイヤーの記憶に残るのは、派手な敵より“いつもそこにいる背景”だったりします。

● 好きになりやすい存在5:スタート/ゴールの演出——“儀式”を司るキャラ枠

本作は、レースの始まりと終わりがはっきりしています。予選の計測、決勝の周回、ゴールの達成。ここには「儀式を管理する存在」が感じられます。実際のキャラが前に出るというより、ゲームが“審判”としてプレイヤーを評価し、通過・不通過を告げる。その冷静さが、かえってレースらしい。 プレイヤーは、この“審判のようなシステム”と対話している感覚になり、合格をもらうために腕を磨きます。キャラクターが喋らなくても、ゲーム全体が人格を持っているように感じる——これも本作らしいキャラの立ち方です。

● (番外)続編で語られやすい「印象的な演出」——ただし本章は初代の話として整理

『ポールポジション』はシリーズとして語られることが多く、続編側で印象的な演出が話題になることもあります。ただ、ここでは初代(1982年9月発売のアーケード)を軸にしているので、キャラクター的な話も“初代のプレイ体験に残る存在”としてまとめました。 もし「シリーズ全体でのキャラ的な語られ方」まで広げると、続編の追加要素や演出も含めて「好きな存在」が増えていきますが、初代単体でも十分に“役割のキャラ”が立っているのがポイントです。

● まとめ:『ポールポジション』の“好きなキャラクター”は、走りの中で生まれる

結局のところ、『ポールポジション』で語られるキャラクター性は、固有名の人物よりも「自車=相棒」「敵車=相手役」「看板=目印であり宿敵」「コース=舞台であり師匠」といった、体験が生む関係性にあります。 このゲームは、プレイヤーの上達と感情によって世界が擬人化されていくタイプです。だからこそ、同じ筐体・同じコースを何度も走った人ほど、「あの場所が好き」「あの区間が嫌い」「自車が今日は言うことを聞いた」という語り方になり、結果的に“キャラクターの話”が自然と生まれます。物語が薄いのに記憶が濃い——その理由が、ここにあります。

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■ プレイ料金・紹介・宣伝・人気・家庭用移植など

● プレイ料金:当時の“100円1プレイ”文化の中で、体感筐体が持つ説得力

1980年代初頭のゲームセンターは、基本料金として「1プレイ100円」を軸に回る文化が強く、メーカー側もその前提で店舗運営を想定していた……という空気が、後年の業界史の語りからも読み取れます。 だから『ポールポジション』も、多くの店では100円を入れて挑戦する“勝負の遊び”として受け止められやすかったはずです。 ただ、同じ100円でも、内容の重みが違うのが本作のポイントです。ハンドル・ペダル・ギアを備えた操作系、座ってプレイする体感性、予選→決勝で区切られる“レースの儀式”が揃っているため、短いプレイ時間でも「体験を買った」という感覚が残りやすい。ここは、ボタンゲームと同列に並べても“納得”が生まれる強みでした。さらに、筐体一式の標準小売価格が高額だったという話も残っており、店側の投資が大きい分、目立つ場所に置かれやすく、結果的に「とりあえず一回座ってみる」導線が作られやすかったと考えられます。

● ゲームの紹介方法:遠目で分かる“座席とハンドル”が、そのまま広告になる

当時のアーケードでは、ポスターやインストカードの説明だけでなく、「筐体そのものが呼び込み役になる」ケースが少なくありません。『ポールポジション』はまさにその典型で、椅子に座ってハンドルを握る姿が、周囲に“レースをやっている絵”を作ります。これが強い。 店内の雑踏の中でも、「あの筐体は特別そう」「運転するゲームっぽい」が一目で伝わるので、説明が少なくてもプレイヤーが寄ってきやすい。しかも、プレイ中の画面は速度感が分かりやすく、ミスした瞬間もドラマになる。つまり、プレイヤーのプレイ風景が“動く宣伝”になり、観客が次の挑戦者に変わっていく循環が生まれやすかったわけです。

● 宣伝・話題づくり:レース題材の強さと「新しい視点」の分かりやすさ

レースという題材は、当時から広い層に直感で伝わるジャンルです。ルール説明が少なくて済み、上手い下手も見て分かる。そして『ポールポジション』は、後方視点の疑似3Dで“奥へ伸びる道”を見せることで、チラ見でも「今までのレースゲームと違う」を作りやすかった。 加えて、コースが富士スピードウェイを意識した構成である点も、当時のモータースポーツ熱と結びつきやすい要素でした。 いまの感覚だと当たり前に見える“実在サーキット風”ですが、当時はそれ自体が特別で、遊ぶ前から「本格っぽい」イメージを強める材料になったはずです。

● 人気の広がり方:タイムが会話になり、店ごとの“速い人”が生まれる

本作の人気は、単に稼働が多いというだけでなく、「タイムがコミュニケーションになる」形で増幅しやすい性格を持っています。予選1周で結果が出るため、友人同士なら“記録の比較”がすぐ始まる。常連同士なら“店内ランキング”の空気が自然にできる。 この手の人気は、一度コミュニティができると強いです。上手い人の走りが見本になり、初心者が真似をして上達し、また別の人が追い越す。そうして「ポールポジションが上手い人」が、その店の名物になる。ゲームの外側の盛り上がりが、ゲームの寿命を延ばすタイプのヒットの仕方です。

● 続編・シリーズ化:遊びの型が強かったから、拡張が映える

『ポールポジション』は翌年に続編『ポールポジションII』が登場し、コースの追加などで遊びの幅を広げています。 ここで重要なのは、初代の時点で「予選→決勝」「疑似3D後方視点」「運転操作」という“型”が完成していたこと。型が強いから、コース追加のような拡張が分かりやすく効く。結果としてシリーズとして語られやすくなり、初代も一緒に記憶され続ける土壌ができました。

● 家庭用移植・ライセンス展開:人気作ゆえに、いろいろな形で“外へ出た”

アーケードのヒット作は、家庭用やPCへ移されることで寿命が伸びます。『ポールポジション』も例外ではなく、海外ではAtariがライセンスを得て展開したことが知られています。 代表的な移植先としてはAtari 2600などが挙げられ、当時の家庭用の性能に合わせて再構成されつつも、「あの題材・あの名前を家で遊べる」こと自体が大きな価値になりました。 また、後年になるほど「単体移植」より「名作詰め合わせ」で触れられる場面が増えていきます。たとえば、PlayStationの『ナムコミュージアム VOL.1』に『ポールポジション』が収録され、シリーズとしての再評価を受ける流れが作られました。 こうした復刻は、“当時遊んだ人の懐かしさ”だけでなく、“名前だけ知っていた人が初めて触る入口”としても機能し、結果的に作品の知名度を長期に保ちます。 さらにPC系では、Microsoftのアーケード系コンピレーションに収録された事例もあり、「当時の名作をPCでまとめて触れる」ルートでも生き残っていきます。

● 現行機での復刻:アケアカで“当時の遊び方を調整しながら”触れられる強み

近年の復刻で分かりやすいのが、『アーケードアーカイブス』での配信です。『ポールポジション』は2023年7月6日に現行機向けに配信され、設定変更や当時の雰囲気再現といった“今の遊び方”が用意されました。 価格も明示されており、当時の筐体に触れられない人でも、比較的手に取りやすい形になっています。 この復刻の良いところは、「昔は難しくて予選が抜けられなかった」人が、環境を整えて再挑戦できる点です。ゲームスピードや表示、各種設定を自分に合わせられると、当時の“入口の厳しさ”が少しやわらぎ、作品の面白さまで到達しやすくなる。名作ほど、こういう再入門の場があると評価が安定します。

● まとめ:『ポールポジション』は“遊び”だけでなく、“売り方・広がり方”も時代を作った

『ポールポジション』は、ゲーム内容の革新だけでなく、体感筐体による見た目の強さ、100円1プレイ文化の中での納得感、タイム競争が生むコミュニティ、そして移植や復刻で生き続ける展開まで含めて、「アーケードのスターがどう長生きするか」を体現したタイトルだと言えます。 当時は“店で座って体験するレース”として人を集め、後年は“名作として持ち帰られる復刻”として再会の場を作る。遊びの中身が強いからこそ、紹介もしやすく、宣伝もしやすく、移植しても名前が残る――そうした好循環が、1982年の一作品を、いまでも語られる存在に押し上げたのだと思います。

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