
まんが日本昔ばなし 2 [ (キッズ) ]





【監修】:川内康範
【アニメの放送期間】:1975年1月7日~1995年1月2日
【放送話数】:全1470話
【放送局】:NETテレビ系列・TBS系列
【関連会社】:愛企画センター、グループ・タック、亜細亜堂、あかばんてん
■ 概要
『まんが日本昔ばなし』は、1975年1月7日から1995年1月2日まで、実に20年もの長きにわたってNETテレビ系列(のちのテレビ朝日系列)およびTBS系列で放送された国民的アニメーション作品です。この番組は、日本各地に古くから伝わる民話や伝承、昔話をアニメ化し、毎回30分の放送枠の中で2本立て形式で紹介するというシンプルながら独自性の高い構成を持っていました。
企画・製作を務めたのは川内彩友美氏で、監修は川内康範氏。制作は愛企画センター、アニメーション制作はグループ・タック、放送は毎日放送(MBS)との共同で行われました。当時のテレビアニメといえば、長編の物語やシリーズ展開が主流でしたが、本作は1話完結のオムニバス形式に徹することで、全国津々浦々に伝わる無数の物語を取り上げることができ、視聴者に常に新鮮な驚きと発見を与えました。
最大の特徴は、俳優の市原悦子と常田富士男という二人の語り手が、全ての役柄の声を担当している点です。老若男女、さらには動物や妖怪まで、二人は自在に声色を使い分け、時に温かく、時に恐ろしく、時にユーモラスに物語を紡ぎます。この語りの存在感こそが番組の象徴であり、他のアニメ作品には見られない「朗読とアニメーションの融合」という独自の表現を確立しました。
映像面では、作画スタイルが毎回異なることも本作の魅力のひとつでした。各話ごとに異なるアニメーターや美術スタッフが担当することで、ある話では柔らかい水彩画風の背景が広がり、別の話では力強い墨絵調の描写がなされるなど、多彩な表現方法が試みられました。これにより、民話の持つ地域性や文化的背景がより深く表現され、視覚的にも豊かな作品世界を楽しむことができました。
本作の放送は、1970年代から1990年代にかけての家庭のテレビ文化とも深く結びついています。当時、土曜の夕方や日曜の早い時間帯に家族がそろってテレビを見る習慣があり、『まんが日本昔ばなし』はその中心的存在でした。小さな子どもからお年寄りまで、三世代が同じ物語を共有し、時には親や祖父母が自分の幼少期に聞いた同じ話を思い出して語り合う、そんな家庭的な時間を演出していました。
番組内容は単なる娯楽にとどまらず、日本文化の継承にも大きな役割を果たしました。地方ごとの方言や風習、衣食住の様子、祭りや信仰などが物語を通じて自然に描かれ、それが子どもたちにとっての“生きた歴史の授業”となっていたのです。教育的価値も高く評価され、厚生省児童福祉文化賞や文化庁優秀映画作品賞など、数々の賞を受賞しました。
さらに、長期間の放送によって、同じ昔話でも時代や制作体制の変化によって別バージョンが制作されることもありました。同じ題材でも異なる作画や演出、語りのニュアンスが加わり、ファンにとっては「どのバージョンが好きか」を語り合う楽しみも生まれました。
放送終了後も人気は衰えず、2000年代以降は再放送やDVD化が進み、2011年には全巻セットのDVD-BOXが発売。これにより、かつての視聴者はもちろん、新しい世代の子どもたちにもその魅力が受け継がれました。さらに2023年1月には東宝よりBlu-ray版が発売され、映像が高画質化されただけでなく、パッケージやブックレットなどの付録も充実したコレクターアイテムとして注目を集めています。
『まんが日本昔ばなし』は、単なる長寿アニメという枠を超え、日本人の心に深く根付いた文化的遺産といえるでしょう。放送から何十年経った今でも、その独特の語り口と映像、そして心温まる物語は、多くの人々の記憶に鮮明に残り続けています。
[anime-1]■ あらすじ・ストーリー
『まんが日本昔ばなし』は、毎回異なる2本の物語で構成されるオムニバス形式のアニメであり、その題材は日本各地に古くから語り継がれてきた昔話や民話、伝説です。物語は一話完結型で、それぞれが独自の世界観と教訓を備えています。
放送された話は1000本以上とも言われ、有名な昔話はもちろん、特定の地域にしか伝わっていない珍しい話まで幅広く取り上げられました。制作スタッフは全国の古書や民話集、郷土史家の口述資料を参考に脚本を作成し、物語の舞台となる地方の風景や方言、服装、建物の様式まで可能な限り忠実に再現していました。
番組の物語は大きく分けていくつかのタイプがあります。
1. 勧善懲悪型
「こぶとり爺さん」や「舌切り雀」など、善良な人物には幸せが訪れ、欲深で意地悪な人物は報いを受けるという構造。これらは子どもたちに道徳的な教訓を伝える役割があり、親からも安心して見せられる話として人気がありました。
2. 自然と共生する話
「笠地蔵」や「花咲か爺さん」など、人間と自然や神仏が穏やかに関わり合う物語。感謝や奉仕の心がテーマとなることが多く、物語の最後には温かい余韻が残ります。
3. 恐怖や怪奇を描く話
「耳なし芳一」や「三枚のお札」など、妖怪や幽霊が登場する怪談系の話。子どもには少し怖く、大人には背筋が寒くなるような緊張感があります。特に墨絵調や暗色の背景を用いた回は、その恐怖感をさらに増幅させました。
4. ユーモア・滑稽話
「うぐいす長者」や「わらしべ長者」など、笑いや機転で物事を切り抜ける話。軽妙な語り口とテンポの良い展開で、視聴後にほっとするような印象を与えます。
制作時には、ただ話をアニメ化するだけでなく、短い時間の中で物語の起承転結をきちんと収めるために、脚本の取捨選択が非常に重要でした。オリジナルの民話では長く複雑な経緯を持つものでも、アニメ版では核心部分を残しつつ、省略や補足を加えることで、分かりやすくテンポの良い作品に仕上げています。
演出面では、季節感の描写が非常に丁寧でした。雪深い村の冬、稲穂が揺れる秋、桜の咲く春など、背景美術が物語の雰囲気を引き立て、視聴者に「その場にいるような感覚」を与えました。これにより、特に地方出身者の視聴者は、自分の故郷を思い出すような感覚を味わうことができたといいます。
また、語り手である市原悦子と常田富士男の存在は、あらすじに命を吹き込む重要な要素でした。市原は老女から少女、動物までを自在に演じ分け、常田は落ち着きのある声で物語全体を包み込むように語ります。二人の掛け合いが生まれることもあり、それが自然で温かい雰囲気を作り出しました。
印象的なエピソードのひとつに「笠地蔵」があります。雪深い村で暮らす老夫婦が、大晦日の夜に凍えるお地蔵様たちに笠をかぶせるというシンプルな話ですが、翌朝に訪れるお地蔵様からの恩返しは、見る人に静かな感動を与えます。映像では雪の質感や寒さの表現が秀逸で、老夫婦の心の温かさと対比的に際立っていました。
もう一つ、怪談系の代表例として「耳なし芳一」が挙げられます。琵琶法師の芳一が亡霊たちに取り囲まれる恐怖の場面は、墨一色に近い美術と低く響く語りで描かれ、子どもたちにトラウマを与えるほどの迫力でした。こうした多様な表現ができたのは、本作がジャンルに縛られない自由な構成を持っていたからです。
物語の終わり方も一様ではなく、ハッピーエンドで終わる話もあれば、切ない別れで締めくくられるもの、さらには救いのない結末を迎える話もありました。これにより、視聴者は「昔話は必ずしも甘くない」という現実的な一面にも触れることができました。
こうして『まんが日本昔ばなし』は、日本の物語文化をそのまま映像に移し替えた「動く民話集」として、放送期間を通して変わらぬ人気を保ち続けたのです。
[anime-2]■ 登場キャラクターについて
『まんが日本昔ばなし』における“キャラクター”は、固定された主人公やレギュラー陣ではなく、各エピソードごとに登場する多種多様な人物や動物、さらには妖怪や神仏までも含みます。これは、本作がオムニバス形式であることの最大の特徴であり、毎週新しい物語と新しいキャラクターに出会えるという、他の長編アニメとは異なる魅力を生み出しました。
1. 人間のキャラクター
人間のキャラクターは、善人・悪人・中立的な人物と役割が大きく分かれます。
善人は多くの場合、誠実で勤勉、心優しい人物として描かれます。例えば「こぶとり爺さん」の善良なお爺さんは、踊りを通じて鬼と仲良くなり、持っていた瘤(こぶ)を取ってもらいます。一方で、意地悪で欲深いもう一人のお爺さんは同じことをしようとして痛い目に遭います。このように、善良な人間には幸福が訪れ、悪人には罰が下るという勧善懲悪の構図がしっかりとしています。
女性キャラクターも印象的です。「笠地蔵」に登場するお婆さんは、困っている存在に自然に手を差し伸べる優しさを持っています。「舌切り雀」の優しいお婆さんと、欲深なお婆さんの対比も有名です。こうした女性像は、母性や慈愛の象徴として描かれることが多く、物語の温かみを生み出す要素となっています。
2. 動物キャラクター
動物たちはしばしば人間のように話し、考え、行動します。「花咲か爺さん」の犬シロは主人を宝物に導き、「かちかち山」のウサギは知恵と機転でタヌキを懲らしめます。これらの動物は、人間の正義感や友情を体現する存在として描かれることが多い一方、悪役動物も登場します。特にタヌキやキツネは狡猾な存在として描かれることが多く、人をだますエピソードも多数あります。
3. 妖怪・幽霊・精霊
妖怪や幽霊も重要なキャラクター群です。「耳なし芳一」の平家の亡霊、「三枚のお札」に登場する山姥、「天狗の恩返し」の天狗など、民間信仰に根差した存在が多数登場します。こうしたキャラクターは恐怖の対象であると同時に、試練を与えたり助けたりする存在としても描かれます。妖怪が単なる悪役に留まらず、時には教訓を与える存在となるのも日本昔話の特徴です。
4. 神仏・不思議な存在
神様や仏様も物語に頻繁に登場します。「笠地蔵」や「地蔵の恩返し」では地蔵菩薩が人間を助け、「天の羽衣」では天女が人間と関わります。こうした存在は慈悲深く、困っている人を救う役割を持つ一方、人間の行いによっては厳しい裁きを下すこともあります。
5. 市原悦子と常田富士男による表現力
これら多様なキャラクターを、全て市原悦子と常田富士男の二人が演じ分けている点は特筆すべきです。市原は女性や子ども、動物役で幅広い感情を表現し、時に優しく、時に恐ろしく声色を変えます。常田は低く落ち着いた声を基調に、老人や威厳ある存在、またユーモラスな役柄もこなします。二人の演技力によって、キャラクターたちは紙の上の存在から命を吹き込まれた生きた人物へと変わります。
6. キャラクター造形の多様性
興味深いのは、同じ昔話でも異なる作画スタッフや演出家が担当すると、キャラクターの造形や性格が変わることです。例えば、ある回の「浦島太郎」は穏やかで優しい青年として描かれ、別の回では少し無邪気で子どもっぽい性格になっていたりします。これは長寿番組ならではの現象で、ファンの間では「どのバージョンの〇〇が好きか」という話題がしばしば交わされました。
7. キャラクターと地域文化
本作に登場するキャラクターの服装や道具、言葉遣いには、その地域特有の文化が反映されています。東北地方の話では方言や雪深い風景が強調され、九州や沖縄を舞台にした話では独特の祭礼や衣装が描かれます。こうした細部のこだわりはキャラクターの説得力を増し、視聴者にとって物語がより身近に感じられる要因となっていました。
このように『まんが日本昔ばなし』に登場するキャラクターたちは、固定化された人気キャラがいなくても、それぞれが一話完結の物語の中で強烈な存在感を放ち、放送から何十年経った今も視聴者の心に残り続けています。
[anime-3]■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
『まんが日本昔ばなし』の音楽は、番組全体の雰囲気を決定づける極めて重要な要素でした。物語そのものは毎回異なりますが、番組の始まりと終わりに流れる音楽が視聴者に安心感と一貫性を与え、作品世界への没入を促していました。ここでは、オープニング・エンディングの楽曲や、挿入歌、さらには番組と関連する楽曲群を詳しく紹介します。
1. オープニングテーマ「にっぽん昔ばなし」
1975年の放送開始から長らく使用されたオープニングテーマ「にっぽん昔ばなし」は、作詞・川内康範、作曲・北原じゅん、編曲・小谷充、歌・花頭巾によるもので、素朴で温かいメロディが特徴です。イントロ部分の牧歌的なリズムと優しい歌声は、視聴者に「これから昔話の世界へ入る」という合図を与えました。歌詞は日本の自然や季節、人々の暮らしを情緒豊かに表現しており、耳にした瞬間に懐かしい風景が広がるような感覚を呼び起こします。
オープニング映像も印象的で、稲穂の波、富士山、茅葺き屋根の家、田畑を駆ける子どもたちなど、日本の原風景が次々と描かれました。この映像と音楽の組み合わせは、番組の象徴として今も強く記憶されています。
2. エンディングテーマの変遷
エンディングテーマは時期によって複数存在し、それぞれ異なる魅力を持っています。
「グルッパーのうた」(作詞:川内康範/作曲:北原じゅん/歌:キーパー・メイツ)
初期に使用された楽曲で、明るく軽快なリズムと親しみやすい歌詞が特徴です。子どもたちが一緒に歌いやすく、放送後に口ずさむ家庭も多くありました。
「にんげんっていいな」(作詞:山口あかり/作曲:小林亜星/編曲:久石譲/歌:中島義実、ヤング・フレッシュ)
1980年代以降の定番エンディングとして特に有名です。温かな家庭の情景を描いた歌詞と、小林亜星の心地よいメロディが見事に調和し、久石譲の編曲が柔らかく包み込むようなサウンドを生み出しました。親子で一緒に歌えることから、学校の合唱曲としても取り上げられるほど愛されました。
「ほしさがし」(作詞:伊藤アキラ/作曲・編曲:有澤孝紀/歌:相田文三、東京少年少女合唱隊)
夜空や星をテーマにした幻想的な曲。しっとりとした曲調で、感動的なエピソードの後に流れると特に余韻を深める効果がありました。
3. 挿入歌・イメージソング
本編内で特定の物語やキャラクターに合わせた挿入歌やイメージソングが使われることもありました。例えば、愉快な話では三味線や尺八を基調にした陽気な民謡風の楽曲、怪談回では不協和音や低音を多用した不気味な曲が流れ、物語の緊張感を高めました。
また、一部のエピソードでは完全オリジナルの挿入歌が制作され、映像と一体になって視聴者の印象に残りました。こうした楽曲はサントラ盤に収録されることもあり、番組の音楽的な奥行きを広げています。
4. 楽曲制作陣のこだわり
『まんが日本昔ばなし』の音楽は、単なるBGMやテーマソングに留まらず、民話の世界観を支えるための“音の演出”として機能していました。和楽器の使用はもちろん、地方の民謡や祭囃子のリズムを参考にするなど、各エピソードごとに細かく音作りが行われました。
また、放送当時の音響環境ではモノラル音声が主流だったため、限られた帯域で最大限の臨場感を出す工夫がなされました。録音段階から語りとのバランスが重視され、音楽が物語の邪魔にならないよう、音量や音域の調整が入念に行われていました。
5. 視聴者の記憶と音楽の力
多くの視聴者にとって、これらの楽曲は単なる番組の一部ではなく、幼少期の記憶や家族との時間そのものと結びついています。大人になってからオープニングやエンディングを聴くと、当時の夕暮れ時や家族団らんの情景がよみがえるという声も少なくありません。特に「にんげんっていいな」は、家庭的な温もりを象徴する曲として世代を超えて愛されています。
このように、『まんが日本昔ばなし』の音楽は番組の雰囲気を決定づける重要な要素であり、その存在は物語と同等、あるいはそれ以上に視聴者の心に深く刻まれています。
[anime-4]■ 声優について
『まんが日本昔ばなし』を語るうえで欠かせないのが、唯一無二の語りとキャラクター表現を担った二人の声優――市原悦子と常田富士男の存在です。番組放送期間のほぼ全編にわたり、この二人だけで全ての登場人物、ナレーション、効果的な掛け合いまでをこなしました。この大胆かつ独創的な配役は、作品のアイデンティティとして強烈な印象を残しています。
1. 市原悦子の表現力
市原悦子は、女優として舞台・映画・テレビドラマで幅広く活躍していましたが、本作では声優としての豊かな才能を存分に発揮しました。彼女の声は、老女のしわがれ声から少女の高い声、さらに動物や妖怪まで自在に変化します。特徴的なのは、声色を変えるだけでなく、そのキャラクターの感情や生き様までも声に乗せて伝える点です。
例えば「笠地蔵」の優しいお婆さんを演じる際には、柔らかく包み込むような声で聞き手を安心させ、一方「舌切り雀」の意地悪なお婆さんでは、鼻にかかった嫌味な声で不快感を巧みに表現します。また、動物役では愛嬌たっぷりの鳴き声を交え、視覚的な動きと完全にシンクロする演技を見せました。
2. 常田富士男の存在感
常田富士男は、低く温かみのある声質を持ち、語り部として物語全体を包み込む役割を担いました。彼の声は静かに語りかけるようでありながら、緊張感を持たせたい場面では一気に迫力を増し、聴く者を引き込む力を持っています。
「耳なし芳一」のような怪談では、不気味さを漂わせつつも冷静なトーンで語ることで、逆に恐怖を増幅させます。一方、滑稽話や人情話では、朗らかさと温かみを持たせ、視聴者を安心させる雰囲気を作り出します。
3. 二人の掛け合いと呼吸
本作では基本的に二人がすべての役を演じ分けるため、場面によっては一人が複数の役を瞬時に切り替える必要がありました。その切り替えの速さと自然さは、まさに熟練の技です。二人の声はお互いの呼吸を知り尽くしており、台詞の間合いや感情の高まりが自然に噛み合います。
たとえば登場人物が言い争う場面では、間髪入れずに声色を変えながらテンポよくやり取りし、聞き手には「本当に複数人が会話している」と錯覚させます。この掛け合いが番組の臨場感を生み、物語をより立体的に感じさせました。
4. 収録現場の工夫
当時の収録は、一話分を通して二人で全役を演じる方式が多く、短時間で役を切り替えるための集中力と記憶力が必要でした。事前に台本へ細かく役名や声の特徴を書き込むこともあれば、場面転換ごとに即興的に声色を調整することもあったといいます。
また、ナレーションとキャラクターの台詞を同じ人物が担当する場面では、声の高さや話すスピード、呼吸の取り方を微妙に変え、聞き手が混乱しないよう配慮されていました。
5. 視聴者への影響
多くの視聴者は幼少期に『まんが日本昔ばなし』を見て育ち、市原・常田両氏の声を聞くと即座に“昔話モード”に切り替わるほど強く記憶に刻まれています。二人の語りは単なる声優の仕事にとどまらず、日本の昔話文化を後世に伝える語り部の役割を果たしました。
SNSやファンの回想録では、「この二人の声以外では昔話は成立しない」「声だけで情景が浮かぶ」という声が多数寄せられています。まさに彼らは、映像と同等かそれ以上に作品の魅力を支えた立役者でした。
6. 後世への影響
市原悦子は晩年まで朗読活動を続け、常田富士男もナレーターとして多くの作品に参加しました。二人の演技スタイルは、後の声優やナレーターに影響を与え、「声だけで情景を描く技術」のお手本として語り継がれています。
彼らが『まんが日本昔ばなし』で築き上げた演技の枠組みは、現在のオーディオブックや朗読劇のスタイルにも少なからず影響を与えており、日本の語り文化に新しい価値をもたらしました。
このように、『まんが日本昔ばなし』における声優は単なるキャラクターの“声”ではなく、物語そのものを形作る「魂の担い手」でした。
[anime-5]■ 視聴者の感想
『まんが日本昔ばなし』は、放送期間が20年に及んだこともあり、視聴者層は非常に幅広く、世代や地域によって感じ方や思い出も多様でした。ここでは、番組を見た人々の声や印象、生活への影響、時代背景と絡めた反応を細かく掘り下げていきます。
1. 家族団らんの中心だった番組
多くの視聴者が口を揃えて語るのは、「家族で一緒に見ていた」という記憶です。放送時間帯が夕方から夜の早い時間にかけてだったため、夕食前後にテレビの前に家族が集まり、三世代で視聴する光景が全国各地で見られました。
親世代や祖父母世代は「自分が子どもの頃に聞いた昔話がアニメで見られる」という懐かしさを感じ、子どもたちは純粋な物語として楽しむ。この世代間共有の構造は、現代のテレビ番組ではなかなか再現が難しいものです。
2. 子どもにとっての“初めての怖い話”
感想の中には、「初めて本気で怖いと感じたのがこの番組だった」という声も少なくありません。「耳なし芳一」や「三枚のお札」、「舟幽霊」などの怪談系エピソードは、子どもにとって衝撃的で、放送後にトイレに行けなくなったり、布団の中で目をつむれなくなったという体験談が数多く寄せられています。
ただ、この“怖さ”は単なる恐怖だけでなく、物語の教訓や人の業を知るきっかけにもなっており、大人になってから「怖かったけれど見てよかった」と振り返る人も多いです。
3. 温かさと優しさに包まれたエピソード
一方で、「笠地蔵」や「花咲か爺さん」、「わらしべ長者」など、心温まる話も多く、そうした回に感動して涙を流したという視聴者も大勢います。特に「にんげんっていいな」のエンディングに続くと、その余韻が倍増し、家族や故郷の温もりを強く感じさせる効果がありました。
4. 教育的影響
保護者や教育関係者の間では、この番組が持つ教育的価値も高く評価されていました。単なる娯楽ではなく、善悪の判断や人との関わり方、自然との共生、努力の大切さなどを、物語を通して自然に学べるという点です。
特に地方の昔話は、地元の子どもたちにとって郷土の歴史や文化を知るきっかけとなり、「自分のふるさとにも誇れる物語がある」と気づかせる役割を果たしました。
5. 大人になってからの再発見
子どもの頃には単純に楽しんでいた物語も、大人になってから見直すと全く異なる感情を呼び起こすという感想もあります。たとえば、昔は“怖い話”としてしか見られなかったエピソードに、今見ると深い人間ドラマや社会的背景を感じるという人もいます。
また、親となった立場で再視聴した際、自分の子どもに伝えたい価値観や教訓が多く含まれていることに改めて気づき、DVDやBlu-rayを購入して家庭で見せる人も少なくありません。
6. 音楽や声の記憶
視聴者の感想には、物語だけでなく音楽や声優の印象が強く残っているという声が多く見られます。オープニングやエンディングを耳にすると、一瞬で当時の情景や空気感が蘇ると語る人は多く、特に市原悦子・常田富士男の語りは「安心感」「説得力」「郷愁」を同時に呼び起こす特別な存在だったと評価されています。
7. 海外からの反響
海外在住の日本人や、日本文化に興味を持つ外国人からも感想が寄せられています。昔話という普遍的なストーリーテリングの形と、日本特有の風景や文化描写が新鮮で、語学教材や文化紹介の素材として使われることもありました。字幕や吹き替え版を通じて、日本人以外にもファンを獲得しています。
8. ネット時代の再評価
インターネットやSNSの普及により、放送当時を知らない若い世代が動画配信やDVDで本作に触れる機会が増えました。YouTubeなどで一部のエピソードを視聴した若者が、「昔のアニメなのに全く色あせていない」「絵の雰囲気が逆に新鮮」と感想を投稿することもあり、再び注目を集めています。
特にホラー回や感動回はネットで「神回」として話題になることも多く、現代のコンテンツ消費スタイルの中でも存在感を放っています。
このように、『まんが日本昔ばなし』は時代や世代を超えて多くの人々の心に残り、その感想は恐怖、感動、懐かしさ、学びと非常に多面的です。視聴者にとって単なるアニメ以上の存在であり、日本の物語文化と家族の思い出を結びつける大切な媒体でした。
[anime-6]■ 好きな場面
『まんが日本昔ばなし』は1話ごとに物語も登場人物も変わるため、視聴者が“好きな場面”として記憶している瞬間は千差万別です。ここでは、数多くのエピソードから特に印象に残りやすい場面や、世代を超えて語り継がれているシーン、そしてその魅力や背景について掘り下げて紹介します。
1. 優しさが胸に響く場面
もっとも多くの視聴者が挙げるのは「笠地蔵」の老夫婦が雪の中、お地蔵様の頭に笠をかぶせて回る場面です。吹雪の中、凍えるお地蔵様に自分たちの防寒具を惜しげもなく渡す老夫婦の姿は、言葉以上に行動で優しさを示す人間の美徳を象徴しています。翌朝、家の前に山のような年越しのご馳走が置かれているという恩返しのシーンと合わせて、心温まるクライマックスとして多くの人の記憶に残っています。
2. 喜びと感動のクライマックス
「花咲か爺さん」で、灰をまいた枯れ木が一斉に花を咲かせる瞬間は、映像的にも音楽的にも本作の象徴的な場面のひとつです。背景いっぱいに広がる満開の桜と、それを見上げて喜ぶ村人たちの姿は、日本の春の美しさと人々の幸せを凝縮したような光景で、再放送でも必ず反響がある場面です。
3. 背筋が凍る恐怖の瞬間
怖い話の中では「耳なし芳一」で、亡霊たちが闇夜に現れ芳一を取り囲む場面が圧倒的に有名です。墨絵調の背景と低音の語りが相まって、画面全体が静かに、しかし確実に恐怖を増していきます。幼少期にこの回を見た人の多くが、その映像を鮮明に覚えているほどのインパクトを残しました。
同じく「三枚のお札」では、山姥が迫ってくるシーンや、札の力で川や火が生まれる場面が緊迫感に満ちており、何度見てもハラハラさせられます。
4. 笑いを誘うコミカルなシーン
滑稽話では「わらしべ長者」で主人公が次々と物を交換しながら運良く大金持ちになっていく過程や、「うぐいす長者」でうぐいすの鳴き声を巡って人々が右往左往する場面が人気です。市原悦子と常田富士男の絶妙な掛け合いによって、セリフだけで笑いが生まれる場面も多く、こうした軽妙なシーンは子どもにも大人にも受け入れられました。
5. 自然描写の美しい場面
『まんが日本昔ばなし』は自然の描写にも定評があり、季節ごとの風景を背景にした場面は視覚的にも強く印象に残ります。例えば「かさじぞう」の雪景色や、「天の羽衣」の天女が舞い降りる海辺の情景、「鶴の恩返し」で鶴が織物を織る小屋の中に差し込む冬の光などは、アニメでありながら美術作品のような完成度を誇ります。
6. 子どもの視点で共感できる瞬間
子どもが主人公の話では、自分と同じ目線で物語が展開するため、視聴者も感情移入しやすくなります。「一寸法師」で針の刀を手に鬼と戦う場面や、「こぶとり爺さん」で鬼の宴に紛れ込む場面などは、冒険心とワクワク感を呼び起こす瞬間です。
7. 無言の演出が生む余韻
中には、ほとんどセリフがなく映像と音楽だけで感情を伝える場面もあります。「泣いた赤鬼」で青鬼が去っていく背中や、「姥捨て山」で老人を背負った息子が山道を登るシーンなど、視聴者の想像力を刺激し、放送後も長く心に残ります。
8. 放送形態による印象の違い
同じエピソードでも、制作時期やスタッフの違いによって演出や作画が変わることがあります。例えば初期の「浦島太郎」は海中の描写が淡い水彩調ですが、後期ではより色鮮やかで動きのある映像になっています。これにより、同じ場面でも人によって“好きなバージョン”が分かれるのも本作ならではの魅力です。
こうして見ていくと、『まんが日本昔ばなし』の“好きな場面”は単に物語のクライマックスだけでなく、映像美や声優の演技、音楽との組み合わせ、さらには見る年齢や環境によっても変わることが分かります。それぞれの場面が視聴者の人生のどこかと結びつき、長く記憶に残り続けているのです。
[anime-7]■ 好きなキャラクター
『まんが日本昔ばなし』には、シリーズを通して固定の主人公がいないため、視聴者が「好きなキャラクター」として思い出に残しているのは、各エピソードごとに登場する人物や動物たちです。彼らは一話限りの登場でありながら、その行動や性格、語り手による声の魅力によって強い印象を残し、時には数十年経っても名前や特徴を覚えられています。ここでは、視聴者から特に人気の高いキャラクターや、ファン同士の会話で話題に上りやすい存在を紹介し、その魅力を掘り下げます。
1. 善良で報われるキャラクター
昔話の定番として、素朴で心優しく、勤勉な人物は多くの物語で主人公として描かれます。「こぶとり爺さん」の善良なお爺さんはその代表例で、鬼の宴で踊りを披露してこぶを取ってもらうという幸運に恵まれます。視聴者は彼の謙虚さや純粋な性格に惹かれ、自然と応援したくなるのです。
「笠地蔵」の老夫婦もまた、見返りを求めず善行を積む姿が好感を集めています。貧しい生活の中でも他者を思いやる行動は、物語を超えて人間の理想像として視聴者の心に刻まれています。
2. 知恵と勇気を持つ小さな主人公
子どもや小さな存在が大きな困難を乗り越える話は、多くの視聴者に愛されています。「一寸法師」はその象徴で、小柄な体格ながら針を刀に見立て鬼退治をする姿は痛快です。「猿蟹合戦」のカニや仲間たちも、知恵と団結力で仇を討つという展開で人気があります。
こうしたキャラクターは、特に子ども視聴者にとって自己投影しやすく、「小さくても強くなれる」という勇気を与えました。
3. 印象的な動物たち
『まんが日本昔ばなし』では動物キャラクターの存在感も大きく、「花咲か爺さん」の犬シロや、「かちかち山」のウサギなどは長年愛されています。シロは主人のために宝物のある場所を掘り当て、ウサギはずる賢いタヌキを見事に懲らしめます。
動物たちは単なる擬人化ではなく、人間的な感情と動物らしい行動が絶妙に混ざり合って描かれており、その愛嬌や賢さが物語を豊かにします。
4. 魅力的な悪役
悪役であっても、その存在感ゆえに“好きなキャラクター”に挙げられることがあります。「舌切り雀」の欲張りなお婆さんや、「三枚のお札」の山姥、「泣いた赤鬼」に登場する人間たちなど、恐怖や憎らしさを与える一方で、物語を引き締める重要な役割を担っています。
特に山姥は、その迫力あるビジュアルと、追い詰められた主人公を執拗に追いかける展開が印象的で、ホラー好きの視聴者にとっては忘れられない存在となっています。
5. 神仏や精霊
「笠地蔵」の地蔵菩薩や、「天の羽衣」の天女、「地蔵の恩返し」に登場する地蔵様など、神仏や精霊は物語の中で重要な役割を果たします。こうしたキャラクターは、優しく慈悲深い存在として描かれることが多く、安心感や救いを与えてくれます。
一方で、「閻魔様」が登場する話では厳格さや威厳を前面に出し、人間の行いに対する裁きを下す場面が強く印象に残ります。
6. 市原悦子・常田富士男の演技による魅力増幅
キャラクターの魅力は、二人の語り手によって何倍にも引き立てられました。市原悦子は温かみのある女性役や可愛らしい動物役だけでなく、ゾッとするような悪役も巧みに演じ分け、常田富士男は落ち着いた男性役や威厳ある役柄を支えました。彼らの声がつくことで、キャラクターは単なる絵ではなく、心を持った存在として生き生きと動き出します。
7. ファン同士で語り合う“推しキャラ”
長年放送され、多種多様なキャラクターが登場したため、ファン同士で「推しキャラ」や「一番好きなエピソードの主人公」について語り合う楽しみもありました。インターネットの掲示板やSNSでは、「花咲か爺さんの犬派」「一寸法師推し」「山姥が一番怖くて好き」など、多様な意見が飛び交っています。
こうして見ていくと、『まんが日本昔ばなし』の“好きなキャラクター”は必ずしも善人や主人公だけではなく、動物や悪役、神仏までも含まれています。それぞれが一話限りの登場でありながら、その個性と物語の印象が相まって、放送終了から何十年経った今も視聴者の心に残り続けています。
[anime-8]■ 関連商品のまとめ
『まんが日本昔ばなし』は20年にわたる長期放送と世代を超えた人気の高さから、多岐にわたる関連商品が発売されてきました。そのラインナップは映像メディアから書籍、音楽、玩具、文房具、食品コラボにまで広がり、いずれもファンや教育関係者、コレクターにとって価値あるアイテムとして支持され続けています。ここでは、その代表的なジャンルごとに詳しく紹介します。
1. 映像関連商品
VHS・LD(レーザーディスク)
1980年代後半から1990年代にかけて、家庭用ビデオ機器の普及に伴い、人気エピソードを収録したVHSシリーズが登場しました。放送回数の多い定番エピソードや、教育的価値の高い回を中心にラインナップされ、学校や図書館でも貸出用として使用されることが多かったです。LD版は主にコレクター向けに発売され、ジャケットには美しいイラストや解説が掲載されていました。
DVD・Blu-ray
2000年代に入り、全話を網羅したコンプリートDVD-BOXが発売され、ファンの間で大きな話題となりました。2011年版DVD-BOXには、放送当時のオープニング・エンディング映像や未公開エピソードも収録。2023年には東宝から高画質化されたBlu-ray版が発売され、デジタルリマスターによる映像の鮮明さ、そして特典ブックレットや絵コンテ資料など、資料的価値の高い付録が付属しました。
2. 書籍関連
絵本・児童書
『まんが日本昔ばなし』は教育現場でも高く評価され、番組の人気エピソードを再構成した絵本シリーズが多数出版されました。アニメの画をそのまま使ったフィルムコミック型、または新たに描き下ろしたイラストを使用した紙芝居風のものなど、多様な形態があります。
全集・解説本
放送された数多くの昔話を地域別・テーマ別にまとめた全集や、制作スタッフのインタビュー、作画資料、美術設定を収録したファン向け書籍も存在します。特に美術背景の資料は、郷土研究や美術教育の場でも活用されるほど精緻な内容です。
3. 音楽関連
主題歌シングル・アルバム
「にっぽん昔ばなし」や「にんげんっていいな」などの主題歌は、EPレコード、カセット、後年にはCDとしても発売されました。アルバムにはオリジナルBGMや挿入歌、語り入りの短縮版エピソードが収録されたものもあり、物語と音楽を同時に楽しむことができます。
サウンドトラック
和楽器や民族音楽の要素を取り入れたBGMは、単体でも評価が高く、サウンドトラックCDは教育機関や舞台演出の参考音源として利用されることもあります。
4. ホビー・おもちゃ
フィギュア・ぬいぐるみ
登場キャラクターや名場面をモチーフにしたソフビ人形、ぬいぐるみ、マスコットキーホルダーが一部メーカーから販売されました。特に「花咲か爺さん」の犬や「一寸法師」などは、子ども向け景品やガチャガチャでも人気を集めました。
パズル・ゲーム
ジグソーパズルやかるた、すごろくといった知育玩具も多数登場しました。これらは家庭遊びだけでなく、幼稚園や小学校低学年の教材としても使われました。
5. 文房具・日用品
文房具
下敷き、ノート、鉛筆、消しゴム、ペンケースなど、学用品として日常的に使えるグッズも展開されました。キャラクターイラストや番組ロゴがデザインされており、子どもたちの学習意欲を高める役割も果たしました。
日用品
弁当箱、水筒、コップ、タオル、ハンカチなどの実用グッズも製造され、幼稚園や小学校の遠足・運動会シーンで使われることも多かったです。
6. 食品・コラボ商品
キャラクターをデザインしたお菓子や飲料、駄菓子系のミニ玩具付き食品が、放送当時の子どもたちの間で人気を博しました。ウエハースチョコやガムにはキャラクターシールが付属し、集める楽しさも提供。地域限定パッケージや期間限定味も存在し、コレクターズアイテム化しています。
7. 教育用・イベント関連
学校や図書館での上映会用に編集されたフィルムやDVD、民話を学ぶための補助教材なども作られました。また、百貨店やショッピングモールでは「まんが日本昔ばなし展」と題した企画展が開かれ、パネル展示やグッズ販売が行われました。
このように、『まんが日本昔ばなし』の関連商品は映像・書籍・音楽・雑貨・食品と非常に幅広く、放送終了後も新たな形で発売が続けられています。単なるキャラクターグッズにとどまらず、日本の伝統文化や民話を日常生活に取り入れる“文化的アイテム”として長年愛されてきたのです。
[anime-9]■ オークション・フリマなどの中古市場
『まんが日本昔ばなし』は放送終了からすでに長い年月が経っていますが、その人気と文化的価値は衰えることなく、関連グッズや映像ソフトは中古市場で根強い需要があります。特にヤフオク、メルカリ、ラクマなどのネットオークションやフリマアプリでは、映像関連商品を中心に、書籍、音楽、ホビー、文房具、食品パッケージまで幅広く取引されています。ここでは、その傾向や価格相場、コレクター事情を詳しく見ていきます。
1. 映像関連商品の中古市場動向
VHS
1980年代後半から90年代前半に販売された公式VHSは、今では再生環境の減少にもかかわらずコレクター間で取引されています。特に初期巻や、教育機関向けに配布された非売品VHSは希少性が高く、1本あたり2,000〜4,000円前後で落札されることも珍しくありません。未開封品やジャケット状態が極めて良好なものは5,000円を超えるケースもあります。
LD(レーザーディスク)
コレクターアイテムとしての需要が高く、ジャケットデザインやブックレットの美しさから、映像再生よりもコレクション目的で購入されることが多いです。価格は1枚あたり3,000〜6,000円前後が相場ですが、特定の人気エピソードを収録した巻は1万円近くになる場合もあります。
DVD・Blu-ray
2000年代以降のDVD-BOXは特に人気が高く、完品であれば定価を上回るプレミア価格がつくこともあります。2011年発売のコンプリートDVD-BOXは状態が良ければ2万〜3万円台で取引され、限定特典付きはさらに高値です。2023年発売のBlu-ray版も発売直後から中古市場に出回り始めましたが、ほぼ定価に近い価格で安定しており、今後長期的な価値上昇が予想されます。
2. 書籍関連の動き
絵本・児童書
1970〜80年代に出版された絵本シリーズは、状態の良いものが少なく、中古市場では希少です。1冊500〜1,500円程度で見かけることもありますが、シリーズ全巻揃いは数万円に達することも。初版や絶版品はさらに高額になります。
全集・資料本
制作資料や美術設定を収録したムック本は、発行部数が限られていたため市場に出回る数が少なく、需要は高め。保存状態が良いものは5,000〜8,000円前後で取引されます。特に放送当時の公式パンフレットや販促冊子はマニア垂涎のアイテムです。
3. 音楽関連
レコード・カセット
オープニングやエンディングを収録したEPレコードは、中古市場で根強い人気があります。特に「にんげんっていいな」は状態良好なものが1,500〜3,000円程度で取引され、帯付きや未開封は5,000円を超えることもあります。
カセット版は数が少なく、1本あたり2,000〜4,000円程度で落札される傾向です。
CD
再販版やベストアルバムは比較的手に入りやすく1,000〜2,000円程度ですが、初期に限定生産されたサントラCDは希少性が高く、5,000円以上での取引も見られます。
4. ホビー・おもちゃ関連
フィギュア・ぬいぐるみ
ガチャガチャや景品として作られた小型フィギュア、ぬいぐるみは現在では入手困難で、単品で1,000〜3,000円、コンプリートセットは1万円を超える場合もあります。とくに人気キャラクター(花咲か爺さんの犬、一寸法師、かちかち山のウサギなど)は高値がつきやすい傾向です。
パズル・ボードゲーム
当時のジグソーパズルやすごろくは、欠品があると価格は下がりますが、完品は3,000〜5,000円前後で取引されます。未開封品はコレクション価値が高く、倍以上の値段になることもあります。
5. 文房具・日用品
文房具
下敷き、ノート、消しゴム、鉛筆セットなどは子どもが日常的に使うため、未使用品が非常に少なく、特にデッドストックは高額です。1点あたり数百円から数千円まで幅がありますが、シリーズやキャラデザインによっては1点で3,000円以上の値がつくことも。
日用品
弁当箱や水筒などは実用されたものが多く、中古では使用感が見られるため比較的安価ですが、未使用品やパッケージ付きは希少で5,000円を超えることもあります。
6. 食品パッケージ・販促物
かつて販売された食品コラボ商品のパッケージや付属シール、カード類もコレクターズアイテムになっています。保存状態が良ければ数百円から数千円で売買され、とくにキャンペーン限定品や当たり付き景品は高値傾向です。
7. コレクター市場の特徴
『まんが日本昔ばなし』関連グッズは、キャラクター単位ではなく番組全体を愛するファンが多いため、「ジャンルごとにまとめ買い」される傾向があります。たとえば映像メディアと書籍を一緒に揃えたい、音楽と絵本を組み合わせたいなど、シリーズ感を重視するコレクションが多く見られます。
また、保存状態や付属品の有無によって価格が大きく変動します。特典ブックレットやポスター、帯などが揃っていると、相場の倍近い価格になることも珍しくありません。
このように、中古市場における『まんが日本昔ばなし』関連商品の価値は非常に安定しており、むしろ年々じわじわと上昇傾向にあります。単なる懐かしさだけでなく、日本の文化的資産としての評価が高まっていることが、その背景にあると言えるでしょう。
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