『わんぱく探偵団』(1968年)(テレビアニメ)

[中古] わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [DVD]

[中古] わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [DVD]
9,299 円 (税込)
【ストーリー】人々の間で、街に出没する“黒い魔物”の噂が広まっていた。この怪物を捕まえようと、1人でパトロールをしていたわんぱく探偵団の見習い・チビちんは近所の家を覗きこむ魔物を目撃、団長の小林君に知らせる。やがて黒い魔物は山本家の娘・ミドリを誘拐するが、..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop

【原作】:江戸川乱歩
【アニメの放送期間】:1968年2月1日~1968年9月26日
【放送話数】:全35話
【放送局】:フジテレビ系列
【関連会社】:虫プロダクション

[anime-ue]

■ 概要

1968年2月1日から同年9月26日にかけて、フジテレビ系列で放送されたテレビアニメ『わんぱく探偵団』は、当時の子どもたちの好奇心と冒険心をくすぐった作品として記憶されている。制作を手掛けたのは虫プロダクションであり、この会社が手塚治虫原作以外の作品をアニメ化するのは本作が初めてだったという事実も、アニメ史の中で特筆すべきポイントとなっている。提供スポンサーは雪印乳業(現・雪印メグミルク)で、全35話が毎週木曜日の19時から19時30分に放送されていた。

物語の原作は、日本推理小説界の巨匠・江戸川乱歩が子ども向けに書き下ろした探偵小説シリーズ『少年探偵団』。このシリーズでは、本来10人以上の少年少女が団員として登場し、メンバーも話ごとに変わる流動的な設定だった。しかし本作アニメ版では、視聴者がキャラクターを覚えやすいように6人に絞り込み、それぞれの個性をより明確に描き出している。

『わんぱく探偵団』の物語は、名探偵・明智小五郎と、彼を慕う少年少女たちが、変幻自在な怪盗・怪人二十面相に立ち向かうという推理アクションだ。二十面相は、予告状を送りつけたうえで大胆に美術品や宝物を盗み出すという華麗な犯行を重ねる。その一方で、殺人などの凶悪犯罪は避ける紳士的な一面も持ち合わせており、この“悪役でありながらも非情になりきらない”キャラクター性が、当時の視聴者に強い印象を残した。

また本作では、原作で中心的役割を果たす明智小五郎をあえてサブポジションに置き、子どもたち自身の行動力や発想力を前面に押し出している。これにより、視聴者の子どもたちは自分を登場人物に重ねやすく、物語の中に入り込む感覚を楽しめた。

演出面では、怪人二十面相のデザインにも注目すべき変更が加えられている。従来の挿絵や実写作品で描かれるイメージから離れ、マントや襟元、表情のつくりなどを一新し、よりアニメ映えするスタイルに仕上げた。このビジュアルの刷新は、視覚的なインパクトを重視した1960年代後半のテレビアニメらしい試みと言える。

本放送終了後も、作品は何度か映像商品として蘇った。2005年12月28日にはコロムビアミュージックエンタテインメントから全話を収録したDVD-BOXが発売され、ファンの間で話題となった。さらに2016年9月30日には、ベストフィールドが手掛ける「想い出のアニメライブラリー」シリーズ第62集として、HDリマスター版DVD-BOXが登場。画質の向上と共に、当時の映像を現代の環境で楽しめるようになった。

また、アニメ放送に合わせて漫画化も行われ、大野ゆたかが手掛けたコミカライズ版が発表された。アニメのエピソードをベースにしつつも、漫画ならではの表現やアレンジが加えられており、別メディアでの魅力を味わえる作品として評価されている。

このように、『わんぱく探偵団』は放送当時だけでなく、後年においてもファンの記憶に残り続ける存在となっている。物語の面白さだけでなく、制作体制の新しさやキャラクターデザインの刷新、そしてメディア展開の広がりなど、多方面から注目すべき要素を持つ作品である。

[anime-1]

■ あらすじ・ストーリー

物語の舞台は、とある都市の下町や商店街、そして時に華やかな美術館や古びた洋館。そこに現れるのが、日本中の警察や探偵を手こずらせる怪盗・怪人二十面相だ。彼は自らの犯行を隠すどころか、むしろ「次はこれを盗む」と事前に予告する大胆さを持ち、しかもその通りに計画を成功させる知恵と変装術を持っている。

この知恵比べに立ち向かうのは、名探偵・明智小五郎と、彼の助手を務める小林少年、そして6人の少年少女で結成された「わんぱく探偵団」。団員それぞれが個性的な特技や性格を持ち、それを活かして事件に挑む。おしゃべり好きで度胸のあるおトコ、器用で小道具に強いマメたん、俊敏さを誇るチビちん、食欲旺盛ながら力自慢のデブとん、車を操るステやん――そしてリーダーである小林少年。彼らは、警察官の中村警部とも協力しながら、知恵と勇気で怪人二十面相を追い詰めていく。

しかし二十面相は、ただの泥棒ではない。変装の達人である彼は、事件現場の関係者や通行人、さらには探偵団の協力者にまで姿を変えて入り込み、子どもたちを翻弄する。時には彼らのすぐ隣で笑顔を浮かべながら、その正体を気づかせないこともあるのだ。そんな状況で、わんぱく探偵団の面々は観察力や推理力を総動員し、決定的な証拠を探し出そうと奮闘する。

各話では、盗まれるターゲットが宝石や美術品、古文書など多岐にわたり、その舞台も港町、山奥の村、外国の大使館など多彩だ。視聴者は毎回、どんな方法で二十面相が現れ、そしてどうやって探偵団がそれを阻止するのかというスリルを味わうことになる。成功することもあれば、惜しくも逃げられてしまう回もあり、その勝敗のゆらぎがシリーズ全体の緊張感を高めている。

このアニメの魅力は、単なる追跡劇ではなく、団員たちが成長していく姿や、互いに支え合う友情が描かれている点にもある。たとえば、団員同士が意見をぶつけ合いながらも、最後は力を合わせて行動するエピソードや、事件解決の鍵が意外な人物との交流から生まれる話など、人間ドラマとしての要素も盛り込まれている。

物語の根底にあるのは、「大人に任せきりではなく、子どもたち自身が行動して未来を切り開く」というメッセージだ。怪人二十面相という強大な相手に挑み続ける彼らの姿は、視聴者の少年少女にとって、日常の中で困難に立ち向かう勇気を与える存在となっていた。

[anime-2]

■ 登場キャラクターについて

『わんぱく探偵団』の物語を彩るのは、個性豊かな6人の少年少女と、彼らを支える名探偵や協力者、そして宿敵である怪人二十面相だ。それぞれのキャラクターが異なる役割を担い、物語の展開に欠かせない存在として描かれている。

小林少年
探偵団の団長を務める少年で、明智小五郎の助手でもある。年齢は中学生ほどだが、正義感と責任感は大人顔負けで、仲間を率いる統率力も抜群。武道に長け、空手や柔道を駆使して危機に立ち向かう姿は、視聴者に頼もしさを感じさせた。本名は小林芳雄。明智を深く尊敬しており、彼の推理をそばで学びながら自らの力を磨いていく。

おトコ
団員の中で唯一の女の子。快活で気の強い性格を持ち、ツインテールの髪型がトレードマーク。まとめ役としての役割を果たしつつも、時には大胆な行動で仲間を驚かせる。明智の姪であり、彼を「おにいさん」と呼び慕っている。推理や行動の面でも男子団員に劣らず活躍し、物語に華を添える存在だ。

チビちん
探偵団の最年少メンバーで、おトコの弟。帽子を深くかぶり、あどけない笑顔を見せるが、その小さな体からは想像できないほどの俊敏さと器用さを持っている。特にパチンコの腕前は団内随一で、敵の不意を突く場面で活躍。本名はとしおで、口癖の「…てばさ」が愛嬌たっぷりに響く。

ステやん
背が高く、やや長い顔立ちが特徴の青年風団員。本名はすてお。軽自動車の免許を持ち、運転技術を活かして追跡や逃走に貢献する。冷静な判断力を持ちながらも、時に大胆な作戦を取る行動派。彼の操縦する車は、探偵団の機動力を大きく引き上げている。

マメたん
眼鏡をかけた発明家肌の団員で、関西弁を話す。機械いじりが得意で、通信機やバッジガンなど、団員たちが使う特殊装備を開発。博識で知恵も豊富だが、お金には細かく、仲間からは半ば呆れられることもある。その一方で、危機的状況では冷静な判断と機転で仲間を救う頼れる存在。

デブとん
恰幅の良い体型と食いしん坊キャラで親しまれる団員。動物を操るのが得意で、犬や鳩などを使って情報伝達や追跡に活用する。普段はのんびり屋だが、仲間が危険に晒されると人一倍の力を発揮する。

明智小五郎
団員たちの師であり、日本屈指の名探偵。鋭い推理力と洞察力で数々の事件を解決してきたが、二十面相との対決では一進一退の攻防を繰り広げる。物語ではあえてサポート役に回り、子どもたちが主役として活躍できる場を作っている。

中村警部
制服姿の警察官で、明智や探偵団と協力して事件に挑む。原作同様、厳格で妥協を許さない性格が描かれ、実写版のようなおどけた一面は控えめ。子どもたちの行動に驚かされつつも、その実力を認めている。

怪人二十面相
変装の名手であり、明智小五郎の宿敵。予告状を送り、計画通りに盗みを遂行する大胆不敵な性格を持つが、殺人は行わないという独自の信条を持つ。正体を現す際にはマスクを外し、口ひげをたくわえた姿と大きな襟のマントを見せる。そのカリスマ性と狡猾さは、シリーズを通して最大の脅威となる。

予告ナレーター
各回の予告や進行に声をあて、物語の緊張感とワクワク感を高める存在。視聴者の期待を煽る巧みなナレーションは、次回を楽しみにさせる重要な要素だった。

こうしたキャラクターたちが、それぞれの個性と役割を活かして物語を動かし、事件の解決へとつなげていく。そのバランスの取れた人物配置こそが、『わんぱく探偵団』の長く愛される理由のひとつである。

[anime-3]

■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

『わんぱく探偵団』は物語だけでなく、その音楽面でも高い評価を受けた作品である。特にオープニングとエンディングを飾る曲は、放送当時の子どもたちに強い印象を残し、放送が終わって何十年経っても口ずさめるというファンが多い。

オープニングテーマ「わんぱく探偵団のうた」
作詞は壇上文雄、作曲は白木治信、編曲は山下毅雄という布陣で制作され、演奏はMCS、歌唱はボーカル・ショップと上高田少年合唱団が担当した。軽快なテンポと親しみやすいメロディ、そして探偵団の活躍を連想させる歌詞が特徴で、イントロから視聴者を物語の世界に引き込む。少年合唱団の透明感のあるコーラスが、子どもたちの元気さと冒険心を象徴している。

挿入歌・エンディングテーマ(第15話ほか)「怪人二十面相はうたう」
作詞は能加平、作曲・編曲は山下毅雄が手掛け、歌は世良明芳。こちらは二十面相をテーマにした楽曲で、怪盗のミステリアスさや挑発的な雰囲気を漂わせるアレンジが光る。ジャズやラテンの要素を感じさせるメロディラインは、大人の視聴者にも強く響いた。二十面相の魅力を音楽で補強し、単なる悪役ではなくカリスマ的な存在として印象づけている。

イメージソング「わんぱく探偵団かぞえうた」
作詞は真崎守、作曲・編曲は山下毅雄、歌唱はボーカル・ショップが担当。お囃子には主要キャスト(管野直行、堀絢子、萩原宣子、清水マリ、白井武雄、富山敬)が参加している。この曲は団員一人ひとりの特徴を数え歌形式で紹介しており、子どもが一緒に歌って楽しめる構成になっている。特に放送当時は、学校や友だち同士で歌詞を真似して遊ぶ光景も多く見られた。

音楽の魅力は単に耳に残るだけでなく、物語の世界観を深める役割も果たしていた。オープニングでワクワク感を盛り上げ、挿入歌でキャラクターの個性を際立たせ、エンディングでは余韻を残す――この流れが一つの完成されたパッケージとして成立していたのである。

視聴者からは、「オープニングが流れると自然と胸が高鳴った」「二十面相の歌を聴くと、つい彼を応援したくなってしまう」といった声が寄せられていた。これらの楽曲は、後年発売されたDVD-BOXや音楽集にも収録され、令和の時代になっても新しいファンを獲得し続けている。

[anime-4]

■ 声優について

『わんぱく探偵団』の魅力を語るうえで欠かせないのが、キャラクターに命を吹き込んだ声優陣の存在である。彼らの演技は単に台詞を読むだけではなく、キャラクターの性格や感情、物語の空気感までを鮮やかに表現していた。1960年代後半という時代背景を考えると、声優という職業が今ほど広く認知されていなかった中で、これほど役柄に寄り添った演技が実現していたことは注目に値する。

小林少年役・管野直行
主人公格の小林少年を演じた管野直行は、若々しさと頼もしさを兼ね備えた声質で、団長としてのリーダーシップと少年らしい純粋さを見事に表現した。緊迫した場面での鋭い声と、仲間と過ごす穏やかな場面での柔らかい声色の使い分けが秀逸だった。

おトコ役・萩原宣子
団員唯一の女性キャラであるおトコを担当。活発さと女性らしさを両立させる演技で、時にお姉さん的、時に同年代の友人のような距離感を生み出していた。感情表現の振れ幅が大きく、泣き声や笑い声が特に印象深い。

チビちん役・堀絢子
堀絢子は、やんちゃで愛嬌のあるチビちんを軽やかな声で演じた。セリフの語尾に独特のリズムを持たせることで、キャラクターの可愛らしさと個性が際立っていた。「…てばさ」という口癖も、堀の演技力によってすぐに視聴者の耳に残るフレーズとなった。

ステやん役・富山敬
落ち着きと頼もしさを併せ持つステやん役の富山敬は、低めの声で安定感のある演技を披露。1960年代から数多くの作品で活躍した名優らしく、頼れる兄貴分としての存在感を声だけで成立させていた。

マメたん役・竹尾智晴(第1話)、清水マリ(第2話以降)
第1話のみ竹尾智晴が担当し、第2話からは清水マリが引き継いだ。竹尾は落ち着いた知識人らしい声を、清水はより快活で親しみやすい声色を用い、キャラクターの知性と人懐っこさを共存させた。清水マリは後に『鉄腕アトム』でも知られる存在であり、本作でもその声質の魅力を存分に発揮している。

デブとん役・白井武雄
朗らかで食いしん坊というキャラクター性を、温かみのある声で表現。コミカルな場面では笑いを誘い、真剣な場面では低く響く声で引き締めるなど、緩急のつけ方が上手かった。

明智小五郎役・江角英明
名探偵としての知性と威厳を感じさせる低音の響きが特徴。二十面相との対峙シーンでは、言葉の一つ一つに緊張感を宿らせ、物語の格を引き上げていた。

中村警部役・大木民夫
鬼警部らしい厳格な演技が持ち味で、子どもたちに対する叱咤や、犯人を追い詰める迫力ある声が印象的。威厳を保ちつつも、どこか人情味を感じさせる演技が光っていた。

怪人二十面相役・若山弦蔵
低く艶のある声で怪盗のカリスマ性を表現。変装後の別人格を演じ分ける技術も巧みで、視聴者が思わず騙されそうになるほどの説得力があった。悪役でありながら憎めない二十面相像を確立した立役者でもある。

予告ナレーション・黒沢良
次回予告や重要な場面のナレーションを担当し、作品の世界観を言葉で支える重要な役割を担った。抑揚の効いた語り口は、物語の緊迫感や期待感を一層高めた。

こうして並べてみると、『わんぱく探偵団』は当時の実力派声優を多数起用しており、キャラクター造形と演技が密接に結びついていたことが分かる。声優の力量が作品の質を底上げしていたのは間違いない。

[anime-5]

■ 視聴者の感想

『わんぱく探偵団』は1968年当時、子どもを中心に多くの視聴者から熱い支持を受けた。放送時間の木曜19時台は家族でテレビを囲む習慣があった時代で、夕食を終えた子どもたちがテレビの前に集まり、わんぱく探偵団の活躍を固唾をのんで見守ったという声が多く残っている。

当時小学生だった視聴者からは、「毎回の予告状と二十面相の変装が楽しみで、次はどんな姿で現れるのか友達と予想していた」という回想が寄せられている。特に二十面相の変装シーンは、声色や仕草まで見事に変える演出があり、大人でも見破れない巧妙さが話題になった。

一方、わんぱく探偵団の団員たちに感情移入したという意見も多い。「年齢も近く、同じ子どもなのに大人の犯人を追い詰める姿がかっこよかった」「自分も団員の一員になりたいと思って、友達と“探偵ごっこ”をした」といった声が代表的だ。特におトコの活躍や、小林少年の冷静な判断力は憧れの的となった。

また、作品の雰囲気が子ども向けに作られていながら、推理やアクションの展開がしっかりしていた点も評価された。当時は家庭向けテレビアニメが増え始めた時期だったが、本作は推理要素を前面に押し出し、子どもたちにも「考えて推理する面白さ」を伝えた数少ない作品だったという指摘もある。

2000年代にDVD-BOXが発売された際には、当時を知る世代が「懐かしさで胸がいっぱいになった」と語ると同時に、「今の子どもにも見せたい」といった意見が目立った。古い作品でありながら、ストーリーのテンポやキャラクターの魅力は色褪せず、むしろシンプルな作りが新鮮に感じられるという。

さらに、音楽面への評価も高い。オープニングが流れるとすぐに作品世界へ入り込める感覚や、二十面相をテーマにした挿入歌の格好良さなど、耳に残る楽曲が作品の記憶と一体になっているとの声が多い。

総じて、視聴者の感想は「子ども向けアニメとしての楽しさ」と「推理ドラマとしての完成度」の両面を称賛するものが中心だった。放送から半世紀以上経った今も、その魅力を語る声が途絶えないことが、『わんぱく探偵団』の根強い人気を証明している。

[anime-6]

■ 好きな場面

『わんぱく探偵団』には、視聴者の心に強く刻まれた名場面が数多く存在する。ファンそれぞれが「一番印象に残っている」と語るシーンは異なるが、それらを並べると本作の魅力が浮き彫りになる。

まず多くの人が挙げるのは、怪人二十面相が変装を解く瞬間だ。物語のクライマックスで、帽子や眼鏡を外し、マスクをはぎ取って本来の姿を現すあの演出は、まさに正体暴露の醍醐味だった。特に、静かなBGMの中で一気に緊張感が高まる演出は、子ども心にも「ついに決着の時だ」という期待を抱かせた。

また、団員たちが自分の得意分野を活かして難局を打開する場面も人気が高い。たとえば、チビちんがパチンコで鍵を飛ばして扉を開ける回や、マメたんが作った通信機で二十面相の位置を突き止める回などは、子どもたちが力を合わせる姿が感動を呼んだ。こうしたシーンは「仲間と協力することの大切さ」を自然に伝えていた。

コミカルな場面も忘れられない。デブとんが食べ物に夢中になって事件を忘れそうになるシーンや、おトコが怒ったときの迫力満点の表情など、シリアスな展開の合間に挟まれる笑いは物語をより魅力的にしていた。これらの場面は家庭での団らん中にも話題になり、兄弟や友達同士で真似をする子どもも多かったという。

そして、一部のファンにとって忘れがたいのは、探偵団が一度は完全に二十面相を取り逃がしてしまう回だ。悔しさや無力感に包まれた団員たちが、最後に明智や仲間同士の励ましで立ち直る展開は、敗北を経験しながらも成長していく彼らの姿を強く印象づけた。

これらの好きな場面の共通点は、単なるアクションや推理だけでなく、キャラクターたちの人間味やチームワーク、そして逆境に立ち向かう姿勢がしっかり描かれていることだ。だからこそ、何十年経っても当時の視聴者は鮮明に思い出せるのである。

[anime-7]

■ 好きなキャラクター

『わんぱく探偵団』には個性豊かな登場人物が揃っており、視聴者によって「推しキャラ」が大きく異なるのが特徴だ。子どもの頃に見たファンと、大人になってからDVDや再放送で見たファンとでは、お気に入りの理由にも違いが見られる。

最も多く名前が挙がるのは小林少年だ。冷静沈着で正義感が強く、仲間を引っ張るリーダーとしての姿勢は、多くの視聴者の憧れの的だった。「あんなリーダーがクラスにいたら頼もしい」「自分も小林少年のように困難に立ち向かいたい」という声が多い。一方で、仲間の意見をしっかり聞く柔軟さや、失敗しても立ち直る芯の強さも評価されている。

女の子の視聴者に人気が高かったのはおトコ。明智小五郎の姪という設定や、元気で行動力のある性格が共感を呼んだ。「おてんばで可愛いのに頭の回転も速い」という意見や、男性キャラクターにも臆せず意見をぶつける姿勢に惹かれる声が多い。彼女のツインテールの髪型を真似したり、セリフを覚えて遊んだりした少女たちも少なくなかった。

チビちんは、最年少らしい可愛らしさと器用な技術で人気を博した。特に男子の視聴者からは「小さくても活躍できるところがかっこいい」と支持を集めた。パチンコの名人ぶりや「…てばさ」という口癖も、キャラクターの愛嬌を強めている。

一方で、渋い人気を持つのがステやん。クールで落ち着いた性格と車の運転スキルは、大人の視聴者にも支持され、「団員の中で一番現実的で頼れる」という評価を受けていた。

マメたんは、発明好きな性格と関西弁が親しみやすく、理系的な知識で事件解決に貢献する姿が印象的だった。「機械を作るところが好き」「メガネキャラの先駆け」といった感想も見られる。

そして、意外にもデブとんの人気も根強い。食いしん坊でのんびりしているが、動物を操る特技や仲間思いの一面が好感を持たれ、「ピンチの時の頼もしさに惚れた」という声もある。

敵役でありながらファンが多いのが怪人二十面相だ。彼のカリスマ性や独自の美学に魅了された視聴者は少なくない。「悪役なのに格好いい」「変装の巧みさが見ていて楽しい」といった感想が目立ち、むしろ二十面相を主役と考えるファンもいるほどだ。

このように、『わんぱく探偵団』は視聴者の年齢や性格によって推しキャラクターが分かれ、誰を選んでもそれぞれに魅力的な理由があるという、キャラクター造形の深さが際立つ作品である。

[anime-8]

■ 関連商品のまとめ

『わんぱく探偵団』は放送終了から長い年月が経ちながらも、関連商品が複数のジャンルで展開され、ファンのコレクション対象として今も価値を持ち続けている。ここでは映像、書籍、音楽、ホビー、ゲーム、文房具・日用品、食品関連といったカテゴリごとに、その傾向を整理する。

映像関連商品
1980年代後半、アニメファン向けにVHS化されたのが本作の映像商品展開の始まりだった。初期は全話収録ではなく、人気エピソードを抜粋した形での販売で、レンタル店にも並びコレクション需要が高まった。90年代には一部エピソードがレーザーディスク(LD)化され、当時の高画質メディアとして愛好家に重宝された。そして2005年にはコロムビアミュージックエンタテインメントから全35話を収録したDVD-BOXが発売され、特典映像やブックレットが付属。さらに2016年にはベストフィールドがHDリマスター版DVD-BOXをリリースし、往年のファンだけでなく新規層にもアプローチした。

書籍関連
原作は江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズだが、放送当時は本作仕様のストーリーブックやアニメ絵を使ったフィルムコミックも出版された。児童向け雑誌ではキャラクター紹介や事件の謎解きコーナーが組まれ、クロスワードや迷路など遊び要素を盛り込んだ付録も人気を集めた。後年には、設定資料や絵コンテ、インタビューをまとめたアニメムック本が発売され、制作の裏側を知りたいファンに支持された。

音楽関連
オープニングテーマ「わんぱく探偵団のうた」や、挿入歌「怪人二十面相はうたう」、イメージソング「わんぱく探偵団かぞえうた」などがEPレコードとして発売され、放送当時の子どもたちにとって身近な音楽商品となった。90年代以降はCD化され、主題歌集やアニメソングオムニバスに収録される機会も増えた。限定盤CDにはノンクレジット映像や台本レプリカなどの特典が付くものもあり、コレクターズアイテムとしての価値も高い。

ホビー・おもちゃ
キャラクターをデフォルメしたソフビ人形、怪人二十面相の変装マスク、おトコや小林少年のフィギュアなどが当時の玩具メーカーから発売された。駄菓子屋のカプセルトイや食玩としても展開され、安価ながら完成度の高いミニフィギュアは今も中古市場で人気が高い。また、団員のバッジや探偵団のロゴ入り文房具セットなど、実用性とコレクション性を兼ねた商品も見られた。

ゲーム
本作単独のテレビゲーム化はされなかったが、アナログゲームとしてはすごろくやカードゲームが発売された。すごろくでは、怪人二十面相を追い詰めるルートを進めるルールが設定され、駒やカードにキャラクターが描かれていた。ボードゲームの一部には、団員の特技を生かすマスや二十面相の罠イベントなど、番組の雰囲気を再現した仕掛けが盛り込まれていた。

文房具・日用品
放送当時の児童向け文房具は、鉛筆、消しゴム、下敷き、ノート、筆箱といった定番商品にキャラクターをあしらったデザインが多く見られた。中でもおトコが描かれたラメ入り下敷きや、二十面相のシルエットが入った筆箱は特に人気だった。また、日用品ではコップやお弁当箱、歯ブラシセットなども販売され、学校や家庭で日常的に使えるアイテムとして浸透していた。

食品関連
子ども向けのお菓子や食品にもキャラクターが登場。チョコレートやガム、ウエハースのパッケージに団員や二十面相が描かれ、カードやシールがオマケとして封入されていた。地域限定のカップラーメンやジュースといったコラボ商品も存在し、短期間ながら話題になった。

こうした関連商品の数々は、放送当時の子どもたちの日常に溶け込み、作品の世界観をテレビの外でも楽しめる手段となっていた。

[anime-9]

■ オークション・フリマなどの中古市場

『わんぱく探偵団』関連グッズは放送から半世紀以上経った現在でも、中古市場において根強い人気を誇っている。特にインターネットオークションやフリマアプリでは、当時物の保存状態が良い品はコレクターから高値で取引される傾向にある。

映像関連商品
VHSソフトは、1980年代後半から90年代初頭にかけて販売・レンタルされたものが多く出回っている。レンタル落ちの廉価品は1本数百円〜1,000円前後だが、セル版の美品や初期巻、最終巻は2,000〜4,000円で落札されることもある。レーザーディスク(LD)は発行数が少なく希少で、状態が良ければ3,000〜6,000円台が相場。2005年のDVD-BOXはプレミア化しており、未開封や外箱美品であれば1.5万円〜2.5万円で取引される。2016年発売のHDリマスター版DVD-BOXも安定した需要があり、新品同様なら1万円を超えることも珍しくない。

書籍関連
原作小説の古書や、当時のアニメ絵を使用した児童書は特に人気が高い。初版本や帯付きの完品は希少性が増し、1冊2,000円以上での取引例もある。アニメ雑誌の特集記事や付録ポスターも高値が付きやすく、保存状態の良いものは1,500〜3,000円ほど。設定資料集やムック本は部数が少なかったため、場合によっては5,000円近くになることもある。

音楽関連
EPレコードはコレクター需要が高く、オープニングや挿入歌を収録した盤は1,500〜3,000円程度が相場。ジャケットの色褪せや盤面の傷の有無が価格を左右する。CD再発版は比較的入手しやすいが、限定特典付きのものは高騰しやすく、4,000円前後になることもある。

ホビー・おもちゃ
ソフビ人形やフィギュアは市場でも人気が高く、1体1,500〜3,000円が一般的。全種類揃ったコンプリートセットは8,000円以上になる場合もある。カプセルトイや食玩のミニフィギュアは単品で数百円だが、未開封品や台紙付きは数千円になることも。変装マスクや探偵団バッジなどの特殊グッズは出品数が少なく、コレクター同士の競り合いで相場以上になるケースもある。

ゲーム
すごろくやカードゲームは、駒やカード、説明書などの欠品がない完品状態が重要。完品は3,000〜7,000円で落札され、欠品ありでも2,000円前後の値が付くことが多い。保存状態によってはさらに高額になる場合もある。

文房具・日用品
キャラクター入りの下敷きや鉛筆、筆箱は「昭和レトロ雑貨」として人気があり、1,000〜3,000円程度で取引されている。特に未使用品やパッケージ付きは倍以上の価格になることもある。日用品では、当時のプラスチック製コップや弁当箱が出品されることがあり、こちらも希少性が高く、状態次第で5,000円以上になる例がある。

食品関連グッズ
お菓子や食品のパッケージ、オマケのカードやシールもコレクターズアイテム化している。特に未開封の状態で残っているものは極めて少なく、出品されれば即落札されることが多い。価格は数千円から場合によっては1万円を超えることも。

総じて、『わんぱく探偵団』の関連商品は出品数自体が少なく、希少性が価格に直結している。保存状態が良ければ高値が期待でき、コレクター間では今なお「掘り出し物」を探す楽しみが続いている。

[anime-10]

■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

[中古] わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [DVD]

[中古] わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [DVD]
9,299 円 (税込)
【ストーリー】人々の間で、街に出没する“黒い魔物”の噂が広まっていた。この怪物を捕まえようと、1人でパトロールをしていたわんぱく探偵団の見習い・チビちんは近所の家を覗きこむ魔物を目撃、団長の小林君に知らせる。やがて黒い魔物は山本家の娘・ミドリを誘拐するが、..

わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版想い出のアニメライブラリー第62集 ベストフィールド<原作>江戸川乱歩、<監督>りんたろう

わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版想い出のアニメライブラリー第62集 ベストフィールド<原作>江戸川乱歩、<監督>りんたろう
18,095 円 (税込) 送料込
【わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版】 ★江戸川乱歩没後50年の節目に、HDネガテレシネによりHDリマスターを作成して高画質なDVD化を実現! ★虫プロが初めて挑んだ手塚原作以外のアニメーション作品として、放送以来熱心なファンに語り継がれてきた幻の名作! ★「ムー..

わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [ 若山弦蔵 ]

わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版 [ 若山弦蔵 ]
19,360 円 (税込) 送料込
若山弦蔵 菅野直行 江角英明 りんたろう【VDCP_530】 ワンパクタンテイダン ディーブイディー ボックス エイチディーリマスターバン ワカヤマゲンゾウ スガノナオユキ エスミヒデアキ 発売日:2016年09月30日 ベストフィールド BFTDー176 JAN:4571317711768 【シリーズスト..

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【ネコポス発送】

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【ネコポス発送】
337 円 (税込)
著者:札幌わんぱく探偵団出版社:メイツユニバーサルコンテンツサイズ:単行本ISBN-10:4895772780ISBN-13:9784895772785■通常24時間以内に出荷可能です。■ネコポスで送料は1~3点で298円、4点で328円。5点以上で600円からとなります。※2,500円以上の購入で送料無料。※多..

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【メール便送料無料】【..

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【メール便送料無料】【..
337 円 (税込)
著者:札幌わんぱく探偵団出版社:メイツユニバーサルコンテンツサイズ:単行本ISBN-10:4895772780ISBN-13:9784895772785■通常24時間以内に出荷可能です。※繁忙期やセール等、ご注文数が多い日につきましては 発送まで48時間かかる場合があります。あらかじめご了承くだ..

【中古】子どもとでかける札幌シティあそび場ガイド ’05〜’06/メイツユニバ-サルコンテンツ/札幌わんぱく探偵団(単行本)

【中古】子どもとでかける札幌シティあそび場ガイド ’05〜’06/メイツユニバ-サルコンテンツ/札幌わんぱく探偵団(単行本)
3,201 円 (税込) 送料込
◆◆◆非常にきれいな状態です。中古商品のため使用感等ある場合がございますが、品質には十分注意して発送いたします。 【毎日発送】 商品状態 著者名 札幌わんぱく探偵団 出版社名 メイツユニバ−サルコンテンツ 発売日 2005年04月 ISBN 9784895778732

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【宅配便出荷】

【中古】 子どもとでかける札幌あそび場ガイド / 札幌わんぱく探偵団 / メイツユニバーサルコンテンツ [単行本]【宅配便出荷】
287 円 (税込)
著者:札幌わんぱく探偵団出版社:メイツユニバーサルコンテンツサイズ:単行本ISBN-10:4895772780ISBN-13:9784895772785■通常24時間以内に出荷可能です。※繁忙期やセール等、ご注文数が多い日につきましては 発送まで72時間かかる場合があります。あらかじめご了承くだ..

【送料無料】想い出のアニメライブラリー 第62集 わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版/アニメーション[DVD]【返品種別A】

【送料無料】想い出のアニメライブラリー 第62集 わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版/アニメーション[DVD]【返品種別A】
19,844 円 (税込) 送料込
品 番:BFTD-0176発売日:2016年09月30日発売出荷目安:1〜2週間□「返品種別」について詳しくはこちら□全35話収録品 番:BFTD-0176発売日:2016年09月30日発売出荷目安:1〜2週間□「返品種別」について詳しくはこちら□DVDアニメ(特撮)発売元:ベストフィールド人々の間で..

【中古】子どもといっしょに札幌のおいしいお店125 / 札幌わんぱく探偵団

【中古】子どもといっしょに札幌のおいしいお店125 / 札幌わんぱく探偵団
165 円 (税込)
    子どもといっしょに札幌のおいしいお店125 単行本 の詳細 カテゴリ: 中古本 ジャンル: 料理・趣味・児童 料理・食品その他 出版社: メイツ出版 レーベル: 作者: 札幌わんぱく探偵団 カナ: コドモトイッショニサッポロノオイシイオミセヒャクニジュウゴ /..

【中古】【未使用】わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第62集】

【中古】【未使用】わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第62集】
33,320 円 (税込)
【中古】【未使用】わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第62集】【メーカー名】【メーカー型番】【ブランド名】TCエンタテインメント アニメ 【商品説明】わんぱく探偵団 DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第62集】当店..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop
[anime-11]

[anime-sita]