『ミラクル☆ガールズ』(1993年)(テレビアニメ)

【中古】 ミラクル☆ガールズ(9) なかよしKC/秋元奈美(著者)

【中古】 ミラクル☆ガールズ(9) なかよしKC/秋元奈美(著者)
220 円 (税込)
評価 5
秋元奈美(著者)販売会社/発売会社:講談社発売年月日:1994/08/05JAN:9784061787834
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【原作】:秋元奈美
【アニメの放送期間】:1993年1月8日~1993年12月24日
【放送話数】:全51話
【放送局】:日本テレビ系列
【関連会社】:ASATSU、ジャパンタップス、亜細亜堂

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■ 概要

1990年代前半、日本の少女漫画やアニメの世界は「美少女戦士セーラームーン」や「赤ずきんチャチャ」など、女の子を主人公にした作品が次々と登場し、大きなブームを巻き起こしていました。そうした中で1993年1月から12月まで日本テレビ系列で放送された『ミラクル☆ガールズ』は、双子の姉妹が不思議な力を持ち、友情や恋愛、そして異国の陰謀に巻き込まれていくという、ちょっと大人っぽい世界観を持った作品として注目されました。原作は秋元奈美による同名漫画で、少女雑誌「なかよし」で1990年から1994年まで連載され、同誌において「セーラームーン」と肩を並べる人気作のひとつとして扱われていました。

このアニメ版は、全51話が金曜夕方5時台という時間帯に放送されました。当時の子どもたちにとっては週末を迎える楽しみのひとつでもありましたが、一方でその作風は単なる子供向けに収まらず、幻想的で繊細な演出や、人間関係を深掘りした心理描写などが盛り込まれ、むしろ中高生や大人のファン層からも注目されました。監督を務めたのは安濃高志。少女漫画原作アニメとしては異例ともいえる、抽象的かつ叙情的な映像表現が導入され、前半は特に「分かりやすい娯楽作」というよりも「芸術的な映像体験」に近い雰囲気をまとっていました。

また、『ミラクル☆ガールズ』の物語は、単なる学園ラブコメに終始せず「超能力」「双子の絆」「陰謀」「異国の王族」といった要素が絡み合う点も特徴的です。松永ともみと松永みかげという双子の姉妹は、外見はそっくりですが性格や得意分野が大きく異なります。優しくおっとりした姉・ともみと、頭脳明晰で少し気の強い妹・みかげ。二人は不思議な超能力を共有しており、心を通じ合わせることで互いの思考を伝えたり、超常的な出来事に巻き込まれていきます。こうした「双子ならではの特別なつながり」というテーマは、少女漫画読者にとって強い憧れや共感を呼び起こすものでした。

放送当時の背景を考えると、本作は少女向けアニメのなかでも実験的な作品だったといえます。アニメ化に際しては、原作の中学生編を飛ばし、高校生編からスタートするという大胆な改変が行われました。これによって恋愛や友情の描写がより濃くなり、キャラクターたちが抱える悩みや葛藤も、子どもだけでなく思春期の視聴者が共感できるようなものになっています。ところが一方で、この改変によって原作の「日常的で親しみやすい中学生時代のストーリー」に触れることができなかったため、特に低学年の視聴者にはやや難解で距離のある物語に感じられた面もあったようです。

制作体制にも特徴があります。アニメーション制作は「亜細亜堂」、そして玩具メーカーのタカラ(現・タカラトミー)が深く関わるかたちで設立された「ジャパンタップス」が主体となりました。タカラは人形や文具などの関連グッズ展開にも力を入れ、本作を「セーラームーン」と並ぶ二本柱にするべく意欲的な展開を試みました。しかし、アニメとしては必ずしも視聴率的に大成功とは言えず、関連商品も思ったほど売れなかったというのが実情でした。

放送期間中、制作現場でも少なからず波乱がありました。安濃監督が体調不良で降板した後、しばらく監督不在のまま複数スタッフが代わる代わる指揮を執る状況が続き、物語の方向性も試行錯誤が繰り返されました。30話以降、ときたひろこ監督が正式に就任すると、より分かりやすい学園青春ものの色合いが強まり、明るくコミカルな要素を増やして後半の雰囲気は一変しました。この「前半と後半で作風ががらりと変わる」という点もまた、ファンの間で語り草になっています。

舞台設定としては、神奈川県横浜市がモデルになっており、東急東横線やみなとみらい21、ランドマークタワーなど、実在の風景を思わせる描写が数多く登場します。1990年代の横浜を舞台にしたアニメ作品は珍しく、都市的で洗練された背景美術は作品の魅力を一層引き立てていました。

メディア展開においては、放送当時からVHSやLDといった映像ソフトが販売されましたが、いずれも現在では入手困難です。さらに本作の制作会社ジャパンタップスが解散してしまったため、長らく再放送やDVD化が実現せず「幻のアニメ」と呼ばれることもありました。2016年になってようやくCS放送でデジタルリマスター版が放送され、ファンの間で大きな話題を呼びました。

このように『ミラクル☆ガールズ』は、放送当時はやや評価が揺れ動いた作品ではあるものの、90年代少女アニメの実験精神を示す意欲作であり、双子の絆や超能力という独自のテーマ性は、現在に至るまで一定の支持を受け続けています。

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■ あらすじ・ストーリー

『ミラクル☆ガールズ』の物語は、双子の姉妹――松永ともみと松永みかげ――を中心に展開します。二人は生まれた時から不思議な力を共有しており、互いに心を通じ合わせるテレパシーのような感覚を持っています。この能力は普段の生活では大きく表には出ませんが、時に思わぬ出来事を呼び寄せ、彼女たちを非日常的な冒険へと導いていきます。

アニメ版は原作の中学生編を飛ばし、高校に進学した段階からスタートします。姉のともみはスポーツ万能で明るい性格、周囲に自然と好かれる存在です。一方、妹のみかげは勉強が得意で頭脳明晰、しかしちょっとわがままなところもあり、二人の対照的な性格はしばしば物語を面白く彩ります。

ストーリーは大きく前半と後半に分けられます。前半は、双子の能力を狙う人物や謎の事件が次々と彼女たちの周囲で起こり、学園生活と超常現象が交錯する、やや幻想的で神秘的な流れが続きます。特に、影浦進一郎という変わり者の教師が姉妹の能力を利用しようと執拗に追い回すエピソードは、コメディ要素とサスペンス要素が入り混じり、作品独自の緊張感を生み出しました。

また、二人の恋愛模様も大きな柱です。ともみには野田侑也という幼なじみがいます。熱血で真っ直ぐな性格の彼は、ともみを陰ながら支え続け、彼女が困った時には不思議と駆けつける存在です。みかげには倉茂秀明という先輩がおり、彼への片思いが彼女の行動原理の多くを占めています。倉茂は文武両道で落ち着いた人物ですが、外交官を目指し海外へ渡ってしまうなど、みかげにとっては簡単に手の届かない存在でもあります。こうした「身近な恋」と「遠い憧れ」という二重の恋愛軸が、視聴者の共感と憧れを同時に引き出していました。

物語の中盤以降、ストーリーは一気にスケールを増します。舞台は松永姉妹の学園を飛び出し、ディアマス公国という異国の王族の陰謀へと発展していきます。そこで登場するのが、マリエとエマという双子の姫。彼女たちもまた特別な血を引く存在であり、松永姉妹と不思議な共鳴を示します。マリエはプライドが高く、みかげと倉茂の関係に割って入ろうとする場面もあり、姉妹の恋路に波乱を巻き起こします。一方で妹のエマは心優しく、松永姉妹に共感を寄せる人物として描かれ、物語をより複雑でドラマチックなものにしていきます。

さらに、彼女たちの背後には「ミスターX」と呼ばれる黒幕が潜んでおり、ディアマス公国を乗っ取ろうと暗躍します。単なる学園青春ものだった物語が、やがて世界規模の陰謀や戦いへと発展していく流れは、当時の少女アニメとしては異例の壮大さを持っていました。

後半では、監督交代によって作品の雰囲気が大きく変わります。前半の抽象的で幻想的な演出から一転し、後半はより明るくコミカルな学園生活中心のストーリーへシフトします。新たな登場人物も加わり、部活動や文化祭など「学生らしい日常」と、双子の能力をめぐる騒動とが並行して描かれました。この変化は作品をより分かりやすくし、低年齢層の視聴者にも楽しめる構成へと改められたといえます。

物語のクライマックスでは、松永姉妹とディアマス姉妹、そして黒幕の対決が描かれ、双子の絆が試される瞬間が訪れます。ともみとみかげは時に衝突しながらも、最終的には「一緒にいることの意味」「互いに補い合うことの大切さ」を再確認し、困難を乗り越えていきます。この「双子だからこそ描けるドラマ」が『ミラクル☆ガールズ』の最大の魅力であり、単なる超能力バトルではなく、成長と絆の物語として完結しました。

総じて『ミラクル☆ガールズ』のストーリーは、学園青春劇とファンタジー、恋愛ドラマと冒険活劇が入り混じる、多層的な構造を持っています。当時の少女アニメとしては挑戦的で、必ずしも万人に受け入れられたわけではありませんでしたが、後年振り返ると「90年代前半ならではの実験精神」と「双子という普遍的なテーマ」が見事に融合した作品だったと評価されています。

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■ 登場キャラクターについて

『ミラクル☆ガールズ』は、主人公である松永姉妹を中心に、彼女たちを取り巻く仲間やライバル、そして国際的な陰謀に関わる人物たちが多彩に登場します。キャラクター同士の関係性が物語の進行に大きく影響し、それぞれの立ち位置や性格が物語を豊かにしているのが特徴です。ここでは主要キャラクターを軸に、その魅力やエピソード、視聴者から寄せられた印象などを詳しく見ていきます。

◆ 松永ともみ

姉のともみは、優しさと包容力を持ち合わせた人物で、双子の姉妹のうち30秒早く生まれた「姉らしい存在感」を示しています。おっとりとした性格で誰にでも親切に接し、周囲の友人やクラスメイトからも自然に信頼を得ていました。料理や運動が得意で、スポーツに関しては抜群のセンスを発揮。部活には正式に所属していないものの、助っ人として活躍するシーンが描かれることもあります。
一方で勉強はやや苦手で、成績優秀な妹・みかげと比較されることもあり、その点が彼女の等身大の魅力にもつながっていました。恋愛面では幼なじみの野田侑也との関係が軸となり、彼女の優しさと芯の強さが物語を支えています。視聴者からは「親しみやすい理想の姉」として好感を集めました。

◆ 松永みかげ

妹のみかげは、知性と強い個性を持つキャラクターです。科学分野に強く、学年トップの成績を誇り、研究熱心な一面があります。科学部に所属しており、時折危険な実験をしては爆発騒ぎを起こすなど、コミカルなトラブルメーカー的役割も果たしていました。
性格は喜怒哀楽がはっきりしており、少々わがままながらも一途でまっすぐ。倉茂秀明への想いは物語の中心軸の一つで、彼に向ける純粋で揺るがない恋心は、多くの視聴者に共感を与えました。スポーツや料理は苦手で、姉のともみと正反対の性質を持つため、姉妹の対比が作品全体のリズムを生んでいます。

◆ 野田侑也

ともみの幼なじみであり、陸上部に所属する熱血タイプの少年。正義感が強く、いつも仲間思いの行動をとります。ともみへの想いは作品を通して一貫して描かれ、彼女が困難に直面したときには不思議と察知して駆けつけるなど、双子の能力と呼応するような直感的な絆を持っていました。
野田は視聴者から「理想的な幼なじみキャラ」として評価され、純粋で誠実な姿勢は少女漫画らしい憧れの男性像を体現していました。

◆ 倉茂秀明

みかげの憧れの先輩で、文武両道の完璧な青年。陸上部と化学部を兼任するなど多才で、落ち着いた雰囲気を漂わせています。将来は外交官を目指しており、途中でロンドンへ留学するという大きな展開もあります。感情を表に出すことは少ないものの、実はみかげに想いを寄せていたことが明かされ、彼の内面の優しさと誠実さが描かれます。
「高嶺の花」として描かれる彼は、少女アニメの王子様的存在であり、彼を追い求めるみかげの姿は視聴者にとって強い印象を残しました。

◆ 影浦進一郎

松永姉妹の担任教師で、科学担当。強烈な個性を放つ「変人教師」として物語にユーモアを添えます。彼は姉妹の超能力に強い興味を示し、ビデオカメラを持って二人を追いかけ回すなど、当初は敵対的に見える行動を取ります。しかし次第に和解し、作品の中で一風変わった味わいを与える存在となりました。視聴者からは「憎めない変人」として人気を集めたキャラクターです。

◆ ディアマス姉妹(マリエ & エマ)

物語中盤から登場するディアマス公国の双子姫。松永姉妹との「双子」という共通点が強調され、ストーリーに大きな波乱をもたらします。
マリエは我が強く、プライドの高さからみかげの恋路に割って入ることもあり、視聴者からは「ライバル的ヒロイン」として印象づけられました。一方でエマは心優しく温和で、姉妹と心を通わせる存在として描かれ、物語に緩やかな救済の要素を与えます。二人の対照的な性格は、松永姉妹の関係性を映す鏡のようでもありました。

◆ マサキ & その他のキャラクター

超能力を持つ少年・高村マサキは、松永姉妹と同じ「特別な力を持つ存在」として物語に登場します。彼の存在は、姉妹の能力が特異なものではなく、世界に散らばる「同じような力を持つ人々」の一部であることを示唆していました。
そのほか、松永姉妹の両親や親戚、学園の仲間たちも数多く登場し、日常生活と非日常的な冒険が交差する舞台を豊かに彩りました。

◆ キャラクターの魅力と視聴者の感想

『ミラクル☆ガールズ』のキャラクターたちは、単なる善悪の対立にとどまらず、それぞれの感情や立場が丁寧に描かれている点が魅力です。特に双子同士の関係性は、姉妹の性格の違いを通じて「互いに補い合うことの大切さ」を訴える構造になっていました。
視聴者の声としては、「ともみは憧れのお姉さん」「みかげは身近な共感キャラ」「倉茂は理想の先輩像」といったポジティブな意見が多く、キャラクター人気投票でも姉妹は常に上位を占めていました。

こうした多彩な人物たちが織りなす関係性こそが、『ミラクル☆ガールズ』を単なるファンタジー作品ではなく、学園青春ドラマとしても成立させた要因といえるでしょう。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

『ミラクル☆ガールズ』は、物語やキャラクターだけでなく、音楽面でも大きな特徴を持った作品でした。特に「双子」というテーマを反映させるために、双子ユニットが起用されるなど、アニメと音楽が密接に結びついた演出がなされていました。当時はアイドル文化とアニメ音楽が強く連動していた時代であり、その流れの中で本作もまた音楽の面から独自の存在感を放っています。

◆ オープニングテーマ

放送前半のオープニングテーマは 「キッスの途中で涙が」。この曲は双子ユニット GARDEN が歌っており、繊細で少し切ないメロディラインが特徴的です。水彩画のような幻想的な映像と組み合わされ、視聴者に「ただの学園アニメではない」という印象を与えるものでした。恋に戸惑う少女の心情を綴った歌詞が、作品の前半のトーンと絶妙にリンクしており、アニメの空気感を支えていました。

第30話からは新たなオープニング 「恋の未来」 に切り替わります。こちらもGARDENによる歌唱で、前半とは対照的に明るくポップな楽曲でした。映像もコミカルな要素を取り入れ、キャラクターたちがミュージカルのように動き回る構成になり、後半の作品方向性の変化を強く示しています。抽象的で難解だった前半から、分かりやすく親しみやすい物語へとシフトする中で、この楽曲は新しい「入口」として視聴者を迎え入れる役割を果たしました。

◆ エンディングテーマ

エンディングテーマは 「ふたりじゃなきゃだめなの」。双子の姉妹ユニット Dio(沖本富美代・沖本美智代) が歌っており、姉妹の絆を歌詞に重ねた内容になっています。タイトル通り「ふたりでいるから強くなれる」というメッセージは、松永ともみ・みかげの物語そのものを象徴しており、エンディングにふさわしい余韻を残しました。

特筆すべきは、初期のエンディング映像がアニメではなくDioの実写映像だった点です。これは当時としても珍しい演出であり、「双子が歌う曲に双子が映像で登場する」という徹底したコンセプト性を示していました。後期にはアニメーション映像に差し替えられましたが、この実写版エンディングはファンの間で長く語り継がれています。

◆ 挿入歌とBGM

『ミラクル☆ガールズ』の放送中には、挿入歌が場面を彩ることもありました。恋愛の切ないシーンや、姉妹の心が通じ合う瞬間に流れる曲は、視聴者の感情を引き上げる重要な役割を担っています。
BGMも、前半と後半で大きな違いがありました。前半はピアノやシンセサイザーを中心とした幻想的で透明感のある楽曲が多く、後半になるとリズミカルでコミカルな楽曲が増え、作品全体の雰囲気の転換が音楽からも感じ取れるようになっていました。

◆ キャラクターソング

90年代前半はキャラクターソングが徐々に定着していく時期でしたが、『ミラクル☆ガールズ』でも主要キャラクターのイメージに合わせた楽曲が制作されました。ともみの曲は優しく柔らかな旋律が中心で、彼女の包容力を感じさせる内容。一方のみかげの曲は、知的でクールな側面と情熱的な恋心を反映した構成になっており、双子でありながら全く異なる音楽性を打ち出しています。

さらに、野田や倉茂といった男性キャラクターの楽曲も登場し、彼らの視点や心情が表現されました。こうしたキャラソンは、アニメ本編では語られなかった心の内を垣間見せる役割を果たし、ファンにとっては「キャラクターをより深く理解するための手がかり」となっていました。

◆ イメージアルバムとリミックス盤

本作はサウンドトラックの発売だけでなく、イメージアルバムやリミックス盤も制作されました。特に「リミックス盤」は当時のダンスミュージックブームを意識しており、アニメファン以外の層にもアピールする構成になっていました。90年代前半のアニメ作品としては珍しく、クラブ風アレンジが施されたことで「アニメ音楽がポップカルチャーの一部である」ことを強く示す試みとなっています。

◆ 視聴者の印象

放送当時の子供たちにとって、GARDENやDioといった双子ユニットの起用はインパクトが大きく、「双子の物語に双子の歌手」というキャッチーな組み合わせは強く記憶に残りました。また、前半と後半で主題歌が変わることで「作品の雰囲気が違う」と実感した視聴者も多く、音楽面でも路線変更がはっきりと反映されていました。

近年ではサントラや主題歌シングルが復刻や配信で再評価され、懐かしさとともに「90年代の少女アニメらしい音作り」として再び注目されています。特に「ふたりじゃなきゃだめなの」は双子アニメの代表曲として、現在でも語り継がれる一曲となっています。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』の音楽は、単なる主題歌にとどまらず、作品のテーマ性や構造そのものを体現していました。双子ユニットの起用、前後半での楽曲の入れ替え、キャラクターソングやリミックス盤の展開など、音楽を通して作品の多面性が表現されたのです。そのため、本作は「音楽と物語が一体化した少女アニメ」として、後世に残る独自の位置づけを築いたといえるでしょう。

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■ 声優について

『ミラクル☆ガールズ』は、物語や演出の特徴に加えて、声優陣のキャスティングが非常に話題を呼んだ作品でもありました。1990年代前半は声優人気が一般層にも広がり始めた時期であり、アニメファンにとって「誰がどのキャラクターを演じるのか」は作品の大きな魅力の一つでした。本作では、当時注目されていた若手からベテランまで幅広い声優が参加し、それぞれがキャラクターの個性を最大限に引き出しました。

◆ 主人公・松永姉妹を演じた二人

松永ともみを演じたのは 藤枝成子。彼女の柔らかく包み込むような声は、ともみの「優しさ」「おっとりした性格」を的確に表現していました。藤枝自身が当時まだ若手で、キャラクターと同じく自然体の雰囲気を持っていたため、役柄との親和性が非常に高かったと評価されています。

妹のみかげを演じたのは 永井紀子。理知的で芯の強さを感じさせる声質は、頭脳明晰で少々気の強いみかげにぴったりでした。倉茂への恋心を見せる場面では感情の揺れを繊細に表現し、視聴者の胸を打ちました。
特筆すべきは、この二人の声優が実際に当時高校生であったことです。キャラクターと年齢が近かったため、リアルな若々しさが自然と声に滲み出ており、それが作品全体の等身大の雰囲気を高めました。

◆ 野田侑也:山口勝平

ともみの幼なじみであり、熱血で元気な少年・野田を担当したのは 山口勝平。彼はすでに『らんま1/2』の乱馬役などで人気を博しており、明るく快活な声質が野田に非常にマッチしていました。視聴者の多くが「声を聞いただけで野田の性格が伝わる」と評したほどで、作品を代表するキャスティングの一つといえるでしょう。

◆ 倉茂秀明:塩沢兼人

みかげの憧れの先輩・倉茂を演じたのは 塩沢兼人。繊細で透明感のある声を持つ塩沢は、落ち着いた雰囲気と知的な魅力を完璧に体現しました。外交官を目指すという設定もあり、知的で品格を感じさせる演技は、視聴者にとって「理想の先輩像」として強い印象を残しました。特にみかげとの恋愛シーンでは、塩沢の繊細な表現力が存分に発揮され、彼の演技が物語を引き締めていたと言えるでしょう。

◆ 影浦進一郎:山口健

双子の能力を狙う変わり者教師・影浦を演じたのは 山口健。彼はコミカルからシリアスまで幅広い役柄を演じるベテランで、その怪しげでありながら憎めないキャラクター性を見事に表現しました。生徒を追い回すユーモラスな姿から、ときに真剣に向き合う場面まで、振れ幅の広い演技が作品に独特のテンポを与えました。

◆ ディアマス姉妹:沖本姉妹と後任声優

ディアマス公国の双子姫、マリエとエマの声を担当したのは、当初双子の姉妹声優である 沖本富美代・沖本美智代(Dio)。実際の双子が双子役を演じるという斬新なキャスティングは大きな話題を呼びました。リアルな双子の声の響きが物語に説得力を与え、「双子×双子」というテーマ性をさらに強調する効果がありました。
ただし、沖本姉妹は舞台『ピーター・パン』の出演に伴い途中で降板し、マリエ役は 山崎和佳奈、エマ役は 冬馬由美 へと交代します。交代後も役柄に合わせて演技がブラッシュアップされ、前任者との違いを感じさせつつもキャラクターの本質をしっかり維持しました。声優交代が行われたにもかかわらず作品の雰囲気が崩れなかったのは、後任の演技力の高さゆえでしょう。

◆ 脇を固めた豪華声優陣

その他にも多くの実力派声優が参加しました。例えば、みかげのライバルとなる大乗寺ルミ子役には 佐久間レイ。知的で少し尖ったキャラクターを持ち前の声で表現し、強い印象を残しました。
また、物語後半のオリジナルキャラクターには 飛田展男 や ならはしみき、森川智之 といった当時の若手注目株も参加しており、現在振り返ると「豪華な布陣だった」と再評価されるポイントとなっています。

◆ 視聴者からの声優評価

放送当時のファンからは「キャラクターと声の一致度が高い」という声が多く寄せられました。特に藤枝・永井の二人が実際に若い高校生声優であったことは、リアルさと共感性を強く引き出しており、少女アニメとしては新鮮な試みでした。また、塩沢兼人の存在感は後年に至るまで語り継がれ、「倉茂の声は塩沢以外には考えられない」と断言するファンも少なくありません。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』の声優陣は、作品テーマである「双子」「絆」を表現する上で欠かせない要素でした。双子声優の起用、キャラクターに年齢が近い声優を選んだこと、そしてベテランによる盤石のサポート。これらが組み合わさり、作品全体に厚みを与えました。演技の一つひとつがキャラクターを生き生きとさせ、作品を単なるアニメから「声優とキャラクターが共鳴する舞台」へと昇華させたといえるでしょう。

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■ 視聴者の感想

『ミラクル☆ガールズ』は1993年に放送された当時から、視聴者の間でさまざまな意見や感想が飛び交った作品でした。少女漫画を原作としながらも、アニメ版は独自の路線や演出を取り入れたことで、年齢や立場によって受け止め方が大きく分かれた点が特徴です。ここでは、当時のリアルタイムでの感想と、後年に振り返るファンの声を整理しながら紹介していきます。

◆ 子ども視聴者からの反応

放送当時の主要なターゲットは「なかよし」読者の小中学生でした。彼女たちからは「双子の姉妹がかわいい」「能力がうらやましい」といった共感や憧れの声が多く寄せられています。特にテレパシーのように気持ちが通じ合う姉妹の描写は、子どもたちにとって「もし自分にこんな力があったら」という想像をかき立てる要素となっていました。
一方で、前半の幻想的で抽象的な演出は少し難解で、「ストーリーがよく分からなかった」という声も少なくありませんでした。大人が好む深い心理描写や比喩表現は、当時の低年齢層にとってややハードルが高かったのです。

◆ 中高生や大人ファンからの評価

中高生や大人の視聴者にとって、『ミラクル☆ガールズ』の前半は非常に魅力的でした。神話や伝説を引用したサブタイトル、詩的なナレーション、夜景や水面を描いた美しい背景美術などは「少女アニメの枠を超えた芸術性がある」と評価されました。特に当時アニメを研究していた学生やマニア層からは「安濃高志監督の演出が大胆で面白い」と高い支持を集めました。
ただし、彼らにとっても物語の展開が突然変化した後半は驚きであり、「前半と別の作品のように感じた」という意見も多く見られます。

◆ 視聴率と人気のギャップ

『ミラクル☆ガールズ』は必ずしも高視聴率を記録した作品ではありませんでした。その理由の一つとして「子ども向けにしては難解すぎる」という前半の作風が挙げられます。しかし、後年ファンが振り返ると「当時の少女アニメの中では挑戦的で記憶に残る」と語られることが多く、数字以上に強い印象を残した作品だったことが分かります。
この「数字は伸び悩んだが記憶には残った」という評価は、後年インターネット上の掲示板やSNSで頻繁に語られており、今なお語り草になっている点でも本作の独自性を示しています。

◆ 双子というテーマへの共感

視聴者から最も多く寄せられた感想のひとつは「双子というテーマの面白さ」でした。特に双子姉妹がそれぞれ異なる個性を持ちながらも、心を通じ合わせて困難を乗り越える姿は、多くの人に感動を与えました。
実際に双子として育った視聴者からは「自分たちの関係と重ね合わせて見ていた」という声もあり、リアルな共感を呼んでいたことが分かります。また、一人っ子や兄弟姉妹がいない子にとっても、「双子って特別で素敵」という憧れを持つきっかけとなったようです。

◆ 後半の路線変更への賛否

第30話以降、作品の雰囲気が大きく変わったことに対する感想は賛否両論でした。前半の幻想的な雰囲気を好んでいた視聴者は「後半は普通の学園ものになってしまった」とやや物足りなさを感じる一方で、低年齢層の子どもたちからは「分かりやすくなって楽しく見られるようになった」と歓迎の声もありました。
この路線変更によって作品が二面性を持つことになり、逆に後年「一粒で二度おいしい作品」と評価するファンも出てきました。

◆ 音楽に関する感想

音楽に関しても多くの感想が寄せられました。オープニングテーマの「キッスの途中で涙が」は「少し大人っぽくて切ない」「夕方にぴったりの曲」という声が多く、後半の「恋の未来」は「元気が出る」「キャラクターの動きがかわいい」と好意的に受け止められました。
またエンディング「ふたりじゃなきゃだめなの」は「双子のテーマにぴったりで耳に残る」と好評で、実写映像版エンディングを「アイドル番組みたいで面白い」と印象深く語る人もいました。

◆ 再評価と懐かしさ

2016年にCS放送でリマスター版が流れた際、多くの視聴者が「懐かしい!」と反応しました。リアルタイム世代だけでなく、その子ども世代にも新鮮に受け止められ、「今見ても面白い」「作画や演出が独特で魅力的」と再評価の声が広がりました。
特にネット上では「昔は難しくて分からなかった前半が、大人になって見たらすごく美しい表現だったと気づいた」という意見も多く、時代を経て新しい解釈が生まれていることが分かります。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』の視聴者の感想は、一言でまとめれば「賛否両論、しかし心に残った作品」ということになるでしょう。難解で芸術的な前半と、明るく分かりやすい後半という二つの顔を持つことで、幅広い層に異なる印象を残しました。
双子の絆や恋愛模様、そして幻想的な世界観は、当時の少女アニメの枠を超えて語り継がれ、現在に至っても懐かしさとともに再評価されています。数字だけでは測れない「記憶に残る力」を持った作品、それが『ミラクル☆ガールズ』に対する多くの視聴者の共通した感想なのです。

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■ 好きな場面

『ミラクル☆ガールズ』は双子の絆や恋愛、学園生活、そして異国の陰謀まで多彩なテーマを盛り込んだ作品でした。そのため視聴者が「特に好き」と語る場面も多岐にわたります。ここでは放送当時のファンや後年の再評価の中で語られてきた「印象的なシーン」を整理しながら紹介していきます。

◆ 双子の心が通じ合う瞬間

最も多くの視聴者が挙げるのは、やはり松永ともみとみかげが心を通わせるシーンです。テレパシーのように言葉を交わさずに思いが伝わる瞬間や、互いを助け合う場面は「双子ならではの特別さ」が強調され、感動的でした。
特に、ともみが危機に陥った際にみかげが強く反応し、心の声が響き合うシーンは「姉妹愛が美しい」と多くのファンが語っています。

◆ ともみと野田の関係性が描かれる場面

ともみと野田の絆を示す場面も人気があります。野田はともみに対して一途で、彼女が困っている時には不思議と駆けつける存在です。その姿は「理想の幼なじみ像」として女子ファンの心を掴みました。
特に印象的なのは、ともみが心細さを感じている時に野田が現れ、励ます場面。派手なアクションではなく、さりげないやり取りだからこそ心に残ったという声が多いです。

◆ みかげと倉茂のすれ違い

恋愛模様においては、みかげと倉茂の関係が描かれる場面が「切なくて忘れられない」と語られています。みかげが必死に想いを伝えようとする一方で、倉茂は冷静で距離を保つ――この緊張感が視聴者に強い印象を残しました。
倉茂が留学する際のみかげの心情を描いた場面は特に名場面として挙げられることが多く、「青春の痛み」を象徴するシーンとして記憶されています。

◆ 幻想的な前半の演出シーン

安濃高志監督による前半の幻想的な演出は、一部の視聴者にとって忘れられない魅力になっています。
たとえば、水面に映る月や夜景を背景に、姉妹の心象風景が抽象的に描かれるシーンは「まるで詩を読むようだった」と表現されることもあります。こうした芸術的な映像は、子供には難しかったかもしれませんが、大人や後年のファンにとっては「挑戦的で美しい」と評価され、好きな場面として語り継がれています。

◆ ディアマス姉妹の登場と対立

物語が学園を飛び出してディアマス公国の双子姫が登場する場面も、インパクトが強く「好きな展開」として語られます。マリエとエマが初登場する回は、松永姉妹との「双子対双子」の対比が鮮烈で、ファンの間でも話題になりました。
特に、マリエがみかげの恋を妨害しようとするシーンは緊張感が高く、視聴者から「ハラハラした」「本気でみかげを応援した」といった感想が寄せられました。

◆ 後半の明るくコミカルな日常回

後半に路線変更してからの学園生活を描いたコミカルな回も、別の意味で人気があります。文化祭や体育祭など、誰もが経験する学校行事を舞台に双子の能力がトラブルを起こす展開は、「日常の中にファンタジーが入り込む面白さ」が好意的に受け止められました。
特にファンの間で人気が高いのは、みかげの実験が失敗して分身してしまう回。ともみと分身のみかげが鉢合わせするシーンはユーモアと不思議さが同居しており、今も名エピソードとして語られています。

◆ クライマックスの双子の決断

最終話に向けて物語が盛り上がる中、松永姉妹が互いの存在の大切さを再確認し、力を合わせて困難を乗り越えるシーンは「感動した」と評判です。二人の心が完全に一つになり、光り輝くように描かれる場面は、タイトル通り「ミラクル」を体現した瞬間でした。
このシーンについては「思わず涙が出た」「姉妹っていいなと心から思った」という感想が多く寄せられています。

◆ ファンが選ぶ「隠れた名場面」

一方で、大きな事件ではない小さな日常の一コマを「好きな場面」と挙げるファンもいます。たとえば、ともみが作ったおにぎりを野田が嬉しそうに食べるシーンや、みかげがケーキを前にして目を輝かせるシーンなど、キャラクターの人間らしさが垣間見える瞬間が記憶に残っているという声です。
こうしたささやかな描写があるからこそ、壮大なストーリーとの対比が生まれ、キャラクターへの愛着が深まったのでしょう。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』の「好きな場面」は、視聴者の年齢や立場によって大きく異なります。子供はコミカルな失敗や友情の場面を、大人は幻想的な演出や恋愛の切なさを選び、そして誰もが共通して挙げるのは「双子の心がつながる瞬間」でした。
この多様な「好き」が存在すること自体が、本作の豊かさを示しています。一人ひとりの心に異なる名場面を残したからこそ、『ミラクル☆ガールズ』は今も語り継がれる作品となっているのです。

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■ 好きなキャラクター

『ミラクル☆ガールズ』は、双子の主人公を中心に多彩なキャラクターが登場することで、視聴者一人ひとりの「推しキャラ」が生まれる作品でした。恋愛要素、友情、学園生活、異国の陰謀といった多層的なストーリーに支えられ、どのキャラクターもそれぞれ異なる魅力を放っています。ここでは、ファンが「好き」と語るキャラクターとその理由を掘り下げて紹介します。

◆ 松永ともみ ―「理想の姉」像

多くの視聴者が好きなキャラクターとして名前を挙げるのが、姉の松永ともみです。
優しくおっとりした性格、誰にでも親切に接する温かさ、そして料理やスポーツが得意という万能さ。こうした「完璧だけど嫌味がない」人物像が、子どもから大人まで幅広く好感を集めました。
また、恋愛に関しては奥手で、野田との関係をなかなかはっきりさせないもどかしさも含めて「守ってあげたくなる」「見守りたくなる」という声が寄せられています。特に女子視聴者にとっては「こんなお姉ちゃんが欲しい」と思わせる存在でした。

◆ 松永みかげ ―「共感できる一途さ」

一方で、妹のみかげを好きだというファンも非常に多いです。
勉強が得意で頭脳明晰、科学部で実験を繰り返す姿はユニークで、しばしばトラブルメーカーになるのも愛嬌として受け止められました。何よりも彼女の「倉茂先輩への一途な恋心」に共感したという声が多く、「自分も同じように片思いをしていたから感情移入できた」という感想が目立ちます。
少しわがままで負けず嫌いなところもありますが、それが逆に「人間らしくて好き」と評価され、姉よりもみかげを推すファンも少なくありません。

◆ 野田侑也 ―「理想の幼なじみ」

男子キャラクターの中で圧倒的に人気が高かったのは野田侑也です。
ともみを思う気持ちが真っ直ぐで、彼女の危機には必ず駆けつけるという「ヒーロー性」を持ちながらも、どこか親しみやすい雰囲気を持っていました。
女子ファンからは「こんな幼なじみが欲しい」「現実にはいない理想の男子」と評され、男子視聴者からも「野田みたいに熱い男になりたい」という憧れの対象になっていました。

◆ 倉茂秀明 ―「高嶺の花」

倉茂先輩はみかげにとって憧れの存在であり、視聴者にとっても「手の届かない理想の王子様」でした。
文武両道で落ち着きがあり、外交官を目指すという夢を持つ姿は、大人っぽい魅力を感じさせました。その一方で、実はみかげを想っていたというエピソードは「クールな外見と心の優しさのギャップが素敵」とファンを魅了しました。
彼の存在は作品に大人びた空気を与え、「青春の切なさ」を象徴するキャラクターとして長く記憶されています。

◆ ディアマス姉妹 ―「双子対双子」の魅力

マリエとエマの双子姉妹も根強い人気を誇ります。
マリエはプライドが高く強気な性格で、みかげの恋路をかき乱す姿に「憎めないライバル」としての魅力を感じたファンもいました。エマは優しく穏やかで、松永姉妹に共感を寄せる姿が「癒し系キャラ」として愛されました。
視聴者の中には「松永姉妹派かディアマス姉妹派か」で盛り上がった人もおり、双子同士の対比がキャラクター人気をさらに盛り上げました。

◆ 影浦進一郎 ―「愛すべき変人」

影浦先生は最初は嫌な教師に見えるものの、徐々にコミカルで憎めないキャラとして人気を集めました。
真剣な場面では頼りになる一面も見せ、視聴者からは「ただの変人ではなく、人間味があって面白い」と好意的に受け止められました。子どもたちにとっては「怖いけど笑える存在」、大人にとっては「物語を軽やかにしてくれるスパイス」として機能していたのです。

◆ 隠れた人気キャラたち

脇役にも「好き」と語られるキャラクターが少なくありません。
例えば、みかげのライバル・大乗寺ルミ子は「強気で賢い女子キャラ」として共感を得たり、野田の親友でプレイボーイの山岸耕平は「憎めないお調子者」として人気がありました。
また、後半で登場する高村マサキも「超能力者として松永姉妹と似た立場でありながらも複雑な心を抱える少年」として印象に残ったという声があります。

◆ 視聴者ごとの「推しキャラ」傾向

視聴者の年齢や性別によって好きなキャラクターが分かれるのも本作の特徴でした。

小学生女子は「ともみ派」が多く、「優しくて頼れる存在」に憧れを抱きました。

中高生女子は「みかげ派」が多く、「片思いに共感できた」という理由が目立ちます。

男子視聴者は「野田派」と「倉茂派」に二分し、親しみやすさか理想像かで推しが分かれました。

大人のファンは「影浦先生」や「マリエ」といったクセのあるキャラクターを挙げる人も多く、「深みがあって面白い」という評価が見られます。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』は、主人公の松永姉妹が軸にありながらも、周囲の人物がしっかりと個性を持ち、それぞれが「誰かの推し」になり得る作品でした。
特に「双子」というテーマがキャラクター同士の対比を際立たせ、好みや共感ポイントが多様に広がった結果、視聴者一人ひとりが自分だけの「好きなキャラクター」を持つことができたのです。こうしたキャラクターの厚みこそが、『ミラクル☆ガールズ』を長く愛される作品にした大きな理由だといえるでしょう。

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■ 関連商品のまとめ

『ミラクル☆ガールズ』は、原作が少女漫画誌「なかよし」で高い人気を誇り、アニメ化にあたって玩具メーカー・タカラ(現タカラトミー)が深く関与していたこともあり、多彩な関連商品が展開されました。1990年代前半の少女アニメらしく、人形やアクセサリー、文具、衣料品、食品系のタイアップまで幅広く、作品の世界を日常生活に持ち込むことができるラインナップが揃っていました。ここでは、映像ソフトからグッズ、書籍、ゲームに至るまで、当時の関連商品を体系的に整理して紹介していきます。

◆ 映像関連商品

アニメ放送終了後、まず展開されたのは VHS と LD(レーザーディスク) でした。全13巻に分けて販売され、主にファン層やコレクターをターゲットにしていました。当時はDVDやBlu-rayがまだ存在していなかったため、これらが唯一の公式な映像商品でした。
ただし、前期のエンディングに使用されていたDioの実写版映像や、特別番組的に制作された「ミラクル☆ステーション」などは権利関係から収録されず、後年ファンの間で「幻の映像」と呼ばれることになります。現在、これらのVHSやLDはすべて廃盤で、中古市場でしか入手できません。

2010年代に入ってからようやく デジタルリマスターHD版 が制作され、2016年にCS局で再放送されました。しかしDVDやBlu-rayの一般販売は今に至るまで実現しておらず、ファンからは「完全版のボックスを出してほしい」という要望が根強く存在しています。

◆ 書籍関連

原作漫画は全9巻の単行本として刊行され、アニメ放送中には「アニメアルバム」や「公式ガイドブック」といった関連書籍も出版されました。特に 「なかよしアニメアルバム ミラクル☆ガールズ」 はキャラクター設定や美術資料、インタビューをまとめたファン必携の一冊で、アニメ誌でも度々紹介されていました。

さらに「なかよしゲームブックス」として、スーパーファミコン版ゲームの公式ガイドも出版され、当時ゲームを手に取った子どもたちにとって頼もしいサポートになっていました。講談社からは低学年向けに絵本形式の「テレビ絵本」シリーズも刊行され、より幅広い年齢層にアニメの世界を広める展開が行われています。

◆ 音楽関連

音楽面では、主題歌シングルCDやサウンドトラックアルバムが発売されました。

主題歌シングルCD:「キッスの途中で涙が」「恋の未来」「ふたりじゃなきゃだめなの」など

オリジナルサウンドトラック:BGMや挿入歌を収録したアルバム。初回版はデジパック仕様でコレクター人気が高い。

リミックス盤:当時流行していたダンスミュージック風にアレンジされたCDも発売され、アニメ音楽の枠を超えて楽しめる内容でした。

双子ユニットが主題歌を担当していたことから、「双子」をキーワードにした音楽商品展開はファンの心を掴みやすく、アニメと音楽が強く結びついたケースといえるでしょう。

◆ ホビー・おもちゃ関連

タカラがメインスポンサーだったこともあり、人形やアクセサリー玩具の展開が盛んに行われました。

ドールシリーズ:ともみ、みかげの2種類が発売され、普段着タイプとパーティドレスタイプが用意されていました。髪型や衣装を変えて楽しめる仕様は、当時の女児向け玩具らしい魅力でした。

ミラクルリング & ブレスレット:姉妹が作中で使用するアイテムを模した玩具が販売され、「自分もミラクルガールになれる」という憧れを刺激しました。

電子手帳「Miracle twin note」:電卓機能付きで、子ども向け文具と玩具の中間的なアイテム。アニメとのタイアップらしいユニークな商品でした。

また、ジグソーパズルやシール、ハンカチ・ソックスなどの生活用品も展開され、学校生活の中でキャラクターを身近に感じられるグッズが多数揃っていました。

◆ 文房具・日用品

アニメ人気に合わせて、ノート・下敷き・鉛筆セット・カンペンケースなど定番の文具が数多く発売されました。特に女の子向けには、キラキラ加工の表紙や、双子姉妹が大きく描かれたデザインが好評でした。
セイカノート(現サンスター文具)からは「ぬりえ」「きせかえノート」なども発売され、ファンが自分の手で作品世界に参加できるよう工夫されていました。

◆ 食品・お菓子系コラボ

90年代のアニメでは定番だった食品とのタイアップも展開されました。
カバヤ食品からは 「ミラクル☆ガールズ ガム」 が販売され、カードやシール付きでコレクション性を高めていました。食玩としてのガムやお菓子は子どもたちの間で話題になり、友達同士で交換する楽しみも広がっていました。

◆ ゲーム関連

スーパーファミコン用ソフト 『ミラクル☆ガールズ ともみとみかげの不思議世界の大冒険』 が発売されました。横スクロール型のアクションゲームで、双子のキャラクターを操作しながらさまざまなステージを進む内容でした。プレイヤーは姉妹を切り替えて進むことができ、二人の個性を活かしたゲームシステムは原作ファンからも好意的に受け止められました。

◆ 総括

『ミラクル☆ガールズ』の関連商品は、人形や玩具などの子ども向け商品から、CDや書籍、ゲームといった幅広いメディアミックスまで多岐にわたりました。特に「双子」という作品テーマを生かした商品が多く、双子ユニットによる主題歌や双子人形、ペアアクセサリーなど、作品世界をそのまま日常に持ち込める工夫が見られます。
ただし、アニメ自体が視聴率的には大ヒットとならなかったため、一部の商品は短命に終わり市場から消えました。そのため、現在は当時のアイテムが「レアグッズ」としてコレクターズアイテム化しています。こうした状況も含め、関連商品は『ミラクル☆ガールズ』の歴史を語るうえで欠かせない要素となっているのです。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

『ミラクル☆ガールズ』は放送から30年以上が経過しており、現在では当時の公式グッズや映像ソフトが新品で手に入ることはほとんどありません。そのため、ファンやコレクターが入手を目指す場は、中古市場──つまりヤフーオークションやメルカリといったオンラインフリマサイト、古物市場、アニメショップの中古コーナーなどに限られています。ここでは、ジャンルごとに中古市場での動向や価格帯、取引の特徴を紹介していきます。

◆ 映像関連商品の動向

もっとも取引数が多いのは VHS と LD(レーザーディスク) です。
1990年代にバップから全13巻が発売されましたが、すべて廃盤となっており現在は入手困難。状態の良いものはコレクターからの需要が高く、1本あたり2000円~4000円で落札されることが多いです。特に最終巻や第1巻は希少価値が高く、5000円を超える場合もあります。
LDはVHSに比べ流通数が少ないため、1枚あたり3000~7000円程度で取引されています。セットで出品されると1万円を超えるケースも珍しくありません。

また、2016年のCSでのリマスター放送をきっかけに「高画質で見たい」というニーズが再燃し、VHSやLDをデジタル化して視聴するコレクターも増えました。DVDやBlu-rayの正規商品が存在しないため、映像関連は今なお「プレミア感」が強い分野です。

◆ 書籍関連の市場価値

原作単行本(講談社コミックスなかよし)は再販版が出ていますが、アニメ放送当時の初版や帯付きの状態が良いものは中古市場で高値がつきます。9巻セットで5000円前後が相場ですが、美品や初版揃いだと1万円以上で落札されることもあります。

また、 「なかよしアニメアルバム ミラクル☆ガールズ」 や 公式ガイドブック は特にコレクター人気が高く、1冊3000円~6000円で取引されています。アニメ誌の特集号やピンナップ付き雑誌も人気で、状態が良ければ2000円前後で落札されるケースが多いです。

◆ 音楽関連

主題歌やサウンドトラックCDは、中古市場で根強い需要があります。

シングルCDは1000円~3000円程度。特に初回版や帯付きは高めに取引。

サウンドトラックは2000円~5000円が相場。リミックス盤は出回りが少なく、6000円以上の値がつく場合もあります。

アナログ盤(EP、LP)は希少で、オークションでは1枚5000円を超える落札例も見られます。

DioやGARDENといった双子ユニットの関連商品は「双子アニメの象徴」として人気があり、今もコレクション対象とされています。

◆ ホビー・おもちゃ関連

タカラから発売された ドールシリーズ は市場でも特に人気が高いアイテムです。ともみ、みかげそれぞれの人形は単品でも5000円以上の落札が多く、ドレス付きの完品や未開封品だと1万円を超える場合もあります。
また、ミラクルリングやブレスレットといったアクセサリー系グッズは、現存数が少ないため5000円~8000円程度の相場で取引されています。

ジグソーパズルや文具セット、ハンカチなど日常雑貨は比較的安価(数百円~2000円程度)ですが、使用されずに保管されていた未使用品はコレクターズアイテムとして人気があり、価格が高騰することもあります。

◆ ゲーム関連

スーパーファミコン用ソフト 『ミラクル☆ガールズ ともみとみかげの不思議世界の大冒険』 は、中古市場で安定した人気を保っています。カートリッジのみなら2000円~4000円、箱・説明書付きの完品では8000円以上、未開封品では1万円を超えることもあります。
また、講談社の公式ガイドブックとセットで出品されるとコレクター需要が高まり、さらに高額で取引される傾向があります。

◆ 文房具・食玩・日用品

消耗品である文房具や食玩関連は現存数が極端に少なく、意外にも高値で取引されるジャンルです。キャラクターシールや下敷き、鉛筆セットは1000円~3000円程度ですが、未使用・未開封であれば5000円を超える場合もあります。
カバヤ食品の「ミラクル☆ガールズ ガム」のパッケージやカードはレア度が高く、数千円単位で取引されることも珍しくありません。

◆ 市場全体の特徴

『ミラクル☆ガールズ』関連商品の中古市場は、他の90年代人気アニメに比べると流通量は少なめです。そのため、出品されるとすぐに入札が集まり、価格が上がりやすい傾向にあります。特に「完品」「未開封」「帯付き」といった付加価値のある状態は、コレクターにとって垂涎の的となりやすく、競り合いになることもしばしばです。

さらに近年はリマスター版の再放送をきっかけに、かつてのファンが懐かしさからグッズを探し始めるケースが増えており、中古市場の価格はじわじわと上昇傾向にあります。

◆ 総括

中古市場における『ミラクル☆ガールズ』関連商品の価値は、作品の知名度以上に「希少性」と「思い出補正」によって支えられています。VHSやLDはもちろん、ドールやアクセサリー、さらには文房具や食玩に至るまで、いまでは入手困難なものが多く、当時を知るファンにとっては宝物のような存在です。
今後もしDVDやBlu-rayといった新しい公式商品が発売されれば、さらに市場が活性化する可能性がありますが、現時点では「幻のグッズを追い求めるコレクター市場」として特有の存在感を保ち続けています。

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