
【特典】母をたずねて三千里 ファミリーセレクションDVDボックス(世界名作劇場 クラシカル額縁クリアカード(全4種よりランダム1種)) [ ..





【原作】:エドモンド・デ・アミーチス
【アニメの放送期間】:1976年1月4日~1976年12月26日
【放送話数】:全52話
【放送局】:フジテレビ系列
【関連会社】:日本アニメーション
■ 概要
1976年1月4日から同年12月26日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19時30分から20時まで放送された全52話の長編テレビアニメ『母をたずねて三千里』は、日本アニメーションが制作した「世界名作劇場」シリーズの第2作にあたります。原作はイタリアの文豪エドモンド・デ・アミーチスが1886年に発表した児童文学『クオーレ』の一編「アンデスの少年」をもとにしており、短編であった原作エピソードを大幅に膨らませ、ほぼ完全なオリジナルストーリーとして再構築されました。
この作品の特徴のひとつは、前作『アルプスの少女ハイジ』に引き続き、高畑勲が演出を担当し、宮崎駿が場面設計やレイアウトなどで参加している点です。制作スタッフは、前作で培った人間描写の緻密さや舞台背景のリアリティ表現を引き継ぎつつ、さらに記録映画的なアプローチを加えて、19世紀末のヨーロッパと南米の風俗・風景を丁寧に描き出しました。
物語の舞台は1882年のイタリア・ジェノバ。主人公の少年マルコ・ロッシは、家計を助けるためにアルゼンチンのブエノスアイレスへ出稼ぎに行った母・アンナからの手紙が途絶えたことをきっかけに、母を探す決意を固めます。物語は大きく二部構成となっており、第一部ではジェノバから南米行きの船に乗るまでのマルコの日常と別れの準備を描き、第二部では海を越えてアルゼンチン各地を旅しながら母を探す冒険が展開されます。
作中では、マルコが旅先で出会う人々との交流が物語の核となっています。彼は時に助けられ、時に自ら助け、出会いと別れを繰り返しながら成長していきます。困難や病、貧困など、当時の庶民が直面していた社会的背景もリアルに盛り込み、単なる冒険譚ではなく、人間の思いやりや絆、感謝の心をテーマとして作品全体に貫いています。
最終回では、マルコはついに母と再会し、旅の途中でお世話になった人々に再び会って感謝の言葉を伝えながら、故郷ジェノバへ帰っていきます。このエピソードは多くの視聴者に深い感動を与え、放送終了から数十年経った今でも名作として語り継がれています。
放送終了後も、本作は再放送やビデオソフト、DVD-BOX化などで繰り返し親しまれました。2012年には全話収録のDVDボックスが発売され、高画質化された映像とともに再び注目を集めています。世界名作劇場シリーズの中でも、特に「旅」「家族愛」「人間の温かさ」を前面に押し出した作品として、世代を超えて愛され続けているのです。
[anime-1]
■ あらすじ・ストーリー
19世紀末、イタリア北部の港町ジェノバに暮らすマルコ・ロッシは、診療所を営む父ピエトロ、そして心優しい母アンナ、さらに兄トニオと共に、質素ながらも温かい家庭で育っていました。しかし経済状況は年を追うごとに厳しくなり、ついには家計を支えるため、母アンナが遠く南米アルゼンチン・ブエノスアイレスへ出稼ぎに向かうことになります。
最初の頃、アンナからは定期的に手紙が届き、遠く離れた母の無事を家族は確かめることができました。けれどもある時期を境に、その便りが途絶えてしまいます。心配のあまり眠れぬ日々を送るマルコは、どうしても母を探しに行きたいという強い気持ちを募らせていきます。当初、父は年端もいかぬ息子を危険な旅へ送り出すことをためらいますが、マルコの決意の固さと覚悟を感じ取り、ついに旅立ちを許すのでした。
こうして、わずか9歳の少年の、イタリアから南米へと渡る壮大な旅が始まります。ジェノバを出発したマルコは、港町や田舎の集落を巡りながら、南米行きの船を目指します。その道中で彼は、多くの人々と出会います。人形劇の旅芸人ペッピーノ一座や、優しくも芯の強い少女フィオリーナ、そして彼を陰ながら支えてくれる仲間たち。彼らとの交流は、マルコの心を支える大きな力となります。
ついに大西洋を渡る船に乗り込んだマルコは、荒波や体調不良といった困難に見舞われながらも、ブエノスアイレスの地に足を踏み入れます。しかし、母の所在は依然として不明。港町から港町へ、さらに内陸部へと足を進めながら、彼は少しずつ手掛かりを追い求めます。その過程で彼は、南米の広大な自然や、異国の文化、そしてそこに暮らす人々の温かさに触れていきます。
時には病に倒れ、食べ物や宿にも事欠く厳しい日もありましたが、マルコはあきらめません。旅の途中で助けてくれる人々の存在が、再び立ち上がる勇気を与えてくれたからです。そして、数々の試練を越えた末、マルコはついにアルゼンチン北部の町トゥクマンで、長く会えなかった母アンナと再会します。涙と喜びに包まれる母子の抱擁は、これまでの旅の苦労すべてを報いる瞬間となりました。
物語の終盤、マルコは母と共に故郷ジェノバへ帰還することを決意します。帰路では旅の途中でお世話になった人々のもとを訪れ、改めて感謝を伝えます。この一連の再会は、彼が旅で学んだ「人の優しさ」と「感謝の大切さ」を視聴者に深く刻み込むものでした。こうして、ひとりの少年の長く過酷でありながらも心温まる物語は、希望に満ちた結末で幕を閉じます。
[anime-2]
■ 登場キャラクターについて
『母をたずねて三千里』には、主人公マルコを中心に、物語を彩る多彩な人物が登場します。それぞれが物語の進行に重要な役割を果たし、マルコの成長や旅の展開に深く関わっていきます。ここでは主要キャラクターと印象的なエピソード、そして彼らに対する視聴者の反応をまとめます。
マルコ・ロッシ
声 – 松尾佳子
物語の主人公である9歳の少年。小柄ながらも行動力があり、好奇心と責任感を兼ね備えています。一方で、感情の起伏が激しく、思い詰めやすい性格でもあります。ピーマンが嫌いという子どもらしい一面も、視聴者に親しみを抱かせました。旅を通じて、困難に立ち向かう勇気や人を思いやる心を学び、精神的にも大きく成長していきます。
アメデオ
元は友人トニオが飼っていた小さなサル。トニオの出稼ぎに伴い、マルコが面倒をみることになり、南米への旅にも同行します。賢く人懐っこい性格で、しばしばマルコの窮地を救う役割を果たします。人間のような表情や仕草が愛らしく、動物キャラとして本作の癒やし的存在でした。
アンナ・ロッシ
声 – 二階堂有希子
マルコの母で、物語の目的そのものとなる人物。夫の借金返済と家計のため、38歳で単身アルゼンチンへ渡ります。手紙を送り続けていましたが、頼りにしていた親戚メレッリの裏切りにより音信不通に。彼女の苦労と母としての強さは、最終回の再会シーンで視聴者の涙を誘いました。
ピエトロ・ロッシ
声 – 川久保潔
マルコの父であり診療所の事務長。貧しい人々への無料診療を実現するために奮闘する人物です。温厚で理性的な性格でありながら、マルコの旅立ちには葛藤しつつも最終的にその意思を尊重します。父としての深い愛情と信頼が感じられるキャラクターです。
トニオ・ロッシ
声 – 曽我部和行
マルコの兄で、ミラノの鉄道学校で機関士の見習い中。物語への登場は断続的ですが、マルコにとっては良き相談相手であり、旅立ちを後押しする存在です。
ペッピーノ
声 – 永井一郎
人形劇を生業とする旅芸人一座の座長。夢追い人のような性格で、しばしば頼りない一面を見せますが、温かい心を持ち、マルコの旅を支える重要な仲間となります。
コンチエッタ
声 – 小原乃梨子
ペッピーノの長女で、美貌と存在感を兼ね備えた女性。歌や踊りも得意で、一座の中心的役割を担っています。母親代わりとして妹たちを支える芯の強さが魅力です。
フィオリーナ
声 – 信沢三恵子
ペッピーノの次女で、物語の中盤でマルコの支えとなる少女。物静かで内気な性格でしたが、マルコとの交流を通して少しずつ明るさを取り戻し、後半では逆に彼を励ます役割を担います。
ジュリエッタ
声 – 千々松幸子
ペッピーノの三女で、まだ言葉もおぼつかない幼い少女。マルコやアメデオと仲良く過ごす場面は、旅の緊張感を和らげる癒やしの時間となります。
フランシスコ・メレッリ
声 – 梶哲也
ピエトロのいとこであり、アンナがアルゼンチンで唯一頼りにしていた人物。しかし事業の失敗により生活が困窮し、アンナの仕送りを着服、さらに手紙が届かないよう妨害するという裏切りを働きます。物語上、マルコの苦難を増す存在ですが、現実的な人間の弱さも体現したキャラクターです。
ナレーター
声 – 坪井章子
物語全体を温かく、時に淡々と見守る語り手。マルコの行動や背景説明を補足し、視聴者を物語世界へ引き込む重要な役割を果たしました。
これらのキャラクターは、単なる脇役ではなく、それぞれがマルコの旅に影響を与え、視聴者の心に深く残る存在となりました。彼らの個性や行動は、物語をより立体的で感情豊かなものにしています。
[anime-3]
■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
『母をたずねて三千里』の音楽は、物語の情感を豊かに引き立てる重要な要素でした。放送当時から、曲が流れると視聴者の胸に旅の情景や登場人物の表情がよみがえると評され、主題歌・挿入歌ともに高い人気を誇りました。
オープニングテーマ:「草原のマルコ」
作詞 – 深沢一夫 / 作曲・編曲 – 坂田晃一 / 歌 – 大杉久美子
軽快で伸びやかなメロディーと、大地を駆け抜けるようなリズムが特徴的なオープニング曲です。歌詞には、母を探すために旅立つ少年の勇気と希望が込められており、出発のシーンや広大な風景を連想させます。放送当時、この曲は多くの子どもたちが口ずさみ、学校の音楽会などでも演奏されたほど浸透していました。
エンディングテーマ:「かあさんおはよう」
作詞 – 高畑勲 / 作曲 – 坂田晃一 / 編曲 – 小六禮次郎 / 歌 – 大杉久美子
温かな母子の絆をやさしく表現したエンディング曲。オープニングが「出発」を感じさせるのに対し、こちらは「帰る場所」を思い起こさせる、しっとりとしたメロディーが印象的です。映像と共に流れると、物語の余韻を穏やかに締めくくる役割を果たしていました。
挿入歌
「ピクニックのうた」
作詞 – 深沢一夫 / 作曲 – 坂田晃一 / 編曲 – 青木望 / 歌 – 大杉久美子、こおろぎ’73
明るく無邪気な雰囲気を持ち、旅の途中で見せるマルコの子どもらしい一面を引き立てる曲。
「ペッピーノ一座のうた」
作詞 – 深沢一夫 / 作曲 – 坂田晃一 / 編曲 – 青木望 / 歌 – 大杉久美子、永井一郎
旅芸人一座の自由で賑やかな雰囲気を表現した楽曲。軽快なリズムが耳に残り、一座の登場シーンを華やかに演出しました。
「陽気なマルコ」
作詞 – 深沢一夫 / 作曲 – 坂田晃一 / 編曲 – 青木望 / 歌 – 大杉久美子、曽我部和行
困難な旅の中でも笑顔を忘れないマルコの姿を象徴する一曲。
「かあさんの子守唄」
作詞 – 深沢一夫 / 作曲 – 坂田晃一 / 編曲 – 青木望 / 歌 – 大杉久美子
幼い頃に母が歌ってくれた子守唄を思い起こさせる、切なくも温かい旋律。母への思慕を強く感じさせる場面で使用され、涙を誘うシーンに欠かせませんでした。
これらの楽曲は、単なるBGMや演出ではなく、視聴者の感情を物語に深く結びつける役割を担っていました。放送から何十年経った今も、主題歌や挿入歌はCDや配信で聴くことができ、多くのファンにとって青春や幼少期の思い出と強く結びついた存在となっています。
[anime-4]
■ 声優について
『母をたずねて三千里』の魅力を支えた大きな要素のひとつが、各キャラクターに命を吹き込んだ声優陣の存在です。演技の繊細さや温かさ、時に激しさを伴う感情表現は、作品の世界観をより豊かにし、視聴者の心に深く響きました。
松尾佳子(マルコ・ロッシ役)
主人公マルコを演じた松尾佳子は、当時すでに子役からアニメ声優まで幅広く活躍していました。彼女の声は明るさと素直さを兼ね備え、マルコの年相応の無邪気さと、旅の中で育まれる芯の強さを見事に表現しています。特に母を想って涙する場面や、必死に訴える台詞では、実際に感情がこもっているようなリアリティが感じられました。
二階堂有希子(アンナ・ロッシ役)
母アンナ役を務めた二階堂有希子は、落ち着きと温かさのある声質で知られています。本作では、遠く離れた息子を思い続ける母の優しさや、異国での孤独と不安を声の抑揚で丁寧に表現。最終回の再会シーンでの台詞は、多くの視聴者に「母の声そのもの」と感じさせました。
川久保潔(ピエトロ・ロッシ役)
マルコの父を演じた川久保潔は、深みのある低音と落ち着いた語り口が特徴です。家族を支える強さと、息子を送り出す父親としての葛藤を静かに伝える演技は、物語に説得力と重みを与えました。
曽我部和行(トニオ・ロッシ役)
兄トニオを演じた曽我部和行は、若々しく爽やかな声で、弟を見守る優しさと都会で学ぶ青年らしさを兼ね備えた演技を披露しました。登場回数は限られていますが、兄としての温かな存在感は印象的です。
永井一郎(ペッピーノ役)
個性的な声と豊かな表現力で知られる永井一郎が、陽気で少し頼りない旅芸人ペッピーノを好演。ユーモアを交えつつも、要所では真剣な感情を見せる演技の緩急が絶妙で、一座の雰囲気を引き締めました。
小原乃梨子(コンチエッタ役)
芯の強い女性を演じさせれば抜群の存在感を放つ小原乃梨子が、長女コンチエッタに生命を吹き込みました。彼女の低めで凛とした声は、一座を支える長女の責任感と温かさを際立たせています。
信沢三恵子(フィオリーナ役)
物静かな少女フィオリーナ役では、信沢三恵子が柔らかで少し影のある声色を使用。マルコとの交流で変化していく感情を繊細に表現し、キャラクターに深みを与えました。
千々松幸子(ジュリエッタ役)
幼い三女ジュリエッタの可愛らしさを自然に表現。声そのものがキャラクターの愛らしさを増幅させ、マルコやアメデオとの微笑ましいやり取りは視聴者の癒しとなりました。
梶哲也(フランシスコ・メレッリ役)
一見頼れる親戚ながら裏切りを働く複雑な人物を、梶哲也が存在感ある低音で熱演。善と悪の狭間に揺れる人間臭さを感じさせ、物語のリアリティを高めました。
坪井章子(ナレーター)
物語全体を包み込むような語りで、視聴者を自然に物語世界へと導く役割を果たしました。説明的になりすぎず、情緒を壊さない距離感は、この作品の語りの魅力のひとつです。
こうした実力派声優陣の演技が、登場人物たちを単なるアニメキャラではなく「生きている人間」として感じさせ、物語の感動を一層深いものにしました。
[anime-5]
■ 視聴者の感想
『母をたずねて三千里』は1976年の初放送当時から、子どもから大人まで幅広い層に強い印象を残しました。放送終了から数十年が経っても、再放送やDVD視聴を通じて感想を語る声が絶えず、特に「家族愛」「人の温かさ」「困難に立ち向かう勇気」といったテーマに共感する意見が多く見られます。
放送当時の子どもたちの反応
当時の視聴者である子どもたちは、マルコと同年代であることも多く、彼の行動や感情に強く共感しました。「自分も母を探しに行きたいと思った」「マルコの勇気に憧れた」といった声が目立ちます。また、アメデオの存在は子どもたちの人気者で、「マルコとアメデオのコンビが大好きだった」という感想も多く寄せられました。
大人の視聴者の見方
大人の視聴者は、作品の背景に描かれる経済的困窮や移民の現実、社会情勢などにも注目しました。「単なる冒険物語ではなく、時代の厳しさをしっかり描いていた」「家族が離れ離れになる苦しさがリアルに伝わってきた」という声が印象的です。さらに、ペッピーノ一座や旅先で出会う人々の人間味に心を打たれたという感想も多く見られます。
感動のクライマックス
やはり多くの視聴者が口をそろえて語るのは、最終回での母アンナとの再会シーンです。「あの瞬間は涙が止まらなかった」「家族の絆の尊さを改めて感じた」という意見が数え切れないほど寄せられています。再会までの長い道のりと、そこで出会った人々の優しさが、あの場面の感動をより強くしているとの感想も目立ちます。
再放送・DVD視聴での感想
平成以降に再放送やDVDで初めて本作を観た世代からは、「昭和のアニメなのに今観ても古さを感じない」「背景美術や音楽が丁寧で感情移入しやすい」という意見が多く上がっています。また、親子で視聴した感想として「子どもと一緒に観ながら涙した」「世代を超えて楽しめる作品」という声も多いです。
特に印象的な感想の傾向
マルコの粘り強さと優しさに励まされた
旅先で出会う人々の無償の優しさが胸に響いた
映像のリアルさが、物語をより深く感じさせた
今の時代には少なくなった「人のつながり」の尊さを思い出させてくれる
このように、『母をたずねて三千里』は視聴者の心に「旅の物語」という枠を超えて、人として大切なものを問いかけ続ける作品として強く刻まれています。放送から長い年月が経った今も、多くの人が感想を語り合うことのできる稀有なアニメ作品と言えるでしょう。
[anime-6]
■ 好きな場面
『母をたずねて三千里』は全52話の中に数え切れないほどの印象的な瞬間を持っていますが、視聴者の間で特に支持が高い場面はいくつかの共通点があります。それは「人の優しさ」「困難を乗り越える瞬間」「家族の絆」が色濃く表れていることです。ここでは、多くのファンが「忘れられない」と語る場面を紹介します。
1. 母の出発を見送る港のシーン
物語冒頭、アンナがアルゼンチンへ旅立つ日。マルコは笑顔を作ろうとしますが、抑えきれない涙が頬を伝います。このシーンは、旅の原点となる別れの瞬間として多くの視聴者の胸に残りました。港の描写や汽笛の音、背景音楽が、別れの切なさを鮮明にしています。
2. ペッピーノ一座との出会い
道中で出会った旅芸人一家との交流は、マルコの旅に明るさと支えをもたらしました。特に、ペッピーノがマルコをからかいながらも温かく見守る場面や、フィオリーナが少しずつ心を開いて笑顔を見せるシーンは、観ている側も心がほぐれると評判です。
3. 嵐の海を越える船旅
南米へ向かう航路の途中で遭遇する嵐は、マルコの旅最大の試練のひとつ。荒れる海、船体を打つ波、揺れる甲板の中で必死に耐える姿は、少年の決意とたくましさを象徴する場面として高く評価されています。アメデオが必死でマルコにしがみつく描写も忘れられません。
4. フィオリーナとの再会と別れ
南米で偶然再会したフィオリーナとの短い時間。お互いに支え合ってきた日々を思い出しながら別れを告げる場面は、多くの視聴者が「涙なしでは見られない」と語る名シーンです。
5. トゥクマンでの母との再会
やはり最も多くのファンが挙げるのはこの場面です。病床に伏せる母アンナを見つけ、マルコが涙ながらに抱きつく瞬間。これまでの長い旅路の苦労や孤独、そして人々の助けがすべて報われる感動のクライマックスとして、多くの人の記憶に刻まれています。
6. 帰路での感謝の訪問
母と共に帰る道すがら、これまで世話になった人々を訪ねて感謝を伝えるシーンも人気です。ペッピーノ一座との再会や、宿を貸してくれた人々との抱擁は、作品全体のテーマである「思いやりと感謝」が凝縮された時間でした。
視聴者の声から
「港の別れと再会の抱擁、どちらも涙が出た」
「フィオリーナの笑顔は旅の宝物のようだった」
「嵐のシーンは怖かったけど、マルコの強さに驚いた」
これらの場面は、単にストーリーの山場というだけでなく、マルコの成長や人との絆の深まりを象徴する瞬間として、多くの視聴者にとって特別な記憶となっています。
[anime-7]
■ 好きなキャラクター
『母をたずねて三千里』には、旅の主人公マルコをはじめ、多くの魅力的なキャラクターが登場します。視聴者の「好きなキャラクター」に挙げられる人物は多様で、理由もそれぞれ異なりますが、共通しているのは「人間味のある性格」や「物語を通じて見せる成長・変化」が支持されている点です。
マルコ・ロッシ
作品の核であり、圧倒的な支持を集める主人公。幼さゆえの無鉄砲さと、母を想う純粋な愛情が多くの人の心をつかみました。「あきらめない強さ」「優しさと勇気を兼ね備えた少年像」が視聴者の共感を呼び、特に同年代の子どもたちにとっては憧れの存在でした。
アメデオ
人間の台詞を話さない動物キャラクターでありながら、感情表現が豊かでファンの人気者。困った時に寄り添い、危険な場面では勇敢に行動する姿が「健気で可愛い」と好評です。マルコとアメデオの絆は、作品のもうひとつの感動要素となっています。
フィオリーナ
ペッピーノ一座の次女で、控えめな性格から少しずつ明るさを取り戻していく過程が感動的だと支持を集めました。「自分も人見知りだから共感した」「マルコを励ますシーンが心に残っている」といった声が多く、特に女性視聴者からの人気が高いキャラクターです。
ペッピーノ
陽気で人情味あふれる旅芸人座長。頼りない一面がありながら、マルコを見守る姿勢は父親のようでもあり、人気キャラランキングでは常に上位に挙がります。「少し抜けているけど憎めない」「笑いと感動の両方をくれる存在」という評価が多いです。
コンチエッタ
しっかり者で美しい長女として、一座を支える姿が魅力的。女性視聴者からは「姉御肌でかっこいい」「自分もこうありたい」という憧れの対象になっています。また、妹やマルコに見せる優しい表情が印象的です。
アンナ・ロッシ
母親としての強さと、遠く離れても息子を思い続ける愛情深さから、多くの視聴者に支持されました。最終回での再会シーンの印象が強く、「母アンナが好き」という人の理由のほとんどは、この再会の感動に由来します。
その他の人気キャラ
ジュリエッタ … 愛らしい幼さと無邪気さで癒やし系キャラとして支持。
ピエトロ … 寡黙ながらも家族への愛情深さが好印象。
メレッリ … 好き嫌いが分かれるが、「人間臭くてリアル」という理由で印象に残ったという声も。
視聴者が好きなキャラクターを選ぶ基準は、見た目の可愛らしさだけでなく、物語の中で示す行動や他者への接し方、困難にどう立ち向かうかといった内面の魅力に重きが置かれていました。そのため、再放送や大人になってから見直すと、子どもの頃とは違うキャラクターを好きになるという声も少なくありません。
[anime-8]
■ 関連商品のまとめ
『母をたずねて三千里』は放送終了後も、その人気と知名度から多様な関連商品が展開されてきました。映像ソフトや書籍、音楽作品から日用品や食品コラボまで、幅広いジャンルでファンを楽しませてきた歴史があります。ここでは、発売時期や特徴ごとに詳しくまとめます。
■ 映像関連
本作の映像商品は1980年代後半から登場し、当時は主にVHSでの販売・レンタルが行われました。セル版は数巻ごとの分売形式で、人気の高いエピソードや感動的な再会回が収録されることが多く、特に初回巻と最終巻はコレクター需要が高いものでした。
90年代に入るとLD(レーザーディスク)版も一部地域で販売され、アニメファンや映像マニアの間で人気を博しました。2000年代に入り、全52話を収録したDVD-BOXが登場。描き下ろしジャケットや解説ブックレット、ノンクレジットOP・EDなど特典映像が付いた豪華版も発売されました。さらに2010年代には高画質リマスター版がBlu-ray化され、鮮明な映像で再び注目を集めています。
■ 書籍関連
書籍では、原作となった『クオーレ』の日本語翻訳版がアニメ放送と並行して複数の出版社から発行されました。また、アニメのフィルムコミック版や絵本形式のストーリーブックも刊行され、子ども向けの読み物として人気でした。
アニメ雑誌では『アニメージュ』『月刊OUT』『アニメディア』などが本作を特集し、キャラクター紹介や制作スタッフインタビュー、舞台背景の設定資料などを掲載。放送終了後も、世界名作劇場シリーズの一環としてまとめられたムック本や設定資料集が発行され、ファンの資料的価値が高いアイテムとなっています。
■ 音楽関連
主題歌「草原のマルコ」「かあさんおはよう」を収録したEPレコードは、放送当時から高い人気を誇り、オリコンチャートにも登場しました。挿入歌を含むサウンドトラックLPやカセットテープもリリースされ、旅の情景や感動的なシーンを音楽で再現できる内容が好評でした。
後年にはCDアルバムとして再発売され、ボーナストラックや新規解説を加えた復刻版も登場。近年ではデジタル配信でも楽曲が提供され、スマートフォンやPCで手軽に楽しめるようになっています。
■ ホビー・おもちゃ
キャラクターグッズとしては、マルコやアメデオのぬいぐるみ、フィギュア、ミニジオラマセットなどが登場しました。特にアメデオのぬいぐるみは、発売当時子どもたちの間で大人気となり、現在も中古市場で高値が付くことがあります。
また、パズルや絵合わせカード、すごろくなど、物語のシーンを題材にした遊び系グッズも豊富に展開されました。これらは家族や友人と楽しむことを想定しており、作品の温かなテーマを家庭の中にも広げる役割を果たしていました。
■ ゲーム関連
1980年代には家庭用テレビゲーム化こそされなかったものの、ボードゲームやカードゲームとして商品化されました。マルコの旅を進めながら母と再会を目指すすごろく形式のゲームは、子どもたちにとって作品世界を追体験できる貴重なアイテムでした。
■ 食玩・文房具・日用品
文房具ではキャラクターイラスト入りの下敷き、ノート、鉛筆、缶ペンケースが人気で、学校生活に溶け込む形で愛用されていました。
食玩としては、キャラクターステッカー付きお菓子やミニフィギュア入りキャンディ、チョコなどが発売。特にアメデオのシールや消しゴムはコレクターアイテム化しています。日用品ではマグカップや弁当箱、タオルなどが製造され、家庭で日常的に使われるグッズとして浸透しました。
これらの関連商品は、当時の子どもたちだけでなく大人のファン層にも愛され、現在でもオークションやフリマアプリで取引される人気アイテムが数多く存在します。本作の根強い人気は、こうした多方面にわたる商品展開によっても支えられてきたといえるでしょう。
[anime-9]
■ オークション・フリマなどの中古市場
『母をたずねて三千里』関連グッズは、放送から長い年月が経った現在でも、中古市場で一定の需要があります。特に映像ソフトやぬいぐるみ、当時物の文房具や食玩などはコレクターアイテム化しており、状態によっては高額で取引されることも珍しくありません。ここでは、カテゴリごとの傾向と価格帯を詳しく見ていきます。
■ 映像関連
VHS、LD、DVD-BOX、Blu-rayが主な流通品です。
VHS:80〜90年代に発売されたセル版・レンタル落ちともに出品あり。特に初巻・最終巻や、人気エピソードを収録した巻は需要が高く、1本あたり2,000〜4,000円が相場。未開封や美品はさらに高値になる傾向があります。
LD(レーザーディスク):アニメコレクターや映像マニアに根強い人気。ディスク1枚3,000〜6,000円程度で落札されるケースが多く、全巻揃いのセットでは2万円を超えることもあります。
DVD-BOX:2000年代に発売された全話収録版は特に人気で、完品状態なら15,000〜25,000円前後。特典付きや初回限定版はさらに高騰傾向。
Blu-ray:リマスター版は流通量が少ないため、定価を上回る価格で落札されることもあります。
■ 書籍関連
フィルムコミック・ストーリーブック:状態の良いものは1冊1,500〜3,000円程度。絶版となっているため希少性があります。
設定資料集・ムック本:資料的価値が高く、保存状態が良ければ5,000円前後での取引も珍しくありません。
アニメ誌特集号:当時の『アニメージュ』や『アニメディア』の特集号は1冊1,000〜2,500円で出品され、ポスターや付録付きは高値がつくことがあります。
■ 音楽関連
EPレコード:「草原のマルコ」「かあさんおはよう」を収録した盤は人気で、美品は2,000〜4,000円程度。帯付き・ジャケット美品はさらに高額化。
LP/サウンドトラック:2,500〜5,000円程度。ドラマ編や挿入歌集も評価が高いです。
CD再発版:1,000〜2,000円程度で取引されることが多いですが、初回限定仕様や廃盤品は3,000円以上に上がる場合も。
■ ホビー・おもちゃ
ぬいぐるみ(マルコ・アメデオ):当時物は希少で、状態良好なら5,000〜10,000円台に。タグ付き未使用品はさらに高騰。
フィギュア・ミニジオラマ:数千円〜1万円台。特にアメデオや旅の名場面を再現したジオラマは需要が高い。
パズル・すごろく:箱付き・欠品なしで3,000〜7,000円が相場。
■ 食玩・文房具・日用品
下敷き・ノート・鉛筆セット:未使用品は2,000〜4,000円程度で安定。
キャラクター消しゴム・シール:100円単位から取引されますが、台紙付きセットや未開封は1,000円以上に。
マグカップ・弁当箱・タオル:日用品系は現存数が少なく、状態良好なら3,000〜5,000円程度で落札されるケースもあります。
取引傾向と注意点
出品数は決して多くありませんが、希少性と作品人気の高さから、出品されると比較的早く落札される傾向にあります。特に「全話収録映像商品」「未開封グッズ」「保存状態良好な当時物」は高額落札の可能性が高いカテゴリーです。購入を検討する際は、商品の状態や付属品の有無(帯・ポスター・説明書など)をしっかり確認することが重要です。
こうして見ると、『母をたずねて三千里』は単なる懐かしのアニメにとどまらず、コレクション性の高い市場価値を持つ作品でもあることがわかります。ファンの思い出と共に流通し続けるグッズは、今後も根強い人気を保ち続けるでしょう。
[anime-10]■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪
【特典】母をたずねて三千里 ファミリーセレクションDVDボックス(世界名作劇場 クラシカル額縁クリアカード(全4種よりランダム1種)) [ ..





母をたずねて三千里 (徳間アニメ絵本) [ エドモンド・デ・アミーチス ]





【特典】世界名作劇場・完結版 母をたずねて三千里(世界名作劇場 クラシカル額縁クリアカード(全4種よりランダム1種)) [ デ・アミーチ..





世界名作劇場 メモリアル音楽館::母をたずねて三千里 [ (アニメーション) ]




