『古明地こいし』(東方Project)

1/6 『東方Project』 本怖!貴方の後ろにいるよ 古明地こいし 豪華版 (完成品フィギュア)

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【名前】:古明地こいし
【種族】:妖怪(覚)
【二つ名】:閉じた恋の瞳、何も考えていない者、意図せずに心を閉ざしたサトリ、本怖!貴方の後ろにいるよ など
【能力】:無意識を操る程度の能力

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■ 概要

◆ 地底に棲む「無意識」のさとり妖怪

『古明地こいし』は、『東方Project』の地底世界を舞台とした作品群において重要な役割を担うキャラクターであり、地霊殿こと「地霊殿(ちれいでん)」に住むさとり妖怪の妹として登場する存在である。かつては姉と同じく心を読む妖怪だったが、周囲から向けられる嫌悪や恐怖に耐えきれず、自らの第三の目を閉ざしたことで「無意識を操る」異質な存在へと変化したという設定を持っている。この設定は、地底に追いやられた妖怪たちの中でもひときわ象徴的で、誰からも気づかれないさみしさと、それゆえに自由に動き回れる気楽さという両極端な感情を同時に表現している。物語の中でこいしは、そうした矛盾を抱えたまま笑顔でふらりと現れる、不思議で掴みどころのない少女として描かれている。

◆ 物語上の立ち位置と「地霊殿」以降の存在感

こいしが初登場する『東方地霊殿』では、主人公たちが地底の異変を解決する過程で最後に立ちはだかるエクストラボスとして描かれる。地上と地底を隔てる大異変の裏側で、彼女は無意識のままにふらふらと行動し、結果として異変に深く関わることになっている。彼女自身に明確な悪意はないが、その行動は無自覚であるがゆえに予測ができず、人間や妖怪の側からすると「いつの間にかそばにいて、いつの間にか去っていく」ような得体の知れない存在感を放っている。その後の対戦作品などでは、更に地上へ関わりを広げていき、幻想郷の様々な人物と関わることで、その不思議な性格や特異な能力がより多角的に描写されていく。彼女はストーリーの中核を担う悪役というより、「無意識に事件を呼び寄せるトリガー」のような立ち位置を持ち、物語に独特な不安定さと面白さを付け加えていると言える。

◆ 家族関係が示すテーマ性――姉・古明地さとりとの対比

こいしを語る上で避けて通れないのが、姉である古明地さとりとの対比である。さとりは第三の目を開いたまま、他者の心を読む能力を真正面から受け止めようとしているキャラクターであり、その結果として強い孤立と偏見にさらされている。一方でこいしは、それと反対に自分から心の扉を閉じることで、周囲の意識からこぼれ落ちる存在になってしまった。二人は同じさとり妖怪でありながら、世界との向き合い方が正反対であり、そのギャップがキャラクター性の奥行きを生んでいる。こいしの「無意識」は、見たくない現実から目を逸らした結果とも、つらさから身を守るための自己防衛本能とも解釈でき、プレイヤーやファンが自分なりの解釈を重ねやすい余地を持っている。この姉妹関係は、ただの設定以上に、『東方』シリーズ全体で扱われる「心」と「距離感」のテーマを象徴する存在となっている。

◆ 「無意識」というコンセプトの魅力

こいしの能力は「無意識を操る程度の能力」とされており、その響きだけでも他のキャラクターにはない特殊さが際立っている。普通の能力は、炎や氷、境界など目に見えるテーマを扱うことが多い中で、こいしの能力は人間心理の奥底に踏み込んだ概念的なものであり、解釈次第でいくらでも広がりを持たせられるのが特徴である。彼女が姿を見せるとき、多くの場合周囲の者は「気づいたら傍にいた」「なぜか視界に入ってこなかった」といった反応を示す。これは彼女が他者の意識から外れた場所を自在に渡り歩いていることの表現であり、プレイヤーはその不可思議な存在感に強い印象を抱くことになる。また、彼女自身も他人から忘れられることをどこか楽しんでいる節があり、孤独でありながらも、他者に縛られない自由さを身にまとったキャラクターとして描かれている。

◆ ビジュアルイメージとキャラクターデザインの方向性

こいしの全体的なイメージカラーは緑と黄色を基調としており、どこか木漏れ日のような柔らかさと、不安定な感情の揺れを同時に感じさせる配色になっている。頭には特徴的な帽子を被り、服には第三の目から伸びたコードのようなものがくるりと巻きつくように描かれているが、その第三の目は閉じた状態で胸元にある。この「閉じた目」は、彼女の過去と現在、意識と無意識、他者との関係性を象徴するアイコンとして機能しており、シルエットだけでもキャラクターが判別できるほど印象的な要素となっている。デザイン全体は可愛らしい少女の姿でありながら、その中に不穏さや謎めいた雰囲気が巧妙に織り込まれており、一目見ただけで「何か普通ではない存在」であることを示している。

◆ シリーズ全体におけるポジションとファンからの認知

『東方Project』は多数のキャラクターが登場する巨大な作品群だが、その中でもこいしは高い人気と認知度を獲得しているキャラクターの一人である。エクストラボスとしての強烈なインパクト、対戦作品での活躍、楽曲や弾幕演出の独特さなど、プレイヤーの心を掴む要素が多く詰め込まれていることがその一因だろう。さらに、無意識というテーマは二次創作との相性も良く、心理描写に重点を置いたストーリーや、現代社会の孤独・コミュニケーションの難しさを重ね合わせるような作品が多く生まれている。そのため、彼女の存在は単なる一キャラクターを超え、『東方』という作品世界の中で「心」や「つながり」の在り方を考えさせる象徴的存在として、ファンの間で語り継がれている。

◆ こいしというキャラクターが示す「優しさ」と「怖さ」

こいしは、見た目や口調だけを見れば人懐っこく天真爛漫な少女であり、無邪気に笑っていることが多い。しかし、その行動の背後には「自分が傷つかないために、他者を意識から外してしまった」という重い過去が横たわっている。そのギャップが彼女の魅力であると同時に、どこか心に引っかかる怖さを生み出している。彼女は誰からも認識されないまま人の心に入り込み、ふとしたきっかけで感情を揺さぶることができる存在であり、もしその力が暴走したらどうなるのか、という不安も付きまとう。にもかかわらず、作中で見せる彼女の振る舞いには、どこか人を傷つけたくないという優しさや、自分ではどうしようもない寂しさがにじみ出ており、そのアンバランスさがプレイヤーの心を捉えて離さない。こいしは「優しいのに怖い」「怖いのに愛おしい」という、矛盾した感情を同時に抱かせる稀有なキャラクターとして位置づけられているのである。

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■ 容姿・性格

◆ 緑と黄色に包まれた、どこか夢遊病めいた少女の姿

古明地こいしの容姿は、一目見ただけで「普通の少女」と「異形の妖怪」という二つの印象が同時に立ち上がるようにデザインされている。全体を彩るのは淡い緑と鮮やかな黄色で、帽子や衣装、スカートのフリルに至るまで、明るくポップな色合いが散りばめられている。その一方で、胸元には閉ざされた第三の目が無機質にぶら下がり、そこから伸びるコード状の線が身体の周囲をくるくると巻きつくように描かれている。この「閉じた目」は、単なるアクセサリーではなく、過去に心を読む力を自ら捨てたという重い設定を背負った象徴であり、愛らしい服装とのギャップがこいしの不思議さを際立たせている。帽子はつば広で少し大きめのサイズ感になっており、顔の輪郭を柔らかく縁取ることで、無邪気な雰囲気を強調している。スカートはふんわりと広がるデザインで、動き回るたびにひらひらと揺れ、彼女が思いつきでふらふらと歩き回る性格とも相性が良い。全体としては、明るい色合いと丸みのあるシルエットが、親しみやすく可愛らしい印象を与えながらも、しっかりと「普通ではない」雰囲気を漂わせている。

◆ 閉じた第三の目と、身体に絡みつくコードの意味

こいしのデザインにおいて最も印象的な要素が、胸元で固く閉ざされた第三の目である。本来さとり妖怪にとって第三の目は、他者の心を読むための中枢ともいえる器官だが、こいしはそれを自ら閉じるという形で機能を断ち切っている。コードのように伸びた線は、まるで誰かと繋がっていたはずの心の糸が行き場を失って宙を漂っているかのようであり、彼女の過去や内面を視覚的に物語る重要なモチーフだ。コードは腕や腰の周りをくねるように走り、時に遊び道具のようにも見えるが、よく見るとその先にある「目」はしっかりと閉じられており、彼女の心が世界から距離を取っていることを静かに示している。プレイヤーやファンは、この閉じた目を見るたびに、彼女が何を思い、何を恐れ、なぜここまでして心の扉を閉ざしたのかに想像を巡らせることになる。その意味で、こいしの容姿は単なるビジュアルとしてだけでなく、性格や物語と密接に結びついた「語るデザイン」として機能していると言える。

◆ 表情の変化が少ないようで豊かな、不思議な感情の揺れ

こいしの表情は基本的に柔らかく、どこかぼんやりとした微笑みを浮かべていることが多い。目を細めて楽しげに笑っている姿や、首をかしげて他人の反応を面白そうに眺めるような仕草が印象的で、感情の起伏が激しく表に出るタイプではない。それでいて、そのわずかな表情の変化に、彼女の心の揺らぎが強く滲み出ているのが特徴である。無邪気な笑顔の奥にはどこか寂しさや空虚さが見え隠れし、楽しそうに振る舞っているのに、視線だけはどこか遠くを見ているような印象を受けることもある。無意識を操るという設定と相まって、彼女自身の感情すらふわふわと掴みどころがなく、今この瞬間どんな気分なのかを他者が判断することが非常に難しい。だからこそ、こいしがふと真顔になった瞬間や、珍しく怒ったような表情を見せたときのインパクトは非常に大きく、その一瞬が強烈な印象として心に焼き付く。

◆ 歩き方・しぐさにあらわれる「無意識」らしさ

こいしの挙動や立ち居振る舞いも、彼女の性格を表現する重要な要素となっている。足元は軽やかで、地面を跳ねるように歩いたかと思えば、次の瞬間には何かに引き寄せられるように方向転換をしていたり、興味の赴くままにふらふらと歩き回る姿がよく描かれる。誰かと会話している最中でも、突然別のことに意識が移ってしまい、本人は悪気なく話題を放り出してしまうこともありそうなキャラクターである。手の動きも自由奔放で、コードを指でつまんでくるくる回したり、帽子のつばをちょこんと持ち上げて相手を覗き込んだり、まるで自分の意識が身体のあちこちを自由に行き来しているかのようだ。こうした仕草の一つ一つが、彼女の「無意識に動く」「意図せず行動してしまう」といった性格の延長線上にあり、見ている側に「この子は次に何をするのか分からない」という、不安と期待が入り混じった感情を抱かせる。

◆ 作品ごとに微妙に変化する印象――いたずらっ子から夢見る少女まで

こいしは登場する作品によって、微妙に性格の見え方が変わるのも特徴である。ある作品では、主人公たちを予想外の方法で翻弄するいたずら好きの少女として描かれ、相手の反応を面白がるような言動が目立つ。別の作品では、より夢見がちでふわふわとした雰囲気が強調され、現実と夢の境目を曖昧に歩いているような印象を与える。また、コミカルな掛け合いがメインとなる場面では、無自覚な一言で周囲を混乱させておきながら、本人はぽかんと首をかしげている、といった描写も多く、空気を読んでいないのではなく「そもそも空気に気づいていない」タイプのキャラクター性が強調される。一方で、設定の核心に迫るようなシーンでは、自身の過去や姉との関係性に触れることで、普段の軽さからは想像もつかないほど重い感情が垣間見えることもある。このように、作品ごとに見せる顔が少しずつ違うことで、こいしというキャラクターは単なる一面だけでは語りきれない奥行きを獲得している。

◆ 無邪気さと残酷さが隣り合う性格

こいしの性格を語るうえで重要なのは、彼女の無邪気さが時に残酷さと紙一重であるという点である。無意識で行動するということは、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかを、本人があまり深く考えていないということでもある。彼女には悪意がないにもかかわらず、その一言や一挙手一投足が、相手の心を鋭く抉る結果になることもあり得る。例えば、誰かの心の深い部分に触れるような発言を、本人は単なる思いつきの一言として口にしてしまい、相手だけが動揺してしまう、といった構図が自然と想像できるだろう。こいし自身はそれを「面白い」と感じることもあれば、「よく分からないけど、なんだか楽しい」としか受け止めない場合もある。そこにあるのは悪気ではなく、ただ「感覚的に生きている」だけの姿なのだが、その無邪気さが時に他人を傷つける可能性を孕んでいる点が、キャラクターとしての危うさと魅力を同時に生み出している。

◆ 姉・さとりとの対照的な性格の違い

姉の古明地さとりは、慎重で内向的、他者の感情に常に敏感であるがゆえに、自分の言動に強い責任感を持つタイプとして描かれる。それに対し、こいしは責任や義務からふっと距離を置いてしまったような、風に乗る綿毛のような自由さを持っている。さとりが他人の心を読み、傷つかないように細心の注意を払うのに対し、こいしはそもそも他人の意識の外側にいるため、周囲の反応にあまり引きずられない。結果として、こいしは場の空気を壊してしまうこともあれば、逆に誰も踏み込めなかった本音を無意識に引き出してしまい、気づかぬまま問題の核心を突いてしまうこともある。この「責任感と自由さ」「慎重さと気まぐれ」という正反対の性格の対比は、姉妹の関係を立体的に見せる大きな要素であり、プレイヤーやファンがこいしの性格を理解する上での重要な手がかりとなっている。

◆ 孤独を曖昧にしてしまう性格――寂しさを寂しいと自覚しない

こいしの最大の特徴は、他者から忘れられてもあまり気にしていないように見える点にある。無意識の領域に身を置くことで、嫌われる怖さや傷つけられる痛みからは解放されたが、その代わりに「誰からも意識されない」という別種の孤独を抱えることになった。しかし、彼女自身はその孤独を強く自覚しているわけではなく、「一人でふらふらするのは楽しい」「誰も気づかないから、どこへでも行ける」と、むしろ自由さとして受け止めている節がある。だが、物語や会話の端々には、ふとした瞬間に他者との繋がりを求めているような言動が見え隠れし、そのたびに「本当は誰かに見つけてほしいのではないか」と感じさせられる。寂しいと自覚してしまうと辛すぎるからこそ、最初からそれを曖昧なまま生きているような姿に、見る側は切なさと愛おしさを覚えるのである。

◆ ファンに解釈の余地を与える、多面的で掴みどころのない性格

こいしは、表向きの性格や行動だけを追っても、その本質がなかなか見えてこないキャラクターである。天真爛漫で好奇心旺盛な少女として描くこともできれば、トラウマから逃れるために自分の心を閉ざした危うい存在として描くこともできる。あるいは、世界や他者を俯瞰する「観察者」として解釈することすら可能だろう。この多面性こそが、彼女の性格の核になっている。どれか一つのイメージだけでは語りきれず、見る人の数だけこいし像が存在するとも言える。無意識という曖昧なコンセプトが、そのまま解釈の自由度としてキャラクター性に組み込まれているため、ファンは自分自身の経験や感情を投影しながら、さまざまなこいし像を生み出している。これが、こいしが長年にわたって高い人気を保ち続けている大きな理由の一つであり、その掴みどころのなさこそが、彼女の最大の魅力なのかもしれない。

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■ 二つ名・能力・スペルカード

◆ こいしを象徴する呼び名と、そのイメージ

古明地こいしの二つ名は、おおまかに言えば「無意識の世界を自由にさまよう少女」であるというイメージに集約される。姉のように「心を読む者」として恐れられるのではなく、「意識に引っかからない存在」として描かれているのが特徴だ。公式作品では複数の表現が用いられているが、いずれもこいしの特異な性質である「無意識」と「少女らしさ」の二点を強く印象づけるように組み立てられており、柔らかな響きの中にもどこか不穏なニュアンスが潜んでいる。呼び名から連想される姿は、ふらりと現れて気づけばいなくなっている、夢と現の間を歩くような妖怪であり、プレイヤーはそのフレーズだけでこいしのキャラクター像を思い浮かべることができる。また、これらの二つ名はゲーム内の立ち位置や弾幕の雰囲気、楽曲との組み合わせによって、より強く記憶に刻まれるよう演出されており、「名前を見ただけで不思議な気分になるキャラクター」としての印象を決定づけている。

◆ 「無意識を操る」能力の根幹――心を閉ざしたその先にある力

こいしの能力は、かつて心を読む力を持っていたさとり妖怪が、それを自ら放棄した結果として獲得した特異なものだとされる。第三の目を閉ざしたことで、彼女は他者の心を読むことはできなくなったが、その代わりに「人々の意識からこぼれ落ちる領域」に自在に出入りできるようになった。これは単に姿を消すという隠密能力ではなく、「見ているのに認識されない」「声を聞いているのに存在を思い出せない」といった、認知そのものから外れる力である。そのため、こいしが近くにいても、周囲の人間や妖怪は彼女の存在を意識できず、何か違和感を覚えたとしても、それが何に起因するのかを理解できないままやり過ごしてしまう。こいし自身もまた、他人から向けられる好意や悪意といった感情から距離を取ることができるため、傷つけられる恐怖から解放されているが、同時に「誰かに強く記憶されること」からも遠ざかってしまっている。この能力は、彼女の過去と性格、そして作品全体のテーマと密接に結びついたものであり、単なる便利な特殊能力にとどまらない深い意味合いを持っている。

◆ 無意識に忍び込むということ――存在感の希薄化と不可侵性

無意識を操る力の具体的なイメージとしては、他者の心の「死角」に入り込むという表現が分かりやすい。人は常に周囲のすべてを強く意識しているわけではなく、多くの情報を無意識の領域に押し込んで生きている。その「気に留められていない部分」にこいしは自然に紛れ込むことができるため、本人は特別な努力をすることなく、いつの間にか他人のそばに立っていたり、部屋の中を歩き回っていたりする。これは物理的に透明化するのとは違い、「見えているのに、見たこととして記憶されない」状態を作り出すもので、非常に厄介でありながらも、どこか切ない能力であると言える。周囲からすれば、何かが動いたような気がしても、それを深く追及することはなく、「気のせい」で片づけてしまう。一方でこいし自身も、他者の感情が真正面からぶつかってくることがないため、心を守られたまま世界を眺めることができるが、人との関係性が深まる機会も同時に失っている。この「守られること」と「孤立すること」が一体化している点は、こいしの能力を語る上で欠かせない要素である。

◆ 弾幕に表現された無意識――予測不能な動きと感覚的な攻撃

『東方地霊殿』をはじめとする作品でのこいしの弾幕は、彼女の能力を視覚的かつゲーム的に表現したものとなっている。弾の軌道は一定の法則を持ちながらも、プレイヤーの直感を裏切るような曲線を描き、画面上をふらふらと漂うように配置されることが多い。ある攻撃では、弾の出現位置や速度が感覚的に変化し続け、プレイヤーは「パターンを覚える」というより「流れを感じて避ける」ことを求められる。これはまさに、論理的な思考では捉えにくい無意識の動きそのものを体験させる演出と言えるだろう。また、弾の配置がプレイヤーの視線を意識的に誘導しつつ、一方で別の場所から思わぬ攻撃が飛んでくるような構成になっていることもあり、「意識していなかった位置が死角になる」こいしらしい設計がなされている。視覚的にはポップでカラフルな弾が多く、見た目は可愛らしいにもかかわらず、実際に避けてみるとかなりの難度を誇るため、「見た目と中身のギャップ」というキャラ性も弾幕表現を通じてプレイヤーに強く印象づけられている。

◆ 個性的なスペルカードの数々と、そのモチーフ

こいしのスペルカードには、心の奥底や夢、無意識といったモチーフを連想させる名前が多く用いられている。幻想的なイメージを喚起するものから、心理学や夢分析を連想させるような言葉遊びまで、そのバリエーションは多彩であり、どれも「見えない領域」「深層」「眠り」といったキーワードと結びついている。あるスペルカードでは、心の奥に押し込められた感情が弾幕となって溢れ出すような演出が見られ、別のスペルカードでは、プレイヤーの移動先を読むかのように弾が曲線を描きながら迫ってきて、まるでこいしの無意識がプレイヤーの行動をなぞっているかのような錯覚を与える。また、一部のスペルは名前そのものが印象に残りやすく、こいしを語る際に必ずその名が挙がるほど象徴的な存在となっている。これらのスペルカードは、単にゲームの攻撃パターンという枠にとどまらず、「彼女がどのような世界を見ているのか」「どのような心象風景を持っているのか」を推し量る手がかりにもなっている。

◆ エクストラボスとしての強さと「読みづらさ」

『東方地霊殿』におけるこいしは、エクストラステージのボスとしてプレイヤーの前に立ちはだかる。その難易度はシリーズ全体の中でも高い部類に入り、初見では何度も挑戦を強いられることになりがちだ。こいしの弾幕は、理詰めで分解すれば避け方が存在するものの、第一印象としては非常に直感を惑わされる構成になっている。弾の動きが一定でありながら視覚的な錯覚を誘うように配置されていたり、プレイヤーの位置取りによって難度が大きく変動したりと、「避け方を理解したつもりでも、つい別の動きをしてしまう」タイプの攻撃が多い。これはまさに、無意識の領域に足を取られる感覚をゲームとして体験させる構造であり、プレイヤーは自分自身の思考パターンや視線の癖を意識させられることになる。その意味で、こいし戦は単なる技量勝負にとどまらず、「自分の無意識と向き合う一戦」として印象に残るボス戦となっている。

◆ 対戦作品での能力表現――トリッキーで読み合いをかき乱すキャラクター

対戦形式の作品に登場するこいしは、その特異な能力を活かしたトリッキーな性能を与えられていることが多い。瞬間的な位置移動や、相手の意識の外側から攻撃が飛んでくるような技、弾の発生源と当たり判定が直感に反するような仕掛けなど、操作する側もされる側も、通常のキャラクターとは違う感覚で読み合いを行う必要がある。時には、「本人がどこを見ているのか分からない」モーションが採用されており、何気ない動きから突然攻撃が繰り出されることで、対戦相手の判断を狂わせるような設計になっていることもある。こうした要素は、無意識の力を格闘ゲーム的な文脈で再解釈した表現と言え、こいしを使いこなすプレイヤーは、その「読みづらさ」を最大限に活かして戦うことになる。一方で、扱いには慣れが必要であり、思いつきで動かしているだけでは真価を発揮できないため、「トリッキーだが奥が深い」キャラとして位置づけられている。

◆ 能力が物語にもたらすテーマ性――心の距離と見えない壁

こいしの能力は、単に戦闘で役立つ特殊スキルという範囲を超え、物語全体のテーマを象徴する重要なギミックにもなっている。人間や妖怪は、他者と関わることで傷つくこともあれば、支え合うこともできる。こいしはその関わりの中で傷つくことを恐れ、心の扉を閉ざした結果として、無意識の領域を渡り歩く力を得た。これは、「誰とも本気で関わらなければ楽でいられる」という、現実世界にも通じる逃避の一形態でもある。しかし同時に、「誰からも本気で必要とされないかもしれない」という寂しさを内包しており、こいしの能力そのものが心の距離や見えない壁のメタファーになっている。プレイヤーは、彼女との弾幕戦や会話を通じて、「本当にこの子はこのままで幸せなのだろうか」「無意識に逃げ込んだままでいていいのだろうか」といった問いを自然と心に抱くことになる。このように、こいしの能力はゲームプレイの仕掛けであると同時に、人間関係や自己防衛を考えさせるきっかけとしても機能しており、その多層性が彼女というキャラクターをより魅力的にしているのである。

◆ スペルカードから読み取れるこいしの内面

こいしのスペルカード名や弾幕構成に目を向けると、そこには彼女の心のあり方を暗示するような要素が随所に潜んでいる。夢や潜在意識を連想させる名称、心の奥底に沈んだ感情を象徴するような演出など、それぞれのスペルカードは一つの小さな物語のようにも受け取れる。乱舞する弾の群れは、整理されないまま渦巻く心象風景の具現化とも読めるし、規則的な軌道の裏に潜む微妙なズレは、「表面上は安定して見えるが、どこか歪みを抱えた心」のメタファーにも見えてくる。こうした読み解き方は必ずしも正解があるわけではないが、こいしというキャラクターがファンに長く愛され続けるのは、単に弾幕が美しく強いからではなく、その一つ一つに「彼女の物語を感じ取れる余地」が用意されているからだとも言えるだろう。スペルカードを避けながら、プレイヤーは知らず知らずのうちに、こいしの内面世界を覗き込んでいるのかもしれない。

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■ 人間関係・交友関係

◆ 姉・古明地さとりとの、ねじれた距離感

古明地こいしの人間関係の中心にあるのは、やはり姉である古明地さとりとの関係である。二人は同じさとり妖怪として生まれながら、心との向き合い方が正反対になってしまった姉妹であり、そのことがそのまま心の距離として表れている。さとりは第三の目を開いたまま他者の心を読み取る重さを抱え続けているのに対し、こいしは心を閉ざし無意識に身を委ねる道を選んだ。その結果、こいしは姉の前からふらりと姿を消すことも多く、さとりが必死に家族を守ろうとするほど、こいしはその「責任」の圏外を漂う存在になってしまったようにも見える。しかしそれでも、こいしが完全に姉を嫌っているわけではない。むしろ、地霊殿にふと帰ってきては姉の様子を面白がるように眺めたり、ペットたちを相手に楽しそうに話している姿を見せたりと、自分なりの距離感で家族とのつながりを保とうとしている気配がある。さとりの側から見れば、妹は「触れようとすると指の間からこぼれ落ちる水」のような存在であり、心配で仕方ない一方で、どう関わればいいのか分からない相手でもある。この複雑な姉妹関係は、こいしの人間関係の土台であり、彼女の孤独さや自由さの背景として常に付きまとっている。

◆ 地霊殿のペットたちとの関わり――飼い主でも友達でもある距離

地霊殿には、霊烏路空や火焔猫燐をはじめとした多くのペットたちが暮らしており、こいしは彼女たちとも独特の関係を築いている。名目上は姉・さとりのペットたちであるものの、こいしは彼女たちを家族のように扱い、ときには友達のように、ときには年下にいたずらする姉のように接している。無意識で行動するこいしは、彼女たちの仕事や役割をまるで気にせず、思いつきで遊びに誘ったり、異変に巻き込んでしまったりすることもあるだろう。それでも、ペットたちはこいしを一方的に嫌っているわけではなく、「何を考えているのか分からないけど、根は悪くない妹分」のような存在として受け止めているように見える。特に、地上の太陽の力を取り込んでしまった霊烏路空や、死体運搬を担う火焔猫燐といった個性の強いペットたちにとって、こいしの自由奔放さはある種の刺激でもあり、退屈とは無縁の毎日をもたらしていると考えられる。こいし自身は彼女たちと深刻な関係性を築こうとはせず、あくまで気分のままに接しているが、その軽やかな距離感だからこそ、地霊殿の空気が過度に重くならずに済んでいる面もあるのかもしれない。

◆ 地底の住人たちとの関係――嫌われることも好かれることもない曖昧な立場

地底には、かつて地上から追放された多くの妖怪たちが住んでいるが、その中でこいしはかなり特殊な存在として受け止められている。さとり妖怪は心を読む力ゆえに周囲から恐れられたり警戒されたりしがちだが、こいしはその力を手放しているため、あからさまに嫌われることは少ない。ただし、彼女の無意識の能力によって、そもそも地底の住人たちが「こいしという個体」を強く認識する機会が少ない可能性もある。近くを通り過ぎても、会話を交わしても、気づいたときには彼女のことを忘れてしまっている――そんな関係性が自然に成立してしまうため、こいしの交友はどうしても薄く広いものになりがちだ。地底の住人たちから見れば、彼女は「時々視界をよぎる、妙に楽しそうな影」のような存在であり、深く関わった記憶がないのに、なぜか印象に残っている、という不思議な相手になっているかもしれない。この曖昧な立場は、こいし自身の孤独と自由をそのまま表しており、彼女が誰かと強い関係性を結びにくい理由ともなっている。

◆ 地上の人間たちとの接点――いつの間にか隣にいる「侵入者」

地底世界に暮らしながらも、こいしはしばしば地上に顔を出し、人間たちの生活圏にも無意識のまま溶け込んでいく。博麗神社や人間の里、妖怪たちの集う場所など、幻想郷のあちこちに気まぐれで現れては、気づけば人々の隣に座っている、というのが彼女のスタイルだ。博麗霊夢や霧雨魔理沙といった主要キャラクターとも、異変を通して関わりを持つことになるが、こいしは彼女たちを特別な敵とも友人とも意識していないような側面がある。霊夢や魔理沙から見れば、こいしは「放っておくとまた厄介な騒ぎを引き起こしかねない、読めない妖怪」でありながらも、どこか憎めない相手でもあるだろう。しかし、こいしの能力のせいで、彼女との会話や戦いの記憶がぼんやりと曖昧になってしまうこともあり、いつの間にか「最近、変な子を見かけたような気がする」といった曖昧な印象に落ち着いてしまうこともありそうだ。こいしは人間たちに対して特別な敵意を抱いているわけではなく、単純に「面白そうだから」「なんとなく興味を引かれたから」という理由で近づいていく。そのため、地上の住人たちとの関係は、常にふわふわとした曖昧さを伴っている。

◆ 外の世界や都市伝説と関わる面々との関係性

こいしは、一部の作品では幻想郷内部にとどまらず、「都市伝説」や「外の世界」に関わるキャラクターたちとも接点を持つようになる。外の世界の少女たちや、強い妄想や幻想を抱える人物たちは、無意識の領域に近い感覚を持っていることが多く、こいしにとっては相性の良い相手とも言える。彼女はそのような相手の心に自然と入り込み、夢や噂話、ルールの隙間に潜り込むような形で関わりを持つことがある。その結果、こいしの存在が誰かの恐怖や憧れ、あるいは都市伝説の一部として語られることもあるかもしれない。こいし自身はそれを深刻には捉えておらず、「面白い夢を見せてくれる人」「愉快な噂を運んでくれる人」くらいの感覚で接しているが、相手側にとっては人生観が揺らぐような体験となる場合もあるだろう。このように、こいしは無意識という性質上、境界を軽々と飛び越えやすく、幻想郷の枠を越えた関係性を築く潜在性を持っているキャラクターでもある。

◆ 感情のやり取りが噛み合わない関係――好意も敵意もすり抜ける

こいしの能力は、彼女の人間関係において「好意も敵意も長く留まらない」という特徴を生んでいる。誰かがこいしに対して親しみを感じても、時間が経つにつれ、その感情は霧が晴れるように薄れていってしまい、結局「悪い子ではなかったはずだけど、どんな子だったっけ?」という曖昧な記憶に変わってしまうことがある。逆に、怒りや恐怖といった感情も同様にすり抜けていくため、こいしは強く嫌われることも少ない。しかし、それは裏を返せば、「深く愛されることも、強く憎まれることもない」ということであり、感情のやり取りが最後まで噛み合わない関係が続いてしまうということでもある。こいし自身は、その状態を居心地が良いと感じている節があり、波風の立たない関係性を好んでいるようにも見えるが、第三者から見れば、彼女がどこまでも孤独な軌道を回っているようにも映る。この「好意も敵意もすり抜ける人間関係」は、こいしの周囲に独特の空気を生み出しており、彼女と関わった者たちの心に「何か大切なものを掴み損ねたような感覚」を残していくのである。

◆ 無意識のうちに心を開かせてしまう、不意打ちのような親しさ

こいしは他人の心を読まない代わりに、無意識の領域に紛れ込むことで、相手の本音に自然と触れてしまうことがある。相手が警戒心を解いていないつもりでも、こいしが隣にいるときだけ妙に素直になってしまったり、普段は口にしないような悩みをふと漏らしてしまったりすることがあるかもしれない。こいし自身はそれを「面白い話だな」程度に受け止めているだけで、意図的に聞き出そうとしているわけではないが、その無防備さゆえに、相手はこいしの前でだけ心の鎧を外してしまうことがある。その瞬間だけは、こいしは相手と深くつながっているようにも見えるが、能力の性質上、その記憶や感情は時間とともにぼやけていき、結果的に「なぜかあの子には何でも話せそうな気がした」という印象だけが残る場合もある。この不思議な親しさは、人間関係としての形を成しにくい一方で、こいしの周囲に淡い温度をもたらしている。彼女自身が意図せず「心の隙間に入り込む相手」になってしまうあたりにも、無意識を操る妖怪ならではの特殊な交友の形が表れている。

◆ 二次的な広がりとしての人間関係――解釈によって変わる距離感

こいしは、その設定や性格が解釈の余地に富んでいるため、人間関係の描かれ方も作品ごとに大きく変化しやすいキャラクターである。姉・さとりとの関係を中心に、和解や再接近の物語が描かれることもあれば、地上の人間たちとの交流が深く掘り下げられ、こいしが少しずつ誰かに心を開いていく姿が描かれることもある。また、地底のペットたちや妖怪たちとの賑やかな日常を通じて、「無意識のままでも、ゆるやかな家族のような関係」が形作られていく様子が表現されることもあるだろう。こうした多様な解釈は、こいしの公式設定が「他者から忘れられやすい」「深く結びつきにくい」という曖昧さを含んでいるからこそ生まれてくるものだと言える。つまり、こいしの人間関係は一つの形に固定されているわけではなく、見る者がどの側面に焦点を当てるかによって、優しい物語にも、少し怖い物語にも、切ない物語にも変化しうる柔軟な土台を持っているのである。

◆ 「誰とも深く繋がっていないようで、世界のどこにでも顔を出せる」存在

総じて言えば、古明地こいしの人間関係は、「特定の誰かと強く結びついている」というより、「世界のあらゆる場所に薄く広がっている」タイプのものだと言える。姉やペットたちといった身近な存在はいるものの、その関係にはいつも少し距離があり、こいしはそこから自由に離れたり戻ったりしている。地上の人間たちや外の世界の人々とは、一期一会のような出会いを繰り返し、その一つ一つが相手の心に微かな痕跡を残していく。こいし自身はその痕跡を強く意識していないが、関わった人々の心のどこかで、彼女はずっと「妙に忘れられない誰か」として居座り続けているのかもしれない。誰とも深く繋がっていないからこそ、どこにでも顔を出せる――そんな矛盾した自由さが、こいしの交友関係そのものの姿だと言えるだろう。そしてその在り方は、孤独でありながらも、世界のあちこちに自分の足跡を残していく、ささやかで不思議な生き方として映るのである。

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■ 登場作品

◆ 初登場作品『東方地霊殿』でのエクストラボスとしてのこいし

古明地こいしが初めてプレイヤーの前に姿を現すのは、地底世界を舞台としたシューティング作品『東方地霊殿』のエクストラステージである。この作品では、地霊殿に住むさとり妖怪の妹として、物語の裏側で無意識のまま異変に関わっていた存在として登場する。エクストラボスとしてのこいしは、普段のふわふわした雰囲気とは裏腹に非常に高難度の弾幕を操り、無意識をテーマにした不可思議な攻撃でプレイヤーを追い詰めてくる。会話シーンでは、地底の住人らしい独特の距離感と、姉やペットたちに対する他人事のような態度が印象的で、「自分が何をしでかしたのかをあまり深刻に捉えていない」危うさが丁寧に描かれている。地霊殿の物語全体から見れば、こいしは異変の黒幕というより「無意識に事件のトリガーを引いてしまった存在」として位置づけられており、プレイヤーにとっては異変の余韻をさらに深める、特別なエピローグのような役割を担っていると言える。

◆ 対戦アクション作品でのプレイアブル化――トリッキーなファイターとしてのこいし

こいしは、その後の対戦アクション系タイトルにも参戦し、プレイヤーキャラクターとして操作できるようになる。これらの作品において彼女は、無意識を操る設定を活かしたトリッキーなファイターとしてデザインされており、瞬間的な位置取りの変化や、相手の意識の外側から飛んでくるような攻撃演出が多く採用されている。技のモーションはどこか気だるげで、ふとした拍子に予想外の方向へ滑るような動きを見せる一方、必殺技では画面全体を使った派手な弾幕風の攻撃を展開し、元々のシューティング作品での印象を自然に引き継いでいる。ストーリーモードでは、他キャラクターたちとの掛け合いを通じて、こいしの「無意識ゆえに空気を乱す発言」や「相手の本音にうっかり触れてしまう会話」がコミカルに描かれ、シリアス一辺倒ではない魅力が強調される。格闘ゲームとしての駆け引きの中で、こいしは「動きが読みにくいキャラ」「使いこなせば相手の計算を崩せるキャラ」として存在感を放ち、プレイヤーに新鮮な遊び方を提供している。

◆ シューティング以外の公式作品・番外編での出番

こいしはメインのナンバリング弾幕シューティングだけでなく、番外編的なタイトルや特殊なルールを持つ作品にも姿を見せることがある。たとえば、特殊な条件で弾幕を攻略するタイプの作品では、彼女の弾幕が「プレイヤー側が縛りプレイを強いられる状況」と組み合わされることで、その理不尽さと美しさがより際立つように調整されていることが多い。プレイヤーは、自由にショットを撃てなかったり、特定のアイテムに頼らざるを得なかったりといった制限の中で、こいしの複雑な弾幕に挑むことになり、無意識の動きに翻弄される感覚をより強烈に味わうことになる。また、一部の作品ではストーリー上の直接的な絡みは少ないものの、会話デモやエキストラ的なモードで顔を出し、「やっぱりこの子はどこからともなく現れる」という印象をプレイヤーに再確認させる。メインシナリオの中心人物ではないが、作品世界にスパイスを加える常連ゲストのような立ち位置として、たびたび登場するキャラクターと言える。

◆ 二次創作ゲームにおける人気プレイアブルキャラクターとしてのこいし

こいしはその特異な設定と高い人気から、多数の二次創作ゲームにも登場している。ファンメイドの弾幕シューティングでは、オリジナルの弾幕パターンを纏ったボスとして配置されることも多く、原作を踏まえつつも独自の「無意識」をテーマにした攻撃が考案されている。例えば、プレイヤーの操作方向と逆に反応する弾幕や、視線を向けていない側からじわじわと圧迫してくる攻撃など、「画面のどこに意識を置くか」で難度が変わる構成が好んで採用される。一方、アクションゲームやアドベンチャーゲームでは、こいしは意外な場所に突然現れてヒントを落としていったり、イベント中に場違いなタイミングで乱入してきたりと、プレイヤーの予測をいい意味で裏切る役回りを任されることが多い。ローグライクやパズル系の作品でも、無意識に歩き回る敵キャラクターや、特定の条件でだけ姿を現すNPCとして配置されるなど、ゲームシステムに合わせて様々な形にアレンジされている。こうして、こいしは原作の設定を軸にしつつも、ジャンルごとに異なる魅力を引き出される「二次創作映えするキャラ」として活躍の場を広げている。

◆ 二次創作STG・高難度ボスとしてのこいし像

特に弾幕シューティング系の二次創作では、こいしは「高難度ボスの代表格」として扱われることが多い。原作でのエクストラボスという経歴に加え、無意識というテーマが「理不尽寄りの弾幕設計」と相性が良いため、ファン制作の作品ではしばしば最終ボスや隠しボスの座を任される。弾幕は視覚的に華やかでありながら、避け方が直感からズレているものが多く、「見た目は綺麗だけど、攻略するときは頭を抱える」タイプの攻撃が印象的だ。プレイヤーのミスを誘う罠のようなギミックや、一定時間ごとにパターンが切り替わる「気まぐれ」な構成など、無意識の気まぐれさをゲーム的に落とし込んだ演出もよく見られる。その結果、こいし戦をクリアすること自体が一つの勲章となり、プレイヤー同士で攻略法や感想が語られるきっかけにもなっている。こうした位置づけは、原作での難度の高さがファンの記憶に強く刻まれていることの証でもあり、長年にわたり「弾幕好きが腕試しをしたくなる相手」として愛され続けている理由の一つだろう。

◆ 同人アニメ・PV系作品で描かれるこいし

ゲームだけでなく、同人アニメやファン制作のPV作品においても、こいしは非常に登場頻度の高いキャラクターである。地霊殿のストーリーを映像化した作品では、姉・さとりや地霊殿のペットたちと絡むシーンが多く描かれ、こいしのふわふわした雰囲気と、時おり見せる危うい表情のギャップがアニメーションならではの表現で強調される。特に、閉じた第三の目や身体に絡みつくコード、無邪気な笑顔の陰に潜む空虚さといった要素は、動きと音楽が加わることでより強い印象を生み出し、静止画だけでは伝わりにくい「空気感」を視聴者に感じさせる。PV形式の作品では、こいしに関連する楽曲に合わせて、夢の中を漂うような映像や、無意識の世界をイメージした抽象的な背景が用いられることが多く、彼女の「現実から少し浮いた存在感」を視覚的に補強している。こうした映像作品は、ゲームから入ったファンに別の角度からこいしの魅力を伝える入り口にもなっており、キャラクターの人気をさらに押し上げる役割を果たしている。

◆ 物語重視の二次創作アニメでのこいし――心理描写の主役として

ストーリー性を重視した二次創作アニメやドラマ仕立ての映像作品では、こいしは「心の傷」や「孤独」といったテーマの中心人物として描かれることも多い。無意識に逃げ込んだ結果、誰からも強く意識されなくなった少女としてのこいしは、映像作家にとって非常に扱いやすい題材であり、姉とのすれ違いや、誰かとの出会いを通じて少しずつ変化していく心情が丁寧に描写されることが多い。ときに、それは救いのある物語として語られ、こいしが再び「誰かに見つけてもらう」道筋が示されることもあれば、逆に、孤独を受け入れたまま静かに世界を漂い続ける結末が選ばれることもある。いずれにせよ、こいしは感情表現の幅が広く、ひとつの物語の中で「無邪気」「残酷」「寂しげ」「楽しそう」といった相反する表情を次々と見せることができるため、視聴者の心に強い余韻を残すキャラクターとなっている。このような映像作品を通じて、原作ゲームでは語られなかったこいしの「もしも」の姿や、別の未来が描かれ、ファンの間で新たな解釈が共有されていく。

◆ キャラクター中心のファンゲーム・ノベル作品での活躍

ゲーム性よりもキャラクター同士の掛け合いや日常描写に重きを置いた二次創作ゲームやノベル作品においても、こいしは頻繁に中心人物として扱われる。テキスト主体の作品では、彼女の「思いつきで動く」「意図せず他人の本音を引き出してしまう」といった性格を活かし、物語の中で数々の騒動のきっかけを作る役割が与えられることが多い。例えば、人間の里にふらりと現れたこいしが、住人たちの悩みを無自覚に掘り起こしてしまい、それが連鎖的に事件へと発展していく、というような構図は、彼女のキャラクター性と非常に相性が良い。また、姉や他の妖怪たちとの対話を通じて、こいし自身が少しずつ自分の選択を振り返るようなドラマが描かれるケースも多く、心のテーマを扱う物語において「鏡」のような役割を担うこともある。こうした作品群は規模こそ小さいものの、こいしの細やかな心情を丁寧に掘り下げる場となっており、彼女のファンにとってはキャラクター像を深めるための大切な栄養源となっている。

◆ 登場作品全体から見たこいしの立ち位置

総じて、古明地こいしは公式・二次創作を問わず、多数のゲームや映像作品に姿を見せる「顔の広い」キャラクターでありながら、そのどれにおいても「無意識」「心」「孤独と自由」といった共通のテーマを背負っている。公式作品では異変に無自覚なまま関わる存在として、対戦ゲームでは読み合いをかき乱すトリッキーなファイターとして、二次創作ゲームやアニメでは心理描写の中心人物として、それぞれ異なる役割を担いながらも、根底にあるイメージは一貫している。どの作品からこいしに触れたとしても、「気づけば気になっている」「なぜか心に残る」という感覚を覚えやすいのは、彼女の登場の仕方そのものが、無意識に忍び込む妖怪というコンセプトを体現しているからだろう。ゲーム画面の向こうでも、同人誌のページの中でも、アニメーションのカットの隙間でも、こいしは常に「意識の外側ギリギリの位置」に立ち、気づいたときには忘れられない存在になっているのである。

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■ テーマ曲・関連曲

◆ 地霊殿エクストラを導くステージテーマ「Last Remote」

『東方地霊殿』で古明地こいしの戦いへと至るエクストラステージを彩るのがステージテーマ「Last Remote」である。この曲は、地底のさらに奥へと迷い込んでいくような不安感と、どこか懐かしく切ないメロディが同居しているのが特徴で、プレイヤーを徐々に日常から切り離し、こいしのいる「心の奥底」へと誘う役割を担っている。イントロは静かに、しかし確かな緊張感をもって始まり、徐々にリズムと音数が増えていく構成になっており、ステージが進むごとに「自分でも分からないところへ足を踏み入れていく」感覚が自然と高まっていく。軽やかなシンセのフレーズは地底の冷たさというより、意識の境界をさまよう浮遊感を思わせ、ところどころに挟まる不協和気味のコードが、どこか現実離れした危うさを添えている。こいし本人はまだ姿を見せないが、このBGMが流れている時点で、プレイヤーはすでに彼女の無意識の世界に片足を突っ込んでいるようなものだと言える。ステージそのものは敵配置や弾幕の難度が高いものの、音楽の持つ軽やかなリズムがプレッシャーを和らげ、「不安と高揚が入り混じった特別な時間」を生み出しており、こいし戦への前奏曲として強い印象を残している。

◆ ボス戦テーマ「ハートマンの妖怪少女」が描くこいしの核心

こいし自身のテーマ曲として最も知られているのが、「ハートマンの妖怪少女」である。『東方地霊殿』エクストラボス戦で流れるこの楽曲は、穏やかさと狂気、楽しさと不安が高速で入れ替わるような構成を持ち、こいしというキャラクターの本質をそのまま音楽に落とし込んだような一曲となっている。冒頭から不穏なコード進行で始まりつつも、メインメロディに入ると一転して軽快で耳に残るフレーズが駆け抜け、プレイヤーに「怖いのか楽しいのか判別しづらい」感情を抱かせる。リズムは比較的ストレートでテンポも速めだが、メロディラインが予想外の方向へ跳ねたり、音程が急に上下したりするため、聴いていると心が落ち着かない一方で妙にクセになる。これはまさに、「無意識に引きずり込まれていく感覚」を音として表現したものであり、戦闘中に何度も死を繰り返しながらもプレイヤーが挑戦をやめられなくなる中毒性の一因になっている。また、この曲は後の作品や公式アレンジでも繰り返し扱われ、こいしの代名詞とも言える存在になっている。

◆ メロディとリズムに刻まれた「無意識」の表現

「ハートマンの妖怪少女」の構造をじっくり聴いてみると、こいしの能力である「無意識」のモチーフが随所に組み込まれていることに気づかされる。メロディは一見するとポップで覚えやすいが、よく聞くとフレーズの途中で拍をずらしたような小さな違和感や、音程の着地が微妙に予想を裏切る瞬間が多く、聴き手の感覚を常に揺さぶり続ける。どこか懐かしさを感じさせるコード進行の裏で、ベースラインが落ち着かない動きをしていたり、伴奏のリズムが細かく跳ねたりするため、「安心できそうで安心しきれない」状態が延々と続くように設計されているのだ。これは、こいしが他者の意識の外側を歩き回る存在であることと重なっており、「普通のボス戦曲」として聴こうとするたびに、どうしても掴みきれない感触が残る。その曖昧さこそが、彼女の無意識的な行動パターンと響き合っており、プレイヤーは戦闘中、音楽そのものにまで翻弄されているような感覚を覚える。こうした音の設計は、単に印象的なメロディを作るだけでなく、キャラクター設定を音楽に融合させるという意味で、こいしのテーマ曲ならではの魅力と言えるだろう。

◆ 格闘作品におけるアレンジ版「ハートマンの妖怪少女」

こいしは後年、対戦アクション作品にもプレイアブルキャラクターとして参加し、その際には「ハートマンの妖怪少女」がゲーム性に合わせてアレンジされたバージョンが用意されている。格闘寄りのタイトルでは、原曲の持つ不安定さとポップさを活かしつつ、ビートをより前面に押し出し、ギターやドラムなどのロック要素を強化したサウンドになっていることが多い。これにより、原曲では夢の中のように感じられた浮遊感が、「リング上で踊るように戦うこいし」のイメージへと変換され、プレイヤーのテンションを直接的に引き上げてくれる。サビ部分のメロディは原曲からほぼそのまま受け継がれている場合が多く、こいしを知るファンにとっては「この音が聞こえた瞬間、彼女の姿が思い浮かぶ」ほどの結びつきが維持されている。一方で、ブレイク部分では静かなパートを挟み、試合の駆け引きに合わせて緊張と解放が繰り返されるようなアレンジが施されており、こいしの「読めなさ」「突然雰囲気を変える」性格が音楽面でも表現されている。こうした格闘向けアレンジは、同じテーマ曲でありながら、作品ごとに少しずつ違う側面を引き出しており、「同じ曲を通して別のこいしに出会える」楽しさをプレイヤーに提供している。

◆ 同人アレンジ・ボーカル曲で広がるこいしのイメージ

『東方Project』の音楽文化を語るうえで欠かせないのが、同人サークルによる膨大な数のアレンジ楽曲群であり、こいしのテーマである「ハートマンの妖怪少女」と「Last Remote」もその例に漏れず数え切れないほどのアレンジが生み出されている。ロックバンドによる激しいギターアレンジや、クラブミュージック寄りのテクノ・トランス風アレンジ、ストリングスを中心に据えたオーケストラ風アレンジ、さらにはピアノソロや8bit風チップチューンといった実験的なものまで、そのバリエーションは非常に幅広い。ボーカルアレンジでは、こいしの寂しさやトラウマに焦点を当てて切なく歌い上げる楽曲もあれば、無邪気な狂気やポップな怖さを前面に出したテンションの高い曲も存在し、一つのメロディからまるで正反対の物語が生まれているのが興味深いところだ。歌詞の内容も、「誰にも気づかれない少女の独白」「無意識の海を漂う心象風景」「姉妹のすれ違いと再会への願い」など、こいしの設定をさまざまな角度から掘り下げるものが多く、聴いているうちに自然とキャラクターへの理解が深まっていく。また、こいし関連のアレンジばかりを集めたプレイリストやアルバムがファンの手によって作られるなど、音楽面でも彼女は一つの大きなジャンルを形成していると言っても過言ではない。

◆ 動画・PVと結びついた楽曲イメージの定着

こいしのテーマ曲は、ゲーム内だけでなく動画サイト上でも多くの二次創作PVと結びつき、そのイメージをさらに強固なものにしている。弾幕プレイ動画では「ハートマンの妖怪少女」とこいし戦の激しさがセットで語られることが多く、難関スペルを避けきったリプレイとともに楽曲が流れることで、「クリアしたときの達成感」と曲の記憶が強く結び付けられている。また、アニメーションPVやMAD作品では、こいしが幻のように姿を変えながら現れては消える映像表現や、閉じた第三の目をモチーフにした抽象的なカットが音楽に合わせて挿入され、視覚と聴覚の両面から「無意識の妖怪」としてのイメージを印象づけている。戦闘シーンだけでなく、静かなピアノアレンジに載せてこいしの心理を描く映像も多く、同じメロディでありながら、シリアスにもコミカルにも、ホラー風にも料理されているのが面白い点だ。こうした動画文化を通じて、こいしのテーマ曲は単なるBGM以上の存在となり、「この曲が流れたらこいしのことを思い出す」「このメロディを聴くと胸がざわつく」といった個人的な体験と結びついてファンの心に刻み込まれている。

◆ プレイヤー体験を支えるBGMとしての役割

こいし関連の楽曲は、単にキャラクター性を表現するだけでなく、ゲームプレイそのものの印象を決定づける重要な要素にもなっている。エクストラステージの道中で流れる「Last Remote」は、長時間に及ぶ集中を少しだけ肩の力の抜けたリズムで支え、緊張とリラックスが同居する特有のプレイ感覚を作り出す。対してボス戦テーマ「ハートマンの妖怪少女」は、難度の高い弾幕の連続に対して、あえて明るく軽快なフレーズをぶつけることで、「死んでいるのに楽しい」「ボロボロでも笑っていられる」ような奇妙な高揚感を誘発する。この「辛さと楽しさが同時に押し寄せる」体験は、こいしのキャラクター像とぴったり重なっており、曲を聴いただけで当時のプレイ感覚が蘇るプレイヤーも多いだろう。さらに、リプレイ鑑賞やBGM鑑賞モードで改めて曲だけを聴き直すと、「戦っているときには気づかなかったコード進行の複雑さ」や、「メロディの裏で鳴っている小さなフレーズ」が見えてきて、こいしというキャラクターのイメージがまた一段深まっていく。そうした意味で、彼女のテーマ曲は、一度遊んで終わりの消耗品ではなく、何度も聴き返されることで味わいが増していく「長く付き合える音楽」として機能しているのである。

◆ ファンそれぞれの「心の中のテーマ曲」として

こいしに関連する楽曲群は、公式BGMと二次創作アレンジを合わせると膨大な数にのぼり、その中でどの曲を「自分の中のこいしのイメージ」と結びつけるかは、ファン一人ひとりによって異なっている。原作重視のファンにとっては「ハートマンの妖怪少女」が絶対的な一曲かもしれないし、ある人にとっては特定のボーカルアレンジが「こいしの心の叫び」として胸に刺さっているかもしれない。静かなピアノアレンジを聴くと、こいしの孤独な一面が浮かび上がってくると感じる人もいれば、激しいメタルアレンジを聴くことで、無意識の嵐のような彼女の内面をイメージする人もいるだろう。こうした多様な受け止め方を可能にしているのは、元となるメロディが非常に強い個性を持ちながらも、解釈の余地をたっぷり残しているからこそである。結果として、こいしのテーマ曲は「ただのキャラソン」ではなく、聴き手それぞれの人生経験や心情と結びつき、個人的な思い出を呼び起こす装置のような役割を果たすようになっている。誰かにとっては、受験勉強中にBGMとして流し続けた思い出の曲であり、別の誰かにとっては、落ち込んだときに何度も聴き返した支えの一曲かもしれない。そうして積み重ねられた個々の記憶が、「こいし=この曲」というイメージをより厚くし、キャラクターと音楽の絆を長く強く保ち続けているのである。

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■ 人気度・感想

◆ ファン人気の高さと、一度ハマると抜け出せない中毒性

古明地こいしは、『東方Project』に登場する膨大なキャラクターたちの中でも、特に強い支持を集めてきた存在として語られることが多いキャラクターである。初登場となった作品から長い時間が経っても、その人気はほとんど色あせず、むしろ時間の経過とともにじわじわと浸透していくタイプだと言えるだろう。第一印象は「ふわっとした不思議な地霊殿の妹」という程度でも、設定や楽曲、弾幕、二次創作を追いかけていくうちに、いつの間にか強烈に意識してしまうようになる、そんな「遅効性の中毒性」を持っているのがこいしの特徴だ。見た目の可愛らしさだけではなく、無意識を操るという重めのテーマ、姉との複雑な関係、明るさと寂しさが同居した性格など、いくつもの要素が絡み合うことで、単純な「推し」以上の、少し特別な感情を抱くファンも少なくない。ある程度シリーズに慣れた頃にこいしの存在が改めて心に刺さる、というパターンも多く、時間差で好きになっていくタイプのキャラクターとしても印象的である。

◆ 「かわいい」と「こわい」が同居する不思議な魅力

こいしに対するファンの感想でよく挙がるのが、「かわいいけれど、どこか怖い」「怖いのに嫌いになれない」といった矛盾した評価である。幼い少女のような丸みのあるデザインや、カラフルな衣装、天真爛漫ともいえる振る舞いは、純粋に愛らしい印象を与える。一方で、その根底には「第三の目を閉ざしたさとり妖怪」「無意識を操る存在」「誰からも意識されない」という、明るいだけでは済まない設定が横たわっている。このギャップがファンの心を強く揺さぶり、表面的な「推しキャラ」から、もっと深く掘り下げてみたくなる対象へと変えていく。笑顔の奥にどんな感情が隠れているのか、無邪気な行動の裏にどんな過去が横たわっているのかを想像せずにはいられない、その奥行きこそが、こいしが長く愛され続ける理由の一つだろう。「かわいさ」を求めて近づくと、「こわさ」や「切なさ」が顔を出し、しかしそこで引き返せずにむしろもっと惹かれてしまう――そんな不思議な吸引力を持ったキャラクターである。

◆ 心理的なテーマに共感するファンの多さ

こいしの設定は、現実世界に生きる人々の心の問題とも重ね合わせやすい要素を多く含んでいる。嫌われる怖さ、他人の視線に疲れてしまう感覚、傷つきたくないがゆえに自分から距離を置いてしまう行動――こうしたものは、現代に生きる多くの人が少なからず共感し得るテーマであり、こいしの物語や言動に自分自身の経験を投影するファンも少なくない。「心を閉ざすことで楽になれるが、その代わりに孤独になる」という構図は、対人関係に悩んだことのある人ほど刺さりやすく、こいしの姿が心に深く残る要因となっている。彼女は決して「完璧に強い」キャラクターではなく、むしろ弱さや逃避の延長線上に立っている存在でもあるが、その弱さを含めて肯定したくなるような魅力を持つ。そのため、「守ってあげたい」「どうか幸せになってほしい」と願う保護者目線に近い感情を抱くファンもいれば、「自分もこういうふうに現実から逃げたくなったことがある」と、少し苦い共感を覚えるファンもいるなど、受け取り方は多様である。

◆ 弾幕・ゲームプレイを通じて刻まれる強烈な印象

こいしの人気を語るうえで外せないのが、『東方地霊殿』エクストラボスとしてのゲーム体験そのものが、プレイヤーの記憶に深く刻まれる点である。エクストラステージまで到達している時点で、プレイヤーは一定以上作品にのめり込んでいることが多く、その集大成のような形でこいし戦に挑むことになる。そこで待ち受けているのが、可愛らしい見た目とは裏腹に、容赦なくプレイヤーを追い詰める独創的な弾幕の数々だ。何度も挑戦してはやられ、少しずつパターンを覚え、ついにスペルカードを突破した瞬間の達成感――その感情のピークに、こいしのテーマ曲とビジュアルが強く結びつくことで、彼女への印象は一気に特別なものになる。苦労してクリアしたボスほど忘れにくいように、こいしもまた「自分の腕前にとって一つの壁だったキャラ」として記憶に残りやすく、その思い出が好意や愛着へと変わっていく。結果として、「あのとき何十回も挑戦した」「心が折れかけたけど、それでも戦い続けた」という経験談とともに、こいしへの感想が語られることも多い。

◆ 二次創作を通じて広がる「こいし像」の多彩さ

ファンコミュニティにおいて、こいしは二次創作の題材としても非常に人気が高い。シリアス寄りの物語では、彼女の過去や心の傷、姉とのすれ違いに焦点が当てられ、読後に胸が締め付けられるような感想を持つ読者も多い。逆に、ギャグ・日常系では、無意識でとんでもないボケをかまして周囲を振り回す役どころを任されることが多く、「何をしでかすか分からない自由人」として愛されている。ホラー・サスペンス系では、誰の意識にも引っかからない存在という設定が生かされ、「気づいたら背後に立っていた」「存在しているのに誰も気づかない」という形で、不気味さを演出する役割を担うこともある。こうした多彩な表現のどれもが、公式設定から派生した「こいし像」の一面であり、ファンは自分の好みに応じて好きなこいしを選び取ることができる。その結果、ある人にとっては「切ないキャラ」、別の人にとっては「面白かわいいトラブルメーカー」、また別の人にとっては「どこか背筋が寒くなるホラー寄りの存在」と、ころころ印象が変わるのも、こいしというキャラクターの懐の深さを物語っている。

◆ 姉・さとりとの姉妹関係に対する感想・妄想

ファンの間では、こいし単体だけでなく、姉である古明地さとりとの関係性を中心に語られることも多い。心を閉ざした妹と、心を開き続けることを選んだ姉という構図は、それだけで物語性に満ちており、「本当はお互いをどう思っているのか」「過去に何があったのか」「この先、どのような和解や変化があり得るのか」といった想像を掻き立てる。姉妹がぎこちない距離感のまま日常を続けていく姿に、切なさとリアリティを感じるファンもいれば、二次創作などで描かれる「少しずつ関係が修復していく未来像」を好むファンもいる。こいしが無意識に姉を避けているように見えるのか、それとも実は姉が一番の安心できる場所だと感じているのか、解釈は作品ごとに異なり、その幅広さも含めて議論の的になっているポイントだ。姉妹が並んでいるイラストや、二人で会話しているシーンを見ただけで、そこに込められた作者の解釈や想いを読み取りたくなるほど、ファンにとって二人の関係は重要なテーマになっていると言える。

◆ 「気づいたら好きになっていた」というタイプのキャラクターとして

こいしに対する感想の中には、「最初はそこまで気にしていなかったのに、いつの間にか一番好きなキャラになっていた」という声も多い。初登場時から強烈なインパクトを持つキャラクターとは異なり、こいしは作品や音楽、二次創作に触れる機会が重なるほど、じわじわと好感度が蓄積していくタイプだ。ある日ふと、「そういえば、自分がよく見ているイラストや動画、聴いている曲には、こいしが登場していることが多い」と気づく瞬間があり、そこで改めて自分の中での彼女の存在感の大きさを自覚する、という流れも珍しくない。無意識を操るキャラクターであるこいしが、ファンの心の中にも「無意識のうちに入り込んでいた」という構図は、ある意味でキャラクターコンセプトと現実の受け止め方が重なっているようでもあり、そのこと自体を面白がるファンもいる。意図して推し始めたというより、「気がついたら好きだった」と表現したくなる不思議な距離感が、こいしならではの人気の形と言えるだろう。

◆ グッズ・イラスト・音楽を通じた愛着の深まり

こいしはグッズやイラスト、音楽など、さまざまなメディアを通じてファンと出会う機会が多いキャラクターでもある。グッズ化された際には、ぬいぐるみやフィギュアなどで可愛らしい姿が立体化され、その造形からこいしの雰囲気がより身近に感じられるようになる。イラストでは、公式の雰囲気を踏まえたものから、独自解釈によって年齢感や雰囲気を変化させたものまで、多様なこいしが描かれており、見るたびに「自分はどんなこいしが好きか」を再確認するきっかけになる。音楽面では、前章で触れたような膨大なアレンジ曲を通じて、「音としてのこいし」に愛着を抱くファンも多い。こうした視覚・聴覚の両面からのアプローチによって、こいしというキャラクターはゲーム画面の中だけに留まらず、日常生活の中にも溶け込んでいく。机の上に置いたグッズや、通勤通学中に聴くプレイリストの中で自然と存在感を放ち、気がつけば生活の一部になっている――そんなふうにして、こいしへの愛着は時間をかけてゆっくりと深まっていくのである。

◆ 「救い」を望む声と、「このままでもいい」と感じる声

こいしに対するファンの感想は、しばしば「彼女に救いがあってほしい」という願いと、「無意識のまま自由に漂っている姿も魅力的だ」という受け止め方に分かれる。前者は、心を閉ざした経緯を重く受け止め、いつか彼女が再び誰かと強く結びつけるようになる物語を望む立場であり、姉との和解や新たな友人との出会いなど、温かい未来像を想像する傾向にある。一方、後者は、こいしの「束縛されない自由さ」や「誰とも深く結びつかない浮遊感」そのものを肯定し、無意識のまま世界を渡り歩く姿を、美しくさえ感じている立場だ。どちらの見方にもそれぞれの正しさがあり、どちらが公式に近いというわけでもない。むしろ、この両方の感覚が併存していること自体が、こいしというキャラクターの多面性と奥行きを物語っている。ファンは、自分が今どちらの感覚に近いのかを自覚しつつ、時期によってその比重が揺れ動いていくのを楽しんでいるのかもしれない。

◆ まとめ――「無意識の人気者」という、こいしならではの立ち位置

総じて、古明地こいしの人気と感想を整理すると、「無意識を操るキャラクターが、ファンの心にも無意識に入り込んでいる」という、一見冗談のようで実は本質を突いた状況に行き着く。強烈なカリスマ性で一気に人を惹きつけるタイプではなく、設定、音楽、弾幕、二次創作、グッズといったさまざまな要素を通じて、じわじわと存在感を増していくタイプのキャラクターであり、その過程そのものがこいしのテーマ性と重なっている。かわいさとこわさ、自由さと孤独、救いと停滞――相反する要素をすべて抱え込んだ複雑な存在だからこそ、多くのファンが自分なりのこいし像を心に描き、それを大切にし続けているのだろう。彼女に対する感想は、シンプルな一言では到底言い表せない。しかし、それこそが、「古明地こいし」というキャラクターの魅力を物語る何よりの証拠なのかもしれない。

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■ 二次創作作品・二次設定

◆ 二次創作の世界でますます広がる「こいし像」

古明地こいしは、公式設定だけでも十分に奥行きのあるキャラクターだが、二次創作の世界ではそこからさらに枝分かれした多種多様な「こいし像」が生み出されている。無意識を操るという抽象度の高い能力、姉との複雑な関係、地底と地上をふらふら渡り歩く自由さと孤独さ――これらの要素は、物語を考える創作者にとって非常に扱いやすい素材であり、日常系のほのぼのとした作品から、心理描写主体のシリアス、怪談めいたホラー、さらにはSFや現代ドラマ風のアレンジまで、あらゆるジャンルに自然と馴染んでしまう。その結果、こいしが中心となる二次創作はジャンルもテイストも幅広く、「どのこいしが一番『正しい』」と決めることができないほど多様な解釈が共存している。読者や視聴者は、その中から自分の感性に合うこいしを見つけ出し、「自分だけのこいし像」を心の中で育てていくことができるのだ。

◆ 性格解釈の広がり――無邪気系・闇深系・哲学系こいし

二次設定で特に幅があるのが、こいしの性格の描かれ方である。公式で示されているのは「無意識でふらふらと歩き回る、掴みどころのない少女」という大枠だが、そこから二次創作では様々な成分が強調されていく。明るくてイタズラ好き、事の重大さを理解しないまま周囲を巻き込む「無邪気系こいし」は、ギャグや日常系作品でよく見られる形で、読者を笑わせつつ、どこか憎めない愛嬌を放っている。一方、「心を閉ざした過去の重さ」や「誰にもちゃんと覚えてもらえない孤独」が前面に出された「闇深系こいし」も人気で、シリアスや心理ドラマでは、彼女の何気ない言動に痛々しさや悲哀がにじむ。さらに、人間や妖怪を一歩引いた視点から観察する「哲学系こいし」の描写もあり、世界や感情について独特の言葉を紡ぐ、どこか達観したキャラクターとして扱われることもある。これらは互いに矛盾しているようでいて、どれも公式の設定から導き出せる可能性の一つであり、ファンは作品ごとに違う「面」を見ながら、こいしの多面性を楽しんでいる。

◆ 姉妹関係を中心に据えた二次ストーリー

こいしの二次創作で特に人気の高い題材が、姉・古明地さとりとの関係性を掘り下げる作品である。第三の目を閉ざし姿を消した妹と、それでもなお家族として心配し続ける姉――という構図は、それだけでドラマチックな物語の土台となる。二次創作では、こいしの視点から「なぜ心を閉ざしたのか」「姉のことを本当はどう思っていたのか」を語る作品や、さとりの視点で「妹を失った喪失感」「どう接していいか分からないもどかしさ」が描かれる作品など、様々なアプローチが試みられている。多くのストーリーでは、二人が少しずつ歩み寄り、こいしが無意識の世界から半歩だけ現実に戻ってくるような展開が用意されるが、必ずしも完全な和解やハッピーエンドにこだわらない作品も多い。お互いに不器用なまま、少しだけ距離が縮まったところで物語を終えるケースもあり、その曖昧さはむしろこいしらしい余韻を生む。読者は、「この先も二人の時間は続いていくのだろう」と想像しながらページを閉じることになる。

◆ ホラー・サスペンス系でのこいし――「気づかれない恐怖」の具現

こいしの無意識に関わる能力は、ホラーやサスペンス系の二次創作でも非常に映えるモチーフとなっている。たとえば、「気づいたときには傍に立っている」「何度も視界に入っているはずなのに、どうしても顔が思い出せない」といった描写は、日常がじわじわと侵食されていくタイプの怖さを演出するのにぴったりだ。ある作品では、登場人物たちが奇妙な既視感に悩まされ、「ここには誰かがいたはずだ」と感じながらも、その「誰か」を最後まで思い出せないまま物語が進む。その影の正体がこいしであると明かされたとき、読者は「恐怖」と同時に「もしかしたら自分の世界にもこいしのような存在がいるかもしれない」という感覚に襲われる。こうしたホラー寄りの二次創作では、こいしは必ずしも悪意ある怪物として描かれるわけではない。むしろ、本人は遊び半分で人々の意識の外側を歩いているだけで、その存在が結果的に怪談のような恐怖を生み出してしまう、という構図が多い。その曖昧な立ち位置が、「ぞっとするのにどこか愛おしい」独特の雰囲気を作品にもたらしている。

◆ コメディ・日常系作品での自由奔放なトラブルメーカー

一方で、こいしはギャグ・日常系の二次創作では非常に使いやすい「トラブルメーカー」として重宝されている。意識せずに人の家に入り込んだり、気づいたら神社の賽銭箱の中を覗いていたり、人里の屋台を無意識のうちに手伝っていたりと、「なぜそこにいるのか分からない」登場の仕方はコメディとの相性が抜群だ。周囲のキャラクターたちは最初こそ驚くものの、何度も似たようなことが起こるうちに「またこいしか」と半ば諦めたような対応をするようになり、それが日常の一部として定着していく。こいし自身は自覚なく空気を乱しつつも、結果的には場が明るくなったり、停滞していた人間関係が動き出したりすることも多く、「混沌を呼ぶが、決して後味は悪くない」存在として描かれることが多い。こうした作品では、こいしの闇や孤独はあえて深く掘り下げず、あくまで「自由気ままな地霊殿の妹」としての面が前面に出されることが多いが、それでもふとした表情や一言に、どこか切なさを感じさせる描写が差し込まれることもあり、そのワンシーンが読者の心に強く残ることも少なくない。

◆ 友情・恋愛・家族愛など感情を掘り下げる二次設定

二次創作では、こいしを中心に据えた友情や恋愛、家族愛の物語も数多く描かれている。無意識ゆえに他者との距離感が独特なこいしに、誰かが根気強く関わり続けることで、少しずつ心が動いていく様子を描いた作品は、ジャンルを問わず高い人気を誇る。恋愛寄りの解釈であれば、「こいしをはっきりと意識し続けられる希少な相手」との関係がテーマになり、その特別さがロマンチックな雰囲気を生む。一方、家族愛を重視した作品では、姉妹や地霊殿のペットたちとのやり取りを通じて、「無意識の殻越しに伝わってくる温かさ」が描かれることが多い。友情をテーマにした話では、こいしと似たように孤独やトラウマを抱えたキャラクターが登場し、互いにうまく言葉にできないまま、それでも少しずつ寄り添っていく過程が丁寧に描かれる。これらの作品では、「こいしが完全に『治る』わけではない」終わり方を選ぶケースも多く、読者は彼女の不完全さを含めて受け入れることになる。その優しい余韻は、こいしというキャラクターへの愛着を一層深めてくれる。

◆ 外の世界・現代社会に置き換えたパロディ・IF設定

こいしは、その抽象度の高い設定ゆえに、現代日本や異世界など、幻想郷以外の舞台に移し替えたパロディ・IF作品にも頻繁に登場する。たとえば、学校や職場を舞台にした現代ドラマ風の作品では、「クラスメイトなのに誰も名前を覚えていない」「同じ会社にいるのに、顔と名前が一致しない」といった形で無意識の能力が表現される。SNSやインターネット文化と絡めた設定では、「タイムラインに確かに現れていたのに、気づくと投稿が見当たらない」「フォローしているはずなのに、いつの間にかリストから消えている」など、現代的な「認知のズレ」と結びついて描かれることもある。外の世界系IFでは、こいしの能力が都市伝説やオカルト番組の題材として扱われ、「誰にも気づかれない少女」の噂が広まっていく、といった物語も生まれている。こうした作品は、こいしのコンセプトを現実の文脈に重ね合わせることで、読者自身の日常にも「もしかしたら……」という余韻を残し、キャラクターの存在感をより身近なものにしている。

◆ 能力の拡張・アレンジとしての二次設定

二次設定の中には、こいしの能力をより分かりやすく、あるいはさらに極端な形に拡張して描くものも少なくない。例えば、「こいしと一定時間以上一緒にいると、その記憶が夢のように曖昧になっていく」「こいしの近くにいる時間が長いほど、その存在を思い出すのが難しくなる」といったルールが付け加えられ、ストーリーの中で重要なギミックとして扱われる場合がある。また、逆に「特定の人物だけはこいしを強く認識し続けることができる」という設定を足し、その理由を探っていくミステリー仕立ての作品も存在する。能力そのものを戦闘表現に落とし込んだ二次創作では、「プレイヤーの操作と逆方向に動く弾幕」「視線を向けた方向とは別の場所で攻撃が激しくなる」といったゲーム的なアレンジが加えられ、こいし戦ならではのトリッキーさが強調される。これらの拡張設定は、公式に明言されているわけではないが、「無意識を操る」という核から自然に導かれた発想であり、多くのファンが「こういうこいしもあり得る」と受け入れながら楽しんでいる。

◆ イラスト・MMD・音楽動画での「表情」のバリエーション

二次創作は文章だけにとどまらず、イラストや3Dモデル、音楽動画など、視覚・聴覚に訴える形でも盛んに行われている。イラストでは、笑顔で無邪気に跳ね回るこいし、闇の中で静かに佇むこいし、姉と寄り添って微笑むこいし、涙をこらえるような表情のこいしなど、様々な感情が描き分けられており、見る側は「今日はどのこいしの気分かな」と、その日の自分の心境に合わせて作品を選ぶこともできる。MMDなどの3Dアニメーションでは、テーマ曲やアレンジ曲に合わせてこいしが踊ったり、幻想郷の仲間たちと共演したりする動画が多く制作されている。そこでは、原作では見られないコミカルな動きや、スタイリッシュなダンスなど、また別の魅力が引き出されている。音楽動画では、前章で触れたボーカルアレンジに歌詞やストーリー性を持たせ、こいしの内面や過去を想像させる映像が付けられることも多い。こうした作品群は、こいしというキャラクターを「読む」だけでなく、「見る・聴く」存在として立体的に感じさせてくれ、二次設定をより感覚的に受け取る入り口にもなっている。

◆ 公式と二次創作のあいだで揺れ続ける「こいし」

総じて、二次創作における古明地こいしは、公式設定という土台の上に無数の解釈が積み重なった、多層的な存在だと言える。公式のこいしが持つ「無意識」「心を閉ざした過去」「姉との距離」といったキーワードは、二次創作者たちの手によって様々な物語へと姿を変え、時に公式では描かれないほど深く彼女の心に踏み込んでいく。読者や視聴者は、そうした二次設定を通じてこいしの新たな一面に触れ、また公式作品に戻って彼女を見るときに、以前とは違った感情を抱くようになる。言い換えれば、こいしは公式と二次創作のあいだを揺れ動き続けることで、その魅力を増幅させてきたキャラクターなのだろう。どの解釈も決定版ではなく、常に「これも一つのこいし」という可能性の形として並び立っている。その曖昧さと自由さこそが、無意識の妖怪である彼女らしい在り方であり、これからも多くの創作者とファンの心の中で、新たなこいしが生まれ続けていくに違いない。

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■ 関連商品のまとめ

◆ 多彩に展開される古明地こいし関連グッズの全体像

古明地こいしに関するグッズ展開は、いわゆる「公式ライセンス商品」と、同人サークルや個人クリエイターが制作する「ファンメイドグッズ」の二本立てで広がっている。シリーズ全体がそうであるように、こいしもまたゲーム本編の人気と二次創作の盛り上がりが相乗効果を生み、時間の経過とともにじわじわとアイテム数が増えてきたキャラクターだ。フィギュアやぬいぐるみ、アクリルスタンド、ラバーストラップといった立体・半立体系のアイテムから、タペストリー、クリアファイル、ポストカード、同人誌に付随するオマケグッズまで、その形態は非常に多彩である。こいしはデザインそのものが視覚的に分かりやすいモチーフに富んでおり、帽子、コード、閉じた第三の目、緑と黄色を基調とした衣装といった要素が、どのグッズになってもキャラクター性を損なわずに落とし込めるため、グッズ映えしやすいキャラクターだと言える。結果として、「東方グッズ売り場を眺めていたら、気づいたらこいしのアイテムが目に止まっていた」というファンの体験談も多く、視覚面からのアプローチによって新たなファンを惹きつける入口にもなっている。

◆ フィギュア・ねんどろいど系――立体化で際立つこいしのデザイン

立体物の中核を成すのが、スケールフィギュアやデフォルメ系フィギュア、ねんどろいど風のちびキャラなどである。こいしのフィギュアは、ふわりと広がるスカートや揺れるコード、帽子のつばの形状など、動きのあるデザインが多く採用され、「今まさにふらりと歩き出そうとしている瞬間」を切り取ったようなポーズが定番となっている。笑顔で片足を軽く上げたもの、首をかしげて不思議そうにこちらを覗き込むもの、やや不穏な微笑みを浮かべているものなど、表情のバリエーションも豊かで、同じこいしでもシリーズやメーカーによって印象がガラリと変わるのが面白いところだ。デフォルメ系では、丸みを強調したシルエットと大きな瞳が可愛らしさを前面に押し出し、机の上やPC横に置いても邪魔にならないサイズ感でファンの生活空間に溶け込んでいる。フィギュアは価格帯が比較的高めになるが、その分造形や塗装にこだわりが感じられるものが多く、「こいし推しとして一つは持っておきたい象徴的なアイテム」として位置づけられている。

◆ ぬいぐるみ・クッション――「抱きしめられるこいし」としての人気

こいしの柔らかなイメージを最大限に活かしたカテゴリが、ぬいぐるみやクッション系のグッズである。デフォルメされたボディに、トレードマークの帽子とコードを簡略化してあしらったぬいぐるみは、抱きしめやすいサイズ感のものから、キーホルダーとしてカバンに付けられるミニサイズのものまで様々なバリエーションが存在する。表情も、にっこり笑顔タイプや、少しとぼけた顔、眠たそうな顔など複数パターンが展開されており、ファンは自分の好みに合った「うちのこいし」を選ぶ楽しさを味わえる。また、こいしのカラーパレットに合わせたクッションや座布団、ブランケットなども見られ、部屋の一角をこいしカラーで統一するようなコーディネートも可能だ。こうした布ものグッズは、日常生活の中で自然に使える実用性を持ちながら、ふと目に入るたびにキャラクターを意識させてくれるため、長期的な愛着につながりやすいカテゴリでもある。

◆ アクリルスタンド・ラバーストラップ・キーホルダーなどの携帯系グッズ

気軽に収集しやすく、ラインナップも豊富なのがアクリルスタンドやラバーストラップ、メタル・アクリル製のキーホルダー類だ。アクリルスタンドは、イラストの魅力をそのまま小さな「立てて飾れるパネル」として楽しめるのが最大の特徴で、公式絵風のものから、同人作家が描き下ろしたイラストを用いたものまで、多彩な表情のこいしがラインナップされている。姿勢やポーズも、弾幕ごっこ中の躍動感あるもの、カフェでくつろいでいるもの、姉や他キャラクターとのツーショットなどさまざまで、机上にちょっとした「小さなジオラマ世界」を作る感覚でコレクションできる。ラバーストラップやキーホルダーは、カバンやポーチ、鍵束などに付けやすく、普段使いしやすい耐久性と価格帯が魅力だ。複数のキャラクターを揃えてストラップリングにじゃらじゃら付け、その中にこいしを一つ紛れ込ませる、という楽しみ方をしているファンも多い。こうした携帯系グッズは、イベントや通販で新作が出るたびに少しずつ買い足していけるため、「気づけばこいしグッズの割合が増えていた」という事態を招きがちな、ある意味危険なカテゴリでもある。

◆ ポスター・タペストリー・クリアファイルなどのビジュアル系アイテム

こいしの印象的なビジュアルを大きく楽しめるのが、ポスターやタペストリーといった壁掛け系グッズである。閉じた第三の目やコードを大胆に構図に取り入れたイラストは、B2サイズ前後のタペストリーになることで迫力を増し、部屋の空気を一気に「こいし空間」に変えてしまうほどの存在感を放つ。背景に地霊殿内部や地底世界を描いたもの、幻想的な光や花びらを散りばめたもの、都市の夜景や抽象模様と組み合わせたアレンジ系デザインなど、テーマもさまざまで、ファンの好みに応じて選ぶ楽しさがある。また、より手軽なアイテムとして人気なのがクリアファイルやポストカード類で、イベント会場などでは新刊やCDとセットで頒布されることも多い。クリアファイルは実際に書類やプリントを収納する実用品としても使えるため、学校や職場でもこっそりこいし好きをアピールしたいファンに重宝されている。ビジュアル系グッズは場所を取る面もあるが、そのぶん「部屋に飾って眺める楽しさ」がダイレクトに味わえるカテゴリと言える。

◆ 音楽CD・アレンジアルバムにおけるこいし関連タイトル

こいしは、前章で触れたように楽曲面での存在感が非常に大きいキャラクターであり、その影響はグッズとしての音楽CDにも及んでいる。「ハートマンの妖怪少女」や「Last Remote」のアレンジを収録したCDは数え切れないほど存在し、ジャケットにこいしが大きく描かれたタイトルも少なくない。中には、こいし関連の楽曲やその周辺をテーマにしたコンセプトアルバムもあり、一枚を通して聴くことで「こいしの物語」を音楽で追体験できる構成になっているものもある。ボーカルアレンジCDでは、歌詞や曲調を通じてこいしの心情が多角的に表現されており、聴き込むほどに新しい解釈が浮かび上がるのが魅力だ。こうした音楽CDは物理的なディスクという側面でもコレクション性が高く、ジャケットアートやライナーノーツ、ブックレット内のイラストなど、視覚的にも楽しめる要素が詰まっている。音楽をきっかけにこいしを深く知っていくファンも多く、関連CDは「聴くグッズ」として大きな役割を果たしている。

◆ 同人誌・ストーリー本とセットになった特典グッズ

東方界隈ならではの特徴として、同人誌を中心に展開されるこいし関連の二次創作本も、広い意味での「関連商品」として重要な位置を占めている。こいしを主人公や主要人物に据えた漫画・小説・イラスト集は数多く、イベントや通販で頒布される際には、ポストカード、しおり、小さな缶バッジやアクリルキーホルダーといった特典が付くことも珍しくない。これらのグッズは単体での再販が行われないことも多く、その本を手に入れた人だけが所有できる「その作品の象徴」として機能する。内容的にも、表紙イラストと連動したデザインや、物語中の印象的なシーンを切り取った図案が使われることが多く、その作品世界を思い出すきっかけになる。こいしを題材にした同人誌は、シリアスからギャグ、日常系、ホラーまでジャンルの幅が広く、冊数を重ねるごとに自然と「こいし棚」ができていくファンも少なくない。紙の本と小さな特典グッズの組み合わせは、デジタル配信では味わえない「手元に残る体験」として、こいしファンの収集欲を刺激し続けている。

◆ アパレル・日用品への展開――さりげなく身に着けるこいし

近年では、Tシャツやパーカー、トートバッグ、マグカップ、スマホケースなど、日用品やアパレル系へのこいしモチーフの展開も増えてきている。全面に大きくイラストがプリントされたインパクト重視のデザインだけでなく、第三の目やコード、帽子のシルエットなどをワンポイント風にあしらった、さりげない図案も人気だ。これにより、「あまり露骨なキャラものは身に着けにくい」というファンでも、日常使いしやすいアイテムを選ぶことができる。トートバッグやサコッシュは、イベント参加時の戦利品を入れる「こいしバッグ」として活躍し、マグカップやグラスは自宅での休憩時間に自然と視界に入る「こいしスポット」を作り出す。スマホケースやステッカー類は、日常的に触れる持ち物を通じてこいしへの愛着を確認できるツールとして機能しており、「画面をオンにするたびにこいしと目が合う」といった体験を提供してくれる。アパレルや日用品系グッズは、単なるコレクションに留まらず、「好きなキャラと一緒に暮らす」感覚を日常に持ち込むための橋渡し役となっている。

◆ 関連商品の傾向と、こいしならではの魅力

こうして全体を俯瞰すると、古明地こいし関連の商品は、立体物・布物・アクリル・紙媒体・音楽・アパレルと、多方面に広がりながらも、「ビジュアルの分かりやすさ」と「解釈の奥行き」という二つの軸で一貫した魅力を持っていることが分かる。緑と黄色を基調としたカラフルなデザインはグッズになったときに非常に映えやすく、どんな素材でも「ひと目でこいしと分かる」アイコン性を発揮する。一方で、彼女の内面や能力、物語性を反映させたデザインも多く、第三の目やコードの扱い方次第で、かわいらしくも不穏にも、切なくもポップにも表現できる柔軟さがある。そのため、同じこいしグッズを並べても、作品ごとにまったく違う世界観を纏っていることが多く、コレクションするほど多様性が増していくのも特徴だ。ファンにとってこいし関連商品は、単なる「キャラクターグッズ」を超え、自分の解釈や好みを反映させながら集めていく楽しみの対象となっており、その過程そのものがこいしというキャラクターとの対話のような時間になっていると言えるだろう。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

◆ 古明地こいしグッズの中古市場全体の傾向

古明地こいしに関連したグッズの中古市場は、東方シリーズ全体の人気と歩調を合わせつつも、キャラクター固有の需要が色濃く反映された動きを見せている。作品の性質上、生産数の限られた同人グッズやイベント限定品が多く、発売から時間が経つほど新品入手が難しくなるため、オークションサイトやフリマアプリ、同人中古ショップなどがこいしファンにとって重要な入手ルートになっている。特に、出来の良いフィギュアや印象的なイラストを用いたタペストリー、人気サークルが手がけた同人誌・音楽CDなどは、一度市場から姿を消すと再販の見込みが薄く、中古市場に流れてきた際に集中的な入札・購入希望が入ることも珍しくない。一方で、量産された安価な雑貨類や、流通量が多いアイテムは価格が落ち着きやすく、「とりあえずこいしグッズを増やしたい」層に向けて、比較的手の届きやすい価格帯で出回る傾向がある。このように、中古市場におけるこいし関連アイテムは、希少性とファン人気のバランスによって価値が大きく揺れ動く、変化の大きいカテゴリーだと言える。

◆ フィギュア・ねんどろいどなど立体物の中古相場と特徴

立体物カテゴリーに属するフィギュアやデフォルメ系フィギュア、ねんどろいど風のアイテムは、中古市場でも特に注目されやすいジャンルである。発売当初から人気の高かった商品は、箱付き・美品であれば発売価格と同程度、あるいはそれ以上の水準で取引されることもあり、再販がないまま時間が経過するとじわじわと値上がりするケースも少なくない。特に、こいしの特徴的なポーズや表情を上手く立体化したアイテムは、「この造形だからこそ欲しい」と指名買いされることが多く、相場が下がりにくい傾向がある。一方、箱にダメージがある個体や、細かな塗装ハゲ・パーツ欠品があるものは、やや値引きされた価格で出品されることが多いが、「とにかく飾れればよい」「自分で補修するから気にならない」といったユーザーにとっては狙い目になる。プレミア化が進んだフィギュアでは、オークション形式で複数の入札者が競り合い、相場以上の価格で落札される瞬間も見られ、こいしの人気の高さを象徴する光景となっている。

◆ ぬいぐるみ・クッション類の需要と中古での動き

ぬいぐるみやクッション系のアイテムは、その性質上、一度手に入れたファンが手放しにくいカテゴリであるため、中古市場に流通する絶対数がそこまで多くない傾向がある。特に、イベント限定で頒布されたこいしぬいぐるみや、ある程度の知名度を持つメーカーが手掛けたシリーズものの一体としてのこいしは、状態が良好なものほど市場に出る頻度が低く、「見つけたときが買い時」となりやすい。使用感の少ない個体や、タグ付き・未開封の個体は、元の価格に対してやや高めの値付けがされるケースもあるが、それでも「もう新品では手に入らない」という心理が働き、すぐに売れてしまうことも多い。逆に、多少の毛羽立ちや日焼けが見られる個体は、価格が抑えられやすく、「実用前提で愛でたい」ユーザーには手を出しやすいラインとなる。布系グッズは状態によって評価が大きく分かれるため、出品者の写真・説明の丁寧さが価格にも影響するカテゴリだと言える。

◆ アクリルスタンド・ストラップ・雑貨類の中古取引事情

アクリルスタンドやラバーストラップ、キーホルダーなどの雑貨類は、もともとの価格帯が比較的手頃なうえ、シリーズとして大量に発売されることも多いため、中古市場ではアイテムごとの差が大きく出やすいジャンルである。特典として少部数のみ配布されたものや、人気イラストレーターの描き下ろしイラストが使われたものなどは、需要が集中しやすく、発売当時と変わらないか、場合によってはそれ以上の価格で取引されることもある。一方で、汎用的なデザインの量産品は、まとめ売りやセット出品などで相場が下がることも多く、「数を揃えて飾りたい」「カバンやポーチをこいしだらけにしたい」といったコレクターにとっては嬉しい状況となる。中古の雑貨類を探す際には、一点狙いで高めの価格に挑むか、比較的安価なセットから少しずつバリエーションを増やしていくか、自分の収集スタイルに合わせた戦略が求められる。

◆ 同人誌・音楽CDなど紙・ディスク媒体の中古市場

同人誌や同人音楽CDは、そもそも初版数が限られており、再版もサークルの事情に左右されるため、一度頒布が終了すると長く市場に出回らないことがある。こいしをメインテーマに据えた作品は、シリアスからギャグ、音楽まで幅広く存在し、その中でも評判の高いタイトルや人気サークルの作品は、中古市場で安定した需要を持ちやすい。状態の良い同人誌は、頒布当時の価格に近い金額、あるいは絶版人気作としてやや高めに設定されることが多いが、多少の角折れやスレがあっても内容重視で購入されるケースも多く、「読みたい作品を手に入れる場」として中古市場が機能している。同人音楽CDに関しては、配信では聴けない曲や、ブックレットのアートワークまで含めて楽しみたいファンにとって欠かせない存在であり、こいし関連の楽曲をまとめて収録したアルバムなどは、時間が経つほどに探す人が増える傾向にある。中古ショップやネットオークションで、偶然探していたタイトルを見つけたときの喜びは、コレクターにとって何度経験しても新鮮なものだ。

◆ 需要の波とプレミア化しやすいアイテムの傾向

古明地こいし関連の中古相場は、決して一定ではなく、さまざまな要因によって波のように上下する。再評価のきっかけになるのは、新たな公式作品やグッズ展開、人気の二次創作作品の登場、話題になった音楽アレンジや動画などが挙げられる。こうした出来事によってこいしへの注目が高まると、関連グッズを一気に集め始めるファンが増え、中古市場での需要が跳ね上がることがある。特にプレミア化しやすいのは、元々の生産数が少ないアイテム、限定頒布品、有名クリエイターの手掛けたコラボグッズ、出来の良さで話題になったフィギュアやタペストリーなどだ。これらは、こいしファンだけでなくクリエイターのファンや、造形・イラスト自体が好きな層からも狙われるため、相場が崩れにくく、長期的に高値を維持しやすい。一方で、再販や類似コンセプトの新作が出ると、相場が落ち着くこともあり、中古市場は常に「今何が求められているか」を映し出す鏡のような役割を果たしている。

◆ オークション・フリマで購入する際のポイントと注意点

こいしグッズを中古で集める際には、オークションサイトやフリマアプリの特性を理解しておくことが重要になる。オークション形式では、出品者が低めのスタート価格を設定していても、終了間際に入札が集中して一気に価格が跳ね上がることがあり、「予算を決めて冷静に見極める」姿勢が求められる。フリマ形式では、即購入が可能である一方、値下げ交渉やセット購入の提案など、コミュニケーション次第でお得に入手できる場合もある。いずれの場合も、商品の状態説明と写真はよく確認し、傷・汚れ・欠品の有無、箱や付属品の有無などを把握してから判断することが大切だ。また、人気キャラクターゆえに稀に無断転載イラストを用いたグッズや、公式ライセンスを装った非正規品も混ざる場合があるため、出品者の評価や過去の取引履歴を参考に信頼性を見極めることも欠かせない。中古市場は掘り出し物に出会える一方で、勢いだけで飛びつくと後悔することもあるため、「こいしだからこそ大事に長く付き合えるかどうか」を考えたうえで選ぶと、満足度の高いコレクションが築きやすくなる。

◆ 売却を検討するファン側の視点――手放すときに意識したいこと

逆に、手元のこいしグッズを手放したいと考えるファンにとっても、中古市場は重要な選択肢となる。引っ越しや生活環境の変化でコレクションを整理する場合や、別のアイテムを購入する資金に充てたい場合など、理由は様々だが、せっかく手放すなら「こいしを好きな誰かの手に渡ってほしい」と願う人も多いだろう。その際には、写真をできるだけ多く、明るい環境で撮影し、傷や汚れがあれば正直に記載することが大切になる。状態が良いことはもちろん評価につながるが、多少のダメージがあっても「長く飾っていたお気に入りだった」といったエピソードが添えられていると、買い手側もそのグッズに込められた思いを感じ取りやすい。希少性の高いアイテムの場合は、過去の落札・販売履歴を参考に価格を設定しつつ、必要以上に高値を目指しすぎないバランス感覚も重要だ。こいしを愛するファン同士でグッズが循環していくことは、キャラクター文化全体の活性化にもつながっており、「手放すこと」もまた一つの応援の形だと考えることができる。

◆ コレクションと中古市場の関わり――長く楽しむための付き合い方

古明地こいしに関連した中古市場は、単に「物を売り買いする場」ではなく、ファン同士が間接的に交流する場でもある。ある人にとっては卒業となるグッズが、別の人にとっては新たな宝物として迎え入れられ、そこからまた新しい思い出が紡がれていく。その循環の中で、こいしというキャラクターは時間とともに形を変え、さまざまな家庭や生活空間の一部になっていく。コレクターにとっては、相場の上下や希少性に一喜一憂する瞬間もあるが、最終的には「自分が心から気に入ったこいしグッズと一緒にいられるかどうか」が一番大切な指標になるだろう。中古市場を上手く活用すれば、限られた予算の中でも、自分だけのこいしコレクションを少しずつ充実させていくことができる。プレミアアイテムを追い求めるもよし、気軽な雑貨を増やして日常を彩るもよし、そのスタイルは人それぞれだ。重要なのは、どのような形であれ、「古明地こいしが自分の生活の中にいてくれること」を楽しめる環境をつくることであり、中古市場はそのための強い味方になってくれる存在だと言える。

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