【発売】:コナミ
【対応パソコン】:MSX/MSX2 など
【発売日】:1989年1月27日
【ジャンル】:シューティングゲーム
■ 概要・詳しい説明
『ゴーファーの野望 エピソードII』とは――MSX版グラディウスの集大成として登場した横スクロールシューティング
『ゴーファーの野望 エピソードII』は、コナミがMSX向けに送り出した横スクロールシューティングゲームで、日本では1989年1月27日に発売された作品である。対応環境はMSXおよびMSX2で、基本的にはMSXで動作するよう設計されながら、MSX2で起動した場合にはパレット機能を利用した色表現などが加わるという特徴を持っている。海外では『Nemesis 3: The Eve of Destruction』のタイトルで知られており、日本国内と海外ではシリーズの捉え方やタイトル表記がやや異なるのも興味深いところである。
題名だけを見ると、アーケードで人気を博した『グラディウスII -GOFERの野望-』をそのままMSXへ移植したゲームのように感じられる。しかし実際の内容は、一般的な意味での完全移植とは大きく異なる。アーケード版から人工太陽を思わせるステージ、複数の装備タイプを選択するシステム、宿敵ゴーファーといった要素を受け継ぎながらも、ステージ構成、物語、敵キャラクター、追加武装、ゲーム進行などの大部分はMSX向けに独自構築されている。そのため、アーケード版『グラディウスII』の家庭用縮小版と考えるよりも、「アーケード版のアイデアを取り込みながら、それまでMSXで展開されてきた独自グラディウス世界を完結させた新作」と理解したほうが実態に近い。
MSXではすでに『グラディウス』『グラディウス2』『沙羅曼蛇』といった作品が発売されていた。特に『グラディウス2』以降は、アーケード版を単純に再現するのではなく、MSXならではの物語、キャラクター、装備成長、隠し要素を重視する方向へ発展している。本作はその流れを引き継ぎながら、武装選択、追加装備、キーアイテム探索、分岐する結末などを組み込み、シリーズの締めくくりにふさわしい規模へ拡大しているのである。
アーケード版『グラディウスII』とは別作品に近い大胆な構成
本作を理解するうえで重要なのは、「ゴーファーの野望」という名称に惑わされないことである。確かにアーケード版『グラディウスII -GOFERの野望-』とのつながりを感じさせる要素は多い。ゲーム開始前に複数の装備タイプから好みの構成を選択できる仕組みや、冒頭から巨大な恒星を思わせる灼熱のステージへ突入する展開などは、その代表例である。しかしゲームを進めていくと、内容そのものはMSX独自色が非常に濃いことが分かる。
ステージは全10面という大規模な構成で、人工太陽、植物、重力空間、歴代ボスとの再戦、モアイ地帯、危険な障害物が連続する空間、砂漠、生命体内部を思わせる細胞地帯、巨大工場、最終決戦の巨大艦と、場面ごとに明確なテーマが与えられている。背景を眺めながら同じ敵を倒し続けるだけではなく、ステージごとに攻略方法そのものを変えなければならない点が大きな特徴だ。
とりわけ重力を利用したステージは、本作を象徴する仕掛けの一つといえる。自機が一定方向へ流される状況の中で地形や敵弾を回避する必要があり、通常のグラディウスとは異なる操作感を生み出している。また歴代作品を意識したボスラッシュは、MSX版シリーズを遊び続けてきたプレイヤーにとって一種の総決算となる場面であり、単なる懐古要素に終わらずゲーム全体の盛り上がりにもつながっている。
4タイプの機体装備と追加武装が生み出す高いカスタマイズ性
ゲームシステムの中心となるのは、シリーズ伝統のパワーアップ方式である。敵編隊や特定の敵を倒してパワーカプセルを獲得し、画面下部のパワーアップゲージを進め、必要な装備を選択して強化していく基本構造は『グラディウス』から受け継がれている。しかし本作では、そこへアーケード版『グラディウスII』型の装備タイプ選択と、MSX版『グラディウス2』で発展した追加武装システムを組み合わせている。
開始時には性能の異なる複数の装備タイプを選択でき、ミサイル系統、ダブル系統、レーザー系統などに違いが用意されている。プレイヤーは単純に「最も攻撃力が高い機体」を選ぶのではなく、ステージ地形や自分の戦い方に合わせて構成を考える必要がある。敵の上下配置に対応しやすいタイプ、前方への火力を重視したタイプ、広範囲を攻撃しやすいタイプなど、それぞれに長所と弱点があるため、同じステージでも装備タイプを変えるだけで攻略感覚が変化する。
さらに重要なのが、ゲーム中で見つける特殊武装である。通常のパワーアップだけでは使用できない装備が隠されており、それらを獲得することで攻撃手段が段階的に増えていく。上方向や下方向へのレーザー、特殊なミサイル、独特の軌道や攻撃範囲を持つレーザーなど、一般的なグラディウス作品では見られない武器が多数用意されている。
ディヴィッド・バートンとヴィクセン――時間を越えて描かれるMSX独自の物語
本作が一般的なシューティングゲームと大きく異なる部分の一つが、物語をかなり重視していることである。主人公となるのはディヴィッド・バートン。彼は、MSX版グラディウス世界における伝説的パイロット、ジェイムス・バートンの直系の子孫として設定されている。
ディヴィッドが操縦するのは、新型の亜空間戦闘機「ヴィクセン」。従来シリーズを代表するビックバイパーとは異なる機体であり、本作が単なる過去作の再演ではなく、新しい世代の物語であることを象徴している。ヴィクセンには人工知能コンピューター「ガウディ」が搭載され、戦闘だけでなく物語進行でも重要な役割を担う。
時代はグラディウス暦6809年。バクテリアン軍の本拠地へ攻撃を仕掛けるため、ディヴィッドは完成したヴィクセンで亜空間へと進入する。ところが、その途中で敵軍が通常とは異なる行動を開始したことをガウディが察知する。バクテリアン側は時間を越えて過去へ移動し、後世で英雄となるジェイムス・バートンを若いうちに消し去ることで歴史そのものを書き換えようとしていたのである。
ディヴィッドは敵を追って過去へ向かうことになる。未来の子孫が過去へ戻り、自分の祖先を守るという構図は、当時のシューティングゲームとしてはかなり凝った設定であり、単に敵基地へ乗り込んで最後のボスを倒すだけではない明確な目的をゲーム全体に与えている。
キーアイテムによって変化する進行――撃つだけでは終われないシューティング
『ゴーファーの野望 エピソードII』では、単純に各ステージのボスを倒していれば必ず最良の結末へ進めるわけではない。ゲーム中の特定地点には攻略上重要となるキーアイテムが隠されており、それらを探し出すことが最終局面への重要な条件になっている。
複数のマップに相当するアイテムなどを集めることで物語の核心へ近づき、最終ステージではさらに重要な装置を確保することによって真の結末への道が開かれる。必要なものを見逃した状態では、プレイヤーの期待とは異なる結果を迎える可能性がある。
この仕組みによって、本作には通常のシューティングには少ない探索性が生まれている。初回プレイでは敵弾と地形を避けるだけで精いっぱいになりやすいが、何度も挑戦してステージ構成を覚えると、「この場所には何か隠されているのではないか」と考えるようになる。ゲームオーバーと再挑戦を繰り返すこと自体が攻略情報の蓄積へ変わる構造である。
MSXとMSX2の両方を意識したグラフィックとSCCサウンド
本作はMSXとMSX2の双方で動作するが、MSX2で起動するとパレット機能を利用した色調変化など、一部の視覚表現が強化される。完全なMSX2専用タイトルのように画面構成そのものが大幅に変化するわけではないものの、色の見え方や演出面で細かな違いを感じることができる。
一方で、基本設計がMSXでも動作することを前提としているため、横スクロールはアーケード版ほど滑らかではない。一定単位で背景が移動する独特のスクロール感があり、多数の敵、大型キャラクター、弾、背景処理が集中した場面では処理に負荷がかかり、操作感が重くなることもある。
しかし、その制約を補って余りある魅力がSCC音源によるBGMである。ステージごとに楽曲の雰囲気が大きく変わり、人工太陽の緊迫感、宇宙空間の広がり、異質な生命体内部、巨大艦へ突入する終盤など、ゲーム展開とBGMの組み合わせが強く意識されている。現在でも本作を語る際、SCCサウンドは最大級の評価点として挙げられることが多い。
難易度はシリーズ内では比較的取り組みやすいが決して簡単ではない
MSX版『グラディウス2』や『沙羅曼蛇』と比較すると、本作は比較的遊びやすい難易度に調整されている。パワーカプセルを入手する機会が多く、失った装備を立て直せる場所も用意されているため、一度ミスすると事実上詰みに近くなるような場面はある程度緩和された。
しかし、現代的なゲーム基準で考えれば決して簡単な作品ではない。第1ステージから巨大な炎やプロミネンスによって安全な移動範囲が制限され、第3ステージでは重力に流されながら地形と敵を避けなければならない。さらに後半では狭い地形、大量の敵、特殊攻撃、複雑な障害物が組み合わさり、装備が不十分な状態では一気に苦しくなる。
自機の見た目と実際の当たり判定にも慣れが必要で、特に機体後部を地形へ近づけすぎると、自分では避けたつもりでも接触してしまうことがある。そのため「MSX版グラディウスの中では比較的入りやすい」という表現が適切であり、シューティング初心者向けの低難易度作品という意味ではない。
発売当時の実績と後世で確立された評価
本作について、現在一般に確認できる公開資料では、発売当時の正確な累計販売本数を示す公称データは見つけにくい。そのため具体的な販売数を断定することは避けるべきである。
その一方、本作は後年、PlayStation用『コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1』に収録され、さらにセガサターン用『コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック』にも登場した。その後もダウンロード配信などによって復刻され、MSX実機を所有していない世代でも触れられる機会が作られている。
これは単なる1989年の一作品として忘れ去られたのではなく、「MSX時代のコナミを代表するタイトルの一つ」として後世へ残す価値を認められてきたことを示している。
総じて――「MSXだから縮小されたグラディウス」ではなく「MSXだから生まれたグラディウス」
『ゴーファーの野望 エピソードII』の価値は、アーケード版『グラディウスII』をどれだけ忠実にMSXへ移植できたかという尺度だけでは測れない。むしろ重要なのは、MSXというハードの制約を受け入れたうえで、別の方向へシリーズを進化させたことである。
滑らかなスクロールや大量のスプライトという点ではアーケード基板にかなわない。そこでコナミは、装備の種類、物語性、キーアイテム、隠し武装、ステージギミック、SCCサウンドといった別の魅力を強化した。結果として、同じ『グラディウス』の名を持ちながら、アーケード版とは異なる遊び心地を持った作品が完成した。
全10ステージという豊富な内容、タイプ選択と追加武装を融合したパワーアップシステム、時間旅行を題材にした壮大なストーリー、ヴィクセンとディヴィッド・バートンという新たな主役、ジェイムス・バートンへつながるシリーズ物語、攻略に関係するキーアイテム、真の結末を目指す探索要素、そしてSCCを生かした印象的な楽曲群。本作には、1980年代後半のMSX向けゲームとしては驚くほど多くの要素が詰め込まれている。
■■■■ ゲームの魅力・攻略・好きなキャラクター
最大の魅力――シューティングの腕前だけでは終わらない「育てて探して攻略するグラディウス」
『ゴーファーの野望 エピソードII』の面白さを一言で表現するなら、単純な横スクロールシューティングという枠の中へ「装備を成長させる楽しさ」「秘密を探す楽しさ」「攻略方法を覚える楽しさ」を詰め込んだ作品である。敵編隊を倒してパワーカプセルを集め、ゲージを進めて武器を装着するというグラディウスシリーズ伝統のシステムはそのままだが、本作ではゲーム開始時に4種類の装備タイプを選び、そのうえでステージ内に隠された特殊ポイントを発見することによって、さらに武装を増強できる。
最初から全能力を自由に利用できるわけではなく、何度もプレイしながら「この地形には秘密がありそうだ」「ここへ入り込むと追加装備が見つかるのではないか」と調べ、自機ヴィクセンを完成形へ近づけていく過程そのものが遊びになる。
初挑戦では人工太陽の炎に追い詰められ、第3面の重力に翻弄され、後半の複雑な地形で何度も撃墜される。しかし数回遊んだあとでは、同じ場所を冷静に突破できるようになる。この「プレイヤー自身の経験値が増えていく感覚」が非常に強い。
4種類の装備タイプ――どのヴィクセンを選ぶかで攻略方法が変わる
ゲーム開始時には4タイプの武装構成から一つを選択する。基本的なゲージにはスピードアップ、ミサイル系、ビーム・ダブル系、上下方向を補う特殊武器、レーザー系、マルチプル、シールド系などが並び、ゲームを進めて追加装備を発見すると、さらに選択できる武器が増えていく。
TYPE1はシリーズ経験者に最も理解しやすい構成で、通常ミサイルと正面方向のレーザーを軸に戦える。基本に忠実で癖が少なく、敵配置を覚えていない初回プレイでも扱いやすい。
TYPE2ではフォトンミサイルを使用できる。弾速には独特の癖があるものの威力が高く、特定の障害物攻略にも利用価値があるため、ステージ構成を把握してから使うと面白さが増す。
TYPE3はナパームミサイルとリップルレーザー系が特徴である。ナパームは敵へ当たった際の爆発によって周囲を巻き込みやすく、敵が密集する場面で頼もしい。
TYPE4は2ウェイ系ミサイルとリップル系装備を組み合わせた構成で、地形対応力が高い。床だけでなく天井側にも敵が配置される本作で便利であり、独自色の強い装備を楽しみたいプレイヤーに向いている。
ミサイル、レーザー、マルチプル、バリア――追加武装を使いこなすことが攻略の鍵
本作の武器システムで特に面白いのは、一つの装備カテゴリーがさらに段階的に進化することである。ミサイル系は通常状態から地形へ対応する能力が強化され、さらに誘導能力を備えた段階へ成長する。レーザー系についても通常レーザーだけで終わらず、より強力な攻撃へと変化していく。
また、上下方向を補うアップダブル、ダウンダブル、アップレーザー、ダウンレーザーなども重要である。本作では敵が正面だけから現れるわけではなく、天井・床・斜め方向から狙ってくる場面が多い。正面への最大火力だけを追求すると、地形に囲まれた場面で敵を処理しきれなくなる。
マルチプルは最大2個までだが、その動き方をSHADOW、FIXED、ROLLINGから選択できる点がおもしろい。SHADOWは従来型のオプションと同様、自機が通った軌跡を追従する。FIXEDは自機の後方上下に位置を固定し、ROLLINGは自機の周囲を回転する。それぞれ攻撃範囲が大きく変化するので、武器タイプだけでなくマルチプルの動作形式まで含め、自分に合ったヴィクセンを作れる。
登場キャラクター――ディヴィッド、ガウディ、ジェイムス、ヴィクセン
主人公はディヴィッド・バートン。過去のMSX版シリーズで大きな役割を担ったジェイムス・バートンの直系の子孫であり、完成した亜空間戦闘機ヴィクセンに乗り込んでバクテリアン軍を追う。
ジェイムス・バートンは本作の時代ではすでに歴史上の英雄となっている。しかしバクテリアン軍が過去へ戻り、幼少期のジェイムスを抹殺しようとすることで、彼が再び物語の中心へ浮上する。
そしてゲーム中でディヴィッドを支えるのが、ヴィクセンに搭載された人工知能コンピューター「ガウディ」である。ガウディは単なる機体装置というより、状況を分析し、ディヴィッドとともに危機へ向き合うパートナーとして印象に残る。
自機である亜空間戦闘機ヴィクセンも、実質的には重要なキャラクターの一つである。シリーズを象徴するビックバイパーではなく、新たな機体を登場させたことにより、「新世代の主人公が新しい戦闘機で過去の英雄を救う」という構図が明確になった。
印象に残ったキャラクター――ガウディが本作らしさを最も表している
本作の中で特に印象に残るキャラクターを一人挙げるなら、ガウディである。理由は、ガウディが存在することによって、本作が単なる「宇宙戦闘機が敵軍を倒していくゲーム」から、「時間を越えた作戦を遂行するSF作品」へ一段階広がっているように感じられるからだ。
MSXという限られた環境では、現代ゲームのような長時間のムービーやフルボイスによって人物を描くことはできない。しかし短いメッセージ、イベント、音楽を組み合わせることで、ガウディはディヴィッドの相棒として十分な存在感を持つ。
ステージ1~3攻略――序盤からプロミネンスと重力が容赦なく襲う
第1面は人工太陽をテーマにしたステージである。ゲーム開始直後だから簡単だろうと思っていると、巨大なプロミネンスや火炎弾によって行動範囲を狭められやすい。最大のポイントは、画面全体を大きく動き回るのではなく、炎が伸びる位置とタイミングを覚え、安全な空間を小さく使うことである。
第2面は植物地帯で、攻撃してくる植物や巨大な花など、生物系の敵が増える。敵を放置すると弾が画面へ蓄積されやすいため、危険な植物を画面へ入れたらできるだけ早く破壊することが基本となる。
第3面は本作を代表する重力ステージである。自機が上下方向の力へ引っ張られるため、「何も入力しなければその場に止まる」という通常ステージの感覚が通用しない。細かな入力で自機の位置を修正することが重要で、スピードを過剰に上げていると補正操作が大きくなりすぎ、地形へ突っ込みやすい。
ステージ4~6攻略――歴代ボス、モアイ、針地獄をどう突破するか
第4面はボスラッシュで、複数の大型敵と連続して戦う。通常ステージと違って大量の雑魚敵からカプセルを稼ぐ場面が少ないため、突入前の装備状態が重要である。特にマルチプルと十分な正面火力、防御装備を残して入れると難易度が大きく下がる。
第5面はグラディウスシリーズではおなじみのモアイ地帯である。ただし本作のモアイは単純にイオンリングを吐くだけとは限らず、より機械的な攻撃を使うものもいるため、過去作の感覚だけで近づくと危険である。ここは攻略上きわめて重要な赤色マップが隠されているステージでもある。
第6面は大量の針を中心とした危険なステージである。画面内の障害物が多いため、高速で駆け抜けるよりも、どこから針が飛んでくるかを覚えるほうが重要になる。
ステージ7~9攻略――真エンディングへの準備が本格化する後半戦
第7面は砂漠地帯。流砂、せり上がる岩、砂嵐など、敵弾以外の障害が次々と登場する。ここでは壊せる地形の先などを探索し、青色マップを入手することが重要になる。
第8面は細胞ステージで、壁を破壊しながら進む箇所や上下に動く障害物などが登場する。ここには緑色マップが隠されており、第5面の赤、第7面の青、第8面の緑という三種類を揃えることが最終ステージへ進むための大きな条件となる。
第9面は工場地帯で、シャッター、ベルトコンベア、崩れる壁など機械的な仕掛けが増える。終盤らしく地形暗記の重要性が高く、一度の判断ミスが撃墜へつながりやすい。また、隠し要素の発見を助けるエクストラセンサーも登場する。
ステージ10攻略と真エンディング――三色マップを集めただけではまだ終わらない
三色マップを揃えると、いよいよ最終ステージとなる巨大戦艦へ進む。ここではそれまで身につけた操作技術、装備管理、地形対応能力を総動員することになる。
巨大ボスを突破した先では、タイトルにも名前を残すゴーファーとの最終決戦が待っている。ただしゴーファーを倒せばすべて成功というわけではない。本作で最良の結末を見るためには、最終ステージ内に隠されているワープ空間用のシールド装置を確保する必要がある。これを入手せずに最後まで進んだ場合と、正しく確保した場合では結末が変化する。
したがって真のエンディングを目指す基本方針は、第5面で赤マップ、第7面で青マップ、第8面で緑マップを入手して最終面への条件を満たし、さらに第10面でワープ空間用シールドを発見したうえで最終決戦を突破することである。
攻略の基本――速度を上げすぎず、復活を考えたパワーアップ順を作る
本作を安定してクリアしたいなら、最も重要なのは装備を最大まで派手に強化することではなく、「ミスしたときにも立て直せる装備運用」を考えることである。
スピードアップは1~2段階程度から始め、自分が制御できる速度を超えて上げない。次に地上・天井の敵へ対応するミサイル系、正面火力、必要に応じてマルチプルというように段階的に戦力を構築する。
また、画面右端へ近づきすぎないことも重要である。敵を早く倒そうとして前へ出ると、出現直後の敵や地形へ対応する時間が減る。基本的には画面左寄りから中央程度を維持し、後方から敵が現れる場所だけ位置を変えるほうが安全である。
便利な裏技・隠しコマンド
MSX版には、攻略を助けるための隠し入力が存在する。代表的なのが隠しポイントを表示しやすくする「FIND」である。ゲーム中にF1でポーズをかけ、「FIND」と入力してRETURNキーを押すことで、特殊武装や隠しポイントの発見を補助できる。
同様に「EXPAND」を利用するとバリア関連を強化できる隠し入力があり、難易度変更系として「HARD」「GOOD」といった入力も知られている。
本作の場合、隠しポイントが単なるボーナスではなくゲーム進行や最良のエンディングへ関係しているため、何度探しても重要アイテムを発見できない場合には救済手段として利用するのも一つの楽しみ方である。
総合的な魅力――MSX版独自グラディウスの「遊び」を全部まとめた一作
本作の魅力は、単に武器が多いことでも、全10面というボリュームだけでもない。異なる武装を選択し、隠しポイントから新能力を獲得し、三色マップを探し、特殊なステージギミックを攻略し、最後には条件を満たして真のエンディングへ到達するという一連の体験が、一つの大きな冒険として組み立てられているところにある。
初心者が初めて触れれば第1面から苦戦するかもしれない。しかし一つずつ敵配置を覚え、装備を理解し、隠しポイントを発見し、三色マップを揃え、最後にワープ空間用シールドを確保して真のエンディングへたどり着いたときには、単なるシューティングゲームを一本クリアした以上の達成感が残る。
■■■■ 感想・評判・口コミ
発売から長い年月が過ぎても評価される理由――「MSX独自グラディウス」の完成形という印象
『ゴーファーの野望 エピソードII』を実際に遊んだプレイヤーの感想を総合していくと、もっとも目立つのは「アーケード版『グラディウスII』を小さくしたゲームではなく、MSXで独自に進化したグラディウスの完成形として面白い」という評価である。
タイトルには『ゴーファーの野望』と付けられているため、初めて触れる人はアーケード版の移植だと思いやすい。しかし実際にプレイすると、登場するステージ、ストーリー、追加武装、キーアイテム、真のエンディングへ進む条件などが独自に構築されており、「予想していたゲームとは違ったが、これはこれで非常に完成度が高い」という感想につながりやすい。
特にMSX版『グラディウス2』や『沙羅曼蛇』まで遊んできた人にとって、本作は単独のシューティングゲームというより、一連のMSX版シリーズを締めくくる最終章という印象が強い。
高く評価されるSCCサウンド――映像以上に記憶へ残る音楽
本作に対する感想の中でも、特に安定して高い評価を得ているのがBGMである。SCC音源を利用したコナミMSX作品には現在でも音楽ファンが多いが、『ゴーファーの野望 エピソードII』もその代表的な一本として挙げられることが多い。
実際に遊んでみると、音楽が単なる背景音ではなくステージの雰囲気を作る役割を担っていることが分かる。人工太陽を進む序盤では緊張感を高め、宇宙空間や重力地帯では未知の空間を進むような感覚を強め、工場や最終ステージへ入ると戦いが終盤へ近づいたことを音楽からも感じ取れる。
現在の視点では、グラフィックについては古さを感じる人がいても、SCC音源の独特な音色についてはむしろレトロゲームならではの味として評価される傾向が強い。
武装の豊富さへの評判――自分好みのヴィクセンを作る楽しさ
ゲームシステムについて特に評判が良い部分が、豊富な武装である。開始時に複数のウェポンタイプを選択し、さらにゲーム中の隠しポイントから追加能力を獲得していくため、通常のグラディウスよりも「自機を育てている」という感覚が強い。
この仕組みに対しては、隠し武器を入手したときの嬉しさ、強化された状態で画面を制圧する爽快感、ウェポンタイプを変えて再挑戦したくなる奥深さなどが評価されやすい。
その反面、武器が多すぎて初回は何を取ればよいか分からない、パワーアップゲージが長いため復活時にはかえって大変という否定的な感想もある。装備が豊富であることは本作最大の長所だが、それがそのままシステムの複雑さにもつながっている。
「MSX版では比較的遊びやすい」と「十分すぎるほど難しい」が同時に成立する難易度評価
本作の評判で興味深いのが、難易度について評価がかなり分かれることである。MSX版『グラディウス2』や『沙羅曼蛇』を基準に比較する人からは、それまでのシリーズより遊びやすい、復活の可能性が高くなった、MSXグラディウス入門として選びやすいという意見がある。
ところが本作単体を遊んだプレイヤー、あるいは現代のゲームに慣れた人からすると、「どこが簡単なのか分からないほど難しい」という感想になりやすい。
第1面からプロミネンスによって移動範囲が狭まり、第3面には自機を強制的に動かす重力が登場する。終盤になると複雑な地形や特殊な仕掛けも増え、さらに三色のマップを探さなければ最終局面へ素直に進めない。
つまり「比較的簡単」という評価は、あくまでもMSX版シリーズ内部で比較した場合の話と考えるのが適切である。
ステージ構成への評価――毎面違う仕掛けが登場するため飽きにくい
ステージについては、バリエーションの豊富さを評価する声が目立つ。全10面というボリュームに加え、単に背景を差し替えただけではなく、各ステージで攻略のルールに変化を付けていることが大きい。
第1面では人工太陽とプロミネンス、第2面では巨大植物、第3面では重力、第4面ではボスラッシュ、第5面ではモアイ、第6面では針などの障害物、第7面では砂漠、第8面では細胞、第9面では巨大工場、そして最終面では敵の巨大艦内部と、進むたびにゲームの雰囲気が切り替わっていく。
特に重力ステージは、後年になっても本作を語る際に思い出されやすい場面である。初見では理不尽に感じやすいものの、仕組みを理解すると「MSXの限られた性能でゲーム性そのものを変えるアイデアを導入した点が面白い」という評価に変わりやすい。
ストーリーへの感想――シューティングゲームとしては異例に強い物語性
物語についても評価は高い。未来から過去へ向かった敵を追跡し、歴史上の英雄となるジェイムス・バートンを守るという設定は、単純な宇宙戦争よりも明確な目的を感じさせる。
主人公ディヴィッド自身がジェイムスの子孫であることで、「祖先が倒されれば未来そのものが変わってしまう」という分かりやすい危機が生まれている。
さらに真エンディングの条件まで物語へ組み込んだことが印象を強めている。単に高得点を取ったプレイヤーへのボーナス映像ではなく、ゲーム中に必要な準備をしたかどうかによって帰還の結果が変わるため、探索とストーリーが一体化している。
グラフィックへの感想――派手さよりも「MSXでここまで動かした」ことへの評価
グラフィックについては、時代とハードの性質をどのように見るかによって感想が変わる。現代のプレイヤーが初めて見れば、横スクロールが滑らかではなく、キャラクター単位で背景が移動する感覚に戸惑うかもしれない。
しかしMSX作品として見ると、PCGを使った大型演出、動く背景、重力表現、プロミネンス、巨大ボスなど、制約を工夫によって補おうとした部分が多い。
その反面、画面内に多くの処理が集中すると動作が重く感じられたり、入力が思いどおりに反映されにくい場面があるという不満もある。シューティングゲームでは一瞬の操作遅れがミスへ直結するため、この点は単なる見た目の問題ではなくゲームプレイそのものへ影響する。
不満として挙げられやすい当たり判定とスクロール
本作を否定的に評価する際によく問題になりやすいのが、自機の当たり判定とスクロール感である。ヴィクセンは横長で薄いデザインになっているため、見た目だけで安全な距離を判断すると、地形へ接触したように感じない位置で撃墜されることがある。
背景スクロールについても同様である。滑らかに流れるアーケードゲームとは違い、一定単位で画面が移動するため、自機の動きと背景の動きを同時に見ると独特のガクつきを感じる。
これをMSXらしい味と感じる人もいれば、シューティングなのに画面を見づらくしていると考える人もいる。
隠しアイテムへの口コミ――発見する喜びと、知らなければ困る不親切さ
本作特有の隠し要素については、プレイヤーの好みによって評価が最も分かれやすい。追加武装を探す行為そのものは非常に楽しく、普通に通過していた場所から新しい武器を発見した瞬間には強い驚きがある。
三色マップについても、ゲーム全体を一つの冒険として考えれば面白い。単に10個のステージを順番に攻略するのではなく、必要なものを探し集め、敵の目的を阻止する準備を整えながら最後へ向かう。
ただし初見では、何が必要なのか、どこを探せばよいのか分からない。攻略条件へ関係するアイテムまで隠されているため、秘密を見つけなければ思いどおりに先へ進めないと感じることがある。
後年遊んだ人の感想――古さを感じる部分と、現在でも新鮮な部分が同居する
発売当時を知らない世代が現在プレイした場合、最初に感じるのは操作感や画面スクロールの古さである可能性が高い。セーブ機能を前提とせず、残機を失えば最初からやり直す緊張感も、現在のゲームとはかなり異なる。
しかししばらく遊ぶと、武器システムや探索要素については意外なほど現代的に感じられる。ゲームを進めながら新たな能力を獲得し、秘密を理解し、自分なりの装備構成を考えるという仕組みは、現在のアクションゲームにも通じる。
そのため、単に歴史的価値だけで遊ぶのではなく、操作感にさえ慣れれば現在でもゲームとして面白いと感じる人がいる。
個人的な感想――欠点まで含めてMSX版グラディウスらしい集大成
個人的に『ゴーファーの野望 エピソードII』で最も面白いと感じるのは、MSXというハードでアーケードゲームを再現しようとするだけではなく、「それならMSXでしかできないグラディウスを作ろう」と方向転換した発想である。
スクロールの滑らかさだけを比較すればアーケード版には及ばない。それなら武器を増やし、隠しアイテムを作り、ストーリーを強化し、重力や探索といった仕掛けを導入する。そしてSCCサウンドによって音楽面で強烈な個性を出す。そうして出来上がったものは、元になった『グラディウスII』とはまったく違うゲームになった。
口コミ・評判を総合すると――万人向けではないが、刺さる人には非常に深く刺さる名作
『ゴーファーの野望 エピソードII』の評判を総合すると、誰にでも簡単に勧められる作品というより、「MSX、グラディウス、レトロシューティング、SCC音源、探索型ゲームのいずれかに興味がある人ほど強く楽しめる作品」と評価するのが適切である。
好意的な評価では、SCCによる高品質な音楽、豊富なウェポン、ステージごとに大きく変化する仕掛け、MSX版独自のストーリー、隠し装備を発見する楽しさ、三色マップと真エンディングによる探索性、シリーズ集大成らしいボリュームなどが挙げられる。
逆に不満点では、MSX特有の粗いスクロール、処理が重くなる場面、当たり判定への慣れが必要なこと、長いパワーアップゲージ、ミス後の復活、一部ステージの難易度、隠しアイテムを知らなければ苦戦する構造などが挙げられる。
それでも最終的には、「アーケード版と違うから価値が低い」のではなく、「アーケード版と違うからこそ今でも遊ぶ意味がある」と感じられる作品である。
■■■■ 当時の宣伝・現在の中古市場など
1989年当時の発売状況――5,800円のSCC搭載ROMカートリッジとして登場
『ゴーファーの野望 エピソードII』は1989年1月27日にコナミから発売され、当時の定価は5,800円。媒体にはROMカートリッジが採用され、さらにコナミのMSX作品を象徴するSCC音源を搭載していた。
1989年当時のパソコンゲーム市場は、現在のようにインターネット上のストアから即座にゲームをダウンロードするものではなかった。MSX用ゲームの場合、パソコンショップ、家電店、玩具店、ゲーム専門店などの店頭でROMカートリッジを購入する方法が中心で、地方のユーザーにとっては雑誌に掲載された販売店情報や通信販売も重要な購入手段となっていた。
ROMカートリッジ方式には、フロッピーディスク作品と比較してロード時間をほとんど意識せず遊べるという大きな利点があった。さらに本作ではROM内部にSCC音源を搭載しているため、カートリッジそのものがゲームプログラムだけでなくサウンドハードの一部でもあった。
タイトルそのものが広告になった――アーケード版『グラディウスII』の知名度を生かした販売戦略
本作の販売上きわめて興味深いのが、『ゴーファーの野望 エピソードII』というタイトルである。1988年にはアーケード版『グラディウスII -GOFERの野望-』が大きな注目を集めており、その副題として「GOFERの野望」という言葉がゲームファンへ浸透していた。
そこへ翌1989年、MSX向けに『ゴーファーの野望 エピソードII』という題名が登場したのである。アーケード版を知るユーザーに対して強い連想を働かせる名称だった。
パッケージを店頭で見たユーザーにとって、「グラディウス」「ゴーファー」「コナミ」「SCC」という情報はそれだけで購入動機になり得た。現在のように発売前の長時間動画を見て内容を完全に把握してから購入する時代ではないため、メーカーへの信頼、シリーズ名、雑誌記事、パッケージイラストなどが商品選択へ与える影響は大きかったのである。
専門誌が大きな役割を果たした時代――画面写真・新作紹介・攻略情報による口コミの拡大
1980年代末のパソコンゲームでは、『MSXマガジン』『MSX・FAN』などの専門誌が現在のゲーム情報サイトや動画配信サービスに近い役割を担っていた。新作の存在を知る、画面写真を見る、攻略法を調べる、裏技を知る、読者評価を確認するといった行動の多くが雑誌を通して行われていたからである。
本作の場合、とりわけ雑誌攻略との相性が良かった。普通に敵を倒すだけでは発見しにくい追加武装、三種類のマップ、真エンディングに関係するアイテムなどが存在するからである。
「あの面に秘密の武器があるらしい」「マップを取らないと最後まで行けないらしい」といった情報がプレイヤー同士に伝わっていくこと自体が、ゲームの寿命を延ばす宣伝になっていた。
SCC音楽をゲーム外へ広げたサウンド展開
本作の宣伝と人気を考えるうえで見逃せないのがゲーム音楽である。SCCによるBGMは発売当時から本作を特徴づける要素であり、ゲーム発売後には関連する音楽商品も展開された。
1980年代後半は、ゲームミュージックが独立した音楽ジャンルとして急速に注目されていた時代である。コナミも矩形波倶楽部などを通じて音楽面のブランド力を高めており、『グラディウス』『沙羅曼蛇』などの楽曲はゲームファンから大きな支持を集めていた。
『ゴーファーの野望 エピソードII』もその流れに位置しており、サウンド商品が発売されたこと自体がBGMへの期待と評価の高さを示している。
販売本数について――具体的な公称数字は確認困難
『ゴーファーの野望 エピソードII』について注意したいのが、発売当時の累計販売本数である。現在確認できる主要な公開資料では、コナミが正式に発表した国内累計何万本、世界累計何万本といった確実な販売本数を確認することが難しい。
したがって「○万本売れた大ヒット作品だった」と具体的な数字を断定するのは避けるべきである。
本作の実績を見る場合には、むしろ後年の扱われ方を見るほうが分かりやすい。PlayStationやセガサターンのコナミMSX復刻集に収録され、その後もバーチャルコンソールなど複数の環境へ移植・配信された。数多く存在したコナミのMSXゲームの中から何度も復刻対象に選ばれたこと自体が、本作がメーカー史・MSX史の双方で重要なタイトルとして認識されてきた証拠といえる。
現在の中古市場――ROMのみでも高値、箱・説明書付きはさらに上昇
現在、『ゴーファーの野望 エピソードII』のMSXオリジナルROMは、気軽に数千円で購入できるレトロゲームではなくなっている。
ROMカートリッジのみでも1万円台で出品・取引されることがあり、箱や説明書が揃った個体では2万円台から3万円前後に達することもある。
この差が意味しているのは、「定価○円だから中古相場も○円」という単純な市場ではないことである。MSXソフトでは出品数が少ないため、同じタイトルでも出品された時期、競争する入札者の人数、箱の傷み、説明書の有無、ROMラベルの状態、動作確認の有無などで数千円から1万円以上変化する場合がある。
とりわけ本作はコナミ、グラディウス、MSX、SCCという複数の収集需要が重なる。純粋に遊びたい人だけでなく、MSXコナミ作品を揃える人、グラディウスシリーズを集める人、SCC搭載ROMを収集する人も購入候補になるため、需要が維持されやすい。
「過去最高額」は断定できない――高額取引は状態と時期に大きく左右される
中古ゲームの記事で注意しなければならないのが「過去最高価格」である。インターネット上のオークション履歴は永続的にすべて保存されているわけではなく、検索サービスごとに表示期間も違う。そのため発売から現在までのすべての売買を調べ、「史上最高価格は○○円」と断定することはできない。
未開封品、極美品、ショップのデッドストック、海外版、複数ソフトセットなど特殊な条件なら、通常の落札相場よりさらに高い価格で取引される可能性もある。
したがって中古価格を見る際には、「最高○円」と一点だけを見るより、ROMのみ、箱説明書付き、美品・完品といった状態別の価格帯として理解するのが適切である。
箱・説明書・付属品で価格が変わる――コレクター市場ならではの評価
本作を現在購入する場合、カートリッジが動くかどうかだけで価格が決まるわけではない。レトロゲーム市場では、発売当時の状態をどれだけ残しているかが非常に重要になっている。
最も安くなりやすいのはROMカートリッジのみの状態である。次に箱付き、箱・説明書付き、さらに各種印刷物まで残った個体という順番で価値が高くなりやすい。
特にMSXソフトの紙箱や説明書は発売から30年以上が経過しているため、角の潰れ、色あせ、破れ、値札シール、書き込み、湿気、説明書の折れなどが発生しやすい。そのため、箱があるだけではなく「箱の状態が良い」ことそのものが希少価値になる。
PlayStation版――『コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1』へ収録
本作は後年、PlayStation用『コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1』へ収録された。MSX実機がなくても家庭用PlayStationで遊べるようになったことは大きく、本作が1990年代後半の新しい世代へ再紹介されるきっかけになった。
ゲーム内容自体は原作をかなり忠実に再現しているが、オリジナルMSX版と比較するとゲーム速度やSCCサウンドの再現に違いを感じる場合がある。
それでも「遊ぶために高価なMSXとROMを揃えなくてよい」というメリットは非常に大きく、本作保存の歴史において重要な移植である。
セガサターン版――多数のMSXタイトルをまとめた『ウルトラパック』
セガサターン用『コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック』にも本作は収録されている。
多数のコナミMSX作品をまとめて遊べる構成で、『グラディウス』『グラディウス2』『沙羅曼蛇』『ゴーファーの野望 エピソードII』を一連の作品として楽しみやすい。
こちらもオリジナルMSXとのゲーム速度などに差はあるものの、MSXコナミ作品を家庭用ゲーム機でまとめて遊べる貴重なパッケージである。
Wii・Wii Uバーチャルコンソール――実機に近い再現度を評価された復刻
その後、本作はWiiおよびWii Uのバーチャルコンソールでも配信された。
これらの版は、ゲーム速度やSCCサウンドがMSX実機へ比較的近く、MSX2で起動した場合のパレット処理も再現されるなど、完成度の高い復刻として評価された。
Wii U版ではコンフィグや連射など現代的な補助機能も利用できたため、実機版とは違った遊びやすさもあった。
ただし現在は新規購入サービスが終了しているため、過去に購入済みのユーザーを除けば新たに入手することは難しい。
Project EGGなどWindows系復刻――MSXソフト保存という意味でも重要
本作はWindows向けレトロゲーム復刻サービスでも配信実績を持つ。こうした公式エミュレーション型サービスの存在は、オリジナルカートリッジの価格が上昇しているゲームにとって非常に重要である。
実物ROMは所有する喜びがある一方、経年劣化、MSX実機の確保、映像出力環境など複数の問題がある。復刻版なら現物保存へ負担をかけずゲーム内容そのものを体験できるため、ゲーム文化保存という面でも価値がある。
間違えやすい注意点――現行機の『グラディウスII』は『エピソードII』とは別作品
現在『グラディウスII』を検索すると、現行機でアーケード版『グラディウスII -GOFERの野望-』を遊べる商品が見つかる。しかし、それらとMSX版『ゴーファーの野望 エピソードII』を混同しないよう注意したい。
今回扱っている『ゴーファーの野望 エピソードII』は、MSX独自シリーズの物語を継承する別内容の作品であり、同じ「GOFER」という言葉が入っていてもゲームそのものは大きく異なる。
現在購入するなら――「遊ぶため」と「所有するため」を分けて考えたい一本
現在、本作へ興味を持った場合には、何を目的として購入するのかを最初に決めたほうがよい。
実物をコレクションしたいのであれば、MSXオリジナルROMには大きな価値がある。黒いコナミ製カートリッジ、当時のパッケージ、説明書、そして内部のSCC音源まで含め、それ自体が1989年のMSX文化を残した資料だからである。
一方、純粋にゲームをクリアしたいだけなら、高価なオリジナルROMを購入する必要性は必ずしも高くない。過去の公式復刻版を利用できる環境があれば、そのほうが取り扱いも容易である。
販売本数という数字だけでは測れなくても、複数世代のゲーム機へ復刻され、配信サービスへ受け継がれ、実物ROMが現在も売買されている事実そのものが、『ゴーファーの野望 エピソードII』が1989年だけで終わらなかった作品であることを物語っている。
■■■■ 総合的なまとめ
『ゴーファーの野望 エピソードII』はMSX独自グラディウス路線の完成形
『ゴーファーの野望 エピソードII』を総合的に評価すると、この作品は単純に「1989年に発売された古い横スクロールシューティング」という枠へ収めるにはあまりにも内容が濃い一本である。
アーケード版『グラディウスII -GOFERの野望-』を意識した名称と一部の要素を持ちながら、実際にはMSX版『グラディウス』『グラディウス2』『沙羅曼蛇』から続いてきた独自の系譜をまとめ上げた作品であり、MSX版グラディウスシリーズにおける一つの到達点と考えるのがもっとも分かりやすい。
ゲームの基本部分は、敵を倒してパワーカプセルを集め、パワーアップゲージを進めながら自機を強化する伝統的なグラディウス方式である。しかし本作はそこへ4種類の装備タイプ、豊富な追加武装、複数方式のマルチプル、隠しアイテム、三色マップ、真エンディング条件、時間旅行を題材にしたストーリーなどを追加している。
その結果、単純なシューティングゲームではなく、「何度も遊びながら秘密を発見し、自機を強化し、最適な攻略ルートを完成させるゲーム」へと発展している。
アーケード版を再現しなかったことが最大の強みになった
本作を語るとき、どうしてもアーケード版『グラディウスII -GOFERの野望-』との比較が避けられない。しかし両作品は、タイトルこそ近いものの、実際には別の方向を目指したゲームである。
アーケード版は滑らかなスクロール、大量の敵キャラクター、巨大ボス、派手なレーザーなど、専用基板の性能を生かした高速シューティングとして完成されていた。MSXでそれを忠実に再現しようとしても、ハードウェア性能の差から限界が生じる。
そこで本作は、アーケード版をそのまま小さくするのではなく、MSXだからこそ実現できる方向へ発展した。画面の滑らかさではなく、武器の数を増やす。単純なステージ進行ではなく、探索要素を加える。スコアだけでなく物語を重視する。そしてSCC音源による音楽で強い個性を与える。
この発想によって、本作は「性能の低い機種へ移植された劣化版」ではなく、「MSXという環境で別の形に進化したグラディウス」になった。
全10ステージが生み出す圧倒的なボリュームと変化
全10面という構成も、本作の完成度を支えている重要な要素である。単に面数が多いだけなら長く感じる可能性もあるが、本作では人工太陽、植物、重力、ボスラッシュ、モアイ、針地帯、砂漠、細胞、工場、巨大艦と、各ステージに明確なテーマが用意されている。
特に第3面の重力は、横スクロールシューティングという基本ルールそのものに変化を与える仕掛けとして印象的である。
第4面のボスラッシュでは過去のMSXシリーズを思わせる敵と連続して戦い、第5面ではシリーズを象徴するモアイが登場する。そして後半では三色マップを探しながら最終局面を目指すため、単なるステージクリア以上の目的が生まれている。
豊富な武器は本作最大の長所であり、同時に難しさの原因でもある
『ゴーファーの野望 エピソードII』のシステム面で最も高く評価できるのは、やはり武装の豊富さである。
ゲーム開始時のタイプ選択だけでも攻略感覚が変わり、さらにゲーム中で追加装備を獲得すると、ミサイルやレーザーが新たな段階へ強化される。上下方向へ攻撃する装備や特殊なレーザーなども存在し、自分なりの戦い方を作りやすい。
ただし、装備が多いことは弱点にもなっている。パワーアップゲージが長くなり、目的の装備まで到達するには多くのカプセルが必要になるためである。
フル装備では圧倒的な爽快感を味わえるが、難所でミスすると、一気に弱い状態へ戻される。つまり本作は、「装備を完成させる喜び」と「装備を失う恐怖」が非常に強いゲームである。
ディヴィッドとジェイムスを結ぶ物語が作品全体に意味を与えている
ストーリー面でも、本作はMSXシューティングとして非常に意欲的だった。
主人公ディヴィッド・バートンが、歴史改変を狙うバクテリアン軍を追って過去へ向かい、自らの祖先であるジェイムス・バートンを守るという物語は、単純な宇宙戦争よりも明確で感情移入しやすい目的を持っている。
さらに人工知能ガウディや新型戦闘機ヴィクセンが登場することで、単なる過去作の再演ではなく「新しい世代による物語」という印象が強まっている。
三色マップや最終面の重要アイテムがエンディングへ関係することも、物語とゲームシステムを結びつける工夫である。
SCCサウンドは現在でも色あせにくい最大級の魅力
発売から長い年月が経過した現在でも、本作を強く印象づけるのがSCC音源によるBGMである。
グラフィックやスクロールについては、現代の技術と比較すれば古さを感じる。しかし音楽については、性能の優劣ではなく音色そのものの個性として楽しめる。
SCC特有の厚みあるサウンドは、宇宙空間、人工太陽、異形の生命体、巨大工場といった各ステージの雰囲気を強く支えている。
ゲームオーバーになっても「もう一度あの曲を聴きながら挑戦したい」と思わせる力があり、ゲームプレイと音楽が非常に密接に結びついている。
オリジナルMSX版――最も基準となる完成形
各対応環境を比較する場合、やはり基準になるのは1989年のMSXオリジナル版である。
ゲーム速度、操作感、SCC音源、スクロール、MSX2起動時のパレット変化など、本来の設計をそのまま体験できるという意味では最も価値が高い。
一方で現在はMSX本体とゲームカートリッジの双方が高価になっており、映像出力環境や経年劣化といった問題もある。
そのため「最も忠実な環境」であることと「最も手軽な環境」であることは一致しない。
PlayStation版――手軽な復刻として価値は高いが実機との差も存在
PlayStation用『コナミアンティークスMSXコレクション Vol.1』への収録によって、本作はMSXを所有していなかった世代にも遊ばれるようになった。
家庭用ゲーム機で簡単に起動でき、他のコナミMSX作品とまとめて楽しめることは大きな魅力である。
ただし、MSX実機と比較するとゲーム速度の感覚やSCC音源の再現などに差がある。したがってPlayStation版は「完全にMSX実機そのものを再現する版」というより、「当時のゲーム内容を家庭用機で手軽に体験するための優秀な復刻」と考えるのが適切である。
セガサターン版――多数の作品をまとめて楽しめる資料価値の高いパッケージ
セガサターン版『コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック』は、本作だけでなく多数のコナミMSXタイトルを一枚へまとめた点が最大の特徴である。
『グラディウス』『グラディウス2』『沙羅曼蛇』『ゴーファーの野望 エピソードII』を続けて遊べば、MSX版グラディウスシリーズがどのように発展していったのかを一つの家庭用ゲーム機で体験できる。
この点では単体ゲームとしての価値だけでなく、コナミMSX史を振り返る資料として非常に魅力的である。
Wii・Wii U版――実機に近い再現と利便性を両立した優秀な復刻
WiiおよびWii Uのバーチャルコンソール版は、本作の復刻歴の中でも完成度の高いものとして評価しやすい。
ゲーム速度やSCCサウンドがMSX実機へかなり近く、MSX2で見られるパレット変更も再現されるなど、オリジナル版の特徴を丁寧に残している。
ただし現在では新規販売が終了しているため、初めて購入する手段としては利用できない。この点は非常に惜しいところで、再現度と手軽さのバランスでは理想に近い復刻だった。
復刻版と実機版――どちらが優れているかではなく目的によって選ぶ作品
本作の場合、「どの機種版が一番良いか」という問いに単純な答えはない。
最も本来の感覚に近いものを求めるならMSX実機版。家庭用機で過去のコナミMSX作品とまとめて楽しみたいならPlayStation版やセガサターン版。実機に近い再現度と便利さを両立したものとしてはWii/Wii U版が優れていた。
ゲーム内容そのものを理解するだけなら、復刻版でも本作の魅力は十分伝わる。しかしSCCの音色、ゲームスピード、MSX2パレット、操作レスポンスまで含めて当時の雰囲気を味わいたい場合には、MSXオリジナル版に特別な価値がある。
弱点を含めても評価できる完成度――現在ならではの注意点
もちろん、本作を名作として評価するからといって欠点を無視する必要はない。
スクロールはアーケード版ほど滑らかではなく、多数のキャラクターや大型オブジェクトが出現すると処理が重くなる場合がある。ヴィクセンの当たり判定には慣れが必要で、狭い地形では見た目以上に余裕を取った操作が求められる。
パワーアップゲージも長く、ミス後には強力な装備へ戻すまで時間がかかる。さらに一部の重要アイテムは隠されているため、完全な初見攻略では「どうすればよいのか分からない」と感じることもある。
しかし、それらの不親切さを含めて何度も試行錯誤することが、当時のゲームデザインの一部だった。
現在の中古価格上昇が示す作品価値
発売当時5,800円だった本作は、現在ではROMカートリッジのみでも1万円台、箱・説明書付きなら2万円台から3万円前後になることがある。
この価格上昇は単なる古さだけで説明できない。MSXソフトとしての希少性、グラディウスシリーズとしての人気、コナミ製SCC搭載ROMとしての価値、そしてMSX版独自シリーズの完結編という複数の要素が重なっている。
一方で、実物を所有することにこだわらなければ、過去には複数の復刻版が存在してきた。今後再び現行機向けのMSXコレクションなどへ収録される機会があれば、新しい世代へ触れてもらう価値は十分にある作品だろう。
最終評価――「MSXだからできなかった」ではなく「MSXだから生まれた」名作
『ゴーファーの野望 エピソードII』を最後まで振り返ったとき、最も重要なのはこの作品を「アーケード版より性能の低いMSX版」とだけ考えないことである。
確かにMSXではアーケード基板のような滑らかなスクロールや大量のスプライトをそのまま再現することは難しかった。しかし開発側は、その制限を理由に単純な縮小版を作るのではなく、ゲームそのものの方向を変えた。
武装を増やす。探索を入れる。キーアイテムを設ける。物語を強くする。過去作とのつながりを作る。ステージごとに特殊なギミックを導入する。そしてSCC音源を使い、MSXでしか味わえないサウンドを作る。
その結果として完成したのが『ゴーファーの野望 エピソードII』である。
第1面の人工太陽から始まり、植物、重力、歴代ボス、モアイ、針地帯、砂漠、細胞、巨大工場、敵戦艦へと進む全10ステージ。豊富なウェポンを集め、ヴィクセンを強化し、三色マップを探し、ディヴィッド・バートンとガウディとともに歴史改変を阻止する。そして最後に必要な条件を満たし、真の結末へたどり着く。
そこには、短時間で終わる単純なシューティングとは違う「一本の長い冒険を終えた」という感覚がある。
現在の基準で見れば操作性や画面表現に古さはある。しかし、ゲームデザイン、武器の豊富さ、ステージの変化、探索要素、SCC音楽、シリーズ世界観という核心部分には、今遊んでも理解できる面白さが残っている。
だからこそ本作は、単なる1989年のMSXゲームとして歴史の中へ埋もれず、後年のPlayStation、セガサターン、バーチャルコンソールなどへ繰り返し復刻され、中古市場でも高い人気を保ち、現在もグラディウスやMSXを語るときに名前が挙がる作品になったのである。
アーケード版『グラディウスII』を知っている人にも、MSXの名作を探している人にも、SCCサウンドに興味がある人にも、一度は体験する価値がある。
『ゴーファーの野望 エピソードII』は、「MSXでは本物のグラディウスを作れなかった」のではなく、「MSXだったからこそ、アーケードとは違うもう一つのグラディウスが生まれた」ことを証明した作品である。そしてMSX独自グラディウスシリーズの締めくくりとして、現在でも十分に名作と呼ぶ価値を持つ一本なのである。
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