『けろっこデメタン』(1973年)(テレビアニメ)

けろっこデメタン セレクション【全3巻セット】【中古】全巻【アニメ】中古DVD

けろっこデメタン セレクション【全3巻セット】【中古】全巻【アニメ】中古DVD
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【原作】:鳥海尽三
【アニメの放送期間】:1973年1月2日~1973年9月25日
【放送話数】:全39話
【放送局】:フジテレビ系列
【関連会社】:タツノコプロ

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■ 概要

1970年代初頭、テレビアニメはアクションやギャグ、スポ根といったジャンルの隆盛期を迎えていました。そうした中、タツノコプロが挑戦したのが“メルヘンアニメ”と呼ばれる、やや柔らかな作風を持ったシリーズです。『みなしごハッチ』(1970年)、『樫の木モック』(1972年)に続き、その路線を継承した第三弾として制作されたのが『けろっこデメタン』でした。本作は、1973年1月2日から同年9月25日まで、フジテレビ系列にて毎週火曜19時から19時30分の時間帯で放送され、全39話が放送されました。平均視聴率は10.4%と記録されています。
物語の舞台は「虹のお池」という小さな世界。主人公は、素朴で少し内気なアマガエルの少年・デメタン。彼が同じ年頃のトノサマガエルの少女・ラナタンと出会い、種族や身分の違いを越えて友情や恋心を育む様子が描かれます。一見、心温まる児童向け作品に見えますが、作中では貧富の差、権力による支配、友情と裏切りなど、大人でも考えさせられるテーマが織り込まれており、視聴者層の年齢を問わず心をつかみました。

制作を担ったタツノコプロは、1960年代末から70年代にかけて多数の人気アニメを送り出しており、本作でもキャラクターデザインや作画の緻密さ、音楽面での完成度が高く評価されました。特に、デメタンの持つ“ケロケロ笛”の印象的な音色や、背景美術における瑞々しい水辺の描写は、当時の子どもたちの記憶に深く刻まれています。また、放送当時はカラー放送が一般化しつつあった時期で、本作の鮮やかな色彩設計は「画面から水の匂いが漂ってくるようだ」と評されるほどでした。

作品の成り立ちには、当時のテレビアニメ市場の動きも影響しています。アクション色の強い『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)などと並行して制作された本作は、スタジオの制作リソースを二分する形で進められたため、より抒情的で寓話的な世界観を構築することに集中できたといわれています。演出では、コミカルなやりとりとシリアスな場面を巧みに交錯させ、視聴者に感情の起伏を体感させる手法が目立ちました。

本作は放送終了後も長くファンに愛され、再放送や海外輸出も行われています。特に欧州圏やアジアの一部地域では独自のタイトルで放映され、現地の子どもたちにも親しまれました。また2016年にはHDリマスター版を収録したDVD-BOXが発売され、高精細な映像とともに、当時のオープニング・エンディング映像や設定資料を収録。往年のファンだけでなく、新たな世代にも再評価される契機となりました。

『けろっこデメタン』は、その可愛らしいキャラクター造形の裏に、社会の縮図のような厳しい現実や普遍的な人間ドラマを描いた作品として、1970年代アニメ史の中で独自の位置を占めています。かわいらしさと切なさが同居する物語は、現代のアニメファンが見ても心に響く普遍的な魅力を備えており、今なお語り継がれています。

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■ あらすじ・ストーリー

物語は、アマガエルの少年・デメタンの小さな旅立ちから始まります。彼は雨太郎と雨子という両親のもとで育ち、本来なら兄弟と共ににぎやかに暮らしているはずでした。しかし、ある日突然、彼らが暮らす池はイモリたちの襲撃に遭い、さらにその後の土砂崩れによって兄弟は全員命を落としてしまいます。辛くも生き延びたデメタンと両親は、新たな住処を求めて「虹のお池」へとたどり着きます。
虹のお池は、美しい水草や花々に囲まれ、陽光が水面に反射して虹色に輝く、まるで絵本から抜け出したような場所でした。しかしその華やかさの裏には、池を支配する権力構造が存在していました。大富豪のトノサマガエル・ギヤ太が池の秩序を握り、その影響力は池の隅々まで及んでいたのです。

ある日、デメタンは池のほとりでギヤ太の一人娘・ラナタンと出会います。ラナタンは父とは正反対に、明るく優しい性格で、デメタンに文字の読み書きを教えてくれます。学校へ通えなかったデメタンにとって、それは新しい世界の扉を開くような出来事でした。二人は次第に心を通わせますが、その関係はギヤ太をはじめとする一部の住民たちの反感を買うことになります。

ギヤ太の部下であるイボ吉、キャール、そしてザリたちは、デメタンの存在を煙たがり、あらゆる手段で彼とその家族を追い出そうとします。彼らの嫌がらせは日を追うごとに激しくなり、デメタンは何度も悔しさと恐怖を味わいます。それでも彼はラナタンとの絆を守るため、少しずつ勇気を振り絞って立ち向かっていきます。

物語の前半は、デメタンとラナタンの交流や、二人を引き離そうとする周囲の妨害が中心に描かれます。しかし中盤以降、虹のお池を陰から支配していた存在――巨大なナマズ「なまず入道」の存在が明らかになります。なまず入道はギヤ太を操り、池の住民から食料や貢ぎ物を取り立てていたのです。この事実を知ったデメタンは、最初こそ恐怖と戸惑いを覚えますが、やがて「池を本当の意味で自由な場所にする」という強い決意を固めます。

後半は、池の仲間たちとの共闘が物語の軸となります。デメタンはエレ吉というデンキウナギの青年やその家族、そしてこれまで敵だったギヤ太たちとも手を取り合い、なまず入道との最終決戦に挑みます。命がけの戦いの末、なまず入道は倒れ、虹のお池には再び平和が訪れます。

最終話では、穏やかな水面のほとりで、デメタンとラナタンが肩を寄せ合い、ケロケロ笛を奏でるシーンが描かれます。音色は静かに池中へと響き渡り、これまでの試練や別れを乗り越えた二人の未来を象徴するかのようでした。こうして、『けろっこデメタン』は、淡く切ない余韻とともに幕を閉じます。

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■ 登場キャラクターについて

『けろっこデメタン』に登場するキャラクターたちは、一見すると水辺の生き物たちを擬人化した可愛らしい存在ですが、その内面や背景には複雑な感情や葛藤が織り込まれています。ここでは主要人物を中心に、その性格や物語上での役割を紹介します。

● デメタン
本作の主人公であるアマガエルの少年。物語の冒頭では臆病で、困難に直面すると涙を流す姿が目立ちますが、ラナタンとの出会いや数々の試練を経て、勇敢で思いやりのある性格へと成長します。家が貧しく、他の子ガエルたちのように学校へ通うことができず、両親の露店を手伝う日々を送っています。父・雨太郎が作った「ケロケロ笛」は、彼の心の支えであり、音色は池の仲間たちを癒やす象徴的な存在です。物語の終盤では、その笛が仲間たちの結束を強め、なまず入道との戦いの精神的支柱となります。

● 雨太郎
デメタンの父で、職人気質なおもちゃ職人。手先の器用さと温厚な人柄で知られますが、家族を守るためにはギヤ太たちにも毅然と立ち向かいます。力では劣るものの、不屈の精神と正義感は息子に受け継がれました。物語後半ではギヤ太との和解を経て、共闘する場面が印象的です。

● 雨子
デメタンの母。常に穏やかで、家族を支える存在。困難な状況でも弱音を吐かず、デメタンと雨太郎を励まし続けます。彼女の包容力は物語の安定した軸であり、観る者に温かさを与えます。

● ラナタン
トノサマガエルの少女で、ギヤ太の一人娘。身分や立場の差に囚われない自由な精神を持ち、デメタンに文字を教え、夢や希望を与えた人物です。物語を通じて、父を変え、池の支配構造を変えるために行動する芯の強さを見せます。

● ギヤ太
虹のお池を支配するトノサマガエルで、物語序盤では権力を振るい、デメタン一家を追い出そうとします。しかし、背後に控えるなまず入道の操り人形であることが明らかになり、最終的にはその支配から脱してデメタンたちと手を組むようになります。彼の変化は、物語のもう一つの成長物語ともいえるでしょう。

● イボ吉とキャール
ギヤ太の部下で、イボガエルのイボ吉と、ずる賢いカエルのキャール。イボ吉はどこか間の抜けた性格で、しばしば計画を失敗に導きます。一方のキャールは直接戦うことは少なく、陰で立ち回るタイプ。二人の存在は、物語にコミカルな要素を加えると同時に、デメタンの試練を象徴する存在でもあります。

● ザリ
ギヤ太配下のザリガニで、力自慢かつ恐れられる存在。部下たちの中では最も戦闘的で、物語後半にはなまず入道側につくなど、信念よりも自分の利益を優先する姿が描かれます。

● なまず入道
物語の黒幕的存在。池の奥深くに潜み、ギヤ太を操って住民たちから食料を搾取します。恐怖と威圧で支配を続けますが、最終的にはデメタンたちの反乱によりその支配が終わります。その存在は、池という小さな社会の中の権力構造を象徴しており、作品全体のテーマを強く支える役割を果たしています。

● エレ吉とその家族
デンキウナギの青年で、物語後半の重要な仲間。彼の電撃能力はなまず入道との戦いに不可欠で、友情と勇気を体現する存在として描かれます。

こうして見ると、『けろっこデメタン』のキャラクターたちは、単なる善悪の対立ではなく、それぞれの背景や成長が描かれており、視聴者が感情移入できる深みを持っています。物語の進行とともに関係性が変化し、最終的には多くの登場人物が「和解」や「共闘」という形で物語を締めくくる点も、本作の大きな魅力の一つです。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

『けろっこデメタン』の音楽は、物語の抒情性や水辺の空気感を一層引き立てる重要な要素となっています。オープニングとエンディングの2曲は、どちらも当時のアニメ音楽界を代表する存在だった作曲家・越部信義と作詞家・丘灯至夫のコンビによって制作され、歌唱は「アニメソングの女王」と呼ばれた堀江美都子が担当しました。彼女の透明感と芯のある歌声は、作品の世界観と見事に調和し、多くの視聴者の記憶に焼き付きました。

● オープニングテーマ「けろっこデメタン」
番組冒頭を飾るこの曲は、明るく柔らかなメロディーと、どこか切なさを帯びたコード進行が特徴です。軽快なリズムにのせて、デメタンの素朴さや夢見る心を歌い上げており、子どもたちが自然に口ずさめるような覚えやすさがあります。それでいて歌詞には、「困難に立ち向かう勇気」や「優しさを忘れない心」といったテーマが込められており、物語の核を短い時間で表現しています。特に「水面に映る君の笑顔」という一節は、デメタンとラナタンの関係性を象徴する言葉として印象深いものでした。

● エンディングテーマ「まけるなデメタン」
オープニングに比べ、こちらはややテンポを落とし、感情をしっとりと表現した楽曲です。タイトル通り、「負けるな」という言葉が繰り返されることで、視聴者にエールを送る役割を果たしています。放送当時、この曲を聴きながら翌週の展開を想像し、デメタンが次はどんな困難に立ち向かうのかを楽しみにしていた視聴者も多かったといいます。旋律の終わりにかけて徐々に力強さを増す構成は、まるで次回への希望を繋ぐ架け橋のようでした。

● 劇中挿入歌・BGM
本作のBGMは、水辺の透明感や生き物たちの賑わいを表す軽やかな曲と、権力争いや別れの場面に使われる重厚で緊張感のある曲が巧みに組み合わされています。たとえば、デメタンとラナタンが穏やかに語り合う場面では、フルートやストリングスが優しく響く旋律が流れ、観る者を温かい気持ちにさせます。一方、なまず入道の登場や戦いの場面では低音のブラスや打楽器を中心とした重い音楽が使われ、池の世界に迫る危機感を強調しました。

● 視聴者への影響
放送当時、主題歌シングル(ドーナツ盤)は子ども向けアニメソングとして多くの家庭に広まりました。学校の音楽会や学芸会で「けろっこデメタン」を合唱曲として披露したというエピソードも残っており、歌そのものが1970年代の子ども文化の一部となっていました。大人になったファンからは、「歌を聴くと水面がきらめく映像が脳裏に浮かぶ」という感想も多く、映像と音楽が強く結びついた記憶となっていることがわかります。

『けろっこデメタン』の音楽は、単なる伴奏やテーマソング以上の役割を果たしていました。それは登場人物の感情を映し出す鏡であり、視聴者と物語を結びつける架け橋でもあったのです。

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■ 声優について

『けろっこデメタン』の魅力の一つは、個性豊かなキャラクターたちに命を吹き込んだ声優陣の存在です。1970年代のアニメ界を代表するベテランや若手が集結し、それぞれの演技が物語の感情表現を一段と深めています。

● 久松夕子(デメタン役)
主人公デメタンを演じた久松夕子は、当時まだ若手ながらも、繊細さと芯の強さを併せ持った声質で高く評価されました。初期の泣き虫で不安定なデメタンから、物語終盤の勇敢で頼れる少年へと変わっていく過程を、声色や息遣いの微妙な変化で表現。彼女の演技によって、デメタンの成長はよりリアルに感じられるものとなりました。特に、ラナタンとの穏やかな会話シーンでは声を柔らかく、なまず入道との対峙では一転して張りのある声に切り替えるなど、場面に応じた演技の幅広さが光ります。

● 北村弘一(雨太郎役)
温厚で正義感の強い父・雨太郎を演じた北村弘一は、低めで落ち着いた声が特徴的です。おもちゃ作りに向き合う穏やかな父親像と、家族を守るために立ち上がる男らしさを同時に表現しました。普段は優しい声色でも、怒りや覚悟を示す場面では声のトーンが引き締まり、父親としての存在感を強く印象づけています。

● 荘司美代子(雨子役)
母・雨子を演じた荘司美代子は、包容力に満ちた声と優しい語り口が持ち味。デメタンや雨太郎を支える精神的支柱としての役割を、安定感のある演技で支えました。悲しみの場面でも感情を抑えながら語ることで、彼女の芯の強さがより際立っています。

● 岡本茉莉(ラナタン役)
ラナタンを演じた岡本茉莉は、明るさと品の良さを併せ持つ声で、ギヤ太の娘という立場と、デメタンへの純粋な想いの両方を魅力的に表現しました。上品な口調の中に子どもらしい無邪気さが覗く演技は、ラナタンのキャラクター性を的確に引き立てています。

● 富田耕生(ギヤ太役)
ギヤ太役の富田耕生は、豪快さと威圧感を持ちながらも、どこか憎めないコミカルな一面を演じる名手です。威張り散らすときの大声や笑い声は圧倒的で、ギヤ太の支配者としての威厳を表現。一方、終盤での改心シーンでは、声色を柔らかくして人間味を感じさせ、キャラクターの変化を鮮やかに描きました。

● 大竹宏(イボ吉役)&八代駿(キャール役)
コンビ的存在の二人を演じた大竹宏と八代駿は、軽妙なやり取りで物語にユーモアを加えました。イボ吉は少し抜けた調子の声で、失敗して慌てる様子が愛嬌たっぷり。一方のキャールはずる賢い性格を反映した鼻にかかった声質で、ひそひそ話や皮肉を言う場面に独特の味を添えています。

● 田中康郎(ザリ役)
力自慢のザリを演じた田中康郎は、低く力強い声で威圧感を表現。戦闘シーンでは声に迫力を持たせ、相手を追い詰める恐ろしさを生き生きと描きました。

● 水島晋(なまず入道役)
物語の黒幕であるなまず入道を演じた水島晋は、深く響く低音で圧倒的な存在感を放ちました。その声はまるで池の底から響き渡るようで、画面越しでも不気味さと威圧感を視聴者に与えます。

● 北浜晴子(ナレーション)
物語全体を包み込むようなナレーションを担当した北浜晴子は、柔らかな語り口で視聴者を物語世界に誘いました。特にエピソード冒頭と終盤のナレーションは、絵本を読み聞かせるような温かさを感じさせます。

声優陣の演技は、キャラクターの魅力を引き出すだけでなく、作品全体の空気感を形作る大きな要素でした。彼らの声は今なお多くのファンの耳に残り、作品と共に語り継がれています。

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■ 視聴者の感想

『けろっこデメタン』は放送当時から多くの視聴者の心に残る作品でしたが、その印象は世代によって微妙に異なります。1973年の初回放送を体験した世代にとっては、夕方のひとときを彩るテレビアニメであると同時に、子ども向け作品としては珍しい“哀しさ”や“重さ”を含んだ物語が強烈な記憶となっています。一方、再放送やDVD・配信で後から作品に触れた世代にとっては、昭和アニメ特有の温かみのある作画と、寓話のようなストーリー構成が新鮮に映ることが多いようです。

● リアルタイム世代の声
当時小学生だった視聴者は、「デメタンがいじめられる場面を見るのがつらかった」「ラナタンとのやりとりに胸が温かくなった」といった感想を多く寄せています。特に、ギヤ太やその部下たちの嫌がらせシーンは、現実の学校生活の人間関係に重ねてしまう子どもも多く、「デメタンの勇気に励まされた」という声が目立ちます。また、なまず入道との対決に向かう後半の展開では、単なる勧善懲悪ではない複雑さに惹かれたという意見もありました。

● 再放送・後年世代の感想
1980年代後半〜90年代の再放送や、2016年のDVD-BOXで初めて本作に触れた世代は、まずそのビジュアルや色彩設計に注目する傾向があります。「水辺の背景が美しい」「キャラクターの表情が細かく描かれている」といった美術的評価が多く、タツノコプロの作画力に感心する声が上がっています。また、近年のアニメに比べてゆったりとしたテンポや、間を生かした演出が印象的で、「静けさが逆に緊張感を高める」という評価もあります。

● 共通して挙がる感情
世代を問わず多くの視聴者が語るのは、デメタンとラナタンの関係の尊さです。二人の間には友情や恋心といった言葉では言い尽くせない温かい絆があり、それが最終回まで一貫して描かれます。とりわけ、最終話での笛の音は「忘れられない」と語る人が多く、そのシーンだけで本作を思い出すファンも少なくありません。

● 当時の社会背景とリンクする感想
放送当時の日本は高度経済成長の終盤であり、格差や社会構造の変化が話題になり始めていました。大人の視聴者の中には、「池の支配構造やなまず入道の存在は社会の縮図のようだ」と解釈した人もおり、子どもだけでなく親世代にも印象を残しました。

こうした感想から分かるのは、『けろっこデメタン』が単なる子ども向けアニメにとどまらず、幅広い層にさまざまな感情や思考を呼び起こす作品であったということです。その魅力は、放送から半世紀近く経った今も色褪せることなく、多くのファンの心の中で生き続けています。

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■ 好きな場面

『けろっこデメタン』には、物語全体のテーマである「友情」「勇気」「希望」を象徴する名場面が数多く存在します。視聴者それぞれが心に残しているシーンは異なりますが、その多くがデメタンの成長や仲間との絆を描いた瞬間に集中しています。

● 初めての出会い ― デメタンとラナタン
物語序盤で描かれる、虹のお池のほとりでの初対面のシーン。お互いの立場や環境が違う二人が、純粋な好奇心と優しさから打ち解ける瞬間は、多くの視聴者にとって忘れられない場面です。ラナタンが文字を教え、デメタンが不器用にそれを覚える様子は、作品全体の温かい空気を象徴しています。

● ケロケロ笛の音色
父・雨太郎が作った「ケロケロ笛」をデメタンが吹くシーンは、何度も繰り返し登場しますが、そのたびに意味や感情が変化していきます。仲間を励ますとき、悲しみを乗り越えるとき、そして平和を祝うとき――笛の音は視聴者の感情と重なり、涙を誘います。特に、最終話でラナタンと寄り添って吹くシーンは「シリーズ中もっとも感動した」との声が多い名場面です。

● ギヤ太との和解
序盤からデメタン一家を追い詰めていたギヤ太が、なまず入道の真実を知り、デメタンたちと手を組む展開は大きな転換点です。それまでの敵対関係が溶け、互いに認め合う表情の変化が丁寧に描かれており、「悪役にも救いがある」という本作らしいメッセージを伝えています。

● 池を守る最終決戦
なまず入道との直接対決は、物語のクライマックス。デメタン、ラナタン、ギヤ太、エレ吉らが一丸となって立ち向かう場面は、映像・音楽・演出すべてが緊迫感に満ちています。特に、デメタンが恐怖を押し殺して仲間を鼓舞する台詞は、子どもだけでなく大人の視聴者にも深い印象を残しました。

● 静かな余韻 ― 虹のお池の朝
戦いの後、静まり返った池に朝日が差し込む描写。誰もが安堵の表情を浮かべる中、デメタンとラナタンが未来を語り合うこのシーンは、派手さはないものの、物語の締めくくりとして完璧な静けさを持っています。水面に映る二人の姿と笛の音色は、多くのファンが「この作品の象徴」と語ります。

こうした場面は、単にストーリーの進行を示すだけでなく、キャラクターたちの心情や成長を鮮やかに浮かび上がらせています。そのため、視聴者が何年経っても鮮明に覚えているのです。

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■ 好きなキャラクター

『けろっこデメタン』は、主人公やヒロインだけでなく、脇役やかつての敵役まで含めて個性が際立っており、視聴者の「推しキャラ」は人によって大きく異なります。ここでは特に人気の高かったキャラクターと、その魅力を紹介します。

● デメタン
主人公として圧倒的な支持を集めたのはやはりデメタンです。初期の弱気で泣き虫な姿に共感を覚え、その後の成長に感動したというファンは多く、特に「困難に立ち向かうようになった後半のデメタンが好き」という声が目立ちます。また、ケロケロ笛を吹く姿に癒やされるという感想も多数寄せられています。

● ラナタン
ラナタンはヒロインとしての魅力に加え、物語を動かす原動力としての役割も評価されています。身分や種族の壁を越えてデメタンと交流し、時には父に逆らってまで信念を貫く姿勢が「勇敢でかっこいい」と人気を集めました。視聴者の中には、ラナタンの優しさと芯の強さに憧れていたという人も少なくありません。

● ギヤ太
序盤の敵役でありながら、物語後半で改心し味方となったことで人気が急上昇したキャラクターです。豪快で威張り屋だったギヤ太が、実はなまず入道に操られていたと知ったときの驚きと、その後の態度の変化に「憎めない存在だった」と感じるファンが多くいました。

● イボ吉とキャール
ギヤ太の子分コンビは、シリアスな展開が多い本作において、時折コミカルな空気を運んでくる存在です。イボ吉の間の抜けた失敗や、キャールのずる賢い計算高さは、嫌われ役でありながらも憎めない愛嬌があります。子どもの頃は単純に笑って見ていたという人も、改めて見返すと「二人なりの生き方がある」と感じることがあるようです。

● エレ吉
物語後半で登場するデンキウナギの青年。クールで頼もしい性格に加え、その特殊能力でなまず入道との戦いに大きく貢献します。友情に厚く、仲間を守るために危険を顧みない行動が「かっこいい」と好評です。

● なまず入道
悪役ながら存在感が圧倒的で、「怖かったけれど印象的」という声が多いキャラクターです。低い声と威圧感のある姿は幼い視聴者にとってトラウマ級のインパクトを与えましたが、だからこそ忘れられない存在として記憶に残っています。

このように、『けろっこデメタン』では主人公やヒロインだけでなく、脇役や悪役までがしっかりと描かれているため、視聴者が好きなキャラクターを語るとき、その理由やエピソードが非常に具体的になるのが特徴です。誰を選んでも物語の大切な一部として語れる――それが本作のキャラクター造形の強みと言えるでしょう。

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■ 関連商品のまとめ

『けろっこデメタン』は放送終了から長い年月が経っても、その人気は形を変えて続いており、映像ソフトや書籍、音楽CD、ホビー商品など多彩な関連グッズが展開されてきました。ここでは、それらをジャンル別に紹介します。

● 映像関連商品
初めて本作が家庭用にリリースされたのは1980年代後半で、VHSテープとしての販売でした。当時は全話を網羅する形ではなく、人気の高いエピソードや物語の重要回をピックアップして収録する形式が一般的でした。ジャケットには当時の放送用イラストが使用され、アニメファンや子ども向けに手に取りやすいデザインとなっていました。
その後、1990年代に入るとレーザーディスク版も登場し、コレクターアイテムとして注目を集めます。21世紀に入るとDVD化が進み、全39話を収録したコンプリートBOXや、テーマ別に分けた分売DVDが発売。2016年にはHDリマスター版のDVD-BOXが登場し、画質や音質の向上に加えて、設定資料やOP/EDノンクレジット映像などの特典が付属しました。

● 書籍関連
放送当時はアニメ雑誌での特集記事やピンナップが多く、『アニメージュ』『アニメディア』などで本作の特集ページが組まれました。キャラクター設定や背景美術の資料を集めたムック本は、80年代のアニメブーム時にファン向けとして刊行され、現在では希少品となっています。また、近年では昭和アニメを振り返るガイドブックやタツノコプロ関連の記念本にも『けろっこデメタン』の特集が組まれ、資料的価値の高いイラストや制作エピソードが紹介されています。

● 音楽関連
オープニング「けろっこデメタン」とエンディング「まけるなデメタン」を収録したシングル(ドーナツ盤)は放送当時に発売され、堀江美都子ファンやアニメ音楽ファンの間で支持を集めました。その後、サウンドトラックLPやカセットテープもリリースされ、劇中BGMや挿入歌を含む内容でコレクション性を高めています。2000年代以降はCD化やデジタル配信も行われ、世代を超えて楽曲を楽しめる環境が整いました。

● ホビー・おもちゃ
キャラクターを模したソフビ人形やぬいぐるみは、放送当時の子どもたちに人気を博しました。特にデメタンやラナタンのぬいぐるみは柔らかな色合いと愛らしい造形で、子ども部屋のインテリアとしても親しまれました。また、ガチャガチャのカプセルトイとしてフィギュアやマスコットが登場したほか、ステーショナリーと連動したおもちゃ(鉛筆キャップや小型スタンプセット)も展開されました。

● ゲーム・遊戯系商品
家庭用テレビゲーム化はされませんでしたが、ボードゲームやすごろく、カードゲームなどのアナログ遊戯商品が存在します。駒やカードにキャラクターイラストが描かれ、物語のエピソードを反映したマス目やイベントが盛り込まれていました。これらは当時の家庭遊びの定番アイテムとして、友達同士や家族で楽しまれました。

● 食品・日用品コラボ
放送当時、駄菓子屋やスーパーでデメタンのイラストが印刷されたガム、ウエハース、チョコレートなどが販売されました。パッケージや付録シールを集めることがブームになり、食品そのものよりも付録を目的に購入する子どもも少なくありませんでした。また、弁当箱やコップ、タオルといった日用品もキャラクターグッズとして展開され、学校生活や家庭での使用に溶け込んでいました。

こうして見ると、『けろっこデメタン』は放送終了後もさまざまな形で商品展開が続けられ、作品の記憶を次の世代に受け継ぐ役割を果たしてきました。グッズを通して触れることで、作品を知らない世代にもキャラクターの魅力が伝わっていったと言えるでしょう。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

『けろっこデメタン』関連グッズは、放送から半世紀近く経った現在も、中古市場で一定の需要を保っています。ヤフオク、メルカリ、楽天フリマなどでは、映像ソフトから食品パッケージまで幅広い商品が出品され、状態や希少性によって価格帯に大きな幅があります。

● 映像関連商品の取引状況
もっとも高値がつきやすいのは、2016年発売の「HDリマスター版DVD-BOX」です。状態が良く特典のブックレットや映像特典ディスクが揃っている場合、2万〜3万円前後で取引されることもあります。また、1990年代のレーザーディスク(LD)は出品数が少なく、コレクター向けに5,000〜1万円程度で落札されるケースもあります。VHSは比較的入手しやすいですが、初期巻やジャケット美品は2,000円台後半〜5,000円程度まで値が上がることがあります。

● 書籍関連の動き
アニメ誌の当時号や設定資料集は、保存状態の良いものほど高値傾向です。特に『アニメージュ』や『アニメディア』の初期特集号は、1冊あたり2,000〜4,000円程度で取引されます。キャラクター設定資料をまとめたムック本は出品頻度が少なく、場合によっては5,000円以上の落札例もあります。

● 音楽関連
ドーナツ盤シングル「けろっこデメタン」「まけるなデメタン」は、帯や歌詞カード付きの美品が特に人気で、1,500〜3,000円前後が相場です。サウンドトラックLPは希少性が高く、状態が良ければ5,000円を超える落札例も珍しくありません。CD化された再発盤は比較的安価で、1,000〜2,000円台で安定しています。

● ホビー・おもちゃ関連
放送当時のソフビ人形やぬいぐるみは、未使用・パッケージ付きであれば高額になります。デメタンやラナタンのソフビは単品で3,000〜5,000円、セットだと1万円前後になることもあります。ガチャガチャ景品や小物グッズも根強い人気があり、コンプリートセットや台紙付きは特にコレクターの関心を集めます。

● ゲーム・アナログ遊戯系
当時のすごろくやカードゲームは現存数が限られ、完品状態(箱・駒・説明書付き)なら5,000円以上で取引されることもあります。欠品ありのジャンク品でもコレクション目的で2,000円前後の値が付く場合があります。

● 食品パッケージ・日用品
駄菓子のパッケージや付録シールなどは、保存状態が良ければ意外な高値がつくジャンルです。未開封の当時物シール入りガムやウエハースは、2,000〜4,000円台での落札も確認されています。また、キャラクター柄の弁当箱やコップなどの生活雑貨は、未使用品なら5,000円以上になることもあります。

総じて、『けろっこデメタン』関連商品は、コレクター層にとっては今なお魅力的な品が多く、市場価格は緩やかに上昇傾向にあります。特に映像ソフトと初期グッズは需要が高く、状態の良いものは早期に落札される傾向があります。

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テレビアニメ スーパーヒストリー 8「けろっこデメタン」〜「新造人間キャシャーン」 CD 新品 マルチレンズクリーナー付き

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54,450 円 (税込)
タイトル通りのオムニバス・シリーズの第8集で,73年1月~10月放映の全8作品のオープニング&エンディング・ナンバー計16曲を収録。今聴くと素朴な曲調が多いのは当然としても,歌詞の力強さや斬新さは,いまどきのアニメよりも上なのでは!? 収録時間: 42 分新品です。 希少商品..

【中古】【非常に良い】けろっこデメタン DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第60集】 2zzhgl6

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【中古】 けろっこデメタン DVD BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第60集】

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19,712 円 (税込) 送料込
【メーカー名】TCエンタテインメント【メーカー型番】【ブランド名】Tc エンタテインメント掲載画像は全てイメージです。実際の商品とは色味等異なる場合がございますのでご了承ください。【 ご注文からお届けまで 】・ご注文 :ご注文は24時間受け付けております。・注文..

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【中古】けろっこデメタン DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第60集】当店取り扱いの中古品についてこちらの商品は中古品となっております。 付属品の有無については入荷の度異なり、商品タイトルに付属品についての記載がない場合もございますので、ご..

【中古】けろっこデメタン セレクション1 [DVD] p706p5g

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12,513 円 (税込)
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初期不良の場合は7日以内にご連絡いただいた場合のみ対応いたします。【中古】(非常に良い)けろっこデメタン DVD-BOX HDリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第60集】【メーカー名】TCエンタテインメント【メーカー型番】【ブランド名】Tc エンタテインメント【商品説..
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