『つる姫じゃ~っ!』(1990年)(テレビアニメ)

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】
30,384 円 (税込)
著者:土田 よしこ出版社:中央公論新社サイズ:文庫ISBN-10:4122024323ISBN-13:9784122024328■こちらの商品もオススメです ● それでもこの世は悪くなかった / 佐藤 愛子 / 文藝春秋 [新書] ● 星くず 下 / 大谷 博子 / 集英社 [文庫] ● 不敵雑記 たしなみなし / 佐藤 愛子..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop

【原作】:土田よしこ
【アニメの放送期間】:1990年1月9日~1990年12月25日
【放送話数】:全49話
【放送局】:日本テレビ系列
【関連会社】:中央公論社、アウベック

[anime-ue]

■ 概要

1990年1月9日から12月25日までの約1年間、日本テレビ系列で放送されたテレビアニメ『つる姫じゃ~っ!』は、ギャグとナンセンスの世界を徹底的に追求した作品として知られています。原作は土田よしこによる少女漫画で、1970年代から80年代にかけて多くの読者に親しまれたコミックをもとにアニメ化されました。その持ち味は、型破りな主人公・つる姫の存在感と、周囲を巻き込むドタバタ騒動の連続にあります。当時のアニメの多くが少年向けバトルや少女向け恋愛をテーマにしていた中で、本作は“ギャグ一辺倒”とも言えるユニークさを前面に押し出し、独自の立ち位置を確立しました。

放送期間はわずか1年、全49話というコンパクトな構成でしたが、その中には視聴者を飽きさせない奇想天外なエピソードが詰め込まれていました。放送枠がローカル中心だったため、全国的な知名度は一部制限されていましたが、それでも放送を視聴できた地域の子どもたちや当時のファンにとって、忘れられない作品となっています。ある意味で「知る人ぞ知る名作」と言えるアニメであり、視聴できなかった人々にとっては幻の存在として語られることも少なくありません。

『つる姫じゃ~っ!』を語るうえで外せないのが、主人公のキャラクター性です。彼女は「お姫様」という肩書きを持ちながらも、従来イメージされる気品や美しさからは大きく外れています。見た目はカッパ禿げ頭、性格は図々しくて粗野、さらには不潔さすらネタにされる。いわゆる“理想化されたヒロイン像”を真っ向からひっくり返した存在であり、この徹底した逆転の発想こそが作品の面白さを支えていました。つまり、本作は当時の少女漫画やアニメでありがちな「かわいい」「健気」といったステレオタイプな女性像を笑い飛ばす、ある種のパロディでもあったのです。

さらに特徴的なのは、そのギャグの方向性です。本作の笑いは単なるスラップスティック(ドタバタ)にとどまらず、風刺やブラックユーモアも巧みに取り入れていました。貧乏なハゲマス城を舞台に、家老や殿、女中など多彩なキャラクターが登場し、それぞれが社会の縮図を思わせる立場を担いながら、つる姫の騒動に振り回されます。観る人によっては、ただのおふざけに見える一方で、家庭や学校、政治や経済といった現実社会の縮図を戯画化しているとも捉えられるのです。この二重構造こそ、子どもから大人まで幅広い層に受け入れられた理由でした。

また、放送当時のアニメ市場を振り返ると、『つる姫じゃ~っ!』の存在はかなり異質でした。1990年前後は、『ドラゴンボールZ』『ちびまる子ちゃん』『美少女戦士セーラームーン(1992年開始)』など、長期的な人気作や商品展開を見込める作品が増えつつあった時期です。その中で『つる姫じゃ~っ!』はグッズ展開やメディアミックスを大々的に行うタイプではなく、純粋にギャグを楽しませることに注力していたのが特徴でした。結果として、玩具や文房具の大量展開こそ行われませんでしたが、その分アニメ自体の存在感が強く、内容そのものがファンの記憶に深く刻まれることとなりました。

加えて、この作品は声優陣や音楽面でも話題性を持っていました。主人公つる姫の声を担当した坂本千夏は、当時すでに数々の人気キャラクターを演じていた実力派であり、彼女の快活で濃厚な演技は作品の世界観に大きな説得力を与えました。また、エンディングやオープニングには当時の音楽シーンで注目を集めていたバンド「かまいたち」が関わり、アニメファンだけでなく音楽ファンの間でも「珍しい組み合わせ」として注目を集めました。このように、アニメ本編以外の要素も含めて独自色を打ち出していたのです。

総じて、『つる姫じゃ~っ!』は1990年という時代背景の中で、少々ニッチながらも強烈な個性を放った作品でした。少女漫画原作のアニメが「夢と憧れ」を届けることを重視していた流れの中で、「夢どころか悪夢のような大騒ぎ」を毎週繰り広げるこの作品は、まさに異端。しかし、その異端ぶりこそが視聴者の心に強烈な印象を残しました。可愛さやロマンスではなく、混沌とした笑いを前面に押し出したこの作品は、テレビアニメ史の中でも一風変わった存在であり、今なお一部のファンの間で語り継がれているのです。

[anime-1]

■ あらすじ・ストーリー

『つる姫じゃ~っ!』の物語は、貧乏城として知られる「ハゲマス城」を舞台に繰り広げられるドタバタ劇を描いています。中心にいるのは、その名もつる姫。彼女は一国のお姫様でありながら、気品や美しさ、教養といった“お姫様らしい”要素をほとんど持ち合わせていません。頭はツルツルのカッパ禿、素行は乱暴で、いたずら好き。周囲の人々の迷惑などおかまいなしに、日々トラブルを起こしては大騒ぎに発展させてしまいます。そんなつる姫が起点となり、城内から城下町、さらには学び舎の寺子屋まで、常に笑いと混乱が巻き起こるのが物語の基本構造です。

物語の第1話からして、その異色さは際立っています。視聴者が抱く「お姫様=美しい、優雅」という期待を徹底的に裏切り、つる姫は食べ物を散らかし、家臣たちを振り回し、父である殿をも手玉にとる。彼女の存在そのものが“反お姫様像”であり、それがシリーズ全体のユーモアの根幹を成しているのです。毎回のエピソードは独立した短編仕立てが多く、学園生活の騒動、家庭でのドタバタ、城下町でのトラブルなど、さまざまな舞台で「つる姫ワールド」が展開されます。

特に印象的なのは、つる姫が通う「寺子屋小学校」での出来事です。クラスメイトや先生までもが彼女の奔放さに振り回され、学びの場はしばしば大混乱の渦に。テストは常に0点、宿題はほとんどやらない。先生の説教すらギャグに転じてしまう展開が多く、「教育の場」という真面目な空間が“笑いの舞台”へと一変するのです。このような場面は、現実世界の学校生活をパロディ化したものとも言え、視聴者である子どもたちにとっても「あるある」と共感しつつ笑える要素が盛り込まれていました。

また、物語にはつる姫の家庭的背景も散りばめられています。幼い頃に母を亡くしているため、ふとした時に孤独を感じることもあります。普段は図太くて図々しい姫が、母のことを思い出して寂しさをにじませるエピソードは、ギャグ一辺倒の物語の中に温かみや人間味を加える重要な要素となっていました。視聴者は「ただの騒動屋」ではなく、「寂しさや弱さを抱えた子ども」としてのつる姫を垣間見ることができ、そのギャップが物語の深みを生んでいたのです。

ストーリーの進行においても、つる姫はただ騒ぎを起こすだけの存在ではありません。シリーズ後半に入ると、家老への感謝の気持ちを言葉や行動で示したり、稲刈りの作業で手を傷つけながらも泣きながら続けるなど、成長の兆しを見せます。無責任で自分勝手なようでいて、仲間や家族に対する思いやりを持ち合わせていることが徐々に描かれるのです。この成長要素が物語全体を通しての軸となり、最終回への布石となります。

最終回は、シリーズ全体の中でも特に印象深い展開です。殿が新しい伴侶を迎えることになり、その相手はつる姫の亡き母に瓜二つの女性。つる姫は最初、その結婚に戸惑いを覚えますが、やがて父の幸せを認め、自ら一人旅に出る決意をします。「帰ってきたときに、きちんと『ただいま』と言える自分になりたい」と語り、旅立っていく姿は、ドタバタを繰り返してきたつる姫の成長を象徴するラストでした。視聴者にとっては、ギャグ作品でありながらも一抹の切なさと余韻を残す結末であり、単なるお笑い番組にとどまらない深みを感じさせたのです。

全体を通じて『つる姫じゃ~っ!』のストーリーは、“日常の騒動”を極端にデフォルメした世界観で描かれています。お金に困っている城の暮らし、貧乏ゆえの悲喜こもごも、そして常識破りな姫の存在。そのどれもが笑いと驚きに満ちており、視聴者に「次はどんな大騒ぎになるのか」という期待感を抱かせました。そしてその裏には、子どもながらに背負う孤独や、周囲との関わりを通じて少しずつ成長していく姿があり、単純なギャグに収まらない普遍性がありました。

[anime-2]

■ 登場キャラクターについて

『つる姫じゃ~っ!』の最大の魅力は、なんといっても個性豊かなキャラクターたちです。主人公であるつる姫を中心に、家族や家臣、友人、学び舎の仲間たちまで、どのキャラも一癖も二癖もあり、作品全体を賑やかに盛り上げています。ここではそれぞれのキャラクターを詳しく紹介しつつ、物語で果たした役割や、視聴者から寄せられた印象を振り返っていきましょう。

● つる姫

物語の核を担う存在にして、視聴者の記憶に最も強烈な印象を残したのがこの「つる姫」です。ハゲマス城のお姫様という肩書きを持ちながら、その姿は伝統的な「姫様」のイメージを真っ向から裏切るもの。頭はつるつるのカッパ禿、着物はいつも同じ井桁模様、そして口を開けば図々しく、相手を困らせる発言ばかり。彼女のキャラクターは、美しさや清楚さといった従来の“理想的ヒロイン像”を徹底的に逆手に取って構築されています。

一方で、ただのギャグ要員にとどまらないのもつる姫の魅力です。例えば母を亡くした過去を持つことや、家老に対して時折見せる優しさは、視聴者に意外な感動を与えました。学園生活での振る舞いは無鉄砲でも、仲間の痛みに寄り添う一面を垣間見せることもあり、そこに「人間としての奥行き」が感じられます。最終回の「一人旅に出る」という決断は、ギャグの象徴だった彼女に成長と希望を託した象徴的な場面でした。

● イネ

つる姫付きの女中であり、作中では最も姫に手を焼かされている存在です。常に鼻毛が出ているというビジュアル的なインパクトに加え、眼鏡と大きな体格が特徴的。つる姫との力関係は単純で、姫が口で勝とうとしても腕力でも知恵でもほとんど勝てません。姫に対して強気な態度をとる一方で、彼女が見せる母性的な優しさもあり、厳しさと包容力を併せ持つキャラクターとして人気を集めました。

金銭にシビアで現実的な性格は、どこか庶民的で親しみやすさを感じさせます。最終回で一時、殿の再婚相手と噂され自らその気になってしまうというエピソードは、ギャグでありつつも人間臭い魅力が表れていました。視聴者の間では「鼻毛キャラなのに妙に可愛く見えてくる」という声も少なくなく、つる姫との掛け合いが作品の笑いの軸になっていたと言えるでしょう。

● 殿(ハゲマス城城主)

つる姫の父であり、ハゲマス城の主。中年太り気味で温厚な性格ながら、娘の奔放さに頭を抱えることもしばしば。彼の存在は、父親らしい威厳を示そうとしつつも、結局は娘に振り回されるというコメディの典型を体現しています。

時には酔って裸踊りをしてしまうなど、権威の象徴であるはずの殿が滑稽に描かれる点は、時代劇的な「殿様像」を風刺するような側面もありました。また、家老との将棋やつる姫との微妙な親子関係を通じて、人間的でどこか憎めないキャラクターとして描かれました。

● 家老

ハゲマス城の影の立役者とも言える存在。痩せこけた体と疲れ切った表情は、つる姫に日々振り回される過酷な生活の象徴です。彼は単なるギャグの犠牲者ではなく、つる姫にとって「叱ってくれる大人」であり「支えてくれる存在」でもありました。

物語後半では、つる姫から感謝の言葉を受け取ったり、彼女の成長を涙ながらに見守る場面が描かれ、ただの“ツッコミ役”から大きく昇華したキャラクターとなります。家老とつる姫の関係性は、作品全体を通じた大きなテーマのひとつであり、ギャグに包まれながらも心温まる要素を担っていました。

● クラスメイトたち(太郎・おはな・吾作・茂作など)

つる姫が通う寺子屋小学校の仲間たちは、物語の“日常コメディ”を彩る重要な役どころです。優等生のおはな、気弱で真面目な太郎、イタズラ好きの吾作と茂作。彼らはつる姫に振り回されつつも、ときに彼女と一緒に遊び、助け合う仲間として描かれました。

特に太郎は、つる姫にいじめられながらもどこか憎めず、やがて普通に友達として付き合えるようになる過程が印象的です。また、おはなと太郎の関係を巡る微妙な三角関係的なやり取りは、子ども向けギャグ作品ながらほのかな恋愛要素を感じさせ、視聴者に親近感を与えました。

● 元内先生

つる姫のクラスの教師。真面目で厳格な先生でありながら、つる姫の奔放さに日々悩まされる苦労人です。ストレスで体重が減ったり体調を崩したりする姿は、教師という職業の大変さをデフォルメした笑いでもありました。時には逆に強気に出てつる姫を殴ったり叱ったりする場面もあり、単なる受け身の存在ではないのも魅力でした。

● その他のキャラクター

カミナリ小僧・泥八・かめ姫など、脇を固めるキャラクターたちも個性豊かです。例えば、かめ姫の「とにかく遅い」という特徴は、作品のテンポに絶妙なズレを生み出し、ギャグの幅を広げていました。こうした脇役たちも単なる添え物ではなく、それぞれがエピソードを盛り上げる重要なピースとなっていたのです。

総じて、『つる姫じゃ~っ!』のキャラクターたちは“笑いの装置”であると同時に、“人間味の象徴”でもありました。外見的な特徴やギャグ要素が強調されながらも、どこか現実の人々を思わせる親近感があり、視聴者は彼らのやり取りに笑いながらも、自分や周囲の人々を重ね合わせて楽しむことができたのです。

[anime-3]

■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

アニメ『つる姫じゃ~っ!』を語るうえで欠かせないのが、作品世界をさらに鮮やかに彩った音楽です。本作はギャグアニメらしく、主題歌や挿入歌もどこか突き抜けたユーモアと勢いを感じさせる仕上がりになっていました。音楽は単なるBGMではなく、視聴者が作品の雰囲気を直感的に理解するための重要な要素として機能しており、当時リアルタイムで観ていた人々の記憶に深く刻まれています。

● オープニングテーマ「はちゃめちゃ姫」

本作のオープニングを飾ったのは、バンド「かまいたち」による『はちゃめちゃ姫』。タイトルからもわかるように、まさに“つる姫”そのものを体現した楽曲です。イントロから一気に加速するパンクロック調のリズムは、視聴者を強引にアニメの世界に引き込み、毎回「今日も大騒ぎが始まるぞ!」という期待感を高めてくれました。

歌詞はつる姫の奔放さやお転婆ぶりをストレートに表現しており、聴いているだけで彼女の騒動が目に浮かぶような内容でした。従来のアニメソングと比べてみても、明らかに異色。1980年代末から90年代初頭のアニメ主題歌といえば、アイドル歌手や声優による爽やかなポップスが主流でしたが、この曲は明らかに「異端」でした。アニメファンの中には「子ども向けアニメにしては過激なサウンドだ」と驚く声も多く、逆にそれが作品の個性を強調する効果を生んでいました。

当時の子どもたちにとっては、歌詞の細部までは理解できなくても、ノリの良さと叫ぶようなフレーズのインパクトが強く、教室や校庭で口ずさむ姿も見られたそうです。ギャグアニメである『つる姫じゃ~っ!』にふさわしく、明るく突き抜けたオープニングは、本編の大騒ぎの序章として欠かせない存在となっていました。

● エンディングテーマ「へのへのもへじ」

エンディングを担当したのも同じく「かまいたち」による『へのへのもへじ』。こちらはオープニングの勢いを引き継ぎながらも、やや遊び心を前面に出した楽曲です。タイトルからして脱力感たっぷりで、「絵文字のような存在」を音楽に変換したユニークさが特徴的でした。

楽曲は軽快でありながらもどこか不思議なリズム感を持っており、視聴後に「今日も騒がしかったな」と感じさせつつ、ほんの少しの余韻を残す役割を果たしていました。歌詞の中にはナンセンスな言葉遊びや繰り返しのフレーズが散りばめられており、視聴者の頭に自然と残るよう工夫されていました。

このエンディングが流れると、テレビの前で「おしまい」の空気感が漂う一方で、また次回も楽しみになる――そんなサイクルを作り出していたのです。エンディング映像ではキャラクターたちのコミカルな動きが描かれ、音楽との相乗効果で「ドタバタ喜劇」のイメージを定着させました。

● 挿入歌・キャラクターソングの可能性

放送当時、『つる姫じゃ~っ!』は商品展開が控えめだったため、いわゆる「キャラクターソング」の形で発売された楽曲は多くはありませんでした。しかし、劇中でキャラクターが歌うような場面や、独特なリズムに乗せてセリフを吐き出すシーンが多々あり、それが事実上の「キャラソン」として機能していたとも言えます。

例えば、つる姫が自作の歌を口ずさみながら悪ふざけをするシーンや、イネが三波春夫のファンであることを強調する場面では、音楽的な演出が強調されていました。これらは単なる台詞以上に視聴者の印象に残り、「キャラが歌っているように感じられる」という効果を生み出していたのです。

もし現代にリバイバルされるならば、こうしたキャラクターソングがアルバムとしてまとめられ、ファン向けに展開されていた可能性は高いでしょう。

● 音楽が生み出した世界観

『つる姫じゃ~っ!』の音楽の特徴は、「作品の混沌とした世界観をそのまま音に変換した」という点にあります。普通のアニメであれば、オープニングは爽やかに世界を紹介し、エンディングは余韻を残して静かに締めるものですが、本作はどちらも“騒がしさと突飛さ”を強調していました。視聴者に休む暇を与えず、最後まで笑わせるという構成は、音楽の面でも徹底されていたのです。

こうした音楽的アプローチは当時のアニメソングとしては挑戦的でしたが、結果的に『つる姫じゃ~っ!』を唯一無二の存在に押し上げました。音楽そのものの完成度というより、「作品世界と見事に一致している」という点が高く評価できるでしょう。

● 視聴者の記憶に残る理由

リアルタイム世代の視聴者にとって、オープニングとエンディングは強烈な印象を残しています。特にオープニングの『はちゃめちゃ姫』は、「曲を聴くだけで当時の夕方の時間帯を思い出す」という声も多いです。現在でも動画サイトやSNSでこの楽曲を耳にすると、一瞬で幼少期の記憶が蘇るという人も少なくありません。

また、当時はカセットテープやレコードに録音して繰り返し聴いていたファンもおり、公式リリースの少なさを逆手にとって「自分だけの音源」を楽しんでいた人もいました。このように、作品の音楽は単なる付属物ではなく、視聴者それぞれの思い出や生活の一部となっていたのです。

総じて、『つる姫じゃ~っ!』の楽曲はアニメ史において大規模なヒットを飛ばしたわけではありません。しかし、作品の個性をそのまま音楽に込めるという大胆さは、他のアニメではなかなか見られない特徴でした。視聴者にとっては「毎週の大騒ぎを約束する合図」であり、「日常を笑いに変えるための音楽」でもあったのです。

[anime-4]

■ 声優について

アニメ『つる姫じゃ~っ!』のもうひとつの魅力は、個性的で実力派ぞろいの声優陣がキャラクターに命を吹き込んだ点です。本作はギャグアニメであるため、演じる側にはただ台詞を読むだけでなく、誇張した表現や独特の間合い、さらにはアドリブ的な演技センスが求められました。声優たちの豊かな表現力によって、キャラクターは単なる絵から生き生きとした存在へと変貌し、作品全体の笑いを支える大きな要因となっていました。ここでは主要キャストを中心に、その演技や役柄との相性、当時の話題性などを詳しく振り返ります。

● 坂本千夏(つる姫役)

主人公・つる姫を演じたのは坂本千夏。『となりのトトロ』のメイなどで知られるベテランで、明るく快活な声質が特徴です。本作ではその持ち味を存分に発揮し、図々しくもどこか憎めないつる姫を見事に体現しました。

特に印象的だったのは、ギャグ的な絶叫や早口の台詞回し。普通ならば不快になりかねないわがままキャラクターを、嫌われずにむしろ愛嬌のある存在に仕立て上げたのは、坂本の演技力にほかなりません。さらに、母を失った寂しさをのぞかせるシーンでは、急にトーンを落として切なさを演じ分け、視聴者に強いギャップを感じさせました。坂本の演技の振れ幅が、つる姫の“ただの騒動屋ではない”一面を際立たせたのです。

● 青木和代(イネ役)

イネを演じた青木和代は、ふくよかで温かみのある声質を持ち、姫にとって母代わりとも姉代わりとも言える存在感をしっかりと支えました。強気で厳しい口調から、優しく諭す場面まで幅広く演じ分けることができ、キャラクターの厚みを大きく引き出しました。

特に青木の低めの声と堂々とした発声は、鼻毛が出ているというコミカルな外見に妙なリアリティを与え、視聴者の笑いを誘いました。同時に、姫に対して優しさを見せる瞬間には声のトーンを和らげ、ギャグ作品でありながら“人間臭さ”を強調していました。

● キートン山田(殿役)

殿を演じたのは、『ちびまる子ちゃん』のナレーションで国民的に知られるキートン山田。本作でもその落ち着いた声が父親としての威厳を漂わせつつ、酔っ払ったり裸踊りをしたりといったギャグ場面では、滑稽さを強調するアクセントになりました。

キートン山田の持つ独特の“間”は、本作の笑いに不可欠でした。真剣な調子で語った直後にズッコケるようなギャグが入ることで、余計に面白さが引き立つのです。視聴者からは「ナレーションで知っている声なのに、ここではコミカルなお父さん」という意外性も人気の一因となりました。

● 緒方賢一(家老役)

家老を演じたのは、ベテランの緒方賢一。『名探偵コナン』の阿笠博士や、『忍者ハットリくん』の獅子丸など、多数のコミカルキャラクターを演じてきた名優です。本作でも、疲れ切った老臣というキャラクターを絶妙に表現し、つる姫の暴走に対するツッコミ役として作品を支えました。

緒方の声はシワがれた中に温かみがあり、コミカルでありながらも“長年仕えてきた家臣”としての重みを感じさせました。つる姫の成長に涙するシーンでは、笑いの裏にある感動を引き出す力を発揮し、ギャグアニメながらも心を打つ瞬間を作り出しました。

● 林原めぐみ(カミナリ小僧役)

後の声優界の大スターとなる林原めぐみも、本作で重要な役を担いました。まだキャリア初期ながらも、その独特の声質と勢いのある演技はすでに健在。落雷と共に登場するカミナリ小僧を、エネルギッシュかつコミカルに演じ、印象的なゲストキャラクターに仕立てました。

林原はこの後、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイや『らんま1/2』の早乙女らんま(女の子ver.)などで一躍トップ声優となりますが、本作での演技にはその片鱗が感じられ、ファンにとっては貴重な初期出演作となっています。

● その他のキャスト

おはな役のかないみかは、後に『ポケットモンスター』のミュウや『ちびまる子ちゃん』のうみのさちこ役などで知られるようになり、本作では可憐で優等生的な少女を魅力的に演じました。
太郎役の篠原あけみは、真面目で気弱な少年を素直に表現し、つる姫に振り回される姿をリアルに描き出しました。
さらに、サル助役の高木渉や又五郎役の菊池正美といった後に名を馳せる声優陣も参加しており、本作が人材の宝庫であったことがわかります。

● 声優陣への評価と視聴者の感想

視聴者の感想を振り返ると、「声優の力がキャラをここまで立体的にした」という声が多く聞かれます。絵だけでは伝わらないユーモアやキャラクター性を、声優陣が全身全霊で表現したことで、作品の魅力は何倍にも膨れ上がりました。

特に坂本千夏の演技は「わがままで下品な姫を、嫌われないキャラクターに変えた奇跡」と高く評価されています。また、緒方賢一の家老に対しては「ギャグの中に涙を誘う説得力があった」と感動する声も少なくありません。声優陣の力量は、本作が単なるドタバタコメディにとどまらないことを証明していました。

総じて、『つる姫じゃ~っ!』は音楽だけでなく声優陣の演技も大きな武器とした作品でした。個性的で多彩な声が集まったことで、キャラクターたちは画面を飛び出し、視聴者の記憶に永遠に残る存在となったのです。

[anime-5]

■ 視聴者の感想

アニメ『つる姫じゃ~っ!』は、放送当時から現在に至るまで、視聴者の間で賛否両論を呼びながらも強い印象を残してきた作品です。ギャグアニメとしての突き抜けたテンションと、従来の“お姫様像”を真っ向からひっくり返すキャラクター設定は、多くの子どもたちに新鮮な笑いを届ける一方で、大人たちには衝撃すら与えました。ここでは、その具体的な感想やエピソードを掘り下げていきます。

● 子どもたちにとっての「爆笑体験」

リアルタイムで本作を観ていた小学生の多くは、とにかく「毎回笑い転げた」という感想を残しています。つる姫のわがまま、イネとの掛け合い、先生を困らせる寺子屋での騒動など、分かりやすいドタバタが中心だったため、難しいことを考えずに楽しめるという点が子どもたちの心をつかみました。

特に人気があったのは、つる姫が突拍子もない発明やいたずらを仕掛けて周囲を大混乱に陥れる回。例えば「料理を作れば誰もがお腹を壊す」といった設定は、子どもにとってシンプルかつ痛快で、「もし自分のクラスにいたら…」と想像しながら友達と盛り上がったという声が多く寄せられています。

● 保護者世代の反応

一方で、当時の親世代の感想は少し複雑でした。従来のアニメに見られるような「優しいお姫様」や「努力して夢を叶える少女」といった教育的な要素がほとんどなく、むしろつる姫は不潔でずる賢く、わがまま放題。これを子どもに見せてよいのか、と戸惑う声も一部にはありました。

しかしながら、「現実の子どもに近い」と評価する声もありました。親から見れば、つる姫の姿は「完璧ではない子ども」の象徴であり、自分の子どもにも通じる面白さがあったのです。特に、宿題をしない、テストで0点を取るといったエピソードは家庭のリアルな悩みと重なり、笑いつつも妙に納得させられたという感想もありました。

● 青春時代を振り返る大人の声

後年、本作を懐かしく振り返るファンからは、「当時はただ笑っていたが、大人になって観返すと深い」との声も聞かれます。つる姫が母を亡くしたことで抱える孤独や、家老への感謝を示すエピソードなどは、子どもの頃には見過ごしていた感情的な深みを持っていたのです。

最終回でつる姫が一人旅に出るシーンについては、「ギャグアニメなのに泣いてしまった」「笑いながらも人生を考えさせられた」といった意見が特に多く寄せられています。ギャグ作品でありながら、最後にしっかりとした人間ドラマを描き切った点が、高く評価されているのです。

● ネット世代の再評価

インターネットや動画配信の時代になると、『つる姫じゃ~っ!』は一部で再発見され、コアな人気を集めました。動画サイトにアップロードされたオープニングやエンディングをきっかけに、若い世代が「昔こんなすごいアニメがあったのか!」と驚いたり、「今のアニメでは絶対に放送できないような下品さが逆に新鮮」と評する声も少なくありません。

SNSでは「令和に蘇るべきギャグアニメ」として名前が挙がることもあり、短期放送ながら独特の存在感を放ち続けていることがわかります。特に、つる姫のキャラクター性は、現代の「型破りヒロイン像」の先駆けと見る意見もあり、その評価は時を経てむしろ高まっている部分もあるのです。

● ファンの間で語り草となったポイント

視聴者の感想の中で特によく話題になるのは、以下のような要素です。

つる姫の頭の“カッパ禿”:強烈なビジュアルインパクトがあり、「当時トラウマ級に覚えている」という人も。

料理で全員腹痛:繰り返し使われたギャグでありながら、毎回笑ってしまう鉄板ネタとして人気。

殿の酔っ払い踊り:親世代の視聴者からは「自分の父親を思い出した」との感想も。

家老の涙:ギャグの合間に見せる真剣な演技が、子ども心にもジーンと響いた。

最終回の旅立ち:ギャグアニメとして観ていた人ほど衝撃を受け、強く記憶に残っている。

● 総合的な評価

視聴者の感想を総合すると、『つる姫じゃ~っ!』は「一見子ども向けのドタバタギャグ」でありながら、その裏には人間味や社会風刺が潜んでおり、子どもから大人まで楽しめる奥深さを備えていたと言えます。賛否はあれど、「一度見たら忘れられない」というインパクトを与えたことは間違いなく、その証拠に30年以上経った今もこうして語り継がれているのです。

[anime-6]

■ 好きな場面

『つる姫じゃ~っ!』は全49話を通じてドタバタ劇が連続する作品ですが、その中でも特に視聴者の心に残った「名場面」や「お気に入りの瞬間」がいくつも存在します。ギャグアニメであるため基本的には笑いが中心ですが、その笑いの裏にほろりとさせられるシーンや、キャラクターの成長が感じられる瞬間もあり、ファンにとっては何度でも語りたくなるエピソードとなっています。ここでは視聴者の記憶に残る好きな場面を取り上げ、それぞれの魅力を詳しく振り返ってみましょう。

● 開始早々の「つる姫登場シーン」

第1話の冒頭、つる姫が初めて登場するシーンは、当時の視聴者に大きな衝撃を与えました。多くの人が「姫」と聞いて想像したのは、美しく可憐な少女。しかし実際に画面に現れたのは、カッパ禿で図太い性格の少女だったのです。この期待と現実の落差が爆笑を誘い、同時に「このアニメは一筋縄ではいかない」というインパクトを残しました。視聴者の多くが「初回から度肝を抜かれた」と語り、この作品を忘れられない理由のひとつになっています。

● 料理で全員ダウンする回

つる姫の手料理は“必ず誰かが体調を崩す”という定番のギャグでしたが、その中でも家中の人間が一斉にお腹を壊すエピソードは特に人気があります。殿も家老も小姓も城下町の人々までもが苦しむ姿はまるで災害のようで、視聴者は大笑いしながら「もう絶対食べちゃだめだよ!」と心の中でツッコミを入れたものでした。繰り返し使われたネタでありながら、毎回新しいバリエーションが加えられることで飽きさせず、子どもたちの間では「今日の料理被害は誰だ?」と話題になったほどです。

● 寺子屋での0点連発

学園パートでは、つる姫がテストで0点を連発する場面が定番でした。答案用紙に信じられない答えを書いて先生を呆れさせるシーンは、学校に通う子ども視聴者にとって共感しやすく、「自分も似たようなミスをしたことがある」と笑い話として盛り上がりました。中でも「数学の答えを落書きで埋める」「国語の読解をギャグに変える」など、破天荒な回答は今でも語り草です。

● 家老が涙するシーン

本作が単なるギャグにとどまらないことを証明したのが、家老が涙を流すシーンです。日々つる姫に振り回され疲弊する家老ですが、彼女が感謝を示したり、自分なりに努力する姿を見たときに思わず泣いてしまう場面は、視聴者の胸を打ちました。「ギャグアニメで泣かされるとは思わなかった」という声も多く、このギャップが本作の奥行きを感じさせました。

● 殿の酔っぱらい踊り

殿が酒に酔って裸踊りを始めるシーンもファンの間で人気の高い場面です。本来なら威厳の象徴であるべき殿が、権威をかなぐり捨てておどける姿は、子どもから見ても大人から見ても抱腹絶倒もの。しかもその踊りを見た家臣たちが冷ややかに突っ込むという流れもセットで、「殿なのに情けない」と笑いながら愛着を覚えるシーンとなりました。

● 稲刈りのエピソード

シリーズ後半、つる姫が稲刈りに挑戦する回は視聴者の心に残るエピソードです。慣れない作業で手を切り、泣きながらも必死に続ける姿に「普段の騒動屋とは違う真剣さ」を見た人も多かったでしょう。ギャグアニメでありながら、こうした場面でキャラクターの成長を描くことで作品に厚みが加わり、ファンの間では「泣き笑いの名回」として語り継がれています。

● 最終回「一人旅へ」

何よりも忘れられない場面は最終回です。殿の再婚が決まり、つる姫は新しい母親の存在に戸惑いますが、やがてそれを受け入れ、自ら一人旅に出る決意をします。「帰ってきたときにきちんと『ただいま』と言えるようになりたい」という台詞は、普段のギャグキャラからは想像できないほど真摯で、多くの視聴者が涙しました。子どもの頃に見ていた人の中には「最終回で泣いたのは初めての経験だった」と語る人も少なくなく、作品の印象を決定づけた名場面となっています。

● ファンにとっての“推し場面”

他にも、

太郎をめぐっておはなと口喧嘩する場面

サル助と又五郎のコンビ芸のようなやり取り

カミナリ小僧がつる姫に返り討ちにされる瞬間
など、ファンによって“推しの場面”はさまざまです。それぞれが個性的で、笑いや感動のツボが違うため、「どの場面が一番好きか」で盛り上がれるのも本作の特徴でした。

総じて『つる姫じゃ~っ!』は、一見するとどの回も騒動ばかりに見えますが、その中に視聴者が強く記憶に残すシーンが数多く存在しました。笑わせながら、時に心を温め、時に泣かせる――そんな多彩な魅力があるからこそ、30年以上経った今も「好きな場面」として語られ続けているのです。

[anime-7]

■ 好きなキャラクター

『つる姫じゃ~っ!』の魅力を支えたのは、何よりも個性あふれるキャラクターたちです。主人公のつる姫を筆頭に、城の仲間や学友、脇を固めるゲストまで、一人ひとりが強烈なキャラ付けをされており、視聴者は「誰推し?」と自然に語り合うほどでした。ここではファンの間で特に人気が高かったキャラクターや、思い出深い存在について掘り下げていきます。

● 王道人気を集めた「つる姫」

やはり一番人気は主人公のつる姫。最初は「ヒロインらしくない」「お姫様のイメージを壊す」と戸惑った視聴者も少なくありませんでしたが、回を重ねるごとに「逆にそこが好き!」という声が増えていきました。

理由① インパクト抜群の外見
カッパ禿という衝撃的なビジュアルは、他のどのアニメヒロインとも違う個性でした。「初めて見たときはびっくりしたけど、今では愛嬌がある」と懐かしむファンも多いです。

理由② ギャグと成長のギャップ
普段はふざけてばかりですが、時折見せる真剣さや寂しさが、ファンの心をつかみました。特に最終回の旅立ちは「ドタバタ娘がこんなに立派に…」と感動を呼び、長年のファンにとって忘れられない瞬間になっています。

理由③ 親近感
「自分も子どもの頃は宿題をサボった」「先生を困らせたことがある」と共感する声もあり、単なるギャグキャラを超えて、身近に感じられる存在だったのです。

● 頼れる相棒「イネ」

つる姫に次いで人気が高かったのは女中のイネです。強気で逞しく、つる姫を叱り飛ばす姿は、視聴者にとって安心感のある存在でした。

ファンの声
「イネがいなかったら、つる姫は本当に手がつけられなかったと思う」
「鼻毛キャラなのに、気づけば一番好きになっていた」

また、イネが時折見せる優しさや人間味のある恋愛模様も、視聴者にとって親近感を抱かせる要素でした。子ども視聴者には母親的なキャラとして、大人視聴者には「こういう人いるよね」と共感されるキャラとして幅広い人気を得ました。

● 愛されお父さん「殿」

殿はつる姫の父であり、権威者でありながらどこか頼りない姿で親しみを集めました。とくにお酒を飲んで酔っ払うシーンは人気が高く、「自分の父親と重なって笑った」という感想が多数寄せられました。

視聴者の中には「殿と家老のやり取りが一番好きだった」という人も多く、将棋を指すシーンや、娘に振り回される様子は定番の笑いどころでした。父親世代の視聴者からも「殿に自分を重ねてしまった」という声があり、幅広い層に愛されたキャラクターです。

● 不憫で愛おしい「家老」

ギャグアニメの中で涙を誘ったのが家老です。痩せこけ、過労で苦しみながらもつる姫を支える姿に、多くのファンが共感しました。

「家老が泣くシーンは本当にグッときた」「つる姫と家老の関係性が好き」という感想が目立ち、彼を“作品の良心”と見るファンも少なくありません。ギャグに巻き込まれる役割でありながら、最も人間味を感じさせたキャラだったと評価されています。

● 子ども人気を集めた「太郎」と「おはな」

学園パートでは、太郎とおはなが子ども視聴者から人気を集めました。太郎は真面目でいじめられがちなキャラですが、「頑張れ!」と応援したくなる存在。おはなは可愛らしい見た目と優等生キャラで、特に女の子視聴者から「憧れの存在」として人気がありました。

この二人は恋愛的な要素も含んでおり、「太郎とおはなの関係をもっと見たかった」という声も少なくありません。

● 隠れ人気キャラたち

サル助&又五郎 … コミカルな小姓コンビで、二人の掛け合いは安定した笑いを生み出しました。

カミナリ小僧 … 林原めぐみの演技も相まって、短い登場ながら印象に残る存在。

かめ姫 … ゆったりしたテンポで笑いを誘い、「マイペースキャラ」として愛された。

● 総評:キャラクター人気の理由

『つる姫じゃ~っ!』のキャラがこれほど愛された理由は、彼らが単なるギャグの駒ではなく、「身近にいそうな人間像」と「誇張されたギャグ性」が絶妙に融合していたからです。観る人によって「一番好き」が違うのも特徴で、誰かが必ず心に残るという点は、本作が長く語られる要因のひとつと言えるでしょう。

[anime-8]

■ 関連商品のまとめ

『つる姫じゃ~っ!』は放送当時の知名度や放送地域の制限から、いわゆる国民的アニメのように大規模な商品展開がなされたわけではありませんでした。しかし、熱心なファン層に支えられ、映像ソフトや書籍、音楽関連商品、さらには文房具や日用品など、多様なグッズが登場しました。ここでは、その種類や特徴をまとめ、どのようにファンの心をつかんでいったのかを振り返ります。

● 映像関連商品

まず外せないのが、放送終了後に登場した映像ソフトです。1990年代初頭は家庭用ビデオデッキが一般に普及して間もない時期であり、VHSやLD(レーザーディスク)がファンアイテムの中心でした。『つる姫じゃ~っ!』も例に漏れず、一部のエピソードを収録したVHSが限定的に販売されました。

セルビデオとして市販された巻数は多くはありませんでしたが、「初回登場回」「人気の高い学園エピソード」「最終回付近」など、話題性の高い回を中心にラインナップされ、熱心なファンからはコレクターズアイテムとして重宝されました。さらにレンタルビデオ店向けの専用テープも存在し、こちらは一般販売されなかったため現在では希少価値が高くなっています。

その後、2000年代に入るとDVD化の流れの中で「コンプリートボックス」が発売され、全49話をまとめて観られるようになりました。限定版には解説ブックレットや描き下ろしイラスト入りジャケットが付属し、当時のファンはもちろん、初めて作品に触れる世代にとっても大きな価値を持ちました。近年ではBlu-ray化こそされていませんが、高画質リマスター版の需要は根強く、復刻を望む声も少なくありません。

● 書籍関連

書籍関連商品としては、まず原作漫画の単行本が挙げられます。土田よしこによるコミックはアニメ放送より前から存在し、放送期間中には新装版や廉価版が書店に並びました。アニメの影響で作品を知ったファンが原作を手に取るケースも多く、書籍売上にも一定の波及効果を与えました。

また、放送当時のアニメ雑誌――『アニメディア』や『ニュータイプ』などでは、『つる姫じゃ~っ!』の特集記事が組まれ、キャラクター設定資料や声優インタビューが掲載されました。これらの雑誌は今ではプレミアが付いており、ファンにとっては貴重な資料価値を持っています。

さらに、アニメの場面写真をそのまま使用した「アニメコミックス」形式の単行本も出版されました。子どもでも手に取りやすい価格で販売され、放送を見逃した人やビデオを入手できない人にとって、物語を追体験する手段となりました。

● 音楽関連

『つる姫じゃ~っ!』の音楽関連商品は、他の大ヒットアニメに比べれば控えめでしたが、強烈な個性を放っていました。

OP「はちゃめちゃ姫」とED「へのへのもへじ」を収録したシングルレコード(EP盤)は放送当時に発売され、アニメファンのみならず音楽ファンからも注目を集めました。担当したバンド「かまいたち」は当時アンダーグラウンドな人気を誇っており、アニメ主題歌としては異例のコラボでした。そのため、「アニメファンとバンドファンの両方が手に入れようとした結果、市場からすぐに消えた」という逸話も残っています。

また、サウンドトラック的な立ち位置のカセットテープや非公式編集盤も存在しており、現在でも中古市場では根強い人気があります。後年にはCD形式で復刻され、デジタル配信で聴けるようになったことで、新しい世代のファンにも届くようになりました。

● ホビー・おもちゃ

商品展開の中心にはならなかったものの、少数ながらキャラクターグッズも販売されました。代表的なのは、ソフビ人形やぬいぐるみです。

つる姫ソフビ人形:特徴的なカッパ禿や井桁模様の着物が忠実に再現され、強烈なインパクトを放つアイテムでした。

ぬいぐるみシリーズ:イネや家老、殿など主要キャラが商品化され、コミカルで愛嬌あるデザインが子どもたちに人気でした。

他にも、ガチャガチャで配布された小型マスコットやキーホルダー、キャラクター消しゴムなど、当時の子ども向けアニメらしい商品が揃っていました。特に消しゴムは「学校で友達に自慢できるアイテム」として人気で、ランドセルに付けていた子どもも多かったようです。

● 文房具・日用品

文房具グッズは、アニメ放送当時の子どもたちにとって最も身近な関連商品でした。ノート、下敷き、鉛筆、消しゴム、筆箱など、学校生活に欠かせないアイテムにキャラクターがデザインされ、女子児童を中心に愛用されました。

また、コップやお弁当箱、タオル、歯ブラシセットなどの日用品も発売され、日常生活の中で『つる姫じゃ~っ!』を感じられるようになっていました。子どもにとっては「自分の生活の一部にキャラクターを持ち込める」ことが喜びであり、これらのグッズは思い出深い存在となっています。

● 食品・食玩

食品関連の商品としては、キャラクターシール付きお菓子やウエハース、ガムなどが発売されました。チョコや駄菓子にシールが付属する形式は当時の定番であり、子どもたちは「どのキャラが当たるか」で盛り上がりました。特に、井桁模様のつる姫シールや、鼻毛のイネが描かれたシールはコレクション的な人気を博しました。

● ゲーム・ボードゲーム

テレビゲームとしての展開はありませんでしたが、ボードゲームやすごろくは存在しました。盤面にはつる姫や仲間たちのイラストが描かれ、イベントマスで「お腹を壊す」「テストで0点」といったギャグ要素が盛り込まれており、作品の世界観をそのまま遊べる内容でした。

● 総合的な評価

『つる姫じゃ~っ!』の関連商品は量としては多くありませんが、その一つひとつが強烈な個性を放っていました。大規模展開こそなかったものの、「持っているとちょっと自慢できる」「他人と違うレアなアイテム」という位置づけがファン心をくすぐり、現在ではコレクターズアイテムとして高い評価を受けています。

[anime-9]

■ オークション・フリマなどの中古市場

『つる姫じゃ~っ!』は放送から30年以上が経過している作品であり、現在では公式に新しい商品がほとんど展開されていません。そのため、ファンやコレクターが関連グッズを手に入れる主な手段は、ヤフオクやメルカリといったオークション・フリマサイト、あるいは中古ショップに限られます。限られた商品展開だったからこそ希少性が高く、中古市場では想像以上の価値を持つアイテムも少なくありません。ここでは、ジャンルごとに市場の傾向を整理していきます。

● 映像関連商品の相場

もっとも注目されるのは映像関連です。VHS・LD・DVDと世代ごとに媒体が異なるため、それぞれに独自の価値があります。

VHS(セル・レンタル用)
当時のセル版は流通数が少なく、現在でも出品はまれです。1本あたり2,000〜4,000円程度が相場ですが、初回や最終巻など人気エピソードを収録した巻は1万円を超えることもあります。レンタル落ち品は安価ですが、それでも1,000円前後で動いています。

LD(レーザーディスク)
アニメファン向けに一部だけ発売されました。ジャケットアートの完成度が高く、今でも「飾って楽しむコレクション」として人気があります。状態が良ければ5,000円以上で落札されることも珍しくありません。

DVD-BOX
2000年代に発売された全話収録版は、現在もっとも人気のあるアイテムです。完品なら15,000〜25,000円、未開封品だと3万円を超えることもあります。リマスター版は存在しないため、このDVDが唯一の「全話視聴可能な正規ルート」であることが価値を高めています。

● 書籍関連の動向

原作コミックスやアニメ関連本も安定した需要があります。

原作単行本(初版)
帯付き・美品なら1冊あたり800〜1,500円程度。全巻初版セットだと1万円前後になることもあります。

アニメ雑誌の特集号
『アニメディア』や『ニュータイプ』などに掲載された記事は今や資料的価値が高く、特集ページがある号は1,500〜3,000円程度。付録のピンナップが残っていればさらに高値がつきます。

設定資料集・ファンブック
出版数は少ないため希少。保存状態によっては5,000円以上の落札例もあります。

● 音楽関連の市場価値

「かまいたち」が担当したOP/EDは、音楽ファンからの需要も加わり独特の人気を持ちます。

EPレコード(シングル盤)
状態良好なら2,000〜3,500円前後。帯付き・未開封はプレミア化し、5,000円以上になることも。

カセットテープ
非公式編集盤や当時の販促品はレア度が高く、数千円単位で落札されます。

CD復刻盤
後年リリースされたものは比較的安価で、1,000〜2,000円程度。ただし特典付きは3,000円前後に跳ね上がります。

● ホビー・おもちゃ関連

子ども向けに少数展開されたグッズは、現在ではむしろ「昭和レトロ」として評価されています。

ソフビ人形
つる姫単体でも2,000円以上。全キャラ揃ったセットなら8,000円〜1万円前後で落札される例があります。

ぬいぐるみ
イネや殿などは出品数が少なく、状態次第では5,000円近い価格になることもあります。

カプセルトイや消しゴム
比較的安価ながら、コンプセットは数千円規模に跳ね上がります。特にイラスト入り消しゴムは人気で、1個500円以上で動くこともあります。

● 文房具・日用品

文房具や日用品は、実際に使用されたため残存数が少なく、中古市場では“意外な高値”がつきやすいジャンルです。

下敷き・ノート … 未使用なら1,500〜3,000円。

鉛筆・消しゴム … 数本のまとめ売りで1,000円前後。

ランチグッズ(弁当箱・コップ・箸セット) … 保存状態が良ければ3,000〜6,000円。

タオル・ハンカチ … 未使用・袋入りなら2,000円以上。

これらは日用品であるがゆえに希少性が高く、コレクターが探し求める傾向が強いです。

● 食品系・食玩グッズ

当時発売されたシール付きお菓子やガムは、未開封のパッケージが残っているだけでプレミア扱いです。

シール単品 … 1枚300〜800円程度。レア柄は1,500円以上。

未開封のお菓子袋 … 保存状態次第では5,000円を超えることもあります。

こうした“消え物”はタイムカプセル的価値を持ち、コレクション市場では特別視されています。

● ボードゲーム・すごろく

テレビゲームは出ませんでしたが、ボードゲームは存在しました。盤面や駒が欠品なく揃っていれば3,000〜7,000円程度で落札されるケースが多いです。欠品があっても2,000円前後で動くため、需要の根強さがうかがえます。

● 総合的な市場評価

中古市場全体を見渡すと、『つる姫じゃ~っ!』関連グッズは「大衆的な人気アニメほど数は出回らないが、その分コアなコレクターが熱心に探し続けている」という特徴があります。特にDVD-BOXや映像ソフトは安定した高値を維持し、音楽関連や文房具も状態次第でプレミアが付く状況です。

つまり、『つる姫じゃ~っ!』は「大量に残っていない=希少」「知る人ぞ知る=価値が高い」という構造で、中古市場では独特の存在感を放っているのです。

[anime-10]

■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】
30,384 円 (税込)
著者:土田 よしこ出版社:中央公論新社サイズ:文庫ISBN-10:4122024323ISBN-13:9784122024328■こちらの商品もオススメです ● それでもこの世は悪くなかった / 佐藤 愛子 / 文藝春秋 [新書] ● 星くず 下 / 大谷 博子 / 集英社 [文庫] ● 不敵雑記 たしなみなし / 佐藤 愛子..

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【宅配便出荷】

【中古】 つる姫じゃ~っ! 6 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【宅配便出荷】
30,334 円 (税込)
著者:土田 よしこ出版社:中央公論新社サイズ:文庫ISBN-10:4122024323ISBN-13:9784122024328■こちらの商品もオススメです ● それでもこの世は悪くなかった / 佐藤 愛子 / 文藝春秋 [新書] ● 星くず 下 / 大谷 博子 / 集英社 [文庫] ● 不敵雑記 たしなみなし / 佐藤 愛子..

【中古】愛蔵版 つる姫じゃ?っ! (3)

【中古】愛蔵版 つる姫じゃ?っ! (3)
7,538 円 (税込)
{買われる前に一読願います}商品の最終確認をしてからの配送となりますので、受注後商品の発送開始までに約5日程度かかる場合がございます。●特典や付録は付属する場合のみ記載しています。記載がなければ欠品とお考えください。出品価格を定価より高く設定しています。詳細..

【中古】 愛蔵版 つる姫じゃ‾っ! (3)

【中古】 愛蔵版 つる姫じゃ‾っ! (3)
10,520 円 (税込) 送料込
【商品名】愛蔵版 つる姫じゃ‾っ! (3)(中古品)中古本の特性上【ヤケ、破れ、折れ、メモ書き、匂い】等がある場合がございます。特に状態が【可】の場合は書き込みや破れがある場合がございますので予めご承知おきのほどよろしくお願いいたします。また、商品名に【付属、..

【中古】つる姫じゃ〜っ! 2 /中央公論新社/土田よしこ(単行本)

【中古】つる姫じゃ〜っ! 2 /中央公論新社/土田よしこ(単行本)
1,094 円 (税込) 送料込
◆◆◆小口に日焼けがあります。中古ですので多少の使用感がありますが、品質には十分に注意して販売しております。迅速・丁寧な発送を心がけております。【毎日発送】 商品状態 著者名 土田よしこ 出版社名 中央公論新社 発売日 1988年12月1日 ISBN 9784120017391

【中古】【非常に良い】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)

【中古】【非常に良い】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)
5,980 円 (税込)
【中古】【非常に良い】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)【メーカー名】中央公論新社【メーカー型番】土田 よしこ【ブランド名】【商品説明】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)当店では初期不良に限り、商品到着から7日間は返品を 受付けており..

【中古】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)

【中古】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)
5,990 円 (税込)
【中古】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)【メーカー名】中央公論新社【メーカー型番】土田 よしこ【ブランド名】【商品説明】つる姫じゃ~っ! 2 (中公文庫 コミック版 つ 1-2)当店では初期不良に限り、商品到着から7日間は返品を 受付けております。他モール..

【中古】つる姫じゃ~っ! 1 (中公コミックス)

【中古】つる姫じゃ~っ! 1 (中公コミックス)
6,458 円 (税込)
{買われる前に一読願います}商品の最終確認をしてからの配送となりますので、受注後商品の発送開始までに約5日程度かかる場合がございます。●特典や付録は付属する場合のみ記載しています。記載がなければ欠品とお考えください。出品価格を定価より高く設定しています。詳細..

【中古】 つる姫じゃ~っ! 5 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】

【中古】 つる姫じゃ~っ! 5 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】
30,314 円 (税込)
著者:土田 よしこ出版社:中央公論新社サイズ:文庫ISBN-10:4122024315ISBN-13:9784122024311■こちらの商品もオススメです ● 街道をゆく 29 / 司馬 遼太郎 / 朝日新聞出版 [文庫] ● 街道をゆく 28 / 司馬 遼太郎 / 朝日新聞出版 [文庫] ● 星くず 下 / 大谷 博子 / 集英社..

【中古】 つる姫じゃ~っ! 4 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】

【中古】 つる姫じゃ~っ! 4 / 土田 よしこ / 中央公論新社 [文庫]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】
1,740 円 (税込)
著者:土田 よしこ出版社:中央公論新社サイズ:文庫ISBN-10:4122024307ISBN-13:9784122024304■こちらの商品もオススメです ● それでもこの世は悪くなかった / 佐藤 愛子 / 文藝春秋 [新書] ● 星くず 下 / 大谷 博子 / 集英社 [文庫] ● 旅の素 さわこのこわさ / 阿川 佐和..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop
[anime-11]

[anime-sita]