
放送開始45周年記念企画 想い出のアニメライブラリー 第49集 ばくはつ五郎[DVD] HDリマスター DVD-BOX / アニメ
【原作】:辻なおき
【アニメの放送期間】:1970年4月3日~9月25日
【放送話数】:全26話
【放送局】:TBS系列
【関連会社】:TCJ
■ 概要
1970年4月3日から同年9月25日にかけて、TBS系列の金曜19時枠で全26話が放送されたテレビアニメ『ばくはつ五郎』は、活気あふれる学園を舞台に、笑いと感動が交錯する青春ストーリーを描いた作品です。原作は辻なおきによる漫画で、もともとは1967年に講談社の月刊漫画誌『ぼくら』に連載された人気作。アニメ化にあたり、原作の持つ軽快なテンポやコミカルな描写はそのままに、テレビ映像ならではの臨場感や躍動感が加えられました。制作を手がけたのはTCJ(現・エイケン)で、同社の他作品に見られるキャラクターの表情豊かな作画や、小気味よいギャグ演出も本作の魅力を引き立てています。
物語は、青空学園に転校してきた主人公・大石五郎が、新聞部に入部したことをきっかけに学園中の様々な部活動や出来事に関わっていく様子を中心に展開します。運動神経抜群の五郎は、運動部の助っ人としても引っ張りだこになり、その活躍は時に笑いを誘い、時に仲間の心を熱くさせます。さらに、新聞部の勝気な部長・三枝まゆみ、気の優しいカメラマン・輪島一平といった個性豊かな仲間たちとの交流が、物語に人情味と温かみを添えています。
放送当時は、学園コメディでありながらスポーツアニメのような爽快さも併せ持つ作風が視聴者に新鮮に受け取られました。五郎が怒りの頂点で発する決め台詞「爆発だ!!」は子どもたちの間で流行語となり、当時の人気の高さを物語っています。また、全26話という短い期間ながら、友情や努力、正義感といったテーマを毎回のエピソードでしっかり描ききっており、再放送や映像ソフト化のたびに新しいファンを獲得してきました。
2016年にはHDリマスター版のDVD-BOXが発売され、色彩や音声の鮮明さが向上したことで、当時の空気感を現代でも味わえるようになりました。昭和の学園文化や当時のアニメ演出を知る資料としても価値が高く、往年のファンはもちろん、レトロアニメに興味を持つ若い世代にも親しまれています。
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■ あらすじ・ストーリー
物語の舞台は、活気に満ちた青空学園。ある日、岡山から転校してきた大石五郎は、明るく正義感の強い性格と並外れた運動神経を買われ、新聞部に入部します。新聞部といっても活動は学園内外の取材にとどまらず、事件やトラブルに巻き込まれることもしばしば。五郎は、その都度、行きがかりから運動部や文化部の助っ人として参加し、持ち前の行動力と体力で大活躍します。
新聞部の部長である三枝まゆみは、勝ち気でしっかり者。五郎の無鉄砲さに手を焼きつつも、そのまっすぐな性格に徐々に惹かれていきます。そして、カメラマンとして活動する輪島一平は、やや気弱ながらも二人を陰から支える存在で、彼の撮る写真は新聞部の命ともいえるものでした。この三人を中心に、青空学園の日常はにぎやかさを増していきます。
一方、学園には彼らの前に立ちはだかるクセ者たちも登場します。柔道部の荒熊源太は見た目こそ強面ですが、内に秘めた義理堅さを持ち、時に味方にもなります。対照的に、柔道部副部長の鬼丸武は陰険で乱暴、五郎と衝突を繰り返します。さらに、五郎を慕うあまり新聞部に敵意を向けてくるお嬢様・萩野ユリや、何かと小言を言う教頭・赤原など、個性豊かな面々が日々の騒動を巻き起こします。
エピソードはスポーツの大会や部活の試合、学園祭や地域行事など、学生生活のイベントを背景に展開されます。五郎はその場ごとにバスケットボール、野球、柔道、陸上競技など様々な競技で驚異的な活躍を見せ、時には失敗やトラブルに見舞われながらも仲間と力を合わせて困難を乗り越えていきます。
特筆すべきは、五郎の感情が極限まで高まったときに発する「爆発だ!!」という叫び。この一言とともに彼は驚くべきパワーを発揮し、試合や事件の流れを一変させるのです。この描写は物語の大きな見せ場であり、視聴者の期待を毎回高める要素になっていました。
最終回に向けて物語は、五郎が新聞部で過ごす日々の中で友情や信頼を深め、彼自身が成長していく姿を描きます。仲間とともに乗り越えた数々の出来事は、単なる学園コメディにとどまらず、見る者の心に温かな余韻を残します。
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■ 登場キャラクターについて
『ばくはつ五郎』には、学園生活を舞台にした物語らしく、主人公の周囲を取り巻く多彩で魅力的な人物が登場します。彼らは物語の推進力であり、時に協力者、時にライバルとして五郎の学園生活を彩ります。
大石 五郎(おおいし ごろう)
本作の主人公で、青空学園2年A組に転校してきた男子中学生。明るくエネルギッシュで正義感が強く、困っている人を放っておけない性格です。その反面、短気で感情的になりやすく、衝動的な行動に出てしまうこともしばしば。最大の特徴は、怒りや闘志が極限に達すると「爆発だ!!」と叫び、常人離れした力を発揮する点です。運動神経は抜群で、新聞部員でありながら様々な運動部に助っ人として参加し、数々の勝利をもたらします。岡山県出身で、幼くして父を亡くし、酒屋を営む叔父夫婦に引き取られて暮らしています。
三枝 まゆみ(さえぐさ まゆみ)
新聞部の部長で、五郎のクラスメートにしてヒロイン的存在。快活で負けん気が強く、周囲を引っ張るリーダーシップを持っています。五郎の無鉄砲な行動に振り回されつつも、その真っ直ぐさや行動力を信頼しており、次第に深い絆が生まれます。部活動だけでなく学園全体の出来事に関わることも多く、その機転と人望で新聞部をまとめています。
輪島 一平(わじま いっぺい)
新聞部でカメラマンを務める、眼鏡と丸刈り頭が特徴の男子生徒。気弱でお人好しな性格ながら、取材への情熱は人一倍で、事件や試合の瞬間をカメラに収める腕前は確か。まゆみを「親分」と呼び慕い、五郎とも固い友情を築いています。語尾に「〜ざんす」と付ける独特の話し方がトレードマークです。
荒熊 源太(あらくま げんた)
柔道部の部長を務める3年生。大柄で怖そうな外見に反し、筋の通った性格で義理堅い一面を持ちます。まゆみに好意を寄せており、時に五郎とライバル関係になることも。プライドが高い反面、試合や勝負には真摯に挑む姿勢が光ります。
鬼丸 武(おにまる たけし)
柔道部の副部長で、荒熊とは対照的に陰湿で乱暴な性格。五郎と同じクラスでありながら、何かと対立を繰り返す問題児的存在。柔道部内の不祥事の火種になることも多く、学園内でのトラブルメーカー的な役割を担っています。
萩野 ユリ(はぎの ゆり)
地元の建設会社社長の一人娘。勝気でプライドが高く、当初は五郎を巡ってまゆみと対立することもありましたが、物語が進むにつれて打ち解け、新聞部とも協力関係を築くようになります。
浜田 寅之助(はまだ とらのすけ)
通称「ハマトラ」と呼ばれる新聞部顧問の教師。生徒たちの活動を温かく見守り、時に厳しい指導も行う頼れる存在です。
細川 忠文(ほそかわ ただふみ)
剣道部の部長で、かつては体が弱く視力にも問題を抱えていましたが、努力と治療で克服。落ち着いた物腰と誠実な性格で部員たちから慕われています。
赤原(あかはら)
青空学園の教頭。校長には弱腰ですが、生徒や教師には口うるさい人物。紫色のスーツとパイプがトレードマークです。
これらのキャラクターは、単なる脇役ではなく、それぞれが物語の軸となるエピソードを持ち、五郎の成長や学園生活の彩りを豊かにしています。個性豊かな面々が織りなす人間関係こそが、『ばくはつ五郎』を唯一無二の作品にしているのです。
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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
『ばくはつ五郎』の音楽は、当時の明るく勢いのある学園アニメらしい軽快さと、人情味のある温かさを兼ね備えており、作品の印象を強く形作っています。視聴者にとっては、オープニングやエンディングのメロディが物語への入口であり、放送当時を思い出す“音の記憶”として深く刻まれています。
オープニングテーマ「ばくはつ五郎」
作詞は橋本淳、作曲・編曲は和田昭治、歌はザ・ワンダースが担当。アップテンポで勢いのあるサウンドに、五郎の元気で豪快なキャラクターをそのまま歌詞に乗せた楽曲です。冒頭から響く勇ましいメロディは視聴者の気持ちを一気に引き込み、「これから何か面白いことが始まるぞ」という期待感を高めてくれました。サビのフレーズは子どもたちの間で口ずさまれ、校庭や通学路で歌う姿も多く見られたといいます。
エンディングテーマ「涙はともだち」
同じく橋本淳による作詞、和田昭治による作曲・編曲で、歌はザ・ワンダース。こちらはオープニングとは対照的に、落ち着いたテンポで友情や優しさを感じさせる楽曲です。五郎たちの賑やかな日常の後に流れることで、視聴者の心にじんわりとした余韻を残します。「涙も笑顔も分かち合う友だち」というテーマは、作品全体のメッセージとも深く響き合っています。
挿入歌「青空学園校歌」
林春生が作詞、司一郎が作曲・編曲を担当。劇中で生徒たちが歌うシーンや行事の場面に用いられ、架空の学園ながらも現実感を持たせる役割を果たしました。歌詞には学園の名前や自然を讃える言葉が並び、作品世界の一部としてファンの間でも印象に残る存在です。
挿入歌「青空学園応援歌」
同じく林春生作詞、司一郎作曲・編曲で、こちらは運動会や試合のシーンで流れることが多く、リズム感のあるメロディが視聴者の気分を盛り上げました。キャラクターたちが口ずさむ場面もあり、現場の一体感を音楽で演出しています。
これらの楽曲群は、ただのBGMや主題歌にとどまらず、登場人物の心情や物語の空気感を伝える大切な役割を担っていました。音楽が流れることで場面の感情が高まり、視聴者はより深く『ばくはつ五郎』の世界に没入できたのです。特に、主題歌レコードやカセットが子ども向け商品として発売され、当時の家庭や学校行事でも流れるほどの浸透ぶりでした。今日でもこれらの楽曲は、昭和アニメ音楽の名曲として語り継がれています。
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■ 声優について
『ばくはつ五郎』は、当時の実力派声優陣が集結した作品としても知られています。それぞれのキャラクターの個性を引き立てる声の芝居は、物語をより生き生きとしたものにし、放送から半世紀以上経った今でもファンの記憶に鮮やかに残っています。
中山輝夫(大石五郎 役)
主人公・五郎の快活で元気な声を演じた中山輝夫は、声に躍動感と明るさを宿し、彼の熱血ぶりや衝動的な一面を自然に表現しました。特に「爆発だ!!」の決め台詞は力強さと勢いに満ち、視聴者の胸に響く印象的な瞬間となっています。中山の演技は、五郎の正義感とお人好しな面の両方を兼ね備えており、主人公像を確立させました。
杉山佳寿子(三枝まゆみ 役)
ヒロイン・まゆみを演じた杉山佳寿子は、勝気で芯の通った少女像を、伸びやかで芯のある声質で表現。五郎に対する苛立ちや信頼、時には照れを繊細に演じ分け、物語に温かみを加えています。杉山は後年も数多くのヒロイン役を務めていますが、本作での演技は初期の代表作のひとつとしてファンに愛されています。
小宮山清(輪島一平 役)
おっとりとした雰囲気を持つ輪島を演じた小宮山清は、特徴的な「〜ざんす」という語尾を柔らかく響かせ、コミカルさと親しみやすさを同時に演出しました。場を和ませる役割を担いつつ、カメラマンとしての情熱も感じさせる声の芝居は、脇役でありながら物語に欠かせない存在感を放っています。
上田敏也(兵藤大介 役)
低く渋みのある声で、落ち着いた大人のキャラクターを表現。生徒たちを見守る姿勢や威厳のある態度が声からも伝わり、物語に安定感を与えました。
細井重之(荒熊源太 役)
柔道部長・荒熊の豪快さと真面目さを声で体現。豪放磊落な台詞回しの中にも、仲間への思いやりが感じられ、キャラクターの奥行きを生み出しています。
矢田耕司(鬼丸武 役)
鬼丸の狡猾で乱暴な性格を、ねっとりとした抑揚や強い口調で演じ、視聴者に“嫌な奴”としての印象を鮮烈に残しました。矢田の演技があったからこそ、五郎との対立が物語の見どころのひとつとなっています。
その他のキャスト
萩野ユリ役の栗葉子はお嬢様らしい品のある声に、時折見せる感情的なニュアンスを加えて、キャラクターの二面性を際立たせました。教頭・赤原を演じた納谷悟朗は、威圧感とコミカルさを絶妙に混ぜ合わせ、印象に残る人物像を作り上げています。
こうした多彩な声優陣の演技が組み合わさることで、『ばくはつ五郎』はキャラクターの魅力を最大限に引き出し、ストーリーをより臨場感のあるものにしています。当時のアニメにおける“声の力”を知る上でも、本作は貴重な存在と言えるでしょう。
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■ 視聴者の感想
『ばくはつ五郎』は、放送当時から視聴者の間でさまざまな感想やエピソードが語られてきました。その声を振り返ると、この作品が単なる学園コメディではなく、友情・努力・ユーモアが絶妙に交じり合った青春物語として支持されていたことがわかります。
放送をリアルタイムで見ていた世代の多くは、まず主人公・五郎の快活さと行動力に魅了されたと語ります。「爆発だ!!」と叫ぶ名場面は、当時の小中学生にとって格好の真似ごとになり、教室や校庭で口にしては友達と盛り上がったという思い出が頻繁に聞かれます。そのセリフに込められた勢いと爽快感は、50年以上経った今も脳裏に焼き付いているという人も少なくありません。
一方で、視聴者の中には三枝まゆみや萩野ユリといった女性キャラクターの描かれ方に注目した人も多く、「男勝りで頼れるヒロイン」と「勝気なお嬢様」という対照的な存在が、物語を引き締めていたという意見が見られます。特にまゆみのリーダーシップやユリの変化(当初の対立から協力関係への移行)は、当時の少女視聴者にとっても共感を呼びました。
また、作品全体のテンポやユーモアのセンスに対する評価も高く、「一話完結ながら毎回の盛り上がりがしっかりあった」「ギャグと真剣な勝負シーンのバランスが絶妙だった」といった感想が寄せられています。運動会や試合、学園祭など学生生活のイベントを背景にした物語は、自分たちの学校生活と重ね合わせながら楽しむことができたという声もあります。
さらに、放送終了後の再放送や映像ソフトを通じて初めて本作を見た若い世代からも、「昭和アニメらしいストレートな熱血展開が新鮮」「古さを感じないほどキャラクターが生き生きしている」という評価が寄せられています。作画や音楽、声優陣の演技といった要素が組み合わさり、古典的でありながら普遍的な魅力を保ち続けている点も、長年支持される理由のひとつです。
総じて、視聴者の感想は、五郎の人柄や仲間たちとのやりとり、物語全体の軽快さへの称賛で占められています。そしてそれは、ただの懐古ではなく、今なお見ても笑えて熱くなれる“普遍的な学園ドラマ”としての評価でもあります。
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■ 好きな場面
『ばくはつ五郎』には、視聴者の記憶に強く残る名場面が数多く存在します。それらは単に派手なアクションシーンだけでなく、キャラクターの心情がにじみ出る瞬間や、意外な笑いを誘う小さなやり取りまで幅広く含まれています。
まず、多くのファンが挙げるのは、五郎が感情を爆発させる瞬間です。怒りや正義感が頂点に達し、「爆発だ!!」と叫びながら驚異的な力を発揮する場面は、シリーズの象徴的演出であり、子どもたちの間で真似が流行しました。特に、試合や競技で不利な状況をひっくり返すシーンでは、観ている側も一緒に気持ちが高ぶるという声が多く聞かれます。
次に人気が高いのは、新聞部の三人組(五郎・まゆみ・一平)が協力して難題を乗り越えるエピソードです。運動部の助っ人をしながらも取材の手を抜かない五郎と、それを的確にリードするまゆみ、そして写真で勝負を決定づける一平という三人の連携は、視聴者にとって痛快な見どころでした。特に試合後に三人で笑い合う締めのシーンは、友情の温かさを感じさせます。
また、荒熊源太と鬼丸武の対立や和解の瞬間も、印象的な場面として語られます。柔道部内の確執が解け、互いに認め合うようになる展開は、ただのギャグ作品にとどまらない人間ドラマとして視聴者の心を打ちました。
女性キャラクターのエピソードも外せません。萩野ユリが当初の対抗心を乗り越えて新聞部に協力するようになる場面や、まゆみが五郎の無茶を庇う場面は、ファンの間で長く語り継がれています。特に、まゆみが五郎に「あなたらしくやればいい」と背中を押すシーンは、短い台詞ながら深い印象を残しました。
そして、忘れられないのがコメディ色の強い小ネタやギャグシーン。輪島一平の「〜ざんす」口調での的外れなコメントや、赤原教頭の小言に五郎が一言で切り返す場面などは、何度見ても笑ってしまうという意見が多数あります。こうした軽妙な笑いが、作品全体のテンポを支え、真剣なシーンとの緩急を生み出していました。
これらの好きな場面は、ただの懐古ではなく、キャラクターの魅力や人間関係の深まり、ストーリーの練られた構成を物語っています。だからこそ、半世紀を経てもなおファンの記憶に鮮明に残り続けているのです。
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■ 好きなキャラクター
『ばくはつ五郎』には、個性豊かな登場人物が多数存在し、その中からファンが特に惹かれる「推しキャラ」が世代ごとに異なります。放送当時から現代に至るまで、視聴者の間では誰が一番魅力的かを巡ってさまざまな意見が交わされてきました。
大石五郎
主人公の五郎は、やはり多くのファンにとって不動の人気ナンバーワン。快活で正義感が強く、仲間のためなら迷わず行動する姿勢が支持されています。「爆発だ!!」の決め台詞とともにピンチを切り抜ける場面は、視聴者に爽快感を与えると同時に、彼の純粋さと情熱を強く印象づけました。子ども時代に憧れの存在だったという声も多く寄せられています。
三枝まゆみ
女性キャラクターの中では、新聞部部長のまゆみが圧倒的に人気。勝ち気で行動力がありつつも、仲間思いで包容力を持つ彼女は、同性からも好感を持たれました。特に五郎との掛け合いや、彼を陰ながら支える姿に魅力を感じるファンが多く、「頼れるお姉さん的存在」として記憶されています。
輪島一平
おっとりした性格とユーモラスな言動で、作品の癒やし枠となっているのが一平です。彼の「〜ざんす」という独特の口調や、緊迫した場面でもマイペースを崩さないスタイルは、多くのファンから愛されています。また、決して主役を張るタイプではないものの、写真で事件や試合の真相を明らかにする場面では確かな存在感を発揮し、「裏の主役」と評されることもあります。
荒熊源太
柔道部長の荒熊は、見た目の豪快さと内面の義理堅さのギャップが人気の理由。時に五郎のライバルとなり、時に頼れる味方になるその立ち位置が、物語を深めています。彼の真剣勝負の姿勢や、仲間を思う優しさに惹かれたファンは少なくありません。
萩野ユリ
登場当初は五郎を巡る恋敵としてまゆみと衝突するユリですが、物語が進むにつれて協力者へと変化する過程が魅力的だと評されています。お嬢様らしいプライドの高さと、友情に目覚めていく柔らかい一面のギャップに惹かれるファンも多いです。
赤原教頭
やや意外ですが、コミカルな立ち位置の赤原教頭もコアな人気を誇ります。紫色のスーツとパイプという独特の外見、そして小言ばかりの性格ながら、どこか憎めない存在感がクセになると評判です。
こうして振り返ると、ファンの「好きなキャラクター」は、単なる善悪や主役・脇役の区別ではなく、それぞれの人物の魅力や物語での役割に基づいて選ばれていることがわかります。キャラクターの関係性や成長も相まって、誰を選んでも納得できるほどの個性が全員に宿っているのが『ばくはつ五郎』の強みです。
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■ 関連商品のまとめ
『ばくはつ五郎』は、放送から長い年月が経ってもなお、映像ソフトや書籍、音楽商品、ホビーグッズなど多岐にわたる関連商品が存在します。これらは当時の放送ファンだけでなく、後年のレトロアニメ愛好家やコレクターにも注目されています。
映像関連
放送当時は家庭用ビデオ機器が普及していなかったため、公式映像商品は長らく存在しませんでしたが、1980年代後半に入り一部エピソードを収録したVHSが登場しました。これらは限定的な巻数での発売でしたが、主人公五郎の活躍や人気の高い回を中心に収録され、当時のファンに喜ばれました。その後、2000年代に入ってからは全話を収めたDVD-BOXが発売され、さらに2016年にはHDリマスター版が登場。鮮明な映像とクリアな音質で、昭和当時の放送クオリティを現代に蘇らせています。限定版にはブックレットや設定資料、ノンクレジットOP/EDなどの特典も同梱され、コレクターズアイテムとしての価値を高めています。
書籍関連
原作漫画は辻なおきによる『ぼくら』誌での連載作品が基礎になっており、アニメ化に合わせて単行本も刊行されました。昭和当時の単行本は現在希少価値が高く、復刻版や愛蔵版も発売されています。また、アニメ絵柄を使用したアニメコミック(フィルムコミック)も一部出版され、アニメのストーリーを誌面で追体験できる形でファンに支持されました。加えて、当時のアニメ誌『アニメージュ』『OUT』『アニメディア』などでは特集記事やピンナップが掲載され、キャラクター人気投票の常連として登場しています。
音楽関連
主題歌「ばくはつ五郎」「涙はともだち」、挿入歌「青空学園校歌」「青空学園応援歌」は、EPレコードとしてリリースされました。ザ・ワンダースによる元気で耳に残る歌声は、放送当時の空気感をそのままパッケージに閉じ込めたような存在です。これらは後年にCD化もされ、アニメソングコンピレーションアルバムにも収録されるなど、今も聴くことができます。
ホビー・おもちゃ
玩具展開は控えめでしたが、キャラクターをデフォルメ化したソフビ人形や、当時流行していた消しゴム人形(いわゆる“消しゴムフィギュア”)が販売されました。新聞部の三人組や柔道部の荒熊・鬼丸らがセットになった商品は特に人気が高く、ガチャガチャ景品としても登場。さらに、簡易ボードゲームや学園を模した紙製ジオラマキットも子ども向けに流通していました。
ゲーム関連
テレビゲーム化はされませんでしたが、昭和当時の定番であるすごろく形式のボードゲームやトランプが作られています。マスごとにミニイベントやキャラクターのセリフが記載され、作品の世界観を遊びながら楽しめる仕様でした。
文房具・日用品・食品
アニメ絵柄を使った下敷き、ノート、鉛筆、カンペンケースなどの学用品も多数販売。特に五郎やまゆみが描かれたノートや、輪島のコミカルな表情をプリントした消しゴムは人気がありました。また、駄菓子屋向けにキャラクターシールやおまけ付きガムも発売され、子どもたちのコレクション欲を刺激しました。
こうした関連商品は、当時の子どもたちにとってアニメを日常に持ち込む手段であり、今では当時物のグッズがレトロ市場で高値取引されるほどの希少品となっています。
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■ オークション・フリマなどの中古市場
『ばくはつ五郎』関連商品は、現在の中古市場でも一定の需要があり、特に熱心なレトロアニメファンやコレクター層の間で高い評価を受けています。オークションサイトやフリマアプリを覗くと、映像ソフトからグッズ、書籍、音楽商品まで幅広く取引されており、状態や希少性によって価格は大きく変動します。
映像関連商品の傾向
VHSやDVD-BOXが出品の中心です。VHSは1980年代後半〜90年代初頭に販売された一部エピソード収録版が多く、ジャケットが色褪せていてもコレクター需要があります。美品や未開封品は希少で、特に人気回を含む巻は1本3,000円前後、状態によっては5,000円を超えることもあります。2016年発売のHDリマスターDVD-BOXは生産数が限られており、帯付き・特典完備ならば15,000〜25,000円程度で取引されるケースも珍しくありません。
書籍関連の傾向
原作漫画の初版本や帯付きは特に人気が高く、全巻セットで10,000円前後になることもあります。アニメ放送当時の雑誌記事やピンナップも評価が高く、『アニメージュ』『アニメディア』などに掲載された特集号は1冊1,500〜3,000円程度。設定資料集やキャラクターブックは流通数が少なく、保存状態が良ければ5,000円近くまで価格が上がります。
音楽関連の傾向
主題歌EPレコードや挿入歌EPは、特にジャケット状態が良好なものにプレミアが付きやすく、2,000〜4,000円での取引が多いです。LPアルバムやCD化された再販盤は比較的手に入りやすく、1,000〜2,000円台で落札されることが一般的ですが、帯付き未使用品は価格が跳ね上がります。
ホビー・おもちゃの傾向
ソフビ人形や消しゴム人形は人気が高く、1体1,500〜3,000円程度で取引されます。新聞部三人組や柔道部キャラが揃ったコンプリートセットは、8,000円以上になることもあります。紙製ジオラマや当時物のボードゲームは箱付き完品なら3,000〜6,000円で取引され、欠品があっても2,000円前後の需要があります。
文房具・日用品・食品関連グッズの傾向
アニメ絵柄の下敷きやノート、カンペンケースなどは、未使用のものが特に高値で、2,000〜4,000円台が相場です。駄菓子屋向けのシールやおまけ付きガムの台紙は珍しく、1枚単位で数千円の値が付くこともあります。マグカップやランチグッズといった日用品は出回りが少なく、未使用品なら5,000円を超えるケースもあります。
総じて、『ばくはつ五郎』関連商品は流通量こそ限られますが、保存状態が良いものや特典付きは今でも高い評価を受けています。昭和アニメブームやレトロ玩具収集の流れを受け、今後もプレミア化する可能性が高いジャンルのひとつです。
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