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【ゲーム名】:FM TOWNS
【メーカー】:富士通株式会社
【発売日】:1989年2月28日
【発売時の価格】:338,000円(モデル1)/398,000円(モデル2)
【ゲームのタイトル数】:約600本前後
【国内累計販売台数】:50万台以上
【最も売れたゲーム】:未公表
- ■ 1位 達人王
- ■ 2位 スプラッターハウス
- ■ 3位 スーパーストリートファイターII
- ■ 4位 雷電伝説
- ■ 5位 VIEWPOINT
- ■ 6位 モンキー・アイランド2 ル・チャックの逆襲
- ■ 7位 ぷよぷよ
- ■ 8位 ALLTYNEX
- ■ 9位 ダンジョンマスター
- ■ 10位 Wing Commander
- ■ 11位 The Secret of Monkey Island
- ■ 12位 SimCity
- ■ 13位 LOOM
- ■ 14位 Indiana Jones and the Last Crusade: The Graphic Adventure
- ■ 15位 Alone in the Dark
- ■ 16位 Ultima Underworld: The Stygian Abyss
- ■ 17位 Zak McKracken and the Alien Mindbenders
- ■ 18位 シャドー・オブ・ザ・ビースト 魔性の掟
- ■ 19位 Pu・Li・Ru・La
- ■ 20位 Turbo OutRun
- ■ 21位 エメラルドドラゴン
- ■ 22位 ブランディッシュ
- ■ 23位 ラストハルマゲドン
- ■ 24位 ドラゴンスレイヤー英雄伝説
- ■ 25位 ロードモナーク
- ■ 26位 A列車で行こうIII
- ■ 27位 三國志II
- ■ 28位 信長の野望・武将風雲録
- ■ 29位 Mad Stalker: Full Metal Force
- ■ 30位 オペレーションウルフ
- ■ まとめ
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■ 1位 達人王
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『達人王』は1993年前半にビングから発売された縦スクロールシューティングです。原作となるアーケード版は東亜プランが開発した作品で、FM TOWNSへの移植をビングが担当しました。発売時期については資料ごとに3月から4月付近で表記差がありますが、1993年春の作品として扱われています。当時の定価は9,800円クラスで、一般的な家庭用ゲームソフトより高価だったものの、高性能パソコン向けCD-ROMソフトとしては珍しくない価格帯でした。
FM TOWNSを象徴するシューティングとして人気が高い理由
本作を第1位とした最大の理由は、「FM TOWNSで遊ぶ意味」が非常に分かりやすい作品だからです。原作『達人王』は東亜プラン作品の中でも特に高難度で知られ、巨大な敵機、容赦のない敵弾、長大なステージ、正確な位置取りを要求する敵配置などによって、上級シューティングファンから強い支持を受けてきました。一見すると普通の縦スクロールシューティングですが、実際には反射神経だけでは攻略できません。次にどこから敵が現れるのか、どの敵を優先して破壊するのか、どの位置で武器を切り替えるのかといった攻略知識が必要で、何度も挑戦するうちに少しずつ先へ進めるようになります。そのため「自分の腕前が向上した」と実感しやすく、クリアまでの道のりそのものが大きな達成感につながります。
ゲームとしての魅力と遊び続けたくなる構造
『達人王』の魅力は、派手な演出と非常にストイックなゲームデザインが同居していることです。画面には大型戦艦や重装甲メカ、小型敵、地上砲台などが次々と現れ、プレイヤーは一瞬も気を抜けません。武器は単純に強いものを取ればよいわけではなく、広い範囲へ攻撃したい場面と、ボスへ火力を集中させたい場面で適切な選択が変わります。さらに敵を画面へ大量に残してしまうと弾が増え、逃げ場を失うため、攻撃こそ最大の防御という感覚も強くなっています。この攻撃と回避のせめぎ合いが、シューティング好きにはたまらない緊張感を生みます。
FM TOWNS版だからこその価値
FM TOWNS版は、長い期間にわたって『達人王』を家庭で本格的に楽しむための代表的な選択肢の一つでした。当時はアーケードゲームが必ず家庭用ゲーム機へ完全移植される時代ではなく、人気作品であっても家庭では遊べないケースが少なくありませんでした。その中で高性能パソコンへ移植された本作には、「ゲームセンターでしか遊べなかった作品を自宅のTOWNSで研究できる」という大きな魅力がありました。現在では復刻環境が増えていますが、当時のTOWNS本体、CRTモニター、専用コントローラーと組み合わせて遊ぶ体験には独特の価値があります。中古市場でも注目されやすく、FM TOWNSを代表するコレクターズアイテムの一つとして扱われています。難易度は極めて高いものの、その厳しさを含めて「TOWNSらしい一本」と言えるため、本ランキングでは第1位としました。
[game-rank-1]■ 2位 スプラッターハウス
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『スプラッターハウス』は1992年6月25日にビングから発売されました。当時の定価は9,800円。原作はナムコが1988年にアーケード向けとして開発した横スクロールアクションゲームで、FM TOWNSへの移植はビングが担当しています。PCエンジン版など複数の家庭用移植が存在する作品ですが、FM TOWNS版はアーケード版が持っていた暗い雰囲気や刺激的なビジュアルを比較的強く残した移植として知られています。
ホラー映画とアクションゲームを融合させた衝撃
本作の主人公リックは、さらわれた恋人ジェニファーを救うため、異形の怪物が徘徊する館へ足を踏み入れます。最大の特徴は、当時のゲームとしてはかなり強烈だったホラー表現です。血を思わせる色彩、異様に変形した怪物、暗い地下室、飛び散る肉片を連想させる演出など、明るいヒーローアクションとは正反対の世界が広がっています。主人公自身も爽やかな青年ではなく、不気味な仮面を身につけた大柄な人物として描かれ、プレイヤーは「怪物と戦う怪物のような存在」を操作することになります。このビジュアルだけでも他作品との差別化は明確でした。
単純操作の中にある重量感と攻略性
ゲームシステムは比較的分かりやすく、移動、ジャンプ、攻撃を中心に敵を倒して先へ進みます。しかし攻撃には独特の重量感があり、木材や武器で怪物を殴り飛ばしたときの感覚は軽快なアクションゲームとはかなり異なります。一撃を当てるごとの手応えが強く、「敵を倒した」という感覚が視覚と音の両方で伝わってきます。またステージには初見殺しに近い仕掛けや敵配置も存在するため、何度も遊びながら安全な進み方を覚える攻略性があります。短時間で遊べるシンプルさと、繰り返し挑戦したくなる難易度のバランスが絶妙です。
FM TOWNSで遊ぶ価値と現在の評価
FM TOWNS版が人気を集める理由は、単に『スプラッターハウス』を遊べるからではありません。高性能PC向け移植として、原作の色彩や雰囲気、音の迫力を家庭へ持ち込もうとしたことが重要です。当時の家庭用移植では性能差や表現上の都合からグラフィックが簡略化されることもありましたが、FM TOWNSではより豪華な方向を目指すことができました。現在ではシリーズそのものがホラーアクションの古典として再評価されており、FM TOWNS版はその中でも「アーケードらしさを家庭で味わえる移植」としてコレクターから注目されています。恐怖、残酷さ、爽快感、単純明快な操作性が一体化した作品であり、今遊んでも強烈な個性を感じられます。
[game-rank-2]■ 3位 スーパーストリートファイターII
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『スーパーストリートファイターII』は1994年10月28日にカプコンから発売されました。開発・発売はカプコンで、当時の定価は9,800円。1990年代前半に日本のゲームセンターを席巻した『ストリートファイターII』シリーズの発展版をFM TOWNSへ移植した作品であり、パソコンで本格的な対戦格闘ゲームを楽しめるという点でも非常に注目度が高い一本でした。
16人のキャラクターが生み出す対戦の奥深さ
リュウ、ケン、春麗、ガイル、ザンギエフ、ダルシムなど従来の人気キャラクターに加え、キャミィ、フェイロン、ディージェイ、サンダー・ホークという新たな4人が加わり、合計16人から選択できることが大きな魅力です。それぞれのキャラクターは移動速度、通常技の届く距離、ジャンプ軌道、必殺技、投げ性能などが大きく異なります。同じルールで戦っていてもキャラクターを変えるだけで戦術がまったく違うため、一人を極めたあとに別のキャラクターへ移るだけでも新鮮な感覚で遊べます。
初心者には分かりやすく、上級者には果てしなく深い
基本的には相手の体力をゼロにすれば勝利という単純なルールです。しかし実際の対戦では、相手が飛び込んでくるのか、下段攻撃を出すのか、投げを狙うのか、必殺技を仕込んでいるのかを予測する必要があります。単純な反射神経だけでなく、人間同士の読み合いが中心になるため、同じ相手と何十回戦っても毎回展開が変わります。この再現性の低さこそ対戦格闘の面白さです。友人を家へ呼び、コントローラーを握って対戦するだけで何時間も遊べたという意味では、FM TOWNS用ソフトの中でも特に「遊びの寿命」が長い作品でした。
FM TOWNSをゲーム機として使う楽しさ
FM TOWNSは本来パソコンですが、本作を起動すれば感覚的には完全に本格対戦ゲーム機へ変わります。複数ボタンを備えたコントローラーを用意すれば、パンチとキックを使い分けるアーケード風の操作へ近づけることもできます。またCD-ROM機らしい豪華なサウンド環境も、格闘ゲームとの相性が良好でした。当時すでにスーパーファミコンなどにもストIIシリーズは登場していましたが、FM TOWNS版には高性能パソコンで名作格闘を動かすという特別感があります。現在の視点で見ると後年のシリーズほど複雑ではありませんが、だからこそ間合い、牽制、対空、投げなど格闘ゲームの本質が分かりやすく残っています。パソコンで友人と本気の対戦を楽しめる一本として、3位に選びました。
[game-rank-3]■ 4位 雷電伝説
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『雷電伝説』は1991年11月にKIDから発売された縦スクロールシューティングです。原作となるアーケード版『雷電』はセイブ開発が制作し、FM TOWNS版の移植にはサクセスが関わったとされます。当時の定価は9,700円前後。1990年代初頭を代表するアーケードシューティングを、自宅で繰り返し練習できることが大きな魅力でした。
シューティングゲームの基本を極めた分かりやすさ
『雷電』シリーズが長く愛されてきた理由の一つは、操作とルールが極めて分かりやすいことです。自機を8方向に動かし、ショットとボンバーを使って敵を倒す。これだけなら初めて遊ぶ人でもすぐ理解できます。しかし難易度が上がると敵の出現位置、戦車の砲撃、空中敵の編隊、ボスの攻撃を覚える必要があり、単純なルールの奥に高い攻略性が潜んでいます。武器も広範囲をカバーしやすいタイプと一点集中型があり、場面に応じた使い分けが求められます。
敵弾の怖さと撃破した瞬間の爽快感
後年の弾幕シューティングのように画面全体を低速弾で埋め尽くすのではなく、『雷電』では一発一発の敵弾が速く、危険な存在として迫ってきます。そのため弾が少なく見える場面でも油断できません。一方、大型戦車や航空機を連続で撃破したときには豪快な爆発が起こり、非常に気持ち良い感覚を味わえます。「危険な敵を素早く倒して安全を作る」という攻撃的な攻略が要求されるため、ただ逃げ続けるだけでは通用しません。
FM TOWNSのシューティング環境を支える定番
FM TOWNSには『達人王』『VIEWPOINT』など個性的なシューティングが存在しますが、『雷電伝説』はその中でも特に王道です。複雑な特殊システムがないため、TOWNSで初めてシューティングを遊ぶ人にも勧めやすく、上級者はスコアやノーミス攻略を目指して長期間遊べます。またアーケードゲームを家庭で研究するという当時の楽しみ方にも非常に向いていました。派手な個性よりも完成度の高さで勝負するタイトルであり、FM TOWNSのゲームライブラリーに一本入れておきたい定番として4位としました。
[game-rank-4]■ 5位 VIEWPOINT
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『VIEWPOINT』は1993年11月にビングから発売されました。原作アーケード版はサミー系から登場した作品で、FM TOWNS移植をビングが担当。当時の定価は9,800円でした。一般的な縦スクロール、横スクロールのどちらにも当てはまらない、斜め見下ろし型のクォータービューを採用したシューティングとして強烈な存在感を持っています。
画面を斜めから見るだけでゲーム感覚が大きく変わる
自機は画面の左下側から右上方向へ進むような独特の構図で描かれます。通常のシューティングでは「上から来る弾を左右へ避ける」「横から来る敵を上下へかわす」という距離感が理解しやすいのに対し、本作では奥行きを含めて攻撃を判断しなければなりません。そのため初めて遊ぶと、自分では弾を避けたつもりなのに被弾することがあります。ところが視点に慣れてくると、この立体的な距離感そのものが快感へ変わります。
音楽・美術・ゲームシステムが一体化した作品
金属的な地形、抽象的な構造物、奇妙な大型敵、滑らかに動くメカなど、ビジュアル面には独自のセンスがあります。さらにリズミカルな音楽が加わり、プレイ全体が一種の映像作品のような雰囲気を持っています。ただ敵を倒しているだけなのに格好良く感じられるのは、この音と映像の統一感があるからです。FM TOWNSのCD-ROM環境はこうしたサウンド重視のゲームとの相性が良く、家庭で遊ぶ際にも「高級なアーケード移植を動かしている」という満足感を得やすい作品でした。
他のシューティングでは代用しにくい独自性
難易度は決して低くありません。クォータービュー独特の距離感、敵の出現位置、障害物の配置を理解するまでにはかなりの練習が必要です。しかしその代わり、攻略できるようになったときの達成感は非常に大きくなっています。現在まで数え切れないほどのシューティングゲームが登場していますが、完全に同じ遊び味の作品は多くありません。「FM TOWNSならではの個性的なゲームを遊びたい」という人に強く勧められる一本であり、ビングの移植タイトル群を代表する存在として5位に選出しました。
[game-rank-5]■ 6位 モンキー・アイランド2 ル・チャックの逆襲
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『モンキー・アイランド2 ル・チャックの逆襲』は1994年2月25日にビクターエンタテインメント系から発売されました。開発はLucasArts系で、当時の定価は9,800円クラス。欧米PCゲーム史を代表するポイント&クリック型アドベンチャーの名作を、日本語環境のFM TOWNSで楽しめる貴重なタイトルです。
笑いと冒険を両立した独特の物語
主人公ガイブラシ・スリープウッドは海賊として名を上げたい青年ですが、一般的な海賊物語の主人公とは違い、格好良く決めようとして失敗したり、周囲から軽く扱われたりする親しみやすい人物です。本作では宿敵ル・チャックにまつわる騒動や財宝探しが展開しますが、シリアスな場面でも必ずどこかに冗談や皮肉が含まれています。そのため「世界を救う壮大な冒険」でありながら、終始肩の力を抜いて楽しめます。
謎解きそのものがギャグになる面白さ
普通のアドベンチャーゲームでは論理的な正解を探しますが、『モンキー・アイランド』では「そんな方法でいいのか」と思うような意外な解法が頻繁に登場します。道具の使い方、会話の選択、人物との駆け引きなどがユーモアと一体化しており、正解へたどり着いた瞬間に達成感と笑いが同時にやってきます。単にストーリーが面白いだけではなく、ゲームシステムそのものが作品の笑いを生み出している点が非常に優秀です。
FM TOWNSが海外PCゲーム文化への入口になった例
FM TOWNSはCD-ROMを標準装備していたため、グラフィックや音楽を大量に扱う海外アドベンチャーとの相性が優れていました。当時の日本では海外PCゲームに触れる機会が現在ほど多くなく、言語の壁も大きな問題でした。そこで日本語化されたFM TOWNS版は、ルーカス系アドベンチャーの面白さを体験する貴重な窓口になりました。現在でもシリーズは世界的に評価されており、謎解きと会話中心のゲームとして古びにくい内容です。TOWNSが国産ゲームだけの機械ではなかったことを象徴する作品として6位としました。
[game-rank-6]■ 7位 ぷよぷよ
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『ぷよぷよ』は1994年3月にCSK総合研究所系から発売されました。原作開発はコンパイルで、当時価格は7,800円前後。家庭用ゲーム機やアーケードでも大人気となった落ち物パズルゲームであり、FM TOWNSでも非常に遊びやすい定番ソフトの一つです。
4つそろえるだけなのに奥深い連鎖システム
同じ色のぷよを4個以上つなげれば消える。このルール自体は数分で理解できます。しかし、消えたぷよの上にあった別のぷよが落下し、それによって別色が消える「連鎖」を理解するとゲームは大きく変化します。偶然2連鎖を起こして喜ぶ初心者から、形を計算して大連鎖を組み立てる上級者まで、同じルールで遊べることが最大の強みです。
対戦になると心理戦へ変わる
大きな連鎖を発動すると相手のフィールドへ大量のおじゃまぷよを送れます。しかし連鎖を大きくするほど準備に時間がかかり、その途中で相手から攻撃されれば計画が崩れる可能性があります。そこで小さな連鎖を早めに撃つのか、大連鎖を完成させるまで我慢するのかという判断が重要になります。さらに相手の盤面を観察し、「そろそろ発火しそうだからこちらも準備する」といった読み合いまで発生します。
FM TOWNSライブラリーの中で異彩を放つ親しみやすさ
FM TOWNSには海外RPG、硬派なシミュレーション、高難度シューティングなど、ややマニアックなゲームが多く存在します。その中で『ぷよぷよ』は誰でもすぐ遊べる貴重な存在です。かわいらしいキャラクターと明るい雰囲気を持ち、家族や友人との対戦にも向いています。ゲーム開始から数分で面白さを理解でき、しかも極めようとすれば何年でも遊べる。現在でもゲーム性がほとんど古びていない点まで含め、FM TOWNSで所有しておきたい一本として7位に選びました。
[game-rank-7]■ 8位 ALLTYNEX
誕生時期・制作背景・価格
『ALLTYNEX』は1996年頃にFM TOWNS向けとして登場した縦スクロールシューティングです。大手メーカーが全国販売した一般的な商業パッケージとは異なり、個人制作・コンテスト系の流れから生まれた作品として知られています。そのため通常の市販ソフトのような明確な「発売会社」「定価」を当てはめにくい特殊なタイトルです。制作者による技術力と情熱が前面に出た作品で、FM TOWNS末期のユーザー文化を語るうえで極めて重要です。
ハード末期とは思えない派手なシューティング
1996年といえばPlayStationやセガサターンが市場の中心となり、PCゲームもWindows環境へ移行し始めていた時期です。そのタイミングでFM TOWNS向けに本格シューティングが作られたこと自体が驚きでした。大量の敵、巨大メカ、派手な爆発、速度感のあるスクロールなど、ハードの限界へ挑むような演出が盛り込まれています。市販大作ではなくても、技術とアイデア次第でここまでできるということを示した作品です。
接近戦を積極的に狙う攻撃的なゲーム性
本作では通常の戦闘機形態だけでなく、ロボット形態を利用した近距離攻撃が大きな特徴です。一般的なシューティングでは敵との距離を保って安全に撃ち続けるのが基本ですが、ALLTYNEXでは敵の懐へ飛び込み、強力な攻撃を叩き込む戦い方が可能です。当然危険も増えますが、そのリスクを取ることで得られる爽快感が非常に大きくなっています。守りに入るより積極的に前へ出ることを促すデザインが、本作独自のテンポを生み出しています。
後世へ続いたFM TOWNS発の作品
ALLTYNEXの名称と世界観は後に関連作品やリメイクへ受け継がれ、FM TOWNSを知らない世代にも存在が知られるようになりました。その原点がTOWNSにあることは、ハードの歴史を考えるうえで非常に興味深い点です。大手メーカー作品だけを並べてもFM TOWNSの本当の魅力は見えてきません。ユーザー側、個人制作者側からもゲーム文化が生まれていたことを示す代表例として、本ランキングでは高く評価しました。
[game-rank-8]■ 9位 ダンジョンマスター
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『ダンジョンマスター』は1989年11月に富士通から発売されました。原作開発はFTL Gamesで、当時の定価は8,800円。FM TOWNSが発売されてまだ間もない時期から遊べた海外RPGであり、従来の国産パソコンRPGとはかなり異なる体験を提供しました。
リアルタイムで動く3Dダンジョンの衝撃
それまでのRPGでは敵と遭遇すると画面が切り替わり、コマンドを入力してターン制で戦うものが一般的でした。しかし『ダンジョンマスター』では探索中も時間が止まりません。敵は目の前を歩き、こちらへ近づき、攻撃してきます。プレイヤーはその場で武器を選び、横へ移動し、距離を取って戦わなければなりません。迷宮探索と戦闘が一続きになっているため、ゲーム世界へ入り込んだ感覚が非常に強くなっています。
地図を書きたくなる迷宮設計
ダンジョンには単純な一本道ではなく、複雑な通路、落とし穴、スイッチ、隠し扉、転送装置などが配置されています。何気ない壁の模様や床の形が攻略の手掛かりになることもあり、注意深い観察が必要です。当時は紙に地図を書きながら遊ぶプレイヤーも多く、ゲーム外の行動まで含めて攻略体験になっていました。また食料、水、所持重量などの管理が必要なため、単なる迷路攻略ではなく「地下世界で生き延びる」という感覚があります。
パソコンらしい操作体系とFM TOWNSとの相性
マウスを使ってアイテムを手に取り、装備し、食べ物を口へ運ぶという操作は、家庭用コントローラー中心のRPGとは大きく異なります。インターフェースそのものが世界への没入感を高めていました。FM TOWNSはこうした海外PCゲームを日本で遊ぶ環境として非常に相性が良く、本作はその代表格です。後のリアルタイムRPGやダンジョン探索ゲームへ与えた影響も大きく、ゲーム史的価値まで含めて9位としました。
[game-rank-9]■ 10位 Wing Commander
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『Wing Commander』は1992年12月に富士通から発売されました。開発はOrigin Systemsで、当時の定価は10,800円前後。宇宙戦闘機シミュレーションと映画的なストーリー演出を融合させた作品で、欧米PCゲームを代表する名作の一つです。
一兵士として宇宙戦争へ参加する感覚
本作ではステージ選択画面からすぐ戦闘へ入るのではなく、まず宇宙母艦の中で仲間たちと会話し、作戦説明を受け、それから戦闘機へ乗り込みます。任務を終えて帰還すれば、再び仲間たちとの時間があります。この流れによって、一つ一つのミッションが単なるゲームステージではなく「戦争の中の一日」のように感じられます。
任務の成否が物語へ影響する構造
一般的なゲームでは失敗するとゲームオーバーになり、成功するまで同じステージをやり直します。しかし本作では一部の任務に失敗しても戦争そのものは続きます。勝利を重ねれば味方が優勢になり、失敗が続けば戦況が悪化していくことがあります。つまりプレイヤーの腕前が単なるスコアではなく、物語の流れに影響するわけです。この仕組みによって「自分が戦争へ参加している」という感覚が強まっています。
FM TOWNSのCD-ROM環境と映画的ゲームの相性
宇宙戦闘ではコックピット越しに敵機を追い、照準を合わせ、レーザーやミサイルを撃ち込みます。現在の完全3Dゲームとは違う技術ですが、当時としては敵機の拡大縮小や高速移動によって十分な立体感がありました。さらに大量のグラフィックや音を必要とするため、CD-ROM標準搭載のFM TOWNSとの相性も良好でした。シューティング、シミュレーション、ドラマの要素を一つにまとめた壮大なPCゲームとして、TOWNSの国際的なゲーム環境を象徴する一本です。
[game-rank-10]■ 11位 The Secret of Monkey Island
発売情報と作品の位置付け
FM TOWNS版『The Secret of Monkey Island』は1992年頃にビクター音楽産業系から発売されました。開発はLucasfilm Games。価格帯は9,800円前後で、海外PCアドベンチャーの名作を日本語で遊べる貴重なタイトルでした。世界的にはポイント&クリック型アドベンチャーゲームの代表作として非常に高く評価されています。
「海賊になりたい」という主人公から始まる親しみやすさ
主人公ガイブラシ・スリープウッドは、恐ろしい海賊ではなく「海賊になりたい」と考えている青年です。この少し頼りない主人公が、さまざまな試験や事件を通して海賊世界へ入り込んでいく構成が非常に親しみやすくなっています。総督エレイン、幽霊海賊ル・チャックなど魅力的な人物も登場し、冒険映画のような舞台をコメディ調で楽しめます。
腕力ではなく会話と機転で進むゲーム
本作を象徴するのが「侮辱を使った剣術」です。一般的なゲームなら剣を振るタイミングや攻撃力で勝敗が決まりますが、本作では相手から浴びせられた悪口に対して適切な言い返しを選ぶことで勝負が進みます。つまり戦闘さえ言葉遊びになっています。この発想からも分かるように、プレイヤーに求められるのは反射神経ではなく、会話をよく読み、周囲を観察し、意外な解決法へ気づくことです。
FM TOWNSユーザーに海外ゲームの面白さを伝えた存在
1990年代初頭の日本では、現在ほど海外ゲームが身近ではありませんでした。そのためFM TOWNSで日本語化された『Monkey Island』を遊ぶことは、海外PCゲーム文化に触れる貴重な機会でした。マウスで画面上の物を指し、動詞を選び、道具を組み合わせて謎を解くスタイルは、日本製アドベンチャーとは違う感覚があります。現在遊んでも台詞のテンポやユーモアは魅力的であり、FM TOWNSを海外PCゲームの入口として見るなら絶対に外せないタイトルです。
[game-rank-11]■ 12位 SimCity
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『SimCity』は1990年3月に富士通から発売されました。開発はMaxisで、当時価格は8,800円前後。都市を建設し、その成長を観察するという当時としては非常に革新的なゲームで、後に巨大なジャンルへ成長する都市開発シミュレーションの原点です。
ラスボスもゴールもないゲームの面白さ
本作には一般的なゲームのような「最終面」「魔王」「エンディング」だけを目指す構造がありません。プレイヤーは住宅地、商業地、工業地を配置し、道路、鉄道、消防署、警察署などを整備しながら都市を成長させます。どんな街を作るかはプレイヤー自身が決めるため、「人口を最大まで増やしたい」「渋滞の少ない街を作りたい」「美しく整った街を作りたい」など、自分で目的を作れることが魅力です。
一つの改善が別の問題を生む奥深さ
道路を増やせば便利になりますが維持費が増えます。工業を発展させれば雇用が増える一方、公害が広がります。税率を上げれば財政は楽になりますが、市民が街から出ていく可能性があります。犯罪を減らすため警察署を建てれば、その分だけ予算を消費します。このように一つの問題を解決すると別の問題が発生するため、完全な正解がありません。だからこそ都市運営を永遠に続けたくなります。
FM TOWNSで遊ぶシミュレーションとしての強み
マウスで区画や道路を指定する操作は、パソコンとの相性が抜群です。また広い画面を使って都市全体を見渡すことができるため、FM TOWNSの表示環境も生かされます。派手な音やムービーが売りの作品ではありませんが、遊び始めると「あと少しだけ街を成長させたい」と止め時を失います。何時間遊んでも同じ展開になりにくい点も優れており、1990年代のPCゲームが持っていた自由度の高さを体験できる名作です。
[game-rank-12]■ 13位 LOOM
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『LOOM』は1991年4月に富士通から発売されました。開発はLucasfilm Gamesで、当時価格は8,800円前後。同社のアドベンチャー作品の中でも、コメディ色より幻想性と音楽性を重視した異色作です。
魔法を「音の並び」として扱う独創性
本作最大の特徴は、魔法を唱えるために音階の組み合わせを利用する点です。主人公ボビンは世界のさまざまな場所で特定の音列を学び、それを演奏することで物体や状況に変化を起こします。道具を大量に集める一般的なアドベンチャーゲームとは違い、「音を記憶すること」が攻略の中心になります。しかも音列を逆に演奏することで反対の効果を生み出すなど、音楽的な発想そのものが謎解きへ組み込まれています。
静かな世界観だからこそ強く残る印象
派手な戦闘や大量のギャグを前面に出さず、神秘的な風景、奇妙な種族、静かな会話を積み重ねながら物語が進みます。そのためプレイヤーは急かされることなく世界を観察できます。主人公が自分自身の出生や世界の秘密へ近づいていく物語も幻想的で、一本のファンタジー小説を自分の手で進めているような感覚があります。
CD-ROM時代のFM TOWNSに似合う一本
音楽を重要なゲームシステムとして扱う『LOOM』は、音響面に強みを持つFM TOWNSとの相性が非常に良い作品です。「CD-ROMのゲームだからムービーを大量に入れる」という方向ではなく、音そのものを世界観へ組み込むことでマルチメディア性を表現しています。派手なアクションがなくても、音、絵、物語が一体になれば強い没入感を作れることを示した作品であり、TOWNSのアドベンチャーゲーム群でも特に個性的です。
[game-rank-13]■ 14位 Indiana Jones and the Last Crusade: The Graphic Adventure
発売情報と開発背景
FM TOWNS版は1990年7月頃に富士通から発売されました。開発はLucasfilm Gamesで、当時の定価は8,800円前後。映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』を題材にしたグラフィックアドベンチャーです。
映画をゲームとして再構築したことが最大の魅力
本作は映画の場面をそのまま順番に表示するだけではありません。プレイヤー自身がインディを操作し、場所を調べ、人と話し、道具を使いながら事件を解決します。映画を知っているプレイヤーでも、自分で問題を解決しなければ進めないため、単なる追体験ではないのが優れています。逆に映画を知らない人でも一本の冒険ゲームとして楽しめます。
複数の解決方法を持つ自由度
場面によっては敵と戦うだけでなく、会話によってごまかす、別ルートを探す、必要なアイテムを用意するなど、いくつかの方法が存在します。「正しい手順を一つだけ見つける」タイプのアドベンチャーより自由度が高く、同じ場面でも別の突破方法を試せます。この柔軟さが、映画の主人公になって自分なりに行動している感覚を強めています。
FM TOWNSで映画的冒険を楽しむ価値
1990年代初頭は、映画とゲームを本格的に融合する試みがまだ発展途上でした。その中でルーカス系作品は物語、会話、謎解き、映像を組み合わせ、映画の世界をインタラクティブに楽しませることに成功しています。FM TOWNSは海外アドベンチャーの移植が充実しており、本作もその重要な一角です。映画好き、謎解き好き、レトロPCゲーム好きのどこから入っても楽しめる万能型の一本です。
[game-rank-14]■ 15位 Alone in the Dark
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『Alone in the Dark』は1993年12月10日頃にアロー・マイクロテックス系から発売されました。開発はInfogramesで、当時価格は12,800円前後。固定カメラ式3D空間、謎解き、限られた武器、怪物から逃げる恐怖など、後のサバイバルホラーへつながる要素を早い時期に実現した作品です。
敵を倒すことだけが正解ではない恐怖
一般的なアクションゲームでは敵が現れたら攻撃して倒すことが基本です。しかし本作では弾薬や体力が限られており、すべての敵と正面から戦っていると苦しくなります。戦わずに逃げる、部屋の仕掛けを使う、危険な場所へ近づかないといった判断が重要です。この「戦闘を避けることも正しい」という設計が、プレイヤーに強い緊張感を与えます。
固定カメラが恐怖を生み出す
主人公を自由に動かせる一方、カメラ位置は部屋ごとに固定されています。そのため画面の外から敵が近づいてくることもあり、「見えない場所に何かいるかもしれない」という恐怖が生まれます。現在では古典的な演出に見えますが、当時は非常に斬新でした。3Dキャラクターが事前に描かれた背景上を歩く構造も、限られた性能で映画的な画面を作る優れた方法でした。
ホラーゲーム史を知るうえで重要なFM TOWNSタイトル
後に『バイオハザード』などによってサバイバルホラーが大きな人気ジャンルになりますが、その前段階を知る作品として『Alone in the Dark』は重要です。グラフィック自体は現代から見ると素朴ですが、恐怖を生むゲームデザインは今でも理解できます。FM TOWNS版は、当時の日本ユーザーが欧州発の革新的3Dゲームへ触れる機会となりました。単なる怖いゲームではなく、「3D空間を使ってどう恐怖を作るか」という歴史的挑戦を感じられる一本です。
[game-rank-15]■ 16位 Ultima Underworld: The Stygian Abyss
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『Ultima Underworld: The Stygian Abyss』は1993年12月17日にエレクトロニック・アーツ・ビクター系から発売されました。開発はBlue Sky Productions系で、当時価格は12,800円前後。『ウルティマ』世界を舞台に、一人称視点の3Dダンジョンを自由に探索する革新的RPGです。
「マス目を進む」から「空間を歩く」への進化
従来の3DダンジョンRPGでは、一歩進むごとに画面が切り替わり、90度単位で方向転換するものが一般的でした。しかし本作ではより滑らかに向きを変え、斜め方向へ移動し、高低差のある場所を歩き回れます。橋、水辺、坂、広い部屋が立体的につながっており、迷宮が「地図上のマス」ではなく本当に存在する空間として感じられます。
戦闘以外の選択肢が多い没入型RPG
敵を倒すだけでなく、道具を拾う、物を投げる、会話する、食事する、魔法を使う、仕掛けを操作するなど多くの行動が可能です。地下世界には敵対しない住人も存在し、すべてを力で解決する必要はありません。この「問題に対して複数の方法を試せる」設計は、後の没入型シミュレーションや自由度の高い3D RPGへつながる重要な考え方です。
FM TOWNSで遊ぶ最先端PCゲームとしての価値
1993年当時にこのレベルの3D空間を家庭で体験できたことは非常に大きな意味がありました。FM TOWNSはアーケード移植だけでなく、欧米で急速に進歩していたPCゲームを日本で体験するプラットフォームでもありました。本作を遊ぶと、現在当たり前になっている一人称視点RPGや自由探索ゲームの考え方が、すでにこの時代に芽生えていたことが分かります。操作に古さはあっても発想は極めて現代的であり、ゲーム史を知りたい人にもお薦めできます。
[game-rank-16]■ 17位 Zak McKracken and the Alien Mindbenders
発売情報
FM TOWNS版『Zak McKracken and the Alien Mindbenders』は1991年前後に富士通系から発売されました。開発はLucasfilm Gamesで、当時価格は8,800円前後。新聞記者ザックが宇宙人による奇妙な陰謀を追うSFコメディ型アドベンチャーです。
世界各地を飛び回るスケールの大きな物語
一つの町や屋敷を探索するだけでなく、主人公は飛行機などを利用して各地へ移動します。地球規模の陰謀、古代文明、宇宙人といった要素が混ざり合い、物語は予想以上に大きく広がっていきます。「次はどこへ行けば手掛かりが得られるのか」を自分で考える必要があり、旅行そのものが謎解きの一部になっています。
奇抜な謎解きとルーカスらしいユーモア
SFコメディという題材だけに、常識的な発想では解けない問題が多く登場します。一見すると役に立たなそうな道具が重要な場面で必要になったり、奇妙な行動が正解になったりするため、プレイヤーには柔軟な発想が求められます。真面目に考えすぎるほど解けない場面もあり、正解したときの驚きが非常に大きい作品です。
初期ルーカスアドベンチャーをTOWNSで味わう意味
後の『Monkey Island』ほど一般知名度は高くありませんが、ルーカス系アドベンチャーがどのように発展していったのかを知るうえで重要です。FM TOWNS版によって日本語環境で遊べたことも大きな価値でした。海外PCゲームを集めるTOWNSユーザーにとって、少しマニアックな名作として長く記憶に残る一本です。
[game-rank-17]■ 18位 シャドー・オブ・ザ・ビースト 魔性の掟
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『シャドー・オブ・ザ・ビースト 魔性の掟』は1991年9月27日にビクター音楽産業系から発売されました。原作開発はReflectionsで、当時価格は9,800円前後。海外パソコンAmigaを象徴する作品の一つをFM TOWNSへ移植したタイトルです。
多重スクロールが生み出す圧倒的な映像
背景を複数の層に分け、それぞれ違う速度で動かす多重スクロールによって、2D画面に強い奥行きが生まれています。当時この画面を初めて見たプレイヤーにとって、その滑らかな動きと色彩はかなり衝撃的でした。巨大な月、奇妙な生物、荒涼とした大地など、美術も一般的なファンタジーとは違う独特の雰囲気があります。
難しいからこそ記憶に残るアクション
操作自体は横スクロールアクションですが、敵配置や攻撃タイミングが厳しく、初見で簡単に進めるゲームではありません。何度もやられながら敵の出現場所を覚え、ダメージを受けずに突破できるようになることが攻略の基本です。現代的な親切設計とは対極にありますが、その厳しさも海外PCアクションらしい味になっています。
FM TOWNSの「海外ゲームも強い」という側面を象徴
FM TOWNSをアーケード移植機として見るだけでは、本体の魅力の半分しか分かりません。海外コンピューターで評価されたタイトルを取り込み、日本のユーザーへ紹介する役割も大きかったからです。『シャドー・オブ・ザ・ビースト』はゲーム内容だけでなく、映像と音で機械の性能を見せつけるデモンストレーション的な魅力があります。「この画面が自宅のパソコンで動く」という驚きを体験させた一本として高く評価できます。
[game-rank-18]■ 19位 Pu・Li・Ru・La
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『Pu・Li・Ru・La』は1994年11月にビングから発売されました。原作開発はタイトーで、FM TOWNS移植をビングが担当。当時価格は9,800円前後。ベルトスクロール型アクションとしては非常に奇妙な美術と世界観を持つ作品です。
かわいいのか怖いのか分からない独特の世界
童話のように明るい色彩、かわいらしい人物、夢の中のような背景が登場する一方で、突然不気味な演出や異様な敵が現れます。そのため画面を見ているだけでも次に何が出るのか予測できません。一般的なファンタジーアクションが「剣、魔法、城、ドラゴン」といった分かりやすい世界を作るのに対し、本作は夢、ギャグ、悪夢を混ぜたような方向へ進んでいます。
遊びやすいアクションと強烈な演出の組み合わせ
ゲームの基本は画面内に登場する敵を倒しながら右へ進むという分かりやすい構造です。難しいルールを覚えずに始められ、多数の敵をまとめて攻撃する爽快感もあります。しかしステージの見た目があまりに独特なので、単純なアクションなのにプレイ体験そのものは非常に奇妙です。このギャップが本作の魅力です。
FM TOWNS版を所有する楽しみ
『Pu・Li・Ru・La』は一般家庭向けの大ヒット作品ではありませんが、その独自性ゆえに現在でもレトロアーケード好きから語られます。FM TOWNS版はビングによるアーケード移植群の一つとしても重要で、コレクターが注目する対象になっています。似た作品がほとんど存在しないため、一度遊ぶと忘れにくい一本です。「有名だから遊ぶ」のではなく、「変わっているから遊びたくなる」というFM TOWNSらしい魅力を持っています。
[game-rank-19]■ 20位 Turbo OutRun
発売情報
『Turbo OutRun』のFM TOWNS版はハード初期に展開されたアーケード移植の一つです。原作はセガ系の大型レーシングゲームで、FM TOWNS版はCSK系から発売されました。当時価格は9,800円クラス。ゲームセンターで人気だった高速ドライブゲームを家庭のパソコンで楽しめることが注目されました。
順位以上に「走ること」そのものが楽しい
本作は現実のサーキットを何周もするシミュレーションではなく、高速道路を舞台に景色の変化とスピード感を楽しむゲームです。道路上には一般車が存在し、それを避けながらライバルと競争します。ターボを使用すれば一気に加速でき、相手を抜き去る瞬間には強い爽快感があります。
音楽と高速スクロールが作るドライブ感覚
FM TOWNSの特徴であるCD-ROM・高品質サウンド環境は、レーシングゲームとの相性が非常に良好です。高速で流れる背景と音楽が組み合わさることで、単なるレースではなくドライブ映像を体験しているような感覚が生まれます。当時の店頭デモで見れば、FM TOWNSの映像と音の強さを一目で理解できるタイプの作品でした。
リアルさより気持ち良さを優先した魅力
現在のレーシングシミュレーターのような厳密な物理計算を期待する作品ではありません。重要なのはスポーツカー、高速道路、ターボ、音楽という要素を組み合わせて、短時間で気分良く遊べることです。ゲーム開始から数分で面白さを理解できるため、パソコンに詳しくない人へFM TOWNSを見せるデモソフトとしても分かりやすかったでしょう。ハード初期の「マルチメディアパソコンでアーケードゲームを楽しむ」という夢を体現した一本です。
[game-rank-20]■ 21位 エメラルドドラゴン
発売情報
FM TOWNS版『エメラルドドラゴン』は1992年5月頃にグローディア系から発売されました。開発はグローディア系で、当時の価格は11,800円前後。PC-8801、PC-9801などでも人気を集めた国産パソコンRPGの代表作の一つです。
キャラクターを中心に物語が進む魅力
主人公アトルシャンとヒロインのタムリンを中心に、人と竜をめぐる物語が描かれます。単に強い敵を倒して世界を救うだけではなく、仲間との出会い、別れ、戦争、陰謀などを通して人物たちの関係が変化していきます。「次の町には何があるのか」だけでなく、「この人物はどうなるのか」という感情的な興味で先へ進みたくなるRPGです。
仲間が自律して行動する戦闘
戦闘ではすべての仲間へ細かく命令するのではなく、自律的に行動する要素があります。思い通りに動かない場面もありますが、その不確実さによって仲間が単なる駒ではなく、一緒に戦っている人物のように感じられます。プレイヤー自身の操作だけでなく、仲間の判断も含めて戦闘が進むところに独自の味があります。
FM TOWNSで国産PC RPGを楽しむ意義
FM TOWNSというと海外ゲームやアーケード移植の印象が強くなりがちですが、国産PC RPGも重要なジャンルでした。『エメラルドドラゴン』はキャラクター重視の日本的RPG文化と、パソコンらしい作りを両方持っています。後の家庭用RPGが重視するドラマ性へつながる部分も多く、1990年代初頭の国産PC RPGを代表する作品として遊ぶ価値があります。
[game-rank-21]■ 22位 ブランディッシュ
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『ブランディッシュ』は1991年12月頃に日本ファルコムから発売されました。開発・発売は日本ファルコムで、当時価格は9,800円前後。主人公アレスを操作し、巨大な地下迷宮から脱出するアクションRPGです。
画面全体が回転する独創的な探索システム
主人公が方向転換すると、キャラクターだけでなく背景を含む画面全体が90度回転します。この仕組みは最初かなり戸惑いますが、慣れると「主人公が見ている方向を常に上へ向ける」という考え方だと分かります。一般的な見下ろし型RPGとは違い、迷宮の方向感覚そのものがゲーム性になっています。
戦闘・罠・謎解きが連続する密度の高いダンジョン
迷宮内には敵だけでなく、落とし穴、鍵のかかった扉、スイッチ、隠し通路などが大量に配置されています。レベルを上げて強くなるだけでは攻略できず、地形を理解し、罠を解除し、正しいルートを見つける必要があります。アクションRPGでありながらパズルゲーム的な思考も要求されるため、探索が好きな人ほど楽しめます。
不親切ささえ魅力になる古典的PCゲーム
現代のRPGでは目的地が地図上に表示されることが多いですが、『ブランディッシュ』では自分で迷い、自分で答えを見つけることが重要です。行き止まりだと思っていた場所に隠し扉を発見したり、以前開けられなかった扉へ戻ったりすることで迷宮が少しずつ理解できるようになります。「分からないこと」がそのままゲームになる作品であり、プレイヤー自身が成長する楽しさがあります。
[game-rank-22]■ 23位 ラストハルマゲドン
発売情報
FM TOWNS版『ラストハルマゲドン』はFM TOWNS初期に登場した国産RPGの一つです。原作開発はブレイングレイ系で、価格帯は8,800円前後。人類がすでに滅亡した地球を舞台に、モンスター側を主人公として描く非常に異色の作品です。
勇者ではなくモンスターが主人公という逆転
一般的なRPGでは、人間の勇者が魔物を倒します。しかし本作では人類が消え、地上にはモンスターたちが残されています。そこへ宇宙から新たな敵が現れ、モンスターたちが地球を守るために戦うという構図です。「敵だった存在が主人公になる」というだけで世界の見え方が大きく変わります。
時間帯と種族を利用した独自システム
昼と夜で活動するキャラクターが変化するなど、世界設定とゲームシステムが結びついています。一般的な戦士、魔法使い、僧侶というパーティーではなく、異形のモンスターたちを組み合わせて戦うため、見た目も能力も非常に個性的です。育成や編成を考える楽しみもあります。
終末世界の謎を追う重厚な物語
「なぜ人間は滅びたのか」「現在の世界はどうなっているのか」という疑問が物語を進める大きな動機になります。明るい冒険活劇ではなく、滅亡した文明や残された記録を追う暗い雰囲気が全体を包んでいます。設定の強さだけでも他のRPGと明確に区別でき、現在遊んでもストーリーの発想には驚かされます。FM TOWNS初期の国産RPGを代表する一本です。
[game-rank-23]■ 24位 ドラゴンスレイヤー英雄伝説
発売情報
FM TOWNS版『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』は1990年頃に日本ファルコムから発売されました。開発・発売は日本ファルコムで、当時価格は8,700円前後。後に巨大なシリーズへ発展する『英雄伝説』の原点に位置する重要なRPGです。
王道だからこそ遊びやすいストーリー
失われた王国、若き王子、仲間との旅といった設定は非常に王道です。しかし本作は奇抜なシステムで驚かせるより、RPGとしての基本を丁寧に作ることを重視しています。町で人と話し、情報を集め、装備を整え、旅をして敵と戦う。この分かりやすい流れのおかげで、当時パソコンRPGに慣れていなかった人でも比較的入りやすい作品でした。
日本ファルコムらしい音楽と物語性
ファルコム作品では音楽が大きな魅力になることが多く、本作も冒険を盛り上げる楽曲が印象的です。またキャラクター同士の会話を通じてストーリーが展開するため、数字や戦闘だけを楽しむRPGではありません。主人公たちの旅を最後まで見届けたいという気持ちがプレイを続ける動機になります。
長大な英雄伝説シリーズの出発点としての価値
現在では『英雄伝説』の名前から『軌跡』シリーズを思い浮かべる人も多いでしょう。その長い歴史をさかのぼると、本作にたどり着きます。ファルコムがどのように「物語を重視したRPG」を作ってきたかを理解する意味でも重要です。FM TOWNS版を通して遊べば、1990年前後の国産PCゲーム文化と現在のシリーズ作品とのつながりを感じることができます。
[game-rank-24]■ 25位 ロードモナーク
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『ロードモナーク』は1991年11月29日頃に日本ファルコムから発売されました。開発・販売は日本ファルコムで、当時価格は9,800円前後。リアルタイムで領土を広げながら他国を攻略する戦略シミュレーションです。
考えている間にも戦況が動くリアルタイム性
ターン制のシミュレーションでは、自分の番にじっくり考えることができます。しかし本作では敵も常に動いているため、「どこへ兵を送るか」を迷っているうちに領土を奪われることがあります。だからこそ瞬間的な判断と全体を見る力が重要になります。
ルールは簡単なのに地形で戦略が変わる
操作自体は複雑ではありません。それでも狭い通路、広い平地、障害物、敵国との位置関係によって戦術は大きく変化します。守りやすい場所へ兵力を集中し、敵の弱い方向から侵攻するなど、単純なルールからさまざまな戦略が生まれます。この「覚えることは少ないのに考えることは多い」設計が非常に優れています。
短時間プレイと長期的なやり込みを両立
一つのマップ単位で遊べるため、巨大な歴史シミュレーションほど時間を取られません。その一方で同じマップをより効率良く攻略したくなり、繰り返し遊べます。FM TOWNSで遊べるシミュレーションの中でもテンポが良く、初心者から上級者まで楽しみやすい一本です。
[game-rank-25]■ 26位 A列車で行こうIII
発売情報
『A列車で行こうIII』はアートディンクが開発した鉄道経営・都市開発シミュレーションで、FM TOWNS版も1990年代初頭に展開されました。開発・発売はアートディンク、当時価格は9,800円前後。シリーズを現在につながる都市開発ゲームの方向へ大きく進化させた重要作です。
鉄道を作ると街が成長する喜び
プレイヤーは線路を敷き、駅を建設し、列車を運行します。そこへ人の流れが生まれると周辺に建物が増え、何もなかった土地が少しずつ街へ変化します。この「自分の判断によって景色が変わる」感覚が最大の魅力です。列車を走らせることが目的ではなく、鉄道を使って都市を育てることがゲームになっています。
経営と都市計画を同時に考える奥深さ
線路を好きなだけ作ればよいわけではありません。建設費、列車の運行効率、土地利用、利益を考える必要があります。赤字路線を増やせば会社経営が苦しくなり、逆に利益だけを追求すると街が思うように発展しないこともあります。鉄道会社の社長と都市計画者を同時に体験できる点が独特です。
時間を忘れやすい箱庭ゲーム
「この駅の周りをもう少し発展させよう」「新しい路線を一本だけ作ろう」と遊んでいるうちに、長時間経っているタイプのゲームです。結果が数字だけでなく街の姿として見えるため、努力した成果を視覚的に実感できます。『SimCity』とは異なる日本的な都市開発ゲームとして、FM TOWNSでも非常に相性の良い一本です。
[game-rank-26]■ 27位 三國志II
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『三國志II』は1990年前後に光栄から発売されました。開発・発売とも光栄で、PC向け歴史シミュレーションとしては高価格帯の商品でした。多数の武将を登用し、中国全土の統一を目指すシリーズ初期の代表作です。
歴史上の英雄を自分の判断で動かせる魅力
曹操、劉備、孫権などの有名勢力はもちろん、弱小勢力から始めることもできます。内政によって国力を高め、人材を集め、兵を整え、外交を使いながら領土を拡大します。史実とは異なる展開を自由に作れるため、「もしこの武将が天下を取っていたら」という歴史IFを自分自身で体験できます。
武将を集め、使い分ける楽しさ
武将にはそれぞれ能力値が設定されており、戦争が得意な人物、内政に向く人物など個性があります。有名武将だけを集めるのではなく、勢力の状況に合わせて適切な人物を配置することが重要です。好きな武将へ重要な役割を与え、史実以上に活躍させることもできます。
一本で何十時間も遊べるPCゲームらしい満足感
派手なアクションやムービーはありませんが、一度プレイを始めると長期間楽しめます。選ぶ君主によって難易度も戦略も変わるため、同じゲームを何度も遊べます。高価なFM TOWNSソフトの中でも、長く遊ぶという意味では費用対効果の高い作品でした。歴史好きと戦略好きの両方へ勧められる定番です。
[game-rank-27]■ 28位 信長の野望・武将風雲録
発売情報
『信長の野望・武将風雲録』は1990年代初頭にFM TOWNSでも展開された光栄の歴史シミュレーションです。開発・発売は光栄。当時のPC版は高価格帯でしたが、膨大なゲーム内容と長期間遊べるボリュームによって歴史ゲームファンから支持されました。
戦国大名として国を経営する面白さ
プレイヤーは織田信長、武田信玄、上杉謙信、毛利家など多くの大名から勢力を選び、全国統一を目指します。しかし戦争だけ強くても天下は取れません。農業、商業、人材登用、兵力、外交などを管理し、領国を豊かにする必要があります。国を育てた結果として合戦に勝つという構造が、本シリーズの面白さです。
文化を取り入れた戦国時代表現
『武将風雲録』では茶器や文化に関する要素が加わり、戦国時代を単なる戦争の連続として描いていません。大名が権力を示す手段として文化を利用した時代背景をゲーム的に取り込み、シリーズへ新しい味を加えています。
弱小勢力で歴史を覆す楽しみ
大勢力を選べば比較的進めやすい一方、周囲を強国に囲まれた小さな大名では一手の判断が生死を分けます。史実では滅びた勢力を使い、織田や武田を倒して全国統一することも可能です。この自由な歴史改変こそシミュレーションゲーム最大の魅力です。FM TOWNSでじっくり腰を据えて遊ぶゲームとして非常に相性が良く、歴史好きには欠かせません。
[game-rank-28]■ 29位 Mad Stalker: Full Metal Force
発売日・発売会社・開発会社・当時の定価
FM TOWNS版『Mad Stalker: Full Metal Force』は1994年7月1日頃にファミリーソフトから発売されました。開発はフィルインカフェ系で、当時価格は9,800円前後。巨大ロボットを操作する横スクロールアクションに、対戦格闘ゲーム的な操作感を取り入れた作品です。
巨大ロボットを動かしている感覚
主人公機は人間のように軽快に動くのではなく、歩行、攻撃、ダッシュに重量感があります。パンチや武器を敵へ当てたときの感触も重く、金属の塊同士がぶつかる雰囲気を表現しています。ロボットゲームでは「見た目がロボット」であるだけでなく「操作していてロボットらしい」ことが重要ですが、本作はその点を強く意識しています。
ベルトスクロールと格闘ゲームを組み合わせた戦闘
ステージを進みながら次々現れる敵を倒す基本構造は横スクロールアクションですが、間合い、ダッシュ、技の出し分けなどには格闘ゲーム的な考え方があります。敵へただ接近してボタンを連打するより、攻撃の届く距離を理解して戦う方が効率的です。このため慣れるほど戦闘が上手くなり、操作する楽しさが増していきます。
知名度以上に根強い人気を持つ隠れた良作
一般的には『ストリートファイターII』ほど有名ではありませんが、ロボットゲーム好きやPCゲームコレクターの間では現在でも名前が挙がります。1990年代らしいメカデザインとアクションを楽しめることに加え、FM TOWNSという環境で遊ぶこと自体に希少性があります。人気大作だけでなく、こうした少し尖った作品が存在することもFM TOWNSライブラリーの魅力です。
[game-rank-29]■ 30位 オペレーションウルフ
発売情報
FM TOWNS版『オペレーションウルフ』はハード初期にビングから発売されたアーケード移植タイトルです。原作はタイトーが開発した大型ガンシューティングで、TOWNS版の移植をビングが担当しました。当時価格は9,800円前後とされます。
画面全体を撃ちまくる分かりやすい爽快感
画面内には敵兵、車両、ヘリコプターなどが次々現れます。プレイヤーは照準を合わせて撃ち、危険な敵を素早く排除しながら先へ進みます。キャラクターを移動させる通常のアクションゲームと違い、戦場そのものが画面を横切っていくため、映画の銃撃戦へ参加しているような感覚があります。
撃ち続けるだけでは勝てない資源管理
弾薬や体力には限りがあるため、無駄撃ちを続けると途中で苦しくなります。危険度の高い敵を優先して狙い、補給アイテムを逃さず取ることが重要です。この資源管理によって単純な射的ゲーム以上の戦略性が生まれています。
後のビング製アーケード移植へ続く重要作
FM TOWNSでは後にビングが『スプラッターハウス』『達人王』『VIEWPOINT』『Pu・Li・Ru・La』など多数の印象的な移植を送り出します。本作はその流れを早い段階から示した作品としても意味があります。後期TOWNS作品のような豪華さはありませんが、「ゲームセンターの人気作をパソコンへ持ち込む」というFM TOWNSゲーム文化の一側面を理解するうえで重要な一本です。
[game-rank-30]■ まとめ
FM TOWNSには一つのジャンルでは説明できない魅力がある
今回の30作品を並べてみると、FM TOWNSというハードの最大の特徴は「何でも遊べること」だったと分かります。『達人王』『雷電伝説』『VIEWPOINT』のようなシューティング、『スプラッターハウス』『Pu・Li・Ru・La』のようなアーケードアクション、『スーパーストリートファイターII』の対戦格闘、『ぷよぷよ』の対戦パズル、『ダンジョンマスター』『エメラルドドラゴン』『ブランディッシュ』などのRPG、『SimCity』『A列車で行こうIII』『三國志II』『信長の野望・武将風雲録』のようなシミュレーション、さらに『Monkey Island』『LOOM』『Indiana Jones』『Zak McKracken』などの海外アドベンチャーまで、一台のパソコンにまったく異なるゲーム文化が集まっていました。
CD-ROM標準搭載が当時のゲーム体験を大きく変えた
FM TOWNSが1989年という早い時期からCD-ROMドライブを標準装備していたことは非常に重要です。フロッピーディスクと比べて大量のデータを収録できるため、豪華な音楽、音声、多数のグラフィックを扱いやすくなりました。後年になればCD-ROMゲームは珍しくなくなりますが、1989年前後の感覚では「ゲームの入ったCDをパソコンへ入れる」という行為そのものが未来的でした。CD-DAによる音楽が流れた瞬間に、それまでの内蔵音源中心のゲームとは違う世界を感じたユーザーも多かったはずです。
アーケード移植機として高い価値を持っていた
上位に『達人王』『スプラッターハウス』『スーパーストリートファイターII』『雷電伝説』『VIEWPOINT』などを置いた理由は、FM TOWNSが「ゲームセンターの作品を家庭へ持ち帰る機械」として強い魅力を持っていたからです。当時は家庭用ゲーム機へ移植されても、キャラクター数、色数、音、画面構成などが簡略化されることがありました。その中でFM TOWNSは高価な32ビットパソコンという性能を利用し、より豪華な方向の移植を目指すことができました。完全再現ではない作品もありますが、「家でここまで遊べる」という感動は非常に大きかったのです。
海外PCゲームを日本へ持ち込んだ窓口でもあった
一方で『Monkey Island』『Wing Commander』『Dungeon Master』『Ultima Underworld』『Alone in the Dark』などを見ると、FM TOWNSが欧米PCゲームへの入口だったことも分かります。海外ではパソコンを中心に、一人称3D RPG、リアルタイムダンジョン、ポイント&クリックアドベンチャー、映画的スペースシミュレーションなど新しいゲーム形式が次々生まれていました。しかし当時の日本では言語、機種、流通の違いによって簡単に遊べるものではありませんでした。FM TOWNSへ日本語版が移植されたことで、国内ユーザーは世界のPCゲーム文化へ比較的入りやすくなりました。
国産PCゲーム文化も同時に楽しめたことが重要
海外ゲームとアーケード移植だけでなく、日本ファルコム、光栄、アートディンク、グローディアなどが生み出した国産ゲームも重要です。『英雄伝説』『ブランディッシュ』『エメラルドドラゴン』『A列車で行こうIII』『三國志II』『信長の野望・武将風雲録』などを遊べば、1990年代初頭の日本のパソコンゲーム市場がいかに多様だったか分かります。家庭用ゲーム機ではアクションやRPGが人気の中心となる一方、パソコンでは歴史シミュレーション、経営ゲーム、ダンジョン探索など、じっくり考えて長く遊ぶ作品も大きな市場を形成していました。
現在FM TOWNSソフトを集める面白さ
現在ではFM TOWNS本体、CRT環境、専用ソフトをすべて良好な状態でそろえること自体が一つの趣味になっています。ソフトによっては流通量が少なく、箱や説明書がそろった商品が高く評価される場合もあります。しかしFM TOWNSを集める面白さは、単純な希少価値だけではありません。「同じゲームでもTOWNS版はどんな音になっているのか」「アーケード版とどこが違うのか」「海外PC版と日本語TOWNS版では何が変わったのか」と比較する楽しみがあります。移植版研究そのものが一つのゲーム文化になっていると言えます。
第1位『達人王』を頂点にした理由
今回第1位に『達人王』を選んだ理由は、FM TOWNSというハードの特別感を最も分かりやすく感じられるからです。単純に世界で最も有名なゲームを選ぶなら『SimCity』や『Monkey Island』が上位になるでしょう。しかしFM TOWNSランキングで重要なのは、「なぜこのハードを選ぶのか」という部分です。『達人王』にはアーケード移植の価値、シューティングとしての完成度、現在のコレクター人気、TOWNS版を所有する特別感が集中しています。第2位『スプラッターハウス』、第3位『スーパーストリートファイターII』も同様に、TOWNSをゲーム機として使う魅力を強く感じられる作品です。
FM TOWNSは「CD-ROMパソコン」というだけでは終わらない
FM TOWNSは現在では「CD-ROMを早くから搭載した珍しい国産パソコン」と説明されることがあります。しかしゲームを実際に並べてみると、その価値は単なるスペック以上だと分かります。日本のPCゲーム、海外PCゲーム、アーケードゲームという本来別々だった文化が、一台のハードへ集まったことが最大の特徴です。さらに商業ソフトだけでなく『ALLTYNEX』のような個人制作系作品まで存在し、ハード末期までユーザー側からゲーム文化が続いていました。そうした多様性こそFM TOWNS最大の魅力です。
総評
もし現在FM TOWNSを初めて体験するなら、まず『達人王』『スプラッターハウス』『VIEWPOINT』などでアーケード移植機としての魅力を確かめ、『Monkey Island』『Wing Commander』『Dungeon Master』などで海外PCゲーム文化へ触れ、『エメラルドドラゴン』『ブランディッシュ』『三國志II』などで国産PCゲームの奥深さを味わうと、ハード全体の特徴を理解しやすいでしょう。FM TOWNSは一つのジャンルを極めたゲーム機ではありません。音楽、映像、アクション、物語、シミュレーション、海外文化、国産PC文化が混在する「1990年代初頭のゲーム博物館」のような存在です。当時リアルタイムで遊んだ人には懐かしく、現在初めて触れる人には新鮮な発見があります。ゲームの歴史を楽しむという観点から見ても、今なお掘り下げる価値の大きいパソコンゲーム環境だと言えるでしょう。
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