『黒の剣-Blade of The Darkness』(パソコンゲーム)

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【発売】:フォレスト
【対応パソコン】:PC-9801、Windows
【発売日】:1995年2月28日
【ジャンル】:ロールプレイングゲーム

[game-ue]

■ 概要

作品の立ち位置(PC-98時代の「絵で魅せる」正統派RPG)

『黒の剣 -Blade of The Darkness-』は、フォレストがPC-9800シリーズ向けに送り出したファンタジーRPGで、のちにWindows版、さらにPlayStation版、そしてゲームアーカイブス配信へと形を変えながら展開していった作品です。根っこにあるのは、昔ながらの町・フィールド・ダンジョンを巡って情報と目的を積み重ね、状況が少しずつほどけていく“王道RPG”の手触り。ただし、その王道をただなぞるのではなく、「当時のパソコンRPGとして、どこまでドラマと迫力を画面に詰められるか」に強い意識が置かれているのが特徴です。

特に印象的なのが、探索パートが上から見下ろす2Dのフィールド型で整理されている一方、戦闘になると雰囲気がガラッと変わり、キャラクターが大きな表示サイズでアクションし、攻撃・回避・魔法の所作を“動き”として見せる作りになっている点です。プレイヤーが入力したコマンドの結果を数字で受け取るだけでなく、キャラクターの身のこなし、剣筋の勢い、術が放たれる間合いといった、視覚的な手応えを通して戦いを感じさせる設計になっています。こうした「RPGの定番構造」と「アクション表現の気持ちよさ」を同居させる狙いが、タイトルの重々しさや世界観のダークさとも噛み合い、独特の没入感を作っています。

なお、英語副題が似た別作品を連想させることがありますが、本作は日本で展開した同名副題のRPGであり、ここで扱うのはPC-98/Windows/PS/ゲームアーカイブスへ繋がる系譜の『黒の剣』です。
ウィキペディア

発売・移植の流れ(媒体が変わるたびに“顔つき”も変わる)

最初の出発点はPC-9800シリーズ版で、1995年2月28日にフォレストから発売されています。その後、Windows版が1996年に別会社から発売され、さらに1997年10月9日にはPlayStationへ移植されました。ゲームアーカイブスとしては2011年10月12日に配信が始まり、据え置き機/携帯機などで遊べる機会が増えたのもポイントです。こうした移植の過程で、開発・販売を担う会社がその都度変わっているのも、この作品の来歴を語るうえで欠かせない要素です。

移植で特に語られやすいのがPlayStation版で、グラフィックやサウンド面が“家庭用向けに見栄えを整えた”方向へ寄せられ、主要キャラクターには声優が起用されました。PC-98版の想像力で補う味わいに対して、PS版は演出の輪郭がはっきりし、物語のテンポや感情の届き方が別の形になります。プレイする機種によって、同じシーンでも受け取る温度が変わる――そういう意味で『黒の剣』は、単なる移植の積み重ねではなく、時代と遊ぶ環境に合わせて“作品の表情が更新されたRPG”とも言えます。
ウィキペディア
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世界観の核(黒竜と、滅ぼす剣と、背負う代償)

物語の根にあるのは、かつて国を滅亡寸前へ追い込んだ「漆黒の竜」の伝承です。勇者の剣や高僧の祈りといった正攻法が通じないほどの厄災に対し、人々が最後に縋ったのが“魔の力”そのものを武器へ変換する発想でした。そして造り上げられたのが、竜を討つための一振り――黒の剣。 ここで面白いのは、名前からして「最終兵器」感が強いのに、同時に「使えば終わる」とも限らない不穏さをまとっている点です。魔に由来する力は、勝利の保証であると同時に、使い手の未来を蝕む疑念にもなりうる。『黒の剣』のダークファンタジーらしさは、敵の強さや血なまぐささだけでなく、力の由来そのものが物語の痛点になっているところにあります。

そして導入でプレイヤーは、黒の剣を携えた少女シノブと、剣の修行の旅を続ける剣士カイエスの出会いへ引き込まれます。目的を持って国へ向かう者と、己を鍛えるために道を歩く者。交わるはずのなかった二人が、船旅という閉じた状況で同じ嵐に呑まれ、そこから先は、伝承の“昔話”だった黒竜が、現実の脅威として距離を詰めてくる――この導入の作りが、冒険の始まりに程よい必然性と緊張を生みます。
ウィキペディア

ゲームの骨格(上から俯瞰する探索と、動きで見せる戦闘)

システム面は、町・屋外・ダンジョンが地続きのフィールド構造でまとめられていて、プレイヤーは移動・会話・調査を繰り返しながら目的地へ進みます。いわゆる“フィールド型RPG”の作法に忠実で、初見でも把握しやすいのが長所です。町では人の話が重要な手がかりになり、依頼を受けて用心棒を務めたり、特定の魔物を討伐したりと、行動の成果が次の展開を呼び込みます。直線的にイベントを追わせるより、土地の空気や住民の事情を積み上げて「今、何が起きているのか」を理解させる作りなので、世界を歩いている感覚が濃くなります。

その一方で、戦闘は“見せ場”として特別扱いされます。キャラクターの表示がしっかり大きく、攻撃するたびに動きが付くことで、当時のRPGでありがちなデフォルメ一辺倒とは違う、リアル寄りの迫力を狙っています。敵が複数で押し寄せる局面も多く、こちらが少数で切り抜ける設計になりがちだからこそ、剣技や魔法の存在が戦局の突破口として際立つ。シノブは術で流れを変え、カイエスは剣の技で押し返す――この役割の差が、単なる“職業違い”ではなく、プレイ感そのものの違いとして表に出ます。
ウィキペディア

主要人物の配置(旅の同行者が、そのまま世界観の説明になる)

シノブとカイエスの二人は、物語上の主人公であると同時に、世界のルールを体現する存在として置かれています。黒の剣を背負うシノブは、伝承を現実へ引きずり出す鍵であり、呪符魔術という要素で“魔の力”の扱いをプレイヤーに意識させます。カイエスは剣士として、技の体系や修行の意味を背負い、戦うことで世界の過酷さを証明していく役目です。

さらに、盗賊のエニス、同門の剣士ゼフュードル、遺跡調査チームを率いるリール・レッドエリンなど、彼らは単に仲間が増える要員ではなく、土地の歴史・遺跡・権力構造・裏社会といった、世界の“別の面”を担当する語り部になります。PS版では主要人物に声が与えられ、キャラクターの温度がより直接的に伝わる形になりました。
RRPG
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まとめ(暗い伝承を「遊びの手触り」に落とし込んだRPG)

『黒の剣 -Blade of The Darkness-』を概要として語るなら、王道RPGの構造を土台にしながら、戦闘演出を強く押し出し、黒竜と黒の剣という“いかにも危険な力”を物語の中心に据えたダークファンタジーだと言えます。PC-98版の時点で、探索の分かりやすさと戦闘の見せ場を両立させようとする意志があり、その後の移植でサウンドや演出、声の導入などが重なって、作品の受け取り方が変化していったのも面白いところです。まずはこの「成り立ち」と「骨格」を踏まえると、次章で語る“魅力”や“攻略での勘所”が、より立体的に見えてくるはずです。

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■ ゲームの魅力とは?

王道RPGの安心感と、ダークファンタジーの緊張感が同居している

『黒の剣 -Blade of The Darkness-』の面白さは、遊びの土台がとても“分かりやすいRPG”でありながら、世界の空気が終始どこか重く、油断すると足元をすくわれそうな張りつめ方をしている点にあります。町で情報を集め、目的地を見定め、ダンジョンを踏破し、装備や術を整えて次の局面へ進む――という流れ自体は、当時のPC RPGに慣れている人なら迷いにくい王道です。ところが、その王道の上に乗っている物語が「黒竜」「黒の剣」「魔に由来する力」といった危うさを抱えているため、同じ“冒険”でも気分が明るくなり切らない。助けたはずの依頼が別の火種を生み、勝ったはずの戦闘が次の不穏さを呼び込むような、陰影の濃い運びが多いのです。結果として、シンプルな操作感で先へ進めるのに、心情的には常に緊張がほどけない。このバランスが、ただの懐古向けのRPGで終わらず、物語を追い続けたくなる推進力になっています。

見せ場としての戦闘演出が、当時としては「画面の説得力」を強く持つ

本作が語られるとき、魅力の中心に置かれやすいのが戦闘の迫力です。探索パートは俯瞰視点で整理され、情報整理やルート選びがしやすい反面、戦闘に入った瞬間にキャラクターの存在感がぐっと前へ出てきます。攻撃や回避、術の発動といった一つひとつの行動が“動き”として示されることで、コマンドを選んだ結果が数字だけで終わらず、手触りとして伝わるのが大きい。剣を振るうなら振るうだけの溜めや踏み込みがあり、術を使うなら術らしい間や派手さがある。こうした演出は単なる見栄えにとどまらず、プレイヤーの判断にも効いてきます。敵の圧を感じれば防御や回復の優先度が上がり、押し返せそうなら一気に畳みかけたくなる。つまり、戦闘が“計算問題”ではなく、状況の流れを読むゲームになっているところが、プレイ体験としての強みです。

「シノブ=魔法」「カイエス=剣技」という分担が、遊び方そのものを変える

魅力を語るうえで外せないのが、主要人物の役割差がそのまま戦い方の差になっている点です。シノブは呪符魔術という要素を背負っており、戦闘では単体への強烈な打撃だけでなく、複数の敵をまとめて動かす、流れを変える、危険を先に潰すといった“局面操作”の手段として機能します。一方のカイエスは剣士であり、剣技が主役です。攻めの選択肢が増えるだけでなく、同じ剣でも技の使い分けによって安全に削るのか、リスク込みで一気に倒すのか、判断が問われます。この二人が並ぶことで、プレイヤーは「火力を出す」以外の面白さ――敵の数、距離、危険行動の兆しなどを見て手札を選ぶ面白さに触れやすくなります。RPGでありがちな“結局は強い攻撃を連打”になりにくく、状況に合わせて戦術を組み替える楽しさが残りやすいのが本作の魅力です。

依頼・用心棒・討伐などの積み重ねが、世界の生活感を生む

町の中での会話が重要で、そこで得た話が依頼へ繋がり、依頼の達成が物語の進行や次の地域の解放に結びつく――この流れは、プレイヤーの行動に“理由”を与える設計になっています。単に「次はここへ行け」と言われるより、「困っている人がいる」「あの場所で問題が起きている」「用心棒が必要だ」といった目的を挟むことで、移動や探索が作業になりにくい。さらに、依頼は戦闘だけでなく情報収集や選択の結果で印象が変わることもあり、町ごとの空気が違って感じられます。こうした積み重ねが、黒竜や黒の剣のような“伝承級の大事件”を、いきなり天上の話にせず、地上の暮らしと地続きの脅威として描く効果を生みます。大きな災厄ほど、日常側の描写があると怖くなる。本作はそこを地味に丁寧にやってくるので、冒険のスケール感が自然に上がっていきます。

マップ構造は素直なのに、探索の緊張が薄れない作り

フィールド型のRPGは、ともすると広さや迷路度で引き延ばしに走りがちですが、『黒の剣』は“迷わせる”より“進ませる”方向に寄った感触があります。斜め移動が可能で、移動のストレスが抑えられていることもあって、プレイヤーはテンポよく目的地へ向かえます。だからといって単調かというと、そうはならない。敵と遭遇するリズム、物語の不穏さ、ダンジョンに入ったときの閉塞感が重なって、歩いているだけで落ち着かない感覚が残るのです。言い換えるなら、迷路の複雑さで脅すのではなく、世界観の圧で脅してくるタイプ。だからこそ、探索が“地図の暗記”になりにくく、雰囲気を味わいながら進む冒険として成立します。

絵づくりの方向性が一貫していて、暗さが「魅力」に転化している

ダークファンタジーは暗いだけだと息苦しくなりますが、本作は暗さを“見せ方の強み”に変えるのが上手いタイプです。戦闘背景の描き込みや、敵の存在感、演出の重さが、物語のテーマと噛み合っているので、画面の暗さがそのまま緊張感と没入感に繋がります。明るい色彩や爽快な抜け感で引っ張る作品ではなく、湿度のある空気、危険な気配、静かな不穏を積み上げていく方向。そのため、プレイヤーは「次の町はどんな場所だろう」という期待と同時に、「この先は何が出てくるのか」という恐れも抱えながら進むことになります。この“期待と恐れの同居”が、プレイ体験の記憶に残りやすい部分です。

移植で表情が変わるのも、作品の楽しみの一部になっている

同じ『黒の剣』でも、遊ぶ環境が変わると受け取り方が変化します。PC-98版のように“空白を想像で補う”余地が大きい遊び方は、読書的な没入に近く、プレイヤーの脳内で世界が増幅します。一方で、PlayStation版のように演出や音、声が加わる方向は、ドラマとしての輪郭が立ち、キャラクターの感情の起伏が伝わりやすくなります。どちらが上という話ではなく、同じ物語でも「想像で味わう」「演出で味わう」の比率が違う。だから、すでにクリア済みでも別バージョンに触れる価値が生まれやすいのです。特に本作は、物語の重さや人物の関係性が魅力の核にあるため、表現手段が変わったときの印象差がはっきり出ます。作品を一回で終わらせず、形を変えて何度も楽しめる――この点も、長く語られる理由になっています。

総合すると「分かりやすいのに、忘れにくい」RPG

RPGの魅力は複雑さだけではありません。『黒の剣』は、基本の流れが素直で遊びやすい一方、戦闘の見せ方、世界観の圧、黒の剣という“危険な力”の設定が強い記憶を残します。派手なシステムで驚かせるより、王道の枠の中で「怖さ」「迫力」「ドラマ」を濃くしていくタイプ。だからこそ、遊んだ人の中に“あの場面の緊張”や“あの戦闘の押し引き”が残りやすく、後年になっても思い出話が立ち上がります。次章では、この魅力が実際のプレイでどう“攻略の勘所”に繋がるのか、楽しみ方のルートとして整理していきます。

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■ ゲームの攻略など

まず押さえるべき前提(本作は「準備」と「押し引き」で難易度が変わる)

『黒の剣』の攻略でいちばん大事なのは、純粋なレベル上げよりも「次に何が起きそうか」を想像して準備を整えることです。フィールド型RPGとしての骨格は素直なので、迷路の複雑さで詰まるというより、戦闘の押し引きと資源管理で苦しくなる場面が出やすい作りになっています。特に敵が複数で出る局面では、単純に通常攻撃だけで削っていると回復が追いつかず、ジリ貧になりやすい。逆に、剣技や魔法(術)の使いどころを決め、危険な敵から優先して落とす意識を持つだけで、同じ戦闘でも被害が目に見えて減ります。言い換えるなら、本作は「戦闘に入ってから考える」より「戦闘に入る前に決めておく」ほうが強いRPGです。町での買い物、回復手段の確保、装備の更新、MPの残量、次のダンジョンの長さの見当――これらの準備が、難易度をワンランク下げてくれます。

序盤の進め方(会話→依頼→報酬の循環を早めに作る)

序盤は、強い敵を倒して一発逆転というより、町の会話を丁寧に拾い、依頼をこなして装備と資金の土台を作るのが安定します。フィールド型のRPGは、情報の取りこぼしが「次に何をすればいいか分からない」に直結しがちですが、本作は会話が次の導線になっている場面が多いので、町に着いたら“話せる相手を一通り当たる”癖を付けると迷いにくくなります。依頼(用心棒、討伐など)は単なる小遣い稼ぎではなく、物語の進行にも絡むことがあるため、面倒でも早めに片付けるほど後がラクです。ここで重要なのは「無理をしない」こと。序盤の時点で背伸びして危険地帯に突っ込むより、確実に勝てる範囲で経験と資金を積み、装備更新のタイミングを逃さない。装備が一段階変わるだけで、被ダメージが体感で軽くなり、回復アイテムの消費が減り、結果として遠出が可能になります。

戦闘の基本方針(最初に“処理順”を決めるだけで事故が減る)

複数戦が多いタイプのRPGでは、戦闘開始直後の数ターンが勝敗を決めます。おすすめの考え方は、敵を「危険度」で3つに分けることです。①こちらのHPを一気に削る火力役、②状態異常や厄介な行動でテンポを崩す妨害役、③耐久が高く時間を取らせる壁役。基本は①→②→③の順に落とすのが安全です。火力役を残したまま壁役を殴っていると、回復が追いつかず事故が増えます。妨害役を放置すると、こちらの行動を縛られて立て直しが難しくなります。壁役は最後に落としても大崩れしにくいので、優先度は下がります。 そして、この処理順を実行するための道具が「剣技」と「魔法(術)」です。通常攻撃で倒し切れない相手を、消費を払ってでも早めに落とす価値がある場面が多い。MP消費を惜しむほど損をする戦闘がある、というのが本作の特徴だと割り切ると、戦い方が安定します。

MP運用の考え方(節約ではなく“損失を減らす投資”として使う)

RPGでありがちな罠が「MPはボス用だから温存」という発想ですが、『黒の剣』はそれをやりすぎると苦しくなりやすいです。理由は単純で、雑魚戦でも複数相手の押し込みが強く、被弾が積み上がると回復アイテムの消費が増えるからです。MPを温存して回復アイテムを溶かすより、MPを使って危険な敵を早めに倒し、結果として被弾を減らすほうが“資源の総消費”が少ない場面が出てきます。 目安としては、①危険度の高い敵が2体以上出た、②妨害行動でテンポが乱れそう、③こちらの回復手段が乏しい長丁場の途中、こういう時はMPを使って戦闘時間を短縮する価値が上がります。逆に、敵が単体で単調、こちらが装備更新直後で余裕がある、戻る手段が近い、こういう場面は通常攻撃中心でOK。MPは“使うべき局面を見極める”資源であり、溜め込むほど偉いものではない、と捉えると攻略がスムーズになります。

剣技の使い分け(「倒し切る技」と「崩す技」を分けて考える)

剣技の強みは、単発火力だけではなく、戦況の主導権を取り戻す“崩し”の役割にもあります。例えば、敵が複数で距離を詰めてくる展開では、単体に強い技を撃っても、残りが殴ってきて被害が膨らむことがあります。こういう時は、複数をまとめて削る、動きを止める、相手の攻めを一度切る、といった用途を意識して剣技を選ぶと安定します。 また、剣技は「ここで決めれば一気に楽になる」という局面で特に強いです。敵の火力役が残りHPわずか、次のターンに大技が来そう、こちらのHPが半端で回復するか迷う――そんな時に剣技で倒し切れれば、回復という一手を攻撃に変換でき、テンポが生まれます。攻略に慣れてくるほど、剣技は“火力”より“テンポの支配”のための手段になっていきます。

魔法(術)の使い分け(「複数戦の整理」と「危険行動の先回り」が軸)

シノブ側の術は、単体火力として使うより、複数戦を整理するための道具として価値が上がりやすいです。敵が3体以上出る場面で、通常攻撃を分散して削ると、結局全員が残って被弾が増えがちです。術でまとめて削って“倒し切りライン”を作り、次の手で確実に数を減らす。これだけで被害が減り、アイテム消費が抑えられます。 もう一つ大事なのが「厄介な敵を早めに沈める」こと。妨害役や特殊行動をしてくる敵は、長引かせるほど嫌なことが増えるので、術で一気に処理するのが安全です。MP消費は増えますが、回復手段が限られる局面では、術で戦闘を短縮するほうがトータルでは得になりやすい。特にダンジョン奥へ行くほど、戻るまでの距離=事故の重みが増すので、術の価値も上がります。

装備更新の優先順位(“攻撃”より先に“被ダメ軽減”を見直す)

攻略で詰まったときは、まず「攻撃力が足りない」より「被ダメが痛い」ケースが多いです。敵を倒す速度も重要ですが、結局は“回復が間に合うか”が壁になります。なので、装備更新は攻撃力だけでなく、防具や耐性系の伸びを意識すると安定します。新しい町に入ったら、まず店売り装備をチェックし、被ダメが目に見えて減る更新があるなら優先。被ダメが減れば、回復アイテム消費が減り、MPを攻撃に回しやすくなり、結果として戦闘が短くなります。 また、装備更新を後回しにしがちな人ほど、ダンジョンの中盤以降で息切れしやすいので、「町に着いたら買い物→準備→出発」をルーチン化すると攻略全体が整います。

ダンジョン攻略のコツ(“引き返す勇気”が最短ルートになる)

長いダンジョンほど、途中で消耗してから無理に奥へ進むのが一番危険です。本作は複数戦で消耗が積み上がりやすいので、引き返す判断が結果的に最短になります。具体的には、回復アイテムの残りが心許ない、MPが枯れて危険敵に対応できない、次の戦闘で事故りそう、こう感じたら潔く戻る。戻って補給して再挑戦した方が、全滅で時間を失うより早いです。 もう一つ、ダンジョン内での戦闘は「毎回全力で倒さない」ことも重要です。危険度の低い相手なら通常攻撃で済ませ、危険度の高い戦闘だけに剣技や術を当てる。メリハリを付けると、奥の厳しい戦闘で切れるカードが残ります。

難易度の印象(理不尽ではなく、判断ミスが結果に直結するタイプ)

本作の難しさは、反射神経を要求するというより、選択の積み重ねが効くところにあります。装備更新を怠る、MPを温存しすぎる、敵の処理順を間違える、消耗しているのに引き返さない――こういう判断ミスが、そのまま事故に繋がりやすい。一方で、同じ場面でも準備と押し引きを整えれば、驚くほど安定して突破できます。だからこそ「うまくなった感」が出やすく、攻略が進むほど戦闘が整っていく手応えがあります。慣れてきたら、戦闘開始時に“危険度判定→処理順→MP投入の要否”を数秒で決められるようになり、そこができると本作は一気に遊びやすくなります。

裏技・小技的な楽しみ(効率よりも“自分の型”を作る)

いわゆる派手な抜け道より、本作は「自分の戦い方の型」を作ることで攻略が楽しくなるタイプです。たとえば、危険敵を見たら必ず術で整理する型、MPは一定以下にしない型、剣技は“倒し切り専用”として温存する型、逆に“最初からテンポ取りに使う”型。どれも正解になり得ます。大事なのは、自分の型に合わせて買い物や補給の判断が一貫すること。型ができると、ダンジョンに入る前から「今回は何回戦える」「この場面はMPを切る」「ここは通常で流す」という見通しが立ち、攻略のストレスが減ります。 この“型づくり”こそが、『黒の剣』の攻略が作業になりにくい理由でもあります。単に数字を上げるのではなく、戦術と資源配分で勝ち筋を作る。その楽しさが、次章で扱う「感想や評判」にも繋がっていきます。

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■ 感想や評判

総合的な評価の傾向(「派手に売れた名作」ではなく「刺さる人には刺さる硬派」)

『黒の剣 -Blade of The Darkness-』の感想を追っていくと、まず目につくのは「いまの感覚で見ると地味な部分もあるのに、妙に引き込まれて最後まで遊んでしまう」というタイプの評価です。作品としての知名度は超メジャー級ではなく、語られる場が限られがちなのですが、そのぶん“偶然触れてハマった人”の熱量が濃い。ダークファンタジー寄りの物語、シビアさを含んだ展開、そして当時としては見映えのする戦闘アニメーションがセットになっていて、「軽い気持ちで遊ぶと意外と重い」「でも重いからこそ記憶に残る」という受け止め方が多い印象です。硬派なRPGが好きな人、救いよりも余韻や苦味を求める人には“隠れた一本”として薦められやすい一方で、テンポやテキストのノリが合わない人には評価が伸びにくい――そんな二極化も見えてきます。

ストーリー面の声(暗さ・救いの少なさ・人間の身勝手さが好みを分ける)

物語については、「明快な勧善懲悪」よりも、登場人物や世界の側が持つ身勝手さ、利害、残酷さが前に出やすい点がよく話題になります。いわゆる“勇者が正義で世界が祝福する”気持ちよさとは別方向で、状況が悪化していく手触りや、選択が誰かを救っても別の誰かを追い詰めるような後味が強い。そうしたダークさを「大人向けで良い」「シリアスなRPGらしい」と評価する声がある一方、救いの少なさや陰鬱さが続くことで「気分が沈む」「遊ぶテンションを選ぶ」と感じる人もいます。つまりストーリーは本作の武器であると同時に、合う・合わないを決める最大の分岐点でもあります。

戦闘・演出の評価(見せ方の迫力が強み、ただしテンポの指摘も)

戦闘の見せ方に関しては、肯定的な声がかなり多いです。PC-98末期らしい描き込み、キャラクターが大きめに動く戦闘アニメーション、技や魔法の“動きが付くこと自体の快感”が評価されやすく、「新しい技や術の演出を見たいから戦ってしまう」「見栄えがあるから単調になりにくい」といった方向で語られます。 一方で、否定的な意見が集まりやすいのもやはりテンポです。特にPS版の感想では、攻撃やエフェクトが長めに感じられて戦闘の間延びが気になる、という指摘が見られます。ただしその場合でも「物語の進行が速い」「ロードが短めで遊びやすい」といったフォローが同時に語られやすく、“戦闘演出の気持ちよさ”と“テンポの好み”の綱引きになっている印象です。

ゲームバランス・難易度の声(詰みやすい理不尽さより、消耗管理の厳しさ)

バランス面は「普通に遊べる」「壊滅的に詰まることは少ない」という評価がある一方で、道中の消耗がじわじわ効くタイプとして語られがちです。雑魚戦の緊張感が高く、むしろ最終盤よりも“道中の押し引き”のほうが怖かった、といった感想も見られます。 また、エンカウントの体感が高めに感じられるという指摘もあり、探索のテンポやストレス耐性で評価が割れる要因になっています。ただ、レベル上げや育成のバランスそのものは極端ではなく、準備と戦い方が整えば安定しやすい、という語られ方が多いです。言い換えると、難しさは反射神経よりも“資源管理と戦闘判断”に寄っていて、そこが好きな人ほど高評価になりやすいタイプです。

テキスト・会話・雰囲気の声(味と荒さが同居し、受け取り方が真逆になる)

本作は雰囲気作りに力が入っている反面、会話や文章の印象が人によって割れやすいところがあります。ダークで硬派な空気、ちょっと湿った旅情、危険な伝承に巻き込まれていく手触りを「たまらない」と感じる人がいる一方で、町の人の台詞回しやテキストの手触りが“チープに見える”として、そこで気持ちが冷める人もいます。ここは作品の時代性(PC-98末期〜PS初期の感覚)を味として受け止められるかどうかが大きく、深刻なドラマを“重い物語”として没入する人と、“荒い味のあるレトロRPG”として楽しむ人の両方が存在します。どちらの遊び方でも成立する一方、期待する品質の方向が現代のシナリオRPG寄りだと、違和感が先に立つ可能性があります。

PS版・アーカイブス周りの声(遊びやすさの評価と、演出・声の受け止め)

移植版、とくにPS版について語られるときは「今でも触れられる遊びやすさ」がポイントになります。ロードの短さやテンポ面での遊びやすさを挙げる人がいる一方で、戦闘の演出が長く感じるなど、快適さの評価はプレイヤーの好みで割れます。 またPS版では主要キャラクターに声が付くため、キャラクターの印象が掴みやすくなった、あるいは“声が付いたことで雰囲気が整った”と感じる人もいます。反対に、声や演出が付いたことで粗が目立つと捉える人もいて、PC版の“想像で補う余地”を好む層とは評価軸が変わってきます。ゲームアーカイブスで購入できること自体を「隠れたRPGを掘り起こしやすい」と評価する声もあり、再評価のきっかけとしてアーカイブスの存在は大きかったようです。

雑誌・メディア評価について(オンライン上では一次情報がまとまって見つけにくい)

評判をひと言でまとめると(薦める相手がはっきりしているタイプ)

『黒の剣』の評判は、「映える戦闘」「暗く硬派な物語」「レトロRPGらしい素朴さ(あるいは荒さ)」が三つ巴になって形成されています。ダークな旅と、資源管理を伴う戦闘の押し引きが好きなら、多少のテンポ面の癖も“味”として飲み込みやすく、結果として評価が上がりやすい。逆に、軽快さや洗練された文章・演出を強く求めると、良さより先に引っかかりが出る可能性があります。だからこそ、ハマった人の推薦は熱く、合わない人は早めに離れる。そういう意味で、本作は「万人向けの優等生」ではなく、「好みが噛み合ったときの満足度が高い」RPGとして語られ続けている作品です。

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■ 良かったところ

戦闘が“見せ場”として成立している(当時のRPGとしての迫力)

良かった点として最初に挙げられやすいのは、やはり戦闘シーンの存在感です。フィールド探索は俯瞰視点で落ち着いているのに、戦闘になるとキャラクターの表示が大きく、動きもはっきりしていて、「RPGなのに戦っている感が強い」という印象を残します。単に派手なエフェクトで埋めるのではなく、攻撃の所作や間合いの取り方が“戦いの重さ”として伝わるため、画面を眺めているだけでも緊張がほどけにくい。特に複数の敵に囲まれる局面では、技や術で局面をひっくり返したときの快感が大きく、プレイヤーの中で戦闘が作業になりにくいという声に繋がります。

ダークファンタジーの空気が一貫している(物語と絵づくりが噛み合う)

“黒竜”“黒の剣”“魔に由来する力”という設定を、ただの飾りにせず、世界の空気として徹底している点も評価されやすいところです。町の雰囲気、遺跡やダンジョンの不穏さ、敵の存在感、そしてストーリーの後味まで、基本的に明るく転ぶ方向には寄りません。これが「気分が沈む」と感じる人もいる一方で、ハマる人には「中途半端に明るくならないからこそ信じられる」「最後まで緊張が続く」と強く刺さります。暗さが単なる色調ではなく、設定・物語・演出のトーンとして統一されているから、プレイ後にまとまった余韻が残りやすいのです。

“会話→依頼→進行”の導線が分かりやすい(王道RPGとしての遊びやすさ)

レトロRPGでありがちな「次に何をすればいいか分からない」が致命傷になるタイプではなく、町の会話や依頼が導線になっていて、遊び方の筋道が比較的見えやすいのも良かった点として挙げられます。会話を丁寧に拾うと、目的地が自然に浮かび、依頼を進めると物語が動く。プレイヤーが“手がかりを集めて前へ進む”感覚をちゃんと味わえるように作られているため、迷いよりも冒険のテンポが勝ちやすい。王道の骨格がしっかりしているからこそ、ダークな世界観や戦闘の迫力に集中できる、という評価に繋がります。

二人の主軸が立っている(シノブとカイエスの役割分担が気持ちいい)

良いところとして意外と大きいのが、主人公格の二人が“性能面でも物語面でも”役割を分けている点です。シノブは黒の剣と呪符魔術に結びついた存在で、危険な力を扱う側としての緊張を背負っています。一方のカイエスは剣士として技と修行の体系を体現し、戦闘面では剣技の主役になる。プレイヤーはこの二人の性格や立ち位置だけでなく、「戦い方の違い」そのものを楽しめるため、同じ戦闘でも判断の幅が広がります。複数戦で術を切って整理し、剣技で倒し切ってテンポを取る――こうした“分担が噛み合ったときの気持ちよさ”が、プレイ後の良い記憶として残りやすい部分です。

資源管理と押し引きが面白い(上達が実感しやすい)

本作は、レベル上げで全部解決するタイプというより、MP・回復・装備更新の判断で安定感が変わるタイプです。最初は消耗して苦しくても、慣れてくると「危険な敵を先に落とす」「ここはMPを切って短期決戦」「ここは通常攻撃で流す」といったメリハリがつき、同じダンジョンでも消耗が目に見えて減っていきます。つまり、攻略が“手順の暗記”ではなく、プレイヤーの判断の成長として返ってくる。これはRPGとしての快感であり、遊び込みたくなる要素です。

移植で作品の表情が変わる(PC版とPS版で味わいを選べる)

良かったところとして、移植によって触れ方が増えた点も大きいです。PC-98版の“想像で補う余白”を楽しむ遊び方もあれば、PS版のように演出や音、声の導入でドラマとして受け止めやすくなる遊び方もあります。さらにゲームアーカイブスで再入手が容易になったことで、後年に掘り起こして「こういうRPGがあったのか」と再評価する流れも生まれました。作品が一度きりで終わらず、環境に合わせて遊び方を変えられるのは、長く残るタイトルとして強い点です。

“重さ”が価値になる(気軽ではないが、だからこそ忘れにくい)

本作は、軽いテンションでサクサク遊ぶゲームというより、暗い世界に腰を据えて浸るタイプです。そこが合う人にとっては、プレイ時間そのものが濃く、終わったあとに余韻が残る。戦闘の迫力、伝承の不穏さ、旅の閉塞感が一体となって、プレイヤーの記憶の奥に沈んでいくような感覚があり、「良かった」と言うときのニュアンスが“楽しかった”だけでは終わらないのが特徴です。明るい作品と比べれば好みは分かれますが、暗さが強いほど作品の輪郭がくっきりするタイプのRPGとして、良い点の中心に置かれやすい部分です。

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■ 悪かったところ

戦闘演出が濃いぶん、テンポが合わないと「長い」と感じやすい

本作の強みでもある戦闘の見せ方は、人によってはそのまま弱点にもなります。キャラクターが大きく動き、技や術の“見せ場”が用意されている分、戦闘の1回あたりにかかる体感時間が伸びやすいのです。ここが刺さる人は「迫力がある」「戦っている感が強い」と受け止めますが、テンポ重視の人には「演出を毎回見せられている」感覚になりがちです。特に、ダンジョン探索で戦闘回数が増える局面では、演出のリッチさが“蓄積ストレス”へ変わることがあります。 さらに、複数の敵が出る場面ほど、こちらの判断(剣技・術の投入)も増え、1戦が長引きやすい。演出の濃さを「ご褒美」として受け取れるか、「足を引っ張る要素」として受け取るかで、評価が大きく割れる部分です。

エンカウント頻度の体感が高く、探索が“息継ぎなし”になりがち

フィールド型RPGの気持ちよさは、歩いている時間に「観光」や「調査」の余裕が生まれるところですが、本作は局面によって戦闘の密度が濃く感じられ、探索が落ち着かない時間になりがちです。特に初見プレイでは、地形の把握・目的地探し・会話内容の整理に脳のリソースを取られるため、そこへ戦闘が多いと“作業の連続”に見えてしまうことがあります。 もちろん、慣れてくれば「危険戦だけMPを切って短縮」「弱い相手は通常攻撃で流す」といったメリハリで軽くできますが、そこに到達するまでが少ししんどい。探索の心地よさを求めている人ほど、この密度を悪い点として挙げやすいです。

資源管理がシビアに効くため、雑に遊ぶとジリ貧になりやすい

本作は“判断の積み重ね”で安定する反面、雑に遊ぶと急に苦しくなるタイプでもあります。装備更新を後回しにする、MPを温存しすぎて被弾を増やす、危険敵の処理順を誤る、消耗しているのに引き返さない――こうした選択が重なると、次の町へ辿り着く前に回復資源が枯れ、戦闘がどんどん苦しくなる展開が起きます。 このシビアさを「緊張感がある」と楽しめる人もいますが、気軽に進めたい人にとっては「急にしんどくなる」「立て直しのきっかけが掴みにくい」と映ることがあります。特に、RPGで“育成のごり押し”が通る感覚に慣れていると、初期は戸惑いやすいポイントです。

会話・テキストの質感が時代相応で、人によっては没入を切らす

ダークファンタジーの空気は魅力ですが、町の会話や文章の手触りには“当時の作品らしさ”が残ります。これは味として受け止められる一方で、現代のシナリオRPGのような自然な言い回しや丁寧な心理描写を期待すると、台詞のノリや説明の運びに古さを感じることがあります。 物語の重さが売りの作品ほど、テキストの違和感は没入を邪魔しやすいので、ここで評価が下がる人が出るのも納得できます。逆に言えば、文章の“荒さ”を含めてレトロRPGの味として楽しめるかどうかが、評価の分かれ目になりやすい部分です。

導線は分かりやすいが、情報の取りこぼしがあると「何をすればいい?」が起きる

本作は会話と依頼が進行の鍵になりやすく、基本的には導線が見えます。ただ、その裏返しとして「必要な話を聞き逃すと、次の行動が曖昧になる」こともあります。フィールド型のRPGではありがちな弱点ですが、本作も例外ではありません。 しかも、世界観が暗く、状況説明も“手取り足取り”というより“察して進む”雰囲気があるため、プレイヤーがテンポよく進めようとして会話を流し読みすると、あとで「あれ、何をしに来たんだっけ?」となりやすい。攻略に慣れた人ほど平気でも、初見だと悪い点として意識されやすい部分です。

好みによっては「暗さ」が単調に感じられる(気分の上下が少ない)

本作のトーンは一貫して暗めです。これが“統一感”として評価される一方で、明るい場面や爽快な抜け感が少ないため、気分転換が起こりにくいという欠点にもなります。プレイヤーはずっと緊張や不穏の中で遊ぶことになるので、遊ぶ側のコンディションや気分を選ぶ。 特に、物語が重い作品は「たまに明るい場面があるからこそ暗さが際立つ」構造を取りがちですが、『黒の剣』は暗いトーンを押し通す傾向があるため、そこが合わないと“ずっと同じ温度”に感じられてしまいます。暗さが好きな人には強い武器でも、万人受けを阻む要因になり得ます。

移植版では“変化”がプラスにもマイナスにも働く(どれを基準にするか問題)

PC版の余白を想像で補う楽しみと、移植版の演出強化・音声導入によるドラマ性は、方向性が少し違います。これ自体は良い点でもありますが、逆に言うと「どの版を触ったか」で悪い点の感じ方も変わります。 たとえば、演出が濃くなったことで戦闘のテンポがより気になったり、声が付いたことでキャラの印象が固定されて想像の余地が減ったと感じたりする人もいます。作品の芯は同じでも、“好みの版”に当たらないと評価が下がる可能性があるのは、悪い点として挙げられやすいところです。

総合すると「丁寧に向き合うほど面白いが、雑に触ると欠点が前に出る」

本作の悪かった点をまとめると、濃い演出とシビアな資源管理が、プレイヤーの好みや遊び方によっては負担になる、ということに集約されます。腰を据えて準備し、会話を拾い、戦闘の押し引きを楽しむ人には“濃い体験”になりますが、テンポ重視・気軽さ重視だと“濃さ”がそのまま“重さ”に見えてしまう。 ただし、この欠点は裏返すと“尖り”でもあります。次章では、こうした長所短所を踏まえたうえで、プレイヤーが「どのキャラクターが好きになりやすいか」「なぜ好きと言われるのか」を、作品の体験に沿って整理していきます。

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■ 好きなキャラクター

まず前提(この作品の“好き”は、物語の重さと戦い方の手触りで決まりやすい)

『黒の剣』で「このキャラが好き」と語られる理由は、大きく分けると2つに集約されがちです。ひとつは物語上の立ち位置――黒竜や黒の剣にどう関わり、どんな覚悟や葛藤を背負っているか。もうひとつはゲーム的な役割――戦闘でどんな局面を救ってくれるか、どんな判断を気持ちよくさせてくれるか。ダークファンタジーの世界観だからこそ、キャラクターも“明るいマスコット”より、危うさや影のある魅力が評価されやすい傾向があります。以下では、プレイヤーが好きになりやすいポイントを「性格・物語」「戦闘での体験」「印象に残り方」という軸で整理していきます。

シノブ・リュードが好きと言われる理由(背負うものが重いほど、芯の強さが光る)

シノブは、黒の剣を携えて旅をしている時点で、すでに“普通の旅人”ではありません。剣そのものが伝承級の危険物で、扱うこと自体に疑念がつきまとう。その重さを抱えながら、目的のために前へ進む姿勢が、まず強い印象になります。好きな理由として挙がりやすいのは、「感情に流されすぎず、でも冷たいわけではない」というバランスです。世界が暗く、状況が悪化しやすい物語ほど、主人公側が迷い続けるとテンポが沈みがちですが、シノブは“迷い”を抱えつつも行動を止めないタイプに見えやすい。だからプレイヤーは、彼女の決断を通して物語を前へ押し進められる感覚を得ます。 戦闘面でも、呪符魔術が「複数戦の整理」「危険敵の先落とし」「流れを変える一手」として働きやすく、プレイヤーがピンチで頼りたくなる場面が多いです。苦しい戦闘ほど、術で場を整える判断が勝敗を分けるので、結果的に“助けられた記憶”が積み上がり、好きという感情に繋がりやすい。物語でもシステムでも、彼女はこの作品の暗さを引き受けながら前進する象徴で、その姿勢に惹かれる人が多いタイプです。

カイエス・ナインタークが好きと言われる理由(剣士キャラの「不器用なまっすぐさ」が刺さる)

カイエスは、いわゆる修行中の旅の剣士という枠に収まりながら、作品のダークさの中で“武人としての筋”を通す存在になりやすいキャラクターです。世界が歪んでいくほど、正しさが報われないほど、彼の行動原理の単純さが逆に強く見える。好きと言われるポイントは、「言葉で飾らず、剣と行動で答える」タイプの潔さです。 戦闘面でも、剣技が使えることで“テンポを奪い返す”快感を作りやすい。通常攻撃でじりじり削るのではなく、ここで決めるという場面で技を切って倒し切ると、一気に戦闘が安定します。プレイヤーが上達していくほど、剣技は単なる火力ではなく「主導権の回収」になっていくので、カイエスに対する信頼感も増す。物語の不穏さに対して、剣士としての姿勢で立つキャラが好きな人にとって、カイエスはまさに“柱”になります。

エニスが好きと言われる理由(盗賊の軽さが、暗い旅の呼吸になる)

暗い物語ほど、盗賊キャラは重要です。エニスが好きと言われやすいのは、世界観が重く沈みがちな中で、どこか乾いた軽さを持ち込めるからです。盗賊はしばしば「信用できない」「利害で動く」といった影を背負いますが、その危うさがダークファンタジーと相性が良い。味方側にいても完全に安心できない、しかしそれが緊張感として心地よい、という受け止め方がされやすいです。 また、盗賊キャラは物語の裏側――表の秩序では説明できない事情や、権力の影、金と暴力の関係など――へ視線を向ける役割を担いやすいので、世界が立体的に感じられます。主人公二人が“正面から世界を切り開く”存在だとすると、エニスは“世界の隙間を知っている”存在。そこに魅力を感じる人は多いです。

ゼフュードルが好きと言われる理由(同系統の剣士がいると「剣の世界」が厚くなる)

ゼフュードルは用心棒を生業にする剣士で、カイエスと同様の剣技を扱える存在として位置づけられます。こういう“同系統”のキャラは、単に戦闘力が増える以上に、世界観の厚みを増します。剣技が主人公だけの特権ではなく、剣士の世界には技の流派や生き方が複数ある、と示せるからです。 好きと言われる理由としては、「剣で食っていく人間の現実味」が挙がりやすい。修行の旅はロマンがありますが、用心棒はもっと生々しい。危険な仕事に身を置き、腕一本で日銭を稼ぐ。その現実味が、黒竜伝承のような大事件と、町や依頼の生活感を繋ぐ接着剤になります。結果として、作品全体の“地に足がついた暗さ”が強まり、ゼフュードルの存在が好きだと言われやすいのです。

リール・レッドエリンが好きと言われる理由(遺跡と知性が、伝承を現実に引きずり出す)

遺跡発掘チームを率いるリールは、ダークファンタジーの物語でとてもおいしいポジションです。黒竜や黒の剣の話は、放っておくと“昔話”のまま浮遊しがちですが、遺跡・発掘・記録・研究といった要素が入ると、伝承が「検証できる現実」へ変わっていきます。リールが好きと言われる理由は、そうした“知性の筋道”を物語に通せるからです。 また、天才肌のキャラは、ときに冷たく見えたり、合理性が残酷に映ったりしますが、ダークな世界ではその冷たさが逆に頼もしさになることがあります。感情だけでは耐えられない局面で、知性が道を作る。そういう役割に惹かれて、リール推しになる人が出やすいタイプです。

敵側・暗黒側が好きと言われる理由(“怖さ”は、そのまま魅力になる)

『黒の剣』はタイトルからして闇属性が濃く、敵側の存在も“単なる悪役”ではなく、世界の怖さを体現する装置になりやすい作品です。黒竜の側に連なる存在、三使徒のような敵対勢力は、主人公側の努力や正しさが簡単に通じないことを示すために配置されます。こうした敵キャラが好きと言われる理由は、「強さ」よりも「圧」です。出てきた瞬間に空気が変わる、勝てるかどうか以前に“関わりたくない”感じがする、でも見たい。怖いもの見たさの魅力が成立しやすい。 また、ダークファンタジーでは、敵の行動原理が完全な悪ではなく、歪んだ正義や目的を持っているほうが印象に残ります。プレイヤーが「理解できないが、分からないなりに筋がある」と感じた瞬間、敵側に惹かれることもあります。好きなキャラとして敵が挙がるのは、まさにこの作品のトーンと相性が良い現象です。

PS版で好きになりやすいポイント(声が付くと“温度”で推しが決まる)

PlayStation版のように主要キャラに声が入る環境だと、推しの決まり方が少し変わります。テキストだけだと「行動」や「設定」で好きになる比率が高いのに対し、声が付くと「言い方」「間」「感情の揺れ」など、温度の情報が増えます。結果として、同じキャラでも印象がはっきりし、推しが固定されやすい。 たとえば、シノブの芯の強さが凛とした印象で届いたり、カイエスの不器用さが人間味として伝わったり、エニスの軽さがより魅力的な“呼吸”になったりします。逆に、PC版の余白が好きな人は「想像の余地が減る」と感じることもありますが、推しを決めるという観点では、声の導入は確実に影響が大きい要素です。

まとめ(推しが分かれるのは、この作品が“役割で刺す”作りだから)

この作品は、キャラクターが単なる飾りではなく、世界観の暗さや戦闘の押し引きと直結しています。だから「好きなキャラ」も、見た目や台詞だけでなく、「このキャラのおかげで勝てた」「このキャラの生き方が、この世界の怖さを説明してくれた」という体験で決まりやすい。シノブの背負う重さに惹かれる人もいれば、カイエスの剣士としての筋に惹かれる人もいる。エニスの乾いた軽さが救いになる人もいれば、ゼフュードルやリールの現実味・知性が好きになる人もいる。そして敵側の圧に惹かれてしまう人もいる。推しの分布がばらけるのは、キャラクターがそれぞれ違う角度から“黒の剣の世界”を支えている証拠です。次の見出しへ進むなら、ここまでの推し理由を踏まえて、対応機種ごとの違い(PC-98/Windows/PS)で「どこがどう変わって見えるか」を整理すると、作品の輪郭がさらにくっきりします。

[game-7]

●対応パソコンによる違いなど

まず全体像(同じ『黒の剣』でも「触り心地」がかなり変わる)

『黒の剣 -Blade of The Darkness-』は、同じ物語・同じ骨格を持ちながら、出たハードごとに“遊び心地”の方向性が変わりやすい作品です。大ざっぱに言うと、PC-9801版は当時の国産PC RPGらしい「余白のある没入」と「環境込みの味わい」を強く持ち、Windows版は“同じゲームを別の土台で動かす”性格が色濃い移植枠、PlayStation版は「大幅なリニューアルでドラマ性を強めた再構成」という印象になります。発売日の並びも、PC-98(1995年2月28日)→Windows(1996年)→PS(1997年10月9日)→ゲームアーカイブス(2011年10月12日)という流れで、まさに段階的に“環境が変わりながら生き延びたタイトル”です。

PC-9801版(オリジナル)の特徴:当時の空気ごと味わうタイプ

PC-9801版は、本作の原点にあたる版で、画面の雰囲気や間の取り方に“当時のPC RPGらしさ”が出やすいのが特徴です。画面仕様としては、資料系データベースやスクリーンショットの情報から、640×400といったPC-98らしい解像度帯での表示が確認できます(画面が縦に少し詰まった独特の見え方になりやすい)。 また、パッケージ情報を扱うショップ・アーカイブ系では、PC-98版が3.5インチFDの複数枚構成(5枚セット)として流通していたことが確認でき、メディアの都合も含めて「区切りを意識しながら遊ぶ」体験になりやすいです。 この版の良さは、豪華さよりも“想像で補える余白”にあります。テキストや演出が現代のドラマ寄りではないぶん、プレイヤー側が頭の中で情景を増幅させやすく、黒竜伝承の不穏さや、旅の閉塞感が「自分の想像込み」で重く沈む。その沈み方が好きな人ほど、PC-98版を“本家の味”として好みやすいです。

Windows版の特徴:環境を替えて遊べるようにする“移植の版”

Windows版は1996年のリリースで、発売元がベルズベル名義になっています。 ここで重要なのは、Windows版の立ち位置が「内容を派手に作り替える」よりも、「同じゲームを別の動作環境へ運ぶ」側に寄りやすい点です。実際、ゲームデータベースではWindows版の発売情報(1996年/ベルズベル)が整理されており、PC-98環境ではなくWindows環境で触れられること自体が価値になっています。 ただし、当時のWindowsゲーム全般に言えることとして、現行環境での起動は“そのままでは素直に動かない可能性”が高いです。古いAPI・解像度・描画方式の影響を受けることがあるため、Windows版を選ぶ場合は「実機/当時のOS寄りの環境」か「互換レイヤー・仮想環境」を前提にする、といった割り切りが必要になります。逆に言えば、そこさえ整えば、PC-98の実機を用意せずに本作の“PC版の手触り”へ近づける選択肢として意味がある、という位置づけです。

PlayStation版の特徴:大幅リニューアルで“見せるRPG”へ寄せた版

PlayStation版(1997年10月9日発売)は、PC版を土台にしながら、見た目や音の方向性を整え直した“リニューアル版”として語られやすいのがポイントです。 一般に言われる変更点としては、サウンド・グラフィックの刷新に加えて、主要キャラクターに声が付いたことが大きいです(声が入ることで、人物の温度や距離感が掴みやすくなり、物語を“ドラマ”として受け止めやすくなる)。 そして“遊びやすさ”という意味では、攻略・プレイ記録系の情報で、フィールド中の操作による小回復(○ボタンでHP/MPが少量回復)や、フィールドメニューが開ける状況ならセーブ&ロードが可能、といった運用面の特徴が挙げられています。 このあたりは、PC版の「戻って休む」「消耗を抱えて歩く」感覚とは違うリズムを生みやすく、PS版はPS版で“独自のテンポ”ができやすい。結果として、同じストーリーでも「PC版は沈むように浸る」「PS版は見せ方の情報量で追っていく」と、プレイ感が分岐しやすいです。

ゲームアーカイブス(PS版ベース)の特徴:いちばん“触りやすい入口”になりやすい

2011年10月12日から、PlayStation Storeのゲームアーカイブスとして配信されたことで、「中古ソフト探しをしなくても触れられる」入口ができました。 さらに、メディア芸術データベース側でも“ゲームアーカイブス(ダウンロードコンテンツ)”として整理されており、作品の所在が追いやすくなっています。 このルートの強みは、何より入手と起動のハードルが低いことです。PC-98実機の準備や、古いWindows環境の構築に比べると、ゲームアーカイブスは「プレイするまでの距離」が短い。初見で世界観が合うか確かめたい人、まずはサクッと触って判断したい人には、この入口が一番現実的になりやすいです。

操作デバイスの違い:キーボード主体か、パッド主体かで“疲れ方”が変わる

PC-98(および当時のPCゲーム全般)は、キーボード中心の操作で“コマンド選択やメニュー操作が速い人は速い”一方、慣れないと指の移動が増えて疲れることがあります。逆にPS版は、パッドで完結するぶん、姿勢や入力の負担が一定で、長時間遊びやすい人が多い。 ただし、慣れの問題も大きく、PCゲームに慣れている人はキーボードのほうがテンポよく感じることもあります。結局は「普段どの入力に慣れているか」で、快適さの評価が入れ替わりやすいポイントです。

表現の違い:余白を楽しむPC版、情報で押すPS版

PC-98版は、今の目で見ると“演出の情報量が控えめ”に感じる部分があるかもしれません。しかし、その控えめさが「自分の想像を入れる余白」になって、黒竜伝承の不穏さが“脳内で濃くなる”方向に働きます。 一方でPS版(およびゲームアーカイブス)は、声や表現の整え直しによって、キャラクターの輪郭がハッキリしやすい。物語の理解は進みやすくなりますが、余白が減るぶん「自分の中の理想像」とズレる可能性も出てきます。どちらが良いというより、“没入の仕方が違う”と考えるのが近いです。

結局どれを選ぶべき?(おすすめの分け方)

・**当時の空気ごと浸りたい/PC-98文化が好き**:PC-9801版(オリジナル) ・**PC版の手触りを保ちつつ、環境だけ変えて触りたい**:Windows版(ただし動作環境づくり前提) ・**見せ方が整ったドラマとして追いたい/声付きで入りたい**:PlayStation版 ・**まずは手軽に触って合うか確かめたい**:ゲームアーカイブス(PS版系)

ここまでが「対応機種による違い」の核です。次に続けるなら、あなたのテンプレだと“同時期に発売されたゲームなど”の章ですが、この作品は発売年がPC-98(1995)→Win(1996)→PS(1997)でズレるので、「どの年を基準に“同時期”を切るか」で10本の選び方が変わります(1995年PC-98周辺で切るか、1997年PS周辺で切るか、など)。

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●同時期に発売されたゲームなど

同時期の基準(ここでは「1994〜1996年のPC(PC-98/Windows)作品」を中心に選定)

『黒の剣』はPC-98(1995年)→Windows(1996年)という流れを持つため、ここでは**1994〜1996年**に登場して話題になりやすかった“代表的なパソコンゲーム”を10本ピックアップします(ジャンルはRPG・ADV・SLGなど混在)。

★EVE burst error

・販売会社:シーズウェア(C’s Ware) ・販売された年:1995年(PC-98版は1995年11月発売) ・販売価格:定価8,800円(税別) ・具体的なゲーム内容: 二人の主人公を切り替えながら事件の全体像に迫る、当時としては“読み物”と“推理”の両方を強く意識したADV。文章で引っ張るだけでなく、情報収集の順番・視点のズレ・人物関係の伏線が、少しずつ噛み合っていく構造が気持ちいいタイプです。PCでのADVが「物語の長さ」だけで勝負しがちな時代に、テンポと切り替えの妙で緊張を維持し、クリア後に“最初から見直したくなる”余韻を作りました。

★同級生2

・販売会社:エルフ(elf) ・販売された年:1995年(PC-98版:1995年1月発売) ・販売価格:定価10,780円 ・具体的なゲーム内容: 限られた期間の行動選択で、人間関係とイベントを積み上げていく恋愛シミュレーション。攻略の基本は“正解ルートをなぞる”というより、生活の動線(誰に会えるか/何が起きるか)を自分で組み立てることにあります。会話の空気や日常の距離感の作り方が細かく、同ジャンルの中でも「街の時間が流れている感覚」が強いのが魅力。複数の女の子の物語が交差することで、プレイヤーの行動そのものが“青春の記録”として残りやすい作りです。

★信長の野望・天翔記

・販売会社:光栄(KOEI) ・販売された年:1994年(PC-98版は1994年12月) ・販売価格:定価14,080円(PC-98 3.5インチ版) ・具体的なゲーム内容: 戦国大名として領国経営と合戦を同時に回し、天下統一を目指す歴史シミュレーション。魅力は、内政と軍事が“表裏一体の財布と人材”でつながるところ。兵糧や兵数だけでなく、配下武将の能力・相性・配置がじわじわ効いて、同じ勢力でもプレイヤーの方針でまったく違う成長曲線になります。軍団運用の発想が強く、前線を広げるほど統治が難しくなるため、「勝ち続けるほど悩みが増える」戦国らしさが出やすい一本です。

★英雄伝説III 白き魔女

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1994年(PC-98オリジナル版は1994年3月) ・販売価格:定価12,800円(税別) ・具体的なゲーム内容: “世界を救う戦争”よりも、“旅の途中で人と出会い、別れ、土地の空気を吸う”ことに重きを置いたRPG。大事件をドンと置くのではなく、寄り道の会話や小さな出来事の積み重ねで、最後に大きな感情へ繋げるタイプです。遊び方としては、町の人の言葉や昔話がそのまま世界観の説明書になっていて、情報を拾うほど旅が豊かになる。物語の優しさと切なさが同居しており、“読後感のあるRPG”として語られやすい作品です。

★ブランディッシュ3

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1994年(PC-98版:1994年11月発売) ・販売価格:定価12,800円(税別) ・具体的なゲーム内容: 見下ろし視点で、主人公の向き=画面の向きが強く意識される探索型アクションRPG。単純なレベル上げよりも、迷路・ギミック・敵配置を“身体で覚える”感覚が強く、攻略が進むほど自分の地図が頭の中に出来上がっていきます。戦闘も、敵の接近と退避、狭所での立ち回りが重要で、ミスの重さが探索の緊張を支えます。スピードと慎重さを同時に要求する、PCアクションRPGの骨太さが詰まった一本です。

★ポリスノーツ

・販売会社:コナミ ・販売された年:1994年(PC-9821版:1994年7月発売) ・販売価格:定価14,080円 ・具体的なゲーム内容: 宇宙開拓時代を背景にしたハードボイルド系のADVで、会話と調査で事件を追う“映画的”な手触りが売り。情報を集めるほど人物像が立体的になり、推理そのものよりも「なぜこの人はこう動くのか」を考える面白さが前に出ます。SF設定も飾りではなく、人間関係の距離感や倫理観に絡んでくるため、舞台が宇宙でも感情は地に足がついている。落ち着いたトーンで長く浸れるタイプの作品です。

★雫(しずく)

・販売会社:Leaf ・販売された年:1996年(PC-98版:1996年6月発売) ・販売価格:定価9,680円 ・具体的なゲーム内容: 文章と選択肢で読ませる“ビジュアルノベル”の初期を象徴する一本で、日常の表情が徐々に歪んでいく構成が特徴。派手な演出よりも、心理の揺れや違和感の積み立てで怖さを作ります。選択肢は単なる分岐ではなく、主人公の“踏み込み方”そのものを問う形になりやすく、読み手の姿勢が結末の印象を変える。短い刺激より、じわじわ残る読後感を重視したタイプです。

★下級生

・販売会社:エルフ(elf) ・販売された年:1996年(PC-98版:1996年6月発売) ・販売価格:定価9,800円(税抜) ・具体的なゲーム内容: 学園・街・日常イベントを“自分の足で回って拾う”恋愛シミュレーション。時間の使い方がそのまま物語の密度に直結し、偶然の出会いを増やすほど攻略の可能性が広がります。ポイントは、一本道の正解より「この日、この場所に行ったから起きた」という体験の固有性。周回で効率化する楽しさもありますが、初回の手探りが一番ドラマになりやすい設計です。

★この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO

・販売会社:エルフ(elf) ・販売された年:1996年(PC-98版:1996年12月発売) ・販売価格:定価10,780円 ・具体的なゲーム内容: 壮大な物語を“分岐”で遊ばせるだけでなく、分岐そのものを物語の仕組みに組み込んだ、当時として非常に野心的なADV。選んだ結果が別ルートの理解に繋がり、点で見ていた出来事が線になっていく快感があります。文章量の多さに加え、設定の回収の仕方が理詰めで、読み終えた後に“物語の全体図”が頭の中に組み上がるタイプ。長編を走り切った満足感を狙った作品です。

★鬼畜王ランス

・販売会社:アリスソフト ・販売された年:1996年(Windows 95:1996年12月発売) ・販売価格:定価9,350円(普及版) ・具体的なゲーム内容: RPG的なキャラ育成と、勢力拡大のシミュレーションを合体させた“地域制圧型”の快感が強い作品。勝つほど手札が増える一方、統治の穴や戦線の伸び過ぎが新しい問題を呼び、プレイが自然にドラマ化します。イベント量も多く、単なる戦略の最適化だけでなく「この順番で世界を回ったから見えた物語」が生まれやすい。攻めのテンポと、取り返しのつかなさが同居するため、一本のプレイ記録が濃く残るタイプです。

★夢幻泡影

・販売会社:アリスソフト ・販売された年:1995年(1995年7月発売) ・販売価格:定価8,250円 ・具体的なゲーム内容: タイトルが示す通り、現実と幻想の境界が揺れるような“雰囲気”を武器にした作品として語られやすい一本。ストーリーの筋だけを追うより、会話の温度や場面の切り替わりで心象を作っていくタイプで、読んでいるうちにプレイヤー側の解釈が増えていくのが面白さになります。90年代PCゲームらしい「濃い空気」「刺さる人には強く刺さる」方向性があり、時代の棚に置くと存在感が出るタイトルです。

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【中古】【非常に良い】黒の剣【メーカー名】シーディーブロス【メーカー型番】【ブランド名】シーディーブロス【商品説明】黒の剣当店では初期不良に限り、商品到着から7日間は返品を 受付けております。他モールとの併売品の為、完売の際はご連絡致しますのでご了承くださ..
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