【中古】攻略本 ≪アクションRPGゲーム≫ サーク ガゼルの塔 冒険ガイドブック【中古】afb
【発売】:マイクロキャビン
【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、MSX2、Windows
【発売日】:1991年6月14日
【ジャンル】:アクションロールプレイングゲーム
■ 概要
サーク世界を舞台にした「塔攻略」型アクションRPG
『Xak -ガゼルの塔-』は、マイクロキャビンがPC-8801、PC-9801、MSX2といった当時の主要パソコン向けに送り出したアクションRPGで、後年にはWindows向けにも配信されたタイトルです。正式名称は「The Tower of Gazzel ~Xak -ガゼルの塔-」。人気ファンタジーRPGシリーズ『サーク(Xak)』の名を冠しながらも、本編ナンバリングとは少し違った趣きを持つ“外伝的作品”として位置づけられており、シリーズの世界観を引き継ぎつつ、ひとつの巨大な塔を徹底的に攻め登っていくスタイルに特化した内容になっています。初出はPC-8801mkIISR用として1991年に発売され、その後PC-9801、PC-88VA、MSX2へと展開。さらに、2000年代以降はレトロゲーム配信サービスを通じてWindows向けに移植され、現代の環境でも遊びやすい形で残されているのが特徴です。
『サークII』のその後を描く、勇者たちの新たな試練
物語の舞台は、前作『サークII』の出来事からおよそ一年後の世界です。かつて「ディザエ軍」と呼ばれた勢力の残党として暗躍する妖魔ゼグライアと、はぐれ妖魔ベルゼス、アクリラといった敵対勢力が動き出したことにより、主人公ラトクたちは再び戦いの渦中に巻き込まれます。ラトク・カートは、仲間であるフレイと共に“不穏な妖魔が出没する塔”の噂を耳にし、その真相を確かめるためガゼルの塔へ向かうことになります。一方で、別行動を取っていたフェル、ホーン、ピクシーも同じ噂を追って塔へ集結し、塔の入口で偶然の再会を果たします。ここから先は、彼らが協力しながら塔の中に巣くう妖魔たちと対峙し、事件の背後に潜む真の黒幕へとたどり着くまでの長い道のりが描かれていきます。シリーズファンにとっては、既にお馴染みのキャラクターたちが再集結し、それぞれの立場から物語に関わっていく“アンサンブル劇”として楽しめる構成になっているのが魅力です。
ガゼル封印の地に建てられた“仕掛けだらけ”の巨大塔
タイトルにもなっている「ガゼルの塔」は、ただのダンジョンではなく、世界観の核心に深く関わる存在として位置づけられています。かつて凶暴な魔獣ガゼルを封じ込めた大地の上に築かれた要塞であり、その内部は妖魔たちの活動拠点として利用されると同時に、侵入者を拒むための危険なトラップが無数に張り巡らされています。塔の内部構造は、5階層という比較的コンパクトな構成でありながら、フロアごとにギミックや敵配置の趣が大きく違っており、単に上に進むだけでは突破できない工夫が随所に盛り込まれています。東方の技師サイテンによって設置されたという設定の各種トラップは、落とし穴や仕掛け扉、スイッチ連動型の仕掛けなど、アクションとパズル要素が組み合わされた内容となっており、プレイヤーはただ敵を倒すだけでなく、仕掛けの意図を読み解きながら慎重に進まなければなりません。
4人の仲間を選んで挑む“パーティ制”アクションRPG
本作をシリーズの中でも特にユニークな存在にしているのが、塔に挑む際にラトクが“仲間を1人選んで同行する”というシステムです。ゲーム開始時点で、ラトク以外の仲間たち――フレイ、ホーン、ピクシー――はほぼ同時に塔の入口へ集結しており、プレイヤーはこの中から1人をパーティメンバーとして選択します。物語を進める過程で、別行動を取っていたリューンもやがて仲間に加わり、選べる仲間の幅がさらに広がります。それぞれのキャラクターは、攻撃手段や特殊能力、得意とする状況が異なるため、どの仲間を選ぶかによって同じフロアでも攻略の感覚が微妙に変化します。シリーズ従来作のような“ラトク単独の冒険”ではなく、相棒との連携を軸にしたゲームデザインになっており、塔そのものを巨大なステージと見立てた“キャラクター切り替え型アクション”に近い感覚で遊べるのが、本作ならではの特徴です。
レベルアップのないストイックなゲームデザイン
『Xak -ガゼルの塔-』では、一般的なRPGに見られる経験値やレベルアップの概念が排除されています。敵をいくら倒してもキャラクターの能力値が自動的に上昇することはなく、プレイヤーの上達や、アイテム・装備の獲得、謎解きの成功によってのみ攻略が進行する構造になっています。そのため、戦闘で安易に力押しするのではなく、敵の動きのパターンを把握したうえで攻撃タイミングを見極めたり、危険なトラップを避けるルートを見つけたりといった“プレイヤースキル”が大きく問われる内容です。レベル稼ぎをしてごり押しするプレイスタイルが通用しない分、一つひとつのギミックを理解し、自分なりの攻略手順を組み立てる楽しみが際立っています。また、塔の構造は固定であるため、周回プレイや再挑戦時には「前回苦戦したポイントをどう乗り越えるか」「違う仲間を連れて行くとどうなるか」といった検証プレイも楽しめるようになっています。
ビジュアルとサウンドが生み出す緊張感ある雰囲気
グラフィック面では、前作までグラフィックを担当していた川口洋一郎がゲームデザインとシナリオを兼任し、ビジュアル全体のトーンを統一しています。塔内部の背景は、石造りの回廊や牢獄、魔術的な装飾が施された部屋など、フロアごとの差別化が明確で、限られた解像度と色数の中で陰影を巧みに用いた描き込みが印象的です。イメージイラストには漫画『神星記ヴァグランツ』の作者・菊池通隆が参加しており、パッケージやイベントビジュアルにはファンタジー色の強い、どこか硬質でドラマチックな画風が取り入れられています。音楽面でも、『フレイ』のBGMを手掛けた新田忠弘を中心に、福田康文、瓜田幸治といったコンポーザー陣が参加し、FM音源とPSG音源を組み合わせて荘厳かつ緊張感のある楽曲群を構成。塔の不気味さと、勇者たちの決意を同時に感じさせるような、静と動のメリハリに富んだサウンドは、プレイ中の没入感を大きく支えています。
PC-8801からWindowsまで続くロングライフなタイトル
発売当時、本作はまずPC-8801mkIISR向けに登場し、その後まもなくPC-9801およびPC-88VA向けに移植されました。さらに同年中にはMSX2版もリリースされ、当時の主要な日本製パソコン環境で幅広く遊べるタイトルとなります。2000年代に入ると、レトロPCゲームのダウンロード配信を行うサービス上で、PC-9801版をベースにしたWindows向け移植が提供され、その後もPC-8801版やMSX2版を元にした配信が順次追加されました。オリジナルのフロッピーディスク版は既に入手困難になりつつあるものの、こうした配信によって現在でもプレイ可能な環境が保たれており、昔遊んだユーザーの“懐かしの一本”としてだけでなく、シリーズを後追いで遊ぶ人にとっても手に取りやすいタイトルになっています。サーク本編を補完する外伝としての立ち位置と、塔攻略に特化した遊びの方向性がうまくかみ合っており、シリーズ全体の世界観を立体的に感じられる一作と言えるでしょう。
■■■■ ゲームの魅力とは?
仲間を選ぶことで生まれる“もう一つのサーク”体験
『Xak -ガゼルの塔-』の魅力を語るうえで外せないのが、主人公ラトクと共に塔へ挑む“相棒”を自分の意思で選べるというシステムです。同じガゼルの塔を攻略するにしても、誰を連れて行くかによってプレイのテンポや戦い方、危険地帯での立ち回りがガラリと変化します。魔法主体で一気に敵を片づけるスタイルを選んでもよし、堅実な近接戦でじわじわ押し上がっていくのもよし、とパーティ構成の幅の中に“自分なりのサーク”をもう一度作り直していくような感覚が味わえます。従来作では、ラトクを中心とした物語を追っていく形がメインでしたが、本作では選んだ仲間の立ち位置や長所を意識しながら塔を進まねばならず、自然と「このキャラならどう動くべきか」「このトラップが多い階なら誰が相性が良いか」といった思考が生まれます。一度クリアしても、「次は別のキャラを連れて違うルートを試してみよう」という再プレイ意欲が湧いてくるのも、この仕組みがもたらす大きな魅力です。
レベルアップのない“腕前勝負”だからこそ面白い
多くのRPGでは、敵を倒し続ければレベルが上がり、ある程度の腕前の差を“数値の伸び”が補ってくれます。しかし『ガゼルの塔』では、その救済装置が一切ありません。キャラクターは経験値で強くなるのではなく、プレイヤー自身が操作に慣れ、敵の行動パターンを学習し、トラップの配置を頭に叩き込むことでようやく先へ進めるようになります。この設計は、一見するとシビアで不親切にも思えますが、仕組みを理解すると「自分の上達がそのまま塔の進行度に直結している」という手応えとして感じられます。同じフロアでも、初挑戦時は苦戦続きだった場所を何度かやり直すことでスムーズに突破できるようになり、「自分は確かに強くなっている」と実感できるのが心地よいポイントです。単なる数値のインフレに頼らず、プレイヤーの理解と反復によって塔を攻略していくスタイルは、当時のアクションRPGの中でもかなりストイックで、だからこそクリアしたときの達成感が格別と言えます。
塔そのものが巨大なパズルとして機能するゲームデザイン
ガゼルの塔は5階建てという一見コンパクトな構造でありながら、内部は迷路のように入り組み、スイッチや仕掛け扉、移動トラップなどが複雑に絡み合っています。プレイヤーは単に敵を倒して通路を進むだけではなく、「どの順番でレバーを操作すべきか」「このスイッチはどの部屋に影響しているのか」といった、パズル的な思考が常に求められます。例えば、ある階層では複数の扉が連動しており、一つ開けると別の扉が閉じるようになっているなど、行き来を繰り返して最適な状態を作り上げる必要があります。また、敵の配置自体もギミックの一部として組み込まれており、狭い足場や落とし穴の近くに強敵が待ち構えている場面では、敵を倒す順番を間違えると自分が落下してしまうこともあります。こうした作りによって、ガゼルの塔全体がひとつの巨大なパズルボックスのように機能しており、階段を進むごとに「次はどんな仕掛けが待っているのか」という期待と緊張感が高まっていく構造になっています。
シリーズファンを満足させるドラマ性と世界観の掘り下げ
外伝的な位置づけでありながら、本作は『サークII』から続く世界観や登場人物のドラマをきちんと受け継いでいます。ラトクとフレイのコンビをはじめ、フェルやホーン、ピクシーといったお馴染みの顔ぶれが塔の前に集結する導入は、シリーズを追いかけてきたプレイヤーにとって非常に胸躍るシーンです。さらに物語が進むと、過去に妖魔と戦った経験を持つリューンも合流し、彼の家族を巡る新たな悲劇と救出劇が展開されます。塔の2階で瀕死のリューンを発見する場面や、牢獄に囚われた娘アリア、そして行方不明の妻ティナの存在など、緊迫した状況が次々と明かされることで、ただの“塔攻略”を超えた物語の重みが感じられます。また、妖魔ベルゼスやアクリラとの決戦の果てに、ディザエ軍の生き残りであるゼグライア、さらには封印されていた魔獣ガゼルが姿を現す終盤は、シリーズの宿敵との因縁がひとつの区切りを迎えるクライマックスとして描かれています。こうした連続性のおかげで、『ガゼルの塔』は単体でも楽しめる一方、サークシリーズ全体の歴史を彩る重要なエピソードとしても機能しており、ファンの満足度を高めていると言えるでしょう。
雰囲気を支えるグラフィックと音楽の相乗効果
当時のPC-8801やPC-9801の表現力を前提にしながらも、『ガゼルの塔』は背景やキャラクターの描き込みに力を入れ、塔の内部を重厚かつ不気味な空間として描き出しています。灰色や茶系を基調とした石造りの壁、牢屋や祭壇のある部屋、魔法陣が浮かび上がるフロアなど、同じ塔の中でもフロアによって雰囲気が大きく変わり、プレイヤーに“先へ進んでいる実感”を与えてくれます。敵モンスターのデザインも、単にファンタジーにありがちな生物を並べるのではなく、妖魔らしい禍々しさと、どこか人間的な不気味さが同居した造形で統一されており、世界観の異質さを強く印象づけます。音楽面では、荘厳なメインテーマや、静かな不安感を煽るフロアBGM、ボス戦で高揚感をかき立てる楽曲などが場面ごとに用意されており、FM音源特有の鋭い音色と重厚なベースラインが塔の緊張感を効果的に演出しています。演出過多になることなく、適度な余白を残したサウンド設計は、プレイヤーの想像力を刺激し、当時のハードウェアの制約を逆手に取った表現として今なお評価できます。
程よいボリューム感とリプレイ性の両立
ガゼルの塔は5階層構成であるため、現代の大作RPGのような何十時間もかかるボリュームではありません。その一方で、仕掛けの密度や敵の配置、キャラクター選択の幅などが巧みに組み合わされているため、単にクリアまでの時間だけでは測れない“遊び応え”が存在します。初見では、トラップの意図が分からず行き詰まったり、ボス戦で何度も敗北したりする場面が出てきますが、そこを乗り越えてクリアした後は、「別の仲間を連れて最初からやり直したらどうなるか」「このフロアをもっと効率よく抜ける方法はないか」といった挑戦欲が自然に湧き上がります。各キャラには得意分野があり、特定のギミックに強い者もいれば、ボス戦で真価を発揮する者もいるため、組み合わせによる攻略の違いを試すだけでも何周か遊べるだけの余地があります。短時間で遊べるコンパクトさと、「次はこうしてみよう」という再挑戦意欲が同居している点は、当時のPCゲームとして非常にバランスがよく、忙しい合間に少しずつ塔に挑み続けるスタイルにも適していると言えるでしょう。
外伝でありながらシリーズの“芯”を感じさせる一作
外伝作品というと、本編と比べて軽い内容だったり、実験的でファン向けの小品というイメージを持たれがちですが、『Xak -ガゼルの塔-』はそうした先入観を良い意味で裏切るタイトルです。メインストーリーは塔内部に限定されているものの、そこに至る経緯や登場人物たちの背景、ディザエ軍残党との因縁などが丁寧に織り込まれており、シリーズ全体に通じる“世界の広がり”をきちんと感じることができます。ゲームとしてはアクションとパズルを前面に押し出し、レベルアップを廃したストイックな設計を採用しながらも、プレイヤーがキャラクターたちへの愛着を再確認できるようなドラマが要所要所に用意されており、「短いけれど濃密なサーク体験」としてまとまっている点が魅力です。シリーズをすべて遊び尽くしたいファンにとってはもちろん、サークの雰囲気を凝縮した一本として、まずこの塔から始めてみるという遊び方も成り立つ、意外と懐の深い外伝作と言えるでしょう。
■■■■ ゲームの攻略など
まず押さえておきたい基本的な立ち回り方
『Xak -ガゼルの塔-』をスムーズに進めるためには、最初に“このゲームが何をプレイヤーに求めているか”を理解することが大切です。レベルアップや経験値といった概念がないため、敵を倒し続けてもキャラクターが数値的に強くなることはありません。つまり、力押しで突破するのではなく、敵の動きや攻撃判定、トラップの仕組みを見て覚え、それに合わせた行動を取れるかどうかが上達の鍵になります。敵に対しては正面から突っ込むのではなく、攻撃モーションの“隙”を見極め、斜めから切り込む、背後を取る、壁の出っ張りを利用して攻撃を誘い回り込むなど、少しでも有利なポジションを取る意識を持ちましょう。また塔の通路は狭く作られている場所が多く、連続して敵が出現するポイントでは、むやみに前へ進まず一体ずつおびき寄せて処理するのが基本です。一度に多くの敵を相手にしない、危険を感じたらいったん安全な場所まで退いて態勢を立て直す——この慎重な進め方が、結果的に攻略時間の短縮にもつながっていきます。
仲間選びの指針とキャラごとの活かし方
ゲーム開始時点でラトクは、塔の入口に集まった仲間たちの中から1人を同行相手として選ぶことになります。この“誰を連れて行くか”という選択は、攻略の難易度やプレイスタイルに大きく影響するポイントです。例えば、遠距離攻撃や範囲攻撃に長けたキャラクターは、雑魚戦の安定感を高めてくれる一方、接近戦を得意とする仲間は狭い通路やボス戦で力を発揮しやすい傾向があります。初プレイでは、扱いやすさや自分の好みに合う能力のキャラを選ぶのが良いでしょうが、一度クリアを目指すだけなら“苦手な部分を補ってくれる仲間”を連れて行くと安定しやすくなります。ラトク自身はオールラウンダー寄りの立ち回りが得意なため、彼の攻撃が届きにくい位置をカバーできる魔法系の仲間や、耐久力のある仲間を同行させると、前衛・後衛の役割分担がはっきりして戦いやすくなります。塔の構造や敵の傾向を一度体験したうえで、2周目以降に“この階層はあのキャラならもっと楽に進めるのでは?”と考えながら仲間を選び直すのも、本作ならではの楽しみ方です。
序盤(1~2階)の安全な立ち上がり方
序盤のフロアでは、まだ敵の攻撃力もトラップの密度も控えめですが、ここで油断してダメージを重ねてしまうと、後半に向けての精神的な余裕がなくなってしまいます。まずは1階で出てくる基本的な敵の動きをよく観察し、接近してくる速度、攻撃までのタイミング、ヒット後の硬直などを体で覚えていきましょう。敵に対して真正面から突っ込むのではなく、敵が一歩踏み出した瞬間に斜めから切り込む、攻撃を空振りさせたあとにすれ違いざまに一撃を入れるなど、リスクの少ない戦い方を意識することが重要です。また、この段階で“スイッチと扉の関係”を理解しておくことも大切です。適当にレバーを操作して進もうとすると、後で重要な経路が閉ざされて回り道を強いられる場合があります。新しいスイッチを操作したときは、その場でいったん立ち止まり“どこかから扉の開閉音がしなかったか”“さっきまで閉まっていた場所はないか”をよく確認し、可能なら地形を簡単にメモしておくと、迷いにくくなります。2階では、瀕死のリューンと出会うイベントが大きな転換点になりますが、それまでに余計なダメージを受けないよう、敵との距離管理を丁寧に行うことが序盤攻略のポイントです。
中盤(3~4階)での仕掛け対策と戦術の切り替え
塔の中盤に当たる3階と4階は、単に敵が強くなるだけでなく、トラップの質が一段といやらしくなってきます。牢屋や細い通路が多いフロアでは、敵をうまく誘導しないと袋小路に追い詰められ、一気にダメージを受けかねません。ここでは“敵を倒すこと”よりも“有利な位置を維持し続けること”を優先すると安定しやすくなります。具体的には、上下左右に余裕のある広い場所まで敵を誘い出してから戦う、体力が減ってきたらトラップの少ない安全地帯まで戻って立て直すなど、引き際を見極めることが重要です。また、3階の牢屋周辺では、単純なレバー操作だけでなく、どの順番で扉を開けるかによって先に進めるルートが変わる仕掛けも登場します。むやみにレバーを切り替え続けると、どこがどう変わったか分からなくなり、延々と同じ場所をぐるぐる回るはめになりがちです。新しい分岐に差しかかったら、一度深追いせず、来た道と合わせて“このレバーはどの扉とつながっていそうか”と仮説を立てながら進むと、全体像をつかみやすくなります。4階ではいよいよ終盤に向けた布石となる仕掛けや強敵が増え、ボス戦を見据えたアイテムの温存や、危険な敵を優先的に処理する“ターゲット選別”の意識も必要になってきます。
終盤(5階)とラスボス戦への備え
最上階である5階は、物語的にもゲーム的にもクライマックスに相当し、強敵との連戦や重要なイベントが連続して発生します。この階では、やみくもに進むのではなく、部屋の構造や敵配置を頭に叩き込みながら、“どこで体力を温存し、どこで全力を出すか”をはっきり決めて動くことが重要です。道中の敵は、すべてを完璧に倒そうとする必要はありません。危険度の高い敵のみ確実に排除し、無理に戦う必要のない相手は極力かわして進む勇気も求められます。ラスボス戦に向けては、攻撃パターンを段階ごとに分けて観察することがポイントです。近接攻撃主体の第一段階、広範囲攻撃や飛び道具が増える第二段階、そしてガゼルとの合体後に攻撃判定が一気に広がる最終段階など、表情を変えながら攻勢を強めてきます。最初の数回は、勝ちを狙うというよりも“どういう動きをしてくるか”を観察する試行として捉え、無理に攻撃を当てにいかず回避を優先しましょう。相手の攻撃パターンが見えてきたら、“安全に一撃を入れられるタイミングだけを狙う”という意識に切り替えれば、徐々に安定した立ち回りを築けるはずです。
トラップの見抜き方と被害を減らすコツ
ガゼルの塔が厄介なのは、敵だけでなくトラップそのものが大きな脅威となる点です。落とし穴、消える床、飛び道具を放つ仕掛け壁など、油断していると一気に体力を削られる罠が各所に潜んでいます。トラップ対策の基本は“怪しい場所では歩調を落とす”ことです。他と違う模様の床、壁の出っ張り、やけに広いのに障害物が何もない空間などは、何らかの仕掛けが潜んでいる可能性が高いポイントです。こうした場所では、全力で突っ走らず、少し前進しては止まり、画面の変化や音の有無を確認しましょう。飛び道具トラップがある通路では、“一定のリズムで発射される”という規則性があることが多いため、何秒間隔で弾が飛んでくるかを数え、その隙間に合わせて駆け抜けると安全です。また、一度トラップを作動させて位置を確認したら、次に通るときは“ここで一歩だけ前に出て、すぐに後ろへ下がる”といった動きで誘発し、発射後のクールタイムに通り抜けるといったテクニックも有効です。塔全体を通して、“初見は慎重に、二回目以降はパターン化して素早く抜ける”というメリハリを付けていくと、被害を最小限に抑えながら先へ進めます。
マップ把握とメモ取りの重要性
フロア構造を覚えることは、『ガゼルの塔』攻略を大幅に楽にする近道です。ゲーム内に自動マップ機能はないため、プレイヤー自身が頭の中で地形を把握するか、紙に簡単なメモを取る必要があります。特にスイッチと扉の連動が複雑なフロアでは、“どのレバーがどの扉に対応しているか”を線で結んで図示しておくと、後になって迷わずに済みます。また、行き止まりに見える場所に実は隠し通路があることもあるため、“怪しい突き当たり”や“何もなさそうなのに広い部屋”などを見つけたときは、メモ上で印を付けておき、別ルートをひと通り探索した後に改めて訪れると、見落としが減ります。行き来の激しいフロアほど、ショートカットを確保できると攻略が一気に楽になるので、“戻り道を短くできる経路”や“敵が発生しにくい安全ルート”を把握することも大事です。頭の中だけで全てを記憶しようとすると、長時間プレイした際に混乱してしまいがちなので、少し面倒でも簡単なマップを描きながら進めるプレイスタイルが結果的に効率的になります。
初心者向けの難所対策と心構え
初めて『ガゼルの塔』に挑むプレイヤーの多くがつまずきやすいのは、“敵を倒すことに集中しすぎてトラップの存在を忘れてしまう”場面です。狭い足場の上で敵に向かって突進し、倒したと思った次の瞬間に落とし穴へ真っ逆さま——というような失敗は誰もが経験しがちですが、こうした場面を繰り返すと心が折れてしまいます。大事なのは、“敵を倒すこと”と“生き残ること”をしっかり分けて考えることです。敵をすべて倒さなくても先へ進める場面では、無理に全滅させようとこだわらず、危険な地形とセットになっている敵はスルーしてしまう選択も十分あり得ます。また、何度やっても突破できないポイントに出くわしたら、一度ゲームを中断して頭を切り替えるのも有効です。少し時間を空けてから再挑戦すると、“さっきは見えていなかった安全な立ち位置”や“敵の攻撃リズムの隙間”に自然と気づけることも少なくありません。ミスを重ねても“自分の操作と判断を磨いていくゲーム”だと割り切り、焦らず一歩ずつ塔を登っていく心構えが、結果的には最短の攻略法になります。
慣れてきた人向けの遊び方・縛りプレイ
一度クリアしてゲームの構造やボスの攻略法を把握したら、今度は“あえて自分に制限を課す”ことで新鮮な楽しみ方を見つけるのもおすすめです。例えば、“特定の仲間だけを連れて最後まで登り切る”“道中の敵は極力倒さず、トラップ回避と逃げのテクニックだけで進む”“被弾回数を何回までに抑える”といった縛りを設けると、同じ塔でも全く違う緊張感でプレイできるようになります。また、マップを完全に頭に入れているプレイヤーなら、“どこまで少ない移動距離でクリアできるか”というルート短縮チャレンジも面白いでしょう。どのスイッチを最低限操作すればボスの間までたどり着けるか、どの扉は開ける必要がないか、といった“ムダの削ぎ落とし”を突き詰めていくと、塔そのものをパズルとして解き直しているような感覚になります。こうした自由な遊び方ができるのも、“レベルアップに頼らず、プレイヤーの理解と技術に依存するゲームデザイン”を採用している本作ならではの魅力と言えるでしょう。
裏技や小ネタ的な楽しみ方
本作には、いわゆる派手な隠しコマンドや派手なボーナスイベントが用意されているわけではありませんが、敵のAIやトラップの仕様を逆手に取った“ちょっとした小技”を見つける楽しみがあります。例えば、特定の通路では、敵が一定の位置までしか追いかけてこず、その境界線を利用して“敵の攻撃だけを空振りさせ続ける安全地帯”のようなポイントが生まれることがあります。また、飛び道具トラップの射線上に敵を誘導して、仕掛けの攻撃を敵に当ててしまうといった、罠を利用した戦い方も可能です。こうしたテクニックは必須ではありませんが、使いこなすことで難所の突破がぐっと楽になり、“自分だけの攻略法を編み出した”という満足感も得られます。プレイに慣れてきたら、“ここは本当に正攻法だけが正解なのか?”と疑ってみて、敵やトラップの動きをじっくり観察してみると、意外な抜け道が見つかるかもしれません。ゲームのシステムを理解し、その隙間を突くような遊び方ができるようになれば、『Xak -ガゼルの塔-』は単なるアクションRPGから一歩踏み込んだ“攻略を探求する楽しみ”へと姿を変えてくれるでしょう。
■■■■ 感想や評判
発売当時の受け止められ方
『Xak -ガゼルの塔-』がPC-8801やPC-9801、MSX2向けに登場した当時の印象は、「サークシリーズの中でも少し毛色の違う意欲作」というものがよく語られます。本編のような広い世界を旅するRPGではなく、ひとつの塔にすべてを凝縮した構成や、レベルアップを廃してアクションとパズル性に特化したゲームデザインは、当時としてもかなり尖った試みでした。そのため、王道RPGを期待していたユーザーからは戸惑いの声もあった一方で、「シリーズの世界観を保ちながら、まったく違う遊びを提示してきた外伝」として好意的に受け止めたプレイヤーも少なくありませんでした。
アクション性と難易度への賛否
この作品で最も評価が割れやすいポイントが、アクション部分の操作感と難易度です。トップビューのアクションRPGという体裁を取りながらも、キャラクターの動きはやや重く、ヒット判定もシビアなため、現代のアクションゲームに慣れた感覚で遊ぶと「動きがカクカクしている」「攻撃が単調に感じる」といった感想も見られます。とくにMSX2版は処理落ちや入力レスポンスの面で厳しいとするプレイヤーもおり、移動床のジャンプなど精密さを求められる場面ではストレスを感じるという意見も出ています。一方で、古いPCアクションに慣れたユーザーからは「当時のハードウェアを前提にすれば許容範囲」「慣れてくると当たり判定の癖が分かって楽しくなる」といった声もあり、プレイヤーの経験値によって感じ方が大きく変わる部分と言えるでしょう。
“パズル寄り外伝”としての評価
同じサークシリーズでありながら、本作は“アクションRPGという名のパズルゲーム”という表現で語られることもあります。敵との戦闘よりも、「どう動けば被弾を減らせるか」「どの順番でスイッチを操作すれば道が開けるか」といった思考面の比重が非常に高く、純粋なアクションの爽快さを求めるプレイヤーには合わない反面、じっくり仕掛けを解きほぐしていく遊びが好きな人からは「ブランドッシュ系のダンジョン攻略が好きならハマる」「塔全体が巨大なパズルのようで、解き明かす過程が楽しい」と肯定的に受け止められています。この“外伝ならではの実験性”を長所と見るか短所と見るかで印象がガラリと変わるのが、本作の面白いところです。
“理不尽”と感じるプレイヤーもいるハードな設計
一部のプレイヤーからは、本作をかなり手厳しく評する声も上がっています。レベルアップがないため、いくら敵を倒してもキャラが強くならず、ミスを重ねてもステータス面での救済がありません。そのうえでマップは複雑で、似たような通路が多くて迷いやすく、敵のバリエーションも乏しいと感じる人もいて、「単調な敵との戦闘が続くうえに、道に迷ってストレスがたまりやすい」といった厳しい感想も見られます。また、当時のPCゲームらしく当たり判定がシビアで、“なぜ今の一撃をくらったのか分かりにくい”瞬間があることも、理不尽さとして語られる要因のひとつです。こうした要素が重なると、「クリアまで根気が続かなかった」「途中で投げてしまった」というプレイヤーも一定数いるようです。
一方で“高難度好き”からは評価する声も
しかし、このハードさこそが魅力だと語るプレイヤーも少なくありません。ボス戦では激しい攻撃を回避しながら少しずつダメージを与えていく必要があり、トラップ地帯では何度も失敗を重ねて“安全なパターン”を身につけていくプロセスが重要になります。この“ミスを糧にして上達していく感覚”が好きな人にとっては、本作の厳しさはむしろご褒美であり、「デバッグモードの無敵機能に頼らずクリアできたときの達成感が格別」「理不尽に見えた仕掛けも、パターンを理解してしまえばむしろ心地よい」といった声も上がっています。プレイヤーの腕前を真正面から要求してくるバランス調整は、まさに“自分の技量がすべて”という古き良きPCアクションの風情を色濃く残しており、それを評価するレトロゲーマーも多いようです。
機種ごとの違いと、その影響を受けた評価
『ガゼルの塔』はPC-8801を筆頭に、PC-9801、PC-88VA、MSX2と複数機種に展開されたことで、それぞれのハード特性が操作感や表現力に影響しています。たとえば、処理速度やスプライト性能の制約が大きいMSX2版は、画面描画やレスポンスの面でやや重さを感じるとする意見が目立ち、その分だけ難易度が上振れして感じられることもあるようです。一方で、PC-8801版やPC-9801版は比較的動作が軽快で、同じゲーム内容でも「こちらの方が遊びやすい」「ボス戦の感触がだいぶ違う」という声もあります。環境によって体験の質が変わるため、どの機種版から遊んだかで印象が大きく変わるのも本作の特徴で、「初体験がMSX2版だったので難しいイメージばかり残っている」「PC-88版を触って印象が好転した」といったエピソードも見られます。
サークシリーズファンから見た“位置づけ”
シリーズ全体を追いかけているファンにとって、『ガゼルの塔』は単なる外伝にとどまらず、“IIとIIIをつなぐ重要な1ピース”として語られることが多いタイトルです。ラトク、フレイ、ピクシーらお馴染みのメンバーが再登場し、ディザエ軍残党との戦いを通じて世界の背景がさらに掘り下げられることで、サーク世界全体のドラマが立体的になります。また、塔という限定された舞台の中で、キャラクターたちの関係性や過去が凝縮して描かれている点も、シリーズファンが高く評価するポイントです。ストーリーのスケール自体は本編ほど大きくありませんが、そのぶん密度が高く、「シリーズの補完エピソードとしてきちんと機能している」「本編を遊んだうえでプレイすると、キャラへの愛着がさらに深まる」といった感想が数多く見られます。
レトロゲームとしての再評価とEGGコンソール版の登場
近年になると、レトロPCゲームの再配信や特集記事などを通じて、『ガゼルの塔』をあらためて触れる機会が増えてきました。プロジェクトEGGなどの配信を通じてWindows環境で遊べるようになったほか、2025年にはEGGコンソールとしてSwitch向けにPC-8801版をベースにした移植が登場し、手軽にプレイできるようになったことで、“再評価”の動きが加速しています。現代のプレイヤーからは、「さすがに不親切な部分は多いが、コンセプトは面白い」「サークシリーズをまとめて遊ぶなら外せない一本」といった声が多く、難点を理解したうえで“尖ったレトロ作”として楽しむスタンスが一般的になっている印象です。配信に合わせて書かれた紹介記事やブログでも、“外伝らしい挑戦的な設計”と“高い難易度”の両方に触れながら、シリーズの歴史を語るうえで外せない作品として取り上げられています。
総じて“人を選ぶが記憶に残る一本”という評価
こうしてさまざまな感想・評判を眺めていくと、『Xak -ガゼルの塔-』は決して万人向けの遊びやすい作品ではないものの、その個性ゆえに強烈な印象を残すタイトルだと言えます。アクション性と操作性に不満を持つプレイヤーもいれば、塔を一歩ずつ攻略していく高難度アクションとして愛着を抱くプレイヤーもおり、評価は良くも悪くも極端です。しかし、いずれの立場から語られた感想にも共通しているのは、「他にあまり似た作品がない」「サークシリーズの中でも異彩を放っている」という点です。遊びやすさや快適さだけでは測れない、“90年代初頭のPCゲームだからこそ生まれた尖った外伝”。それが、長い年月を経てもなお話題に上る理由であり、ファンの記憶に残り続けている最大の要因だと言えるでしょう。
■■■■ 良かったところ
サーク世界の“おいしい部分”がぎゅっと詰まった外伝らしさ
『Xak -ガゼルの塔-』の長所としてまず挙げられるのは、サークシリーズの魅力的な要素をギュッと凝縮して味わえる“外伝ならではのまとまりの良さ”です。広大な世界を旅する本編と違い、本作は舞台をガゼルの塔内部に絞り込んでいるため、物語もゲームプレイも無駄な寄り道が少なく、最初から最後まで「塔攻略」という一本筋の通ったコンセプトで進行します。その中で、ラトクやフレイ、フェル、ホーン、ピクシー、リューンといったおなじみの面々が再び顔を揃え、それぞれの立場や因縁がドラマとして描かれていくので、シリーズを追ってきたプレイヤーにとっては“ファンディスク的な嬉しさ”と“物語の補完エピソードを読んでいる満足感”を同時に味わうことができます。本編のような大旅行ではなく、「シリーズキャラたちのその後を、ひとつの事件の中でじっくり見られる」という距離感が心地よく、外伝としての役割をしっかり果たしています。
選べる仲間システムによる戦略性とリプレイ性の高さ
本作のプレイ感を大きく特徴付けている“仲間選択システム”は、多くのプレイヤーが評価するポイントです。塔に挑むたびに、ラトクと共に行動する相棒を複数の候補から選べるため、プレイごとに違った戦術を試せます。魔法を得意とするキャラを連れていけば遠距離からの制圧戦が中心になり、接近戦に強い仲間を選べば、敵の懐に飛び込んで一気に畳み掛けるスリリングなプレイスタイルになります。どのキャラも“強すぎてゲームが壊れる”ほどの性能ではないものの、それぞれに個性があって得意・不得意がはっきりしているため、「この階層なら誰が一番相性が良いか」「このボスには誰を連れて行くと戦いやすいか」といった試行錯誤が楽しく、それがそのまま周回プレイへのモチベーションにもつながっています。一度クリアした後でも「今度はあのキャラを連れて最初からやってみよう」と思えるので、ボリューム以上に長く付き合える作品です。
レベルアップを排した“純アクション&パズル”の手応え
良い点としてよく語られるのが、“経験値もレベルアップもない”という思い切った設計による、プレイヤー技量重視の歯ごたえです。多くのRPGでは、行き詰まったときに敵を倒してレベルを上げることで突破口を開けますが、『ガゼルの塔』ではその逃げ道がなく、敵のパターンを覚え、トラップを見抜き、ルートを工夫する以外に前進する手段がありません。これは一見すると厳しい作りに見えますが、そのぶん「何度も挑戦することで自分自身が上達している」という感覚をはっきり味わえるのが魅力です。最初は恐る恐る進んでいたフロアも、敵の動きや仕掛けを理解してくると、スムーズに駆け抜けられるようになり、前は越えられなかった難所を自然に突破できている自分に気づく瞬間があります。数値が伸びて強くなったのではなく、自分の判断と操作が洗練されて強くなった、という実感をくれるゲームデザインは、今の基準で見ても独自性が高く、そこに魅力を感じるプレイヤーにとっては大きなプラス評価となっています。
塔全体が“巨大な仕掛け箱”として機能するマップ構成
ガゼルの塔はわずか5階建てですが、その内部構造は緻密で、フロア全体が一つの大きな仕掛けのように設計されています。レバーを操作すると遠くの扉が開閉したり、特定の順番でスイッチを動かさないと先へ進めなかったりと、単なる通路の集合ではなく、フロアごとに明確な“テーマ”がある構成になっているのが特徴です。牢屋が並ぶ階では囚われた人物を救い出すルートをひねり出さなければならず、トラップだらけの通路では敵の配置と仕掛けのタイミングを読み切る必要があります。こうしたマップデザインは、「ただ敵を倒して奥へ向かうだけのアクション」とは違い、ミニマップなどの補助機能がないぶん、プレイヤーに“頭を使って進む”楽しさを提供してくれます。初見では苦労する場面も多いですが、一度構造を理解すると、フロア全体を見渡すような感覚で攻略ルートを組み立てられるようになり、「塔を解き明かした」という満足感につながるところが大きな魅力です。
キャラクターとストーリーが生むシリーズファン向けの満足感
外伝でありながら、登場人物の描写やドラマ面がしっかりしている点も“良かったところ”としてよく挙げられます。ラトクたちおなじみのメンバーが再び集結するだけでなく、リューンとその家族を巡るエピソード、ディザエ軍残党との因縁、偽ラトクとの対峙、そして最終的に魔獣ガゼルとの決戦へとつながっていく展開には、シリーズの歴史を一歩前に進める“章”としての手応えがあります。塔という限られた舞台の中で、キャラクターたちの感情や過去が断片的に語られることで、プレイヤーの想像力を刺激し、世界観の奥行きを感じさせてくれる構成になっています。特に、終盤で仲間たちが駆けつけてティナ救出に協力するくだりは、これまでの冒険を共にしてきた仲間との絆が凝縮されたような場面であり、「サークのキャラが好きで良かった」と素直に思わせてくれるクライマックスといえます。
グラフィックと音楽が作り出す濃密な雰囲気
当時のPCハードの制約を考えると、本作のグラフィックとサウンドはかなり気合の入った仕上がりです。塔内部の背景には陰影が細かく描き込まれ、石造りの回廊や牢獄、祭壇の部屋など、フロアごとに異なる雰囲気を味わえます。色数こそ限られているものの、色の使い方が巧みで、暗いトーンの中にも光源の表現や装飾のメリハリがあり、“閉ざされた巨大建造物の中にいる”という圧迫感と、ファンタジーらしい高揚感が同居しています。敵キャラクターやボスのデザインも、単なる化け物の集合ではなく、どこか人間的で妖魔的な不気味さを感じさせる造形が多く、塔の不穏さを視覚的に補強しています。音楽面では、FM音源の力強いサウンドを活かした重厚なメインテーマや、静かに緊張感を高めるフロアBGM、ボス戦の激しいナンバーなどが揃っており、シーンごとに印象的なフレーズが記憶に残ります。視覚と聴覚がうまく連携することで、ガゼルの塔という舞台が、単なるゲームの背景ではなく、“ひとつの異世界空間”として強く心に刻まれる点は、本作の大きな美点です。
コンパクトながら濃いプレイ体験
膨大なプレイ時間を必要とする大作RPGと比べると、『ガゼルの塔』は比較的短い時間でクリアを目指せるボリュームです。しかし、そのコンパクトさがそのまま弱点になっているわけではなく、むしろ“短いからこそ密度が高い”という評価につながっています。舞台が塔内部に限定されているぶん、無駄な寄り道や水増し的なイベントは少なく、すべてのフロアに何かしらプレイヤーを悩ませる仕掛けやイベントが詰め込まれています。ストーリーもダラダラと長引くことなく、要所要所でキャラクターと事件の核心が語られ、最後はガゼルとの決戦でしっかり締めくくられるため、遊び終えたあとに“きれいにまとまった一本の物語を読み終えた”ような充足感があります。仕事や勉強の合間に少しずつ進めても、数日から数週間でしっかりクリアまでたどり着けるスケール感は、時間をかけすぎずに濃いゲーム体験をしたいプレイヤーにとって大いに魅力的です。
現代でも通用する“遊び方の幅”
最後に、良かったところとして触れておきたいのが、“遊び方の幅”の広さです。初めて遊ぶときには素直に塔を登るだけで精一杯ですが、慣れてくると「いかに被弾を抑えて進むか」「どれだけ移動距離を短縮できるか」「どの仲間と組むとどの階層が楽になるか」といった、自分なりの目標を設定した遊び方ができるようになります。縛りプレイや最短攻略ルートの模索といった楽しみは、今のインディー系高難度アクションにも通じるものであり、“時代を超えて生きているゲーム性”といっても大げさではありません。システム自体はシンプルですが、その中に自分から遊びの工夫を見出していく余地が大きく残されているため、クリアしたあとも「もう一度やってみるか」と思わせてくれるのが、本作の隠れた長所です。
■■■■ 悪かったところ
クセの強い操作感とシビアな当たり判定
本作でまず挙げられがちな不満点は、キャラクターの動きと攻撃の感触です。見下ろし型のアクションRPGでありながら、ラトクの歩行や攻撃モーションにはやや重さがあり、現代のアクションゲームに慣れた感覚で触ると「一拍遅れて動く」「思った位置に攻撃が出ない」と感じやすい部分があります。特に敵との距離が数ドット単位でシビアに管理されているため、ほんの少し踏み込みすぎただけで被弾したり、逆にこちらの攻撃が届かなかったりと、ストレスを覚えるプレイヤーも少なくありません。こうした“カクッとした”操作感や、やや分かりにくいヒット判定については、実際にプレイした人の間でもマイナス点として取り上げられることが多く、「爽快感に欠ける」と感じる声につながっています。
戦闘の単調さと敵バリエーションの少なさ
もうひとつよく指摘されるのが、戦闘そのものの単調さです。ラトクの攻撃手段は基本的に近接攻撃と剣から放つショットに限られており、派手なコンボや多彩なスキルといった要素はありません。敵側も、序盤から終盤まで似たようなタイプが多く、色違い・パラメータ違いのバリエーションが中心になっているため、「見た目も攻撃パターンも代わり映えしない」と感じる人もいます。あるプレイヤーは、弱い雑魚敵との戦闘が延々と続き、敵を倒す行為が作業的に感じられたと評しており、特にレベルアップがない本作では、そうした“作業感”が報酬の少なさと結びついて不満になりがちです。
複雑で迷いやすいマップ構造
ガゼルの塔は「巨大なパズル箱」としての作り込みが魅力である一方、その複雑さが行き過ぎて“迷路のようで分かりづらい”という批判も招いています。スイッチと扉の連動、上下階を跨いだギミック、似たような通路や部屋が続く構造などが重なり、方向感覚を失いやすいのです。自動マップやガイドの類は一切なく、手書きメモや記憶に頼って進む必要があるため、じっくり腰を据えて取り組める人にはやりがいがある反面、「どこをどう進めば良いのか分からなくなって投げてしまった」というプレイヤーもいます。とくに忙しい現代のプレイ環境では、長時間をかけてマップを覚えるスタイルが合わない人にとって、大きなハードルとなりやすい部分です。
セーブポイントやゲーム進行の不親切さ
本作では、セーブが行える場所が塔の入口に限定されており、各階層で自由に中断・再開できるわけではありません。これは「塔の一階層をひとつの挑戦とみなして攻略する」というコンセプトとも言えますが、現代の感覚からするとかなり不親切な仕様です。難所で何度も失敗するたびに、入口付近から大きくやり直さなければならず、同じ道のりを何度も往復することになります。また、サポートメンバーの入れ替えや回復のためにも入口に戻る必要があり、トライ&エラーのたびに長い移動を強いられる構造は、「ただでさえ難しいのに、ゲーム進行までプレイヤーに厳しい」と感じさせる要因になっています。こうした設計は、緊張感と達成感を高める反面、プレイする側には相応の根気を要求するため、ライトなユーザーには向かない部分と言えるでしょう。
舞台が塔の内部に固定されていることによる“景色の乏しさ”
物語とゲームプレイのすべてがガゼルの塔内部で完結するという構成は、外伝としてコンパクトにまとまっている一方で、「背景の変化に乏しい」という弱点も抱えています。地・火・水・風・光・闇といった属性をテーマにした階層ごとの違いはあるものの、基本的には石造りの迷宮が延々と続くため、フィールドや街、草原や洞窟など、さまざまなロケーションを旅していくタイプのRPGに比べると、どうしても単調に感じられがちです。実際にプレイした人の中には、「塔の雰囲気は好きだが、最後まで同じような景観なのが残念」「もう少し外の世界や寄り道があれば気分転換になったのに」という声もあり、舞台を一つの塔に絞り込んだことが、ストイックさと引き換えに視覚的な変化の少なさとして現れているといえます。
難易度カーブが急で、人を選ぶゲームバランス
ガゼルの塔は、序盤こそ比較的穏やかなものの、中盤以降のトラップ密度やボス戦の攻撃の激しさが一気に増し、「高難度アクションが好きな人向け」のバランスになっています。ボスの攻撃はパターンを覚えれば対処可能とはいえ、攻撃範囲が広く、連続ヒットによって体力を一瞬で削られる場面も多いため、反復練習と集中力が求められます。そうしたストイックさを楽しめるプレイヤーもいますが、一方では「裏技的な無敵機能を使わないとクリアできなかった」という感想が出るほど、敷居が高く感じられることもあるようです。 とくに、レベルアップによる救済がない本作では、行き詰まった際の打開策が「自分の腕を磨く」以外にほとんど存在しないため、ある程度以上の難度に達すると、一部のプレイヤーにとっては“理不尽な壁”として立ちはだかってしまいます。この“上達が楽しい人には名作、そうでない人にはただの難しいゲーム”という極端な評価の分かれ方は、本作の長所であり弱点でもあります。
チュートリアル不足と情報提示の少なさ
現代のゲームと比べると、『ガゼルの塔』はシステムやギミックの説明が非常に控えめです。サポートメンバーごとの細かい能力差や、特定のメンバーを連れていると発生するイベント、トラップの法則などは、ゲーム内で丁寧に教えてくれるわけではなく、プレイヤー自身が実際に試して確かめていく必要があります。そのため、「なぜこの場面で先に進めないのか」「どの仲間ならこの仕掛けを突破できるのか」といった情報が分からず、ひたすら試行錯誤を続けるしかない場面も出てきます。こうした不親切さは、探索と発見を重視するレトロゲームらしい設計とも言えますが、今の感覚では“ヒント不足”“遊び手への説明が足りない”と受け取られやすく、詰まりやすいポイントにもなっています。
機種ごとの遊び心地の差と技術的な制約
PC-8801、PC-9801、MSX2など複数のプラットフォームに展開されたことで、機種によって動作の軽快さや操作感が異なるのも、評価が割れる要因になっています。とくにMSX2版は、描画処理やスプライト周りの制約から動きが重く感じられやすく、「敵の弾やトラップを避ける際に、レスポンスの遅さが余計な難しさになっている」と指摘する声もあります。一方、PC-88版は比較的軽快に動作し、同じゲーム内容でも“遊びやすい”と感じられるケースが多いようです。 現代ではEGGコンソール版などを通じてオリジナルに近い感覚で遊べるようになっているものの、当時のハードウェアでプレイしたユーザーにとっては、「機種によって難易度が変わってしまう」「特定環境ではストレスが大きい」といった印象が残りやすかったと考えられます。こうした技術的な制約に起因する遊びづらさは、作品そのものの魅力とは別の次元の問題でありつつも、プレイヤー体験に影を落としている点として無視できない部分です。
総じて“尖りすぎた設計ゆえの敷居の高さ”
ここまで見てきたように、『Xak -ガゼルの塔-』の欠点は、“塔攻略に特化したストイックな外伝”というコンセプトと表裏一体になっています。レベルアップのないゲームデザイン、複雑なマップ、少ないセーブポイント、高めの難易度――これらはハマる人にとっては最高のスパイスである一方、肩の力を抜いて遊びたいプレイヤーには過酷な条件として立ちはだかります。その結果、「シリーズの中でも最も人を選ぶ一本」「名作と駄作の紙一重」といった極端な評価になりやすく、誰にでも安心して薦められる作品とは言い難いのが実情です。とはいえ、この“尖り方”こそが本作を強く印象づけているのも事実であり、遊ぶ側に一定の覚悟さえあれば、欠点を含めて唯一無二の体験として受け止められるタイトルと言えるでしょう。
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■ 好きなキャラクター
主人公ラトク・カート ― サーク世界の“軸”として愛される存在
『Xak -ガゼルの塔-』でまず名前が挙がるのは、やはりシリーズを通してプレイヤーと共に歩んできた主人公ラトク・カートです。本作でも彼は物語の中心に立ち、仲間たちを率いてガゼルの塔に挑む“軸”の役割を担っています。ラトクは、熱血すぎず、かといって冷めきってもいない、まっすぐで素朴な勇者像として描かれており、過剰な自己主張をしない分、プレイヤーが感情移入しやすいキャラクターです。リューンの家族を助けるために危険を承知で塔の最上階へ向かう姿は、英雄としての責務と、人としての優しさが自然に両立していて、プレイヤーに「この人物なら信頼できる」と思わせてくれます。ゲーム中の会話量は決して多くありませんが、過去作から積み上げられてきたイメージと、本作での行動がきれいに重なり、“寡黙だが芯の強い主人公”として多くのファンに好まれています。
フレイ ― 活発で頼れる“相棒ヒロイン”
シリーズ全体を通して人気の高いヒロインと言えば、やはりフレイでしょう。彼女はラトクと共にガゼルの塔の噂を聞きつけてやって来る相棒であり、戦場で肩を並べるパーティメンバーのひとりでもあります。フレイの魅力は、ただ守られるだけの存在ではなく、自ら戦いに身を投じる“前線に立つヒロイン”として描かれている点にあります。明るく行動力があり、ときにラトクよりも一歩前へ踏み出してしまうほどの勢いを見せる彼女は、陰鬱な空気の漂うガゼルの塔において、物語を軽やかにしてくれる存在でもあります。また、戦闘面でも魔法やサポート能力でパーティを支えられるキャラクターとして、プレイヤーからの信頼が厚く、「誰を連れて行くか迷ったらひとまずフレイ」という選択をする人も少なくありません。ラトクとのコンビネーションを好むファンにとって、本作で再び彼女と共に冒険できること自体が、大きな魅力になっています。
リューン ― 深いドラマを背負ったベテラン戦士
『ガゼルの塔』を語るうえで欠かせない人物が、妖魔との戦いの経験を持つ戦士リューンです。塔の2階で瀕死の状態で発見される彼は、既にガゼルの塔に挑み、妖魔アクリラとベルゼスと戦った過去を持つ人物として登場します。妻ティナと娘アリアを連れ去られ、なおも戦い続けようとした結果、重傷を負って倒れていたという経緯は、彼の覚悟の深さと、家族への強い想いを感じさせるエピソードです。プレイヤーが彼の口から事情を聞き、家族を救い出す旅に協力していくうちに、リューンは単なる“強い戦士”ではなく、“守るべきもののために立ち続ける父親”として印象づけられていきます。 やがて彼自身も仲間として合流し、最上階の決戦ではラトクと肩を並べて戦うことになるため、「彼の無念を晴らしたい」「家族を救ってやりたい」という感情がプレイヤーの中にも自然に生まれます。この“人物の背景とゲーム上の目的がきれいに重なる構成”のおかげで、リューンは本作で一気に人気キャラクターの一人として印象に残る存在となっています。
アリア&ティナ ― 物語に温度を与える家族の存在
リューンの娘アリアと妻ティナも、プレイヤーの印象に強く残るキャラクターです。塔の牢屋に囚われているアリアは、幼さと健気さが印象的で、ラトクたちが危険を冒してまで助け出そうとする理由が、プレイヤーにもすぐに伝わってきます。アクリラとの戦いを乗り越えて彼女を救出したときの安堵感は、本作の中でも特に記憶に残る瞬間のひとつであり、多くのプレイヤーにとって「やってやったぞ」と思える場面です。 一方でティナは、物語の終盤まで所在が分からず、プレイヤーとキャラクターの両方にとって“追い求める存在”として描かれます。ゼグライアによってガゼル復活のいけにえにされようとしている事実が明らかになったとき、塔攻略の動機は単なる妖魔退治から“家族を救うための戦い”へと一段階深まります。ラストバトル直前、仲間たちがティナ救出に協力してくれる展開は、家族と仲間の絆が凝縮されたシーンであり、彼女の存在が物語全体に温かさと切実さを与えてくれているといえるでしょう。
フェル、ホーン、ピクシー ― それぞれ異なる魅力を持つ仲間たち
塔の入口でラトクと再会するフェル、ホーン、ピクシーの三人も、それぞれにファンの多いキャラクターです。 フェルは落ち着きと知性を感じさせる雰囲気を持ち、冷静な判断力でパーティを支えるタイプのキャラとして好まれています。戦闘面でも、状況を見極めて確実にダメージを与えていくスタイルが、慎重なプレイヤーにとって心強い存在です。 ホーンは豪快で頼りがいのあるキャラクターとして描かれ、力強い攻撃で前線を切り開く姿から、“パーティの盾であり斬り込み隊長”として人気があります。彼を前に立たせ、ラトクや他の仲間が後ろから援護する立ち回りを好むプレイヤーも多く、その分かりやすい役割分担が、ゲームプレイのイメージを掴みやすくしてくれます。 ピクシーは、小柄でキュートな見た目に反して、場面によっては大胆な行動力を見せるギャップが魅力のキャラクターです。明るく快活な性格は、重苦しくなりがちな塔の空気を和ませてくれ、彼女を連れているだけでパーティの雰囲気が少し柔らかく感じられる、という声もあります。三人とも戦闘スタイルや性格がはっきり分かれているため、「自分はどのタイプが好きか」というプレイヤーの好みがくっきり表に出やすく、ファン同士で“推しメン”を語り合えるのも楽しいポイントです。
妖魔ゼグライア ― カリスマ性のある宿敵
敵キャラクターの中で人気が高いのは、やはり本作の黒幕である妖魔ゼグライアでしょう。ディザエ軍の一人として暗躍し、塔を拠点として人間世界に新たな脅威をもたらそうとする彼は、単純な“悪役”にとどまらない存在感を持っています。冷酷でありながらどこか知性的な雰囲気を帯びた立ち振る舞いや、ガゼル復活という大きな目的に向けて着々と準備を進めていたことが垣間見える設定など、彼の行動には筋が通っており、“倒すべき敵”でありながら“魅力的な宿敵”として記憶に残るタイプのキャラクターです。 特に、最終決戦の直前でティナを盾にとる卑劣な手段に出たかと思えば、魔獣ガゼルと一体化して怪物へと変貌する姿は、彼自身の執念と、妖魔としての本性が極端な形で表現されたシーンであり、そのインパクトは非常に強烈です。「憎らしいけれど、ボスとしては最高に印象に残る」と評するプレイヤーも多く、シリーズの中でも“敵役としての完成度が高いキャラクター”の一人に数えられています。
アクリラとベルゼス ― 恐怖と憎しみを背負った“家族を奪う敵”
中ボス的な立ち位置で登場する妖魔アクリラとベルゼスも、プレイヤーの印象に残りやすい敵キャラクターです。彼らは単に塔を守る強敵というだけでなく、リューンの妻子を奪い、彼に深い傷を負わせた張本人であるという点で、物語上非常に重い役割を背負っています。特にアクリラとの戦闘は、アリアが捕らわれている牢屋周辺で行われるため、“勝利すれば娘を救えるが、敗北すれば……”という緊張感がプレイヤーの中にも強く生まれます。 ベルゼスは、終盤に立ちはだかる強敵として、プレイヤーの前に立ち塞がります。彼を打ち破った後に明かされるティナの運命や、ガゼル復活の計画は、物語の緊張感を最後まで保つ重要な要素であり、「こいつだけは絶対に倒さなければならない」とプレイヤーに思わせる説得力を持っています。アクリラとベルゼスは、“家族を奪う憎むべき敵”であり、同時に“物語を強く印象づける存在”でもあり、その意味で“忘れられないキャラクター”として名前が挙がることが多いと言えるでしょう。
プレイヤーごとに異なる“推しキャラ”が生まれるバランス
『ガゼルの塔』のキャラクターたちは、出番の量だけでなく、役割や性格がかなりはっきりと分かれているため、プレイヤーごとに“推しキャラ”がばらけやすい作品でもあります。王道の主人公ラトクやヒロインのフレイが好きだという人もいれば、渋い魅力を持つリューンや、頼もしいホーンを挙げる人もいますし、悲劇性を背負ったティナや、強烈な存在感を放つゼグライアに惹かれるプレイヤーもいます。 また、ゲームシステム上、誰を連れて塔へ挑むかによってプレイヤーの体験が変わるため、「自分にとってのベストパートナー」がそのまま“好きなキャラクター”になりやすいのもポイントです。ある人にとっては攻略を安定させてくれた仲間が忘れられない存在になり、別の人にとっては、何度もゲームオーバーになりながら最終的に共に勝利をつかんだ相棒が“特別なキャラ”になる――そうしたプレイヤーごとの物語が生まれやすい構造こそが、この作品のキャラクターたちをより魅力的に見せていると言えるでしょう。
総括 ― 小さな塔の中に詰め込まれた“人と妖魔”のドラマ
総じて、『Xak -ガゼルの塔-』の登場人物たちは、出番の長さこそ限られているものの、それぞれが役割と背景をしっかりと与えられており、“塔という密閉空間の中で繰り広げられるドラマ”を鮮やかに彩っています。ラトクたち人間側の絆と、妖魔たちの野望や執念が、5階層という限られた舞台の中に濃縮されているからこそ、一人ひとりのキャラクター性が際立ち、プレイ後もしばらく心に残り続けます。誰が一番好きかはプレイヤーごとに異なりますが、“自分にとっての主人公”“自分にとっての宿敵”を見つけられる余地が大きいことこそ、このゲームのキャラクター面での最大の魅力だと言えるでしょう。
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●対応パソコンによる違いなど
PC-8801版 ― “元祖ガゼルの塔”らしい荒々しさとキレのあるFM音源
『Xak -ガゼルの塔-』の出発点となったのがPC-8801mkIISRをターゲットにしたバージョンです。8ビット機らしい限られた色数と解像度の中で、塔内部の陰影や石造りの質感をしっかり描き出しているのが特徴で、ドット絵らしい粒立ちのあるグラフィックが“元祖ガゼルの塔”の雰囲気を形作っています。キャラクターのスプライトサイズも比較的コンパクトで、敵・味方ともに小気味よく動き、アクションゲームとしてのレスポンスは軽快な部類と言って良いでしょう。 サウンド面では、FM音源の鋭いリードと重たいベースを活かした曲調が印象的で、塔の不気味さと戦いの緊迫感を強く印象づけてくれます。PC-8801の音の粒立ちの良さも相まって、メロディラインがはっきり耳に届きやすく、「ガゼルの塔といえばこの音」と感じるプレイヤーも多いはずです。処理負荷のかかる場面ではわずかに動作が重くなることもありますが、全体としてはテンポの良いプレイ感で、シリーズファンの中には「まずはPC-88版から触ってほしい」と推す声もあるくらい、作品イメージを決定づけた存在と言えるでしょう。
PC-9801版 ― 高解像度と落ち着いた色合いで“少し大人びた”ガゼルの塔
PC-9801版は、同じ日本電気のパソコンとはいえ、PC-8801版とはかなり印象が異なります。解像度と表示色数が増えたことで、塔内部の壁や床のディテールが細やかに描かれ、陰影表現もより滑らかになっています。石材の質感や装飾模様、牢屋の鉄格子など、背景の情報量が増えたことで、全体的に“少し大人びた雰囲気”のガゼルの塔が楽しめるといった趣きです。キャラクターのサイズもわずかに大きく表示され、シルエットの見分けやすさが向上している反面、画面の密度が高くなっているぶん、狭い通路では“敵との距離感をよりシビアに測る必要がある”と感じるプレイヤーもいます。 サウンド面では、同じFM音源でもPC-88版と比べて音色の印象がやや丸く、重厚さと落ち着きが増したような雰囲気があります。また、処理速度に余裕がある環境では、アクション部分のレスポンスも安定しており、“ハードさはそのままに、映像と音がワンランク上がった完成版”といった評価を受けることも少なくありません。シリーズをまとめて遊ぶ際には、「PC-88版の荒々しさ」と「PC-98版の大人っぽさ」を比較しながら楽しむのもひとつの醍醐味です。
MSX2版 ― ハードの個性が色濃く出たチャレンジングな移植
MSX2版は、同世代機の中でも描画処理やスプライト数などに制約の多いプラットフォーム向けの移植作であり、その特徴が良くも悪くもゲームプレイに影響しています。グラフィックはMSX2らしい鮮やかな色使いで、PC-8801やPC-9801版に比べると“パッと見の華やかさ”では負けていませんが、スクロールやスプライト処理の負荷が高まる場面では、動きが重く感じられることもあります。敵の数が多い通路や、トラップが激しく作動するエリアでは、微妙な処理落ちが生じやすく、それがそのまま操作のシビアさに直結してしまうため、“ただでさえ難しいゲームがさらに手強くなっている”と感じるプレイヤーもいるほどです。 とはいえ、MSX2特有の色合いや音色の違いによって、“同じガゼルの塔でも別の世界に迷い込んだような感覚”を味わえる点は大きな魅力です。FM音源カートリッジを用いた環境では迫力あるBGMを楽しめますし、PSG音源中心の環境であれば、チップチューン的な軽やかさを持った楽曲として耳に届きます。ハードの個性を感じながらプレイする、いかにもMSX2らしい一本と言えるでしょう。
Windows版(プロジェクトEGG等) ― 現代環境で楽しむための“入口”として
2000年代以降、レトロPCゲーム配信サービスを通じて提供されているWindows版は、オリジナルのPC-9801版などをベースにしたエミュレーション形式での配信が中心です。グラフィックやゲーム内容そのものは当時のままですが、現代のOS上から手軽に起動できるようになっており、フロッピーディスクや実機を用意する必要がない点は大きな利点です。また、液晶ディスプレイや大型モニタでの表示に合わせてウィンドウサイズやフルスクリーン表示を選べるようになっていることも多く、環境さえ整えば当時よりも快適な視認性でプレイできます。 一方で、エミュレーション特有のキー入力遅延や音の遅れなど、環境によっては微妙な違和感が生じる場合もあります。また、ゲーム自体は当時の難易度のまま提供されているため、「現代的な快適さを期待してプレイすると、思った以上にハードだった」という感想を持つ人も少なくありません。とはいえ、実機を持たない世代がサークシリーズを通して体験するうえでは、最もアクセスしやすい入口になっており、シリーズ全体を追いかけたいファンにとっては欠かせない選択肢となっています。
グラフィック・サウンド・操作性の違いをどう楽しむか
機種ごとの違いは、単に“どれが一番美しいか”“どれが一番遊びやすいか”を決めるための材料ではなく、それぞれのハードウェアが持っていた個性を体験するための比較材料にもなります。PC-8801版の粗削りながらキレのある表現、PC-9801版の落ち着きと情報量の多さ、MSX2版の色鮮やかさとチャレンジングな動作、そしてWindows版の手軽さと現代的な環境――いずれも「その時代、そのハードだからこそ実現できたガゼルの塔」として見ることができます。 遊び比べてみると、同じシーンでも印象が変わることに気づくはずです。ある機種では暗く重い印象だったフロアが、別の機種では色調の違いから“少し明るく見える”こともありますし、音源の差によってボス戦の曲がまったく違う印象を与えることもあります。アクション部分の難しさも、処理速度やレスポンスの違いによって微妙に感触が変わるため、「自分にとって一番しっくりくるガゼルの塔はどれか」を探す楽しみも生まれてきます。
セーブ・ロードや操作体系の違い
当時のPC用ゲームは、機種ごとにフロッピー形式やディスク容量が異なっていたため、セーブ方式や操作体系も細かな差異が生じています。PC-8801版やPC-9801版では、基本的にキーボード主体の操作が前提で、カーソルキーとスペースキー、テンキーなどを組み合わせて動かす構成が一般的です。ジョイスティックに対応した環境であれば、よりアクションゲームらしい操作感で遊ぶこともできましたが、当時のプレイヤーの多くはキーボード操作で塔を攻略していました。MSX2版では、MSXジョイスティックを利用することで家庭用ゲーム機に近い操作感を実現できる一方、キーボードのみで遊ぶ場合にはキー配置の慣れが必要になる場面もあります。 Windows版では、キーボードやゲームパッドへの割り当てを自由に変更できるケースもあり、自分が一番しっくりくる配置を選べるのが利点です。オリジナルのキー配置にこだわるもよし、アクションゲームで慣れたボタン配置にアサインし直すもよしと、遊びやすさの調整幅が広がっています。こうした操作体系の違いもまた、“どの環境でガゼルの塔に挑むか”を考えるうえでの重要な要素と言えるでしょう。
どの機種版から遊ぶのがよいか
これから『Xak -ガゼルの塔-』に触れてみたい人にとって、「どの機種版を選ぶべきか」は悩ましい問題かもしれません。実機やエミュレーション環境の有無にも左右されますが、作品の“素顔”を味わいたいのであれば、やはりPC-8801版かPC-9801版が無難な選択肢になります。PC-88版はシリーズの出発点らしい荒々しさとキレがあり、PC-98版は全体的に落ち着いた完成度の高さを感じさせる一本です。一方で、MSX2版は処理やレスポンスの面で癖はあるものの、「最も手強いガゼルの塔」としてチャレンジ精神をくすぐるバージョンと言えるかもしれません。 現代環境で手軽に触れたいのであれば、Windows向けの配信版やコンソール向け移植が最も現実的です。難易度自体は当時のままですが、起動や動作環境の整備に悩まされることなく、“純粋にゲーム攻略に集中できる”という意味では、もっとも敷居の低い選択肢となっています。いずれにしても、“どの機種版を選ぶか”という悩み自体が、レトロPCゲームならではの楽しみのひとつであり、同じ塔を異なる姿で何度も登り直せるのは、本作がマルチプラットフォーム展開されたからこその醍醐味と言えるでしょう。
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●同時期に発売されたゲームなど
★フレイ
ゲーム名:フレイ(FRAY)
販売会社:マイクロキャビン
販売された年:1991年
販売価格:7,800円(税別・PC-9801版広告より)
『ガゼルの塔』と同じマイクロキャビンが送り出したスピンオフ的アクションRPGで、『サーク』シリーズの人気ヒロインである魔法少女フレイを主役に据えた作品です。見下ろし型の画面構成や、テンポの良いアクション性は『ガゼルの塔』にも通じるものがありますが、本作はシリアス寄りの本編と違い、コメディタッチの明るいノリが特徴です。魔法学校の授業としてモンスター退治に挑むという設定で、敵を倒して稼いだお金をステージ間のショップで使い、魔法や装備を強化していくループが実に中毒性の高い作りになっていました。
マップは比較的コンパクトで、難解なパズルよりもアクションの爽快感を重視したバランスのため、当時「Xak本編は難しいけれど、フレイなら遊びやすい」と感じたユーザーも多かったようです。『ガゼルの塔』の発売時期には、すでにフレイというキャラクターがファンの間でしっかり浸透しており、シリーズ世界観を支えるもう一つの柱として存在感を放っていました。
★ブランディッシュ
ゲーム名:ブランディッシュ(Brandish)
販売会社:日本ファルコム
販売された年:1991年
販売価格:9,800円(PC-9801版・税別)
日本ファルコムがPC-9801向けに送り出した名作アクションRPGで、迷宮を舞台にした独特の「視界回転システム」が大きな話題になりました。プレイヤーが移動するのではなく、世界の方がぐるりと回転していくように表示が切り替わるため、初めて触ったプレイヤーはその感覚に戸惑いつつも、慣れてくると他では味わえない没入感がクセになっていきます。
ゲーム内容はかなり硬派で、罠だらけのフロア構成、限られた資金と回復手段、パズル的なスイッチ操作など、プレイヤーに丁寧な探索と慎重な判断を求める作りです。アクションRPGでありながら、ボタン連打ではどうにもならない「考える戦い」が必要な点は、『ガゼルの塔』のトラップ攻略の感覚ともどこか通じる部分があります。当時のPC雑誌では、グラフィックの美しさとBGMのクオリティ、そして中毒性の高いゲームデザインが高く評価され、以後シリーズ化されるほどの人気を得ました。
★アルシャーク
ゲーム名:アルシャーク(ALSHARK)
販売会社:ライトスタッフ
販売された年:1991年
販売価格:9,800円(税別)
ライトスタッフがPC-9801向けに展開したスペースオペラ風RPGが『アルシャーク』です。ファンタジーが主流だった当時のPC市場において、宇宙を舞台にした壮大なストーリーと、銀河を股にかけた冒険が楽しめる作品として注目されました。星間航行で各惑星を巡り、そこで起きる事件を解決しながら物語の核心に迫っていく構成は、一話完結のドラマが連なるような楽しさがあります。
戦闘はコマンド選択式ですが、宇宙船による戦いや地上での戦闘など、シチュエーションに応じて演出が変化し、プレイヤーを飽きさせません。グラフィックも当時としてはかなりの描き込みで、艦船デザインや惑星の風景が凝っていたことから、「世界観に浸るタイプのRPG」として支持されました。『ガゼルの塔』と同時代にPC-9801でRPGを遊んでいたユーザーなら、ファンタジーならマイクロキャビン、SFならライトスタッフ、といった棲み分けを実感していたかもしれません。
★ぽっぷるメイル
ゲーム名:ぽっぷるメイル
販売会社:日本ファルコム
販売された年:1991年
販売価格:8,700円(PC-8801版・税込3%)
『ぽっぷるメイル』は、陽気な賞金稼ぎの少女メイルが主役のアクションRPGで、PC-8801版として1991年に発売され、その後PC-9801などにも展開された人気作です。明るいキャラクターとコミカルな会話劇、そしてスピーディな横スクロールアクションが特徴で、当時のファルコム作品の中でも特に「軽快で遊びやすい」タイトルとして知られていました。
敵を倒しながらステージを進み、ボス戦でメリハリのある戦いを楽しむ構成は、アクションゲームとRPGの中間的な心地よさがあります。レベルアップや装備の購入といったRPGらしい要素も備えつつ、プレイ感覚はコンシューマー機のアクションゲームに近く、PCユーザーだけでなくアクション好きなプレイヤーにも広く受け入れられました。『ガゼルの塔』のようなシリアス寄りのファンタジーに対し、こちらはポップで明るいファンタジーという対照的な立ち位置で、同じ時代のPCファンタジーRPGシーンを彩っています。
★ダイナソア ~復活の魔竜~
ゲーム名:ダイナソア ~復活の魔竜~
販売会社:日本ファルコム
販売された年:1990年
販売価格:10,780円(PC-9801版・税別)
『ダイナソア』は、ファルコムがPC-9801向けにリリースしたRPGで、重厚なストーリーと歯ごたえのある戦闘バランスが魅力の一本です。タイトルにある「魔竜」の復活をめぐる物語はダークでシリアスな雰囲気を持ち、単純な勧善懲悪ではない人間ドラマを描いている点が当時としては印象的でした。
システム的にはコマンド選択式のRPGながら、戦闘エフェクトやキャラクターグラフィックに力が入っており、PC-9801の高解像度表示を活かしたビジュアル表現が楽しめます。ダンジョンは複雑で、敵も手強く、マップの把握やパーティ構成、アイテム管理などをしっかり考えないと先に進めないため、RPG上級者向けの一本というイメージもありました。『ガゼルの塔』と同じく、シンプルなレベル上げだけではなく、プレイヤー自身の判断が試されるタイプの作品として同時期のPCユーザーに遊ばれています。
★サークII(Xak II)
ゲーム名:サークII(Xak II)
販売会社:マイクロキャビン
販売された年:1990年
販売価格:税別8,800円前後(PC-9801版は税込9,680円表記の資料も存在)
『ガゼルの塔』の一年前に発売された『サークII』は、ラトクたちの冒険を描くシリーズ本編であり、『ガゼルの塔』が位置づけられる世界観や時間軸を理解するうえで欠かせない存在です。トップビューのアクションRPGとして、前作よりもグラフィックや演出が強化され、ストーリーもよりドラマチックに展開していきます。
本作では、シリーズ特有の体当たり式アクションに加え、敵の配置やマップ構成がシビアになっており、プレイヤーの立ち回りや装備選択が攻略の鍵を握ります。『ガゼルの塔』はこの『II』から一年後の世界を描いた外伝的位置づけのため、当時のプレイヤーは「本編で見たキャラクターたちが、その後どうなったのか」を確かめる意味でも『ガゼルの塔』を手に取っていました。価格帯も『ガゼルの塔』と近く、同じマイクロキャビン製アクションRPGとして店頭で並んでいた姿を記憶している人も多いでしょう。
★幻影都市 ILLUSION CITY
ゲーム名:幻影都市 ILLUSION CITY
販売会社:マイクロキャビン
販売された年:1991~1992年頃(PC-98・MSXturboRなど)
販売価格:PC-9801版の正確な定価は資料によりばらつきがあるが、当時のRPGとしておおよそ1万円前後の価格帯
『幻影都市』は、近未来の香港を舞台にしたサイバーパンク風RPGで、マイクロキャビンが得意とする濃密な世界観と重厚なシナリオが存分に味わえる作品です。悪徳企業や宗教団体、異形の存在が入り乱れる退廃的な都市を舞台に、主人公たちは陰謀とオカルトが絡み合った事件の真相に迫っていきます。
戦闘はターン制のコマンドバトルですが、キャラクターアニメーションや背景描写が非常に細かく作り込まれており、当時のPCゲームとしては破格の没入感でした。ディスク枚数も多く、ストーリーやイベントのボリュームも相当なものだったため、発売当時は「大作RPG」として強い印象を残しています。ファンタジー色の強い『ガゼルの塔』とは対照的に、同じマイクロキャビン製でもSF色の濃い世界観を志向した一本として、プレイヤーの記憶に残るタイトルです。
★BURAI 上巻(ブライ 上巻)
ゲーム名:BURAI 上巻
販売会社:リバーヒルソフト
販売された年:1989年(PC版・PC-9801を含む)
販売価格:8,580円(PC-9801版・税別)
リバーヒルソフトが手掛けたファンタジーRPG『BURAI』は、上巻・下巻に分かれた連続ドラマ形式の作品で、群像劇的なストーリーテリングが特徴です。人間だけでなく、トカゲのようなリーザス族やクマのようなウォッシュ族といった種族が共存する世界を舞台に、多種多様なキャラクターが入り乱れる壮大な物語が展開されます。
ゲームとしては、ストーリー重視のコマンドRPGで、イベントや会話シーンが豊富に用意されており、「読むRPG」に近い感覚で楽しめる点が当時高く評価されました。発売年は『ガゼルの塔』より少し前ですが、PC-9801のRPGシーンにおいては長く語られたタイトルであり、90年代初頭の時点でも続編や関連商品の展開により存在感を維持していました。その意味で、『ガゼルの塔』と同じ棚に並んでいた“語りの濃いRPG”の代表として挙げられる一本です。
★ロードス島戦記 ~灰色の魔女~
ゲーム名:ロードス島戦記 ~灰色の魔女~
販売会社:ハミングバードソフト(PC-9801版)
販売された年:1988年(PC-9801版CDなど)
販売価格:13,860円(PC-9801版CDの定価)
水野良による小説『ロードス島戦記』を原作としたRPGで、日本のファンタジー作品としては突出した知名度を誇るタイトルです。テーブルトークRPGを源流とする世界観を忠実に再現し、PC-9801の高解像度グラフィックとサウンドを活かして「小説をプレイする」体験を実現していました。
ゲームは原作の物語を追体験する形で進行し、プレイヤーはパーンやディードリットたちとともに各地を冒険していきます。戦闘システムやイベントの構成は比較的クラシックなRPGスタイルですが、原作のストーリーや設定を知っているプレイヤーにとっては、憧れの世界に自分が入り込んだような感覚が味わえるのが最大の魅力でした。価格は当時としても高めでしたが、そのぶん豪華なサウンドやボリューム感を備えた“看板タイトル”として扱われており、『ガゼルの塔』と同時期のPCファンタジーRPGシーンを語るうえで欠かせない一作です。
★イースIII -ワンダラーズ フロム イース-
ゲーム名:イースIII -ワンダラーズ フロム イース-
販売会社:日本ファルコム
販売された年:1989年(PC-8801/PC-9801版)
販売価格:8,700円(PC-8801版・税別)
『イースIII』は、アドルの冒険を描く人気RPGシリーズの第3作で、トップビューだった前2作から一転し、横スクロールアクションRPGとして生まれ変わったことで大きな話題となりました。レドモントの街を拠点に周辺のダンジョンを攻略していく構成は、アクションゲームのテンポとRPGの成長要素がうまくかみ合ったゲームデザインになっています。
1989年発売と『ガゼルの塔』よりやや早い時期のタイトルですが、その後も長く移植やリメイクが続き、90年代初頭のPCユーザーにとっては「まず最初に名前が挙がるアクションRPG」の一つでした。スピード感のある戦闘、耳に残るBGM、そしてシリーズならではの冒険ロマンが凝縮されており、『ガゼルの塔』と同じ棚に並んでいたであろう“王道アクションRPG”として挙げることができます。
以上のように、『Xak -ガゼルの塔-』が登場した頃のPCゲーム市場には、同じアクションRPGでも遊びや雰囲気の異なるタイトルが数多く存在していました。その中で『ガゼルの塔』は、「シリーズの外伝でありながら、塔攻略に特化したアクションとパズル性」という独自の立ち位置を確立していたと言えるでしょう。
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