『イシターの復活』(パソコンゲーム)

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【発売】:ナムコ、エス・ピー・エス
【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、MSX2、X1turbo、FM77、X68000、Windows など
【発売日】:1987年
【ジャンル】:アクションロールプレイングゲーム

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■ 概要・詳しい説明

崩れゆく塔から「帰還する」ことを目的にした異色の続編

『イシターの復活』は、ナムコの名作『ドルアーガの塔』の物語を受け継ぐアクションRPGであり、単なる続編ではなく「塔を攻略した後に何が起きたのか」を描いた非常に珍しい構造の作品です。前作では黄金の騎士ギルが塔を登り、捕らわれた巫女カイを救い、悪魔ドルアーガを倒すことが目的でした。しかし本作は、その勝利の直後から始まります。ドルアーガは倒されたものの、塔は安定を失い、内部は乱れ、魔物たちは凶暴化し、出口さえ分かりにくい危険な迷宮へ変わっています。プレイヤーはカイとギルを操作し、奪還したブルークリスタルロッドの力を携えながら、崩壊と混沌に包まれた塔から地上へ脱出することを目指します。つまり本作の本質は、敵を倒して頂上へ向かう冒険ではなく、目的を達成した二人が生きて帰るための脱出劇にあります。この発想が、当時のアーケードゲームとしても、後年のパソコン移植作品としても強い個性になっています。

『バビロニアン・キャッスル・サーガ』第2作としての位置付け

本作は『ドルアーガの塔』に続く『バビロニアン・キャッスル・サーガ』の第2作にあたり、シリーズの神話的な流れをつなぐ重要な作品です。前作が「試練の塔を登る英雄譚」だったのに対し、本作は「勝利後の混乱を切り抜ける帰還譚」として作られています。舞台は同じドルアーガの塔でありながら、遊びの感触は大きく異なります。部屋の構造、敵の配置、脱出ルート、魔法の使い方、キャラクターの役割が複雑に絡み、プレイヤーには反射神経だけでなく、状況判断、ルート把握、キャラクター管理、魔法選択の知識が求められます。前作が宝箱条件を探る謎解き性で語られる作品なら、本作はカイとギルという性質の違う二人をどう扱い、どの部屋をどう抜けるかを考える戦術性で語られる作品です。

カイとギルの役割が明確に分かれた二人操作

最大の特徴は、カイとギルを同時に扱う点です。ギルは剣で敵に接触して戦う前衛役であり、高い耐久力と直接攻撃能力を持っています。一方のカイは、攻撃、回復、補助、移動支援などの魔法で戦況を変える後衛役です。ギルが壁となり、カイが魔法で支えるという役割分担が基本で、片方だけを動かしても攻略は安定しません。カイを安全な位置に置き、ギルで敵を引き受け、必要な場面で魔法を発動する。この流れを覚えることで、最初は混乱しがちな画面が、次第に戦略的な盤面として見えるようになります。救出される存在だったカイが、続編では攻略の要として能動的に活躍する点も、本作の物語的な魅力です。

成長要素とパスワード方式が生んだ長期攻略性

『イシターの復活』はアクションゲームでありながら、経験値や成長の概念を持つアクションRPGでもあります。敵を倒すことでキャラクターは強化され、少しずつ先へ進みやすくなります。さらに特徴的なのが、ゲームオーバー時に表示されるパスワードによる継続要素です。当時のアーケードゲームは、その場限りのプレイで終わるものが多く、失敗すれば基本的に最初からやり直しでした。しかし本作では、プレイ結果をパスワードとして残し、次回以降に経験や状態を引き継いで挑戦できます。これは長期的に攻略を積み重ねる遊び方を生み、ワンコイン勝負とは違う魅力を作りました。現在のセーブ機能に近い思想を、当時の業務用ゲームに持ち込んだ点は非常に先進的でした。

PC版への移植と各機種ごとの違い

アーケード版の後、本作はPC-8801mkIISR以降、PC-9801、X1turbo、FM77、X68000、MSX2、Windowsなどへ展開されました。PC-8801系、PC-9801、X1turbo、FM77、X68000などの版は、主にエス・ピー・エスが開発・販売を担当したことで知られています。1980年代後半の日本のパソコン市場は、機種ごとに画面性能、音源、スクロール機能、スプライト処理能力が大きく異なっていたため、アーケード版をそのまま再現するのは容易ではありませんでした。PC-8801系などでは、プレイ画面をやや縮小し、右側や下部に部屋名、魔法名、残り時間、ギルの体力、魔法アイコンなどを表示する独自レイアウトが採られました。スプライトを持たない機種ではちらつきや動きの硬さもありましたが、当時の環境でこの複雑な内容を家庭用パソコンへ持ち込んだ意義は大きいものでした。

X68000版・MSX2版・Windows版の特徴

X68000版は、当時のパソコン移植の中でも高い再現度を期待された版です。高性能な機種であることから、アーケード版に近い雰囲気を目指した移植として評価されました。ただし、画面モードの都合で表示比率に独特の見え方があり、キャラクターや背景がやや横方向に詰まった印象を受ける部分もあります。MSX2版はナムコ側による移植として位置付けられ、見た目の雰囲気は原作にかなり近づけられていますが、スクロールやキャラクター移動は8ドット単位で、独特のテンポがあります。また、パスワードが二人分一体型になっていること、パナアミューズメントカートリッジ対応によって保存の利便性が高まること、エンディングに独自演出があることも特徴です。Windows版やカップリング商品では、後年のユーザーがシリーズ作品として触れやすい形で再流通しました。

作品全体の価値

『イシターの復活』は、誰もが気軽に楽しめる大衆的な続編というより、深く理解したプレイヤーほど評価するタイプの作品です。二人操作、魔法選択、迷宮脱出、成長、パスワード継続という要素が重なり、初見では難解に感じられます。しかし、仕組みを理解すると、カイとギルの役割分担、部屋ごとの攻略、魔法の使いどころが結びつき、独自の面白さが見えてきます。前作の成功を繰り返すのではなく、勝利後の帰還をテーマにした点、救出されたカイを今度は中心人物にした点、アーケードゲームに継続的なRPG性を持ち込んだ点は、ナムコ黄金期の実験精神を強く感じさせます。

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■ ゲームの魅力・攻略・好きなキャラクター

二人を守りながら進む脱出型アクションRPGの面白さ

『イシターの復活』の魅力は、敵を倒して先へ進むだけでは成立しない緊張感にあります。プレイヤーが扱うのは、剣で戦うギルと、魔法で支援するカイの二人です。ギルを前に出しすぎれば体力を削られ、カイを放置すれば敵に追い込まれ、魔法を使い誤れば肝心な場面で対応できなくなります。ギルは頼れる壁であり、敵を処理する実行役ですが、カイの魔法がなければ危険な部屋を抜けるのは難しくなります。カイは直接戦闘には向きませんが、回復や攻撃、補助によって攻略全体を支える頭脳役です。この「守る者」と「支える者」が互いに必要とし合う構造が、本作を単なるアクションではなく、濃い戦術ゲームにしています。

難しさの正体は操作より判断の多さにある

本作が難しいと言われる理由は、反射神経だけではありません。むしろ大きいのは、判断することの多さです。次にどの出口へ向かうのか、敵を倒すのか避けるのか、カイをどこに置くのか、ギルでどこまで引き受けるのか、どの魔法を選ぶのか、残り時間をどこまで使ってよいのか。こうした選択が短い間隔で続きます。初めて遊ぶと、画面内の出来事に追われているうちにミスを重ねがちですが、部屋の構造と敵の動きを覚えるほど攻略は安定します。本作で上達するということは、単に操作が速くなることではなく、「この部屋では何を優先すべきか」を覚えていくことです。

カイの魔法を理解するとゲームが急に面白くなる

カイの魔法は、本作の攻略の中心です。魔法は敵を攻撃するためだけのものではなく、危険な敵を遠ざける、ギルを回復する、カイ自身の安全を確保する、突破のきっかけを作るなど、用途が広く用意されています。初心者のうちは目の前の敵を処理することだけに意識が向きがちですが、慣れてくると「戦わずに抜けるための魔法」「ギルを生かすための魔法」「次の部屋に備えるための魔法」といった考え方ができるようになります。魔法をどのタイミングで、どの位置から、どの敵や状況に対して使うかが攻略の分かれ目です。魔法一覧を覚えることは攻略の第一歩であり、各魔法の使いどころが分かってくると、難解だった部屋が解ける課題へ変わっていきます。

ギルは攻撃役であり、カイを守る盾でもある

ギルは前作の主人公らしく、敵に直接ぶつかって戦う頼れる存在です。ただし、本作のギルは万能ではありません。無理に敵の群れへ突っ込めば体力を失い、カイから離れすぎれば支援を受けにくくなります。ギルの役割は、敵を倒すことと同じくらい、敵の注意を引きつけてカイを守ることにあります。敵の進路に立ち、カイへ向かう敵を止め、必要な場面では危険な位置に入って道を作る。ギルを乱暴に扱うとすぐ苦しくなりますが、丁寧に動かすと非常に頼もしい存在です。

好きなキャラクターとして挙げたいのはカイ

本作で特に魅力的なキャラクターを一人選ぶなら、カイです。前作では救出される存在だったカイが、本作では魔法で状況を切り開く中心人物として描かれています。カイは打たれ弱く、敵に囲まれると危険ですが、その弱さがあるからこそ、プレイヤーは彼女の位置を気にし、守りながら進むことになります。そして、ここぞという場面で魔法が決まったとき、カイは単なる保護対象ではなく、脱出に欠かせない主役であることがはっきり分かります。ギルの力強さに対して、カイの魅力は繊細な判断と支援能力にあります。

攻略の基本は急がず、孤立させず、魔法を先に選ぶこと

攻略で大切なのは、二人を不用意に離しすぎないことです。ギルだけを先行させるとカイが危険になり、カイだけを動かすと敵に触れられて一気に崩れます。基本は、ギルで安全を確保しながら、カイを少しずつ進めることです。部屋に入ったら敵の配置と出口の方向を確認し、全ての敵を倒す必要があるのか、それとも出口へ向かうことを優先すべきかを見極めます。魔法は慌てて選ぶより、危険が来る前に準備しておくことが重要です。敵に追われてから魔法を探すと操作が乱れやすくなります。

エンディングへ進むために必要な考え方

クリアを目指すには、塔の構造を理解し、正しいルートを選びながら二人を生存させる必要があります。単に長く生き残るだけではなく、脱出へ向かう道筋を把握することが重要です。どの部屋を通るか、どの場面で戦うか、どこで無理をしないかを積み重ね、最終的にカイとギルを脱出へ導くことがエンディングへの道になります。ゲームオーバーになっても、経験や状態を引き継げるパスワードが攻略の支えになります。そのため、本作は一度で完全攻略するというより、何度も挑みながらルートと対処法を覚えていく作品です。

総じて、深く付き合うほど味が出る名作

『イシターの復活』は、爽快感だけで押す作品ではありません。最初は戸惑い、失敗し、少しずつ理解しながら進むタイプのゲームです。しかし、その過程を受け入れると、カイとギルを無事に導けたときの達成感は非常に大きくなります。カイの魔法が間に合い、ギルが敵を止め、危険な部屋を抜け、次の出口へたどり着く。その一つ一つが小さな成功体験として積み重なります。理解するほど深くなる続編、それが『イシターの復活』の最大の魅力です。

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■ 感想・評判・口コミ

最初の印象は「難しい」よりも「把握することが多い」ゲーム

『イシターの復活』を実際に遊んだ人の感想としてまず出やすいのは、単純な難しさよりも「把握しなければならないことが多い」という印象です。画面内にはカイとギルの二人が存在し、敵の動き、出口の位置、魔法の選択、残り時間、ギルの体力などを同時に気にしなければなりません。普通のアクションゲームなら、敵を避ける、倒す、先へ進むという流れで直感的に遊べますが、本作はそれだけではすぐに行き詰まります。初見では「面白いかどうかを判断する前に、まず仕組みを理解する必要がある」と感じやすい作品です。しかし、この複雑さを乗り越えると、敵の誘導、魔法の使いどころ、二人の立ち位置によって部屋を攻略できるようになり、評価が大きく変わります。

前作経験者ほど驚かされた続編

前作『ドルアーガの塔』を知っているプレイヤーにとって、『イシターの復活』はかなり意外性のある続編でした。前作は階を上りながら宝箱の条件を探し、最上階を目指す構成でしたが、本作は塔から脱出するゲームです。しかもギル一人ではなく、カイとギルの二人を扱い、カイの魔法を軸に進めるため、前作と同じ感覚で遊ぶと戸惑います。この変化については、好意的に受け止める人と、難解すぎると感じる人に分かれました。前作の謎解き性や理不尽さを含めて楽しんでいた人には、本作の複雑なシステムもナムコらしい挑戦と映りました。

肯定的な評価は「分かると非常に面白い」に集まる

本作を高く評価する人の多くは、「最初は難しいが、分かると面白い」という感想を持っています。特に評価されるのは、カイとギルの役割分担です。ギルが前に出て敵を抑え、カイが魔法で支援し、二人をうまく動かして危険な部屋を突破する流れは、他のゲームではなかなか味わえない達成感があります。攻略法を知るほど、同じ部屋でも動きに無駄がなくなり、以前は恐ろしかった敵も対処できるようになります。この成長感は、キャラクターのレベルアップだけでなく、プレイヤー自身の理解が深まることで生まれます。

否定的な感想は取っつきにくさと操作の忙しさ

合わなかった人の感想として多いのは、取っつきにくさです。二人を同時に扱う発想は面白いものの、実際のプレイでは操作が忙しく、カイを守るだけでも大変です。敵の動きに対応しながら魔法を選び、ギルを前に出し、出口も探す必要があるため、慣れないうちは何を優先すればよいのか分からなくなります。また、部屋ごとの攻略知識が重要なため、初見で気持ちよく進めるゲームではありません。現在の親切なチュートリアル付きゲームに慣れた感覚で遊ぶと、かなり突き放された印象を受けます。

パソコン版に対する評判は機種ごとの差も大きい

パソコン版の評判は、遊んだ機種によって印象が変わります。X68000版のように表現力の高い環境では、アーケード版に近い感覚を味わいやすく、移植度の高さを評価する声が目立ちます。一方、PC-8801系やPC-9801系などでは、画面構成やスクロール、キャラクター表示に制約があり、ちらつきや動きの硬さを感じることもありました。ただし、当時のパソコン性能を考えると、複雑なゲーム内容をよく再現しているという見方もあります。MSX2版についても、移動やスクロールの単位が大きく、アーケード版とはテンポが違いますが、見た目の雰囲気や独自エンディング、パスワード保存への対応などに魅力があります。

不親切だが忘れられないタイプの作品

『イシターの復活』は、快適で遊びやすいゲームというより、強烈に記憶へ残るゲームです。分かりやすい爽快感よりも、謎めいた塔の雰囲気、カイを守る緊張感、魔法選択の慌ただしさ、失敗しながら進む手探り感が印象に残ります。特に、前作の後日談として、救出されたカイが今度は魔法でギルを支えるという構図は、シリーズを知る人にとって印象的です。不親切さや複雑さは弱点である一方、作品の個性でもあります。便利で整ったゲームでは得られない、荒削りながら濃い手触りがあるため、時間が経っても語られ続けています。

総合的な口コミ評価は「人を選ぶが唯一無二」

総合的に見ると、『イシターの復活』の口コミ評価は「人を選ぶが、代わりが少ない作品」という言葉に集約できます。分かりやすい爽快感やテンポのよさを求める人には、難しく重たく感じられるでしょう。しかし、攻略を研究すること、魔法を使い分けること、二人のキャラクターを守りながら進むことに面白さを感じる人には、非常に深い体験になります。快適さだけで測れば欠点はありますが、独創性、世界観、戦術性、継続プレイの考え方は今見ても強い個性を持っています。

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■ 当時の宣伝・現在の中古市場など

アーケード発の話題作として広がった宣伝の流れ

『イシターの復活』は、まずアーケードゲームとして登場した作品であり、その時点で『ドルアーガの塔』の続編という強い看板を持っていました。前作は宝箱の出現条件や謎解き要素で強烈な印象を残していたため、続編である本作も、ゲームセンター利用者やゲーム雑誌の読者に注目されやすい立場にありました。当時の宣伝は、現在のように公式サイトや動画配信で一気に広げるものではなく、ゲームセンターの筐体、店頭ポスター、インストカード、ゲーム雑誌の記事、攻略特集、パソコン雑誌の移植紹介などを通じて、少しずつ情報が浸透していく形でした。特に本作はシステムが複雑だったため、単なる広告文よりも、雑誌記事や攻略ページによって魅力が伝わりやすいタイプのゲームでした。

『ドルアーガの塔』の続編という最大の宣伝効果

本作にとって最も大きな宣伝材料は、やはり『ドルアーガの塔』の後日談であることでした。前作を遊んだ人にとって、ドルアーガを倒した後にカイとギルがどうなるのかは自然に気になる部分です。しかも本作は、塔をさらに登るのではなく、崩れた塔から脱出するという逆方向の構成を打ち出しました。この設定だけで、前作経験者には「今度は何をさせられるのか」という興味を持たせる力がありました。宣伝上も、カイとギルの二人を操作すること、魔法を使うこと、パスワードで継続できることなどが大きな特徴として語られました。

ゲーム雑誌・攻略記事との相性が高かった作品

『イシターの復活』は、雑誌文化と相性のよいゲームでした。理由は、画面を見ただけでは分からない情報が多いからです。カイの魔法には用途があり、部屋には攻略順があり、敵への対応にも知識が必要です。こうした作品は、紹介記事で基本システムを解説し、攻略記事で部屋ごとの対処を掘り下げることで、読者の興味を引きやすくなります。当時のゲーム雑誌やパソコン雑誌では、アーケードの新作紹介、移植版レビュー、攻略情報、読者投稿などを通じて作品の認知が広がりました。攻略記事やメモは、プレイヤーにとって冒険の地図のような役割を持っていました。

パソコン版の販売は機種別市場に合わせた展開

パソコン版は、PC-8801mkIISR以降、PC-9801、X1turbo、FM77、X68000、MSX2など、当時の日本国内で存在感のあった複数機種に向けて発売されました。機種ごとにグラフィック、音源、入力、メディア、処理速度が違っていたため、移植はそれぞれ個別の製品に近い意味を持っていました。販売面では、パソコンショップ、家電量販店のソフト売場、専門店、通信販売、雑誌広告などが主な接点でした。エス・ピー・エスが関わったPC版は、アーケード移植を家庭のパソコンで遊びたいユーザーに向けた商品であり、ナムコ作品の知名度とSPSの移植ブランド的な期待が重なっていました。

現在の中古市場では機種と状態で価値が変わる

現在の中古市場で『イシターの復活』を見る場合、価格は機種、付属品、保存状態、動作確認の有無によってかなり変わります。旧パソコン版はフロッピーディスクやカートリッジ、箱、説明書、内箱、登録カードなどの有無が価格に影響します。PC-8801、PC-9801、X1turbo、FM77、X68000、MSX2といった古いパソコン用ソフトは、そもそも流通数が限られており、状態の良い完品は出品数が多くありません。一般的には、裸ソフトや付属品欠品のものは比較的手頃になりやすく、箱説明書付きで状態が良いもの、希少機種版や人気機種版になると価格が上がりやすくなります。

購入額の推移はレトロPC人気と連動しやすい

『イシターの復活』の中古価格は、作品単体の人気だけでなく、レトロPC市場全体の動きに影響されます。近年はPC-8801、X68000、MSX2などの実機やソフトを集めるコレクターが増え、状態のよいパッケージソフトは以前より探しにくくなっています。特にX68000関連は本体・周辺機器・ソフト全体で注目度が高く、人気タイトルやアーケード移植作品は値が動きやすい傾向があります。一方で、Windows版や復刻系商品は旧パソコン版ほど希少性が高くないため、比較的安定した価格になりやすいです。

中古で買う際に注意したいポイント

旧パソコン版を購入する場合は、価格だけでなく保存状態を慎重に見る必要があります。フロッピーディスク媒体は経年劣化の影響を受けやすく、見た目がきれいでも読み込み不良が起きる場合があります。動作確認の有無、ディスク面やラベルの状態、箱の破れ、説明書の汚れ、付属品の欠品などを確認した方が安心です。プレイ目的なら復刻版や現行配信を選ぶ方が手軽で、コレクション目的なら完品性や保存状態が重要になります。遊ぶために買うのか、資料として所有するのかで、選ぶべき版は大きく変わります。

総合的に見る中古市場での立ち位置

『イシターの復活』は、中古市場において超高額の一点豪華型タイトルというより、機種や状態によって価格差が出る、じわじわ価値のあるレトロゲームです。ナムコ作品としての知名度、ドルアーガ続編としての物語性、パソコン移植の多さ、X68000やMSX2など人気機種との関係が重なり、一定の需要は続くと考えられます。アーケード版に近い体験を求める人、当時のPC移植を味わいたい人、ナムコ関連ソフトを集めたい人、パッケージを資料として残したい人では、価値の見方が変わります。

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■ 総合的なまとめ

『イシターの復活』は「塔を登った後」を描いた珍しい続編

『イシターの復活』は、『ドルアーガの塔』の続編でありながら、前作の遊びをそのまま繰り返さなかったところに大きな価値があります。多くの続編は、前作の人気要素を強化し、ステージや敵を増やす方向へ進みます。しかし本作は、塔を登るのではなく、ドルアーガを倒した後の塔から脱出するという逆向きの物語を選びました。この発想だけでも非常に個性的です。前作で救出されたカイが、今度は魔法を使ってギルと共に生き延びる中心人物になる点も印象的です。英雄が悪を倒して終わりではなく、崩れた世界からどう帰るのかをゲーム化した作品であり、勝利の後に残された混乱まで描こうとした点に、ナムコらしい物語性と実験精神が表れています。

ゲームとしては分かりやすさよりも深さを選んだ作品

本作は、初めて触れた瞬間から気持ちよく遊べるタイプのゲームではありません。カイとギルを同時に扱い、魔法を選び、敵の動きを読み、部屋の構造を覚え、残り時間や体力にも気を配る必要があります。操作も判断も忙しく、最初は戸惑いやすい作品です。しかし、その取っつきにくさの奥には、他のゲームにはない濃い面白さがあります。敵を倒すだけではなく、守る、逃がす、誘導する、準備する、覚えるという複数の行動が攻略に絡みます。分かりやすい爽快感ではなく、理解したときに面白さが開く作りです。

対応パソコンごとの完成度には大きな違いがある

本作はPC-8801、PC-9801、X1turbo、FM77、X68000、MSX2、Windowsなど、さまざまな環境で遊ばれてきました。ただし、各機種版の完成度や手触りは同じではありません。X68000版は、当時のパソコンの中でも表現力が高く、アーケード版にかなり近い感覚を目指した移植として評価されやすい存在です。一方、PC-8801系やPC-9801系、X1turbo、FM77などでは、ハードの制約に合わせて画面構成や表示方式が調整され、ちらつきや動きの硬さもありました。MSX2版は見た目の雰囲気をよく再現しつつも、8ドット単位の移動や独自のテンポが特徴になっています。Windows版や復刻版は、当時物の味わいとは異なるものの、現在遊ぶ入口としては扱いやすい存在です。

移植版の違いは欠点ではなく時代の記録でもある

現在の感覚では、同じタイトルならどの機種でもほぼ同じ内容で遊べることが多いですが、1980年代のパソコンゲームではそうはいきませんでした。画面解像度、色数、音源、スクロール、入力環境、ディスク仕様などが機種ごとに違い、移植作業そのものが大きな挑戦でした。そのため『イシターの復活』の各パソコン版には、それぞれの機種が持つ限界と工夫が刻まれています。アーケード版に忠実かどうかだけで評価すると見落としがちですが、当時の家庭用パソコンでこの複雑なゲームを再現しようとしたこと自体に意味があります。

現在遊ぶなら復刻版、味わうなら旧パソコン版

今から『イシターの復活』を遊ぶ場合、もっとも手軽なのは復刻版や収録版を利用する方法です。アーケード版に近い形でプレイでき、古い実機やフロッピーディスクの状態を気にする必要がありません。ゲーム内容を知る、シリーズの流れを追う、攻略を楽しむという目的なら、現行環境で遊ぶのが現実的です。一方、当時のパソコン版には、復刻版では味わえない独特の魅力があります。機種ごとの画面構成、音の違い、動作の重さ、パッケージやマニュアルの雰囲気まで含めて、1980年代後半のパソコンゲーム文化を体験できます。

総合評価は不親切だが濃密な実験作

総合的に見ると、『イシターの復活』は、親切で遊びやすいゲームではありません。覚えることが多く、初見では失敗しやすく、攻略情報なしでは道筋をつかみにくい部分もあります。しかし、その不親切さを補って余りある独創性があります。二人操作、魔法選択、経験値、パスワード継続、迷宮脱出という要素を1980年代半ばのアーケードゲームに詰め込んだ意欲は、今見てもかなり大胆です。完成度を快適さだけで測ると欠点も目立ちますが、ゲームデザインの挑戦として見れば非常に面白い作品です。

最後に残る魅力は「理解した人だけが見える面白さ」

『イシターの復活』は、誰にでもすぐ魅力が伝わる作品ではありません。しかし、カイの魔法を覚え、ギルの役割を理解し、部屋の抜け方をつかみ、パスワードで少しずつ挑戦を重ねていくと、最初は複雑に見えた塔が攻略可能な迷宮として立ち上がってきます。この感覚こそが本作の醍醐味です。難しいから投げ出されることもある一方で、難しいからこそ突破したときに強く記憶へ残ります。『イシターの復活』は、分かりやすい快作ではなく、噛みしめるほど味が出る作品です。前作の後日談、二人の協力、パソコン移植の多様さ、現在の中古市場での収集価値まで含めて、レトロゲーム史の中で独自の位置を占める一本だといえます。

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