『COBRA THE ANIMATION』(2010年)(テレビアニメ)

【中古】 COBRA THE ANIMATION コブラOVAシリーズ BOX(Blu−ray Disc)/寺沢武一(原作、監督、脚本、絵コンテ),野沢那智(コブ..

【中古】 COBRA THE ANIMATION コブラOVAシリーズ BOX(Blu−ray Disc)/寺沢武一(原作、監督、脚本、絵コンテ),野沢那智(コブ..
16,335 円 (税込)
評価 5
寺沢武一(原作、監督、脚本、絵コンテ),野沢那智(コブラ),榊原良子(アーマロイド・レディ),清水恵蔵(キャラクターデザイン、総作画監督),池頼広(音楽)販売会社/発売会社:(株)ハピネット((株)ハピネット)発売年月日:2010/02/19JAN:4907953026988//付属品..
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【原作】:寺沢武一
【アニメの放送期間】:2010年1月2日~2010年3月27日
【放送話数】:全13話
【放送局】:BS11
【関連会社】:マジックバス、ギルドプロジェクト

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■ 概要

30周年記念プロジェクトの一環として生まれた作品

『COBRA THE ANIMATION』は、2010年1月2日から3月27日までBS11で放送されたテレビアニメであり、寺沢武一原作の人気SFアクション漫画『コブラ』の世界を再び映像化した記念的なシリーズです。本作が企画された背景には、原作連載30周年という大きな節目がありました。70年代後半から80年代初頭にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載された『コブラ』は、その斬新なビジュアル表現や独特のユーモア、主人公コブラの破天荒な魅力によって一大ブームを巻き起こしました。漫画連載終了から長い年月が経った2000年代後半、再びその名を冠したアニメシリーズが誕生すること自体が、往年のファンにとって驚きと喜びをもたらした出来事だったのです。

本作は、OVA展開を経て制作された「30周年記念プロジェクト」の第3弾にあたります。当初は「六人の勇士」を映像化する計画が浮上していましたが、制作上の都合により頓挫。その代わりに、1982年に発表された中編5作品と、1996年の「ギャラクシーナイツ」編を原作とする形で新たなテレビアニメ化が進められました。結果的に、クラシックな原作のエピソードを忠実に描き直す構成となり、古参ファンは懐かしさとともに新鮮な驚きを味わうことができたのです。

監督交代がもたらした制作現場の変化

当初の予定では、1982年放送の第1作『スペースコブラ』を手掛けた名匠・出崎統が再び監督を務め、音楽監督には鈴木清司が参加するはずでした。しかし、出崎統の体調不良(肺癌治療)が原因で両者とも降板を余儀なくされ、現場は大きな舵取りの変更を迫られます。最終的に、OVAシリーズでキャラクターデザインを担当していた清水恵蔵が監督に就任。さらに、アニメーション・プロデューサーには出崎統の兄である出崎哲が抜擢され、血縁的にも強いつながりを持つ制作体制となりました。

この交代は単なる人事変更にとどまらず、作品の映像表現や演出方針にも影響を及ぼしました。出崎統特有の「止め絵」「ハーモニー処理」といった演出手法は抑えられ、より現代的でテンポの良い画面設計が採用されます。そのため、80年代アニメ特有の重厚感よりも、スピード感と分かりやすさを重視した演出が際立ちました。とはいえ、物語の骨格はあくまでも原作に忠実。クラシックなSF冒険譚の良さを残しつつ、2010年当時の視聴者が受け入れやすい映像へと調整されたのです。

主人公コブラの声優交代

もう一つの大きな変化は、主人公コブラの声を担当する声優の交代でした。長年コブラ役を務めた野沢那智が病のため降板を余儀なくされ、その後任として内田直哉が抜擢されます。内田直哉は、OVA『タイム・ドライブ』で若き日のコブラを演じており、その経験と実績から本シリーズでの大役に起用されました。

野沢那智が築き上げた「艶やかで余裕のある大人の声」のイメージはファンの間で絶大でしたが、内田の演技はそれをなぞるのではなく、よりスピーディで軽快な語り口を採用しました。これにより、新旧のファン双方に対して新鮮な印象を与えることに成功したといえるでしょう。ただし、野沢那智は放送終了後まもなく世を去り、出崎統も翌年に逝去することとなり、本作は両者にとって最後期の「コブラ」に関わる仕事の一つとして記憶されています。

原作再現度とアニメオリジナル要素

『COBRA THE ANIMATION』は、原作を非常に忠実に再現する方針を採りながらも、一部にはアニメオリジナルの演出やシーンを追加しています。具体的には、戦闘シーンのテンポ調整や、キャラクター同士の関係性を補強する会話が挿入され、視聴者が物語に没入しやすくなるよう工夫されています。

また、本編終了後には「マリエとパペットマペットのLOVE×LOVE コブラ」という短いコーナーが設けられていました。ユーモアと軽妙さを加えるこの試みは、本編のハードボイルドな雰囲気との対比として機能し、シリーズ全体に親しみやすさをもたらしました。ただし、後にキッズステーションで再放送された際には、このコーナーは肖像権の都合からカットされています。

映像美と演出の方向性

映像表現において特筆すべきは、コブラの代名詞ともいえる左腕のサイコガンの描写です。光のエフェクトや発射音、衝撃表現に細心の注意が払われており、観る者に「これぞコブラ」というインパクトを与える仕上がりとなっています。さらに、アーマロイド・レディの冷たい金属的な質感や、宇宙空間の広がりを感じさせる背景美術など、ディテールにこだわった表現も本作の大きな魅力です。

従来のアニメーションに比べてデジタル彩色の技術が進化していた時期でもあり、暗い宇宙空間と鮮烈なレーザー光線、銀河を駆け巡る艦艇の光跡といった視覚的コントラストが鮮やかに描かれています。この映像美の追求は、原作が持っていた「未来的かつレトロフューチャー」な世界観を、現代の感覚で再解釈する役割を果たしました。

シリーズとしての位置づけ

総じて『COBRA THE ANIMATION』は、旧来のファンにとっては「懐かしさの再確認」であり、新規視聴者にとっては「伝説的作品の入門編」という二つの役割を果たすシリーズでした。原作の持つ重厚な物語性を保ちながら、映像技術や演出の刷新によって、2010年当時のアニメ市場に通用するスピード感を実現。結果として、アニメ史の中で独自の存在感を放ち続ける「コブラ」の名を新たに刻み込む作品となったのです。

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■ あらすじ・ストーリー

コブラという男の再登場

物語の冒頭で描かれるのは、銀河を震撼させた伝説の海賊・コブラが世間から忽然と姿を消した後の世界です。彼は「サイコガンを持つ不死身の男」として宇宙一の賞金首に数えられ、銀河パトロールはもちろん、宇宙海賊ギルドからも命を狙われ続けてきました。そんな彼が、幾度もの死線をくぐり抜けた末に素顔を変え、一般人としてひっそりと暮らしていたのです。しかし、平凡な日常は長くは続かず、再び銀河を揺るがす事件が彼を非日常の世界へと引き戻していきます。

この導入部は、コブラというキャラクターの「伝説性」と「人間味」を巧みに対比させています。観客は、死んだと思われていた英雄が実は生きていたという設定に惹きつけられ、同時に“再び立ち上がる理由”に注目させられるのです。

アーマロイド・レディとの再会と旅立ち

コブラの傍らに常にいるのが、相棒であり守護者でもあるアーマロイド・レディです。全身が鋼鉄でできた彼女は、人間的な感情を持ちながらも冷静沈着に戦闘をこなす存在であり、コブラの軽妙な言動に鋭いツッコミを入れる役割も担っています。二人が再会し、愛機タートル号に乗り込むシーンは、本シリーズにおける象徴的な幕開けです。

この瞬間、物語は「隠遁から冒険へ」と切り替わり、視聴者もまたコブラとレディに導かれて果てしない宇宙の旅へ出発することになります。

中編エピソードの連作構成

『COBRA THE ANIMATION』のストーリーは、原作漫画に収録されている中編を忠実に再現した構成を取っています。例えば「黄金の三角」「奇跡の惑星」「ギャラクシーナイツ」など、それぞれが1つの冒険譚として完結しつつ、全体としてはコブラの生き様を描き出す長大な叙事詩の一部となっています。

各エピソードには、美しくも強い女性キャラクター、野心に満ちた悪党、銀河を股にかける陰謀が必ず盛り込まれています。これらの物語の積み重ねによって、コブラという人物像が単なるヒーローではなく、ユーモアと哀愁をあわせ持つ「生身の冒険者」として立体的に描かれていくのです。

死闘と逆転の美学

本作のストーリーに共通して流れるのは「絶望的な状況をいかに逆転するか」というテーマです。コブラは常に数的不利や窮地に立たされますが、決して諦めず、持ち前の知恵と度胸、そしてサイコガンを駆使して突破口を見いだします。

例えば、敵に捕まり絶体絶命の瞬間に軽口を叩き、その隙を突いて形勢を逆転させる場面は、コブラらしさの象徴ともいえるでしょう。ここには、ただの戦闘アクションではなく「生き様の美学」が込められており、視聴者は単なる勝敗ではなく「どのように勝つか」を楽しむことができるのです。

ヒロインたちの存在感

本シリーズのストーリーを彩るのは、コブラと出会い、彼に影響を与える女性たちの存在です。彼女たちは単なる“助けられるヒロイン”ではなく、それぞれが確固たる意志と目的を持ち、物語を前に進める推進力となります。愛や復讐、使命感や希望といった多様な動機が絡み合い、その果てに訪れる別れや犠牲が、コブラの冒険をよりドラマティックに際立たせます。

女性キャラクターとの出会いと別れを通して、コブラの人間性、そして彼が抱える孤独や哀愁が強調される点も、このシリーズの重要な特徴といえるでしょう。

銀河をまたぐ舞台設定

舞台は一つの惑星にとどまらず、銀河全体へと広がります。荒廃した辺境の惑星、豪奢な都市型コロニー、古代文明の遺跡が眠る星など、エピソードごとに多彩な背景が描かれ、視聴者はまるで宇宙旅行をしているかのような感覚を味わえます。

これらの舞台設定は単なる背景ではなく、物語のテーマやキャラクターの葛藤を映し出す装置としても機能しています。例えば、豊かさと腐敗が同居する都市コロニーは「自由の代償」を、荒廃した惑星は「希望なき世界における一筋の光」を象徴しているのです。

自由と孤独というテーマ

ストーリー全体を通して繰り返し描かれるのは「自由」と「孤独」の対比です。コブラは常に自らの自由を求め、誰にも縛られずに宇宙を駆け巡ります。しかしその一方で、自由を得る代償として深い孤独を背負い続けています。

この二面性は、彼が出会う女性たちや敵との関わりを通して浮き彫りになり、物語に哲学的な深みを与えています。アクション満載のスペースオペラでありながら、人生観や価値観を問いかけるような奥行きが、本作のストーリーの魅力の一つです。

結末が示すコブラの生き様

最終的にコブラは、数多の敵を退け、幾つもの冒険を生き抜きますが、そこには「完全な勝利」や「永遠の安らぎ」は存在しません。彼はまた次の星へと旅立ち、次の戦いへと挑むのです。この終わり方は、彼の生き方そのものであり、「終わらない冒険」というテーマを象徴しています。

視聴者に残るのは、派手なアクションの余韻だけではなく、「彼はこれからもどこかの銀河で生き続けている」という想像をかき立てられる感覚です。つまり、物語は終わっても、コブラの冒険は永遠に続いていくのです。

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■ 登場キャラクターについて

主人公コブラ ― 不死身の宇宙海賊

本作の中心人物であるコブラは、左腕にサイコガンを持ち、銀河を股にかける伝説的な海賊です。かつては宇宙一の賞金首として恐れられ、銀河パトロールや海賊ギルドから命を狙われ続けていました。しかしその素性を隠すため、自らの顔を整形して一般人として暮らしていた過去があります。『COBRA THE ANIMATION』では、彼が再び冒険に舞い戻り、数々の困難に挑んでいく姿が描かれます。

コブラの最大の特徴は「強さ」と「ユーモア」の両立です。死地にあっても飄々とした態度を崩さず、敵に囲まれても皮肉や冗談を口にする。そんな余裕が、視聴者にとって“ただの強いヒーロー”ではない魅力を生み出しています。また、彼が見せる女性への優しさや仲間への思いやりは、単なるアウトローではなく「人間味あふれる冒険者」としての側面を際立たせています。

アーマロイド・レディ ― 鋼鉄の相棒

コブラの右腕ともいえる存在が、アーマロイド・レディです。全身を金属に覆われたサイボーグで、冷徹かつ合理的な判断を下す戦士でありながら、コブラの無茶を支える献身的なパートナーでもあります。彼女の魅力は、冷たい鋼のボディに宿る温かな人間性です。

レディは決して感情を大きく表には出しませんが、コブラが危険に飛び込む際には迷わず援護に回り、時には厳しい忠告を投げかけます。その姿は、単なるサポートキャラを超え「もう一人の主人公」として存在感を放っています。ファンからも「レディがいるからコブラは無敵でいられる」と語られるほど、二人の関係性は本作の核といえるでしょう。

ヒロインたち ― 物語を動かす存在

『COBRA THE ANIMATION』に登場するヒロインたちは、それぞれが強い意志と独自の物語を背負っています。彼女たちは単なる“助けられる対象”ではなく、時にコブラを導き、時に彼を翻弄し、物語の推進力となる存在です。

例えば、使命のために命を懸ける女性、過去の復讐に囚われた女性、そして愛と自由を求める女性など、エピソードごとに多彩なキャラクターが登場します。コブラが彼女たちと出会い、共に行動する中で、彼自身の孤独や信念が浮き彫りになっていくのです。視聴者にとっても、ヒロインたちの運命は強い感情移入を誘い、ストーリーをよりドラマティックにします。

宿敵や悪役たち ― 魅力的な敵役の条件

コブラの冒険に欠かせないのは、彼の前に立ちはだかる強敵や悪党たちです。本作に登場する敵役は単なる“倒される存在”ではなく、それぞれが鮮烈な個性と信念を持っています。銀河を支配しようとする野望を抱く者、私欲にまみれた強欲な支配者、そして悲劇的な過去を背負った復讐者まで、敵役の多彩さが物語に深みを与えています。

コブラと敵との対決は、単なる力比べではなく「生き様と信念のぶつかり合い」です。だからこそ視聴者は、コブラの勝利に爽快感を覚えるだけでなく、敵役の生き様にも共感や哀愁を感じることができます。こうした魅力的な悪役の存在が、『COBRA THE ANIMATION』をただの勧善懲悪物語ではなく、大人の鑑賞にも耐える作品に押し上げているのです。

銀河を彩るゲストキャラクターたち

シリーズ全体に散りばめられたゲストキャラクターたちも忘れてはなりません。宇宙の片隅で自分の信念を貫く者、絶望の中でも希望を捨てない者、そして一瞬だけコブラの旅路に交差する者たち。彼らは一話限りの登場であっても強い印象を残し、物語の世界観を広げる重要な役割を担っています。

とりわけ、コブラと短い時間を共有するキャラクターが、その後のエピソードや彼の心情に影響を与える場合も多く、単なる“通りすがり”では終わらない存在感を放っています。これによって銀河という広大な舞台に、確かな「人間の営み」が感じられるのです。

キャラクター同士の関係性が生む化学反応

本作のもう一つの魅力は、キャラクター同士の関係性にあります。コブラとレディの名コンビはもちろん、ヒロインたちや敵役との対話や駆け引きが、ストーリーに躍動感を与えています。皮肉と真剣が入り混じる会話、戦いの最中に垣間見える信頼や憎悪――そうした人間関係の機微が、アクション一辺倒の作品にはない奥行きを作り出しています。

視聴者にとって印象的なのは、コブラが決して一方的に他者を支配せず、相手の信念や感情を尊重しながら自分の道を選ぶ姿です。だからこそ、キャラクター同士の関係は一過性でありながら、観る者の心に強烈な印象を残すのです。

キャラクター性が物語を超えて残すもの

最終的に、登場キャラクターたちが残すのは「銀河を舞台にした壮大なドラマ」であると同時に、「人間の生き方そのものへの問いかけ」です。自由を求める者、復讐に囚われる者、愛のために命を懸ける者。それぞれの選択がコブラの冒険と交差し、視聴者に強い印象を与えます。

『COBRA THE ANIMATION』は、単なるヒーローアニメではなく、多彩なキャラクターたちの生き様を描く群像劇としても楽しめる作品なのです。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

オープニングテーマ「COBRA THE SPACE PIRATE」

『COBRA THE ANIMATION』の幕開けを彩るのは、Sasja Antheunis が歌う英語詞のオープニングテーマ「COBRA THE SPACE PIRATE」です。この曲は、原作や旧アニメ版の持つ“スペースオペラ的な豪快さ”を損なわず、同時に2010年代らしいスタイリッシュな音作りが施されています。池頼広による作曲・編曲は、低音の重厚なベースラインとシンセサウンドを駆使し、宇宙空間を突き抜けるような広がりを演出。視聴者は冒頭数秒で「これから壮大な冒険が始まる」という期待感を一気に高められるのです。

英語詞で歌われることにより、作品の国際的なスケール感も強調されています。宇宙を舞台にした物語である以上、言語の垣根を越えた表現は非常にマッチしており、特に旧作からのファンにとっては「現代的に進化したコブラ」の姿を象徴する要素の一つとなりました。

エンディングテーマ「君の歌」

エンディングテーマは松崎しげるが歌う「君の歌」。作詞は柚木美祐、作曲は奥田もとい、編曲は上田益が担当しています。この楽曲は、オープニングの力強さとは対照的に、切なさや哀愁を前面に押し出したバラード調です。松崎しげる特有の力強い声に宿る温かさが、コブラという男の孤独と優しさを体現しており、物語の締めくくりとして非常に印象的な役割を果たしています。

視聴者にとって特に心に残るのは、激しい戦闘や駆け引きが繰り広げられた後に流れるこの曲が与える余韻です。宇宙を舞台とする荒々しい冒険の後に、人間的な感情を包み込むようなメロディが響くことで、「コブラはただの無頼漢ではなく、深い情を抱えた人物である」と強く感じさせてくれるのです。

劇中音楽(BGM)の存在感

主題歌だけでなく、本作を支えるのは数多くの劇伴(BGM)です。池頼広の手掛けるサウンドは、ジャズやロックの要素を取り入れながらも、SFらしいシンセサウンドを融合させた独特の仕上がりになっています。特に、サイコガンの発射シーンに合わせて鳴る重低音のリズムや、不穏な雰囲気を盛り上げるストリングスは、視聴者の緊張感を一気に高めます。

また、静謐なシーンで流れるピアノやアコースティックな音色は、コブラやヒロインたちの内面を映し出すように響きます。こうした音楽の緩急の付け方が、作品全体に“スペースアクション”以上の情緒的な奥行きを与えているのです。

旧作との比較における音楽性の進化

1982年に放送された『スペースコブラ』では、大野雄二の手掛けたジャズ・フュージョン調の音楽が強烈な印象を残しました。それに対し、『COBRA THE ANIMATION』はより現代的でシネマティックなサウンドデザインを採用し、映像表現との親和性を高めています。

これは、単に時代の流れによる変化ではなく、「コブラ」という作品をいかに2010年当時のアニメシーンに合わせて蘇らせるかという挑戦でもありました。結果として、旧作ファンは懐かしさを覚えつつ、新規の視聴者も抵抗なく受け入れられる音楽性が生まれたのです。

キャラクターソングやイメージソングの展開

『COBRA THE ANIMATION』では、公式にキャラクターソングが大規模に展開されたわけではありません。しかし、ファンの間では「もしレディが歌ったら」「コブラが語るように歌ったら」という想像が語られ、二次創作や同人CDといった形での広がりが見られました。

また、イメージソング的な扱いとして、松崎しげるのエンディング曲はファンの心に深く刻まれ、コブラというキャラクターのもう一つの声として受け止められています。公式があえてキャラソンに踏み込まなかったのは、作品の硬派な雰囲気を損なわないための判断とも考えられます。

視聴者の反応と音楽の評価

放送当時、音楽については賛否両論ありました。オープニングの英語詞に違和感を覚える視聴者もいれば、「コブラのスケール感をよく表している」と高く評価する声もありました。一方で、エンディング曲については多くの視聴者が「松崎しげるの熱唱が心を打つ」と絶賛し、特に世代を超えたファンから支持を集めました。

また、BGMの使い方に関しては「アクションの迫力を増幅させる」と高評価する声が多く、サイコガン発射シーンの効果音と音楽のシンクロは名場面を盛り上げる重要な要素として語り継がれています。

音楽が作品世界にもたらしたもの

総合的に見て、『COBRA THE ANIMATION』の音楽は、作品の世界観を補強するだけでなく、視聴者に強い余韻を残す役割を果たしました。宇宙を駆ける冒険の高揚感、別れや死を描くシーンの切なさ、そしてコブラという男の孤高と優しさ――それらを音楽が代弁し、映像表現と相まって心に残る体験を作り出したのです。

音楽は単なるBGMではなく、「コブラの生き様を語るもう一つの物語」として、シリーズの完成度を高める欠かせない要素だったといえるでしょう。

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■ 声優について

主人公・コブラ役 内田直哉の挑戦

『COBRA THE ANIMATION』最大の注目点のひとつは、主人公コブラの声を誰が務めるかでした。長年にわたり野沢那智が演じてきたコブラは、彼の艶やかな声と独特のテンポの取り方によって「大人の色気を纏った無頼漢」として確立されていました。しかし、野沢が病のため降板を余儀なくされたことで、内田直哉が後任を務めることとなります。

内田はすでにOVA『タイム・ドライブ』で若き日のコブラを演じており、ファンの間でも「もし交代するなら彼が適任」という期待がありました。実際の演技は、野沢の色香を模倣するのではなく、より軽快でスピーディな口調を取り入れることで、新たな時代のコブラ像を提示しました。飄々としたジョークの切れ味や、戦闘時の鋭さを際立たせる声質は、従来のイメージを引き継ぎながらも新鮮さを感じさせ、結果として多くの視聴者に受け入れられました。

アーマロイド・レディ役 榊原良子の存在感

コブラの相棒であるアーマロイド・レディを演じたのは榊原良子。彼女の声は、冷徹で硬質なキャラクターを表現するのに非常に適しており、金属の身体を持つ戦士という設定を声の響きで体現しています。特に低めのトーンで放たれる台詞は、冷たい鋼のような質感を想起させる一方で、時折見せる優しさや情感を織り交ぜることで「無機質に見えて人間味を持つ存在」という複雑さを際立たせました。

榊原の演技は単なるロボット的な冷静さではなく、「仲間を支える献身」と「時に突き放す厳しさ」を兼ね備えており、コブラとレディの掛け合いを魅力的にする大きな要素となっています。

シークレット役 坂本真綾の新風

シリーズに新たな風を吹き込んだのが、シークレットを演じた坂本真綾です。透明感のある声質は、宇宙を駆ける物語に清新な印象を与え、ベテラン声優陣に囲まれた中で異彩を放ちました。彼女の演技は、キャラクターの神秘性や強い意志を表現し、視聴者の記憶に残る存在感を示しています。

坂本の演技によって、作品は古典的なハードボイルドな空気を残しつつも、新しい時代のアニメとしての魅力を獲得しました。

ゲストキャラクターを支える声優陣

『COBRA THE ANIMATION』では、各エピソードごとに登場する個性的なゲストキャラクターを演じる声優陣の豪華さも見逃せません。山口眞弓、白石涼子、井上麻里奈、日下由美、本田貴子、皆川純子、折笠富美子といった多彩な実力派声優が参加し、それぞれのキャラクターに命を吹き込みました。

これらの声優の起用は、作品のバリエーション豊かなエピソードを支える上で欠かせないものでした。例えば、一話限りの登場であっても強烈な印象を残す演技は、コブラの冒険が「出会いと別れの連続」であることを観客に強く意識させます。

旧シリーズとの比較

1982年の『スペースコブラ』では、野沢那智と小山茉美らによる演技が作品に深い影響を与えました。それと比較すると、『COBRA THE ANIMATION』は、より現代的な声優陣による演技を取り入れています。演技のテンポや間合い、声の明瞭さなどは2010年代のアニメらしい仕上がりであり、旧作にあった「芝居がかった重厚さ」を軽やかに刷新したといえるでしょう。

とはいえ、完全に切り替えるのではなく、コブラらしさを損なわない工夫も施されています。これは、旧来のファンにとっても納得感を与える重要な要素でした。

ファンの反応

声優交代や新キャストの起用について、放送当時のファンの間では大きな話題となりました。特にコブラ役の内田直哉については「野沢那智の声と違う」と戸惑う意見もありましたが、一方で「軽快で新しいコブラ像」として受け入れる声も多数を占めました。榊原良子演じるレディに関しては、ほぼ一致して「理想的な配役」として高評価を得ています。

こうした評価は、作品の完成度だけでなく「声優がキャラクターの新たな魅力をどう引き出したか」という点に注目が集まった証拠でもあります。

声優陣が残したもの

最終的に、『COBRA THE ANIMATION』に出演した声優たちは、それぞれのキャラクターを独自の解釈で演じ、物語に厚みを与えました。旧作からの継承と刷新、新旧ファンの期待に応える姿勢が融合し、このシリーズは声優の面から見ても記念碑的な意味を持つ作品となったのです。

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■ 視聴者の感想

旧作ファンからの期待と戸惑い

『COBRA THE ANIMATION』が放送された2010年当時、まず声を上げたのは1982年放送の『スペースコブラ』をリアルタイムで見ていた往年のファンでした。彼らにとって本作は“懐かしさと新しさの融合”として強い期待を寄せる一方で、声優交代や演出の変化に戸惑いもあったのです。「野沢那智でなければコブラではない」と語る意見も散見されましたが、それでも内田直哉の軽妙な演技に触れるうちに「これはこれで新しいコブラだ」と受け入れる声が徐々に増えていきました。

当時の掲示板やアニメ雑誌では、「作画が思ったよりも現代風に寄っている」「昔の出崎演出の影を求めてしまう」といった比較的シビアな意見もありましたが、同時に「原作のエピソードを忠実に再現してくれて嬉しい」という歓迎の声も多く、賛否を含めて熱量の高い議論が巻き起こっていました。

新規視聴者にとっての“入門編”

一方で、本作を初めて触れる世代にとって『COBRA THE ANIMATION』は“コブラ入門編”として機能しました。特に深夜アニメ枠やBS放送に親しんでいた若年層にとって、SFアクション作品でありながらも軽妙な会話劇やバディ関係が中心に描かれるスタイルは新鮮に映ったようです。「最近のアニメとは違う硬派な雰囲気が逆に新鮮」「一話完結形式だから途中からでも見やすい」といった感想が寄せられ、コブラというキャラクターの魅力が新たな世代に浸透していきました。

さらに、当時はインターネット動画配信が広がりつつある時期であり、BS11で見られなかった地域の視聴者も再放送やネット配信で作品に触れることが可能でした。こうした環境も新規層を取り込みやすくしていたと言えるでしょう。

アクションシーンの迫力への評価

視聴者から特に高評価を得たのはアクションシーンの描写です。サイコガンの発射シーンや格闘戦の迫力は「これぞコブラ!」と称賛され、多くのファンがSNSや感想サイトで絶賛しました。BGMや効果音とのシンクロも相まって、戦闘シーンの緊張感が一層高められており、「毎話クライマックスで鳥肌が立った」という意見も少なくありませんでした。

一方で、作画のクオリティに関してはエピソードによって波があったのも事実です。ファンの間では「神作画回」と呼ばれる回が話題になる一方、「もう少し力を入れてほしかった」という不満も見られました。それでも、総じて「アクション演出は現代風に進化している」と前向きに受け止められたケースが多かったようです。

物語のテンポと情報量についての議論

物語のテンポについても多様な感想が寄せられました。原作を忠実に再現する一方で、テレビ放送用にカットや改変が行われたため、「駆け足に感じる」という声もありました。しかし逆に、「無駄が削がれてテンポが良い」「原作を知らなくても理解しやすい」と評価する意見も多く、受け止め方は視聴者の立場によって異なっていたようです。

また、コブラの軽妙な台詞回しは作品の大きな魅力であり、「シリアスな場面でも思わず笑わせてくれる」「小粋なジョークがアクセントになっている」と好意的に語られました。こうした“台詞の魅力”に惹かれた視聴者も多く、キャラクターの会話劇がアクションに劣らず強い印象を残したといえるでしょう。

女性キャラクターへの共感と支持

ヒロインたちに対する感想も多彩でした。アーマロイド・レディの強さと包容力に魅了される声はもちろんのこと、エピソードごとに登場する女性キャラクターの個性やドラマに心を動かされた視聴者も少なくありません。「登場時間は短いのに深く印象に残る」「女性キャラの描写がドラマを支えている」といった感想は、本作が単なるアクションアニメではなく“人間模様を描く作品”であることを示しています。

また、一部のファンは「女性キャラの運命が切ない」「もっと幸せになってほしかった」と感情移入しすぎて落ち込んでしまったという声もあり、キャラクターへの愛着の深さをうかがわせます。

総合的な満足感と評価

最終的に、多くの視聴者が『COBRA THE ANIMATION』を「往年の名作を現代的に蘇らせた挑戦」として肯定的に評価しました。旧作との比較において厳しい意見はあったものの、全体としては「コブラの世界観を再び堪能できた喜び」が大きく上回っていたのです。

とりわけ、声優陣の新しい解釈や映像技術の進化、そして原作エピソードの再現度の高さは、ファンにとって“安心できる要素”となり、シリーズの魅力を再認識させる結果となりました。

放送後の再評価

放送終了後も、本作は再放送やDVD・Blu-ray化を通じて新たなファンを獲得していきました。時が経つにつれて「当時は賛否あったが、今振り返ると完成度が高い」「新旧ファンを繋げる役割を果たした」といった再評価の声が増加しています。

インターネットのレビューサイトや動画配信サービスのコメント欄でも、「今見ても古びない」「むしろ今の時代に合っている」と肯定的な感想が目立ち、作品が持つ普遍的な魅力を裏付けています。

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■ 好きな場面

サイコガン発射の瞬間

『COBRA THE ANIMATION』における最大の見せ場といえば、やはり主人公コブラが左腕に隠したサイコガンを解放する瞬間です。多くの視聴者が「待っていました!」と感じる場面であり、光のエフェクト、炸裂音、敵が吹き飛ぶカタルシスが一体となって迫力を生み出しています。特に本作ではデジタル技術を駆使して光線の伸びや衝撃波をリアルに描き出しており、「旧作よりもパワーアップしている」と驚きの声が多く寄せられました。視聴者は単なるアクションシーンを超えて、“伝説の武器が再び放たれる瞬間”を目撃する感覚を味わったのです。

アーマロイド・レディの献身

もう一つ強い印象を残したのは、アーマロイド・レディがコブラのために命懸けで戦うシーンです。鋼鉄の体で敵弾を受け止める姿や、冷静に状況を分析しつつも時に自らを犠牲にしてでも彼を守ろうとする姿は、多くのファンの胸を打ちました。レディは冷徹に見えて、実際には誰よりも仲間思いであり、コブラの無茶を支える存在であることがはっきりと描かれています。SNSや掲示板には「レディがいるからこそコブラは生き延びられる」「二人の絆が一番の見どころ」という感想が相次ぎました。

ヒロインたちとの別れの場面

エピソードごとに登場する女性キャラクターとの別れも、視聴者の心に深く残った場面です。彼女たちは愛や使命、復讐や希望といった動機を抱いてコブラと関わり、その短い時間で強い印象を残します。しかし物語の結末は多くの場合、彼女たちが犠牲になったり離れ離れになったりする悲しい別れに至ります。その切なさが、コブラという人物の孤独を際立たせ、視聴者に強烈な余韻を残しました。「美しいけれど残酷な結末がコブラの宿命を表している」という意見も見られます。

軽口と真剣さの同居

コブラが敵に囲まれた絶体絶命の場面で、飄々としたジョークを飛ばすシーンも人気があります。緊張感を破壊するようでいて、実はその軽口が彼の生き残るための戦略でもあるのです。こうした場面は、キャラクターのユーモアと度胸を同時に見せることになり、ファンからは「笑いながら痺れる」「これぞコブラ」と賞賛されました。特に、戦いの最中に見せる余裕の笑みや、皮肉混じりのセリフは名台詞として語り継がれています。

宇宙空間の美しいビジュアル

戦闘や人間ドラマだけでなく、宇宙を舞台にした背景美術の美しさも視聴者の「好きな場面」として挙げられます。星々が瞬き、銀河が渦を巻く広大な空間を、タートル号が駆け抜けるシーンは圧巻で、「この映像を見るだけで満足」と語るファンも多くいました。宇宙をただの舞台装置としてではなく、登場人物の心情を反映する“もう一つの登場人物”として描いた点が評価され、「孤独や自由の象徴としての宇宙」を感じ取った視聴者も少なくありません。

敵役との信念のぶつかり合い

本作に登場する悪役たちとの対決シーンも、多くのファンの記憶に残っています。彼らは単なる障害ではなく、己の信念や野望を持つ存在として描かれるため、戦いは単なる勝ち負けを超えた意味を持ちます。ある敵は力による支配を信じ、ある者は復讐のために生き、またある者は愛を歪めて力に変える――そんな多様な敵とコブラが対峙する場面は、観る者に「もし自分ならどう選ぶか」と問いかけてきます。

ラストに漂う余韻

最終話でコブラが再び旅立っていくシーンは、多くのファンにとって忘れがたい場面です。決して安住の地を得ることなく、再び未知の冒険へと向かう彼の姿は、作品全体のテーマである「自由」と「孤独」を象徴しています。視聴者は「この物語は終わったけれど、コブラの旅はまだ続いている」と感じ取り、その余韻に浸ることができました。この終わり方に対しては「寂しいけれどコブラらしい」「永遠に終わらない冒険に胸が熱くなる」といった感想が寄せられました。

視聴者が選ぶ“名シーン”の多様さ

興味深いのは、ファンによって「好きな場面」が多岐にわたることです。派手なアクションを挙げる人もいれば、静かな会話のシーンを心に残している人もいます。それは本作が単なるスペースアクションではなく、アクション・ドラマ・ユーモア・哀愁が一体となった作品であることを示しています。こうした多層的な魅力が、幅広い世代の支持を集めた理由の一つなのです。

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■ 好きなキャラクター

コブラ ― 永遠のアウトロー

視聴者の多くがまず挙げるのは、やはり主人公のコブラです。彼の魅力は一言でいえば「破天荒さ」と「人間味」の両立にあります。死地に立たされても飄々としたジョークを飛ばし、敵を翻弄する余裕を見せながら、実際には仲間や女性を決して見捨てない義理堅さを秘めています。ファンの間では「こんな風に自由に生きたい」「ピンチでも笑える強さに憧れる」といった共感の声が絶えません。

さらに注目されるのは、彼の孤独です。宇宙を舞台に無限の冒険を繰り広げる自由を手にしている一方で、その代償として深い孤独を背負っている姿に惹かれる人も多いのです。視聴者の中には「無責任に見えて、実は誰よりも責任を背負っている」と語る人もおり、単なる派手なヒーローではなく“人間くさいヒーロー”として人気を博しています。

アーマロイド・レディ ― 冷徹にして温かい相棒

次に多くの支持を集めたのが、アーマロイド・レディです。全身が鋼鉄に覆われたサイボーグでありながら、コブラに寄り添い続ける姿は視聴者にとって強い印象を残しました。「冷たい金属の体に、人間以上の温かさを持っている」という評価が数多く寄せられ、彼女の存在そのものが“無敵の相棒”であると同時に、コブラの孤独を和らげる大切な存在だと受け止められています。

レディは視聴者に「強い女性像」のひとつを提示しました。感情に振り回されることなく冷静に戦況を分析し、時には命を懸けてコブラを守る。その姿勢が「理想のバディ」として共感を呼び、「彼女がいるからこそコブラは自由に暴れられる」という感想が非常に多く見られました。

魅力的なヒロインたち

各エピソードに登場するヒロインたちも、ファンの心を掴んで離しませんでした。短い出番であっても、それぞれが強い意志や背景を持っており、コブラの冒険に深みを与えています。「一話だけの登場なのに強烈に印象に残った」「ヒロインたちの運命が切なくて心に残る」といった感想が目立ちました。

特に、愛や使命感を抱えながら散っていく女性キャラクターたちは、視聴者に強い感情移入をもたらし、「彼女たちの存在こそコブラの物語を輝かせる」と評価されています。

悪役キャラクターの人気

意外にも、本作では悪役に対しても高い人気が寄せられています。海賊ギルドの幹部や野心家の独裁者など、コブラの前に立ちはだかる敵役は単なる障害ではなく、強い信念や個性を持った存在として描かれているからです。「敵なのにカッコいい」「やられても印象に残る悪党」といった感想が寄せられ、むしろ彼らの存在があるからこそコブラの魅力が際立つと語るファンも多くいました。

特に信念を曲げない悪役や、悲しい過去を背負った敵は「敵であるにもかかわらず共感してしまう」という声が多く、単純な勧善懲悪ではない本作の奥深さを示しています。

ゲストキャラクターの輝き

一話限りの登場でありながら、多くの視聴者の記憶に残ったキャラクターもいます。辺境の惑星で出会う孤独な戦士、絶望の中で希望を探す女性、そしてコブラに短い間だけ協力する無名の人物たち。彼らはメインキャラクターのような派手さはありませんが、その一瞬の存在感が物語を支える重要な役割を果たしました。

ファンの間では「一話だけなのに忘れられない」「脇役にも厚みがあるから世界が広がる」と評価され、群像劇的な魅力が称賛されています。

視聴者が選ぶ“推しキャラ”の多様さ

興味深いのは、ファンが選ぶ「推しキャラ」が非常に多様であることです。コブラやレディといったメインキャラクターだけでなく、ヒロインや悪役、さらにはゲストキャラクターまで幅広く支持されました。これは、作品がそれぞれのキャラクターに十分な背景や個性を与えているからにほかなりません。

「自分は悪役に惹かれた」「ヒロインの悲劇に感情移入した」「レディの強さに憧れる」といった多様な感想は、『COBRA THE ANIMATION』がキャラクター描写において成功していたことの証明でもあります。

キャラクター人気が作品全体に与えた影響

最終的に、キャラクターたちの魅力は作品の人気そのものを支える大きな要素となりました。物語を引っ張る主人公と相棒、彩りを添えるヒロインたち、緊張感を与える悪役、そして深みをもたらすゲストキャラクター――それぞれが視聴者の心に刻まれ、「お気に入りのキャラクターがいるから作品を見続けられた」という声も多く寄せられました。

『COBRA THE ANIMATION』は、キャラクターひとりひとりの魅力を丁寧に描いたからこそ、今なお語り継がれる存在となっているのです。

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■ 関連商品のまとめ

映像関連商品 ― DVD・Blu-ray・配信での展開

『COBRA THE ANIMATION』の関連商品で最も注目を集めたのは、やはり映像ソフトです。2010年の放送終了後すぐにDVDシリーズが発売され、全話を収録したコンプリートボックスもリリースされました。当時のファンにとっては「テレビ放送では録画できなかった地域でも観られる」「特典映像やブックレットで作品世界を深堀りできる」といった魅力が大きく、コレクションアイテムとして高い人気を誇りました。

さらに、Blu-ray化に際しては映像のリマスターが行われ、宇宙空間やアクションシーンの迫力がより鮮明に描かれるようになりました。特典として、ノンクレジット版のオープニングやエンディング、キャラクター設定資料のミニ画集なども同梱され、「旧作ファンにも嬉しい」と高い評価を得ています。2020年代以降は配信サービスでも視聴可能となり、ディスクを持たない世代でも手軽に楽しめる環境が整いました。

書籍関連 ― 原作漫画やアニメ資料集

寺沢武一による原作漫画『コブラ』は、アニメ放送をきっかけに新装版や復刻版が再び注目を集めました。特に「ギャラクシーナイツ編」など、本作の原作となったエピソードを収録した単行本は「アニメと比較して楽しめる」として人気が高まりました。

加えて、アニメの制作過程をまとめたムック本や、キャラクターデザイン画稿、設定資料を収録したビジュアルブックも発売されました。ファンの中には「アニメの魅力はもちろん、制作陣の情熱を知ることができる」と語る人も多く、こうした資料は作品研究や二次創作を行う層にとっても貴重なアイテムとなっています。

音楽関連 ― 主題歌とサウンドトラック

音楽面では、オープニングテーマ「COBRA THE SPACE PIRATE」(歌:Sasja Antheunis)と、エンディングテーマ「君の歌」(歌:松崎しげる)がCDとしてリリースされました。特に松崎しげるの力強い歌声は多くの視聴者に感動を与え、「エンディングで泣きそうになった」という声も多く寄せられました。

また、劇中BGMを収録したサウンドトラックアルバムも発売され、ファンは作品を耳からも楽しむことができました。ネット配信による楽曲提供も行われ、アニメ放送から年月を経てもなお、音楽は作品の記憶を呼び覚ます大切な要素として支持されています。

ホビー・フィギュア関連商品

コブラとアーマロイド・レディを立体化したフィギュアや、ミニサイズのコレクションアイテムも販売されました。特にレディのスタチューは造形美と重厚感で高い評価を受け、「飾っているだけで存在感がある」とファンから絶賛されました。

また、ガチャガチャや食玩で入手できる小型フィギュアも展開され、手軽に楽しめるグッズとして人気でした。コブラがサイコガンを構えるポーズや、レディが銃を手に戦闘態勢を取るポーズなど、アニメの名場面を切り取った造形が多く、ファンのコレクション欲を刺激しました。

ゲームやボードゲームとのコラボ

『COBRA THE ANIMATION』単体での家庭用ゲーム化は実現しませんでしたが、スマートフォン向けのカードバトルゲームやソーシャルゲームでコラボイベントが行われ、キャラクターカードが限定配布されました。これにより「懐かしのキャラに再会できる」とファンの間で話題になりました。

さらに、テーブルトークRPGやボードゲームファンの間では、非公式ながら「コブラ世界観を再現した冒険シナリオ」が作られるなど、ゲーム文化との結びつきも見られました。

日用品・文房具・雑貨

アニメ放送時には、クリアファイル、ポスター、Tシャツ、マグカップなどのグッズも販売されました。特にサイコガンを模したデザインのマグカップや、レディのシルエットが描かれたTシャツは人気が高く、イベント限定アイテムとして高値で取引されることもありました。

文房具では、下敷きやノート、カレンダーが登場し、学生ファンを中心に支持を集めました。「学校で使えるアニメグッズ」として、当時のアニメグッズ市場を賑わせた存在です。

食品・キャンペーン商品

限定的ではありますが、コンビニやイベント会場では『COBRA THE ANIMATION』とタイアップしたキャンペーンも行われました。コラボドリンクのラベルや、スナック菓子に付属するステッカーがファンの収集対象となり、「小物だけど捨てられない」という声が多くありました。こうした食品コラボは短命でしたが、当時のファンにとっては「身近にコブラを感じられる機会」として記憶に残っています。

総合的な関連商品の価値

『COBRA THE ANIMATION』の関連商品は、映像・音楽・書籍・ホビー・日用品と多岐にわたり、ファンのさまざまなニーズに応える形で展開されました。特にBlu-rayやフィギュアのように“長く残る商品”はコレクター性が高く、今なお中古市場で注目を集めています。

また、商品展開は単なる商業活動にとどまらず、ファンが作品に再び触れるきっかけを作り、長く愛される土壌を築いたと言えるでしょう。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

映像関連商品の市場動向

『COBRA THE ANIMATION』の関連グッズの中でも特に取引が盛んなのは、やはり映像商品です。DVD-BOXやBlu-rayセットは発売当初から人気が高く、現在でもヤフオクやメルカリなどで一定の需要があります。特に限定版や初回生産分はプレミア化する傾向が強く、保存状態の良いものは定価を上回る価格で取引されることも珍しくありません。 例えば、アニメ本編と特典映像を収録したコンプリートBOXは1万円台から2万円台での落札例が多く、未開封品はさらに高騰する傾向にあります。Blu-ray版は映像の鮮明さから需要が根強く、「高画質で再視聴したい」というファンにとって外せないアイテムとなっています。

書籍・資料集の中古価格

アニメ関連書籍やムック本も中古市場で安定した需要があります。放送当時に発行されたビジュアルガイドや設定資料集は発行部数が限られているため、希少性が高く、コレクターの間では数千円規模での取引が一般的です。特にキャラクターデザイン画や美術設定が収録されたムックは人気が高く、保存状態が良ければ5,000円以上で落札される例も確認されています。 また、寺沢武一の原作漫画の復刻版や新装版は中古市場でも入手しやすい一方、初版や帯付きのものは「ファン垂涎のアイテム」としてコレクション対象となり、通常より高値で取引されています。

音楽関連商品の価値

主題歌やサウンドトラックCDも、一定のコレクター需要があります。特に松崎しげるが歌うエンディングテーマ「君の歌」のシングルCDは、松崎のファン層からも支持されており、未開封品はプレミア価格で取引されることもあります。サウンドトラックアルバムは流通量が少なめだったため、出品自体が珍しく、オークションに登場すると競争が激しくなりやすいアイテムです。 一方で、デジタル配信が普及したことで実際に音楽を聴くだけなら容易になったため、「物理パッケージを持ちたい」という層に需要が集中しているのが特徴です。

フィギュア・ホビー商品の人気

アクションフィギュアやスタチューも中古市場で高い人気を誇ります。特にアーマロイド・レディの立体化アイテムは完成度の高さから評価が高く、発売当時以上の価格で取引されることもしばしばです。コブラのサイコガン発射ポーズを再現したフィギュアも需要が高く、未開封品は1万円を超えるケースも見られます。 ガチャガチャや食玩の小型フィギュアも根強い人気があり、コンプリートセットは数千円規模での取引が相場です。こうした小物はファンが気軽に集めやすいため、まとめ売りやバラ売りで頻繁に見かける商品群となっています。

日用品・雑貨の市場

文房具やTシャツ、マグカップといった雑貨類も、中古市場では一定の需要があります。特にイベント限定で販売されたアイテムや、数量限定キャンペーングッズはコレクターズアイテムとして人気が高く、希少性によっては数千円から1万円を超える値が付くこともあります。 ただし、文房具や衣類などの消耗品は使用感があると価格が下がりやすいため、未使用品や未開封品の価値が飛び抜けて高いのが特徴です。

フリマアプリでの動向

近年ではヤフオクに加え、メルカリやラクマといったフリマアプリでの取引も活発です。フリマアプリの利点は、個人同士のやり取りが手軽にできるため出品点数が多く、掘り出し物を見つけやすい点にあります。逆に言えば、出品者によって価格設定に差があり、相場より高額なケースや、破格の安値で出品される場合も見られます。コレクターにとっては、タイミング次第で非常にお得な買い物ができる場となっています。

総合的な評価

総じて『COBRA THE ANIMATION』関連商品は、作品のファン層が安定して存在しているため中古市場での需要が根強いといえます。特に「保存状態の良さ」「限定特典の有無」「初回生産品かどうか」が価格を大きく左右するポイントです。 ファンの間では「当時買えなかったものを今こそ手に入れたい」という需要が強く、今後も一定の市場価値を保ち続けると予想されます。映像ソフトやフィギュアは資産性が高く、資料集やCDは希少性によって価値が変動しやすいため、コレクターにとっては常に注目すべきジャンルです。

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