【名前】:因幡てゐ
【種族】:妖獣(妖怪兎)
【活動場所】:迷いの竹林
【二つ名】:地上の兎、幸運の素兎、飛び跳ねる兎の大群、巧言令色の素兎
【能力】:人間を幸運にする程度の能力
【テーマ曲】:お宇佐さまの素い幡
■ 概要
幻想郷の「兎」というイメージを一筋縄では終わらせない妖怪兎
『因幡てゐ』は、同人ゲームを中心として展開される『東方Project』に登場する妖怪兎であり、幻想郷の南西方面に広がる「迷いの竹林」と、その奥深くに建つ「永遠亭」を主な生活圏としているキャラクターである。一見すると小柄で愛らしい少女の姿をしており、頭には大きな兎の耳を持つため、第一印象だけなら無邪気で親しみやすい存在に映る。しかし、その外見だけで彼女の本質を判断すると大きく見誤ることになる。てゐは単なる可愛らしい兎の妖怪ではなく、非常に長い年月を生きてきた古参の妖怪であり、多数の地上の兎たちをまとめる立場にあるうえ、相手の心理を読んで嘘や悪戯を仕掛けることにも長けている。『東方Project』では外見と実際の年齢や経験が一致しない人物は珍しくないが、因幡てゐもその代表例の一人といえるだろう。
彼女が特徴的なのは、「長寿の妖怪」「兎たちのリーダー」「幸運をもたらす存在」「嘘や悪戯を好む策士」という、一見すると別々に見える性質が一人のキャラクターの中で自然に共存している点である。善良な幸運の象徴としてだけ描かれるわけでもなければ、単純な悪戯好きとして片付けられるわけでもない。誰かを煙に巻きながら自分だけ得をしようとする抜け目のなさを見せる一方、迷いの竹林やそこに暮らす兎たちについては非常に深い知識と影響力を持つ。軽妙な言動の奥側に長い経験としたたかな生存能力が隠れていることこそ、因幡てゐというキャラクターを理解するうえで重要な部分なのである。
『東方永夜抄』で姿を現した永遠亭側の古参キャラクター
因幡てゐがゲーム作品で初めて登場したのは、東方Project第8弾にあたる弾幕シューティングゲーム『東方永夜抄 ~ Imperishable Night.』である。同作ではStage 5の道中に姿を現す中ボスという位置付けで登場する。Stage 5は、それまで謎に包まれていた異変の中心へと主人公たちが急速に近づいていく重要な局面であり、舞台も永遠亭へ移行していく。その途中で登場するてゐは、物語上で長い会話を交わすボスではないものの、永遠亭に関係する人物たちの領域へ踏み込んだことをプレイヤーに印象付ける存在となっている。
『永夜抄』での出番だけを見ると短く感じられるかもしれないが、後の作品ではその立場が大きく広がった。『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』では操作可能なキャラクターとして登場し、そこで彼女自身の言動や考え方がより具体的に描かれている。さらに弾幕撮影作品や公式書籍、漫画などにも顔を見せることで、単なる「永夜抄の中ボス」に留まらないキャラクターへ成長していった。シリーズ全体を通して見ると、永遠亭周辺の日常や地上の妖怪兎たちの社会を描写する際に欠かせない存在となっている。
特に興味深いのは、永遠亭に住んでいるからといって、てゐが八意永琳や蓬莱山輝夜によって生み出された存在でも、月から連れてこられた兎でもないという点である。彼女はもともと地上側に存在していた妖怪兎であり、迷いの竹林と深く結び付いて生きてきた存在である。そのため、永遠亭に暮らす主要人物の中でも独自の背景を持っており、月の都との関係を中心に語られる永琳・輝夜・鈴仙とは少し異なる立ち位置にいる。
長く生き続けたことで妖怪となった、非常に古い地上の兎
因幡てゐの種族は「妖怪兎」である。もともとは普通の兎だったとされているが、健康に気を配りながら長い年月を生き続けた結果、やがて妖怪としての力を獲得したという珍しい経歴を持つ。幻想郷にはさまざまな理由によって妖怪となった存在が登場するが、てゐの場合は「生き続けたことそのもの」が妖怪化へ結び付いている点が面白い。
しかも、彼女の長寿ぶりは見た目から想像できる範囲を大きく超えている。幻想郷の古い記録にも存在が確認されているとされ、幻想郷の中でも相当に長い時間を生きている妖怪の一人として扱われている。そのため、小柄な少女らしい外見をしていても、実際には人間の一生を何度も見送れるほどの時間感覚と経験を蓄積していると考えた方が自然である。
この長い経験は、彼女の狡猾さにもつながっていると考えられる。てゐは単純に頭の回転が速いだけではなく、相手がどのように考え、何を信じ、どの場面で油断するのかを見極める能力に優れている。冗談、嘘、悪戯、駆け引きなどを好む性格は幼さの表れというより、むしろ長年を生き抜いて身につけた独特の処世術として見ることもできる。見た目は子供らしく振る舞いながら、内側には老獪とも呼べる判断力を隠している。この落差が、てゐの大きな魅力になっている。
迷いの竹林に暮らす大量の兎をまとめるリーダー
てゐは永遠亭で暮らしている大量の兎たちをまとめるリーダー的存在でもある。普段の彼女には自由奔放で組織運営などとは無縁に見えるところがあるものの、地上の兎たちから見れば明確に上位へ位置する存在であり、長く生きてきた経験や竹林に関する知識、妖怪としての力量などを考えれば、その地位は決して飾りではない。
迷いの竹林は、名前が示す通り非常に迷いやすい場所として知られている。竹が密集して視界を遮り、似たような景色が続くため、土地勘を持たない者が容易に進める場所ではない。ところが、てゐにとってこの竹林は長年暮らしてきた庭のようなものである。人間や他の妖怪には複雑な迷路にしか見えない環境でも、彼女はその中で自在に活動できる。この地理的な優位性もまた、てゐが竹林において独特の存在感を持つ理由の一つである。
永遠亭の住人としては、蓬莱山輝夜、八意永琳、鈴仙・優曇華院・イナバらと行動を共にする機会が多い。しかし、てゐ自身は彼女たちが永遠亭へ来る以前から地上で活動していた存在であり、永遠亭そのものに完全に従属しているというより、自分たち妖怪兎の集団と生活圏を維持しながら永遠亭側と共存している人物として理解すると分かりやすい。永琳たちに対して一定の協力関係を保ちつつも、いつでも自分自身の利益や面白さを優先しかねない自由さを持っているところが、彼女らしい部分である。
「人間を幸運にする程度の能力」が生み出す幸運の象徴
因幡てゐが持つ能力として知られているのが、「人間を幸運にする程度の能力」である。戦闘に直接結び付く破壊的な能力ではなく、名前の通り人間へ幸運を与えるという極めて珍しい性質を持っている。迷いの竹林でてゐの姿を見ることができた人間は幸運に恵まれるともいわれ、竹林から無事に脱出できることさえ、その恩恵の一つとして考えられている。
しかし、この能力が面白いのは「幸運を与える存在本人が、必ずしも親切で誠実ではない」という点である。てゐは嘘や悪戯を好み、人をからかったり、自分に都合よく物事を運ぼうとしたりすることが少なくない。普通なら、幸運を象徴するキャラクターには善良さや神聖さが与えられそうなところだが、てゐの場合はまったく異なる。本人は人間へ幸福をもたらし得るほど縁起の良い妖怪でありながら、その本人と関われば悪戯に巻き込まれる可能性も高い。この矛盾するような組み合わせによって、単純な「ラッキーキャラクター」では終わらない個性が形成されている。
可愛らしさ・古参妖怪としての重み・狡猾さが同時に成立する存在
因幡てゐを総合的に見ると、彼女は「見た目より遥かに奥行きのあるキャラクター」と表現できる。幼い少女を思わせる姿、大きな兎耳、軽快な言動などから、初めて見た人には可愛らしいマスコット的存在として認識されやすい。しかし設定を追っていくと、その印象は大きく変化する。彼女は非常に長く生きてきた妖怪であり、迷いの竹林を知り尽くし、大量の兎を率い、人間へ幸運を与える力を備え、さらに相手を翻弄するほどの抜け目なさまで持ち合わせている。
また、永遠亭組の中でも独特の役割を担っている点も重要である。蓬莱山輝夜には月から追放された姫という背景があり、八意永琳には月の頭脳と呼ばれるほどの知識と薬師としての立場があり、鈴仙には月から逃亡した月兎という過去がある。それに対して、てゐは地上そのものに根差して生きてきた妖怪兎である。つまり永遠亭の主要人物を一つの集団として見たとき、彼女は「幻想郷の地上側」と「永遠亭」をつなぐような役割を担っているともいえる。
ゲーム上では中ボスとして始まったキャラクターでありながら、その後の作品や書籍によって性格、能力、生活、交友関係などが積み重ねられ、現在では永遠亭を代表する人物の一人として強い存在感を持つようになった。嘘つきで悪戯好きなのに幸運を運び、子供のように見えるのに非常に長寿で、軽い雰囲気なのに兎の集団を率いる実力者でもある。こうした相反する要素をいくつも抱えながら、それらが不自然に衝突せず、一人の「因幡てゐ」という人物像へまとまっていることこそが最大の魅力である。
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■ 容姿・性格
一目で「兎」と分かる素朴さと、幻想郷らしい少女像を組み合わせた外見
因幡てゐの容姿を特徴付けている最大の要素は、何といっても頭から伸びた大きな兎の耳である。『東方Project』には獣をモチーフとした人物が数多く登場するが、てゐの場合は複雑な装飾を大量に身に着けるタイプではなく、「少女の姿をした妖怪兎」という設定が非常に分かりやすくデザインへ落とし込まれている。短めの黒髪と大きな兎耳、幼さを感じさせる小柄な体格、淡い桃色系を中心とした簡素な服装が組み合わされ、永遠亭のほかの主要人物と並べてもすぐ見分けられる。
髪型は肩まで届かない程度の短い黒髪として描かれることが多く、整然とまとめられた髪というよりは、少し跳ねたような軽快さを感じさせる。この髪型は彼女の活動的な性格と相性が良く、竹林の中を自在に走り回る妖怪兎らしさを強調している。長い髪や華美な髪飾りを持たないため、永琳の落ち着いた知性、輝夜の姫君らしい華やかさ、鈴仙の制服風の装いと比較すると、てゐには野生に近い素朴さが残されている。
頭部の兎耳も単なる可愛らしいアクセサリーとして存在しているわけではない。人間とは明確に異なる種族であることを示す象徴であると同時に、てゐのシルエットを決定する重要な特徴となっている。小さなゲーム画面でも誰なのか認識しやすく、遠目から見ても妖怪兎であることが伝わる造形となっている。
桃色を基調とした服装が作り出す、愛嬌のある「素兎」の印象
てゐの衣装は、基本的に桃色系の半袖の服を中心とした比較的簡素なものとして描かれている。裾付近には赤色を用いた意匠が加えられるなど、全体として温かく明るい印象を持つ。豪華な装飾品や武具を身に着けているわけではなく、見た目だけなら竹林で遊んでいる普通の少女のようにも見える。
『東方永夜抄』におけるてゐはStage 5の道中に現れる中ボスであり、通常のボスキャラクターほど長時間画面へ表示されるわけではない。そのため、初登場時には細かな性格表現よりも、「竹林と永遠亭に兎の妖怪が存在する」という印象をプレイヤーへ与える役割が大きかった。一方、『東方花映塚』ではプレイヤーキャラクターとして採用されたことで、全身像やさまざまな表情を目にする機会が増え、外見的な可愛らしさと会話で見せる抜け目のない性格との落差がより明確になった。
愛嬌の裏に隠れている、極めて抜け目のない性格
因幡てゐの性格を一言で表すなら、「悪戯好きで非常に狡猾」である。しかし、この言葉だけでは彼女の魅力を十分に説明できない。てゐは単に他人を困らせることだけを目的としているのではなく、相手をからかったり、嘘を交えながら状況を自分に有利な方向へ動かしたりすることそのものを楽しんでいるような人物として描かれている。
もっとも、てゐの嘘や悪戯は常に悪意から生じているわけではない。深刻な敵意を抱いて誰かを陥れるというより、日常の中でちょっとした利益を得たり、相手の反応を楽しんだりするために知恵を使うことが多い。そのため、彼女には「信用すると危ないが、どこか憎みきれない」という独特の愛嬌がある。
また、相手が自分を子供のような存在だと思い込むことさえ、てゐにとっては利用できる状況になり得る。小柄で可愛らしい外見から油断した相手ほど、彼女の話術や策に乗せられてしまう可能性がある。外見上の幼さと内面の老獪さが正反対であることが、因幡てゐというキャラクターの重要な特徴なのである。
自由奔放に見えて、実際には非常に高い判断力を持つ妖怪
てゐは規律正しく命令へ従うタイプではない。永遠亭には八意永琳という強力な指導者がおり、鈴仙もその指示を受けながら行動しているが、てゐは彼女たちと比べてかなり自由である。必要であれば協力する一方、面白そうなことや利益につながることを見つければ、自分の判断で勝手に行動する。
ところが、この気ままさを「無責任」とだけ考えると彼女の本質を見落としてしまう。てゐは地上の妖怪兎たちを長くまとめ続けている存在であり、迷いの竹林についても深い知識を持っている。さらに永遠亭に暮らすようになった経緯を見ても、ただ保護されるだけの弱い兎とは異なる。永琳や輝夜と共存できる立場を築きながら、自分たち地上の兎の利益も確保している点からは、非常に優れた交渉力と現実感覚を持つ人物像が浮かび上がる。
『花映塚』でより鮮明になった、気まぐれでマイペースな一面
『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』は、因幡てゐの性格を理解するうえで特に重要な作品である。『永夜抄』では中ボスだったため発言の機会が限られていたが、『花映塚』では自機として使用できるようになり、さまざまな人物との会話を通じて彼女の考え方が明らかになった。
幻想郷中に大量の花が咲く異変が起きても、てゐは異変解決という重大な使命感だけで動くのではなく、自分なりの興味や気分を優先しながら外を歩き回る。強い相手に遭遇しても必要以上に萎縮せず、軽口を交えたり、自分のペースへ持ち込もうとしたりする。そこには無鉄砲さだけでなく、長い年月を生きてきた者らしい胆力も感じられる。
公式漫画では日常生活の中で悪知恵と商才がさらに際立つ
ゲーム作品以外の公式漫画や書籍では、てゐの日常的な性格がより細かく描かれる機会が増えている。異変解決を中心とするシューティングゲームでは戦闘や短い会話が中心となるが、漫画では永遠亭でどのように生活しているのか、ほかの住人へどのように接しているのかといった部分を見ることができる。
そこで目立つのが、彼女の悪知恵、商売感覚、利益に対する敏感さである。何か面白いものを見つけると、それを利用する方法をすぐに考え、自分が得をする仕組みへ変えようとする。正面から力で奪うのではなく、話術や思いつき、人々の思い込みなどを利用するところにてゐらしさがある。
鈴仙とは対照的――規律を気にする月兎と自由な地上兎
因幡てゐの性格は、鈴仙・優曇華院・イナバと比較することでいっそう分かりやすくなる。鈴仙は月から逃れてきた月兎であり、永遠亭では八意永琳の弟子として比較的真面目に仕事をこなしている。一方のてゐは地上で長く生きてきた妖怪兎であり、誰かの命令へ忠実に従うことを第一とはしていない。
鈴仙が真面目に行動すればするほど、てゐの気まぐれさが際立ち、てゐが悪戯をすればするほど、鈴仙の苦労人としての側面が強調される。その意味で二人は非常に相性の良い組み合わせである。さらに、幻想郷や竹林での生活についてはてゐの方が遥かに経験豊富であり、見た目とは逆にてゐの方が古株であることも二人の関係を面白くしている。
幼い姿と古参妖怪としての内面が生み出す最大のギャップ
てゐというキャラクターを語るうえで最も印象的なのは、外見から受ける年齢感と実際の存在としての古さがまったく一致しないことである。見た目だけなら幻想郷でも特に幼い部類へ入りそうだが、設定上は非常に長く生きており、幻想郷の歴史を長期間見続けてきた存在である。
そのため、てゐの子供らしい振る舞いをそのまま精神的な幼さと考える必要はない。むしろ彼女の場合、長く生きているからこそ物事を深刻に受け止めすぎず、人生そのものを遊びのように楽しんでいる可能性すら感じさせる。可愛らしい姿で笑いながら近づいてきたかと思えば、いつの間にか相手を自分の策略へ巻き込み、気付いた頃には本人だけ得をしている。それでも完全には嫌われず、地上の兎たちからはリーダーとして認められている。
外見だけを見れば親しみやすい妖怪兎、少し付き合えば悪戯好きな問題児、さらに深く設定を知れば幻想郷でも相当に古い歴史を持つしたたかな古参妖怪へと印象が変化していく。この「知れば知るほど第一印象から遠ざかっていく構造」こそ、因幡てゐという人物を魅力的にしている最大の要素の一つといえるだろう。
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■ 二つ名・能力・スペルカード
「地上の兎」という二つ名が示す、月の兎とは異なる出自
因幡てゐには、登場作品や公式資料によって彼女の特徴を端的に表現した複数の二つ名が与えられている。その中でも、てゐという人物の立ち位置を理解するうえで重要なのが「地上の兎」という呼び方である。永遠亭には同じ兎の姿を持つ鈴仙・優曇華院・イナバが暮らしているものの、鈴仙が月の都から幻想郷へ逃れてきた「月の兎」であるのに対し、てゐは遥か以前から地上に生きてきた妖怪兎である。この違いを非常に簡潔に示しているのが「地上の兎」という二つ名だといえる。
一見すると、「地上の兎」という名称には強大な妖怪を思わせる威圧感はない。しかし、てゐの背景を知ると、その言葉にはむしろ重みが感じられる。彼女は単に地上で生まれた兎というだけではなく、非常に長い歳月を生き抜き、迷いの竹林を生活圏とし、そこで暮らす地上の兎たちをまとめるまでになった存在である。
「幸運の素兎」に込められた、縁起物としての因幡てゐ
因幡てゐを象徴するもう一つの重要な二つ名として知られているのが「幸運の素兎」である。「素兎」という表現からは古い日本の神話や伝承を思わせる響きが感じられ、彼女の名前である「因幡」と組み合わせることで、有名な「因幡の白兎」を自然に連想させる。
この二つ名で特に重要なのは「幸運」という要素である。てゐは単に兎の妖怪というだけではなく、存在そのものが幸運と深く結び付いている。しかし本人は「幸運を届ける心優しい存在」としてだけ描かれるわけではなく、嘘をついたり相手をからかったりする。幸運をもたらす存在と信用し過ぎると危ない悪戯者という二つの顔が同時に成立しているところが、てゐらしさである。
「人間を幸運にする程度の能力」という極めて珍しい力
因幡てゐを代表する能力は、「人間を幸運にする程度の能力」である。東方Projectには時間、境界、運命、死などへ関わる非常に強力な能力が数多く登場する。その中で、てゐの能力は戦闘そのものを目的としたものではなく、「人間へ幸運を与える」という珍しい方向性を持っている。
能力の名称だけを読むと穏やかなものに感じられるが、「幸運」という概念そのものを左右できると考えるなら非常に興味深い力である。道に迷った人間が偶然出口を発見する、危険を間一髪で回避する、思いがけない利益を得るなど、さまざまな現象と結び付けて考えることができる。ただし、万能に願いを叶える能力として確定しているわけではなく、あくまで「幸運をもたらす妖怪兎」という性質を象徴するものとして理解するのが自然である。
長寿と経験そのものが、能力以上の「武器」になっている
てゐには幸運に関係する能力があるものの、彼女の実際の強さを考える場合、それだけに注目するのは十分ではない。むしろ彼女の場合、非常に長い年月を生き続けてきた経験と知恵そのものが大きな武器になっている。
妖怪として長く生き残るためには、単純な戦闘能力だけでなく、危険な相手を見極める判断力、自分より強い者との距離の取り方、周囲の環境を利用する知恵なども必要になる。てゐは迷いの竹林という特殊な土地を熟知し、多数の兎をまとめながら暮らしている。さらに八意永琳や蓬莱山輝夜といった規格外の人物たちと同じ永遠亭で生活しながら、自分自身の自由な立場も失っていない。
兎符「開運大紋」――幸運を弾幕へ変換した象徴的なスペルカード
因幡てゐのスペルカードの中でも、彼女らしさを非常に分かりやすく表しているものとして「兎符『開運大紋』」が挙げられる。「兎」「開運」という二つの言葉が含まれており、妖怪兎でありながら人間へ幸運をもたらすという彼女の基本設定が、そのままスペルカード名へ落とし込まれている。
東方Projectのスペルカードは単なる必殺技の名称ではなく、使用者の能力、性格、過去、文化的なモチーフなどを表現する役割も担っている。てゐの場合、その中心にあるのはやはり「兎」と「幸運」である。
脱兎「フラスターエスケープ」――逃げ足の速い兎らしさを表現した一枚
てゐのスペルカードには、幸運だけでなく「兎としての俊敏さ」や「捕まえにくさ」を前面に押し出したものも存在する。その代表が脱兎「フラスターエスケープ」である。「脱兎」という言葉は、兎が驚いて勢いよく逃げ出す様子を示す言葉として知られ、「脱兎のごとく」という表現にもつながっている。
てゐ自身も正面から相手を威圧するより、素早く動き回って翻弄する方が似合う人物であるため、このスペルカードは非常にキャラクター性の強い名称となっている。悪戯を仕掛けるだけ仕掛けて、相手が怒った頃にはさっさと逃げているという情景まで思い浮かぶところが、てゐらしい。
借符「大穴牟遅様の薬」に見える「因幡の白兎」と日本神話
因幡てゐのスペルカードの中でも、名称の由来や日本神話との関連を強く感じさせるものが、借符「大穴牟遅様の薬」である。「大穴牟遅」は大国主神に関連する古い名称であり、「因幡の白兎」の物語と深いつながりを持つ。
因幡の白兎の物語では、傷ついた兎を助ける人物として大穴牟遅神が登場する。そのため、「因幡」という姓を持つ兎の妖怪であるてゐが「大穴牟遅様の薬」という名称のスペルカードを使用することには、非常に分かりやすい神話的な遊びが込められている。
強大な力よりも「運」と「知恵」で生き抜く、因幡てゐらしい能力体系
因幡てゐは、『東方Project』の中でも突出した破壊能力を誇るキャラクターではない。しかし、それこそが彼女らしい部分である。てゐは巨大な力を振りかざさなくても、長年培った知恵と経験、地上の兎たちを率いる統率力、迷いの竹林という地の利、相手を騙す話術、そして幸運という不思議な力を組み合わせて自分の立場を確立している。
さらに二つ名やスペルカードを詳しく見ることで、「因幡」「兎」「幸運」「神話」というモチーフが一貫して配置されていることが分かる。古代の伝承を思わせる背景を持ちながら、本人は神聖で厳粛な存在ではなく、悪戯好きで抜け目のない少女として幻想郷を走り回っている。この古さと軽快さの組み合わせこそが、因幡てゐの能力面における最大の魅力である。
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■ 人間関係・交友関係
永遠亭の一員でありながら、誰かに完全従属しているわけではない独特の立場
因幡てゐの人間関係を理解するうえで最初に押さえておきたいのが、彼女が「永遠亭に住んでいるから永遠亭の人物に保護されているだけの兎」という存在ではないことである。てゐは八意永琳や蓬莱山輝夜たちが現在の永遠亭で生活するようになる以前から、迷いの竹林を生活圏としていた地上の妖怪兎であり、多数の兎たちをまとめるリーダーでもある。
永琳には薬学や知識で到底及ばず、輝夜も月の姫という特殊な身分と能力を持つ。しかし、迷いの竹林や地上の兎たちについては、てゐの方が遥かに長い経験を持っている。つまり永遠亭には、一人の絶対的な主人とその従者だけで構成された単純な上下関係があるのではなく、それぞれ異なる背景を持った人物たちが同じ場所で暮らしているのである。
鈴仙・優曇華院・イナバ――最も身近で、最もからかいやすい月の兎
因幡てゐとの関係が特に印象深い人物として、真っ先に挙げられるのが鈴仙・優曇華院・イナバである。二人はいずれも兎の姿を持ち、永遠亭で生活しているため並んで描かれる機会が多い。しかし、その出自と性格は大きく異なる。てゐが地上で長く生き続けた妖怪兎なのに対し、鈴仙は月から地上へ逃れてきた月の兎である。
性格面でも二人は対照的である。鈴仙は八意永琳の弟子として行動することが多く、比較的真面目で責任感を持った人物として描かれる。それに対しててゐは非常に自由奔放であり、永遠亭の規律より自分の興味を優先することも珍しくない。そのため、てゐが問題を起こし、鈴仙が振り回されるという構図が非常によく似合う。
見た目とは逆転した「てゐの方が古株」という面白さ
てゐと鈴仙の関係で特に面白いのは、外見だけを見れば鈴仙の方が年上らしく見えるにもかかわらず、地上における経験ではてゐの方が遥かに古株だということである。鈴仙は月で兵士として生活した経験を持つ月の兎だが、幻想郷や迷いの竹林については後からやってきた側である。一方のてゐは、竹林に長く根を張り、多数の地上兎をまとめてきた。
そのため、幻想郷での土地勘や地上兎社会について考えれば、てゐが鈴仙より優位に立てる領域は少なくない。単純な「先輩と後輩」という表現だけでは二人の関係を説明しにくく、能力、知識、生活経験などの分野によって立場が入れ替わる点が魅力となっている。
八意永琳――敵対する理由はないが、気軽に出し抜ける相手でもない
八意永琳と因幡てゐの関係は、鈴仙との関係ほど分かりやすい「からかう側と振り回される側」ではない。永琳は永遠亭における知恵袋であり、あらゆる薬を作る能力を持つ天才として設定されている。その知識と判断力は極めて高く、てゐのような悪戯好きの妖怪であっても、簡単に騙して好き放題できる相手ではない。
てゐから見れば、永琳は自分たちが暮らす永遠亭に強い影響力を持つ人物であると同時に、実利の面でも非常に重要な存在だろう。しかし、てゐ自身も長年生きてきた妖怪であり、単純に怯えて従うような人物ではない。永琳の知性と実力を理解したうえで、怒らせてはいけない一線を巧みに見極めながら、自分の自由を確保しているように見える。
蓬莱山輝夜――「姫」と「地上の古参兎」が同居する不思議な関係
蓬莱山輝夜と因幡てゐの関係も、一般的な主人と従者という枠には収まりにくい。輝夜は月の都で姫として育てられた月人であり、永琳とともに地上で身を隠して生活するようになった。一方、てゐは彼女たちとは無関係に、はるか以前から地上で生きていた妖怪兎である。つまり身分や能力では輝夜が非常に特殊な存在であるものの、「この土地へ先に住んでいた者」という観点ではてゐの方が先輩なのである。
てゐ自身は輝夜に対して絶対的な忠誠を誓う騎士のような人物ではない。輝夜が姫であることを理解しつつも、自分は自分という態度を崩さないところが彼女らしい。
地上の妖怪兎たち――てゐが最も明確に「リーダー」として立つ相手
因幡てゐの交友関係を考える際、名前を持った主要キャラクターだけに注目すると彼女の重要な一面を見落としてしまう。てゐにとって非常に重要なのが、迷いの竹林や永遠亭周辺に暮らしている多数の地上の妖怪兎たちである。
普段の言動だけを見ると、誰かを統率する責任者には思えないかもしれない。しかし、多数の兎が彼女のもとで生活しているという事実は、てゐが単なる悪戯好きではないことを示している。集団を長期間維持するためには、危険から仲間を守ること、生活環境を確保すること、外部との関係を調整することなどさまざまな判断が必要になる。普段はいたずらっ子のように振る舞っていても、自分の仲間に関わる問題では別の顔を見せる可能性がある。
博麗霊夢や霧雨魔理沙――異変を通じて接点を持つ幻想郷の顔なじみ
因幡てゐは『東方永夜抄』で、永遠亭へ向かう主人公たちの前にStage 5の中ボスとして姿を現した。このため、博麗霊夢や霧雨魔理沙をはじめとした主人公側の人物とも、異変を通して接点を持つことになる。てゐ自身が永夜異変の首謀者というわけではないが、永遠亭へ侵入してきた者たちの前に立ちはだかる位置に現れるため、物語上では永遠亭陣営の一員として認識されることになる。
その後の『東方花映塚』では、てゐ自身が外へ出て幻想郷のさまざまな人物と対戦するようになり、人間、妖怪、死神など幅広い相手との会話が描かれた。これによって、てゐの交友範囲が永遠亭内部だけに閉じていないことが分かる。
射命丸文との関係――騙す妖怪兎と情報を集める天狗
射命丸文との組み合わせも、てゐの性格を考えると興味深い。文は新聞記者として幻想郷各地の事件や人物を取材し、情報を集めている。それに対しててゐは嘘や悪戯を好み、相手が信じそうな話を利用することにも長けている。情報の正確さを求める記者と、人を煙に巻くことを楽しむ妖怪兎という組み合わせは、それだけでも非常に相性が良い。
長期間同じ幻想郷で活動していれば、てゐの悪戯好きとしての評判が広まっていても不思議ではない。そのため彼女の場合、嘘をつく技術だけでなく、「嘘をつく人物だと思われている状態で、さらに相手を出し抜く」という駆け引きが必要になる。
「仲良し」だけでは説明できない、幻想郷らしい緩やかな交友関係
因幡てゐの人間関係には、「親友」「家族」「上司」「部下」といった一つの言葉だけでは整理しにくい関係が多い。鈴仙とは同居する兎仲間でありながら、頻繁にからかう相手でもある。永琳は永遠亭の中心人物だが、てゐ自身は独立した地上兎のリーダーでもある。輝夜は月の姫である一方、てゐは彼女より以前から竹林で生活していた。そして多数の妖怪兎たちに対しては、普段の気ままな姿とは異なり、明確に指導的な位置に立っている。
相手によって立場と態度を器用に変えられるところは、長い年月を生きてきた妖怪としての強みである。特定の一人へ依存するのではなく、自分自身の立場を保ったまま周囲の人物と関係を築いているところに、因幡てゐの交友関係の面白さがある。
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■ 登場作品
初登場は『東方永夜抄』――永遠亭へ向かう途中で姿を現した妖怪兎
因幡てゐが東方Projectの原作ゲームへ初めて登場した作品は、2004年に発表されたWindows向け弾幕シューティングゲーム『東方永夜抄 ~ Imperishable Night.』である。同作ではStage 5の道中に登場する中ボスという位置付けであり、プレイヤーが永遠亭へ近づいていく途中で姿を現す。
『永夜抄』は因幡てゐだけでなく、鈴仙、八意永琳、蓬莱山輝夜、藤原妹紅といった後に高い知名度を獲得する人物が一斉に登場した作品でもある。その中でてゐは、月の都に深い背景を持つ永琳や輝夜、鈴仙とは異なり、もともと地上に暮らしていた妖怪兎として配置されている。出番そのものは控えめでも、永遠亭勢力の構成を理解するうえでは重要な存在である。
『東方花映塚』で自機へ昇格――因幡てゐ自身の物語が大きく広がる
因幡てゐというキャラクターを原作ゲームで深く知りたい場合、特に重要なのが『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』である。『永夜抄』では道中の中ボスだったてゐが、本作ではプレイヤーが操作できる自機キャラクターの一人として登場する。
『花映塚』では幻想郷中の花が異常なほど一斉に咲き乱れる現象が起こり、多くの人物がそれぞれの目的で各地を巡る。てゐも永遠亭から外へ出ることで、鈴仙だけでなく博麗霊夢、霧雨魔理沙、射命丸文、小野塚小町、四季映姫・ヤマザナドゥなど、多数の人物と直接接触する機会を得た。
ここで重要なのは、てゐが正義感に燃えて異変解決へ向かう典型的な主人公ではないことである。本人は持ち前の気まぐれさを発揮しながら幻想郷を歩き回っており、その過程でさまざまな人物と弾幕勝負を行う。これにより、悪戯好き、抜け目がない、自由奔放、意外と肝が据わっているといった特徴が一気に鮮明になった。
『東方文花帖 ~ Shoot the Bullet.』では撮影対象として弾幕を披露
因幡てゐは『東方文花帖 ~ Shoot the Bullet.』にも登場している。本作は射命丸文を主人公とし、幻想郷の人物たちが繰り出す弾幕をカメラで撮影していくという特殊な形式の作品である。てゐも撮影対象として登場し、通常の弾幕勝負とは違った形でスペルカードを披露する。
ここでは通常のシューティング作品とは異なり、てゐを倒すことより、彼女の弾幕を避けながら決定的な瞬間を撮影することが目的となる。そのため、兎らしい素早さや捕まえにくさ、相手を翻弄する性格がゲームシステムと非常に相性良く表現されている。
公式関連書籍では、古参妖怪としての背景や永遠亭の日常が広がる
因幡てゐを知るうえでは、原作ゲームだけでなく東方Projectの公式関連書籍も重要である。ゲームでは短い会話や設定テキストに留まりやすい情報が、書籍では生活環境、能力、種族、周囲との関係などの形で補強されている。
その中でも、てゐの存在感が特に大きい作品として『東方儚月抄 ~ 月のイナバと地上の因幡』が挙げられる。同作は永遠亭の住人たちを中心としたギャグ色の強い4コマ作品であり、鈴仙・優曇華院・イナバと因幡てゐが中心人物として活躍する。ゲームでは異変の際にしか見えにくかった永遠亭の日常生活をコミカルに描いており、てゐの悪知恵や悪戯好きとしての一面が大いに生かされている。
『東方LostWord』など公認二次創作ゲームでも多彩な姿を披露
二次創作ゲームに目を向けると、因幡てゐは非常に多くの作品へ採用されている。その代表例の一つがスマートフォン向けRPG『東方LostWord』である。同作では原作の「幸運」「地上の兎」「因幡の白兎」といった要素を生かしつつ、RPGの戦闘システムに合わせて能力が再構成されている。
通常のてゐだけでなく、異なる世界観や衣装を取り入れた姿が展開されることで、原作では見られない役割やデザインを楽しめる。原作では直接的な攻撃能力として描かれにくかった幸運や策略も、支援、妨害、強化などのゲーム的効果へ変換しやすい。
『東方ダンマクカグラ』では楽曲・カード・イベントで活躍
公認二次創作リズムゲーム『東方ダンマクカグラ』にも因幡てゐは登場した。同作ではキャラクターだけでなく、長年の東方アレンジ音楽文化もゲーム内容へ組み込まれているため、てゐ本人と「ウサテイ」などの二次創作音楽イメージを同時に楽しめる点が特徴だった。
悪戯好きという設定を生かしたカードやイベント、原曲・アレンジ曲と連動したイラストなど、原作シューティングとは異なる方向から因幡てゐの魅力を広げている。
『不思議の幻想郷』シリーズなどコンシューマー系二次創作にも登場
因幡てゐはローグライク系の東方二次創作ゲームとして長く展開されてきた『不思議の幻想郷』シリーズにも登場している。ダンジョン探索とてゐは非常に相性が良く、「幸運」という要素はアイテム、罠、ランダム性などへ反映しやすい。また悪戯好きという性格も、プレイヤーへ予想外の行動を仕掛けるキャラクターとして活用しやすい。
原作シューティングとは違うジャンルへ移っても、「何か仕掛けてきそうな兎」「幸運と不運のどちらを運んでくるか分からない存在」という個性を失わずに表現できるところが、てゐの大きな強みである。
二次創作アニメでは原作の「余白」を映像として補完
東方Projectには非常に完成度の高いファン制作アニメが多数存在するが、それらは原作ゲームを制作する上海アリス幻樂団によるテレビアニメとは区別して考える必要がある。『幻想万華鏡』や『東方夢想夏郷』などは、東方Projectを題材に制作された二次創作アニメである。
こうした作品では、原作ゲームの立ち絵や短い会話から想像するしかなかった表情、走り方、悪戯を仕掛ける動作などが映像として表現される。特に『永夜抄』では中ボスであったてゐについて、「異変の最中、永遠亭や竹林でどのように動いていたのか」という原作の余白を二次創作として膨らませやすい。
中ボスから始まり、ゲーム・漫画・音楽・アニメへ広がったキャラクター
因幡てゐの登場作品を振り返ると、非常に興味深い発展を遂げてきたキャラクターであることが分かる。原作での始まりは『東方永夜抄』Stage 5の中ボスという比較的小さな役割だった。しかし次の『東方花映塚』では自機へ抜擢され、『東方文花帖』では独自のスペルカードと弾幕を披露し、書籍では永遠亭の日常を支える中心人物の一人として描かれるようになった。
さらに二次創作の世界へ移れば、RPG、リズムゲーム、ローグライク、シューティング、アニメなど媒体を問わず登場する。大きな兎耳、幸運をもたらす能力、悪戯好き、長寿、地上兎のリーダー、迷いの竹林の住人という特徴が分かりやすく、同時に原作で語り尽くされていない余白も多いことが、多彩な作品へ適応できる理由なのである。
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■ テーマ曲・関連曲
因幡てゐを代表するテーマ曲「お宇佐さまの素い幡」
因幡てゐを音楽面から語るうえで最も重要な楽曲が、「お宇佐さまの素い幡」である。『東方花映塚 ~ Phantasmagoria of Flower View.』で因幡てゐのテーマとして使用された楽曲であり、現在では彼女を象徴する代表曲として広く定着している。『東方永夜抄』で初登場した際のてゐはStage 5の道中中ボスという立場であったため専用テーマ曲を持っていなかったが、『花映塚』で自機として登場したことにより、初めて明確に彼女自身を表現する楽曲が与えられた。
曲名には「宇佐」「素い幡」といった、兎や因幡の白兎を連想させる言葉遊びが盛り込まれている。単純に「兎のテーマ」とするのではなく、古い日本の伝承を思わせる要素を含ませているところが東方Projectらしい。曲調も、てゐの小柄で軽快なイメージと、何を考えているのか簡単には読めない怪しさを同時に感じさせるものとなっている。
タイトルに隠された「因幡の白兎」と日本神話のイメージ
「お宇佐さまの素い幡」というタイトルは、初めて見た人には意味を理解しにくい独特な名称である。しかし因幡てゐというキャラクターの背景を知るほど、その言葉選びが巧妙であることが分かってくる。
因幡てゐの姓である「因幡」は、日本神話で知られる「因幡の白兎」を強く連想させる。白兎は大国主神に関わる神話として非常に有名であり、てゐ自身のスペルカードにもその伝承を思わせる要素が取り入れられている。そのため、テーマ曲でも兎・因幡・古代日本というイメージが音楽タイトルへ引き継がれているのである。
軽快で掴みどころのない旋律が表現する「いたずら兎」
「お宇佐さまの素い幡」の魅力は、ただ可愛らしいだけの楽曲になっていないことである。明るく跳ねるような旋律を持ちながら、どこか相手を試すような落ち着かなさや、突然方向を変えるような感覚がある。それが、因幡てゐの性格と非常によく一致している。
てゐは正面から圧力をかけるタイプではない。相手の様子を見ながら嘘を混ぜ、悪戯を仕掛け、都合が悪くなれば素早く逃げる。そのため音楽にも、一直線に目的地へ突き進むというより、相手の周囲を楽しそうに跳び回るような印象が似合う。
「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」も因幡てゐと強く結び付く重要曲
因幡てゐには「お宇佐さまの素い幡」という明確な個人テーマがある一方、『東方永夜抄』で彼女と最初に出会う場面を象徴する曲として重要なのが「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」である。この曲は『永夜抄』Stage 5の道中テーマであり、迷いの竹林から永遠亭へ向かう緊張感の中で流れる。
Stage 5の途中で因幡てゐが中ボスとして登場するため、この楽曲とてゐを強く結び付けて記憶しているファンも多い。ただし、この曲は因幡てゐだけの専用テーマではなく、Stage 5全体を表現する道中曲である点は区別しておきたい。
鈴仙の楽曲と合わせることで見える二匹の兎の違い
『永夜抄』Stage 5では、道中に因幡てゐが登場した後、ボスとして鈴仙・優曇華院・イナバが待ち構えている。その鈴仙の代表曲が「狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon」である。
鈴仙の楽曲には狂気、月、幻惑といった緊張感の強いイメージがある一方、てゐの「お宇佐さまの素い幡」は、もっと軽快で悪戯っぽい方向へ寄っている。この違いは二人の出自や性格にも対応している。同じ永遠亭の兎であっても、音楽では明確に異なる個性が与えられているのである。
二次創作音楽文化で圧倒的な知名度を獲得した「ウサテイ」
因幡てゐに関連する二次創作楽曲を語る場合、大きな存在となっているのが「ウサテイ」である。東方Projectの同人音楽文化が動画共有サイトなどを通じて急速に広がった時期を代表する作品の一つであり、「お宇佐さまの素い幡」を中心としたてゐのイメージを、より強烈なギャグとハイテンションな方向へ発展させたアレンジとして知られている。
原曲の持つ軽妙さや悪戯っぽさをさらに誇張し、速いテンポ感、賑やかな音声、予測できない展開を組み合わせることで、「因幡てゐ=何をするか分からない悪戯兎」という二次創作上のイメージを強く印象付けた。原作ゲームを遊んでいない層が、この楽曲や関連動画から因幡てゐを知るきっかけになった例も少なくない。
「ウサテイ」が広げた、てゐと鈴仙のコミカルなコンビ像
「ウサテイ」をはじめとする二次創作楽曲では、因幡てゐ単独だけでなく鈴仙との組み合わせが頻繁に取り上げられている。真面目で苦労しやすい鈴仙と、自由奔放で悪戯好きなてゐという性格差だけで、短い音声ネタや掛け合いを成立させることができる。
その結果、てゐが何かを仕掛け、それに鈴仙が巻き込まれるという形式が音楽・動画文化でも定着し、「永遠亭のトラブルメーカー」としてのてゐのイメージがさらに広がっていった。
同人アレンジで広がる「お宇佐さまの素い幡」の多彩な表情
「お宇佐さまの素い幡」はアレンジ素材として扱いやすい原曲でもある。軽快な旋律と耳に残るフレーズを持つため、多くの同人サークルによって、ポップス、ロック、ユーロビート、テクノ、トランス、ジャズ、和風、オーケストラなどさまざまな方向へ再構成されてきた。
同じ旋律でも、アレンジャーが「可愛い兎」を強調するのか、「悪戯好きな策士」を強調するのか、「古代から生きる妖怪」を強調するのかによって、まったく違う印象になる。この幅広さは、因幡てゐというキャラクターそのものが複数の顔を持っているからこそ成立する。
原曲・二次創作曲の双方によって完成した「因幡てゐの音楽的イメージ」
因幡てゐのテーマ曲・関連曲を総合すると、彼女は東方Projectの中でも原曲と二次創作音楽が互いにキャラクターイメージを広げてきた代表的な存在の一人といえる。
原作では「お宇佐さまの素い幡」によって、兎らしい軽快さ、日本神話を思わせる古さ、悪戯好きの掴みどころのなさが音楽として与えられた。一方、『永夜抄』の「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」は迷いの竹林と永遠亭という彼女の生活環境を象徴する。そして二次創作では「ウサテイ」に代表される大胆なアレンジによって、てゐのハイテンションな一面が大幅に増幅された。
可愛らしく跳ね回る兎であり、相手を騙す悪戯者であり、幸運を運ぶ縁起物であり、遥かな昔から地上を生きている妖怪でもある。その多面性を原曲と数え切れないほどのアレンジ曲がそれぞれ違う方向から表現してきたことが、因幡てゐの音楽的な魅力なのである。
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■ 人気度・感想
初登場では中ボスながら、長く愛され続けている印象の強い妖怪兎
因幡てゐは、『東方Project』の中でも非常に興味深い人気の広がり方をしてきたキャラクターである。初登場作品の『東方永夜抄 ~ Imperishable Night.』ではStage 5の道中中ボスであり、長い会話や大規模なボス戦が用意されていたわけではない。それにもかかわらず、その後の『東方花映塚』で自機へ抜擢され、公式書籍や漫画でも登場機会が増えたことで、一時的な中ボスでは終わらない独自の人気を形成していった。
長く支持される理由として大きいのは、見た瞬間に理解しやすい「兎の少女」という親しみやすさと、詳しく設定を調べた時に分かる意外な奥深さを同時に持っている点である。大きな兎耳、小柄な姿、桃色を中心とした衣装など、外見は非常に覚えやすい。一方で、実際には非常に長い時間を生きてきた古参の妖怪であり、多数の地上兎をまとめるリーダーでもある。
大きな兎耳と小柄な姿――直感的に伝わる可愛らしさ
因幡てゐを好きな理由として挙げられやすいものの一つが、やはり外見の可愛らしさである。東方Projectには非常に多くのキャラクターが存在するため、一目で覚えられる分かりやすい特徴は大きな強みになる。てゐの場合、長く伸びた兎耳と短い黒髪、小柄な体格という組み合わせが極めて明快である。
また、表情を付ける自由度も高い。満面の笑顔で跳び回る姿、何かを企んでいるような笑み、竹林で静かに佇む神秘的な姿など、同じデザインから幅広い印象を作ることができる。ファンアートで扱いやすい点も、長く愛される理由の一つとなっている。
「可愛いのに信用できない」という絶妙な性格
因幡てゐの人気を語るうえで欠かせないのが、「可愛いのに簡単には信用できない」という性格である。人を幸運にする能力を持つ兎と聞けば、普通なら困っている人を助ける優しいキャラクターを想像するかもしれない。しかし、てゐ本人はむしろ相手をからかったり、嘘を交えたり、自分が得をするように立ち回ったりすることを好む。
もし彼女が笑顔で「良い話がある」と近づいてきても、その話をそのまま信じてよいのか分からない。この危うさが、単純なマスコットキャラクターでは得られない魅力になっている。しかも、極端に邪悪な人物として描かれているわけではないため、「信用できないけれど憎めない」という絶妙な愛嬌につながっている。
「実はものすごく長生き」という設定を知った時の驚き
因幡てゐの設定を初めて詳しく知ったファンが特に驚きやすいのが、その年齢に関する部分である。外見から判断すれば、永遠亭の主要人物の中でも幼い部類に見える。しかし実際には、非常に長い年月を生きてきた妖怪兎であり、迷いの竹林の土地にも詳しく、多数の兎たちを率いる古参の存在である。
このギャップは二次創作にも大きな影響を与えている。明るい日常ギャグにも、長い時間を生きてきた妖怪の切なさを描く物語にも使えるため、創作者によって全く違うてゐ像が生まれる。
「幸運をくれるのに騙してくる」という矛盾が面白い
てゐの能力である「人間を幸運にする程度の能力」は、キャラクター人気にも大きな影響を与えている。幸運という言葉そのものに明るく縁起の良い印象がある一方、本人は悪戯好きである。そのため、「運は良くなるかもしれないが、その前に騙されそう」という独特のユーモアが生まれる。
くじ引き、賭け事、福引、商売、宝探しなど「運」に関係する題材へ登場させるだけで、てゐらしい物語を作りやすい。本人が幸運を与えているのか、相手を騙しているだけなのか最後まで分からないという展開も可能であり、二次創作での扱いやすさにつながっている。
鈴仙とのコンビが生み出した「てゐ=いたずら担当」という強い印象
因幡てゐの人気を大きく支えている関係性として、鈴仙・優曇華院・イナバとの組み合わせは外せない。真面目で苦労しやすい鈴仙と、自由奔放で自分から問題を起こすてゐ。この二人を並べるだけで、てゐが悪戯を考え、鈴仙が止めようとし、結局巻き込まれるという物語を簡単に成立させられる。
また、二人とも大きな兎耳を持つため、イラストやグッズでも並べやすい。外見と性格の両方で対照が作れることが、長年にわたり人気コンビとして扱われてきた理由である。
永遠亭の日常を明るくするトラブルメーカーとしての人気
永遠亭には、月の姫である輝夜、天才的な頭脳を持つ永琳、月から逃げてきた鈴仙など、背景だけを見ると非常に重い人物が集まっている。そこへ因幡てゐが加わることで、永遠亭の日常には一気にコミカルな方向性が生まれる。
何かを売ろうとする、悪戯を仕掛ける、鈴仙を巻き込む、仕事から逃げる、兎たちを使って何かを企む――こうした行動を自然に担当できるため、シリアスな設定を持つ永遠亭を親しみやすい舞台へ変える役割を担っている。
「お宇佐さまの素い幡」と「ウサテイ」が音楽面の知名度を拡大
因幡てゐの人気には音楽文化も大きく関係している。原作『東方花映塚』で使用された「お宇佐さまの素い幡」は軽快で悪戯っぽい曲調がてゐの人物像によく合っており、さらに二次創作音楽では「ウサテイ」が非常に強い存在感を持った。
原作ゲームを遊ぶ前に動画やアレンジ曲からキャラクターを知った人も少なくなく、てゐの場合も音楽からキャラクターへ興味を持つ経路が確立された。原作と二次創作が互いに知名度を高めていった東方Projectらしい人気の広がり方である。
二次創作しやすい「設定の余白」がファンの想像力を刺激する
因幡てゐは設定が少ないキャラクターではないが、人生のすべてが細かく説明されているわけでもない。彼女が長寿であること、地上の妖怪兎であること、兎たちを率いていること、幸運を与えること、悪戯好きであることなどは分かっている。しかし、遥か昔にどのような生活をしていたのか、妖怪となった直後に何を経験したのかなどには大きな想像の余地が残されている。
そのため、明るいギャグ作品だけでなく、幻想郷の歴史を題材としたシリアスな作品にも登場させることができる。原作の性格を守りながら多様な解釈が可能であることが、創作者側から見たてゐの大きな魅力となっている。
派手な主役ではなくても忘れられない――因幡てゐならではの人気
因幡てゐは、博麗霊夢や霧雨魔理沙のようにシリーズ全体を代表する主人公ではない。それでも長く名前を知られ、多くのイラストや音楽、漫画、ゲームなどに登場してきた。これは、キャラクター人気が必ずしも原作での登場時間だけで決まるわけではないことを示す好例でもある。
最初は「可愛い兎」として好きになり、次に「悪戯好きで面白い」と感じ、設定を詳しく知ると「実はものすごく長寿で奥が深い」と評価が変わっていく。一人の人物に対して複数の好きになり方が存在することが、てゐの大きな強みなのである。
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■ 二次創作作品・二次設定
原作の「悪戯好き」を大きく膨らませた、二次創作界のトラブルメーカー
因幡てゐは『東方Project』の二次創作において非常に動かしやすいキャラクターの一人であり、漫画、イラスト、同人誌、動画、二次創作ゲーム、アレンジ楽曲など幅広い分野で登場している。二次創作で特に強調されるのは、原作にも存在する「悪戯好き」「抜け目がない」「嘘をついて人をからかう」といった性格である。
永遠亭で平穏な一日が始まったと思ったら、てゐが奇妙な商品を売り始める、鈴仙へ嘘の情報を吹き込む、兎たちを総動員して怪しい商売を始めるなど、彼女の行動をきっかけに騒動が発生する構成は定番となっている。
このような扱いが好まれる理由は、てゐが悪役になり切らなくてもトラブルを発生させられるからである。本当に相手を傷つける目的ではなく、「面白そうだから」「儲かりそうだから」「鈴仙の反応が見たいから」といった軽い理由で行動できるため、日常ギャグとの相性が非常に良い。
鈴仙を振り回す「悪戯担当」として描かれる定番のコンビ
二次創作における因幡てゐの代表的な関係性が、鈴仙・優曇華院・イナバとの組み合わせである。原作でも同じ永遠亭で暮らす兎として接点が多い二人だが、ファン作品では性格の違いがさらに強調され、「いたずらを仕掛けるてゐ」と「それに振り回される鈴仙」という構図が非常によく使われる。
一方で、単なる加害者と被害者ではなく、長く暮らしているからこその信頼関係を描く場合もある。普段は鈴仙をからかっているてゐが、本当に危険な場面では助けに入る、落ち込んでいる鈴仙を不器用な方法で励ますといった展開である。普段の悪戯が激しいほど、珍しく真面目な態度を見せた時の印象が強くなる。
商売人・詐欺師・ギャンブラーとして強調される二次設定
二次創作の因幡てゐには、商売や賭け事に異常なほど強い人物として描かれる傾向もある。原作に存在する抜け目のなさと「幸運」に関係する能力を組み合わせた結果、「絶対に損をしない商売人」「賭け事で妙に強い兎」「人を言葉巧みに乗せて金を取る詐欺師」といった設定へ発展したものである。
ただし、てゐ本人の運が常に最高であることや賭博で必ず勝つことが原作で確定しているわけではない。この部分は、幸運の能力からファンが発展させた二次創作的な解釈として区別する必要がある。
大量の妖怪兎を操る「竹林の裏の実力者」という大胆な解釈
原作設定では、因幡てゐは地上の妖怪兎たちをまとめるリーダーである。この設定を大幅に膨らませ、二次創作では「迷いの竹林を裏から支配している人物」「大量の兎を動かす影の実力者」として描かれることもある。
普段は幼い少女の姿でふざけているが、本人が命令すると竹林中から大量の妖怪兎が現れる。幻想郷の商売や情報網にも兎たちを潜り込ませ、実は広範囲の事情を把握している。こうした「裏の顔」を持つてゐは、シリアス系二次創作で映える解釈である。
もちろん、幻想郷の裏社会を支配しているという設定が原作に存在するわけではなく、地上兎のリーダーという要素をファンが大胆に拡張したものである。
八意永琳には頭が上がらない――悪戯兎を制御する存在
二次創作では、誰に対しても悪戯を仕掛けるてゐであっても、八意永琳だけには簡単に逆らえないという描写がよく見られる。永琳は幻想郷でも極めて高い知性を持つ人物として知られているため、てゐが嘘をついてもすぐに見破られ、逃げようとしても先回りされるという展開を作りやすい。
普段は他人を翻弄するてゐが逆に追い詰められることでギャグのバランスが取れ、「悪知恵のてゐ」と「それを上回る知性の永琳」という頭脳戦にも発展できる。
蓬莱山輝夜とは遊び仲間になることも――永遠亭の日常系作品での関係
蓬莱山輝夜との関係は二次創作によってかなり自由に描かれる。輝夜は月の姫という高貴な背景を持つ一方、永遠亭での日常を扱う作品では俗っぽい娯楽を楽しむ人物へアレンジされることも多い。そのような作品では、自由人であるてゐと妙に気が合い、一緒に悪巧みを始める展開が作られる。
反対に、シリアス作品では非常に長く生きる二人として共通点を持たせることもできる。輝夜は蓬莱人として不老不死、てゐも非常に長寿の妖怪であるため、人間とは異なる時間感覚について静かに語り合う場面も成立する。
幸運の神・福の象徴のように扱われる、縁起の良いてゐ
二次創作では「人間を幸運にする程度の能力」をさらに強調し、因幡てゐを幸運そのものの象徴として扱う作品も多い。正月を題材にしたファンアートでは、兎という干支のイメージ、おみくじ、小判、福袋、鏡餅などと組み合わせた「縁起物のてゐ」が描かれやすい。
しかし、その本人が悪戯好きなので、「幸福を届ける代わりに料金を請求する」「幸運のお守りを高額で販売する」といったギャグへつながることも多い。縁起が良いのか怪しいのか最後まで分からないところが、ほかの幸運キャラクターにはないてゐらしさとなっている。
長寿設定を掘り下げた、静かでシリアスな因幡てゐ
コミカルな作品での出番が目立つてゐだが、ファンの間では正反対の方向へ掘り下げたシリアスな二次創作も存在する。そこで重要になるのが、彼女が非常に長く生きているという設定である。
人間より遥かに長い時間を生きるということは、数多くの出会いと別れを経験してきた可能性がある。かつて竹林の近くに暮らしていた人間と仲良くなっても、その人間はやがて年老いて亡くなってしまう。何世代もの人間を見送りながら、てゐだけは変わらない姿で残り続ける。その経験を繰り返した結果、あえて毎日を軽く生きているという解釈も生まれている。
もちろんこれは原作で明言された過去ではない。しかし、非常に長寿でありながら幼い姿をしているという設定から自然に生まれたファン解釈であり、普段のてゐとの落差を作り出せる。
「実は全部分かっている」老獪な策士としての解釈
因幡てゐの長寿と狡猾さを組み合わせ、二次創作では表面上のふざけた態度とは裏腹に非常に頭の切れる策士として描かれることもある。普段は何も考えていないように見せながら、実際には周囲の人物の行動をすべて予測しているというタイプである。
このタイプのてゐは「戦えば最強」という存在ではないが、知恵と経験では幻想郷でもかなり上位にいるように描かれる。何百年もの経験を本気で利用すれば、若い人間や妖怪を出し抜くことなど簡単なのではないかという発想から生まれた解釈である。
二次創作ゲームでは「幸運・回避・罠・妨害」を生かした性能へ発展
二次創作ゲームでは、原作の能力をゲームシステムへ変換する必要があるため、因幡てゐには作品ごとにさまざまな性能が与えられる。幸運値を高める、アイテム出現率を変化させる、敵の命中率を下げる、罠を設置する、素早く移動する、敵からアイテムを奪うといった能力は、てゐの設定から派生しやすい。
RPGでは味方を支援するキャラクター、ローグライクではランダム要素へ干渉する特殊キャラクター、アクションゲームでは高速移動と回避を得意とするタイプなど、ジャンルによって姿を変える。こうした性能は原作の能力を別ジャンルへ翻訳した二次創作ならではの表現である。
可愛いマスコットから古妖怪の策士まで――解釈の幅広さが最大の魅力
因幡てゐの二次創作における最大の特徴は、一つの固定されたキャラクター像へ収束していないことである。ある作品では鈴仙へ毎日悪戯を仕掛ける騒がしい兎として登場し、別の作品では幻想郷でも屈指の商売人となり、さらに別の作品では大量の地上兎を動かす実力者となる。そしてシリアス作品では、何百年もの歴史を静かに見続けてきた孤独な古妖怪として描かれることさえある。
これだけ大きく印象が違っても、兎、幸運、悪戯、長寿、竹林、地上兎のリーダーという原作の核を残していれば、「因幡てゐらしい」と感じさせることができる。この柔軟性こそ、二次創作者にとって非常に魅力的な部分である。
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■ 関連商品のまとめ
兎耳と特徴的な衣装によってグッズ化しやすい因幡てゐ
『東方Project』に登場する因幡てゐは、長年にわたるシリーズ人気と二次創作文化によって、さまざまな関連商品が制作されてきたキャラクターである。短い黒髪、大きく伸びた兎耳、桃色を中心とした比較的簡素な衣装という構成は、フィギュアのような立体物だけでなく、アクリルスタンド、缶バッジ、キーホルダー、ステッカーなど小さな商品でも特徴を再現しやすい。
また「兎」「幸運」「迷いの竹林」「永遠亭」「因幡の白兎」など関連させられるモチーフが非常に多く、単純に原作衣装を使用した商品だけでなく、季節衣装や和風衣装へアレンジしたグッズも作りやすい。さらに鈴仙とのコンビ、永琳・輝夜を含めた永遠亭組としても商品化しやすい。
フィギュア――兎耳と躍動感を立体的に楽しめる代表的アイテム
因幡てゐの関連商品でコレクターから注目されやすいジャンルの一つがフィギュアである。東方Projectでは商業メーカーによる完成品フィギュアだけでなく、イベントなどで頒布されるガレージキットやディーラー制作物まで幅広い立体商品が存在する。
フィギュアにおけるてゐの魅力は、大きな兎耳によってシルエットが非常に映えるところにある。走る、跳ねる、振り返るといった動きを加えることで、悪戯好きで活発な性格まで表現できる。迷いの竹林をイメージした竹や草花、幸運を象徴する小物を台座へ配置した造形とも相性が良い。
アクリルスタンド――現在の東方グッズで特に集めやすい定番商品
東方Projectのキャラクターグッズとして定番となっているのがアクリルスタンドであり、因幡てゐもこの形式と相性が良い。アクリルスタンドはフィギュアほど大きな保管場所を必要とせず、イラストをそのまま楽しめるため、複数のキャラクターを集めたいファンにも向いている。
因幡てゐの場合、原作衣装だけでなく、和服、浴衣、制服風衣装、季節イベント衣装など、企画ごとに異なるデザインが採用されやすい。特に兎というモチーフは正月や十五夜との相性が良く、月、餅、すすき、団子などを背景にしたイラストとも自然に組み合わせられる。
缶バッジ・キーホルダー――小型グッズでは表情豊かなてゐが映える
缶バッジ、アクリルキーホルダー、ラバーキーホルダーなどの小型商品も、因幡てゐのグッズとして非常に作りやすい。これらの商品では全身を細かく描くより、顔や上半身を大きく配置するデザインが多いため、てゐの表情が重要になる。
満面の笑顔、いたずらを思いついたような笑み、とぼけた表情、驚いた顔など、性格の分かりやすいキャラクターであるからこそ、小さな面積でも個性を表現しやすい。またデフォルメされたSDキャラクターとも非常に相性が良い。
ぬいぐるみ・マスコット――「兎」という特徴を最も生かせる商品
因幡てゐと特に相性が良いグッズとして、ぬいぐるみやマスコットも挙げられる。もともと兎をモチーフとしたキャラクターであるため、柔らかな布製商品へ落とし込んだ際の違和感が少なく、大きな耳を強調するだけでも非常に愛嬌のある姿になる。
鈴仙のぬいぐるみと並べれば、見た目にも分かりやすい兎コンビが完成する。写真撮影へ連れて行く「ぬい撮り」とも相性が良く、竹林、神社、月が見える場所などで撮影すれば、原作世界を連想させる雰囲気を楽しめる。
タペストリー・ポスター――迷いの竹林まで含めた世界観を楽しめる
因幡てゐの魅力を大きなイラストで楽しみたい場合には、タペストリーやポスターといった壁面用グッズが適している。これらの商品では小型グッズと違って背景まで描き込めるため、迷いの竹林や永遠亭、満月といった世界観を含めて表現できる。
同じ因幡てゐでも、可愛らしさを強調する作家、悪戯っぽい表情を強調する作家、長寿の妖怪として神秘的に描く作家によって印象は大きく変わる。キャラクターそのものだけでなく「誰が描いた因幡てゐなのか」を重視して収集する楽しみもある。
同人誌――ギャグからシリアスまで最も多彩な因幡てゐを楽しめる
因幡てゐ関連商品を語るうえで、東方Project特有の巨大な同人誌文化を外すことはできない。同人誌では原作では描かれていない永遠亭の日常や、てゐの過去、鈴仙との関係などが自由に描かれてきた。
特に多いのは、てゐが悪戯を仕掛けて鈴仙が巻き込まれる日常ギャグ系である。一方で、てゐが非常に長寿であることを利用し、昔の幻想郷や人間との別れを描いたシリアス作品も成立する。同人誌は作者ごとの解釈を強く楽しめる商品である。
同人音楽CD――「お宇佐さまの素い幡」アレンジを中心とした音楽商品
因幡てゐは同人音楽とのつながりも非常に強い。代表テーマ「お宇佐さまの素い幡」は多数のサークルによってアレンジされてきたため、関連する同人CDも重要な収集対象となる。
アレンジジャンルはポップ、ロック、メタル、テクノ、ユーロビート、電波系、ジャズ、オーケストラ、和風など幅広い。ジャケットイラストへ因幡てゐが採用されたCDなら、音楽を楽しむだけでなくキャラクターグッズとして収集する価値も生まれる。
ゲーム関連商品――描き下ろしカードや特典グッズにも注目
因幡てゐが登場する東方公認二次創作ゲームでは、ゲーム内キャラクターとしての実装に合わせて関連グッズが展開されることもある。アクリルスタンド、缶バッジ、カード、クリアファイル、イベント限定イラストなど、ゲーム独自の衣装を使用した商品が生まれる点が特徴である。
こうした商品では、原作の桃色衣装とは異なる因幡てゐを楽しめる。季節イベントや別世界をテーマにしたゲームでは、和服、洋装、ハロウィン衣装など通常とは大きく異なる姿が描かれることもある。
「てゐ単独」だけでなく「鈴仙」「永遠亭」「永夜抄」で探すのが収集のコツ
因幡てゐの商品を探す場合、キャラクター名だけで検索すると見つからない商品もある。東方Projectのグッズは、単独キャラクター商品だけでなく作品別、勢力別、テーマ別に展開されることが多いためである。
そのため、「因幡てゐ」だけでなく、「因幡てゐ 鈴仙」「永遠亭」「東方永夜抄」「東方花映塚」「お宇佐さまの素い幡」など関連する言葉から探すと、異なる商品を発見しやすい。集合イラストの商品では、商品名にてゐの名前が入っていなくても、絵柄の中には登場していることがある。
かわいさ・幸運・悪戯・永遠亭という多彩な要素が商品展開を広げている
因幡てゐの関連商品を総合すると、彼女は一種類のグッズだけで魅力が完結するキャラクターではない。フィギュアでは大きな兎耳と躍動感のある姿を立体的に楽しめ、アクリルスタンドや缶バッジでは多彩なイラストを手軽に収集できる。ぬいぐるみでは兎としての可愛らしさが強調され、タペストリーでは迷いの竹林や永遠亭まで含めた世界観を楽しめる。そして同人誌や音楽CDでは、姿だけでなく因幡てゐというキャラクターそのものをさらに深く味わうことができる。
単独商品、鈴仙とのコンビ、永遠亭集合、永夜抄シリーズなど収集の切り口も多い。悪戯好きな兎として描けばコミカルな商品になり、幸運を強調すれば縁起物として成立し、古参妖怪として描けば幻想的な和風グッズにもなる。この表現の幅の広さが、因幡てゐというキャラクターの商品展開を豊かなものにしている。
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■ オークション・フリマなどの中古市場
因幡てゐの中古市場は「手頃な小物」と「希少な旧作商品」に分かれやすい
『東方Project』の因幡てゐ関連商品は、フリマサービス、ネットオークション、中古ホビーショップ、同人中古ショップなどで流通している。中古市場全体を見ると、缶バッジ、キーホルダー、カード、同人誌など数百円程度から探せる商品がある一方、生産終了から年月が経過したフィギュアやぬいぐるみには一万円を超える価格が付くこともあり、商品による価格差が非常に大きいことが特徴である。
そのため、「因幡てゐのグッズだから高い」「古い商品だから必ずプレミアになる」と単純に判断することはできない。価格を左右するのは、メーカー、生産数、再販回数、イベント限定かどうか、現在も新品を買えるか、付属品が残っているか、商品状態などである。特に東方Projectは商業商品だけでなく同人商品も多いため、一度しか頒布されなかった品が思わぬ高値になることもある。
缶バッジ・カード・キーホルダーは数百円から探しやすい
因幡てゐ関連商品の中で比較的購入しやすいのが、缶バッジ、カード、ラバーキーホルダー、アクリルキーホルダーなどの小型グッズである。一般的な中古品であれば300円~1,500円程度の範囲から探しやすく、複数商品をまとめたセットが出品されることもある。
ただし、小型商品でもイベント限定品、購入特典、コラボ限定イラスト、すでに活動を終了したサークルの商品などは価格が上がりやすい。反対に、ランダム商品の大量流通品や比較的新しい一般販売商品は中古価格が落ち着きやすい。
アクリルスタンドは500円前後から2,500円程度が一つの目安
現在のキャラクターグッズで定番となっているアクリルスタンドは、因幡てゐについても中古流通が多い。ミニサイズや一般流通品なら500円前後から探せる場合があり、通常サイズや限定デザインでは1,000~2,500円程度になることもある。
イベント限定、ゲーム限定、店舗特典、期間限定コラボなどになるとさらに高額になる場合もある。一方、開封済みで傷がある、台座が欠品している、長期間飾られていたなど状態に難がある場合には価格が下がりやすい。本体だけでなく台座や外袋まで揃っているか確認することが重要である。
書籍限定版付録などの小型フィギュアは比較的狙いやすい
因幡てゐの立体商品には、書籍の限定版付録として制作されたフィギュアなども存在する。こうした商品は大型スケールフィギュアほど高額にならないケースも多く、1,000円台から数千円程度で流通する場合がある。
ただし、フィギュア本体のみなのか、書籍や外箱まで含む完全品なのかによって価値は異なる。同じ商品名でも内容物が違えば中古価格に大きな差が出るため、「限定版」という言葉だけで判断せず、出品内容を確認したい。
旧作スケールフィギュアは一万円台後半から数万円になることも
因幡てゐ関連商品で特に高額化しやすいのが、生産終了した旧作スケールフィギュアである。流通量が少ない人気フィギュアでは、一万円台後半から二万円台、状態や希少性によっては三万円を超える出品が見られる場合もある。
ただし、フリマサイトに表示されている価格は必ずしも実際の売買成立価格ではなく、売り手の希望価格に過ぎないこともある。希少フィギュアでは強気の価格設定が行われやすいため、一つの出品だけを見て相場と判断しない方がよい。複数のショップ、終了済みオークション、フリマの売却済み商品などを比較することが重要である。
人気ぬいぐるみは一万円台へ上昇することもある
因幡てゐのぬいぐるみでは、生産時期が古い人気シリーズの商品が中古市場で高値になることがある。発売時の定価より大幅に上昇し、一万円前後から一万円台後半で流通するケースも考えられる。
ぬいぐるみの場合はフィギュアとは異なり、布地の汚れ、日焼け、匂い、毛羽立ちなど写真だけでは判断しにくい状態差がある。またタグの有無を重視するコレクターも多いため、タグ付き美品とタグなし使用品では評価が変わりやすい。
同人誌は数百円中心だが、希少な初期作品や限定本は別
因幡てゐが登場する同人誌は種類が多く、中古市場では比較的低価格から探しやすい。一般的な既刊であれば300円~1,000円前後から見つかる場合が多いが、サークルの人気、作者の知名度、発行部数、イベント限定本、総集編への再録有無などによって希少性が変化する。
特にコピー本、初期作品、会場限定のおまけ本などは中古市場へほとんど出てこないことがあり、出品された際に相場以上の価格が付く場合がある。因幡てゐ単独ではなく、「永遠亭」「てゐ&鈴仙」などのテーマでも探すと見つけやすい。
同人CD・アレンジ作品はサークルや初版の希少性で価格差が出やすい
「お宇佐さまの素い幡」や「シンデレラケージ ~ Kagome-Kagome」を収録した東方アレンジCDも中古市場で取引される。一般的な中古同人CDであれば数百円から1,500円程度で見つかることもあるが、廃盤、初期作品、イベント限定盤、特典付き、有名サークルの入手困難盤などは数千円以上になる場合もある。
特に動画文化で有名になった楽曲の初期収録盤などは、音源を聴く目的だけでなく「当時の東方同人文化を象徴するコレクターズアイテム」として探されることがある。
価格を左右する最大の要素は「希少性」「状態」「付属品」
因幡てゐ関連商品の価格を決める要素として最も重要なのは希少性である。現在も新品で入手できる商品は中古価格が上がりにくいが、メーカー生産終了品、再販されていない商品、イベント限定商品などは時間が経過するほど市場在庫が減りやすい。
次に重要なのが商品の状態である。フィギュアなら塗装、破損、欠品、箱の状態、ぬいぐるみなら汚れ、タグ、布地の劣化、アクリル商品なら傷や台座の有無が評価へ影響する。同じ商品でも未開封美品と本体のみでは大きな価格差が生まれる可能性がある。
フリマの「出品価格」と実際の「相場」は分けて考える
フリマサービスを見る際には、表示されている価格をそのまま市場相場と考えないことも重要である。販売中の商品は、その価格でまだ購入者が現れていない商品でもあるため、高額出品だけを見れば実際より相場が高く感じられる可能性がある。
逆に相場より安く出品された人気商品は短時間で購入され、検索結果に残りにくいため、販売中一覧だけを見ると高価格の商品ばかりに見えることもある。中古価格を調査する場合には、販売中価格、中古ショップ価格、オークション終了価格、売却済み価格などを複数比較すると実態を把握しやすい。
再販情報によって中古価格が変化する点にも注意
東方Projectのグッズでは、新商品や再販が行われると中古価格が変化することがある。長期間品薄だった商品が再販されれば、旧版に特別な価値がない限り中古価格が下がる可能性がある。一方、再販が終了して再び市場在庫が減れば、価格が戻る場合もある。
そのため、一万円を超える旧作商品を購入する場合には、同シリーズの再販予定がないか確認してから判断する方法も有効である。特にぬいぐるみや人気フィギュアでは再販の有無が中古市場へ大きく影響しやすい。
因幡てゐ中古グッズは「数百円から数万円」まで非常に幅広い
因幡てゐの中古市場を総合すると、大まかな価格感として、小型の缶バッジ・カード・キーホルダー類が数百円~1,500円前後、アクリル商品が500~2,500円前後、一般的な同人誌が300~1,000円前後、小型フィギュアや限定版付録が1,000円台から数千円程度という比較的購入しやすい領域から始まる。一方、人気ぬいぐるみや生産終了フィギュアでは一万円を超え、希少なスケールフィギュアでは二万円台から三万円以上になる場合もある。
したがって因幡てゐグッズの中古収集は、必ずしも高額な趣味ではない。缶バッジや同人誌であれば数百円から始められ、気に入った商品だけを少しずつ集めることができる。その一方、絶版フィギュア、古いぬいぐるみ、イベント限定品まで完全に収集しようとすると、一点だけで数万円が必要になる可能性がある。
これから収集するのであれば、まず自分が「安価なキャラクターグッズを広く集めたい」のか、「ぬいぐるみやフィギュアなど立体物を重点的に集めたい」のか、「古い同人作品を探したい」のかを決めると探しやすい。販売中の一件だけで価格を判断せず、複数の市場と状態を比較しながら選ぶことが、因幡てゐ関連商品を納得できる条件で入手するための重要なポイントなのである。
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