【中古】スーパーカセットビジョンソフト トントンボール
【発売】:エポック社
【発売日】:1984年9月
【ジャンル】:アクションシューティングゲーム
■ 概要・詳しい説明
近未来SFの緊張感を、縦移動アクションに落とし込んだ一本
『エレベーターファイト』は、1984年9月にエポック社から発売された『スーパーカセットビジョン』用のアクションシューティングゲームです。タイトル名からも分かる通り、作品の中心に置かれているのは「エレベーター」です。ただし、単に上下へ移動するための乗り物として使われているだけではなく、敵の出現、階層の探索、キーの回収、障害物の回避、最深部への侵入といった複数の要素をつなぐ、ゲーム全体の骨格として機能しています。パッケージや説明書では「ガーシム軍団滅亡の日」という副題的な言葉も添えられており、単なるビル潜入アクションではなく、宇宙規模の戦いを背景にしたSF作品として作られている点が印象的です。プレイヤーは主人公アーリンを操作し、敵宇宙人ガーシムの基地へ潜入します。目標は、地下深くに設置された中枢コンピュータを破壊し、ガーシム軍団の野望を止めることです。画面上では比較的シンプルなアクションに見えますが、実際には「撃つ」「避ける」「落ちる」「鍵を取る」「バリアを解除する」「次の階層へ進む」という流れが細かく組み合わさっており、当時の家庭用ゲームとしてはかなり明確な攻略手順を持つ作品になっています。
アーリンとガーシム軍団の戦いという物語性
本作の魅力を語るうえで欠かせないのが、ゲームに与えられた物語的な設定です。舞台は近未来、あるいは宇宙時代を思わせる世界で、プレイヤーが戦う相手は地球上の犯罪組織ではなく、敵宇宙人ガーシムとその配下の兵器たちです。スーパーカセットビジョンの初期作品群には、宇宙・銀河・基地・連邦といった言葉が似合うSF色の強い作品がいくつか存在しますが、『エレベーターファイト』もその流れにある一本といえます。アーリンは単独で敵基地に乗り込み、地下31階にあるコンピュータルームを目指します。普通のゲームであれば「ビルの最上階を目指す」構造になりそうなところを、本作では地下へ地下へと降りていく構成にしているため、進めば進むほど敵の本拠地に近づいている感覚が強まります。上へ逃げるのではなく、危険な深部へ潜っていくという方向性が、ゲーム全体に独特の圧迫感を与えています。画面表示やキャラクター表現は時代相応に簡略化されていますが、「敵基地に侵入し、鍵を集め、防衛ラインを突破し、最深部の装置を破壊する」という目的がはっきりしているため、プレイヤーは自分が何のために戦っているのかを理解しやすくなっています。
基本ルールは鍵集めと階層突破
ゲームの進行は、地下基地をいくつかの区域に分けて攻略していく形で進みます。地下1階から地下30階までは、おおまかに10階ごとのエリアとして区切られており、それぞれの区域で必要なキーを集めることが重要になります。キーを手に入れないまま先へ進もうとしても、次のエリアへ向かう道を遮るバリアが解除されず、奥へ進むことができません。そのため、ただ敵を倒しながら下へ降りればよいのではなく、どの階で鍵を取るか、敵の動きにどう対応するか、落とし穴や通路をどう利用するかを考える必要があります。ここが本作を単純な撃ち合いゲームでは終わらせていない部分です。アクションシューティングでありながら、探索型ゲームのような「目的物を集めて進路を開く」手触りがあり、プレイヤーに小さな達成感を段階的に与えてくれます。エレベーターは移動手段であると同時に、敵との間合いを調整する場所でもあり、時には危険を避けるための逃げ場にもなります。上下移動が中心になることで、左右スクロール型のアクションとは違う読み合いが生まれているのが特徴です。
地下1階から10階までの序盤エリア
最初の区域となる地下1階から地下10階までは、本作の基本操作と敵への対応を覚えるための導入部として機能しています。ここではドアやエレベーター周辺から攻撃ロボットが現れ、プレイヤーに向かって攻撃を仕掛けてきます。ロボットには複数のタイプがあり、それぞれの動き方や攻撃の仕方に違いがあります。序盤だからといって完全に安全なわけではなく、敵の出現位置を見誤るとすぐに追い詰められます。特にエレベーターの乗り降りや階の移動中は、プレイヤーの行動が一瞬遅れやすく、そこを敵に狙われることがあります。また、このエリアではダウンスポットと呼ばれる落下地点を使って下の階へ移動します。階段や通常の通路ではなく、穴を利用して下へ進むという構造は、基地内部に潜り込んでいる雰囲気を強めています。ただし、落下先の状況をきちんと把握していないと、移動直後に敵と鉢合わせすることもあるため、テンポよく進みながらも慎重さが求められます。序盤は本作の操作感を学ぶ場であると同時に、油断するとすぐにミスへつながる緊張感を教えてくれるエリアです。
地下11階から20階で増す罠と立体的な危険
地下11階から地下20階に入ると、序盤とは違う種類の危険が目立つようになります。この区域では敵キャラクターの数そのものは比較的抑えられている一方で、ステージ内の仕掛けが厄介になります。左右の壁からエイリアンが飛び出すように襲ってきたり、アイアンクローのような挟み込み型の罠が待ち受けていたり、足場のない場所で落下するとミスになったりと、銃で敵を倒すだけでは対応できない場面が増えていきます。ここからは、反射神経だけでなく、通路の形や仕掛けの動きを覚えることが重要になります。前半のロボット戦が「敵との撃ち合い」を中心にした内容だとすれば、中盤は「地形と罠を読む」ゲーム性が濃くなります。目の前の敵を倒したから安全というわけではなく、次の一歩をどこへ出すかがそのまま生死を分けます。エレベーターという縦移動の題材を使いながら、床の有無、壁からの奇襲、挟み込みトラップといった要素を加えることで、地下基地らしい危険な雰囲気がより強調されています。
地下21階から30階、そして最終コンピュータルームへ
地下21階から地下30階に進むと、ゲームは再び序盤に近いエレベーターアクションの形へ戻りつつ、敵の脅威が大きくなります。この区域では、これまで登場していたロボットに加えて、敵宇宙人ガーシムそのものが登場します。ロボットであれば背後に回り込むことで比較的安全を確保できる場面もありますが、ガーシムは単純な機械兵とは違い、プレイヤーの位置に反応して向きを変え、攻撃してくる厄介な存在です。そのため、これまで通用した安全策がそのまま使えない場面が出てきます。プレイヤーは敵の向き、距離、移動のタイミングを見ながら、キー回収と階層移動を同時にこなさなければなりません。そして地下30階まで突破すると、最後の目的地である地下31階のコンピュータルームへ到達します。ここでは通常の階層とは違い、上下にランダムに動くステップを利用しながら、左右に配置されたスイッチを操作する必要があります。敵を倒して進むだけの終盤ではなく、最後に装置を操作して脱出につなげる構成になっているため、クライマックスらしい緊張感があります。中央へ戻る動きまで含めて成功させて初めて勝利となるため、最終場面では焦りと慎重さが同時に求められます。
スーパーカセットビジョン初期作品らしい挑戦性
『エレベーターファイト』は、現代の視点で見るとグラフィックも操作もシンプルですが、1984年当時の家庭用ゲームとして考えると、かなり意欲的な構成を持った作品です。単画面風のアクションに、階層移動、キー収集、エリア分割、敵の性質の変化、罠の配置、最終ルームでの特殊な操作といった要素を盛り込み、短いプレイ時間の中に冒険の起伏を作ろうとしています。特に、地下1階から31階まで進むという数字の分かりやすさは、プレイヤーに「いまどこまで来たのか」を意識させる効果があります。10階ごとに内容が変わるため、同じような画面が続く単調さを避け、次の区域へ進むたびに新しい緊張感を与えてくれます。また、エレベーターという日常的な乗り物を、敵基地攻略の中核に置いた発想も面白い部分です。上下に移動するだけの装置が、敵から逃げる場所にも、攻撃を受ける危険地帯にも、次の階へ向かう希望にもなる。この使い方が、本作の個性を強くしています。『エレベーターファイト』は、派手な演出で圧倒するタイプのゲームではなく、限られた表現の中で「潜入」「戦闘」「探索」「突破」をまとめた、スーパーカセットビジョンらしい工夫の詰まったアクションゲームだといえるでしょう。
■■■■ ゲームの魅力とは?
エレベーターを主役にした分かりやすい個性
『エレベーターファイト』の大きな魅力は、題名にもなっているエレベーターを単なる背景ではなく、ゲームの中心的な仕組みにしているところです。1980年代前半のアクションゲームには、宇宙船で敵を撃つ、迷路を進む、固定画面で障害物を避けるといった分かりやすい題材が多くありました。その中で本作は、上下に動くエレベーターと地下基地という組み合わせを使い、縦方向の移動そのものを緊張感のある遊びに変えています。プレイヤーはただ横に走って敵を倒すだけではなく、上階と下階の位置関係を意識し、どのタイミングで移動するか、どの場所で敵を迎え撃つか、どこから落下して次の階へ向かうかを判断しなければなりません。エレベーターの存在によって、画面は小さくても行動範囲が立体的に感じられ、敵基地へ少しずつ深く潜っていく感覚が生まれています。見た目はシンプルでも、移動の仕方に独自性があるため、一度遊ぶと「これはエレベーターのゲームだ」と記憶に残りやすい作品になっています。
撃つだけでは終わらない探索型アクションの面白さ
本作はガンアクションシューティングとして紹介されることがありますが、実際の楽しさは敵を撃つ部分だけに限られていません。むしろ、ステージの各区域でキーを集め、バリアを解除しながら奥へ進むという探索的な流れが、プレイに目的意識を与えています。敵を倒すことは大切ですが、敵を倒し続けるだけでは先へ進めません。鍵を見つけ、危険な場所を通り抜け、次のエリアへの道を開く必要があります。この「戦いながら探す」という作りが、ゲーム全体にほどよい緊張と達成感を生み出しています。鍵を取るために危険な場所へ踏み込むか、それとも一度敵の動きを見て安全を確保するか。落とし穴を利用して素早く下へ向かうか、まだ回収していないキーがないか確認するか。こうした小さな判断の積み重ねが、単純なアクションゲームとは違う奥行きを作っています。特に、10階ごとに一区切りがあり、区域ごとに雰囲気や危険の種類が変わるため、先へ進むほど「次はどんな仕掛けがあるのか」という期待も高まります。
地下へ進む構成が生む独特の緊張感
多くのアクションゲームでは、塔を上る、城の奥へ進む、ゴールへ向かって右へ進むといった構造がよく使われます。しかし『エレベーターファイト』では、プレイヤーは敵基地の地下へ向かって進んでいきます。この「下へ下へと潜る」構造が、作品全体に独特の空気を与えています。階を降りるたびに地上から遠ざかり、敵の中枢に近づいているような感覚が強くなります。地下1階から始まり、10階、20階、30階と進んでいく数字の変化はとても分かりやすく、プレイヤーに自分の進行状況を意識させます。あと何階進めば次の区域なのか、どこまで来たのかが把握しやすいため、クリアへの意欲も続きやすくなっています。また、最終目的地が地下31階という設定も効果的です。30階まで突破した先に、さらに特別な最深部があるという構成は、単なるステージクリアではなく、敵基地の心臓部へ到達したような達成感を演出しています。画面演出が派手でなくても、階層構造そのものが物語の進行を語ってくれる点が、本作の魅力です。
敵と仕掛けの変化がプレイヤーを飽きさせない
『エレベーターファイト』は全体としては比較的短めの構成ですが、各区域ごとに敵や罠の性質が変わるため、単調になりにくい作りになっています。序盤では攻撃ロボットが登場し、プレイヤーはエレベーター周辺での撃ち合いや間合いの取り方を覚えていきます。中盤ではエイリアンの突進やアイアンクロー、足場のない場所といった仕掛けが増え、敵を倒す技術だけでは進めなくなります。そして後半では、ロボットよりも反応が厄介なガーシムが登場し、プレイヤーの背後を取るような安全策が通用しにくくなります。このように、序盤・中盤・終盤で求められる注意点が少しずつ変わるため、プレイヤーは同じ感覚のまま進むことができません。最初は銃を撃って敵を処理することに集中し、次に罠のタイミングを読み、最後には敵の反応を見ながら最短で行動する必要があります。ステージ数やキャラクター数が多いわけではないものの、危険の種類を段階的に変えることで、攻略している実感を生み出しているところがよくできています。
シンプルな操作だからこそ生まれる緊張と上達感
本作は複雑なコマンド入力や多彩な装備変更を楽しむゲームではありません。基本は移動し、撃ち、エレベーターや落下地点を使いながら進むという分かりやすい操作です。しかし、操作が単純だから簡単というわけではありません。むしろ、一つ一つの行動が結果に直結しやすいため、少しの判断ミスがミスにつながります。敵が出てくる位置、エレベーターに乗るタイミング、落下後の着地点、罠の動きなどを覚えることで、少しずつ安定して進めるようになる。この上達感が本作の面白さです。最初は慌てて敵にぶつかったり、罠に挟まれたり、穴の先で対応できずに失敗したりしますが、何度か遊ぶうちに「ここは先に撃つ」「この階では急がない」「この敵は距離を取る」といった自分なりの攻略手順が見えてきます。派手な成長システムがなくても、プレイヤー自身の慣れと判断力がそのまま進行距離に反映されるため、再挑戦したくなる魅力があります。
SF設定とアーケード的テンポの組み合わせ
『エレベーターファイト』は、物語設定としては近未来SFの要素を持ちながら、プレイ感覚はアーケードゲームに近いテンポを持っています。長い会話や複雑なイベントで見せるのではなく、敵基地に入った瞬間から戦闘と移動が始まり、プレイヤーはひたすら奥へ進んでいきます。この潔さが、当時の家庭用アクションゲームらしい魅力です。アーリン、ガーシム、地下基地、コンピュータルームといった設定は、遊ぶ前の想像を広げるための土台になっていますが、ゲーム中はその設定が邪魔をせず、すぐに操作へ集中できます。背景にSFドラマを感じさせながらも、実際の遊びは軽快で分かりやすい。このバランスが本作の良さです。また、スーパーカセットビジョンというハードの中で、エレベーター、ロボット、エイリアン、バリア、コンピュータといった要素をまとめ、宇宙基地攻略の雰囲気を出そうとしている点にも味わいがあります。想像力で補いながら遊ぶ余地が大きく、当時のプレイヤーにとっては、画面の外に広がる世界を思い描きながら楽しめる作品だったといえます。
短い中に目的・変化・達成感が詰まった作品
本作の魅力を総合すると、「限られた容量と表現の中で、はっきりした冒険を作っていること」に集約されます。地下31階のコンピュータを目指すという目的は明快で、10階ごとのエリア分けによって進行の区切りも分かりやすく、キー集めによって単なる移動に意味が加えられています。敵や罠も段階的に変化し、最後には通常ステージとは違うコンピュータルームが待っているため、始まりから終わりまで一本の流れとして遊べます。現代のゲームのような大量のステージや豪華な演出はありませんが、そのぶん「何をすればよいか」が明確で、プレイヤーの集中力を切らしにくい作りです。エレベーターを使った移動、地下へ潜る不安、鍵を集める達成感、敵の基地を突破する高揚感がまとまっており、スーパーカセットビジョン初期のアクションゲームの中でも、題材の分かりやすさと遊びの個性を持った一本として楽しめます。シンプルな画面の奥に、基地潜入ものらしい緊張と、昔の家庭用ゲームならではの想像力をかき立てる魅力が詰まっている作品です。
■■■■ ゲームの攻略など
まずは「敵を倒すゲーム」ではなく「地下へ進むゲーム」と考える
『エレベーターファイト』を攻略するうえで最初に意識したいのは、本作が単純に画面内の敵をすべて倒していくゲームではないという点です。もちろん銃撃によって敵を処理することは重要ですが、最終目的は地下31階にあるコンピュータルームへ到達し、基地の中枢を破壊することです。そのため、プレイ中の判断基準は「敵を全滅させる」よりも「安全にキーを集め、次のエリアへ進む」ことに置いたほうが安定します。敵が目の前にいるとつい撃ち合いたくなりますが、倒す必要のない敵に時間を使いすぎると、かえって危険な位置に追い込まれることがあります。特にエレベーター付近やドアの周辺では敵が現れやすく、立ち止まっている時間が長いほど不利になります。攻略の基本は、必要な敵だけを処理し、危険な場所には長く留まらず、目的のキーや移動地点を優先することです。序盤からこの考え方に慣れておくと、中盤以降の罠が増えるエリアでも焦りにくくなります。反射神経だけで突破するよりも、階層の構造と敵の出方を覚えながら、無駄な戦闘を減らして進むほうが、本作らしい攻略になります。
地下1階から10階は基本操作と敵の出現を覚える区域
最初の地下1階から10階までは、本作の操作感と戦闘の基礎を体に覚え込ませる重要な区間です。この区域では、主に攻撃ロボットが登場し、ドアやエレベーター付近からプレイヤーを狙ってきます。攻略のポイントは、敵の出現を確認してから慌てて動くのではなく、「敵が出てくる可能性のある場所」をあらかじめ警戒しながら移動することです。エレベーターに乗る直前、降りた直後、通路を横切る瞬間は特に危険です。移動と射撃の切り替えを雑に行うと、敵に接近されて対応が遅れます。序盤では、敵との距離を取りながら正面から撃つことを基本にし、背後や上下から挟まれない位置取りを意識すると安定します。また、ダウンスポットを使って下の階へ進む場面では、勢いだけで落ちるのではなく、落下先で敵に囲まれないかを考える必要があります。地下1階から10階は難度そのものは後半より控えめですが、ここで雑な癖をつけると後の区域で苦労します。序盤はスピードよりも確実性を重視し、敵が出る場所、鍵の場所、下へ進むためのルートを少しずつ覚えることが、クリアへの土台になります。
キー回収は最短ルートより安全ルートを優先する
各エリアでは、次へ進むために複数のキーを集める必要があります。このキー回収が本作の攻略を大きく左右します。最初のうちは、見つけたキーを目指して一直線に進みたくなりますが、敵や罠の配置を無視して急ぐと失敗しやすくなります。特にエレベーターや落下地点を挟む場所では、一見近道に見えるルートがかえって危険なことがあります。安全に攻略するためには、キーの場所だけでなく、そこへ向かう途中の退避場所や敵を迎え撃ちやすい位置も考えておくことが大切です。敵が近くにいる状態で無理にキーを取りに行くよりも、いったん敵を処理してから向かったほうが結果的に早く進める場合もあります。また、鍵を取ったあとにどこへ移動するかを考えておかないと、回収直後に敵や罠へ追い込まれることがあります。キー回収は「取る瞬間」だけでなく、「取りに行く前」と「取った後」まで含めて一つの行動として見るべきです。慣れてくると、自分なりに安全な回収順が決まってきます。毎回同じ順番で取れるようになると、無駄な移動が減り、後半へ余裕を残しやすくなります。
地下11階から20階は罠を読む力が試される
中盤となる地下11階から20階は、序盤とは攻略の考え方を少し変える必要があります。この区間では敵の数だけで押してくるというより、壁から飛び出すエイリアンやアイアンクロー、足場のない場所など、地形と仕掛けによる危険が目立つようになります。ここでは、敵を倒す腕前以上に、タイミングを読む力が重要です。焦って前へ進むと、横から突進してきた敵に当たったり、挟み込み型の罠に捕まったり、床のない部分に落ちたりします。攻略の基本は、初見で無理に突破しようとせず、仕掛けの動き方をよく観察することです。どのタイミングで罠が閉じるのか、どこで立ち止まれば安全なのか、どの場所から敵が出てくるのかを覚えると、危険な区域でも安定して進めるようになります。特にアイアンクローのような仕掛けは、急いで通過しようとすると失敗しやすく、少し待つ勇気が必要です。中盤エリアでは、序盤で覚えた射撃中心の感覚をそのまま持ち込むと対応しにくいため、移動のテンポを少し落とし、罠の周期に合わせて進むことが攻略の鍵になります。
地下21階から30階ではガーシムの反応に注意する
後半の地下21階から30階では、序盤に似たエレベーター戦の構成が戻ってくる一方で、敵の性質がより厄介になります。特に注意したいのが敵宇宙人ガーシムです。ロボット系の敵は動きや反応が比較的読みやすく、後ろへ回り込むことで安全を取りやすい場面があります。しかしガーシムは単純な機械兵とは異なり、プレイヤーの位置に反応して向きを変え、攻撃してくるため、背後を取ったつもりでも安心できません。ここでは、敵の後ろに回ることよりも、正面に立たない時間を短くすること、距離を保つこと、無理に接近しないことが重要になります。後半になるほど、プレイヤーはキー回収の焦りと敵への対応を同時に求められます。敵を避けて進もうとしてもガーシムに振り向かれ、倒そうとして立ち止まると別の危険が近づくことがあります。そのため、後半では敵を倒すか避けるかの判断を素早く行う必要があります。撃つと決めたら迷わず撃ち、逃げると決めたら安全な足場やエレベーターへすぐ移動する。この切り替えが遅れると、クリア直前でミスを重ねやすくなります。
地下31階のコンピュータルームは焦らず手順を守る
最終地点となる地下31階は、それまでの通常フロアとは違う特別な攻略が必要です。ここでは上下に動くステップを利用しながら、画面左右にあるスイッチを操作し、中央へ戻ることが求められます。ここまで来ると気持ちが高ぶり、早く終わらせようとして無理な移動をしがちですが、最終ルームこそ落ち着いた操作が大切です。動く足場は一定の感覚で予測しにくい場面があり、焦って乗り移ろうとすると失敗につながります。攻略の考え方としては、一つ一つの行動を区切って考えると安定します。まず足場の位置を確認し、次に片側のスイッチへ向かい、操作したら無理に急がず安全なタイミングで戻る。反対側のスイッチも同じように処理し、最後に中央へ戻る。この手順を守ることで、最終場面の事故を減らせます。特に、左右のスイッチを押したあとに中央へ戻る行動は、勝利目前のため油断しやすい部分です。ここで焦ってミスをすると精神的なダメージも大きいため、最後まで「敵基地から脱出するまでが攻略」と考えておくとよいでしょう。
難易度は覚えゲー寄りだが、上達が見えやすい
『エレベーターファイト』の難易度は、初見ではやや厳しく感じられるタイプです。敵や罠の性質を知らないまま進むと、突然の攻撃や落下、挟み込みに対応できず、何が原因で失敗したのか分からないままミスになることがあります。しかし、理不尽にランダムなだけのゲームというより、何度か遊ぶことで危険な場所を覚え、少しずつ進める距離が伸びていく覚えゲー寄りの作りです。序盤の敵の出現、中盤の罠のタイミング、後半のガーシムへの対処、最終ルームの手順を理解していくと、以前は難しかった場所を自然に越えられるようになります。この上達が見えやすい点は、本作の攻略面での魅力です。裏技や派手な抜け道に頼るというより、プレイヤー自身がマップや敵の動きを覚えて腕を上げていくタイプのゲームなので、クリアしたときの達成感は大きいです。どうしても進めない場合は、まず全体を急いでクリアしようとせず、10階ごとの区切りを目標にするとよいでしょう。地下10階まで安定、次に20階まで安定、最後に30階突破というように段階を分ければ、攻略の手応えを感じながら前進できます。
楽しみ方は「最短クリア」より「自分の安全手順作り」
本作を長く楽しむなら、単にクリアを目指すだけでなく、自分なりの安全な攻略手順を作る遊び方がおすすめです。どの敵を倒し、どの敵を無視するか。どの順番でキーを取るか。どの場所で待ち、どのタイミングで落下するか。こうした細かな行動を自分の中で決めていくと、プレイが安定するだけでなく、同じステージでも違った面白さが出てきます。慣れてくれば、より短い時間で進むことを目指したり、危険なルートをあえて使ってみたり、苦手なエリアだけを意識して練習したりする楽しみ方もできます。スーパーカセットビジョンのゲームらしく、説明や演出が過剰ではないぶん、プレイヤーが自分で攻略を組み立てる余地があります。『エレベーターファイト』は、派手な必殺技や成長要素で押す作品ではありませんが、敵基地の構造を理解し、危険を読み、少しずつ深部へ潜っていく過程そのものが面白いゲームです。攻略のコツは、強引に進むことではなく、毎回の失敗から安全な動きを見つけることにあります。その積み重ねが、最終的に地下31階への到達と勝利につながります。
■■■■ 感想や評判
当時のプレイヤーに残った「エレベーターで戦う」という強い印象
『エレベーターファイト』を語るうえで、多くの人がまず思い出すのは、やはりタイトル通りのエレベーターを使った独特のゲーム展開です。家庭用ゲームがまだ発展途上だった1984年当時、アクションゲームといえば、横に進む、固定画面で敵を撃つ、迷路を移動する、といった分かりやすい形式が中心でした。その中で本作は、上下に動くエレベーターや地下階層を利用しながら敵基地を攻略するという構成を打ち出しており、プレイヤーにとっては題材そのものが記憶に残りやすい作品でした。画面の派手さやキャラクターの細かな演出で驚かせるというより、「エレベーターに乗る」「階を降りる」「敵が現れる」「鍵を探す」という一連の動きがゲームの個性になっていたため、遊んだ人の感想にも「変わった設定のゲームだった」「地下へ潜っていく感じが面白かった」という方向の印象が残りやすかったと考えられます。単純なガンシューティングではなく、移動手段そのものを遊びの中心に置いた点が、本作の評判を語るうえでの大きな特徴です。
スーパーカセットビジョン作品としての存在感
『エレベーターファイト』は、スーパーカセットビジョン用ソフトの中でも、SFアクション色がはっきりした作品として受け止められやすい一本です。スーパーカセットビジョンは、ファミリーコンピュータと同じ時代に登場した家庭用ゲーム機であり、エポック社ならではの独自ラインナップを展開していました。その中で本作は、近未来基地、宇宙人、ロボット、コンピュータ破壊といった要素を組み合わせ、アクションゲームとして分かりやすい目的を持たせています。当時のプレイヤーから見れば、家庭のテレビで敵基地へ潜入するSFアクションを楽しめること自体に魅力がありました。スーパーカセットビジョンのソフトには、アーケード的な分かりやすさを持つものや、オリジナル設定を前面に出したものがありますが、『エレベーターファイト』はその中間に位置するような作品です。ルールは比較的理解しやすく、それでいて舞台設定には物語性があります。そのため、ハードの持ち味を知るうえでも、当時の家庭用ゲームがどのようにアクションと設定を結びつけようとしていたかを感じられる作品として評価できます。
良い意味で「少し難しい」と感じられるゲーム性
プレイした人の感想として出やすいのは、見た目よりも難しいという印象です。『エレベーターファイト』は、操作自体は極端に複雑ではありません。移動し、撃ち、エレベーターや落下ポイントを使って進むという基本は分かりやすいものです。しかし、敵の出現位置や罠の配置、キー回収の順番、階層ごとの違いを理解しないまま進むと、意外なほどミスをしやすい作りになっています。特に中盤の仕掛けや後半のガーシムへの対応では、勢いだけで進むプレイヤーほど苦戦しやすく、何度もやり直して覚える必要があります。この難しさは、現在の感覚で見るとやや不親切に映る部分もありますが、当時のアクションゲームらしい挑戦性ともいえます。遊ぶたびに少しずつ進める階が増え、以前引っかかった罠を越えられるようになるため、失敗がそのまま次の攻略につながります。プレイヤーの反応としては、「簡単ではないが、分かってくると先へ進める」「クリアまでの手順を覚えるのが楽しい」という種類の手応えを残すゲームだったといえるでしょう。
テンポの良さと緊張感への評価
『エレベーターファイト』は、長い説明や複雑な会話イベントで進行する作品ではなく、ゲームが始まるとすぐに敵基地の攻略が始まります。このテンポの良さは、当時のプレイヤーにとって大きな魅力でした。プレイヤーは余計な準備をせず、すぐにアーリンを操作して地下へ向かうことになります。エレベーターの乗り降り、ドア付近での敵の出現、ダウンスポットによる階層移動などが連続するため、画面はシンプルでもプレイ中は意外と忙しく感じられます。特に、敵を倒した直後に次の移動を考えなければならない場面や、鍵を取ったあとに安全な退避場所を探す場面では、常に小さな緊張が続きます。この「止まっていると危ない」「進みすぎても危ない」というバランスが、本作のテンポを支えています。プレイヤーの感想としても、じっくり考えるゲームというより、危険を見ながらその場で判断していくアクション性が印象に残りやすかったはずです。派手な演出よりも、操作中の緊張感そのものに魅力があるタイプのゲームです。
一方で、粗さや分かりにくさを感じる部分もある
好意的に見られる一方で、本作には当時のゲームらしい粗さもあります。グラフィック表現は限られており、キャラクターや背景の細かな描写から状況を読み取るには、ある程度の慣れが必要です。敵の種類や罠の意味が初見では分かりにくく、なぜミスになったのかをすぐ理解できない場面もあります。また、キーの回収やバリア解除の仕組みも、説明を読んでいれば理解しやすいものの、ゲーム画面だけで直感的に把握できるかというと、現代の親切なゲームに比べるとやや分かりづらい部分があります。そのため、当時遊んだ人の中には「面白そうだが難しい」「雰囲気は良いが、慣れるまで戸惑う」と感じた人もいたでしょう。特に、アクションゲームが苦手な人にとっては、敵の攻撃と罠の両方に対応する必要がある中盤以降が壁になりやすいです。ただ、この粗さは単純な欠点だけではなく、当時の家庭用ゲーム特有の手探り感でもあります。説明書を読み、何度も遊び、失敗しながらルールを理解していく過程そのものが、当時のゲーム体験の一部でした。
ゲーム雑誌や紹介記事で映えやすい設定
『エレベーターファイト』は、紹介文や広告的な見せ方においても、比較的説明しやすい作品です。敵宇宙人ガーシムの基地へ潜入し、地下31階のコンピュータを破壊するという目的は明快で、読者に内容を伝えやすい題材です。また、10階ごとに異なるエリア、キーを集めてバリアを解除する仕組み、ロボットやエイリアン、ガーシムといった敵の変化など、短い紹介でもゲームの見どころを並べやすい構造になっています。当時のゲーム紹介では、画面写真だけで全体の面白さを伝えることが難しい場合もありましたが、本作の場合は「地下基地」「エレベーター」「鍵」「最深部」という言葉だけで、ある程度プレイ内容を想像できます。メディアで大々的な話題作として扱われるタイプではなかったとしても、スーパーカセットビジョンのラインナップを紹介する中では、独自の設定を持つアクションゲームとして存在感を出しやすかった作品といえます。タイトルの覚えやすさもあり、遊んでいない人にも「エレベーターで戦うゲーム」として伝わりやすいところがあります。
現在の視点では、レトロゲームらしい味わいが評価される
現在の視点で『エレベーターファイト』を見ると、最新ゲームのような豪華さや快適性を期待する作品ではありません。しかし、レトロゲームとして見ると、限られた性能の中で明確なテーマを作り、エレベーターを利用した地下攻略アクションにまとめている点が味わい深く感じられます。現代では、古いゲームに対して「不便さ」や「単純さ」だけを見るのではなく、その時代の発想や工夫を楽しむ見方が広がっています。本作もまさにそのようなタイプで、シンプルな画面の中に、基地へ潜入する緊張感、階層を下っていく達成感、キーを集めて進む探索性が詰め込まれています。プレイヤーによっては、操作の硬さや判定の厳しさを難点と感じるかもしれませんが、別の人にとってはそれが「昔のゲームらしい歯ごたえ」として魅力になります。遊びやすさだけを基準にすると評価が分かれやすいものの、スーパーカセットビジョン時代のアクションゲームを知る資料的な価値や、独自題材の面白さという点では、現在でも語る価値のある一本です。
総じて、個性と挑戦性で記憶に残る作品
『エレベーターファイト』の評判を総合すると、万人向けの大ヒット作というより、遊んだ人の記憶に独特の感触を残す個性派アクションといえます。見た目は素朴で、操作もシンプルですが、地下31階を目指す構成、キー集め、エレベーター移動、敵や罠の変化といった要素が組み合わさり、短い中にも明確な冒険感があります。簡単に遊べる一方で、きちんと進めるには覚えと判断が必要で、その難しさが達成感につながります。遊びやすさの面では粗い部分もありますが、それを含めて1984年の家庭用アクションゲームらしい味があります。特に、スーパーカセットビジョンというハードに思い入れがある人にとっては、エポック社が独自のSFアクションを作ろうとしていた時代の空気を感じられる作品でしょう。『エレベーターファイト』は、豪華さよりも発想、物量よりも構成、演出よりもプレイヤーの想像力で楽しませるゲームです。そのため、現在振り返ると、単なる古いソフトではなく、レトロゲームならではの不器用さと面白さが同居した一本として評価できます。
■■■■ 良かったところ
題材がはっきりしていて、遊ぶ前から内容を想像しやすい
『エレベーターファイト』の良かったところとして、まず挙げられるのは、ゲームの題材がとても分かりやすい点です。タイトルを見ただけで「エレベーターを使って戦うゲームなのだろう」と想像でき、実際の内容もその期待を裏切らず、上下移動と敵基地への潜入が中心になっています。1980年代前半の家庭用ゲームでは、短いタイトルやパッケージの説明から遊び方を想像することが多く、そこでプレイヤーに強い印象を与えられるかどうかは重要でした。その点で本作は、エレベーターという日常的な乗り物を戦闘アクションの舞台装置にしたことで、他の宇宙シューティングや迷路ゲームとは違う個性を出しています。単に敵を撃つだけの作品ではなく、階層を移動し、鍵を集め、地下へ潜っていくという流れがあるため、プレイヤーは自分が敵基地に侵入しているという感覚を持ちやすくなっています。画面がシンプルでも、題材そのものが明快なので、遊んでいる最中に目的を見失いにくい点は大きな長所です。
地下31階を目指す構成が達成感を生み出している
本作の良さは、目的地がはっきりしていることにもあります。プレイヤーは主人公アーリンを操作し、敵宇宙人ガーシムの基地の地下31階にあるコンピュータルームを目指します。この「地下31階」という具体的な数字が、ゲーム全体に分かりやすい到達目標を与えています。ただ漠然とステージを進むのではなく、地下1階から少しずつ深部へ向かっていくため、プレイヤーは進むたびに「中枢に近づいている」という実感を持てます。さらに、10階ごとに区切られたエリア構成があることで、途中経過も把握しやすくなっています。地下10階まで行けた、次は20階まで行けた、今度は30階を越えたい、というように小さな目標を段階的に作りやすいのです。この構成は、プレイヤーの再挑戦意欲にもつながります。最初はすぐにミスをしても、少しずつ深い階へ行けるようになると、自分の上達がはっきり分かります。最後に地下31階へ到達したときの緊張感と達成感は、短いゲーム構成の中でもしっかり味わえる魅力です。
鍵集めとバリア解除が単調さを防いでいる
『エレベーターファイト』は、アクションシューティングでありながら、ただ敵を倒して進むだけでは終わりません。各エリアでキーを集め、バリアを解除して次の区域へ進むという仕組みがあり、これがゲームに探索的な面白さを加えています。敵を倒すことは重要ですが、それだけでは先へ進めないため、プレイヤーは画面内の状況を見ながら、どこへ向かうべきかを考える必要があります。この要素があるおかげで、ゲームは単なる撃ち合いではなく、目的物を探して危険地帯を突破する潜入アクションのような味わいを持っています。キーを見つけたときの安心感、すべて集めてバリアが解けるときの満足感、次のエリアへ進めるようになったときの高揚感は、本作ならではの良い部分です。もし敵を倒して下へ行くだけの内容であれば、展開はもっと単調になっていたかもしれません。しかし、キー回収という明確な課題が入ることで、移動にも意味が生まれ、どの順番で動くかを考える楽しさが生まれています。
エリアごとに危険の種類が変わるため印象に残りやすい
本作は大きく見ると地下基地を下っていくゲームですが、エリアごとにプレイヤーへ求められる対応が変わる点も良いところです。地下1階から10階では、ドアやエレベーターから現れるロボットへの対処が中心になり、基本的な撃ち合いと移動の感覚を覚えることになります。地下11階から20階では、エイリアンの突進やアイアンクロー、床のない場所など、地形や罠を意識する場面が増えます。そして地下21階から30階では、より厄介なガーシムが登場し、序盤と似た構成でありながら油断できない展開になります。このように、同じような画面が続いているように見えても、実際には注意すべきものが少しずつ変化していくため、プレイに変化が生まれています。特に中盤の罠重視の区域は、序盤の撃ち合いとは違った緊張感があり、ゲーム全体のアクセントになっています。限られたステージ構成の中で、敵・罠・目的の組み合わせを変えながらプレイヤーを飽きさせないようにしている点は、よくできた部分です。
シンプルな操作でありながら、緊張感が途切れにくい
『エレベーターファイト』は、現代のゲームのように複雑な操作や多彩なアクションを持っているわけではありません。しかし、操作が分かりやすいからこそ、プレイヤーはすぐにゲームへ入り込むことができます。移動し、撃ち、エレベーターを使い、落下地点を利用しながら進むという基本の流れは覚えやすく、初めて触れた人でも何をするゲームなのか理解しやすい作りです。その一方で、簡単に進めるわけではありません。敵の出現、罠の動き、足場の有無、キー回収の順番など、気を抜くとすぐにミスにつながる要素が多く、プレイ中は常に小さな判断を求められます。この「操作は単純だが、状況判断は忙しい」というバランスが、本作の緊張感を支えています。難しいコマンドを覚える必要がないぶん、失敗したときに「次はもう少し早く動こう」「ここでは待とう」と反省しやすく、上達にもつながりやすいです。分かりやすさと歯ごたえが両立しているところは、本作の大きな長所といえるでしょう。
近未来SFらしい雰囲気を想像で補える楽しさ
本作は、グラフィックで細かな世界観を描き込むタイプのゲームではありません。しかし、だからこそプレイヤーの想像力を刺激する良さがあります。アーリン、ガーシム軍団、地下基地、攻撃ロボット、エイリアン、コンピュータルームといった設定の断片が用意されており、それらをもとにプレイヤーは画面の外に広がる物語を想像できます。地下へ進むたびに、敵の警備が厳しくなっているように感じたり、最深部のコンピュータが基地全体を支配しているように思えたりするのは、シンプルな画面表現と設定がうまく結びついているからです。当時の家庭用ゲームでは、説明書やパッケージの文章を読み、実際の画面と頭の中のイメージを重ねながら遊ぶ楽しさがありました。『エレベーターファイト』にもその魅力があります。画面上の表現は限られていても、SF基地へ単身で潜入するという設定があることで、プレイヤーは単なる点や記号の動きではなく、アーリンの危険な任務としてゲームを受け止めることができます。
短くまとまっているからこそ、繰り返し挑戦しやすい
本作は長大なステージ数や複雑なシナリオで遊ばせる作品ではありません。そのかわり、地下31階を目指すという一本の目的に内容が絞られており、繰り返し挑戦しやすい構成になっています。失敗しても、次はもう少し深く進もうと思いやすく、攻略の区切りも分かりやすいです。10階ごとのエリア分けがあるため、プレイヤーは自分の進歩を確認しながら遊べます。前回は中盤で罠にやられた、今回は後半まで進めた、次は最終ルームに行きたい、というように、毎回のプレイが次の目標につながります。こうした反復性は、レトロゲームにとって非常に重要な魅力です。短時間で集中して遊べる一方で、クリアには慣れと覚えが必要なので、すぐに終わるだけの浅いゲームにはなっていません。遊ぶたびに敵の出方や安全なルートを覚え、自分の中に攻略法が積み上がっていく感覚があります。この繰り返し遊びたくなる手触りは、『エレベーターファイト』の良かったところとして強く評価できます。
総合的に見て、発想と構成で勝負した良作感がある
『エレベーターファイト』の良いところをまとめると、派手な物量ではなく、発想と構成でプレイヤーを引きつけようとしている点にあります。エレベーターを使った縦移動、地下基地の攻略、キー集め、バリア解除、敵や罠の変化、最終コンピュータルームという流れが、一本のゲームとして分かりやすくまとまっています。もちろん、現代の基準で見れば素朴な部分は多いものの、1984年の家庭用ゲームとしては、目的の明確さと遊びの個性がしっかり感じられます。特に、プレイヤーが地下へ潜っていく構成は印象に残りやすく、短い中にも冒険の始まりから終わりまでが用意されています。簡単すぎず、難しすぎるだけでもなく、覚えれば少しずつ前へ進める手応えがあるところも魅力です。本作は大作感で圧倒するゲームではありませんが、「こういう題材で遊ばせたい」という狙いがはっきりしているため、今振り返っても個性を感じられます。スーパーカセットビジョンの時代らしい想像力と、アクションゲームとしての挑戦性が合わさった、味のある一本だといえるでしょう。
■■■■ 悪かったところ
初見ではルールや目的が少し伝わりにくい
『エレベーターファイト』の残念なところとして、まず挙げられるのは、ゲームの目的や細かなルールが初見ではやや分かりにくい点です。地下31階のコンピュータルームを目指すという大きな目的は設定として用意されていますが、実際にゲーム画面だけを見てすぐに「何を集めればよいのか」「なぜ先へ進めないのか」「どこでバリアが解除されるのか」を理解するには、ある程度の説明が必要になります。特にキーを集めてエリアを突破する仕組みは本作の重要な要素ですが、現代のゲームのように画面上で丁寧な案内が出るわけではありません。そのため、説明書を読まずに遊ぶと、ただ敵を倒して下へ向かうゲームだと思い込み、途中で進行が止まって戸惑う可能性があります。また、敵や罠の種類も画面表現が簡略化されているため、初めて見た段階では、それが攻撃してくるものなのか、触れてはいけない仕掛けなのか、移動に使えるものなのかを判断しづらい場面があります。昔のゲームらしい手探り感ともいえますが、遊び始めの分かりやすさという点では、もう少し親切な見せ方があれば、より多くのプレイヤーに受け入れられやすかったでしょう。
操作感に慣れるまでミスが出やすい
本作は操作そのものが複雑なゲームではありませんが、移動、射撃、エレベーターの利用、落下地点での階層移動などが連続するため、慣れないうちは思った通りに動かしにくく感じることがあります。特にエレベーター周辺では、乗る、降りる、敵を避ける、撃つといった判断を短い時間で行う必要があり、少し操作が遅れるだけで敵に接触したり攻撃を受けたりします。プレイヤーが意図した動きと画面内のキャラクターの反応に微妙なずれを感じる場面があると、失敗の原因が自分の判断なのか、操作の感覚に慣れていないせいなのか分かりにくくなります。また、落下ポイントを使って下の階へ進む仕組みは面白い一方で、落ちた先の状況にすぐ対応しなければならず、初見では不意打ちのように感じられることもあります。操作に熟練すればテンポよく進めるようになりますが、そこに至るまでの入口はやや厳しめです。アクションが苦手な人にとっては、序盤から敵の出現と階層移動に振り回され、ゲームの面白さを感じる前に難しさが先に立ってしまう可能性があります。
敵や罠の判別がやや難しく、理不尽に感じる場面がある
『エレベーターファイト』では、ロボット、エイリアン、ガーシム、アイアンクロー、足場のない場所など、さまざまな危険が登場します。しかし、画面の表現力には限界があるため、敵や罠の見た目から性質を直感的に理解しにくい部分があります。たとえば、中盤で登場する仕掛けは、動きのタイミングを知らないと突然やられたように感じやすく、初めて遭遇したときには避け方を考える前にミスになってしまうことがあります。壁から飛び出す敵や、足場の切れ目、挟み込む罠などは、覚えてしまえば対応できますが、初見ではかなり厳しい存在です。このような作りは、当時のゲームによく見られる「覚えて攻略する」面白さにつながる一方で、失敗の理由を納得しづらいという欠点もあります。プレイヤーによっては「自分が悪かった」というより「知らなければ避けられない」と感じてしまうでしょう。特に、後半まで進んだところで初見の罠に引っかかると、もう一度そこまで進む必要があり、精神的な負担が大きくなります。もう少し危険を予告するような表示や、段階的に罠へ慣れさせる構成があれば、理不尽さは軽減されたかもしれません。
グラフィックの素朴さで世界観が伝わりきらない
本作には、アーリン、ガーシム軍団、地下基地、コンピュータルーム、宇宙暦を思わせる近未来設定など、想像を広げられる材料が多く用意されています。しかし、ゲーム画面だけでその世界観を十分に表現できているかというと、やはり当時のハード性能の制約を強く感じる部分があります。キャラクターの姿や背景の描写は簡略化されており、敵基地の不気味さや宇宙人の脅威、主人公の格好良さなどは、プレイヤーが説明書やパッケージの情報をもとに補完する必要があります。もちろん、レトロゲームとしては想像で補う楽しさも魅力ですが、ゲーム内の演出だけで見た場合、せっかくのSF設定が十分に伝わらないと感じる人もいるでしょう。地下へ潜っていく構成は面白いものの、各階層の見た目の変化が大きくないため、長く遊んでいると似たような場所を移動している印象になりやすい点も惜しいところです。エリアごとに敵や罠は変化しますが、背景や演出面でさらに違いがあれば、地下基地の奥へ進んでいる感覚がより強くなったはずです。
難易度の上がり方が急に感じられる
序盤の地下1階から10階では、ロボットへの対処や基本的な移動を覚える構成になっていますが、中盤に入ると罠や足場の危険が一気に目立つようになります。この変化はゲームにメリハリを与えている反面、プレイヤーによっては難易度が急に上がったように感じられます。序盤で敵を撃つ感覚に慣れたところで、中盤では罠を読む力が要求されるため、同じ調子で進もうとすると失敗しやすくなります。さらに後半では、ガーシムのように反応が厄介な敵が登場し、これまでの安全策が通じにくくなります。段階的に難しくなっているとも言えますが、説明や練習の余地が少ないため、プレイヤー自身が何度も失敗しながら覚えるしかありません。挑戦性として楽しめる人には魅力になりますが、気軽に遊びたい人には壁になりやすい部分です。特に、最終地点に近づくほど失敗したときのやり直しが重く感じられ、途中で集中力が切れてしまうこともあります。もう少し序盤から罠の種類を少しずつ見せたり、中盤の危険を段階的に増やしたりしていれば、難易度曲線はより自然になったかもしれません。
同じ行動の繰り返しに感じる人もいる
『エレベーターファイト』は、エレベーター移動、敵への射撃、キー回収、下層への移動という基本サイクルを繰り返しながら進むゲームです。この流れが作品の個性であり、慣れてくると攻略のリズムとして楽しめる一方で、人によっては同じような行動の反復に感じられる可能性もあります。特に、派手な演出や多彩な武器、ステージごとの大きな見た目の変化を期待するプレイヤーにとっては、単調に映る場面があるでしょう。敵や罠の種類は変わりますが、基本的にプレイヤーが行うことは大きく変わりません。鍵を探し、敵を避け、下へ進む。その繰り返しを面白いと感じるか、地味と感じるかで評価が分かれます。また、ミスをした場合は再び同じエリアを進む必要があるため、苦手な場所まで戻る過程を負担に感じることもあります。昔のゲームとしては標準的な作りですが、遊びの幅という意味では、もう少し変化のあるギミックや、プレイヤーの行動に選択肢を増やす要素があれば、より飽きにくい内容になったでしょう。
キャラクター性がやや薄く感じられる
主人公アーリンや敵宇宙人ガーシムという設定は存在しますが、ゲーム中でキャラクターの個性が深く描かれるわけではありません。アーリンがどのような人物なのか、なぜ単身で基地に乗り込んでいるのか、ガーシム軍団がどれほど恐ろしい存在なのかといった部分は、プレイヤーの想像に任される比重が大きいです。当時のアクションゲームとしては珍しいことではありませんが、せっかく副題やSF設定があるだけに、もう少しキャラクター性を感じられる演出があってもよかったと考える人はいるでしょう。たとえば、エリア突破時に簡単なメッセージが出る、最終ルーム到達時に特別な演出が入る、敵の種類ごとにもう少し見た目の違いが分かりやすいといった要素があれば、世界観への没入感はさらに高まったはずです。現状では、キャラクターよりもゲームシステムが前面に出ており、アーリンという主人公に強い思い入れを持つには材料がやや少なめです。設定面に魅力があるだけに、それが画面内で十分に活かされきっていない点は惜しいところです。
総合的には、発想は良いが粗さも目立つ作品
『エレベーターファイト』の悪かったところをまとめると、題材や構成の面白さに対して、説明の分かりやすさ、操作の滑らかさ、画面表現、難易度調整にやや粗さが見られる作品だといえます。エレベーターを使って敵基地を下っていく発想は非常に魅力的で、キー集めやバリア解除もゲームに目的を与えています。しかし、その面白さを十分に味わうには、プレイヤーが説明書を理解し、敵や罠の配置を覚え、何度も失敗しながら慣れていく必要があります。最初から快適に遊べるタイプではなく、手探りで攻略することを楽しめる人向けのゲームです。そのため、評価する人にとっては「レトロゲームらしい歯ごたえのある作品」になりますが、合わない人にとっては「分かりにくく、急に難しくなるゲーム」と感じられるでしょう。とはいえ、これらの欠点は1984年当時の家庭用ゲームの制約とも深く関係しています。現在の基準で見れば不親切な部分は多いものの、発想そのものは光っており、粗さを含めて時代の空気を感じられる一本です。欠点がありながらも、独自の題材と攻略性によって記憶に残る作品であることは間違いありません。
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■ 好きなキャラクター
主人公アーリンは、無言で任務を背負う潜入ヒーロー
『エレベーターファイト』で最も印象に残るキャラクターを挙げるなら、やはり主人公であるアーリンです。ゲーム中で長い台詞を話したり、細かな感情表現を見せたりするタイプの主人公ではありませんが、そのぶんプレイヤーが自分自身を重ねやすい存在になっています。アーリンは敵宇宙人ガーシムの基地へ単身で潜入し、地下31階にある中枢コンピュータの破壊を目指します。この設定だけでも、かなり危険な任務を背負った人物であることが分かります。味方の部隊を引き連れているわけでもなく、巨大兵器に乗っているわけでもなく、限られた装備とプレイヤーの判断だけを頼りに、敵の防衛網へ飛び込んでいく。その姿には、古いSFアクション作品らしい孤独なヒーロー像があります。アーリンの魅力は、派手な性格づけではなく、プレイヤーの操作によって少しずつ強さが見えてくる点にあります。最初はすぐに敵に倒されてしまう頼りない存在に感じても、プレイヤーが上達するにつれて、彼はロボットをかわし、罠を抜け、ガーシムに立ち向かう頼もしい戦士へと変わっていきます。つまり、アーリンの格好良さは画面の演出ではなく、プレイヤー自身の成長と一体になって生まれるのです。
アーリンの魅力は「強すぎない」ことにある
アーリンが好きな理由として大きいのは、最初から圧倒的な強さを持つ超人として描かれていないところです。彼は敵に触れれば危険で、罠にかかれば倒れ、落下や挟み込みにも弱い存在です。現代のゲームの主人公のように多彩な武器を持ち替えたり、特殊能力で一気に敵を蹴散らしたりするわけではありません。だからこそ、プレイヤーは彼を慎重に動かし、一歩一歩安全を確かめながら進めたくなります。強すぎない主人公だからこそ、敵基地の危険さが伝わり、地下31階へ到達したときの達成感も大きくなります。また、アーリンはプレイヤーの判断に素直に反応する存在でもあります。無理に進めば失敗し、丁寧に操作すれば先へ進める。この分かりやすさが、プレイヤーとキャラクターの一体感を強めています。派手な台詞や演出で魅力を語るのではなく、何度も挑戦する中で「今度こそアーリンを最深部まで連れていきたい」と思わせるところが、本作の主人公らしい良さです。小さなキャラクター表示の中に、危険な任務に挑む緊張感が詰まっている点が、アーリンを好きになれる理由だといえます。
敵宇宙人ガーシムは、終盤の緊張感を作る重要な存在
敵キャラクターの中で印象深い存在としては、やはりガーシムが挙げられます。ガーシムは本作における敵勢力の中心であり、主人公アーリンが戦うべき相手です。ゲーム中では、単なる背景設定にとどまらず、後半エリアでプレイヤーを直接苦しめる敵として登場します。ロボット系の敵と違い、ガーシムはプレイヤーの動きに反応するような厄介さを持ち、背後に回り込めば安全という単純な対策が通じにくい存在です。そのため、初めて出会ったときには「これまでの敵とは違う」と感じさせます。序盤のロボットは防衛兵器、中盤の罠は基地そのものの危険として受け止められますが、ガーシムは敵軍団の意思を感じさせる存在です。プレイヤーを追い詰め、振り向き、攻撃してくることで、基地の奥へ進むほど敵の本体に近づいている印象を強めてくれます。好きな敵キャラクターとしてガーシムを挙げたくなる理由は、単に倒しにくいからではなく、ゲーム後半の緊張感を一段引き上げてくれるからです。彼が登場することで、アーリンの任務がいよいよ核心に近づいたことが伝わります。
攻撃ロボットは、序盤を支える分かりやすいライバル
本作の敵として忘れられないのが、序盤から登場する攻撃ロボットです。ロボットはガーシム軍団の基地を守る兵器として登場し、ドアやエレベーター周辺からプレイヤーに襲いかかります。見た目や動きはシンプルですが、最初にプレイヤーへ本作の危険を教える役割を持っています。アーリンを操作し始めたばかりのプレイヤーにとって、ロボットは射撃のタイミング、距離の取り方、エレベーター付近の危険性を学ばせる先生のような存在です。序盤のロボットをうまく処理できるようになると、プレイヤーは少しずつ本作のテンポを理解していきます。好きなキャラクターという観点では、敵ながらも分かりやすく、何度も相手にするうちに愛着のようなものが湧いてくる存在です。最初は邪魔でしかなかったロボットも、攻略に慣れてくると「ここで出てくる」「この距離なら撃てる」と読めるようになり、プレイヤーの成長を実感させてくれます。レトロゲームにおける敵キャラクターの魅力は、見た目の細かさだけではありません。何度も失敗させられ、何度も乗り越えることで、記憶に残る相手になるのです。
エイリアンは中盤の不意打ち感を象徴する存在
地下11階から20階付近で印象を強めるエイリアンも、好きな敵キャラクターとして語りたくなる存在です。ロボットのように正面から撃ち合う相手というより、左右の壁から飛び出してくるような奇襲性があり、プレイヤーに中盤エリアの怖さを教えてくれます。エイリアンの魅力は、その不気味さと予測しづらさにあります。敵基地の中へ深く進んできたことで、機械兵器だけではなく、異形の存在そのものが襲ってくるようになる。この変化は、ゲームの世界観に奥行きを与えています。序盤のロボットが警備装置なら、エイリアンは基地の内部に潜む生物的な脅威です。壁から突然向かってくる動きは、慣れないうちは非常に厄介ですが、だからこそ印象に残ります。プレイヤーが安全だと思っていた場所から攻撃が来ることで、地下基地が単なる通路の集合ではなく、どこに危険が潜んでいるか分からない場所に感じられるのです。好き嫌いでいえば、プレイ中は嫌な相手かもしれません。しかし、ゲームの緊張感を作る役者として見ると、エイリアンは非常に良い働きをしているキャラクターです。
アイアンクローはキャラクターのように記憶される罠
『エレベーターファイト』の「好きなキャラクター」を広く捉えるなら、アイアンクローのような罠も忘れられません。厳密には人物や生物ではありませんが、プレイヤーに強い印象を残す存在という意味では、敵キャラクターに近い役割を果たしています。アイアンクローは、触れたり挟まれたりすると危険な仕掛けであり、中盤エリアの攻略を難しくする要素です。見た目の派手さよりも、動きのタイミングを読まなければならないところに存在感があります。プレイヤーは敵を倒すだけではなく、このような機械的な罠とも戦わなければなりません。好きな理由としては、ゲームに変化を与えている点が挙げられます。もし本作がロボットやガーシムとの撃ち合いだけで構成されていたら、攻略はもっと単調になっていたでしょう。アイアンクローのような罠があることで、プレイヤーは立ち止まり、タイミングを見て、進むべき瞬間を判断する必要が出てきます。この「敵ではないが、確実にプレイヤーを苦しめる存在」が、地下基地の危険な雰囲気を作っています。失敗したときは悔しいものの、うまく抜けられたときの気持ちよさも大きく、記憶に残る仕掛けです。
地下31階のコンピュータは、無言のラスボスのような存在
本作の最終目的である地下31階のコンピュータも、ある意味では重要なキャラクターとして見ることができます。コンピュータは人間のように動き回るわけではありませんが、ガーシム軍団の基地を支える中枢であり、アーリンが破壊すべき最終目標です。ゲームのすべての行動は、このコンピュータへ到達するためにあります。地下1階から始まり、ロボットを倒し、罠を越え、ガーシムを退け、最後にたどり着く対象がこのコンピュータであるため、プレイヤーにとっては無言のラスボスのような存在です。最終ルームでは、ただ撃てば終わりではなく、左右のスイッチを操作し、動くステップを使いながら中央へ戻る必要があります。この手順があることで、コンピュータルームは通常のステージとは違う特別な場所として印象に残ります。好きな理由は、ゲーム全体の目的を一つにまとめているからです。敵キャラクターのような派手な動きはなくても、プレイヤーに「ここまで来た」と感じさせる力があります。最深部に待つ装置としての存在感が、本作の締めくくりを支えています。
キャラクター全体の魅力は、想像で補う余地にある
『エレベーターファイト』のキャラクターたちは、現代のゲームのように細かなプロフィールや会話イベントで描かれているわけではありません。アーリンもガーシムも、ロボットやエイリアンも、画面上では簡略化された存在です。しかし、だからこそプレイヤーの想像が入り込む余地があります。アーリンはどんな思いで基地へ潜入したのか。ガーシム軍団はどのような勢力なのか。ロボットはどの階層を守るために配置されているのか。地下31階のコンピュータは基地全体をどう支配しているのか。ゲーム内で多くを語らないからこそ、プレイヤーは自分なりに物語を補いながら遊ぶことができます。好きなキャラクターを選ぶ楽しさも、そこにあります。主人公アーリンを勇敢なヒーローとして見ることもできれば、ガーシムを手ごわい敵役として評価することもできます。ロボットや罠にさえ、何度も苦しめられた相手として不思議な愛着が湧きます。本作のキャラクター性は派手ではありませんが、レトロゲームらしい余白の中に魅力があります。その余白が、プレイヤーの記憶の中でキャラクターを大きくしているのです。
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■ 当時の宣伝・現在の中古市場など
発売当時は「SF潜入アクション」として分かりやすく訴求しやすい作品だった
『エレベーターファイト』が発売された1984年9月は、家庭用テレビゲーム機の市場が大きく動いていた時期です。エポック社の『スーパーカセットビジョン』は、従来のカセットビジョンから性能を高めた上位機として登場し、専用ソフトのラインナップによって「家庭でより本格的なアクションやシューティングが楽しめる」ことを打ち出していました。その中で『エレベーターファイト』は、エレベーター、地下基地、敵宇宙人、ロボット、コンピュータ破壊という要素を組み合わせた、説明しやすいアクションゲームでした。広告や店頭紹介で大きな武器になったのは、やはり「ガーシム軍団滅亡の日」という副題的な言葉と、地下31階を目指す明確な任務です。ただ敵を撃つだけではなく、敵基地へ潜入し、キーを集め、バリアを解除し、最深部のコンピュータを破壊するという流れは、短い紹介文でもゲーム内容を伝えやすい構成でした。1980年代前半のゲーム宣伝では、現在のように長い動画や詳細なレビューで内容を伝えるのではなく、パッケージ、説明書、雑誌広告、販売店の展示、チラシなどで印象を残すことが重要でした。その点で本作は、タイトルと設定だけで「どんなゲームなのか」を想像しやすく、子どもにも訴求しやすい題材だったといえます。
パッケージと説明書が世界観を補う重要な役割を持っていた
当時の家庭用ゲームでは、ゲーム画面だけで物語や設定をすべて伝えることは難しく、パッケージや説明書が作品世界を広げる大切な役割を担っていました。『エレベーターファイト』もその例に当てはまり、画面上では簡略化されたキャラクターやステージを、説明文によって近未来SFの物語として見せていました。アーリン、ガーシム軍団、地下31階のコンピュータ、バリア、キー、ロボット、エイリアンといった言葉があることで、プレイヤーは単なる記号的なアクションではなく、敵基地に潜入する任務としてゲームを受け止めることができます。とくに「地下へ進んでいく」という構成は、紙面で説明されたときに分かりやすく、パッケージを手に取った子どもに「どこまで潜れるのか」「最後には何が待っているのか」という期待を抱かせやすいものでした。スーパーカセットビジョンのゲームは、ファミコンの大規模な宣伝展開と比べると露出が限られていた面もありますが、そのぶん個々のソフトのパッケージや説明書が、購入前後の印象を左右する比重は大きかったと考えられます。本作の場合、画面の情報量を補うSF設定がしっかり存在していたことは、宣伝面でも魅力になっていました。
店頭販売では「エレベーターで戦う」という一言が強みになった
『エレベーターファイト』は、店頭で説明しやすいタイプのゲームでもありました。たとえば販売店でソフトを紹介する場合、「エレベーターに乗りながら敵基地を攻略するゲーム」「地下31階のコンピュータを壊すゲーム」と言えば、内容の骨格がすぐ伝わります。これは大きな利点です。当時のゲーム売り場では、限られたパッケージ面、短い説明文、店員の簡単な案内だけで購入を判断することも多く、タイトルから遊び方を想像できる作品は手に取りやすい存在でした。『エレベーターファイト』という名前は、派手な固有名詞ではありませんが、そのぶん直感的です。さらに、エレベーターという日常的な乗り物を、宇宙人基地での戦闘アクションに使うという組み合わせには意外性があります。シューティングや宇宙戦争を題材にしたゲームが多い時代に、縦方向の階層移動を軸にしたアクションであることは、差別化しやすいポイントでした。パッケージを見た時点で、プレイヤーは「普通の横移動アクションとは違いそうだ」と感じられます。この分かりやすさと少し変わった題材の組み合わせが、発売当時の紹介方法における強みだったといえるでしょう。
テレビCMよりも、雑誌・店頭・カタログ的な紹介が中心だったと考えられる
当時のゲーム宣伝といえばテレビCMを思い浮かべる人も多いですが、すべてのソフトが単独で大々的にCM展開されたわけではありません。『エレベーターファイト』についても、単体ソフトとして広く知られるテレビCMが長期間流されたというより、スーパーカセットビジョン本体やソフトラインナップの一部として、雑誌広告、カタログ、店頭展示、販売店向け資料などで紹介される性格が強かったと見るのが自然です。とくにエポック社のハードは、玩具メーカーとしての流通網を活かし、玩具店や百貨店、量販店などで販売されることが多かったため、店頭でのパッケージ訴求は重要でした。子どもがパッケージを見て興味を持ち、親が価格や内容を見て購入を判断するという流れの中で、本作のような「敵基地を攻略するSFアクション」は分かりやすい商品でした。ただし、正確な販売本数や個別の広告量については、現在一般に確認しやすい資料が限られており、数字を断定するのは難しい作品です。そのため、販売面を語る際には「大規模な国民的ヒット作」というより、スーパーカセットビジョンの初期ラインナップを支えた個性派アクションの一つとして捉えるのが妥当です。
中古市場では状態によって価格差が出やすい
現在の中古市場で『エレベーターファイト』を見る場合、重要になるのはソフト単体か、箱や説明書が揃っているか、動作確認があるか、外箱の傷みがどの程度かという点です。スーパーカセットビジョン用ソフトは、ファミコンソフトに比べると流通量や探している人の層が限られる一方で、レトロゲーム収集家にとってはハードごと集めたい対象になりやすく、状態の良い品は一定の需要があります。中古ショップでは、箱付き・説明書付き・カセットのみ・箱傷みあり・説明書欠品などの条件によって価格が大きく変わります。一般的には、完品に近いものほど評価され、カセットのみや動作未確認品は比較的手に取りやすい価格になりやすい傾向があります。ただし、スーパーカセットビジョン関連は出品数そのものが安定して多いわけではないため、同じタイトルでも時期によって相場の見え方が変わります。つまり、本作は常に高額で取引される超プレミア品というより、状態や付属品、出品タイミングによって価格が上下する、スーパーカセットビジョン収集対象の一つとして見るのが現実的です。
オークションでは安価落札もあり、相場は出品条件に左右される
オークション市場では、ショップ価格とは異なり、出品時期、写真の見せ方、動作確認の有無、箱の有無、開始価格、入札者のタイミングによって落札価格が大きく変わります。『エレベーターファイト』単体で見ると、カセットのみの実用品が比較的安価に落札されることもあれば、箱や説明書が揃った状態の良い品がそれより高めに扱われることもあります。一方で、スーパーカセットビジョン関連全体で見ると、本体、希少ソフト、周辺物、まとめ売りなどが混在するため、広い検索結果の平均価格だけを見て本作単体の価値を判断するのは適切ではありません。出品条件によっては安く買えることもありますが、コレクター向けに状態の良いものが出た場合は競争になりやすくなります。したがって、購入や売却を考える場合は、タイトル名だけでなく「箱説の有無」「動作確認」「ラベルや外箱の傷み」「説明書の状態」「まとめ売りか単品か」を分けて見る必要があります。
フリマアプリでは出品価格と実売価格を分けて考える必要がある
フリマアプリでは、出品者が自由に価格を設定できるため、表示されている価格がそのまま市場の実勢価格とは限りません。『エレベーターファイト』も、安価なカセットのみの出品から、箱付き・説明書付きとして高めに設定された出品まで幅が出やすいタイトルです。ただし、フリマでは「売れている価格」と「売れずに残っている価格」に差が出やすいため、購入する側は現在出ている値段だけでなく、過去に売れた品の状態や付属品も見て判断する必要があります。箱・説明書付きで保存状態が良ければ高めに出品されやすく、カセットのみ、ラベル傷みあり、動作未確認、外箱欠品などの場合は安く見られやすくなります。また、スーパーカセットビジョン本体を持っていない人にとっては単体ソフトを買ってもすぐ遊べないため、購入者は主に実機所有者、コレクター、資料目的のレトロゲーム愛好家に絞られます。そのため、需要は熱心ではあるものの広く大量にあるわけではなく、売買のタイミングによって価格の振れ幅が出やすいタイトルといえるでしょう。
現在の評価は「遊ぶためのソフト」と「集めるための資料」の両面を持つ
現在『エレベーターファイト』を中古で探す人の目的は、大きく二つに分かれます。一つは、実際にスーパーカセットビジョン本体で遊びたいという目的です。この場合、最重要なのは動作確認の有無であり、箱や説明書の状態よりも、カセットが正常に起動するかどうかが重視されます。もう一つは、スーパーカセットビジョンのソフトをコレクションとして揃えたいという目的です。この場合は、箱、説明書、カセット、ラベル、外装、付属物の状態が価格に直結します。とくに本作は、パッケージや説明書にSF設定や副題的な世界観が含まれるため、資料としての価値もあります。ソフトだけでも遊ぶことはできますが、箱や説明書があることで、当時どのように作品が紹介されていたのか、どんな世界観で売られていたのかを確認できます。レトロゲーム収集では、ゲーム内容そのものだけでなく、当時の商品としての姿を残しているかどうかが重要視されます。その意味で『エレベーターファイト』は、単なる中古ソフトではなく、1984年のエポック社がどのようにSFアクションを家庭用ゲームとして見せようとしていたかを伝える資料でもあります。
総合的に見ると、派手な高額品ではないが味のある収集対象
『エレベーターファイト』の当時の宣伝と現在の中古市場をまとめると、本作は大規模な社会現象を起こしたタイトルというより、スーパーカセットビジョンの個性を支えたアクションゲームの一つとして位置づけられます。発売当時は、エレベーターを使って地下基地を攻略するという分かりやすい題材、ガーシム軍団との戦いというSF設定、地下31階のコンピュータ破壊という明確な目的によって、パッケージや説明文で魅力を伝えやすい作品でした。現在の中古市場では、状態が良い完品に近いもの、カセットのみの実用品、箱や説明書に欠けがあるものなどで価格差が出ており、ショップ、オークション、フリマアプリで見え方も異なります。高額プレミアだけで語るタイトルではありませんが、スーパーカセットビジョンというハード自体を集めたい人にとっては、ラインナップ上欠かせない一本です。遊ぶ目的なら動作確認を重視し、収集目的なら箱説の有無と保存状態を重視するのがよいでしょう。『エレベーターファイト』は、現在でも「エレベーターで戦うSF潜入アクション」という個性が分かりやすく、当時のゲーム文化を感じさせてくれる、素朴ながら記憶に残る中古市場向けタイトルだといえます。
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■ 総合的なまとめ
『エレベーターファイト』は、限られた表現の中で個性を作ったSFアクション
『エレベーターファイト』を総合的に見ると、1984年の家庭用ゲームらしい素朴さを持ちながらも、題材の選び方と構成の分かりやすさで独自の存在感を放っている作品だといえます。エレベーターを使って敵基地の地下へ潜入し、キーを集め、バリアを解除し、最終的に地下31階のコンピュータルームを目指すという流れは、現在の視点で見ても非常に明快です。ゲーム画面そのものはシンプルで、キャラクターや背景の情報量も多くありませんが、プレイヤーが「敵の中枢へ少しずつ近づいている」と感じられる構造がしっかり作られています。横へ進むアクションや宇宙空間で撃ち合うシューティングが多かった時代に、エレベーターという縦移動の仕組みを中心に置いた点は、本作ならではの大きな特徴です。豪華な演出ではなく、階層移動そのものをゲームの面白さに変えようとした発想が、この作品を記憶に残る一本にしています。
アクション、探索、罠回避がひとつにまとまっている
本作の面白さは、単に敵を撃つだけでは終わらないところにあります。プレイヤーはアーリンを操作してロボットやガーシムと戦いますが、それと同時にキーを探し、危険な仕掛けを避け、次の区域へ進むための手順を考えなければなりません。この「撃つ」「探す」「避ける」「進む」という要素がまとまっているため、短いゲーム構成の中にも変化があります。序盤はロボットとの撃ち合いで基本を覚え、中盤ではアイアンクローや床のない場所、壁から現れるエイリアンに注意し、後半ではより反応の厄介なガーシムと向き合うことになります。エリアごとに注意すべき内容が変わるため、同じように地下を進んでいるようで、実際には少しずつ違う緊張感が生まれています。こうした段階的な変化があるからこそ、プレイヤーは「もう一度挑戦すれば、次はもっと進めるかもしれない」と感じられます。操作は単純でも、攻略には覚えと判断が必要であり、そのバランスが本作の手応えになっています。
魅力は分かりやすい目的と、想像を広げる余白にある
『エレベーターファイト』には、地下31階の中枢コンピュータを破壊するというはっきりした目的があります。この明確さは、昔のアクションゲームにおいて非常に大切な魅力です。プレイヤーは複雑な物語を読まなくても、何をすればよいのかを理解できます。一方で、アーリンやガーシム軍団、宇宙的な背景設定については、細かく語りすぎていません。そのため、プレイヤーは説明書やパッケージから得た情報をもとに、自分の頭の中で物語を補いながら遊ぶことになります。アーリンはどんな使命を帯びているのか、ガーシム軍団はどれほど危険な存在なのか、地下31階のコンピュータが基地全体をどのように支配しているのか。こうした想像の余地が、レトロゲームらしい味わいを生んでいます。現代のゲームのようにすべてを映像で説明する作品ではありませんが、だからこそプレイヤーの記憶の中で世界が広がっていくタイプのゲームです。
欠点も含めて、当時の家庭用ゲームらしさが強く残る
もちろん、本作には気になる点もあります。初見ではキーやバリアの仕組みがやや分かりにくく、敵や罠の判別にも慣れが必要です。操作感に少し硬さを感じる場面もあり、中盤以降の難易度上昇は人によって厳しく感じられるでしょう。また、グラフィックの表現力には限界があり、せっかくのSF設定がゲーム画面だけでは十分に伝わりきらない部分もあります。しかし、こうした欠点は1984年当時の家庭用ゲームの特徴とも重なっています。説明書を読み、何度も失敗し、敵の出方や罠の動きを覚え、自分なりの攻略法を作っていく。その手探りの過程こそが、当時のゲーム体験の一部でした。親切さや快適さだけを基準にすると粗さが目立ちますが、挑戦を重ねて少しずつ進めるようになる感覚を重視すれば、本作にはしっかりした遊び応えがあります。
現在では、スーパーカセットビジョンを知るうえでも価値のある作品
現在『エレベーターファイト』を振り返ると、単なる古いアクションゲームというだけでなく、スーパーカセットビジョンというハードの個性を知るうえでも興味深い作品です。ファミコンが大きな存在感を持ち始めた時代に、エポック社が独自の家庭用ゲーム機でどのようなソフトを展開しようとしていたのか。その一例として、本作はとても分かりやすい位置にあります。宇宙や近未来の設定、アーケード風のテンポ、家庭で遊べる分かりやすいアクション、説明書やパッケージで世界観を補う作り。これらは、当時のゲーム文化を感じさせる要素です。中古市場でも、完品に近いものは資料的な価値があり、カセットのみであっても実機で遊ぶことで当時の手触りを味わえます。派手なプレミアタイトルというより、ハードの歴史やソフトラインナップを丁寧に追う人にとって、集めておきたい味のある一本といえるでしょう。
最終的には「不器用だが忘れにくい」個性派アクション
『エレベーターファイト』は、誰にでも快適に遊べる完成度の高い名作というより、強い個性を持ったレトロアクションとして評価したい作品です。エレベーターで地下へ進むという発想、ガーシム軍団の基地を攻略するSF設定、キー集めによる進行、エリアごとに変わる敵と仕掛け、最終コンピュータルームへ到達する緊張感。これらが合わさることで、短いながらも一本の潜入任務を体験しているような感覚が生まれています。一方で、説明不足や判定の厳しさ、画面表現の素朴さもあり、現代のゲームに慣れた人には戸惑う部分もあるでしょう。それでも、本作には「こういうゲームを作りたかった」という狙いがはっきり感じられます。豪華ではないけれど印象に残る。粗さはあるけれど発想が面白い。難しいけれど少しずつ上達できる。そうした不器用な魅力こそが、『エレベーターファイト』という作品の本質です。1984年の家庭用ゲームが持っていた想像力、挑戦心、そして限られた表現の中で遊びを作る工夫を感じられる、スーパーカセットビジョンらしい一本だとまとめられます。
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