【中古】3DOソフト チキチキマシン猛レース2
【発売】:フューチャー・パイレーツ
【発売日】:1994年3月20日
【ジャンル】:アドベンチャーゲーム
■ 概要
1994年3月20日、フューチャー・パイレーツから発売された『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、松下電器産業が推進していた新世代マルチメディア機「3DO REAL」のローンチ期を代表する一本として世に送り出されたソフトである。題材は1968年にハンナ=バーベラが制作し、日本でも繰り返し放送されて高い知名度を誇ったギャグ・カーレースアニメ『チキチキマシン猛レース(原題:Wacky Races)』。当時子供から大人まで幅広い世代に人気だったブラック魔王と相棒ケンケンを中心に据え、誰もが気軽に楽しめる「映像とゲームの融合」を掲げた意欲的なタイトルとして企画された。
本作の開発に深く関わったのが、当時“ハイパーメディアクリエイター”として注目を集めていた高城剛氏である。高城氏は「テレビやビデオを見るように、誰でも簡単に触れて楽しめるゲーム」を構想し、従来のマニア層向けゲームとは異なる新しいユーザー層の獲得を狙った。特に自らの母親や妹がゲームに親しんでいない例を挙げ、「既存のゲームは一部の人しか遊ばない閉じた文化に陥っている」と危惧した高城氏は、映像美と分かりやすい操作を融合させた作品を志向したのである。このコンセプトは、当時としては斬新であり、のちに任天堂が展開する「Touch! Generations」に先駆ける発想とも言える。
ゲームの基本構造は二つのモードから成り立っている。ひとつは「Races TVモード」で、これはプレイヤーが直接レースに参加するのではなく、11台のマシンのうち2台にベット(賭け)し、その勝敗を見守るというシステムである。映像はすべてオリジナル制作の3DCGアニメーションで、原作アニメさながらのドタバタ展開を鑑賞しつつ、自分が賭けたマシンが勝利すれば対応するカードを獲得できる。もうひとつは「Tripモード」と呼ばれるストーリーパートで、Races TVで得たカードをキーに各レーサーの世界へ突入し、最深部で待ち受けるブラック魔王を倒していく。この二つのモードを交互に進めることで、プレイヤーは全10ワールドを攻略し、分身したブラック魔王の野望を阻止するのが最終目的となる。
当時の3DOは「次世代のマルチメディア機器」として、CD-ROMによる大容量データと高品質映像を武器にしたプラットフォームだった。本作はその特性をフルに活かし、25本以上に及ぶ3DCGレース映像を収録している点が大きな特徴である。カートゥーン風のキャラクターがポリゴンで立体的に動き回る様子は、まだポリゴン表現に慣れていなかった時代のユーザーに強烈な印象を与えた。とりわけケンケンの例の「クックックッ」という笑い声や、ブラック魔王のコミカルな失敗シーンがポリゴンで再現された映像は、原作を知るファンには強いインパクトを与えた。
背景設定もオリジナル要素が加わっている。ブラック魔王は世界征服を企み、10人に分身して各地で暗躍する。その野望を打ち砕くため、プレイヤーは新キャラクター「T-BORN WREX」と共に旅を進める。WREXはドクターHによって開発された高性能マシンであり、作中では案内役や助言者の役割を果たす。声を担当するのは日本語版のナレーションでお馴染みの野沢那智氏で、独特の説得力とユーモラスさをもたらしている。このWREXは「秘密メカAI・NA-CHI」を搭載している設定で、原作に存在しないオリジナル要素ながら、違和感なく世界観に溶け込んでいた。
また、本作の企画には大手広告代理店も関与しており、発売当時はテレビCMや雑誌広告など大規模なプロモーションが展開された。『チキチキマシン猛レース』という日本でも広く知られるキャラクターコンテンツを題材にしていたこともあり、3DOのローンチタイトルの中では比較的高い注目度を集め、一定のセールスを記録するに至った。事実、当時の3DOマガジンなどではセールスランキング上位に名を連ねることもあったほどである。
ただし、ゲームシステムの実態は「観戦型アドベンチャー」に近く、従来のゲームユーザーからは「プレイヤーが実際にレースに参加できない」という点に不満の声が多く寄せられた。推理やパズルといった要素も乏しく、進行の大半が運によって左右される構造は賛否を呼んだのである。それでも、ゲームを遊び慣れていない層や映像作品として楽しむ層には一定の評価を得ており、とりわけ「初めて孫と一緒にゲームを遊べた」と語る高齢ユーザーの手紙が紹介されたエピソードは象徴的だ。
このように『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、ゲーム史的には「遊ばせるレース」ではなく「見せるレース」を選んだ異色の作品として位置づけられる。ゲームデザインの面では問題も多かったが、映像再現度やキャラクターの存在感においては確かな価値を持ち、後年に至るまでファンの記憶に残る一本となっている。
■■■■ ゲームの魅力とは?
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』の最大の魅力は、「アニメの世界をそのまま3D映像として体感できる」という点に集約される。1994年当時、フルポリゴンでキャラクターを動かし、しかも原作アニメのギャグやドタバタを忠実に再現するゲームはほとんど存在しなかった。プレイヤーは操作こそ最小限だが、画面の中で繰り広げられるレースを観戦することで、アニメを「自分の選択で動かす」感覚を味わうことができた。従来のファンにとっても、ゲーム機でこれほどまでに原作の雰囲気を楽しめる点は新鮮だったのである。
まず注目すべきは映像演出だ。収録されている3DCGレースは全部で25本以上あり、それぞれにユニークな展開が用意されている。ブラック魔王が仕掛けたトラップが裏目に出るパターンや、ケンケンが例の「クックックッ」と笑うカットなど、原作でお馴染みのシーンが違和感なく組み込まれているのだ。タンクGTが爆発して上半分だけ飛んでいく、氷上でギャングセブンがスケートのように進む、ハンサムV9の車体が伸びるといった細かい描写は、原作ファンなら思わずニヤリとしてしまう瞬間だろう。3DOの映像再生能力を最大限活かしたグラフィックは、当時の基準では高水準であり、「アニメの続き」を自分のテレビで体験できること自体が大きな価値だった。
さらにユーモラスなキャラクター描写も魅力を引き立てる要素だ。ブラック魔王の狡猾さとドジっぷり、ケンケンの特徴的な笑い声、そして各マシンが見せる奇想天外なギミックが、映像の中で生き生きと表現されている。特に本作では、原作ではあまり描かれなかったレーサーたちの日常的な一面や軽妙なやり取りが盛り込まれており、ファンには新鮮な発見となった。単なるレースアニメの再現にとどまらず、「キャラクターたちがゲームの中で息づいている」という感覚を強調した点は高く評価できる。
加えて、本作独自のオリジナルキャラクター「T-BORN WREX」も忘れてはならない存在だ。マシンでありながら人格を持ち、プレイヤーの案内役を務めるこのキャラは、野沢那智氏の声によって魅力的に仕上がっている。WREXの存在は、プレイヤーが単なる観客でなく「冒険に参加している」という感覚を補強しており、映像主体のゲームデザインを支える大きな柱となった。原作にはいないキャラクターでありながらも、違和感なく物語に溶け込み、プレイヤーにとって親しみやすいガイド役となっている点は、本作ならではの工夫である。
また、Races TVモードの「賭ける」という要素も独自性の源泉だ。単純にレースを観るだけではなく、「どのマシンが勝つか」を選び、その結果によって次の展開が左右される仕組みは、競馬や競輪に似たスリルを提供した。当たり外れが完全に運に左右される点は賛否を呼んだが、初見のプレイヤーにとっては「どのマシンが勝つのか分からないワクワク感」が大きな魅力だったことは間違いない。ゴール寸前で結果が入れ替わるパターンも多数用意されており、思わず声を上げてしまうほどの盛り上がりを体験できるのだ。
さらに評価すべきは、ブラック魔王の「勝利シーン」が描かれている点である。原作では彼は毎回ドジを踏んで敗北するのがお約束だったが、本作では「もし魔王が勝利したら」というIF展開が用意されている。真面目に走って勝利する場合もあれば、どこか締まらない形で優勝してしまう場合もあり、キャラクター性を深く理解したシナリオが描かれている。これはファンにとって非常に貴重な体験であり、「いつも負け役の魔王が勝つ瞬間」を目撃できることは本作ならではの醍醐味だった。
音楽と演出面でも、独自の工夫が光る。日本版のテーマ曲をオシャレにアレンジしたオープニングや、随所に挿入されるコミカルな効果音は、作品全体を楽しい雰囲気で包み込んでいる。操作性やテンポに難点はあったものの、映像と音声が織り成す「アニメ以上ゲーム未満」の体験は、他のどのタイトルにも代えがたい魅力となっていた。
こうした要素を総合すると、本作の魅力は「誰でも楽しめる間口の広さ」と「原作の再現度の高さ」に尽きるだろう。ゲームを遊び慣れていない人でも、テレビを見る感覚で映像を楽しみ、キャラクターのやり取りに笑い、時には賭けの結果に一喜一憂できる。3DOというハードの特性と、原作アニメの世界観が融合した結果として、他にはない独特の魅力を放つ作品に仕上がったのである。
■■■■ ゲームの攻略など
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』の攻略を考える際、まず大前提として押さえておきたいのは、本作が「レースに参加するゲーム」ではなく「観戦し、予想を当てることで進行するゲーム」であるという点だ。つまり、一般的なレースゲームのようにハンドルさばきやコーナリングテクニックを競うのではなく、いかに効率よくカードを集め、Tripモードを進行できるかを考えることが核心となる。
● Races TVモード攻略の基本
このモードでは、11台のマシンのうち2台を選び、そのどちらかが優勝すれば対応するカードを手に入れられる。確率的には単純計算で約18%(2/11)に過ぎず、完全な運任せに見える。しかし実際には、ある程度効率的に進めるためのコツが存在する。
まず、ナレーションのコメントを活用する方法がある。選択時に「今日は調子が良さそうだ」「少し疲れているようだ」といったメッセージが入るが、これは完全にランダムではなく、ある程度レース結果に影響を与えている可能性があると当時のユーザー間で囁かれていた。例えば「ヒュードロクーペ」の場合、「今日はドラゴンが休みらしい」というナレーションが入れば不利な展開になることが多く、別のマシンに賭けた方が良いとする体験談もあった。確率が公開されていない以上、科学的に断言はできないが、少なくとも「根拠のない賭け」よりは心理的な支えになる。
次に、ベット対象の組み合わせを工夫することだ。レース展開には複数のパターンが用意されており、その中には特定のマシンが勝ちやすい組み合わせがある。例えば「ギャングセブン」と「タンクGT」を同時に選んでおくと、どちらかが勝つ確率が他より高いと感じるユーザーも多かった。逆に「ブラック魔王」を選んだ場合、勝利するシナリオ自体が少なく、効率的にカードを集める観点からはあまりオススメできない。ただし、あえてブラック魔王に賭けて勝利シーンを見るのは、ファンにとって特別な楽しみであり、攻略とは別の魅力を味わえる瞬間でもある。
● Tripモードを効率的に進めるコツ
Races TVでカードを入手したら、いよいよTripモードに挑戦できる。ここでは各レーサーの世界に突入し、ステージの奥に潜むブラック魔王を倒すことが目的だ。進行はクリック式アドベンチャーの形式で、画面内の気になる場所を調べたり、選択肢を選んで進める。問題は、この選択肢の多くが「運」に依存している点である。分かれ道ではどちらを選んでもヒントがなく、1/2の確率で失敗すると最初からやり直しになることもある。
効率よく進めるには、まず「記録を取る」ことが重要だ。分岐点ごとの結果をノートに残していけば、再挑戦時には迷わず正解ルートを選べる。こうした地道な作業を繰り返すことで、偶然頼みの要素を少しずつ排除していける。また、一部のステージには固定の正解が存在する。例えば「氷の洞窟」を進む場面では、常に右側のルートが正解になるなど、覚えてしまえば確実に突破できる箇所もある。全ステージを網羅するには時間がかかるが、記録を取りながら進めることで「攻略法」に近づけるのだ。
● ギャンブル対決の攻略
Tripモードの中では、ブラック魔王との直接対決がギャンブル形式で行われることもある。サイコロやカードを使った勝負に挑むことになり、勝敗はランダムに決まる場合が多い。ただし一部には「選択肢の表現」が結果に影響しているケースもある。例えば「もう一度賭け直す」と選ぶと成功率が上がるような場面や、「少し待つ」を選ぶと罠を回避できる場面など、ランダムに見えて微妙な違いが存在する。攻略本や雑誌でも完全には解明されなかった要素だが、繰り返し挑戦して法則性を探る楽しみがあった。
● 時間制限の存在
意外と見落とされがちだが、本作には時間制限が設定されている。とはいえその制限は非常に緩く、普通に遊んでいれば時間切れになることはほとんどない。裏を返せば「焦らず選択してよい」というメッセージであり、普段ゲームに慣れていない層でも安心して進められる配慮と言えるだろう。攻略上のテクニックとしては、むしろ「制限時間があることを忘れない」程度に意識するだけで十分だ。
● 裏技・小ネタ
本作にはいくつかの小ネタが存在する。例えば、Races TVで同じマシンを続けて選び続けると、通常では出現しにくい映像パターンが登場する場合がある。また、Tripモードで特定の背景を何度も調べると、WREXが普段と違うコメントを返してくれるなど、遊び心のある仕掛けもある。大きな攻略要素には直結しないが、ファンにとっては嬉しい隠し要素だった。
● 効率的な全クリアへの道
総合的に考えると、効率的な全クリアを目指すには以下の手順が有効だ。
Races TVでは、勝率の高いマシンの組み合わせを優先して選ぶ。
Tripモードでは、分岐点を記録しながら確実に正解ルートを蓄積する。
ギャンブル対決では、単純に運を信じるのではなく、選択肢の微妙なニュアンスを読み取る。
根気よく挑戦し、失敗を繰り返しながら少しずつ情報を集める。
このゲームは「短期間で一気に攻略するタイプ」ではなく、「少しずつ繰り返して遊び、映像を味わいながら進めるタイプ」の作品である。従って、攻略の鍵は「根気」と「観察」であり、最終的に全10人のブラック魔王を倒した時の達成感は、他のどのレースゲームとも違う喜びを与えてくれるだろう。
■■■■ 感想や評判
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、1994年当時のプレイヤーやゲーム誌、そして後年のレトロゲーム愛好家に至るまで、多くの人々からさまざまな感想を呼んできた作品である。その評価は一言でまとめるのが難しいほど二極化しており、「映像やキャラクター性を高く評価する声」と「ゲーム性の不足を厳しく指摘する声」の両方が強く見られる。
● 当時のゲーム誌での評価
発売直後、3DO専門誌や総合ゲーム誌はこぞって本作を取り上げた。大々的な広告展開も行われていたため、誌面での露出は非常に多かった。その多くは「3DOの映像表現力を体験できるタイトル」として紹介しており、25本以上のCGアニメーションによるレース映像や、原作アニメさながらのキャラクター演出は確かに高く評価されていた。
しかし同時に、「プレイヤーが直接レースに参加できない」という点については、発売当初から指摘されていた。ある雑誌レビューでは「題材がレースなのに、プレイヤーは観戦するだけというのは拍子抜け」と評され、別の媒体でも「運任せの進行はゲームとしての達成感に乏しい」と辛口な意見が掲載されていた。とはいえ映像ソフトに近い商品として見れば「ファンアイテムとしての価値は十分」とフォローする声もあり、レビューは総じて賛否が混じったトーンだった。
● プレイヤー層による受け止め方の違い
実際に本作を遊んだプレイヤーの感想を振り返ると、その評価は遊ぶ人の背景によって大きく異なっていた。
まず、従来のゲームに慣れたユーザー層にとっては、本作は「物足りない」「ゲームとして成立していない」と感じられることが多かった。長時間プレイしても攻略がほぼ運に左右されるため、スキルを磨いて上達する楽しみがなく、「ただ映像を眺めているだけ」という印象を受けた人が多かったのだ。特にアーケードや家庭用機で『マリオカート』や『F-ZERO』といった本格的なレースゲームを体験していた層からは、「レースゲームの名前を冠していながらレースできない」という落胆の声が強く挙がった。
一方で、普段あまりゲームに触れない人や原作アニメのファンにとっては、むしろ敷居が低く楽しめる作品として好意的に受け止められた。ボタン操作や複雑なルールを覚える必要がなく、テレビ感覚でアニメの延長を楽しめるため、ゲーム初心者でも参加しやすかったのだ。特に親子や祖父母と孫で一緒に遊ぶケースが多く報告されており、「孫と一緒に初めてゲームを遊んだ」「家族で笑いながら映像を観られる」といった温かいエピソードも残されている。
つまり、本作は「ゲーム上級者にとっては不満が大きいが、ライトユーザーやファン層には意外と受け入れられた」という二面性を持っていたのである。
● 後年のレトロゲーム愛好家による再評価
時代が進み、3DOそのものがレトロゲームとして扱われるようになると、本作の評価も変化を見せた。後年のレビューやネット上の感想では、当時酷評された「運ゲー要素」や「操作性の不便さ」はそのまま指摘される一方で、「3DOらしい実験的なソフト」「映像作品とゲームの融合を狙ったチャレンジ精神を評価したい」といった声が増えていった。
特に注目されたのは、ブラック魔王が勝利するという原作にはないIF展開だ。アニメでは絶対に優勝できない悪役がゲーム内で勝利する姿を見られることはファンにとって大きな価値であり、「キャラゲーとしてはむしろ成功している」とする見方も生まれた。また、当時の3DCG映像は現在の基準では粗いものの、独特の質感や90年代らしいポリゴン表現を「レトロな味わい」として楽しむファンもいる。
このように、年月を経ることで「ゲーム性の薄さ」という短所よりも「映像ソフト的な独自性」や「キャラゲーとしての魅力」にスポットが当たり、ポジティブな再評価が行われるケースが増えたのだ。
● メディアや評論家からの総評
評論家やライターによる総評では、「商業的には一定の成功を収めつつも、ゲームデザインとしては未成熟な実験作」という位置づけが多い。大手広告代理店が関与し、テレビCMなど大規模なプロモーションを行ったことで一定のセールスを記録したが、その後に続く類似作がほとんど登場しなかったことからも、「時代の試み」で終わった感があると指摘されている。
ただし「ゲーム業界の多様性を示した」という意味では評価されており、「家庭用ゲームが“操作するもの”という固定観念に風穴を開けた」という意見も存在する。操作よりも観戦・映像体験に重点を置いたスタイルは、その後に登場するインタラクティブムービー作品やライト層向けソフトの先駆けと見ることもできる。
● ユーザーから寄せられたエピソード
当時の3DOマガジンには、本作を遊んだユーザーからの手紙が掲載されることがあった。その中でも印象的なのは、90代の高齢ユーザーが「初めて孫と一緒にゲームを遊べた」という感想を寄せたエピソードである。従来のゲームは難しくて触れなかったが、本作は映像を観ながら選択するだけなので安心して遊べたという内容で、制作側が掲げた「ゲームに馴染みのない層に届けたい」というコンセプトが現実に届いた瞬間だった。こうしたエピソードは本作の存在意義を象徴するものだろう。
● 総合的な感想
総じて本作の評判をまとめると、
映像表現やキャラクター再現は高評価
ゲーム性の乏しさや運任せ要素には低評価
ライト層やファン層には意外と好評
後年には「実験的作品」として再評価
という四点に整理できる。確かにゲームとしての完成度には問題が多かったが、その一方で「テレビアニメをゲームに持ち込む」という挑戦的な姿勢や、原作キャラクターの魅力を別の形で楽しめる要素は、多くの人の記憶に残る結果となった。
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、評価が割れる作品であるがゆえに、今なお語られ続ける独特の存在感を放っているのである。
■■■■ 良かったところ
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、その完成度やシステムの粗さに批判も多い一方で、プレイヤーやファンから「ここは良かった」と語られる部分も確かに存在する。むしろ、そうした「光る点」があったからこそ、今なお話題にされるタイトルとなっていると言えるだろう。以下では、本作のポジティブに受け止められた要素を整理してみたい。
● 映像再現度の高さ
最も多くのプレイヤーが評価したのは、やはり映像の完成度だった。25本以上収録された3DCGレース映像は、当時の家庭用ゲームとしては先進的であり、テレビアニメの雰囲気を忠実に再現していた。
ケンケンの特徴的な笑い声と仕草、ブラック魔王のドジな展開、そして各レーサーが見せるユーモラスな必殺技。これらがポリゴンで生き生きと描かれることで、「アニメがゲーム機から飛び出してきたようだ」と驚かされた人は少なくなかった。
特に日本語版独自のノリやアドリブ的なセリフ回しがCG映像と組み合わさることで、従来のゲームにはなかった独特の臨場感を体験できた点は、本作ならではの魅力だった。
● 原作ファンへのサービス精神
本作は単なるアニメの移植にとどまらず、原作ファンが思わず笑ってしまうような細かい演出を多数盛り込んでいた。たとえば、ブラック魔王が自分の仕掛けた罠にかかってしまう展開や、ニセの看板で他のレーサーを騙すシーンなど、アニメでお馴染みの“お約束”がきっちり再現されている。
また、原作ではあまり描かれなかったレーサーたちの素顔や日常的な一面がゲーム内で垣間見えるのも嬉しいポイントだった。原作アニメではレース中のドタバタに重点が置かれていたため、キャラクターの性格や個性が掘り下げられる機会は少なかった。だが本作では、Tripモードの会話や演出を通じて、レーサーたちがユーモアあふれる掛け合いを見せてくれる。これにより「単なるレース参加者」以上のキャラクター性を楽しむことができたのだ。
● ブラック魔王が勝利するIF展開
原作ファンにとって特に大きな魅力となったのは、ブラック魔王が勝利するシナリオが用意されている点である。アニメでは毎回のように失敗して敗北するのが彼のお約束であり、ファンもそれを楽しんでいた。しかし同時に「たまには勝ってほしい」という気持ちを抱いていた人も少なくなかった。
本作ではその期待に応えるかのように、ブラック魔王が優勝する展開が存在する。しかも単なる勝利ではなく、彼らしいドジを残したままの“締まらない優勝”だったり、珍しく真剣に走って勝ったりと、多様なパターンが描かれていた。このIF展開はファンにとって新鮮で、キャラゲーならではの醍醐味として高く評価された。
● WREXの存在
本作オリジナルの相棒キャラクター「T-BORN WREX」は、プレイヤーにとって心強い存在だった。ナレーションでお馴染みの野沢那智氏が声を担当し、親しみやすくユーモラスなアドバイスを与えてくれるWREXは、映像主体のゲームデザインを補完する重要な役割を果たしていた。
単なるガイド役にとどまらず、物語を進めるうえでプレイヤーと心を通わせるような演出もあり、オリジナルキャラクターながら「違和感がない」「むしろこの世界に溶け込んでいる」と好意的に受け止められた。原作には登場しない存在でありながら、自然に作品の一部として機能していたのは大きな成功点だ。
● 誰でも遊べる敷居の低さ
本作は従来のゲームユーザーからは「ゲーム性が薄い」と批判されたが、裏を返せば「誰でも遊べる」という魅力につながっていた。ボタン操作が複雑ではなく、基本的には映像を観て選択肢を選ぶだけで進めるため、ゲーム初心者や高齢者でも安心して遊べたのだ。
実際に「孫と一緒に初めて遊んだゲームになった」という感想や、「ゲームをやったことがない母親が楽しめた」というエピソードは、開発者が掲げたコンセプトを象徴する好例である。娯楽としてのゲームが広がる方向性を示した作品であったことは間違いない。
● 音楽・演出面の魅力
日本語版テーマ曲を現代的にアレンジしたオープニングや、レース中の効果音の多彩さは、本作の評価点のひとつだ。特にケンケンの笑い声や、各マシンの独自効果音が臨場感を生み出し、観客としてレースを見守る体験を盛り上げていた。
また、映像の合間に挟まれるちょっとしたカットシーンやナレーションのテンポも、アニメを観ている感覚をより強めていた。3DOが「マルチメディア機」として打ち出していた方向性を象徴する演出だったといえる。
● 総合的な「良かったところ」
以上をまとめると、本作の「良かったところ」は以下に整理できる。
3DCGによる原作再現度の高さ
アニメのお約束を忠実に踏襲した演出
ブラック魔王が勝利するIF展開
WREXというオリジナルキャラクターの魅力
ゲーム初心者でも遊べる敷居の低さ
音楽や効果音など演出面の充実
これらの要素が相まって、本作は単なる「問題作」ではなく、「光る部分を持った異色のタイトル」として記憶に残る作品になったのである。確かにゲームとしての評価は分かれるが、映像作品としての完成度やキャラクター再現の巧みさは、多くのファンにとって強く印象に残るポイントとなった。
■■■■ 悪かったところ
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、3DOのローンチ期を代表するタイトルの一つとして注目を浴びたものの、発売直後からユーザーやメディアから数多くの批判も寄せられた。実際にプレイした人の多くが挙げる「悪かったところ」を整理すると、ゲームデザインの根幹に関わる要素から操作性やテンポに関わる細部まで、多岐にわたる欠点が浮かび上がる。以下では、その代表的な問題点を詳しく見ていこう。
● レースに参加できないという根本的な落胆
本作が題材にしているのは、アニメ『チキチキマシン猛レース』。当然ながらプレイヤーは「レースに参加できる」と期待してソフトを手に取る。しかし蓋を開けてみれば、実際にプレイヤーが操作できるレース要素は皆無であり、観客としてレースを見守るだけという内容であった。このギャップは非常に大きく、発売当初から「レースゲームの皮を被った観戦ソフト」と揶揄されることも少なくなかった。
同時期に登場していた『マリオカート』や『F-ZERO』のように、操作スキルを駆使して勝利を掴む面白さを知っているユーザーにとって、本作は「見ているだけ」という受動的な体験に大きな不満を抱かせる結果となった。
● 運任せのゲーム性
Races TVモードはベットしたマシンが勝てば進行するが、その勝敗はほぼ完全にランダムで決まる。ナレーションのヒントがあるとはいえ、実際には統計的な裏付けがなく、プレイヤーが戦略的に勝率を上げる方法はほとんど存在しなかった。
Tripモードでも同様に、分岐点での選択肢がノーヒントで提示され、間違えばやり直しになるケースが多かった。ブラック魔王とのギャンブル対決に至っては完全に運に依存しており、ゲームを「攻略する」という感覚を持ちにくかった。プレイヤーの努力やスキルが反映されにくいため、モチベーションが続かない人が多かったのも当然といえる。
● 映像のスキップ不可
もうひとつ大きな不満として挙げられたのが、映像や演出をスキップできない仕様である。ゲーム起動時には毎回開発会社のロゴムービーが流れ、Tripモードでは選択のたびに長いナレーションが入る。これらが一切スキップできず、同じ映像を何度も強制的に見せられるため、プレイヤーはテンポの悪さに苛立つこととなった。
特に全クリアを目指す際、同じレース映像を十数回以上繰り返し観なければならない状況は、多くのユーザーにとって苦行に近かった。
● UIと操作性の不便さ
本作は家庭用ゲーム機であるにもかかわらず、PCソフトのようなポインタカーソルを動かすUIを採用していた。当時の3DOにはマウスが標準搭載されていなかったため、すべてコントローラーでポインタを操作する必要があり、その動作が遅くて煩雑だった。
Yes/Noといった簡単な質問に答えるだけでも、カーソルを画面の端まで動かさなければならず、誤って別の選択肢を選んでしまうことも多かった。普通のゲームならボタン一つで済む操作に余計な手間がかかる設計は、プレイヤーのストレスを増大させる原因となった。
● 内容の単調さ
映像の完成度は高かったものの、レース展開のバリエーションは限定的だった。収録された映像は25本ほどであり、長時間プレイすればすぐに既視感が出てしまう。しかも展開の一部は使い回しが多く、新しい映像を期待しても「またこのパターンか」と落胆することがしばしばあった。
Tripモードも、背景をクリックして探索するだけの単調な進行であり、パズルや推理要素が存在しなかったため、長時間遊ぶ動機づけに乏しかった。
● ゲーム設計思想の伝わらなさ
開発者の高城剛氏は「30分程度で気軽に遊べるようにしたかった」と語っていたが、そのコンセプトはゲーム内やマニュアルで十分に伝わっていなかった。結果として、多くのユーザーが「本格的なレースゲーム」を期待して購入し、落胆することになったのである。コンセプト自体は先見性のある試みだったが、それを適切にユーザーへ提示できなかったのは大きな失策だった。
● 発売時の期待値との落差
3DOのローンチタイトルという位置づけ、さらに大手広告代理店による大規模プロモーションが展開されたことで、本作には非常に大きな期待が集まっていた。そのため、実際のゲーム内容との落差はなおさら強く批判を呼んだ。特に「ハードの将来を占うタイトル」として注目されていただけに、ユーザーの失望は3DO本体の評判にまで影響したとも言われている。
● 総合的な「悪かったところ」
整理すると、本作の「悪かったところ」は以下のようにまとめられる。
レースに参加できないという根本的な構造的欠陥
完全に運任せのゲーム性
映像をスキップできずテンポが悪い
UIが不便で操作ストレスが大きい
映像や進行の単調さ
コンセプトがユーザーに伝わらなかった
発売時の期待値を裏切った
こうした要素が積み重なり、本作は「映像は評価されるがゲームとしては酷評される」という、両極端な評判を生む結果となった。良かった点を活かしきれず、システム面の粗が際立ってしまったのは残念でならない。
[game-6]
■ 好きなキャラクター
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』に登場するキャラクターたちは、原作アニメの持つ個性豊かな面々をそのまま3D映像に持ち込み、ゲームという新しい舞台で躍動させている。その中で、プレイヤーやファンが特に「お気に入り」と語るキャラクターにはいくつかの共通点がある。ここでは、代表的なキャラごとの魅力と、ゲーム内での描かれ方について掘り下げていこう。
● ブラック魔王 ― 憎めない悪役の代表格
まず欠かせないのは、やはり本作のタイトルにも冠されているブラック魔王だ。原作アニメから一貫して「狡猾だがドジ」「悪役なのに愛される」という個性を持つ彼は、本作でもそのキャラクター性を存分に発揮している。
ゲーム内では、彼が世界各地で分身し、プレイヤーの前に立ちはだかる。奇抜な発明品や小細工を駆使してレースを妨害しようとするが、結果的に自らの仕掛けに引っかかってしまう姿は原作そのまま。特に「優勝するIF展開」が存在する点は、ファンにとって非常に大きな魅力だった。普段は敗北するばかりの彼が、時には真剣に走って勝利する姿を目撃できるのは、本作ならではのご褒美要素といえる。
また、声優の演技によって生き生きとしたセリフが付与され、ドタバタ劇の中心としてゲームを盛り上げている。ファンの中には「ゲームの完成度には不満があったが、ブラック魔王のキャラクターを見るために遊んだ」と語る人も少なくない。
● ケンケン ― 独特の笑い声で人気を集める相棒
ブラック魔王の相棒にして愛犬のケンケンも、非常に人気の高いキャラクターである。特に彼の「クックックッ」という特徴的な笑い声は、原作を知らない人でも一度は耳にしたことがあるほど有名であり、本作でもしっかりと再現されている。
ゲーム中では、ブラック魔王の計画が失敗するたびにケンケンが後ろで笑い転げる演出が入り、プレイヤーを和ませる。ときにはブラック魔王を手助けするふりをして結果的に失敗を加速させる場面もあり、その小悪魔的な立ち位置が多くのファンに「憎めない存在」として愛されている。
また、90年代半ばにはキャラクターグッズとしてケンケンの人気が高まっていたこともあり、「このゲームでケンケンを3Dで見られたのは嬉しかった」と語るファンも多い。彼の存在はゲームの魅力を大きく底上げしているといえるだろう。
● 各レーサーたちの魅力
本作にはブラック魔王以外にも個性豊かなレーサーたちが登場し、それぞれがファンにとってお気に入りキャラとなる要素を備えている。
ギャングセブン:マフィア風の7人組で、氷の上をスケートのように進む姿が印象的。ゲーム中でもチームワークを発揮し、コミカルな動きを見せるため、ファンの中には「ギャングセブン推し」が少なくなかった。
タンクGT:重量級マシンでありながらドジを踏みやすく、爆発して上半分だけ飛んでいくシーンが特に有名。本作のCG演出でそのシーンが再現されたことはファンを大いに喜ばせた。
ハンサムV9:その名の通り見た目重視のキャラで、ゲーム内では車体が伸びるなどユニークな演出を披露する。奇妙なキャラ付けもあり、プレイヤーの記憶に強く残った。
ヒュードロクーペ:幽霊のような外観を持つマシンで、不気味さとユーモラスさを併せ持つ存在。Races TVモードでの「今日はドラゴン休みらしい」というナレーションが印象深く、語り草になった。
それぞれのレーサーに独自の演出やCGが用意されており、原作を知るファンにとっては「お気に入りキャラを探す楽しみ」が大きな要素となっていた。
● オリジナルキャラクター「T-BORN WREX」
本作のために追加されたオリジナルキャラクター「T-BORN WREX」も、ファンから愛される存在となった。プレイヤーをサポートする案内役として登場し、ユーモラスなセリフや親しみやすいデザインで好感を集めた。野沢那智氏の声によるコミカルな演技は、彼を単なる機械ではなく「相棒」として印象づけるのに十分だった。
WREXは原作には存在しないものの、プレイヤーと世界をつなぐガイドとして自然に機能しており、「違和感なく世界観に馴染んでいる」「むしろ必要不可欠なキャラ」とまで言われるほど評価が高かった。
● プレイヤーごとの「推しキャラ」
興味深いのは、プレイヤーごとに「推しキャラ」が分かれる点だ。ブラック魔王やケンケンといった看板キャラはもちろんだが、ギャングセブンやハンサムV9など脇役的なレーサーにも熱心なファンが存在した。Tripモードではキャラの掛け合いや隠れた一面が描かれるため、普段アニメで目立たなかったキャラが一気に「推し」へと昇格するケースも多かった。
こうした「自分だけのお気に入りを見つけられる」という体験は、映像中心のゲームであるにもかかわらず本作が持っていた大きな魅力の一つである。
● 総合的なまとめ
以上を踏まえると、本作の「好きなキャラクター」として挙げられるのはやはり ブラック魔王とケンケン が双璧であり、そこに 各レーサーの個性 と オリジナルキャラWREX が加わる形になるだろう。
原作の魅力を損なわず、ゲームならではの演出を盛り込みながら、それぞれのキャラを「3DOという舞台」に持ち込んだことは、本作の数少ない成功点であり、多くのプレイヤーの記憶に残る要素となっている。
[game-7]
■ 中古市場での現状
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』は、1994年3月20日にフューチャー・パイレーツから発売された3DO用ソフトである。3DOというハード自体が短命であったため流通量が少なく、現在では中古市場で独特のポジションを築いている。発売から30年以上が経過した今日、中古ゲームショップやネットオークション、フリマアプリではどのような価格帯で取引されているのか、またどのような特徴があるのかを詳細に見ていこう。
● ヤフオク!での取引状況
ヤフオク!では、3DOソフトの中でも比較的出品頻度があるタイトルのひとつである。落札相場は 2,500円~4,500円前後 に収まることが多い。状態によって価格差は大きく、ケースにスレやヒビがある場合や、帯や説明書が欠品しているものは2,500円程度で落札されることが多い。一方で、ケースやディスクが比較的良好なコンディションで揃っているものは4,000円近くまで値が上がる傾向にある。
さらに、帯付き完品やほぼ新品同様の美品となると、競合が少ないため入札が集中し、5,000円を超えるケースも見受けられる。ただし、もともと需要層が限られているため、必ずしも値段が吊り上がるとは限らず、出品者の設定次第で大きくブレがあるのも特徴だ。
● メルカリでの販売状況
フリマアプリ「メルカリ」でも出品は定期的に見られる。こちらの価格帯は 2,800円~4,000円程度 が中心で、状態の良いものや「送料無料・即購入可」と記載されたものは素早く売れている傾向にある。出品数はヤフオク!に比べてやや少なく、タイミングによっては数週間出品がないこともある。
また、ディスクに傷があるものや動作保証が記載されていないものは、価格を下げても買い手がつきにくく、最終的に値下げ交渉の末に2,000円台前半で売却されるケースもある。反対に、帯付きや説明書完備の良品は3,500~4,000円で安定して売れることが多い。
● Amazonマーケットプレイス
Amazonマーケットプレイスにおける価格はやや高めに設定されることが多く、 3,500円~6,000円前後 が目立つ。特にAmazon倉庫発送の商品は価格が安定しており、動作保証や返品対応の安心感からプレミアムが付く傾向にある。
ただし、出品数は極めて少なく、常時在庫があるとは限らない。出品が確認できても数点のみというケースが多く、Amazonで入手しようとするとタイミング次第では購入が難しい。
● 楽天市場での取り扱い
楽天市場では、主に中古ゲームショップが出品しており、 3,500円~5,500円前後 で販売されることが多い。楽天ポイントの付与やショップ保証などが付くため、価格は他のプラットフォームよりやや高めに設定されがちである。ショップ在庫に依存するため出品が途切れることもあるが、3DOのコレクションを扱う専門ショップでは比較的安定した取り扱いがある。
● 駿河屋での販売状況
中古ゲーム大手の駿河屋でも取り扱いがある。価格帯は 2,800円~4,200円程度 に落ち着くことが多く、在庫があれば比較的入手しやすい。駿河屋は状態ランクやコンディション説明が細かく記載されているため、安心して購入できる点が支持されている。ただし、人気の波や入荷数によっては「在庫切れ」になるケースも多く、再入荷を待つ必要があることも少なくない。
● 中古市場における評価と傾向
総合的に見ると、本作はプレミアソフトとまでは言えないが、3DOの知名度やタイトルの特殊性から一定の需要がある。価格帯は概ね 2,500円~4,500円 に集中しており、帯付き完品や未使用品となると5,000円を超えることもある。
需要層としては、以下の二つが中心である。
原作アニメ『チキチキマシン猛レース』のファン
3DOコレクターやマイナーハード愛好家
前者にとっては「ブラック魔王やケンケンを3D映像で観られる唯一のソフト」として価値があり、後者にとっては「3DO黎明期を象徴するソフト」としてコレクション性が高い。
また、ソフト自体は希少ではあるが、極端に高騰しているわけではなく、流通量の少なさに対して安定した価格帯を維持している点が特徴だ。
● 購入時の注意点
中古で購入する際には、以下のポイントをチェックしておくとよい。
ディスクの読み取り状態:3DOはドライブの相性がシビアで、傷があると読み込みエラーになりやすい。
説明書・帯の有無:コレクション目的なら完品が望ましいが、その分価格は上がる。
外箱の状態:3DOソフトはケースが大きめで割れやすく、角の潰れや日焼けが目立つ場合も多い。
動作保証の有無:ショップやAmazon倉庫発送の商品は比較的安心だが、個人取引では自己責任となる。
● 総合的なまとめ
『チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦』の中古市場における現状を整理すると、以下のようにまとめられる。
価格帯は概ね 2,500円~4,500円 が中心
完品や美品は5,000円以上になることもある
出品は少なめだが定期的に確認でき、極端なレア化はしていない
需要層は原作ファンと3DOコレクターに集中
状態次第で価格が大きく変動する
本作はゲーム性の評価こそ賛否両論だが、原作キャラを3Dで堪能できる貴重な一本として、中古市場では今なお安定した存在感を放っている。プレイ目的で購入する人は少なく、むしろ「コレクション用」「思い出の品として確保したい」という目的で入手するケースが大半だろう。
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