
【ディスクシステム】 子猫物語 (箱・説あり)【中古】
【発売】:ポニーキャニオン
【発売日】:1986年9月19日
【ジャンル】:アクションゲーム
■ 概要
1986年9月19日、ポニーキャニオンからファミリーコンピュータ ディスクシステム用として発売された『子猫物語』は、同名映画を題材にした横スクロール型のアクションゲームです。原作映画はムツゴロウさんこと畑正憲氏が監督を務めた動物映画であり、日本国内のみならず海外でも上映された作品でした。その映画に登場する子猫「チャトラン」を主人公とし、プレイヤーは彼を操作して1年間、春夏秋冬の季節を通じて進む全24ステージを攻略することを目的とします。
このゲームのステージ構成は、1年を12か月に分け、それぞれ昼と夜の2パターンを用意することで、合計24面というボリュームを実現しています。背景グラフィックには季節の変化が反映され、春は花咲く草原、夏は青々とした木々、秋には紅葉、冬は雪景色といった具合に、四季折々の日本の自然が演出されています。ファミコン初期のタイトルとしては珍しく、季節感を表現する試みは注目すべきポイントでした。
プレイヤーキャラクターであるチャトランは、基本的に非力な存在です。敵キャラクターに触れるだけでミスとなってしまうため、直接の攻撃はできません。代わりに、木の実や卵などを頭上から落として敵を退けるという独自の攻撃方法を持っています。この仕様は「無力な子猫が必死に工夫をして生き延びる」という映画のテーマを反映したもので、単純ながらもゲーム性に独自の味を加えていました。
また、ゲームにはチャトランの仲間として登場するパグ犬「プー助」を召喚する要素があります。プー助は呼び出すと力強く前進し、敵を蹴散らしてくれますが、勢いが止まらずにそのまま穴に落ちてしまうこともあり、プレイヤーはその使いどころを見極める必要がありました。
一方でゲームデザインには粗削りな部分も多く、ステージの仕掛けは「川を木箱で渡る」といった単純なものに限られており、敵のバリエーションも少なく、ボスとして登場するのは熊のみというシンプルさでした。また、チャトランがあまりにも脆弱で、雨粒や魚、ネズミといった小さな障害物にも触れるだけでアウトになるため、プレイ感覚は非常にシビアでストレスを感じやすいものでした。
さらに、当時のプログラム技術の限界や開発体制の影響もあり、バグの多さも指摘されています。ステージの壁にキャラクターが埋まって動けなくなったり、最終面で進行不能になるケースも報告されていました。こうした不具合はゲームプレイを難しくし、評価を分ける要因にもなったのです。
それでも、当時のプレイヤーの記憶に残ったのは「木の葉の揺れ」のグラフィックでした。ファミコンタイトルとしては珍しく、背景の木々が風に揺れるような表現がなされており、その細やかな動きはゲーム全体の完成度とは別に「印象的な美点」として語り継がれています。
BGMについても触れておきましょう。原作映画では坂本龍一氏が音楽を担当しており、映像美と調和する格調高いサウンドが評価されていました。しかし本作のゲーム音楽は、どこか奇妙でポップさに欠けるものが多く、プレイヤーからは「妙な雰囲気」と評されることが少なくありませんでした。音楽的には映画の流れを継承するのではなく、あくまでゲーム独自の解釈として制作されたため、この点も賛否を呼ぶ一因となっています。
総合すると『子猫物語』は、映画という大きな題材をゲーム化した意欲作でありながら、遊びのバランスや完成度に難があった作品でした。しかしその独自性や、グラフィックに込められた細部へのこだわりは、今なおレトロゲームファンの間で語られる要素となっています。チャトランとシロの再会を目指すというテーマはシンプルながらも愛らしく、動物映画を題材としたゲームとしては貴重な存在であることは間違いありません。
■■■■ ゲームの魅力とは?
『子猫物語』の魅力を語る上で外せないのは、やはりその「題材の独自性」と「表現の細やかさ」にあります。1980年代半ばのファミコン市場は、アクションやシューティングといったジャンルが主流で、動物映画を題材とした作品はきわめて珍しいものでした。そこに登場した本作は、可愛らしい子猫を主人公に据え、自然界の厳しさと冒険を体験させるという独自のスタンスを持ち込み、他のタイトルにはない異色のポジションを確立しました。
プレイヤーはチャトランという小さな存在を操作し、敵に直接触れると一発でアウトになるという非力さと向き合うことになります。この「弱さ」をベースにしたゲーム性は、当時の「強くて派手なヒーローが活躍する」他のファミコン作品とは対照的でした。慎重な操作が求められることで、プレイヤーは自然界を生き抜く子猫の立場を強く意識させられ、映画のテーマともリンクする没入感を味わえたのです。
さらに本作には「四季の変化」をグラフィックで再現するという魅力的な要素があります。春の花、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色といった自然の移り変わりは、ファミコンという制限の多いハードの中では革新的な試みでした。特にプレイヤーたちの間で語り草となったのが「木の葉の揺れ」の表現です。単なる背景装飾ではなく、風を感じさせるようなアニメーションが盛り込まれており、子供心に「自然を感じるゲーム」として印象付けられました。
また、チャトラン一匹では攻略が難しい場面を支えてくれるのがパグ犬のプー助です。彼を呼び出すと力強く突進し、敵を一掃してくれるため、緊張感の中に爽快さをもたらしてくれます。ただし勢い余って穴に落ちてしまう危うさもあり、単なる「助っ人キャラ」ではなく、リスクと隣り合わせの存在となっている点がユニークです。これにより、プレイヤーはプー助をいつ呼ぶべきか、どう活かすかという戦略的な楽しみ方を得ることができました。
そしてもう一つの魅力は、「難易度の高さ」による挑戦心の喚起です。敵や障害物の配置はシビアで、油断すればすぐにやられてしまうため、簡単にクリアできるゲームではありません。そのため、1つの面を突破できたときの達成感は非常に大きく、失敗と挑戦を繰り返す中でプレイヤー自身の成長を感じられる作りになっています。当時のファミコン世代にとって、この「理不尽さと達成感のセット」はむしろ魅力の一つとして受け入れられていたのです。
BGMに関しては評価が分かれるものの、「独特の雰囲気を作り出している」という点では本作の個性とも言えます。映画の音楽のような華やかさや美しさはありませんが、どこか奇妙で耳に残るサウンドは、ゲームのシビアな難易度と相まって「不思議な世界観」を生み出しています。ファミコンの音源を使って自然の音や風の音を連想させる試みも見られ、今となってはレトロゲームならではの味わい深い演出と捉えることができます。
総合すると、『子猫物語』の魅力は「可愛いキャラクター性」と「厳しいゲーム性」のギャップにあります。小さな命が自然を生き抜く姿を体験できる点は、当時の子供たちに強い印象を与えました。遊びやすさや完成度に問題は多々あったものの、「動物映画を題材にした異色のゲーム」「四季の変化を表現した実験的な作品」として、今もなお語られるだけのユニークさを備えているのです。
■■■■ ゲームの攻略など
『子猫物語』のゲーム攻略を考えるとき、まず大前提として意識しなければならないのは「チャトランの脆弱さ」です。本作の主人公である子猫は、敵や障害物に触れると即ミスになる仕様を持っています。これはファミコン時代でも珍しいほど厳しい設定であり、ほとんどのアクションゲームではダメージを受けても多少の猶予が与えられるのに対し、本作では一発アウトという極端なルールが採用されています。そのため、プレイヤーには慎重な立ち回りと「敵や環境を先読みする力」が求められるのです。
● 基本操作と立ち回り
チャトランの攻撃手段は限られており、木の実や卵などを敵の頭上に落とすという方法が中心になります。直接ジャンプで踏みつけたり、武器で攻撃したりすることはできません。この仕組みを攻略に活かすには、敵の動きを観察し、適切なタイミングでアイテムを投下する必要があります。序盤は敵の動きも単純ですが、後半になると予測しづらい配置になっており、焦ると失敗を招きやすい構成です。
また、足場の端に立っても落ちないという判定があり、ジャンプの際は「ギリギリまで引きつけてから飛ぶ」ことが重要です。特に幅の広い穴を越えるとき、このテクニックが必須となります。ジャンプの感覚を掴むまでに時間がかかるものの、一度コツを覚えれば安定して進めるようになります。
● ステージギミックの攻略
本作の数少ない仕掛けの一つに「木箱で川を渡る」という場面があります。木箱は流れに沿って動いていくため、上に乗った状態でバランスを崩すと簡単に落下してしまいます。ここでは不用意に動き回らず、木箱の中央に立って安定させるのがコツです。敵が同時に出現することもあるため、事前に木の実を用意しておき、落下する直前に処理するテクニックも役立ちます。
● プー助の使いどころ
パグ犬のプー助は、本作攻略の切り札とも言える存在です。彼を呼び出すと一直線に進み、敵を蹴散らしてくれます。しかし猪突猛進型の行動パターンを持つため、穴があるステージではそのまま落下して消えてしまう危険もあります。攻略のコツとしては、「敵が密集していて一気に突破したい場面」や「障害物の配置が比較的安全な場所」で使用することです。無闇に呼び出すのではなく、緊急回避やテンポを変える手段として活用すると効果的です。
● 敵キャラクターの対処
チャトランを苦しめるのは多種多様な敵です。小さなネズミや魚、さらには雨粒に触れるだけでも即ミスになるため、攻撃というより「避ける意識」を持つことが重要です。特に雨粒はランダムに近い軌道で落ちてくるため、画面上部を見ながら移動する癖をつけると回避が容易になります。敵を倒すよりも「進路を安全に確保する」という感覚で動くことが、攻略の大前提です。
● ボス「熊」との戦い
本作唯一のボスキャラクターである熊は、ステージ後半に登場します。熊はゆっくりと接近してくるものの、当たり判定が大きく、接触すれば当然ミスとなります。攻略法は頭上から木の実を落とすシンプルな方法ですが、敵の接近速度に焦ると投下タイミングを誤りやすいので、落ち着いて距離を保つのが重要です。ボス戦は単調ながらも「集中力を維持すること」がカギになります。
● 裏技や小ネタ
当時のゲーム雑誌や口コミでは、本作に関するいくつかの裏技も話題になっていました。例えば、特定のタイミングでプー助を呼び出すことで敵の配置がリセットされる現象や、壁にチャトランを押し付けることで当たり判定がズレるバグなどです。こうした挙動は攻略を助ける一方で、意図せずゲームが進行不能になるケースもあるため、諸刃の剣でした。
● 攻略の総合的なポイント
『子猫物語』の攻略を一言でまとめるなら、「無理をせず安全を優先する」ことです。敵を積極的に倒すより、回避を徹底し、危険な場面ではプー助を活用して突破するのが基本戦略です。また、ミスを恐れて躊躇するよりも、ジャンプのタイミングを信じて思い切りよく飛ぶことも必要になります。この「慎重さと大胆さのバランス」を身につけることが、本作を攻略する上での最大のコツだと言えるでしょう。
■■■■ 感想や評判
『子猫物語』の感想や世間の評判を振り返ると、「映画を題材にした珍しいゲーム」という注目度の高さと、「実際のプレイ体験」の落差が大きく、賛否が分かれる作品だったことがわかります。
● 発売当時の注目度
1986年当時、映画『子猫物語』は大ヒット作品であり、テレビや雑誌でも広く取り上げられていました。そのため、「あの人気映画がゲームになった!」という話題性は非常に大きく、発売前から注目を浴びていました。特に動物好きの子供や映画を観た家族層には、「可愛いチャトランを操作できる」という期待感がありました。ファミコン雑誌にも大きく取り上げられ、ファンアイテム的な側面も強調されていたのです。
● 実際にプレイした人々の感想
ところが、実際に遊んでみたプレイヤーの感想はかなり厳しいものでした。「操作がシビアすぎる」「敵や障害物に触れるだけで即アウトは理不尽」「プー助が役に立つどころか勝手に落ちる」といった声が多く寄せられました。特に子供向けを意識した作品としては難易度が極端に高く、「可愛い見た目なのに全然遊べない」という落胆の感想が目立ちました。
一方で、チャトランの愛らしい動きや背景の季節感に感心する声もありました。「葉っぱが揺れる表現が印象的だった」「ファミコンで四季を感じられるのはすごい」という意見は多く、グラフィック面については当時としては評価を得ていたのです。
● ゲーム雑誌での評価
ゲーム雑誌でのレビューも総じて厳しめでした。特に「やり込み要素に乏しい」「ボスが熊だけで単調」「すぐに飽きてしまう」という指摘が多く、総合評価は平均点以下にとどまっています。ただし、「グラフィックの表現力」に関しては一定の加点があり、「ビジュアルは評価できるが、ゲームとしての完成度が伴っていない」という位置付けでした。
● プレイヤー同士の口コミ
子供同士の口コミでは、「あのゲーム難しすぎるからやめた」「プー助がすぐ死ぬのがおもしろい」といった、半ばネタ扱いにされることも少なくありませんでした。友達の家で遊んだ時に盛り上がるのは最初だけで、すぐに他のゲームに切り替えられてしまう、そんな扱いを受けやすいタイトルでした。
ただし、一部のゲーマーからは「この理不尽さが逆に燃える」「慎重に進めば意外とクリアできる」といった前向きな感想もありました。実際、難しいゲームを何度も挑戦して攻略することに快感を覚えるプレイヤーにとっては、チャレンジ精神を刺激されるタイトルだったのです。
● 長期的な評価
発売から時間が経つにつれ、本作は「ファミコンの珍作」「思い出に残る変わり種」として語られるようになりました。バグの多さや不親切な設計は批判の対象となりつつも、「映画のタイアップでここまで異色のゲームを作った」という点はユニークさとして記憶されました。レトロゲームを振り返る文脈では、「出来は粗いが忘れがたい存在」としてしばしば取り上げられています。
総じて、『子猫物語』の評判は「期待外れ」という意見が多数派でしたが、同時に「ユニークな思い出」として懐かしむ声も根強く残っています。可愛い外見と厳しいゲーム性のギャップが強烈な印象を与え、結果的にファミコン史において一種の「カルト的存在」として残り続けることになったのです。
■■■■ 良かったところ
『子猫物語』は厳しい評価を受けることが多い作品ですが、決して全てが否定的だったわけではありません。むしろ、当時のプレイヤーが「ここは良かった」と振り返るポイントはいくつも存在します。ここでは、特にポジティブに評価された部分を掘り下げてみましょう。
● 四季の移ろいを感じられるビジュアル
最大の評価点はやはり「背景の季節表現」です。春の花咲く野原、夏の青々とした木々、秋の紅葉、冬の雪景色など、ファミコンという限られた表現力の中で四季の変化を取り入れたことは、プレイヤーにとって強い印象を残しました。とくに「木の葉が風で揺れる表現」は当時のファミコンソフトとしては斬新で、「葉っぱが揺れるゲーム」として記憶している人も少なくありません。グラフィック面での実験的な挑戦は、確かに他のタイトルにはない魅力となっていました。
● キャラクターの愛らしさ
主人公の子猫チャトランのデザインは、シンプルながらも愛らしく、操作しているだけで「守ってあげたくなる存在」として印象に残りました。加えて相棒のパグ犬プー助も人気があり、「暴走するけれど憎めない存在」として子供たちの心に刻まれました。アニメや派手なヒーローではなく、動物たちが主役となるゲームは珍しく、キャラクター性のユニークさは多くの人に好感を持たれました。
● 達成感の大きさ
ゲームの難易度は非常に高いですが、その分クリアできたときの喜びは格別でした。敵を避けつつ慎重にジャンプを決め、ようやくゴールにたどり着いた瞬間の達成感は、ほかのアクションゲーム以上だったという声もあります。特に全24ステージを制覇し、チャトランと恋猫シロが再会するエンディングに到達したときには、大きな感動を覚えたというプレイヤーもいました。
● 独特のゲーム性
「攻撃が木の実や卵を落とすだけ」という制約は一見不便に思えますが、それが逆に「小さな命が自然を工夫して生き延びる」というテーマ性を強めていました。力押しではなく、環境を利用して敵を退けるというコンセプトは、他のファミコンアクションには見られない特徴でした。遊びにくさはあるものの、その「らしさ」を理解できる人にとっては魅力的なシステムでもあったのです。
● 家族や友達と盛り上がれる要素
「すぐやられてしまう」「プー助が穴に落ちて消える」といったコミカルな場面は、当時の子供たちにとっては笑いのネタになりました。真剣に攻略するよりも、友達の家でワイワイ騒ぎながら遊ぶときに盛り上がる要素が多く、結果として記憶に残りやすい作品となったのです。
● タイアップ作品としての価値
映画『子猫物語』を観た人にとっては、思い出をゲームで追体験できる点も良かったところとして語られます。たとえゲームとして不完全でも、「映画で見たチャトランがファミコンの中で動いている」という事実だけで価値を感じた人も多く、ファンアイテム的な意味合いを強く持っていました。
総じて、『子猫物語』の「良かったところ」はゲームのシステムや遊びやすさよりも、「雰囲気」「キャラクター」「ユニークさ」といった部分に集中しています。技術的に未熟であっても、そこにしかない表現や体験があったからこそ、多くのプレイヤーの心に刻まれたのです。
■■■■ 悪かったところ
『子猫物語』はユニークな題材と印象的なビジュアル表現を持ちながらも、多くのプレイヤーにとって「残念な部分」が目立つ作品でした。ここでは、その代表的な欠点を具体的に掘り下げていきます。
● 難易度が極端に高い
最も多くのプレイヤーが挙げる不満点は、やはり「理不尽な難易度」です。チャトランは敵や障害物に触れると即アウトという仕様のため、一切のミスが許されません。ネズミや魚といった小さな敵だけでなく、雨粒や水滴などに当たっても失敗になるため、「避けるだけで精一杯」という感覚に陥ることが多かったのです。子供向け映画を原作としたゲームにしては、あまりにも厳しすぎる難易度でした。
● 単調なゲームデザイン
ステージ数は24とボリュームがあるものの、内容は非常に単調です。背景のグラフィックは四季に合わせて変化しますが、ギミックや敵の種類はほとんど増えず、プレイヤーは「また同じことの繰り返しだ」と感じやすいものでした。ボスも熊だけという少なさで、進めば進むほど新鮮味が薄れていき、飽きやすいのが大きな欠点でした。
● バグの多さ
『子猫物語』は当時の技術的制約もあり、プログラム上の不具合が頻繁に発生しました。代表的なものは「壁に埋まって動けなくなる」「最終面で進行不能になる」といった致命的なバグで、せっかく長時間かけてプレイしてもクリアできないケースがありました。このようなトラブルはプレイヤーのモチベーションを大きく下げる原因となり、評価を下げる決定的な要素でした。
● 音楽の違和感
原作映画では坂本龍一氏の音楽が高く評価されていましたが、ゲーム版のBGMは「耳に残るが奇妙」「場面に合っていない」と酷評されることもありました。楽曲はどこか中途半端で、緊張感や感動を演出する力に欠けていたため、「映画の格調高さとの落差」が不満の声につながりました。
● プー助の不安定さ
仲間キャラクターであるプー助は、一見すると強力な助っ人ですが、実際には思い通りに活躍してくれることは少なく、勢い余って穴に落ちて消えてしまうケースが多発しました。プレイヤーからは「役に立たない」「逆に足を引っ張ることが多い」と揶揄されることもあり、期待と実際のギャップが大きな不満点となりました。
● タイアップ作品としての期待外れ感
映画が大ヒットしただけに、ゲームに対する期待値は非常に高かったのですが、実際の内容は「子供でも楽しめるファミリー向けアクション」からはほど遠いものでした。そのため、「映画を見て好きになった子供が遊んだら泣いてしまう」とさえ言われるほど、ターゲット層とゲーム内容のミスマッチが指摘されました。
● 全体的な「やっつけ感」
グラフィックの細やかさは評価されつつも、ステージ構成や敵の種類、操作性などに丁寧さが欠けている印象が強く、「映画の人気に便乗して急いで作られたのではないか」という批判もありました。長く遊べる完成度の高い作品というより、「一度触ったら満足してしまう」タイプのソフトとして見られることが多かったのです。
まとめると、『子猫物語』の悪かった点は「難易度の理不尽さ」「単調さ」「技術的な粗さ」の3つに集約されます。惜しい部分は多々あったものの、ゲームとしての完成度は高いとは言えず、結果として「思い出には残るが万人向けではなかった作品」という評価に落ち着いてしまいました。
[game-6]
■ 好きなキャラクター
『子猫物語』に登場するキャラクターたちは数こそ少ないものの、プレイヤーの心に強い印象を残しました。映画を原作としているため、それぞれの存在にはストーリー上の意味が込められており、ゲームの中でもプレイヤーに愛着を抱かせる要素が随所に見られます。ここでは、多くの人に「好き」と語られたキャラクターを掘り下げていきましょう。
● 主人公・チャトラン
やはり一番人気は、主人公の子猫チャトランです。小さな体で大きな自然を冒険する姿は、可愛らしさと同時に健気さを感じさせました。ゲームの難易度は非常に厳しいものの、その脆弱さが逆に「守ってあげたい」「助けてやりたい」という感情を呼び起こしました。プレイヤーはチャトランの一挙一動を通して、自分自身が小さな命を導いているような感覚を味わうことができたのです。
また、チャトランのデザインはシンプルながらも表情が豊かで、ジャンプしたときや木の実を落とすときの仕草に温かみがあります。「かわいいけど必死」というバランスが絶妙で、単なるマスコット以上の存在感を放っていました。
● 相棒・プー助
次に人気が高かったのが、パグ犬のプー助です。プレイヤーからすると「役に立たない」と思われることもありましたが、暴走気味に敵を蹴散らしていく姿はコミカルで、思わず笑ってしまう場面も多々ありました。とくに子供たちの間では「プー助が穴に落ちるシーン」が定番の笑いどころで、失敗すらも愛嬌に変えてしまうキャラクターでした。
プー助の魅力は、「完全にプレイヤーの思い通りにならない存在」であることです。突進して敵を倒してくれる一方で、穴に落ちたり壁に突っ込んだりとドジな行動も多く、その不完全さがむしろ人間味を感じさせました。プレイヤーにとっては「頼りないけど可愛い仲間」として強く記憶に残ったのです。
● 恋猫・シロ
ゲーム内では直接の登場シーンが少ないものの、チャトランが再会を目指す恋猫・シロも重要な存在です。プレイヤーにとって「彼女に会うために頑張る」という目標は、ゲームを最後まで遊ぶ動機付けになりました。シロは映画でも純白の美しい姿で描かれており、ゲームの中でも「到達した先に待っている存在」として物語を支える役割を果たしていました。
● 敵キャラクターたち
一方、プレイヤーを苦しめた敵キャラクターの中にも、印象的で「好き」と語られる存在がいます。例えば小さなネズミや魚は一見厄介ですが、その単純な動きはどこか憎めないものがありました。また、唯一のボスである熊も「怖いけれどキャラ立ちしている」として印象に残ったプレイヤーが多いです。熊が出てきた瞬間の緊張感は特別で、「あの熊に勝てた時の達成感が忘れられない」という声も聞かれます。
● プレイヤーにとっての存在意義
『子猫物語』のキャラクターは、どれも派手さや多彩な動きを持つわけではありません。しかし、その「素朴さ」こそがプレイヤーに愛される理由でした。チャトランは弱いけれど健気、プー助は頼りないけれど愛嬌がある、シロは目標として待っていてくれる。こうしたシンプルなキャラクター構成が、プレイヤーに「心の支え」としての存在感を与えたのです。
まとめると、『子猫物語』で「好きなキャラクター」として挙げられるのは、やはりチャトランとプー助の二大コンビに集中します。チャトランの可憐さとプー助のドジっぽさ、この対比がゲーム全体の雰囲気を和ませ、厳しい難易度の中でもプレイヤーが前向きに挑戦し続けられる理由となっていました。
[game-7]
■ 中古市場での現状
発売からすでに40年近くが経過した『子猫物語』ですが、現在でもレトロゲーム市場において一定の存在感を放っています。ファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフトは保存状態や動作保証によって価格差が大きく、特に本作のようなタイアップ作品はコレクター需要も相まって、中古市場で安定した取引が続いています。ここでは、代表的な販売ルートごとにその傾向を詳しく見ていきましょう。
★ ヤフオク!での取引状況
ヤフオク!では『子猫物語』の出品は定期的に見られ、価格帯は 1,500円〜3,000円前後 が中心です。状態の悪いもの(ラベルの色あせ、ケースの割れ、説明書欠品など)は1,000円台からスタートする例もありますが、即決で落札されることは少なく、入札数も控えめです。
一方で、動作確認済みかつケースや説明書が揃った状態の良い品は 2,500円〜3,000円程度 の即決価格で売れるケースが多く、特に「動作品」と明記されたものは入札が集中しやすい傾向にあります。未開封や美品は非常に稀ですが、出品されれば3,500円以上で落札されることもあります。
★ メルカリでの販売価格
メルカリでは、出品数が比較的安定しており、価格帯は 1,800円〜2,800円前後 が主流です。
出品者が丁寧に写真を掲載している場合や「送料無料」「即購入可」と記載があるものは購入者の関心を集めやすく、2,000円前後での売れ行きが良好です。状態が悪いものは値下げ交渉を経て1,500円程度まで落ち込むケースもありますが、全体としては2,000円付近がもっとも売れやすい価格帯となっています。
また、コレクターが「ケース・帯・説明書が完全に揃った出品」を狙って購入する動きもあり、この場合は2,500円台でも比較的早く売り切れる傾向があります。
★ Amazonマーケットプレイスでの傾向
Amazonでは他のフリマアプリやオークションに比べて価格が高めに設定される傾向があり、中古品は 3,000円〜4,000円前後 で出品されることが多いです。
特に「動作確認済み・Amazon倉庫発送・プライム対応」の商品は3,500円前後で安定し、安心感を求める購入者から選ばれやすい状況にあります。一方で個人出品による高額設定(5,000円以上)も散見されますが、成約率は低めです。
★ 楽天市場での取り扱い
楽天市場では、主に中古ゲーム専門店やレトロショップが『子猫物語』を出品しています。販売価格は 2,800円〜3,500円前後 が相場で、状態の良い在庫はすぐに売り切れる傾向があります。ショップによっては「動作保証付き」「返品可」などの条件を付けて販売しているため、多少高額でも安心して購入できる点が魅力とされています。
★ 駿河屋での価格推移
中古ゲームの大手ショップである駿河屋では、『子猫物語』は 2,200円〜2,980円前後 で販売されることが多いです。比較的在庫が安定している時期もありますが、人気が集中すると「品切れ」表示が出ることもあり、在庫状況はタイミング次第というのが現状です。買取価格は数百円程度ですが、状態や付属品の有無で上下します。
● 総合的な現状
『子猫物語』は「プレイ目的」というよりも、「コレクション目的」で購入されるケースが多いソフトです。映画のタイアップ作品であること、パッケージのデザインが特徴的であることから、ファミコンディスクシステムのソフトを網羅的に集めたいコレクターにとって外せない一本となっています。
価格帯は概ね 2,000円〜3,000円 に収まっており、特に美品や動作保証付きのものは高値で安定しています。逆に、状態の悪いものは値崩れしやすいですが、それでも「珍作」として一定の需要があるため、まったく売れないということはありません。
総じて『子猫物語』は、中古市場において「知る人ぞ知る一品」として評価されています。ゲームとしては完成度に問題があるものの、映画とのタイアップ性や独自の存在感が、コレクターやレトロゲームファンを惹きつけ続けているのです。
■■■■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪
子猫物語 [ 畑正憲 ]




