『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』（ゲームキューブ）

【発売】：エレクトロニック・アーツ
【開発】：EAスポーツ
【発売日】：2001年11月15日
【ジャンル】：サッカーゲーム

[game-ue]

■ 概要

発売の背景と当時のゲーム市場

2001年11月15日にエレクトロニック・アーツ（Electronic Arts、以下EA）が日本国内で発売した『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』は、ゲームキューブ向けにリリースされた初期のスポーツゲームの中でも特に注目を浴びたタイトルでした。当時はちょうど日韓共同開催による「2002 FIFAワールドカップ」の開催が半年後に迫っており、世界規模でサッカー熱が高まっていた時期です。日本国内では、海外リーグで活躍する中田英寿や小野伸二といった選手がニュースを賑わせ、サッカーは国民的スポーツの一つとして確固たる地位を築いていました。その熱気を背景にリリースされた本作は、単なる娯楽を超え、サッカーファンの“体験欲求”を満たす役割を果たしました。

EA SPORTSとFIFAシリーズの存在感

FIFAシリーズは1993年に誕生して以来、毎年のように最新作がリリースされるEA SPORTSの看板タイトルです。本作『FIFA2002』はシリーズ9作目にあたり、PS2やXbox、PCなど複数のプラットフォームで展開されました。その中でもゲームキューブ版は、任天堂ハードでのFIFAシリーズ初進出という意味合いを持ち、任天堂ユーザーにとってサッカーゲームの選択肢を大きく広げることになりました。従来、任天堂ハードでは「ウイニングイレブン」シリーズが展開されていなかったため、FIFAシリーズは独自のポジションを築くことになります。

選手再現へのこだわり

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』が高く評価された大きな理由のひとつが、選手表現のリアルさです。EAは当時、モーションキャプチャー技術を積極的に導入しており、中田英寿を含む実在選手の動きをデータ化してゲームに反映していました。走り方やボールタッチの仕草、シュート時の体のひねりなど、細かな挙動まで実物に近づける努力がなされ、シリーズの進化を実感できる部分でした。また、選手の顔グラフィックも従来作と比べて格段に精密になり、髪の毛の揺れや筋肉の動きといった細部まで描写されるようになりました。観客席やベンチの動きも描かれ、スタジアム全体が“生きている”と感じられる演出が盛り込まれた点は、他社のサッカーゲームと一線を画しています。

豊富な収録チームと公式ライセンス

FIFAシリーズの大きな魅力である公式ライセンスは、本作でも健在でした。2001〜2002シーズンのデータを反映し、世界各国のクラブチームと代表チームを多数収録。クラブチームはヨーロッパ16カ国の主要リーグを網羅し、セリエAやプレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラといったトップリーグを実名で体験できました。さらに代表チームは122カ国以上が収録され、世界規模での試合を自由に組めるのは本作ならではの強みでした。日本人プレイヤーにとっては、パルマに所属していた中田英寿やフェイエノールトの小野伸二がゲーム内で再現されていることも大きな魅力で、「自分のヒーローを操作できる喜び」を提供していました。

ゲームモードと遊びの幅

本作のタイトルに冠された「Road to FIFA WORLD CUP」は、その名の通りワールドカップ本大会へ至るまでの予選から決勝戦までをプレイヤー自身が体験できるモードを意味します。アジア、ヨーロッパ、南米など地域ごとの予選を勝ち抜き、ついには世界の頂点を争うという流れは、当時としては非常にスケール感のあるゲーム体験でした。このモードによって、単発の試合では味わえない“長期的な達成感”が得られるようになり、サッカーファンの没入感を高める役割を果たしました。さらに、カップ戦やリーグ戦といったおなじみのモードも健在で、クラブチームを率いて年間シーズンを戦い抜くことも可能でした。

日本仕様の実況・解説

日本版では特別に、試合実況を鈴木克馬氏、解説を元日本代表の金田喜稔氏が担当。テレビ中継を思わせるような臨場感ある掛け合いがゲームプレイを盛り上げました。実況と解説が選手名やプレー内容に即したコメントを発するため、まるで実際の放送を見ているかのような感覚が味わえた点は、日本版独自の魅力として大きな話題を呼びました。

他機種版との違いとゲームキューブ版の特徴

本作はPS2やPCでも展開されましたが、ゲームキューブ版はグラフィックの発色や動作の軽快さに定評がありました。任天堂ハードらしい快適な操作感と、安定したフレームレートによる滑らかな動きは、多人数での対戦プレイにも適していました。当時、家庭用ゲーム機におけるスポーツゲームの表現力が急速に進化する中で、ゲームキューブ版『FIFA2002』は技術的にも評価され、任天堂ハードにおけるスポーツゲームの水準を押し上げる存在となりました。

総合的な意義

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』は、単にサッカーゲームの一作という枠を超え、2002年のワールドカップという歴史的イベントを前にした世界の空気感をそのまま凝縮した作品でした。ゲームを通じて“世界のサッカーを体験する”というシリーズのコンセプトが明確に打ち出され、サッカーファンはもちろん、ゲームファンにとっても記憶に残る一本となったのです。

■■■

■ ゲームの魅力とは？

圧倒的なリアリティの追求

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』の最大の魅力は、当時のサッカーゲームとしては群を抜いたリアリティです。選手の動き一つとっても、単純にプログラムされたモーションではなく、実在選手のプレーをモーションキャプチャーで再現したことで、細かい体の傾きやボールタッチの強弱に至るまでリアルに表現されていました。観戦する側から操作する側へ――「テレビで見ていた世界に自分が入り込む感覚」を味わえたのは、このタイトルならではです。

ワールドカップへの道を体験できるモード

ゲームタイトルにも冠された「Road to FIFA World Cup」モードは、他のサッカーゲームにはない魅力的な仕組みでした。単発の試合や短期トーナメントではなく、各地域の予選から出場し、自国代表を率いて本大会まで進んでいくという長期的なシナリオが用意されていたのです。このモードでは、単に勝つことだけでなく、長丁場をどう戦略的に乗り切るかが鍵となり、監督的な視点と選手を操作する楽しみの両方を堪能できました。

世界122カ国以上の代表チーム

収録された代表チームの数は122カ国以上にのぼり、世界のサッカーの多様性を体感できました。ブラジルやアルゼンチン、フランスといった強豪国から、当時あまり知名度の高くなかったアフリカやアジアの国々まで幅広くプレイ可能でした。これにより、普段は国際大会で注目されない小国を選んで世界の舞台に挑むといった「ゲームならではの夢」が叶えられるのも魅力でした。

クラブチームの魅力と日本人選手の活躍

欧州16カ国の主要リーグが収録されていたため、クラブチームを選んでシーズンを戦い抜くモードも人気でした。セリエAのパルマに所属していた中田英寿や、オランダのフェイエノールトで活躍した小野伸二といった日本人選手が実名で登場することは、日本のファンにとって特別な喜びでした。海外での日本人選手の挑戦が社会的にも話題となっていた時代背景とリンクし、ゲームを通して彼らの活躍を再現・体験できることは、他の娯楽では得られない魅力でした。

実況・解説の臨場感

日本版に導入された実況・解説システムも本作の強みです。実況を務めた鈴木克馬氏の臨場感あふれるアナウンスと、元日本代表・金田喜稔氏の実戦的な解説がゲームを盛り上げ、プレイヤーはテレビ中継さながらの気分で試合を楽しむことができました。特に得点シーンや決定的なシュートの際に実況が熱を帯び、解説者が的確に戦術を補足する掛け合いは、試合そのものへの没入感を一層高めてくれました。

操作性と駆け引きの奥深さ

ゲームキューブ版ならではの操作性も魅力の一つでした。アナログスティックを駆使した細かなボールコントロールや、ボタンを押す強弱によって変化するパス・シュートの精度は、プレイヤーのテクニックをダイレクトに反映します。強引に突破するか、冷静にパスを回してチャンスを作るか――プレイヤーの戦術的判断が結果を左右するため、ただ遊ぶだけでなく「サッカーを理解する楽しみ」へとつながっていきました。

対戦プレイでの盛り上がり

一人でじっくりワールドカップを目指すのも面白いですが、本作は友人や家族と一緒に遊ぶ対戦プレイでも真価を発揮しました。試合ごとにドラマが生まれ、勝敗によってその場の盛り上がりが一変する体験は、スポーツゲームの醍醐味そのものです。ペナルティキック戦での緊張感や、ロスタイムの逆転ゴールの瞬間は、遊ぶ人全員が声を上げるほどの迫力を持っていました。

ゲームシステムの進化を感じられる一作

FIFAシリーズは毎年進化を重ねていますが、『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』は、ワールドカップイヤーを意識した特別な要素と、当時最新の技術を詰め込んだ節目の一作でした。リアルな選手挙動、豊富なチームデータ、臨場感ある実況解説、そして長期的に楽しめるモード構成――これらが組み合わさることで、従来の“サッカーゲーム”から“サッカー体験シミュレーター”へと大きく進化したといえるでしょう。

■■■

■ ゲームの攻略など

基本操作を徹底的に覚える

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』を攻略するうえで最初に必要なのは、基本操作の習熟です。ゲームキューブのコントローラーはアナログスティックと複数のボタンを組み合わせる独特の設計になっており、シュート・パス・クロスといったシンプルな操作に加えて、ボタンの長押しや押す強さによって威力や方向が変化します。最初のうちはミスが多くなりますが、練習試合で操作を体に馴染ませることが、上達への第一歩となります。

パスワークを重視する

本作の試合システムは、個人技だけでは勝てない設計になっています。ドリブル突破も可能ですが、ディフェンスAIが進化しているため、強引に仕掛けるとすぐにボールを奪われます。そこで重要になるのがパスワークです。短いパスをつなぎ、相手ディフェンスを引き出したところでスルーパスを出す――こうした基本戦術を意識することで、得点機会を確実に作れるようになります。パスを回すと観客の歓声が高まり、試合の臨場感も増すため、攻略と演出の両面で効果的です。

シュートのタイミングとコース取り

ゴールを決めるには、シュートのタイミングとコース選択が重要です。単に強く蹴るだけではキーパーに弾かれることが多いため、ゴールマウスの隅を狙ったコントロールショットが効果的です。また、ゴール前では冷静にワンタッチで流し込むシュートが決まりやすく、角度がない場合は一度サイドに展開してクロスを上げるのも有効な戦術です。実際のサッカーさながらに「どの場面でどんなシュートを打つか」を考える必要があり、これがゲームの奥深さにつながっています。

ディフェンスの基本と駆け引き

守備においては、無闇にタックルを仕掛けると簡単にかわされ、逆にピンチを招きます。本作では、選手をしっかりマークしながら体を寄せ、ボールを奪えるタイミングを見極めることが大切です。AIの攻撃はバリエーション豊富で、サイド攻撃や中央突破を織り交ぜてきます。そのため、フォーメーションを維持しつつ、相手のパターンを読んで動くことが攻略の鍵となります。ときにはゴール前での冷静なブロックやキーパー操作も重要で、一瞬の判断が試合の行方を左右します。

フォーメーションと戦術の活用

チーム選択後に設定できるフォーメーションや戦術は、攻略に直結します。例えば、守備を固めてカウンターを狙う4-5-1や、サイド攻撃を重視する4-4-2など、戦術によって試合展開が大きく変わります。相手チームの特徴に合わせて柔軟に戦術を切り替えることができれば、格上相手にも十分勝機があります。また、選手交代を適切に行うことでスタミナ切れを防ぎ、後半に勝負を仕掛ける戦い方も有効です。

PK戦の攻略法

接戦の末に訪れるPK戦は、本作でも最大の緊張ポイントのひとつです。キッカー側は方向と強さを読み合いながら狙い、キーパー側は相手の癖や流れを見て飛ぶ方向を決めなければなりません。ここでは運の要素も大きいですが、冷静さを保ち、あえて中央に蹴るといった意外性を織り交ぜることで成功率が上がります。PK戦での駆け引きはプレイヤー同士の対戦で特に盛り上がり、練習しておくと一気に試合展開を有利に運べます。

裏技や小ネタ

当時のプレイヤーの間では、いくつかの小技や裏技も話題になりました。例えば、タイミングよくフェイントを入れることで相手ディフェンダーを簡単に抜けられる方法や、ゴールキーパーの操作を意図的に混乱させるテクニックなど、知っているかどうかで勝敗が変わる要素も存在しました。これらは公式攻略本やファンサイトで共有され、対戦の奥深さをさらに広げていました。

練習モードの活用

試合だけでなく、練習モードを使ってフリーキックやコーナーキックを繰り返し練習することも攻略の近道です。本作のセットプレーは、ボールの位置や蹴る強さによって無限のバリエーションが生まれるため、練習次第で得点力が飛躍的に高まります。特にフリーキックの弾道を自在に操れるようになると、大舞台で決定的な武器となります。

■■■

■ 感想や評判

発売当時のプレイヤーの第一印象

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』が発売された当時、多くのプレイヤーが最初に驚いたのは「ここまでリアルにサッカーを再現できるのか」という点でした。特にゲームキューブ版では発色の良さや滑らかな動きが印象的で、「テレビ中継を操作しているようだ」といった感想が相次ぎました。従来のサッカーゲームに比べ、細部まで作り込まれた選手やスタジアムの表現が、発売直後から話題を呼んでいます。

サッカーファンからの支持

サッカーファンにとって、本作はただの娯楽ではなく「ワールドカップを先取りできる体験」でした。日本代表を操作してアジア予選を戦い抜き、本大会で強豪国に挑む――そんなシナリオを自分の手で描けることに、多くのファンが熱狂しました。また、海外クラブに所属する中田英寿や小野伸二を動かせることも、日本国内では大きな魅力として受け入れられています。サッカー観戦とゲームプレイが一体化する感覚は、当時ならではの体験だったのです。

ゲーム雑誌・メディアでの評価

当時のゲーム雑誌や専門誌のレビューでは、「FIFAシリーズの進化を実感できる一作」と高く評価されました。特に操作性とグラフィック表現は高得点を獲得し、「ゲームキューブ初期の名作スポーツタイトル」として紹介されています。一方で、一部のメディアは「AIの挙動に単調さが残る」「ウイニングイレブンシリーズに比べると戦術的自由度に欠ける」といった批評も行っており、ライバル作品との比較を通じて本作の立ち位置が論じられました。

実況・解説の臨場感に対する反応

日本版に搭載された実況・解説は、多くのプレイヤーから「本当に試合を見ているようだ」と好意的に受け止められました。ゴールが決まった瞬間の実況の熱量や、解説の戦術的コメントは、スポーツ中継に慣れたファンに強く響きました。特に「鈴木克馬と金田喜稔の掛け合いが楽しい」という意見は多く、シリーズの中でも日本独自の魅力を発揮した要素として語り継がれています。

マルチプレイでの盛り上がり

家庭用ゲームとしての評価で特に目立ったのが「友人や家族と遊んだときの盛り上がり」でした。2人対戦はもちろん、交代でプレイしながらトーナメントを進める遊び方は、ゲームの寿命を大きく延ばしました。SNSがまだ普及していなかった時代ですが、口コミで「みんなで集まってFIFAをやろう」という誘いが自然に広がり、対戦ゲームとしての価値も高く評価されました。

海外プレイヤーからの声

欧州や北米のプレイヤーからも高い評価を受けました。特にFIFA公式ライセンスによるチームや選手の実名収録は、国際的なユーザーにとって大きな魅力であり、「好きなクラブで好きなスターを操作できる」というシンプルながら強力な体験が支持を集めました。一方で、海外レビューでは「細かい戦術の自由度がもう一歩」といった指摘もありましたが、全体的には「2002年ワールドカップに向けた最高の盛り上げ役」という位置づけで受け入れられています。

長年のシリーズファンの視点

FIFAシリーズを長く追っているファンにとって、『FIFA2002』は大きな転換点と見られました。前作から操作感が大幅に改善され、パスやシュートの精度を細かくコントロールできるようになった点は特に好評です。「FIFAシリーズがようやく本格的にウイイレと肩を並べた」と評価する声も多く、本作をきっかけにシリーズに本格的にハマったプレイヤーも少なくありませんでした。

批評と肯定的意見のバランス

もちろん、完璧なゲームとまではいかず、「AIが不自然に強すぎる場面がある」「パスが意図した方向に飛ばないことがある」といった不満も挙げられました。しかしそれを補って余りあるリアルな演出や臨場感、豊富なモード構成が高く評価され、最終的には「多少の粗はあっても、サッカー好きには欠かせない一本」という総合的な肯定意見が主流を占めました。

■■■

■ 良かったところ

臨場感あふれるグラフィックと演出

本作でまず多くのプレイヤーが感動したのは、当時の家庭用ゲームとしては驚異的なグラフィックのクオリティでした。選手の顔や髪型はもちろん、スタジアムの芝の質感、観客の動き、ベンチで指示を出す監督の仕草までが描写されており、まるで本当にサッカー中継を操作しているような感覚を味わえました。ナイトゲームでの照明の反射や、選手が汗をかいて光る演出もあり、「ここまでスポーツゲームが進化したのか」と驚く声が多く寄せられました。

世界規模の豊富なチーム数

収録チームが237クラブ、122カ国代表という圧倒的な数だったことは、プレイヤーから高く評価されました。クラブサッカーを楽しむ人も、国際大会での戦いを重視する人も、自分の好きなスタイルで遊べる自由度があったのです。特に日本人にとっては、中田英寿や小野伸二といった海外組を実際に操作できる喜びは格別で、当時の日本サッカーの盛り上がりと相まって強く支持されました。

ワールドカップへの長い道のり

「Road to FIFA World Cup」モードが実装されたことで、予選から本大会までをリアルに追体験できるのも好評でした。長期間かけてチームを鍛え、少しずつ勝ち進んでいく達成感は、短時間の試合だけでは得られない深い満足をもたらしました。特に、格下チームを率いて強豪国を倒したときの達成感は格別で、ゲームだからこそ味わえるドラマを生み出していました。

日本仕様の実況・解説

鈴木克馬氏と金田喜稔氏による実況・解説は、ゲームの評価を押し上げる大きな要因となりました。単なる効果音ではなく、生きた言葉による実況が試合にリアルさを与え、ゴールの瞬間には鳥肌が立つほどの高揚感をプレイヤーに与えました。これにより、「一人で遊んでいても観客と共に盛り上がっている感覚」を得られるのが魅力でした。

操作性の向上と戦術の幅広さ

操作の細やかさはシリーズの大きな進化点であり、強弱をつけたパスやシュートが可能になったことで「自分の意図を反映できる」手応えがありました。これにより、ただボタンを押すだけのアーケード的なプレイから一歩進んで、本格的な戦術を展開できるようになったのです。パスを回して崩す、サイドからクロスを上げる、強引にミドルシュートを放つ――すべてが戦術的選択肢として機能する点は、多くのユーザーから好感を持たれました。

マルチプレイでの熱狂

友人や家族と集まって対戦するときの盛り上がりも、本作の魅力として語られています。特に接戦で迎えるPK戦や、ロスタイムでの逆転ゴールの瞬間は、プレイヤー全員が歓声を上げるような盛り上がりを生みました。「一緒に遊んだときの記憶が忘れられない」と語る人が多いのは、このゲームが単なるソフトではなく、人と人をつなぐエンターテインメントだった証拠です。

ゲームキューブ版ならではの安定性

PS2やPC版と比較したとき、ゲームキューブ版は安定したフレームレートと鮮やかな発色が評価されました。処理落ちが少なく、快適に試合を進められるため、ストレスを感じにくい点も「良かったところ」として挙げられています。プレイヤーによっては「グラフィックの色合いはゲームキューブ版が一番美しい」と感じた人もいました。

シリーズの進化を実感できる節目

FIFAシリーズを追いかけてきたファンにとって、『FIFA2002』は確かな進化を実感させる節目の作品でした。リアルなモーション、豊富なライセンス、戦術の幅、実況解説の臨場感――これらの要素が融合し、「ようやくFIFAが本格的にサッカーシミュレーションとして完成に近づいた」と感じさせたのです。

■■■

■ 悪かったところ

AIの挙動が単調に感じられる場面

多くのプレイヤーが指摘したのは、CPU操作の選手が同じような攻撃パターンを繰り返す点でした。サイドに展開してクロスを上げる、中央突破を強引に狙うなど、ある程度読めてしまう動きが多く、長時間遊ぶと単調さを感じる人もいました。そのため、上級者にとっては「AI相手では物足りない」という不満が生まれることがありました。

パスやシュートの誤判定

操作性の向上が評価される一方で、「狙った方向にボールが飛ばない」と感じる場面も少なくありませんでした。特にスルーパスの精度がシビアで、少しの入力のずれで相手ディフェンダーにカットされてしまうことが多発しました。これにより「操作が難しすぎる」と挫折する初心者も存在し、評価が分かれる要因となりました。

戦術の自由度に制限がある

フォーメーション設定や戦術オプションは一定の自由度がありましたが、他社のサッカーゲームと比べると細かい調整ができない点が指摘されました。例えば、選手ごとの細かなポジション修正や、守備ラインの高さ調整といった要素が不足しており、「もっと戦術的に遊びたい」プレイヤーにはやや物足りなかったのです。

ローカルマルチ専用の不便さ

当時はオンライン対戦が一般化していない時代だったとはいえ、「友達がいないと対戦を楽しめない」という意見も一定数ありました。サッカーゲームの醍醐味は対戦にあるため、CPU戦に飽きてしまったユーザーは遊び続けるモチベーションを維持するのが難しかったのです。

リプレイや演出の繰り返し

ゴールシーンや試合中の演出は迫力がありましたが、繰り返しプレイしていると「同じ動きが何度も出てくる」と感じることもありました。観客の反応やカメラワークのバリエーションが少なく、数十試合を遊ぶと「新鮮味が薄れる」と指摘するプレイヤーもいました。

一部選手の能力値バランス

公式ライセンスによって実名で登場する選手たちですが、その能力値設定に不満を持つファンもいました。特定のスター選手が実際以上に強すぎたり、逆に活躍していた日本人選手の評価が低かったりと、現実と比較して「納得できない」との声がありました。この点はシリーズ恒例の議論であり、熱心なサッカーファンほど敏感に反応していました。

ゲームキューブ独自要素の不足

他機種と比べて大きな追加要素がなかったことも、物足りなさにつながりました。ゲームキューブ版ならではの特別モードやキャラクター、独自の操作方法といった差別化要素が少なく、「せっかく任天堂ハードに出たのに…」と残念がる声もありました。

総合的な不満点

全体的には高評価の作品でしたが、「操作の難しさ」「戦術の浅さ」「AIの単調さ」といった点が挙げられました。とはいえ、これらの欠点はシリーズの進化の過程で改善されていく要素でもあり、当時のユーザーからも「今後に期待できる一作」として前向きに受け止められることが多かったのも事実です。

[game-6]

■ 好きなキャラクター

日本代表のスター選手・中田英寿

多くの日本人プレイヤーにとって最も印象的だったのは、やはり中田英寿の存在でした。当時イタリア・セリエAの名門パルマに所属していた中田は、現実世界でも日本代表の中心的存在でした。ゲーム内でも高いパス精度やスタミナ、シュート力が反映されており、「中田を操って世界の強豪と渡り合える」ことは大きな魅力となりました。彼を中心にチームを構築するプレイヤーも多く、好きなキャラクターとして常に名前が挙げられる存在です。

欧州で躍動した小野伸二

フェイエノールトでプレーしていた小野伸二も、多くのプレイヤーが愛着を持ったキャラクターでした。ゲーム内では高いテクニックや柔らかいパス回しが表現され、現実同様の「ゲームメイカー」として機能しました。日本代表を選んだときはもちろん、クラブモードでフェイエノールトを率いる楽しさもあり、小野の存在がプレイの幅を広げてくれました。

世界のスーパースターたち

もちろん日本人選手だけでなく、世界のトッププレイヤーたちも「好きなキャラクター」として挙げられます。ブラジル代表のロナウドは圧倒的なスピードと得点力でゴールを量産し、フランス代表のジダンは中盤での支配力と精密なフリーキックでプレイヤーを魅了しました。さらにイングランドのベッカムは、正確無比なクロスとフリーキックのスペシャリストとしてゲーム内でも輝きを放ち、「彼で得点を演出するのが一番楽しい」と語るプレイヤーも少なくありませんでした。

守備の要として光った選手たち

攻撃陣に目が行きがちですが、守備の要となるキャラクターも人気を集めました。イタリアのマルディーニやフランスのデサイーなどは、相手の攻撃を確実に封じ込める存在感があり、「彼らがいれば守備が安定する」と安心感を持たせてくれました。守備的なキャラクターに愛着を抱き、「鉄壁のディフェンスで勝利する」ことを楽しむプレイヤーも多かったのです。

ゴールキーパーの存在感

本作ではゴールキーパーも非常に重要な役割を果たしました。特にドイツ代表のカーンやイタリアのブッフォンは、圧倒的なセービング能力でゴールを守り切る姿が印象的でした。PK戦や決定機でスーパーセーブを連発すると、「やっぱりこの選手が一番好きだ」と語るユーザーも多く、キーパーのキャラクター性がこれまで以上に際立ったタイトルでもありました。

意外な人気を集めた無名選手

収録チーム数が多かったため、一般的には知名度が高くない選手にもスポットライトが当たりました。アフリカや中東の代表チームの選手を使い、「この選手でゴールを決めたときの喜びが格別」と語るユーザーも存在しました。自分だけのお気に入りを発見できるのも、収録範囲が広い本作ならではの楽しみでした。

自作選手への愛着

本作ではオリジナル選手やチームを作成することも可能でした。自分の名前を冠した選手を作り、日本代表や好きなクラブに加入させることで「自分がワールドカップに出場する」体験が味わえました。多くのプレイヤーが作った自作選手に愛着を抱き、「やっぱり自分の作ったキャラが一番好き」という声も多かったのが特徴です。

[game-7]

■ 中古市場での現状

ヤフオク！での取引状況

『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』のゲームキューブ版は、ヤフオク！において現在も散発的に出品されています。価格帯はおおよそ1,200円〜2,800円程度で推移しており、状態によって大きな差があります。ケースに傷があったり説明書が欠品しているものは1,200〜1,500円台で落札されることが多く、一方でディスクやケースが良好な状態で揃っている出品は2,000円以上の値が付くこともしばしばあります。希少な未開封品は3,000円以上になる例も見られ、ワールドカップイヤーの記念的なタイトルとして一定のコレクター需要が存在していることが伺えます。

メルカリでの販売傾向

フリマアプリ「メルカリ」では、比較的安価に取引される傾向があります。1,000円〜2,000円前後が中心で、「箱・説明書付き」「動作確認済」と明記されたものは1,500〜1,800円程度で短期間に売れるケースが多いです。逆に、ディスクに傷がある、ケースが破損しているなど状態が悪い場合は1,000円前後まで値下がりし、購入者が値下げ交渉を行うことも一般的です。未使用品はほとんど見かけませんが、稀に出品された際は即売れする傾向にあります。

Amazonマーケットプレイスでの価格

Amazonのマーケットプレイスでは、他のプラットフォームに比べやや高めに取引されています。中古品は2,500円〜3,500円程度で販売されることが多く、コンディションが「非常に良い」と記載された商品は3,000円前後でも購入者が付いています。Amazonでは「プライム対応」であるかどうかが購入判断に大きく影響するため、在庫管理がしっかりしているショップの出品が安定した需要を獲得しています。

楽天市場での取り扱い

楽天市場では、ゲーム専門店や中古ショップが出品しており、価格はおおむね2,000円〜3,200円程度です。状態の良いソフトは3,000円近くで売られていることも多く、Amazonと同様にやや高めの傾向があります。楽天の特徴としては「ポイント還元」を活用して購入するユーザーが多く、価格が多少高くても実質的な負担を軽減できる点で一定の人気があります。

駿河屋での在庫と価格

中古ゲームの大手ショップ「駿河屋」でも取り扱いが続いており、価格はおおむね2,200円〜2,900円前後で安定しています。人気タイトルのため在庫切れになることもありますが、再入荷のサイクルは比較的短いのが特徴です。また、駿河屋では「状態A（良好）」や「状態B（並）」といったコンディション評価が明確に提示されているため、安心して購入できる点がユーザーから支持されています。

状態による価格差

中古市場全体を見渡すと、状態の良し悪しによる価格差がはっきりと現れています。外箱や説明書が揃っているか、ディスクに傷がないかといった要素が、数百円から千円単位で価格を変動させます。特に「ワールドカップ開催前後に購入した記念品」として未開封で保管されていた品はプレミアが付きやすく、通常より高値で売買されることもあります。

コレクター需要の存在

2002年の日韓ワールドカップという歴史的イベントと直結しているため、本作は単なる中古ゲームとしてだけでなく、記念的な意味合いでコレクションされるケースがあります。サッカーグッズやワールドカップ関連アイテムを収集している人々にとって、本作は「ゲーム」という枠を超えた価値を持っているのです。そのため、中古市場では一定の需要が安定して続いており、今後も価格が大きく暴落する可能性は低いと考えられます。

総合的な市場評価

総じて『FIFA2002 Road to FIFA WORLD CUP』の中古市場は安定しており、特に状態の良い商品は2,000円台後半で推移する傾向があります。サッカーファンやFIFAシリーズコレクターにとっては価値ある一本であり、ワールドカップイヤーを象徴するタイトルとして今なお根強い人気を持っています。

[game-8]

■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

[game-9]

[game-sata]