『おそ松くん(第1作)』(1966年)(テレビアニメ)

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【原作】:赤塚不二夫
【アニメの放送期間】:1966年2月5日~1967年3月4日
【放送話数】:全52話
【放送局】:NETテレビ系列
【関連会社】:チルドレンズ・コーナー、スタジオ・ゼロ

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■ 概要

1966年2月5日から1967年3月4日にかけてNETテレビ系列で放送されたテレビアニメ『おそ松くん(第1作)』は、昭和のギャグ漫画界において金字塔と称される赤塚不二夫による同名漫画を原作としたアニメ作品です。本作は、原作者の持つ独特のナンセンスギャグや、社会風刺を含んだコミカルな作風をテレビ画面にそのまま再現することに挑戦した意欲作であり、日本アニメ史の中でも特に記念すべき一本とされています。

『おそ松くん』は、六つ子というインパクトのあるキャラクター設定に加え、チビ太やイヤミといったクセの強いサブキャラクターたちが登場し、それぞれが主役級の存在感を放ちます。なかでも当時社会現象となったギャグ「シェー!」は全国の子どもたちを中心に大流行し、赤塚不二夫の名前を全国区に押し上げるきっかけとなりました。このギャグの爆発的人気が、作品そのものの知名度をさらに引き上げたことは間違いありません。

制作を担当したのは、毎日放送とスタジオ・ゼロ、そしてチルドレンズ・コーナーという関西拠点の制作陣。これが、毎日放送にとって初めてのテレビアニメ制作参入となる点も、作品の歴史的意義を語る上で重要です。在阪局が初めて本格的にアニメ制作に乗り出した例として、後のアニメ業界にも影響を与えることになります。

放送は基本的に1話30分枠で2本立て構成が主流であり、ショートコント的な展開やギャグの連発でリズミカルに話が進行するスタイルが取られていました。また、原作の設定やキャラクターをほぼそのまま用いつつも、アニメオリジナルのエピソードやアドリブ的な演出も随所に見られ、自由度の高い作品づくりがなされていたことも特徴です。

興味深い点としては、声優陣のキャスティングに赤塚不二夫自身の意見が強く反映されている点が挙げられます。とくにイヤミ役には、声優の小林恭治が抜擢されており、これは赤塚本人が彼の「シェー!」の演技を高く評価してのことでした。声の演技によってキャラクターに魂を吹き込むという意味で、本作は声優という職業の重要性を再認識させる先駆的な存在でもありました。

音楽面でも注目すべきポイントがあります。主題歌のひとつは人気俳優の藤田まことが歌唱しており、テレビアニメと芸能界の垣根を越えたコラボレーションが話題を呼びました。こうしたクロスメディア展開は、当時としてはまだ珍しく、業界内でも先進的な取り組みとして評価されました。

本作は初回放送終了後、東京12チャンネル(現在のテレビ東京)など一部局で断続的に再放送されていたものの、1970年代以降は長らく放送される機会がほとんどなく、アニメファンの間では「幻の赤塚アニメ」とも言われていました。その後、2001年になってようやくパイオニアLDCよりDVD化され、映像として再び日の目を見ることになります。これにより、当時視聴していた世代だけでなく、新たなファン層にも作品の魅力が再認識されていくことになりました。

1960年代後半という、まだアニメというメディアが確立途上にあった時代において、斬新かつ自由な表現が試みられた『おそ松くん(第1作)』。その存在は、ギャグアニメの可能性を拡張させた一作であり、赤塚不二夫という才能がアニメ界においても大きな爪痕を残した証といえるでしょう。

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■ あらすじ・ストーリー

『おそ松くん(第1作)』の物語は、まるでどこにでもありそうな日本の町を舞台にした日常ギャグのオンパレード。その中心にいるのは、見た目がまったく同じ六つ子たち――おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、そしてトド松。彼らは明確な目標も、壮大な使命もないまま、ただただ毎日を愉快に、破天荒に過ごしていきます。

六人の兄弟たちは、ときには学校で、ときには自宅で、ときには町中で、思いつきと勢いだけで騒動を巻き起こしていきます。勉強もろくにせず、親の言うことも聞かず、やることといえばイタズラや悪ふざけばかり。そんな彼らに振り回されるのが、チビ太やイヤミといった脇役たち。チビ太は常に怒りっぽく、手に持つおでん串を武器に暴れ回り、イヤミは「おフランス帰り」の自称エリートながら、どこか抜けたところがあり、結局は六つ子にしてやられるのがオチ。

一話一話に明確な連続性はなく、基本的にはその場のノリで展開していく1話完結型の構成。とはいえ、どのエピソードも個性豊かなキャラクターたちのやり取りがベースになっており、観る者を飽きさせません。なかには六つ子のうち誰かが中心になる話もあれば、サブキャラが主役を張ることもあるなど、構成に変化がつけられている点も面白いところです。

そして本作の大きな魅力のひとつは、単なる子ども向けアニメの枠にとどまらない“風刺”の存在です。社会的な皮肉や、大人社会への疑問、さらには流行やテレビ業界そのものを茶化すようなネタまで、ところどころに散りばめられており、子どもが笑えるだけでなく、大人も思わずニヤリとしてしまうような深みも感じさせます。

また、六つ子の「見た目は同じだけど、性格は微妙に違う」という設定も徐々に描き分けられており、長男のおそ松は比較的リーダー格として描かれることが多く、チョロ松はやや神経質、カラ松はナルシスト気味、といった個性が視聴者に徐々に浸透していきます。のちのリメイク作品ほど明確なキャラ分けではありませんが、この第1作にもそれぞれの「らしさ」が確かに宿っているのです。

印象的な回としては、イヤミと六つ子が一緒に珍道中を繰り広げるエピソードや、チビ太が「おでん屋さんになる!」と突如宣言して始める商売ネタ、さらには家の中で起こる家族喧嘩が街を巻き込んでいくようなスケール感のおかしさなど、ギャグだけでなくその無秩序な展開そのものがひとつの魅力となっています。

声優の演技がキャラクターの魅力をさらに引き立てており、とくにイヤミの「シェー!」が登場するシーンでは、子どもたちが一斉にテレビの前で真似をしていたと言われるほどの人気を博しました。この一言ギャグがテレビを通じて全国的なブームになったことで、作品そのものが「一時代を象徴するアニメ」として語られるようになります。

全体として、『おそ松くん(第1作)』は物語の筋を楽しむというよりも、「キャラが動いているだけで面白い」というタイプのアニメです。だからこそ、どこから観ても楽しめるという利点があり、現代のバラエティアニメのルーツのひとつともいえる存在です。

物語に大きな成長や変化はありません。六つ子はいつまで経っても少年のままで、やんちゃで、親を困らせ、町の人たちに迷惑をかけながらも、なぜか憎めない。視聴者は、そんな彼らの“永遠のいたずらっ子”ぶりに親しみを感じながら、笑いとともに温かさを受け取るのです。

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■ 登場キャラクターについて

『おそ松くん(第1作)』に登場するキャラクターたちは、どれも一度見たら忘れられない強烈な個性を持っています。その中心にいるのが、やんちゃな六つ子兄弟。そして彼らを取り巻く周囲の面々もまた、それぞれが作品の世界観をユニークに彩る存在です。

まずは本作の主役となる六つ子たち。彼らは見た目が全員そっくりという設定ながら、物語が進むにつれて少しずつ性格や立ち位置に違いが見え隠れするようになります。とはいえ、この第1作では現代のリメイク版ほど明確なキャラ付けがなされていたわけではなく、「六人まとめて一つの個性」として描かれることが多いのが特徴です。

長男のおそ松は、六つ子の中では比較的落ち着いた性格でリーダー格として描かれることもありますが、基本的には他の兄弟と一緒に悪ノリすることがほとんど。次男のカラ松は、自信家で目立ちたがり屋な一面をのぞかせる場面があり、ナルシスティックな要素の萌芽が見られます。チョロ松はやや真面目な気質を感じさせる瞬間があり、計画的な行動を好むタイプ。一松は皮肉屋で冷めた態度を取ることがあり、感情表現が控えめ。十四松は突飛な発言をしたり、行動が読めない“おバカ枠”の傾向があり、そして末っ子のトド松は、兄たちに甘えて立ち回るような一面もあります。

こうした微妙な違いが、視聴者の想像力を刺激し、「あなたは誰派?」という話題を提供してくれたのも、『おそ松くん』ならではの楽しみ方の一つだったと言えるでしょう。

そして、六つ子を取り巻くサブキャラクターたちの存在感は、主役に匹敵するほど強烈です。

◆ イヤミ
自称「おフランス帰り」の紳士で、細身の身体に大きな前歯、蝶ネクタイにピタッとしたスーツ姿という独特なルックスが印象的。「シェー!」という決めポーズ付きの口癖は、アニメ本編を飛び越えて全国的な社会現象となりました。イヤミはしばしば六つ子に対抗心を燃やすものの、結局は彼らのイタズラに巻き込まれて惨敗する役回りが多く、その「負けキャラっぷり」がむしろ愛される要因にもなっています。

◆ チビ太
丸い頭に小さな体、いつも手にしているおでんの串がトレードマークの少年。見た目は可愛らしいものの、中身は非常に短気でガサツ。六つ子との喧嘩やトラブルでは、しばしば「悪ガキ代表」として大暴れする存在です。おでんを巡る話や、屋台を経営しようとする回など、チビ太を中心にしたエピソードも数多くあります。

◆ トト子
六つ子の幼なじみで、アイドル的な扱いを受ける紅一点の存在。兄弟たちが揃って彼女に恋をしており、ちょっとした発言や笑顔にみんなが右往左往するシーンが何度も登場します。ただし、トト子自身はそこまで男の子たちに対して特別な好意を持っている様子はなく、時には冷たく突き放す一面も。

◆ デカパン
太った体に白衣をまとった科学者風のキャラクター。見た目に反して発明好きで、作中では奇妙な道具を発明することもありますが、それが騒動の原因になることもしばしば。のんびりした口調とマイペースな性格が特徴です。

◆ ダヨーン
顔の大きさと鼻から飛び出す「ダヨーン」という特徴的なセリフで人気を博したキャラ。とくに意味のある行動をするわけではないのに、なぜか場面に存在している“謎の人物”というポジションが独特な魅力を放ちます。

◆ 両親(とうさん・かあさん)
六つ子の保護者として登場する両親。彼らの存在は主に“ツッコミ役”として機能し、六つ子たちの無茶苦茶な行動をたしなめたり、呆れたりする役回りです。時に親身に寄り添おうとする姿もあり、家庭的な温かさも描かれていました。

このように、登場キャラクターたちはどれも型にはまらない個性を持ち、それが物語にバラエティを与えています。どのキャラにも愛嬌があり、ちょっとした表情やセリフにも笑いが詰まっているのが『おそ松くん(第1作)』の最大の魅力。視聴者それぞれが“推しキャラ”を見つけて応援できる、そんなキャラクターの厚みが、このアニメをただのギャグ作品にとどまらせていない理由の一つだといえるでしょう。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

『おそ松くん(第1作)』の音楽は、作品の持つコミカルでパワフルな世界観をさらに拡張する役割を果たしています。1960年代のアニメとしては異例なほど、キャスト陣による合唱やセリフ付きの歌、芸能人の起用など、バラエティ豊かな音楽構成がなされており、当時の視聴者の耳にもしっかりと残る印象的な楽曲が揃っていました。

最も象徴的な一曲が、オープニングテーマの「おそ松くんのうた」です。作詞を手がけたのは原作者である赤塚不二夫自身。この点だけを見ても、楽曲が単なるタイアップではなく、作品と地続きの創造物として扱われていたことがうかがえます。作曲は渡辺浦人。力強くも親しみやすいメロディは、六つ子たちの賑やかな日常や作品全体のテンポ感と見事に噛み合っており、冒頭から視聴者を一気に“おそ松ワールド”へと引き込んでいきました。

歌唱を担当するのは、六つ子役の声優たちに加え、イヤミ役の小林恭治、チビ太役の田上和枝、そして松代(母)役の麻生みつ子。歌の中には、セリフのような掛け合いやキャラクターらしさを前面に出した部分も多く、まさに「キャラクターが歌っている」感覚が強い曲に仕上がっています。こうした声優による主題歌は、当時としてはまだ珍しく、後のキャラクターソング文化の先駆けとも言える取り組みでした。

さらに、もう一つの主題歌「おそ松くんのうた2」では、趣向を変えて、なんと俳優の藤田まことがボーカルを務めています。芸能界でも広く活躍していた藤田の起用は、大人層にもアピールする狙いがあったと考えられます。作曲は三保敬太郎。歌詞の中にはギャグ的要素と不条理感がミックスされており、原作の空気を音で感じ取れる構成になっています。

これらの主題歌に加えて、作品内では挿入歌としてキャラクターのテーマソングが流れることもあり、より深くキャラクターの個性を掘り下げる手段として活用されていました。とくにチビ太のテーマは印象的で、独特な節回しとおでん愛を前面に出した歌詞が、強烈なキャラクター性を引き立てていました。

また、作品放送当時には「イメージソング」という概念はまだ一般的ではなかったものの、後年のCD再発時には、当時の主題歌・挿入歌に加えて、新たにアレンジされた楽曲や未公開音源が“イメージソング集”という形で発売されるなど、その音楽資産の価値が再評価される流れも見られました。

視聴者からの感想でも、「耳に残る」「思わず口ずさんでしまう」といった声が多く寄せられており、音楽がアニメ視聴の入り口として非常に大きな役割を果たしていたことがわかります。とくに「おそ松くんのうた」のイントロが流れただけで笑いのスイッチが入る、という声もあるほど、楽曲が作品の記号として機能していたのです。

興味深い点としては、こうした楽曲が当時、EP盤やドーナツ盤として市販されていたこと。アニメファンのみならず、子どもたちの間でも“お気に入りのレコード”として扱われ、家庭のリビングで何度も針を落とされる一枚だったという話も残っています。

総じて言えば、『おそ松くん(第1作)』における音楽は、ただのBGMや背景音ではなく、キャラクターの一部であり、ギャグの延長線上にある重要な要素でした。歌うキャラ、笑わせるキャラ、踊り出すキャラ――そういったすべてを支える“耳に残る音”が、このアニメを今も多くの人の記憶に焼き付けているのです。

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■ 声優について

『おそ松くん(第1作)』における声優陣のキャスティングとその演技力は、作品の魅力を語る上で決して外せない重要な要素です。当時の声優たちは、今のように“アイドル声優”という文化が確立されていない時代にあっても、キャラクターに命を吹き込むプロフェッショナルとして、その表現力と演技幅の広さで視聴者の心をつかんでいました。

まず注目すべきは、六つ子たちの声をそれぞれ担当していた声優たちのバリエーション。加藤みどり(おそ松・ハタ坊)、山本圭子(カラ松・チョロ松代役)、北浜晴子(一松・トド松)、東美枝(十四松)といった、実力派の女性声優陣が中心となって各キャラクターを演じ分けています。これだけ多くのキャラクターを女性声優が一手に担うスタイルは、当時としては一般的で、少年役を演じる上での“声の高さ”や“感情表現の柔軟さ”が重視されていたことを物語っています。

加藤みどりは、後年『サザエさん』のサザエ役として国民的な存在となる人物ですが、本作では主役のおそ松だけでなく、ハタ坊というまったく異なるキャラも掛け持ちしており、その演技の幅広さが光ります。おそ松のしっかり者感と、ハタ坊の突拍子のなさを両立して見せることで、視聴者に「声の力でキャラクターが立ち上がる」感覚を伝えてくれました。

イヤミ役の小林恭治は、本作の象徴的存在ともいえる「シェー!」を見事に演じきった立役者です。実は、赤塚不二夫自身が別作品で小林の演技を気に入り、直々に指名したというエピソードが残っており、その抜擢には大きな期待が込められていました。小林の演技は単なるギャグではなく、細かい抑揚や間合いの取り方まで計算されたもので、イヤミというキャラクターを“ただの変なおじさん”ではなく、“作品の中心的存在”にまで押し上げた功績があります。

また、チビ太を演じた田上和枝、水垣洋子、沢田和子の3名は、回によって交代しながらもキャラの芯をぶらさずに演じ続け、チビ太というキャラクターの“強気だけど憎めない”性格をそれぞれの解釈で表現していました。とくに田上のチビ太は、おでんへの執着と怒りっぽさのバランスが絶妙で、視聴者の記憶にも強く残っています。

一方で、両親役も安定感のあるキャスティングでした。母親・松代役には麻生みつ子と近藤高子、父親・松造役には八奈見乗児、小林恭治、鈴木泰明といった顔ぶれが並び、それぞれが家庭的でありながら、コント的なやり取りにも耐えうる表現力を持っていました。八奈見乗児は後に『ヤッターマン』や『ドラゴンボール』でも活躍するなど、コミカルな役どころで高い評価を得る名優です。

また、デカパン役には神山卓三と和久井節緒、ダヨーン役には神山卓三(初期)と大竹宏が名を連ねており、それぞれが作品の“空気感”を保つ上で重要な役割を果たしていました。特に大竹宏の「ダヨーン」というセリフ一発で空気が変わる場面は、声優の表現力が作品のテンポや雰囲気をいかに左右するかを示す好例です。

こうして見ていくと、『おそ松くん(第1作)』は、単に面白いストーリーやギャグで成り立っているのではなく、声優陣の“演技の力”が作品の屋台骨を支えていたことがわかります。キャラクターごとに声のトーン、間の取り方、感情の振り幅を丁寧に演じ分けることで、視聴者は彼らを「アニメの中の存在」ではなく「本当にそこにいる人たち」として認識することができたのです。

現代のアニメに比べると技術的な制約も多かった1960年代ですが、それを補って余りある“生きた声”が本作には詰まっていました。そして、それこそが『おそ松くん(第1作)』が今なお語り継がれる理由のひとつでもあるのでしょう。

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■ 視聴者の感想

『おそ松くん(第1作)』が放送された1966年から1967年という時代背景を踏まえると、当時の子どもたち、そして親世代がこの作品にどんな印象を抱いていたかは非常に興味深いテーマです。今となっては「昭和のギャグアニメの金字塔」として語られることの多い本作ですが、放送当時もまた、そのインパクトは非常に強く、老若男女問わず幅広い層の注目を集めていました。

まず、やはり最大の話題は「シェー!」の大ブームでしょう。この一言でギャグの構造が一気に成立してしまうほどの破壊力を持ったフレーズは、テレビの枠を飛び越えて日常会話にまで浸透しました。子どもたちの間では「シェー!」のポーズを真似することが一種の流行となり、学校の休み時間や家の中でふざけ合うときの常套句として定着。雑誌や新聞でもこの現象は大きく取り上げられ、まさに「社会現象」といえるレベルにまで達していました。

また、六つ子という設定が視聴者に新鮮な驚きを与えていたことも見逃せません。同じ顔を持ち、似たような服装で登場する彼らが、毎回のようにドタバタ劇を繰り広げる様子は、当時の視聴者にとって“テレビの中の兄弟”として非常に親近感を抱かせる存在でした。とくに子ども視聴者からは、「自分も六つ子だったらこんな毎日が送れるのかな?」というような、憧れにも似た気持ちを持つ子も少なくなかったようです。

一方で、親世代の視点から見ると、『おそ松くん』の描く家庭像や社会風刺的なネタは、単なる子ども向けアニメという枠を超えて受け入れられていたようです。たとえば、イヤミが披露する「おフランス帰りの紳士」という皮肉たっぷりのキャラクターは、当時の高度経済成長期における“西洋への憧れと滑稽さ”を象徴していたとも言われています。つまり、笑いながらもどこか皮肉な現実を突きつけられるような側面が、本作にはあったのです。

視聴者の声の中には、「家族全員で観ていた」というコメントも多く見られます。テレビアニメが家庭内娯楽として定着し始めたこの時期、家族で揃ってアニメを見るという習慣ができつつあり、『おそ松くん』のような分かりやすくも深い笑いを提供する作品は、まさに“みんなで観る番組”としてぴったりだったのでしょう。

加えて、女性視聴者からもトト子ちゃんや六つ子に対して「可愛い」という声が上がっていたことも特筆すべき点です。当時はまだ“キャラ萌え”という概念は一般的ではありませんでしたが、六つ子の中でも「私はトド松派」や「一松のクールさがいい」といった“推し”文化の萌芽がすでに見て取れるような感想も散見されました。

さらに、アニメーションとしての演出やテンポも高く評価されていました。テンポの良い2本立て構成、次々と繰り出されるギャグ、アドリブ感のあるセリフ回しなどが視聴者に“飽きさせない”構造を提供し、回を重ねるごとにファンが増えていったという声も多数あります。

現代になってからは、「あの頃の懐かしさ」とともに再評価される声も多く聞かれます。2000年代にDVDで全話がリリースされてからは、当時の放送をリアルタイムで観ていた世代が“懐かしのアニメ”として再視聴したり、自分の子どもに勧めたりするケースも出てきました。こうした再発見によって、新しい世代にも作品の魅力が伝わり、“昭和ギャグの原点”として再び脚光を浴びる存在となっています。

総じて、視聴者の感想には、「とにかく笑った」「登場人物の誰もがクセになる」「今のアニメにはない自由さがある」といった声が並びます。『おそ松くん(第1作)』は、ギャグという枠を超え、人々の記憶に深く残る“文化”として、多くの視聴者に愛された作品だったのです。

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■ 関連商品のまとめ

『おそ松くん(第1作)』は放送当時から高い人気を誇っていただけでなく、その後も多様な商品展開を通して、ファンの心を掴み続けてきました。映像ソフトはもちろんのこと、書籍、音楽、ホビー、さらには日常雑貨まで、そのラインアップは時代ごとのトレンドを映す鏡のようでもあります。

■ 映像関連商品
『おそ松くん(第1作)』は、1960年代当時には家庭用録画機器が普及していなかったため、リアルタイムでの視聴が基本でした。そのため、映像商品としての本格的なリリースは1980年代に入ってから。まずはアニメファン層をターゲットにしたVHSテープが登場し、人気の高い回や代表的なギャグエピソードが収録されました。
その後、LD(レーザーディスク)版が一部マニア層向けに販売され、コレクション性の高い商品として話題に。2000年代にはついに待望のDVD-BOXが登場し、初めて全話がまとめて鑑賞できる形で一般に流通。パッケージには原作絵を使用したデザインやブックレットなどの特典もついており、“資料として”も“懐かしアイテム”としても評価が高まりました。現在では、DVD版をさらにブラッシュアップしたBlu-ray化の声も一部で聞かれるようになっています。

■ 書籍関連
原作漫画『おそ松くん』は、赤塚不二夫の代表作のひとつとして、当時の少年漫画誌で人気を博しました。アニメ放送と並行して単行本も刊行されており、その後も復刻版、文庫版などが複数回リリースされています。
また、アニメ絵をベースにしたアニメコミックス(いわゆるフィルムコミック)も一定の需要があり、六つ子たちの騒動をコマ割りで再体験できるという点でファンから支持を受けてきました。
さらに、1980~90年代にかけて発行されたアニメ専門雑誌では、『おそ松くん』の特集ページやキャラクター人気投票、ピンナップなども掲載され、子どもだけでなく大人のアニメファンにもアプローチ。設定資料やキャラクター辞典、ファンブックのような形式での出版も行われ、当時の読者にとって“読むだけで笑える本”として定番アイテムとなっていました。

■ 音楽関連
オープニングやエンディングに使用された楽曲は、EPレコード(ドーナツ盤)として市販され、家庭で繰り返し再生して楽しむファンも多くいました。特に「おそ松くんのうた」や、藤田まことが歌った「おそ松くんのうた2」は、子どもから大人まで口ずさめる明快なメロディで、当時のヒット曲の一角を担う存在に。
これらの楽曲は後年CDでも再発され、キャラクターの声優によるセリフ入りバージョンや、リミックス版などが加えられたベストアルバムも登場しました。近年では配信サービスを通じての音源リリースも行われており、昭和レトロ音楽として若い世代にも注目されつつあります。

■ ホビー・おもちゃ
アニメといえばグッズ。『おそ松くん(第1作)』も例外ではありません。六つ子やイヤミ、チビ太といったキャラクターたちがソフビ人形やカプセルトイになって登場。とくに「シェー!」ポーズを取るイヤミのフィギュアはコレクターの間でも人気で、何パターンものバリエーションが存在していました。
また、プラモデルやスタンプセットなどの“手を動かして遊ぶ”系アイテムも発売されており、当時の子どもたちにとっては学校帰りに文房具屋で手に入れる“ちょっとした贅沢”でもあったのです。

■ ゲーム
意外なことに、テレビゲームとしての『おそ松くん(第1作)』の展開は1980年代~90年代以降が中心です。ボードゲームではすごろく形式の商品が登場し、サイコロやイベントカードで六つ子たちがドタバタ劇を繰り広げるスタイルが人気を博しました。
また、当時の玩具メーカーからは“おそ松キャラカードで遊ぶミニゲーム”や、“イヤミが主人公のクイズ形式ゲーム”といったユニークなアイデア商品も販売され、アニメの世界観をそのまま“遊び”に変換した展開がなされていました。

■ 食玩・文房具・日用品
昭和アニメグッズの王道といえば、やはり文房具と食玩です。『おそ松くん』のキャラクターがプリントされた下敷き、ノート、鉛筆、カンペンケースなどは、学校生活を彩る定番アイテムとして人気を誇っていました。
また、ガムやチョコにキャラシールが付属する食玩もあり、トレーディング感覚で集める子どもたちが続出。文具店や駄菓子屋のショーケースには、必ずと言っていいほど『おそ松くん』グッズが並んでいたという声もあります。
さらに、ティッシュケース、コップ、歯ブラシなど、生活に密着した日用品グッズも販売されており、子ども部屋のあちこちに『おそ松くん』が“住んでいる”ような感覚すらあったのです。

総じて言えば、『おそ松くん(第1作)』の関連商品は、テレビアニメというメディアを超えて人々の生活に深く入り込んだ存在でした。ギャグアニメというジャンルの中で、これほど広範囲に商品展開された例は当時としては稀であり、だからこそ現在でも“あの頃のアイテム”として、熱心なファンに愛され続けているのです。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

『おそ松くん(第1作)』は1966年に放送されたアニメであるにもかかわらず、現在でもその関連商品は中古市場において根強い人気を保ち続けています。ヤフオクやメルカリ、さらにはプレミアショップなどの取引状況を見ると、単なる懐かしグッズとしての扱いにとどまらず、“昭和アニメコレクション”としての価値が高まっていることがうかがえます。

■ 映像ソフトの市場
もっとも注目されているのは、やはり映像系の商品です。中でも2001年にパイオニアLDCから発売されたDVD-BOXは、現存数が限られているため中古でも高値で取引されることが多く、状態の良い品であれば15,000円〜25,000円前後が相場。特典付きの初回版や未開封品に至っては、希少価値が高く3万円を超えることもあります。
また、1980〜90年代に発売されたVHSソフトも一定のコレクター層から需要があり、特に初期巻や最終巻などの“端巻”は1本あたり2,000円〜4,000円で落札される例が目立ちます。LD(レーザーディスク)はさらにマニア向けの商品として取引されており、美品かつジャケットの色褪せがないものは5,000円以上のプレミアがつくこともあります。

■ 書籍・雑誌の価値
書籍類では、赤塚不二夫による原作単行本の初版や復刻版、さらにはアニメ放送時の宣伝帯が付いたコミックスが人気です。とくに初版・帯付きの状態で全巻揃ったセットは高値がつきやすく、5,000〜10,000円程度での取引が見込まれています。
加えて、アニメ雑誌のバックナンバーに掲載された『おそ松くん』特集記事やキャラクターピンナップも人気があり、『アニメージュ』『アニメディア』といった専門誌での掲載回は1冊1,500円〜3,000円ほどの価格帯で出回っています。
設定資料集やアートブックなどはそもそも流通量が少なく、市場に出ると即売れとなるケースが多く、プレミア価格での取引がなされることも珍しくありません。

■ 音楽メディア
主題歌「おそ松くんのうた」や「おそ松くんのうた2」を収録したEPレコードは、今や昭和アニメソングの定番アイテムとして扱われており、美品なら2,000円前後、状態次第では3,000円超えもあります。
LPアルバムやCDベスト盤などは再発版が多く流通していますが、帯付き・ブックレット付きの完品であることが価格の決め手となります。特に限定盤や初版CDはコレクターの間で需要があり、販売時期によってはプレミア化しているものも存在します。

■ ホビー・フィギュア・トイ
フィギュアやソフビ人形といったホビー系グッズは、“昭和レトロ”として近年再注目されており、中古市場でも存在感を増しています。中でも「シェー!」ポーズのイヤミソフビは定番人気で、状態の良い品は1体2,000円〜3,500円程度。6体セットや台紙付きの未使用品となると、1万円以上で落札されることもあります。
また、当時販売されたカプセルトイやスタンプセットなども「まとめ売り」での需要が高く、500円〜2,000円の幅で取引されています。パッケージ付きの未開封状態は特に評価が高く、昭和の駄菓子屋風景を思い出させるという“感情価値”が価格に上乗せされている印象です。

■ ゲーム・すごろく類
ボードゲームやすごろく系グッズも人気ジャンルのひとつ。1980年代に流通した『おそ松くん』のすごろくセットは、箱・駒・ルールブックなどの付属品が完品であるほど評価が高く、2,000〜5,000円ほどでの取引が目立ちます。
特に“駄菓子屋スタイル”の簡易ボードゲームやミニゲーム付き文具は、当時を知る大人層が“ノスタルジックな遊び”として求めており、稀少品はフリマアプリでも即完売になることがあります。

■ 日用品・食玩・文房具
文房具系のアイテム――たとえば、トト子ちゃんの下敷きや六つ子イラスト入りのカンペンケース、鉛筆セットなどは、まとめ売りでも1,000〜3,000円の価格帯で出品され、状態がよければそれ以上の値がつくことも。
また、当時流通していたキャラクターシール入りチューインガムや、消しゴムつきお菓子のパッケージ、さらには食玩用ミニフィギュアなどは、未開封状態だと数千円単位での取引も珍しくありません。

このように『おそ松くん(第1作)』関連グッズは、現在の中古市場においても根強い人気を誇っています。昭和アニメが持つ独特の雰囲気と、赤塚不二夫ワールドの奥深さが、単なる“昔のアニメ”を超えて、今も人々を惹きつけ続けている証といえるでしょう。

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完全版 竹書房文庫 赤塚不二夫 竹書房オソマツクン アカツカ,フジオ 発行年月:2005年07月 ページ数:255p サイズ:文庫 ISBN:9784812422373 本 漫画(コミック) 文庫 その他 文庫 漫画(コミック)

おそ松くん(22) 完全版 (竹書房文庫) [ 赤塚不二夫 ]

おそ松くん(22) 完全版 (竹書房文庫) [ 赤塚不二夫 ]
660 円 (税込) 送料込
評価 5
完全版 竹書房文庫 赤塚不二夫 竹書房オソマツクン アカツカ,フジオ 発行年月:2005年09月 ページ数:263p サイズ:文庫 ISBN:9784812423516 本 漫画(コミック) 文庫 その他 文庫 漫画(コミック)

おそ松くん(21) 完全版 (竹書房文庫) [ 赤塚不二夫 ]

おそ松くん(21) 完全版 (竹書房文庫) [ 赤塚不二夫 ]
660 円 (税込) 送料込
評価 5
完全版 竹書房文庫 赤塚不二夫 竹書房オソマツクン アカツカ,フジオ 発行年月:2005年09月 ページ数:259p サイズ:文庫 ISBN:9784812423509 本 漫画(コミック) 文庫 その他 文庫 漫画(コミック)

【中古】 おそ松くん 完全版(文庫版)(5) 竹書房文庫/赤塚不二夫(著者)

【中古】 おそ松くん 完全版(文庫版)(5) 竹書房文庫/赤塚不二夫(著者)
220 円 (税込)
赤塚不二夫(著者)販売会社/発売会社:竹書房発売年月日:2005/01/18JAN:9784812419779

【中古】 おそ松くん 完全版(文庫版)(3) 竹書房文庫/赤塚不二夫(著者)

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220 円 (税込)
赤塚不二夫(著者)販売会社/発売会社:竹書房発売年月日:2004/12/01JAN:9784812419502

【中古】 おそ松くん 完全版(文庫版)(1) 竹書房文庫/赤塚不二夫(著者)

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220 円 (税込)
赤塚不二夫(著者)販売会社/発売会社:竹書房発売年月日:2004/11/01JAN:9784812419113

【中古】 おそ松くん 完全版(文庫版)(2) 竹書房文庫/赤塚不二夫(著者)

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220 円 (税込)
赤塚不二夫(著者)販売会社/発売会社:竹書房発売年月日:2004/11/01JAN:9784812419120
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