【原作】:エレナ・ホグマン・ポーター
【アニメの放送期間】:1986年1月5日~1986年12月28日
【放送話数】:全51話
【放送局】:フジテレビ系列
【関連会社】:日本アニメーション
■ 概要・あらすじ
「世界名作劇場」を代表する、幸福を見つける少女の物語
『愛少女ポリアンナ物語』は、1986年1月5日から同年12月28日までフジテレビ系列で放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメである。毎週日曜日の夜に放送され、全51話で構成された。「世界名作劇場」シリーズの一作品として制作され、アメリカの作家エレナ・ホグマン・ポーターによる『少女パレアナ』と、その続編にあたる『パレアナの青春』を原作としている。ひとつのテレビシリーズの中で主人公の少女時代から、その後に続く新たな生活までを描く二部構成が採られていることも、本作の大きな特徴となっている。
主人公は、明るく好奇心旺盛な少女ポリアンナである。彼女は幼い頃に母を亡くし、牧師である父ジョンと二人で暮らしていた。しかし物語の冒頭でその父までも失い、孤児となってしまう。そこで、亡き母ジェニーの妹であり、ベルディングスビルという町に暮らしているパレー叔母のもとへ引き取られることになる。
新しい家庭へ迎えられたとはいえ、ポリアンナを待っていた生活は決して温かなものばかりではなかった。パレーは裕福な暮らしを送る一方、過去の家族関係に深いわだかまりを抱え、姪であるポリアンナを迎えることについても「親族として果たすべき義務」と考えていた。姉ジェニーが家族の望まない結婚を選んだこと、その相手がジョンであったことなどが、パレーの心に長く残っていたのである。
しかし、ポリアンナは叔母の厳しい態度だけを見て悲観することはなかった。そんな彼女を支えているのが、父ジョンから教えられた「よかった探し」である。
作品を象徴する「よかった探し」
「よかった探し」とは、どんなに嫌なことや悲しいことが起こったとしても、その中から一つでも「よかった」と思えるものを探してみるという考え方である。良いことが簡単に見つかる時よりも、見つけることが難しい時ほどゲームとして面白くなり、見つけられた時の喜びも大きくなるというのが、父ジョンからポリアンナへ受け継がれた教えだった。
重要なのは、これは不幸を無理に幸福へ言い換える方法ではないということである。悲しいことは悲しいままであり、つらい現実そのものが消えるわけではない。それでも、その出来事に心のすべてを支配されないよう、小さな希望を見つけてみる。その姿勢がポリアンナの人生を支えている。
ベルディングスビルへやって来た当初、ポリアンナはパレーの屋敷の小さな部屋で生活することになり、叔母から細かく決められた生活を送らされる。それでも、窓から美しい景色が見えること、ナンシーと話せること、新しい町を歩けることなど、自分なりの「よかった」を見つけていく。
やがてその考え方は、ポリアンナだけのものではなくなっていく。彼女と出会った人々も、少しずつ「よかった探し」を知り、それまでとは違う視点で自分の人生を見つめるようになる。
孤独な人々の心を少しずつ開いていくポリアンナ
ベルディングスビルには、それぞれ異なる悩みを抱えた人々が暮らしている。裕福でありながら一人で暮らし、人との交流を避けているペンデルトン、安定した家庭を持たず自分の居場所を求めている少年ジミー、病気によって不満を募らせている人々など、ポリアンナはさまざまな人物と出会う。
彼女は相手の地位や評判によって態度を変えない。町の人々から怖い人だと思われている人物にも自然に声を掛け、誰かが落ち込んでいれば一緒に「よかった」を探そうとする。自分が誰かを救おうとしているという意識はほとんどなく、ただ父から教えられた生き方を実践しているだけである。
それでも、ポリアンナが通り過ぎた後には小さな変化が残っていく。孤独だった人が誰かと話すようになり、怒りや悲しみに閉じこもっていた人が少し笑えるようになる。そして最初は姪を義務として受け入れていたパレー自身も、ポリアンナと暮らす中で少しずつ変わっていく。
このパレーの変化は、本作前半のもう一つの大きな物語である。冷静で厳格な叔母が、次第にポリアンナをかけがえのない家族として見るようになっていく。ポリアンナが新しい家庭を得る物語であると同時に、パレーもまた失っていた家族への愛情を取り戻していくのである。
幸せを与えてきた少女を襲う大きな事故
物語前半の最大の転換点となるのが、ポリアンナを襲う交通事故である。突然の事故によって重大なけがを負い、自由に歩くことができなくなってしまう。それまでどんなつらい出来事にも「よかった」を見つけてきた少女にとって、自分の足を自由に動かせないという現実はあまりにも大きな衝撃だった。
ここで初めて、ポリアンナ自身が「よかった探し」をできなくなる。
この展開によって、本作は単純な「いつでも前向きな少女の話」ではないことを明確にする。ポリアンナも一人の普通の少女であり、自分の未来を失ったように感じれば絶望する。泣き、落ち込み、父から教えられた方法さえ実践できなくなるのである。
しかし、そこで今度は周囲の人々が彼女を支える。
これまでポリアンナに救われてきた人々が、「ポリアンナと出会えたことが自分にとってのよかったことだった」と伝えていく。それまで各話で描かれていた出会いや交流が一つにつながり、ポリアンナが人々に与えてきた優しさが、今度は彼女自身へ戻ってくる。この構成は本作最大の感動的な部分の一つである。
治療への希望と、再び歩くことへの挑戦
周囲の努力によって、ポリアンナには治療の可能性が残されていることが分かる。そして彼女はボストンへ向かい、専門的な治療や手術を受けることになる。
結果が確実に保証された道ではない。それでも、再び自分の足で歩きたいという希望を胸に、ポリアンナは治療へ挑戦する。そして手術とリハビリを経ながら少しずつ回復し、再び歩く未来へ進んでいく。
普段なら当然のことのように感じられる「自分の足で立つ」という行為が、彼女にとって何にも代えがたい幸福として描かれていることも印象的である。これは作品が一貫して語ってきた「身近にある幸せを見つける」という主題にもつながっている。
第2部で始まる新たな人生
本作は、ポリアンナが歩けるようになったところで終わらない。後半では原作の続編を踏まえ、舞台と人間関係を広げながら新しい物語が展開していく。
第1部では、新しい家庭へ引き取られたポリアンナ自身が周囲の大人たちによって支えられる立場でもあった。しかし第2部になると、彼女はこれまでの経験を生かしながら、別の家庭や人々が抱えている問題へ関わっていく。
新しい出会いの中には、家族を求める子供、過去にとらわれた大人、孤独を抱えて生きている人々もいる。ポリアンナはそうした人物たちと向き合いながら、「家族とは何か」「幸福とは何か」という問題をさらに深く知っていく。
前半の少女らしい明るさはそのまま残っているものの、一度自分自身が大きな絶望を味わったからこそ、後半のポリアンナの言葉には以前とは違う重みがある。
51話を通して描かれる「幸福」の意味
『愛少女ポリアンナ物語』は、不幸の存在を否定する作品ではない。家族を失う悲しみも、事故も、病気も、人との別れも起こる。それでも、人間は誰かと支え合いながら生きることができるという希望を描いている。
ポリアンナが教えてくれるのは、「いつでも笑っていなければならない」という生き方ではない。悲しんでもいいし、時には自分自身で希望を見つけられなくてもいい。それでも、自分の周囲に何か一つ大切なものが残されていないかを探してみる。そして一人で見つけられなければ、誰かに助けてもらうこともできる。
第1話で父を失い孤独だった少女は、51話を通して多くの人と出会い、自分自身も愛されていることを知る。ポリアンナが町の人々へ幸福を運ぶ一方、人々もまたポリアンナへ幸福を与える。その双方向の関係こそが『愛少女ポリアンナ物語』の中心であり、長く記憶される理由なのである。
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■ 登場キャラクターについて
ポリアンナ/声:堀江美都子――人々の心に「よかった」を届ける主人公
本作の主人公ポリアンナは、牧師だった父ジョンから教わった「よかった探し」を大切にしている少女である。幼くして母を亡くし、さらに父とも死別するという厳しい境遇に置かれながら、人生を悲観するだけで終わらず、日常の中から小さな幸福を探そうとする。
しかし彼女は何をされても平気な少女ではない。寂しい時には泣き、パレーの態度に傷つくこともあり、事故によって歩けなくなった際には希望を失う。この弱さを持っているからこそ、ポリアンナの明るさには説得力がある。
堀江美都子の演技も、元気いっぱいの場面だけでなく、父を思い出す寂しさ、事故後の絶望、再び希望を取り戻していく過程まで幅広い。最初は「明るい少女」という印象だったキャラクターが、物語を通じてさまざまな感情を持つ一人の人間として立体的になっていく。
パレー/声:野沢雅子――冷たい叔母から本当の家族へ
ポリアンナを引き取ったパレーは、前半におけるもう一人の主人公ともいえる存在である。裕福で規律を重視し、物語序盤ではポリアンナに厳しく接する。
その背景には、姉ジェニーと父ジョンをめぐる過去への複雑な思いがある。そのためジョンの娘であるポリアンナに対しても感情を素直に表現することができなかった。
しかし、一緒に生活するうちに少しずつ変わっていく。ポリアンナの無邪気な愛情に触れ、忘れていた家族への思いを取り戻していくのである。
事故によってポリアンナを失うかもしれない状況に直面すると、隠していた愛情が一気に表へ現れる。この頃には、彼女にとってポリアンナはもはや「義務として引き取った姪」ではなく、かけがえのない家族になっている。
ジョン牧師/声:田中秀幸――亡くなっても娘を導き続ける父
ポリアンナの父ジョンは物語開始後まもなく亡くなるものの、作品全体に非常に大きな影響を与えている。
ポリアンナの人生観の中心となる「よかった探し」を教えた人物であり、娘が困難に直面するたびに父との思い出が心の支えとなる。
つまりジョンは、物語の現在には存在しなくても、ポリアンナの記憶と生き方の中では最後まで生き続ける人物なのである。
ジェニー/声:土井美加――家族の過去をつなぐポリアンナの母
ジェニーはポリアンナの母であり、パレーの姉である。物語開始以前に亡くなっているが、パレーとポリアンナの関係を理解するために重要な人物となっている。
家族の意向とは異なる人生を選んだことが、パレーの心に長年残るわだかまりを生み出した。一方、ポリアンナの中にジェニーの面影を感じることで、パレーは次第に姉への感情とも向き合うようになる。
ナンシー/声:潘恵子――新しい家でポリアンナを支える理解者
パレー家で働くナンシーは、ベルディングスビルへやって来たポリアンナに比較的早くから温かく接する人物である。
厳格なパレーと明るいポリアンナとの間で、精神的な支えとなることも多い。「よかった探し」に触れる初期の人物でもあり、ポリアンナが新しい環境へなじんでいくために欠かせない存在となっている。
トム/声:緒方賢一、ティモシー/声:堀秀行――パレー家の日常を支える人々
庭師のトムは、パレーやジェニーが若かった頃から家族を知る人物であり、過去と現在をつなぐ存在でもある。
ティモシーもまた、日常生活の中でポリアンナを支える青年である。こうした使用人たちとの温かいやり取りが増えていくことで、当初は冷たい印象だったパレー家が少しずつ「家庭」らしい空間へ変化していく。
ジョン・ペンデルトン/声:銀河万丈――孤独な大人の心を開いていく交流
ペンデルトンは裕福でありながら人との交流を避け、孤独に暮らしている男性である。
町の人々から近寄りがたい人物として見られていても、ポリアンナは周囲の評判だけで人を判断しない。自然に話しかけ、相手の中にある優しさを見つけていく。
その交流によって、ペンデルトンも少しずつ心を開く。ポリアンナを自分の家族として迎えたいと思うほど大切に感じるようになる点からも、彼の人生に与えた影響の大きさが分かる。
ジミー/声:山田栄子――家庭を求める少年
ジミーは安定した家庭を持たず、自分の居場所を探している少年である。ポリアンナとは境遇が異なるものの、「家族を失った」という点では共通する部分も持っている。
二人は互いに助け合う友人となり、ジミー自身も物語の中で新しい居場所へ近づいていく。
彼の存在を通じて、「血縁だけが家族なのではない」という本作の重要なテーマが描かれている。
チルトン/声:田中秀幸――パレーの過去を動かす人物
医師のチルトンは、パレーの過去と深く関係する人物である。二人の間には長く続いてきた思いがあるものの、互いに素直になれなかったことで関係が止まっていた。
事情を完全には理解していないポリアンナが自然な形で二人の間に入ることで、長年止まっていた時間が少しずつ動き始める。
カレン/声:工藤夕貴
カレンは作品世界の若い世代を彩る人物の一人である。声を担当した工藤夕貴は本作の主題歌も担当しているため、声優と歌手の両面から作品の雰囲気を形作った存在として印象深い。
カウリ夫人/声:池田昌子、ジェミー/声:渡辺菜生子、サディ/声:佐久間レイ
第2部へ進むと、ポリアンナは新しい環境で数多くの人物と出会う。
カウリ夫人、ジェミー、サディをはじめとする新登場人物は、それぞれ家族や孤独、過去などの問題を抱えている。ベルディングスビルだけにとどまらず、新しい場所でもポリアンナの「よかった探し」が人々の心へ影響を与えていくことで、物語のテーマがさらに広げられている。
脇役にもそれぞれの人生があることが魅力
本作のキャラクター描写の魅力は、ポリアンナを引き立てるためだけの人物が少ないことである。
パレーには過去の家族関係、ペンデルトンには孤独、ジミーには家庭への願いがあり、それぞれ独自の人生を背負っている。
ポリアンナは彼らを一方的に救う存在ではない。自分自身が苦しくなった時には、逆に彼らから救われる。この双方向の人間関係によって、多数の登場人物が一つの大きな物語へ結びついている。
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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
物語の二部構成に合わせて主題歌も一新
『愛少女ポリアンナ物語』では、物語が大きく前半と後半に分かれることに合わせ、オープニングテーマとエンディングテーマも変更される。
第1話から第27話までは「し・あ・わ・せカーニバル」と「愛になりたい」、第28話から第51話までは「微笑むあなたに会いたい」と「幸福」が使われている。4曲はいずれも工藤夕貴が歌唱を担当した。
さらに劇中では、ポリアンナ役の堀江美都子が歌う「星屑のシャンデリア」「夢色天使」が重要な場面で使用されている。
「し・あ・わ・せカーニバル」――第1部の明るさを象徴
第1話から第27話までのオープニングテーマで、作詞は岩里祐穂、作曲は芹澤廣明、編曲は和泉一弥、歌唱は工藤夕貴。
題名そのものが、本作を象徴する「幸福を探す」という精神と結びついている。軽快で明るい曲調には、新しい町へ飛び込み、さまざまな人と出会っていくポリアンナの元気さが表れている。
人生を悲しいことだけで捉えるのではなく、日常に存在する小さな喜びを見つけようとする作品前半の雰囲気に合った楽曲である。
「愛になりたい」――誰かを思う気持ちを描くエンディング
第1話から第27話までのエンディングテーマ。作詞・岩里祐穂、作曲・芹澤廣明、編曲・和泉一弥、歌・工藤夕貴。
オープニングが活発なポリアンナの姿を象徴する曲であるのに対して、こちらは誰かを思いやる優しさを感じさせる。
孤児となったポリアンナは、本来なら自分が愛情を求める立場である。しかし彼女は出会った人々へ自分から笑顔や優しさを与えていく。その生き方と「愛になりたい」というタイトルがよく重なっている。
「微笑むあなたに会いたい」――第2部を象徴する落ち着いた主題歌
第28話から最終話までのオープニングテーマ。作詞・浅見純、作曲・鈴木キサブロー、編曲・矢野立美、歌唱・工藤夕貴。
前半の「し・あ・わ・せカーニバル」と比較すると、単純に幸福を喜ぶのではなく、大切な誰かの笑顔を願う気持ちがより強く感じられる。
事故や治療という大きな経験を経た後のポリアンナは、以前より人の悲しみを深く理解するようになる。その成長とともに主題歌の雰囲気も変わることで、物語が新しい段階へ進んだことが音楽からも伝わる。
「幸福」――最終的なテーマへたどり着くエンディング
第28話から第51話までのエンディングテーマ。作詞・三浦徳子、作曲・小杉保夫、編曲・矢野立美、歌唱・工藤夕貴。
「幸福」という非常に直接的な題名を持ちながら、その意味は物語後半になるほど深く感じられる。
本作を最後まで見ると、幸福とは財産や何の苦労もない人生だけを意味するものではないことが分かる。家族と一緒にいられること、誰かが心配してくれること、大切な人を思えることなど、身近なものの価値が描かれている。
「星屑のシャンデリア」――第27話を彩る挿入歌
第27話で使用された挿入歌で、作詞・作曲・編曲は小坂明子、歌唱は主人公ポリアンナ役の堀江美都子。
主題歌を歌う工藤夕貴とは異なり、主人公自身を演じる堀江美都子が歌唱することで、ポリアンナの心により近い曲として聞こえる。
物語が大きく動く節目で使われることもあり、明るさだけでなく切なさや希望が同居する一曲となっている。
「夢色天使」――最終第51話を飾る楽曲
最終話で使用された挿入歌で、「星屑のシャンデリア」と同じく小坂明子が作詞・作曲・編曲を担当し、堀江美都子が歌唱した。
第1話から51話までポリアンナを演じ続けた声優自身の歌声が最後の物語へ重なるため、作品全体を振り返るような感情を生み出す。
父を失った少女が、多くの人と出会い、悲しみと幸福の両方を知りながら成長してきた旅の締めくくりにふさわしい楽曲である。
小六禮次郎によるBGM
本編の音楽を担当した小六禮次郎による劇伴も、作品の雰囲気を支えている。
明るい日常では軽快で柔らかな音楽、父の思い出や孤独を描く場面では静かな哀愁、事故後の場面では緊張感を持った楽曲と、物語の感情に合わせて幅広く変化する。
派手な戦闘が中心ではなく、会話や人の表情によってドラマが進む作品だけに、BGMが登場人物の言葉にならない感情を補う役割も大きい。
後年まで楽しめる作品音楽
放送後には主題歌やBGMをまとめた音楽商品も発売され、『世界名作劇場 メモリアル音楽館 愛少女ポリアンナ物語』などによって作品音楽をまとめて楽しむことができるようになった。
前半の無邪気な「しあわせ」から、後半の人とのつながりを意識した「幸福」へと音楽の表情も変化しているため、主題歌を順番に聴くだけでもポリアンナの成長を感じ取ることができる。
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■ 魅力・好きなところ
「よかった探し」が単なる楽観論ではない
本作最大の魅力は、「よかった探し」という分かりやすいテーマを持ちながら、それを単なるきれいごとだけで終わらせていないことである。
父を亡くす、家族とうまくいかない、病気になる、事故に遭う、大切な人と別れるなど、作品内には簡単には前向きに考えられない出来事も数多く登場する。
それでも、その現実の中で何か一つ自分を支えてくれるものを探してみるという考え方が描かれるため、物語に深みが生まれている。
ポリアンナが無理に強い少女ではないところ
ポリアンナは悲しまない少女ではない。父を思って泣き、叔母に傷つき、自分の未来を失ったと思えば絶望する。
それでも時間をかけて再び前を向こうとするからこそ、彼女の明るさが魅力的に感じられる。
最も象徴的なのは、事故後にポリアンナ自身が「よかった」を見つけられなくなる展開である。この弱さを描いたことで、主人公が一気に身近な存在になる。
パレーの変化を見る楽しさ
最初は厳しく冷たく見えるパレーが、少しずつポリアンナを愛するようになっていく過程は、本作の大きな魅力である。
一度の事件ですぐ優しい人へ変わるのではなく、小さな出来事を何度も積み重ねて変化する。そのため事故後に彼女の愛情が表へ現れた時には大きな感動が生まれる。
ポリアンナが家庭を得るだけではなく、パレー自身も心の居場所を取り戻していることが分かる。
ペンデルトンやジミーなど脇役も魅力的
ペンデルトン、ジミーをはじめ、主人公以外にも印象深い人物が多い。
孤独なペンデルトンがポリアンナとの交流によって心を開く過程や、家庭を求めていたジミーが居場所へ近づいていく物語など、それぞれに独立したドラマがある。
本作では家族を血縁だけで定義しておらず、互いに必要とし合うことで新しい家族が生まれることを描いている。
事故以降、それまでの物語が一つにつながる
ポリアンナが事故に遭った後の展開は、本作を最初から見続けてきた視聴者ほど感動しやすい。
それまで彼女が励ましてきた一人一人が、今度は彼女を励ます側へ回るからである。
単発の日常エピソードと思われていた出来事が、後になってすべて意味を持ち、人へ与えた優しさが自分へ戻ってくる。この構成は51話という長編シリーズならではの魅力である。
再び歩けるようになる過程の感動
事故によって歩けなくなったポリアンナが、治療とリハビリを経て再び歩けるようになる過程も印象深い。
普段なら当たり前に思える「歩く」という行為が、失って初めて大きな幸福だったと気づく。
この体験そのものが「身近にある幸せを見つける」という作品の主題と重なっている。
第2部で物語が新鮮になる
後半では舞台と登場人物が変わり、ポリアンナが新しい環境へ踏み出す。
前半では自分自身が家族を得る側だった少女が、後半では他人の家族や人間関係を結びつける側へ成長していることも興味深い。
同じ「よかった探し」でも、事故や治療を経験した後では言葉の重みが違って感じられる。
悲しい別れを避けないから幸福の意味が深くなる
本作には、大切な人を失う悲しみも描かれる。
しかし、失ったからといって出会ったことまで無意味になるわけではない。相手と過ごした時間を「出会えてよかった」と考えることができる。
父ジョンとの死別から始まったこのテーマは、作品を通して何度も形を変えて描かれていく。
最終回の温かな余韻
最終回では、過去の悲しい出来事がすべて消えるわけではない。それでもポリアンナたちは未来へ進んでいく。
第1話では家族を失って一人だった少女が、最後には多くの人に囲まれている。
そして自分が幸福になるだけでなく、他人の幸福を生み出す存在へ成長している。その変化こそ、51話を通して見届ける最大の喜びである。
大人になってから見ると違う人物に共感できる
子供の頃にはポリアンナへ共感し、パレーを怖い大人と感じても、大人になって見返すとパレーやペンデルトンの孤独に気づくことがある。
見る年齢によって好きな人物や印象的な場面が変わるため、何度でも違う視点で楽しめる作品でもある。
日常でも「よかった」を探したくなる
作品を見終えた後、日常生活でも「今日は何か一つ良いことがなかっただろうか」と考えたくなることも、本作ならではの魅力である。
そして自分一人で見つけられない時には、誰かに支えてもらってもいい。
その優しい考え方を視聴者の日常へ持ち帰れることが、『愛少女ポリアンナ物語』最大の余韻となっている。
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■ 感想・評判・口コミ
「よかった探しを覚えている」という声
本作を視聴した人の思い出として特に残りやすいのが、「よかった探し」である。
細かなストーリーや登場人物の名前を忘れていても、「どんなことにも良いところを探す少女だった」という印象が残っているという人もいる。
作品内だけの設定ではなく、日常でも使える考え方として視聴者の記憶に残りやすかったことが、本作の大きな特色といえる。
ポリアンナに元気をもらえる
主人公については、明るさに元気をもらえる、見ていると自分も前向きな気持ちになるという印象が持たれやすい。
特別な能力で問題を解決するのではなく、話を聞き、良い部分を探し、笑顔を向けるという小さな行動によって相手の心を変えていく。
そのため現実の生活とも結びつけやすい主人公である。
大人になるとパレーへの評価が変わる
子供の頃にはパレーを「怖い叔母」と思った視聴者が、大人になって見返すと彼女の苦しみに気づくということもある。
過去の家族関係や恋愛に傷ついたまま、それを整理できず生きてきた女性であることが理解できるからである。
最終的には「実はパレー自身の再生物語でもあった」と評価したくなる人物となっている。
事故後の展開が特に泣ける
ポリアンナの事故以降を印象的な部分として挙げる視聴者は多い。
それまで人を励ましてきた主人公が希望を失い、今度は周囲の人々に励まされる。
長く見続けてきた人ほど、それ以前に登場した人物たちとの交流を思い出すため、感情的な盛り上がりが大きい。
「子供向けなのに内容が深い」
明るい絵柄や少女主人公の作品でありながら、扱っているテーマは意外に重い。
両親との死別、孤児、病気、事故、孤独、家族の確執など、人生の厳しい部分を数多く描いている。
それらを過度に暗くするのではなく、子供でも理解できる形で希望へつなげていることが評価される。
脇役にも好きな人物ができる
ペンデルトン、ジミー、ナンシー、チルトンなど、主人公以外にも人気を集める人物が多い。
初登場時と後半で印象が変わる人物も多く、作品を見ながら「この人にも良いところがあった」と発見していく。
これは視聴者自身もポリアンナと同じように、登場人物の「よかった」を探している構造とも考えられる。
第1部と第2部で好みが分かれることも
後半で舞台と人物が変化するため、ベルディングスビルでの生活をもっと見たかったという人もいれば、新しい物語が始まったようで面白いと感じる人もいる。
前半のキャラクターへの愛着が強いほど、後半への移行を寂しく感じることもある。
一方、第2部ではポリアンナの成長後を描けるため、長編作品としての魅力が増している。
音楽やセルアニメの雰囲気も懐かしい
1980年代らしい手描きアニメの柔らかな絵、アメリカの町を描いた背景美術、穏やかな音楽なども、本作の評判を支えている。
「し・あ・わ・せカーニバル」を聞くと作品を思い出すという人もいれば、後期主題歌の落ち着いた雰囲気を好む人もいる。
前向きさを重く感じる場合もある
一方で、「いつでも良いところを探そう」という姿勢を、その時の心境によっては負担に感じる場合もある。
しかし作品そのものは、ポリアンナ自身が前向きになれなくなる場面を描いている。
つまり「必ず一人で前向きにならなければならない」のではなく、自分で希望を見つけられない時には他人に支えてもらってもいいというところまで描いている。
大人になって再視聴すると評価が変わる作品
人生経験を積んでから見ると、子供の頃には分からなかった大人たちの感情が理解できるようになる。
家族、仕事、人間関係、別れなどを経験した後では、「よかった探し」の意味も単なる明るい考え方ではなく、つらい現実と共存する方法として感じられる。
そのため再視聴によって評価が上がりやすい作品でもある。
総合的には優しさと厳しさを併せ持った名作
『愛少女ポリアンナ物語』は、明るく優しい物語の中に人生の厳しさも描いた作品である。
泣ける場面がありながら、最後に残るのは絶望ではなく温かな希望である。
視聴後に幸福について考えたくなること、それこそが本作が長く記憶される大きな理由となっている。
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■ 関連商品のまとめ
放送当時から現在まで残る関連商品
『愛少女ポリアンナ物語』は1986年の放送当時から、音楽レコード、テレビ絵本、ぬりえ、きせかえ、文房具、子供向けの日用品などが展開され、その後にはVHSやDVD、CDなども発売されてきた。
現在では作品単独の新商品が常時大量に販売されているタイプではないため、放送当時のグッズについては中古店、フリーマーケット、ネットオークションなどで探すことが中心になる。
映像を見るためのDVDと、1986年当時の品物そのものを収集するレトログッズでは市場の性格が大きく異なる。
DVD――現在でも作品全編を楽しむための中心商品
映像商品では全51話を収録したDVDシリーズが代表的で、全12巻として発売された。
さらに物語を短時間にまとめて楽しめる完結版の映像商品なども存在する。
中古市場ではセル版の単巻、全巻セット、レンタル落ちなどが混在している。価格は状態や付属品によって大きく異なり、全巻セットではまとまった金額になることもある。
コレクションを目的とする場合は、単に12枚あるかだけでなく、正規ケース、ジャケット、レンタル管理シールの有無なども確認したい。
VHS・レーザーディスクなど旧映像ソフト
DVD以前のVHSなども中古市場で見つかることがある。
現在では再生機器そのものが減っているため、作品を視聴する目的以上に、当時のパッケージデザインや映像ソフト文化を保存するコレクション品としての意味が強い。
VHSではテープのカビや磁気劣化、ケースの日焼けなどに注意する必要がある。
EPレコード――工藤夕貴の主題歌を残す当時物
音楽関連では、「し・あ・わ・せカーニバル」「愛になりたい」などを収録したEPレコードが代表的である。
当時のアニメ主題歌レコードには作品イラストや歌手の写真などが使われており、音源だけでなくジャケットそのものにもコレクション価値がある。
保存状態、歌詞カード、ピンナップなどの付属品の有無によって中古価値も変化する。
『メモリアル音楽館』――BGMまで楽しめるCD
後年には『世界名作劇場 メモリアル音楽館 愛少女ポリアンナ物語』も発売されている。
工藤夕貴による主題歌、堀江美都子による挿入歌、小六禮次郎による多数の劇伴などがまとめられており、作品音楽を本格的に楽しみたい人に適した商品である。
本編で短時間しか流れなかったBGMまで聴けるため、映像とは違う形で物語を振り返ることができる。
テレビ絵本など児童書
放送当時には、小学館などからテレビアニメの内容を題材としたテレビ絵本も発売されていた。
こうした本は子供が実際に読んだものが多いため、現在市場に残っている品には表紙の擦れ、落書き、記名、ページの傷みなどが見られることもある。
状態の良いものは、昭和アニメや世界名作劇場の資料として楽しむコレクターにも人気がある。
ぬりえ・きせかえ――消耗品だからこそ未使用品が珍しい
放送当時の女児向け商品として、ぬりえやきせかえなども作られていた。
こうした商品は本来、子供が色を塗ったり切り取ったりして遊ぶものであり、使用後に処分されやすかった。
そのため現在では未使用品が意外に珍しく、状態の良いものがオークションで高値になる場合もある。
元の販売価格が安価だった商品でも、保存されなかったことによって後年希少性が高まるという、昭和キャラクターグッズ特有の傾向が見られる。
パズル・食玩など
ジグソーパズルなど、アニメのイラストを用いた子供向け玩具も存在する。
食玩として販売されたものの場合、現在では菓子部分は残っておらず、玩具だけが保存されているケースが一般的である。
パズルではピース欠品の有無、外箱が残っているかなどによってコレクション価値が変わる。
指人形やセル画
さらに珍しいものとして、ポリアンナを題材とした指人形のような小型玩具や、テレビアニメ制作に使われたセル画が中古市場へ出る場合もある。
セル画は同じキャラクターであっても表情、場面、背景の有無などが一枚ごとに異なるため、一点物に近い性格を持つ。
作品の重要場面や主人公の印象的な表情を描いたセル画であれば、単なるグッズではなくアニメ制作資料としても魅力がある。
文房具・日用品
箸箱をはじめ、子供が日常的に使用する文房具や生活用品にもキャラクターが使用されていた。
こうしたものは当時普通に使われていたため、壊れたり処分されたりした割合も高い。
現在未使用で残っている商品には、作品そのものだけでなく1980年代の子供向け商品文化を知る資料としての面白さもある。
ゲーム・ボードゲームについて
『愛少女ポリアンナ物語』は、単独作品として家庭用テレビゲームが大規模にシリーズ化されたタイトルではない。
そのためゲーム関連の商品を探す場合には、デジタルゲームより、パズル、きせかえ、ぬりえ、食玩などアナログな遊戯商品を中心に見る方が見つけやすい。
中古市場では価格だけでなく状態が重要
現在の中古市場では、DVDのように比較的流通量がある商品と、放送当時のぬりえや食玩のように出品そのものが珍しい商品に分かれる。
DVDは単品なら比較的安価でも、状態の良い全巻セットになると価格が高くなる。
レコードも盤面だけでなくジャケット、歌詞カード、付属品がそろっているかによって価値が変化する。
紙製品では記名や落書き、玩具では欠品、VHSではカビなど、商品ジャンルごとの確認が重要となる。
放送当時の空気まで集められることが関連商品の魅力
『愛少女ポリアンナ物語』関連商品の魅力は、キャラクターの絵が描かれた物を所有することだけではない。
DVDを見れば51話の物語を再び体験でき、CDやレコードを聴けば作品の音楽がよみがえる。テレビ絵本やぬりえ、箸箱などを手にすれば、1986年当時の子供たちがどのような形で作品を楽しんでいたのかを感じることができる。
映像を楽しむならDVD、音楽ならサウンドトラックCDやレコード、昭和レトロ商品を集めるなら絵本・ぬりえ・文具・玩具、アニメ制作そのものに興味があるならセル画というように、目的によって収集方法も変わる。
放送から長い年月が経過したことで、当時は何気なく使われていた小さな商品が作品の歴史を残す貴重な存在になっている。ポリアンナが日常の中に小さな「よかった」を見つけたように、一冊の古いテレビ絵本や一枚のレコードから1986年当時の記憶を見つけられることも、『愛少女ポリアンナ物語』関連商品を集める大きな楽しみといえるのである。
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