『JINKI:EXTEND』(2005年)(テレビアニメ)

カプセルワークスコレクションJINKI:EXTENDジンキエクステンドよりノーマル5種カプセルフィギュアトイズワークスガチャポン ガシャポ..

カプセルワークスコレクションJINKI:EXTENDジンキエクステンドよりノーマル5種カプセルフィギュアトイズワークスガチャポン ガシャポ..
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【カプセルワークスコレクション  JINKI:EXTEND ジンキエクステンドより ノーマル5種】 ファン待望!ロボット漫画「ジンキ」シリーズより『JINKI:EXTEND』のカプセルフィギュアがトイズワークスから登場です!! 主人公である「柊赤緒」の他、メインキャラクター達が大..
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【原作】:綱島志朗
【アニメの放送期間】:2005年1月5日~2005年3月23日
【放送話数】:全13話(テレビ放送12話+OVA1話)
【放送局】:テレビ朝日系列
【関連会社】:feel、ガンジス、アンヘル日本支部

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■ 概要

作品の立ち位置:80〜00年代ロボット文脈の橋渡し

綱島志朗が描くロボット群像劇を、テレビシリーズとして凝縮したのが『JINKI:EXTEND』だ。作品は「兵器としての巨大人型機“人機(ジンキ)”」と「それを操る少女たちの心の軋み」を二重らせんのように絡め、80年代ロボットアニメのハードな質感と、2000年代以降のキャラクタードラマ重視の潮流を一本の線で結ぶ。視聴者は“メカが主役か、人が主役か”という問いを毎話突き付けられ、最終的に「人がメカを選ぶのか、メカが人を選ぶのか」というテーマに行き着く。

放送データとフォーマット

2005年1月5日から3月23日までテレビ朝日系列で放送。全12話構成(パッケージでは未放送1話を加えた拡張版が提示される)。尺は標準のTVアニメ枠ながら、情報密度は高く、毎回の起承転結の中に長期的伏線が多層的に編み込まれている。週一視聴での“間”を見越して、オープニング/エンディングやCパート前後のアイキャッチが感情の余韻と次回への期待を巧みに接続する。

時制と舞台:二つの戦場が一つの物語へ

物語は1988年の南米ベネズエラと、1991年の東京という離れた座標から始まる。前者は熱帯の光と赤土の匂いが漂う“開かれた戦場”、後者は都市の陰影が心理を映す“閉じた戦場”。前半は二つの時間軸を並走させ、視聴者に“似て非なる事件”を見せながら、関係図の欠けたピースを少しずつ埋めていく。中盤以降、そのピースが噛み合う瞬間に物語は一気に収束し、戦いの意味が再定義される。

人機(ジンキ)の設計思想:武器であり拡張された心

人機は単なる戦力ではなく、操縦者の“傷”や“願い”を増幅する装置として描かれる。装甲や可動の描写は重量感を重視しつつ、決め動作では大胆に“止め絵の絵画性”を採用。これにより、質量のリアリティと、象徴としての美しさが同居する。武装のギミックは実在兵器の理屈を踏まえつつ、決着の瞬間には“感情のスパーク”として作動するよう設計され、バトルは常にキャラクターの選択の延長に置かれる。

キャラクタードラマの核:継承と断絶

中心にあるのは“母と娘”“姉妹”“仲間”といった関係性の継承/断絶だ。保護と支配の境界、記憶の欠落がもたらす自由と不安、居場所を得るための戦い——そうしたモチーフが各人物の台詞と決断に反復して現れる。敵対組織の論理も“正義の対岸”として丁寧に提示され、単純な勧善懲悪に落ちない。味方であっても目的がズレれば衝突し、敵であっても痛みを共有する場面が用意される。

構成の妙味:パズル的提示と感情的解答

前半は断章的なエピソードが多く、視聴者は“何が起きたか”ではなく“なぜ起きたか”を推理する姿勢へ誘導される。キーワードや小道具、同型の構図を“フック”として繰り返し見せることで、無意識下に関連を刻み込む手法が用いられる。終盤はそのフックが連鎖的に回収され、散りばめられた象徴が感情の洪水に変わる。知的満足と情動のカタルシスを同時に得られる設計だ。

映像と音の設計:静と動のコントラスト

アクションではカメラの“引き”と“寄り”を明確に分け、衝突前の溜め(静)とインパクトの瞬間(動)を強調。爆煙の滞り、着地の反動、コックピットの振動——物理感の積み重ねが“痛み”として伝わる。音楽は電子的な緊張感とオーガニックな旋律を往復し、都市と原野、現在と過去の差異を聴覚で補強する。主題歌/挿入歌は“解放”と“宿命”という二語を往復する詞世界で、ドラマの核と共鳴する。

テーマの射程:選択が人をかたちづくる

“操縦桿を握るのは誰か?”という問いは、文字通りの操縦だけでなく、人生の舵取りを意味するメタファーとして機能する。与えられた運命に抗うのか、受け入れて変えるのか。作中で下される複数の“選択”は、勝敗や生死以上に、アイデンティティの確立という結果をもたらす。機体は拡張された身体であると同時に、過去と未来を繋ぐ“記憶の器”として立ち上がる。

視聴体験としての魅力:反復視聴で増える味

一周目は“謎の配置”に引っ張られ、二周目は“行間の編集”に気づくタイプの作品だ。セリフの選び方、無音の尺、画面の外で進んだ出来事を匂わせるカット割り——ささやかな差し込みが伏線として機能する。とりわけ人物の手元や視線の動線は意味量が多く、停止再生で見返すと発見が増える。キャラの“好き”で入って“構成の快楽”で居つく、二段構えの面白さがある。

総括:ロボット×少女×謎解きの三位一体

『JINKI:EXTEND』は、重厚なメカアクション、繊細な少女群像、パズル的構成という三要素を高密度に同居させた一作だ。単体の事件ではなく“繋がり”そのものを描こうとする姿勢が物語の骨格を支え、短い話数の中で“生き延びることの意味”にまで踏み込む。ハードとソフト、外側の戦いと内側の傷、その両輪で走るからこそ、終幕の選択は視聴者の胸にも残る“自分の答え”になる。

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■ あらすじ・ストーリー

二つの舞台:南米ベネズエラと東京

物語の始まりは、1988年のベネズエラ。熱帯の強烈な日差しと濃い緑に覆われた大地で、古代の遺跡から目覚めた「人機(ジンキ)」が暴走を繰り返していた。政府の秘密組織〈アンヘル〉は、この脅威に対抗するため少女をパイロットとしてスカウトする。その一人が津崎青葉、模型作りが大好きなごく普通の中学生だ。 一方で、時間軸を3年進めた1991年の東京。柊神社に身を寄せる少女・柊赤緒は、記憶を失ったまま穏やかな日常を過ごしていた。しかし、平穏は突如崩れ去り、彼女は「キョム」と呼ばれる組織と、その背後に潜む人機の陰謀に巻き込まれていく。こうして“二つの世界”が、交互に描かれながら並走し始める。

ベネズエラ編:青葉の成長と母の影

青葉は母・静花の強い意志に従い、嫌々ながらも人機の操縦訓練に組み込まれる。最初はプラモデル感覚で機体を捉えていたが、戦闘で人の命がかかっていることを突きつけられ、逃げ出したくなる。しかし仲間たちとの交流や幾度も襲いかかる危機を通じて、次第に「自分の役割を果たす」という責任感を芽生えさせていく。母の真意に疑問を抱きつつも、“戦うことでしか守れないものがある”と悟り始める過程が描かれる。

東京編:赤緒の目覚めと宿命

赤緒は、自身の中に眠る「戦う力」に怯えながらも、周囲を守りたいという気持ちに突き動かされ、次第に人機のパイロットとして覚醒していく。彼女を支えるのは神社で共に暮らす人々と、新たに出会う仲間たち。だが、キョムの手が彼女に迫るたびに、赤緒の中に眠る“過去の断片”が揺さぶられ、記憶の空白が何を意味するのかが徐々に露わになる。

二つの時間軸の交差

シリーズ前半では青葉と赤緒、それぞれの戦いが独立した章のように描かれ、視聴者は「彼女たちの物語がどう繋がるのか」を推測しながら物語を追うことになる。第7話を境に、時間軸は一本化され、舞台は東京に集約。青葉と赤緒の存在が“パラレル”なのか、“継承”なのか——その謎がクライマックスに向けて解き明かされていく。

敵組織キョムの暗躍

キョムは古代人機の力を我が物にしようとする組織であり、冷酷な戦略をもって少女たちを追い詰める。表向きは技術の発展を謳いながら、その実、犠牲を顧みない思想が根底にある。彼らの暗躍は「力を持つことの意味」と「人が兵器を使うことの是非」を鮮烈に浮かび上がらせる。青葉や赤緒が立ち向かう敵は、単なる外敵ではなく、人間そのものの欲望の象徴として描かれている。

仲間たちの葛藤と絆

青葉も赤緒も、戦う中で数多くの仲間に出会う。黄坂ルイやエルニィ立花といったキャラクターは、彼女たちにとって支えであると同時に、時に対立する存在にもなる。仲間との衝突や誤解は、戦いよりも辛い現実として彼女たちにのしかかる。しかしそれを乗り越えるたびに、絆は強まり、同時に「戦う理由」も明確化されていく。

真実の開示とクライマックス

後半では、青葉と赤緒の過去と現在が結びつき、二人の物語が一本に集約される。彼女たちが選ばれた理由、記憶の空白の真実、そして人機が存在する意味——その全てが明かされるとき、戦いは単なる勝敗ではなく「生き方の選択」へと変わる。最終局面では、少女たちの決断が世界の未来を左右することになり、視聴者もまた彼女たちの選択に感情を揺さぶられる。

物語の余韻

戦いを終えた後に残るのは、勝利の喜びだけではない。失ったものの重み、選んだ道への責任、そしてそれでも生き続けるという決意。『JINKI:EXTEND』の物語は「戦いの果てに何が残るのか」を突き付けるものであり、単なるアクション作品にとどまらない深い余韻を残す。

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■ 登場キャラクターについて

津崎青葉 ― プラモデル少女から人機パイロットへ

南米ベネズエラ編の主人公である青葉は、中学生らしい無邪気さを持ちながらも、母・静花により突然戦いの場へ連れてこられた少女だ。もともとプラモデル作りが趣味で、機械への親和性が高かったため、人機の操縦適性を持つことが早くから示唆されていた。彼女の成長は物語の軸のひとつであり、「日常の延長にあった小さな世界」から「人の生死を左右する戦場」へと引きずり込まれる姿は、多くの視聴者に強い印象を残した。特に“最初は逃げ腰ながらも、仲間や母を守るために覚悟を決める瞬間”は、青葉の象徴的な場面として語られている。

柊赤緒 ― 記憶を失った少女の再生

東京編での主人公であり、柊神社で暮らす16歳の少女。3年前の記憶を失っていることが彼女の最大の特徴で、その空白が物語全体のミステリーを支えている。赤緒は素朴で優しい性格だが、戦いの中で感情を爆発させる場面も多く、心の揺れがそのまま戦闘の緊迫感へと直結する。ファンの間では「記憶を失っているがゆえの儚さ」と「戦うときの凛々しさ」とのギャップが魅力だと語られており、シリーズを象徴するキャラクターの一人となった。

黄坂ルイ ― 知性と孤高を備えた少女

ルイは冷静沈着な性格で、戦術的な視点から仲間を支える存在だ。赤緒と対照的に感情を抑制し、合理的に行動するが、その裏には人知れぬ孤独と葛藤を抱えている。彼女は「強い女性像」の代表格としてファンに支持され、声優・田村ゆかりの演技によって知性と内面の脆さが繊細に表現されている。特に赤緒とのやり取りは、互いに違う価値観を持ちながらも補完し合う関係性として描かれ、物語の奥行きを生み出している。

立花エルニィ ― 明るさで場を和ませる存在

戦場という重苦しい空気の中で、エルニィは明るさと人懐っこさをもって仲間の心を和らげるキャラクターだ。彼女の軽妙なやり取りは緊迫したシーンに緩急を与え、ドラマのバランスを取る役割を果たす。川上とも子の柔らかい声質も相まって、視聴者に安心感を与える存在となった。ただし、戦いの現実に直面する場面では、普段の明るさとの落差が強調され、視聴者に深い感情的余韻を残すこともある。

メルJ・ヴァネット ― 冷静な観測者のような少女

メルJは常に一歩引いた立ち位置で物事を見つめるキャラクターだ。仲間たちの中では出番が少なめではあるが、その存在感は際立っている。彼女が放つ一言は物語のテーマを突き刺すような鋭さを持ち、視聴者に深い印象を与える。皆川純子の声は、無機質さと人間らしさを同時に感じさせ、メルJという人物像を強調している。ファンの中には「もっと掘り下げて欲しかったキャラ」として名前を挙げる人も多い。

津崎静花 ― 母であり導く者

青葉の母である静花は、娘を戦場に送り込むという重い役割を担う。母親でありながら厳格な指揮官の顔も持ち、視聴者に複雑な感情を抱かせる存在だ。「母としての愛情」と「指揮官としての冷徹さ」の狭間で揺れる姿は、作品全体のテーマである“継承と断絶”を体現している。雪野五月(現・ゆきのさつき)の声が生み出す凛とした響きは、彼女の威厳をさらに際立たせていた。

敵側のキャラクターたち ― 魅力的な悪役たち

黒将やシバ、J・ハーンといった敵キャラクターは、単なる“悪”として描かれるのではなく、それぞれが信念や過去を背負っている。浪川大輔演じる黒将は若さと冷酷さを併せ持ち、敵でありながら人間的な弱さも感じさせる。平松晶子演じるシバはカリスマ性のある女性像で、赤緒との対比が際立っていた。彼らは主人公たちにとって乗り越えるべき壁であると同時に、“人機に振り回される人間”という点では共通しており、物語を深める役割を果たした。

脇を固めるキャラクターたち

川本さつきや黄坂南、大池赤菜などのキャラクターは、それぞれ短い出番ながら物語の彩りを豊かにする。彼女たちの存在があるからこそ、主人公たちの苦悩や選択が際立つ。特に南の落ち着いた雰囲気や、さつきの優しさは、戦いの中で消えそうになる“日常性”を取り戻す要素として重要だった。

視聴者が語るキャラクターの魅力

ファンの声を拾うと、青葉の“成長譚”に共感する人、赤緒の“儚さと強さ”に心惹かれる人、ルイの“知的で孤高な姿”に憧れる人、エルニィの“明るさ”に救われる人など、好みは多岐にわたる。多くの視聴者は「誰か一人に感情移入する」というより、「全員の物語を通じてテーマを立体的に捉える」楽しみ方をしていた。キャラクターが単なる役割にとどまらず、それぞれが“生きている”と感じさせることが、この作品の強みのひとつだった。

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■ 主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング

オープニングテーマ「FLY AWAY」

『JINKI:EXTEND』の幕を切って落とすのは、unicorn tableによる「FLY AWAY」。イントロの疾走感あふれるギターと電子的なリズムが重なり、視聴者を一気に戦場へと引き込む。作詞を手掛けたSaliaの言葉は、束縛から解き放たれたいという少女たちの心情を代弁するかのようであり、“飛び立つ”というモチーフは、物語の根幹にある「運命を超えて進む意思」と直結している。 ファンからは「毎回の放送で曲が流れた瞬間にテンションが上がった」「映像のカットと歌詞のリンクが鮮烈」といった声が多く、特に青葉や赤緒が苦悩しながらも前進する姿を重ねて聴く人が多かった。ライブイベントで披露された際には、観客が一斉にサビを口ずさむほどの人気を誇った。

エンディングテーマ「未来とゆう名の答え」

エンディングにはangelaによる「未来とゆう名の答え」が使用された。atsukoとKATSUによる独自の世界観を反映したこの楽曲は、透明感のあるボーカルとドラマティックなアレンジが特徴で、オープニングの勢いとは対照的に“静かに余韻を残す”役割を担う。 特に印象的なのは歌詞に込められた“未来”という言葉だ。物語で少女たちは、自らの選択を通じて“未来”を掴み取ろうとする。その姿勢と楽曲が共鳴し、視聴者は毎話の終わりに胸に染みるような感覚を抱いた。ネット掲示板やファンレビューでは「エンディングが流れると涙が止まらなかった」「作品のテーマを一番端的に表している」と評価されている。

挿入歌と劇伴の使い方

劇中には直接的な挿入歌は少ないが、川井憲次によるサウンドトラックが場面を強烈に支えた。オーケストラ的な重厚さと、電子音を絡めた緊張感のある楽曲群が、戦闘シーンと人間ドラマを一体化させる。特に「迫る不安」「荒ぶる神々」などの曲は、映像を観ていないときでも聴けば物語を思い出せるほど印象が強い。ファンの中には「サントラを聴くだけでエピソードを追体験できる」と語る人も少なくなかった。

キャラクターソングの展開

放送終了後、キャラクター人気の高まりを受けてリリースされたのがキャラクターソングアルバムだ。代表的なのは田村ゆかりが演じる黄坂ルイのキャラクターソング集。澄んだ歌声に乗せられた楽曲群は、ルイの孤高さや内面の優しさを際立たせる仕上がりで、「アニメ本編では見られなかった一面を知ることができた」とファンから絶賛された。 さらに、青葉や赤緒を中心にしたドラマCDに同梱された楽曲もあり、キャラクター同士の関係性を歌詞の中で再解釈する試みがなされていた。こうした展開は、作品を“アニメ放送期間の外”でも楽しめるコンテンツへと広げた。

イメージソングとドラマCDの融合

『JINKI:EXTEND』は複数のドラマCDも発売され、その中でオリジナル楽曲が挿入されることもあった。これらはシリアスな戦闘描写から一転、日常的でユーモラスなエピソードを描くもので、キャラクターの新たな魅力を引き出した。ファンは「本編では見られないキャラ同士の掛け合い」と「歌を通じて広がる新しい世界観」を同時に味わうことができたのである。

ファンの受け止め方

主題歌とキャラソンのバランスは、多くのファンに「硬派なロボットアニメでありながら、音楽でキャラクターを深堀りできる」という新鮮な印象を与えた。オープニングは力強さ、エンディングは切なさ、キャラソンは親近感と、楽曲ごとに役割が異なり、作品全体を立体的に支える構造になっていた。コンサートやイベントで披露された際には、曲を通じて作品を追体験するファンの姿も見られ、音楽がアニメ文化の記憶を強く残す要素であることを証明した。

総括:音楽が作る『JINKI:EXTEND』の輪郭

『JINKI:EXTEND』の楽曲群は、戦う少女たちの心情と物語のテーマを音として具現化するものだった。オープニングで“飛翔”、エンディングで“未来”、キャラソンで“個性”を表現する三層構造は、単なる背景音楽の枠を超え、作品そのものの記憶を形づくっている。アニメを見終えた後も曲を聴けば当時の感情が蘇る——そうした経験をしたファンは多く、この音楽的遺産が『JINKI:EXTEND』の価値をさらに高めているといえる。

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■ 声優について

折笠富美子(津崎青葉 役)

青葉を演じた折笠富美子は、当時すでに『デジキャラット』や『RAVE』などで知られ、繊細かつ透明感のある声質が評価されていた。青葉はプラモデル好きな普通の少女から戦場に駆り出される難しい役どころであり、無邪気さと戦闘時の緊張感の落差を声で表現する必要があった。折笠は高めのトーンで日常の青葉を演じつつ、戦闘時には喉に力を入れた硬質な響きに切り替え、その変化が視聴者の心を掴んだ。ファンの間では「青葉の成長を声で実感できた」と評判で、声優としての幅広さを見せつけた役でもあった。

稲村優奈(柊赤緒 役)

赤緒役の稲村優奈は、記憶を失った少女という繊細なキャラクターを担当した。当時は新人に近い立場であったが、彼女の持つ柔らかな声質は赤緒の儚さを際立たせ、作品の雰囲気を大きく支えた。特に戦闘時に叫び声とともに見せる気迫は、普段の優しい声色とのギャップを生み、キャラクターに奥行きを与えた。ファンの中には「新人とは思えない表現力だった」と評価する人も多く、稲村にとっても大きな飛躍の作品となった。

田村ゆかり(黄坂ルイ 役)

ルイを演じた田村ゆかりは、2000年代を代表する人気声優・歌手であり、その確かな演技力と歌唱力は作品において大きな魅力となった。ルイは知的で冷静なキャラクターであり、田村のクリアで張りのある声はその理知的な雰囲気を完璧に表現している。さらにキャラクターソングアルバムでは、彼女自身のアイドル的側面も活かされ、ファンから「声と歌でルイの内面が二重に描かれている」と絶賛された。

川上とも子(立花エルニィ 役)

エルニィ役を担当した川上とも子は、『ヒカルの碁』の進藤ヒカル役などで知られる実力派声優。明るく親しみやすいキャラクターを演じることが得意で、本作でもその持ち味を存分に発揮した。エルニィの軽妙なトーンは、重苦しい雰囲気になりがちな物語に爽やかな空気を運び、視聴者の心を和ませた。特にコミカルな場面からシリアスな場面まで幅広くこなす川上の演技力は、エルニィを単なるムードメーカー以上の存在へと押し上げた。

皆川純子(メルJ・ヴァネット 役)

『テニスの王子様』の越前リョーマ役で一躍有名となった皆川純子は、メルJに独特の冷静さと知性を吹き込んだ。彼女の低めで落ち着いた声は、メルJの客観的かつクールな立ち位置を際立たせ、少ない登場シーンながら印象的な存在感を放った。ファンの中には「一言のセリフで空気を変える力があった」と評する人も多い。

鷹森淑乃(黄坂南 役)

ベテラン声優である鷹森淑乃は、落ち着いた大人の女性である南を演じた。長年培ってきた安定感ある声質は、物語の中で“母性”や“導き”を象徴する役割を担い、若いキャラクターたちを包み込むような存在感を与えた。特に青葉やルイと対峙するシーンでは、言葉の重みをしっかりと声に乗せ、キャラクター同士の関係性を深めることに成功している。

雪野五月(津崎静花 役)

静花役を演じた雪野五月(現・ゆきのさつき)は、母親であり指揮官でもある複雑なキャラクターを見事に表現した。娘を戦いへ送り出す厳しさと、母としての愛情がせめぎ合う難しい役どころを、強さと優しさを兼ね備えた声で演じ切った。彼女の演技によって、青葉と静花の関係性は作品の核となり、多くの視聴者の心に残った。

敵役を彩る声優陣

浪川大輔が演じた黒将は、若さゆえの激情と残酷さを併せ持ち、その声色がキャラクターの不安定さを強調していた。平松晶子が演じたシバは、女性でありながら威圧感を放ち、対峙する赤緒を強烈に引き立てた。また、黒田崇矢や宮野真守といった後に大成する声優陣も参加しており、敵役にも厚みを与えている。これらの演技があったからこそ、敵は単なる悪ではなく「人としての魅力と怖さ」を持つ存在となった。

キャスティング全体の評価

『JINKI:EXTEND』は、当時すでに実績のある声優と、新進気鋭の若手をバランスよく起用していた。これにより作品は硬派なストーリーでありながら親しみやすさを持ち、幅広いファン層に受け入れられた。視聴者の感想として「キャラクターの心情が声で伝わってきた」「新人とベテランの融合が作品を活性化させた」といった声が目立ち、声優陣の力が作品の成功に大きく貢献していたことが分かる。

総括

声優陣はそれぞれの個性と演技力を余すことなく発揮し、複雑な人間関係と戦いの物語を立体的に描き出した。青葉や赤緒といった主人公を支える声は、視聴者にとって感情移入の架け橋となり、敵役の迫力ある演技は物語の緊張感を高めた。結果として、『JINKI:EXTEND』は「キャラクターが生きている」と実感できる作品へと昇華し、声優ファンからも高く評価され続けている。

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■ 視聴者の感想

放送当時の初見視聴者の反応

2005年の放送当時、『JINKI:EXTEND』は「女の子がロボットに乗る」という設定に惹かれて視聴を始めた人も多かった。第一話から重厚な設定と戦闘描写が展開され、視聴者の中には「予想以上にシリアスな物語で驚いた」という感想が目立った。ロボットアニメとしての迫力に惹かれる層と、キャラクタードラマに共感する層が分かれ、双方の期待がぶつかり合うことで、放送開始直後から大きな議論を呼んだ。

二重の時間軸への賛否

前半の特徴である「1988年ベネズエラ編」と「1991年東京編」の並行進行は、当時のファンの間で最大の話題となった。斬新だと評価する人がいる一方で、「ストーリーが複雑で混乱した」という声も少なくなかった。肯定派は「パズルを解くように毎週楽しめた」「後半で二つの物語が重なると感動が倍増した」と語るが、否定的な意見としては「一度見ただけでは理解が難しい」「テンポが急ぎすぎてキャラ描写が薄くなった」との感想が寄せられた。

キャラクターへの共感と人気

青葉と赤緒という二人のヒロインを中心に、視聴者はさまざまなキャラクターに思い入れを抱いた。青葉については「等身大の少女が戦う姿に感情移入できた」「母との関係性が切なくもリアル」といった共感が多く、赤緒については「記憶を失った少女の儚さと強さに惹かれた」という声が目立った。特に赤緒のシリアスな場面での演技は、多くのファンの心を揺さぶり、「赤緒を見守りたい」という保護者目線の意見すらあった。

音楽と映像演出の高評価

主題歌「FLY AWAY」と「未来とゆう名の答え」は、放送当時からSNSや掲示板で「名曲」と称されることが多く、楽曲が作品の印象を強めた要因として語られている。オープニングの疾走感は「毎話のテンションを上げてくれる」と評され、エンディングの切なさは「物語の余韻を深めてくれる」と感想が寄せられた。また、映像面では戦闘シーンの重量感ある作画や、静と動を巧みに切り替える演出が好評で、「メカの動きにリアルさを感じた」という意見も多かった。

ネガティブな意見と課題点

一方で、すべての評価が肯定的だったわけではない。物語の進行が速いため「キャラクターの掘り下げが十分でない」という不満もあった。特にメルJやエルニィといったキャラクターの出番が控えめだったことに対して、「もっと活躍を見たかった」という声が根強かった。また、終盤は原作が連載中であったため、オリジナル展開に入ったことが一部のファンから「唐突に感じた」「もっと余裕をもって描いてほしかった」と指摘された。

DVD未放送回の評価

テレビでは放送されなかった第13話がDVD最終巻に収録された際、ファンの間では大きな反響が起きた。追加エピソードによってキャラクターの心情が補強され、「これをテレビで見たかった」という感想が多く寄せられた。未放送回の存在は「商品を購入するモチベーション」になったというファンも多く、パッケージ展開の仕方についても議論が活発化した。

ファンコミュニティでの語られ方

当時はインターネット掲示板やファンサイトが盛んで、視聴者は毎話放送後に考察や感想を共有していた。特に「青葉と赤緒の関係性はどうなるのか」という推測や、「敵組織キョムの真の目的」に関する議論は熱く交わされた。作品を“難解だが考察しがいがある”と評価する人も多く、アニメを超えて“解釈する楽しみ”を生み出した点は本作ならではの魅力だった。

後年の再評価

放送終了後、DVD-BOXや配信で改めて視聴したファンからは「一気見すると流れが分かりやすい」「当時は理解できなかった伏線が回収されていた」と再評価の声が上がった。時間を経て振り返ると「2000年代中盤のロボットアニメとして異色の試みだった」として位置づけられ、今では“隠れた名作”として語る人も少なくない。

総括:感想の多様性が示す作品の奥行き

『JINKI:EXTEND』に対する視聴者の感想は、賛否がはっきりと分かれるものだった。しかしそれこそが作品の強みであり、一人ひとりが異なるキャラクターやテーマに共鳴できる懐の深さを示している。シンプルに「ロボットアニメ」として楽しむ人もいれば、「人間関係のドラマ」として受け止める人もいた。多様な感想が生まれるのは、物語に多層的な魅力が詰まっている証拠であり、今も語り継がれる理由のひとつとなっている。

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■ 好きな場面

青葉が初めて人機に乗り込む瞬間

多くの視聴者にとって忘れられないのは、津崎青葉が“ただのプラモデル好きな少女”から“戦うパイロット”へと踏み出す最初の瞬間だ。母・静花に半ば強制的に操縦席へと押し込まれ、恐怖で声を震わせながらも必死に操縦桿を握る姿は、成長の物語がここから始まることを強烈に印象づけた。ファンからは「ここで鳥肌が立った」「日常が崩壊していく緊張感がすごかった」といった声が多く寄せられている。

赤緒が記憶の断片を思い出す場面

柊赤緒の物語の核心は“失われた記憶”だ。物語の中盤、彼女が断片的に過去の光景を思い出し、涙を流す場面は視聴者の心を強く打った。自分が何者で、なぜ戦っているのかという問いに直面する姿は、戦闘シーン以上に心を揺さぶる。ネット掲示板では「赤緒の涙に自分も泣かされた」「真実を知る恐怖と安堵が入り混じった名場面」と絶賛された。

青葉と赤緒が交錯するシーン

物語が二つの時間軸から一つに収束していく中で、青葉と赤緒の存在が重なり合う瞬間は、多くのファンにとってハイライトだった。異なる場所・異なる時間を生きていた二人が、やがて同じ未来を共有するかのように描かれるそのシーンは、演出面でも光と影のコントラストが美しく、作品全体のテーマである“継承と選択”を象徴するものとなった。

ルイの冷静な決断

黄坂ルイが、仲間を守るためにあえて冷徹な判断を下す場面も印象的だ。感情に流されず、自らを犠牲にする覚悟を見せる彼女の姿に、ファンは「かっこいい」「ルイが一番大人だ」と称賛の声を寄せた。田村ゆかりの抑えた声色が、その決意の重みを一層際立たせ、後のキャラクター人気にも繋がった。

エルニィの明るさが救いとなる場面

戦いに明け暮れる仲間たちの中で、立花エルニィが冗談を言い、皆を笑わせる場面は“日常を取り戻すひととき”として多くのファンの心に残った。特にシリアスなエピソードの合間に差し込まれる彼女の明るさは、「緊張の糸を緩めてくれる存在」として視聴者から支持された。後に悲しい場面と対比されることで、エルニィの言葉や笑顔がさらに大切に感じられるという意見もあった。

静花と青葉の母娘対立

母・静花と娘・青葉が激しく衝突するシーンは、単なる親子喧嘩ではなく「戦うことの意味」を真正面からぶつけ合う場面だった。静花の「あなたは選ばれた存在」という言葉に反発する青葉の涙は、視聴者にも複雑な感情を呼び起こした。「どちらの気持ちも理解できるからこそ苦しい」「親子の関係性がドラマの深みを増した」といった感想が目立った。

敵キャラクターの強烈な登場シーン

黒将やシバといった敵キャラクターが初めて登場する場面も、ファンに強烈な印象を与えた。特に黒将が放つ冷酷な一言や、シバの圧倒的な存在感は「主人公たちが立ち向かう壁の高さ」を明確に示すものだった。敵でありながら魅力的に描かれたことで、「悪役がかっこいい」「敵キャラの方が気になってしまう」という意見すら見られた。

クライマックスの決断

物語終盤、青葉や赤緒が自分の意思で“戦う道”を選ぶ場面は、多くの視聴者の心を震わせた。これまで強いられてきた運命を受け入れるのではなく、“自分で選び取る”という姿勢が鮮烈に描かれ、作品全体のテーマを凝縮する名場面となった。ファンの声としては「少女たちの決断が自分の人生にも響いた」「単なるアニメの枠を超えた」といった感想が寄せられている。

エンディングへの流れと余韻

最終話でエンディングテーマ「未来とゆう名の答え」が重なる瞬間は、数多くの視聴者が「涙が止まらなかった」と語るシーンだ。物語の余韻と楽曲が重なり、戦いの果てに残されたものの尊さを強調する。映像と音楽が完全に融合したこのラストは、“好きな場面”ランキングで常に上位に挙げられる名シーンとなっている。

総括:視聴者が心に残した光景

『JINKI:EXTEND』は、派手な戦闘だけでなく、キャラクター同士の衝突や心の揺れが強く記憶に刻まれている。好きな場面として挙げられるのは、必ずしもアクションのクライマックスではなく、“キャラクターが選択した瞬間”や“関係性が揺らいだ瞬間”であることが多い。これは本作が単なるロボットアニメにとどまらず、心情劇として深く受け止められた証といえるだろう。

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■ 好きなキャラクター

津崎青葉 ― 成長物語に共感する主人公

青葉は「普通の少女が戦場に立たされる」という境遇から、視聴者にとって感情移入しやすい存在だった。最初は不安と恐怖に押し潰されそうになりながらも、仲間や母を守るために少しずつ覚悟を固めていく姿は「自分の成長」と重ねる視聴者が多かった。ファンからは「一番人間らしい主人公」「苦しみながらも前に進む姿に励まされた」といった声が目立ち、特に中高生層に強い支持を受けた。

柊赤緒 ― 儚さと強さを併せ持つヒロイン

赤緒は記憶喪失という設定が彼女を特別な存在にしている。過去を失いながらも、自分の居場所を守るために戦う姿は「切ないけれど強い」という二面性を示し、視聴者を惹きつけた。戦闘中の凛とした表情と、普段の優しげな笑顔とのギャップも人気の理由であり、ファンの間では「一番応援したくなるキャラ」として挙げられることが多い。

黄坂ルイ ― クールで知的な女性像

ルイは冷静沈着な判断力と強い自立心を持ち、仲間の中でも一線を画す存在だ。感情に流されない姿勢が「大人っぽい」「頼れる」と評価され、女性ファンからの支持も高かった。さらにキャラクターソングで見せた内面の揺れは、本編では見られない一面を補完し、「本当は孤独を抱えているのでは」と深読みするファンも少なくなかった。人気投票では常に上位に位置し、“作品のもう一人の象徴”とされることも多い。

立花エルニィ ― 癒しと明るさの象徴

戦いが続く重苦しい世界で、エルニィは常に場を和ませる存在だった。視聴者からは「暗い展開の中で唯一笑顔になれるキャラ」として愛され、コメディリリーフ的な役割に救われたという声も多い。だが、明るさの裏にある優しさや責任感を垣間見せる場面では、「彼女の存在がなければ仲間たちは壊れていただろう」と高く評価され、ファンにとって欠かせないキャラクターとなった。

メルJ・ヴァネット ― 少数派ながら根強い支持

メルJは登場機会が少なめでありながら、一言ごとの重みがファンの印象に残った。冷静で中立的な立ち位置を好む視聴者からは「隠れた推しキャラ」として支持され、SNSやファンサイトでも「もっと活躍してほしかった」という声が頻繁に見られた。彼女の静かな存在感に魅力を感じる層は根強く、作品を何度も見返す中で「じわじわ好きになるキャラ」とも言われている。

津崎静花 ― 賛否両論を呼ぶ母親像

青葉の母であり、同時に厳しい指揮官としての顔を持つ静花は、ファンの間で強く議論を呼んだ。「母親としては冷酷すぎる」という否定的な声もあれば、「娘を生かすための決断をした強い母」と賞賛する声もあり、その二面性こそが人気の理由だったとも言える。複雑なキャラクター性は大人の視聴者に響き、「若い頃は嫌いだったが、年を取ってから理解できるようになった」という感想も見られた。

黒将・シバなど敵キャラのカリスマ性

悪役ながら人気の高いキャラクターも多かった。黒将の冷酷な美学や、シバのカリスマ性は「敵でありながら魅力的」と評され、「彼らがいなければ物語の緊張感は生まれなかった」と語るファンも多い。特に黒将は「若さゆえの残酷さ」を表現した浪川大輔の演技によって印象深く、アンチヒーロー的な支持を得た。

ファンコミュニティでの推しキャラ論争

当時の掲示板や同人誌界隈では、「青葉派」「赤緒派」「ルイ派」に分かれて盛り上がることも多かった。それぞれが“推しキャラ”の魅力を語り合い、イラストや二次創作を通じて人気を可視化した。この“誰を好きになるか”で盛り上がれるのも、本作がキャラクター造形に力を入れていた証拠である。

総括:多様な“好き”が共存する作品

『JINKI:EXTEND』は、青葉や赤緒のように物語の中心に立つキャラクターだけでなく、ルイの冷静さやエルニィの明るさ、さらには敵キャラのカリスマ性まで、幅広く「好き」と思わせる余地を持っていた。ファンの間では「一人を推すより、全員が揃ってこそ魅力が増す」という声も多く、多彩なキャラクター性が本作の厚みを支えていたといえる。

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■ 関連商品のまとめ

映像関連商品 ― DVD・BOX・未放送回の収録

『JINKI:EXTEND』の放送終了後、映像商品としては単巻DVDが順次リリースされ、最終巻にはテレビ未放送の第13話が収録された。これにより「本編の理解が深まる」としてファンの購買意欲を大いに刺激した。さらに2008年にはDVD-BOXも発売され、コンプリート志向のファンに向けてブックレットやノンクレジットOP・ED映像といった特典が付属。コレクターからは「ボックスは作品を再評価するきっかけになった」と好評を博した。近年では配信プラットフォームでの視聴も可能となり、映像商品はファン層の拡大に寄与している。

書籍関連 ― 小説とガイドブック

原作漫画『ジンキ』シリーズを基盤に、アニメ版に合わせた書籍展開も行われた。特筆すべきは、マッグガーデンから刊行されたノベルス版『ジンキ・エクステンド EXTRA SIX』で、原作・綱島志朗監修のもと、アニメとは少し異なる角度からキャラクターを掘り下げている。また、「TVアニメーションJINKI:EXTENDスターターブック」や「パーフェクトガイドブック」といった解説本も発売され、キャラ設定や美術設定、声優・スタッフインタビューなどが掲載されていた。これらは視聴者が作品世界をより深く理解するための“資料的価値”を持ち、今も中古市場で需要が高い。

音楽関連 ― サントラ・シングル・キャラソン

音楽商品は、主題歌シングルCD、サウンドトラック、キャラクターソングアルバムと幅広く展開された。OP「FLY AWAY」とED「未来とゆう名の答え」は単独でシングルリリースされ、アニメファンだけでなくアーティストのファンからも注目を集めた。さらに川井憲次が手掛けたオリジナルサウンドトラックは重厚なBGMを網羅し、戦闘シーンを思い出させる楽曲群が人気を得た。キャラクターソングでは黄坂ルイ(CV:田村ゆかり)のアルバムが特に評価され、「本編では語られない内面を知れる」とファンに支持された。

ドラマCDとイメージアルバム

『JINKI:EXTEND』はドラマCD展開にも力を入れており、本編補完やキャラクターの日常を描いたオリジナルストーリーが制作された。戦闘一辺倒ではないキャラ同士の交流やコメディ要素が盛り込まれ、ファンの間で「本編の緊張感を和らげてくれる存在」として好評を博した。また、イメージソングを交えた構成となっているCDもあり、歌とドラマが融合することでキャラクターの新たな一面を引き出すことに成功している。

ホビー・おもちゃ関連

人機(ジンキ)をモデルとしたプラモデルやフィギュアの展開は数は限られていたが、ファンのコレクション心をくすぐるアイテムとして登場した。特にメカデザインの立体化は、アニメならではの重量感やディテールを楽しめると評判だった。加えて、キャラクターをデフォルメ化したトレーディングフィギュアやガチャガチャ景品など、ライト層向けのグッズも展開され、イベント会場やアニメショップで人気を博した。

文房具・雑貨・日常グッズ

2000年代中盤はキャラクターグッズの多様化が進んでいた時期であり、『JINKI:EXTEND』も例外ではなかった。クリアファイル、下敷き、ポスター、カレンダー、キーホルダーなどがリリースされ、アニメ雑誌の付録にも描き下ろしイラストを使ったアイテムが登場した。これらは学生ファンを中心に身近に楽しめる商品として好評で、「学校や職場で使えるさりげないグッズ」として人気を集めた。

イベント関連グッズ

アニメ放送時には関連イベントや即売会も行われ、そこでは限定グッズが販売された。ブロマイドやイベント限定ポスター、声優サイン入りの特製CDケースなど、数量限定アイテムはコレクターズアイテムとして今も高い人気を誇る。イベントでのトークショーやライブで披露された主題歌とともに、物販の記憶はファンにとって特別な思い出となった。

総括:商品展開の多層性

『JINKI:EXTEND』は、放送期間こそ短かったが、関連商品は多方面に広がった。映像商品で本編を補完し、書籍で世界観を深掘りし、音楽でキャラクターを掘り下げ、ホビーや文具で日常に寄り添う。こうした多層的な展開により、作品は放送終了後も長くファンの心に残り続け、コレクションの対象となり続けている。関連商品は単なる周辺ビジネスではなく、作品体験を広げる重要な要素だったといえる。

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■ オークション・フリマなどの中古市場

映像関連商品の流通と価格傾向

『JINKI:EXTEND』関連で最も安定して出品されているのは、やはり映像ソフトである。2005年当時にリリースされた単巻DVDは比較的出回りが多く、ヤフオクでは1巻あたり数百円〜1,500円程度で取引されることが多い。特に最終巻に収録された未放送第13話はファンにとって必携のアイテムであり、他巻に比べて需要が高く、美品であれば2,000円を超える落札例も少なくない。 2008年発売のDVD-BOXは流通数が限られているため、現在も中古市場で高めの評価を受けている。出品価格は8,000〜15,000円前後で推移しており、帯や特典ブックレット付きの完品はプレミア化する傾向がある。コレクターは「未開封」「状態良好」を重視するため、外箱に日焼けや傷があると価格が2〜3割下落する場合もある。

書籍関連の希少性

小説版『ジンキ・エクステンド EXTRA SIX』や「スターターブック」「パーフェクトガイドブック」は、中古市場でも安定して人気がある。特にガイドブックはフルカラー設定資料やスタッフインタビューが収録されているため、ファンにとって資料的価値が高い。ヤフオクでは2,000〜4,000円前後で落札されることが多く、保存状態の良いものはそれ以上の値が付く。 また、当時のアニメ雑誌に掲載されたピンナップや特集記事もコレクター需要があり、「ニュータイプ」「アニメディア」などのバックナンバーは1冊1,000円前後で取引される。ポスターや付録が揃っている場合はさらに高騰し、希少性の高いイラストページは額装用として扱われることもある。

音楽関連 ― サントラとキャラソンCD

主題歌CDやサウンドトラックも中古市場で根強い人気を保っている。unicorn tableの「FLY AWAY」シングル、angelaの「未来とゆう名の答え」シングルは出品数が多く、1,000〜2,000円台で落札されるケースが一般的。保存状態や帯の有無が価格を左右する要素となっている。 一方で、黄坂ルイ(CV:田村ゆかり)のキャラクターソングアルバムは需要が高く、2,500〜4,000円程度で安定して取引されている。発売当時から田村ゆかりファン層が厚かったこともあり、アニメファン以外の層からの需要もあった点が価格を押し上げている要因だ。サウンドトラックは比較的入手しやすいが、美品は2,000円を超える落札も珍しくない。

ドラマCDの市場価値

ドラマCDはファンの補完需要が高く、現在も一定の価格を維持している。『JINKI:EXTEND Vol.1』『Vol.2』はどちらもシナリオ性が高く、キャラクターの日常を知る手がかりとなるため、まとめて出品されると5,000円前後で落札されることもある。単品では2,000円前後が相場で、帯付き・未開封ならさらに高騰する。中古市場では「ストーリーの続きが聴ける唯一の公式メディア」として評価されており、熱心なコレクターにとっては外せないアイテムとなっている。

ホビー・フィギュア・プラモデル関連

人機(ジンキ)の立体物は数が少ないため、オークションに出品されると注目を集めやすい。特に当時販売されたプラモデルは、完成品よりも未組立品が高額で取引され、5,000〜7,000円に達することもある。ガチャポンサイズのトレーディングフィギュアはコンプリートセットで3,000円前後が相場だが、単品でも人気キャラクターは500〜1,000円程度で売買されている。 また、イベント限定品や誌上通販アイテムは希少性が高く、数が出ない分、コレクター同士の競り合いで価格が急騰するケースもある。

文房具・雑貨グッズ

当時アニメショップで展開されていたクリアファイルやポスター、キーホルダーといったグッズは、オークションやフリマでも出品数は多くない。1点あたり500〜1,500円程度で落札されることが多いが、キャラクターデザインが描き下ろしのアイテムは高騰することがある。特にイベント限定のテレホンカードや図書カードはコレクター人気が根強く、状態が良ければ2,000〜3,000円以上の値がつく場合もある。

市場全体の動向と今後

『JINKI:EXTEND』の中古市場は、現在も小規模ながら安定して需要が存在する。爆発的な価格高騰はないが、ファン層が根強いため出品されると一定の競争が起こる。特にDVD-BOX、ガイドブック、キャラソンCD、ドラマCDの4分野は安定した人気カテゴリーだ。近年はメルカリなどフリマアプリでライトファンが購入しやすくなり、相場も比較的安定している。 今後も「配信では補えない特典映像」や「当時の資料的価値」を持つ商品はコレクション対象として残り続けると考えられる。ファンにとっては“作品を手元で感じるための財産”であり、中古市場はその入口として今も機能している。

総括

中古市場での『JINKI:EXTEND』関連商品の取引状況を見ると、作品が持つ“隠れた名作”としての立ち位置がよく分かる。新作アニメのような派手な高騰はないものの、長年にわたってコレクターに支持され続けていること自体が、この作品の根強い魅力の証明といえるだろう。

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