【中古】[Xbox] Project Gotham World Street Racer(プロジェクト ゴッサム ワールドストリートレーサー) マイクロソフト (20020222)
【発売】:マイクロソフト
【発売日】:2002年2月22日
【ジャンル】:レースゲーム
■ 概要
作品の登場背景とXboxローンチタイトルとしての位置付け
2002年2月22日、マイクロソフトが日本市場に投入した家庭用ゲーム機「Xbox」のローンチタイトルの一つとして発売されたのが『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』です。正式名称は「Project Gotham Racing(海外版)」で、日本では「プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー」として登場しました。本作は単なるレースゲームにとどまらず、スピードとスタイルの両方を重視する独自のコンセプトを打ち出し、当時のゲームファンや自動車愛好家に強い印象を与えました。
メトロポリス・ストリート・レーサーからの進化
本作のベースとなっているのは、セガのドリームキャスト向けに発売されていた『メトロポリス ストリート レーサー(MSR)』です。『MSR』で確立された「走りの美学」を追求するゲーム性をさらに発展させ、よりリッチなグラフィック表現と豊富な車種ラインナップを導入することで、新たなスタンダードを打ち立てました。Xboxのパワフルなグラフィック性能をフルに活かし、当時としては非常にリアルな街並みや車体モデルを再現したことが大きな特徴でした。
収録車種とメーカーライセンス
ゲーム内に登場する車両は、世界的に有名な自動車メーカー29社から正規ライセンスを受けて再現されています。フェラーリ、ポルシェ、アストンマーティン、BMW、ロータス、日産、トヨタなど、国内外の名だたるスポーツカーが勢ぞろいし、プレイヤーは憧れの名車を操って世界各都市を駆け抜けることができます。実車のデザインやエンジン音、挙動までも徹底的に研究され、当時のレースゲームとしてはトップクラスのリアリティを実現していました。
世界の大都市を舞台にしたコース設計
レースの舞台は、東京・ロンドン・サンフランシスコ・ニューヨークといった世界有数の大都市。これらの都市は実在する街並みを忠実に再現しており、プレイヤーは観光名所を駆け抜ける爽快感を味わえました。東京では都心の高層ビル群や夜景、ロンドンではビッグ・ベンやタワーブリッジ、サンフランシスコでは坂道やゴールデンゲートブリッジ、ニューヨークでは摩天楼の間を駆け抜けるといった、各都市ならではの特徴を活かしたコースデザインは大きな魅力となりました。
「Kudos」システムによるスタイル重視のレース
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の最大の特徴は、単に速さだけを競うのではなく、ドライビングスタイルやテクニックを評価する「Kudos(クードス)」システムです。ドリフト、ドーナツターン、ニアミスといったスタイリッシュな運転を成功させることでポイントが加算され、逆に壁への衝突やスピンでポイントが減点されます。これにより、単なるタイムアタックではなく「いかにカッコよく走るか」が勝敗を左右する新感覚のレース体験が提供されました。
ゲームモードと進行要素
本作には「カリエラモード」と呼ばれるキャリア進行型モードが用意されており、プレイヤーは各都市を巡りながらレースやチャレンジをクリアし、車やコースを解放していきます。また、シングルレースやタイムアタック、マルチプレイといったモードも充実しており、長期的に楽しめる設計になっていました。特にマルチプレイはXboxの通信機能と親和性が高く、友人同士での白熱した対戦が楽しめたことも魅力です。
リアルとアーケードの融合
本作は、リアルな車体モデルと都市再現度の高さでシミュレーション要素を持ちながらも、操作感はあくまでアーケードライクに調整されています。ドリフトは現実的な挙動を模倣しつつも操作しやすく、初心者でも手軽に「魅せる走り」が可能でした。この絶妙なバランスが、グランツーリスモのような硬派なシミュレーションレースと、アーケード系の娯楽性を兼ね備えたタイトルとして、幅広いファン層に受け入れられた要因です。
■■■■ ゲームの魅力とは?
スピードとスタイルを同時に追求する独自のゲーム性
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』最大の魅力は、他のレースゲームではあまり見られなかった「速さ」と「カッコよさ」を両立して競わせるゲーム性にあります。従来のレースゲームは「ゴールに一番早く到達する」ことに比重を置いていましたが、本作はそれだけでは勝てません。コーナーで華麗にドリフトを決めたり、障害物すれすれを走り抜けたりすることで加算される「Kudos(クードス)」というスタイルポイントが大きな役割を果たすのです。 このシステムによって、単なるタイム短縮ではなく「いかに観客を魅了できる走りを見せるか」という新しいレース体験が可能になりました。プレイヤーは最速を目指すだけでなく、走行の美しさやリスクを伴うテクニックに挑戦することで高得点を狙えます。そのため、従来のシミュレーション寄りのタイトルに比べ、遊ぶたびに異なる楽しみ方ができるのが特徴です。
世界の都市を舞台にした臨場感あふれるレース
本作の舞台となるのは、東京・ロンドン・サンフランシスコ・ニューヨークといった国際的に有名な大都市。しかも単に名前を借りただけではなく、実際の街並みを忠実に再現している点がプレイヤーの心を掴みました。たとえば東京のコースでは、ネオンに照らされた摩天楼を駆け抜け、渋谷の交差点やレインボーブリッジを再現したエリアを疾走できます。ロンドンではバッキンガム宮殿やテムズ川沿いの街並みを背景に走り、サンフランシスコでは有名な急勾配の坂道とケーブルカーを避けながらドリフト。ニューヨークでは摩天楼の谷間を突き抜け、タイムズスクエアの煌びやかな看板を横目に疾走する高揚感を味わえました。 当時のハードウェアでここまで街を精細に描写するのは挑戦的で、Xboxのグラフィック性能を世に示すデモンストレーション的役割も果たしていたのです。プレイヤーは自宅にいながら、世界を旅するように各都市を走り抜けることができ、観光とレースが融合したユニークな体験を楽しめました。
リアルな車両モデリングと爽快な操作感
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』には、フェラーリ、ポルシェ、ロータス、日産、トヨタなど29社からライセンスを受けた実在車両が登場します。当時のレースゲームはオリジナルの架空車両を使うことも多かったのですが、実在の車を忠実にモデリングしたことで、車好きの心を強く惹きつけました。 さらに、車両の挙動は現実に基づきながらも、完全なシミュレーターほど難解ではなく、あくまで「遊んでいて気持ち良い」操作感に調整されています。アクセルを踏み込めば車体は軽快に反応し、ドリフトを決めると画面いっぱいにスモークが舞い上がる。そうした演出がプレイヤーに爽快感を与え、現実では味わえない「都市を自由に駆け抜ける快感」を再現しました。
Kudosポイントが生む中毒性
Kudosシステムは、単なる加点方式にとどまりません。ドリフトやニアミス、華麗なオーバーテイクで得られるポイントは、コンボのように連鎖させることで一気に加算される仕組みになっています。そのため、プレイヤーは「いかにリスクを冒して連続技を繋げるか」を常に考えながら走ることになります。速さだけでなく、観客を魅了する「魅せる走り」が高スコアにつながるという点が、従来のレースゲームとの差別化要素となっていました。 この独自の評価基準によって、レースに勝てなくても「スタイル」で上位に食い込むことが可能となり、プレイヤーの挑戦意欲を引き出す仕組みが確立されていたのです。単純な勝敗だけでなく、プレイそのものを楽しむ動機が用意されていたことが、多くのユーザーから高い評価を受けました。
マルチプレイの熱狂
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、マルチプレイでも大きな魅力を発揮しました。オフラインでの画面分割対戦はもちろん、Xboxのネットワーク機能を活用したオンライン要素も話題を呼びました。特に、当時まだ黎明期だったオンラインレース体験を家庭用ゲーム機で楽しめることは、次世代機としてのXboxの強みを象徴するものでした。 友人と同じ部屋でワイワイ盛り上がるも良し、世界中のプレイヤーと競い合うも良し。スタイルポイントをどれだけ積み重ねられるかで勝敗が変わるため、常に新しい駆け引きが生まれ、レース展開が読めないスリリングさを味わえます。
豊富なモードとやり込み要素
シングルプレイモードでは、各都市を舞台とした「カリエラチャレンジ」が用意され、レースで好成績を収めることで新しい車やコースが解放されます。レースの種類も多彩で、タイムアタック、ゲートスラローム、ドリフトチャレンジなど、プレイヤーの技術を多角的に試す構成になっています。 さらに、車両のコレクション要素が強く、全車種を集めるためには何度もチャレンジを繰り返す必要があります。コースを走り込むことで「自分だけの走り方」を確立し、Kudosを効率よく稼ぐ方法を模索する過程は、本作ならではのやり込み要素と言えるでしょう。
音楽とサウンドデザインの迫力
BGMや環境音もまた、本作の大きな魅力です。都市ごとに異なる雰囲気を演出する音楽が流れ、レース中の緊張感やスピード感を盛り上げます。特にサンフランシスコのコースでは、爽快感あふれる音楽と街の喧騒が絶妙に組み合わさり、実際に街を走っているかのような没入感を与えてくれます。また、エンジン音やタイヤのスキール音もメーカーごとにリアルに再現されており、車好きにとってはたまらないディテールでした。
グラフィックと技術的進化の証明
2002年当時、XboxはソニーのPlayStation 2や任天堂のゲームキューブと競い合う立場にありました。その中で本作は、ハードの持つポテンシャルを示す存在として重要な役割を担いました。HDR風のライティング、リアルな反射表現、細部まで作り込まれた街並みなどは、プレイヤーに「新世代機らしさ」を強く印象づけました。夜の東京を走るシーンで、ビルの窓に反射する車体の光や、雨上がりの路面に映り込む街灯の輝きは、当時としては画期的で、レースゲームの表現力の進化を体感できるものでした。
「遊び方の自由度」とリプレイ性
本作では、必ずしも勝利を収めなくても、Kudosを多く稼ぐことで新しい車やコースをアンロックできます。そのため、プレイヤーによって戦略がまったく異なるのが特徴です。あるプレイヤーはひたすら速さを追求し、最短ルートを選んでゴールを目指す一方で、別のプレイヤーはドリフトを繋げて観客を沸かせ、華麗な運転でKudosを稼ぐ。どちらのアプローチも正解であり、自由度の高さが繰り返し遊びたくなる理由となっていました。 さらに、リプレイ機能によって自分の走行を後からじっくり鑑賞できるのもファンには嬉しい要素でした。自分の操作を客観的に見て反省するだけでなく、まるでレーシング映像を観戦しているような感覚を楽しめたのです。
ゲーム文化への影響
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、単なるゲームとしての成功にとどまらず、その後のレースゲームの方向性にも影響を与えました。特に「Kudosシステム」は、のちの多くのタイトルに見られる「スタイル重視のポイント制」や「観客を楽しませる走りを評価する要素」に繋がり、後続作品のデザイン思想にも影響を残しました。さらに、世界中の都市を舞台にしたリアルなレース体験は、後年の『プロジェクトゴッサム』シリーズや『Forza Motorsport』『Forza Horizon』といったXboxを代表するレーシングフランチャイズの土台にもなっています。
まとめ:次世代レースゲームの扉を開いた存在
本作が当時のプレイヤーに与えた衝撃は大きく、「速さ」だけでなく「美しさ」を競うという新しい視点を広めた功績は、20年以上経った現在でも語り継がれています。グラフィック、サウンド、ゲーム性、オンライン機能、そして車両ライセンスの充実と、当時の最先端を詰め込んだタイトルであり、Xboxという新しいハードの可能性を強烈にアピールしました。 『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、単なるレースゲームに留まらず、プレイヤーに「ドライビングをエンターテインメントとして楽しむ」という体験を提供した点において、非常に価値のある作品だったと言えるでしょう。
■■■■ ゲームの攻略など
攻略の基本方針 ― スピードとスタイルの両立
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』を攻略するうえで最初に意識すべきことは、「速さ」と「カッコよさ」の両立です。本作ではゴール順位だけでなく「Kudos(クードス)」ポイントが大きな評価基準となっているため、タイム短縮のために無理やり直線的に走るだけでは高得点が得られません。逆に、ドリフトやニアミス、スライド走行を積極的に取り入れることでKudosを稼ぎつつ、順位が低くても総合的に勝利できる場合があります。 攻略の第一歩は、「ただ速く走る」から「観客に魅せる走りを意識する」へと発想を切り替えることです。
ドリフトの極意 ― Kudosを稼ぐ最重要テクニック
本作の核となるテクニックが「ドリフト」です。ドリフトは単にコーナーを曲がるための技術ではなく、Kudosを連続して獲得するためのチャンスを生み出します。ドリフトを長く維持すればするほどポイントが高まり、さらに次のアクションに繋げればコンボが成立します。 ドリフトを安定して決めるためには、以下のポイントを意識する必要があります。 1. 進入速度の調整:速すぎると即スピンし、遅すぎるとドリフトが成立しません。コーナー手前で軽くブレーキを踏み、進入角度を作るのがコツです。 2. スティック操作:ハンドルを急激に切るとバランスを崩すため、やや滑らかに切り込むことを心がけます。 3. アクセルワーク:踏みすぎればオーバーステア、緩めすぎればアンダーステア。常に車体が横を向きすぎないよう、微調整しながら維持します。 4. コーナーの連続性:S字カーブではドリフトを切り返して連続コンボを狙うことで高得点が可能になります。
ドリフトは習熟するまでに時間がかかりますが、一度コツを掴めばKudos稼ぎの主力となり、ゲーム攻略が一気に楽しくなる要素です。
ニアミスとクリーンセクション ― リスクと報酬のバランス
Kudosを得るもう一つの重要な方法が「ニアミス」と「クリーンセクション」です。ニアミスは対向車や障害物のすぐ近くをギリギリで通り抜けることで得点が加算されます。ただし、接触すれば大幅にポイントを失い、車体の挙動も崩れるため、リスクを伴います。 一方で「クリーンセクション」は、一定区間を他車や壁に接触せず走り抜けることで得られるポイントです。これはドリフトやスピードを維持しながら、冷静にライン取りを行うことが求められます。スリリングな走りとクリーンな走行、この二つをどう両立させるかが高スコア攻略の鍵となります。
キャリアモードの進め方と解放要素
キャリアモードでは、プレイヤーは様々な都市を舞台にしたイベントに挑戦し、報酬やKudosを獲得していきます。最初は限られた車しか選べませんが、レースで成果を積むごとに新しい車種やコースがアンロックされていきます。 攻略のコツとしては、序盤は扱いやすい車を選び、ドリフトやニアミスで確実にKudosを稼ぎながら進めることです。いきなり最高速重視のマシンを選んでしまうと操作が難しく、かえってタイムを落としてしまう可能性があります。中盤以降は高性能車を手に入れられるため、それまでに十分なKudosを蓄えておくとスムーズに進行できます。
難易度と学習曲線
本作の難易度は一見すると高く感じられるかもしれません。特に、速さだけでなくスタイルを意識しなければならない点は、従来のレースゲームに慣れているプレイヤーにとって新鮮でありながらも難所となります。しかし、ゲーム全体の設計は「プレイヤーを成長させる」ことを意識しており、最初は簡単な課題から始まり、少しずつ複雑なチャレンジにステップアップしていきます。 また、練習を重ねることで自分の操作が目に見えて上達する感覚を味わえるため、難しさがそのまま達成感に変わる仕組みが整っています。
おすすめの車とセッティング
攻略を意識する際には、車の選択とセッティングも重要です。たとえば、フェラーリやポルシェはトップスピードが魅力ですが、初心者には扱いが難しい傾向があります。一方、ロータスや日産のスポーツカーは軽快でドリフトもしやすいため、Kudos稼ぎに適しています。 また、コースによっては加速性能を重視するか、最高速を重視するかの判断が必要になります。ロンドンのようにタイトなコーナーが多いコースでは加速重視、サンフランシスコやニューヨークのような直線が多いコースでは最高速重視が攻略の近道となります。
隠し要素と裏技
本作には、一定条件を満たすことで解放される隠し車両やコースが複数用意されています。特定の都市で高得点を記録したり、全てのチャレンジをクリアしたりすることで、憧れの限定車が手に入ります。これにより、単なるクリアだけでなく「すべての要素を解放する」というやり込み要素が追加され、長時間プレイしても飽きにくい設計になっています。 さらに、プレイヤーの間では「Kudosを効率よく稼ぐ方法」や「特定のコースでスコアを稼ぐルート」などが研究され、裏技的なテクニックとして共有されました。例えば、あるコーナーでわざと減速し、長いドリフトを繋げることで通常の2倍近いKudosを稼ぐ方法などが話題になりました。
リプレイ分析によるスキルアップ
攻略を突き詰めたいプレイヤーにとって、本作のリプレイ機能は欠かせない要素でした。レース後には自分の走行を様々なカメラアングルから確認でき、どの場面でラインを誤ったのか、どのタイミングでドリフトが途切れたのかを客観的に分析できます。これにより、自分の運転スタイルを改善し、次のレースに活かすことができました。ある意味で、本作は単なるエンターテインメントを超えて「ドライビング学習ツール」としての側面も持っていたと言えるでしょう。
スコアアタックと自己記録の更新
本作には「終わりのない挑戦」が用意されています。クリア自体は可能でも、Kudosを最大限に稼ごうとすると途端に難易度が跳ね上がり、理想的な走りを追求することになります。ドリフトをどの角度で始めるか、障害物との距離をどこまで攻めるか、タイムを削るためにどこでブレーキを踏むかなど、わずかな操作がスコアに直結するため、研究のしがいがあります。 ランキングやスコアを友人と競い合うことで、同じコースでも何度も挑戦したくなる。この「挑戦心を刺激する設計」が、プレイヤーを長期間惹きつける要因でした。
まとめ ― 攻略は「自分を磨く過程」そのもの
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の攻略において重要なのは、単なるレース勝利ではなく、自分の運転技術をいかに磨き、観客を魅了する走りを積み重ねるかです。ドリフト、ニアミス、クリーンセクション、そして車両選択やコース戦略。これらを意識してプレイを重ねることで、自然とKudosが伸び、全ての車種やコースを解放できるようになります。 攻略を突き詰めていく過程そのものが、このゲームの本質的な楽しさにつながっています。速さと美しさの両立を目指すその挑戦は、プレイヤーに「ただゴールを目指すだけのレースでは物足りない」と感じさせるほどの深みを与えてくれるのです。
■■■■ 感想や評判
発売当時の注目度と話題性
2002年2月22日に『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』がXbox本体と同時に発売されたとき、多くのゲームファンやメディアは「マイクロソフトが日本市場に殴り込みをかける切り札」として大きな注目を寄せました。当時、すでにプレイステーション2が圧倒的なシェアを築いており、新参ハードであるXboxがどのように存在感を示すかが焦点になっていました。そこで重要な役割を担ったのが、本作を含むローンチラインナップでした。 「実在の名車をリアルな街並みで走らせ、スピードだけでなくスタイルで勝負する」というコンセプトは、日本のゲーム雑誌やテレビ番組でも大きく取り上げられました。特に『グランツーリスモ』が席巻していた時代に、別の価値観を提示した本作は「新鮮さ」を武器に、一定のファンを惹きつけることに成功しました。
プレイヤーからの好意的な評価
実際にプレイしたユーザーからは、「ドリフトを繋げてKudosを稼ぐ感覚が中毒性が高い」「単なるタイムアタックではなく、見せ方を意識するのが楽しい」といった声が多く寄せられました。特に、走行中に観客の反応が画面上に反映される演出は臨場感を高め、プレイヤーのモチベーションを刺激しました。 また、グラフィックの美しさも高評価を得ています。夜の東京を走ると、ビルのガラスにヘッドライトの光が反射し、路面が雨で濡れているとリアルに光が揺らめく。これらの表現は当時の家庭用ゲームとしては革新的で、多くのプレイヤーが「本当にその街を走っているようだ」と感動しました。
海外での評価と日本での受け止め方
海外市場、とくにアメリカとヨーロッパでは、『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は高い評価を受けました。『Metropolis Street Racer』の精神的後継作として期待されていたこともあり、「より洗練されたグラフィックと操作感で、次世代機の力を見せつけた」と評価されました。海外のレビューでは「グランツーリスモに対抗しうる唯一のタイトル」として取り上げられることもあり、Xboxを選ぶ理由の一つに数えられたほどです。 一方、日本ではやや厳しい評価が多かったのも事実です。当時の日本市場はすでにPlayStation 2の独壇場であり、同ジャンルの代表作『グランツーリスモ3 A-spec』の存在感が大きすぎました。リアル志向のシミュレーションを好む日本のプレイヤーにとって、「スタイル重視の評価システム」は新鮮でありながらも少々馴染みにくく、賛否が分かれる要因となりました。
批評家からのレビュー
ゲーム雑誌やWebレビューにおいても、『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は総じて高評価を獲得しました。グラフィックの美しさ、都市再現の精密さ、そして何より「Kudosシステム」の革新性が評価され、「レースゲームの新しい基準を打ち立てた」と絶賛されました。 ただし、一部の批評家は「ゲームとしてのシンプルさ」を指摘しています。速さとスタイルを競うシステムは斬新ではあるものの、基本的なレース構造が繰り返しになりがちで、長時間プレイすると単調に感じるという意見もありました。
ファン層の広がりとコミュニティの形成
本作のユニークな点は、レースゲームファンだけでなく、車好きや海外の都市文化に興味のあるプレイヤー層を取り込んだことです。東京やロンドンの街並みをドライブできるだけで満足するプレイヤーも多く、観光気分で楽しむユーザーも少なくありませんでした。 さらに、当時盛り上がりを見せ始めていたインターネット掲示板やゲームコミュニティでは、「どの車種でどのコースを走れば効率的にKudosが稼げるか」といった攻略情報が活発に交換され、プレイヤー同士の研究や動画の共有が盛んに行われました。この文化は後の『プロジェクトゴッサム レーシング2』や『Forza Horizon』シリーズにも受け継がれ、オンラインコミュニティの基盤を形作るきっかけとなったといえます。
音楽と雰囲気への高い支持
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』のもう一つの魅力は、音楽や演出に関する評価です。各都市に合わせたBGMの雰囲気づくりは、プレイヤーに「その場にいる」感覚を強く与えました。ニューヨークのジャズやヒップホップ風の楽曲、ロンドンのクラブミュージック、東京のエレクトロニカなど、多彩な楽曲が用意されており、走行体験を彩りました。 この音楽的な演出は、レースゲームをただのタイムアタックではなく、総合的なエンターテインメントへと押し上げる役割を果たしており、「何度でも聴きたくなるサウンド」としてサントラを購入するファンもいました。
不満点として挙げられた部分
もちろん、本作に対して全ての声が肯定的だったわけではありません。批判として多かったのは、「ゲームの難易度が高すぎる」という点です。特に中盤以降のチャレンジでは、スピードとKudosの両立が難しく、初心者には壁が高いと感じられました。また、レース中の車体ダメージが視覚的に反映されにくく、クラッシュしても現実感が薄いという指摘も見られました。 さらに、日本市場においては「グランツーリスモのような本格的なシミュレーションを期待したのに、思ったよりアーケード寄りだった」という意見もあり、ユーザーの期待と実際のゲーム性とのギャップが評価を分ける要因になりました。
現在における再評価
発売から20年以上が経った今、レースゲームの歴史を振り返ると『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の存在は特別なものとして語られます。後続の『プロジェクトゴッサム レーシング』シリーズや『Forza』シリーズに受け継がれた要素を考えると、本作が果たした役割は非常に大きいといえます。 当時は「グランツーリスモの対抗馬」という見方をされがちでしたが、今振り返ると、本作はレースゲームに「スタイル」という新たな評価基準を持ち込んだパイオニア的存在であり、その後のジャンル全体の進化を促した作品であったと再評価されています。
プレイヤーの心に残った体験
プレイヤーの記憶に残るのは、やはり実在都市を駆け抜ける高揚感と、Kudosを稼ぐ瞬間の爽快さです。特に夜の東京やロンドンのコースで、連続ドリフトを成功させて大きなKudosコンボを獲得した時の達成感は、「これこそがプロジェクトゴッサムの真髄だ」と多くのファンが語っています。 また、マルチプレイでの体験も印象的で、友人同士で「誰が一番スタイリッシュに走れるか」を競い合う遊び方は、単なる勝敗以上の面白さを提供しました。勝った負けた以上に「今のドリフトはカッコよかった!」と盛り上がれる点が、本作の大きな強みだったのです。
総合的な評価
総合的に見て、『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は当時のXboxにおける「看板タイトル」としての役割を果たしました。日本市場での売上は決して大成功とは言えなかったものの、その独自のゲーム性と技術力は世界的に評価され、後のマイクロソフトのレースゲーム戦略の礎となりました。 今でもレースゲームファンの間では「Kudosシステムが生み出す緊張感」や「都市を舞台にしたリアルなドライビング体験」が語り継がれており、単なるローンチタイトルを超えた価値を持つ作品として記憶されています。
■■■■ 良かったところ
Xboxの性能を活かした圧倒的なグラフィック
まず多くのプレイヤーが口をそろえて賞賛したのが、当時の家庭用ゲーム機としては破格のクオリティを誇るグラフィック表現です。2002年当時、PlayStation 2とゲームキューブがすでに市場に存在していましたが、マイクロソフトが送り出した初代Xboxは、圧倒的なハード性能を持つことで話題を集めました。本作はその力を余すところなく引き出し、レースゲームに求められる「スピード感」と「リアルな景観描写」を見事に両立させています。 特に印象的だったのは、東京の夜景やニューヨークの摩天楼に反射するライトの表現。ヘッドライトや街灯が濡れた路面にきらめく様子は、当時のプレイヤーに「まるで実写映画のようだ」と言わしめるほどリアルでした。
実在車種を忠実に再現したモデリング
収録されている29社の実在車両は、どれも細部まで精緻に作られており、車体の曲線やエンブレムの輝き、ホイールデザインなど、ファンにとっては嬉しいこだわりが感じられました。特にスポーツカーファンにとっては、普段は手の届かない高級車を自由に運転できるという体験が大きな魅力でした。 さらに、単なる外見の再現にとどまらず、車ごとに異なるエンジン音や加速感、ブレーキング特性がしっかり表現されており、リアリティと遊びやすさのバランスが絶妙に保たれています。「この車を運転してみたい」という夢を、コントローラーを通じて叶えてくれる点が高評価につながりました。
「Kudosシステム」が生み出す新しい遊び方
従来のレースゲームでは、最速でゴールすることが最優先でした。しかし本作では「Kudos」というスタイルポイントが導入されたことで、プレイヤーは単に速さだけを求めるのではなく、いかに観客を楽しませるか、どれだけ華麗な走りを見せられるかを意識するようになりました。 例えば、コーナーで大きなドリフトを決め、そこにジャンプやニアミスを連鎖させることで、通常の順位以上に多くのポイントを獲得できます。結果として、ゲーム全体が「速さ」と「魅せ方」を両立する新感覚のエンターテインメントへと進化しました。この革新的なシステムは多くのファンにとって鮮烈で、後のシリーズ作品や他のレースゲームに影響を与えることになります。
多彩な都市を舞台にした没入感
「世界を旅するレース体験」も、当時のユーザーにとって大きな魅力でした。東京、ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨークという4つの大都市を、リアルに再現したコースで走れる体験はまるでバーチャル観光のよう。 それぞれの都市には独自の特徴があり、ロンドンの霧がかった石畳の街並み、サンフランシスコの急勾配、ニューヨークの摩天楼、東京のネオン街と首都高速。走行するたびに異なる風景が広がり、ただ速さを追うだけでなく「景色を楽しみながら走る」というプレイスタイルも可能でした。これによって、レースゲームが好きな人はもちろん、ドライブの雰囲気を楽しみたいプレイヤーにも受け入れられました。
マルチプレイの楽しさと対戦の熱狂
当時、家庭用ゲーム機でのオンライン機能はまだ発展途上でしたが、ローカルの画面分割プレイや対戦モードは大いに盛り上がりました。特に「速さよりもスタイルを重視する」というルールが対戦をユニークなものにしました。 単純に「1位を取る」だけでは勝てないため、友人同士で「誰が一番カッコよくドリフトできるか」「誰が長くコンボを繋げられるか」といった新しい勝負が生まれ、自然と笑いが絶えない雰囲気ができあがります。レースゲームは勝ち負けがシビアになりがちですが、本作はプレイヤー全員が楽しめる工夫が施されており、パーティーゲーム的な側面も評価されました。
爽快な操作感と誰でも楽しめる設計
シミュレーション系のレースゲームは、リアルな挙動を再現するあまり初心者には操作が難しいと感じられることがあります。しかし本作は、初心者でも直感的に楽しめる操作性を持ちながら、上級者はドリフトやライン取りを極めることで深い戦略性を楽しめるよう設計されています。 アクセルを踏んだ瞬間に感じる加速感、ドリフトを維持した時の爽快さ、ニアミスを成功させた時の緊張感と開放感。この一連の流れは、まさにアーケードゲーム的な快感を自宅で楽しめる体験を提供しました。
やり込み要素と長く楽しめる設計
本作には多彩なモードが用意されており、単なるストーリー進行に留まらないやり込み要素があります。キャリアモードでのチャレンジを全てクリアしていく過程で、新しい車種やコースが次々と解放されていくため、プレイヤーは常に次の目標を見据えてプレイすることができます。 また、Kudosポイントを最大化するためのルート研究やコンボ練習は無限の可能性を秘めており、「自己ベストを更新する」というモチベーションが長期的な遊び込みを支えました。このように、遊び方を自分なりに工夫する余地が広いことが、ファンの間で長く愛される理由の一つとなりました。
シリーズへの期待を高めた存在感
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、単独でも十分に楽しめる完成度を誇りつつ、「この先どんな進化を遂げるのだろう」という期待をプレイヤーに抱かせました。その後に続く『プロジェクトゴッサム レーシング』シリーズは、グラフィック、車種数、オンライン機能の拡張といった面で飛躍的な進化を遂げましたが、その基盤を築いたのが本作です。ファンからは「PGRシリーズの原点」として長く語り継がれており、初代Xboxの歴史を語る上で欠かせない作品となっています。
総括 ― 「速さ」以上の体験を提供した点が高評価
総合すると、『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の良かったところは、圧倒的なグラフィック表現、実在車両のリアルな再現、Kudosシステムによる新しい遊び方、そして都市を舞台にした没入感あふれるレース体験にあります。速さだけを競う従来型レースゲームに一石を投じた本作は、単なる勝ち負けではなく「どれだけ魅せる走りができるか」という新しい価値観を提示しました。 このゲームをプレイした多くの人が口を揃えて語るのは、「ゴールした後も自分の走りを振り返って楽しめる」という点です。リプレイ映像で自分のドリフトやニアミスを見直し、また次のレースに挑む。このループがプレイヤーを引き込み、長く愛されるタイトルへと成長させました。
■■■■ 悪かったところ
難易度の高さによる挫折感
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』が当時多くの注目を集めながらも、一部のプレイヤーからは「難しすぎる」という声が上がりました。特に本作の特徴である「Kudosシステム」は、スピードだけでなくドリフトやニアミスなどのスタイルを求める仕組みであり、単純にゴールを目指すだけでは高評価を得られません。結果として、レーシングゲーム初心者は「1位でゴールしたのにポイントが足りず勝てなかった」という経験を繰り返し、理不尽に感じてしまうこともありました。 さらに、中盤以降に登場するイベントでは高難度の条件が設定され、わずかなミスで大幅に減点される場面も多く、挫折してしまうユーザーが続出しました。「爽快感はあるが、上達するまでが苦しい」という意見は、発売当初から散見された批判点です。
車体ダメージ表現の物足りなさ
実在の車両を細部まで再現した点は高く評価されましたが、同時に「ダメージ表現が物足りない」という不満もありました。壁に衝突しても車体の傷や変形がほとんどなく、リアルなビジュアルとのギャップが生じてしまったのです。『グランツーリスモ』シリーズも同様の制約を抱えていましたが、プレイヤーの中には「ここまでグラフィックがリアルなら、もっと破損表現にも力を入れてほしかった」という意見がありました。リアルさを売りにしていた本作だからこそ、この点は惜しまれる部分でした。
ゲームモードの単調さ
キャリアモードやタイムアタック、マルチプレイといった基本モードは揃っていたものの、長期間プレイすると「同じことの繰り返し」に感じるプレイヤーも少なくありませんでした。特に、解放条件がKudosの累積に依存していたため、「ただひたすらドリフトやニアミスを繰り返すだけ」という作業感を覚える人もいました。 もちろん、スタイルを追求するプレイヤーにとってはこの繰り返しも楽しいチャレンジですが、より幅広いプレイヤー層にとっては「もう少し多様なイベントや遊び方が欲しい」との声が挙がりました。
日本市場での厳しい評価
海外で高い評価を得た一方、日本市場においては必ずしも成功したとは言えませんでした。最大の理由は、国内ではすでに『グランツーリスモ3 A-spec』が圧倒的な人気を誇っており、リアル系シミュレーションを好むユーザーが多かったためです。本作の「スタイルを重視する」遊び方は一部のプレイヤーには新鮮でしたが、「レースゲームは速さを競うものだ」という固定観念が強かった日本市場では、なかなか受け入れられませんでした。 また、Xboxという新規ハード自体の普及台数が少なかったことも響き、口コミが広がりにくい状況でした。どんなに完成度が高くても、遊ぶ母数が少なければ評価が限定的になってしまいます。この点は、作品そのものというより市場環境の影響ですが、結果として日本国内での評判が伸び悩んだ要因の一つでした。
ライセンス車両の制約
実在メーカーのライセンスを取得したことは大きな魅力でしたが、その一方で制約も多く存在しました。たとえば、車体のダメージ表現に制限がかかったり、一部の有名メーカーのモデルが収録されなかったりと、プレイヤーから「もっと豊富な車種を運転したい」という声が聞かれました。特に、当時人気だった日本車の中でも収録されていないモデルがあり、「なぜあの車がないのか」と残念がるファンもいました。
ロード時間とフレームレートの問題
当時のXboxは高性能と謳われていたものの、実際のプレイではロード時間の長さやフレームレートの不安定さが指摘されました。特に都市を詳細に再現しているため、コース読み込みに時間がかかり、テンポが悪くなることもありました。また、複数人で画面分割対戦をするとフレームレートが落ち、スピード感がやや損なわれる場面もありました。これらの点は、技術的な限界や当時の最適化不足が原因と考えられますが、プレイヤーによってはストレスに感じられた部分でもあります。
説明不足による戸惑い
本作のもう一つの課題は、チュートリアルや説明がやや不十分だった点です。特に「Kudosシステム」の仕組みを理解するまでに時間がかかるという声が多く、最初のうちは「なぜポイントが増えないのか分からない」という混乱がありました。 説明書にはある程度の解説が記載されていたものの、ゲーム内で分かりやすく体験できるチュートリアルが不足していたため、初心者にはハードルが高く感じられました。もしこの部分が改善されていれば、より幅広い層にアピールできたのではないかという意見もあります。
日本語ローカライズの課題
日本版『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、メニューやテキストが日本語化されていましたが、翻訳のニュアンスが不自然に感じられる部分もありました。特に「Kudos」という概念は日本語に直訳しづらく、プレイヤーによっては「ルールが直感的に伝わらない」と感じることもありました。こうした文化的なニュアンスの差は、海外タイトルを日本市場に導入する際の課題として指摘されています。
後続作との比較による見劣り
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』はシリーズの初作であるため、後の『プロジェクトゴッサム レーシング2』や『3』と比較すると、どうしてもシステムやボリューム面で見劣りしてしまう部分があります。続編では車種数が大幅に増加し、オンライン機能も強化され、グラフィックもさらに進化しました。そのため、後にシリーズを知ったプレイヤーが初代を遊ぶと「物足りない」と感じることも少なくありませんでした。 ただし、これは裏を返せば「初代があったからこそシリーズが成長できた」という証拠でもあり、初作としての意義は大きかったといえるでしょう。
まとめ ― 光と影が共存する挑戦作
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、革新的なゲーム性とグラフィックで多くの支持を得た一方で、難易度の高さや説明不足、市場環境による不利といった課題を抱えていました。しかし、これらの欠点もまた「次世代レースゲームを切り拓くための試行錯誤」の一部であり、後続作品の進化に繋がる重要なステップだったのです。 良い点と悪い点が混在するからこそ、本作は今でも語り継がれ、研究され続けています。単なる「完璧なゲーム」ではなく、チャレンジ精神に満ちた作品だったことが、多くのプレイヤーに深い印象を残しました。
[game-6]■ 好きなキャラクター
キャラクターとしての魅力 ― レースゲームに「顔」を与えた存在
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は基本的に「車」と「都市」が主役のゲームですが、それをプレイする際に選択できるドライバーキャラクターたちも、プレイヤーに強い印象を残しました。単なる無機質なマシンではなく、背景を持つ人物がステアリングを握ることで、レースが一層ドラマチックに感じられるようになったのです。 プレイヤーによっては車種よりもキャラクター性に感情移入し、「このキャラならこんな走りをするだろう」と想像を膨らませる楽しみ方も広がりました。これは、レースゲームとしては珍しいアプローチであり、後続シリーズでも踏襲される大きな要素となりました。
世界観を彩る多国籍なドライバーたち
本作の舞台は東京・ロンドン・サンフランシスコ・ニューヨークといった世界の大都市。そこに登場するドライバーもまた、多彩な国籍やバックグラウンドを持っています。イギリス紳士のように上品な立ち居振る舞いを見せるキャラクター、ニューヨーク出身でストリートカルチャーを体現した若者、そして日本の首都高速を熟知するドライバーなど、個性的な面々が揃っていました。 これらのキャラクターは詳細なストーリーを持っているわけではありませんが、彼らのビジュアルデザインや出身地、口調などがプレイヤーの想像力を刺激し、「このキャラでロンドンを走れば本場の雰囲気が味わえる」といった没入感を与えてくれました。
プレイヤーに人気の高かったキャラクター像
当時のファンの間で人気を集めたのは、やはり「親しみやすさ」と「スタイルの個性」を兼ね備えたキャラクターたちでした。例えば、若さあふれるストリート系のドライバーは、ドリフトやニアミスを繋げるKudosシステムとの相性が良く、「彼のキャラで走ると自然とスタイリッシュな走りができる」と好評でした。 一方で、落ち着いた大人の雰囲気を持つキャラクターは、冷静な運転スタイルを想起させ、「無理をせず堅実にKudosを積み重ねる」攻略法とリンクするため、シミュレーション派のユーザーに好まれました。
車とキャラクターの組み合わせによる個性
本作では、どのキャラクターでもどの車を選ぶことができます。しかし、多くのプレイヤーは自然と「キャラに合った車」を選ぶ傾向がありました。例えば、イギリス出身のドライバーにアストンマーティンを乗せたり、日本人キャラクターに日産スカイラインを選んだりと、リアルな世界観とキャラ設定を重ねることで、プレイヤー自身がストーリーを作り上げていったのです。 このように、公式には深い物語が提示されていなくても、プレイヤー自身が「自分なりの物語」を紡ぐ余地があったことが、キャラクター人気を高める一因となりました。
Kudosシステムとキャラクター性のリンク
特筆すべきは、キャラクターたちのビジュアルや性格付けが、Kudosシステムと見事に噛み合っていたことです。大胆不敵な性格のキャラクターであれば、リスクを恐れず攻めの走りをする姿が似合いますし、知的で冷静なキャラクターであれば、安定感のあるクリーンな走りがしっくりきます。 プレイヤーは自分の性格やプレイスタイルに合わせてキャラを選ぶことで、ゲームの世界に没入しやすくなりました。「自分はスリルを楽しむタイプだから、このキャラと一緒に危険な走りをする」「逆に落ち着いて高スコアを狙うから、このキャラが合っている」といった楽しみ方は、まさにPGRシリーズ独特の文化でした。
ファンコミュニティで語られる推しキャラたち
インターネット掲示板や雑誌の投稿欄では、ファンが自分のお気に入りキャラについて熱く語る光景が多く見られました。「このキャラの声がかっこいい」「笑顔が素敵」「出身都市と車の組み合わせが最高」といった感想が溢れ、まるでアニメやRPGのキャラクター人気投票のような盛り上がりを見せました。 また、キャラごとに「この人ならこういう走り方をする」というイメージが浸透したことで、対戦時に選んだキャラクターだけで仲間内で盛り上がる、といった独自の遊び方も生まれました。
操作性とキャラ選択の心理的効果
興味深いのは、キャラクターの違いが直接性能差に繋がるわけではないにもかかわらず、プレイヤーが「このキャラだと走りやすい」と感じるケースが多かったことです。これは、人間の心理的な投影効果によるもので、キャラクターに感情移入することで、自分の操作にも影響を与えるようになります。特に若年層のプレイヤーは、自分と同じ年頃のキャラを選んで「自分自身がレースをしている感覚」を楽しんでいました。
キャラクター演出がもたらした臨場感
本作には派手なストーリーモードは存在しないものの、キャラクターがレース前後に見せる表情やアクションが、ゲーム全体の雰囲気を大きく盛り上げました。レースに勝利したときに喜びを表現する姿や、惜しくも負けたときの悔しそうな仕草などは、プレイヤーに「自分と一緒に戦っている仲間」という印象を与えました。 このような小さな演出が、単なるレースの繰り返しに感情の彩りを添え、長く遊び続けられる動機付けとなりました。
後続作品への期待を膨らませたキャラクター要素
初代『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』で提示されたキャラクター要素は、続編でさらに強化されていきます。『プロジェクトゴッサム レーシング2』以降では、キャラクター性やオンラインでのプレイヤー表現が一層重視され、フレンド同士での競争や協力が盛んになりました。ファンにとっては「最初の作品で出会ったキャラたち」が、シリーズ全体のイメージを形成するきっかけとなったのです。 このため、シリーズを通して遊んだプレイヤーにとっては、初代のキャラクターたちは特別な存在となり、今でも「思い出のキャラ」として語られることが多いのです。
まとめ ― ドライバーキャラがもたらす人間味
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』におけるキャラクターの存在は、単なる飾りではなく、プレイヤーの没入感やプレイスタイルに影響を与える重要な要素でした。好きなキャラクターを選ぶことで、その人物になりきって走る楽しさを体感でき、ただのレースシミュレーション以上の「物語的体験」を味わえたのです。 この「キャラに自分を重ねる楽しみ」があったからこそ、多くのプレイヤーはお気に入りのドライバーを見つけ、繰り返しプレイする動機を得ました。シリーズの発展を支えた土台として、またファンの心に残る要素として、このキャラクター性は本作の「良かったところ」として高く評価されています。
[game-7]■ 中古市場での現状
中古市場における『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の立ち位置
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、2002年2月22日に初代Xboxの日本国内ローンチタイトルとして登場しました。20年以上が経過した現在、初代Xboxのソフトはコレクションアイテムとしての価値が高まりつつありますが、同時に市場での流通量は年々減少しています。特に日本ではXbox自体の普及台数が限られていたため、発売当時に購入された本数が少なく、現在の中古市場に出回る本数も多くはありません。そのため、状態の良い個体は思わぬ高値で取引されることがあり、レースゲームやXboxコレクターの間で注目され続けています。
ヤフオク!での取引価格と傾向
日本国内の中古流通で最も動きが活発なのが「ヤフオク!」です。実際の取引履歴を見ていくと、『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』はソフト単体でおおよそ1,000円~2,500円程度で落札されるケースが多く見られます。状態により価格の幅があり、ディスクに傷が多いものや説明書欠品のものは1,000円前後での落札が一般的です。一方で、ケースやマニュアルが揃っていて、比較的美品とされる個体は2,000円台後半まで上がることもあります。 さらに珍しいのは、発売当時の限定版や初回特典付きのものです。ポスターや特製ブックレットが付属しているパッケージは、コレクターの間で需要が高く、3,000円を超えて取引される事例も確認されています。
メルカリでの販売状況
フリマアプリ「メルカリ」では、出品数はヤフオク!ほど多くはありませんが、安定して数点が出品されています。価格帯は1,200円~2,000円前後が中心で、即購入可能な設定にされていることが多いため、欲しいと思ったタイミングで手に入れやすいのが特徴です。 ただし、完品状態のものは人気が高く、1,800円前後で出品されるとすぐに売れてしまう傾向があります。一方、ディスクに傷がある場合やケースにダメージが見られるものは1,000円程度まで値下げされることが多いです。メルカリでは写真の掲載枚数や説明文の丁寧さが価格に直結するため、出品者の工夫によって同じ商品でも数百円~千円単位で価格差が出るのも面白い点です。
Amazonマーケットプレイスでの価格推移
Amazonマーケットプレイスでは、出品価格がやや高めに設定される傾向があります。状態の良い中古ソフトは2,000円~3,500円の範囲で並ぶことが多く、特に「プライム配送対応」の商品は、安心感から高値でも購入されやすいようです。 また、未開封品や新品に近い状態のものは非常に希少で、価格が4,000円~6,000円前後に設定されることもあります。ただし、需要自体が極端に高いわけではないため、高額設定の商品は長期間売れ残るケースも少なくありません。
楽天市場での取り扱い
楽天市場では、主に中古ゲームショップやリサイクルショップが出品しており、価格帯は2,000円~3,000円前後が多いです。状態や付属品によって価格は大きく変動しますが、全体的にAmazonと同じか、やや安めの価格帯で安定しています。楽天の場合はショップが多いため、在庫切れの際にも他店舗で購入できることが多く、比較的安定した入手経路となっています。
駿河屋での販売状況
中古ゲームの専門ショップとして人気の高い「駿河屋」でも『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は取り扱われています。駿河屋では、ディスクのみであれば1,000円前後、説明書・ケース付きであれば2,000円~2,800円程度で販売されていることが多いです。状態の良いものは入荷してもすぐに売れてしまう傾向があり、在庫切れが頻発しています。駿河屋はコンディション表記が細かいため、コレクターにとって安心して購入できる点が評価されています。
コレクター市場での評価
本作は「初代Xboxのローンチタイトル」という歴史的な価値があるため、コレクターにとって特別な存在です。日本国内での販売本数が少なかったこともあり、特に状態の良い完品はコレクション需要が高いとされています。海外のオークションサイトでは、希少な未開封品が数万円単位で出品されることもあり、限定版や販促品付きのセットはさらに高値で取引されるケースも確認されています。 このように、ゲームとしての知名度や評価だけでなく、「初代Xbox文化を物語る象徴的なソフト」としての価値が中古市場で認められているのです。
価格が安定している理由と今後の展望
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の中古価格は、他のレトロゲームに比べて比較的安定しています。その理由の一つは、需要が一定数存在する一方で、供給量が極端に少なくないためです。つまり「手に入れたい人がいるが、流通量もゼロではない」というバランスが取れているため、価格が大きく高騰することはありません。 しかし、今後さらに初代Xboxソフトの流通量が減少すれば、特に新品未開封品や美品の価格は上がる可能性が高いと考えられます。逆に、ディスクのみや傷あり品は、一定の低価格帯で取引され続けるでしょう。
ファンにとっての価値
中古市場での価値は単なる金銭的なものにとどまりません。『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』は、Xboxファンやレースゲーム愛好家にとって「思い出を形として残す」ための重要なアイテムでもあります。特に、発売当時に遊んだ世代にとっては、箱やマニュアルの質感、ディスクのデザインなどが強いノスタルジーを呼び起こします。 そのため、現在の市場では「遊ぶために購入する」だけでなく、「コレクションとして保存する」「当時を懐かしむために所有する」といった動機での需要も増えているのです。
まとめ ― コレクション性と安定した人気
『プロジェクトゴッサム ワールドストリートレーサー』の中古市場における現状を総合すると、手頃な価格で入手可能な一方、完品や未開封品はコレクターズアイテムとして高値を付けるという二極化が進んでいるといえます。ヤフオク!やメルカリでは比較的手軽に入手できますが、美品はすぐに売れてしまうため、購入を考えている人は早めの判断が重要です。 20年以上経った今でも一定の人気を維持し続けているのは、このゲームが単なるレースゲームにとどまらず、Xboxのローンチを象徴する存在としての歴史的価値を持っているからでしょう。コレクションとして、あるいは再びあの独特のKudosレース体験を味わうために、多くのファンが探し求めるタイトルであり、その魅力は今後も色褪せることはありません。
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評価 5






























