『棋太平』(パソコンゲーム)

SFC スーパー将棋3 棋太平 (ソフトのみ) 【中古】スーパーファミコン スーファミ

SFC スーパー将棋3 棋太平 (ソフトのみ) 【中古】スーパーファミコン スーファミ
2,980 円 (税込)
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【発売】:エス・ピー・エス
【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、MSX2、FM-7/77/AV、X1/turbo、X68000、Windows
【発売日】:1985年8月
【ジャンル】:テーブルゲーム

[game-ue]

■ 概要

パソコン黎明期を代表する“学習型”将棋ソフト

エス・ピー・エスの『棋太平』は、1980年代半ばの8ビット〜16ビットパソコン全盛期に登場した本格派将棋ソフトです。最初に登場したのは1985年、シャープX1/turbo向けのタイトルとして発売され、その後PC-8801シリーズやPC-9801、FM-7/77AV、MSX2、X68000、さらにWindowsへと展開していきました。発売元であるエス・ピー・エスにとっては、社名を聞けばまずこの作品が思い浮かぶと言われるほどの看板タイトルであり、同社の将棋ソフト路線を象徴する存在になっています。 ジャンルとしてはテーブルゲームに分類されますが、単に「コンピュータと対局できる将棋ソフト」というだけではなく、プレイヤーとの対局を通して少しずつ思考ルーチンが成長していく“自己学習型エンジン”を備えていた点が大きな特徴です。対局を重ねるほどにコンピュータ側が強くなり、同じパターンだけで勝ち続けることが難しくなっていくというコンセプトは、当時のPC将棋ソフトとしてはかなり野心的な試みでした。

前身ソフトから受け継いだ土台と新世代へのステップアップ

『棋太平』は、同じくエス・ピー・エスが手掛けた既存の将棋ソフト「王将」系タイトルの流れを汲んでいます。前身作で培われた基本的な対局機能や操作性をベースにしつつ、グラフィック表示や漢字表示の強化、新しい思考ルーチンの採用など、多くの部分が再設計されています。 盤面の表示は本将棋そのものを意識した落ち着いた配色でまとめられ、駒の名称はすべて漢字で描画されます。これにより、当時のPCゲームとしては視認性が高く、本物の将棋盤に近い感覚で対局できることが売りになっていました。文字情報が中心のPC画面の中において、盤面やパッケージイラストで力強い和風テイストを前面に押し出し、「単なるマイナーチェンジではない、新世代の将棋ソフト」であることをアピールしていたのが印象的です。

多機種展開による“どのパソコンでも遊べる”安心感

本作の大きな特徴のひとつが、その徹底した多機種展開です。X1/turbo向けに登場したあと、PC-8801以降のシリーズ、PC-9801、FM-7/77AVといった当時の主要パソコンに次々と移植され、MSX2版はマイクロキャビンが担当するなど、他社と協力しながら幅広いユーザー層に届けられました。 さらに90年代に入ると、ハイエンド機であるX68000向けに『棋太平68K』として再構築されたバージョンが登場します。このX68000版は、グラフィックや処理速度の向上を活かしつつ、後にWindows版へとつながる系譜上の重要な存在となりました。PC-9801やX68000に代表される16ビット機が普及していく中でも、『棋太平』の名前は継続的に見かけることができ、ユーザーにとっては「どの機種を選んでも将棋ソフトはこれを買っておけば間違いない」という安心感を与えるブランドになっていきます。

基本ルールは本格派、対局スタイルも柔軟に選べる

ゲーム内容そのものは、プロ公式戦と同じ本将棋ルールに基づいたオーソドックスな対局ソフトです。持ち時間制限や手数制限、平手だけでなく駒落ち対局にも対応し、自分の棋力に合わせてハンデを設定できるのが大きなポイントです。駒落ちの種類も一種類だけではなく、上手側の飛車や角、香車などを落とした典型的な手合いから始められるため、初心者の練習用にも、上級者が穴を探る研究用にも使えるよう配慮されています。 対局モードは「人間対コンピュータ」だけではなく、「人間同士でひとつのパソコンを共有して指す」用途にも対応しています。実質的に電子将棋盤のように使うことができるため、駒を片付ける手間もなく、棋譜の記録や再現もワンタッチで行える点は、当時としては大きな利点でした。家族や友人同士の対局から詰将棋の研究まで、幅広い用途に応える“デジタル盤”として機能していたのが『棋太平』の立ち位置と言えるでしょう。

当時としては贅沢なインターフェイスと操作性

『棋太平』は、対応機種ごとにキーボードやテンキー、ジョイスティック、マウスなど複数の入力デバイスに対応していました。PC-8801版ではアスキーマウスが利用可能であり、カーソルを駒の上に移動させてクリックするだけで指し手が入力できる操作感は、キーボード主体のゲームが多かった時代にはかなり先進的でした。 また、駒を選ぶカーソルが“手”の形になっているなど、単なる機能表示に留まらない演出面へのこだわりも見られます。マウスを動かして手のカーソルを駒に重ね、そのまま相手陣へと滑らせて指す過程は、木の駒をつまんで打ち付けるような感覚を意識したものになっており、プレイヤーに「盤に向かって対局している」という気分を強く抱かせる作りでした。こうした細かなインターフェイス上の工夫は、後発のPC用将棋ソフトにも大きな影響を与えています。

学習型思考ルーチンという“売り”

『棋太平』を語る上で欠かせないのが、自己学習機能を備えた思考ルーチンです。コンピュータは対局を重ねることで、プレイヤーが過去に指した手や局面を内部的に蓄積し、それを次の対局の評価に活かすよう設計されています。そのため、初対局では比較的素直な手順で応じていたコンピュータが、何度も同じ定跡で攻め続けていると徐々に対策を覚え、同一パターンでは簡単に勝てなくなっていきます。こうした「プレイヤーの成長に合わせてコンピュータも学ぶ」という構図は、今でこそ当たり前に聞こえますが、発売当時のPC将棋としては非常に尖った特徴でした。 学習の仕組み自体は、局面を丸ごと覚えるというよりも、駒の配置や局面の特徴を点数化して評価するいわゆる評価関数を持ち、そのパラメータを少しずつ調整していくタイプと考えられます。これにより、「序盤はこの形を目指しやすくなる」「この攻め筋は危険だと判断して避けるようになる」といった変化が対局を経るごとに現れ、プレイヤーから見ても“コンピュータが成長している”感覚を得やすい構造になっていました。

定跡登録・局面編集など研究用途にも配慮

『棋太平』には、プレイヤーが自由に定跡を登録できる機能や、駒の初期配置を変更して好きな局面から対局を始められる機能も備わっています。序盤の特定の形だけを集中的に練習したり、自分が実戦で遭遇した中盤の難解な局面を再現して検討するなど、実戦さながらの研究に活用できる点は、本作ならではの魅力です。 また、対局の棋譜を保存しておき、後から一手ずつ再現して振り返ることもできます。対局中に「待った」をかけて直前の手を取り消す機能も用意されており、入門者がうっかりミスをしてもすぐにやり直せるため、練習用ソフトとしても優秀です。棋譜の再現と合わせて使えば、「どの局面で形勢が傾いたのか」を確認しながら、自分なりの反省や改良案を考えていくことができます。

パッケージイメージと“強さ”の演出

パッケージやタイトル画面には、力強い騎馬武者のイラストが大きく描かれており、将棋ソフトでありながら戦記物のような迫力ある雰囲気を演出しています。当時の広告では、この武者のビジュアルを通して『棋太平』の“強さ”のイメージを印象付け、前身作からの単なるバージョンアップではないことを強調していました。こうしたイメージ戦略により、プレイヤーは購入前から「手強いコンピュータとガチンコ勝負ができるソフト」であるという期待を抱きやすくなっていたのです。 のちにエス・ピー・エス側は本作の棋力を「アマチュア5〜6級程度」と位置づけており、プロ級の鋭さには届かないものの、アマチュア初級〜中級者が相手にするには十分手強いレベルを目指して作られていたことがうかがえます。現在の視点から見ると控えめな評価に見えるかもしれませんが、当時のパソコンの処理能力やメモリ容量を考えれば、その範囲で現実的かつ魅力的な強さを実現しようとした結果と言えるでしょう。

オンライン展開へとつながる長寿シリーズ

『棋太平』はパッケージ版として長く愛されたあと、インターネット時代に入ってからは「通信将棋バトル棋太平」としてオンライン対局サービスにも発展していきます。PC版クライアントとネットワーク版の統合時には、別チームが開発していたシステム同士をまとめる必要があり、内部的に混乱もあったと伝えられていますが、それだけ長期にわたってバージョンアップが重ねられた息の長いタイトルだったとも言えます。 8ビット機から16ビット機、そしてWindowsとネットワーク対局の時代に至るまで、形を変えつつ生き続けてきた将棋ソフトは決して多くありません。その意味で『棋太平』は、日本のPCゲーム史において「家庭用パソコンで将棋を指す」という文化を支え続けてきた、重要な作品のひとつだといえるでしょう。

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■ ゲームの魅力とは?

“学習する将棋ソフト”というコンセプトの面白さ

『棋太平』最大の魅力は、コンピュータが対局を通じて少しずつ成長していく――という、今の感覚でいえばかなり“AI的”な発想をいち早く取り入れていた点にあります。プレイヤーが指した手をプログラム側が記憶し、その結果を評価に反映させることで思考ルーチンの精度が高まり、同じ攻めパターンだけでは通用しなくなっていく仕組みは、単に「強いソフト」とは違う独特の楽しさを生み出します。 初めて対局したときには素直な守り方しかしなかったCPUが、何度も同じ戦法を仕掛けているうちにカウンターを用意してくるようになり、「あれ、以前と違う対応をされたぞ」と気付かされる。この“小さな違和感”から始まり、次第にコンピュータをひとりの常連対局者のように感じていく体験こそが、『棋太平』のユニークな魅力と言えるでしょう。

多機能でありながら実戦向きの設計

当時の将棋ソフトの多くは、「とりあえずコンピュータと対局できる」ことを売りにするシンプルな作りのものも少なくありませんでした。その中で『棋太平』は、駒落ち対局、盤面反転、定跡登録、対局再現、棋譜保存、局面編集など、リアルの将棋盤+記録係の役割をまとめて引き受けるほどの多機能ぶりを備えています。 駒落ち設定ひとつをとっても、上手の飛車や角を落とす基本的な手合いはもちろん、自分の習熟度に合わせて細かく条件を変えられるため、初心者から有段者手前まで幅広い層が“ちょうど良い強さ”で練習できます。加えて盤面を上下反転できる機能は、後手番視点での受け方を練習したいときなどにも便利で、実戦を意識したトレーニング用ソフトとして見ても非常に実用的です。

“本格将棋”をうたうに足る思考ルーチン

『棋太平』はパッケージのキャッチコピーとして「本格将棋」を掲げており、その言葉に見合うだけの指し手の質が追求されています。開発元のエス・ピー・エスは、先行タイトルである『王将』『HP王将』を通じて対局将棋のノウハウを蓄積しており、その集大成として位置づけられたのが本作です。 実際、当時の8ビット機向け将棋ソフトとしては「最強クラス」と評されることも多く、人間側が何も考えずに指していると、あっさり押し切られてしまうほどの粘り強さがあります。終盤に入ると一見地味な受けや、詰みを逃さない鋭い寄せを繰り出してくることもあり、「本当に機械が考えているのか」と驚かされる局面も少なくありません。

“負けながら学ぶ”遊び方を後押しする設計

強いソフトであればあるほど、初心者にとっては「ボコボコにされて終わり」になりがちですが、『棋太平』はその部分にも配慮した設計になっています。対局中に「待った」をかけて直前の手を取り消せる機能や、対局後に一手ずつ再現して読み直せるリプレイ機能のおかげで、同じ対局を何度も見返し、「この一手が悪かったのか」「ここで別の手を指してみたらどうなるか」といった検討を手軽に行えます。 さらに、定跡登録機能を使えば、自分なりの“マイ定跡”を作ったうえで対局に臨むこともできます。失敗した手順から“やってはいけないパターン”を学んだり、うまくいった攻め筋を定跡として保存しておき、次の対局で実験してみたりと、プレイヤー自身の成長サイクルをソフト側が支えてくれる作りになっているのです。

操作デバイスの豊富さが生む快適さ

『棋太平』のもうひとつの魅力は、キーボードだけに頼らない操作性にあります。対応機種によって多少の差はあるものの、テンキー入力、ジョイスティック、マウスのいずれにも対応しており、自分の好みに合わせたインターフェイスを選べます。マウス対応機では、ポインタとして表示される“手”の形をしたカーソルで駒をつかみ、そのまま移動先のマスへと運んで指すスタイルになっており、アナログの将棋盤で駒をつまんで打つ動作を画面上で再現しようという意図が感じられます。 当時はまだマウスの普及期にあり、「マウスで将棋を指せる」というだけで新鮮な体験でした。キーボードに慣れていない家族でも直感的に操作できるため、PCユーザーの身の回りの人を将棋の世界へ引き込みやすいという点でも、非常に間口の広いソフトだったと言えるでしょう。

雰囲気を高める演出とビジュアルデザイン

将棋ソフトはどうしても“地味”な画面になりがちですが、『棋太平』はそこに武将や騎馬武者のイラストを大胆に取り入れ、タイトルロゴやパッケージで力強い戦国イメージを打ち出しています。広告でも「騎馬武者のビジュアルが、従来作からの単なるバージョンアップではないことを示している」といったメッセージが使われ、ソフト全体をブランドとして印象付ける工夫が凝らされていました。 対局画面自体は落ち着いた配色ながら、盤面や駒の描写は視認性を重視しており、長時間プレイしても目が疲れにくい作りです。将棋は1局が長くなりがちなゲームだからこそ、盤面の見やすさや文字フォントの読みやすさは、プレイヤーが感じる“快適さ”に直結します。『棋太平』はその点でもよく練られており、「強いソフト」であると同時に「付き合いやすいソフト」でもあります。

“研究ツール”としての顔も持つ

『棋太平』は、純粋なゲームとして楽しめるのはもちろんですが、内容を突き詰めていくと、将棋の研究ツールとしても優れた側面を持っています。局面編集機能によって好きな配置から対局を始められるため、プロ棋戦で話題になった局面や自分の指した将棋の山場を再現し、そこからコンピュータに異なる応手を試させる、といった使い方も可能です。 また、学習機能と定跡保存機能を組み合わせれば、「この形ではこの攻め筋を主力にしよう」「この受け方は評価が悪かったから、別の手を登録してみよう」といった具合に、人間側が“教師”となってCPUの指し方を導くこともできます。コンピュータをただの相手ではなく、自分の指導を受けてくれる弟子のように扱える点は、他の将棋ソフトにはあまりないユニークな楽しみ方と言えるでしょう。

パソコン文化の中で光る“ロングランタイトル”としての価値

『棋太平』は8ビット機時代に登場したあと、X68000版『棋太平68K』やWindows版、さらにはオンラインサービス「通信将棋バトル棋太平」といった形で長年にわたり展開されていきました。X68000版はハイエンド機ならではの高解像度・高速処理を活かし、より快適な思考速度と画面表示を実現したタイトルとして知られていますし、プロジェクトEGGなどの復刻配信サービスでもPC-8801版や68K版が配信されるなど、レトロゲームとして現代でも触れられる機会が用意されています。 これほど長期にわたって愛され続けた将棋ソフトは多くなく、「SPSといえば対局将棋」「棋太平はその完成形」と評されることもあります。メーカーにとってもユーザーにとっても、パソコンゲームの歴史の中で特別な位置を占めるタイトルであり、そのロングランぶり自体が『棋太平』の魅力を雄弁に物語っていると言えるでしょう。

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■ ゲームの攻略など

まずはレベル設定と駒落ちで“ちょうどいい強さ”を探す

『棋太平』で長く遊ぶための第一歩は、「自分に合った難易度を見つけること」です。いきなり平手でコンピュータ最強レベルに挑むと、一方的に押し切られてしまい、何が悪かったのかも分からないまま終局を迎えてしまいます。そこで最初は、難易度をやや低めに設定し、さらに二枚落ちや四枚落ちなどの駒落ち対局から始めるのがおすすめです。駒落ちを利用することで、序盤から自然と攻めの形を作りやすくなり、「玉を囲う」「歩を伸ばしてラインを作る」といった基本的な手順が感覚的に身についていきます。 慣れてきたら駒落ちのハンデを少しずつ軽くし、最終的に平手へと近づけていきましょう。『棋太平』は、コンピュータが学習していく関係上、同じ戦法だけで勝ち続けることは難しくなっていきます。だからこそ、駒落ち戦を通して複数の勝ちパターンを身につけておくと、のちの平手戦でも役立つ“引き出し”が自然と増えていきます。

序盤攻略:得意戦法を一つ決めて繰り返す

本作で上達を実感しやすいのは、「自分なりの得意戦法を一つ決めて、とにかく繰り返す」というシンプルなやり方です。居飛車党なら矢倉や棒銀、振り飛車党なら四間飛車や中飛車など、どの戦法でも構いませんが、一つに絞って一定期間集中的に指してみると、序盤から中盤への流れが体に染み込んでいきます。 『棋太平』には定跡登録機能があるため、自分が気に入った駒組みや成功した仕掛けを保存しておき、次の対局で再現してみることができます。たとえば、「この形になったら▲7六歩から攻める」「この囲いを組めたら飛車をここに回る」といった、自分だけの“簡易マニュアル”を定跡として蓄積していけば、コンピュータを相手に何度でも同じ形を試せます。 ただし、学習機能のおかげでコンピュータ側も徐々に対応を変えてくるため、同じ仕掛けだけではいずれ行き詰まります。そこで大事になるのが、「同じ戦法の中で、仕掛けのタイミングや攻めの順番を少し変えてみる」という姿勢です。序盤の数手を微調整しながら、『棋太平』の反応を観察することで、自然と定跡理解が深まっていきます。

中盤攻略:CPUの“クセ”を観察して逆手に取る

コンピュータ将棋には、たとえ強くても必ず“クセ”があります。『棋太平』の場合も例外ではなく、特定の局面で堅実な受けを選びやすい、駒得を優先しがち、王の囲いを固めるより攻めを急ぎやすい、などの傾向が、何局も指しているうちに見えてきます。 中盤で勝ち切るコツは、この“クセ”を利用して有利な状況に持ち込むことです。たとえば駒得を好む傾向が見えるなら、わざと歩や軽い駒を狙わせ、その間に自玉の囲いを完成させる、といった指し方が有効です。 さらに、コンピュータは基本的に「即座の損得」に敏感ですが、長期的な形勢よりも目先の得に飛びつくこともあります。この性質を逆手に取り、あえて一時的な駒損を受け入れてでも、王周りの薄さを突くような攻めを仕掛けると、人間側が有利な中盤戦に持ち込めるケースが生まれます。『棋太平』は学習によってパターンを変化させるとはいえ、根本の評価基準は一定なので、“どこで欲張るか”を見抜くことが中盤攻略のカギになります。

終盤攻略:詰ませる形と“必死”を体で覚える

終盤においては、詰みを狙う手筋と“必死”のかけ方を集中的に鍛えると、勝率が目に見えて上がります。『棋太平』の思考ルーチンは、当時の機械としてはかなり健闘しているものの、人間が終盤の寄せに慣れてくると、詰めろや必至を見落としてくれる場面もあります。 攻略としておすすめなのは、終盤に入った対局の棋譜を保存し、終局直前の局面を局面編集機能で再現して、何度もやり直す方法です。「この局面から何手で詰ませられるか」「詰ませるのは無理でも、一気に寄せて必死を掛けられるか」といった課題を自分に課し、さまざまな手順を試してみましょう。 詰将棋の本を持っているなら、その局面を『棋太平』上で再現し、コンピュータに玉方を担当させて自分が攻め方を指す、という練習法も有効です。ソフトの中で実戦さながらの詰み手順を反復できるため、終盤に対する恐怖心が薄れ、逆転勝ちのパターンも増えていきます。

“待った”と棋譜再現をフル活用した自己分析

『棋太平』攻略で見落とされがちですが、実は最も強力な“武器”と言えるのが、「待った」と「棋譜再現」の二つの機能です。対局中に悪手を指したと気づいたら、その場で待ったを使い、別の手を試してみる。どちらが良かったかを盤面の形勢から比較してみる――これを繰り返すだけでも、判断力は確実に向上します。 対局が終わったあとには、棋譜再現機能を使って一手ずつ振り返り、特に形勢が大きく傾いた場面に印を付けておくと良いでしょう。「この歩を取ったのが悪かった」「ここで守りを優先すべきだった」といった反省点を、自分なりのメモとして残しておけば、次に同じ形が現れたときの判断材料になります。 学習型のコンピュータと、分析ツールとしての自分――この二つを組み合わせて“疑似研究会”のように使うことで、ゲームで遊んでいる感覚のまま、自然と実力が底上げされていくのが『棋太平』ならではの楽しみ方です。

コンピュータに“教えながら戦う”という逆転の発想

通常の将棋ソフトは、プレイヤーが一方的に“教わる”存在ですが、『棋太平』の場合はその逆で、「こちらがコンピュータに教え込む」という遊び方も可能です。定跡登録機能と学習機能を組み合わせれば、特定の局面でどの手を指すかをコンピュータに覚え込ませ、自分の理想に近いスタイルへと育てることもできます。 たとえば、特定の戦型では極端に攻撃重視の思想を持たせたい、あるいは堅実な受けを多用させたい、といったこだわりがあれば、その方針に沿った指し手を集中的に対局で見せてやることで、CPUの選好が徐々に変化していきます。うまくいけば、『棋太平』の中に“自分専用の研究パートナー”を作り出せるわけです。 もちろん、これは長期的な取り組みになりますが、何十局と指していくうちに、「以前ならここで飛び込んできたのに、今は慎重に構えるようになった」といった変化が見え始めると、その過程そのものが攻略の楽しさになっていきます。

負け続けても折れないためのメンタル面の攻略

比較的強い思考ルーチンを備える『棋太平』では、平手で挑んだ場合、しばらくのあいだは負け越しが続くことも珍しくありません。しかし、ここで大切なのは「勝敗だけを気にしない」というメンタル面の攻略です。 一局ごとに「今日はこの戦法を試す」「駒得より玉の安全を優先してみる」といったテーマを決めておけば、たとえ負けてもその局で得たものが明確になり、次につながる手応えが残ります。さらに、同じテーマで何度か対局を重ねれば、勝ち筋が見えてくる瞬間が必ず訪れます。その時点で初めて「勝てた」ときの達成感は、ただ偶然の一勝を拾ったときとは比べものにならないはずです。 『棋太平』は、学習型CPUのおかげで、同じ相手と何度も道場通いをしているような感覚を味わえるソフトです。負けることを恐れず、「今日はこの一局で何を学ぶか」という視点を持つことが、攻略面で最も重要な心構えと言ってよいでしょう。

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■ 感想や評判

当時のパソコンユーザーが抱いた第一印象

『棋太平』が最初に店頭に並んだ頃、パソコンショップや専門誌を見てソフトを手に取ったユーザーがまず驚いたのは、「将棋ソフトなのにやけに存在感のあるパッケージだ」という点でした。武者や武将をモチーフにしたイラストと、力強いロゴタイプで構成された箱は、シンプルなテキストベースのゲームが多かった時代としては異彩を放っており、「これは本気で将棋の強さを売りにしているソフトなのだろう」という期待感を抱かせるものだったとよく語られます。加えて、多機種向けに展開されたシリーズということもあり、「自分のマシンにもちゃんと対応している」「機種を買い替えても遊び続けられそう」という安心感があった、という声も多く見られます。 いざ起動してみると、盤面の表示は落ち着いていて、視認性を重視したシンプルなデザイン。その一方で、カーソルが“手”の形になっていたり、漢字で駒が表示されたりと、実物の将棋盤の雰囲気をうまく取り入れた演出が、プレイヤーの印象に強く残りました。「画面は必要以上に派手ではないが、将棋を指す場としては十分に格調高い」という受け止め方をされた作品と言えるでしょう。

“学習する思考ルーチン”への驚きと興味

実際に対局を始めると、多くのユーザーが驚かされたのが、コンピュータの指し手の安定感と、何度も遊んでいるうちに見えてくる“成長ぶり”でした。最初のうちは多少甘い手も混じり、工夫をすれば人間側が押し切れることも少なくありませんが、同じ戦法で勝ち続けていると、いつの間にかその攻めに対して鋭く受けてくるようになったり、これまで通せていた筋をしっかりと封じられたりします。 この挙動を体感したプレイヤーたちは、「本当にソフトがこちらの手を覚えているようだ」「同じ戦法を何度も試すと、きちんと対策を立ててくるのが面白い」といった感想を残しています。単に強いか弱いかだけでなく、プレイヤーと一緒に育っていくような感覚があることで、一般的な将棋ソフト以上に愛着を持って遊び続けられた、という声も少なくありませんでした。学習型というコンセプトは、当時としてはまだ目新しく、その実験的な挑戦に好意的な評価が集まったと言えるでしょう。

ゲーム雑誌・専門誌での評価傾向

当時のパソコン雑誌やゲーム情報誌の紙面でも、『棋太平』は「本格派の将棋ソフト」としてたびたび取り上げられました。誌面のレビューでは、まず基本となる棋力が一定レベル以上に達していること、反則や指し手の処理に大きな問題がないこと、さらにユーザーインターフェイスが比較的分かりやすいことが評価されるポイントとして挙げられます。 一方で、盤面表示がシンプルなぶん、派手なエフェクトやサウンドを求める読者にはインパクトが弱く映る面もあり、「将棋に興味がない人を引き込むタイプのソフトではなく、あくまで将棋ファン向けの真面目な一本」という位置付けをされることも多かったようです。ただし、そうした“硬派さ”こそが好意的な評価にもつながり、「余計な演出に頼らず、あくまで対局そのものを楽しませる姿勢が好ましい」といったコメントも多く見られます。レビュー全体を通してみると、“派手さより質実剛健”なソフトとして信頼を勝ち取っていたという印象です。

コンピュータ将棋ファンからの位置づけ

コンピュータ将棋に関心を持つユーザーのあいだでは、『棋太平』は長らく“定番タイトル”として語り継がれてきました。複数の機種に移植されたうえ、後年にはX68000版やWindows版、さらには通信対局版へと展開していったことで、時代ごとのハードウェアに合わせたバージョンが存在し、「どこかの時点で一度は触れたことがある」というユーザーも少なくありません。 こうした経緯から、コンピュータ将棋の歴史を振り返る際に、『棋太平』はしばしば“ひとつの基準”として扱われます。後発の将棋ソフトを紹介する際に、「棋太平と比べて終盤が強い」「学習機能の傾向は○○に近い」といった形で名前が出てくることもあり、シリーズ全体が“ベンチマーク”的な存在になっていたと言ってよいでしょう。特に、学習機能を備えた古いソフトを探しているレトロPCファンにとっては、「まず候補に挙がる一本」として評価されています。

ライトユーザーの声:難しさと丁寧さのバランス

ライトユーザーの感想としてよく挙げられるのが、「強くてなかなか勝てないが、練習相手としてちょうどいい」というものです。駒落ち設定や待った機能のおかげで、完全な初心者でも試行錯誤しながら対局に挑める一方、平手で本気の勝負を挑むと、少し将棋をかじった程度の腕前では簡単に押し切られてしまいます。 ただし、その負け方が「理不尽に感じない」というのも、『棋太平』に寄せられる好意的な声の特徴です。あくまで定跡と読みの精度に基づいて手堅く応じてくるため、「ここで自分が無理攻めをしなければまだ互角だった」「守りを固めていればチャンスはあった」と、自分のミスに気づきやすい構造になっています。この“納得感のある負け”が、もう一局、さらにもう一局と挑みたくなる動機になっていると語るユーザーも多く、勝率だけを見れば厳しくとも、続けているうちに自然と棋力が上がっていくソフトとして評価されています。

ヘビーユーザーから見た長所と物足りなさ

一方で、将棋クラブや大会経験のあるような上級者の目線から見ると、『棋太平』には長所と同時に物足りない点も存在します。長所としては、当時のハードウェア環境を考えれば十分な読みの深さと、定跡登録や局面編集など研究向け機能の充実が挙げられます。特定の局面を繰り返し試せる利便性は、対局ソフトという枠を越えて“検討用ツール”として活用できるレベルに達しており、プロ棋戦の観戦やアマ大会の復習に使ったという声も聞かれます。 しかしながら、さらなる高みを求める上級者にとっては、「最強レベルのCPUでも終盤読みの精度や粘りに限界がある」「プロレベルの厳密な受けや妙手までは望めない」といった点が指摘されることもあります。とはいえ、それはあくまでストイックな視点からの意見であり、多くの一般ユーザーにとっては十分以上の強さであることに変わりはありません。「アマチュア中級者までなら、これ一本で長く付き合える」という評価が、全体的な落としどころになっていると言えるでしょう。

シリーズ継続による“安心感”とブランドイメージ

『棋太平』が高い評判を維持できた理由のひとつに、長年にわたるシリーズ展開があります。同じタイトルがX1、PC-8801、PC-9801、FM-7/77AV、MSX2、X68000、そしてWindowsへと移植され、さらにオンライン版へと進化していったことで、ユーザーは世代を跨いでこのブランドに触れ続けることができました。 パソコンを買い替えるたびに、「新しい機種でも棋太平が出るなら安心だ」「また同じソフトを相手に腕試しができる」といった感覚を持てたことは、ユーザーにとって大きなプラスでした。こうした“長く付き合えるソフト”としての安心感は、単発で終わったタイトルには決して得られないものであり、シリーズ自体がひとつの“ホームグラウンド”のように認識されていた面もあります。結果として、「パソコンで将棋を指すなら、とりあえず棋太平を検討する」というブランドイメージが、自然と形作られていきました。

レトロPC時代を代表する将棋ソフトとしての再評価

時代が下り、レトロPCブームや復刻配信サービスを通じて過去の名作に触れ直す流れが強まる中、『棋太平』もまた再評価の対象となっています。当時のユーザーが懐かしさから再プレイして「やっぱりこの雰囲気が好きだ」「今遊んでも十分楽しめる」と語る一方で、若い世代のプレイヤーは「現代の将棋AIと比べると読みの浅さもあるが、むしろ人間くさい」「ソフトの限界を探る楽しみがある」といった視点から作品を捉えています。 特に学習機能に関しては、現在のディープラーニング全盛の時代から振り返ると、シンプルでありながら発想としては非常に先進的だったことが改めて評価されつつあります。対局を重ねるほどプレイヤーのスタイルに近づいていくCPUは、まさに“相棒”のような存在であり、単なるツールや敵役以上の存在感を持っていた、と語られることもあります。こうした再評価の積み重ねにより、『棋太平』は単なる古い将棋ソフトではなく、「パソコンと人間が将棋盤を挟んで向き合った歴史を象徴する作品」として記憶されつつあるのです。

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■ 良かったところ

強すぎず弱すぎない“ちょうどいい”思考レベル

『棋太平』の長所として真っ先に挙げられるのが、コンピュータの強さが絶妙なバランスに調整されている点です。プロ級の切れ味こそないものの、アマチュア中級者が本気で取り組まなければ簡単には勝てない実力を備えており、「油断するとあっさり負けるのに、工夫すればなんとか勝ち筋を見いだせる」という、手応えのある難易度になっています。 これにより、初心者にとっては「強い相手に挑戦する面白さ」が、ある程度指し慣れたプレイヤーにとっては「自分の読みがどこまで通用するか試せる場」が提供されており、どのレベルの人にとっても“目標にしやすい相手”として機能しています。駒落ちやレベル設定を組み合わせれば、自分より少し上のライバルと常に対局しているような感覚を得られ、プレイヤーの成長をうまく刺激してくれるのが高評価につながっています。

学習機能による“育てる楽しみ”と長期的なやり込み要素

多くのユーザーが魅力に挙げるのが、コンピュータの思考ルーチンが対局を通じて学習していくシステムです。同じ定跡や攻め筋で連勝していると、あるところから急に堅い受けを選ぶようになったり、無理攻めを咎めてくるようになったりと、CPU側の手つきが変化していきます。この挙動は、単にプログラムの更新やバージョンアップではなく、「自分との対局経験の蓄積がソフトの個性を形作っている」と感じさせてくれる要素です。 その結果、プレイヤーは『棋太平』を単なるソフトウェアではなく、自分の指導を受けながら強くなっていく“仮想の弟子”や“長年のライバル”のように捉えることができます。遊べば遊ぶほどCPUとの関係性が変化していくため、一度飽きても時間をおいて再び起動したくなる、独特の愛着が生まれやすい設計です。この“育てる楽しみ”が、長期間にわたり遊び続けられた理由のひとつになっています。

定跡登録・局面編集など研究向け機能の充実

『棋太平』は、単なる対局専用ソフトにとどまらず、将棋の研究・勉強に使えるツールとして優秀なところも高く評価されています。自分で考えた定跡手順や気に入った攻め筋を登録しておき、再度その局面を呼び出して検証できる機能、印象に残った中盤の戦いを局面編集で再現してそこからCPU相手に何度も指し直せる機能など、アナログの将棋盤とノートだけでは実現しにくい“反復練習”が非常にやりやすく設計されています。 また、対局後に棋譜を一手ずつ再生しながら「この手を変えたらどうなるか」をその場で試せる点も、ユーザーから高く評価されています。これにより、単に勝った負けたで終わらせるのではなく、「どのタイミングで形勢が傾いたのか」「どの一手が勝因・敗因だったのか」を検証しやすくなり、自分の弱点を客観的に見つめ直すきっかけを与えてくれます。実戦と研究の両方をひとつのソフトで完結できる点は、当時としては贅沢な仕様であり、大きな長所と言えるでしょう。

操作性の良さとインターフェイスの分かりやすさ

キーボード、テンキー、ジョイスティック、マウスといった複数の入力デバイスに対応していることも、『棋太平』の良いところとしてよく挙げられます。慣れたユーザーはテンキーを使って素早く指し手を入力でき、マウス派のユーザーは“手”の形をしたカーソルで駒をつまんで動かす直感的な操作が可能です。 また、メニュー構成や表示の仕方が比較的シンプルで、説明書を細かく読み込まなくても、画面の指示に従うだけで基本操作を把握できるようになっています。対局画面も、余分な情報を排しつつ必要な情報(持ち駒、手数、先後、持ち時間など)が見やすく配置されており、「何が起きているのか分からない」といったストレスを感じにくい作りです。特に、将棋ソフトに初めて触れる人にとっては、この“迷わず遊べる”インターフェイスが安心感につながっており、「複雑そうに見えて、実際に触るとすぐ慣れる」という好意的な感想が多く寄せられています。

視認性の高い盤面と落ち着いた和風テイスト

グラフィック面では、派手なアニメーションや色使いは控えられているものの、その分だけ盤面の視認性が非常に高くなっている点が評価されています。駒の文字はくっきりとした漢字表示で、マス目も明瞭に区切られており、長時間の対局でも目が疲れにくい配色になっています。 さらに、タイトル画面やパッケージで用いられている武者のイラストやロゴデザインが、作品全体の雰囲気づくりに大きく貢献しています。いざ対局画面に入るとシンプルな画面構成になりますが、ソフト全体を通して和風テイストが一貫しており、“盤に向かう緊張感”を程よく演出してくれます。「静かながらも重厚な雰囲気がある」「ゲームというより将棋道場に通っている気分になれる」といった声もあり、余計なギミックに頼らない作りがかえって好印象につながっています。

人対人の“電子将棋盤”としても使える汎用性

『棋太平』は、人間同士での対局にも対応しており、コンピュータを相手にしないときでも“電子将棋盤”として活用できる点が高く評価されています。駒を並べる手間がなく、持ち駒も自動管理され、棋譜も勝手に記録されるため、実物の将棋盤よりも気軽に本格対局を楽しめます。 家族や友人とプレイするときに「駒をなくす心配がない」「途中で中断しても局面を保存しておける」といった利点があり、アナログ盤を持っていない家庭でも、パソコンが一台あればすぐに将棋対局の環境を整えられます。さらに、対局が終わった後にCPUに代わりに指させ、別の進行を検証するなど、人間同士の対局とコンピュータ対局を組み合わせた遊び方も可能です。この柔軟な使い方ができる点は、多くのユーザーにとって“得した気分”を与える要素になっています。

多機種展開による継続性と安心感

X1/turbo版を皮切りに、PC-8801、PC-9801、FM-7/77AV、MSX2、X68000、Windowsと、時代を追ってさまざまなプラットフォームに展開されたこと自体も、『棋太平』の良かったところとして挙げられます。パソコンを買い替えた際にも、「また同じ将棋ソフトを新しいマシンで遊べる」という安心感があり、長期的な付き合いを続けやすかった点は大きな利点です。 ユーザーによっては、「学生時代は8ビット機の版で遊び、社会人になってからはX68000やWindows版で再び対局を楽しんだ」というように、ライフステージの変化とともに同じタイトルに戻ってきたという人もいます。同じ名前、同じコンセプトのソフトが時代とともに姿を変えながらもそばにいてくれる──この継続性は、ブランドに対する信頼感を強くし、「将棋ソフトといえばやっぱりこれ」と言わせる説得力を持っていました。

“真面目さ”が生む信頼感と落ち着き

最後に、多くのプレイヤーが口をそろえて挙げる長所が、『棋太平』全体から伝わってくる“真面目さ”です。奇をてらったギミックや派手な効果音で盛り上げようとせず、あくまで盤上の攻防そのものにスポットを当てた作りは、人によっては「地味」と映るかもしれません。しかし、真剣に将棋と向き合いたいユーザーにとっては、この落ち着いた雰囲気こそが大きな魅力です。 画面の前に座ると、余計な誘惑が少なく、自然と盤面に意識が集中します。CPUも感情的な奇襲ではなく、淡々と最善手を探し続けるスタイルで対局に臨んでくるため、プレイヤー側も「自分も手を抜けない」と姿勢を正される感覚があります。娯楽でありながら、どこか“道場に通う”ような緊張感と充実感を味わえる──この独特の空気感が、『棋太平』というソフトに対する信頼と好感を長年支え続けてきた最大の要因と言えるでしょう。

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■ 悪かったところ

上級者には物足りない思考の“天井”

『棋太平』は当時としては十分に手強い将棋ソフトでしたが、本格的な大会経験を持つ上級者や、プロ棋戦を日常的に研究しているようなユーザーにとっては、やはり思考力の“天井”が見えてしまう場面もあります。特に、長手数の寄せ合いになった終盤では、読みが浅くなってしまい、安全志向の手を選ぶあまり逆転の余地を与えてしまうこともありますし、複雑な中盤戦でも、人間なら気づくような筋の良い一手を見逃してしまうことがあります。 また、難易度を最大にしても、ある程度パターンを読み切ってしまった上級者の視点では、「慎重ではあるが、もう一段踏み込んだ勝負手を見せてほしい」という気持ちになることもあるでしょう。学習機能によって多少の変化は生まれるものの、根本の評価関数や探索の限界は当時のハードウェア性能に縛られているため、現在のハイレベルな将棋ソフトと比較すると、どうしても限界が見えてしまう──この点は、真剣勝負の相手を求めるコアユーザーからすれば、やや物足りなさとして語られがちな部分です。

派手さに欠ける画面と演出

良く言えば「落ち着いた和風テイスト」、悪く言えば「地味」。これは『棋太平』の画面デザインに対してしばしば向けられる評価です。盤面と駒の視認性は高いものの、当時の他ジャンルのゲームと比べるとアニメーションや効果演出は控えめで、対局中は画面の変化が乏しく感じられることがあります。 たとえば、対局の開始や勝敗が決した瞬間に華やかなカットインや派手なサウンドが入るわけでもなく、淡々と手が進み、淡々と終局する──この“静けさ”は、真面目な将棋ファンには好まれる一方で、「ゲームらしい盛り上がり」を求めるユーザーには物足りなく映るかもしれません。特に、友人に見せながら遊ぶときなど、見た目のインパクトで興味を引きたい場面では、「もう少し演出面に遊び心が欲しい」という意見が出ても不思議ではありません。

思考時間の長さが気になる場面も

8ビット機を中心とした初期バージョンでは、コンピュータの思考時間がやや長めに感じられる局面があります。難易度設定や探索の深さにもよりますが、中盤の複雑な局面でCPU側が長考に入ると、プレイヤーは数十秒から場合によっては1分以上待たされることもあり、「本物の対局のようだ」と楽しめる人もいれば、「もう少しテンポ良く進めてほしい」と感じる人もいるでしょう。 特に、短時間で何局も回したいときや、序盤の駒組み段階でさくさく進めたいときには、待ち時間の長さがストレス要因になりかねません。後年の高性能機向けバージョンではこの点は大幅に改善されているものの、当時のマシンパワーを前提とした初期版においては、「強さとスピードのバランス」が必ずしも万人受けするレベルに達していたとは言い切れない側面があります。

豊富な機能ゆえの“とっつきにくさ”

定跡登録、局面編集、棋譜保存、対局再現、駒落ち設定など、『棋太平』は非常に多機能なソフトですが、その反面、すべてを使いこなすまでの道のりは決して短くありません。メニュー構成自体はシンプルな部類とはいえ、当時のパソコンソフトらしく、ある程度はマニュアルを読みながら操作を覚える必要がありました。 将棋そのものが初心者のユーザーにとっては、「まずルールを理解し、次にコンピュータとの対局方法を覚え、さらに定跡登録や局面編集などの高度な機能を理解する」という階段を一気に上らなければならず、「入門者向けのチュートリアル的なモードがあればなお良かったのに」と感じる場面もあったはずです。現在のソフトのように、初回起動時にガイドメッセージが出たり、モードごとに説明が表示されたりする親切設計ではないため、“慣れるまでのハードル”がやや高めなのは否めません。

サウンド面の物足りなさ

将棋ソフトという性格上、派手なBGMや効果音が必要不可欠というわけではありませんが、『棋太平』のサウンドは総じて控えめで、機種によっては駒音や簡単な効果音程度に留まっているバージョンもあります。対局に集中しやすい環境とも言えますが、「もう少し和楽器風のBGMや対局開始・勝利時のテーマがあっても良かったのでは」と感じるユーザーもいるでしょう。 特に、同時期のアクションゲームやRPGがサウンドチップを活かした印象的な音楽で人気を集めていた時代だけに、音周りの演出が地味なことは、人によっては“不満点”として挙げられる要素です。長時間の対局を続けると、無音または単調な効果音だけでは寂しさを感じる場面もあり、「音楽面でもうひと押し欲しかった」という印象を持つプレイヤーがいても不思議ではありません。

将棋に興味のない人を引き込む要素の少なさ

『棋太平』は徹底して“将棋そのもの”を中心に据えたソフトであり、キャラクター性やストーリーモードなど、将棋に興味のない人を惹きつけるための仕掛けはほぼ用意されていません。そのため、将棋ファンから見ると「余計なものがなくて良い」となる一方で、友人や家族に勧める際には、「将棋が分からない人にはハードルが高い」と感じられることもあります。 同じボードゲーム系ソフトでも、キャラクターが対局相手として会話をしてくれたり、勝敗に応じて物語が進行したりする作品もあるなかで、『棋太平』はあえてそうした要素を切り捨てています。その結果、ユーザー層がどうしても“将棋が好きな人”に限られてしまい、「将棋への入り口となるソフト」というよりは、「ある程度将棋に親しんでいる人がじっくり取り組むソフト」という印象が強くなってしまっている点は、間口の広さという観点から見れば弱点と言えるかもしれません。

バージョン間の違い・機種差による戸惑い

多機種展開は『棋太平』の強みである一方で、ユーザーによっては機種ごとの細かな仕様差に戸惑うこともあります。たとえば、X1版とPC-8801版、PC-9801版、さらにはX68000版『棋太平68K』やWindows版の間では、表示の雰囲気や操作感、思考速度などが微妙に異なり、「以前遊んでいた環境と比べて、なんとなく感触が違う」と感じることがあります。 もちろん、当時のハードウェア性能や解像度の差を考えれば、完全に同一の体験を提供するのは難しかったのですが、「機種が変わってもまったく同じ感覚で遊びたい」というユーザーにとっては、こうした違いが小さな不満として積み重なることもあったはずです。シリーズを通して遊んでいるユーザーほど、細かな仕様差に敏感になりやすく、「この機種ではこの機能が微妙に使いづらい」といった印象を持つこともあるでしょう。

現代基準で見たときの“不親切さ”

最後に、どうしても避けて通れないのが、「現代の基準で見ると不親切に映る部分」です。たとえば、操作説明や機能紹介が紙のマニュアル頼みで、ソフト単体では詳しいヘルプが表示されないこと。対局の目的や上達の指針が画面上で示されることはほとんどなく、「自分で工夫して遊び方を見つける」ことが前提になっていること。こうした点は、チュートリアルやポップアップヘルプが当たり前の現在のゲームから振り返ると、どうしても“とっつきにくさ”として目立ってしまいます。 とはいえ、これは時代背景も大きく影響している部分であり、当時のパソコンゲーム全体に共通する性質でもあります。それでも、「もし今風のナビゲーションやオンラインマニュアルが備わっていたら、もっと多くの人がこのソフトの魅力に触れられただろう」と想像してしまうのも事実です。『棋太平』の本質的な面白さを知っているユーザーほど、「中身は良いのに、入り口で損をしている」と感じることがあり、その意味で“惜しい作品”という評価が出てくることもあるでしょう。

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■ 好きなキャラクター

パッケージの騎馬武者という“主人公像”

『棋太平』には、RPGのような名前付きキャラクターや会話するライバルは登場しません。それでも、多くのプレイヤーの記憶に強く焼きついている“キャラクター”がひとりいます。それが、パッケージやタイトル画面に大きく描かれた騎馬武者の存在です。兜をかぶり、槍や旗を掲げて突き進むこの武者は、作品の世界観を象徴するビジュアルとして、将棋ソフトでありながら“物語の主人公”のような印象を放っています。 プレイヤーにとってこの騎馬武者は、「コンピュータ将棋の強さそのものを人格化した姿」として感じられることが多く、盤面に向かうときにはいつも背後で見守っているようなイメージが重なります。実際の対局画面には彼の姿は現れませんが、ゲームを起動するたびにまず彼と対面することで、「今日もこの武者に恥じない将棋を指そう」という気持ちを自然と呼び起こしてくれる、黙った主役のような存在なのです。

盤上に息づく“無名の棋士たち”

人間キャラクターの立ち絵やアイコンこそ登場しないものの、盤上で戦う駒それぞれが、小さな人格を持った“キャラクター”のように感じられるのも『棋太平』ならではです。歩は黙々と前進し続ける兵士、角や飛車は戦局を大きく動かす切り札、金や銀は王を守る忠臣──こうしたイメージは将棋そのものに共通するものですが、デジタル画面上で漢字駒が整然と並ぶ様子は、不思議と“舞台上に並んだ登場人物”のような気配を漂わせます。 プレイヤーは対局を重ねるうちに、「この局面なら銀が仕事をしてくれる」「終盤のこのあたりで桂馬が決め手になる」といった経験則を蓄え、やがて特定の駒に愛着を抱くようになっていきます。たとえば、「このソフトでは飛車を捌く展開が得意だから、飛車が主役の将棋になりやすい」といった“棋太平らしさ”を感じ始めると、その時点で各駒は単なる記号を超えて、自分だけの“お気に入りキャラクター”に変わっていくのです。

レベルごとに性格が違って見えるCPUたち

『棋太平』のコンピュータは、難易度設定や学習の進み具合によって指し手の傾向が変化しますが、プレイヤーの側から見ると、これはまるで“性格の違う対戦相手が何人もいる”ように感じられます。 たとえば、低めのレベルでは多少無理気味に攻め込んでくる傾向があり、「攻め好きの若手棋士」のような印象を受けるかもしれません。一方、強めのレベルに上げていくと、駒得や自陣の安全を優先し、じっくりと駒組みしてから仕掛けてくることが増えます。この慎重な指し回しは、「ベテランの居飛車党」のようなイメージと重なり、同じソフトを相手にしているにもかかわらず、人の顔ぶれが変わっていくような錯覚を生み出します。 さらに、学習が進んだCPUは、以前なら素通しだった攻め筋に対して鋭い反撃を用意してくることがあり、プレイヤーはそこに“成長したライバル”の姿を見ることになります。こうして、難易度や学習状態の違いがそのまま人格の違いのように感じられ、「今日は慎重なあいつと戦っている」「このレベルは攻めっ気が強いから注意しよう」といった具合に、CPUをキャラクターとして捉えたくなるのです。

プレイヤー自身が物語の主役になる構造

キャラクター演出が少ない『棋太平』において、最も大きな存在感を放つ“主人公”は、実は画面のこちら側にいるプレイヤー自身です。ストーリーも会話も用意されていないからこそ、パソコンの前に座ったプレイヤーとCPUとの対局ひとつひとつが、そのまま唯一無二の物語になります。 たとえば、初めてCPUに完敗したときの悔しさ、何度も挑戦してやっと一勝をもぎ取ったときの安堵感、学習を繰り返したソフトに古い戦法が通用しなくなったときの驚き──こうした体験は、RPGのイベントや会話シーンにも匹敵する印象深い“ドラマ”として記憶に残ります。そこには特定のキャラクター名こそありませんが、「このときの自分はこう指した」「あの対局が分岐点だった」という、自分自身の成長記録が刻まれていくのです。 言い換えれば、『棋太平』はプレイヤー自身を“主人公キャラクター”に据えた作品であり、画面上の無言のCPUは、その主役を成長させるためのライバルとして配置されている、と見ることもできるでしょう。

将棋ファンが語る“印象に残る存在”たち

ファン同士の会話の中で、『棋太平』にまつわる“キャラクター的な存在”としてしばしば挙がるのは、やはりパッケージの騎馬武者と、各機種版ごとのタイトル画面に描かれたロゴやデザインです。X1版やPC-8801版、X68000版『棋太平68K』それぞれで微妙に雰囲気が違い、「自分はこの版のロゴが一番好きだ」「あの機種のフォントがいちばん渋い」といった“推し”の語り合いが生まれます。 また、長く遊んでいるうちに、「このレベルのCPUはここで無理攻めしてくるから、性格がせっかち」「この学習状態だと妙に粘るから、しぶとい棋士みたいだ」といった擬人化トークも自然と交わされるようになります。公式設定としてのキャラクターが存在しないにもかかわらず、プレイヤーの側からは“人格”や“顔”が付けられていく──この現象そのものが、『棋太平』がいかに対局の印象を強く残すソフトであるかを物語っています。

“静かな道場主”としてのソフト全体の雰囲気

もうひとつ忘れてはならないのが、ソフト全体に漂う“道場主”のような雰囲気です。画面越しに話しかけてくるキャラクターはいませんが、シンプルなメニュー構成と落ち着いたデザインは、まるで木の香りが漂う将棋道場に足を踏み入れたときの空気を連想させます。 「今日はどの手合いで指すか」「何手まで読んでみるか」と自分で決めてスタートボタンを押す行為は、対面の道場主に「お願いします」と頭を下げる瞬間に似ています。対局が終わって盤面を振り返るときも、そこに余計な演出はなく、ただ淡々と棋譜が流れていくだけですが、その静けさが却って“厳しい師範”に見守られているような感覚を生みます。 この意味で、『棋太平』というタイトルそのものが、ひとつの人格を備えた“キャラクター”だと言ってもいいかもしれません。騒がず、飾らず、しかし油断すれば容赦なく叩きのめしてくる──そんな無言の道場主のような存在として、多くのプレイヤーの記憶に残り続けているのです。

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●対応パソコンによる違いなど

X1/turbo版 ─ すべての出発点になったオリジナル

『棋太平』の歴史は、シャープのX1/turbo版から始まります。1985年8月に最初のバージョンとして登場したこの版は、以後の全ての移植版の“雛形”となった存在です。X1シリーズ特有のシャープな高解像度グラフィックを活かし、漢字表示の駒、くっきりとした盤面、そしてシンプルながらも雰囲気のあるタイトル画面が特徴でした。 当時のX1ユーザーにとっては、「自分のマシンでここまで本格的な将棋が指せるのか」という驚きを与えた一本であり、盤の反転機能や学習型思考ルーチンといった要素は、このオリジナル版の時点ですでに実装されています。思考スピードは現代基準ではさすがにゆっくりめですが、8ビットCPUと限られたメモリの中で、長考の末に意外な好手をひねり出してくる様子は、当時のユーザーに「コンピュータ将棋もここまで来たか」と感心させるに十分な出来でした。

X1/turbo版の操作はキーボード主体で、数字キーで筋・段を指定して駒を動かすスタイルが基本ですが、対応環境ではジョイスティックやマウスも利用可能でした。特にマウス操作では、“手の形”をしたカーソルで駒をつまみ、盤上に滑らせて指す感覚が再現されており、これが『棋太平』に独特の“指し心地”を与えています。後に登場する他機種版も、この基本スタイルを踏襲しているため、まさにシリーズ全体の原型になったと言ってよいでしょう。

PC-8801版・FM-7/77AV版 ─ 8ビット機ならではの味わい

X1/turboに続いてリリースされたPC-8801版やFM-7/77AV版は、当時のホビーパソコン市場を代表する人気機種向けのバージョンです。画面解像度や色数はX1と近いレンジに収まっていますが、各ハード固有の表示モードやフォントの違いにより、盤面の印象は微妙に異なります。 PC-8801版では、NEC機の漢字ROMを活用した駒表示や、比較的落ち着いた色合いの盤面が特徴で、「PC-88らしい雰囲気の中で将棋を指している感覚」を味わえます。一方、FM-7/77AV版は、富士通機らしいカラフルな表現力を備えており、機種の世代によってはFM音源を利用した効果音が鳴る環境もあるため、地味になりがちな将棋ソフトにほんのりと華やかさを添えてくれます。

ただし、どちらの機種もCPU性能やメモリ量はX1/turbo版と似たクラスであるため、思考ルーチンの内容そのものはほぼ共通と考えてよく、強さや読みの傾向に大きな差はありません。違いが出るのは主に「思考時間」と「画面の見え方」で、例えば同じ難易度設定でもPC-8801のクロック周波数やグラフィック処理の負荷の違いから、若干待ち時間が短く感じられる、あるいはその逆、といった体感差が生まれます。ユーザーによっては「同じ棋太平でも、この機種版がいちばん落ち着いて指せる」と好みが分かれるポイントになりました。

PC-9801版 ─ ビジネス機で味わう本格将棋

PC-9801版『棋太平』は、当時“ビジネスPC”として確固たる地位を築いていた98シリーズ向けにリリースされたバージョンです。640×400ドット級の高解像度漢字表示を活かし、盤面と駒の表示はシリーズの中でも特にシャープで読みやすくなっています。会社や学校にPC-98が導入されていたユーザーにとっては、「仕事で使っているマシンで、そのまま本格将棋が指せる」という感覚が新鮮だったはずです。

ゲーム内容自体は他機種版と共通で、棋力や機能の違いは大きくありませんが、16ビットCPUと広めのメモリを持つPC-9801環境では、同じ思考レベルでもレスポンスが全体的に良くなり、終盤の長考がやや短く感じられます。特に後期の高速モデルでは、当時としてはかなりテンポ良くCPUが応手を返してくれるため、「じっくり読みつつも、テンポを損ねない」理想的な対局環境に近づいていました。ビジネス用のハードを“道具”として使い倒している感覚も相まって、「余計な演出はいらないから、とにかく良い相手が欲しい」というユーザーにとっては、このPC-98版がベストと感じられたケースも多かったようです。

MSX2版 ─ 普及機向けのコンパクトな『棋太平』

MSX2版は、当時家庭への普及が進んでいたMSX2規格向けに提供されたバージョンで、よりカジュアルな環境で『棋太平』を楽しめるよう意識された作りになっています。画面解像度や色数はMSX2の標準に準拠しつつ、漢字表示と将棋盤の視認性を確保するため、表示フォントやマス目の太さなどが他機種と微妙に調整されています。

MSX2はX1やPC-8801よりも全体として低価格帯のマシンが多く、CPUやメモリも控えめな構成が一般的でした。そのため、同じ“棋太平”であっても、思考時間はやや長くなりがちで、ユーザーによっては「じっくりと腰を据えて対局するソフト」として受け止められた面があります。一方で、MSX2の強みである家庭用っぽい親しみやすさのおかげで、家族と一緒に人間同士の対局モードを楽しんだり、子どもの将棋入門用に使われたりと、“リビングにあるパソコンで指す棋太平”というスタイルを実現していました。

操作面では、ジョイスティック操作に対応している点がとくにありがたく、ファミコン感覚で十字キーを操作しながら駒を選択するプレイスタイルは、キーボードに不慣れなユーザーでも入りやすいものでした。シリーズの中でも、“一番ライトな雰囲気で遊べる棋太平”として位置づけられるバージョンと言えるでしょう。

X68000版『棋太平68K』 ─ 高解像度と高速思考の決定版

X68000版『棋太平68K』は、シリーズの中でもとくに重要な位置を占めるバージョンです。ハイエンド機として鳴らしたX68000の高解像度・多色表示・高速CPUをフルに活かし、盤面の美しさ、駒の読みやすさ、思考スピードのいずれにおいても、8ビット機時代から大きな飛躍を遂げています。 画面構成は基本的に従来作を踏襲していますが、解像度に余裕があるため、盤面の周囲に持ち駒や局面情報をゆったりと配置でき、全体として余白の多い見やすい画面に仕上がっています。FM音源を使った効果音や、機種ごとのフォントデザインのおかげで、同じ『棋太平』でありながら、X68k版だけ独特の“マシンの格”のようなものを感じさせるのも特徴です。

また、この『棋太平68K』が後のWindows版のベースになったとされており、シリーズの系譜の中でも“橋渡し”的な役目を担っています。X68000版で洗練されたインターフェイスや思考ルーチンがPC/AT互換機向けに移植されることで、DOS/Windowsの時代に入ってからも『棋太平』ブランドは生き続けることになります。

Windows版・EGG版など ─ 現代環境での“レトロ将棋”

Windows向けに展開された『棋太平』は、基本的にはX68000版『棋太平68K』をベースにしつつ、PC/AT互換機の解像度やマウス環境に合わせて調整されたバージョンです。古いDOS/V環境向けのリリースに加え、近年ではレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」などを通じて、X68000版やPC-8801版をWindows上で再現した形で遊べるようにもなっています。

これらの復刻版では、オリジナルのグラフィックやサウンドを尊重しつつも、現代のディスプレイ解像度や音源環境に合わせた調整が施されており、当時の雰囲気を残したまま快適にプレイできます。エミュレーション環境上で動作するため、思考速度やロード時間もオリジナルより短く感じられる場面が多く、「当時は長考が待ち遠しかったけれど、今遊ぶとテンポ良くて遊びやすい」といった逆転現象も生まれています。

Windows版やEGG版の利点は、対応パソコンごとの細かな違いを気にせず、“棋太平というゲームそのもの”に集中できる点です。X1、PC-8801、PC-9801、X68000……といったハードウェアの垣根を越え、一本化されたインターフェイスでシリーズの歴史をまとめて体験できるため、「かつて別機種で遊んでいたユーザーが、思い出とともに再会する場」としての役割も果たしています。

共通する“棋太平らしさ”と、機種ごとの個性

どのプラットフォームでも共通しているのは、 – 本将棋をベースにしたオーソドックスなルール – 学習型思考ルーチンによる“成長するCPU” – 定跡登録や局面編集、棋譜再現などの研究向け機能 – テンキー・ジョイスティック・マウスなど複数入力デバイスへの対応 といった“棋太平らしさ”を形作る要素です。

そのうえで、
8ビット機版は、じっくり長考する“ねばり強い相手”
PC-9801版は、高解像度で落ち着いた“ビジネス機の道場”
MSX2版は、家庭向けの“ライトな入門・対局環境”
X68000版とWindows版は、高速・高解像度で洗練された“決定版”
というように、同じ『棋太平』でありながら、遊ぶマシンによって微妙にキャラクターが変わってきます。

機種間でルールや基本機能に大きな差はないものの、画面の印象やレスポンス、サウンド、操作デバイスの感触といった要素の積み重ねが、プレイヤーにとっての“自分だけの棋太平像”を作り上げていきました。その結果、「自分にとっての棋太平はX1版だ」「いやいや、やっぱり98版が一番しっくりくる」「X68k版こそ完成形だ」といった、機種ごとの“推し棋太平”論争が昔から今に至るまで続いているのです。

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●同時期に発売されたゲームなど

★ザナドゥ(日本ファルコム)

『棋太平』と同じ1985年を代表するPCゲームとして真っ先に名前が挙がるのが、日本ファルコムの『ザナドゥ(XANADU)』です。PC-8801用として1985年11月21日に発売され、価格はおよそ7,800円という、当時としてもやや高価な本格派タイトルでした。 アクションRPGの形式を取りながら、レベルアップ要素やショップでの装備購入、複雑なダンジョン探索といった要素を詰め込んだ“濃い”ゲーム性が特徴で、国産RPGの礎を築いた一本とも言われます。フィールド画面ではシンボル的に敵が配置され、接触するとアクションシーンに切り替わって戦闘が始まる構造は、当時のプレイヤーにとって非常に斬新でした。『棋太平』が思考ルーチンとUIの作り込みで将棋ファンをうならせたのに対し、『ザナドゥ』は遊び手の時間と根気を吸い込む大作RPGとして、PCゲームの可能性を一気に広げた存在と言えるでしょう。

★軽井沢誘拐案内(エニックス)

アドベンチャーゲームの側から同時代を代表するのが、エニックスの『軽井沢誘拐案内』です。PC-8801版は1985年5月31日に発売され、定価は5,800円(別資料では6,380円とされるものもあり、税表記の違いと考えられます)。 リゾート地・軽井沢を舞台にしたミステリー仕立てのテキストADVで、実写風のグラフィックと丁寧なシナリオ構成が話題となりました。プレイヤーは事件解決のために町を歩き回り、聞き込みや証拠集めを積み重ねて真相に迫っていきます。のちに『ドラゴンクエスト』で知られる堀井雄二がシナリオを担当していることもあり、「読み物としても面白いゲーム」という評価が確立しました。 『棋太平』と比べると、こちらは完全に一人用の“物語体験”に振り切った作品ですが、どちらもPCならではの長時間プレイを前提とした作りという点では共通しており、当時のユーザーが「腰を据えて遊ぶ」遊び方を好んでいたことがうかがえます。

★エルドラド伝奇(エニックス)

同じくエニックスからは、アダルト要素を含んだアドベンチャーゲーム『エルドラド伝奇』も1985年の代表作として外せません。PC-8801向けには1985年1月発売で、価格は7,800円前後とされ、5インチフロッピー2枚組というボリューム感でした。 槙村ただしのマンガを原作に、伝説の黄金郷“エルドラド”にまつわる陰謀と、新人種“アマゾンネコ”の存在を追うミステリー調の展開が展開します。コマンド選択式ADVながら、「指定枠」というインターフェイスを使って画面上の位置指定やコマンド選択を行う独自の操作体系を採用しており、当時としてはUI面でかなり実験的なタイトルでした。『棋太平』が漢字表示やマウス・ジョイスティック対応などPCならではの操作性を追求したのと同じく、『エルドラド伝奇』もインターフェイスを工夫することで、アドベンチャーゲームの没入感を高めようとしていたのが印象的です。

★メルヘン・ヴェール I(システムサコム)

アクションRPG寄りのファンタジー作品として話題になったのが、システムサコムの『メルヘン・ヴェール I』です。PC-8801版は1985年8月発売で、定価は7,900円(MSX版やFDS版は別価格)という、当時としてはハイエンド寄りの価格帯でした。 横から見たアクション画面で敵をなぎ倒しつつ、RPG的な成長要素やイベントをこなしていくスタイルは、その後の和製アクションRPG路線にも通じるものがあります。童話的な世界観と、どこか物悲しさを感じさせる音楽、やや高めの難易度が合わさり、「雰囲気ゲー」として記憶しているプレイヤーも少なくありません。将棋ソフトである『棋太平』とジャンルはまったく違いますが、「PC-8801を購入したら一度は耳にする有名タイトル」という意味では、同じ棚に並べて語られることの多い一本です。

★コズミックソルジャー(工画堂スタジオ)

SFテイストの3DダンジョンRPGとして人気を博したのが、工画堂スタジオの『コズミックソルジャー』です。PC-8801版は1985年10月発売で、定価は7,800円。 一人称視点のダンジョンを進みながら、トラップやパズルを解きつつ敵と戦っていく構造で、当時としてはハードで歯ごたえのあるゲーム性がプレイヤーを魅了しました。宇宙を舞台にした世界観や、お色気要素を盛り込んだイベントなど、PC向けゲームらしい“大人っぽさ”も特徴的です。『棋太平』が盤面上の知的な読み合いを売りにしていたのに対し、『コズミックソルジャー』はダンジョンの構造や仕掛け、戦闘のリスク管理といった別方向の“頭脳戦”を提供しており、同じPC-8801ユーザーのなかでも好みで選ぶ楽しみがありました。

★トリトーン(ザインソフト)

同じ1985年10月発売組では、ザインソフトのアクションRPG『トリトーン』も忘れられません。PC-8801版は定価4,800円と、他のRPG系タイトルに比べるとやや手に取りやすい価格設定でした。 海に囲まれた孤島“ルワンダ島”を舞台に、妖怪ペイ・バルーサに支配された島を解放するため、主人公トリトーンが五色の妙薬を集めて奮闘するという筋立てです。システム的には『ハイドライド』に似た見下ろし視点のアクションRPGですが、サイドビュー寄りの画面構成やジャンプ・剣攻撃の感触など、独自のアレンジも多く、当時のレビューでは「価格の割に遊びごたえがある一本」として紹介されることもありました。ボードゲーム的なじっくり思考とは対照的に、反射神経と慣れがものを言うタイトルで、同じ年にこうした多様なジャンルのゲームが並んでいたこと自体、PCゲーム市場の豊かさを物語っています。

★タイムエンパイア(光栄)

歴史シミュレーションで有名な光栄(現コーエーテクモ)からは、RPG色の強い和製RPG『タイムエンパイア』が1985年10月にPC-8801向けとして発売されました。定価は7,800円。 舞台は1677年の日本。プレイヤーは時間帝国の野望を阻止するために江戸時代へワープしたタイムパトロール隊員となり、歴史上の人物たちと関わりながら戦いを繰り広げます。広大なマップ上を移動し、拡大画面でのアクション風戦闘が行われるなど、シミュレーション色だけでなくアクション性も持ち合わせている点がユニークでした。光栄といえば『信長の野望』や『三國志』といった本格戦略SLGが有名ですが、その裏でこうした実験的なRPGもリリースされており、『棋太平』のような純粋な思考ゲームと並んで、同社の多彩なラインナップを象徴する存在になっています。

★三國志(光栄)

1985年12月には、のちに長寿シリーズとなる『三國志』の初代作がPC-8801/SR向けに登場します。価格は14,800円と、当時のPCゲームとしても最高クラスの“超高級ソフト”でした。 中国三国時代の群雄割拠をシミュレーションゲームとして再現し、武将の能力値、内政・外交・軍事をトータルで管理しながら天下統一をめざすスタイルは、その後の歴史SLGの基本形となります。将棋AIとの一対一の対局に特化した『棋太平』と比べると、こちらは多数の武将・都市を同時に扱い、長期的な戦略を練るゲームであり、遊び方のスケール感がまったく異なります。しかし「限られた情報を元に最善手を探る」という意味では共通点も多く、当時のPCユーザーは、ボードゲーム的思考をベースにさまざまなジャンルへ拡張していく楽しさを味わっていたと言えるでしょう。

★ザイロス(アスキー)

アスキーから発売された『ザイロス』は、SF世界を舞台にしたアクションRPGです。PC-8801向けには1985年12月発売で、定価は6,800円。 プレイヤーはスーパーコンピュータ“ザイロス”を回収する任務を帯び、未知の惑星レアンドロスに降り立ちます。画面切り替え式の見下ろし視点フィールドで敵と戦いながら経験値を稼ぎ、戦闘力の上下を意識した立ち回りが求められるゲームデザインは、単純なアクションとは一線を画すものでした。『棋太平』もまた、プレイヤーの指し手に応じてAIの思考が成長していく要素を持っており、「コンピュータと対話するように遊ぶ」という点で、ザイロス的なRPGと共通する空気を持っていました。硬派なSF設定とシビアなバランスは、やや人を選ぶ一方で、ハマる人にはたまらない一本として記憶されています。

★EGGY(エギー)(ボーステック)

アクションゲームの領域で1985年を象徴する作品のひとつが、ボーステックの『EGGY(エギー)』です。PC-8801版は1985年2月発売で、定価は6,200円。 長期化する星間戦争を終結させるため、二足歩行のボディアーマーを操って惑星エギーに降り立つというストーリーで、重力を感じさせるジャンプ挙動や、資材を集めることが目的というゲーム性が特徴でした。単なる敵の殲滅ではなく、限られた時間の中でどれだけ効率よく資源を回収できるかというスコア志向のデザインは、アーケードライクでありながらPCならではの遊びごたえを備えています。『棋太平』と比べると反射神経寄りのゲームですが、「何度も挑戦してコツをつかんでいく」「パターンを組み立ててハイスコアを狙う」といった学習の楽しさという点では共通しており、同時代のプレイヤーは気分によって将棋とアクションを行き来しながら、PCゲームライフを満喫していたことでしょう。

このように、『棋太平』の登場した1985年前後のPCゲーム市場は、RPG、アドベンチャー、シミュレーション、アクションと非常に多彩なジャンルの“看板タイトル”がひしめき合っていました。高価ながらも内容の濃さで勝負するRPGやSLGと並んで、将棋というシンプルなルールの上に高度な思考ルーチンや多彩な機能をのせた『棋太平』が長く支持されたのは、「強さ」と「遊びやすさ」の両立に成功していたからだと言えるでしょう。

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