『きゃんきゃんバニープルミエール』(パソコンゲーム)

【SS】 きゃんきゃんバニー プルミエール2 (付録ディスクあり)【中古】セガサターン

【SS】 きゃんきゃんバニー プルミエール2 (付録ディスクあり)【中古】セガサターン
4,780 円 (税込)
こちらの商品は、中古商品になります。 初期動作確認済みです(説明書あり) ケース:少々スリ傷あり。 ディスク:若干の薄傷あり。2枚組 帯:なし。 説明書/解説書:比較的良い。 ※画像はサンプルになりますので、 ご了承お願い致します。
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【発売】:カクテル・ソフト
【対応パソコン】:PC-9801、X68000、FM TOWNS、Windows
【発売日】:1992年7月30日
【ジャンル】:アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム

[game-ue]

■ 概要

シリーズ第4作としての立ち位置と基本情報

「きゃんきゃんバニープルミエール」は、カクテル・ソフトが手がけた看板シリーズ「きゃんきゃんバニー」の第4作にあたるアダルト恋愛アドベンチャーです。発売は1992年で、PC-9801版を中心に、X68000版、FM TOWNS版、のちにはWindows 3.1/95対応版と、90年代前半の主要PCプラットフォームを一通り押さえたタイトルとして展開されました。 従来のシリーズ作品と同様に「女の子との出会いと恋愛」を主軸に据えつつ、本作では後の作品群ともリンクする世界観やキャラクターが本格的に登場し、とくにナビゲート役の女神スワティは、このゲームをきっかけにシリーズ全体の象徴的存在へと成長していきます。 ゲームジャンルとしてはテキスト主体のコマンド選択型ADVで、プレイヤーは主人公となって街の女の子たちと交流し、様々なイベントを通じて好感度を高めていくスタイルを採用しています。シリーズがもともと持っていた「ナンパゲーム」「恋愛シミュレーション」といった要素を、よりストーリー性の強い構成のなかに再構築したのがプルミエールの大きな特徴です。

神様とタマゴがもたらす騒がしい日常――物語の導入

物語は、女の子にモテたいという願望は人一倍だけれど、どこか煮え切らない大学生の主人公が、ある日とんでもない「落とし物」に巻き込まれるところから始まります。頭上に落ちてきた謎の物体をきっかけに、彼の部屋には奇妙な格好をした美少女と、どこか愛嬌のある神様たちが居座ることになり、主人公の日常は一気に騒がしくなってしまいます。 彼らは天界からやってきた神々であり、その中心にいるのが、プレイヤーを導く女神スワティです。スワティは「大事なタマゴ」を落としてしまった失態の責任を取るために、人間界でタマゴの行く末を見守っています。そのタマゴは主人公が拾ったことで運命的な縁が結ばれてしまい、「どんな存在として生まれるか」は主人公の行い、特に女性との関わり方次第で大きく変化してしまう――という設定が物語全体の軸になっています。 ゲーム内の時間としては、タマゴが孵化するまでの限られた日数のあいだに、主人公が自分の「女運」にまつわる業を精算しつつ、出会った女性たちを幸せに導けるかどうかが問われる構図になっており、その過程でさまざまな恋愛ドラマが展開していきます。ハチャメチャな神様たちに振り回されつつも、プレイヤーは一人の青年として、目の前のヒロインたちと真剣に向き合っていくことになります。

三部構成で描かれるオムニバス的な恋愛劇

プルミエールのシナリオは大きく「三章構成」で語られるのが特徴です。序盤の第1章では、主人公とスワティの出会い、タマゴの存在、それに付随するルールが提示され、プレイヤーは世界観やゲームシステムに慣れながら、最初のヒロインとの関係を深めていきます。 中盤以降の第2章・第3章では、それぞれ異なるヒロインと舞台が用意され、同じ主人公でありながら、まったく違うタイプの恋愛模様が展開されます。たとえば、学生同士の等身大の恋愛ドラマが描かれる章もあれば、年上の女性との微妙な距離感や、社会人の事情が絡むシナリオが用意されている章もあり、一本のゲームで複数のテイストを味わえる構成になっています。 それらは完全な独立エピソードというより、「タマゴをめぐる10日間前後の出来事」という枠でつながっており、プレイヤーは章を追うごとに、主人公自身の心の変化や、スワティとの関係性の変遷も感じられるようになっています。FM TOWNS版では、前作「きゃんきゃんバニースピリッツ」が同梱されており、シリーズを通して世界観をたどる遊び方もしやすくなっていました。

女神スワティというアイコンの誕生

本作を語るうえで欠かせないのが、シリーズの顔ともいえる女神スワティの初登場作であるという点です。 彼女は天界の見習い女神という立場でありながら、どこか抜けていて、主人公と同じ目線で物事に一喜一憂する親しみやすさを持っています。その一方で、要所では「神様」としての視点から主人公を諭したり、タマゴの運命を気にかけて真剣な表情を見せたりと、コメディとシリアスの橋渡し役も担っています。 ゲーム画面上では常にプレイヤーのそばにいて、状況説明やアドバイスをしてくれるナビゲーターとしての役割も持っており、「単なるヒロインの一人」ではなく、作品そのものを象徴するキャラクターとして描かれています。後続作「エクストラ」などにも登場し、シリーズファンのあいだで圧倒的な知名度を得たのも、このプルミエールでの印象的な立ち回りがあったからこそと言えるでしょう。

ビジュアルと音楽が生み出す当時ならではの魅力

グラフィック面では、PC-9801やX68000といった当時のハイエンドPCを前提にした高解像度ドット絵が採用され、ヒロインたちの表情変化や衣装差分が細かく描き分けられています。立ち絵とイベントCGを組み合わせた演出は、今となってはクラシックなスタイルですが、90年代前半のPCゲームとしてはかなり贅沢な枚数が用意されており、シーンごとの感情の起伏が視覚的にも伝わるようになっています。 FM TOWNS版ではCD-ROMならではの容量を活かしたBGMやOP曲が実装され、当時としてはリッチなサウンド環境で物語を楽しめました。FM音源らしい軽快な曲調と、しっとりとしたバラード風の楽曲が場面ごとに切り替わり、コミカルなシーンとシリアスなシーンの空気をうまく切り替えてくれます。のちにセガサターン版が登場すると、家庭用ゲーム機らしい演出強化や一部シナリオの差し替えも行われ、PC版とはまた違った見せ方がなされました。

対応機種と移植の広がり

対応機種はPC-9801、X68000、FM TOWNS、Windows 3.1/95と、多機種展開が行われました。PC-9801版やX68000版ではフロッピーディスクによるインストール形式、FM TOWNS版とWindows版ではCD-ROMメディアが採用されており、ハードウェアごとの特徴に合わせてロード時間やBGMのフォーマットなどが調整されています。 特にFM TOWNS版は、前作「きゃんきゃんバニースピリッツ」を同ディスクに収録したお得な構成となっており、シリーズファンにとっては2本分の物語をまとめて体験できる豪華パッケージでした。また、シリーズとして初めて家庭用ゲーム機に進出したタイトルでもあり、KIDによるセガサターン版ではCERO相当のレーティングを踏まえた調整や、第3章シナリオと登場人物の差し替えといった大胆なアレンジも行われています。 こうしたPC版から家庭用機への展開は、「美少女ゲームがパソコンの枠を越えて一般ユーザー層へ広がっていく」という、当時の時代の流れを象徴する動きでもあり、プルミエールはその先駆け的な一本として記憶されています。

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■ ゲームの魅力とは?

女神スワティが生み出す「物語の窓口」としての魅力

「きゃんきゃんバニープルミエール」の一番分かりやすい魅力は、やはり女神スワティの存在感です。従来のシリーズ作品にもマスコット的なキャラクターは登場していましたが、本作のスワティは単なる飾りではなく、ゲーム全体の空気を決定づける“語り部”兼ナビゲーターとして機能しています。プレイヤーが状況を把握できないときはさりげなく説明をしてくれますし、選択肢で迷ったときには遠回しにヒントを与えてくれるなど、「プレイヤーの隣に座って一緒にゲームを楽しんでいる」ような距離感が生まれています。天然気味でドジも多いのに、ここぞというところでは真剣に叱ったり励ましたりしてくれる、その振れ幅の大きさが魅力であり、シナリオ全体のメリハリにもつながっています。また、どの章を遊んでいてもスワティが常に画面のどこかに登場しているため、「バラバラな恋愛オムニバス」が一本の物語としてまとまって感じられるのもポイントです。

三章構成がもたらす多彩なラブストーリー

プルミエールの物語は大きく三つの章から成り立っており、それぞれ異なるヒロインとシチュエーションが用意されています。これによって一本のゲームで「学園もの」「社会人との恋」「年下ヒロインとの交流」など、テイストの違う恋愛ドラマをまとめて楽しめる構造になっています。章ごとに舞台となる場所や登場人物の顔ぶれが変わるため、プレイヤーは常に新鮮な気持ちで読み進めることができ、「この章ではどんな出会いが待っているのか」というワクワク感がゲームを通して途切れません。しかも、どの章も単なる恋愛イベントの羅列ではなく、タマゴを巡る設定や主人公の成長といった共通のテーマがしっかり流れているので、最後まで遊び終えたときには「ひとつの長編を読み終えた」ような満足感が得られます。オムニバス形式と長編ストーリーの両面の美味しいところを取り入れた構成は、当時の美少女ゲームとしてもかなり贅沢な作りと言えるでしょう。

日常とファンタジーがほどよくブレンドされた世界観

本作の舞台は現代日本ですが、そこへ天界の神々や不思議なタマゴが絡んでくることで、ほどよくファンタジー色の混ざった世界観が描かれます。主人公の生活のほとんどは、大学へ行ったり街をぶらついたり、アルバイトに精を出したりといった、ごく普通の若者の日常です。しかし、その裏側でスワティをはじめとした神様たちがタマゴの行く末を心配していたり、天界のルールに振り回されていたりと、ちょっとした非日常が重なり合っています。このバランス感覚が巧みで、プレイヤーは「現実にいそうな女の子」と恋愛をしている感覚を保ちながらも、同時に「もし自分の部屋に女神が住み着いたら?」という夢のあるシチュエーションも味わえるようになっています。あくまで主役は主人公とヒロインたちの人間ドラマであり、ファンタジー要素はそれを盛り上げるスパイスとして機能している点が、本作の世界観を心地よく感じさせる要因です。

魅力的なヒロインたちと丁寧な心理描写

プルミエールに登場するヒロインたちは、それぞれ性格も背景もまったく異なっており、「誰を好きになるか」でプレイヤーの好みがはっきり分かれるタイプのキャラクター造形になっています。明るく前向きで、主人公とテンポよく掛け合いのできるヒロインもいれば、一見クールで距離を感じるけれど、心を開いたときに見せる笑顔が印象的なタイプもいます。なかには家庭の事情や過去のトラウマを抱えているキャラクターもおり、彼女たちの悩みに主人公がどう向き合うかによって、物語の印象が大きく変わっていきます。各ヒロインごとにイベントシーンが細かく用意されていて、何度も会話を重ねるうちに少しずつ心の距離が縮まり、最後のクライマックスでは「ここまで来たな」としみじみ感じられるような構成が多いのも魅力です。特に告白直前の揺れ動く感情や、ギクシャクした関係を立て直すときの微妙な心理描写は、アダルトゲームでありながら恋愛ドラマとしての完成度が高く、後年の作品と比べても遜色ありません。

プレイヤーの選択が物語と“タマゴ”の未来を左右する楽しさ

本作のゲーム的な魅力として、自分の選択がストーリー進行だけでなくタマゴの“成長”にも影響を与えるという点が挙げられます。主人公の行動は、単純に「このヒロインの好感度が上がる・下がる」という数値の世界だけでなく、タマゴの中で育まれている存在にも反映されていきます。誰かを傷つけるような選択を重ねていると、タマゴの中身は不穏な方向へ変質していきますし、誠実に人と向き合っていれば、最後に生まれてくる存在も相応しいものになります。この二重構造のおかげで、プレイヤーはヒロインとの恋愛ルートを追いかけながらも、「今の自分の行動はタマゴにどう影響しているのか?」というもうひとつの視点を意識せざるを得なくなり、自然と選択のひとつひとつに重みが出てきます。エンディングで明かされるタマゴの正体や、その結末が示すメッセージも含めて、「自分のプレイスタイルが作品のテーマに直結している」と感じられる点は、本作ならではの手応えです。

分かりやすいインターフェイスとテンポの良いADVパート

システム面では、当時のPCゲームに慣れていないプレイヤーでも比較的とっつきやすいインターフェイスが用意されています。移動や会話、調べるといった基本コマンドが画面下部に一覧表示され、マウス操作やカーソルキーだけで直感的に進行できるため、「次に何をしていいか分からない」というストレスは少なめです。テキストの表示速度やメッセージスキップといった機能も備えており、読むペースを自分好みに調整しやすいのもポイントです。イベント分岐の条件も極端にシビアではなく、「気になった場所にはなるべく足を運ぶ」「会ったヒロインにはできるだけ話しかける」といった素直なプレイを心掛けていれば、自然と主要イベントの多くを回収できるようになっています。そのおかげで、恋愛ADV初心者でも安心して物語を追える一方で、特定の選択肢や行動パターンを意識することで、よりレアなイベントや別エンディングを目指すやり込み要素もきちんと用意されており、ライト層からコアなプレイヤーまで幅広く楽しめるゲームバランスになっています。

グラフィックと音楽が醸し出す“90年代前半らしさ”

ビジュアル面とサウンド面も、本作の魅力を語るうえで欠かせません。PC-9801やX68000といった当時のハイスペック機を活かしたドット絵は、輪郭や陰影の付け方が丁寧で、今見てもレトロゲームならではの味わいがあります。特にイベントCGでは、ヒロインの表情変化を細かく描き分けており、喜び・怒り・戸惑いといった感情が一目で伝わってくるようになっています。背景グラフィックも、大学のキャンパスや喫茶店、夜の街並みなどがそれぞれ雰囲気たっぷりに描かれ、プレイヤーの想像力を心地よく刺激します。音楽面では、軽快なBGMが日常パートを彩り、しっとりとしたメロディの曲が重要なイベントシーンで流れることで、物語の空気を自然に盛り上げてくれます。ハードごとに音源の鳴り方は異なりますが、その違いを聞き比べるのもマルチプラットフォーム展開ならではの楽しみ方と言えるでしょう。

シリーズファンにも新規プレイヤーにも開かれた一本

「きゃんきゃんバニープルミエール」は、シリーズ第4作でありながら、過去作を遊んでいないプレイヤーでも十分楽しめる作りになっています。世界観やタマゴの設定、スワティとの出会いなどは本作のなかで完結しており、シリーズの前提知識はほぼ必要ありません。その一方で、前作「スピリッツ」とのつながりを感じさせる小ネタや、FM TOWNS版における同梱といった要素もあるため、シリーズを通して遊ぶと「この作品群全体でひとつの世界が構築されている」という面白さも味わえます。すでに「きゃんきゃんバニー」シリーズに親しんでいるファンにとっては、スワティ初登場作として外せない一本であり、これから入門してみたい人にとっては、ストーリー性と遊びやすさのバランスが取れた“入口”としておすすめしやすいタイトルです。恋愛ドラマとしても、シリーズのターニングポイントとしても重要な位置付けにある作品だからこそ、多くのプレイヤーに長く語り継がれていると言えるでしょう。

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■ ゲームの攻略など

まずは全体構造を把握することが最大の近道

「きゃんきゃんバニープルミエール」を攻略するうえで最初に押さえたいのは、「三章構成+日数制限付きADV」であるという全体像です。各章ごとに限られた時間の中で複数の場所を回り、ヒロインとのイベントを拾っていくスタイルなので、闇雲に移動を繰り返していると、重要なフラグイベントを取り逃がしたままエンディングにたどり着いてしまうことも珍しくありません。そこで、最初のプレイでは「コンプリートを目指さない」ことをおすすめします。まずはゲームの流れを一通り最後まで体験し、「どのタイミングでどんなイベントが起こるのか」「どの場所に誰が現れやすいのか」といった大まかな感覚をつかみましょう。そのうえで二周目以降に狙いを定めてイベントを回収していくと、効率よく各ヒロインのルートを掘り下げられるようになります。

1日の行動パターンを決めてフラグ管理を意識する

本作は日数経過型のADVであり、朝・昼・夕方・夜といった時間帯ごとに行動できる場所や会えるキャラクターが変化します。攻略の基本は「1日の行動パターンをある程度テンプレ化する」ことです。たとえば、朝は大学のキャンパスを中心に探索し、昼は繁華街や喫茶店を回り、夕方以降はアルバイト先や自宅周辺を重点的にチェックするといった具合に、自分なりのルーティンを作っておくと「今日はどこに行こうか」と迷う時間が減り、そのぶんイベント探しに集中できます。また、特定のヒロインを狙う場合は、「この子はどの時間帯にどの場所へよく姿を見せるか」という傾向を早めに掴むことが重要です。一度会話イベントを起こした場所や時間帯はメモをとっておき、翌日以降に同じ条件を再現することで、続きのイベントへスムーズに進みやすくなります。

会話の選択肢は“極端に振らない”のが基本

ヒロインとの会話シーンでは、多くの場合複数の選択肢が提示されます。ここでの基本方針は「相手の性格を踏まえつつ、極端な選択は避ける」ことです。明るく元気なタイプのヒロインであっても、あまりにふざけた返答ばかり選び続けると、好感度が大きく下がってルートから外れてしまう場合があります。一方で、真面目すぎる選択ばかりだと、今度は距離が縮まらず、重要イベントに到達するまでに時間がかかってしまうこともあります。最初のうちは「相手の話をきちんと聞き、ささやかな気遣いを見せる」「冗談を言うにしても度を越さない」という中庸の選択を意識すると、大きな失敗は少なく済みます。キャラクターの性格が分かってきたら、相手の好みに合わせてもう少し踏み込んだ返答を選ぶようにすると、イベントの盛り上がり方も変わってくるでしょう。

タマゴの“育ち方”を意識した行動選択

本作独自の要素として、主人公の行動がタマゴの中で育っている存在に影響を与えるという仕掛けがあります。エンディングでどのような結末を迎えるかは、ヒロインとの関係だけでなく、主人公が「どれだけ誠実に人と向き合ってきたか」によっても変わってきます。たとえば、軽い気持ちで複数のヒロインを同時に追いかけていると、短期的にはイベントの発生数が多くて楽しいかもしれませんが、結果として誰の心にも深く踏み込めず、タマゴの成長も中途半端になりがちです。一方、ある程度ターゲットを絞り、相手の悩みや事情に真面目に付き合っていくと、ゲーム全体での主人公の“人間性”が評価され、タマゴの中身にも良い影響が出やすくなります。攻略を進めるうえでは、「目先のイベント回収」だけでなく、「この行動は全体の物語にとってどんな意味を持つのか」を考えながら選択していくことが、ベストエンディングへの近道になります。

難易度の体感と詰まりやすいポイント

難易度そのものは、極端にシビアなゲームではありません。行動回数に厳しい制限があるわけでもなく、特定の1日1回だけ発生するような理不尽なイベントも比較的少なめです。ただし、章ごとに「この時期までに好感度を一定以上まで上げておかないと、後半の重要イベントが発生しない」といった見えにくい条件が存在します。そのため、「普通に遊んでいるつもりでも、なぜか途中で関係が進展しなくなる」「突然、タマゴのイベントだけが進んでしまい、ヒロインとの物語が置いてきぼりになる」といった状況に陥ることもあります。そうしたときは一度セーブデータを戻し、「そのヒロインと最初に会った日から、どれくらいの頻度で会話を重ねてきたか」「岐路になりそうな選択肢で冷たい対応をしていなかったか」などを振り返ってみましょう。少し早い段階から積極的に会いに行き、好感度を意識的に積み上げることで、詰まりポイントを越えやすくなります。

セーブデータの使い分けで効率よくルート分岐を回収

ADVらしい攻略テクニックとして、セーブデータの管理は非常に重要です。おすすめなのは、「章の冒頭」「大きなイベント前」「重要な選択肢直前」の三種類のタイミングで、別々のスロットにセーブを残しておく方法です。章の冒頭セーブは、「この章では別のヒロインを狙ってみたい」「前とは違う行動パターンを試してみたい」と思ったときに、丸ごとやり直せる保険になります。大きなイベント前のセーブは、結果に納得がいかなかったときに、少しだけ戻って選択肢や行動を変えてみるための“やり直しポイント”として機能します。重要な選択肢直前のセーブは、異なる選択肢を片っ端から試し、その場で見られるイベントのバリエーションを確認したいときに便利です。この三段構えを意識しておけば、エンディング分岐やレアイベントの回収がぐっと楽になり、周回プレイのモチベーションも保ちやすくなるでしょう。

裏技的な遊び方・やり込み要素

本作はいわゆる“隠しコマンド”や派手なデバッグモードを前面に出したタイプのゲームではありませんが、プレイヤー側の工夫次第でちょっとした裏技的な楽しみ方が生まれます。たとえば、あえて特定のヒロインにだけ会い続ける「一点集中プレイ」をしてみると、そのキャラクターの微妙なセリフ変化や、通常プレイでは気づきにくいリアクションが見えてきます。逆に「できるだけ多くのヒロインとバランスよく交流する」ことを心掛けて進めると、日常会話が賑やかになり、主人公が“顔が広い男”として扱われるような雰囲気が強まります。また、ハードごとの違いを意識したやり込みも面白いポイントです。同じシーンでも、PC-9801版とFM TOWNS版ではBGMの印象が変わったり、画像の発色や細部の表現が微妙に違っていたりするため、複数機種版を遊び比べることで、作品の新たな一面が見えてきます。こうした“遊びの余白”を自分なりに広げていけるのは、テキストADVというジャンルならではの魅力でもあります。

初めてプレイする人へのおすすめ攻略プラン

これから初めて「きゃんきゃんバニープルミエール」に触れる人には、「一周目はノー攻略サイトで、気になったヒロインを素直に追いかける」遊び方を強く推したいところです。まずはシステムや世界観に慣れつつ、「この子ともっと話したい」と思ったキャラクターを自然体で追ってみましょう。そのうえで二周目以降、気になるキャラクターや見逃してしまったイベントがあれば、ポイントだけメモや自分用の簡単なチャートを作りながら遊ぶと、無理なくコンプリートを目指せます。どうしても詰まってしまった場合だけ、ピンポイントで情報を確認する程度に留めておくと、ゲーム本来の“手探り感”を損なわずに済みます。タマゴの結末や各ヒロインのラストシーンは、どれも主人公の選択の積み重ねによって色合いが変わる構造になっているので、「自分のプレイスタイルが反映された物語」として楽しむ気持ちが何よりの攻略法と言えるでしょう。

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■ 感想や評判

プレイヤーから見た総合的な評価

「きゃんきゃんバニープルミエール」に対するプレイヤーの総合的な印象は、おおむね「シリーズの中でも物語性が強く、遊びやすい一本」という評価に落ち着いています。従来の作品でおなじみだった軽快なナンパゲーム的要素は残しつつも、本作ではタマゴをめぐる設定やスワティの存在が加わることで、単なる出会いの積み重ねだけではない長編ドラマとしての骨格がしっかりしており、エンディングまで通して遊んだあとの満足感が高いと語るプレイヤーが多く見られます。また、三章構成によってストーリーが区切られているため、「今日は1章のここまで」「週末に2章を一気に進める」といった遊び方がしやすく、当時としては比較的ボリュームのある美少女ゲームでありながら、ダレずに最後まで走り切れるテンポの良さも好評でした。シリーズ経験者からは、「より洗練されたきゃんきゃんバニー」という肯定的な感想が寄せられる一方で、本作からシリーズに触れたプレイヤーも多く、後年になってから「初めて遊んだアダルトADVの一本として強く記憶に残っている」という声が挙がることも少なくありません。

ストーリーとキャラクターへの感想

シナリオ面に関しては、「キャラクター同士の会話が自然で読みやすい」「ヒロインの心理描写が丁寧」といった感想が多く、恋愛ドラマとしての完成度を評価する声が目立ちます。とくに、主人公がタマゴの存在を通じて自分の行動を省みたり、ヒロインの抱える悩みに踏み込んでいく過程は、当時のアダルトゲームにありがちだった「イベントをこなすための都合の良い展開」から一歩踏み出したものとして受け止められました。もちろんコメディタッチの掛け合いや、神様たちが引き起こすドタバタ劇も数多く盛り込まれており、重くなりすぎないバランスで物語が進む点も好印象です。ヒロインについては、「誰か一人に人気が集中する」というよりも、それぞれまったくタイプの違うキャラクターが揃っているおかげで、プレイヤーごとに“推し”がきれいに分かれる傾向があり、「自分は○○ルートが一番好き」「いや、△△のエンディングの方が心に残る」といった語り合いが盛り上がりやすい作品でもあります。スワティに関しては、メインヒロインというよりナビゲーター兼マスコットというポジションでありながら、彼女の存在が作品全体の雰囲気を決定づけているという意味で、「このキャラクターがいたからこそプルミエールは記憶に残る」と評価するプレイヤーも少なくありません。

システムやゲームバランスに対する評価

システム面の評判は、「当時としては非常に遊びやすい」「難しすぎず、かといって単調でもない」という声が多く、総じて好意的です。日数制限と時間帯ごとの行動選択という構造は、慣れないうちは少し戸惑うものの、一度パターンを掴んでしまえば、どこへ行けば誰に会えるのかが直感的に分かるようになり、攻略の手応えとテンポの良さが両立していると感じるプレイヤーが多いようです。また、フラグ管理も極端に厳しいものではなく、「気になった場所へ足を運ぶ」「出会ったキャラとはこまめに会話する」といった素直なプレイを心掛けていれば、自然と物語が前に進んでいくバランスに調整されています。一方で、コンプリートを目指す上級者目線では、「特定のイベント発生条件が少し分かりづらい」「章の切り替わり前に十分にヒロインと交流しておかないと、意図しないエンディングに行ってしまう」といった指摘もあり、すべてのルートを網羅しようとすると相応の試行錯誤が必要になる点が「歯ごたえ」として捉えられています。全体としては、“ADV初心者にも優しく、やり込めば奥深さもある”という中庸をうまく突いた仕上がりと評価されることが多い作品です。

グラフィック・音楽表現に対するファンの声

ビジュアル面については、当時のPC-9801やX68000の性能を前提に描かれたドット絵グラフィックが「今見ても味わい深い」「90年代初頭の美少女ゲームらしい雰囲気が堪能できる」と好意的に語られています。ヒロインたちの立ち絵は表情差分や衣装差分が豊富で、微妙な感情の変化が表情から伝わってくるのが嬉しいポイントですし、イベントCGでは背景とキャラクターの配置が丁寧に作り込まれていて、場面ごとの空気がしっかり感じ取れます。なかには「一部のCGは時代を感じさせる」「彩色の雰囲気が古臭く見える」といった意見もありますが、それを含めて“レトロな味”として受け入れられているケースが多く、否定的なニュアンスよりも懐かしさを込めた感想として語られることがほとんどです。音楽面に関しても、「耳に残るテーマ曲」「穏やかなBGMが多く、長時間プレイしても疲れない」といった評価が多く、FM TOWNS版でのCD-DA音源や、機種ごとの音色の違いを楽しむプレイヤーもいます。サウンドそのものが強烈な個性を持っているわけではないものの、シーンの空気を崩さずに支えてくれる“縁の下の力持ち”的な存在として、好感を持たれることの多い音楽となっています。

シリーズ作品の中での位置づけと比較

シリーズ全体の中でプルミエールを振り返ると、「きゃんきゃんバニー」というブランドが持つ方向性を決定づけた転換点のような作品として語られることがよくあります。初期作が持っていた軽妙なナンパゲーム的楽しさに加え、本作では物語性とキャラクター性が強く打ち出され、その後のシリーズが「世界観とキャラクターを軸とした恋愛ADV」として発展していく土台がここで固まったという見方です。前作までと比べて、プレイヤーに求められる操作やルールが分かりやすくなった点も評価されており、「遊びやすさ」と「ドラマ性」のバランスが最も良いのがプルミエールだと推すファンも少なくありません。一方で、「もっとゲーム的な駆け引きや難易度の高さを求めていた」「シリーズ特有の“おバカなノリ”がやや薄まったように感じる」という意見もあり、最初期のカオスな勢いを愛するプレイヤーからは、やや“落ち着いた”印象を持たれている面もあります。それでも、スワティ初登場作としての重要性、家庭用ゲーム機への展開の起点となったことなどを含めて考えると、シリーズ史の中で欠かせない一本であるという点に異論を唱える人はほとんどいません。

長く語り継がれる要素と現在の評価

発売から年月が経った現在でも、「きゃんきゃんバニープルミエール」はレトロPCゲームや美少女ゲームの歴史を振り返る際によく名前が挙がるタイトルです。その理由として、まず女神スワティというキャラクターのインパクトが挙げられます。彼女はシリーズの象徴的存在として後続作品にも登場し続けたため、「きゃんきゃんバニーといえばスワティ」「スワティといえばプルミエール」というイメージがプレイヤーの中で強く結びついており、その原点として本作の存在が強く意識されているのです。また、PC-9801・X68000・FM TOWNS・Windowsといった複数プラットフォームへの展開や、セガサターンへの移植によって、当時としてはかなり広いユーザー層に触れる機会があったことも大きなポイントです。最近では、入手難易度の高さや動作環境の確保といったハードルから、実際にプレイするのは簡単ではありませんが、インターネット上の回顧記事やファンの思い出話の中で、今もなお「雰囲気の良い恋愛ADV」「青春時代を思い出させる一本」として愛情を込めて語られています。こうした“思い出補正”も含めて、プレイヤーにとっては特別な位置にあるゲームであり、それだけ強い印象を残したことが、本作の評価の高さを物語っていると言えるでしょう。

初見プレイヤーが今遊んでも楽しめるポイント

最後に、現代のプレイヤーが初めてプルミエールを遊んだ場合の感想を想像してみると、「テンポはゆったりだが、きちんとキャラクターと向き合える」「派手な演出は少ないが、そのぶん会話や心情描写をじっくり味わえる」といった評価に落ち着くのではないかと考えられます。今の基準から見ると、ユーザーインターフェイスやシステム周りに不便さを感じる箇所もあるかもしれませんが、その素朴さがかえって「テキストを読む楽しさ」や「自分の選択で物語が変わる感覚」を際立たせている側面もあります。レトロゲーム特有の雰囲気や、90年代前半のPCゲーム文化そのものを味わいたい人にとっては、当時の空気を濃密に閉じ込めたタイムカプセルのような一本と言えるでしょう。シリーズに興味を持ち、「どこから遊べばいいのか」と迷ったとき、物語性と遊びやすさのバランス、シリーズ史における重要性を考えると、この「きゃんきゃんバニープルミエール」は、今なお有力な選択肢のひとつであり続けています。

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■ 良かったところ

女神スワティを中心にした雰囲気づくりの巧さ

プレイヤーが「このゲームを遊んで良かった」とまず感じるポイントとして、女神スワティが生み出す独特の雰囲気が挙げられます。スワティは物語のキーキャラクターでありながら、決して高圧的な女神ではなく、どこかドジで親しみやすく、プレイヤーと同じ目線でドキドキしたり慌てたりしてくれる存在です。シリアスな場面ではタマゴの運命を真剣に心配し、コミカルな場面では率先してボケをかますなど、作品全体の空気を柔らかく包み込む「クッション」の役割を担っています。このおかげで、本来なら重たくなりがちな“人生の選択”や“人を傷つけてしまうかもしれない葛藤”も、あくまで前向きな物語として受け止めやすくなり、「プレイしていて心地よい時間が流れる」という感想につながっています。ゲームをクリアしたあと、「物語そのものも良かったが、何よりスワティが好きになった」と振り返るプレイヤーが多いのは、彼女が単なるヒロインを超えて、“この作品の空気そのもの”を体現しているからでしょう。

それぞれの章が持つ物語の濃さとバリエーション

良かった点として多くのプレイヤーが口にするのが、「三章構成による物語のバリエーションの豊かさ」です。各章ごとにメインヒロインや人間関係が異なり、「学生同士の等身大の恋」「年上の女性や社会人との少し背伸びした関係」「年下や後輩とのほほえましい距離感」といったように、恋愛の形そのものが章ごとにガラリと変わります。それでいて、タマゴの存在やスワティとの関わりが全編を通して共通しているため、バラバラな短編集ではなく、一人の青年がある期間に経験した“濃い青春の時間”としてまとまっているのが心地良い点です。「一つの章を読み終えると短編小説を読み終えたような充足感があるのに、次の章に進むとまた違うトーンのドラマが待っている」という構造は、プレイヤーにメリハリを感じさせてくれます。結果として「どの章が一番好きか」を語り合える楽しさも生まれ、思い出話が盛り上がりやすい作品になっているのも、良かったところのひとつです。

テンポの良いテキストと会話劇の魅力

テキストの読みやすさや会話のテンポの良さも、多くのプレイヤーが高く評価するポイントです。主人公とヒロインたちの会話は、過度に凝った比喩や難解な言い回しを避けつつ、若者らしい軽妙なノリと、時折ピリッとした本音が混ざり合ったバランスで描かれています。軽く冗談を飛ばし合う掛け合いの心地よさはもちろん、悩みを打ち明ける場面ではきちんと真面目なトーンに切り替わり、感情の起伏がスムーズに伝わってくる構成になっています。プレイヤー側がセリフに違和感を覚える瞬間が少ないため、長時間プレイしていてもテキストに“疲れない”というのは、アドベンチャーゲームでは大きな長所と言えるでしょう。また、一文一文が過剰に冗長ではなく、しかし要点はしっかり押さえているので、キャラクター同士の関係変化や心情の揺れが自然に入ってきます。「絵に頼らずとも会話を読んでいるだけでシーンが浮かぶ」という感想に象徴されるように、テキストそのものの地力の高さが、作品全体の満足度を押し上げています。

初心者にも優しい分かりやすいシステム

アダルトADVに慣れていないプレイヤーからの「良かった」という声で多いのが、システムの分かりやすさです。画面下部に並ぶ基本コマンドを選択していくだけで物語が進むため、複雑な操作や独特のショートカットキーを覚える必要はほとんどありません。初めて遊ぶ人でも数十分も触っていれば、どの時間帯にどの場所を回ればいいのか、どうやってヒロインと会話を重ねていけばいいのかが自然と理解できるような設計になっています。さらに、多数のルートやエンディングを持ちながらも、極端に厳しいフラグや一度逃すと二度と見られないイベントが少なめなことも、ストレスの少なさにつながっています。「攻略情報を見なくても自力でエンディングに辿り着けた」「後から細かい分岐を追いかける余地もある」というバランスは、ライトユーザーとコアゲーマーの両方に配慮された設計と言えるでしょう。ADVというジャンルそのものの入口としても機能する、親切な作りは大きな長所です。

レトロPCの持ち味を活かしたビジュアル表現

グラフィック面の良さは、当時を知るプレイヤーにとって大きな魅力です。解像度や色数に制限のある環境でありながら、ヒロインたちの立ち絵やイベントCGは非常に丁寧に描き込まれており、一枚絵を見るたびに制作陣のこだわりが伝わってきます。衣装や髪型のバリエーションも豊富で、章が進むにつれて私服や制服、ちょっとしたおしゃれをした姿など、さまざまなシチュエーションでヒロインの新しい一面が見られるのが嬉しいところです。背景グラフィックも、大学のキャンパスや街の路地裏、夜の公園など、それぞれのロケーションが印象的に描かれていて、「この場所に何度も行きたくなる」と感じるプレイヤーも少なくありません。現代の高解像度3Dとは違う、ドット絵ならではの温かみや“想像の余地”を残した表現は、レトロゲーム好きにとってたまらない要素であり、「当時のPCゲームの空気をしっかり味わえる」という意味で非常に評価されています。

BGMや効果音が支える感情の盛り上がり

音楽面も「きゃんきゃんバニープルミエール」の良かった点としてよく挙げられます。オープニングで流れるテーマ曲はゲームの世界に入るための扉のような役割を果たし、何度聞いてもワクワクした気持ちにさせてくれます。日常パートで流れるBGMは耳に残りやすくも耳障りではない、程よく主張を抑えた曲調が中心で、長時間プレイしていても疲れません。逆に、重要なイベントやヒロインの心情にフォーカスした場面では、しっとりとしたメロディがさりげなく流れ、テキストで描かれる感情の揺れを音でも後押ししてくれます。機種ごとに音源の鳴り方が違うため、「PC-9801版のFM音源らしいサウンドが好き」「FM TOWNS版のCD音源はまた別の良さがある」と、音楽の違いを話題にできるのも楽しい部分です。派手なボーカル曲や大規模なサウンド演出があるわけではないものの、「シーンに寄り添うBGM」がしっかりと機能しているからこそ、物語の余韻が強く残るのだと言えるでしょう。

タマゴの存在が物語に深みを与えている点

多くの恋愛ADVでは、プレイヤーの選択は「どのヒロインと結ばれるか」に集約されがちですが、本作ではそこに「タマゴの行く末」というもう一つの軸が存在することで、物語に独特の深みが生まれています。自分の軽率な選択がヒロインを傷つけるだけでなく、タマゴの中で育つ存在の行く末を暗くしてしまうかもしれない、という感覚は、プレイヤーに“行動の重み”を自然と意識させます。それでも説教くさい印象にならないのは、スワティをはじめとする神様たちが、あくまで主人公を責めるのではなく「どうすれば良い方向に持っていけるか」を一緒に考えてくれるからです。結果として、「ただエッチなイベントを回収するだけのゲーム」ではなく、「自分の在り方が問われる物語」として心に残り、「エンディングでタマゴの正体が分かった瞬間に胸がいっぱいになった」という感想につながっています。この“タマゴの仕掛け”は、プレイ後に語りたくなるほど印象的な要素であり、本作ならではの良さと言えるでしょう。

マルチプラットフォーム展開による接触機会の多さ

PC-9801、X68000、FM TOWNS、Windowsといった複数のパソコン向けに展開され、さらに家庭用ゲーム機にも移植されたことで、多くのプレイヤーがそれぞれの環境で本作に触れられた点も、「出会えたこと自体が良かった」と語られる理由の一つです。当時のPCユーザーにとって、対応機種が限られているタイトルはそれだけで遊ぶハードルが高くなりがちでしたが、プルミエールはメジャーなプラットフォームを幅広く押さえたことで、「友人同士で違う機種版を見せ合う」といった楽しみ方もされていました。FM TOWNS版に前作が同梱されていたり、家庭用機版で第三章のシナリオが変更されていたりと、バージョンごとに特色があるのもファンにとっては嬉しい要素で、「あの時、家にあった機種でこのゲームに出会えたからこそ、今でも忘れられない」といった思い出話が語られるのも、このマルチプラットフォーム展開の恩恵と言えるでしょう。

総じて“遊んで良かった”と思わせるバランスの良さ

こうした個別の良さを総合すると、「きゃんきゃんバニープルミエール」は非常にバランスの取れた恋愛アドベンチャーとして、多くのプレイヤーの記憶に残っています。キャラクターの魅力、物語性、システムの分かりやすさ、ビジュアルと音楽の雰囲気――それぞれが突出して極端なわけではないものの、すべてが一定以上のクオリティでまとまっており、「欠点はあれどトータルでは間違いなく良作」と言い切れる安定感があります。「激しいインパクトよりも、じんわりとした余韻が残るタイプの名作」という位置づけは、時間が経つほどに味わいを増し、「あの頃の自分と向き合えるゲーム」として今も語り継がれている要因です。遊び終わったあと、ふとスワティやヒロインたちの笑顔を思い出し、「またあの世界に戻りたい」と感じさせてくれる――それこそが、この作品にとって最大の“良かったところ”なのかもしれません。

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■ 悪かったところ

テンポのばらつきと中だるみを感じやすい構成

評価の高いプルミエールですが、遊んだ人の感想を細かく見ていくと「面白いのだけれど、ところどころ間延びする」という声も少なくありません。三章構成でボリュームがあるぶん、各章の序盤~中盤は日常パートが長く続き、ヒロインとの関係進展がゆっくりなルートも存在します。とくに初見時は、「この行動で本当に正しい方向に進めているのか」「イベントが起きるまで同じ場所を行き来しているだけに感じる」といった不安や単調さを覚えがちです。本質的には、日常を丁寧に積み重ねてからクライマックスへ向かう構成なのですが、現代的なテンポのADVに慣れたプレイヤーほど、「もう少しイベントの密度を上げてほしかった」「間の会話シーンを圧縮してもよかったのでは」と感じやすい部分と言えるでしょう。とくに、複数のヒロインを同時に追いかけようとした場合、イベントの発生条件を満たすまでの“待ち時間”が長くなり、テンポの悪さを強く意識してしまうのは否めません。

フラグ条件の分かりにくさとルート逸脱のしやすさ

もう一つ指摘されやすいのが、イベント発生条件やエンディング分岐の分かりづらさです。基本的には素直な行動でストーリーが前に進むよう調整されていますが、章ごとに「この時期までにこのヒロインの好感度をある程度上げておかないと、後半の重要イベントが出てこない」といった“隠れたライン”が存在しており、そのラインを越えられなかった場合、プレイヤー本人には理由がよく分からないまま関係性が頭打ちになってしまうことがあります。その結果、「気に入ったヒロインを一生懸命追いかけていたはずなのに、気づいたら別の結末に流されていた」「どうしてこのエンディングになったのかが見えにくい」といったモヤモヤを感じる場面も出てきます。攻略情報を見ながら進めれば回避できる問題ではあるものの、本来なら“手探りで進める楽しさ”が魅力のADVにおいて、「何を間違えたのかが分かりづらい」というのはストレスの原因になりがちなポイントです。

システム面の古さからくる遊びにくさ

当時としては遊びやすい部類だったとはいえ、現代の視点で見るとシステム面の古さが気になる部分もあります。テキストの既読管理やスキップ機能は最低限用意されていますが、「選択肢ごとの既読/未読の細かな制御」「バックログで読み返しつつ選択肢までジャンプ」といった今では当たり前になった機能は当然存在せず、分岐を検証する際には同じテキストを何度も読み直すことになります。また、セーブスロット数が限られているバージョンでは、ルート分岐を細かく追いかけたいプレイヤーほど、「どのタイミングのセーブを残しておくべきか」「古いデータを消してしまって後悔した」といった悩みがつきまといます。さらに、機種によってはロード時間が微妙に長かったり、ディスク入れ替えの頻度が気になったりと、ハードウェア特有のストレスが存在するのも否定できません。こうした細かな遊びにくさは、長時間プレイすればするほど積み重なっていき、「もう少しシステム周りが洗練されていれば…」と感じる要素になっています。

グラフィック・演出の“時代相応”さ

グラフィックについては「レトロな味」として好意的に受けとめる人が多い一方で、純粋にビジュアルの派手さや情報量を求めるプレイヤーからすると、「どうしても時代を感じる」という意見も出てきます。色数や解像度の制限上、陰影表現や細かな髪の毛のニュアンスなどは現代の作品と比べれば粗く見えますし、イベントCGの構図もオーソドックスなものが中心で、大胆なカメラワークや画面効果を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。演出的にも、画面のフェードイン・フェードアウトや、簡素なエフェクトによる場面転換が主で、「感情の爆発するクライマックスを、ダイナミックな演出で押し出す」といったタイプではありません。あくまでテキストとBGMで盛り上げるスタイルなので、「ビジュアル面でもっとガツンとした印象が欲しい」と願うプレイヤーには、少し物足りなく映る部分があるのは事実です。良くも悪くも、“当時のPC美少女ゲームとして標準的な演出”に留まっていると言えるでしょう。

シナリオの濃淡や好みが分かれる章構成

三章構成の長所はすでに述べた通りですが、逆に「各章の出来にばらつきがある」と感じる人もいます。ある章についてはヒロインの背景が深く掘り下げられ、葛藤やドラマがしっかり描かれている一方で、別の章はやや軽めのタッチでまとめられており、「物足りない」「あっさり終わってしまった」と感じるケースもあります。また、章ごとに恋愛のトーン自体がかなり変化するため、「このタイプの話は好きだが、あの章の雰囲気は合わなかった」といった形で好みが分かれやすいのも事実です。三つの章すべてがプレイヤーの趣味にぴったり合えば理想的ですが、人によっては「このゲームは2章目だけがやたら記憶に残っている」といった偏った印象になってしまうこともあります。オムニバス的な魅力と引き換えに、「全章が同じレベルで刺さるとは限らない」というのは、本作ならではの悩ましいポイントと言えるかもしれません。

“大仕掛け”を求めると物足りなく感じるストーリー

タマゴの存在やスワティの立ち位置など、物語の仕掛け自体はよく考えられているものの、SFやサスペンスのような衝撃的な大どんでん返しを期待すると、やや肩透かしに感じるプレイヤーもいます。物語の主軸はあくまで「一人の青年と、周囲の女性たちとの関係の積み重ね」であり、結末も基本的にはしんみりとした青春ドラマ的な余韻で締めくくられます。そのため、「ラストで世界観がひっくり返るような仕掛け」を求めるタイプのプレイヤーには、「良い話ではあるが、驚きは少ない」と映ることもあるでしょう。また、タマゴの正体に関しても、プレイ中の行動や会話からある程度予想がつくように設計されているため、「読み返して納得できる伏線」というよりは、「予想通りの答え合わせ」に近い印象を持つ人もいます。これは作品の方向性の問題であり、必ずしも欠点ではありませんが、“とにかく強烈なドラマ体験を”という期待を抱いてプレイすると、少し穏やかすぎると感じられるかもしれません。

入手性の悪さとプレイ環境のハードル

内容そのものとは少し離れますが、現在のプレイヤーにとっての大きな「悪かったところ」は、そもそも実機で遊ぶハードルの高さです。対応しているPC-9801やX68000、FM TOWNS、古いWindows環境そのものがすでにレトロハードとなっており、現役で動く環境を用意するのは簡単ではありません。中古市場でパッケージを見つけられたとしても、ディスクの状態やドライブの動作確認など、越えなければならない壁がいくつもあります。そのため、「作品の評判を聞いて興味を持っても、実際にプレイする機会がなかなかない」というジレンマが生じがちです。この点はプルミエールに限らず同時期のPCゲーム全般に言える問題ではあるものの、「遊んでみたいのに触れられない」という状況自体が、結果的に“潜在的な悪い点”として受け止められてしまうこともあります。もし現代向けに公式な形で再販や配信が行われていれば、作品の評価や知名度はさらに広がっていたかもしれません。

総評としての「惜しさ」も含めた魅力

こうして振り返ってみると、「きゃんきゃんバニープルミエール」の“悪かったところ”は、致命的な欠点というよりも、「あと一歩洗練されていれば」「時代さえ違えば克服できていたかもしれない」といった種類のものが多いことに気づきます。テンポのばらつきやフラグの分かりにくさ、システムの古さや演出面の地味さ――これらは確かに不満として挙げられるポイントですが、それでも多くのプレイヤーが最終的な評価として「良作」「遊んでよかった」と口を揃えるのは、それらのマイナスを補って余りあるキャラクターの魅力や物語の温かさがあるからにほかなりません。むしろ、この“少し不便で、少しもどかしい”感覚こそが、レトロPC恋愛ADVならではの味わいだと考えることもできます。完璧ではないけれど、その不完全さごと愛されている――そうした意味で、プルミエールの「悪かったところ」は、そのまま“人間味”として作品の印象に深く刻まれていると言えるでしょう。

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■ 好きなキャラクター

やっぱり外せないのは女神スワティ

「きゃんきゃんバニープルミエール」で“好きなキャラクター”を語る時、真っ先に名前が挙がるのはやはり女神スワティです。彼女は天界からやってきた見習い女神という立場でありながら、プレイヤーのそばで一喜一憂してくれるナビゲーター役でもあり、物語の最初から最後まで常に画面のどこかにいてくれる存在です。少しドジで天然気味、だけど根は真面目で優しいという性格付けは非常に分かりやすく、多くのプレイヤーにとって「一緒にゲームを進めていく相棒」のような感覚を抱かせてくれます。主人公が軽率な行動を取った時にはちょっとムッとしつつも、それを頭ごなしに否定するのではなく、「どうしたら良い方向に進めるか」を一緒に考えてくれる姿勢は、プレイヤーにとっても心強いものです。また、彼女が時折見せる“女神としての真剣な眼差し”や、タマゴの行く末を本気で案じて涙を浮かべるようなシーンは、コメディパートの印象とのギャップも相まって強く心に残ります。「最初は軽い気持ちで見ていたのに、気づけば一番感情移入していた」という感想が多いのも納得のキャラクターです。

章ごとに主役を張るヒロインたちの魅力

三章構成の本作では、それぞれの章に“物語の中心”となるヒロインが用意されており、プレイヤーごとに好みが分かれるのが面白いところです。明るく元気で、主人公に対して遠慮なくツッコミを入れてくるタイプのヒロインは、一緒に過ごしていて楽しい“幼なじみポジション”的な安心感があり、「くだらない会話を延々としていたい」と思わせる魅力を持っています。一方、落ち着いた物腰で大人びた雰囲気を纏うキャラクターは、人生経験の差を感じさせつつも、ふとした瞬間に年相応の弱さや可愛らしさを覗かせるギャップが魅力で、「この人を支えたい」「心の支えになりたい」と思わせてくれます。また、年下や後輩にあたるヒロインは、最初は頼りなげに見えても、物語が進むにつれて主人公やプレイヤーの予想を超える芯の強さを見せてくれることがあり、その成長を見守るうちに情が移ってしまうタイプです。「どのタイプが好きか」で推しが綺麗に分かれるため、ファン同士で「自分は1章の彼女派」「いや、3章のあの子が一番だ」と語り合えるのも、このゲームの大きな魅力です。

“影の立役者”として人気のサブヒロインや友人キャラ

メインヒロインだけでなく、サブキャラクターの中にも根強い人気を誇る人物が多く登場します。主人公の友人ポジションにいる男キャラは、その代表例です。一見軽薄でちゃらちゃらした言動が目立ちながらも、ここぞという場面では主人公をさりげなくフォローしてくれたり、恋愛に不器用な主人公を茶化しながらも背中を押してくれたりと、“悪友”としてちょうど良い距離感を保ってくれます。「男同士のどうでもいい会話」が挟まることで物語の空気がほどよく緩み、恋愛シーンとのメリハリが生まれている点でも重要な存在です。また、メインヒロインの友人や、バイト先の同僚など、恋愛の中心から一歩引いた位置にいる女性キャラも、意外な人気を集めています。主人公とヒロインの関係を気にかけてさりげなく助言をしてくれたり、ときには茶化し半分でからかってきたりと、物語の“潤滑油”として働いており、「ルートはないけれど、この子も好き」という声が少なくありません。こうした脇役たちの存在が、物語の世界を単なる“主人公とヒロインだけの舞台”ではなく、ちゃんと人が行き来する“街”として感じさせてくれる要因になっています。

神様たちのコミカルな立ち位置が生み出す愛嬌

スワティ以外の神様キャラクターたちも、好きなキャラとして名前が挙がりやすい存在です。彼らは本来、天界の秩序を守る立場であるはずなのに、人間界に降りてくるとどこか抜けていて、なぜか主人公以上に慌てたり取り乱したりします。そのギャップがコミカルで、シリアスな展開に入る手前で空気を和ませてくれたり、逆に場をかき乱して余計に大変な状況を招いたりと、ストーリーのアクセントとして機能しています。中には、「この神様の存在がなければ物語はもっとスムーズに進んだのに」と思わされるようなトラブルメーカーもいますが、その“お騒がせっぷり”ですら愛嬌として受け止められるのが本作の面白いところです。プレイヤーの中には、「ヒロインたちも好きだが、実は神様たちの掛け合いが一番楽しみだった」という人もいるほどで、人間側のキャラクターとはまた別種の可愛らしさを持った存在になっています。

タマゴという“キャラクターになりきれない”存在の不思議な魅力

少し変わった視点として、“タマゴそのもの”を好きなキャラクターとして挙げるプレイヤーもいます。タマゴはゲーム中で直接しゃべったり動いたりするわけではありませんが、スワティや神様たちが度々その運命について語ることで、「中には何が入っているのか」「今どんな気持ちで育っているのか」を想像せずにはいられない存在として描かれています。プレイヤーの選択や主人公の行動によって、タマゴの中身がどんな存在になるのかが変わるという設定もあって、ゲームを進めるほどに「このタマゴの将来に責任を持ちたい」という不思議な愛着が湧いてきます。エンディングでその正体が明かされたとき、「ああ、自分はこういう育て方をしてきたのか」としみじみ感じることになり、そこに至るまでの行動が一気に一本の線として繋がる感覚は、本作ならではの体験です。姿形がはっきり描かれないからこそ、プレイヤーの想像の中で膨らみ続ける“キャラクター”として、タマゴは非常にユニークなポジションにいると言えるでしょう。

プレイヤーごとに違う“推しキャラ地図”ができあがる楽しさ

プルミエールのキャラクター達が面白いのは、「客観的に見て人気が集中する“絶対的メインヒロイン”が一人だけいるわけではない」という点です。もちろんシリーズの象徴としてスワティの影響力は大きいものの、恋愛対象となる各ヒロインはそれぞれ個性が強く、プレイヤーの好みで評価が大きく分かれます。「明るくて元気なタイプが好き」「寡黙でミステリアスな子が好み」「年上のお姉さん系が一番安心する」など、人それぞれの“萌えポイント”がはっきり反映されるため、感想を交換するときに「自分の推しはこの子だ」と語り合うだけで話が弾みます。また、あるヒロインについては一周目ではそれほど印象に残らなかったのに、別のルートや別の章を遊んだあとに再び会ってみると、まったく違って見えて急にお気に入りになる…といった“後から好きになる”パターンも珍しくありません。そのため、プレイを重ねるごとに自分の中の“推しキャラ地図”が少しずつ塗り替えられていく過程も、このゲームならではの楽しさになっています。

時代を越えて愛されるキャラクターたち

発売から長い時間が過ぎた今でも、「きゃんきゃんバニープルミエール」のキャラクターたちは、レトロゲームファンや当時のプレイヤーの記憶の中で生き続けています。黒歴史的に忘れられてしまうのではなく、ふとした会話の中で「そういえばあのゲームのあの子、良かったよね」と名前が挙がるのは、それだけキャラクターたちがしっかりとした“人格”を持って描かれていた証拠でしょう。特にスワティに関しては、後年のシリーズ作品でも活躍し続けたことで、「このキャラクターと最初に出会ったのはプルミエールだった」という思い出とともに、今なお語られています。たとえグラフィックやシステムが時代とともに古びてしまっても、“誰が好きだったか”“どんなセリフが心に残っているか”といった記憶は色褪せることなく残り続けるものです。そうした意味で、本作のキャラクターたちは単なるゲームの登場人物にとどまらず、プレイヤーそれぞれの青春の一ページを彩った存在として、静かに、しかし確かに愛され続けているのです。

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●対応パソコンによる違いなど

PC-9801版:シリーズ本流としてのスタンダード

「きゃんきゃんバニープルミエール」と言えば、まず中心に据えられるのがPC-9801版です。シリーズの主戦場だったPC-98向けに作られているだけあって、基本設計もこの機種を軸にしており、画面のレイアウトやメッセージウインドウのバランス、マウス/キーボードの操作感などはもっとも“素直”な作りになっています。実機向けとしてはフロッピーディスク複数枚で提供され、当時のPC-98ユーザーにとってはお馴染みのインストール/ディスク入れ替えスタイルでプレイする作品でした。テキスト主体のADVであることから、処理の重さを感じるような場面は少なく、FM音源によるBGMに合わせて淡々と読み進めていく感覚が心地よい、いかにも“レトロPCノベルゲーム”らしい味わいが強いバージョンです。シリーズを追いかけているファンの間でも、「画面構成やテンポはPC-98版が一番しっくりくる」と語る人は多く、後年の移植版を遊んだあとで原点回帰的にPC-98版に触れると、どこか落ち着くような感覚すら覚えます。

X68000版:描画のキレと動作のきびきび感

同じパソコン向けでも、X68000版になると印象が少し変わってきます。ハードそのものが高速描画やサウンドに強いマシンであることから、画面切り替えのきびきびしたレスポンスや、細かなドットの輪郭の出方などに「X68らしさ」を感じるプレイヤーも少なくありません。ゲーム内容そのものはPC-98版と同等ですが、ウインドウの出入りやコマンド選択時の反応などが全体的に俊敏で、テンポの良い読み味を好む人にはこちらの方が肌に合う場合もあります。シリーズ作品全体を見渡した時、「98版でじっくり味わうのとは別に、X68版でサクサク進める遊び方も楽しい」と言われることがあるのは、こうしたハード特性による“動きの気持ちよさ”が背景にあります。PC-98版の落ち着いた動作と比べると、同じシーンでも微妙に受ける印象が違って感じられるため、複数機種で遊び比べる楽しみがあるのもこのタイトルの面白い点です。

FM TOWNS版:CD-ROMならではの快適さと『スピリッツ』同梱

対応機種の中でも、FM TOWNS版は少し特別な位置づけになっています。媒体がCD-ROMで提供されているため、フロッピー版のような頻繁なディスク入れ替えが不要で、インストール後も基本的にはCDをセットしたまま快適に読み進められる構成になっていました。加えて、このFM TOWNS版には前作『きゃんきゃんバニースピリッツ』が丸ごと収録されており、一本購入するだけでシリーズ二作分をまとめて楽しめる“お得パッケージ”的な立ち位置でもあります。TOWNSらしいCD-DA音源によるBGMや、CD媒体ならではのロードの安定性も相まって、「じっくり腰を据えてシリーズ世界を味わいたい人にはTOWNS版が理想的」と評されることもあります。画面解像度やレイアウトはPC版と大きくは変わらないものの、音の存在感やロードのスムーズさが加わることで、同じシナリオでも印象が少しリッチになる――そんな、ハードの得意分野を活かした贅沢なバージョンと言えるでしょう。

Windows版:OS移行期のユーザーを救った移植

PC-9801全盛期から、DOS/VやWindows環境へとユーザー層が移行していく中で用意されたのがWindows版プルミエールです。公式カタログでもPC-9801/Windows 3.1/95対応が明記されており、当時すでに98シリーズから離れつつあったユーザーが、比較的新しい環境でシリーズを遊べるようにする“受け皿”的な役割を果たしました。内容自体はPC-98版をベースとした移植で、大きくゲーム内容が変化しているわけではありませんが、Windowsのウインドウシステム上で動作することで、マルチタスク環境と相性が良くなり、他のソフトと並行してプレイしやすくなった点は見逃せません。エミュレーション環境が一般化する以前に、「現行のPCで合法的にプルミエールを遊ぶ手段」として重宝されたバージョンでもあり、実際に「初めて触れたのはWindows版だった」というプレイヤーも多く存在します。純粋な“味”という点ではPC-98版に軍配を上げる人もいますが、入手性や扱いやすさの面では非常にありがたい存在だったと言えるでしょう。

セガサターン版:家庭用ゲーム機向けの再構成

シリーズとして初めて家庭用ゲーム機に進出したのがセガサターン版プルミエールで、発売は1996年4月5日。KIDがパブリッシャーとなり、家庭用としては異例の18禁(X指定)タイトルとしてリリースされました。家庭用機への移植にあたっては、コントローラ操作を前提としたインターフェースへの調整や、メニュー構成の最適化が行われており、ソファに座ってじっくり読む“コンシューマADV”として違和感のない作りに仕上げられています。大きな特色として、PC版とサターン版とでは第3章のシナリオや登場キャラクター構成が異なっており、サターン版オリジナルのヒロインたちが追加されている点はファンの間でもよく語られるポイントです。また、家庭用事情を反映して、表現面や演出のトーンに若干のマイルド化が図られており、18禁タイトルでありながらも“コンシューマ寄り”の味付けになっていることから、「PCとは別物の派生作品」として楽しむ人も多いバージョンです。

操作性とインターフェースの違い

実際のプレイ感で分かりやすい差が出るのは、入力デバイスとインターフェースの設計です。PC-98/X68000/FM TOWNSといったパソコン版は、キーボードとマウス操作を前提に作られており、マウスで選択肢やコマンドをぽんぽんとクリックして読み進めるスタイルが基本になります。一方、セガサターン版はコントローラ操作に最適化されており、方向キーとボタンでコマンドを選び、トリガーボタンでメッセージ送りを行うといった“パッド操作ならではのリズム”が生まれます。どちらが優れているというよりも、机に向かってじっくり遊ぶか、テレビの前でくつろぎながら遊ぶかという生活スタイルによって好みが分かれる部分で、「パソコン版は集中して読み込みたい時に」「サターン版は気軽に再プレイしたい時に」と使い分けるプレイヤーも少なくありません。

画面表現とサウンドのニュアンスの違い

グラフィック自体はどの機種でも同一の原画をもとにしているため、キャラクターのデザインやイベントCGの構図が大きく変わることはありません。しかし、表示解像度や色数、ガンマ値の違いなどから、同じCGでも機種ごとに受ける印象が微妙に変わってくるのが面白いところです。たとえば、PC-98やX68000の独特なパレットによる発色は、少し“くすんだ”色合いが逆にレトロ感や落ち着きを与え、FM TOWNS版ではCD-ROMならではの演出やBGMまわりの余裕で、雰囲気が少し華やかになって感じられます。サウンド面でも、FM音源中心のPC版と、CD-DAや高音質再生に対応した環境とでは、同じ楽曲でも聞こえ方が変わり、プレイヤーの好みによって「この曲はTOWNSの音が一番しっくりくる」「いや、FM音源のチープさ込みでPC-98版が好き」といった“推し環境”が分かれる要因になっています。

どの版で遊ぶかで変わる「プルミエール体験」

このように、ストーリーや基本システムは共通しつつも、対応機種ごとに環境や味付けが異なるため、「どの版で遊ぶか」によって体験の細部は少しずつ変わってきます。原典に近い感覚で楽しみたいならPC-9801版、動作レスポンスや描画のキレを重視するならX68000版、シリーズ二作をまとめて堪能したいならFM TOWNS版、現行PCで比較的扱いやすい環境を重視するならWindows版、コンシューマ機でゆったりプレイしたいならセガサターン版――といった具合に、それぞれに向いた遊び方があります。どのバージョンも“プルミエールらしさ”はしっかり保たれているため、最初に触れた機種がその人にとっての“決定版”になりやすいのもこの作品の特徴です。もし複数環境でプレイできるのであれば、ぜひ機種違いで遊び比べてみると、「同じ物語なのに、なぜか印象が変わる」というレトロゲームならではの奥行きを味わえるでしょう。

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●同時期に発売されたゲームなど

★ぽっぷるメイル(PC-9801版)

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1992年(PC-9801版) ・販売価格:9,800円(PC-9801版・税別表記の時代のため実売は1万円前後) ・具体的なゲーム内容: 「きゃんきゃんバニープルミエール」と同じPC-9801向けに登場したファルコム製アクションRPGで、横スクロールのフィールドを駆け回りながら敵を斬り、宝箱を開け、会話イベントをこなしていく“軽快系”アクションRPGです。プレイヤーは賞金稼ぎの少女メイルとなり、トボけたドラゴンのガウ、魔術師タットら仲間を切り替えながらさまざまなダンジョンに挑みます。ジャンプと攻撃のタイミングが重要で、敵との距離感を詰めて体当たり気味に斬りつけるシステムは、当時のファルコム作品らしいスピード感を備えていました。 ステージは単純な横移動だけではなく上下にも入り組んでおり、落とし穴や隠し通路、鍵付き扉など、探索要素もたっぷり。RPG要素としてレベルアップや装備の更新もあり、アクションが苦手でも地道に育成すれば突破できるバランスになっています。明るくノリのいい会話劇や、ポップで耳に残るBGMも好評で、「PC-98で一番動きの気持ちいいアクションRPGのひとつ」として、当時多くのユーザーの記憶に残ったタイトルです。

★DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~

・販売会社:フェアリーテール(開発)/アイデス(発売) ・販売された年:1992年(PC-9801・X68000・FM TOWNS・MSX2向け) ・販売価格:9,680円(税込・PC-98版基準) ・具体的なゲーム内容: ゾンビパニックを題材にしたホラーアドベンチャーで、プルミエールと同じくADV形式ながら、こちらは血飛沫舞うスプラッタ描写と重苦しい世界観で知られる一本です。プレイヤーは主人公の青年を操作し、研究者が生み出した“蘇生薬”によって暴走した死者たちとの戦いに巻き込まれていきます。コマンド選択型の進行ながら、ショッキングなイベントCGや緊迫感あるBGMが連続し、テキストを読み進めるだけでも常に不安を掻き立てられる構成になっています。 ゲームとしては、探索パートで手がかりやアイテムを集め、会話や行動の選択によって少しずつ事件の全貌が明らかになっていくスタイル。誤った選択をするとあっさりバッドエンドに直行することもあり、「セーブとロードを繰り返しながら生存ルートを探る」ハラハラ感が特徴です。可愛らしい女神が導くプルミエールとは対照的に、こちらは“絶望に足を取られそうになりながら進んでいく物語”であり、同じPC-98のADVでも、同時期のジャンルの振れ幅の大きさを実感させてくれる作品です。

★新宿物語(Shinjuku Monogatari)

・販売会社:フェアリーテール ・販売された年:1992年(PC-9801向け) ・販売価格:フロッピーディスク版らしい1万円前後の一般的価格帯とされる(資料により細部は異なるとされる※推定) ・具体的なゲーム内容: 同じフェアリーテール製でも、「デッド・オブ・ザ・ブレイン」がゴア表現前面のホラーであったのに対し、「新宿物語」はモノクロ調のスタイリッシュなビジュアルで都会の人間模様を描くビジュアルノベルです。舞台はタイトル通り新宿。ネオンきらめく街の裏側で交錯する、若者たちの夢や欲望、犯罪まがいの出来事が、シックな画面構成と落ち着いたテキストで綴られていきます。 ゲームは選択肢付きノベル形式で進行し、派手なアクションよりも会話の空気感や心理描写が重視されています。バーのカウンターでの静かな会話、雑居ビルの薄暗い廊下、路地裏での小競り合いなど、舞台のひとつひとつが印象的に描かれており、“PC-98時代の都会劇”として後年も語り草となりました。恋愛ADV寄りのプルミエールと比べると、より渋く、大人向けのテイストが強い一本で、「同じ時期のADVでも、ここまで雰囲気が違うのか」と感じさせてくれる対照的な存在です。

★Phobos(フォボス)

・販売会社:姫屋ソフト(Himeya Soft) ・販売された年:1992年7月16日(PC-9801向け) ・販売価格:当時のPC-98向けAVGとして標準的な1万円弱の価格帯とされる(正確な定価は資料により差異あり※推定) ・具体的なゲーム内容: Phobosは、私立探偵事務所を舞台にしたSFテイストのアドベンチャーです。プレイヤーは獣耳や尻尾を持つ“デミノイド”と呼ばれるアンドロイドの助手たちを抱える探偵となり、巨大企業で起きた大量殺人事件の真相に迫っていきます。可愛らしいデミノイドたちが登場する一方で、物語は企業陰謀や倫理問題などかなりシリアスなテーマを扱っており、ポップなビジュアルと重いストーリーのギャップが特徴です。 ゲームシステムはコマンド選択式のADVで、現場の聞き込みや証拠集め、大企業の内部事情の探り合いなどを通じて真相にたどり着きます。ルート分岐によってはほろ苦い結末に至ることもあり、“ただの萌え系ADV”に留まらない読み応えを持った一本として、当時のマニア層から高い評価を得ました。プルミエールと同じく美少女キャラクターを前面に出しつつも、こちらはミステリー色やハードSF色が強く、「同じ夏のPC-98ノベルでも、ここまで路線が違う」と比較されることが多いタイトルです。

★Akiko(亜紀子)

・販売会社:フェアリーテール X指定レーベル ・販売された年:1992年1月22日(PC-9801向け) ・販売価格:当時の18禁AVGとして一般的だった1万円前後の価格帯(正確な定価は資料により不明瞭なため概算) ・具体的なゲーム内容: 「亜紀子」は、日常に潜む歪んだ人間関係や心理描写に踏み込んだアダルトアドベンチャーで、いわゆる“キャラクター萌え”中心というより、濃厚なストーリーと感情の揺れを前面に出した作品です。プレイヤーはタイトルにもなっているヒロイン亜紀子と関わりながら、彼女の抱える過去やトラウマ、周囲の大人たちとの複雑な関係に向き合っていきます。 ゲームとしては、場所移動と会話を繰り返しながら物語が進む典型的なコマンド式ADVですが、選択肢一つで関係性が大きく変化し、ラストの印象も大きく変わる構成になっているのがポイントです。明るくポップな恋愛劇を描くプルミエールとは対照的に、「人間の暗部」や「依存」をテーマに据えたシリアス寄りの内容で、同じ年にPC-98で遊べたADVとして、ジャンルの幅の広さを実感させてくれる存在でした。

★Armist(アーミスト)

・販売会社:Basement(PC-9801向け) ・販売された年:1992年(PC-9801) ・販売価格:フロッピーディスク複数枚組のADVとして一般的だった約1万円前後(推定) ・具体的なゲーム内容: Armistは、動物的な特徴を持つ“デミノイド”と人間が共存する近未来都市を舞台にしたアドベンチャーです。プレイヤーはデミノイドの助手たちを抱える探偵事務所の所長として、企業が絡む連続殺人事件の調査を依頼されます。猫耳や獣耳のキャラクターが多数登場する一方で、物語自体はかなりハードで、差別問題や企業の闇、命の価値といったテーマが描かれているのが特徴です。 ゲーム画面はPC-98らしい高解像度ドット絵で構成されており、薄暗いオフィスやネオン街、研究施設の冷たい廊下などが緻密なピクセルアートで表現されています。選択肢の結果によって事件の真相への到達ルートが変わり、場合によっては救いのないエンディングを迎えることもある、骨太なストーリーラインを持った作品でした。柔らかな恋愛ADVであるプルミエールと比べると、“同じ時代の美少女ADVでもここまでシリアスになれる”という意味で、対極に位置するタイトルとして語られることが多い一本です。

★7 Colors(セブン・カラーズ)

・販売会社:Gamos(開発)/HOT-B(PC-9801版発売) ・販売された年:1992年(PC-9801向け) ・販売価格:パズルゲームとして比較的抑えめの価格帯(おおむね1万円未満とされる※推定) ・具体的なゲーム内容: セブン・カラーズは、美少女要素とは無縁の純粋なパズルゲームで、色の塗り替えによって陣地を広げていくシステムが特徴です。画面は六角形(または格子状)のマス目で埋め尽くされ、プレイヤーと対戦相手が交互に色を選択して、自分の陣地に隣接するマスをどんどん自分の色に変えていきます。最終的に盤面の大半を支配した側が勝利というルールで、シンプルながら奥深い思考性がありました。 PC-98版では、落ち着いた色合いのグラフィックと軽快なBGMにより、いかにも“オフィスPCで息抜きに遊ぶゲーム”といった雰囲気があり、仕事の合間に1~2戦だけ遊ぶといったスタイルで親しまれました。同じ年代のADV群と比べると物語性はほとんどありませんが、「当時のPC-98でこういうパズルもよく遊ばれていた」という意味で、時代を象徴する一本と言えます。

★Aerobiz(エアロビズ/A列車で行こう系とは別の航空会社経営SLG)

・販売会社:光栄(Koei) ・販売された年:1992年(PC-9801版は1992年10月1日) ・販売価格:シミュレーションゲームとして標準的だった1万円台前半(おおむね12,000円前後※推定) ・具体的なゲーム内容: 光栄といえば歴史シミュレーションのイメージが強い会社ですが、「エアロビズ」は航空会社経営に特化した異色のビジネスSLGです。プレイヤーは世界の航空企業の一つを率いるCEOとなり、路線の開設、機材の導入、人材配置、広告戦略などを駆使して、自社を“世界一の航空会社”へと育て上げていきます。時代設定によって登場する航空機のラインナップが変わるほか、国際情勢や景気変動といった要素もシミュレーションに組み込まれており、単なる数字いじり以上のドラマ性が生まれていました。 PC-98版では、ビジネスユーザーが多いプラットフォーム特性と相性が良く、オフィスでこっそり“自分の航空会社”を運営していたプレイヤーも少なくなかったと言われます。恋愛ADVでキャラクターの好感度を上げていくプルミエールとは対照的に、こちらは路線図と決算書を相手に試行錯誤するゲームで、「同じ頃のPC-98でも、遊んでいる層によって選ぶタイトルがまったく違った」ということを感じさせる代表例です。

★Brandish(ブランディッシュ・PC-9801版)

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1991年10月25日(PC-9801版初版) ・販売価格:初期版 12,800円、その後のRENEWAL版 9,800円など複数価格帯が存在 ・具体的なゲーム内容: Brandishは、見下ろし型のアクションRPGで、迷宮の中を彷徨い続ける“閉じ込められダンジョン”タイプの作品です。プレイヤーは剣士ヴァルカスを操作し、行く手を阻むモンスターを斬り払いながら、複雑に入り組んだマップを少しずつ埋めていきます。最大の特徴は、主人公が向いている方向に合わせて画面全体が回転する“回転マップ”で、プレイヤー自身の方向感覚が試される独特のプレイ感覚を生み出していました。 戦闘はリアルタイムで、敵の攻撃モーションを見極めて一歩踏み出し、一撃を叩き込んでからすばやく逃げるといったヒット&アウェイが基本。トラップだらけの迷宮構造と合わせて、アクション性も高く、慣れるまではかなり歯応えのある難度です。ドラマ性や恋愛要素を重視するプルミエールに対し、こちらは“徹底的にシステム重視”のゲームで、ストーリーは淡々としているものの、ダンジョンを攻略しきった時の達成感は格別。レトロPC時代の硬派RPG代表として、今なお名前の挙がる名作です。

★Illusion City(イリュージョン・シティ/幻想都市)

・販売会社:マイクロキャビン(Micro Cabin) ・販売された年:1991年(PC-9801版ほか)、1992年前後に他機種へ展開 ・販売価格:大容量RPGとして比較的高価な1万円台中盤クラス(プラットフォームにより差あり※推定) ・具体的なゲーム内容: Illusion Cityは、サイバーパンク風の架空香港を舞台にしたRPGで、オカルト要素と近未来SFが混ざり合った独特の世界観が魅力の作品です。プレイヤーは若き魔術師ティアンレンとなり、巨大企業や秘密結社、霊的存在が暗躍する“都市の裏側”に巻き込まれていきます。繁華街のネオンが瞬く夜の街や、怪しげな寺院、地下施設など、多彩なロケーションがPC-98らしい緻密なドット絵で描かれ、その画面密度の高さは現在でも評価されています。 バトルはターン制で、魔法と銃火器を組み合わせた戦闘システムが特徴。サイバーな世界観とファンタジーRPG的な成長要素が融合しており、シナリオも政治陰謀や宗教団体の暗躍などヘビーなテーマを扱っています。テキスト主体で恋愛劇を紡ぐプルミエールとはまったく毛色が異なりますが、「当時のPC-98でじっくり腰を据えて遊ぶストーリーRPG」としては共通点も多く、同じ世代のユーザーに“長時間遊び倒した一作”として並べて語られることの多いタイトルです。

こうして並べてみると、「きゃんきゃんバニープルミエール」と同じ時期のPCゲームは、同じPC-9801という土俵の上でも、恋愛ADV・ホラーADV・ビジネスSLG・アクションRPG・パズルと本当にジャンルが多彩だったことが分かります。プルミエールはその中で「美少女恋愛ADV」の代表格として存在感を放っており、同時代の作品と見比べることで、改めてその位置付けや魅力がより鮮明に浮かび上がってきます。

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こちらの商品は、中古商品になります。 初期動作確認済みです(説明書あり) ケース:少々スリ傷あり。 ディスク:若干の薄傷あり。2枚組 帯:なし。 説明書/解説書:比較的良い。 ※画像はサンプルになりますので、 ご了承お願い致します。

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商品説明商品状態ケース:少々スリ傷あり。 ソフト:研磨済み。説明書/解説書:少々使用感あり。※商品画像は、サンプルになりますので、ご了承お願い致します。 商品説明こちらの商品は、中古商品になります。初期動作確認済みです。出品前と発送前に動作確認を行い、ケース..

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