【発売】:ユービーアイソフト
【開発】:ユービーアイソフト
【発売日】:2020年11月26日
【ジャンル】:アクションアドベンチャーゲーム
■ 概要・詳しい説明
近未来ロンドンを舞台にしたシリーズ第3作のオープンワールドアクション
『ウォッチドッグス レギオン』は、2020年11月26日にユービーアイソフトからプレイステーション5用ソフトとして発売されたオープンワールド型のクライムアクションゲームである。『ウォッチドッグス』シリーズとしては、2014年の第1作、2016年の『ウォッチドッグス2』に続く本編第3作にあたり、シリーズを象徴する「都市をハッキングして支配構造に立ち向かう」という遊びを継承しながら、従来作とは大きく異なる方向へ踏み込んだ意欲作となっている。舞台は、近未来のイギリス・ロンドン。ビッグベン、ピカデリーサーカス、カムデン、サウスバンク、バッキンガム宮殿周辺など、実在のロンドンを思わせる街並みを基礎にしながら、監視カメラ、ドローン、自動運転車、顔認証システム、民間軍事企業による治安管理、巨大IT企業による情報支配が組み合わされた、少し先の未来都市として描かれている。単なる観光気分の都市探索ではなく、街そのものが巨大な監視装置となり、人々の生活、移動、仕事、犯罪、政治、メディアまでがデータによって管理される世界を体験する作品である。プレイヤーは、その支配構造に対抗するハッカー集団「デッドセック」を再建し、ロンドンに暮らす人々を仲間にしながら、都市を支配する複数の勢力へ立ち向かっていく。
決まった主人公がいないという大胆な設計
本作最大の特徴は、固定された主人公が存在しない点である。多くのオープンワールドゲームでは、プレイヤーは一人の主人公を操作し、その人物の物語を追いかけていく。しかし『ウォッチドッグス レギオン』では、ロンドンに暮らす市民のほぼ誰もが仲間候補であり、条件を満たせば操作キャラクターとして使用できる。つまり、街ですれ違った警備員、建設作業員、医師、弁護士、ハッカー、スパイ、老人、格闘家、ドローン技師、配達員、退役軍人、クラブ帰りの若者まで、能力や経歴の異なる人物をデッドセックに勧誘し、自分だけのレジスタンスを作ることができる。この仕組みは「誰もが主人公になれる」という本作の中心的な売り文句を、ゲームシステムとして具体化したものである。プレイヤーは市民をスキャンし、その人物が持つ職業、特殊能力、弱点、武器、移動手段、人間関係などを確認し、チームに必要な人材を選んでいく。たとえば建設作業員なら貨物ドローンを呼び出せるため高所侵入に強く、警備員なら敵対施設へ自然に入り込みやすい。弁護士や医療関係者は逮捕・負傷した仲間の復帰時間を短縮でき、熟練のスパイは特殊車両やサイレンサー付き武器を扱える。キャラクターの個性が攻略方法に直結するため、仲間集めそのものがゲームの大きな遊びになっている。
物語の出発点は、デッドセックに着せられた爆破事件の濡れ衣
ストーリーは、ロンドンで発生した大規模な爆破事件から始まる。市民の自由を守るために活動していたデッドセックは、謎の存在「ゼロデイ」によってテロ事件の犯人に仕立て上げられ、組織は壊滅状態へ追い込まれる。その混乱に乗じて、民間軍事会社アルビオンは治安維持の名目で街を掌握し、監視と武力によって市民を管理するようになる。さらに、犯罪シンジケートのクラン・ケリーは人身売買や違法取引で暗躍し、巨大テック企業ブルームと関連する先進技術も社会の裏側で不穏な影を落としている。プレイヤーは崩壊したデッドセックを立て直し、ロンドン各地で市民の支持を回復しながら、爆破事件の真相、ゼロデイの正体、アルビオンの暴走、犯罪組織の実態を追っていくことになる。物語全体は、監視社会、民間軍事企業の台頭、AIと自動化、データ資本主義、移民問題、格差社会、政治不信といった現代的テーマを、近未来SFの形で誇張して描いている。現実のロンドンを思わせる街並みの中で、少し先にあり得るかもしれない社会の歪みを見せるところが、本作の世界観の大きな魅力である。
デッドセック再建と仲間集めがゲーム進行の中心
本作におけるデッドセックは、単なるストーリー上の組織ではなく、プレイヤーが自分で拡張していくチームそのものである。序盤では限られた人材しかいないが、街の人々を調査し、協力を取り付け、採用ミッションを達成することで仲間を増やしていく。採用の流れは人物によって異なり、デッドセックに好意的な市民であれば比較的簡単に勧誘できるが、デッドセックを嫌っている人物の場合は、まずその人が抱える問題を解決し、信頼を得る必要がある。たとえば家族がアルビオンに不当に拘束されている、犯罪組織に脅されている、職場で不正の証拠を握られているなど、その人物の背景に応じた小さなドラマが用意される。これにより、単に強いキャラクターを集めるだけではなく、ロンドンの市民一人ひとりが社会の中で苦しんでおり、その問題を解決することでレジスタンスの輪が広がっていく感覚が生まれる。また、敵対勢力の関係者を仲間にできる点も面白い。アルビオンの兵士や警察関係者、クラン・ケリーに近い人物などを採用できれば、通常なら侵入が難しい区域に入りやすくなり、任務の選択肢が広がる。ただし、暴力的な行動を取りすぎると、その人物や関係者がデッドセックに反感を持つこともあり、プレイヤーの行動が仲間集めに影響する仕組みになっている。
ロンドン市民の個性がプレイスタイルを変える
本作の市民は、見た目だけでなく能力面でも個性が分かれている。ある人物は格闘が得意で正面突破に向き、別の人物はハッキング能力に優れていて監視カメラやドローンを使った遠隔操作に強い。工事関係者はレンチや作業用ドローンを扱え、配送関係者は移動に便利な乗り物を使える。年配の市民は動きが遅い代わりに意外な特殊技能を持つ場合があり、プロの殺し屋やスパイのようなレアな人材は戦闘能力・潜入能力ともに高い。中には、突然しゃっくりをする、ギャンブルでお金を失う、死亡リスクが高い、負傷しやすい、逮捕されやすいといったマイナス要素を抱える人物もいる。強力な能力だけでなく欠点も含めて人材を選ぶ必要があり、チーム作りには軽いロールプレイの楽しさがある。プレイヤーによっては、実用性重視で精鋭部隊を作ることもできるし、あえて老人だけ、作業員だけ、スーツ姿の人物だけ、奇抜な服装の人物だけで構成することもできる。固定主人公がいないことは物語の感情移入を薄める一面もあるが、その代わり「自分が選んだ市民たちがロンドンを取り戻していく」という独自の体験を作り出している。
ハッキング、潜入、戦闘を組み合わせた自由度の高い任務
シリーズの核であるハッキング要素は、本作でも重要な役割を持つ。監視カメラを乗っ取り、敵の配置を確認する。ドローンを操作して施設内を偵察する。電子ロックを解除する。敵の通信機器を妨害する。爆発物やトラップを遠隔起動する。車両やセキュリティ装置を操作する。このように、プレイヤーは都市のシステムを利用して、直接戦わずに目的を達成することができる。任務の多くは、敵施設への潜入、データの奪取、人物の救出、証拠の破壊、ターゲットの無力化などで構成されているが、攻略方法は一つではない。正面から乗り込んで銃撃戦を行うこともできるし、警備員に変装できる人物で内部に入り、見つからないように目的地へ向かうこともできる。スパイダーボットを使えば、プレイヤー本人が危険地帯に入らず、換気口や狭い通路を通って端末を操作できる。貨物ドローンに乗って屋上から侵入する方法もあり、建物の構造や敵の配置を観察してルートを考える楽しさがある。シリーズらしいハッキング主体のプレイと、一般的なアクションゲームの戦闘・潜入を組み合わせ、自分なりの解き方を探せる点が本作の手触りを形作っている。
戦闘は非殺傷と殺傷の選択が印象を変える
『ウォッチドッグス レギオン』では、戦闘の方向性もプレイヤーの選択に委ねられている。デッドセックは市民の自由を守るレジスタンスであり、必ずしも敵を殺害する必要はない。そのため、スタンガン、電撃武器、近接格闘、非殺傷ガジェットを使えば、相手を殺さずに制圧できる。一方で、銃火器を用いて強引に突破することも可能で、その場合は敵もより激しい攻撃で応戦してくる。特に「パーマデス」を有効にしている場合、操作キャラクターが死亡すると復活せず、その人物はチームから永久に失われる。これにより、任務中の判断には緊張感が生まれる。強いキャラクターを失いたくないなら慎重に潜入する必要があり、逆に危険な任務には失っても痛手が少ない人材を向かわせるという考え方もできる。仲間一人ひとりに経歴や能力があるため、死亡や逮捕は単なるゲームオーバーではなく、チーム運営上の損失として感じられる。市民を仲間にするシステムと、キャラクターを失うリスクが結びついているところに、本作ならではの緊張感がある。
ロンドン各地区を解放していく構造
ゲーム内のロンドンは複数の地区に分かれており、それぞれの地域でアルビオンの支配や情報操作を弱める活動を行うことができる。プロパガンダ装置の破壊、重要人物の救出、証拠の暴露、妨害工作などを進めていくと、その地区の市民がデッドセックに協力的になり、最終的には地区解放につながる。地区を解放すると、優秀な人材が仲間になったり、周辺の市民が勧誘しやすくなったりするため、探索と戦力強化が自然につながっていく。単にメインストーリーを追うだけでなく、街の支配構造を少しずつ崩していく感覚があり、オープンワールドゲームらしい寄り道の価値が用意されている。また、ロンドンの街は観光名所だけでなく、地下鉄、路地、屋上、建設現場、オフィスビル、ナイトクラブ、治安部隊の拠点など、多様なロケーションで構成されている。昼夜や天候によって雰囲気も変化し、ネオンに照らされた夜のロンドン、雨に濡れた道路、無数の監視ドローンが飛び交う空など、ディストピア的な映像美も印象に残る。
PS5版としての特徴と遊びやすさ
プレイステーション5版は、次世代機向けに調整された映像表現や読み込みの快適さが特徴となる。PS4世代のオープンワールド作品として展開されたタイトルではあるが、PS5では都市の描画、反射表現、照明、ロード時間の短縮などにより、近未来ロンドンの雰囲気をより滑らかに味わいやすい。街中を歩き回りながら市民をスキャンし、気になる人物を追跡し、任務に合わせて操作キャラクターを切り替える本作では、テンポのよさが体験の印象に直結する。PS5版はパッケージ版として2020年11月26日に発売され、PS4版からPS5版へのアップグレード導線も用意されていたため、次世代機の発売直後に遊ぶ大型オープンワールドタイトルの一つとして注目された。日本語メニュー・字幕に対応し、日本語音声も用意されているため、海外都市を舞台にした作品でありながら、国内プレイヤーも物語やシステムを理解しやすい形で楽しめる。
登場人物と主要勢力の役割
本作は固定主人公がいない一方で、物語を動かす重要人物や勢力は存在する。デッドセック側では、組織の再建に関わるザビーネ、AIアシスタントのバグリーなどがプレイヤーを導く存在となる。バグリーは任務中の案内役として頻繁に登場し、皮肉交じりの会話や冷静な分析でデッドセックの活動を支える。敵対勢力としては、軍事力で街を押さえ込むアルビオン、裏社会を支配するクラン・ケリー、先端技術と倫理問題に関わる企業・研究者たち、そして一連の事件の黒幕であるゼロデイが物語の軸になる。アルビオンは「安全」を掲げながら過剰な監視と暴力で市民を縛り、クラン・ケリーは社会の弱者を利用して利益を得る。これらの勢力は単なる悪役ではなく、近未来社会の不安を具体化した存在として配置されている。プレイヤーが仲間にする一般市民たちも、そうした支配構造の中で生活しているため、メインストーリーと市民勧誘の小さな物語が重なり合い、ロンドン全体が一つの抵抗運動の舞台として見えてくる。
販売展開とエディション構成
『ウォッチドッグス レギオン』は、PS5だけでなく、PS4、Xbox系プラットフォーム、PCなどでも展開されたマルチプラットフォーム作品である。日本では、PS4版やPC版が先行し、PS5版は次世代機の登場時期に合わせて展開された。通常版に加え、デラックスエディションやアルティメットエディション、シーズンパスを含む商品展開も行われ、追加コンテンツとして大型拡張「ブラッドライン」などが用意された。エディションによっては、追加キャラクター、マスク、デッドセック関連アイテム、VIPステータスなどが含まれており、発売当時はシリーズファンや次世代機購入者に向けて、長く遊べる作品として訴求されていた。特にPS5本体の発売直後は、対応タイトルの数が限られていたこともあり、実在都市を自由に歩き回れる大作オープンワールドとして一定の存在感を持っていた。シリーズ経験者にとっては、従来の主人公中心の物語から、市民全体を主役にする構造へ変化した挑戦作であり、初めて触れる人にとっては、ハッキング、潜入、戦闘、仲間集めを一つの都市で味わえる近未来アクションとして入りやすい作品になっている。
作品全体の位置づけ
総合的に見ると、『ウォッチドッグス レギオン』は、シリーズの持ち味である「都市ハッキング」と「監視社会への反抗」をさらに拡大し、主人公という概念そのものを街の住人全体へ広げた意欲作である。従来作のように強い個性を持つ一人の主人公に感情移入する作りではないため、物語の求心力には好みが分かれる部分もある。しかしその一方で、プレイヤーが自分で仲間を選び、自分だけのデッドセックを作り、自分なりの方法で任務を解決していく自由度は、本作ならではの大きな価値になっている。ロンドンの街を歩き、ふと見かけた人物を仲間にし、その人物の能力を活かして敵施設へ潜入する。この一連の流れが自然に成立することで、オープンワールドの住民が単なる背景ではなく、ゲームを動かす主役候補になる。『ウォッチドッグス レギオン』は、完成度の面で賛否を呼びながらも、「誰もが主人公になれる」というアイデアを大作ゲームの規模で実現しようとした作品であり、PS5初期のラインナップの中でも、近未来都市とレジスタンス活動を組み合わせた独自性の強い一本として記憶されるタイトルである。
■■■■ ゲームの魅力・攻略・好きなキャラクター
最大の魅力は「市民全員が戦力になる」独自の遊び
『ウォッチドッグス レギオン』の面白さを一言で表すなら、ロンドンの街そのものを仲間に変えていくゲームである。一般的なアクションゲームでは、主人公は最初から決まっており、物語もその人物を中心に進む。しかし本作では、主人公は一人ではない。街を歩いている市民、バスを待つ会社員、警備中のアルビオン兵、現場で働く建設作業員、病院関係者、弁護士、配達員、ストリートパフォーマー、年配の市民、プロの暗殺者、元スパイのような人物まで、さまざまな人間をデッドセックの仲間として迎え入れられる。この仕組みによって、プレイヤーは単に「強いキャラを選ぶ」のではなく、「この任務には誰を送り込むべきか」を考えることになる。敵地へ堂々と入るなら制服を着た関係者、屋上から侵入するなら貨物ドローンを呼べる作業員、戦闘が避けられないなら銃器や格闘に強い人物、逮捕や負傷に備えるなら弁護士や医療関係者をチームに加えるなど、人材の組み合わせが攻略の幅を広げていく。街で偶然見つけた人物が思わぬ能力を持っていることもあり、ミッションを進めるだけでなく、優秀な仲間を探して街を観察する時間そのものが楽しい。まさに「ロンドンにいる誰かが、自分の物語の主人公になる」という発想が、本作の最も大きなアピールポイントになっている。
任務の攻略方法を自分で組み立てる楽しさ
本作のミッションは、正面突破だけでなく、潜入、ハッキング、ドローン操作、変装、遠隔操作を組み合わせて進められる。敵施設に入る場面でも、銃を構えて乗り込む必要はない。まず周囲の監視カメラを乗っ取り、敵の位置や電子ロックの場所を確認する。次にスパイダーボットを換気口から侵入させ、端末を操作したり、鍵データを盗んだりする。警備が厳しい場所では、関係者の制服を持つ仲間を使うことで、一定範囲まで怪しまれずに歩ける。屋上に目的地があるなら、建設作業員で貨物ドローンを呼び、その上に乗って空から侵入する方法もある。こうした攻略法は、ゲーム側が一本道で指示するものではなく、プレイヤーが周囲を見て発見していくものになっている。敵の数が多いからといって必ず戦う必要はなく、端末に触れるだけで目的を達成できる任務なら、本人は外で待機し、カメラやドローンだけで終わらせることもできる。反対に、戦闘能力の高いキャラクターで一気に突入し、短時間で制圧する遊び方も可能である。失敗しても、別の仲間で再挑戦することで新しい突破口が見つかるため、試行錯誤そのものがゲームの楽しみになる。
初心者におすすめの攻略方針
初めて遊ぶ場合は、まず万能性の高い仲間をそろえることが重要である。序盤で特に役立つのは、貨物ドローンを呼べる建設作業員、敵地に潜入しやすいアルビオン関係者、逮捕時間を短縮できる弁護士系の人物、負傷回復を早める医療関係者、戦闘能力の高い人物、ハッキングに強い人物である。建設作業員は高所移動に強く、屋上やバルコニーにある目的地へ向かう際に非常に便利で、探索の自由度が一気に広がる。アルビオン関係者は敵施設への侵入に役立つが、完全に安全というわけではなく、近づきすぎたり不審な行動を取ったりすれば見破られるため、油断は禁物である。弁護士や医療関係者は直接戦闘では目立たないが、仲間が逮捕・負傷した時の復帰を早められるため、チーム全体の安定感を高めてくれる。序盤は派手な銃撃戦よりも、カメラ確認、敵のマーキング、ドローンの活用、静かな侵入を意識すると失敗しにくい。特にパーマデスを有効にしている場合、無理に戦うと大切な仲間を失う可能性があるため、任務前に逃走経路や隠れ場所を確認しておくと安全である。
必勝法は「戦う前に調べる」こと
『ウォッチドッグス レギオン』で安定して攻略するための基本は、いきなり敵地へ入らないことである。まずは周辺の監視カメラを探し、施設内の構造を把握する。敵の巡回ルート、ドアのロック、警報装置、ドローンの位置、爆発物の有無、ハッキングできる端末を確認してから動くと、失敗率は大きく下がる。敵を倒す必要がある場合でも、正面から撃ち合うより、電子機器を使って注意をそらしたり、トラップを作動させたり、孤立した敵だけを静かに無力化したりする方が安全である。スパイダーボットは非常に優秀で、狭い通路を進めるだけでなく、端末操作やアイテム回収にも使えるため、常に活用したいガジェットである。貨物ドローンも攻略の幅を大きく広げる存在で、屋上から侵入すれば地上の警備を避けられる場面が多い。敵が多いエリアでは、敵を全滅させることを目的にせず、必要な作業だけ済ませて離脱する意識が大切である。本作は敵を倒すゲームというより、都市のシステムを利用して目的を達成するゲームであり、「戦わずに勝つ」発想を持つほど面白さが増していく。
おすすめの人材とキャラクターの特徴
仲間にしたい人物として特に便利なのは、建設作業員、スパイ、殺し屋、アルビオン兵、医師、弁護士、ドローン専門家、ハッカー系の市民である。建設作業員は貨物ドローンを呼び出せるため、探索と潜入の両方で活躍する。スパイは特殊な車両や静音性の高い武器を扱えることが多く、スマートに任務をこなしたいプレイヤーに向いている。殺し屋タイプの人物は戦闘力が高く、危険な任務で頼りになるが、派手に暴れると敵の増援を呼びやすいため、使いどころを見極めたい。アルビオン兵や警備関係者は制限区域に入りやすい反面、敵に接近しすぎると変装が見破られるので、堂々と歩ける場所と慎重に動くべき場所を区別する必要がある。医師や弁護士は任務中の主役になりにくいが、チーム管理では非常に重要である。さらに、ハッキング系の人物はドローンや電子機器の扱いに強く、遠隔攻略を好む人には欠かせない。強いキャラクターだけを集めるより、役割の違う人物を複数そろえることで、あらゆる状況に対応できるレジスタンスを作れる。
個人的に好きなキャラクターはバグリー
本作で特に印象に残る存在を一人挙げるなら、AIアシスタントのバグリーである。操作キャラクターではないものの、デッドセックの活動を支える案内役としてほぼ全編に登場し、任務の説明、情報解析、目的地への誘導、敵勢力の調査などを担当する。バグリーの魅力は、単なる便利なナビゲーターではなく、皮肉や冗談を交えながら会話に参加してくるところにある。ロンドンが深刻な監視社会となり、物語そのものは重い題材を扱っているが、バグリーの軽妙な口調があることで、ゲーム全体にテンポとユーモアが生まれている。プレイヤーがどの市民を操作していても、バグリーが共通の相棒としてそばにいるため、固定主人公がいない本作において、物語の軸を保つ役割も果たしている。冷静で有能、しかしどこか人間臭い反応を見せる彼の存在は、デッドセックという組織に独特の雰囲気を与えている。市民を仲間にしていくゲームでありながら、最も記憶に残る相棒がAIであるという点も、本作らしい面白さである。
戦闘の楽しみ方と注意点
戦闘面では、近接格闘、非殺傷武器、銃器、ガジェットを状況に応じて使い分けることが大切である。軽い警備相手なら近接格闘で静かに制圧できるが、複数の敵に囲まれると一気に不利になる。銃器は強力だが、発砲すると周囲の敵が警戒し、増援やドローンが現れることもあるため、最後の手段として考えた方がよい。非殺傷武器を使えばデッドセックらしい戦い方ができ、パーマデス時の心理的な負担もやや軽くなる。敵の武器や行動もプレイヤーの戦い方に反応するため、静かに進めれば比較的穏やかな制圧で済むことが多く、派手に攻撃すれば敵も本格的に殺傷力のある攻撃で応戦してくる。攻略で重要なのは、戦闘開始後に考えるのではなく、戦闘になる前に有利な状況を作っておくことだ。高所を確保する、逃げ道を用意する、敵の数を減らす、ドローンを無効化する、爆発物の位置を把握する。こうした準備をしておけば、仮に発見されても立て直しやすい。
難易度はプレイスタイルによって大きく変わる
本作の難易度は、プレイヤーがどのような遊び方を選ぶかで印象が変わる。カメラやドローンを丁寧に使い、敵に見つからないように行動すれば、比較的落ち着いて進められる。一方で、正面突破ばかりを選ぶと、敵の増援、銃撃、ドローン攻撃によって一気に危険度が増す。特にパーマデスを有効にした場合は、キャラクターの敗北が大きな損失になるため、緊張感はかなり高くなる。逆にパーマデスを無効にして遊べば、失敗しても復帰しやすく、さまざまな攻略法を気軽に試せる。初回プレイでは、まずパーマデスなしで世界観とシステムに慣れ、その後にパーマデスありで遊ぶと本作ならではのスリルを味わいやすい。難易度を上げるほど、仲間の選び方、任務前の準備、撤退判断が重要になるため、単なるアクションの腕前だけでなく、チーム運営と状況判断が問われるゲームになる。
クリア条件とエンディングまでの進め方
ゲームをクリアするには、メインストーリーに関わる主要ミッションを進め、ロンドンを脅かす各勢力の問題を解決し、最終的に一連の事件の黒幕へ迫っていく必要がある。各地区の解放や仲間集め、サイドミッションは必須ではないものも多いが、進めておくと人材や装備が充実し、メイン任務を有利に進めやすくなる。エンディングを目指すだけなら、メインミッションを優先してもよいが、本作の魅力はロンドン市民を巻き込んでレジスタンスを育てていく過程にあるため、地区解放や採用ミッションも並行して進める方が満足感は高い。特に、強力な人材を仲間にできる地区解放報酬は攻略上の価値が大きく、終盤の難しい任務に備える意味でも早めに取り組みたい。メインストーリーは複数の敵勢力を追う構成になっているため、単調に一つの敵を倒して終わるのではなく、ロンドンを支配する構造を段階的に崩していく感覚がある。クリア後も仲間集めや探索、追加コンテンツ、オンライン要素によって遊び続けられる。
裏技というより、知っていると便利なテクニック
本作には昔ながらの隠しコマンドのような裏技よりも、システムを理解することで攻略が楽になるテクニックが多い。代表的なのは、貨物ドローンを使った高所侵入である。地上から入ると警備が厳しい施設でも、屋上から入れば短時間で目的地へ到達できる場合がある。次に、スパイダーボットの遠隔操作で、本人が危険地帯に入らず端末を操作する方法も便利である。また、敵地に入る前にカメラを連続して切り替え、内部の鍵データやアクセス端末を先に探しておくと、潜入時間を短縮できる。敵を全員倒す必要がない任務では、目的達成後すぐに逃走する判断も重要だ。さらに、仲間候補の関係者を助けることで採用が有利になることがあり、街中の出来事を観察しておくと意外な形で人材集めが進む。反対に、無関係に市民を傷つけたり、候補者の関係者に被害を与えたりすると、デッドセックへの印象が悪化することもあるため、仲間を増やしたい時は乱暴な行動を避けた方がよい。
評判面で評価されたポイント
本作が評価された点は、やはり「誰でも仲間にできる」という独自性、近未来ロンドンの作り込み、ハッキングを使った多様な攻略、チーム編成の自由度である。シリーズ経験者からは、都市を操作する楽しさが引き続き存在し、ドローンやスパイダーボットを使った潜入が面白いという声が多い。特に、街の人々をスキャンして能力を見比べ、自分好みのチームを作る流れは、本作でしか味わいにくい魅力である。PS5版では映像面やロードの快適さもあり、近未来のロンドンを歩き回る観光的な楽しさも感じられる。一方で、固定主人公がいないため、物語への感情移入が従来作より薄く感じられるという意見もある。どの市民でも主人公になれる反面、一人の人物を深く掘り下げる物語ではないため、キャラクタードラマを重視する人には物足りない部分がある。つまり本作は、強烈な主人公の物語を楽しむゲームというより、プレイヤー自身がロンドンの市民を選び、チームを作り、自由な方法で支配体制に挑むゲームとして評価される作品である。
楽しみ方は「完璧な攻略」より「自分だけの物語作り」
『ウォッチドッグス レギオン』を最も楽しむコツは、効率だけを追いすぎないことである。もちろん、強力な人材を集め、最短ルートでミッションを攻略する遊び方もできる。しかし本作の本当の味わいは、偶然出会った市民を仲間にし、その人物の能力や弱点を受け入れながら任務に送り出すところにある。たとえば、戦闘は苦手だがドローン操作に長けた人物で静かに潜入する。足は遅いが特殊な技能を持つ年配の市民で危険な任務に挑む。見た目が気に入っただけの人物を育て、チームの中心にする。こうした遊び方をすると、単なる攻略を超えて、自分だけのデッドセックの物語が生まれる。失敗や逮捕、仲間の負傷すら、チームの歴史として記憶に残る。完璧な主人公が世界を救うのではなく、不完全な市民たちが集まって大きな支配に抗う。その感覚こそが、本作の一番おいしい部分である。攻略の正解は一つではなく、どの市民を信じ、どの方法でロンドンを取り戻すかをプレイヤー自身が決められるところに、『ウォッチドッグス レギオン』ならではの魅力が詰まっている。
■■■■ 感想・評判・口コミ
全体的な評価は「挑戦的だが好みが分かれる作品」
『ウォッチドッグス レギオン』をプレイした人の感想を大きくまとめると、「発想は非常に面白いが、すべての人に刺さるタイプではない」という評価に集約される。特に注目されたのは、ロンドンの市民を誰でも仲間にできるという大胆なシステムである。これは発売前から大きな話題になっており、実際に遊んだプレイヤーからも、街で見かけた人物を調べ、その人の能力や職業を見て仲間にする流れは新鮮だったという反応が多かった。一方で、固定主人公がいないことによって、物語の中心人物に強く感情移入するタイプのゲームではなくなっているため、そこに物足りなさを感じた人も少なくない。つまり本作は、ひとりの濃い主人公の人生を追う作品ではなく、自分で選んだ市民たちを使ってレジスタンスを作るゲームであり、その遊び方を楽しめるかどうかで印象が大きく変わる。従来の『ウォッチドッグス』シリーズを、主人公の個性やストーリーで楽しんでいた人には戸惑いがあり、逆にチーム作りや自由な攻略、オープンワールドの実験性を好む人には強く印象に残る作品となった。
好評だったのは近未来ロンドンの雰囲気
肯定的な感想で特に多く語られたのは、舞台となるロンドンの作り込みである。ビッグベン周辺、テムズ川沿い、商業地区、下町風のエリア、夜の歓楽街、管理されたオフィス街など、現実のロンドンを思わせる景観に、監視ドローンや自動化された警備システムが加わり、観光都市でありながら息苦しいディストピア都市でもある独特の空気が表現されている。街を歩くだけでも、監視カメラがこちらを見ているような感覚があり、アルビオンの兵士が市民を取り締まる場面を見ると、この世界が単なる背景ではなく、支配と抵抗が同時に存在する場所として感じられる。シリーズの魅力である「都市をハッキングする」という感覚も、ロンドンの密度と相性がよく、カメラ、ドローン、電子ロック、車両、セキュリティ設備を操作しながら進む遊びは、多くのプレイヤーにシリーズらしい面白さとして受け止められた。PS5版ではロードの快適さや映像表現の向上もあり、雨に濡れた道路、ネオンの反射、夜景、ドローンが飛び交う空など、視覚的な満足感も評価されやすい部分だった。
「誰でも主人公になれる」仕組みへの肯定的な反応
本作ならではのシステムとして、市民全員が仲間候補になる仕組みは、多くのプレイヤーに強い印象を与えた。街で偶然見つけたスパイ、能力の高い建設作業員、敵地に入れるアルビオン関係者、見た目が個性的な市民、妙な欠点を持った人物などを仲間にし、自分だけのデッドセックを作っていく流れは、ほかのオープンワールドゲームにはあまりない体験である。口コミでは、「街の人を調べるだけで時間が過ぎる」「強いキャラよりも気に入った人物を使いたくなる」「仲間の職業によって攻略方法が変わるのが楽しい」といった方向の感想が見られる。特に貨物ドローンを呼べる建設作業員や、潜入に便利な制服を持つ人物は実用性が高く、序盤から終盤まで活躍させやすい。ゲームの中で出会った一般市民が、そのまま自分のチームの一員になり、任務の主役として活躍する感覚は、本作の大きな魅力である。単に能力値の高いキャラクターを集めるだけでなく、「この人を失いたくない」と思える人物が自然に生まれる点も、プレイヤーごとの思い出につながりやすい。
固定主人公がいないことへの賛否
一方で、最も意見が分かれたのも、やはり固定主人公が存在しない点である。従来作では、初代のエイデン・ピアースや『ウォッチドッグス2』のマーカス・ホロウェイのように、プレイヤーが物語を追うための中心人物がいた。ところが『レギオン』では、誰を操作しても物語が進む構造になっているため、主人公固有のドラマや成長物語は薄くなっている。市民ごとに簡単な背景や能力はあるが、すべてのキャラクターに濃密な個別ストーリーが用意されているわけではない。そのため、ゲームの仕組みとしては斬新でも、物語面では感情の乗せどころが弱いと感じるプレイヤーもいた。特に、キャラクター同士の関係性や会話劇を重視する人にとっては、操作キャラクターが入れ替わるたびに物語の温度が変わり、ドラマに入り込みにくい場面がある。逆に、主人公を自分で選びたい人、固定された英雄ではなく市民の集合体で戦う構造に魅力を感じる人にとっては、この設計こそが本作の価値になっている。つまり、物語を「個人の物語」として見るか、「都市と市民全体の反抗」として見るかで評価が変わる作品である。
戦闘・潜入・ハッキングの評判
ゲームプレイ面では、戦闘、潜入、ハッキングを自由に組み合わせられる点が好評だった。敵施設に侵入する際、正面から銃撃戦を挑むだけでなく、カメラを乗っ取って内部を調べ、スパイダーボットで端末を操作し、ドローンを使って敵の位置を把握し、必要な作業だけ済ませて脱出することができる。この「戦わずに攻略できる」選択肢は、シリーズらしい楽しさとして評価されている。特に、スパイダーボットや貨物ドローンを使った攻略は便利で、慣れてくると敵地にほとんど足を踏み入れずにミッションを完了できる場面もある。アクションゲームとして派手に戦うことも可能だが、本作の面白さは、力押しよりも事前調査と道具の使い方にあると感じたプレイヤーが多い。ただし、戦闘そのものについては、非常に革新的というよりは堅実な作りという印象もあり、銃撃や近接格闘だけを期待するとやや単調に感じる場合がある。ハッキング、潜入、キャラクター選択を合わせて考えた時にこそ、本作のゲームプレイは最も魅力を発揮する。
ストーリーへの反応はやや分かれた
物語については、近未来社会への問題提起や、監視社会、民間軍事企業、犯罪組織、巨大テック企業といった題材に興味を持った人からは好意的に受け止められた。ロンドンが監視と暴力によって管理され、市民が不当に扱われる状況は、デッドセックの活動にわかりやすい目的を与えている。アルビオンの強権的な支配、クラン・ケリーの悪質な犯罪、ゼロデイの謎など、物語を進める動機も明確である。しかし一方で、扱っているテーマが大きいわりに、ひとつひとつの掘り下げが物足りないと感じた人もいた。政治、格差、移民、監視、AI、企業倫理といった重い題材を並べているものの、それらを深くえぐるというより、エンタメ作品として分かりやすく処理している印象がある。結果として、世界観の雰囲気は魅力的だが、物語の余韻やキャラクタードラマでは過去作の方が好みだったという感想も見られる。ストーリーを重厚な社会派作品として期待するとやや軽く感じるが、近未来アクションの背景として楽しむなら十分に惹きつける内容になっている。
バグリーの存在感は高評価されやすい
固定主人公がいない本作において、AIアシスタントのバグリーはかなり重要な存在である。プレイヤーがどの市民を操作していても、バグリーはデッドセックの案内役として常に関わり、任務の説明や情報解析、皮肉の効いた会話で物語にテンポを与える。口コミでも、バグリーのセリフやキャラクター性を好意的に受け止める声は多い。彼は単なるナビゲーション役ではなく、冷静で有能でありながら、どこか毒舌でユーモラスな存在として描かれているため、重い世界観の中でプレイヤーを飽きさせない。市民キャラクターが入れ替わる構造上、ゲーム全体を通して継続的に付き合う相棒のような役割を担っており、物語のまとまりを保つうえでも欠かせない。デッドセックという組織をひとつにつなぎとめる声であり、本作の印象を大きく左右するキャラクターと言える。プレイ後に操作キャラクターよりもバグリーの方が記憶に残ったという人がいても不思議ではないほど、作品全体の空気を作っている存在である。
不満点として挙がりやすい部分
否定的な感想で目立つのは、キャラクターの個別性が思ったほど深くないこと、ミッション構造が似通って感じられること、シリーズ過去作と比べて主人公の魅力が弱く感じられることなどである。誰でも仲間にできる仕組みは斬新だが、その分、一人ひとりの市民に長い専用イベントがあるわけではない。能力や声、見た目、簡単な背景は異なるものの、物語の中心人物として深く描かれるわけではないため、期待値によっては「市民の数は多いが、印象に残る人物は限られる」と感じることもある。また、オープンワールドゲームとして、施設に侵入してデータを盗む、人物を救出する、証拠を破壊する、端末を操作する、といった任務の流れが繰り返しに感じられる場面もある。攻略方法を自分で工夫できる人には楽しいが、ゲーム側から毎回大きく違う展開を求める人には単調に映る可能性がある。さらに、発売初期には不具合や動作面への不満を語る声もあり、技術的な完成度に厳しいプレイヤーからは評価が下がる要因にもなった。
PS5版に対する感想
PS5版については、次世代機初期のオープンワールド作品として、ロンドンの街を美しく歩ける点や、読み込みの快適さが評価されやすい。PS4世代のゲームでもあるため、完全にPS5専用として作られたタイトルほどの驚きではないという見方もあるが、それでも都市の密度、光の表現、雨や夜景の雰囲気は見応えがある。特に、観光地としてのロンドンではなく、監視社会化した近未来ロンドンを歩く感覚は本作ならではである。PS5本体の発売直後に遊べる大型タイトルの一つだったこともあり、当時は新ハードで広い街を探索したいプレイヤーにとって魅力的な選択肢になった。操作面では、ハッキング、運転、戦闘、ドローン操作など複数の要素があるため、慣れるまでは少し忙しく感じる場合もあるが、慣れてくると任務前の偵察から脱出までをスムーズに組み立てられるようになる。PS5版は、作品そのものの評価とは別に、近未来都市を快適に探索できる環境として一定の満足感を与えたと言える。
過去作ファンから見た評価
シリーズファンの反応は、比較的分かれやすい。初代『ウォッチドッグス』が持っていた暗い復讐劇の雰囲気や、『ウォッチドッグス2』の明るく軽快なハッカー文化を好んでいた人にとって、『レギオン』はかなり異なる手触りの作品である。シリーズ共通のハッキング、都市操作、監視社会への抵抗というテーマは残っているが、主人公を固定しない構造によって、物語の受け取り方は大きく変化した。過去作のような主人公と仲間たちの関係性を期待した人には、キャラクター面で薄く感じられる部分がある。一方で、シリーズが同じことを繰り返すのではなく、新しい仕組みに挑戦した点を評価する声もある。特に『ウォッチドッグス2』で都市の自由度やハッキングの遊びが好きだった人にとっては、本作の潜入ルートの多さやドローン活用は魅力的に映る。過去作と同じ方向の進化を求めると評価が下がり、新しい実験作として見ると評価が上がる。そこが本作のシリーズ内での立ち位置を複雑にしている。
口コミから見えるおすすめできる人
本作をおすすめしやすいのは、オープンワールドを自由に探索するのが好きな人、潜入やハッキングを使って任務を解くのが好きな人、キャラクター収集やチーム編成に楽しさを感じる人、近未来SFや監視社会の世界観に興味がある人である。特に、効率よりも自分なりの遊び方を作るのが好きな人には向いている。たとえば、強いキャラクターだけでなく、見た目や設定が気に入った市民をあえて使う。戦わずにスパイダーボットだけで任務を終わらせる。貨物ドローンで屋上から侵入する。お気に入りの仲間を失わないように慎重に作戦を立てる。こうした遊び方を楽しめる人なら、本作の魅力を深く味わえる。一方で、濃密な主人公ドラマ、強烈なボス戦、一本道で完成度の高い演出、ひとつひとつのキャラクターの深い掘り下げを求める人には、やや合わない可能性がある。口コミを見ても、楽しめた人は「自由な攻略」と「市民を仲間にする体験」を評価し、合わなかった人は「物語の中心の弱さ」や「繰り返し感」を指摘する傾向がある。
総合的な口コミ評価のまとめ
『ウォッチドッグス レギオン』の評判は、満場一致の傑作というより、強い個性を持った挑戦作として語られることが多い。近未来ロンドンの雰囲気、誰でも仲間にできるシステム、ハッキングを使った自由な攻略は高く評価されやすい。一方で、固定主人公がいないことによる物語の薄さ、ミッションの繰り返し感、キャラクターの個別ドラマの弱さは不満点として挙がりやすい。つまり、本作は大きな発想の勝利と、その発想をすべての面で完璧に活かしきる難しさが同居した作品である。プレイヤーの想像力によって、自分だけのデッドセックを作り、街の市民を主役にして遊べる人にとっては忘れがたい一本になる。反対に、ゲーム側が用意した強い主人公と濃い物語を受け取りたい人には、やや距離を感じるかもしれない。評価が分かれるのは欠点でもあるが、それだけ本作が普通の続編ではなく、新しい仕組みに踏み込んだ作品だった証拠でもある。『ウォッチドッグス レギオン』は、完成度の評価以上に、「オープンワールドの住民を本当に主役にできるのか」という挑戦を大規模タイトルで実行した点に価値があるゲームだと言える。
■■■■ 当時の宣伝・現在の中古市場など
発売当時は「誰でも主人公になれる」という一点を強く押し出した宣伝だった
『ウォッチドッグス レギオン』の発売当時の宣伝で最も目立っていたのは、従来のオープンワールド作品とは異なる「街の住民を誰でも仲間にして操作できる」という特徴である。一般的なゲーム広告では、主人公の名前、顔、決め台詞、復讐の目的、仲間との関係性などを前面に出すことが多い。しかし本作は、特定の一人を英雄として見せるのではなく、ロンドンに暮らす市民全体を主人公候補として扱う点を大きな売りにしていた。宣伝文句としては、近未来ロンドン、監視社会、レジスタンス、ハッキング、自由なチーム編成、あらゆる市民のリクルートといった要素が組み合わされ、プレイヤーが自分だけのデッドセックを作り上げるゲームであることが強調された。これはシリーズ第3作として非常に分かりやすい差別化であり、過去作を遊んだ人には「今度は主人公が固定されていない」という驚きを、初めて触れる人には「街の人間を仲間にできる新しいオープンワールド」という興味を与える宣伝になっていた。特にPS5版は、新世代機の発売時期と重なったこともあり、単なる続編ではなく、次世代機で遊べる大作オープンワールドの一つとしても訴求された。
発売スケジュールと次世代機への移行を意識した販売展開
本作は、PS4、Xbox One、PCなどで先に展開され、その後、PS5やXbox Series X|Sといった次世代機にも対応する形で販売された。日本国内では、PS5のデジタル版が本体発売時期に合わせて登場し、PS5パッケージ版は2020年11月26日に発売される流れとなった。この販売展開は、ちょうど家庭用ゲーム機の世代交代期にあたる時期だったため、ユービーアイソフトとしても「現行機で買っても次世代版へ移行できる」という安心感を打ち出す必要があった。PS4版を購入したユーザーが追加費用なしでPS5版へアップグレードできる導線は、その代表的な施策である。これにより、PS5本体をすぐに入手できないユーザーでも、まずPS4版で遊び始め、後からPS5環境でより快適に楽しむことができた。パッケージ派に向けてはPS5版の店頭販売が用意され、ダウンロード派に向けてはPS Storeでの展開が行われた。世代交代期のタイトルらしく、同じ作品を複数の環境で遊べる柔軟さが販売面の特徴だったと言える。
SNSキャンペーンとインフルエンサー施策
発売当時の宣伝では、公式サイトやゲームメディアでの紹介だけでなく、SNSを活用したキャンペーンも行われた。TwitterやInstagramを使ったプレゼント企画、公式グッズが当たるキャンペーン、インフルエンサーによるプレイ企画などが展開され、従来の雑誌広告や店頭ポスターだけでは届きにくい層にも情報を広げようとしていた。『ウォッチドッグス レギオン』は、ハッキング、監視社会、匿名性、デジタルネットワークといった題材を扱う作品であるため、SNSとの相性は非常に良い。ゲーム内で市民をスキャンし、個人情報や職業、能力を見て仲間にしていくシステムは、現代のデータ社会を連想させる。そのため、宣伝でも「近未来の情報社会を体験できる作品」として見せやすかった。また、インフルエンサーがそれぞれ違う市民を仲間にしたり、異なる攻略方法を試したりすることで、本作の「プレイヤーごとに違うチームが生まれる」という特徴を視覚的に伝えることができた。動画配信や実況との相性も良く、同じミッションでも使うキャラクターによって展開が変わるため、視聴者にゲームの自由度を理解させやすい宣伝構造だった。
ゲームメディア・雑誌での紹介方法
発売前後のゲームメディアでは、主に「近未来ロンドンを舞台にしたシリーズ最新作」「市民を誰でもリクルートできる新システム」「ハッキングと潜入の自由度」「次世代機対応」という切り口で紹介された。国内ゲームメディアでは、発売日情報、対応機種、アップグレード対応、プレイ内容、キャンペーン情報などがまとめて掲載され、店頭購入を考えるプレイヤーにも分かりやすい形で情報が届けられた。雑誌的な紹介では、スクリーンショットやシステム解説が重要な役割を持つ。特に本作の場合、文字だけで「誰でも主人公」と説明しても分かりにくいため、実際に街の市民を調べ、採用し、別の人物として任務に挑む流れを画面付きで見せることが効果的だった。スパイダーボット、貨物ドローン、アルビオンの制服、ドローンジャック、都市監視システムなど、画面映えする要素も多く、記事や動画で説明しやすい作品だったと言える。また、PS5版に関しては、ロードの快適さやビジュアル面、世代交代期のソフトラインナップの一つとしても扱われ、ハード購入者に向けた注目作として紹介された。
店頭販売での見せ方とパッケージの印象
PS5パッケージ版の販売では、パッケージデザインそのものも作品の雰囲気を伝える重要な要素だった。『ウォッチドッグス レギオン』のビジュアルは、仮面をかぶった人物、レジスタンス、都市のネオン、赤や黒を基調とした反体制的な印象が強く、ひと目で「近未来の反抗」を感じさせる。店頭では、PS5初期タイトルの棚に並ぶことで、新ハードで遊べるオープンワールド作品として存在感を持った。パッケージ版には、初回特典や限定特典が付く場合もあり、発売直後に新品を購入する動機づけになっていた。ただし、オンラインコードや特典コードは期限切れになる場合があるため、現在中古で購入する際には、当時の特典がそのまま使えるとは限らない。店頭販売では、CERO Z指定タイトルであることも大きな要素であり、18歳以上対象作品として販売管理が行われた。内容面では銃撃、犯罪組織、監視社会、暴力的表現などを含むため、ファミリー向けタイトルとは異なる、成人向けアクションゲームとしての位置づけだった。
販売実績と初動の受け止められ方
国内ではPS4版が先行して発売され、発売初週のパッケージ販売ランキングでは上位に入った。PS5版は本体発売直後のタイトルという性格が強く、初期のPS5普及台数が限られていたこともあり、単独で爆発的な本数を狙うというより、PS4版からのアップグレードやダウンロード版を含めて長く販売していくタイプの展開だった。世界的には、ユービーアイソフトの大型タイトルとして一定の注目を集めたものの、シリーズ過去作と比べて売上面・話題性の面でどの程度成功したかについては、評価が分かれる部分がある。特に同じ時期には『アサシン クリード ヴァルハラ』など、ユービーアイソフトの別大型タイトルも展開されており、年末商戦の中で複数の大作が競合していた。『ウォッチドッグス レギオン』は、斬新なシステムで話題を作った一方、固定主人公がいない構造に賛否があり、長期的なブランドの勢いという点では過去作ほど強く語られにくい面もあった。それでも、PS5初期に遊べる近未来オープンワールドとして、発売当時の存在感は十分にあった作品である。
発売後の追加コンテンツと長期販売の仕組み
本作は発売して終わりではなく、オンラインモードや追加コンテンツによって長期的に遊ばせる販売設計が取られていた。シーズンパスやアルティメットエディションでは、追加キャラクター、追加ミッション、衣装、マスク、デジタル特典などが用意され、通常版よりも長く遊びたいプレイヤーに向けた商品構成になっていた。特に追加ストーリー「ブラッドライン」は、シリーズファンに向けた訴求力があり、過去作のキャラクターに関心がある人にとって重要な追加要素だった。発売当時の宣伝では、本編の「誰でも主人公」だけでなく、発売後も協力プレイや新しい任務、イベントなどが加わることが示され、ライブサービス的な広がりもアピールされた。ただし、オンライン要素はソロ本編とは別の評価軸で語られることが多く、すべてのプレイヤーが長期的に遊び続けたわけではない。中古市場においても、通常版ディスクだけでは追加DLCが含まれない場合が多いため、現在購入する際には「本編だけでよいのか」「追加ストーリーも遊びたいのか」を分けて考える必要がある。
現在の中古市場では、通常版は比較的手に入りやすい
現在の中古市場における『ウォッチドッグス レギオン』PS5版は、希少価値で価格が高騰しているタイプのタイトルではなく、比較的入手しやすい部類に入る。大型タイトルとして出荷数が一定数あり、ダウンロード版やPS4版からのアップグレード、各種セールの影響もあるため、通常版の中古価格は大きくプレミア化しにくい。中古ショップ、オンライン通販、フリマアプリ、オークションサイトなどでは、状態や版種によって価格差はあるものの、通常版は低価格帯で見かけることが多い。特にPS4版は流通量が多く、PS5版よりも安く出回る場合がある。一方、PS5パッケージ版はPS5初期タイトルとしてのコレクション性が多少あるものの、現時点では一般的な中古ソフトとして扱われることが多い。中古価格を見る際には、単に本体価格だけでなく、送料、ケースやディスクの状態、特典コードの有無、国内版か海外版か、CERO表記の有無などを確認することが大切である。
購入額の推移は「発売直後の定価帯」から「セール・中古低価格化」へ
価格推移の傾向としては、発売直後は新品定価に近い価格で販売され、その後、時間の経過とともにセールや中古流通によって値下がりしていったと考えられる。これは多くの大作オープンワールドゲームに見られる一般的な流れであり、特にユービーアイソフト作品は発売後にデジタルセールの対象になりやすい傾向があるため、中古価格にも影響しやすい。ダウンロード版が大幅セールになると、パッケージ版の中古価格は上がりにくくなる。さらに、PS4版からPS5版へのアップグレード対応があったことで、PS5版ディスクだけが極端に希少化する構造にはなりにくかった。発売から数年が経過した現在では、通常版はコレクター向け高額商品というより、安く遊べるPS5/PS4世代のオープンワールド作品として見られることが多い。購入者にとっては、発売当時よりかなり手を出しやすくなった一方、売却する側にとっては高額買取を期待しにくいタイトルとも言える。
オークション・フリマで見るべきポイント
オークションやフリマアプリで本作を探す場合、価格だけで判断しない方がよい。まず確認したいのは、出品されているものがPS5版なのか、PS4版なのか、アルティメットエディションなのか、海外版なのかという点である。タイトル名が同じでも、対応機種や収録内容が異なる場合があるため、商品画像のパッケージ表記をよく見る必要がある。次に、ディスクの傷、ケースの割れ、ジャケットの日焼け、説明書やチラシ類の有無、初回特典コードの使用可否などを確認したい。特典コードは中古では使用済み、または期限切れになっていることが多いため、「特典付き」と書かれていても、実際に使えるとは限らない。また、アルティメットエディションや限定版は通常版より高く出品されることがあるが、中古の場合はデジタル特典がすでに使用済みである可能性もある。コレクション目的なら外装や付属品を重視し、単に遊ぶ目的ならディスク状態と価格を重視するのが合理的である。
過去最高価格は断定しにくいが、通常版はプレミア化しにくい
『ウォッチドッグス レギオン』の通常版について、過去最高価格を一つに断定するのは難しい。オークションやフリマでは、未開封品、特典付き、海外版、アルティメットエディション、複数本セット、別作品とのまとめ売りなど、条件によって価格が大きく変わるためである。ただし、通常版単体に限って見れば、レトロゲームのように希少性で高騰しているタイトルではない。発売から年数が浅く、流通量もあり、デジタル版も購入できるため、需要が供給を大きく上回る状況にはなりにくい。高値が付くとすれば、未開封のPS5版、特典未使用をうたう商品、アルティメットエディションの良状態品、あるいはコレクターがPS5初期タイトルをそろえたい場合などに限られる。つまり本作は、投資目的で保有するプレミアソフトというより、値段が落ち着いたタイミングで購入して実際に遊ぶのに向いたタイトルである。現在の中古市場では、状態と価格のバランスを見て選べば、比較的安価に入手しやすい一本だと言える。
新品在庫と中古在庫が混在する市場
現在でもオンライン上では、新品在庫と中古在庫が混在している場合がある。発売から時間が経ったタイトルの場合、完全な新品であっても、実際には店舗在庫や倉庫在庫として長く保管されていたものが販売されていることがある。そのため、新品価格が中古よりかなり高く表示されることもあれば、セールや在庫処分で安くなることもある。中古の場合は、販売店によって状態ランクの表記が異なり、「非常に良い」「良い」「可」などの評価が付くが、実際の状態は店舗ごとの基準に左右される。フリマアプリでは、個人出品のため価格が安い一方、検品や返品対応の安心感は店舗より弱い場合がある。安さを重視するならフリマや中古ショップの特価品、安心感を重視するなら大手中古店や新品在庫、コレクション性を重視するなら未開封品や状態の良いPS5版を選ぶのがよい。市場全体としては、購入ルートが多く、極端に探しにくいタイトルではない。
中古で買う価値がある人、ダウンロード版を選ぶべき人
中古パッケージ版を買う価値があるのは、できるだけ安く本編を遊びたい人、ディスク版を棚に並べたい人、PS5初期タイトルをコレクションしたい人、遊び終わったら売却したい人である。パッケージ版なら中古価格が安いタイミングで購入でき、後から手放すこともできる。一方、ダウンロード版を選ぶべきなのは、ディスク交換をしたくない人、PS5デジタル・エディションを使っている人、セール時に追加コンテンツ込みでまとめて購入したい人である。特に本作は追加ストーリーやDLC要素があるため、通常版ディスクを安く買ってからDLCを別購入するより、セール時のデラックス版やアルティメット版を狙った方が結果的に安くなる場合もある。中古パッケージは本編だけを低価格で遊ぶのに向いており、完全版的に楽しみたい場合はデジタルセールも比較対象に入れたい。どちらが得かは、その時点の価格と、追加コンテンツを遊ぶかどうかで変わる。
市場価値よりも「遊びやすくなった今こそ手に取りやすい作品」
現在の『ウォッチドッグス レギオン』は、発売当時の話題性や新作価格から少し距離ができたことで、むしろ気軽に手に取りやすい作品になっている。発売直後は、次世代機対応の大作として期待値が高く、そのぶん賛否も目立った。しかし中古価格が落ち着いた現在では、近未来ロンドンを自由に探索し、市民を仲間にしてレジスタンスを作るという独自の体験を、比較的低コストで試せる。固定主人公がいない点やミッションの繰り返し感は好みが分かれるが、安価に入手できるなら、その実験的なシステムを体験する価値は十分にある。特に、オープンワールド、潜入、ハッキング、ドローン操作、チーム編成が好きな人にとっては、現在の中古市場価格は魅力的に映るはずである。プレミアソフトとして高騰するより、手に取りやすい価格で多くの人が遊べる位置に落ち着いていることは、本作にとって悪いことではない。『ウォッチドッグス レギオン』は、コレクター市場で高額化を狙うタイトルではなく、今からでも気軽に近未来ロンドンへ入り込める、実用的な中古向けオープンワールド作品として評価できる。
■■■■ 総合的なまとめ
『ウォッチドッグス レギオン』は、シリーズの考え方を大きく変えた挑戦作
『ウォッチドッグス レギオン』は、単純に前作の規模を大きくしただけの続編ではなく、シリーズの中心にあった「ハッキングで都市を動かす」という考え方をさらに広げ、「都市に暮らす人間そのものをプレイヤーの力に変える」という方向へ踏み込んだ作品である。初代『ウォッチドッグス』では、エイデン・ピアースという個人の復讐劇を通じて監視社会とハッキングの力が描かれ、『ウォッチドッグス2』ではマーカス・ホロウェイと仲間たちによる若々しいハッカー文化、巨大企業への反抗、自由な都市探索が強調された。そして本作では、その流れを受け継ぎながら、主人公を一人に固定せず、ロンドン市民全体をレジスタンスの候補者として扱う大胆な仕組みが採用された。これはシリーズにとって非常に大きな変化であり、成功している部分と好みが分かれる部分の両方を生み出している。強烈な主人公のドラマを求める人にとっては物足りなく感じる場面もあるが、自分で仲間を選び、自分だけのデッドセックを作るという遊びを受け入れられる人にとっては、他の作品では味わいにくい独自の体験になっている。つまり本作は、完成された王道続編というより、シリーズの可能性を広げるために大きく踏み出した実験的な一本だと言える。
近未来ロンドンという舞台が作品全体の魅力を支えている
本作の舞台である近未来のロンドンは、単なる背景ではなく、ゲームの主役に近い存在である。ビッグベンやテムズ川、ピカデリーサーカスのような観光都市としての顔を残しながら、街の上空には監視ドローンが飛び、道路には自動運転車が走り、いたるところにカメラとセンサーが張り巡らされている。明るい看板や歴史ある建築物の裏側で、市民は民間軍事会社アルビオンに監視され、犯罪組織クラン・ケリーに搾取され、巨大な情報システムに生活を管理されている。この二面性が、本作の世界観に深みを与えている。美しい都市でありながら息苦しく、先進的でありながら不自由で、便利でありながら危険な社会。その矛盾がロンドンの街並みに染み込んでおり、プレイヤーは移動しているだけでも「この街を取り戻す」という目的を自然に意識する。オープンワールドゲームでは、マップが広いだけではすぐに飽きられてしまうが、本作のロンドンは、地区ごとに表情が異なり、市民の生活や敵対勢力の支配が感じられるため、探索する意味がある。ハッキングでカメラを覗き、ドローンを乗っ取り、建物の屋上や裏路地から侵入するたびに、都市そのものが巨大なパズルのように感じられる点は、シリーズらしい大きな魅力である。
誰でも仲間にできる仕組みは、長所であり同時に弱点でもある
『ウォッチドッグス レギオン』を語るうえで避けられないのが、「誰でも仲間にして操作できる」というシステムである。この仕組みは非常に魅力的で、街を歩く市民がただの背景ではなく、すべて自分のチームに加わる可能性を持っているという感覚は新鮮である。建設作業員を仲間にすれば貨物ドローンで高所へ移動でき、アルビオン関係者を仲間にすれば敵地への潜入が楽になる。医師や弁護士は仲間の負傷や逮捕に対する保険になり、スパイや殺し屋は危険な任務で頼れる戦力になる。市民一人ひとりの能力や職業が攻略に影響するため、仲間探しは単なる寄り道ではなく、戦略の一部として機能している。一方で、この仕組みはキャラクターの深い物語性を犠牲にしている面もある。すべての市民を主人公にできる代わりに、一人ひとりに長い専用ドラマを用意することは難しく、固定主人公のような濃密な成長や人間関係は薄くなりやすい。結果として、遊びの自由度は高いが、物語の感情的な軸はやや弱く感じられることがある。つまり本作の最大の売りは、そのまま最大の賛否ポイントでもある。
攻略の面白さは「強さ」よりも「使い分け」にある
本作の攻略は、単に強いキャラクターを手に入れれば終わりというものではない。もちろん、戦闘能力の高い人物や便利なガジェットを持つ人物は役に立つが、本当に重要なのは、任務の内容に合わせて誰を使うかを考えることである。警備が厳しい施設へ潜入するなら、制服を持つ関係者が向いている。屋上に目的地があるなら、貨物ドローンを呼べる建設作業員が便利である。端末操作や偵察が中心なら、ハッキングに強い人物やスパイダーボットを活用できるキャラクターが合っている。敵との交戦が避けられないなら、銃器や格闘に強い人物を送り込むのが安全である。このように、キャラクターの能力を任務に合わせて使い分けることで、同じミッションでも攻略の印象が大きく変わる。力押しで突破することもできるが、カメラを使って内部を調べ、ドローンで巡回を確認し、敵に見つからずに目的を達成する方が、本作らしい面白さを味わいやすい。『ウォッチドッグス レギオン』は、敵を倒すことだけが目的のゲームではなく、都市の仕組みを利用して、いかにスマートに目的へたどり着くかを楽しむ作品である。
パーマデスの緊張感がレジスタンス運営に重みを与える
本作をより深く楽しみたい場合、パーマデスの存在は重要な要素になる。パーマデスを有効にすると、操作キャラクターが死亡した場合、その人物は二度と使えなくなる。これは単なる難易度上昇ではなく、仲間一人ひとりへの見方を変える仕組みである。苦労して勧誘したスパイ、見た目が気に入って使い続けていた市民、探索で何度も活躍した建設作業員を失うと、単なるゲーム内の駒を失った以上の喪失感がある。だからこそ、危険な任務に誰を向かわせるのか、無理に戦うべきか、撤退すべきか、事前にどれだけ偵察するかという判断に重みが出る。パーマデスなしで遊べば気軽に試行錯誤でき、パーマデスありで遊べばレジスタンス活動に緊張感が生まれる。どちらの遊び方にも良さがあるが、本作の「市民を仲間にする」というシステムをより強く感じたいなら、パーマデスありの方が印象に残りやすい。大切な仲間を失わないように慎重に任務を進める感覚は、固定主人公のゲームでは味わいにくい、本作ならではの重みである。
物語面では、世界観の魅力と主人公不在の弱さが同居している
ストーリー全体を見ると、『ウォッチドッグス レギオン』は魅力的な題材を多く持っている。監視社会、民間軍事企業、犯罪組織、AI、個人情報、巨大企業、テロの濡れ衣、レジスタンス運動といった要素は、現代社会の延長線上にある不安を反映しており、近未来SFとして非常に相性がよい。アルビオンによる強権的な支配、クラン・ケリーの非道な犯罪、ゼロデイの謎は、プレイヤーに戦う理由を与えている。ただし、物語の見せ方には好みが分かれる。固定主人公がいないため、誰か一人の感情や過去を深く追いかける構成ではなく、操作キャラクターが変わってもストーリーが進むように作られている。そのため、会話や演出がどうしても汎用的に感じられる場面があり、強いドラマ性を求める人には薄く映ることがある。一方で、これは「特別な英雄ではなく、普通の市民たちが集まって社会に立ち向かう物語」と見れば、本作のテーマに合った構造でもある。物語の主役は一人の人物ではなく、ロンドンの市民全体であり、デッドセックという運動そのものなのだと考えると、本作の狙いが見えやすくなる。
PS5版は、初期世代のオープンワールド体験として意味があった
プレイステーション5版の『ウォッチドッグス レギオン』は、PS5初期に登場した大型オープンワールド作品の一つとしても意味がある。PS5専用に一から作られた作品ではないものの、次世代機の性能によって、ロンドンの街並み、ロードの快適さ、光の表現、街の密度をより楽しみやすくなっている。PS5本体の発売直後は、プレイヤーが新しいハードでどのような体験ができるのかを求めていた時期であり、本作のように広い都市を自由に歩き、車で移動し、ドローンを飛ばし、建物に侵入できる作品は、新ハードの遊び応えを感じやすいタイトルだった。特に近未来ロンドンの夜景や雨の表現、ネオンの反射、監視ドローンが飛び交う空は、作品の雰囲気を強く印象づける。次世代機らしい驚きだけで評価するならさらに上を求める声もあるが、PS5の初期ラインナップの中で、まとまったボリュームのあるオープンワールドを楽しめる一本としては十分な存在感を持っていた。現在では中古価格も落ち着き、PS5で遊ぶオープンワールド作品として手に取りやすくなっている点も魅力である。
評価が分かれた理由は、完成度不足だけではなく期待の方向性の違い
本作の評価が分かれた理由は、単純に出来が悪いからではない。むしろ、目指した方向がかなり特殊だったため、プレイヤーが何を期待していたかによって印象が大きく変わったと考えた方がよい。過去作のように、強い個性を持つ主人公と仲間たちの物語を楽しみたい人にとっては、キャラクター面で物足りなさが残る。反対に、オープンワールド内の市民を自分で選び、チームを作り、自由に任務を攻略したい人にとっては、非常に魅力的な仕組みを持った作品になる。また、ストーリーを重視する人は主人公不在を弱点と感じやすく、システム重視の人は市民リクルートと潜入攻略を高く評価しやすい。つまり『ウォッチドッグス レギオン』は、万人に同じ形で面白さを届ける作品ではなく、プレイヤーの遊び方によって評価が変化するタイプのゲームである。これは欠点でもあるが、同時に個性でもある。無難にまとまった続編ではなく、大胆な仕組みに挑戦したからこそ、賛否が生まれたのである。
遊ぶ前に理解しておきたいポイント
これから本作を遊ぶ人は、「濃い主人公の物語を追うゲーム」ではなく、「自分で主人公たちを選ぶゲーム」と考えておくと楽しみやすい。最初から一人のキャラクターに深く感情移入するのではなく、街で出会った市民を観察し、気に入った人物を仲間にし、その人物の能力を活かして任務へ向かわせる。この流れを楽しめるかどうかが、本作の印象を大きく左右する。また、戦闘だけで押し切るより、ハッキングやドローン、カメラ、変装、スパイダーボットを使った潜入を意識した方が、本作の魅力は引き出しやすい。強いキャラクターを集めることも大事だが、それ以上に、任務に合った人材を使うことが重要である。寄り道が好きな人は、地区解放や仲間集めを進めることで、メインストーリー以上に自分だけの思い出を作れる。逆に、メインだけを急いで進めると、システムの面白さを十分に味わえない可能性がある。本作は、効率よくクリアするよりも、街を歩き、人物を探し、任務の攻略ルートを考える時間に価値があるゲームである。
中古で手に取りやすくなった今の評価
発売当時の『ウォッチドッグス レギオン』は、次世代機対応の大作として期待され、その期待の大きさゆえに厳しい評価も受けた。しかし現在の視点で見ると、中古価格やセール価格が落ち着いたことで、当時よりも気軽に試しやすい作品になっている。定価で購入して完璧な大作を期待すると、主人公不在やミッションの繰り返し感が気になりやすいかもしれない。しかし、手頃な価格で近未来ロンドンを探索し、独自のチーム編成システムを楽しむ作品として見るなら、十分に価値がある。特に、オープンワールド、ハッキング、潜入、ドローン操作、SF的な都市表現が好きな人にとっては、今からでも遊ぶ意味のあるタイトルである。過去作と比較して合う・合わないはあるが、他のゲームではあまり見られない「市民全員が主人公候補」という発想は、体験してみる価値がある。現在の市場では通常版を比較的安く入手しやすいため、発売当時に見送った人が改めて触れるにも向いている。
総合評価としては、粗さを含めて記憶に残る一本
『ウォッチドッグス レギオン』を総合的に評価すると、完成度のすべてが完璧な作品というより、強烈なアイデアと独自の遊びを持った、記憶に残りやすい一本である。近未来ロンドンの雰囲気、ハッキングを使った自由な潜入、市民を仲間にしてチームを作る仕組みは、本作ならではの魅力として高く評価できる。一方で、固定主人公がいないことで物語の熱量が分散し、キャラクターの深掘りやドラマ性が弱く感じられる場面もある。ミッションの構造にも繰り返し感があり、すべてのプレイヤーに最後まで新鮮さを保てるわけではない。それでも、本作が目指した「誰もが主人公になれるオープンワールド」という方向性は非常に意欲的であり、シリーズの中でもはっきりと個性を持っている。無難な続編ではなく、挑戦したからこその長所と短所がある。欠点を理解したうえで遊べば、ロンドンの街を自分だけのレジスタンスで取り戻す体験は十分に楽しい。『ウォッチドッグス レギオン』は、きれいにまとまった優等生ではなく、荒削りながらも独自の思想を持つ作品であり、オープンワールドゲームの可能性を広げようとした一本として評価できる。
最後に、このゲームの一番の価値
このゲームの一番の価値は、プレイヤーに「この街の誰を信じるか」を選ばせる点にある。強いヒーローが一人で世界を救うのではなく、普通の市民、変わった経歴を持つ人、偶然出会った人物、敵側にいた人間までもが、ロンドンを取り戻すための仲間になる。これは単なるキャラクター選択ではなく、街そのものをレジスタンスへ変えていく感覚である。監視され、管理され、力を奪われた市民たちが、それぞれの技能を持ち寄って支配に抵抗する。その構図は、本作のシステムとテーマをよく結びつけている。もちろん、すべての市民に深い物語があるわけではなく、遊んでいるうちに仕組みの限界を感じることもある。しかし、それでも街ですれ違った誰かを仲間にし、その人物で任務を成功させた時の独特の達成感は、本作でしか味わいにくい。『ウォッチドッグス レギオン』は、最高傑作と断言するよりも、挑戦作として語りたくなるゲームである。近未来ロンドンを舞台に、自分だけのデッドセックを作り、自由な方法で街を取り戻す。その体験に魅力を感じるなら、今から遊んでも十分に楽しめる作品である。
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