
【中古】 いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス/NintendoSwitch
【発売】:任天堂
【開発】:任天堂
【発売日】:2017年3月3日
【ジャンル】:アクションパズルゲーム
■ 概要
新ハードの門出を飾ったタイトルとして
2017年3月3日、任天堂は新世代の家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」を世界同時発売しました。その発売日ラインアップのひとつとして登場したのが、アクションパズルゲーム『いっしょにチョキッと スニッパーズ』です。Switch本体と同時に配信開始されたダウンロード専用ソフトであり、価格も抑えられていたことから「まず最初に手軽に遊んでみよう」と選ぶユーザーも多く、ローンチ時の盛り上がりに大きく貢献しました。家庭用ゲームの歴史の節目に登場したタイトルとして、記憶に残る作品となっています。
このゲームは、見た目はシンプルながら、Switchが掲げる「どこでも・誰とでも・気軽に」というコンセプトを体現していました。特にJoy-Conを一本ずつ分け合って遊べる仕組みは、ゲームに不慣れな人でもすぐに参加できる大きな強みであり、発売当時から「新ハードにぴったりの体験」として注目されました。
ユニークなキャラクターデザイン
プレイヤーが操作するのは「スニップ(赤)」と「クリップ(黄)」という、紙のような質感を持つ不思議なキャラクターです。二人は体の形が半円と四角形を組み合わせたようなフォルムをしており、互いに重なった部分を“チョキッ”と切り抜くことができます。こうして生まれた新しい形が、ステージ攻略のカギとなるのです。
キャラクターは表情が豊かで、切られたときにびっくりした顔をしたり、笑顔を浮かべたりするなど、見ているだけで楽しくなる仕草を見せます。パズルを解く過程で形がどんどん変わっていくため、奇妙なシルエットになってもどこか愛嬌があり、プレイヤー同士の笑いを誘います。この「キャラクターの魅力」と「形を変えて解法を探る仕掛け」が、本作の個性を際立たせています。
操作方法のシンプルさと直感性
操作はとても簡単です。Joy-Conを使い、キャラクターを左右に動かし、ジャンプや回転を加えるだけ。そしてもう一つの大きな特徴が「カット」アクション。二人のキャラクターが重なった部分を切り取れる仕組みは、誰でも直感的に理解できるもので、チュートリアルを見なくてもすぐに遊び始められます。
このシンプルさが、子どもから大人まで幅広い層に受け入れられた理由のひとつです。従来の複雑な操作を必要とするゲームとは異なり、“試して失敗して笑う”という体験がゲームの中心に据えられているため、普段ゲームをしない人でも気軽に楽しめました。
ゲームモードとプレイスタイル
本作には「WORLD」「PARTY」「BATTLE」という3種類のモードが用意されています。
WORLDモード
1人または2人で遊ぶパズルメインのモードです。1人で遊ぶ場合は、ボタンでスニップとクリップを切り替えながらステージを攻略していきます。全体は複数のワールドで構成され、1ワールドにつき15ステージが存在。最初に表示される9つのステージのうち、特定の条件を満たすと“星マーク”の特別ステージが解禁され、さらにクリア数を重ねることで残りのステージが出現します。最終的に10面をクリアすると次のワールドへ進むことができ、徐々に仕掛けの難易度や種類が増していく仕組みです。
PARTYモード
こちらは2〜4人で挑戦できる協力パズル。赤と黄に加えて紫や青の色違いキャラクターが登場し、複数人で息を合わせる必要があります。ステージ数はWORLDより多彩で、WORLDをクリア後には追加の課題が出現。大人数で遊べるため、家族や友人と盛り上がる場として高く評価されました。
BATTLEモード(BLITZ)
ここではパズル要素から一歩離れ、“切る”という動作を競技的に楽しめます。相手を切って場外に追い込む「チョキッとドージョー」、ボールをゴールに入れる「チョキッとバスケ」、ボタンをパックに見立てた「チョキッとホッケー」など、シンプルで直感的な対戦ゲームが用意されています。制限時間が短いため、手軽に熱い勝負を繰り広げられる点が魅力でした。
ステージごとのテーマ性
各ワールドは異なるテーマでデザインされており、ビジュアルと仕掛けの両面からプレイヤーを刺激します。
はちゃめちゃデスク:鉛筆や定規、消しゴムなど文房具をモチーフにした世界。ボールを運んだり、紙飛行機を飛ばしたりする課題が中心。
レトロピクセル:昔の2Dゲームを思わせるドット調の演出が施され、画面全体がブラウン管テレビ風に。歯車やスイッチを駆使して進むステージが多い。
わくわくサイエンス:試験管やDNA二重らせんなど科学的なモチーフが並び、液体の物理表現を使った仕掛けが特徴的。
このように、それぞれのワールドはただの背景ではなく、解法のヒントとして機能するデザインになっており、プレイヤーは自然に「この世界ならこういうことを試せばいいのか」と気づけるように導かれます。
開発の経緯
本作は、イギリスのインディーゲームスタジオ「SFB Games」が原型を作り上げたアイデアから生まれました。創設者のアダム・ヴィアンが「2人のキャラクターが互いを切って形を変える」という着想を得て、兄のトム・ヴィアンと共に試作品『FriendShapes』を制作。その後、ドイツのゲームイベント「GDC Europe 2015」で映像を公開したことをきっかけに、任天堂の目に留まります。
任天堂とSFB Gamesは2016年から共同開発をスタート。当初は対応ハードが明かされていませんでしたが、後にまだ公表されていなかったSwitch向けのローンチタイトルに決定。Joy-Conを分け合う協力プレイがハードの特徴に合致することから、両社はこの組み合わせを理想的と考え、完成に至りました。任天堂は効果音やレベルデザイン面でサポートを行い、インディー的な発想と大手メーカーのノウハウが融合した作品が出来上がったのです。
後発展と「プラス」版
2017年11月には、追加ステージや新たな仕掛けを盛り込んだ『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』が発売されました。こちらはパッケージ版も展開され、より幅広いプレイヤー層へとアプローチするきっかけになりました。オリジナル版で好評だった遊びやすさはそのままに、内容の充実とボリュームアップを果たし、シリーズとしての存在感を確立していきます。
■■■■ ゲームの魅力とは?
協力すること自体が“遊び”になる設計
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』最大の魅力は、単にパズルを解くことではなく、「誰かと一緒に考え、実際に声をかけ合って進める」こと自体が遊びになっている点にあります。一般的なパズルゲームは一人で頭をひねって答えを導くのが基本ですが、この作品は“二人のキャラクターが互いに切り合う”というユニークな仕組みによって、自然に協力を前提としたプレイが生まれます。
例えば、ボールをゴールに運ぶステージでは、「君はコップみたいな形になって」「じゃあ僕は坂道を作るから」といった会話が欠かせません。お互いのイメージを言葉で伝え、実際に切ってみて失敗することも多いですが、その失敗自体が笑いに変わり、場を和ませてくれます。成功した時の達成感はもちろんですが、試行錯誤を共有できることが、このゲームならではの体験です。
多様な解法を許容する自由度
もう一つの大きな魅力は、解答が一つに限定されていない点です。ステージごとに「こうすれば解ける」というヒントは暗示されていますが、実際には何通りものアプローチが可能です。水を容器に移す課題であれば、片方が器の形になって受け止めるのが王道ですが、他のプレイヤーは「L字型に切って二人でバケツのように運ぶ」方法を思いつくかもしれません。
この自由度は、プレイヤーの発想力を刺激するだけでなく、他人のアイデアに驚いたり感心したりする楽しみを生みます。特に複数人プレイでは「そんなやり方があったのか!」と盛り上がる瞬間が多く、パズルゲームにありがちな“解いてしまったら終わり”という短命さを超えて、何度も遊びたくなる動機になります。
Switchの“おすそわけプレイ”と完璧な相性
Switchには最初から左右一対のJoy-Conが付属しており、これを一人一本ずつ持って遊べるのが大きな特徴です。本作はまさにこの仕様を活かすために設計されたゲームといえます。
「ゲーム機を買ったばかりでまだソフトが少ないけれど、友達や家族に遊ばせたい」という状況で、追加コントローラを購入せずにすぐ二人でプレイできるのは大きな利点でした。操作自体もボタンは数個しか使わず、キャラクターを回す・切るといった動作が直感的に理解できるので、普段ゲームに慣れていない人でも気軽に参加できました。Switchが掲げる“シンプルに楽しいマルチプレイ”を実現するうえで、このゲームほどふさわしいものはなかったと言っても過言ではありません。
カジュアルとコアをつなぐ存在
『スニッパーズ』は一見すると子ども向けのかわいらしい作品に見えますが、実際に遊んでみると頭脳戦の要素や精密な操作を要求される局面もあり、大人でも十分に歯ごたえを感じられます。家族で遊ぶときは笑いながら気軽に解けるステージ、友人同士で遊ぶときはあえて難しい解法に挑戦して盛り上がる、といったように、シチュエーションや参加メンバーによって遊び方が変わるのです。
この柔軟性は、単純なパーティゲームやシングルプレイ専用のパズルにはない大きな強みであり、“カジュアル層とコア層をつなぐ架け橋”として評価されました。特にSwitchの普及期には「ゲームに詳しくない人を巻き込みやすい」として重宝され、ハードの魅力を周囲に伝える役割も果たしました。
表情豊かなキャラクター演出
スニップとクリップは、ただの図形ではなく“生きているキャラクター”として描かれています。切られると痛がったり、うまくハマったときに喜んだりと、豊かなリアクションがプレイヤーの心を和ませます。プレイ中に思わず笑い声があがるのは、この表情アニメーションの効果が大きいでしょう。
また、キャラクターの色違いが追加される「PARTY」モードでは、4人が一斉に動くことでカラフルな画面がさらに賑やかになり、見ているだけでも楽しい雰囲気を醸し出します。ビジュアル的な愛らしさと、プレイの中で生まれる偶然の形が、パーティの盛り上がりを後押しするのです。
ビジュアルと音楽の調和
本作のグラフィックは全体的にポップでカラフル。ステージごとに異なるテーマがあり、文房具や科学実験、レトロゲームといったモチーフが見ているだけで楽しい気分にさせてくれます。特に「レトロピクセル」ワールドでは、懐かしいブラウン管テレビ風の演出が施されており、世代を超えて楽しめる工夫が見られます。
音楽もゲームの雰囲気を大切にしており、笛や口笛の軽やかなメロディが中心です。長時間プレイしていても耳に残りすぎず、むしろプレイヤー同士の会話を邪魔しないように配慮されています。つまりBGMは“主役”ではなく“舞台背景”として機能し、心地よいリズムでプレイヤーを包み込む役割を果たしています。
シンプルだからこそ広がる想像力
ゲーム内ではクリアのための具体的な指示が表示されません。代わりに背景やオブジェクトの配置からプレイヤーが目的を推測する仕組みです。これにより「ここにボールを入れるのかな?」「この歯車を回すにはどうしたらいい?」といった自然な会話が生まれ、想像力を使った試行錯誤が促されます。
また、ステージクリアを急がずに、自由にキャラクターを切り抜いて好きな形を作って遊ぶことも可能です。例えば、星やハート、動物のような形を作り出して楽しむプレイヤーも多く、パズルゲームの枠を超えて“創造遊び”としての価値を持っています。
価格と手軽さによるハードルの低さ
本作はダウンロード専売という形態で販売され、価格も2000円以下というお手頃さでした。新ハード購入直後はソフトを複数そろえるのに費用がかさみがちですが、こうした価格設定は「まずは気軽に試してみよう」と思わせる大きな要因になりました。実際、多くのユーザーが「Switchを買った記念にとりあえずダウンロードした」「短時間で遊べてこの値段なら十分に満足」といった感想を寄せています。
この“安価で気軽に手に入る”という特徴は、インディーズ出身のゲームらしいアプローチでありながら、任天堂のブランド力が後押しすることで、幅広いプレイヤーにリーチしました。
学びと遊びの融合
パズルを解く過程で自然と論理的思考や空間把握力が養われるのも見逃せないポイントです。形を切る角度や大きさを考えることは、図形の性質を学ぶ感覚に近く、特に子どもにとっては“遊んでいたら算数的な力がついていた”という教育的な側面もあります。親子で一緒に遊ぶと、学びと楽しみが重なる体験になり、家庭学習の延長としても活用できるのです。
ローンチタイトルならではの特別感
ゲームの出来だけでなく、「Switchと同時に遊べる新作」という特別な立ち位置も、当時のユーザーにとって大きな魅力でした。ローンチ初日に本体と一緒に購入し、友人や家族とすぐに盛り上がれる体験は、ゲーム機の“新しい生活スタイル”を象徴するものでした。スニッパーズはその思い出と結びついているため、今も多くの人にとって印象深い作品となっています。
思わず笑いが生まれる“偶然性”の楽しさ
本作を遊んだプレイヤーの多くが語るのは、「予定外の出来事が笑いにつながる」という体験です。例えば、相方をうまくカットしようとしたのに誤ってバランスを崩させてしまい、持っていたボールが転がり落ちる。あるいは、器用に作った形がちょっとした角度のズレで役立たずになる。こうした「想定外の失敗」がペナルティではなくユーモラスに演出されるため、緊張感よりも一体感が強調されます。
特に家族や友人同士で遊ぶと、普段は真面目な人が「ごめん、切りすぎた!」と笑いながら叫ぶ場面が生まれ、それがまたゲーム体験を特別なものにしてくれます。単なるパズル解法以上に、“人との関わりそのもの”が魅力として成立しているのです。
子どもから大人まで楽しめるデザイン
『スニッパーズ』は、対象年齢を限定していないことも特徴です。低年齢の子どもでも直感的に操作でき、色や形の変化から課題の方向性をつかめます。一方で大人にとっても、物理演算の不確定性や多様な解法の存在が頭を悩ませるポイントとなり、真剣に取り組むほど面白さが増します。
この“二重構造”があるため、家族全員で遊んでも誰も置いてけぼりになりません。おじいちゃんと孫が一緒に楽しんだり、普段ゲームをしない友達が初めて参加したりと、幅広いシーンで活躍できるゲームとして支持されました。
教育・知育ゲームとしての側面
教育的観点から見ても、『スニッパーズ』は大きな価値を持っています。ステージクリアのためには、空間的なイメージを頭の中で組み立て、それを相手に伝え、実際に形を切り出す必要があります。これは算数や図形の学習、さらにはコミュニケーション能力の育成にもつながる活動です。
また、問題が提示するのは「結果」だけで、そのための手順はプレイヤー自身が見つけなければなりません。これは「答えが一つではない」探究型学習の姿勢に近く、子どもにとっては発想力を鍛えるトレーニングになります。実際に教育現場で教材的に利用した事例もあり、「遊びながら学べる」点は親世代にとって大きな魅力です。
世界中で評価された“協力の面白さ”
『スニッパーズ』は日本国内だけでなく、海外でも高く評価されました。特に欧米では、家族やフレンドと気軽に楽しめる点が好意的に受け止められ、レビューでも「シンプルなのに奥深い」「家庭用ゲーム機の新しい遊び方を示した」といったコメントが多く見られます。
また、もともとイギリスのインディー開発者が原案を作ったこともあり、海外ユーザーにとっては「自国から生まれたアイデアが任天堂と組んで世界デビューを果たした」という誇りの対象にもなりました。Switchがグローバルに成功する過程で、本作は“国境を越えて共有できる遊び”の象徴の一つになったのです。
動画配信や実況との相性
本作は実況動画や配信文化との親和性が極めて高いタイトルでした。理由は、解法の自由度と笑いの瞬間が多いため、見ているだけでも楽しめるからです。プレイヤー同士が口論したり、突拍子もない方法を試して成功したりする様子は、視聴者にとっても娯楽性が高く、配信プラットフォームでの人気を後押ししました。
さらに、実況を見た視聴者が「自分もやってみたい」と思い、購入に至るケースも多く、結果として口コミや動画拡散が本作の売上増につながったといわれています。今振り返ると、『スニッパーズ』はSwitchだけでなく、ゲーム配信文化にもうまく乗った先駆的な作品でした。
リビングを舞台にした新しい体験
家庭のリビングや友人同士の集まりで、ちょっとした時間に「やってみよう」と言える手軽さも大きな魅力でした。1ステージは短時間でクリアできるため、食事の前の待ち時間や休憩中など、日常のスキマに差し込んで遊ぶことができます。これまで家庭用ゲームは“プレイする人が主役”で“周りは見るだけ”という構図が多かったのに対し、本作は周囲も一緒に答えを考えたりアドバイスしたりできるので、場全体が盛り上がります。
「みんなで遊ぶ」ことを前提にデザインされたゲームは多くありますが、『スニッパーズ』は特に“巻き込み力”が強いのです。ゲームをやらない人まで自然と参加者に変える力は、この作品が持つ最大の武器といえるでしょう。
記憶に残るローンチ体験
発売当初、Switchを購入したユーザーの多くは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を目当てにしていました。しかし、ゼルダの壮大さとは対照的に、『スニッパーズ』は軽快で短時間に楽しめるタイトルとして“もう一本”に選ばれることが多かったのです。結果的に、多くの家庭やイベントで「ゼルダでじっくり冒険、スニッパーズでワイワイ協力」という組み合わせが定番となり、Switchのスタートを華やかに彩りました。
このように、ソフト単体の面白さに加え「ハードの魅力を体感させる役割」や「生活の中で遊ばれる環境との相性」など、複数の側面から評価される点が本作の魅力といえるでしょう。
■■■■ ゲームの攻略など
攻略の基本的な心構え
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』を遊ぶ際、まず理解しておきたいのは「正解は一つではない」という点です。多くのパズルゲームでは決められた手順をなぞることがクリアへの道ですが、この作品ではむしろ“どう工夫するか”が問われます。例えば、目の前にあるボールをゴールへ運ぶステージでは、単純にカップ状に切って運ぶのが正攻法に見えますが、実際には坂道を作って転がす、相手を押し出す、複数の形を組み合わせて即席の仕掛けを作るなど、方法は無数に存在します。
したがって、攻略において重要なのは「柔軟に発想を変えること」と「仲間との意思疎通」です。初めての試行で成功することはまれで、何度も失敗しながら“笑い合い、調整し合い、試す”というサイクルを繰り返すことが、結局一番の近道になります。
一人プレイと二人プレイの違い
このゲームの大きな特徴は、1人でも2人でも遊べるという柔軟性です。 – 1人プレイの場合 プレイヤーが赤と黄色の2体を切り替えながら操作します。片方を道具の形に整えて待機させ、もう片方でアクションを行うのが基本的な戦略です。操作する手間は増えますが、全体を自分一人でコントロールできるため、計画を立てやすいという利点もあります。
2人プレイの場合
ここで本作の本領が発揮されます。役割分担とコミュニケーションが不可欠で、「私が切るから、あなたはそこに立ってね」と指示し合うことが重要です。パズルを解くスピードは一人よりも速くなることが多い一方で、思い通りに相手が動かないことで予期せぬトラブルも発生します。こうしたドタバタが攻略の難しさであり、同時に最大の楽しさでもあります。
基本テクニック集
攻略を進めるうえで、押さえておきたい基本のテクニックがあります。ここでは代表的なものを紹介します。
カップ型カット
相手をコップのような形に切り抜くと、ボールや液体を受け止める容器として活用できます。ステージ序盤からよく使う基本技。
尖りカット
小さな突起を作り、スイッチを押すための「指」として使います。押しボタンやレバー系のギミックで大活躍。
L字カット
相手の体をL字に切り、段差や足場を作る方法です。高い場所に物を運ぶ時に役立ちます。
ギザギザカット
歯車に噛ませるためのギザギザを作成するテクニック。形を合わせる精度が攻略成功のカギになります。
細身カット
細長く切り、細い隙間に入り込むための形を作るやり方。ボールを小さな通路に押し込む際に必要です。
これらの基本技を状況に応じて組み合わせることで、ほとんどの課題に対応できます。プレイを重ねるほどに“形の語彙”が増えていき、発想の幅が広がるのも醍醐味です。
ギミックごとの攻略のコツ
ステージには多彩なギミックが登場します。代表的なものと対処法を見ていきましょう。
ボール運び:最も基本的な課題。ボールの大きさに合わせた容器を作ることがコツですが、勢いをつけて転がす方法もあります。
液体運搬:水やスライムのような液体を指定の場所に移すステージでは、器を作るだけでなく“流れる道”を意識すると成功率が上がります。坂道を作る、壁を補強するなど工夫が必要です。
歯車回し:歯車の歯にぴったりはまる形を切り出す必要があります。細かい調整が必要なため、仲間と声をかけ合いながら少しずつ形を整えましょう。
スイッチ押し:物理的に重さをかけるタイプ、特定の形でしか押せないタイプがあります。前者は上から押さえる役、後者は形を整える役と分担すると効率的です。
バランス系仕掛け:シーソーや天秤のような仕掛けは、体重のバランスを取る必要があります。相手を切って小さくしたり、逆に大きくして重りにしたりする工夫が求められます。
こうした多様な課題は、ただ「正しい答えを出す」ことだけでなく、“相手とどう協力するか”を試す仕組みとしても機能しています。
裏技的な遊び方
公式には用意されていないものの、プレイヤー間で共有されている小技も存在します。 – 無駄切りで道具作成:クリアに関係ない形をあえて作り、遊び道具として楽しむ。 – カットでお絵かき:ハートや星型に切り抜き、アート作品を作って遊ぶ。 – 妨害プレイ:協力を無視して相手をひたすら切り続ける、いわば“乱闘モード”として楽しむ人もいます。
このように、公式のルールに縛られず自由に遊べる余白があることが、ゲーム寿命を延ばす要因にもなっています。
リプレイ性とやり込み要素
本作は全体のステージ数が多いわけではありませんが、リプレイ性が高いことが特徴です。一度クリアしたステージでも「もっと効率的な解法を探してみよう」「よりユニークな方法で挑戦してみよう」といった動機が生まれやすいのです。
また、タイムを縮めることや、最小のカット回数でクリアすることを自分たちで目標に掲げるプレイヤーもおり、シンプルなルールの中に奥深いやり込み要素が隠されています。
攻略を盛り上げるコミュニケーション術
攻略をスムーズに進めるには、単に操作するだけでなく、仲間との会話の質も大切です。プレイ中に「ここをちょっと削って」「もう少し回って」などの指示を具体的に伝えることで、ミスが減りクリアが早まります。逆に指示が曖昧だと、予期せぬ方向に切られたり動かれたりして混乱が生じます。
この“伝える・受け取る”プロセスが、ゲームの攻略をコミュニケーション練習にしているのです。友達や家族の間で「言葉の選び方一つで結果が変わる」という経験は、遊びを超えた学びにつながると言えるでしょう。
■■■■ 感想や評判
発売当初のユーザー反応
2017年3月3日のSwitch本体と同時発売というタイミングで登場したこともあり、本作は発売初日からSNSやゲームコミュニティで大きな話題となりました。「ゼルダは一人でじっくり、スニッパーズはみんなでワイワイ」という住み分けが自然に形成され、購入者が体験を共有する声が多く見られました。 特にTwitterやYouTubeでは「友達とやったら大笑いした」「家族で大盛り上がり」といった短い感想が次々と投稿され、口コミ的に広がっていきました。このライトな拡散力が、ローンチ期のSwitchを盛り上げる一因になったといえるでしょう。
ゲームメディアでのレビュー
国内外のゲームメディアからのレビューは概ね好意的で、「小規模ながらSwitchの特徴を最大限に生かしたソフト」と高く評価されました。特に以下の点が評価ポイントとして繰り返し挙げられています。
直感的でわかりやすい操作性
協力プレイの楽しさが前面に出ていること
短時間で遊べるステージ構成
低価格ながら満足度の高い内容
一方で、「ステージ数がやや少なく、やり込み要素が薄い」といった指摘も見られました。これはパズルゲームとしての構造上仕方のない部分ですが、拡張版『スニッパーズ プラス』の発売によって一定の改善が図られています。
ポジティブなプレイヤーの声
一般プレイヤーから寄せられた好意的な感想には、以下のようなものがあります。
家族で楽しめる:「小学生の子どもと一緒にやったら、大人より子どもの発想が役立った」
笑いが絶えない:「真剣に考えているのに失敗して笑えるのがいい」
人を巻き込める:「ゲームを普段やらない人でも参加できて盛り上がれる」
Switchらしい:「おすそわけプレイの魅力を一番体感できた」
このように、ゲームスキルや年齢に関わらず楽しめるという点が、多くのプレイヤーにとって最大の魅力と映ったようです。
ネガティブな指摘
もちろん、すべてが称賛というわけではありません。ネガティブな意見としてよく挙げられたのは以下の点です。
ボリューム不足:「数日で全部解けてしまう」「もう少しステージが欲しい」
リプレイ性の限界:「一度解き方を知ると同じステージは物足りない」
協力前提の難しさ:「一人でやると切り替えが面倒」「二人で意思疎通できないとストレス」
ただし、多くのプレイヤーが「価格を考えれば妥当」「笑える時間を買ったと思えば安い」とフォローしており、致命的な欠点とは見られていませんでした。
世代や立場による受け止め方の違い
– 子ども世代:ゲームを知らなくてもすぐ理解できるため、教育的にも良いとの声。 – 親世代:家族のコミュニケーションツールとして役立ったという評価。 – コアゲーマー:短期間で遊び尽くせる点に物足りなさを感じつつも、「Switchのポテンシャルを示した良作」と肯定的に受け止めるケースが多い。 – 教育関係者:空間認識力や論理的思考を鍛える教材として注目する声も。
海外での評判
欧米のプレイヤーからは「パーティゲームの伝統を受け継ぎつつ、全く新しい発想を加えた」との評価が目立ちました。任天堂が持つ“ローカルマルチの強み”を再確認する作品として紹介されることも多く、IGNやGameSpotなどのレビューでは「Switchに欠かせない小粒な宝石」と評されています。
また、任天堂が欧米市場で強調した「家族で遊ぶSwitch」というイメージ戦略にも合致し、海外の広告展開でも本作は頻繁に取り上げられました。
動画配信を通じた二次的評価
実況配信やYouTube動画でも本作は人気が高く、プレイヤー同士が大笑いする様子や意外な攻略法が「見ているだけでも楽しい」と視聴者に受け止められました。視聴者が「自分もやってみたい」と感じ、購入につながる事例も少なくありませんでした。配信文化と相性が良かったことは、Switch黎明期における本作の存在感をさらに強めました。
総合的な評価
まとめると、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は「Switchらしさ」を体現した作品として非常にポジティブな評価を受けています。確かにステージ数やボリュームに対する不満はあるものの、協力の楽しさ、笑いの絶えないプレイ体験、そしてハードの特徴を最大限に活かした設計は、多くのユーザーにとって代えがたい魅力となりました。ローンチタイトルという特殊な立場も手伝って、今なおSwitch初期を語る際に欠かせない一本として名を残しています。
■■■■ 良かったところ
直感的で誰でもすぐ遊べる操作性
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』の一番の長所は、何と言ってもシンプルで分かりやすい操作方法です。Nintendo SwitchのJoy-Conを1人1本ずつ持てば、ボタンは最小限、必要な動作は「移動」「回転」「カット」程度。複雑なコマンド入力や長いチュートリアルを必要とせず、ゲームを普段あまり遊ばない人でも数分で感覚を掴み、一緒にステージ攻略へ挑めます。この“誰でもすぐに参加できる”という親しみやすさは、パーティゲームとして非常に大きな武器であり、初めてSwitchを触る子どもや年配の方にとっても安心して楽しめるポイントとなっています。
また、操作に不慣れな人が思わず相方を切りすぎてしまったり、うっかり変な形にしてしまったりしても、ワンタッチで復帰できるためストレスが少なく、むしろその“失敗”が盛り上がりのきっかけになるのです。結果として、「遊び方がわからなくても楽しめるゲーム」という印象が強く残ります。
協力とコミュニケーションが生み出す笑い
本作は単なるパズルの解答を探すゲームではなく、“二人で考えること自体が遊び”となるよう設計されています。プレイヤー同士が「もっと左!」「そこをちょっと切って!」と声を掛け合う過程で自然と会話が生まれ、息が合わずに失敗しては笑い、成功したときに一緒に喜ぶ…この繰り返しが非常に心地よいのです。
実際にプレイヤーの感想として「普段あまりゲームをしない妻と大笑いしながら遊べた」「友人と飲み会の後にやったら、夜中まで盛り上がった」というエピソードが多く寄せられています。ゲームそのものの“正解”よりも、プレイヤー同士がどう協力し合うか、どんなユーモラスなやり取りが生まれるかが面白さの中心になっている点が、多くのユーザーの記憶に残っているようです。
多様なステージ構成と創造性の刺激
『スニッパーズ』は、各ワールドにユニークなテーマを持たせることで、プレイヤーの創造力を最大限に引き出します。文房具の机の上でボールを運んだり、レトロ風のゲーム画面の中で歯車を回したり、化学実験をモチーフにした世界で液体を扱ったりと、そのバリエーションは豊富です。
一見単純に見える課題も、実際に取り組むと意外な難しさに直面します。水を移す際に、ただ容器を作るだけではこぼれてしまうため、二人で斜面を作ったり、切り口の形を工夫して液体をうまく誘導したりする必要があります。こうした「自分たちだけの解法」を発見したときの達成感が強く、同じステージでも遊ぶたびに新しい体験が得られるため、リプレイの価値を高めています。
キャラクターの愛らしさとユーモア
スニップとクリップの魅力的なビジュアルデザインも、プレイヤーを惹きつける要素です。シンプルな幾何学形状ながら、瞳や口の動きによって感情が豊かに表現され、子どもから大人まで「かわいい」「見ていて楽しい」と感じられます。
特に印象的なのは、切られたときに「痛っ」と言いたげな表情を見せたり、相手に助けられたときににっこり笑ったりする瞬間です。これらの反応は視覚的なギャグとして機能し、プレイヤーの行動を即座にフィードバックします。ゲームのシステムとキャラクター表現が一体化しており、ただの“パズル解決”が心温まるコミカルな劇に変わるのです。
短時間で満足感を得られる設計
1ステージごとのプレイ時間は数分程度で、隙間時間に気軽に取り組めるようになっています。通勤前の数分、友人を待っている間、家族の集まりのちょっとした空き時間などにすぐ起動して遊べるため、Switchの「いつでもどこでも」という設計思想に見事に合致しています。
また、短いステージでありながら内容はバラエティ豊かで、物を運ぶもの、ギアを回すもの、タイミングを合わせるものといった多種多様な挑戦が詰め込まれています。短い時間で「解けた!」という達成感を味わえるのは、忙しい大人や小さな子どもにとって大きなメリットです。
価格の手ごろさとコストパフォーマンス
本作は2,000円を切る価格で提供され、Nintendo Switchの中でも手に取りやすいタイトルのひとつでした。ローンチ時は本体と一緒にソフトをそろえるユーザーも多く、フルプライスの大作ソフトに比べて気軽に追加購入できる点が高く評価されました。
さらに、低価格でありながら協力プレイの楽しさが詰まっており、「この値段でここまで盛り上がれるのはお得だ」という声が多数寄せられました。特に、家族や友人と数時間盛り上がるだけでも元が取れると感じた人が多く、パーティー用ゲームとして重宝されたのです。
“遊び心”を受け止める自由な空気
『スニッパーズ』は、パズルを解くだけでなく“遊びを拡張する自由”をプレイヤーに与えています。ステージをクリアする最短ルートを探すのも楽しいですが、「あえて変な形に切って挑戦してみる」「奇妙な生き物を作って動かす」といった寄り道も歓迎される雰囲気があります。
この遊び心を受け止めるデザインのおかげで、「ゲームの本来のルールに縛られず、創造的に楽しめる」という感覚を多くのユーザーが体験しました。結果として、長時間プレイしても飽きが来にくく、また“自分たちだけの物語”を作れるのが魅力となっています。
“Plus”版でさらに広がる遊び
発売から8か月後に登場した『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』は、オリジナル版の弱点であったステージ数の少なさを補強し、さらに新しい仕掛けを多数追加しました。例えば新たなステージ構成では、複数の解法がより意識されるような設計が増え、従来のプレイヤーも再び新鮮な気持ちで挑めるようになっています。
また、初心者向けに難易度が抑えられたステージも収録されており、幅広い層がより安心して始められる環境が整いました。これにより、発売から時間が経過した後も、友人や家族で遊ぶ際の“定番タイトル”として存在感を維持することに成功しました。
総括
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』の魅力は、単なるパズルを超えた“人と人との協力”を楽しむデザインにあります。シンプルな操作、自由度の高いステージ、愛らしいキャラクター、そして手軽な価格。これらの要素が融合し、プレイヤーの笑顔を引き出すことに成功しました。発売当初はライトな体験用のサブタイトルと見られていたものの、実際にはSwitchのポテンシャルを示す重要な作品であり、今もなお「気軽に遊べる最高の協力パズル」として語り継がれる存在です。
Switchのコンセプトを体感できる点
Nintendo Switch は「いつでも、どこでも、誰とでも」というキャッチコピーのもと誕生しましたが、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』はその思想を象徴的に表す存在でした。ゲームを立ち上げ、Joy-Conを分け合うだけで即座に二人プレイが始められるため、家庭のリビングでも、旅行先の宿でも、友人の家でも、あらゆるシーンで自然に遊びが展開していきます。 特に、家庭用ゲーム機に触れた経験が少ない人や、普段はあまりゲームをしない人でも「少しボタンを押すだけで参加できる」ため、敷居が非常に低いのです。Switchの「一台でみんなと遊べる」という利点を、最も実感できるタイトルのひとつと言えます。
思考力と創造力を刺激する自由な解法
本作のパズルには「唯一絶対の答え」がありません。提示されるお題は「ボールをゴールへ入れる」「鉛筆を削る」「風船を割る」といったシンプルなものですが、その達成方法は無数に存在します。プレイヤーはお互いを切り抜いて形を変え、時にはあえて不格好な形にして試行錯誤を重ねます。
「こう切ったらうまくいくはず」と試して失敗し、また違う形を試して成功する。この自由度がプレイヤーの創造性を大いに刺激します。同じステージでも人によって攻略法が異なるため、SNSや動画配信サイトでは「こんな解き方を見つけた!」とシェアする動きが盛んになりました。
コミュニケーションを盛り上げる仕組み
『スニッパーズ』は一見するとただの切り紙パズルですが、実際には「協力して話し合う」ことが最大の楽しみです。プレイヤー同士が互いの動きを読み合い、声を掛け合ってタイミングを合わせることがクリアへの近道になります。
例えば、ジャンプするタイミングを合わせられずに失敗したり、誤って仲間を真っ二つに切ってしまったりすると、その場が大爆笑に包まれます。こうした“失敗の共有”がコミュニケーションを促進し、単なる勝ち負け以上の楽しさを提供してくれるのです。特にパーティや家族の団らんの場では、会話が自然に弾み、笑い声が絶えません。
キャラクターデザインが生む愛着
赤色のスニップと黄色のクリップは、どちらもシンプルながら人懐っこい魅力を放っています。切られると「いてっ」と驚いたり、協力がうまくいくと嬉しそうに笑ったりする表情が、プレイヤーの感情を動かします。遊びを進めるにつれて、「どっちの形を残すか」「どちらが犠牲になるか」といったドラマが自然と生まれ、まるでキャラクターたちに個性が宿っているかのように感じられます。
さらに「PARTY」モードでは色違いの仲間が追加され、画面がカラフルになり、誰がどのキャラを担当しているか一目でわかる工夫がされています。視覚的な楽しみとキャラクター性が組み合わさり、プレイヤーが思わず愛着を持つようになる点も評価されています。
短時間でも長時間でも楽しめる柔軟性
一つのステージは数分でクリアできるため、ちょっとした空き時間に気軽に遊べます。一方で、全体としては数十ステージが用意されているので、腰を据えて長時間じっくり遊ぶことも可能です。さらに、解法が複数あるため「最短手数でクリアする」「面白い形を作ってから挑戦する」など、自分たちのプレイスタイルに合わせて何度も遊べるのです。
実際にユーザーの間では「友人と同じステージを繰り返して、誰が一番効率よくクリアできるか競った」といった遊び方も生まれ、ゲームの寿命を大きく伸ばしていました。
親子・カップル・友人での絆を深める
このゲームは協力プレイが前提であるため、自然と“相手を尊重する”姿勢が求められます。親子で遊ぶ場合、子どもが斬新な発想を出し、それを親が実行するという場面も多く見られました。普段あまり口数が多くない家族でも、ゲームを通して自然な会話が増えたという声もあります。
カップルや友人同士で遊ぶときには、ちょっとした言い合いや冗談交じりのやり取りが笑いを生み、場を和ませる効果があります。単に勝敗を決めるのではなく「一緒に工夫して成功する」体験を積み重ねることで、関係性がより深まるのも魅力の一つです。
多様なプレイヤー層へのアピール
『スニッパーズ』は、ゲーマーだけでなく幅広い層をターゲットにしていました。小さな子どもからシニア世代まで、誰でもすぐに理解できるルール設計は、ゲームを日常のコミュニケーションの場に溶け込ませる力を持っています。
また、教育関係者からは「子ども同士で遊ぶと協力性や空間認識能力を養える」「正解が一つでないので、自由に考える楽しさを学べる」と高評価を得ました。家庭での学びと遊びをつなげる教材としても注目を浴び、知育ゲームとしての価値が再評価されています。
多彩な遊びの発展性
ステージをクリアするだけでなく、プレイヤーの自由な発想で“本来の目的以外の遊び”が自然に生まれる点も特筆すべきです。キャラクターを星型に切り抜いて飾りに見立てたり、無意味に切り合いを楽しんだりするなど、自由度の高い遊び方が可能です。こうした柔軟性は、一般的なパズルゲームにはあまり見られない特徴です。
この“余白”があるおかげで、遊びが単なる問題解決の作業にならず、笑いや発見が生まれる場となります。特に子どもにとっては「遊んでいるうちに学びにつながる」体験となり、大人にとっては「どう協力すればうまくいくか」を探る知的な楽しみに発展していくのです。
■■■■ 悪かったところ
ステージ数の少なさによる物足りなさ
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は発売当初、Switch本体と同時に登場したローンチタイトルということもあり、ゲームとしての完成度は高いながらも、全体的なステージ数は45面と比較的コンパクトに抑えられていました。もちろん、1ステージごとのプレイ時間は短く、何度もやり直せる自由度が魅力ですが、パズルゲームに慣れているプレイヤーや、時間をかけてじっくり遊ぶ人にとっては「すぐにクリアしてしまった」という感覚が残りやすかったのも事実です。
SNSやレビューでも「楽しいけどボリュームが少なく、もっと遊びたいと思った」「あと数十ステージあれば完璧だった」といった声が多く見られました。結果として、満足度は高いものの、長期的に遊ぶには続編や追加コンテンツが必要と感じたユーザーが少なくありませんでした。
リプレイ性の限界と繰り返しプレイの単調さ
自由度の高さは本作の強みですが、一方で「一度正解を見つけてしまうと次からは同じ手順で簡単に解けてしまう」という問題も指摘されています。特に、ソロプレイで全ステージを解き終えた後には“新鮮さ”が薄れてしまうため、モチベーションを保つのが難しいと感じる人もいました。
確かに、「別解を探す」というやり込み要素は存在しますが、それを楽しめるかどうかはプレイヤー次第です。論理的思考や創造性を試すことを楽しめる人にとっては魅力的ですが、「正解を早く導き出したい」タイプのプレイヤーにとっては単調に映る場合があり、ゲームの寿命を短くしてしまったケースも報告されています。
一人プレイの難易度と操作の煩雑さ
2人協力を前提としたゲームデザインであるため、1人で遊ぶ場合にはどうしても操作が煩雑になります。赤と黄色のキャラクターを交互に切り替えながら進める必要があり、タイミングや位置取りを一人で制御しなければなりません。これは「パズル好きの人にとってはやりがいがある」と感じられる一方で、「操作に追われて楽しめない」「2人で遊ぶのが前提なら、1人プレイはおまけ程度」とする声も少なくありません。
特に携帯モードで遊んでいる場合は、Joy-Conを分離せずに1人で両方のキャラを操作するため、直感的な遊びが損なわれやすい点が不満として挙がっています。逆に言えば、1人で遊ぶよりも誰かと一緒に遊んだ方が本作の魅力が発揮されやすいともいえるでしょう。
難易度のバランス調整
『スニッパーズ』のパズルは直感的に理解しやすいものが多い一方、ステージによっては難易度のバランスにばらつきが見られると指摘されています。序盤は単純であっさり解ける課題が多いのに対し、中盤以降では一気に難易度が跳ね上がるステージもあり、特にゲーム初心者や小さな子どもには難しすぎると感じられる部分がありました。
また、逆に熟練者にとっては「もっと複雑な仕掛けが欲しかった」と物足りなさを訴える声も。つまり、幅広い層を対象にしたからこそ、万人にとってちょうど良い難易度を維持するのが難しく、その点で賛否が分かれる結果となったのです。
グラフィックや演出のシンプルさに対する意見
キャラクターの愛らしい表情やポップな色使いは多くのユーザーに好意的に受け止められましたが、一方で「見た目が単調すぎる」「もう少し世界観に奥行きが欲しい」という声もありました。特に、他のローンチタイトルである『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーボンバーマンR』と比べると、どうしてもビジュアルの密度や演出の派手さでは劣って見えてしまいます。
また、全編が紙の質感をベースにしているため、ステージが進むごとに新しいテーマが登場するとはいえ「似たような印象を受ける」という意見も一定数存在しました。これは開発規模やコンセプトの違いによるもので、必ずしも欠点ではありませんが、「長く遊ぶにはもう少し多彩なビジュアルが欲しい」という要望として現れています。
物理演算の不確定性によるもどかしさ
物理演算を活用したパズルは、時に思いもよらない面白さを生み出す反面、プレイヤーが意図したとおりに動かないことも多々あります。ボールが思った方向に転がらない、わずかな傾きで水が全部こぼれてしまう、せっかく作った形が役立たずになるなど、運の要素が強く感じられる瞬間もあります。
特に真剣に攻略を目指しているときに偶然の挙動で失敗すると、「理不尽さ」を感じるプレイヤーもいました。もちろん、これが笑いにつながる場合も多いのですが、シビアにクリアを目指す人にとってはストレスの原因になることがあるのも事実です。
リプレイを促す仕組みの不足
ステージ自体の設計は優れているものの、スコアやランキングといった「競争要素」が限定的であったため、繰り返し遊ぶ動機づけが弱いと感じるプレイヤーもいました。スピードランやカット回数の最小化など、自主的に目標を設定すれば遊びを深められますが、それをゲーム内で明確に促す仕組みがあれば、さらに長く楽しまれたかもしれません。
この点については、後の『スニッパーズ プラス』で追加された高難易度ステージや拡張コンテンツが一定の解決を図っていますが、発売当初に物足りなさを感じたユーザーの声は、作品の課題として記録されています。
総合的な課題と今後への期待
総じて『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は高評価を得た作品ですが、同時に「もう少し長く遊びたい」「もっと多彩なステージやギミックを体験したい」という要望が多かったのも事実です。とはいえ、これらはゲームの完成度を損なうほどの問題ではなく、むしろ「続編や追加要素を望む声」として前向きに受け止められました。
こうしたユーザーからの反応を受けて、任天堂とSFB Gamesは追加要素を収録した『スニッパーズ プラス』をリリースし、結果としてゲームの寿命を大きく延ばすことに成功します。発売当初に見られた“物足りなさ”は、拡張版やアップデートによって徐々に解消され、シリーズ全体の評価を押し上げるきっかけとなりました。
ステージ数とボリュームの不足感
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、発売当時の価格が手頃であったこともあり「お試しタイトル」としては魅力的でした。しかし多くのユーザーが共通して感じたのが、全体のボリュームに対する物足りなさです。メインとなる「WORLD」モードが45ステージ、そして「PARTY」モードが21ステージという構成は、確かに短時間で達成感を味わえる設計ではあるものの、ゲームに慣れたプレイヤーやパズルを得意とする人にとっては数日で全クリアしてしまえる程度の分量でした。
実際のレビューや体験談でも「せっかく面白いのに、遊び尽くすのが早い」「追加ステージが欲しい」という意見が目立ちました。Switchのローンチタイトルとしては十分な存在感を放ちましたが、長期的に遊ぶためのコンテンツ量という観点では課題が残ったといえるでしょう。
一人プレイ時の不便さ
本作は二人で遊ぶことを前提に設計されています。そのため、1人で遊ぶ場合はスニップとクリップを交互に切り替えて操作しなければなりません。これが予想以上に忙しく、思った以上に手間がかかるのです。特に、片方をうまく固定してからもう片方を操作する必要があるステージでは、「二人でやればすぐ終わるのに、一人だと操作の切り替えが大変で時間ばかりかかる」と感じるユーザーもいました。
また、Joy-Conを本体から外さず携帯モードでプレイすると、片手で二体を操作する感覚に慣れるまで時間がかかり、結果的に一人用としては“ちょっとしたパズルゲーム”という枠を超えられなかったという声もあります。つまり、ソロプレイをメインで考えているユーザーにはやや不向きな作品と受け止められがちでした。
難易度バランスの偏り
ゲーム全体の設計を見ていくと、序盤は誰でも簡単に理解できるシンプルなステージが多く配置されています。これは初心者や子どもでもスムーズに導入できるよう配慮されたものですが、中盤以降に急激に難易度が上がり、一部のプレイヤーにとっては「難しすぎて詰まってしまう」という状況を生みました。
一方で、パズルゲームに慣れたコアな層からは「後半になっても歯ごたえが物足りない」「もっと複雑な連携を求められるステージが欲しかった」という声もあり、遊ぶ人の層によって真逆の評価が出る結果に。難易度調整のバランスの難しさを如実に示す例といえるでしょう。
リプレイ性の限界
『スニッパーズ』のステージは複数の解法を許容しているため、最初は「試行錯誤して正解を見つける楽しさ」が際立ちます。しかし、全ての課題を一度クリアしてしまうと、同じステージに再挑戦しても“新鮮な驚き”が薄れてしまうという意見が多く聞かれました。
また、ゲーム内にはスコアランキングやタイムアタックのような「再挑戦を促す要素」が明確に用意されていなかったため、コンテンツ消費後のモチベーション維持が難しいと感じる人もいました。特にパズルゲームに長時間取り組みたい人にとっては、「もっと挑戦的な仕組みが欲しかった」という不満が残ったようです。
対戦モードの物足りなさ
「BATTLE(BLITZ)」モードは、シンプルで直感的な対戦が楽しめる要素として導入されましたが、こちらもまた「すぐにやり尽くしてしまう」との声が多く上がりました。バスケットやホッケー、ドージョーといったミニゲームは一瞬の盛り上がりを作る力がありますが、長時間続けるにはパターンが限られており、数回遊ぶと新鮮味が薄れるのです。
また、競技性の高いゲームを求める層からは「もっとルールのバリエーションが欲しい」「アイテムや特殊ステージがあれば飽きにくい」といった要望も寄せられました。協力プレイの完成度が高いだけに、対戦部分でもう少し踏み込んでほしかった、という思いが感じられます。
ビジュアルや演出面でのシンプルさ
グラフィックは可愛らしく親しみやすいものの、長く遊んでいると「画面が似たように見えてしまう」「もっと多彩な表現が欲しい」といった意見も少なくありませんでした。とくに、同じような紙の質感や色調が続くため、プレイヤーによっては単調に感じてしまうことがあったのです。
また、BGMが軽快で耳障りにならないという評価がある一方、「メロディがシンプルすぎてすぐ飽きる」「長時間プレイするとやや単調」といった声もありました。もっと多様な音楽ジャンルや場面に応じた演出があれば、さらにゲーム体験が豊かになったかもしれません。
物理演算の“気まぐれさ”がストレス要因に
ゲームの醍醐味である物理演算は、確かに予測不能な面白さをもたらしますが、それが行き過ぎて「理不尽」と感じることもあります。例えば、ボールをうまくはめ込んだはずなのに、わずかな角度のズレで全て崩れてしまうケース。あるいは水を運ぶステージで、ちょっとした衝撃で液体が全部こぼれてやり直しになるケースです。
これらは「笑い話」として楽しめる一方、繰り返し挑戦する中で苛立ちを感じるプレイヤーも多く、特にクリアまでの試行回数が多いとモチベーションを削がれることもありました。
協力プレイに潜む“仲間割れ”のリスク
協力が鍵となる設計は非常に面白い反面、うまく噛み合わないときにストレスが溜まるのも事実です。相手を切りすぎたり、指示が食い違ったりすることで「喧嘩になった」という体験談も少なからず聞かれました。特に家族やカップルで遊ぶ際には、ゲームのユーモアが笑いを生むか、それとも小さな摩擦になるかが分かれ道となるのです。
ただし、この点は“良くも悪くも本作らしさ”と捉えることができます。意見が合わないときにどのように歩み寄るかを試されるのも、協力型ゲームならではの特徴といえるでしょう。
総合的な課題
総じて見れば、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』の悪い点は「物足りなさ」と「一人プレイ時の不便さ」に集約されます。逆に言えば、それ以外の面では大きな欠点は少なく、コンセプト通り“短時間で盛り上がれる”という目的には十分成功していました。
後に発売された『スニッパーズ プラス』が追加ステージや改善要素を盛り込み、当初指摘された弱点を補ったことからも分かるように、ユーザーの声はしっかりと開発側に届いていました。初代『スニッパーズ』は「完成度は高いが、もっと遊びたいと思わせる作品」として、逆説的に続編を待ち望ませたタイトルだったのです。
[game-6]■ 好きなキャラクター
シンプルなのに奥深いキャラクターデザイン
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』には、赤い「スニップ」と黄色い「クリップ」という二人のキャラクターが登場します。外見だけを見れば、四角形に近いシンプルな紙のような体を持ち、表情も小さな目と口で構成された最小限のデザインです。しかし実際に操作してみると、この簡素さが逆に大きな魅力となっていることに気づきます。
彼らは「切る」「回す」「乗る」といった限られたアクションしか持たないのに、表情の変化や微妙な体の傾きによってキャラクター性が豊かに表現されています。ほんの少し口角を上げて微笑んだり、切られたときに驚いたり、協力がうまくいったときに嬉しそうに笑ったりする仕草は、単なるパズルの駒以上の存在感を与え、プレイヤーは自然と愛着を抱くようになるのです。
赤い「スニップ」:やんちゃでお調子者
スニップは赤色のキャラクターで、丸みを帯びたシンプルな形状が特徴です。見た目の印象通り、どこか陽気で活発な性格を感じさせる表情を見せることが多く、切られたり回されたりしても大げさに驚いた顔をする姿が可愛らしいと評判です。
プレイ中は「切って!」と催促するような仕草を見せたり、成功したときに嬉しそうに飛び跳ねたりと、コミカルな反応が満載。特に子どもからは「赤い子が好き!」という声が多く、キャラクター人気の中心的存在となっています。
また、ゲームに慣れていない人が操作する場合でも、スニップの動きは直感的で分かりやすいため、「初めて遊ぶ人に渡すキャラはスニップがいい」と推すプレイヤーも多いのが特徴です。
黄色い「クリップ」:しっかり者で頼れる存在
クリップは黄色い体を持つキャラクターで、スニップに比べると少し落ち着いた雰囲気を感じさせます。目の表情もどこか冷静で、真面目に物事に取り組む様子が見て取れるため、「しっかり者」や「頼れる相棒」としてのイメージが定着しています。
ゲームプレイにおいても、クリップは大きさや形を活かして支え役や受け止め役に回ることが多く、チーム全体の安定感を与えます。プレイヤーによっては「自分はクリップの役割が合っている」「切られても黙って耐えるクリップが健気でかわいい」といった感想を持つことも多いです。
色違いキャラクターの登場と遊びの幅
「PARTY」モードでは、赤と黄色の二人に加えて、紫のスニップと青のクリップが登場します。見た目はベースとなる形状を維持しつつも色が変わるだけで、画面が一気に華やかになり、プレイ中の混乱や笑いを増幅させます。特に4人で遊ぶ際には「自分のキャラを見失った!」と騒ぎながら、慌てて自分を探すのも楽しい要素の一つです。
この色違いキャラクターは、プレイ人数が増えても全員が同じ体験をできるように工夫されており、友達同士の集まりや家族でのパーティに最適です。ゲーム全体のコンセプトである「いっしょに遊ぶ楽しさ」を強調する役割を果たしています。
キャラクターとプレイヤーの一体感
本作のキャラクターは、プレイヤーの操作に応じて瞬時に反応します。体を回転させればくるりと表情を変え、切られれば痛そうに身をよじり、成功すると大きな笑顔を見せてくれる。こうした一連のアニメーションは、プレイヤー自身がキャラクターになったような感覚を与えます。
特に、スニップやクリップを“切る”行為は、一般的なゲームにはない独創的な体験です。切られた瞬間にキャラクターが「イタッ」といった顔をするため、罪悪感と可笑しさが同時に押し寄せ、思わず笑ってしまう人が多くいます。結果として、キャラクターとプレイヤーの距離が縮まり、単なるパズル以上の愛着を抱かせてくれるのです。
シンプルな世界観だからこそ楽しめる没入感
スニッパーズの世界は、色と形を強調したシンプルで明るいデザインが特徴です。背景は手描きのノート風や理科室のモチーフなど、どこか日常的で親しみやすく、子どもから大人まで気軽に受け入れやすい雰囲気を持っています。
一方で、過度に情報量が多いわけではないため、プレイヤーの想像力を阻害せず、キャラクターを切って作った形がそのまま“新しい遊び道具”のように見えるのも特徴です。シンプルさと余白が、プレイヤー自身の発想力を引き出す要因となり、結果として自分たちだけの物語を作り出す楽しさにつながります。
家族や友人との絆を強める効果
このゲームを評価する声の多くが強調するのは、「人と人との距離が縮まる」という体験です。協力が必須のシステムは、相手に指示を出したり助け合ったりすることを自然に促します。ゲーム中のコミュニケーションは、普段の会話よりもずっと率直で楽しいものになり、笑いや驚きが絶えません。
親子でのプレイでは、子どもの自由な発想が解法に繋がる場面が多く、大人が驚かされることも珍しくありません。また、カップルがプレイする場合、時には「うまくいかない!」と軽い口論になることもありますが、それもまた楽しい思い出となり、結果的には絆を深める要因になっています。
“Plus”による改善とさらなる魅力
オリジナル版の課題として指摘された「ボリューム不足」を解決するため、任天堂は2017年11月に『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』を発売しました。この拡張版では、追加ステージや新たなギミックが多数導入され、プレイの幅がさらに広がっています。これにより、ユーザーから「ようやく求めていた内容が揃った」「初代で物足りなさを感じていたけれど、プラスで満足できた」という声が多く寄せられました。
特に、より複雑で試行錯誤を楽しめるステージが追加されたことで、コアゲーマー層にも再び注目され、パーティゲームとしてだけでなく“本格的なパズル”としての評価も高まりました。
総括:不満も魅力の裏返し
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』に寄せられた「悪かった点」は、裏を返せばこのゲームの特徴の裏面でもあります。ステージ数の少なさは「もっと遊びたい」と思わせるほどの魅力を持っていたことの証拠ですし、協力前提の難しさは“コミュニケーションを引き出す仕掛け”の副作用とも言えます。
つまり、本作の短所は致命的な欠点というよりも、むしろそのユニークな個性を補完する余地として受け止められました。後発の『プラス』版で多くの課題が解決されたことを考えると、初代『スニッパーズ』は“未完成の傑作”としての立ち位置を確立したと言えるでしょう。
[game-7]■ 中古市場での現状
発売から現在までの流通状況
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は2017年3月3日にNintendo Switch本体と同時発売されたダウンロード専売タイトルとして登場しました。発売から数か月後の2017年11月には追加ステージや新機能を収録した『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』がパッケージ版としてリリースされ、以降はそちらが市場の主流となっています。そのため、初期に配信されていたダウンロード版のコード単体は徐々に入手が難しくなり、中古市場ではむしろ「プラス」のパッケージやダウンロードカードが主に取引されています。
ローンチタイトルという特性上、Switch本体と同時に購入した人が多く、数年が経過した後も市場にはある程度の出品が継続して流通しています。しかし、もともと低価格で販売されたタイトルであるため、プレミアが付くケースは少なく、価格は比較的安定しています。
ヤフオク!での取引価格
オークションサイト「ヤフオク!」では、『スニッパーズ プラス』の中古パッケージ版が最も多く見られます。取引価格はおおむね 1,500円〜3,000円前後 に落ち着いており、状態や出品時期によって若干の差が生じます。
状態が悪い商品:外箱に擦れや破れがあるものは1,200円〜1,800円程度で落札されるケースが多い。
美品・説明書付き:状態が良い商品は2,500円〜3,000円前後で安定して取引されている。
未開封品:数は少ないものの、3,500円〜4,500円程度で出品されることがあり、コレクターがすぐに落札する傾向がある。
ヤフオクでは、出品者によって送料込みか否かが大きく価格に影響します。送料無料の即決出品は特に人気が高く、入札合戦になることもあります。
メルカリでの流通とユーザー評価
フリマアプリ「メルカリ」では、カジュアルユーザーが遊び終えた後に手放すことが多いため、出品点数は比較的安定しています。中古品の価格帯は 1,200円〜2,400円程度 が中心で、状態が良いものや「ダウンロードコード付き未使用品」は2,800円前後で即売れすることも珍しくありません。
レビュー欄では、「子どもが飽きたので出品します」「数時間遊んで十分楽しんだので手放します」といったコメントが目立ち、気軽に買って気軽に売るというフリマアプリ特有のサイクルに非常にマッチしている様子がうかがえます。
Amazonマーケットプレイスでの価格帯
Amazonマーケットプレイスでも本作は定期的に見かけることができ、価格帯は 2,000円台中盤〜3,500円程度で推移しています。特にAmazon発送の商品は「安心感がある」として人気が高く、少々価格が高くても購入されやすい傾向があります。
また、海外からの購入者に向けて出品しているケースもあり、北米や欧州では日本版パッケージが“珍しいアイテム”として扱われることもあります。そのため、海外発送対応の商品はやや高値で販売されることが多いのも特徴です。
楽天市場での取り扱い
楽天市場では、主にゲームショップや中古専門店が『スニッパーズ プラス』を販売しており、価格帯は 2,200円〜3,200円前後で安定しています。ポイント還元やセールと組み合わせると実質的な購入価格が下がるため、家族連れやカジュアルゲーマーにとってはお得感のある購入手段となっています。
また、楽天では“おまけ付き”や“特典付き”として、発売当時の購入特典がセットになった商品が出回ることもあります。特にJoy-Conとの同梱セットは希少性が高く、プレミア価格で出品されることも少なくありません。
駿河屋での価格推移
中古ゲーム専門店「駿河屋」では、『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』の流通が安定しており、2,000円〜2,800円前後で販売されているケースが多く見られます。在庫が少なくなると一時的に価格が上昇するものの、再入荷すれば落ち着く傾向があります。
また、駿河屋の特徴として、商品説明に「外箱スレ」「付属品欠品」などの状態が丁寧に記載されているため、コレクターが安心して購入できる点も好評です。状態が非常に良い“美品”や“未使用品”は即座に売り切れることが多く、タイミングを逃すと入手が難しくなるため、こまめなチェックが推奨されます。
コレクション価値と限定セット
特筆すべきは、英国任天堂が2017年3月に発売した「Joy-Con(レッド/ブルー)+スニッパーズDLコード同梱版」です。このセットは日本国内では正式販売されなかったため、コレクターズアイテムとして海外オークションやフリマサイトで高値が付くことがあります。国内で流通している通常版『スニッパーズ プラス』に比べると数が少なく、未開封品に関しては特にレア度が高いとされています。
一方で、国内で一般販売されたダウンロードカード版は比較的入手しやすく、今でも手頃な価格で流通しています。遊ぶだけなら中古市場で簡単に入手可能ですが、「初期のSwitch熱を象徴するアイテム」としてコレクション目的で探している人も多いのが特徴です。
中古市場における人気の理由
本作が中古市場で長期的に出回っているのは、購入後に“遊び切った”と感じて売却するユーザーが多い一方で、「気軽に遊べるゲームを安く手に入れたい」という新しい需要が常に存在していたからです。特にSwitchは家族や友人同士で遊ぶシーンが多く、パーティゲームとしての需要が途切れにくいため、中古市場での流通が継続しているのです。
また、価格が大きく高騰していないことも、逆に“入手しやすい名作”としての人気を支えています。数百円から数千円で手に入れられるため、コレクターだけでなく、ライトユーザーが気軽に購入して遊び、また手放すことで市場が循環しているといえるでしょう。
まとめ:手頃さゆえの回転率の高さ
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』の中古市場における現状を総括すると、プレミアがつくほどの高額取引は少ないものの、安価で出回る分「誰でも手を出しやすい」状況が続いているといえます。中古で手軽に購入して遊び、楽しんだ後に再び売却するというサイクルが成立しているため、流通量が安定しやすく、結果的に多くの家庭に届くことになりました。
また、限定セットや未開封品といった希少アイテムはコレクターの間で一定の価値を保ち、場合によっては高値が付くこともあります。こうした二面性がある点も、中古市場での『スニッパーズ』の特徴だといえるでしょう。
[game-8]■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪
【中古】 いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス/NintendoSwitch
[Switch] いっしょにチョキッと スニッパーズ (ダウンロード版) ※1,600ポイントまでご利用可
[Switch] いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス (ダウンロード版) ※2,560ポイントまでご利用可




