『軍人将棋』(パソコンゲーム)

くもん出版 スタディ将棋

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3,740 円 (税込) 送料込
評価 4.83
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【発売】:パック・イン・ビデオ
【対応パソコン】:MSX2
【発売日】:1987年12月16日
【ジャンル】:ボードゲーム

[game-ue]

■ 概要

● 作品の立ち位置――“軍人将棋”をMSX2で一人遊びに落とし込んだ意欲作

1987年12月16日にパック・イン・ビデオから発売された『軍人将棋』は、テーブルゲームとして知られる軍人将棋を「対人前提の遊び」から「一人で腰を据えて遊べる対戦ゲーム」へと作り替えたMSX2向けタイトルだ。開発はKLONが担当し、ジャンル表記はシミュレーション/ボードゲーム系に位置づけられる。メディアは2DDフロッピーで、当時のMSX2環境を前提に、RAMやVRAMなどの条件も明示されていたタイプの作品である。 このゲームの面白いところは、単に「軍人将棋をコンピュータ化しました」で終わらず、相手役のキャラクター演出や、連勝・通算勝利の“ごほうび”まで含めて、遊び心を前面に押し出している点にある。勝負の緊張と、肩の力が抜けるギャグの同居――その落差が、結果として強い記憶に残る“個性”になっている。

● 元ネタの軍人将棋と、コンピュータ化で起きる変化

軍人将棋の核は「伏せ駒」と「情報の非対称性」だ。盤上の駒は裏向き(相手に正体が分からない状態)で動き、ぶつかった瞬間に正体が判明し、強弱の判定で生き残りが決まる。通常は第三者が勝敗を裁く形が想定される遊びだが、コンピュータゲームではこの“審判役”をプログラムが引き受ける。つまり本作は、軍人将棋が元々抱えている「審判がいないと成立しづらい」という構造的ハードルを、コンピュータという存在で自然に解決している。 しかも一人用にしたことで、相手の思考(CPUの癖)を読む、確率的に相手の配置を推測する、勝ち筋を太くするために“情報が開く瞬間”へ誘導する――といった、対人戦とは別ベクトルの読み合いが生まれる。対人だと相手の心理や駆け引きが中心になる一方、CPU相手だと「ルールの骨格そのもの」と向き合う時間が増える。そこに、軍人将棋を“盤面のパズル”として味わえる独特の旨味がある。

● 31枚型+ローカルルール採用――本作の盤面は“クセが強い”

本作が採用するのは軍人将棋の中でも「31枚型」に分類されるセットで、盤面も一般的な将棋盤の感覚とは違う。特徴として挙げられるのが「浮島のあるX型」の盤で、通路が交差し、守りと攻めの導線が独特の形で組まれている点だ。直線的に押し込むだけでは詰め切れず、相手の進入ルートを“どこで細らせるか”、自分の旗や要所を“どの角度から守るか”が重要になり、配置段階からすでにゲームが始まっている感覚を強く味わえる。 さらに本作では、軍人将棋に存在するさまざまな流儀のうち、いわゆるローカルルールが明確に適用されている。たとえば「工兵がタンクに負ける」「地雷が相打ちにならない」といった取り決めは、一般的に知られる軍人将棋の定番イメージとズレる可能性がある。だからこそ、初見では“いつもの感覚”で突っ込むと痛い目を見やすい。逆に言えば、ここを理解した瞬間から、読み合いの質が一段上がる。工兵をどう使い捨てるか/温存するか、タンクに対して何を当てるか、地雷を「壁」にするのか「誘い水」にするのか――そうした判断が、ローカルルールの分だけ別の形に変形するからだ。 この“クセ”は一人用ゲームとしてはむしろ追い風で、負けた理由を「運が悪かった」だけにしにくい。配置の歪み、誘導の失敗、情報が開いた瞬間の読み違い――反省点が具体的に残るので、次の一戦が自然と上達の実験になる。

● 対戦相手BAGU――勝負の空気を“ギャグ”で揺らす仕掛け

本作最大の看板は、CPU対戦相手として登場する「BAGU(バグ)」というキャラクターの存在だ。対局中に駄洒落やギャグを表示してきたり、妙に挑発的だったり、とにかく“勝負の緊張感”を真正面から壊しにくる。ところが、このノイズが案外いい。軍人将棋は駒の正体が見えないぶん、疑心暗鬼が続きやすく、読み合いが煮詰まると疲労も溜まる。そこへBAGUの軽口が入ることで、硬直した思考がほぐれたり、逆にムッとして集中力が戻ったりする。プレイヤーの心理を揺らす、ある種の“演出AI”として機能しているのが面白い。 また、リセットを行うと次回起動時に“負け扱い”を宣告される仕様も知られている。これは当時の家庭用・PCゲームに時折見られた「途中投げの抑止」だが、本作の場合はBAGUのキャラクター性と結びついて、単なる罰というより“茶化し”の延長にも見えるのが巧い。勝負の途中で逃げない、最後までやり切る――という姿勢を、ゲーム側がユーモア混じりに要求してくる。 さらに、連勝や通算100勝など特定条件でCGが用意され、9連勝でスタッフロールが表示されるなど、勝ち続けた人だけが見られる“裏の顔”が仕込まれている。ここでも真面目に達成した先に、魚を使ったダジャレ系のごほうびや、演出の種明かし的なスタッフロールが待っているあたりが、この作品らしい。がんばった結果が「かっこよさ」ではなく「脱力」へ着地する――そのズラし方が、逆に忘れがたい達成感になる。

● 記録・プレイヤー登録――“家族機”のMSXらしい設計思想

本作はプレイヤーを最大8人まで登録でき、勝利数や連勝数といった戦績の記録が可能とされる。 この仕組みは、いま見るとささやかだが、当時の家庭内コンピュータ文化を思い出させる要素でもある。MSXは「家族で一台」になりやすい時代のプラットフォームで、同じソフトを複数人が触る前提が生きていた。誰がどれだけ勝ったか、誰が連勝記録を持っているかが残るだけで、小さな競争が生まれる。しかも軍人将棋は運と推理が混ざるので、アクションが苦手でも勝ち筋を作れる。登録枠の存在が、遊ぶ人の裾野を広げる導線になっている。

● 動作環境・パッケージ的情報――MSX2の“現実”に合わせた作り

対応機種はMSX2で、必要環境としてRAM 64KB/VRAM 128KBが提示されている。メディアは2DDフロッピー。 そして価格は5,800円(税別表記)として情報が残っている。 ここから見えてくるのは、当時のPCゲームが「環境差」と隣り合わせだったことだ。RAMやVRAMの条件が少し違うだけで動かなかったり、快適さが変わったりする時代に、仕様をきちんと押さえたうえで、“盤面と演出”にリソースを割く。軍人将棋のようなボード系は派手なスクロールや大量キャラを必要としない代わりに、見せ方・テンポ・演出の気配りが価値になる。本作はそこに、BAGUという“ゲームの顔”を立て、継続プレイのごほうびや記録要素を積んで、一本の作品としての満足度を組み立てている。

● 当時の反響と後年の扱い――“ギャグソフト”と“隠れた名作”の二重評価

ゲームとしての構造は軍人将棋の思考ゲームだが、世間の見られ方は一枚岩ではない。MSX系の雑誌『MSX・FAN』がBAGUの挙動や連勝時のごほうび演出などに注目し、1988年5月号で“ギャグ寄りのソフト”として扱い、後年1994年6月号で“名作”として付録に収録したことが知られている。 この経緯が示しているのは、当時のMSX文化における“評価軸の面白さ”だ。ストイックに完成度が高いだけのゲームが残るのではなく、変なノリ、尖ったキャラ、強烈な印象――そういうものがコミュニティで語られ、時間差で価値が再発見される。本作はまさにそのタイプで、軍人将棋としての読み合いと、BAGUの悪ふざけが同じ箱に詰まっているからこそ、「一度触ると忘れにくい」。そして忘れにくい作品は、時代が変わっても“名作”として拾い上げられやすい。 真面目に勝ちたい人ほど、ふざけた演出にイラッとしながらも、気づけば次の一手を考えてしまう。笑っていいのか、怒るべきか分からないまま、盤面だけはシビアに動き続ける――その奇妙な同居こそが、MSX2版『軍人将棋』を語るうえでの一番の要点だと言える。

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■ ゲームの魅力とは?

● “見えない情報”が生む推理の快感――軍人将棋の醍醐味を濃縮

本作の魅力の核は、軍人将棋という遊びがもともと持っている「相手の正体が分からないまま盤面だけが進む」緊張感にある。将棋のように駒の種類が見えていれば、読み合いは純粋な手順の計算に寄る。しかし軍人将棋は、駒そのものが覆面で動くため、読み合いの材料は盤面の形だけでは足りない。相手がどの駒をどこへ運んだか、どの局面で急に慎重になったか、逆に雑にぶつけてきたか、そういった“態度”から正体を推測することになる。つまり本作は、盤上のゲームでありながら心理戦・確率戦の味も濃い。その推理が当たって「この駒は弱いから、ここでは突っ込むはず」「この動きは旗を守っている配置に見える」と読めた瞬間、画面の向こうに確かに相手がいるように感じられる。この手触りが、一人用ボードゲームとしての強い中毒性を作っている。

● X型+浮島の盤が作る独特の攻防――“通路の管理”が面白い

本作の盤面は、直線的な陣取りよりも、ルートの枝分かれや交差点の取り合いが目立つ形になっている。とくに“浮島”の存在は、単なる飾りではなく、侵入ルートのバリエーションと、守備側の負担を増やす装置として効いてくる。通路が増えるほど守りは薄くなるが、攻め側も不用意に広がると情報のない駒が迷子になる。ここで生まれるのが「攻めの通路を絞る」「守りの要点を押さえる」という考え方だ。自分の旗の近くは“絶対に割られたくないルート”を決め、そこに強い駒や仕掛けを置く。一方で、相手の背後へ回り込めるルートには、捨て駒や囮を流して相手の手を吸い、空いたところから本命を通す。盤が独特だからこそ、序盤の配置と中盤の交通整理だけで勝負の半分が決まる感覚がある。何手先というより、どの道を太らせるか、どの道を細らせるか。その“地形の読み合い”が、普通の将棋ゲームとは違う快感を生む。

● ローカルルールのクセが武器になる――知った瞬間に上達する設計

本作は軍人将棋の中でも、細部のルールが一般的なイメージとズレやすいタイプを採用している。たとえば、工兵が万能の切り札にならず、タンク相手には通用しない、地雷が相打ちでは終わらない、といった差異は、慣れている人ほど最初に引っかかる部分だ。ただ、この“引っかかり”が学習のきっかけになるのがうまい。ルールを飲み込むと、駒の価値が再評価される。工兵は「切り込み役」ではなく「局面を整える役」へ、地雷は「相打ちで止める壁」ではなく「相手の当て先を縛る圧力」へ、タンクは「怖い強駒」ではなく「相手に使わせて動線を読ませる目印」へ。こうして見立てが変わると、同じ駒でも配置が変わり、手の組み立てが変わり、勝ち方まで変わってくる。つまり本作は、知識がそのまま強さに直結するタイプで、プレイヤーの成長を実感しやすい。負けても納得できるし、勝てた理由も言語化しやすい。長く遊んだ人ほど味が出るのは、この“クセがあるのに筋は通っている”設計のおかげだ。

● BAGUという相手役が作る空気――勝負とギャグの同居がクセになる

本作を語る上で外せないのが、対戦相手BAGUの存在だ。普通のCPU対戦ゲームは、相手が無言で進むか、せいぜい定型メッセージが出る程度で終わる。しかしBAGUは、対局中にギャグや軽口を差し込んでくるため、プレイ感がまるで違う。ここが面白いのは、ギャグが単なる飾りに見えて、実はプレイヤーの集中力に微妙な揺さぶりをかけるところだ。読み合いが詰まってくると、人は視野が狭くなりやすい。そこへ妙な一言が入ると、ムッとして頭が冴えたり、逆に笑って肩の力が抜けたりする。結果として、局面の見落としが減ったり、逆に油断して痛い目を見たりする。BAGUは強さの調整以上に、プレイヤーの感情を動かすことで“相手がいる感”を作る。軍人将棋は本来、人間相手でこそ駆け引きが面白い遊びだが、本作はBAGUのキャラクター性でその不足を埋めている。勝ちたいのに邪魔される、でも憎めない。そんな矛盾が、もう一局を呼び込む。

● 連勝・通算勝利のごほうびが“続ける理由”になる

ボードゲーム系タイトルは、一戦の中身が濃くても、繰り返し遊ぶ理由が弱いと飽きが来やすい。本作はそこを、連勝や通算勝利といった“積み上げ”で補強している。勝ち続けると特別なCGが見られたり、一定の連勝でスタッフロールが出たりと、節目ごとにごほうびが用意されているため、ただ勝つだけでは終わらない。しかもそのごほうびが、妙に脱力系のノリで来るのがまた良い。真面目に勝ちを積み上げるほど、最後に待っているのが“肩透かしの笑い”だったりする。そのズレが、結果として記憶に残る。達成を祝うカッコいい演出よりも、変な絵やオチのある演出のほうが、人は人に話したくなる。本作が長く語られやすいのは、勝負の中身だけでなく、そうした“語りたくなる後味”が節目に仕込まれているからだ。

● 8人登録と戦績管理――家庭内で遊びが循環する

プレイヤー登録や戦績の記録は、単純だが効く要素だ。自分の勝利数・連勝数が残るだけで、今日はどこまで伸ばせるか、次は誰の記録を抜けるか、と目標が自然に生まれる。とくに軍人将棋は、アクションの反射神経ではなく、読みと配置の工夫で勝てる。だから家族や友人間でも、得意不得意の差が出にくく、挑戦が続く。登録枠があることで“誰が遊んでも自分の記録がある”状態になり、ソフトが棚の奥に眠りにくい。MSXが家庭の共有機になりやすかった時代背景とも噛み合っていて、作品の寿命をのばす仕掛けとして地味に強い。

● MSX2ならではのテンポ感――派手さより“思考の間”を大事にした気配

本作は、画面効果で圧倒するタイプではない。むしろ“考える時間”を邪魔しないテンポを優先している印象がある。駒の移動や判定が分かりやすく、盤面の把握がしやすいことは、推理ゲームでは何より大切だ。派手な演出で状況が見えにくいと、軍人将棋の魅力である情報戦が台無しになる。そこを抑えた上で、BAGUのメッセージや節目のごほうびで色を付ける。主役はあくまで盤面の読み合いで、演出は味付けに徹している。このバランスが、当時のMSX2ユーザーにとって“ちょうど良い濃さ”になっていた。じっくり一局、気づけばもう一局。短い刺激ではなく、長い思考の気持ちよさで引っ張る作りだ。

● まとめ:硬派な読み合いと、ふざけた顔の二面性が最大の魅力

『軍人将棋』の面白さは、軍人将棋というルールが生む推理の深さ、盤面の形が作る通路管理の駆け引き、ローカルルールのクセがもたらす学習と上達、そしてBAGUのギャグで緊張と脱力が交互に来る独特のテンションにある。真面目に勝とうとするほど、ふざけた演出が刺さり、ふざけているようで勝負はシビアに進む。その二面性が、単なるボードゲーム移植では終わらない“作品の個性”になっている。一本のソフトに、読み合いの充実と、語りたくなる笑いを同居させた。だからこそ、当時触った人の記憶に残り、後年になっても話題が途切れにくい。遊べば遊ぶほどクセが分かり、クセが分かるほど勝てるようになり、勝てるほどBAGUの存在が気になってくる――そんな循環が、このゲームの魅力そのものだ。

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■ ゲームの攻略など

● まず押さえるべき前提――この作品は「配置の段階で勝負が始まっている」

本作の軍人将棋は、動かしてから強さを発揮するというより、初期配置と初動の流れで勝ち筋の太さが決まりやすいタイプだ。理由はシンプルで、駒が伏せられている以上、序盤は情報が薄い。情報が薄い局面では、盤の地形とルート管理が価値を持ち、そこに合う配置をした側が、少ない手数で安全に情報を取り、相手の侵入を遅らせられる。だから攻略の第一歩は、強い駒をどこに置くかより先に、旗を守る導線をどう設計するかを考えることになる。守備線を一本に絞り、そこへ“当てさせたい駒”を置いて相手の情報取りを誘導する。逆に、こちらが攻めるときはルートを増やし過ぎない。駒の正体が分からない状態で散ると、相手に当てられた瞬間の損失が読めず、局面の収拾がつかなくなる。序盤は一本の太い通路で圧をかけ、途中で枝を増やして回り込む。この段階設計ができるだけで、勝率が目に見えて変わる。

● ローカルルールに合わせた考え方――駒の価値を“作品内の常識”に揃える

軍人将棋は流派や地域で細部の扱いが変わり、本作も独自の取り決めが混じるため、いつもの感覚をそのまま持ち込むと判断がズレやすい。攻略のコツは、駒の役割を最初から言い直すことだ。工兵は万能の切り札ではなく、道を整えるための作業駒として運用するほうが安定しやすい。強駒を倒すことより、危険な地点に踏み込ませない、相手の当て先を限定する、盤面をこちらの都合がいい形に“掃除”する。地雷も相打ちで止める壁というより、相手が当てたくない駒を引っ込めさせる圧力、あるいは相手の突進を鈍らせる楔として置くほうが効く場面が増える。タンクや強い駒に対しては、正面衝突で勝とうとするより、当て先を用意して相手の動線を読ませるための目印にする。ルール差があるほど、倒すゲームから誘導するゲームへ視点を切り替えるのが重要になる。

● 序盤の立ち回り――情報を取りに行く順番を決める

序盤の目的は、相手の駒を全部見ることではない。勝ちに直結する駒、危険な駒、旗に関わる駒の候補を絞ることが目的だ。そこで有効なのが、当て合いの優先順位を決める考え方になる。1つ目は、相手が守っていそうな地点に当てる。旗に近い場所や要所の交差点に置かれた駒は、強いか、重要な特殊駒である確率が上がる。ここへこちらの安い駒をぶつけ、相手の反応を見る。2つ目は、相手が雑に動かす駒に当てる。雑に動かす駒は弱い可能性が高いが、逆に囮として強駒を走らせている可能性もある。だから、当てる前に一手だけ“逃げ道”を用意しておくと安全だ。3つ目は、こちらの旗周辺の安全確認だ。守りが薄いと感じたら、攻めより先に守備の交通整理をして、侵入されても一手で塞げる形を作る。序盤は攻めたくなるが、軍人将棋は一度穴が空くと取り返しにくい。まずは穴を作らない、そのうえで相手に穴を作らせる順番が堅い。

● 中盤の勝負どころ――当て合いを“設計”して強駒を引きずり出す

中盤は情報が増え、当て合いの価値が一気に上がる。ここでの攻略ポイントは、偶然の衝突を待つのではなく、当て合いを設計することだ。具体的には、相手が通りたくなる一本道を用意し、そこへ“相手に当てさせたい駒”を置く。例えば、相手が通過すると脅威になる交差点の手前に、こちらの弱い駒を置いて壁にする。相手は進みたいから当ててくる。その瞬間に相手の駒が判明し、こちらは交換の損得を計算できる。ここで大事なのは、弱い駒をただ捨てるのではなく、捨てた結果として相手のルートが固定されるように置くことだ。相手が強駒を見せたなら、その駒が通る道を予測し、次の当て先を用意する。相手が弱駒を見せたなら、その周辺に強駒がいない可能性が上がるため、別ルートへ圧を移す。こうして情報が増えるほど、盤面の主導権は引き寄せやすくなる。中盤は盤全体で戦うというより、要所を2つか3つに絞り、そこだけ密度を上げると勝ち筋が太くなる。

● 終盤の詰め方――旗の候補地を削り、通路を“細くしてから”通す

終盤で勝ち切れない人は、攻めの広がり過ぎが原因になりやすい。情報が十分に見えてきた終盤こそ、攻めの通路を細くしてから通すのが基本だ。まず、相手の旗があり得る候補地を2つか3つに絞る。そのために、相手の守備の動きから逆算する。旗を守っている駒は、意味のない前進をしにくい。交差点を空けない、特定ルートを譲らない、急に引き返す。そういった挙動が出る場所は候補になる。候補が絞れたら、勝つための道を一本に決め、その道へ必要な駒を集中させる。ここで焦って突っ込むと、地雷や強駒の当て先を間違えやすい。だから、終盤は一手ごとに相手の選択肢を減らす意識が大切だ。相手の逃げ道を消し、相手が当てるしかない場所を作り、当てさせて情報を確定し、最後に通す。旗取りは派手な突撃より、相手の手を縛る地味な一手の積み重ねで決まる。

● 難易度の感じ方――運より“読みの精度”で結果が変わるタイプ

軍人将棋は運の要素があると言われがちだが、実際のところは運を受け止める構えで差が出る。本作はとくに、当て先の設計、守備の導線、情報の取り方で、運の揺れ幅を小さくできる。運が悪い局面に当たっても、被害を一枚交換で済ませる形を作れていれば、局面が崩れにくい。逆に運が良いときは、そのまま勢いで行かず、勝ち筋に必要な情報だけを丁寧に確定していくと取りこぼしが減る。難易度は、相手の一手が強い弱いというより、こちらの不用意な当て方が許されないという意味で手強い。安全な当て合いを積み上げられるようになると、自然と安定して勝てるようになる。

● 実戦で効く小技――“損して得を取る”判断の型を持つ

本作で効きやすい小技は、派手な裏技というより、損得勘定の型を持つことだ。例えば、弱い駒で強い駒を倒そうと考えない。弱い駒は、相手の強い駒を止めるためではなく、相手に強い駒を出させるために使う。交換の目的を、勝利ではなく情報取得に置くと判断が安定する。また、当て合いの直前に一手だけ“逃げの形”を作る癖を付けると、読み違いのダメージが軽くなる。具体的には、当てに行く駒の背後に、同じルートを塞げる駒を置く。これだけで、当て負けしても侵入を止められる。さらに、相手が勢いよく進めてくるルートには、あえて一枚だけ捨て駒を置いて衝突を強制し、相手の正体を早めに開くのも有効だ。相手の攻めを止めるのではなく、攻めの正体を暴いてから止める。この順番が、軍人将棋では強い。

● 初心者がやりがちな負け筋――広げ過ぎ、守り忘れ、当て過ぎ

負け筋はだいたい3つに収束する。1つ目は攻めを広げ過ぎること。駒の正体が分からない段階で散ると、当て負けの連鎖が起き、盤面が一気に崩れる。2つ目は守り忘れ。攻めに夢中になるほど、旗周辺のルート管理が甘くなり、気づいたときには塞ぐ手が足りなくなる。3つ目は当て過ぎ。情報を取りたい気持ちが先走って、無計画に衝突を繰り返すと、交換の損だけが残り、相手に有利な道が開く。対策は明快で、攻めるルートは最初は一本、守りの要点は2か所、当て合いは設計してから。これを意識するだけで、勝負が驚くほど落ち着く。

● 上達のための練習法――一局ごとに“検証項目”を1つ決める

上達が早い人は、一局で全部を直そうとしない。例えば今日は守備の要点を2か所に絞る、今日は当て合いを3回までに制限する、今日は相手の旗候補を終盤までに3つに絞る、といった具合に、検証項目を1つ決めてプレイする。軍人将棋は要素が多いので、課題を限定すると改善が見えやすい。とくに本作はローカルルールのクセがあるため、駒の価値の見立てが揺れやすい。だから、負けたときは当て先の選択が悪かったのか、守備の導線が甘かったのか、候補地の絞りが遅かったのか、どれか一つに分解して次の局へ持ち込む。すると、連勝や通算勝利の積み上げが、ただの記録ではなく成長のログになる。

● まとめ:攻略の鍵は“当て合いの設計”と“通路の管理”

本作の攻略を一言でまとめるなら、偶然に任せて当て合いをするのではなく、当て合いを設計して情報を取り、通路を管理して勝ち筋を通すことに尽きる。序盤は穴を作らず情報を絞り、中盤は要所に密度を集め、終盤は旗候補を削って一本道で詰める。ローカルルールのクセは、駒の価値を作り替えるチャンスでもある。強さで押すのではなく、相手の手を縛って勝つ。そこに慣れた瞬間、本作は単なるテーブルゲームの移植ではなく、推理と誘導の面白さを持つ思考ゲームとして一段深く噛み合ってくる。

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■ 感想や評判

● 当時の受け取られ方――「真面目に遊ぶほど笑わされる」不思議な立ち位置

『軍人将棋』の評判を語るとき、まず面白いのは“褒め言葉の種類が二系統ある”点だ。ひとつは純粋に「読み合いが熱い」「伏せ駒の推理が楽しい」「終盤の詰めが気持ちいい」といった、軍人将棋を思考ゲームとして評価する声。もうひとつは「BAGUがうるさいのに憎めない」「ギャグが妙に頭に残る」「勝ったのに脱力するごほうびがズルい」といった、演出とノリを軸にした評価だ。普通のボードゲーム移植は前者に寄りがちだが、本作は後者が強烈に目立つ。結果として、真面目に勝ちに行く人ほどBAGUの茶化しに反応してしまい、苛立ちと笑いが混ざった独特の感情のままプレイを続けることになる。プレイヤーの感想が「腹が立つ」「でもまたやる」に落ち着きやすいのは、このゲームの個性がしっかり刺さっている証拠でもある。

● 雑誌・メディア視点の評価――“ギャグ要素”を主役にした語られ方

当時のMSX界隈では、ゲームの面白さを「技術」「派手さ」「大作感」だけで測らず、家庭内で繰り返し遊ばれたり、友人同士で話題になったりする“ネタの強さ”も重要な価値になっていた。本作はその価値観と相性が良かったタイプだ。軍人将棋自体は古くからある遊びで、ルールの骨格は硬派寄りなのに、対戦相手のキャラクター演出が勝負の空気を崩してくる。そのギャップが「シリアスに勝負しているのに、横から水を差される」という笑いを生み、プレイ体験そのものが語り草になりやすい。だからこそ、ゲーム雑誌的にも“ネタとして取り上げやすい”存在になった。ここで重要なのは、ギャグを押しているからといってゲーム性が薄いわけではないことだ。むしろ読み合いはしっかり成立していて、勝つためには配置・当て合い・通路管理のセンスが要る。だから、笑えるのに手は抜けない。この二重構造が、記事や特集の題材としても扱いやすく、プレイヤーの記憶にも残りやすかった。

● プレイヤーの“ハマりどころ”――運の揺れを自分の工夫で小さくできる

実際に遊んだ人の感想で多いのは、「運任せに見えて、やり込むと工夫の余地が大きい」というタイプの驚きだ。軍人将棋は伏せ駒のぶつかり合いなので、どうしても結果が偶然に左右される場面が出る。ところが本作は盤面の地形が独特で、要所の抑え方や当て合いの作り方が勝敗に直結しやすい。そのため「運が悪くても、被害を軽くできる」「運が良いときに勝ちを固められる」感覚が育ちやすい。つまり、勝ち負けの波が“プレイヤーの設計”で調整できる。ここがハマりどころになると、一局が終わった直後に「次はこう置こう」「今の当て方は雑だった」と反省が出て、自然に再戦が始まる。思考ゲームとしての手触りが良いので、笑い要素がなくても回り続けるタイプの中毒性がある。そこへBAGUのノイズが入ることで、硬派な反省会がいつの間にか軽い娯楽に変わり、疲れすぎずに何局も続けられてしまう。

● 好意的な声:BAGUの存在が“対人の代わり”になっている

肯定的な評判で象徴的なのは、「CPU戦なのに相手がいる感じがする」という意見だ。軍人将棋は本来、人間同士で遊ぶと相手の癖や心理が見えてきて面白い。しかし一人用になると、どうしても“相手の気配”が薄くなりがちだ。本作はそこをBAGUのキャラクター性で埋めている。対局中に余計なことを言う、勝負の流れに口を挟む、時に挑発する。これが、単なる機械相手の無機質さを和らげる。さらにBAGUの言動が、プレイヤーの心理に影響を与えるのもポイントだ。ムッとして無理な攻めをしてしまう、逆に笑って冷静になる、悔しさで集中が増す。こうした感情の揺れは、対人戦の醍醐味に近い。結果として「CPUの強さ」以上に「相手との勝負をしている感覚」が残り、遊び終えた後の印象が強くなる。

● 好意的な声:ごほうび演出が“やり込みの目印”になっている

連勝や通算勝利に応じて何かが見られる、という仕掛けは、今の感覚だと素朴だが、当時は十分に動機になった。特に本作は、勝ったときの達成感を「かっこよさ」ではなく「脱力」へ落とすのが特徴で、それが逆に“気になる”。普通のごほうびは想像がついてしまうが、変なノリで来られると内容を確かめたくなる。しかも軍人将棋は一局が濃い。濃い一局を積み上げてようやく節目に辿り着くので、ごほうびが軽くても「ここまで来た」という実感は大きい。結果として「あと一勝」「あと一連勝」と目標が細かく刻まれ、遊ぶ理由が切れにくい。

● 否定的な声:ローカルルールの差で“思い込み負け”が起きやすい

一方で、残念寄りの感想として出やすいのが、軍人将棋に慣れている人ほど最初につまずく問題だ。つまり「自分が知っている軍人将棋と違う」という違和感である。工兵や地雷の扱い、ぶつかったときの関係など、細部のルール差は、理解してしまえば“本作の個性”として飲み込める。しかし初見では「そこで負けるのは納得できない」という感情になりやすい。思考ゲームは納得感が重要なので、最初の数局でこれに引っかかると、評価が下がりやすい。ただ、ここを越えると「このルールだからこそ成立する読み合いがある」と気づく人も多く、評価が持ち直すケースもある。つまり賛否の分かれ目は、ルール差を“欠点”として止めるか、“別ゲームとして学ぶ”方向へ切り替えられるかにある。

● 否定的な声:BAGUのギャグが合わないとテンポの邪魔に感じる

BAGUの存在は魅力でもあるが、同時に合う合わないが出やすい。読み合いに集中したいタイプの人ほど、対局中のギャグ表示が「ノイズ」「テンポを切られる」と感じることがある。特に、負けが込んでいるときは、軽口が煽りに見えてしまい、ストレスが増える場合もある。逆に勝っているときは余裕があるので笑える。つまり、同じ演出でもプレイヤーの状況で評価が揺れる。これは欠点というより、作り手が“感情の揺さぶり”を積極的に仕掛けた結果だが、プレイヤーにとっては選べない以上、合わない人がいるのは避けられない。

● 否定的な声:リセット扱いの厳しさが“遊びやすさ”とぶつかる

もう一つ、意見が割れやすいのがリセットを巡る仕様だ。途中で投げる人を抑止し、勝負を最後までやり切らせる設計は筋が通っている。ただ、ボードゲームは一局が長くなりやすいので、家庭環境や時間の都合で中断したいときに厳しく感じることもある。特に、当時のPC環境は今ほど即再開が簡単ではなく、気軽に“セーブして後で”ができない状況もあった。だから、強制的に負け扱いになる仕様は、納得できる人にはスパイスだが、忙しい人にはストレスにもなる。ただこの点も、BAGUのキャラクター性とセットで“茶化しとして受け止められるか”で印象が変わる。笑って済ませる人は気にしないし、真面目に記録を積みたい人ほど腹が立つ。

● 今あらためて語られる理由――“ゲーム体験そのものがキャラクター化している”

総合すると、本作の評判は「硬派な読み合い」と「ふざけた演出」が同居することから生まれる振れ幅によって形作られている。軍人将棋部分だけ見れば、情報戦・誘導・通路管理という骨太の思考ゲームだ。そこにBAGUが絡むことで、勝負の空気が常にねじれ、感情が動き、記憶に残る。結果として、単に“強い/弱い”“面白い/つまらない”では語りにくい。嫌いと言いながら印象が残るし、笑いながら負けて悔しい。そういう矛盾した後味が、年月が経っても話題にしやすい“語りやすさ”につながっている。だから本作は、好きな人にとっては忘れがたい一本であり、合わなかった人にとっても「変なゲームだった」という形で記憶の棚に残りやすい。評判が割れるというより、評判の種類が多い。その多さこそが、このゲームの存在感の強さだと言える。

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■ 良かったところ

● 伏せ駒ゲームとしての完成度――「推理→確定→詰め」の流れが気持ちいい

良かった点としてまず挙がりやすいのは、軍人将棋を“推理ゲーム”として成立させる骨格がしっかりしていることだ。駒が見えない状態で盤面を読み、ぶつかった瞬間に情報が確定し、その確定情報を材料に終盤の詰めへ持ち込む。この流れが一局の中に自然に収まり、プレイヤーの頭の中に「次はこうする」という反省と改善を残してくれる。いわゆる運ゲーに見える瞬間があっても、配置や当て合いの設計で被害を軽くできる場面が多く、負けても“納得できる理由”が残る。思考ゲームとしての満足感が、毎回きちんと返ってくるのは強い長所だ。

● 盤面(地形)の個性――X型+浮島が生む“通路管理”の面白さ

本作の盤は、直線的に押し合うだけでは勝負が決まりにくい形をしている。これが良い方向に働き、軍人将棋を「当て合いの強弱」だけでなく、「どこを通すか」「どこで止めるか」という地形戦に広げている。交差点の取り合い、回り込みの準備、守備の薄いルートの塞ぎ方――こうした“通路管理”の考え方がプレイの中心に来るため、同じルールでも毎局盤面の表情が変わる。配置の段階から戦略性が高く、序盤の数手が“ゲームの設計図”として効いてくる。ボードゲームの良さである「局面ごとに違う筋道が立つ」感覚が、MSX2の画面上でしっかり味わえる。

● ローカルルールのクセが“学習の楽しさ”になる

クセのあるルールは賛否が出やすい一方で、良かったところとして挙げる人も多い。理由は、覚えた瞬間に勝ち方が変わり、上達が目に見えるからだ。工兵や地雷の扱いが一般的なイメージとズレると、最初は戸惑う。しかし、そのズレを飲み込んで「このゲーム内での常識」に合わせると、駒の価値が再定義され、配置も当て合いも急に整理される。すると、以前なら事故に見えた負けが、実は自分の読みの甘さだったと理解できるようになる。思考ゲームにおいて、学習がそのまま強さに直結するのは快感だ。本作はその快感がはっきり出る。クセはあるが、筋は通っている――そう言えるタイプの“癖になる設計”になっている。

● BAGUの存在――CPU戦を“人と遊んでいる感覚”に寄せてくれる

本作の良さを象徴するのが、対戦相手BAGUのキャラクター性だ。CPU戦のボードゲームは、どうしても無機質になりがちで、相手を倒しても“虚しさ”が残る場合がある。しかしBAGUは、対局中に余計なことを言う、ギャグを挟む、時に挑発的に見える。これが、相手がいるような空気を作る。さらに面白いのは、BAGUの言動がプレイヤーの心理に影響することだ。腹が立って慎重になる、笑って気が緩む、悔しさで集中が増す。こうした感情の揺れが生まれると、勝負が“体験”として立ち上がる。つまりBAGUは、強さの調整装置ではなく、対人の気配を模した演出装置として機能している。好き嫌いは出るが、刺さる人には唯一無二の魅力になる。

● “ごほうび”のセンス――真面目な達成が脱力へ着地する面白さ

連勝や通算勝利といった節目に用意された演出は、豪華さではなく“変さ”で勝負している。ここが良かったところとして語られやすい。普通は連勝すると格好いい絵、強そうな称号、派手なファンファーレが来る。しかし本作は、努力の果てに待っているものが、妙にくだらないダジャレ絵だったり、オチのあるスタッフロールだったりする。これが、達成感を笑いに変えてくれる。達成を“自慢”ではなく“ネタ”にする設計なので、プレイヤーは誰かに話したくなる。ボードゲームは記録が残りにくいが、本作は「こんなの出た」「ここまで勝ったらこうなった」という語りが生まれやすい。結果として、遊びがコミュニケーションに接続される。家庭内で共有されやすいMSX文化とも相性が良い。

● 戦績・登録要素――一人用なのに“積み上げ”が残る

プレイヤー登録や勝利数・連勝数の記録があること自体が、遊びを継続させる理由になる。今日どこまで伸ばせたか、前回の自分を超えられたか、家族の記録に追いつけたか――小さな目標が自然に生まれる。しかも軍人将棋は短時間で終わる勝負もあれば、じっくり考える勝負もある。気分と時間に合わせて遊び方が変えられるので、記録が途切れにくい。長いゲームは続けにくいが、続けたくなる要素が用意されている。この“地味に強い”継続性は、当時のPCゲームとしてかなり評価されるポイントだ。

● テンポの良さ――考えるゲームなのに“疲れ切らない”

思考ゲームは、難しいほど疲れる。本作はその疲れを、演出とテンポのバランスでほどよく調整している。盤面把握がしやすく、操作が引っかかりにくいと、考えることに集中できる。そこへBAGUの軽口が入ることで、緊張が解けたり、逆に気持ちが締まったりして、精神的なリズムが作られる。真面目にやっているのに笑う瞬間がある、笑った直後に読み直して真顔になる――その繰り返しが、疲労の偏りをならしてくれる。結果として「もう一局」が自然に出てくる。ボードゲーム系でこの“もう一局の強さ”を持っているのは、意外と貴重だ。

● まとめ:硬派と軟派の同居が“唯一無二の良さ”になっている

良かったところを総合すると、本作は軍人将棋としての推理・誘導・詰めの面白さを土台にしながら、BAGUのギャグと節目のごほうびで体験をキャラクター化している点が最大の長所になる。真面目に勝とうとするほど、ふざけた演出が刺さり、ふざけた顔をしているのに勝負は真剣に組み立てないと勝てない。その矛盾が、遊びの記憶を強くする。結果として、単なるルール移植を超えて「このゲームでしか味わえない空気」を作っている。だから、多少クセがあっても“良いところ”が語られ続ける。一本のソフトに、考える楽しさと、笑いの後味を両立させた。そこが、このMSX2版『軍人将棋』のいちばんの良さだ。

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■ 悪かったところ

● ルールのクセが強く、初見の“思い込み”を容赦なく壊す

悪かったところとしてまず挙がりやすいのは、軍人将棋に慣れている人ほど初見でつまずきやすい点だ。本作はローカルルールが前提になっているため、一般的に想像されがちな駒の相性や勝敗の感覚とズレが出る。ところがゲーム側はそのズレを丁寧に“言い訳”してくれない。プレイヤーが「この駒なら勝てるはず」と思ってぶつけた瞬間、あっさり負けてしまい、そこで初めて「この作品の常識は違う」と気づくことになる。学習の楽しさにつながる部分ではあるが、導入としては不親切に感じる人がいる。特に、軍人将棋を自分のルールで長く遊んできた層ほど、負けた理由が飲み込みにくく、「納得感が薄い」と感じてしまう。最初の数局でこの違和感を越えられないと、面白さが立ち上がる前に離脱してしまうのが難点だ。

● 取扱説明の範囲では補えない“実戦でしか分からない罠”が多い

思考ゲームは、ルールが分かった時点でようやくスタートラインに立つ。本作の場合、そのスタートラインがやや遠い。表面的なルールを理解しても、盤面の形や駒の価値の再定義が必要で、実戦で痛い目を見ながら覚える部分が大きい。これは硬派である一方、遊びやすさの面では弱点になりやすい。対人なら「そのルールだよ」と一言で済むが、コンピュータ相手だと気づくまでに数回失敗し、その失敗が“理不尽”に見えてしまうことがある。慣れた人にはスパイスだが、初期の学習コストが高く、最初の印象で損をしているタイプの欠点だ。

● BAGUのギャグが合わないと、集中を削る“ノイズ”になる

本作最大の個性であるBAGUの存在は、悪かったところにもなり得る。ギャグや駄洒落の挿入が好きな人には癖になるが、勝負に没入したい人には単純に邪魔に感じられる。伏せ駒の推理は、思考の集中が命だ。そこへ割り込みが入ると、脳内の読み筋が途切れ、次の手の計算がやり直しになってしまう場合がある。しかも、負けが込んでいるときほど、BAGUの軽口は“煽り”として刺さりやすい。笑えない状況のときに笑いを強要される感覚が生まれると、一気にストレスが増える。演出のオン/オフや表示頻度の調整ができる設計だったなら、もっと受け入れられる層が広がった可能性がある。個性が強い分、相性で損をする欠点だ。

● “勝負を投げさせない”仕様が、生活リズムと衝突する

途中でリセットをするとペナルティ的な扱いになる、という方向性は、勝負を最後までやり切らせる意志の表れでもある。しかしこれは、遊ぶ側の生活事情とぶつかることがある。軍人将棋は局面によっては一局が長引きやすく、途中で用事が入ったり、家族にPCを譲らないといけなかったりすることもある。そうした事情で中断したいときに、負け扱いが確定するのは精神的な負担になる。真剣に戦績を積み上げたいほど、“中断できない”ことが重くなる。ゲーム側の姿勢としては筋が通っているが、家庭用・家庭内で共有されやすいMSX環境においては、もう少し柔らかい救済があっても良かったと感じる人はいる。

● CPU思考の“癖”が見えてくると、読み合いが単調化する局面がある

一人用ボードゲーム全般の弱点として、繰り返すほどCPUの癖が見えてしまう問題がある。本作も例外ではなく、ある程度やり込むと「こういう局面ではここに来やすい」「このルートを優先しがち」といった傾向が掴めてくる。すると読み合いが「相手の心理」から「CPUのパターン」へ寄っていき、勝負の驚きが減る局面が出る。もちろん、伏せ駒のランダム性があるので完全に固定にはならないが、上級者が最短で勝ち筋を通すプレイを繰り返すと、対戦が作業的に感じられる場面も出やすい。BAGUのギャグが変化を作る一方で、戦術面の変化はプレイヤー側で縛りを設けないと薄くなることがある。

● 盤面の個性が“遊びやすさ”とトレードオフになっている

X型+浮島の盤は本作の魅力だが、悪かったところにもなり得る。盤が複雑になるほど、初心者は要点を掴みにくい。守るべきルートが多いように見え、どこに駒を置けば良いか分からず、結果として守備が散りやすい。散った守備は穴になり、穴は旗取りに直結する。つまり盤の個性が、初見の難しさを増幅する。慣れれば地形戦が面白いが、慣れる前は「何をすればいいか分からない」という状態に陥りやすい。分かりやすいチュートリアルや、初期配置の例が複数提示されるような構成があれば、盤の面白さがもっと早く伝わったはずだ。

● 地味さゆえの誤解――“ギャグだけのソフト”に見えてしまう危険

本作は見た目の派手さより思考の濃さで勝負するタイトルだ。ところがBAGUの存在が強烈すぎて、外から見ると“ギャグソフト”の印象が先に立つ。これは売りにもなるが、同時に損にもなる。真面目な思考ゲームを求めている人が「ふざけたゲームだ」と避けてしまう一方、ギャグだけを求めて買った人が「意外と真剣で難しい」と感じて離れる可能性がある。個性が尖っているほど、宣伝文句や評判の切り取り方で誤解が生まれやすい。ゲーム内の二面性が魅力なのに、入口で片面だけが強調されてしまう。この“受け取られ方のズレ”は、評価の安定性という意味で悪いところになり得る。

● まとめ:クセの強さが“合わない人には刺さり過ぎる”のが欠点

悪かったところをまとめると、本作は「ローカルルールの学習コスト」「BAGU演出の相性」「中断のしにくさ」「やり込み後の単調化」「盤面の分かりにくさ」といった要素が、合わない人にとってはストレスになりやすい点に集約される。逆に言えば、これらを受け入れられる人には唯一無二の魅力になるのだが、万人向けではない。硬派な推理ゲームを遊びたいのに演出が邪魔、演出を楽しみたいのに思考が重い――そのズレが起きると評価が下がる。尖った個性は長所でも短所でもある。本作はその典型で、面白さに到達する前に“クセ”で弾かれてしまう可能性がある。そこが、当時から今に至るまで語られやすい欠点だと言える。

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■ 好きなキャラクター

● このゲームで“キャラクター”を語る意味――駒ではなく「BAGU」を中心に愛される

『軍人将棋』は本来、駒そのものがキャラクターとして立つタイプのゲームではない。駒は階級や役割を表す記号で、しかも伏せられている時間が長いから、見た目の可愛さや台詞で愛着が生まれる構造ではない。だからこそ、本作で「好きなキャラクター」と言われたときに、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは対戦相手のBAGUになる。BAGUは、盤上の駆け引きと別軸で存在感を放ち、プレイ体験の記憶を“顔つき”にしてくれる。勝負の相手であり、実況役であり、時に邪魔者であり、時に気分転換でもある。軍人将棋という硬派な土台の上で、BAGUだけがはっきり人格を持っている。この一点だけで、BAGUはプレイヤーの好き嫌いを引き受ける立場になり、結果として語られやすいキャラクターになる。

● BAGUが好きと言われる理由①:うるさいのに“憎めない”絶妙な距離感

BAGUの魅力としてよく言われるのは、まず「うるさい」という欠点が、そのまま個性として成立している点だ。静かな思考ゲームに、あえて茶々入れをする。勝負の緊張が高まっているほど、わざと空気を読まない。この“空気の読まなさ”が、プレイヤーにとっては腹立たしくもあり、同時に場を軽くする効果にもなる。勝負に真剣になり過ぎると、負けたときのダメージが大きくなるが、BAGUが余計なことを言うことで、悔しさが笑いへ逃げる道が作られる。つまりBAGUは、勝負の相手でありながら、プレイヤーの感情を受け止めるクッションにもなっている。この距離感が絶妙で、だからこそ「嫌いと言いながら、結局気になる」という評価に落ち着きやすい。好きなキャラというより、忘れられない相手として愛されるタイプだ。

● BAGUが好きと言われる理由②:対人戦の代わりになる“相手の気配”

軍人将棋の醍醐味は、本来は対人戦にある。相手の癖、心理、迷い、焦り――そういうものが手の動きに出て、それを読むのが楽しい。しかし一人用になると、その面白さが薄れがちだ。本作のBAGUは、台詞やギャグで存在感を補い、盤面の向こうに“相手がいる感覚”を作る。CPUの一手がどうこうというより、BAGUがいることで勝負に体温が生まれる。勝っても負けても、無言の機械相手より記憶が残るのは、この体温のせいだ。さらに、BAGUの言動がプレイヤーの行動を変えてしまうのも面白い。挑発に見えて無理な攻めをしてしまう、逆に悔しくて守りが丁寧になる、笑って一呼吸置ける。こうした“感情によるプレイの変化”は対人戦に近い。BAGUはゲームの強さではなく、相手の気配を演出するためのキャラクターとして、しっかり役割を果たしている。

● BAGUが好きと言われる理由③:勝利のごほうびや演出で“裏の顔”が見える

キャラクターが好きになる理由には、変化や裏側が見えることが大きい。本作は連勝や節目の条件で演出が用意され、そこでBAGUの“種明かし”のような面が垣間見える。普段は適当なことを言っているようで、実は演出の仕掛け人だった、というニュアンスが出ると、単なるマスコット以上に“作品の案内役”としての格が上がる。勝ち続けることでBAGUの別の表情が見える、という体験は、対戦ゲームとしてのやり込みとキャラクター愛を自然に結びつける。頑張った先に待つのが派手な称号ではなく、くだらないオチや脱力のごほうびだったとしても、その“くだらなさ”こそがBAGUらしい。プレイヤーはそれを確認するために、また一局やってしまう。好きなキャラというより、強制的に生活に入り込んでくる厄介な相棒のように、愛着が形成される。

● BAGUが苦手な人の気持ちも含めて“キャラとして完成している”

逆に、BAGUが苦手という意見も多い。集中を切る、煽られている気分になる、真面目に遊びたいのに邪魔――そうした反応は自然だ。ただ、この“嫌われ方”が起きること自体、BAGUがキャラクターとして成立している証拠でもある。無機質なCPUは嫌われにくいが、同時に愛されにくい。BAGUは、好きな人にも嫌いな人にも感情を起こさせる。その感情が、ゲーム体験を強くする。結果として、評価は割れてもBAGUの話題だけは残る、という状態になる。作品の象徴が一ついるだけで、ゲームは記憶の棚に残り続ける。本作は、まさにBAGUがその役目を背負っている。

● “駒”への愛着――キャラクターというより「推理の相棒」としての好み

本作では、駒そのものを“キャラクター”として好きになるというより、役割の好みが生まれやすい。例えば、相手の要所を暴くために犠牲になる駒を好む人もいれば、最後まで温存して旗取りの本命にする駒を好む人もいる。地雷のように置くだけで相手の手を縛れる駒は、盤面の形を作るのが好きな人に刺さる。工兵のように局面を整える駒は、派手さより計画性を好む人に刺さる。タンクや強い駒は、ここぞという場面で通したときの快感が大きい。ただし、これらは“キャラ愛”というより“役割愛”だ。自分の勝ち筋の中で輝いた駒に愛着が湧く。軍人将棋らしい、冷静で実務的な愛着の形と言える。

● 自分の“好きなBAGU像”が固まる瞬間――勝負の思い出と一体化する

面白いのは、BAGUは台詞やギャグの内容そのものより、どの局面で何を言われたかが記憶に残りやすいことだ。逆転されそうなときに妙な一言を言われて冷静になれた、終盤の読み合いで煽られて突っ込み負けした、連勝中に茶化されて逆に燃えた。そうした勝負の思い出とBAGUが結びつくと、BAGUはただの演出役ではなく、自分の戦績の“同伴者”になる。好きなキャラクターとは、必ずしも可愛い・格好いいだけではなく、時間を共有した相手のことでもある。本作のBAGUはまさにそのタイプで、長く遊ぶほど“自分のBAGU像”が固まっていく。

● まとめ:好きなキャラを一人挙げるなら、やはりBAGUが象徴になる

『軍人将棋』で好きなキャラクターを挙げるなら、ほとんどの語りはBAGUに集約される。盤上の駒は役割の記号であり、愛着は役割や勝ち筋の中で形成される。一方BAGUは、言動と存在感でプレイヤーの感情を揺らし、CPU戦を“対人の気配”に近づけ、勝負の記憶を顔つきにしてくれる。好き嫌いが分かれるほど個性が強く、だからこそ忘れられない。勝ちたいのに邪魔される、邪魔されるのにまた会いたくなる――その矛盾を成立させている時点で、BAGUはこの作品の“キャラクター”として完成している。

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●対応パソコンによる違いなど

● まず結論:この“KLON開発・パックインビデオ発売の『軍人将棋』”は、基本的にMSX2向け単独作品として語られる

最初に前提をはっきりさせておくと、1987年12月16日にパック・イン・ビデオから出たMSX2版『軍人将棋』は、当時の資料上「MSX2用のコンピュータゲーム」として整理されており、同一内容をそのまま別機種へ移した“公式の同内容移植版”が広く知られているタイプではない。開発はKLON、発売はパック・イン・ビデオ、媒体はMSX2のディスク作品として扱われることが多い。 だからこの章では、「MSX2版はMSX2版としてどんな前提・要求環境があり、もし別機種で“軍人将棋”が遊べるとしたら何が変わるのか」を、同ジャンル(軍人将棋/軍人将棋風ボードゲーム)として他機種に存在する作品と並べて“違いが見える形”で整理していく。つまり厳密には「同タイトルの完全移植比較」というより、「同名・同系統ゲームが機種ごとにどう味付けを変えたか」という比較になる。ここを取り違えると、存在しない移植をあるものとして語ってしまうので注意が必要だ。

● MSX2版(1987)の“機種要件”が作る遊び心地――ディスク媒体・VRAM前提・腰を据えた思考時間

MSX2版は、媒体がディスクであること、そしてMSX2環境(作品情報上はMSX2+128KB VRAM要求のような条件が記載されることがある)が前提になりやすい点が、まず遊びの空気を決めている。 ディスク作品であることは、単に読み込みの話だけではなく、「起動して、登録して、戦績が積み上がって、また起動する」という“腰を据えた反復”と相性が良い。ROMカートリッジのように瞬発的に何度もリセットして遊ぶというより、勝負の流れと記録が一体になっていく感触がある。さらにMSX2の画面表現は、派手なアクションを見せるより“盤面を分かりやすく置く”方向に向きやすく、ここが軍人将棋と噛み合う。軍人将棋は、情報が見えないぶん、見えている盤面の整理が命だ。盤面が見やすいほど読みが進み、読みが進むほど一手が重くなる。MSX2版はこの“重さ”を邪魔しない設計と相性がいい。加えて本作は対戦相手BAGUのギャグ演出が特徴になっており、思考の合間に笑いが差し込まれることで、黙々と詰めるだけでは出ない独特のテンションが生まれる。これは同ジャンルでも珍しい“空気づくり”で、同じ軍人将棋でも後年の別機種作品とキャラクター性の方向が変わってくる。 要するにMSX2版は、機種の性格(家庭のPC、思考ゲーム向きの画面の落ち着き、ディスクの反復)と、作品の性格(推理・誘導・戦績の積み上げ・BAGUのノイズ)が、同じ方向に寄っている。その噛み合いが“この版ならでは”の居心地を作っている。

● 「アーケードで同タイトルがある?」への整理――少なくとも有名な同内容アーケード版としては扱われにくい

軍人将棋自体は対戦・短時間勝負の題材としてアーケードに向いていそうに見えるが、MSX2版『軍人将棋』が「アーケードへ同内容移植された」あるいは「同じBAGU付きでアーケード展開された」という形で有名になっているわけではない。一般的な資料では、MSX2向けの一本として紹介されることが多い。 もし仮にアーケード化するとしたら、最も変わるのはテンポだ。1クレジットでどれだけ遊べるかが設計の中心になるため、思考時間を削る仕組み(制限時間、強制進行、演出の高速化)が入りやすい。軍人将棋は読みのゲームなので、テンポを上げるほど“推理の余白”が削れる。その代わり、見ていて分かる盛り上がり(派手な勝敗演出、駒の正体公開のドラマ)を増やす必要が出る。つまりアーケード版が成立するなら、MSX2版のような「黙って考えて、ときどきBAGUに邪魔される」味より、“短期決戦の興行”へ寄るはずだ。MSX2版の良さがそのまま移植されるというより、別物として再設計される可能性が高い。ここが「家庭用PC向け」と「アーケード向け」の決定的な違いだ。

● 家庭用ゲーム機での“軍人将棋”はどう変わる?――代表例:ファミコン(1989)

家庭用ゲーム機に目を向けると、軍人将棋を題材にした作品は存在する。その代表例としてよく挙げられるのが、ファミリーコンピュータ向けの『帰って来た!軍人将棋 なんやそれ!?』だ(発売元はソフエル、発売日は1989年5月26日としてまとめられている)。 この系統がMSX2版と最も違ってくるのは、「誰が触ってもすぐ始められる」方向へ寄りやすい点だ。ファミコンは家庭のリビングで遊ばれやすく、操作もシンプルで、短時間で区切れる設計が求められる。結果として、盤面の見せ方やテンポが“観戦しやすい”方向へ動くことが多い。反面、MSX2版のように戦績を積み上げながら一人で粘る、あるいはCPUの癖を読んで自分の読みを磨く、といった“継続の渋さ”は弱まりやすい。もちろん作品ごとの出来不出来は別として、同じ軍人将棋でも「遊ぶ場の想定」が変わるだけで、気持ちよさの軸がズレる。MSX2版が“自室でじっくり”なら、ファミコン系は“家族・友人が近くで見ている前提”に寄りやすい、という違いが出る。

● 16bit世代の家庭用:スーパーファミコン(1996)――演出とモード構成が厚くなりやすい

さらに時代が進むと、スーパーファミコンでも『平成軍人将棋』のように軍人将棋を扱う作品が出てくる(発売日は1996年1月26日として紹介されることがある)。 この世代になると、機能面でまず差がつく。メニュー構成、説明の厚み、対戦条件、遊び方のバリエーションなど、“ゲームとしてのパッケージ”が増えやすい。MSX2版が「ルールのクセを理解して上達していく」ストイックさを持つのに対し、後年の家庭用作品は「初心者の入口を作る」ことが設計に含まれやすい。たとえばチュートリアル的な説明、段階的な難易度、モード選択などだ。軍人将棋はルール差でつまずきやすい題材なので、この入口があるだけで印象が変わる。逆に言うと、MSX2版は入口が薄い代わりに、理解した瞬間に“自分の頭が強くなった”実感が濃い。ここはどちらが上というより、気持ちよさの種類が違う。

● キャラクターIPとの融合:プレイステーション(2001)――軍人将棋が“素材”として再構成される

軍人将棋は駒の役割が分かりやすいので、キャラクターIPとの相性が良い。実際にプレイステーション向けの『機動戦士ガンダムTHE軍人将棋』のように、軍人将棋をベースにしつつ、駒を作品世界の要素に置き換えたタイトルが登場している(2001年10月25日発売として報じられている)。 このタイプがMSX2版と決定的に違うのは、「軍人将棋をそのまま再現する」より、「軍人将棋を“遊びの骨格”として使い、世界観や演出で遊びの理由を足す」方向へ寄ることだ。駒の正体が隠れているという性質は、ロボットやキャラクターの“正体判明”演出と相性が良い。さらに、シナリオモードやステージ制など、ボードゲーム単体では生まれにくい“進行の物語”を付けやすい。ニュース記事でも、CPU対戦だけでなくシナリオモードなど複数の遊び方が用意される旨が触れられている。 一方で、MSX2版の魅力であるBAGUの“場違いな茶々入れ”のような尖りは、IP作品では置き換えが難しい。世界観に合わせるなら真面目に寄せる必要があるし、ギャグをやるなら作品側のノリへ寄せる必要がある。つまり、MSX2版の個性は“軍人将棋+BAGU”で成立しているため、他機種の軍人将棋が増えるほど、逆にこの版の異物感が際立つ。

● パソコン(Windows)系の“軍人将棋”――低価格・軽量・手軽さが前に出る

同じ“パソコン”でも、時代がWindowsに移ると、軍人将棋は「安く、軽く、さっと遊べる」方向で商品化されやすい。たとえば2003年にマグノリアから低価格シリーズとして出た『Challenge Price 498 軍人将棋』は、CPU対戦専用・難易度段階・駒配置記録・盤面サイズ違いなど、手軽さを意識した特徴がまとめられている。 ほかにもPC向けの軍人将棋ソフトは流通情報が見つかる。 この系統がMSX2版と違うのは、“儀式感”が薄い代わりに“摩擦の無さ”が強い点だ。MSX2版はディスク起動や当時の環境込みで「よし、やるか」と腰を据える感じが出る。一方Windowsの低価格ボードゲームは、空いた時間に数局回す用途が強い。テンポが軽いほど、BAGUのような濃い演出は好みが割れやすくなるので、無難にまとめる方向になりがちだ。結果として、軍人将棋を“道具”として遊ぶ感覚が強まり、クセの強さは薄まる。その代わり、初心者が触れる入口としては優しくなる。軍人将棋を“長く付き合う思考パズル”として育てたい人はMSX2版に戻ってきやすく、軍人将棋を“気分転換の定番テーブル”として持ちたい人はWindows系が便利、という棲み分けが生まれる。

● まとめ:MSX2版は「軍人将棋+BAGU+記録」の“癖のある完成形”、他機種は「入口・演出・モード」で別方向に最適化される

MSX2版『軍人将棋』は、KLON開発・パックインビデオ発売の一本として、MSX2ディスク作品の枠内で強い個性を完成させたタイトルとして語られやすい。 そして軍人将棋という題材自体は、その後もファミコン、スーパーファミコン、プレイステーション、Windowsなど、別の器に乗っていく。 ただし器が変わると、最適化の方向も変わる。家庭用機は“みんなの前で遊べる分かりやすさ”、16bit以降は“モードの厚みと入口の整備”、IPものは“駒の置き換えと世界観の満足”、Windows低価格系は“軽さと手軽さ”。そのどれもが、MSX2版の「真面目に読み合うほど、BAGUに茶化される」という矛盾した味とは違う方向へ動く。だからこそMSX2版は、後年に他機種の軍人将棋を触った人が“原点とは違う妙なやつ”として興味を持ち直す、独特の立ち位置になっている。軍人将棋という素材をどう料理するか。その“料理人の癖”が一番濃いのが、このMSX2版だと言える。

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●同時期に発売されたゲームなど

1987年のパソコンゲーム界は、「家で遊べるのに、家庭用ゲーム機とは違う尖り方がある」タイトルが一気に増えた時期です。RPGは物語と手触りの両立を競い、シューティングはROM容量と表示制限の中で職人芸の最適化が進み、アドベンチャーは“文字を読む面白さ”を映像と演出で底上げしていきました。『軍人将棋』のように、既存の遊び(アナログゲーム)の奥深さを一人用に落とし込む発想も、当時の「家庭内で何度でも遊べる形に作り直す」潮流と相性が良いです。ここでは、同時期(1987年前後、とくに同年内)に発売された代表的な人気パソコンゲームを10本、当時の基本情報と“どんな面白さだったか”が伝わるようにまとめます。

★イース -Ancient Ys Vanished Omen-(PC-8801版)

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1987年 ・販売価格:7,800円 ・具体的なゲーム内容:アクションRPG(見下ろし視点、体当たり攻撃で戦う“バンプ”系の戦闘が特徴) 物語性の強いRPGが「コマンド選択」だけに寄りがちだった時代に、操作の気持ちよさと成長の快感を同時に押し出した一本。敵に触れる角度や位置取りでダメージが変わるため、単純にレベルを上げるだけでなく、プレイヤー自身の“うまさ”が結果に出るのが大きいです。装備更新の達成感、フィールドの危険地帯を少しずつ越えていく緊張感、そして“古代史”めいた世界観が、当時のPCユーザーが求めた「長く浸れる冒険」の形に合っていました。

★ソーサリアン(PC-8801mkIISR版)

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1987年 ・販売価格:9,800円(税別表記) ・具体的なゲーム内容:アクションRPG(複数シナリオを“好きな順で遊ぶ”構成、パーティ編成と成長要素が肝) “メインストーリー一本道”ではなく、短編シナリオの束をプレイヤーが選んで攻略していく形式が新鮮でした。シナリオごとに求められる準備や立ち回りが違い、同じキャラクターでも「得意な局面/苦手な局面」がはっきり出るため、遊び方そのものがコレクション的になっていきます。パソコンゲームらしく、データを育てて積み上げる楽しさが強い一方、瞬間的な判断やアクションの精度も要求され、RPGとアクションの“いいとこ取り”を狙った代表格として語られやすいタイトルです。

★ハイドライド3(PC-8801版)

・販売会社:T&E SOFT ・販売された年:1987年 ・販売価格:7,800円 ・具体的なゲーム内容:アクションRPG(広いフィールド探索、戦闘と移動のテンポ、BGMや演出の強化が話題) シリーズの流れを汲みつつ、当時の“新しさ”を盛り込んだ進化形として語られがちです。見た目のスケール感、フィールドの危険と安心の配置、探索の導線の引き方など、遊ぶほどに「次はどこを確かめるべきか」が感覚で掴める作り。アクションRPGが一般化しつつあった1987年に、老舗が“ちゃんと今風にアップデートしてみせた”立ち位置で、同時期作品と並べると時代の空気が見えやすい一本です。

★メタルギア(MSX2版)

・販売会社:コナミ ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,380円 ・具体的なゲーム内容:ステルスアクション(敵に見つからない動線づくり、装備管理、潜入の緊張感を軸に進める) 当時のアクションは「撃って倒して進む」が王道でしたが、これは“見つからないこと”を勝ち筋にした発想が強烈でした。敵の視界や巡回の癖を読む、物陰を使う、不要な戦闘を避ける――いわば盤上ゲームのように状況を整えながら前進するタイプで、単なる反射神経勝負になりません。MSX2という環境の制約を逆手に取り、緊張感と情報戦を面白さに変換したのがポイントで、後年のシリーズ的な価値とは別に、1987年の“設計思想の尖り”としても目立ちます。

★グラディウス2(MSX版)

・販売会社:コナミ ・販売された年:1987年 ・販売価格:5,800円 ・具体的なゲーム内容:横スクロールシューティング(MSX向けに独自設計された続編、武装選択と攻略ルートの組み立てが肝) 同じシューティングでも、アーケードの再現ではなく「MSXで成立する最適解」を最初から作り込んだタイプ。ステージ構成や敵配置が“家庭で繰り返し遊んで攻略する”方向に調整されていて、暗記と対処の積み重ねが上達に直結します。パワーアップの選択も、派手さより“安定して抜ける形”を探す面白さが強く、当時のユーザーが何度も遊んで腕前を誇り合う題材として定番になりました。

★ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー(MSX2版)

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,800円(税別表記) ・具体的なゲーム内容:アクションRPG(家族それぞれの特性を活かして進む、操作キャラ切替と探索の組み合わせが特徴) “勇者ひとり旅”ではなく、家族ユニットで戦うという発想が、RPGの当たり前を少しズラしてくれます。誰を前に出すか、どの役割で危険地帯を抜けるか、要するに「編成と順番」が攻略の中心に入り込む作り。これが、戦闘の瞬発力だけでなく、手順や判断で勝てる感触に繋がっていました。アクションRPGなのに“段取りのゲーム”にもなるところが、同時期のRPG群の中でも独特です。

★JESUS(ジーザス)(PC-8801版)

・販売会社:エニックス ・販売された年:1987年 ・販売価格:7,800円(資料によっては別表記もあり) ・具体的なゲーム内容:SFアドベンチャー(事件の手がかり収集、会話・調査の積み重ねで真相に近づくタイプ) “読む・考える・確かめる”が中心のアドベンチャーで、派手な操作ではなく、情報の積み上げが快感になる一本。コマンド型のゲームは、当たりを引くまでが作業になりやすい欠点もありますが、本作は状況整理の面白さで引っ張る設計が評価されやすいです。1987年はRPGとシューティングが目立ちますが、こうした“物語で引き込むPCゲーム”も確かに強く、ジャンルの幅を象徴する存在と言えます。

★沙羅曼蛇(MSX版)

・販売会社:コナミ ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:シューティング(協力2人プレイや縦横スクロールなど、限られた容量で欲張った構成が特徴) 同じ1Mbit級の枠の中で、協力プレイや多彩なステージ表現を詰め込もうとした“挑戦作”として語られがちです。期待値の高さゆえに評価が割れやすいタイプでもありますが、家庭用(=家で何度も遊ぶ前提)に寄せた調整が濃く、うまく噛み合うと「二人で攻略手順を作る」楽しさが強烈に出ます。シューティングの面白さを反射神経だけに寄せず、役割分担や安全地帯の共有へ伸ばしていった点が、1987年らしい“遊びの広げ方”です。

★上海(PC-8801版)

・販売会社:システムソフト ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,500円 ・具体的なゲーム内容:パズル(麻雀牌をペアで消していく、手順最適化と先読みが楽しい定番ルール) 一見地味でも、遊ぶほどに思考が深くなる“手順パズル”の強さを、パソコンに定着させた代表格。派手な演出がなくても成立するので、起動してすぐ遊べて、短時間でも満足できる。逆に言えば、ちょっと遊ぶつもりが止まらない中毒性があり、RPGやSLGの合間の定番として広まりやすいタイプです。1987年のPC市場が「長編」だけでなく「反復する快感」も求めていたことが、このジャンルのヒットでよく分かります。

★ぎゅわんぶらぁ自己中心派(PC-8801版)

・販売会社:ゲームアーツ ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:テーブルゲーム(麻雀。個性的な相手や演出で“勝負の物語”を作るタイプ) 麻雀ゲームは“ルール再現だけ”でも成立しますが、本作はそこにキャラクター性や駆け引きのドラマを乗せ、ただの対局を「勝負の見せ場」に変える方向に寄っています。運と実力が混ざるゲーム性は、何度遊んでも展開が変わりやすく、勝った負けたがそのまま記憶に残る。パソコンゲームらしい“相手の癖を読む”要素も強く、同時期のRPG・SLGとは違うベクトルで、長く遊べる定番になりやすい一本です。

★OGRE(PC-8801版)

・販売会社:システムソフト ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:シミュレーション(ボードゲーム的なユニット配置と射程管理、手順の読み合いで勝つタイプ) PCゲームの強みは、紙の盤面や大量のコマを使う遊びを、手軽に“何度でも”回せるところにあります。『OGRE』系のSLGはまさにそれで、派手な演出より、位置取り・射程・リソース配分といった“考える楽しさ”が中心。勝ち方が一つではなく、守りを固めるか、機動力で翻弄するか、といった作戦の選択がプレイヤーの色になります。『軍人将棋』のような思考型タイトルが好きな人ほど、同時期にこうしたSLGへ自然に流れていった空気が想像しやすいはずです。

以上の10本は、1987年という年が「RPG・シューティング・アドベンチャー・パズル・SLG」を同じ土俵で盛り上げていたことを示す代表例です。『軍人将棋』を遊ぶ感覚(読み合い、手順、相手の癖の想像)も、当時の人気作の多くに通じていて、“ただ速いだけ”ではない面白さが主流になっていく時代の入口だった、と捉えると並べて見たときの納得感が強くなります。

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