【発売】:フライハイワークス
【開発】:エスカドラ
【発売日】:2017年3月3日
【ジャンル】:音楽ゲーム
■ 概要・詳しい説明
スマートフォン発の人気リズムゲームがNintendo Switch初期に登場
『VOEZ』は、2017年3月3日にフライハイワークスからNintendo Switch向けに発売されたリズムゲームで、台湾のゲームメーカーRayarkが手がけた音楽ゲームを家庭用ゲーム機向けに展開した作品です。Nintendo Switch本体と同日に登場したソフトのひとつであり、ローンチ期のタイトルの中では、アクションやパーティゲームとは異なる方向からSwitchの可能性を示した存在でした。最大の特徴は、Joy-Conを握って操作する一般的なゲームではなく、Switch本体のタッチスクリーンを直接使って遊ぶ音楽ゲームとして作られていた点です。画面上部から流れてくるノーツを、曲のリズムに合わせてタッチしたり、押し続けたり、なぞったりすることで演奏感を味わう内容で、スマートフォン版の直感的な操作感をSwitchの画面サイズに合わせて再構成しています。一般的な音楽ゲームでは、決められたレーンに沿ってノーツが降ってくる形式が多いですが、『VOEZ』ではそのレーン自体が楽曲の展開に合わせて動き、増え、消え、色を変えます。そのため、プレイヤーは単にタイミングよく画面を押すだけでなく、音楽そのものが画面上で踊っているような視覚演出を味わいながらプレイできます。
Rayarkの音楽ゲーム系譜に連なる青春ドラマ型の作品
Rayarkは『Cytus』や『DEEMO』など、音楽と独自の世界観を結びつけた作品で知られるメーカーです。『VOEZ』もその流れを受け継ぎながら、前作系統とは違う明るく爽やかな方向性を持っています。『Cytus』が近未来的な印象、『DEEMO』が幻想的な物語性を持っていたのに対し、『VOEZ』は高校生たちのバンド活動、仲間との出会い、夢への挑戦を中心にした青春群像劇として構成されています。舞台となるのは、台湾の宜蘭をイメージした架空の町「蘭空町」です。海や空、学校、街並みを思わせる開放的な空気の中で、蘭空高校に通う少年少女たちが音楽を通じてつながり、バンド「VOEZ」として成長していく姿が描かれます。音楽ゲームでありながら、ただ曲を選んでスコアを競うだけではなく、キャラクターたちの生活感や、夢に向かって少しずつ前進していく雰囲気が作品全体に流れています。派手な戦闘や重厚なドラマではなく、等身大の若者たちが音楽に向き合う爽やかな物語であることが、本作の大きな個性です。
基本操作は分かりやすく、譜面演出は非常に個性的
ゲームの基本ルールはとてもシンプルです。画面上部から降ってくるノーツが判定ラインに重なる瞬間に合わせて、画面をタッチします。ノーツには、軽くタップするもの、押し続けるもの、指でなぞるものなどがあり、楽曲のリズムやメロディに合わせて配置されています。リズムゲーム経験者ならすぐに仕組みを理解でき、未経験者でも数曲遊べば基本操作をつかみやすい設計です。しかし『VOEZ』の面白さは、単なるノーツ処理だけではありません。最大の魅力は、曲の途中でレーンそのものが変化するところにあります。静かなイントロではレーンが少なく落ち着いた配置になり、サビに入ると左右に広がり、細かい音が重なる場面では画面全体を使うような譜面へ変わります。レーンが曲のテンポや盛り上がりに合わせて移動するため、譜面そのものが楽曲の表情を表現しているように見えます。上手にプレイできたときには、指先で音と光を操っているような感覚があり、視覚・聴覚・触覚が一体になったリズムゲーム体験を味わえます。
収録楽曲の幅広さが作品の厚みを作っている
Nintendo Switch版『VOEZ』は、スマートフォン版で展開されていた楽曲群を家庭用機向けにまとめた作品であり、発売時点から多数の楽曲を楽しめることが魅力でした。収録曲は、ポップス、ロック、エレクトロニック、ピアノ主体の曲、ボーカル曲、疾走感のある高難度向け楽曲など幅広く、台湾や日本を含むさまざまなクリエイターの音楽が収められています。ひとつのジャンルに偏った音楽ゲームではなく、プレイヤーが自分の好みに合う曲を探しながら遊べる“音楽カタログ”のような楽しさがあります。明るく爽快な曲で気軽に遊ぶこともできれば、複雑なリズムの曲に挑戦して腕前を磨くこともできます。また、Rayark作品らしく、楽曲とビジュアル演出の結びつきも重視されており、曲ごとに色や動き、譜面の印象が大きく変わります。単に曲数が多いだけでなく、楽曲ごとに異なる表情を持っているため、プレイを重ねるほど新しい発見があります。
難易度は3段階で、初心者から上級者まで対応
各楽曲には基本的に「EASY」「HARD」「SPECIAL」の3段階の難易度が用意されています。EASYはノーツ数が控えめで、リズムゲームに慣れていない人でも曲を聴きながら落ち着いて遊びやすい構成です。HARDになるとノーツの密度が増え、曲の細かなリズムを拾う配置が多くなり、ゲームとしての手応えが強まります。SPECIALは上級者向けで、素早いタップ、連続したスライド、左右に振られるレーン、複雑なリズムへの対応が求められます。『VOEZ』は視覚演出が華やかなぶん、難易度が上がると画面の変化を正確に読み取る力も重要になります。ただ反射神経だけで押し切るのではなく、曲の構成を覚え、譜面の流れを理解し、指の動かし方を整理することでスコアが伸びていくタイプの作品です。初心者はEASYで楽曲を楽しみ、慣れてきたらHARD、さらに腕前を試したい人はSPECIALに挑戦するという段階的な遊び方ができるため、幅広いプレイヤー層に向いています。
Switch版ならではの買い切り型の遊びやすさ
『VOEZ』はもともとスマートフォン向けに展開された作品ですが、Nintendo Switch版では家庭用ゲーム機らしい遊びやすさが重視されています。スマートフォン版ではアプリゲーム的な展開がありましたが、Switch版では買い切り型ソフトとして、多数の曲をまとめて遊べる方向に整理されました。これは、リズムゲームを長く遊びたい人にとって大きな魅力です。追加課金を気にしながら曲を選ぶのではなく、ソフトを購入すれば豊富な楽曲群にすぐ触れられるため、家庭用ゲーム機のライブラリとして扱いやすい作品になっています。また、Switchは携帯モードで遊べるため、タブレットのように本体を持ち、画面を直接タッチして演奏するスタイルと相性が良いハードでした。発売当初はタッチ操作を前提にしたタイトルとして注目され、Switchがボタン操作だけでなくタッチパネルを活用できる機械であることを示すソフトにもなりました。
物語とキャラクターが音楽体験を支える
本作に登場するバンド「VOEZ」は、蘭空高校の生徒たちによって結成されたグループです。物語は、音楽への憧れを持つ少女を中心に、仲間たちが集まり、バンド活動を通じて自分たちの夢を追いかけていく形で進みます。音楽ゲームは、曲をクリアしてスコアを伸ばすことが主目的になりやすいジャンルですが、『VOEZ』ではキャラクターの存在が作品の雰囲気を作る重要な要素になっています。プレイヤーは彼らの青春の一場面に寄り添うように楽曲を演奏し、彼らが音楽を通じて前へ進んでいくイメージを感じながら遊ぶことができます。キャラクターたちは、派手な能力や戦闘要素を持つわけではなく、学校生活やバンド活動の中で悩み、励まし合い、少しずつ成長していく等身大の若者として描かれています。この日常的な雰囲気が、カラフルで鮮やかな譜面演出とよく合っており、プレイ後に爽やかな余韻を残します。
Nintendo Switchローンチ期における個性的な立ち位置
2017年3月3日はNintendo Switch本体の発売日であり、多くのプレイヤーが新しいハードの特徴に注目していた時期でした。その中で『VOEZ』は、Switchの据え置き機としての側面よりも、携帯できるタッチスクリーン端末としての側面を前面に出したタイトルでした。大作ゲームのように広大な世界を探索する作品ではありませんが、短い時間で1曲だけ遊ぶ、気に入った曲を繰り返す、高難度譜面に挑戦する、といったSwitchの携帯性に合った遊び方を提示しました。ローンチ期のソフトラインナップにおいて、音楽ゲームとして独自の存在感を放っていたことは大きな意味があります。Switchは後に多くのインディーゲームやダウンロード専用ソフトが集まるハードになっていきますが、『VOEZ』はその初期段階で、海外メーカーの個性的な作品が日本のパブリッシャーを通じて展開される流れを示した一本でもあります。
■■■■ ゲームの魅力・攻略・好きなキャラクター
『VOEZ』の魅力は、音楽を“押す”だけでなく“眺めて感じる”ところにある
『VOEZ』の大きな魅力は、リズムゲームとしての手触りが分かりやすい一方で、画面演出が非常に華やかで、単なる反射神経ゲームに収まっていないところです。基本は、上から降ってくるノーツをタイミングよくタッチするという素直な仕組みですが、実際に遊んでみると、レーンが音楽に合わせて揺れ、左右へ動き、曲の盛り上がりに合わせて本数が増減します。そのため、プレイヤーは音に合わせて指を動かしているだけでなく、音楽の中を視線と指先で追いかけているような感覚になります。激しい曲では画面全体がリズムに合わせて躍動し、落ち着いた曲では流れるような配置が心地よく、曲ごとにまったく違う遊び心地が用意されています。Nintendo Switchの携帯モードで画面を直接タッチする操作は、スマートフォン版に近い直感性を持ちながら、画面サイズが大きいぶん譜面の広がりも感じやすく、音楽ゲームとしての没入感を高めています。
初心者でも入りやすく、上級者ほど深く遊べる難易度設計
『VOEZ』は見た目こそ派手ですが、最初の入口はかなり親切です。EASY難易度であればノーツの数が抑えられており、リズムゲームに慣れていない人でも、曲を聴きながら判定ラインに合わせてタッチする基本を覚えられます。最初から高得点を狙う必要はなく、まずは曲の雰囲気を楽しみながら、タップ、ホールド、スライドといった入力の種類に慣れることが大切です。一方で、HARDやSPECIALになると一気に密度が増し、譜面を読む力、左右の指を使い分ける力、レーンの動きを先読みする力が求められます。特にSPECIALでは、ノーツが多いだけでなく、レーン移動とノーツ配置が組み合わさることで、初見では対応しにくい場面も出てきます。しかし、繰り返しプレイすると「このサビでは右側にレーンが寄る」「この連打の後にスライドが来る」といった流れを覚えられるため、少しずつミスが減っていく達成感があります。
攻略の基本は、まず曲を覚え、次に譜面の動きを覚えること
『VOEZ』を上達するうえで最初に意識したいのは、ノーツだけを目で追いすぎないことです。リズムゲーム初心者ほど、降ってくるノーツの位置を一つずつ確認しながら押そうとしてしまいますが、本作はレーンが動くため、視線が遅れると次の入力に対応しにくくなります。攻略の第一歩は、曲のリズムを耳で覚えることです。メロディ、ドラム、ボーカル、シンセの刻みなど、どの音に合わせてノーツが置かれているのかを理解すると、画面だけに頼らず自然に指が動きやすくなります。次に大切なのは、譜面の流れを覚えることです。『VOEZ』の譜面は視覚演出が豊かなので、初見では驚く場面がありますが、同じ曲を何度も遊ぶとレーンの移動パターンが見えてきます。難しい場所だけを失敗として捉えるのではなく、どこでレーンが広がるのか、どこで左右の指を入れ替えるべきか、どこでホールドを離すのかを確認していくと、スコアは着実に伸びます。
高得点を狙うためのコツは、指の配置と視線の置き方
スコアを安定させたい場合は、画面下部の判定ラインだけを見続けるのではなく、少し上の位置に視線を置くことが効果的です。ノーツが判定ラインに到達してから反応するのでは遅れやすいため、次に来るノーツの並びを早めに確認し、指の準備をしておく必要があります。特に、左右に分かれる配置や、ホールド中に別のノーツを叩く配置では、どちらの指でどのノーツを取るかを事前に決めておくとミスが減ります。片手だけで無理に処理しようとすると、速い曲では指が追いつかなくなるため、左右の親指または人差し指を自然に使い分けることが重要です。携帯モードで本体を置いて遊ぶ場合は人差し指を使うと細かい操作がしやすく、本体を手に持って遊ぶ場合は親指操作の安定感が活きます。自分のプレイ姿勢に合った指の使い方を見つけることも攻略の一部です。
クリア条件とやり込み目標の考え方
『VOEZ』は、一般的なRPGのように敵を倒して最終ボスへ向かうゲームではなく、楽曲をプレイし、スコアや達成度を高め、自分の腕前を伸ばしていくタイプの作品です。そのため、明確な一本道のエンディングを目指すというより、収録曲を遊び尽くし、各難易度でクリアを重ね、より高い評価を獲得していくことが大きな目標になります。初心者にとっての最初のクリア目標は、好きな曲をEASYで安定して完走することです。次に、HARDへ挑戦し、ミスを減らしながら高評価を狙います。さらに上級者であればSPECIALでフルコンボや高スコアを目指すことが、実質的なエンドコンテンツになります。音楽ゲームは、スタッフロールを見たら終わりというより、同じ曲を何度も演奏し、自分の成長を数字と手応えで確認するジャンルです。『VOEZ』もまさにその性質を持っており、全曲を一度遊ぶだけでも満足できますが、好きな曲を完璧に近づけていくほど、本作の奥深さが見えてきます。
裏技よりも“反復と理解”が強いゲーム
『VOEZ』には、ゲームバランスを壊すような分かりやすい裏技や、特定操作だけで簡単に高得点を出せる抜け道は基本的にありません。攻略で重要になるのは、楽曲理解、譜面暗記、入力精度、プレイ環境の調整です。例えば、画面の明るさや本体の置き方、イヤホン使用の有無によってもプレイ感覚は変わります。音ズレを感じる場合は、テレビ出力より携帯モードの方が感覚をつかみやすいこともありますし、周囲の音が気になる環境ではイヤホンを使うことでリズムに集中しやすくなります。また、難しい曲に挑む前に、同系統のテンポや配置を持つ少し簡単な曲で指を慣らしておくと、無理なく上達できます。攻略の近道は、一気に最高難度へ挑むことではなく、自分が少し頑張れば届く難易度を選び、成功体験を積み重ねることです。
キャラクターの魅力は、音楽を通じて成長する等身大の青春感
『VOEZ』に登場するキャラクターたちは、超人的な戦士や冒険者ではなく、音楽に惹かれ、仲間と出会い、バンド活動を通して自分たちの世界を広げていく高校生たちです。物語の中心となるバンドメンバーは、それぞれが異なる性格や役割を持ち、ボーカル、演奏、制作、仲間同士の関係性を通じて作品世界を支えています。キャラクターの魅力は、強い個性を大げさに押し出すというより、日常の中で音楽に向き合う姿にあります。学校生活、友人関係、夢への憧れ、不安、挑戦といった要素が、リズムゲームのプレイと重なることで、曲を演奏する行為に物語的な意味が加わります。楽曲をクリアするたびに、彼らの活動が少しずつ前へ進んでいるように感じられるため、音楽ゲームでありながら青春作品としての温度も持っています。キャラクターのビジュアルも爽やかで、空や海を思わせる透明感のある世界観とよく調和しています。
好きなキャラクターとして挙げたいのは、物語の顔となるチェルシー
『VOEZ』の中で特に印象に残るキャラクターを挙げるなら、作品の中心的な存在として描かれるチェルシーが分かりやすい魅力を持っています。彼女は音楽へのまっすぐな気持ちを象徴するようなキャラクターで、バンドの物語を明るく引っ張る存在として受け止めやすい人物です。リズムゲームはプレイヤー自身が演奏するジャンルですが、チェルシーのようなキャラクターがいることで、ただスコアを取るだけではなく、誰かの歌声や夢を支えるような感覚が生まれます。彼女の魅力は、華やかな主人公らしさだけでなく、仲間と一緒に成長していく等身大の雰囲気にあります。完璧なスターとして最初から完成されているのではなく、音楽を通じて自分の可能性を広げていく姿が、『VOEZ』という作品全体のテーマとよく重なっています。プレイヤーが曲を演奏するたび、彼女たちのバンドが一歩ずつ前進していくように感じられるため、チェルシーは本作の明るさや青春感を象徴するキャラクターと言えます。
楽しみ方は、好きな曲を見つけるところから始まる
『VOEZ』を最大限楽しむなら、まずはスコアや難易度を気にしすぎず、好きな曲を探すところから始めるのがおすすめです。収録曲が多い作品なので、最初から全曲を完璧に攻略しようとすると疲れてしまいます。明るいボーカル曲、疾走感のある電子音楽、静かなピアノ曲、難しいリズムの曲などを順番に触り、自分が自然に繰り返したくなる曲を見つけると、上達も楽しくなります。好きな曲であれば、失敗してももう一度挑戦したくなり、譜面の流れも覚えやすくなります。慣れてきたら、同じ曲をEASYからHARD、SPECIALへと段階的に進めると、自分の成長が分かりやすくなります。また、演出を楽しむために、あえて高難度ではなく低難度で曲と画面をじっくり味わう遊び方もあります。音楽ゲームは競争だけが楽しみではありません。『VOEZ』は、聴く、見る、叩く、覚える、上達するという複数の楽しさを持った作品です。
■■■■ 感想・評判・口コミ
全体的な感想は「見た目が美しく、曲を触っている感覚が楽しいリズムゲーム」
『VOEZ』を遊んだ人の感想としてまず多く挙がりやすいのは、画面全体の美しさと、音楽に合わせて指を動かす気持ちよさです。リズムゲームは、ノーツを正確に押すことが中心になるジャンルですが、本作の場合はそれに加えて、レーンが音楽に合わせて揺れたり、増えたり、位置を変えたりするため、プレイヤーはただ譜面を処理しているだけでなく、曲の中に入り込んでいるような印象を受けます。特に初めてプレイした人は、固定されたレーンにノーツが落ちてくる一般的な形式を想像していることが多いため、画面が曲に合わせて動き出す演出に驚きや新鮮さを感じやすい作品です。指で画面を直接触る操作も、楽器を演奏しているような感覚につながりやすく、Nintendo Switchの携帯モードとの相性も良好です。大作ゲームのような派手な物語展開や広大なマップ探索はありませんが、1曲ごとに短く集中して遊べるため、空き時間に音楽を楽しむゲームとして評価されやすいタイトルです。
楽曲数の多さに満足する声が多い
『VOEZ』の評判で特に目立つのは、収録楽曲の多さに対する満足感です。音楽ゲームは、どれだけ操作が楽しくても、遊べる曲が少ないとすぐに物足りなさが出てしまいます。その点、本作は多数の楽曲を収録しており、ポップス、ロック、エレクトロ系、ピアノ曲、ボーカル曲、高難度向けのスピード感ある曲など、ジャンルの幅も広いです。そのため、プレイヤーごとにお気に入りの曲を見つけやすく、「最初は数曲だけ遊ぶつもりだったのに、気づけば次々に曲を試していた」という感想につながりやすい作品です。リズムゲーム上級者は高難度の譜面を求める傾向がありますが、初心者やライトユーザーにとっては、まず好きな音楽に出会えるかどうかが重要です。『VOEZ』はこの部分で間口が広く、明るい曲で気軽に遊ぶことも、しっとりした曲を聴きながら楽しむこともできます。買い切り型のSwitch版として、まとまった曲数を一度に遊べる点も好評でした。
レーンが動く演出は高評価だが、人によっては慣れが必要
『VOEZ』最大の個性である動くレーンは、多くのプレイヤーから魅力として受け止められています。曲の展開に合わせてレーンが左右に移動したり、突然本数が増えたり、画面全体の色合いが変化したりするため、譜面そのものが音楽の一部として演出されているように見えます。この仕組みによって、同じタップ中心のリズムゲームでも曲ごとの印象が大きく変わり、遊ぶたびに新鮮な感覚を味わえます。一方で、固定レーン式の音楽ゲームに慣れている人からは、最初は見づらい、ノーツの位置を見失いやすい、目が忙しいという感想も出やすいです。特に高難度では、ノーツの数が増えるだけでなく、レーン移動も激しくなるため、初見では対応しきれない場面があります。ただし、この戸惑いは慣れによって大きく変わります。何度も同じ曲を遊ぶうちに、レーンの動きが曲の盛り上がりを示す合図のように感じられるようになり、最初は難点に思えた演出が、やがて本作ならではの快感に変わっていきます。
タッチ操作の直感性を評価する声
Nintendo Switch版『VOEZ』は、発売当初、携帯モードで画面を直接タッチして遊ぶスタイルが大きな特徴でした。実際に遊んだ人からは、タッチ操作の反応が分かりやすく、ノーツを指で直接押す感覚が気持ちいいという感想が多く見られます。ボタン操作の音楽ゲームでは、画面上のノーツと手元のボタンが分かれているため、慣れるまで対応関係を覚える必要がありますが、『VOEZ』では画面に表示された場所をそのまま触ればよいので、初めてでも直感的に遊びやすいです。タップ、ホールド、スライドといった操作も、スマートフォンゲームに慣れた人ならすぐ理解できます。Switch本体を机に置いて人差し指で遊ぶと細かい操作がしやすく、手に持って親指で遊ぶと携帯ゲームらしい手軽さがあります。プレイヤーによって好みの持ち方は分かれますが、自分に合う姿勢を見つけるとかなり快適に遊べます。Switchのタッチパネルを活かした作品として、ハードの特徴をうまく利用している点は好意的に受け止められました。
携帯モードとの相性が良く、短時間プレイ向きという評価
『VOEZ』は1曲ごとのプレイ時間が短いため、少し空いた時間に遊びやすいという評価もあります。長時間のストーリーを追う必要がなく、起動して曲を選べばすぐに演奏へ入れるため、短い休憩時間や寝る前の数曲、気分転換のためのプレイにも向いています。Nintendo Switchは据え置き機としても携帯機としても使えるハードですが、『VOEZ』は特に携帯モードとの相性が良い作品です。大作ゲームを腰を据えて遊ぶ合間に、気軽に触れる音楽ゲームとして置いておけることが、Switch版の強みになっています。プレイヤーの感想としても、「長く遊ぶつもりがなくても、1曲だけのつもりで何曲も続けてしまう」「好きな曲を何度も叩きたくなる」といった中毒性が語られやすいです。短時間で満足できる一方、スコア更新を狙い始めると長く遊べるため、ライトにもヘビーにも使える柔軟さがあります。
難易度の幅に対する評価
『VOEZ』は各楽曲に複数の難易度が用意されているため、初心者から上級者まで自分に合った遊び方を選べます。EASYは曲を楽しみながら操作を覚えるのに向いており、HARDはリズムゲームらしい緊張感が出てきます。SPECIALは高難度志向のプレイヤー向けで、ノーツの密度、リズムの複雑さ、レーン移動への対応力が問われます。この段階的な難易度設計は、多くのプレイヤーから評価される部分です。初心者は最初から挫折しにくく、上級者は簡単すぎてすぐ飽きることがありません。ただし、曲によって体感難易度に差があり、同じ難易度表記でも人によってかなり難しく感じる譜面があります。特にレーンの動きが激しい曲や、細かいリズムを多く拾う曲では、表示上の難易度以上に難しく感じられることもあります。そのため、口コミでは「簡単な曲は気軽に楽しいが、難しい曲は本当に難しい」という声が出やすいです。
キャラクターや世界観への反応
『VOEZ』は音楽ゲームでありながら、台湾の宜蘭をイメージした架空の町「蘭空町」や、高校生たちによるバンド活動という物語性を持っています。キャラクターに対する感想としては、派手なドラマよりも、爽やかで透明感のある青春感が良いという反応が多いです。キャラクターたちは、戦闘や冒険をするわけではなく、音楽を通じて仲間とつながり、成長していく存在として描かれています。そのため、濃厚なストーリーを期待すると少し控えめに感じる人もいますが、音楽ゲームの雰囲気作りとしてはちょうどよいという受け止め方もできます。曲を遊ぶ背景に、彼らのバンド活動や夢への挑戦があることで、単なるスコアアタックに終わらない温度が生まれています。キャラクターイラストの雰囲気も明るく、作品全体の色使いやUIと調和しており、音楽ゲームとしての清涼感を強めています。
良かった点としてよく語られる部分
『VOEZ』の良かった点を整理すると、まず楽曲の豊富さ、次に譜面演出の新鮮さ、そしてタッチ操作の気持ちよさが挙げられます。特に、曲ごとに画面の動きが変わるため、単調になりにくい点は大きな長所です。音楽ゲームでは、譜面のパターンが似てくると飽きやすくなりますが、本作ではレーンの変化や色彩演出によって、同じ操作体系でも曲ごとに違う体験を作っています。また、初心者が入りやすい難易度と、上級者が挑戦できる難易度が両方あるため、プレイヤーの腕前に合わせて長く遊べます。曲を聴く楽しみ、譜面を覚える楽しみ、スコアを伸ばす楽しみ、ビジュアルを眺める楽しみが重なっている点も好評です。Switch初期のタイトルとしては、価格に対して内容が充実していると感じられやすく、気軽に購入できるダウンロードソフトとして満足度が高かった作品です。
気になる点として挙がりやすい部分
一方で、すべてのプレイヤーに完全に合う作品というわけではありません。気になる点として挙がりやすいのは、まずタッチ操作前提のプレイスタイルです。Switchをテレビにつないで遊びたい人や、コントローラー操作中心で楽しみたい人にとっては、発売当初の仕様はやや特殊に感じられました。また、画面を直接触るため、長時間遊ぶと姿勢や指の疲れが気になることもあります。レーンが動く演出についても、魅力である一方で、視認性の面では好みが分かれます。派手な演出を楽しいと感じる人もいれば、固定レーンの方が譜面を読みやすいと感じる人もいます。さらに、物語要素はありますが、ストーリーを深く読み進めるゲームというより、音楽ゲーム部分が中心なので、濃厚なキャラクターシナリオを期待する人にはやや淡く感じられる可能性があります。ただし、これらの点は作品の欠陥というより、『VOEZ』がどの方向に特化したゲームなのかによる相性の問題といえます。
総合評価としては、Switch初期を代表する良質なリズムゲーム
総合的に見て、『VOEZ』はNintendo Switch初期のダウンロードソフトの中でも、個性と完成度を兼ね備えた良質なリズムゲームとして評価できます。収録曲の多さ、ジャンルの幅、タッチ操作の分かりやすさ、動くレーンによる新鮮な譜面演出、爽やかな青春世界観が組み合わさり、単なるスマートフォン作品の移植にとどまらない魅力を持っています。もちろん、タッチ操作中心であることや、レーン移動に慣れが必要なことなど、好みが分かれる部分はあります。しかし、それらを含めても、『VOEZ』は他の音楽ゲームでは味わいにくい視覚的な楽しさと、音楽を指先で直接なぞるような快感を持った作品です。口コミや評判をまとめると、「曲が多くて長く遊べる」「画面がきれい」「演出が新鮮」「難しい曲はしっかり難しい」「Switchの携帯モードに合う」という好意的な意見が中心になります。
■■■■ 当時の宣伝・現在の中古市場など
Nintendo Switch本体発売日に並んだ、異色のダウンロード専用リズムゲーム
『VOEZ』のNintendo Switch版は、2017年3月3日に本体と同日に配信された作品で、発売当時の立ち位置はかなり特徴的でした。Nintendo Switchのローンチ期といえば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のような大作や、Joy-Conの機能を前面に出したパーティ系ソフトに注目が集まりやすい時期でした。その中で『VOEZ』は、派手なアクションや広大な冒険ではなく、タッチスクリーンを使って音楽を奏でるリズムゲームとして登場しました。フライハイワークスが国内向けに展開した本作は、台湾のRayarkが生み出したスマートフォン発の人気作を、Switchという新しいハードの初期ラインナップに合わせて送り出した形です。特に当時は、Switchが据え置き機としても携帯機としても使えるという点が強く宣伝されていたため、画面を直接タッチして遊ぶ『VOEZ』は、携帯モードの魅力を分かりやすく伝えるタイトルでもありました。
発売当初の紹介方法は“カラフルな歌声を届ける”という世界観重視
『VOEZ』の宣伝では、単に「音楽ゲームです」と説明するだけでなく、カラフルな歌声、青春、バンド、世界へ響く音楽といったイメージが大切にされていました。舞台となる蘭空町、蘭空高校の生徒たち、仲間とバンドを結成して夢を追う物語など、ゲームシステムと世界観を一体で紹介する形が取られていました。リズムゲームの宣伝は、収録曲数や難易度、操作性を前面に出すことが多いですが、『VOEZ』の場合は、Rayark作品らしい美しいビジュアルと、音楽を通じて若者たちが成長していく雰囲気も大きな売りでした。そのため、公式サイトや紹介記事では、ノーツをタッチする基本操作、楽曲ごとに変化するレーン、100曲を超える収録楽曲、EASY・HARD・SPECIALの難易度選択といった具体的な内容に加えて、作品全体の爽やかな空気感も強調されていました。プレイヤーに対して「スコアを競うだけのゲーム」ではなく、「音楽と物語を一緒に楽しむゲーム」として伝えようとしていた点が、本作の宣伝の特徴です。
フライハイワークスらしい、ダウンロードソフト市場への打ち出し方
フライハイワークスは、Nintendo Switch初期から海外・インディー系の良質なタイトルを日本市場へ紹介する役割を担っていたメーカーのひとつです。『VOEZ』もその流れの中で、Rayarkという台湾メーカーの音楽ゲームをSwitchユーザーへ届けた作品でした。発売当初はパッケージではなくダウンロード専用ソフトとして展開され、価格も比較的手に取りやすい設定でした。後にパッケージ版も発売され、キャラクターが描かれたICカード用ステッカーが同梱されるなど、ダウンロード版とは違う所有感を求めるユーザーにも向けた展開が行われました。ダウンロード版は、本体発売直後にeショップで気軽に購入できるリズムゲームとして機能し、パッケージ版は後からコレクション性や所有感を重視するユーザーに向けて用意された形です。この二段階の販売方法により、まずは手軽なDL版で広げ、その後にパッケージ版で改めて存在感を出す流れが作られました。
Switch初期における“タッチ操作タイトル”としての宣伝価値
Nintendo Switchは、テレビにつないで遊ぶことも、携帯機として持ち歩くこともできるハードですが、発売初期の段階では、Joy-Conの分離操作やモーション操作に注目が集まりがちでした。その中で『VOEZ』は、Switch本体のタッチパネルを積極的に使う作品として、ハードの別の魅力を示していました。宣伝上も、落ちてくるノーツを画面に直接タッチすること、曲に合わせてレーンが動くこと、カラフルな演出が楽曲と連動することが分かりやすい見どころになっていました。大作タイトルのように長時間遊び込む作品ではなく、1曲ごとに短く遊べるため、携帯モードでの相性が良いこともアピールポイントでした。Switchを購入したばかりのユーザーにとって、画面を直接触って遊ぶソフトは、ハードの新しさを体験しやすい存在です。『VOEZ』は、Joy-Conを使うゲームだけではない、タッチパネルを活かした遊びもSwitchにはあると示した初期タイトルのひとつだったと言えます。
スマートフォン版の実績を背景にした安心感
『VOEZ』は、Switch版が完全新作として突然現れたわけではなく、スマートフォン向けに先行展開されていた人気タイトルでした。そのため、宣伝面ではRayarkの実績や、同社が手がけた『Cytus』『DEEMO』に続く音楽ゲームという文脈が大きな意味を持っていました。スマートフォン版を遊んでいたユーザーにとっては、慣れ親しんだ作品をSwitchの大きな画面で遊べること自体が魅力であり、初めて触れるユーザーにとっても、すでにスマートフォンで支持を得ていた作品という安心感がありました。Switch版では、新規楽曲の追加や、豊富な収録曲、複数難易度の譜面などが紹介され、単なる小規模移植ではなく、家庭用機向けにしっかり楽しめる音楽ゲームとして認識されました。リズムゲームファンにとっては、Rayark作品であるというだけで一定の期待感があり、Switchで遊べること自体が宣伝効果を持っていました。
無料アップデートによる楽曲追加が、長期的な話題作りにつながった
音楽ゲームにとって、収録曲の数と更新性は非常に重要です。『VOEZ』は発売当初から多数の楽曲を遊べる内容でしたが、さらにアップデートによって新曲が追加され、発売後も話題を維持する仕組みがありました。これは、ダウンロード専用ソフトとしての強みを活かした展開です。パッケージソフト中心の時代であれば、発売時の内容がほぼ固定されることが多かったですが、Switchのダウンロードソフトでは、アップデートによって楽曲や機能を増やすことができます。『VOEZ』の場合、追加楽曲は既存ユーザーにとって再びプレイするきっかけになり、購入を迷っていた人に対しても「今後も内容が増えるソフト」という印象を与えました。音楽ゲームでは、お気に入りの曲が増えるほどプレイ時間が伸びるため、無料アップデートの存在は販売後の評価にも良い影響を与えました。発売して終わりではなく、時間とともに内容が厚くなる作品として見せられた点は、本作の宣伝・販売戦略における大きな強みです。
パッケージ版発売時の宣伝は、所有感と操作拡張がポイント
パッケージ版では、ダウンロード版にはなかった“物として持てる”価値が加わりました。パッケージ版にはキャラクターが描かれたICカード用ステッカーが同梱され、コレクションアイテムとしての魅力も用意されました。音楽ゲームはダウンロード版との相性が良いジャンルですが、好きな作品をパッケージとして棚に並べたいユーザーも一定数います。特にRayark作品やキャラクターイラストに愛着を持つ人にとって、パッケージ版は単なるソフト以上の意味を持ちました。また、パッケージ版の展開に合わせて、コントローラー操作への対応も注目されました。これにより、タッチ操作中心だった印象から、より家庭用ゲーム機らしい遊び方にも対応する作品へと広がりました。発売当初の『VOEZ』は携帯モードのタッチ操作が強い個性でしたが、パッケージ版のタイミングでは、テレビモードやコントローラーで遊びたい人にも訴求しやすくなりました。
当時の広告的な強みは、映像で伝わりやすいこと
『VOEZ』は、文章で説明するよりも、実際のプレイ映像を見せた方が魅力が伝わりやすい作品です。レーンが曲に合わせて動く、ノーツがカラフルに流れる、指で画面を直接叩くという要素は、短い映像でも印象に残ります。そのため、発売当時の紹介動画やスクリーンショット、ゲームニュース記事では、視覚的なインパクトが重要な宣伝材料になりました。リズムゲームに詳しくない人でも、画面が音楽と連動して変化する様子を見ると、普通の落下式音楽ゲームとは違うことが分かります。さらに、キャラクターイラストや爽やかな世界観も、静止画で見たときに印象が良く、eショップの一覧で目を引く要素になっていました。Switch初期のダウンロードソフトは、ユーザーがeショップで新しいタイトルを探す機会も多かったため、アイコンやスクリーンショットの魅力は販売面で重要でした。『VOEZ』はその点で、カラフルで清潔感のあるビジュアルが強く、音楽ゲームとしての内容を直感的に伝えやすい作品でした。
現在の中古市場では、パッケージ版が中心に流通している
現在の中古市場で探す場合、主に対象となるのはNintendo Switchパッケージ版です。ダウンロード版は中古として売買されないため、フリマアプリ、オークション、ゲームショップ、中古通販で見かけるのはパッケージソフトになります。中古価格は在庫数、付属品の有無、出品タイミング、状態、送料込みかどうかで変動します。特にパッケージ版に同梱されていたICカード用ステッカーが未使用で残っているかどうかは、コレクション目的の購入者にとって確認したいポイントです。ソフトだけで遊ぶなら安価な出品でも十分ですが、完全品を求めるなら、ケース、ジャケット、ステッカー、状態説明をよく見る必要があります。音楽ゲームは中古でもゲーム内容自体が劣化するわけではありませんが、付属特典の有無によって所有満足度は変わります。『VOEZ』はキャラクターやビジュアルに魅力がある作品なので、パッケージをきれいな状態で持ちたい人には、状態の良いものを選ぶ価値があります。
ダウンロード版と中古パッケージ版、どちらを選ぶべきか
今から『VOEZ』を遊ぶ場合、ダウンロード版と中古パッケージ版のどちらを選ぶかは、プレイスタイルによって変わります。すぐに遊びたい、ソフトカードの差し替えをしたくない、Switch本体に常に入れておきたいという人には、ダウンロード版が便利です。音楽ゲームは、急に数曲だけ遊びたくなることが多いため、ホーム画面からすぐ起動できるDL版との相性は良いです。一方、パッケージとして所有したい、後で売却できる形にしておきたい、特典付きの現物が欲しいという人には中古パッケージ版が向いています。中古価格がダウンロード版の定価より安く見つかることもあるため、価格重視なら中古パッケージ版を探す価値があります。ただし、ダウンロード版はセールが行われる可能性もあり、時期によってはDL版の方が買いやすい場合もあります。純粋に遊ぶならどちらでも大きな問題はありませんが、コレクション性まで含めて楽しむならパッケージ版、手軽さを重視するならダウンロード版という選び方が分かりやすいです。
宣伝・販売・中古市場を総合して見た『VOEZ』の立ち位置
『VOEZ』は、発売当時にはNintendo Switchのローンチ期を彩るダウンロード専用リズムゲームとして登場し、その後のパッケージ版展開、無料アップデート、コントローラー操作対応などによって、長く存在感を保った作品です。宣伝面では、Rayarkの実績、100曲超の楽曲、カラフルなレーン演出、青春バンドの世界観が大きな柱になっていました。販売面では、まず手軽なダウンロード版でSwitch初期ユーザーに届き、後に特典付きパッケージ版でコレクション需要にも対応しました。現在の中古市場では、極端なプレミア品というより、比較的探しやすいSwitchリズムゲームとして流通しており、価格は状態や付属品によって変わります。プレイ目的なら安価な中古でも十分楽しめますが、作品として手元に残したいなら、特典付き・状態良好のパッケージ版を選ぶ価値があります。『VOEZ』は、大作ではないものの、Switch初期のダウンロードソフト文化、海外インディー作品の国内展開、タッチ操作を活かした音楽ゲームという複数の文脈で語れる印象深い一本です。
■■■■ 総合的なまとめ
『VOEZ』は、Nintendo Switch初期における“タッチで奏でる音楽ゲーム”の象徴的な一本
『VOEZ』を総合的に見ると、Nintendo Switchという新しいハードが持っていた可能性を、音楽ゲームという形で分かりやすく示した作品だと言えます。2017年3月3日、Switch本体と同じ日に登場した本作は、大作アクションやパーティゲームとはまったく違う方向からプレイヤーに新鮮な体験を提供しました。画面を直接タッチし、流れてくるノーツをリズムに合わせて叩き、曲の展開に合わせて動くレーンを目で追いながら演奏する感覚は、ボタン操作中心のゲームとは異なる独特の気持ちよさを持っています。スマートフォン発の作品でありながら、Switchの携帯モードと非常に相性が良く、家庭用ゲーム機のソフトとしても自然に成立していました。短時間で1曲だけ遊べる気軽さ、好きな曲を何度も練習する中毒性、高難度譜面を攻略する達成感がそろっており、ローンチ期のダウンロードタイトルとしてはかなり完成度の高い一本でした。
最大の個性は、音楽に合わせて“譜面そのものが動く”演出
本作を語るうえで最も重要なのは、やはりレーンが楽曲に合わせて変化するシステムです。一般的なリズムゲームでは、ノーツが決められたレーンを流れ、プレイヤーはその位置とタイミングを覚えて入力します。しかし『VOEZ』では、そのレーン自体が曲中で左右へ移動し、増減し、色を変え、場面によっては消えたり現れたりします。この仕組みによって、譜面は単なる操作指示ではなく、楽曲を視覚化する演出として機能しています。静かなパートでは落ち着いた動きになり、サビや盛り上がる場面では画面全体が広がるように動き、細かい音が重なる場面ではノーツの流れも密度を増していきます。プレイヤーは音を聴きながら画面を見て、さらに指先で反応するため、聴覚・視覚・触覚が一体になったプレイ感覚を味わえます。この点こそが、『VOEZ』を単なるスマートフォン音楽ゲームの移植にとどめず、独自のリズムゲームとして印象づけている要素です。
楽曲数とジャンルの広さが、長く遊べる理由になっている
『VOEZ』は、収録楽曲の豊富さも大きな魅力です。リズムゲームでは、どれだけ操作システムが優れていても、曲の数や種類が少なければ遊び続ける動機が弱くなります。その点、本作はポップ、ロック、エレクトロニック、ピアノ曲、ボーカル曲、スピード感のある高難度向け楽曲など、幅広いタイプの音楽を楽しめる構成になっています。プレイヤーは最初からすべてを攻略しようとする必要はなく、まずは自分の耳に合う曲を探し、気に入った曲を繰り返し遊ぶところから自然に入っていけます。明るい曲で気分転換することも、落ち着いた曲で音楽を味わうことも、難しい曲で技術を磨くこともできます。この“遊び方の幅”があるからこそ、初心者から上級者まで受け入れられる作品になっています。また、楽曲ごとに譜面演出の雰囲気が異なるため、単に曲が多いだけではなく、プレイ体験にも変化があります。
初心者にも上級者にも居場所があるバランス
『VOEZ』の良いところは、難易度の幅がきちんと用意されている点です。EASYであれば、リズムゲームに慣れていない人でも曲を楽しみながら基本操作を覚えられます。ノーツの数が抑えられているため、まずはタイミングに合わせて画面をタッチする気持ちよさを体験できます。HARDになると、音楽ゲームとしての手応えが増し、曲のリズムをしっかり聞きながら操作する必要が出てきます。さらにSPECIALでは、レーン移動、連続タップ、ホールド、スライド、細かいリズムへの対応が求められ、本格的なやり込みが始まります。つまり本作は、音楽を気軽に楽しみたい人には優しく、スコアを詰めたい人には厳しい顔も見せるゲームです。この二面性があるため、プレイヤーは自分の腕前に合わせて無理なく遊び続けられます。最初はEASYで精いっぱいだった曲が、何度も遊ぶうちにHARDで安定し、やがてSPECIALに挑戦できるようになる。その成長の実感こそ、リズムゲームの大きな楽しさです。
キャラクターと青春物語が、音楽ゲームに温度を与えている
『VOEZ』は音楽ゲーム部分だけでも十分に成立していますが、そこに蘭空町を舞台にした青春物語が重なることで、作品全体に柔らかな温度が生まれています。蘭空高校の生徒たちがバンドを結成し、仲間と共に音楽を奏で、自分たちの歌声を世界へ届けようとする流れは、激しいドラマというより、爽やかで前向きな成長譚として描かれています。登場人物たちは、戦うためのキャラクターではなく、音楽への憧れや仲間との関係を通して魅力を見せる存在です。この日常感が、カラフルで軽やかなゲーム画面とよく合っています。プレイヤーは曲をクリアするたびに、単にスコアを伸ばしているだけではなく、彼らのバンド活動を少しずつ支えているような感覚を持てます。物語性が前面に出すぎないため、テンポよく音楽ゲームを遊びたい人の邪魔にならず、それでいて作品世界への愛着を持たせる役割はしっかり果たしています。
Switch版は、買い切り型としての満足感が大きい
スマートフォン発の音楽ゲームを家庭用ゲーム機に移す場合、どのような販売形態にするかは重要です。『VOEZ』のSwitch版は、買い切り型のソフトとして、多数の楽曲をまとめて楽しめる形に整えられていました。この点は、家庭用ゲーム機のプレイヤーにとって非常に分かりやすい魅力でした。スマートフォンゲームでは、曲の解放や追加要素に課金が絡むこともありますが、Switch版ではソフトを購入すればまとまった内容を遊べるため、安心して楽しめます。音楽ゲームは、好きな曲を自由に選び、何度も練習し、スコアを伸ばすことが基本になるため、追加料金を気にせず遊べることは大きな利点です。また、ダウンロード版は本体に入れておけばいつでも起動でき、パッケージ版は現物として所有する満足感があります。発売当初はタッチ操作中心のタイトルとして登場し、後の展開で遊び方が広がったことも、Switch版ならではの魅力でした。
弱点はあるが、それも作品の個性と表裏一体
『VOEZ』にも、人によって気になる点はあります。まず、レーンが動く演出は大きな魅力である一方、固定レーン式のリズムゲームに慣れた人には最初やや見づらく感じられる場合があります。画面全体が華やかに動くため、ノーツの位置を見失いやすい曲もあり、高難度では視認性と反応速度の両方が求められます。また、タッチ操作を前提にしたゲーム性は、携帯モードでは非常に快適ですが、テレビ画面で腰を据えて遊びたい人には好みが分かれる部分でした。長時間プレイでは姿勢や指の疲れが気になることもあります。さらに、キャラクターやストーリーは雰囲気作りとして魅力的ですが、濃厚なシナリオ体験を求める人にはやや淡く感じられるかもしれません。ただし、これらは本作の方向性と密接につながっています。『VOEZ』は、競技的な固定譜面処理だけを追求した作品ではなく、音楽と映像とタッチ操作の一体感を楽しむゲームです。そのため、合う人には強く刺さり、独自性として記憶に残ります。
当時のSwitch市場において果たした役割
Nintendo Switchの初期ラインナップにおいて、『VOEZ』は大作タイトルではないものの、かなり重要な役割を持っていました。Switchは据え置き機と携帯機の両方の性格を持つハードとして登場しましたが、本作はそのうち携帯機的な魅力、特にタッチスクリーンを活かした遊びを分かりやすく示していました。ゲーム機を手に取り、画面を直接触り、音楽に合わせて演奏する。この体験は、Switchが単なる据え置き機ではないことをプレイヤーに実感させるものでした。また、海外メーカーの作品をフライハイワークスが日本向けに展開したことも、Switchのダウンロードソフト市場が広がっていく流れの中で意味があります。のちにSwitchはインディーゲームやダウンロード専用ソフトが非常に充実したハードになりましたが、『VOEZ』はその初期段階で存在感を示した一本でした。大作の隙間を埋める小粒な作品というより、独自の魅力で選ばれる音楽ゲームとして、Switch初期の多様性を支えていたと言えます。
現在遊んでも古びにくい理由
『VOEZ』は発売から時間が経っても、音楽ゲームとしての魅力が大きく損なわれにくい作品です。理由は、面白さの中心が最新グラフィックや流行のシステムではなく、楽曲、譜面、操作感、演出にあるからです。音楽に合わせてノーツを叩く気持ちよさは、年月が経っても本質的には変わりません。むしろ、今遊んでもレーンが動く演出は十分に個性的で、ほかのリズムゲームとは違う印象を与えます。収録曲の幅が広いため、すべての曲が好みに合わなくても、どこかにお気に入りを見つけやすいのも強みです。Switchには現在多くのリズムゲームがありますが、『VOEZ』は明るく透明感のある世界観と、動的な譜面演出によって独自の場所を保っています。初期Switchタイトルという歴史的な価値だけでなく、今から単体の音楽ゲームとして触れても、十分に楽しめる内容です。特に、短時間で遊べるゲームを探している人、タッチ操作の直感的なリズムゲームを求めている人には、今でも相性の良い作品です。
購入を考える人への総合的なおすすめ度
これから『VOEZ』を遊ぶ人に向けて総合的に考えると、本作は音楽ゲームが好きな人にはもちろん、普段はあまりリズムゲームを遊ばない人にもすすめやすいタイトルです。理由は、最初の操作が分かりやすく、曲数が多く、難易度を選べるため、自分のペースで遊べるからです。高難度を攻略しなければ楽しめないゲームではなく、好きな曲をEASYで気軽に遊ぶだけでも十分に魅力があります。一方で、腕に自信がある人はSPECIAL譜面でスコアを詰める楽しみがあり、長く付き合えるやり込み要素もあります。中古パッケージ版を探す場合は、特典や状態を確認する楽しみもあり、ダウンロード版なら本体に入れておいて気軽に起動できる利便性があります。派手なストーリーや重厚な育成要素を期待する人には少し方向が違うかもしれませんが、音楽を聴き、画面を見て、指でリズムを刻む体験を求めている人にはかなり向いています。価格面でも手に取りやすいことが多く、Switchの音楽ゲーム入門としても、Rayark作品の入り口としても価値があります。
『VOEZ』が残した印象は、爽やかでカラフルな音楽体験
最終的に『VOEZ』という作品を一言でまとめるなら、爽やかでカラフルな音楽体験を、指先で直接味わえるリズムゲームです。台湾の宜蘭を思わせる蘭空町、青春を感じさせるバンドの物語、多彩な楽曲、音楽に合わせて動くレーン、タッチ操作の直感性。これらがひとつにまとまり、明るく軽やかな雰囲気を持つ作品になっています。Switch本体発売日に登場したタイトルとしての話題性だけでなく、ゲーム内容そのものにも確かな個性があり、後から振り返っても「Switch初期にこういう音楽ゲームがあった」と思い出しやすい存在です。大作ゲームのように圧倒的な物量で押し切る作品ではありませんが、1曲ごとの密度、譜面演出の美しさ、何度も遊びたくなるリズムの心地よさでプレイヤーを引き込みます。『VOEZ』は、音楽ゲームの楽しさを難しく考えすぎず、まず曲を聴き、画面に触れ、リズムに乗ることの楽しさを教えてくれる一本です。Nintendo Switchのライブラリの中でも、鮮やかな色と音で印象を残す、良質なリズムゲームとして評価できる作品です。
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