
【中古】[Xbox360] 【eM】eNCHANT arM(エム エンチャントアーム) フロム・ソフトウェア (20060112)
【発売】:フロム・ソフトウェア
【発売日】:2006年1月12日
【ジャンル】:ロールプレイングゲーム
■ 概要
Xbox360初期を代表するRPGとしての位置付け
2006年1月12日、フロム・ソフトウェアが世に送り出した『【eM】-eNCHANT arM-』は、Xbox360という新世代ハードの黎明期に登場した最初期の本格派RPGです。当時の日本市場において、マイクロソフトの新型機はまだ普及が限定的で、ラインナップもアクションや洋ゲー寄りのタイトルが目立っていました。そんな中、国産の大規模RPGが登場したことは、国内ユーザーにとって大きな期待を抱かせるものでした。「ハードの性能を活かしながら、日本人が好むストーリー重視のRPGを提供する」――この挑戦的な姿勢が作品全体に色濃く表れています。
舞台設定と物語の起点
ゲームの舞台は「エンチャント」と呼ばれる技術が高度に発達した架空世界。人々は日常生活から戦闘に至るまで、あらゆる局面でエンチャントを利用し繁栄を築いてきました。しかし、その裏側には千年前に勃発した「大戦争」の爪痕が残されています。当時、戦乱の中で人類が使役したのは、膨大な力を秘めた人工生命体「ゴーレム」でした。破壊と混沌をもたらしたこの存在は戦後に封印され、歴史の闇に葬られたはずでしたが……。時を経て、その禁忌の力を再び利用しようとする者たちが現れます。
プレイヤーが操作する主人公「アツマ」は、何気ない学生生活を送る青年でした。ところが運命のいたずらにより封印が解かれ、世界の均衡は大きく崩れていきます。仲間との出会いと別れを経ながら、彼は友情と絆を糧に成長し、再び人類が同じ過ちを繰り返そうとしている現実に立ち向かうのです。
青春群像劇としての魅力
単なる戦闘や冒険譚にとどまらず、この作品が強調するのは「若者たちの成長物語」です。アツマとその仲間たちは決して完璧な存在ではなく、葛藤し、傷つき、時には自分の弱さと向き合いながら歩んでいきます。友情や仲間意識を軸にした物語の構成は、王道のファンタジーRPGでありながらも、プレイヤーに「共感」を呼び起こす仕掛けとなっています。
こうした青春群像的な要素は、従来の重厚なファンタジーとは異なる独自の空気を持ち、プレイヤーに「等身大のキャラクターと共に歩む冒険」という感覚を与えてくれました。
技術的特徴と映像表現
Xbox360の高いグラフィック性能を駆使し、キャラクターや世界観は当時としては非常に鮮明かつ滑らかに描写されました。特にゴーレムのデザインやエフェクトは迫力に満ち、封印された古代兵器の存在感を見事に体現しています。また、戦闘シーンではフィールドを俯瞰視点で見渡せる設計が採用され、従来のコマンドバトルに新鮮な戦略性を加える工夫が盛り込まれていました。
ストーリーとシステムの融合
このゲームでは、ストーリー進行とバトルシステムが緊密に結びついています。プレイヤーが物語を進める中で獲得するゴーレムや仲間キャラクターは、そのまま戦力としてパーティに組み込まれるため、「物語を追う=戦力を整える」という一体感が自然に生まれる仕組みでした。単なるテキストの読み物ではなく、実際のゲームプレイと連動してキャラクターたちの成長を感じられるのが大きな特徴です。
■■■■ ゲームの魅力とは?
王道RPGの安心感と次世代機ならではの新鮮さ
『【eM】-eNCHANT arM-』の大きな魅力のひとつは、古典的なRPGが持つ安心感を残しつつ、新世代機Xbox360ならではの表現力と遊びやすさを融合させている点にあります。ターン制バトルという親しみやすい仕組みを基盤としながらも、立体的なフィールド配置やゴーレムの召喚システムといった新要素を加え、従来のRPGとは異なる独特のテンポを生み出していました。プレイヤーは慣れ親しんだ形式の安心感を持ちつつ、新しい発見に心を躍らせることができたのです。
戦略性を重視したバトルシステム
本作の戦闘は、見た目はオーソドックスなターン制でありながら、キャラクターの位置取りや行動順が勝敗を大きく左右する「シミュレーションRPG的」な要素が強く取り入れられています。攻撃範囲やスキルの効果はキャラクターの配置によって変化し、単純に強い技を連発するだけでは勝利できません。プレイヤーは「どのキャラを前線に立たせ、どのゴーレムを後方で支援させるか」といった判断を常に迫られ、戦術を考える楽しさを味わえます。これは従来のRPGに慣れたユーザーにとっても、新鮮でやりごたえのある仕組みでした。
ゴーレム収集のやり込み要素
『【eM】-eNCHANT arM-』の個性を強く示すのが「ゴーレム」の存在です。ゴーレムは単なる敵ではなく、プレイヤーが仲間に加えて育成できる戦力となります。種類は膨大で、戦闘スタイルや属性も多彩に用意されており、まるでモンスターを仲間にするコレクションRPGのような要素が加わっていました。プレイヤーごとに「自分だけのパーティ」を作り上げる楽しさがあり、育成方針や編成の工夫次第で戦術が大きく変わる点は、本作の大きな魅力となっています。
キャラクター同士の掛け合いと物語性
アツマをはじめとする仲間キャラクターたちは、冒険の中で絶えず会話を交わします。真剣な局面だけでなく、日常的な掛け合いやユーモアも織り交ぜられており、プレイヤーは彼らを「戦闘の駒」としてだけでなく、「一緒に旅をする仲間」として意識するようになります。個性豊かなキャラクターが織りなすドラマは、青春群像劇としての色彩を濃くし、物語を進めるモチベーションを強めてくれます。
映像演出と音楽の力
Xbox360の性能を活かした映像演出もプレイヤーを惹きつける要素でした。イベントシーンでは迫力あるカメラワークと美しいグラフィックで世界観が描かれ、戦闘中の必殺技やゴーレムの登場シーンは臨場感にあふれていました。加えて音楽は壮大でファンタジックな旋律を基調としながらも、戦闘や街の場面ごとに変化に富んだ楽曲が用意されており、プレイヤーの没入感を高めています。映像と音楽が一体となって生み出す空気感は、物語の重厚さを引き立てる重要な要素でした。
オンライン機能の試み
発売当時、Xbox360は「Xbox Live」によるオンライン機能を大きな売りにしていました。本作もその流れを汲み、限定的ながらオンライン要素を搭載していました。例えばプレイヤー同士が特定のデータを共有したり、やり込み要素を比較したりできるといった仕組みです。今でこそ当たり前の機能ですが、当時としては国産RPGが積極的にオンラインを取り入れる試みは珍しく、時代を先取りしたシステムとして注目されました。
長期的に遊べるボリューム
物語のメインストーリーだけでも相応のボリュームを誇り、さらにゴーレム収集やサブイベント、探索要素を含めると、100時間を超えて遊び込むことも可能でした。一本道のストーリーを追うだけではなく、プレイヤーごとに異なる進め方ができる点が、リプレイ性を高めていました。これにより「一度クリアしても終わりではない」と感じられる、長期的なプレイ体験を提供していたのです。
■■■■ ゲームの攻略など
序盤の立ち回りと成長の流れ
『【eM】-eNCHANT arM-』の序盤はチュートリアルを兼ねた展開になっており、戦闘の基本操作やエンチャント技術の仕組みを自然に学べる構成です。最初は主人公アツマひとり、もしくは少数の仲間で戦うため、戦闘は比較的シンプルに進みます。序盤の攻略ポイントは「無理をせず回復をこまめに行う」「ゴーレムを手に入れたら積極的に育てる」ことです。経験値を満遍なく割り振り、複数の仲間を並行して成長させておくと、中盤以降の選択肢が広がります。
中盤の難所と戦術
物語が進むにつれて、ゴーレムの数が増え、敵も強力な技を多用するようになります。特に属性相性を無視すると一気に戦況が不利になるため、ここからは「敵の弱点属性を突く」ことが最重要になります。また、フィールドの位置取りを工夫し、範囲攻撃を効率的に当てる戦術が求められます。敵の配置をよく観察し、複数をまとめて攻撃できるようにすることが攻略の鍵となるのです。
ゴーレム育成とパーティ編成
攻略を安定させるためには、ゴーレムの育成が欠かせません。戦闘中に得られるポイントを使い、攻撃力・防御力・特殊能力を計画的に強化する必要があります。プレイヤーごとに育成方針は異なりますが、「前衛で攻撃を受け止める耐久型ゴーレム」「後衛で回復や支援を行うサポート型ゴーレム」をバランスよく揃えると、安定感が増します。最終的には自分のプレイスタイルに合った最強の布陣を組み上げることが、ゲーム全体を通じた最大の攻略ポイントとなるでしょう。
資金とアイテムの管理
本作では回復アイテムや装備品の管理も重要です。序盤は資金が不足しがちですが、無駄な買い物を避けて必要最低限の装備を整え、余裕が出てきたら回復アイテムを確保する流れが効率的です。強力なゴーレムやレア装備を手に入れるための探索も資金源となるので、ダンジョンを隅々まで歩いて宝箱を探すのも忘れてはいけません。
裏技や隠し要素
『【eM】-eNCHANT arM-』には、隠しゴーレムや隠しイベントといった裏要素も数多く用意されています。特定の条件を満たさないと出現しないキャラクターや、通常プレイでは気づきにくいサイドイベントが存在し、これらを見つけることで物語や戦力がさらに厚みを増します。攻略本やネットの情報を使わずに自力で発見したときの喜びは格別で、やり込みプレイヤーにとって大きなモチベーションとなりました。
難易度のバランスと達成感
難易度は総じて「やや高め」と言われることが多く、戦略を考えずに突き進むと全滅する場面も珍しくありません。とはいえ理不尽さは少なく、敵の行動パターンを理解し、自分の戦術を改善すれば必ず乗り越えられる設計になっています。そのため、苦戦したボスを撃破したときの達成感は非常に大きく、プレイヤーに「挑戦する楽しさ」を強く実感させてくれます。
周回プレイの楽しみ方
一度クリアした後も、本作は「周回プレイ」によって新しい発見を提供してくれます。育てきれなかったゴーレムを強化する、選ばなかった選択肢を辿る、未発見の隠しイベントを探すなど、2周目以降ならではの楽しみが豊富に存在します。これによって、単なる一度きりの冒険ではなく、長期的に遊び込むことができる作品となっていました。
■■■■ 感想や評判
発売当時の期待と注目
『【eM】-eNCHANT arM-』が発売された2006年初頭は、Xbox360の日本市場展開にとって重要な時期でした。和製RPGの投入はハードの普及を狙う戦略的意味合いが強く、ゲーム雑誌やニュースサイトでも「次世代機初の大作RPG」として注目を集めました。多くのプレイヤーが「フロム・ソフトウェアが描くファンタジーRPGとはどんなものか」と興味を持ち、発売日を心待ちにしたのです。
プレイヤーから寄せられた肯定的な意見
実際にプレイしたユーザーからは、以下のようなポジティブな意見が寄せられました。 – キャラクター同士の軽妙な掛け合いが面白く、長時間プレイしても飽きにくい。 – ゴーレム収集がコレクション的な楽しみを提供しており、図鑑を埋める感覚でやり込める。 – 戦闘に戦略性があるため、単調にならず工夫次第で強敵を打ち倒す達成感を味わえる。 – Xbox360の初期作品ながら、映像や音楽の演出がしっかりしていて没入感が高い。
これらの感想からも分かるように、プレイヤーは「次世代RPGらしい挑戦」を好意的に受け止めていました。
辛口な評価や課題点に関する声
一方で、批判的な声も少なくありませんでした。 – 戦闘のテンポが遅く、エフェクト演出が長いため冗長に感じることがある。 – シナリオの王道感は悪くないが、やや予定調和で意外性に欠ける。 – ゴーレムの種類は豊富だが、一部の性能が突出していてバランスが偏りがち。 – 移動やマップ構造が単調で、探索の楽しさが薄い。
このように、ポジティブな意見と同時に「改善の余地あり」とする声も多く、当時のレビューは賛否両論の色合いを強めていました。
メディアや雑誌でのレビュー
ゲーム雑誌「ファミ通」や専門誌では、グラフィックやシステムの斬新さに一定の評価を与えつつも、全体としては「惜しい部分が目立つ作品」という評価が多かったのが実情です。点数にすると中堅〜良作クラスに収まることが多く、「大作としての迫力はあるが、完成度にはもう一歩」といったニュアンスで語られていました。海外メディアでも似た傾向が見られ、グラフィックや世界観は評価されつつ、テンポや演出面での厳しい意見も目立ちました。
長く語り継がれる個性的なRPGとしての位置付け
批評は割れたものの、本作はXbox360初期を彩る国産RPGとして、いまでも記憶に残るタイトルとなっています。特にゴーレムシステムの独自性や、若者の成長を描くストーリーは他作品との差別化に成功しており、「一度遊んだら忘れられない独特の味わいがある」と語るファンも少なくありません。後年になって振り返ると、挑戦的で実験的な意欲作だったと評価する声が増えているのも特徴です。
プレイヤーの共通体験
印象的なのは、多くのプレイヤーが「苦戦したボスを突破した瞬間の達成感」を強く語っている点です。難易度が少し高めに設定されていたことで、試行錯誤を経て勝利したときの喜びはひとしおでした。SNSや掲示板では「このボスに何時間も挑んだ」「あのゴーレムを育てたおかげで勝てた」など、共感を呼ぶエピソードが多数共有され、作品ならではのコミュニティ感が形成されました。
■■■■ 良かったところ
王道RPGらしい安心感のある物語
『【eM】-eNCHANT arM-』のストーリーは、古代の禁忌の力をめぐる冒険、仲間との出会いと成長、世界を救う使命といった、RPGの王道を踏襲した内容でした。シナリオの新規性は控えめながらも、「これぞファンタジーRPG」と感じさせる安心感があり、プレイヤーは違和感なく物語に没入できます。特に若者の成長や友情を描いた青春群像劇としての側面は共感を呼び、多くのユーザーが「自分も一緒に旅をしているようだ」と感じたといいます。
戦略性のあるバトルシステム
ターン制をベースにしながらも、位置取りや範囲攻撃を活かす戦略性は高評価を得ました。シミュレーションRPGに近い要素を含むため、ただ強い技を選ぶだけではなく「どう配置し、どの順番で攻撃を仕掛けるか」という戦術を考える必要があります。この要素が、従来の単調になりがちなRPGバトルに新しい刺激を与え、戦闘を「考える楽しみ」に変えてくれました。
ゴーレム収集のやり込み要素
コレクション要素としての「ゴーレム集め」は、多くのプレイヤーが夢中になった部分です。数百種類に及ぶゴーレムはデザインも多彩で、単なる戦力としてではなく「お気に入りのキャラクター」として愛着を持たれる存在でした。強敵を仲間にしたときの喜びや、自分好みのパーティを編成する自由度は、このゲームならではの楽しみ方を提供していました。
映像と音楽の演出力
Xbox360初期の作品としては、グラフィックのクオリティは高く、特にイベントシーンや必殺技の演出は迫力満点でした。光や魔法のエフェクトが鮮やかに描かれ、当時のプレイヤーは「次世代機のパワーを実感した」と口を揃えます。さらに音楽も評価が高く、重厚なオーケストレーションから軽快な街のBGMまで、場面ごとに最適な旋律が流れることで、冒険の世界に強い没入感を与えました。
キャラクター同士の掛け合い
アツマと仲間たちが織りなす掛け合いは、ゲーム全体を通じて温かみとユーモアを与えてくれます。深刻な局面でも軽妙なやり取りが挟まれることで緊張が和らぎ、プレイヤーは「仲間と一緒に冒険している感覚」を強く感じることができました。このキャラクター性の豊かさは、物語を最後まで飽きずに進められる大きな原動力となっていました。
やり込みと長時間プレイの充実感
ストーリーだけでなく、ゴーレム育成や隠し要素、サブイベントを含めると100時間以上遊べるボリュームがありました。「クリアして終わり」ではなく、周回プレイや全ゴーレム収集など、やり込み要素が豊富に存在したことで、多くのユーザーが長期間にわたって遊び続けられました。ボリューム感と達成感の両方を備えた点は、確かな魅力として記憶されています。
新しいハードでの挑戦的な作品
本作はXbox360初期を代表する国産RPGとして、日本のプレイヤーに「このハードでも遊ぶ価値がある」と思わせる役割を果たしました。当時のラインナップでは珍しい和製大作RPGであり、その存在自体がXbox360の可能性を示すものだったのです。この意義深さも含め、多くのファンにとって「忘れられない一本」となっています。
■■■■ 悪かったところ
戦闘テンポの遅さ
多くのプレイヤーが指摘したのは、戦闘テンポのもっさり感です。エフェクト演出が長めに設定されていたため、特に範囲攻撃や必殺技を連発すると「見応えはあるが、時間がかかりすぎる」と感じられました。テンポの遅さは長時間プレイにおける疲労感を増幅させ、次世代機らしい派手な演出が逆に「ストレス源」になる場面もあったのです。
マップ構造と探索の単調さ
ダンジョンやフィールドのマップは比較的シンプルな作りで、一本道の構成が多く「探索の楽しみが薄い」と評されることが少なくありませんでした。寄り道や隠し通路が少ないため、プレイヤーの進行ルートが限定的になり、「自分で冒険している」という自由感に欠けていた点は残念な部分です。
シナリオの既視感
ストーリー自体は王道で安心感がある反面、意外性に乏しいと感じるユーザーもいました。「古代の禁忌の力が復活する」「未熟な主人公が仲間と共に成長する」といった要素は王道RPGの定番ではあるものの、独自のひねりや衝撃的な展開が少なく、プレイヤーによっては「展開が読めてしまう」と物足りなさを感じる部分がありました。
バランス調整の偏り
ゴーレム収集は魅力的な要素でしたが、一部のゴーレムが極端に強力である一方、使い道がほとんどないゴーレムも存在しました。これにより「集める楽しみ」はあるものの、実際の戦闘では特定のゴーレムに頼らざるを得ず、多様性が損なわれてしまうという声も多くありました。バランス調整がもう少し丁寧であれば、戦術の幅がさらに広がったと考えられます。
移動やロードのストレス
Xbox360初期の作品ゆえに、エリア移動時のロードが比較的長めでした。また、キャラクターの移動速度もやや遅めに感じられ、探索や往復作業の際に「だるさ」を感じたプレイヤーも少なくありません。特にサブイベントや収集要素に取り組む際、このテンポ感の悪さが積み重なり、不満の要因になっていました。
演出とゲーム性の乖離
イベントシーンの演出は派手で力が入っていましたが、その一方でプレイヤーの操作感覚と切り離されてしまい「見せられているだけ」と感じる場面もありました。ゲーム全体において「プレイヤー主体で動かしている感覚」と「ムービーを眺めているだけの感覚」が交錯し、没入感が途切れるという意見も一定数見られました。
期待値とのギャップ
「次世代機初の国産RPG」という大きな看板を背負っていたため、期待値が非常に高かったのも事実です。そのため実際にプレイしたときに、細部の完成度不足や単調さがより強調され、「期待ほどではなかった」と落胆する声が少なからずありました。この点は作品自体の出来というより、期待と現実のギャップによる評価の厳しさが影響しているといえるでしょう。
[game-6]■ 好きなキャラクター
主人公・アツマの成長物語
プレイヤーの多くが強い思い入れを抱いたのは、やはり主人公アツマです。最初は未熟で無鉄砲な青年として描かれ、軽率な行動でトラブルを招くことも多いのですが、仲間や世界との出会いを経て少しずつ責任感と強さを身につけていきます。こうした「欠点を抱えた主人公が成長する姿」は多くのユーザーに共感を呼び、「最後まで見届けたい」と思わせる原動力になりました。彼の不器用ながらも真っ直ぐな性格は、物語全体の青春群像劇を支える重要な軸でもあります。
頼れる仲間・トウヤ
アツマの親友であり、冷静で頭脳派のトウヤはプレイヤーから「最も頼れる存在」として支持を集めました。感情に流されがちなアツマを制御し、現実的な判断を下す彼の姿は、物語をバランス良く進めるための大きな要素でした。また、戦闘でも支援や戦略的役割を担うことが多く、物語上でもプレイ面でも欠かせない存在として高評価を得ています。
ヒロイン的存在・マコト
マコトは華やかでコミカルな一面を持ちながらも、仲間を大切にする優しさを持つキャラクターです。序盤から登場し、アツマたちの旅を明るく彩ってくれる存在であり、「重苦しい展開でも空気を和ませてくれる」として人気がありました。特に彼女のユーモラスな台詞や、時に鋭い突っ込みを入れる場面は、プレイヤーの記憶に強く残っています。
ミステリアスな存在・カリン
一方でカリンはクールで落ち着いた雰囲気を漂わせる女性キャラクターで、彼女の謎めいた背景や冷静な態度に惹かれたプレイヤーも多くいました。アツマやマコトとの対照的な性格が物語の中で絶妙なコントラストを生み出し、パーティ全体に奥行きを与えています。「淡々としているのに心の奥に熱いものを秘めている」と感じさせる描写があり、そのギャップがファンを虜にしました。
ゴーレムたちの個性
人間の仲間だけでなく、ゴーレムもまたプレイヤーに強い印象を残しました。特にデザインや能力がユニークなゴーレムは「お気に入り」として長くパーティに入れ続けるユーザーが多く、彼らは単なる戦力以上の存在感を放っていました。強大な力を持つゴーレムを仲間にしたときの達成感は格別で、プレイヤーにとっては「戦友」と呼ぶにふさわしい存在でした。
キャラクター同士の関係性
アツマ、トウヤ、マコト、カリンの主要メンバーは、それぞれの性格が鮮明に描かれており、互いの違いが物語を豊かにしました。時に衝突し、時に支え合う姿は、ただのゲームキャラクターではなく「共に成長する仲間」としてプレイヤーに認識されていました。この「人間らしい弱さと強さのバランス」が、本作を記憶に残るRPGにしている大きな理由のひとつです。
[game-7]■ 中古市場での現状
ヤフオク!での取引傾向
ヤフオク!では『【eM】-eNCHANT arM-』の中古ソフトは、比較的安定した価格帯で取引されています。一般的な出品価格は1,000円〜2,500円前後が多く、状態によって大きな差が出るのが特徴です。ケースやディスクに傷があるものは1,000円台前半から出品される傾向があり、入札が少なければそのまま即決価格で落札されることもあります。一方で、状態が良く、説明書や帯など付属品が揃っているものは2,000円台後半まで価格が上がる場合があります。未開封品はほとんど見かけませんが、出品されると3,500円前後で落札されるケースがありました。
メルカリでの販売状況
フリマアプリのメルカリでは、出品数はそこまで多くはありませんが、安定的に取引されています。価格帯は1,200円〜2,000円が主流で、写真付きで状態の良さをアピールしている商品は早めに売れる傾向があります。「送料無料」「即購入可」といった条件をつけた出品が人気で、特にディスク面が綺麗で動作確認済みの商品はすぐに購入者が現れることが多いです。相場は徐々に下落傾向にありますが、今でも「Xbox360初期の思い出作」として需要は残っています。
Amazonマーケットプレイスの価格設定
Amazonマーケットプレイスにおいては、やや高めに価格設定される傾向が見られます。中古品は2,000円〜3,000円台で出品されることが多く、コンディション「非常に良い」とされる商品はさらに上乗せされる場合もあります。プライム対応商品は安心感があるため、多少高くても売れるケースがあり、Amazonならではの「信頼感」が価格に反映されていると言えます。
楽天市場での取り扱い
楽天市場では中古ゲームショップが中心となって出品しています。価格帯はおおよそ2,000円〜3,500円で安定しており、セールやポイント還元を利用することで実質的に安く手に入れることも可能です。ただし在庫数は限られており、需要に対して供給が少ないため、品切れになっていることも珍しくありません。ネットショップとしての信頼性が高いため、「状態が良いものを確実に入手したい」というユーザーが利用する傾向にあります。
駿河屋での販売価格
中古ゲーム販売で有名な駿河屋では、『【eM】-eNCHANT arM-』の取り扱いも続いています。価格は1,800円〜2,800円程度で推移しており、セールや在庫放出のタイミングで1,500円前後に下がることもあります。駿河屋は在庫の回転が早いため「在庫切れ」になることも多く、需要の高さが伺えます。コレクターや動作保証を重視するユーザーにとっては信頼できる入手先といえるでしょう。
コレクターズアイテムとしての価値
『【eM】-eNCHANT arM-』は超人気作品ではないためプレミア価格がつくことは少ないですが、Xbox360初期を代表する和製RPGとして一定のコレクター需要があります。特に発売当時の初回版や特典付きの商品は希少価値があり、一般的な中古相場よりも高めで取引されることもあります。今後さらにXbox360ソフトがレトロゲームの領域に入っていくにつれて、価値がじわじわと上がっていく可能性も否定できません。
総合的な市場動向
総じて、『【eM】-eNCHANT arM-』は中古市場において比較的手頃な価格で入手可能な作品です。手軽に遊びたいユーザーにとっては魅力的で、またコレクションの一部として確保したい人にも人気があります。プレミア化はしていないものの「Xbox360黎明期を象徴するタイトル」という背景があるため、今後も安定した需要は続くと見込まれます。
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