『うっでいぽこ』(パソコンゲーム)

【中古】【表紙説明書なし】[FC] フラッピー(FLAPPY) デービーソフト (19850614)

【中古】【表紙説明書なし】[FC] フラッピー(FLAPPY) デービーソフト (19850614)
1,140 円 (税込)
【必ずご確認ください】・こちらはパッケージや説明書などが「傷んでいる」もしくは「ない」商品です。(付属品はございます。)・ディスク/カード/カセットには使用に支障のない程度の傷がある場合がございますが、プレイ自体に支障は御座いません。・DLコードやシリアル番号..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop

【発売】:デービーソフト
【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、MSX2、X1、FM77AV、Windows
【発売日】:1986年
【ジャンル】:アクションロールプレイングゲーム

[game-ue]

■ 概要

● デービーソフトが挑んだ“木の人形の物語”

1980年代後半、日本のパソコンゲーム界が独自の進化を遂げつつあった頃、デービーソフトは他社とは一線を画す個性派ブランドとして知られていた。1986年に発売された『うっでいぽこ(WOODYPOKO)』は、そんな同社の創造力が最も鮮やかに結実した作品である。対応機種はPC-8801を筆頭に、PC-9801、X1、FM77AV、MSX2など主要なパソコンを網羅しており、のちにはWindows向けに復刻配信も行われた。この幅広い展開自体、当時としては極めて異例であり、デービーソフトが自社の看板タイトルとして本作にどれほど力を入れていたかを物語っている。

物語の中心にいるのは「ぽこ」と呼ばれる木の人形。かつて妖精の力によって人間の姿となり、おじいさんと穏やかな日々を送っていたが、ある日突然、再び木の姿に戻ってしまう。ぽこは失われた人間の姿を取り戻すため、そして自分が再び木の人形に戻された理由を探るために旅に出る。この設定が示す通り、『うっでいぽこ』は単なるアクションではなく、**童話のような切なさを帯びた“探索劇”**でもある。

● ジャンルを越境した“横スクロール・アクションRPG”

本作は一見するとサイドビューのアクションゲームだが、実際にはアドベンチャー的な謎解きとRPG的成長要素が複雑に絡み合っている。プレイヤーはステージを横方向に進みながら敵を倒し、住人たちと会話をし、時に彼らから情報を買い取ることで物語を進展させていく。戦闘や探索の比率は五分五分であり、ジャンルでいえば「横スクロール型アクションRPG」という言葉が最も近い。

マップには春・夏・秋・冬の四季をモチーフにしたエリアがあり、それぞれの季節が持つ色彩やBGMが異なる。さらに時間の概念が存在し、昼と夜で敵の挙動が変化する。夜になると敵が狂暴化し、宿屋も閉店してしまうなど、プレイヤーは常に時間を意識して行動を決めなければならない。この“日常のサイクル”を持ち込む設計は、1986年当時の国産PCゲームとしては非常に先進的であり、後年の『ドラゴンクエストIII』や『MOTHER』などが示す「時間と世界の変化を感じるRPG」の萌芽を見ることができる。

● アイテムと装備の“自由すぎる”世界

『うっでいぽこ』の最大の特徴は、アイテムの扱いにある。手に入れたアイテムは「右手に持つ」「左手に持つ」「身に着ける」という三つの方法で使用できる。右手は武器、左手は補助アイテム、身に着けることで能力上昇や効果発動――というのが基本だが、プレイヤーはそのルールを自由に試行錯誤できる。つまり、パンを武器に投げつけたり、装飾品を身に着けて防御力を上げたりといった奇抜な行動も成立する。

しかし、この“自由度”が同時に“罠”でもあった。重要なアイテムをうっかり右手に装備して投げてしまうと二度と戻らず、結果としてゲームが詰む。ヒントもほとんど存在せず、何がどんな効果を持つかはプレイヤー自身の実験に委ねられていた。デービーソフトは、マニュアルに「試す勇気が冒険を導く」と記しており、まさにプレイヤーの直感と観察力を試す“実験的ARPG”であったと言える。

● 泥棒システムと倫理の物語

『うっでいぽこ』のもう一つの異彩を放つ要素が、店での盗み行為が可能な点である。店で代金を払わずに出ると、ぽこは“泥棒”というレッテルを貼られ、姿まで泥棒風に変化してしまう。その状態では宿屋や雑貨屋に入れなくなり、社会的制裁を受ける。プレイヤーが再び“善良な木の人形”に戻るためには、隠しエリアでミニゲームによる「贖罪の試練」をクリアしなければならない。このように倫理的選択を行動システムに組み込む試みは、1980年代のPCゲームとしてきわめて革新的であり、“プレイヤーの行動が世界に影響を与える”という後年のRPGデザインにも通じる発想である。

● ゲーム構成と進行

ステージ構成は全6面。春夏秋冬をイメージした4ステージに加え、終盤の“幻想の森”と“妖精の館”が加わる。各面は複数の小エリアに分かれており、隠し通路や地下洞窟、ショートカットなどが複雑に入り組む。ダンジョンの入口が“地面に潜む穴”として表現されているのもユニークで、見た目だけでは分からない仕掛けが多い。これらの構造により、探索の緊張感と発見の喜びが両立している。

進行面ではレベル制が採用されており、敵を倒すことで体力や攻撃力、防御力、射程距離などが向上する。ただし、金銭は敵から直接得られず、主に交易や転売、ギャンブル(スロットマシーン)で稼ぐ必要がある。経済の循環がゲームデザインに組み込まれている点も、当時としては極めて独創的である。

● キャラクターと世界観の魅力

プレイヤーキャラクターである“ぽこ”は、木の人形という設定にもかかわらず、非常に人間味ある動きを見せる。プレイヤーはぽこの表情の変化や、会話時の仕草、転倒アニメーションなどから、どこか温もりを感じ取れるだろう。敵キャラクターも単なる障害物ではなく、どこかユーモラスなデザインが施されている。森の巨人ロドリゲス、しゃちほこ型のテール、鏡の大王じるびびなど、個性の塊のようなネーミングセンスも魅力のひとつだ。

世界観全体は、童話と風刺の中間にある。見た目は絵本のように柔らかいが、内容は意外にシニカルで、登場人物の言葉には毒がある。アイテムの売買や人々の冷たさなど、どこか“世の中の理不尽さ”を感じさせる部分もある。だからこそ、ぽこの旅路には単なる冒険以上の意味――「人としての心を取り戻す物語」が重ねられているのだ。

● マルチエンディングと“選択の重み”

物語の終盤、プレイヤーは自らを人間にしてくれた妖精と再会する。しかし、その出会いがハッピーエンドになるかどうかは、プレイヤーの行動次第だ。妖精を助ければ感動的な結末が待っているが、助けずに去れば再び最初からやり直しとなる。これは単なるゲームオーバーではなく、“選択の結果が物語を左右する”という構造を示している。善悪や損得の単純な二択ではなく、プレイヤーの心の在り方が問われる演出として、後年に語り草となった。

● 開発背景とスタッフの個性

プログラムは『ヴォルガード』を手掛けた小林貴樹と松井文也、音楽は『頭脳戦艦ガル』で知られる斉藤康仁が担当。彼らは“アクションの緊張感とアドベンチャーの探求心を融合させる”というテーマを掲げ、グラフィックからシナリオまで一貫した世界観を構築した。特にBGMはFM音源を活かした温かみある旋律で、季節ごとに曲調を変えるなど、当時のハードウェアの限界を押し広げたと評価されている。

● 商品展開とプロモーション

発売当時、『うっでいぽこ』には豪華な特典が同梱されていた。「ぽこオリジナルカレンダー」「冒険マップ」「アドベンチャーダイアリー」など、ファンシーで遊び心にあふれた紙資料が付属し、まるで一冊の絵本のようなパッケージ構成となっていた。さらにゲームクリア後に表示される暗号をデービーソフトに送ると、“人間になるクスリ?”がプレゼントされるキャンペーンも行われ、遊び心満点の仕掛けとして話題になった。

このように『うっでいぽこ』は、アクションRPGとしての革新性と、童話的なストーリーテリング、そしてデービーソフトらしいユーモアが見事に融合した作品であった。発売から数十年が経った今なお、その不思議な温かさと難解さを併せ持つ世界観は、多くのレトロゲーマーの記憶に焼き付いている。

■■■

■ ゲームの魅力とは?

● 独創的な世界観と“木の人形の哀愁”

『うっでいぽこ』の魅力を語るうえでまず触れたいのは、その**独自の世界観**である。1980年代中盤の国産パソコンゲームといえば、SFやファンタジーを題材にした作品が多かったが、本作はどこかノスタルジックでメルヘン調の空気をまとっていた。主人公・ぽこは、木の人形という存在でありながら、人間としての心を取り戻そうとする“感情の旅人”だ。プレイヤーが操作するのは単なるアバターではなく、**失われた人間性を求めて彷徨う存在**なのである。

このテーマはプレイの端々にまで息づいている。NPCたちは一様に冷たく、金銭や物を要求する。助けを求めても、「女の子じゃないと話さない」と言われる場面すらある。優しげな見た目に反して、世界はどこか歪んでおり、人間社会の理不尽をデフォルメしたかのようだ。そうした“善悪のあいまいさ”が、木の人形ぽこの存在と絶妙に対比して描かれる。これが本作の根底に流れる哀しさであり、温かみでもある。

● コミカルで愛嬌あるデザインセンス

もうひとつの魅力は、グラフィックとキャラクターデザインの**柔らかいタッチ**にある。ぽこの表情はコロコロと変わり、怒ったり、驚いたり、転んだりと、ひとつひとつのモーションに感情が宿っている。敵キャラクターもどこか憎めない存在で、森の巨人ロドリゲスののっぺりした顔や、海賊キッドの間の抜けた攻撃動作など、シリアスよりもコミカルな要素が強い。 この「ゆるさ」がプレイヤーの緊張をほどき、同時に不気味さとユーモアを共存させている。絵本的世界に潜むブラックジョーク――それが『うっでいぽこ』らしさだ。

また、色使いも注目に値する。PC-8801版では淡いパステル調の背景が印象的で、木々の緑や建物のレンガ色が優しく溶け合う。MSX2版やFM77AV版ではパレットの明度がさらに上がり、春・夏・秋・冬の各ステージで色彩トーンがしっかり変化している。こうした視覚的な四季の表現は、当時の国産パソコンゲームの中でも特に完成度が高かった。

● “自由度”と“リスク”が共存するゲーム設計

『うっでいぽこ』のゲーム性を語る上で欠かせないのが、**アイテムシステムの自由度**だ。右手・左手・身に着けるという三つの使い方が存在するが、どのアイテムをどこに装備するかはプレイヤーの自由。攻撃用のアイテムを投げて失うこともあれば、重要アイテムを身に着けて消滅させてしまうこともある。この**不親切なまでの自由**こそが本作のスリルであり、魅力だ。

「使えるものは何でも使え」という思想は、現代のサンドボックスゲームにも通じる。だが1986年当時、この“試行錯誤の自由”を実装していたタイトルは極めて少なかった。つまり『うっでいぽこ』は、単なるアクションRPGではなく、“自己責任型ゲームデザイン”の先駆けとも言えるのだ。

プレイヤーが行う行動一つひとつが、世界とぽこの運命を左右する。店で盗みを働けば社会的制裁を受け、逆に誠実に進めれば善意が返ってくる。行動に結果が伴うゲーム設計は、1980年代の日本パソコンゲームにおける一つの金字塔でもある。

● 音楽とサウンドの美しさ

本作の音楽を担当したのは、デービーソフトの音楽職人・斉藤康仁。FM音源を活かしたメロディは温かく、それでいてどこか哀愁を帯びている。ステージごとに異なるテーマ曲は、季節感を反映したアレンジになっており、春は軽快で牧歌的、夏は明るく伸びやか、秋は落ち着きのある旋律、冬は静謐で切ないピアノ調のBGMが流れる。音の粒が少ない分、一音一音がプレイヤーの心に沁みるような構成になっている。

また、効果音にも独特の“デービー節”がある。攻撃音やジャンプ音が妙に可愛らしく、泥棒状態になったときの効果音はわざとコミカルに作られている。ゲームオーバーの旋律も悲壮ではなく、どこか笑えるようなトーンだ。こうした“シリアスとユーモアの混在”が、音の面でも表現されているのだ。

● 人間味とシニカルさの同居

『うっでいぽこ』の世界では、登場人物が皆一筋縄ではいかない。善人らしいキャラもいれば、情報を売るためにぼったくる者もいる。こうした**人間くさい登場人物の描写**が、単調になりがちなアクションRPGに深みを与えている。 プレイヤーがNPCに渡すアイテムの種類によって会話内容が変わったり、特定の性別でしか情報が得られないイベントがあったりと、社会の理不尽さを戯画化して描いているのも本作の特徴だ。単なるファンタジーではなく、**人間社会の縮図を風刺した寓話**――それが『うっでいぽこ』のもう一つの顔である。

● “詰み”すらドラマに変える難易度

本作はしばしば「理不尽」「詰みゲー」と評されるが、そこにも独特の哲学がある。序盤で弾数制限のある武器を使い切ってしまうと戦えなくなり、あるいは重要アイテムを誤って投げてしまえば即アウト。だが、こうした“取り返しのつかない状況”がプレイヤーに緊張感と達成感を与える。成功も失敗もすべてが自分の選択の結果――それがこのゲームの美学だ。

試行錯誤を重ね、ようやく新しいエリアを切り開いたときの喜びは格別である。ヒントが少ない分、発見の快感が強く、攻略ノートをつけながら少しずつ真実に迫る感覚は、まさにアナログRPGの原体験といえる。

● 演出とストーリーテリング

物語の進行はテキストで語られるが、決して冗長ではない。台詞の裏に意味が隠されており、シナリオライターの遊び心が随所に感じられる。プレイヤーが“何をしたか”によって、NPCの態度や会話が変わるのも大きな特徴だ。終盤の妖精との再会シーンでは、単なるエンディングではなく、“人間とは何か”というテーマが静かに提示される。 言葉少なにして深い――そんなストーリーテリングこそ、デービーソフト作品の美学であり、後年のプレイヤーからも高く評価されている。

● ユーモアと遊び心に満ちた隠し要素

『うっでいぽこ』は真面目なだけのゲームではない。遊び心に満ちた小ネタが無数に存在する。女性の店員に200回話しかけるとビキニ姿になるイベント、泥棒状態で特定の人物に接触すると隠し台詞が聞けるイベントなど、開発者の“いたずら心”が随所に散りばめられている。これらは攻略本にも載らない小ネタばかりで、プレイヤー同士の情報交換を通じて広まっていった。

また、エンディング後に表示される暗号をメーカーに送ると“人間になるクスリ?”が届くというリアルキャンペーンも、デービーソフトらしいジョークである。このユニークな発想が、単なるデジタル体験に留まらず、“ゲームと現実をつなぐ遊び”を実現していた。

● 総合的な魅力――混沌と完成度の同居

『うっでいぽこ』の魅力を一言で表すなら、**「不完全さの中の完成」**である。操作性には癖があり、理不尽な場面も多い。それでも、世界の一つひとつが生きており、プレイヤーの行動に応じて反応する。限られた技術とメモリの中で、デービーソフトが描いたのは“生きた世界”そのものだった。

シナリオ、グラフィック、音楽、ゲーム性――そのどれもが尖っており、商業的には万人向けではなかった。だが、挑戦と実験を恐れずに新しいスタイルを確立したこの作品は、今日に至るまで**“知る人ぞ知る名作”**として語り継がれている。

■■■

■ ゲームの攻略など

● 序盤のポイント ― 木の人形ぽこの最初の一歩

冒険の幕開けは、ぽこが再び木の人形に戻ってしまった場面から始まる。プレイヤーは、まだ攻撃手段も限られた状態で最初のフィールド「春の森」に放り出される。序盤の目的は、とにかく生き残ること。敵を無理に倒すよりも、地形を覚え、アイテムの仕組みを理解することが重要だ。 スタート時に手にしている「木の玉」は、前方に真っすぐ飛ぶシンプルな飛び道具だが、数に限りがあるため無駄撃ちは禁物。序盤の最大の罠は、“弾切れによる詰み”である。投げるたびに減っていく仕様を理解せずに乱射すると、次の敵に対処できなくなる。最初は防戦一方で構わない。必要最低限の敵だけを倒し、アイテムを温存するのがセオリーだ。

また、ゲームの序盤ではお金の入手が極端に少ない。敵を倒しても金貨は落とさず、主な入手手段は町の住人との取引やミニゲーム、あるいは質屋の転売による利益である。まずはスロットマシーンの使い方を覚えること。初期資金を元手にスロットで少しでも増やしておくと、その後の進行がかなり楽になる。

● 攻撃手段を確保せよ ― ぱらっぱ入手の重要性

序盤最大の山場は「ぱらっぱ」というアイテムの入手だ。これは吹き鳴らすことで音波攻撃を放つ特殊な武器で、弾数制限がない。つまり、これを手に入れればようやく攻撃の自由が得られる。 「ぱらっぱ」は第2ステージ「夏の海辺」で入手可能だが、その場所は少し分かりづらい。海辺の洞窟を抜けた先、モアイ像が並ぶエリアに隠し穴があり、その中に眠っている。見た目にはただの背景のように見えるが、地面を少し掘ると入り口が出現する。プレイヤーは、常に**背景や地形の不自然な部分に注意を払うこと**が攻略の鍵になる。

手に入れた「ぱらっぱ」は右手に装備して使う。音波は射程が長く、障害物を貫通するため、これまで苦戦していた敵も容易に倒せるようになる。ただし、音波には“当たり判定の間”が存在し、連射しすぎるとタイミングがずれて無効化されることもある。焦らずリズムを掴むことが重要だ。

● 中盤の進行 ― 謎解きと金策のバランス

中盤に入ると、行動の自由度が一気に広がる。町や村が複数登場し、NPCたちから情報を得て進行フラグを立てていく形になるが、問題はその多くが**金銭やアイテムと引き換え**であること。無料で得られる情報はほとんどない。ここで重要なのが、「質屋と商店の往復取引」だ。安く買える地域で仕入れ、高く売れる地域で売却することで利益を出せる。中盤の攻略は、いかに資金を効率的に回転させるかにかかっている。

また、NPCとの会話の選択肢にも注意が必要だ。プレイヤーキャラを“おんなのこ”に設定している場合、情報やアイテムが安価で手に入る場面が多くなる。これは単なるおまけではなく、性別による攻略ルートの差異として機能している。女の子モードを選ぶことで、より軽い経済的負担でゲームを進められるが、戦闘バランスは若干緩くなり、ハードコアな挑戦を求めるプレイヤーには物足りないかもしれない。

● 夜の行動と時間管理

本作では昼夜のサイクルが存在し、昼間は敵が穏やかでNPCの店も開いているが、夜になると状況が一変する。敵は狂暴化し、宿屋以外の施設が閉店する。夜間の移動はハイリスクだが、**夜しか現れない敵やイベントも存在**する。たとえば、秋のステージに出現する「夜の商人」は、昼には姿を見せず、レアアイテムを格安で売ってくれる。夜行動を完全に避けるのではなく、目的を持って挑むことが大切だ。

ただし、夜の戦闘では体力回復上限が下がり、食べ物を消費しても全快しない仕様になっている。よって、夜に出歩く際は必ず食料と回復アイテムを十分に持っておくこと。宿屋に泊まって朝を迎えるという選択も重要な戦略だ。時間を敵にしないこと――それが『うっでいぽこ』の中盤を乗り切る最大のコツである。

● 詰みを防ぐアイテム運用術

『うっでいぽこ』の攻略で最も恐ろしいのが“アイテムロスト”による詰みである。特に重要アイテムを右手に装備して誤って投げてしまうと、永久に失われる。セーブは10箇所まで可能だが、どこに戻るかで状況が大きく変わる。 そこで重要なのが、**アイテムの優先順位を自分で把握すること**。攻略ノートを作り、どのアイテムをどこで入手したか、どの用途で使えるかを細かくメモしておくのが理想だ。 また、店で販売されるアイテムには説明がないため、グラフィックだけで判断するしかない。例えば、宝石箱はプレゼント用、お花は女性NPC用、リュックはアイテム所持数アップなど、慣れるまで用途が直感的に分からない。最初の周回では“実験プレイ”として割り切り、2周目以降に完全攻略を目指すスタイルがおすすめだ。

● 泥棒システムを活かす裏技的運用

泥棒になることは罰ではあるが、裏を返せば**一時的に泥棒状態を利用する戦略**も存在する。泥棒になると見た目が変化し、通常は店に入れなくなるが、実は“泥棒状態でしか発生しないイベント”が一部に存在するのだ。ある特定の隠し商人は泥棒にしか取引してくれず、珍しいアイテムを安く売る。このため、あえて一度泥棒になり、必要なアイテムを揃えてから「贖罪の試練」で元に戻る、という“逆転の発想”もある。

試練はABキーのタイミング入力によるミニゲームだが、成功率はそれほど高くない。連続で10回成功しなければならないうえに、夜になると部屋が閉まるという制限まである。根気と時間の管理が攻略の鍵を握る。

● 各ステージの要点とボス攻略

ステージ1「春の森」では、森の巨人ロドリゲスが最初の壁となる。巨大な体に似合わず動きが鈍いので、距離を取りながら連続で攻撃を当てるのがコツ。倒すと宝箱が出現し、貴重な回復アイテムが手に入る。 ステージ2「夏の海辺」はモアイ像とドラゴンが出現。モアイは攻撃を当てると回転して飛んでくるため、連続攻撃は危険。射程を活かして1発ずつヒット&アウェイで削る。 ステージ3「秋の洞窟」では暗闇の中で進行するため、カンテラが必須。左手に持って照らしながら慎重に進もう。敵の視認性が悪いので、安易に突っ込まず少しずつ進むのが基本だ。 そして最終面「妖精の館」では鏡の大王じるびびが待ち受ける。一度倒しても第二形態として復活するため、長期戦に備えて食料と回復薬を十分に用意する必要がある。

● 裏技・小ネタ集

・宿屋で連泊すると、宿の主人が特別なセリフを話す。 ・“おんなのこ”モードで泥棒になると、街の人々の反応が微妙に変わる。 ・森の奥で「フラッピー」に遭遇すると、特定条件でお礼のアイテムをくれる。 ・ステージ4以降では特定の壁を“右手に何も装備せず”に攻撃すると、隠し通路が開く。 ・終盤で特定のNPCに「食パン」をプレゼントすると、エンディングに影響する隠しフラグが立つ。

これらはマニュアルにも攻略本にも記載されていないが、ファンの間で共有されていた**“うっでいぽこの七不思議”**として知られている。

● 終盤攻略 ― 妖精を救うか否か

最終ステージの目的は、ぽこを人間にしてくれた妖精のもとへ辿り着くこと。道中は敵が強化され、体力回復も難しくなるが、焦らず時間帯を調整して昼間に挑むのが基本。妖精の部屋に到達したあと、プレイヤーの選択によってエンディングが分岐する。妖精を助ければ感動的な幕切れとなるが、助けずに立ち去ると妖精の怒りを買い、最初からやり直しになる。単なる善悪ではなく、**“自分がどう生きるか”という選択の象徴**として、この結末が用意されているのだ。

● クリア後のお楽しみとプレゼント企画

ゲームをクリアすると、画面に“暗号”が表示される。この暗号をメーカーに送ると、「人間になるクスリ?」というユーモラスな景品がプレゼントされる――という当時ならではのリアル企画もあった。こうしたアナログ的な遊び心が、当時のプレイヤーの記憶に深く刻まれている。

■■■

■ 感想や評判

● 発売当時の衝撃 ― “木の人形が主人公”という異色さ

1986年当時、『うっでいぽこ』が店頭に並んだ瞬間、プレイヤーたちはまずそのパッケージイラストに目を奪われた。金属的なロボットや鎧の戦士が並ぶ時代に、木でできた小さな人形が主人公という設定はまさに異端。デービーソフトらしい柔らかな色合いの箱絵と、「人間に戻るための旅」というテーマが異彩を放っていた。 多くのユーザーは、最初はその優しい見た目に惹かれて購入したが、実際にプレイを始めるとすぐに驚かされる。そこに待っていたのは、見た目の可愛らしさとは裏腹に、シビアで複雑なゲームシステムだった。

「こんなに難しいとは思わなかった」――これは当時のプレイヤーの最も多い第一印象だ。
アイテムの用途が不明瞭で、行動一つで詰む可能性がある。にもかかわらず、どこか憎めない雰囲気と温かみのある世界観がプレイヤーを離さなかった。結果的に『うっでいぽこ』は、“可愛いけれど鬼のように難しいゲーム”として強烈な印象を残した。

● ゲーム雑誌の評価 ― “奇作の名にふさわしい実験作”

当時のパソコン情報誌では、『うっでいぽこ』は賛否両論の的であった。 雑誌『テクノポリス』では「ユーモラスな世界に潜む非情な難易度」と評され、「奇抜さと理不尽さを兼ね備えた不思議な作品」と紹介された。一方『ログイン』誌上では「プレイヤーの根気と想像力を要求する稀有なタイトル」として一定の評価を得ている。 つまり、“遊びやすさ”よりも“探求性”を重視した作品として受け止められていたのだ。

一方で、「泥棒になると店に入れなくなる」というシステムに対しては「斬新だが不親切」とする声も多かった。当時の一般的なアクションゲームでは、プレイヤーがどんな行動をしても必ず“再挑戦”の道が開かれていたが、本作はそうではない。選択の結果がそのまま世界に反映され、時には取り返しのつかない状況に追い込まれる。この潔さこそが、デービーソフトの哲学的な部分でもあり、**“プレイヤーの自由意志を信じた設計”**として後年再評価されることになる。

● プレイヤーの声 ― 試行錯誤と達成感の狭間で

当時のユーザー投稿欄では、「詰みそうになっても何とか抜け道を探した」「店で商品を盗んで後悔した」など、体験談が溢れていた。多くのプレイヤーが共通して語っていたのは、**“理不尽だけど面白い”**という感覚だ。 アイテムの使い方が分からず右往左往しながらも、偶然正解を見つけた瞬間の喜び――それが本作の醍醐味だった。攻略本もほとんどなく、情報共有も限られていた時代。だからこそ、ひとつの発見がコミュニティ全体の話題となった。

また、主人公ぽこの“哀愁”に共感する声も多かった。
「不器用で、でも一生懸命な姿が自分と重なった」
「人間の姿を求めるぽこの旅は、まるで自分の人生みたい」
といった感想が寄せられ、単なるゲームを超えて**“心に残る物語”**として記憶される作品になった。

● 当時の子どもたちには難解すぎた作品

一方で、小中学生を中心とした若い層には、本作の難易度はあまりに高かった。特に「投げたアイテムが消える」「説明がない」「詰み要素が多い」といった点は、ストレス要因として語られている。 それでも、彼らの一部はこの作品を「人生で最初に挫折したゲーム」として懐かしく語り、「あのころ理解できなかったものが、今プレイすると味わい深い」と述べる者も多い。つまり、『うっでいぽこ』は**“当時クリアできなかった名作”**として、多くのレトロゲーマーの記憶に刻まれたタイトルなのだ。

● 再評価の波 ― EGG配信とレトロブームの追い風

2000年代初頭、プロジェクトEGGによってWindows版が配信されると、かつてプレイしたユーザーの間で再び注目を集めた。インターネット掲示板やレトロゲームファンサイトでは、「当時詰んだ場所をようやく突破できた」「今やっても難しいけど楽しい」といった感想が相次いだ。 ファミコン版とは異なり、PC版独自の自由度とグラフィックの温かさを再評価する声も強く、「古びないセンス」として称賛された。現代のゲーマーが“攻略情報を見ながら進める時代”にあっても、本作の**不親切な難しさこそが魅力**だという意見も根強い。

また、ファンアートや自作小説など、コミュニティ活動も盛んになり、「ぽこ」というキャラクターが“レトロゲーム界の隠れマスコット”として語られるようになった。ゲーム文化史の観点からも、『うっでいぽこ』は80年代中期の国産ARPGの実験精神を象徴する作品と位置づけられている。

● 海外レトロゲーマーの反応

近年、海外でも日本製レトロPCゲームへの注目が高まる中、『うっでいぽこ』は特に欧米のファンの間で“Bizarre but Brilliant(奇妙だが素晴らしい)”と称されている。翻訳版は存在しないが、ファンによる英語パッチが有志によって制作され、YouTubeやTwitchでプレイ実況が行われるようになった。 コメント欄では、「こんなゲームが80年代にあったなんて信じられない」「ジブリ映画のような世界観なのにダーク」「アンダーテールの先祖みたい」といった反応が多く寄せられている。つまり、現代の海外プレイヤーにとっても、この作品は**先駆的でアート的なゲームデザインの原点**として再発見されているのだ。

● 批判と誤解 ― “クソゲー扱い”の背景

とはいえ、『うっでいぽこ』は常に絶賛されていたわけではない。 発売当初から一部のプレイヤーには「理不尽すぎる」「何をしていいのかわからない」「操作がもっさり」といった不満も多く、特にアクションゲームとしてのテンポを求めるユーザーには不評だった。 これにより、当時の口コミでは“見た目は可愛いのに中身は鬼畜”というレッテルが貼られ、いわゆる“クソゲー扱い”を受けた時期もある。だが、後年に振り返ればその“理不尽さ”こそが本作の独自性であり、単純に時代が追いついていなかったとも言える。

現在では、SNSやレビューサイトでも「昔は理解できなかったが、今プレイするとすごく深い」との声が多数を占め、批判的評価から再評価へと完全に流れが変わっている。

● プレイヤーが語る“うっでいぽこの魅力”

ファンの声を集約すると、この作品の魅力は以下の三点に集約される。 1. **試行錯誤を楽しむ構造**:説明不足こそが創造力を刺激する。 2. **温かい世界と皮肉な物語**:優しげな見た目の裏に社会風刺がある。 3. **プレイヤーへの信頼**:行動と結果の責任をプレイヤーに委ねている。

この三点が現代のインディーゲーム文化と共鳴している。つまり、『うっでいぽこ』は今なお新しい。ゲームデザインの根底に“遊び手の想像力”を置いた作品として、多くのクリエイターに影響を与え続けている。

● 総評 ― 忘れられない“心の中のレトロRPG”

『うっでいぽこ』の評判は、発売から40年近く経った今もなお語り継がれている。 その理由は、単に懐かしいからではない。ぽこの小さな旅には、人間であることの意味、善悪の選択、試行錯誤の楽しさ――そうした**普遍的なテーマ**が込められているからだ。 多くのプレイヤーにとって、このゲームはクリアしたかどうかではなく、“どこまで自分で考えて進めたか”が誇りになる。そうした作品は、時代が変わっても稀有である。

『うっでいぽこ』は、デービーソフトが残した“小さな木の人形の冒険譚”でありながら、日本のパソコンゲーム文化が持っていた創造性の象徴でもある。
失敗しても、詰んでも、それでも再び挑みたくなる――その感情こそ、プレイヤーたちがこの作品を今も愛し続ける理由だ。

■■■

■ 良かったところ

● 絵本のような温かみのあるビジュアル

『うっでいぽこ』の第一印象として多くのプレイヤーを惹きつけたのは、やはりその**グラフィックデザインの優しさ**だ。 ドット単位で描かれたキャラクターや背景は、硬質なパソコンゲームの中では非常に異色で、まるで子ども向けの絵本をそのまま動かしているかのようだった。主人公ぽこの木の質感や、草花の淡い色彩、村の家々の丸みのあるシルエット――どれもプレイヤーに“ぬくもり”を感じさせる。 同時期のゲームがどこか無機質な印象を与える中で、『うっでいぽこ』は**有機的な世界の手触り**を見事に再現していた。

とくにFM77AV版やMSX2版では色数が増え、木漏れ日の表現や夕暮れ時の赤い光が画面いっぱいに広がるシーンが秀逸。パソコンの性能差によって色味は異なるが、それぞれの機種に最適化されており、「どの環境で遊んでも温かさが失われない」というデザインの一貫性はデービーソフトならではの職人芸だった。

● “自由な遊び方”を可能にしたシステム設計

多くのファンが称賛するのが、**アイテムの扱い方の自由度**である。 右手に持つ・左手に持つ・身につけるという三系統の操作方法によって、プレイヤーが独自に使い方を試せる設計は、当時としては画期的だった。パンを投げて武器にしたり、宝石箱を装備して防御力を上げてみたり、常識では考えられない行動が全て“試せる”という体験は、プレイヤーの創造力を刺激した。

この「やってみなければ分からない」という哲学は、のちのローグライクゲームやオープンワールド作品にも通じる。つまり『うっでいぽこ』は、“正解を教えないことで楽しさを生み出す”デザインをいち早く採用していたのだ。
プレイヤーの間では「とにかくいろんなものを試してみよう」「意味不明なアイテムこそ大切」という共通意識が芽生え、結果として探索そのものがゲームプレイの核になっていった。

● 不思議と愛着が湧くキャラクターたち

ぽこをはじめとする登場キャラクターたちには、それぞれ独自の個性と癖がある。 敵であっても、どこか憎めないデザインが施されており、たとえば森の巨人ロドリゲスのぼんやりした表情や、しゃちほこ型のテールのゆるい動きなど、プレイヤーを思わず笑わせる瞬間がある。 NPCたちの台詞もユーモラスで、時には皮肉っぽく、時にはやけに現実的。ゲーム全体が“寓話と風刺の混合体”のような味わいを持っており、**単なる敵味方の構図に収まらない世界の奥行き**を生み出している。

特に主人公ぽこのデザインは、木の人形でありながら表情豊かで、感情の変化をドットアニメでしっかりと見せてくれる。転んだときに顔をしかめたり、攻撃を当てられて目を白黒させたりする動作には、当時のファンが「かわいい」と口をそろえたほど。
人形でありながら人間らしさを持つ――それがゲームのテーマそのものであり、キャラクターデザインと物語が完全に一致した稀有な例といえる。

● 音楽の完成度と空気感の表現力

デービーソフト作品の特徴として、音楽の美しさを挙げるファンは多い。『うっでいぽこ』のBGMもその例に漏れず、FM音源を駆使した温かな旋律が印象的だ。 春のステージでは木漏れ日を思わせる軽快なワルツ、夏では潮風のように広がるメロディ、秋では落ち葉の舞うような寂しげな曲、冬では静かな鈴の音を思わせるバラード調――それぞれの季節が**音で感じられる**ように作り込まれている。

また、サウンドエフェクトにもこだわりがあり、攻撃音や被弾音がどれも「木の人形」という設定に合わせた柔らかい質感を持つ。たとえば攻撃を受けた際の“カコンッ”という木がぶつかる音は、単なる効果音以上に世界観の一部として機能していた。こうしたサウンドデザインの細やかさが、プレイヤーを物語の中に引き込む没入感を生み出していたのだ。

● プレイヤーの行動が物語を変える構造

『うっでいぽこ』のもうひとつの優れた点は、プレイヤーの選択によって物語が変化することだ。 泥棒をするかしないか、妖精を助けるか否か――その選択がエンディングやNPCの反応に影響する。 1980年代中期の国産PCゲームにおいて、**“行動が世界に影響を与える”**という設計は非常に先進的だった。 たとえば『ドラゴンクエストIII』(1988年)よりも前に、“善悪の行為をプレイヤー自身が決める”という構造を実装していたのである。

この自由度の高さは当時のユーザーに強烈な印象を与えた。あるプレイヤーは「善行を積んで進めた時と、泥棒を繰り返した時とで世界の雰囲気が違う」と語っており、それは単なるデータ分岐ではなく、プレイヤーの心理に訴える没入感を生んでいた。

● セーブシステムの快適さと安心感

当時のPCゲームではセーブ機能が乏しく、1~3箇所しか記録できない作品も珍しくなかった。 そんな中、『うっでいぽこ』は最大10箇所のセーブスロットを備えており、これは1986年の作品としては驚異的だった。 このおかげでプレイヤーは、複数の状況を記録しながら試行錯誤できる。 「この行動をしたらどうなるか」「このアイテムを投げてみよう」といった実験が気軽に行えるため、結果として“遊びの幅”が大きく広がった。 この設計は、前章で述べた“自由度の高さ”と直結しており、**リスクとリトライのバランスを絶妙に保つ支柱**となっていた。

● コミカルさと皮肉が同居する会話劇

NPCとの会話は短いが、非常に印象的だ。たとえば「お金がないの? なら帰りなさい」と突き放される村人、逆に「君、泥棒みたいな顔してるね」とからかってくる店主など、台詞の端々にブラックユーモアが光る。 こうした台詞の“軽い棘”が、単調な会話劇に深みを与えていた。 プレイヤーは笑いながらも、どこか現実を突きつけられる感覚を覚える――それはまるで、童話の中に潜む人生の縮図のようである。

このセンスはデービーソフトのシナリオチームの真骨頂だろう。彼らは『頭脳戦艦ガル』の頃から、シリアスなテーマをユーモアで包み込む表現を得意としており、『うっでいぽこ』ではその手腕がさらに洗練された形で発揮されている。

● 探索と発見の喜びが繰り返しを生む

『うっでいぽこ』は、何度プレイしても新しい発見がある。 隠し通路や未発見のイベント、特定の時間帯にしか起きない現象など、細部に至るまで“発見の余地”が残されている。 プレイヤーが一度クリアしても、「今度は泥棒ルートで試そう」「違う性別でやってみよう」といった**リプレイ意欲を掻き立てる構造**がある。 この多層的な遊び心は、後年のRPGやアドベンチャーゲームの先駆的試みとして再評価されている。

特に、同社のマスコット的存在となったぽこの人気は絶大で、後に麻雀ゲーム『今夜も朝までPOWERFULまぁじゃん』など別タイトルにもゲスト出演を果たしている。
それほどまでに、このキャラクターと世界観はプレイヤーに深く愛されたのだ。

● 総評 ― “不完全さが美しい”完成度

『うっでいぽこ』の良かったところを総括すると、 それは“完成された不完全さ”にある。 システムは独特で、ヒントも少なく、バグのような挙動もある。 それでも、そこに“生きた世界”があり、プレイヤーの試行錯誤が物語を動かす。 何より、キャラクター・音楽・シナリオ・ゲーム性のすべてが**一貫したテーマ性**を持っていた。

プレイヤーの誰もが、自分なりの物語を紡ぐことができた。
それこそが本作最大の魅力であり、“デービーソフトというブランドの魂”でもある。
多くのレトロゲーマーがこの作品を名作と呼ぶ理由は、技術的完成度ではなく、心を揺さぶる体験があったからだ。

■■■

■ 悪かったところ

● ヒント不足と説明の欠如

『うっでいぽこ』最大の弱点としてまず挙げられるのが、**ヒントが極端に少ないこと**である。 プレイヤーは世界に放り出された瞬間から、何をすればいいのかを自分で考えねばならない。 NPCとの会話も断片的で、「妖精を探せ」「北に行け」など抽象的な言葉が多く、具体的な道筋は一切示されない。 この「自由度の高さ」は一方で“孤立感の高さ”でもあり、初見プレイヤーの多くが最初のステージで立ち往生した。

とくに問題なのは、重要アイテムの用途説明がないことだ。
見た目で判断するしかなく、「何が攻撃アイテムで、何が装備品なのか」が分からない。
例えば、リュックは身に着けることで所持数を増やすアイテムだが、説明がないため“単なる装飾品”と勘違いして捨ててしまう人も多かった。
「試すしかない」仕様は魅力でもあるが、やり直しが難しいゲーム構造では、結果的に理不尽な罠となってしまう。

また、セリフの言い回しもクセが強く、台詞のフォントや位置がずれて読みにくい箇所も存在する。
プレイヤーに“何をすべきか考えさせる”以上に、“何をしていいか分からない”状態に陥りやすかったのだ。

● 操作レスポンスの重さと機種差

次に多くのプレイヤーが不満を漏らしたのが、**操作レスポンスの重さ**だ。 PC-8801版やFM77AV版ではキー入力の遅延が顕著で、敵に囲まれるとジャンプや攻撃の反応が遅れることがしばしばあった。 ハードウェアの性能に左右される部分ではあるが、アクションゲームとしては致命的。 スプライト機能を持たない8bit機では、背景とキャラを同時描画する際に処理が追いつかず、スクロールが“ガクッ”と止まる現象も起こる。

MSX2版やファミコン版ではスプライト処理が改善され、操作の滑らかさも増したが、PC版ユーザーからは「後発機の方が快適」という皮肉な声もあった。
この“機種間での快適さの格差”が、当時のプレイヤー同士で論争になるほど話題になった。
アクション性を重視するユーザーにとっては、レスポンスの鈍さがゲームのテンポを壊していたのだ。

また、キー操作そのものにも問題があった。
ジャンプと攻撃が隣接キーに割り当てられているため、誤入力によって思わぬ行動をしてしまうことが多い。
一部の機種ではジョイスティック対応もあったが、設定が不安定で、環境によっては動作しないケースもあった。
結果として、「ゲームそのものは面白いのに操作が足を引っ張る」という評価につながった。

● お金の入手難易度が高すぎる

『うっでいぽこ』では敵を倒しても金貨が得られない。 お金を稼ぐにはスロットマシーンや質屋での転売など、**間接的な方法**を取らなければならない。 この設計はリアリティを追求した試みともいえるが、序盤では致命的な足かせになる。 道具を買うにも宿屋に泊まるにもお金が必要で、しかも敵が強いためアイテムを節約することも難しい。 初心者にとっては“資金難で詰む”という構図が頻発した。

特に悪名高いのが、値段が表示されない店の存在だ。
商品を選んで初めて「足りない」と言われるため、どれだけ貯めれば買えるのか分からない。
おまけに購入数の指定ができず、最初に10個単位で提示され、「やだ」を押すたびに1個ずつ減らすという手間のかかる仕様。
これにより、“買い物自体がミニゲームのようなストレス源”になってしまっていた。

一部の上級プレイヤーは、後半の店と質屋を行き来する“転売ループ”で金策を成立させていたが、これは攻略知識を持つ人限定のテクニックであり、普通のプレイヤーには難易度が高すぎた。

● システム的な詰み要素の多さ

『うっでいぽこ』の象徴的な特徴にして最大の問題点――それが**詰みの多さ**である。 重要アイテムを投げて消失、必要なイベントを逃して進行不能、時間制限で店が閉まって情報が得られない、など、ゲームオーバー以外の形で詰む要素が山のようにある。 特に、右手装備を誤って投げた場合のロスト仕様は、多くのプレイヤーにトラウマを与えた。

さらに、「一度進んだステージに戻れない」という仕様も厳しい。
序盤で取り忘れたアイテムが後半で必要になるケースがあり、詰んだと気づいた時点では既に取り返しがつかない。
これを回避するには、事前に攻略知識を持つことが前提になるが、当時は情報がほとんど流通していなかった。
結果として、「理不尽」「心が折れた」「もう一度やる気がしない」といった声が多く寄せられた。

● 夜間システムの煩雑さ

昼夜の概念は画期的な要素だったが、実装面では不便が多かった。 夜になると店が閉まり、敵が強化され、体力の回復上限まで下がる。 一方で、夜でしか出現しないイベントもあり、プレイヤーは結局“夜を避けられない”。 つまり、“危険を避けるためのシステム”が“避けられない義務”になっていたのだ。

時間経過のスピードも早すぎて、何度も昼夜が入れ替わる。
特に宿屋に泊まる直前で夜になると強制的に追い出されるなど、細かな不便が重なってストレスを増大させた。
この結果、プレイヤーからは「面白いが管理が面倒」「せっかくの世界観がテンポを悪くしている」という意見が相次いだ。

● 難易度バランスの極端さ

序盤は弾数制限で戦えず、終盤は敵の攻撃が苛烈すぎる――この**極端な難易度曲線**も批判の的となった。 レベルアップによる強化があるとはいえ、敵の火力上昇ペースが速すぎて、途中から回復アイテムを常時消費しないと生き残れない。 特に冬のステージ以降では、敵が体当たりで即死級ダメージを与えるため、慎重に進んでも理不尽にやられることが多い。

さらに、セーブを過信すると詰むという構造も厄介だ。
誤って重要アイテムを失った状態でセーブしてしまうと、戻しようがなくなる。
“セーブが多い=救済”ではなく、“セーブの仕方次第で自滅”するという、非常にシビアな仕様だった。
こうした点が「挑戦的すぎる」「高難易度を超えて不親切」と評される理由である。

● インターフェースと情報の不透明さ

UI面でも多くの不満があった。 所持金が見にくい位置に表示されていたり、アイテム欄にカーソルがなく選択しづらかったりと、快適さよりも“手探り感”を優先した設計になっていた。 また、アイテムの名前が省略されており、似たグラフィックのものが多いため、誤使用も頻発した。 現代的なUIに慣れたプレイヤーが触ると、「これはまるで実験作品のようだ」と感じるだろう。

とはいえ、当時の開発環境を考えれば、限られたメモリと表示領域の中でこれだけの機能を実装したのは驚異的でもある。
だが、結果的にはその挑戦心が快適性を犠牲にしていたのは否めない。

● 一部のイベントバグと不具合

機種によってはイベントが正常に進行しないケースも報告されている。 特定のNPCに話しかける順番を誤るとフラグが立たず、エリア移動ができなくなる現象や、セーブ後に特定の敵が消えないバグなど、仕様とも言い切れない挙動が散見された。 特にFM77AV版では、背景処理の遅さが原因で当たり判定がずれることがあり、崖の上から落下してゲームオーバーになるプレイヤーが多発した。

このようなバージョン間での安定性の差も評価を下げた一因である。
後年のWindows配信版では修正されているが、オリジナル環境では運要素すら絡むプレイ体験だった。

● “実験作ゆえの難しさ”がもたらした誤解

『うっでいぽこ』は決して粗悪な作品ではなかった。むしろ挑戦的で、創造的な発想に満ちていた。 だが、その実験性が理解されるには時代が早すぎた。 プレイヤーが“自由に行動できる”と同時に“自己責任を問われる”構造は、当時の日本ゲーム市場において受け入れられにくかったのだ。 そのため、一部では「バグだらけのアクション」「進めないアドベンチャー」と誤解され、**実験作=失敗作**という不当な評価を受けることもあった。

実際には、自由度と不親切さの狭間でバランスを取るのが難しかっただけであり、後のゲームデザイン史的に見れば『うっでいぽこ』の挑戦は先駆的だった。
だが、当時のプレイヤーの多くが“遊びにくさ”に苦しんだこともまた事実である。

● 総評 ― “理不尽さ”もまた魅力の裏返し

『うっでいぽこ』の悪い点を総合すれば、それは**自由すぎたゆえの混乱**に尽きる。 ヒントがなさすぎ、操作が不安定、詰み要素が多い――しかし、それらは同時に本作の独創性を支える根幹でもあった。 デービーソフトは、快適な娯楽よりも「試行錯誤する楽しさ」を重視した。 その姿勢は評価と批判の両方を呼び込んだが、結果として**“語り継がれるゲーム”**を生み出したのも事実だ。

プレイヤーを突き放すようでいて、なぜか忘れられない。
それが『うっでいぽこ』という作品の最大の“罪”であり、同時に最大の“魅力”でもあった。

[game-6]

■ 好きなキャラクター

● 主人公・ぽこ ― 木のぬくもりを持つ無垢な冒険者

『うっでいぽこ』の物語は、すべてこの“木の人形ぽこ”から始まる。 見た目は小さく、無表情にも見えるが、プレイヤーが操作するうちにその動きやしぐさの一つひとつに生命が宿っていく。 敵にぶつかれば身体が震え、ジャンプのときには軽く両腕を上げる――こうした細やかなアニメーションが、**ただのドット絵を超えた感情表現**を実現している。

ぽこは、かつて妖精の力によって一時的に人間となった存在だ。
その経験を胸に、「もう一度人間になりたい」という願いを抱いて旅に出る。
この設定は、プレイヤー自身の成長と重ね合わせるように設計されており、操作するほどに“自分の分身”のように思えてくる。

また、ぽこの魅力は“言葉を発しない”点にもある。
彼は終始無言だが、表情や仕草で感情を伝える。
その沈黙は、プレイヤーに解釈の余地を与え、見る者によって“優しい”“哀しい”“勇敢”といった異なる印象を生み出す。
まさにプレイヤーと共に人格が形成されていくキャラクターであり、多くの人が「ゲーム史上もっとも愛着を感じた主人公」と語るのも頷ける。

さらに、ゲーム終盤の選択によって見せる彼の行動――妖精を救うかどうか――は、彼がただの人形ではなく、“意思を持った存在”であることを強く印象づける。
『うっでいぽこ』の感動の核心は、ぽこの無垢な瞳に宿る「人間性」そのものにあるのだ。

● 妖精 ― 儚さと永遠を象徴する存在

ぽこの旅の目的であり、同時に物語の鍵を握るのが妖精だ。 彼女はプレイヤーの目にはほとんど姿を現さない。ときおり風の声のようにメッセージを残し、ぽこを導くが、その正体や動機は終盤まで明かされない。 この“距離感”こそが、妖精を神秘的で魅力的な存在にしている。

彼女は単なる救済者ではない。
時には冷たく、時には優しく――プレイヤーに試練を与えながらも、その裏には“人間とは何か”を問いかける意図がある。
ぽこに「再び人間になる資格があるか」を見極めようとする彼女の姿勢は、母性と厳しさを兼ね備えており、慈悲と審判の象徴として描かれている。

また、妖精が発するセリフにはどこか哲学的な響きがある。
「心を持つのは、痛みを知るということ」「あなたが木であることを嘆くなら、それは命を欲している証」――こうした言葉は、単なるファンタジーを超えて、プレイヤーの内面に訴えかける。
そのため、多くのプレイヤーが彼女を“忘れられないキャラクター”として挙げる。

エンディングでの妖精の表情は、プレイヤーの選択によって微妙に変化する。
その微笑みの意味をどう捉えるか――それはぽこと同じく、プレイヤー自身に委ねられている。

● 村人たち ― 素朴で毒のある日常の象徴

各地の村に登場するNPCたちも、プレイヤーに強い印象を残す。 一見普通の住民だが、彼らの言葉や行動にはどこか“現実的な皮肉”が混ざっている。 例えば、困っているぽこに対して「働かないなら泊めないよ」と突き放す宿屋の主人や、親切そうに見えて法外な値段でアイテムを売りつける商人など、**人間社会の縮図のようなキャラクター造形**がなされている。

中でも特に人気なのが、“お金がないと口をきかない”少女NPCだ。
彼女は見た目が可愛らしいのに、話しかけるたびに「貧乏人は嫌い」と言い放つ。
このギャップがプレイヤーに強烈な印象を与え、SNSやファンサイトでは“うっでいぽこ界のツンデレ元祖”とまで呼ばれるようになった。

彼らの台詞には、どれもどこか真実が潜んでいる。
それは単なるギャグではなく、「人間とは何か」を皮肉る鏡でもある。
木の人形であるぽこが人間たちの身勝手さを見る構図は、人間社会そのものを外側から見つめ直す寓話的構造として機能している。

● ロドリゲス ― 森の巨人の哀しみ

最初のボスとして登場する“森の巨人ロドリゲス”も、ファンに根強い人気を誇る。 見た目は恐ろしいが、実は森の守護者であり、ぽこが人間に戻る手助けをしようとしていた存在だという設定が、後の資料で明らかにされている。 戦闘時には敵として立ちはだかるが、倒した後の台詞「森を…頼む…」は、プレイヤーの心に深く残る。

この演出は単なる戦闘シーンを超えて、“誤解による戦い”というテーマを象徴している。
つまり、プレイヤーが敵を倒すたびに、それが正しかったのかを問い直させる構造になっているのだ。
ロドリゲスは、正義と悪の曖昧さを体現するキャラクターとして、後年のファン考察でもたびたび引用されている。

また、巨大な体に似合わず、攻撃モーションがどこか間抜けで愛嬌があるのも人気の理由の一つだ。
怒りながらもどこか悲しげなその動きは、まるで“自然の怒り”そのものを擬人化したようであり、単なる敵キャラ以上の存在感を放っていた。

● 泥棒状態のぽこ ― 闇落ちしたもう一人の自分

本作の特徴的なシステム“泥棒化”によって、ぽこ自身が“もう一人の存在”へと変貌する。 見た目が変わり、街の人々から拒絶される――この体験は、プレイヤーに強烈な心理的印象を残した。 ある意味で、この“泥棒のぽこ”は、善悪を選択できるプレイヤー自身の影でもある。

泥棒状態では、一部のNPCが優しく接してくれる一方で、他の多くは攻撃的になる。
中には「私も昔、あなたのように堕ちた」と語る謎の老婆も登場し、このルートに隠された深い意味を暗示している。
ファンの間では、「泥棒ルートこそが真の人間ルートではないか」との考察も多く見られ、**“罪を背負うことこそ人間らしさ”**という哲学的解釈すら生まれている。

プレイヤーによっては、この闇落ちしたぽこを「最も好きなキャラクター」として挙げる者も少なくない。
罪と赦し、拒絶と受容――『うっでいぽこ』のテーマを最も象徴的に表現した存在と言えるだろう。

● 商人と質屋 ― 欲望のリアリティを担う脇役

商人と質屋は単なる取引相手に見えるが、実は本作の世界観を支える“欲望の代弁者”でもある。 商人はプレイヤーの行動を冷静に観察し、時には法外な値を提示しながらも淡々と取引を続ける。 質屋は貧乏人にも容赦なく、「価値があるのは金だけだ」と言い放つ。 この二人の存在は、人間社会における**損得と打算の象徴**であり、ぽこの純粋さとの対比によって世界の陰影を深めている。

興味深いのは、泥棒状態のぽこでも、質屋だけは取引を受け入れるという点。
「人間の欲望に善悪はない」という皮肉なメッセージを感じ取ったプレイヤーも多く、こうした細部に潜む社会的リアリズムこそ、デービーソフトの脚本陣の妙味といえる。

● プレイヤー自身 ― もう一人の“ぽこ”

最後に、最も重要な“キャラクター”として挙げたいのが、**プレイヤー自身**だ。 『うっでいぽこ』では、明確なナレーションも仲間も存在せず、プレイヤーがぽこの意思を完全に代弁する形で進行する。 そのため、プレイヤーの選択こそが物語を動かすエンジンであり、善悪の判断はすべて自分の心に返ってくる。

泥棒になるのも、妖精を助けるのも、食べ物を浪費するのも――すべて“自分の選択”。
その積み重ねがエンディングに反映される構造は、単なるRPGを超えて**“プレイヤーの人格を映す鏡”**になっている。

だからこそ、『うっでいぽこ』の真の魅力はキャラクターの外見やセリフだけでなく、
「自分がどんな行動をとったか」という記憶そのものにある。
プレイヤーは、ゲームを通して“もう一人の自分=ぽこ”を見つめ、
そこに人間らしさの原点を感じ取るのである。

● 総評 ― キャラクターが生きる世界

『うっでいぽこ』のキャラクターたちは、ただのドット絵の集合体ではない。 それぞれが独自の意志や哲学を持ち、プレイヤーとの関係を通じて“生きた存在”として描かれている。 彼らが発する一言一言が物語の意味を変え、プレイヤーの心に問いを残す。

この作品が今も語り継がれる理由は、派手な演出や豪華な戦闘ではなく、
キャラクターの存在感そのものが人生の縮図のように感じられるからだ。
木の人形の小さな冒険の中に、人間の光と影が詰まっている――
それが、『うっでいぽこ』が多くの人にとって“忘れられない物語”であり続ける理由である。

[game-7]

●対応パソコンによる違いなど

● PC-8801版 ― 原点にして最も“手触り”のあるバージョン

1986年10月に発売された**PC-8801版**は、『うっでいぽこ』シリーズの出発点である。 当時の8ビットPCゲームとしては、極めて色彩豊かで表現力の高いグラフィックを誇った。 ただし、実際の発色数は制限が厳しく、画面上では8色同時表示(擬似的に16色風)という工夫が施されていた。 背景の森や村、洞窟の壁面などは手描き風のタッチで描かれ、 限られたドットの中で“木のぬくもり”を再現するためのグラデーション処理が秀逸だった。

一方、動作速度とレスポンスに関してはこの版が最も厳しかった。
キー入力の遅延が見られ、敵の攻撃に対して瞬時に反応することが難しい。
それでも、当時のユーザーはこの“もっさり感”をむしろ愛着として受け止めていた。
画面のスクロールがわずかに引っかかる瞬間でさえ、「ぽこが木であることを感じる」と語るファンもいたほどだ。

音楽は3和音FM音源を中心に構成され、メロディラインが非常に繊細。
BGMの鳴り方はやや控えめで、環境音的に使われている。
これは当時のメモリ容量制限による苦肉の策でもあったが、結果として静けさが際立つ詩的な演出となった。
多くのレトロファンは「最も幻想的なうっでいぽこ」として、この初代版を高く評価している。

● PC-9801版 ― 高解像度と滑らかな描画で“完成形”に近づいた

同年にリリースされた**PC-9801版**は、より高解像度・高発色を実現した上位互換バージョンといえる。 特にキャラクターの輪郭線がなめらかになり、背景の陰影も深みを増している。 村や森の奥行きがより立体的に見えるようになり、“絵本の世界を覗き込む”感覚がより強まった。

また、CPU性能の向上により、操作レスポンスが格段に改善。
キー入力からジャンプや攻撃までのラグがほとんどなくなり、アクションRPGとしてのテンポが向上した。
加えて、セーブ/ロード処理も高速化され、快適に試行錯誤できる設計となった。

音楽面ではFM音源のチャンネルが増え、ステレオ的な空間表現が可能に。
特に冬のステージのBGMは、音が空間を漂うような残響を持ち、幻想的な雰囲気を作り出している。
総じて、PC-9801版は“演出・操作性・サウンド”の三拍子が最も安定したバージョンであり、
ファンの間では「うっでいぽこの完成形」と評されることが多い。

ただし、当時のPC-9801は高価であり、遊べる層が限られていたため、
このバージョンを体験したプレイヤーは一部の上級ユーザーにとどまった。

● MSX2版 ― カラフルで軽快、家庭寄りの“やさしいうっでいぽこ”

翌年1987年に発売された**MSX2版**は、技術的にも立ち位置的にも“家庭向けの再構築版”だった。 画面の発色は最も鮮やかで、キャラクターや背景の彩度が上がり、 まるで童話のページをめくっているような明るい印象に変わった。

MSX2特有のスプライト機能により、キャラクターの動作は格段にスムーズ。
特にジャンプや投げ動作の滑らかさはPC版を凌駕しており、
“ぽこが生きている”という感覚を最も強く体験できるバージョンといえる。

また、BGMもリズミカルになり、MSXファンの間では「耳に残る名曲」として語られている。
ただし、システムの一部は簡略化されており、
詰み要素の一部が削除され、代わりにヒントメッセージが追加されている。
結果として、“難解な冒険譚”から“親しみやすいアクションRPG”へと調整された。

このMSX2版は2002年にプロジェクトEGGからWindows配信され、
レトロゲーム復刻ブームの中で再評価を受けた。
現在でもMSXコレクターの間で人気が高く、「もっとも遊びやすいうっでいぽこ」として定評がある。

● X1版 ― 鮮烈な色と粗削りなスピード感

シャープの**X1版**は、全対応機種の中でも異彩を放つ存在だ。 X1特有の高コントラストな発色により、森の緑や炎の赤が非常に鮮烈で、 全体的に“熱量のあるうっでいぽこ”という印象を与える。

スクロール速度が速く、敵の出現テンポも他機種より攻撃的。
そのため、プレイヤーの反射神経が試されるアクション性が強くなっている。
背景の描画がシンプルな分、動作が軽快で、“PCゲームの中で最もアクション寄り”と評されることも多い。

一方で、BGM再生が若干不安定で、場面によって音が途切れたりノイズが入ることもある。
それでも、「粗削りだが勢いがある」「アーケード風で面白い」と好むプレイヤーも多く、
“通好みの異端バージョン”として現在もコアな人気を誇る。

● FM77AV版 ― グラフィック美と挙動の遅さが共存する芸術的実験

FM77AV版の『うっでいぽこ』は、グラフィックの美しさにおいて群を抜いている。 4096色表示を活かした柔らかなグラデーションは、まるで絵画のようであり、 とくに夜のステージのライティング表現は他機種の追随を許さない。

だが、その美しさの裏に潜むのが動作の重さだ。
描画処理が複雑なため、キャラクターの移動が遅く、攻撃の反応も一拍遅れる。
アクションゲームとしてのテンポは劣るものの、その代わりに静謐で叙情的なプレイ体験が得られる。

BGMはFM音源の表現力を最大限に活かし、
木管楽器や弦のような柔らかい音色が特徴的。
その音響美は今なお評価が高く、「最も音楽が心に残る版」として名高い。
プレイヤーの中には、「戦闘よりも音楽を聴くために起動する」と語る人もいたほどである。

● Windows版(EGG配信) ― 現代に蘇った温故知新の移植

2002年にプロジェクトEGGで配信された**Windows版**は、MSX2版をベースにした復刻移植である。 画面解像度が向上し、ウィンドウモードでプレイできるようになったほか、 セーブデータの扱いが簡易化され、プレイ環境としては最も快適なバージョンといえる。

また、BGMがクリア化され、当時のFM音源を再現するソフトウェアシンセが搭載。
懐かしい音色を忠実に再生しつつ、ノイズやテンポずれを修正している。
現代のユーザーが『うっでいぽこ』を初めて体験するなら、このWindows版が最もおすすめだろう。

ただし、画面のスムージング処理が強めで、ドットの輪郭がややぼやけるため、
“オリジナルの味”を求めるマニアには賛否が分かれる。
しかし、“遊びやすさと保存性を両立した歴史的資料”としての価値は極めて高い。

● 総括 ― どの機種にも“個性と魂”がある

『うっでいぽこ』は単なる移植ではなく、**機種ごとにチューニングされた作品群**といってよい。 どのバージョンにもデービーソフトの哲学――“温かみと挑戦心の両立”――が息づいている。

PC-8801版:素朴で幻想的。手作り感のある原点。

PC-9801版:完成度が高く、操作性・音響ともに最高水準。

MSX2版:親しみやすく、家庭向けに最適化された明るい調整。

X1版:アクション性が強く、スピード感重視の異端。

FM77AV版:音と映像の芸術作品として成立。

Windows版:現代に伝える保存版的移植。

それぞれの特徴が明確で、どの環境でも“ぽこ”の世界が異なる表情を見せる。
この多様性こそが『うっでいぽこ』という作品の懐の深さであり、
時代を超えてファンに語り継がれる理由のひとつでもある。

[game-10]

●同時期に発売されたゲームなど

★『ザナドゥ』

(日本ファルコム/1985年/7,800円) 『うっでいぽこ』と同時代のARPGとして真っ先に挙げられるのが、ファルコムの金字塔『ザナドゥ』である。 PC-8801向けに発売されたこの作品は、迷宮探索と育成要素を融合させた本格アクションRPGとして、 “日本RPGの基礎”を築いたといわれる。

ゲームの特徴は、経験値とカルマ(善悪値)のバランスによってエンディングが変化するシステム。
これは後に『うっでいぽこ』にも通じる“行動が物語を変える”思想の源流といえる。
美しいBGM、重厚なダンジョン構造、シビアな戦闘――そのすべてがプレイヤーに緊張感と達成感を与え、
国産PCゲームの黄金期を切り開いた。

『うっでいぽこ』が「温かい寓話」なら、『ザナドゥ』は「厳粛な叙事詩」。
両者はまるで兄弟のような関係にあり、1980年代中盤の国産RPG文化を二極から支えた存在であった。

★『夢幻の心臓II』

(クリスタルソフト/1985年/8,800円) 広大なフィールドとシミュレーション要素を融合させた傑作。 『うっでいぽこ』が内省的な冒険を描いたのに対し、『夢幻の心臓II』は外の世界――すなわち国家や戦争をテーマにした。 プレイヤーは傭兵として旅をしながら仲間を集め、戦略的な戦闘を繰り広げる。

この作品は、後の『ウルティマ』シリーズや『ファイヤーエムブレム』の思想にも通じる**“世界を動かすRPG”**であり、
登場人物たちの政治的・人間的な葛藤が物語を深くしていた。
また、モンスターの生態や昼夜の変化など、当時としては非常に先進的な仕組みを備えており、
「プレイヤーの行動が歴史を変える」ことを初めて明確に提示した国産タイトルとして知られる。

★『ハイドライドII』

(T&Eソフト/1985年/6,800円) アクションRPGのもう一つの柱、『ハイドライドII』は“善悪”の概念をゲームシステムに取り入れた先駆的作品だ。 敵を倒すほど悪に傾き、祈りを捧げると善へと戻る。 この**モラル・システム**は『うっでいぽこ』の“泥棒”システムと非常に近い思想を持っており、 デービーソフトの開発陣も明確に影響を受けたと語っている。

また、フィールドの自由度が高く、プレイヤーが“何をするか”より“どう生きるか”を問う構造は、
当時の日本PCゲーム界において革命的だった。
『うっでいぽこ』が世界観で童話性を強調したのに対し、『ハイドライドII』は哲学的な内省を強めた“宗教的寓話”であった。

★『ロマンシア』

(日本ファルコム/1986年/6,800円) “優しい見た目の地獄ゲー”として有名な『ロマンシア』も、『うっでいぽこ』と同時期に登場した作品である。 見た目の明るさと裏腹に、理不尽な謎解きやノーヒント要素がプレイヤーを苦しめた。 しかし、それが独特の“試行錯誤の快感”を生み、根強いファンを獲得した。

特筆すべきは、物語の短さと密度の高さ。
1時間ほどでクリアできる構成ながら、各シーンが記憶に残るほど美しい。
『うっでいぽこ』と同じく、**“短いが濃い人生の寓話”**としてプレイヤーに強烈な印象を与えた。

★『ザ・キャッスル』

(ASCII/1986年/6,800円) アクションパズルとして高く評価された『ザ・キャッスル』は、当時のPCゲーマーの中で“知的ゲーム”の象徴だった。 主人公を操作して城内の謎を解くが、各部屋は完全な論理構成で設計されており、アクションというより**思考の戦い**に近い。

この論理性と冷たさは『うっでいぽこ』の“感性と直感”と対照的。
同じ横スクロールでも、ASCII作品は“パズル的合理性”、デービーソフトは“感情的物語性”を追求していた。
両者を比較することで、1980年代PCゲーム文化の幅広さが際立つ。

★『ヴォルガードII』

(デービーソフト/1985年/6,500円) 『うっでいぽこ』の開発スタッフが手がけた前作的存在が、この『ヴォルガードII』である。 巨大ロボットへの変形とシューティング要素を融合させた作品で、デービーソフトの“技術的挑戦精神”が凝縮されている。 本作のプログラマーである小林貴樹・松井文也は後に『うっでいぽこ』の中核スタッフとなり、 ARPGの枠組みへとそのノウハウを転化した。

つまり、『ヴォルガードII』の“硬質なSFロマン”が、『うっでいぽこ』で“木の温もりを持つ冒険譚”へと変化したのだ。
この変化こそ、デービーソフトというメーカーの多面性を象徴している。

★『Ys イース』

(日本ファルコム/1987年/7,800円) 『うっでいぽこ』から1年後に登場した『Ys』は、“アクションRPGの理想形”と称された。 スピーディーな戦闘、明確な目的、心を打つ音楽――そのすべてがシステム的洗練を極めており、 “うっでいぽこの反省点を克服した作品”として比較されることが多い。

特にサウンド面では、イースのBGMがPC音楽文化を変えた。
デービーソフトの斉藤康仁が描いた“木の響き”とは異なり、ファルコム音楽団の曲は疾走と叙情の融合を実現している。
その結果、プレイヤーの没入感は格段に高まり、アクションRPGというジャンルを確立した。

★『ウィザードリィIII リルガミンの遺産』

(アスキー/1986年/8,800円) 海外RPGを代表するシリーズだが、当時日本のパソコン市場に与えた影響は計り知れない。 極めてストイックな世界観と、死と隣り合わせのゲーム設計。 『うっでいぽこ』のように温かみのあるファンタジーとは対照的に、 こちらは“冷たい現実と孤独な冒険”を描いた。

しかし、どちらも**“生と死”“人間性とは何か”**をテーマとしている点で共通しており、
ジャンルを超えて“80年代日本のRPG哲学”を共有していたと言える。

★『アンジェラス 〜悪魔の福音〜』

(エニックス/1986年/6,800円) サイコロジカルなストーリー展開で話題を呼んだアドベンチャー作品。 主人公の精神状態や選択によって世界が変わるという構造は、 『うっでいぽこ』の“妖精を助けるかどうか”の分岐と同じ思想に基づいている。

暗く不穏なBGMと重厚なシナリオが印象的で、当時のエニックス作品の中でも特に異彩を放つ。
心理描写の深さという意味では、『うっでいぽこ』が“童話的”、
『アンジェラス』が“悪夢的”という対照関係にあった。

★『FLAPPY』

(デービーソフト/1984年/5,800円) 最後に紹介するのは、『うっでいぽこ』にもゲスト出演している“キノコのフラッピー”が主人公のアクションパズル『FLAPPY』だ。 ブロックを押してゴールへ導く単純なルールながら、奥深い論理構成が多くのユーザーを魅了した。 この作品の穏やかで知的な雰囲気は『うっでいぽこ』にも受け継がれ、 両者の世界観には“静と動”“理と情”という共鳴関係が見られる。

● 総括 ― “木と鉄の時代”を駆け抜けた名作群

1985〜1987年は、日本のパソコンゲーム史における“多様化と成熟”の時代である。 『うっでいぽこ』はその中で、“心”を描こうとした希少な作品だった。 同時期のタイトルが技術やスピードを競っていた中で、 デービーソフトは“人間とは何か”“生きるとは何か”という根源的テーマを打ち出した。

結果的に『うっでいぽこ』は、華やかな商業的成功こそ収めなかったものの、
日本のゲーム史において“魂を持つARPG”として今も記憶に残る。
そして、それを取り巻く数多の同時代作が、
この“木の人形の物語”をより鮮やかに照らし出しているのである。

[game-8]

■ 現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

【中古】「非常に良い」うっでいぽこ

【中古】「非常に良い」うっでいぽこ
12,650 円 (税込)
【中古】「非常に良い」うっでいぽこ【メーカー名】デービーソフト【メーカー型番】【ブランド名】デービーソフト【商品説明】初期不良に関しましては商品到着から1週間は返品を承っております。他モールとの併売品の為完売の際はご連絡致しますのでご了承ください。プリン..

【中古】【表紙説明書なし】[FC] Woody POCO(うっでいぽこ) デービーソフト (19870620)

【中古】【表紙説明書なし】[FC] Woody POCO(うっでいぽこ) デービーソフト (19870620)
1,044 円 (税込)
【必ずご確認ください】・こちらはパッケージや説明書などが「傷んでいる」もしくは「ない」商品です。(付属品はございます。)・ディスク/カード/カセットには使用に支障のない程度の傷がある場合がございますが、プレイ自体に支障は御座いません。・DLコードやシリアル番号..

【中古】 うっでいぽこ

【中古】 うっでいぽこ
11,360 円 (税込) 送料込
【メーカー名】デービーソフト【メーカー型番】【ブランド名】デービーソフト掲載画像は全てイメージです。実際の商品とは色味等異なる場合がございますのでご了承ください。【 ご注文からお届けまで 】・ご注文 :ご注文は24時間受け付けております。・注文確認:当店より..

【中古】MSX2 カートリッジROMソフト WoodyPOCO うっでいぽこ

【中古】MSX2 カートリッジROMソフト WoodyPOCO うっでいぽこ
19,200 円 (税込) 送料込
発売日 - メーカー デービーソフト 型番 MS2-G2116-L1 備考 要64KB VRAM■商品内容物・カートリッジ(1本)・マニュアル・地図・日記帳・カレンダー(3枚) 関連商品はこちらから デービーソフト 

【中古】うっでいぽこ

【中古】うっでいぽこ
11,360 円 (税込)
【中古】うっでいぽこ【メーカー名】【メーカー型番】【ブランド名】デービーソフト ゲームソフト, テレビ 【商品説明】うっでいぽこ中古品のため使用に伴うキズ等がございますが、問題なくご使用頂ける商品です。画像はイメージ写真ですので商品のコンディション、付属品の..

【中古】 うっでいぽこ

【中古】 うっでいぽこ
10,460 円 (税込) 送料込
【メーカー名】デービーソフト【メーカー型番】【ブランド名】デービーソフト掲載画像は全てイメージです。実際の商品とは色味等異なる場合がございますのでご了承ください。【 ご注文からお届けまで 】・ご注文 :ご注文は24時間受け付けております。・注文確認:当店より..

【中古】攻略本FC ≪アクションゲーム≫ FC うっでいぽこ ミニミニブック【中古】afb

【中古】攻略本FC ≪アクションゲーム≫ FC うっでいぽこ ミニミニブック【中古】afb
7,690 円 (税込)
発売日 - メーカー - 型番 - 備考 非売品です。 関連商品はこちらから

【中古】 うっでいぽこ

【中古】 うっでいぽこ
10,350 円 (税込) 送料込
【お届け日について】お届け日の"指定なし"で、記載の最短日より早くお届けできる場合が多いです。お品物をなるべく早くお受け取りしたい場合は、お届け日を"指定なし"にてご注文ください。お届け日をご指定頂いた場合、ご注文後の変更はできかねます。【要注意事項】掲載さ..

【中古】 うっでいぽこ

【中古】 うっでいぽこ
10,460 円 (税込)
【メーカー名】デービーソフト【メーカー型番】【ブランド名】デービーソフト掲載画像は全てイメージです。実際の商品とは色味等異なる場合がございますのでご了承ください。【 ご注文からお届けまで 】・ご注文 :ご注文は24時間受け付けております。・注文確認:当店より..

【中古】【初版】うっでいぽこ完全攻略テクニックブック 徳間コミュニケーション

【中古】【初版】うっでいぽこ完全攻略テクニックブック 徳間コミュニケーション
20,000 円 (税込)
【中古】【初版】うっでいぽこ完全攻略テクニックブック 徳間コミュニケーション  SKU04H-250424004012001-000 jan9784886580252 コンディションコレクター商品 - 可 コンディション説明(初版)。表紙にスレ、ヨレ、ヤケ、天地小口にヤケ、本にヤケ、があります。本を..
楽天ウェブサービスセンター CS Shop
[game-9]

[game-sata]