PLAMAX クルーズチェイサー ブラスティー SPEX 07 ブラスティー ノンスケール プラスチック製 組み立て式プラスチックモデル
【発売】:スクウェア
【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、X1
【発売日】:1986年4月26日
【ジャンル】:ロールプレイングゲーム
■ 概要
発売当時の立ち位置と、スクウェア黎明期らしさ
『クルーズチェイサー ブラスティー』は、スクウェアがまだ“PCゲームメーカーとして名を広げていく途中”に放ったSFロボットRPGで、NECのPC-8801/PC-9801、そしてシャープのX1といった当時の主要機種に向けて展開されたタイトルです。1980年代中盤のPCゲームは、文章主体のアドベンチャーや、硬派なダンジョンRPGが存在感を持っていましたが、本作はそこへ「ロボットアニメの高揚感」「宇宙戦のイメージ」「育成と強化の中毒性」をまとめて持ち込み、“RPGの器”を借りながらも、かなり異色の方向へ振り切っています。発売日は1986年4月26日とされ、同時代のRPGの中でも、演出面を前面に押し出して語られることが多い作品です。
舞台は「階層化された閉鎖宇宙」──広いのに逃げ場がない世界
物語の舞台は、外界から隔てられた“閉じた宇宙”で、そこが階層のように区切られて存在している、という独特のSF設定が核になります。プレイヤーが漂うのは無限に見える星々の空間なのに、実際には「壁」や「通路」に相当する構造があり、ゲートを抜けて別の区画へ移っていく。この“宇宙なのに迷路”という矛盾めいた感覚が、本作の個性を強くしています。見た目は広大、しかし行動には制約があり、しかも長居すると危険が増していく。閉鎖環境でのサバイバル感と、迷い込む不安が同居するのが、ブラスティーの世界観の味です。
主人公は「賞金稼ぎ」──戦って稼ぎ、稼いで強くなる循環
主人公は、支配勢力と反抗勢力が対立する状況の中で、ある立場に縛られすぎない“賞金稼ぎ”として戦いに関わっていきます。敵と遭遇して勝利すれば報酬を得られ、その資金で機体を強化し、より危険な宙域へ踏み込めるようになる。つまり本作の基本の快感は、「戦闘に勝つ → 収入が増える → 装備や能力に投資する → 次の戦いが楽しくなる」という循環の設計にあります。物語の途中では、勢力図そのものに関わる選択が挟まれ、結末が変化する構造も用意されています。一本道で押し切るだけではなく、プレイヤーに“どちらを信じるか”を投げてくるのが、当時としては印象に残りやすいポイントでした。
主役メカ「ブラスティー」──変形が“仕様”として組み込まれたロボRPG
本作を語るうえで欠かせないのが、主役機ブラスティーの存在です。ブラスティーは形態を切り替えられる可変機で、戦闘向きのロボ形態と、移動・航行に適した機動形態を使い分ける発想がゲームシステムにも直結しています。ロボ形態は武装面で優位を取りやすい一方、行動コストや運用の重さがつきまとう。逆に機動形態は燃費がよく、探索に向くが、序盤は攻撃手段が乏しくなりがち。こうした“変形ロボのロマン”を、単なる見た目のギミックではなく、プレイ上の判断として迫ってくるのがブラスティーらしさです。メカニックデザインは明貴美加が担当したとされ、SF色の強い造形や、当時のロボデザインの空気を感じられる点も、長く語られる理由になっています。
最大の看板は“戦闘アニメ”──サンライズ協力で打ち出した映像感
『ブラスティー』が当時のPCゲームの中で強い話題性を得た要因は、戦闘を中心に据えたアニメーション演出です。いまの感覚でいえば「短いムービーが頻繁に挟まる」タイプに近いのですが、1980年代のPC環境では、それ自体が大胆でした。しかも本作は日本サンライズ(現サンライズ)が制作協力として関わったとされ、ロボットの動きや戦闘の見せ方に“アニメの文法”を持ち込もうとした姿勢がうかがえます。画面の一部だけを動かして“動いている”と見せる手法が一般的だった時代に、戦闘の見せ場をしっかり動かす方向へ踏み込んだことが、作品の象徴になりました。
RPG部分は「探索×管理×一騎打ち」──派手さの裏にある緊張感
派手な印象が先に立つ一方で、遊びの骨格は意外とストイックです。基本は一人称視点の探索で、移動し、情報を拾い、敵と遭遇し、戦う。この流れ自体はダンジョンRPGに近いのですが、本作は宇宙空間を“迷路として運用する”ため、視界の情報量が少なく、方向感覚が揺さぶられやすい設計になっています。さらに重要なのがエネルギー管理で、行動や戦闘で消耗していくリソースが尽きれば詰みにつながる。つまり、迷子はそのまま死活問題です。ここに「稼いだ金で強化する」という成長系の楽しさが重なり、華やかな外見の奥で、探索と管理の緊張が持続するタイプのRPGに仕上がっています。
スタッフ面の“のちのスクウェア”を感じるところ
本作は、のちにスクウェア作品を語るうえで外せない名前がいくつもクレジットに見える点でも興味深いです。シナリオに坂口博信が関与したとされ、音楽面でも植松伸夫の名が関連情報に現れます。もちろん、後年の大作RPGとは前提も規模も違いますが、「映像的に見せる」「世界観を前提に仕組みを作る」「プレイヤーの選択を物語へ返す」といった志向は、この時点でもすでに表に出ています。スクウェアが“物語とビジュアルの会社”として認知を固めていく以前の、試行錯誤の熱量が詰まった一本として捉えると、面白さが増します。
パッケージの豪華さも「作品体験」の一部
当時のPCソフトは、説明書や付録込みで世界観を補強する文化がありましたが、『ブラスティー』もその流れを強く感じさせます。パッケージには設定資料集に相当する付録が付属したという情報があり、さらに音楽を収録したソノシートやステッカーが同梱されたとされます。ゲーム単体だけでなく、紙の資料や音源を触りながら“世界に浸る”ことまで含めて、ブラスティーという作品の体験が成立していた、というわけです。現代のデジタル配信では得がたい魅力として、当時を知る人の記憶に残りやすい部分でもあります。
まとめ:ブラスティーは「ロボットアニメの興奮」をRPGに移植しようとした挑戦作
『クルーズチェイサー ブラスティー』は、宇宙×ロボット×RPGという取り合わせを、演出とシステムの両面で“本気で成立させようとした”意欲作です。閉鎖宇宙という舞台設定が探索の不安を生み、エネルギー管理がサバイバル感を強め、賞金稼ぎとして稼いで強化する循環が中毒性を作る。そして何より、サンライズ協力とされるアニメーション演出が、当時のPCゲームとしては大胆な看板になった。粗さやクセも含めて、1980年代PCゲームの「尖った夢」を象徴する一本として、いま見返しても語りどころの多い作品です。
■■■■ ゲームの魅力とは?
一番の“看板”は、当時の常識を押し広げた戦闘アニメ演出
『クルーズチェイサー ブラスティー』の魅力を最初に語るなら、やはり戦闘演出の存在感です。1980年代中盤のPCゲームは、画面の一部が点滅したり、簡易な効果音で“想像させる”方向が主流でしたが、本作はそこへ「ロボットが動いて戦う」見せ方を、ゲームの中心に据えるように持ち込みました。見た目の派手さは単なる飾りではなく、プレイヤーが入力したコマンドと結果が、動きとして返ってくる体験そのものを変えてくれる。攻撃する、受ける、変形する、そういった行為が“映える”からこそ、戦闘が単なる数値処理の作業になりにくいのがポイントです。制作協力として日本サンライズの名が語られているのも象徴的で、ロボットアニメの手触りをPCの枠へ寄せようとした野心が、そのまま魅力につながっています。
ロボットRPGとしてのロマンを支える「メカデザインの説得力」
主役機ブラスティーは、ただ強いだけの主役メカではなく、世界観の空気に馴染む“SF寄りの硬質さ”を持ったデザインで、そこが作品の印象を締めています。メカニックデザインを明貴美加が担当したとされ、いわゆるスーパーロボットの派手さよりも、宇宙空間で運用される兵器らしい重量感や、シルエットの個性が前に出る。これがあるから、戦闘アニメが多少粗くても「動けばかっこいい」「変形すれば納得できる」という、視覚的な快感が成立します。さらに、変形というギミックが“設定だけの飾り”で終わらず、プレイ上の判断として絡んでくることで、メカデザインの魅力が操作感へ直結するのも強いところです。
宇宙なのに迷路――「閉鎖宇宙」という舞台設定が生む独特の緊張
本作の宇宙は、ただ広いだけの背景ではありません。閉鎖された宇宙が階層のように区切られ、ゲートを越えて区画を渡り歩く、という構造そのものが“ゲームの味”になります。星空の中を進んでいるのに、どこかダンジョン探索のように手探りで、方向感覚が簡単に揺らぐ。この矛盾が、逆に本作ならではの不思議な没入感を生みます。「宇宙空間の孤独」と「迷路を歩く緊張」が同居し、しかも敵との遭遇があることで、探索の一歩が常にリスクと隣り合わせになる。見た目はロマン寄りなのに、体験はサバイバル寄り――このギャップが、忘れにくい個性になっています。
変形を“使い分ける”楽しさ:ロボ形態と航行形態がプレイ判断を作る
ブラスティーの魅力は、ロボットが変形すること自体よりも、「どう使うか」がプレイヤーに委ねられている点にあります。戦闘で頼りになるロボ形態は、火力や選択肢が増える一方で、運用コストが重くなりがち。航行形態は探索に向くが、序盤は攻め手が薄くなりやすい。つまり、変形は“正解がひとつの必勝法”ではなく、状況と自分の方針で最適が変わる仕組みとして機能します。安全を取ってロボ形態のまま押し通すのか、燃費を意識して航行形態を混ぜるのか、探索のテンポを取るか、戦闘の安定を取るか。その小さな葛藤が、当時のダンジョンRPGにはない“ロボット運用感”を作っています。
賞金稼ぎ的な成長快感:勝利がそのまま強化に繋がる“回転の良さ”
本作は、物語上の立場としても、ゲームの手触りとしても「戦って稼ぎ、稼いで強くなる」が芯にあります。敵を倒せば報酬が入り、その資金で機体を整え、より危険な宙域へ踏み込める。強化の実感が得やすいので、探索と戦闘が噛み合ったときに気持ちよさが増幅します。一般的なRPGのように「経験値で数字が上がる」快感だけに頼らず、「装備や拡張の選択で手触りが変わる」方向へ重心を置いているため、プレイヤーの性格が反映されやすいのも魅力です。早めに武装へ振って短期決戦型にするか、安定運用へ寄せるか、探索優先の構成にするか。育成が“自己流の機体づくり”として立ち上がるのが、ブラスティーの面白さです。
物語のアクセント:勢力の対立と、選択で揺れる“立ち位置”
ロボットRPGという枠で見ても、本作は単なる勧善懲悪に寄り切らず、支配側と反抗側の争いの中で、主人公の立ち位置が揺れる構図を持っています。途中で選択が差し込まれ、結末が分岐する仕掛けは、当時のPCゲームとしては印象に残りやすいポイントでした。どちらが絶対に正しい、という単純さではなく、「自分は何を信じてこの宇宙を進むのか」という気分をプレイヤーに味わわせる。その結果、戦闘や探索の意味合いが少しずつ変わって見える瞬間があり、単なる迷路攻略以上の読後感を生みます。
クセも含めて語り継がれる“当時のPCらしさ”が、そのまま魅力になる
ブラスティーは、遊びやすさだけで評価されるタイプの作品ではありません。むしろ、宇宙空間探索の分かりにくさや、演出がテンポに影響する場面など、クセの強さが語られがちです。ただ、そのクセがあるからこそ「このゲームはこういう作法で付き合うものだ」と腹を括った瞬間に、没入の深さが増す。たとえばPC-9801版ではBGMが再生されないことが“仕様”として扱われており、同じタイトルでも環境によって体験が違う、という当時のPC文化のリアルも感じられます。いまの統一された環境では味わいにくい“機種と作品の距離”が、レトロPCゲームとしての魅力を底上げしています。
付属物や周辺展開が“世界観への入口”になる楽しさ
当時のPCソフトは、ゲーム外の資料で世界観を補強することが多く、ブラスティーもそうした文化と相性がいい作品です。後年の復刻企画ではパッケージ形状やイラスト面の再現が語られており、作品が“物”として成立していたことが分かります。さらに、近年ではプラモデル化の文脈で設定資料集の復刻に触れられるなど、ゲームそのものを超えて世界観が再接続される動きも見られます。遊ぶだけで終わらず、設定やデザインを眺めて余韻に浸る――そういう楽しみ方が似合うのも、ブラスティーの強みです。
総まとめ:ブラスティーの魅力は「ロボットアニメの快感」と「探索RPGの緊張」を両立させたこと
『クルーズチェイサー ブラスティー』が長く語られる理由は、演出の派手さだけではありません。サンライズ協力とされる戦闘アニメの“見せる快感”、明貴美加デザインとされる主役メカの“眺める説得力”、閉鎖宇宙をさまよう“迷子の恐怖”、変形と運用の“判断の面白さ”、賞金稼ぎ的な強化の“回転の良さ”。これらがまとまって、「ロボットアニメを操作している気分」と「探索RPGを生き延びている気分」を同時に成立させています。尖っているからこそ刺さる、当時のスクウェアらしい挑戦の味が、そのまま魅力になった一本です。
■■■■ ゲームの攻略など
まず押さえるべき前提:このゲームは「迷子=消耗死」に直結する
『クルーズチェイサー ブラスティー』の攻略で最初に意識したいのは、敵の強さ以前に“自分が今どこにいるか”を見失うことが最大の敵になり得る点です。星空が広がる宇宙空間は一見自由に見えますが、実際は通路や壁を持つ迷路的な区画で構成され、ゲートで別区画へ渡る流れになっています。つまりプレイ感覚としては3Dダンジョンに近く、しかも視界情報が少ないため、ふつうの迷路より位置把握が難しくなりがちです。さらに移動や戦闘でエネルギー(POWER)を消費する作りなので、迷うほどリソースが減り、帰還できないまま詰む危険が増していきます。ここを理解したうえで、攻略の軸を「戦闘で勝つ」だけでなく「迷わずに目的へ到達する」「無駄な消耗を減らす」に置くと、途端に進行が安定します。
“座標表示”を最優先で使いこなす:宇宙でのマッピング負担を下げる切り札
本作の探索で精神的な負担を大きく下げるのが、現在位置(座標)と向きの表示です。特にPC-8801系では、座標表示コマンドがうまく効かないと感じるケースが知られており、復刻環境(EGG系)では「Ctrl」「Shift」「PgDn」を同時押しにする、という案内がされています。押しやすい配置に手を置いてから同時入力すると成功率が上がります。これが使えるようになるだけで、宇宙区画で“何もない場所を手探りで進む”時間が激減し、遭難リスクが現実的に下がります。座標が分かるようになったら、次は「ゲートに入る前」「ゲートを出た直後」「目標物を見つけた瞬間」にメモを残す癖を付けるのが効果的です。数字の羅列でも構いません。後で迷ったときに“帰れる道”が作れます。
POWER管理のコツ:探索を長引かせない設計に自分を合わせる
攻略が安定しない原因の多くは、強敵に負けるよりも、探索が長引いてPOWERが先に尽きることです。対策はシンプルで、「目的を決めて短く動く」「戻り道を常に意識する」「迷いそうな区画では戦闘回数を増やしすぎない」の3点に集約されます。例えば、ゲート探索の日は“探索優先で帰還”に寄せ、資金稼ぎの日は“出現敵が読める通路で周回”に寄せる、と日替わりで目的を分けるだけでも消耗の質が変わります。どうしても迷いやすい宇宙区画では、座標メモとセットで「一定歩数進んだら引き返す」ルールを自分に課すと、遭難率がぐっと落ちます。宇宙が広いほど、撤退判断が早い人ほど強いゲームです。
形態運用の基本:探索はSHOOTER寄り、危険地帯はGUNNER寄りで“切り替える覚悟”
ブラスティーは形態を持ち、運用の考え方が攻略に直結します。一般に、GUNNERは戦闘向き、SHOOTERは移動・探索向きという性格になりやすく、どちらか一方に固定するよりも「いま何を優先するか」で切り替えると損が減ります。とはいえ変形には手間(ターン)を要する作りのため、敵の気配が濃い場所で軽率に切り替えると、変形の隙がそのまま被弾につながりかねません。コツは、切り替えの判断を“戦闘中”ではなく“戦闘に入る前”へ寄せることです。危険地帯へ入る直前にGUNNERへ、帰還ルートに入ったらSHOOTERへ、と区画単位で切り替えると安定します。また、資金や強化が進んだ段階では、SHOOTERのままでも戦える場面が出てきます。そうなると探索テンポが改善し、結果的にPOWER節約にもつながります。
戦闘の要点1:3ターン先入力は“先読みゲーム”として考える
本作の戦闘は1対1のコマンド式ですが、特徴として3ターン分をまとめて入力する形式が語られています。ここで重要なのは、目の前の1手に反応するのではなく、「3手の並び」で勝ち筋を作る発想に切り替えることです。例えば、最初の1手を様子見(防御を混ぜる)にして、2〜3手目で確実に削る、という組み方が“事故”を減らします。行動順は機動性(素早さ)に左右されるため、こちらが優位なら先制で連続行動に持ち込みやすく、不利なら被弾前提で耐える設計に寄せるのが無難です。つまり、同じ「攻撃」でも、連続行動が通る局面で打ち、通らない局面では防御を織り交ぜる。単純なコマンド数だからこそ、入力の配列で結果が大きく変わります。
戦闘の要点2:武器系統と弱点を意識し、最初から“得意武器”を決めて伸ばす
戦闘で差が出るのは、相手に合わせた武器選びです。本作では複数の武器系統があり、敵によって相性(弱点)がある、と整理されています。ここでありがちな失敗は、全武器をまんべんなく使って強化方針が散ることです。序盤は資金が潤沢ではないため、「主力武器を1〜2系統に絞る」「苦手な敵用にサブの回答を用意する」くらいがちょうど良いです。敵のタイプが読める区画では、弱点武器を主力として回し、未知の区画では防御を混ぜて被害を抑える。こうした“探索と装備方針の連動”ができると、攻略が急に滑らかになります。
ダメージの受け方を変える:被弾前提なら“撤退ライン”を決めて無理をしない
本作は戦闘が1対1で逃走手段が限定的と整理されることがあり、状況によっては「勝つまで殴り合う」形になりやすいです。だからこそ、戦闘に入る前に“撤退ライン”を自分で決めるのが重要です。具体的には、探索段階で「この区画では稼ぎ過ぎない」「この残量になったら帰還を優先する」「新規区画は初回は偵察だけにする」といったルールを作る。戦闘そのものの勝率が少し低くても、撤退判断が早ければトータルで伸びます。逆に、勝ちにこだわって探索を長引かせるほど、POWERが削れ、迷子が発生し、取り返しがつかなくなる。勝利より帰還を優先する場面を作れるかが、攻略の分かれ目です。
詰まりポイント対策:攻撃が当たらず戦闘が終わらない症状は“仕様として起こり得る”
攻略情報として注意しておきたいのが、戦闘中に攻撃が当たらなくなり、戦闘が長引いて続行不能になる可能性がある点です。復刻環境のFAQでは、戦闘が終了しなくなる状況や素早さ表示のオーバーフローなどが“オリジナルの仕様”として案内されています。つまり、プレイヤーの操作ミスというより、当時の作品特性として起こり得るもの、という理解が現実的です。対策としては、リスクの高い区画で長時間粘らない、戦闘が妙に長引いたら撤退を検討する、そして何よりセーブ運用(区画の節目での保存)を徹底することです。昔のPCゲームらしく、事故が起こる前提で手堅く進めると、ストレスが大きく減ります。
攻略を楽にする“習慣”:メモ・区画単位の目的化・短期周回
最後に、テクニックより効く習慣をまとめます。第一に座標とゲートのメモ。第二に区画単位で目的を決めること(偵察/稼ぎ/突破)。第三に短期周回(行って帰るを短く繰り返す)です。本作は、長時間の遠征ほど迷子と消耗のリスクが増える設計なので、短いサイクルで少しずつ強くなるほうが、結果的に最短になります。慣れてくると、宇宙探索の怖さが“掌の上で転がせる緊張”に変わり、ブラスティーの面白さがいちばん濃く出てきます。演出の派手さに目を奪われがちですが、実はこのゲームは「準備と撤退が上手いほど強い」タイプのRPGです。そこが噛み合った瞬間、攻略は驚くほど前へ進みます。
■■■■ 感想や評判
当時の第一印象:「とにかく“動く”」が最大の話題になった
『クルーズチェイサー ブラスティー』の評判を振り返ると、まず語られるのは“戦闘がアニメーションで見せられる”という衝撃です。1980年代のPCゲームは、情報量を増やすほど処理も容量も苦しくなる時代でしたから、戦闘のたびにロボットが動き、変形まで演出として見せる作りは、それだけで話題になりやすい。後年のレビューでも「この戦闘アニメーションこそが最大の見どころ」と整理されることが多く、作品の象徴として一貫して語られ続けています。さらに制作協力としてサンライズの名が知られている点も、ロボット好き・アニメ好きの層にとっては“箔”になり、当時の注目度を押し上げた要因のひとつでした。
熱狂と違和感が同居した理由:見た目は宇宙、遊びはダンジョン
一方で、プレイ体験の感想は「刺さる人には刺さるが、合わない人にはとことん合わない」という二極化が起きやすい構造でした。宇宙空間を飛んでいるように見えるのに、実態は3Dダンジョンのルールで進む迷路型の探索で、しかも視界情報が乏しい。こうした設計は、SF世界の孤独感を強める一方で、ダンジョンRPGに慣れた人ほど「壁や目印が少なく、マッピングの手掛かりが薄い」という戸惑いにも繋がりました。結果として、「世界観は好き」「ロボは最高」「でも探索がしんどい」といった評価の分裂が起こりやすく、作品の“クセ”として語られることになります。
当時のプレイヤーが苦戦した点:迷子になりやすさが評判の核になった
本作の評判を決定づけた要素のひとつが、宇宙空間で現在位置を見失いやすい点です。発売当初は座標確認の手段が限られていたとされ、結果として迷子が続出し、救済的に“マップや座標表示の情報が早い段階で誌面に載った”という話も残っています。迷子の問題が単なるストレスで終わらないのは、移動や戦闘でエネルギー(POWER)が減り、無駄足そのものがゲームオーバーへ繋がり得る設計だからです。「探索の難しさ」ではなく「探索のやり直しが許されにくい」ことが、体感の厳しさを増幅させ、感想でも頻出の論点になりました。
テンポ評価は割れやすい:演出が“ご褒美”にも“足かせ”にもなる
戦闘アニメーションは、初見では強烈な武器になりますが、プレイが進むほど評価が割れます。好きな人は「毎回の戦闘が見せ場になる」「ロボが戦っている実感がある」と受け取り、苦手な人は「移動や戦闘のたびに間が生まれてテンポが落ちる」と感じやすい。特に探索主体のゲームでは、移動回数が増えるほど“待ち”の総量が増えるため、演出の価値が時間コストと表裏一体になります。ネット上の振り返りでも、戦闘だけでなく移動の演出がテンポに影響する、という観点で語られることがあり、ここが本作の好き嫌いを分ける典型的なポイントです。
戦闘そのものの感想:シンプルゆえに“単調”と言われることも、“読み合い”と感じる人も
戦闘は1対1のコマンド式で、さらに3ターン分をまとめて入力する形式が特徴として挙げられます。ここは評価が分かれやすく、「選択肢が少ないから単調」と受け取られることがある一方で、「先読みの配列で結果が変わる」「機動性の差が出ると気持ちいい」と“読み合い”として肯定されることもあります。加えて、武器系統と相性(弱点)を意識していくと、短い入力の中でも狙いが生まれるため、シンプルな設計を“工夫の余地”として楽しめる人ほど評価が上がりやすい印象です。逆に、探索で消耗した状態での連戦が続くと、戦闘が“作業”に見えやすく、そのとき演出の重さも相まって不満が噴き出しやすい、という構造になっています。
機種別の体験差が評判に影響:PC-98版の「BGMなし」と改善点
評判がややこしくなる理由として、機種によって体験が変わることも挙げられます。例えばPC-9800シリーズ版は、ハード仕様の事情でBGMが存在しない一方、座標表示機能の標準装備や、一部表示の改善があったとされます。つまり、雰囲気重視の人にとってはBGMなしが痛く、実用重視の人にとっては改善点がありがたい。こうした差が、同じタイトルでも「自分が遊んだ版によって評価が変わる」状態を生み、当時の感想の振れ幅を大きくした要因のひとつです。
不具合・挙動面の語られ方:レトロゲームらしい“事故”も含めて記憶される
本作は、プレイ中の不安定さや挙動のクセが話題に上がることもあります。たとえば戦闘が極端に長引くような状況の言及や、表示まわりの癖など、現代の感覚では“起きてほしくない出来事”が、作品の逸話として語られがちです。ただし、こうした点は「だから駄目」と切り捨てられるだけではなく、「当時の設計と環境の限界の中で、無茶をした挑戦作だった」という見方に繋がることもあります。良くも悪くも“尖っていたから語り継がれる”タイプの評判で、無難な佳作とは違う形で記憶に残り続けています。
後年の再評価:スクウェア初期の象徴としての価値が上がっていった
時間が経つほど、本作は「スクウェアの初期RPG」「ファイナルファンタジー以前の空気が見える作品」として言及される機会が増えました。海外のレトロゲーム系レビューでも“スクウェアの初期RPG”として紹介され、評価点と問題点をセットで整理する扱いが多いです。また、ゲームそのものだけでなく、メカデザインや世界観が“立体物”や書籍など別の形で掘り起こされる動きもあり、当時遊んだ人だけの思い出から、後追い世代が作品性を鑑賞する対象へも広がっています。結果として、「ゲームとして完璧ではないが、時代の夢が詰まった一本」「尖り方がスクウェアらしい原点」といった、“歴史的な面白さ”を含む評判が強まっていきました。
総まとめ:評判は賛否が濃いが、“語れるポイント”が多いから残った作品
『クルーズチェイサー ブラスティー』の感想や評判をまとめると、称賛されやすいのは戦闘アニメや主役メカの魅力、そしてSFロボRPGという異色性です。一方で不満として出やすいのは、宇宙探索の迷いやすさ、テンポの重さ、そして機種差による体験のブレ。つまり、欠点があるからこそ語りが生まれ、長所が強烈だからこそ記憶に残る――その両方で存在感を維持してきた作品です。万人向けの快適さではなく、“当時の野心の痕跡”を楽しめる人ほど評価が上がるタイプで、だからこそ今でも「一度は触ってみたい」と言われるレトロPCゲームの代表格として名前が挙がり続けています。
■■■■ 良かったところ
ロボットRPGとしての“夢”を真正面から形にした発想
『クルーズチェイサー ブラスティー』の良かったところを挙げると、まず「ロボットアニメ的な高揚をRPGに落とし込む」という発想を、当時のPC環境で本気でやろうとした点が強く印象に残ります。剣と魔法のファンタジーが王道だった時代に、宇宙と可変ロボを舞台の中心へ置き、賞金稼ぎとして稼いで機体を強化しながら探索する構図は、世界観だけで“別物感”が立ちます。しかもそれを、テキストだけでなく動きの演出まで含めて提示しようとした。結果として、完璧な遊びやすさではないにせよ、「ここまでやるのか」という挑戦の温度が、良さとして今も語られます。
戦闘アニメーションが生む“操作している感”の強さ
本作をプレイした人が良かった点として挙げやすいのは、戦闘時のアニメーションが単なる飾りではなく、体験の手触りを変えていることです。コマンドを選ぶだけの戦闘でも、入力に対して機体が動き、攻撃が見え、変形が演出されることで、脳内で補完する必要が減り、「いまロボを動かして戦っている」という実感が生まれます。とくに主役機が変形する瞬間や、攻撃の動きが画面内で成立する瞬間は、当時のPCゲームとしては強烈な“ご褒美”でした。ゲームの勝敗以上に「演出を見るのが楽しい」と感じられる場面が多いのは、良かった点として非常に大きいです。
サンライズ協力という安心感と、“ロボット文法”の導入
ロボット作品に慣れた人ほど評価しやすいのが、ロボットの動きや戦い方が、なんとなく“それっぽい”文法で作られている点です。制作協力としてサンライズが関わったとされる情報は、当時のファンにとっては大きな安心材料で、「ロボはちゃんとロボとして描かれる」という期待を裏切りにくい。実際、レトロゲームの回顧でも、ブラスティーは“戦闘アニメが見どころ”として語られることが多く、この一点で作品の価値が成立していると感じる人もいます。アニメの手触りをゲームへ持ち込もうとした姿勢そのものが、良さとして残りました。
主役メカのデザイン力:明貴美加らしい硬質SF感が刺さる
ブラスティーの良さは、動きだけではなく“眺めたときの説得力”にもあります。メカニックデザインを明貴美加が担当したとされ、宇宙で運用される兵器らしい硬質さや、当時のロボデザインの空気を濃く感じられるのが魅力です。人型のロボットだけでなく、敵側にも戦闘機タイプなどが混ざることで、いわゆる「ロボ同士の殴り合い」だけに寄らない、宇宙戦としての雰囲気が出る。こうしたデザイン面の統一感は、ゲーム部分の好みを超えて評価されやすく、後年に立体物や資料として掘り起こされる理由にも繋がっています。
閉鎖宇宙×3D迷路の緊張感:怖さがそのまま没入になる
宇宙空間をダンジョンとして扱う発想は、遊びやすさだけ見ればクセが強いのですが、良かった点として捉えると「孤独で、方向感覚が狂う」感覚を作り出せるのが強みです。壁が見えにくく、目印が乏しいからこそ、星空を漂う不安がリアルに迫ってくる。しかも移動するだけでリソースが削れる設計なので、探索が“観光”ではなく“生存”になります。これは、普通の迷路RPGでは得がたい緊張で、刺さる人には「この息苦しさがブラスティーらしい」と好意的に受け取られます。世界観とゲームの不便さが、逆に一体化している点が良いところです。
強化の快感が分かりやすい:賞金稼ぎ的な循環が中毒性になる
戦って稼ぎ、稼いで機体を整え、次の宙域へ進む。この循環が分かりやすいことも、良かった点として挙げられます。一般的なRPGのようにレベルアップで全部解決するのではなく、装備や拡張の選択が結果を左右するので、「自分のブラスティーを作っている」感覚が強い。強化した直後に戦闘が楽になったり、探索が安定したりすると、投資の成果が手触りで返ってきます。こうした“育成が仕事に直結する”感覚は、賞金稼ぎという役割とも噛み合っており、ゲーム体験に納得感を与えています。
物語の分岐が生む余韻:当時としては“自分で選んだ感”が強い
本作は途中で選択が挟まれ、エンディングが複数になると整理されています。これにより、単にクリアするだけではなく「自分はどちら側でこの宇宙を抜けたのか」という手触りが残ります。当時のゲームでは、分岐そのものが珍しかったわけではありませんが、ロボットRPGという枠で“勢力の対立”を絡めて選択を迫る作りは印象に残りやすい。探索と戦闘で苦労したぶん、結末が自分の判断で変わると、達成感の質も変わります。再プレイの動機にもなりやすく、良かった点として語られやすい部分です。
パッケージ体験の豊かさ:付属物が世界観への入口になる
当時のPCソフトらしく、ゲーム外の資料や付属物が“浸りやすさ”を底上げしていた点も良かったところです。設定資料集にあたる付録が付いたという情報や、音源をソノシートで同梱したという話は、作品体験がソフト単体に閉じていなかったことを示しています。遊ぶ前に資料を眺め、遊んだ後に設定を読み返す――こうした時間まで含めてブラスティーを楽しめた人にとっては、強い満足感が残ったはずです。現在でも復刻や関連商品が語られるとき、こうした“物としての魅力”が話題に上がりやすいのは、当時の体験が豊かだった証拠です。
総まとめ:尖った挑戦の総量が、そのまま“良かったところ”として残る
『クルーズチェイサー ブラスティー』の良かったところは、ひとつの完成度の高さというより、「挑戦の密度」にあります。戦闘アニメーションでロボットの興奮を見せ、閉鎖宇宙の迷路で緊張を作り、賞金稼ぎ的な強化循環で中毒性を作る。メカデザインと世界観の説得力がそれを支え、分岐要素が余韻を残す。快適さではなく、当時のPCで“ここまでやった”という痕跡そのものが、プレイヤーの記憶に良さとして焼き付いた作品です。
■■■■ 悪かったところ
最大の不満になりやすいのは「宇宙=目印が少ない」の副作用
『クルーズチェイサー ブラスティー』の“悪かったところ”で真っ先に挙がりやすいのは、宇宙空間探索の分かりにくさです。星々が広がる景色は雰囲気としては最高なのに、ゲームとしては壁や目印の視認性が低く、位置把握の材料が少なくなりがち。3DダンジョンRPGなら、左右の壁や扉の配置がそのままマッピングの手掛かりになりますが、本作はそれが薄く、進んでも進んでも「似たような星空」が続くため、方向感覚が崩れやすい。結果として、攻略の難しさが“謎解き”ではなく“迷子のストレス”として表面化しやすく、ここで離脱する人も出やすい構造でした。宇宙を宇宙らしく見せる演出が、探索の快適さを削ってしまった点は、欠点として語られやすい部分です。
迷子が致命傷になる理由:POWER消費が“探索ミス”を許しにくい
迷子になりやすいだけなら、時間をかけて戻れば済みます。しかし本作は移動や戦闘でエネルギー(POWER)を消費する設計なので、迷うほど“死”が近づきます。つまり、探索の難しさが単なる手間ではなく、リソース枯渇によるゲームオーバーへ直結する。ここが本作の厳しさを増幅させ、悪かった点として強く残ります。特に初見では、どの程度の余裕を残して引き返すべきかが分からず、探索の欲張りがそのまま遭難に変わりやすい。慣れれば撤退判断で対処できますが、そこへ辿り着く前に“理不尽寄り”に感じてしまう人が出るのは避けにくい欠点です。
座標表示まわりの不親切さ:頼れる情報が少ない状態で放り出される
宇宙探索の苦しさを和らげる鍵が座標表示なのに、その扱いが分かりにくい、という点も不満の種になりやすいです。復刻版FAQでは、PC-8801系で座標表示を出す入力方法が案内されており、同時押し操作が必要とされています。つまり、プレイヤーが“必要性に気付いてから”も、うまく出せずに苦戦するケースが起こり得る。もともと座標表示が標準で整備されていたかどうか、版による差や当時の周知のされ方の問題もあり、「位置把握が難しいのに、位置を知る手段が素直ではない」という不親切さとして記憶されがちです。
演出がテンポを削る:ご褒美が“待ち時間”へ反転する瞬間
戦闘アニメーションは本作の象徴ですが、悪かった点としては“テンポ”が語られやすいです。最初は格好よくても、戦闘回数が増えるほど同じ演出を見る時間が積み上がり、探索のテンポが鈍る。しかも本作は迷いやすい設計のため、移動回数も増えがちで、体感時間の重さが倍増します。演出を切り替える設定が用意されていると言われますが、完全に軽くなるわけではなく、結果として「演出の魅力が、プレイ時間が伸びるほど負担へ変わる」というジレンマが起きやすい。ロボットアニメの快感を前面に出すための仕掛けが、長時間プレイでは足かせになる可能性がある点は、欠点として納得されやすいところです。
戦闘の単調さに繋がる構造:1対1・コマンド少なめの割り切り
戦闘は1対1のコマンド選択で、さらに“3ターン先入力”という特徴がある、と整理されることが多いです。ただし、コマンドの種類が少なくなりやすい設計のため、遊び手によっては「結局は殴り合いで、戦術の幅が狭い」と感じやすい。相性武器や機動性で差が出る部分はあるものの、探索のストレスが積み重なった状態で単調な戦闘が続くと、疲労感が勝ってしまう。ロボットが動く“見た目の面白さ”で引っ張る設計だからこそ、プレイヤーが演出に慣れた瞬間に、戦闘の骨格のシンプルさが欠点として浮上しやすい、という弱点があります。
機種差が不満を生む:PC-98版のBGMなしは雰囲気面で痛い
同じ作品でも、機種によって体験が変わる点は、当時のPCゲームでは珍しくありません。ただ『ブラスティー』の場合、PC-9800シリーズ版はハード仕様の事情でBGMが存在しない、とされます。ロボットRPGとしての雰囲気を重視したい人にとって、音楽がないのは没入の大きな支えを失うことになり、評価を下げる要因になります。一方で改善点もあるとされるため一概には言えませんが、「BGM込みで味わいたい人がPC-98版だと物足りない」と感じる可能性は高い。機種をまたいで語られる作品だからこそ、こうした差が不満として残りやすいです。
挙動・不具合っぽい現象が語られがち:事故が起きる前提で遊ばされる
悪かったところとして、挙動面の癖や“事故”が語られることもあります。復刻版FAQには、戦闘が終了しなくなる状況や表示のオーバーフローなどが案内されており、プレイ中に「あれ?」となる瞬間が起こり得ることが示唆されています。もちろんレトロゲームにはそうした“当時の限界”がつきものですが、現代の感覚で触れると、セーブ&ロード前提の遊び方を強く要求される点がストレスになりやすい。挑戦作ゆえに無茶をしている、その代償としての不安定さ、という欠点が残ってしまった印象です。
まとめ:欠点の多くは「宇宙の雰囲気」を優先した結果として現れる
『クルーズチェイサー ブラスティー』の悪かったところをまとめると、宇宙の雰囲気を出すために情報量を削った結果、探索が迷子になりやすくなり、しかもPOWER消費でそれが致命傷になる点が核です。そこへ演出の重さが絡み、テンポ面の不満が出やすくなる。さらに機種差(PC-98版のBGMなし)や挙動の癖も合わさり、快適性を求める人ほど評価が下がりやすい構造になります。とはいえ裏返せば、これらは“当時の野心”の副作用でもあり、欠点が濃いからこそ作品の輪郭が濃い。良くも悪くも「尖った挑戦作」として記憶される理由が、ここに詰まっています。
[game-6]■ 好きなキャラクター
「主人公(プレイヤー)」が好き:言葉より“行動”で人格が立ち上がるタイプ
ブラスティーで主人公を推す人の意見で多いのは、「最初から強い英雄」ではなく、危険な宙域を渡り歩き、稼いだ資金で機体を整えながら一歩ずつ生き残る“現場の人”として描かれている点です。豪華な自己紹介や長い回想で魅せるというより、探索の判断、引き際、装備投資の癖、どの勢力の話を信用するか、といったプレイヤーの選択がそのまま主人公像に反映されるので、「自分の主人公」を作っている感覚が強い。結果として、同じ主人公でも遊んだ人ごとに“性格が違って見える”のが面白さで、推し理由も「冷静な撤退を選ぶ生存者っぽさが好き」「強化に全振りして突っ走る無鉄砲さが自分らしい」など、プレイスタイルと直結しやすいのが特徴です。
実は“ブラスティー(機体そのもの)”が一番好き:相棒キャラとして成立している
キャラクター人気を語る場面で、意外と強いのが「ブラスティー=相棒枠」という見方です。人間キャラの会話よりも、戦闘での動き、変形、装備の変化がプレイヤー体験の中心にあるため、ブラスティーは“道具”ではなく“連れ”として記憶に残りやすい。苦しい探索でPOWER残量が心細くなったとき、勝てるか怪しい敵に当たったとき、ギリギリの判断で生還できたとき、そのすべてを一緒にくぐり抜ける存在なので、「あの機体で生き延びた」という実感が感情として残ります。推し理由としては「変形のロマンがある」「硬質なSF感がかっこいい」「育てた分だけ頼もしくなる」といった声が多く、人格が語られなくても“積み重ね”で愛着が湧くタイプの推しです。
「コミューン側の人物」が好き:管理社会の“正しさ”と“怖さ”が同居する
支配・統治の側に立つ人物を推す意見は、単純な悪役好きというより、「秩序の理屈」に惹かれるタイプが多いです。閉鎖された宇宙という逃げ場の少ない環境では、統治は生活インフラそのもので、強権的に見えても“必要悪”として成立してしまう。そこにいる人物たちは、正しいことを言っているようで息苦しく、反抗勢力を抑える理屈も一応通ってしまう。だからこそ「現実味があって怖い」「敵として筋が通っていて好き」「言葉は冷たいのに“守ろうとしているもの”が見える」と評価されやすく、物語の重心を支える存在として好かれます。
「インバース側の人物」が好き:反抗の美学と、疑わしさの色気
反抗勢力側の推しは、「体制に歯向かうカッコよさ」だけでなく、情報が断片的に提示されることで生まれる“影”が魅力になります。彼らの言い分は痛快に聞こえる一方で、真実かどうかはすぐに断言できず、行動も苛烈になりやすい。だからこそ「信じたいけど怖い」「正義っぽいのに手段が危うい」「敵対していても惹かれる」といった、二面性込みの推しが発生します。物語の分岐や立ち位置の揺れを語るとき、インバース側の人物は“主人公を引っ張る磁力”として機能しやすく、推し理由も「理想と現実の間で揺れていて人間臭い」「言葉が刺さる」「敵でも味方でも成立する存在感がある」など、解釈の幅の広さに寄ります。
「整備・売買・研究(ラボ)に関わる人物」が好き:成長の快感を“物語側”へ繋いでくれる
ゲーム的には装備更新の窓口ですが、プレイヤーの気持ちとしては“苦労が報われる場所”を担う存在なので、ここにいる人物への好感が残りやすいです。宇宙で迷い、POWERに怯え、ギリギリで帰還したあと、装備が整っていく瞬間は精神的な救済になります。その体験を「ただのメニュー画面」にせず、“誰かが用意してくれる恩恵”として受け取れると、整備士や研究者が頼れる味方に見えてくる。推し理由は「帰る場所の象徴」「この人たちがいるから次へ行ける」「強化に理由が生まれる」といった、プレイの安心感に根ざしたものになりがちです。
「酒場(PUB)的な情報源の人物」が好き:断片の噂が世界を立体にする
閉鎖宇宙の生活感は、壮大な説明よりも、噂話や小さな伝聞で濃くなります。そういう情報の出入り口にいる人物は、直接戦わなくても印象に残りやすく、「世界がちゃんと回っている」感じを作ってくれる。推し理由としては「一言で空気を変える」「不穏な匂わせが上手い」「何気ない台詞が後で効いてくる」など、“物語の温度”を担う存在として評価されます。特に本作は、広い宇宙を彷徨う孤独が強いぶん、誰かの言葉が灯りのように作用しやすく、そこに惹かれて推しが生まれるタイプです。
まとめ:名前より“役割”が記憶に刺さりやすい、だから推し方も多様になる
ブラスティーのキャラクター推しは、「この人が一番好き」と名指しするより、「この立場の存在が刺さる」「この役割が忘れられない」という語り方になりやすい傾向があります。主人公はプレイで人格が決まり、ブラスティーは相棒として育てた記憶が感情になる。体制側と反抗側は、それぞれの理屈と危うさが色気になり、整備・研究・情報源の人物は“帰還”や“次へ進む勇気”をくれる。そうやって、プレイヤーの体験のどこを一番大事にしたかで、推しが自然に分岐していく――そこが、この作品のキャラクターの面白さです。
[game-7]●対応パソコンによる違いなど
まず押さえておきたい前提:3機種とも“同じ骨格”だが、体験の手触りが変わる
『クルーズチェイサー ブラスティー』は、PC-8801版を皮切りに、PC-9801版、X1版へ展開された作品です。 ベースの遊びは「閉鎖された階層宇宙を3D迷路として進み、遭遇戦で1対1のコマンド戦闘をこなし、賞金で機体を強化していく」という流れで共通しており、どの機種でも“宇宙で迷い、稼いで整備し、また出る”という輪っかが主役になります。 ただ、当時のPCはキーボード配列や音源仕様、描画のクセが大きく違う世界だったので、同じゲームでも「迷いやすさの質」「操作のストレス」「演出の気持ちよさ」が機種ごとに揺れます。ここでは“攻略情報の差”ではなく、“遊び心地が変わる要点”に絞って整理します。
PC-8801版:雰囲気の強さと引き換えに、座標確認が“気づけない罠”になりやすい
PC-8801版は、作品の原点らしく、宇宙の寂しさやロボット演出のインパクトがストレートに刺さる一方で、「自分が今どこにいるか」を把握するための手段が素直ではありません。そもそも本作は宇宙空間で左右の壁が見えにくく、目標物も乏しい作りのため、位置情報がないと迷子になりやすいのですが、その“救命道具”にあたる座標表示が、知らないと使えない類の操作として扱われがちです。Wikipediaでも、座標確認が発売当初は隠しコマンド頼みだったことで混乱が起きた旨が触れられています。 さらに、復刻パッケージ(CLASSIC PC-GAME COLLECTION)のFAQでは、PC-8801版の座標表示操作について、現代のキーボード環境だと「Ctrl+Shift+PgDnの同時押し」であると案内されています。 この手の同時押しは、知らなければ一生気づかないタイプなので、PC-8801版での初見プレイは「宇宙に放り出された感」が強まり、結果として“迷子→POWER消費→遭難”が起こりやすい、という体験に繋がりやすいです。
PC-9801版:BGMが消える代わりに、遊びやすさの修正が入った“実用版”の顔
PC-9801版は、体験の印象を決定づける差として「BGMが存在しない」と整理されることが多いです。 ロボットRPGとしての高揚を音で補強できないため、雰囲気面では物足りなさを感じる人がいます。一方で、同じ記述の中で、PC-9801版では座標表示が標準装備になったこと、宇宙空間で旋回したときに“前進したように見える”紛らわしい表示が削られたことなど、迷いやすさを減らす方向の改善が行われたとされています。 この差はかなり大きく、PC-88版で“宇宙の不親切さ”に折れた人ほど、PC-98版のほうが「理不尽が減ってゲームとして取り組みやすい」と感じやすい。さらに、座標表示の中身も機種で違いが語られており、海外の攻略ガイドでは、PC-88の座標表示が3要素なのに対し、PC-98では4要素(マップ番号のような追加情報を含む)になると説明されています。 加えて、方角コードの対応が機種でズレる(同じ数字でも指す方角の扱いが違う)という“落とし穴”も指摘されているため、PC-98で座標を頼りにマッピングする場合は、PC-88の感覚をそのまま持ち込まないほうが安全です。 まとめるとPC-9801版は、音の寂しさと引き換えに、迷路RPGとしての実用性を上げた版、と捉えると分かりやすいです。
X1版:移植ゆえの“クセ”が出やすいが、作品世界そのものはしっかり受け取れる
X1版は、作品がPC-88→PC-98→X1へ展開した流れの中で位置付けられ、同じ題材・同じ骨格を保ちつつ、環境差による“手触りの違い”が出やすい版です。 Wikipediaのスタッフ欄には機種ごとのプログラム担当が分けて記されており、PC-88、PC-98、X1で担当者が異なる形になっています。 この情報から推測できるのは、移植が単なる機械的変換ではなく、機種ごとに調整の思想や実装のクセが混ざり得る、ということです(キー入力の感覚、処理落ちの印象、画面更新のテンポなど)。一方で、近年の紹介記事でも「PC-88・PC-98・X1向けに発売された3DダンジョンRPG」である点はまとめられており、どの版でも“アニメ表現を全面に押し出したブラスティー”という芯は変わりません。 つまりX1版は、細部の触感に好みは出ても、作品の核(宇宙迷路×可変ロボ×アニメ戦闘)を味わううえで大きく欠ける版ではない、という捉え方がしやすいです。
番外:FM-7版は「発売予定があったが中止」—“幻の分岐”として語られる
対応機種の話題でよく添えられるのがFM-7系です。本作はFM-7シリーズでも発売予定があったものの中止になった、という情報が複数の資料側で確認できます。 もし実現していれば、音源や表示の特徴から別の個性が出た可能性もあり、レトロPC好きの間では“もしも”枠として想像が膨らみやすいポイントになっています。
現代環境で触る場合の注意:復刻版はPC-88/PC-98収録が中心で、操作差が“体感差”になる
Wikipediaには、2013年にWindows向けのパッケージへPC-9801版とPC-8801版が収録される形で展開されたことが書かれています。 この手の復刻では、当時のキー(ROLL-UPなど)が現代キーボードの別キーに割り当てられることがあり、座標表示のような“生命線”コマンドほど影響が大きい。実際、FAQで同時押しキーが案内されているのもその一例です。 どの版を遊ぶにしても、まず「座標表示(または現在地確認)」を最初に使えるようにしておくと、ブラスティーの難しさが“面白い緊張”に寄りやすくなります。
まとめ:雰囲気を取るならPC-88、実用性を取るならPC-98、X1は“移植の味”で選ぶ
機種ごとの差を一言でまとめるなら、PC-8801版は“宇宙の孤独とロマンが強いが、不親切さも濃い”、PC-9801版は“BGMがない代わりに迷いにくくする調整が入りやすい”、X1版は“移植ならではのクセが出つつも芯は同じ”という棲み分けになります。 どれが正解というより、「自分がブラスティーに求めるのが、雰囲気の衝撃なのか、探索の納得感なのか、機種ごとの味なのか」で選ぶと、同じ作品でも満足度が変わってきます。
[game-10]●同時期に発売されたゲームなど
『クルーズチェイサー ブラスティー』が登場した1986年前後は、国産パソコンの“ゲーム最前線”が一気に厚みを増した時期でもある。3D迷宮RPG、アクションRPG、アイコン式ADV、そして高密度な演出を押し出したSF・ロボット系タイトルまで、同じ「PCゲーム」という枠の中で、表現の方向性がはっきり分岐していった。ハード性能の差(PC-88のサウンド、PC-98の普及力、X1の個性)も作品の作りを左右し、同じ年の作品でも“遊び味”が別物になりやすい。ここでは、ブラスティーと同じ空気を吸っていた代表格を10本挙げ、当時の景色が立ち上がるように整理する。
★シルフィード
・販売会社:ゲームアーツ ・販売された年:1986年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:宇宙戦を題材にしつつ、画面作りは「静止画の連続」ではなく、勢いのある演出で“動いている感”を強く押し出したシューティング。機体の挙動や射撃のテンポだけで押し切るのではなく、ステージ進行と見せ方そのものをドラマとして構成し、当時のPC-88界隈で「映像体験」を語るときに必ず名前が上がるタイプの作品になった。
★スーパーマリオブラザーズ スペシャル
・販売会社:ハドソン ・販売された年:1986年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:家庭用で確立した横スクロールの感触を、パソコン環境に合わせて“別解”として作り直したアクション。単なる移植の範囲に収まらず、挙動や難易度、画面の見え方まで含めて独特のクセが生まれ、遊ぶ側はファミコン版の記憶と照らし合わせながら、違いに戸惑い、やがて攻略の筋道を組み立てていくことになる。PC-88/X1という土俵の上で生まれた、移植文化の象徴的な一本。
★太陽の神殿 -ASTEKA II-
・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1986年 ・販売価格:7,800円(資料表記) ・具体的なゲーム内容:迷宮を数値で殴るRPGとは逆方向に、探索の手触りを“体験”として組み立てた遺跡探検型の作品。画面上の情報を読み、状況に合わせて行動を選び、進行そのものをプレイヤーが手繰り寄せる作りで、当時のファルコムが得意とした冒険活劇の匂いを別形式に落とし込んでいる。ブラスティーが「宇宙を迷宮にする」なら、こちらは「遺跡を地図と判断の連鎖にする」タイプで、同時代の“探索欲”を違う角度から刺激した。
★ロマンシア(ドラゴンスレイヤージュニア)
・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1986年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:見た目はアクション寄りでも、実態は「手順と知識」を積み上げて突破していくタイプの冒険。敵や罠を反射神経だけで処理させず、場面ごとに“正しい進め方”を見つけさせる設計が強く、試行錯誤そのものが遊びになる。短い時間で急展開を味わえる一方、理解しないまま突っ込むと一気に詰むため、攻略の組み立てがゲーム体験の中心になる。
★ハイドライドII(SHINE OF DARKNESS)
・販売会社:T&E SOFT ・販売された年:1985年(機種展開を経て定着) ・販売価格:6,800円(資料表記) ・具体的なゲーム内容:アクションRPGの流れを、より“冒険らしい冒険”へ寄せた拡張版のような立ち位置。戦う・探索する・装備や成長で突破口を開く、という基本に加え、闇や危険地帯の扱い、攻略の段取りなどが濃くなり、プレイヤーに「準備して踏み込む」感覚を要求する。ブラスティーのPOWER管理が緊張感を作るのと同じく、こちらも行動コストと危険の釣り合いでプレイ感が締まる。
★ザナドゥ
・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1985年 ・販売価格:7,800円 ・具体的なゲーム内容:リアルタイム性とRPG的成長を結び付け、遊ぶ人の手順や工夫がそのまま“攻略の個性”になる作品。敵配置や地形だけでなく、資源管理・買い物・稼ぎ・育成の順番が重要で、同じゲームでも人によって攻略の道筋が変わる。ブラスティーが「迷うこと」に意味を持たせるなら、ザナドゥは「育て方そのもの」に意味を持たせ、当時のPCゲームの熱量を代表する存在になった。
★テグザー
・販売会社:ゲームアーツ ・販売された年:1985年 ・販売価格:6,800円 ・具体的なゲーム内容:ロボット(機体)を操り、地形や敵弾を読みながら“抜け道”を探して進む、硬派なアクション。撃ち合いだけでなく、侵入ルートの選択、危険地帯の突破、装置破壊の順序などが絡み、プレイはパズル的にもなる。ロボット物の見栄えと、手応え重視のゲーム性が同居しており、同時代のメカ好きにとって外せない一本だった。
★上海
・販売会社:システムソフト ・販売された年:1987年 ・販売価格:6,500円 ・具体的なゲーム内容:麻雀牌を使うが麻雀ではなく、配置の読みと手順の最適化を楽しむパズル。操作は単純でも、先の展開を想像しながら“詰み”を回避する必要があり、短時間の集中がそのまま腕前になる。重厚なRPGやADVが主戦場だったPC-88で、思考型の定番として居場所を作り、家族やライト層にも広がりやすいタイプの人気作になった。
★Wizardry #3 -リルガミンの遺産-
・販売会社:アスキー ・販売された年:1987年 ・販売価格:9,800円 ・具体的なゲーム内容:3D迷宮を一歩ずつ踏破し、編成と育成で生存率を上げていく、硬派なダンジョンRPGの代表格。戦闘も探索も“取り返しのつかなさ”が魅力で、慎重さと計画性が問われる。ブラスティーが宇宙空間を迷宮の文法で扱ったのと同じく、こちらは迷宮RPGの王道を磨き上げ、PCゲームの基準点として語られ続けた。
★イース
・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1987年 ・販売価格:7,800円 ・具体的なゲーム内容:物語のテンポと操作の気持ちよさを両立させ、RPGを“引っ張る力”で前へ進める設計が強い作品。難解さでふるいにかけるより、体感と演出で没入させる方向に舵を切っており、PCで遊ぶRPGの印象を塗り替えた。ブラスティーがアニメーション演出で記憶に残るのと同様、イースも音楽・テンポ・盛り上げ方で当時のユーザーを強く掴んだ。
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