『ザ・ブラックオニキス』(パソコンゲーム)

7/2発売 ゲーミングノートパソコン GeForce RTX 5060 AMD Ryzen 7 260 メモリ 32GB SSD 1TB 14型 165Hz Webカメラ 顔認証 Wi-Fi 6E Blu..

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【発売】:ビーピーエス
【対応パソコン】:PC-6001、PC-8801、PC-9801、FM-7、X1、MZ-2500、MSX
【発売日】:1984年1月
【ジャンル】:ロールプレイングゲーム

[game-ue]

■ 概要

●作品の立ち位置:国産RPGの「入口」を作った一本

『ザ・ブラックオニキス』は、ビーピーエス(Bullet-Proof Software)が手がけた国産コンピュータRPGの草創期を代表するタイトルで、1984年1月にPC-8801向けに登場しました。 当時の日本では、RPGという遊び方そのものがまだ一般的ではなく、遊びの文法も共有されていない時代です。そこで本作は、複雑なルールを詰め込むよりも「まず迷宮を歩き、敵と遭遇し、倒して強くなり、より危険な場所へ進む」という循環を、見た目と手触りで理解させる方向に寄せました。言い換えるなら、RPGに初めて触れる人でも、画面の情報を頼りに少しずつ学習できるように作られた、導入としての設計思想が強い作品です。

●開発背景:海外発のRPG文脈を、日本のマイコン文化へ接続する

中心人物として語られるのが、ヘンク・ロジャース(Henk Rogers)です。 海外で育ったRPGのエッセンス(迷宮探索、パーティ制、成長要素など)を、当時の日本のパソコン環境とプレイヤー層に合わせて整理し、遊びの骨格を“日本語のゲーム体験”として成立させた点が重要です。実際、PC-88版から始まりMSX、FM-7、PC-6001、PC-9801などへ広く移植され、複数のプラットフォームでRPGの定番感を浸透させていきました。

●舞台と目的:ウツロの街とブラックタワー、そして秘宝

物語の出発点はシンプルです。地上には街(ウツロ)があり、その周縁には遺構や地下迷宮、そして最奥へ通じる黒い塔(ブラックタワー)がある。そこで語られる秘宝ブラックオニキスを手に入れるため、プレイヤーはパーティを整え、迷宮に潜り、危険地帯を一歩ずつ踏破していきます。派手な演出で引っ張るのではなく、探索の積み重ねそのものがドラマになるように組まれているのが本作らしさです。目的が明快だからこそ、迷う瞬間も、危険を越えた瞬間も、プレイヤー側の経験として強く残ります。

●見た目で理解させるUI:数値より「状態」が先に伝わる作り

本作が当時として新鮮だったのは、情報提示のしかたです。HPや経験値のような概念を、単なる数字の羅列だけに頼らず、ゲージや図形的な表現で直感的に見せる工夫が目立ちます。 さらに、キャラクターの装備状況がビジュアルとして把握しやすいように作られており、武器や防具を更新した時の変化が、手元のデータ上の強化ではなく「見た目の実感」として伝わる。初期RPGが抱えがちな“理解の壁”を、画面側でできるだけ低くしようとした意図が読み取れます。

●基本システム:3D(ワイヤーフレーム)で歩く、当たる、殴る、強くなる

ゲームの骨格は一人称視点の3Dダンジョン探索です。街も迷宮も、ワイヤーフレーム的な表示で構成され、プレイヤーは方角と距離感を頼りに前進します。 戦闘はコマンド選択式で、基本的には武器による物理攻撃が中心。初期バージョンでは、一般的なRPGにありがちな多彩な職業体系や、膨大な魔法体系で複雑化するのではなく、行動の結果が読み取りやすい範囲に留めて、テンポよく“冒険の型”を体得させる方向へ寄せています。 また、モンスターの群れが出た場合でも、敵が視覚的に並ぶことで「数の圧」を感じやすく、単純な殴り合いであっても緊張が生まれます。裏返すと、複雑な駆け引きよりも、装備更新とレベル成長、そして立ち回り(無理をしない、退く判断、回復手段の使いどころ)で差が出る作りです。

●パーティと出会い:自作キャラ+現地勧誘で隊が育つ

本作はパーティ制で、複数人を編成して進みます。キャラクターを自分で作って開始するだけでなく、街や迷宮で出会う存在と関係を結び、仲間に加えて隊を整えていく要素があるのもポイントです。 この「旅先で出会った誰かが戦力になる」という感覚は、後のRPGで当たり前になる“パーティの物語性”の原型にも見えます。会話の選択肢が用意されており、ただ戦うだけではない接点があることで、探索が単調な作業になりにくいのです。

●セーブと進行:自由度の高さが“挑戦できる空気”を作る

当時の環境で大きいのは、プレイを継続できる仕組みです。本作はセーブの考え方が特徴的で、状況を選びながら記録して、探索の試行錯誤を繰り返しやすい設計になっています。 RPGに慣れていない人ほど、未知の迷宮に踏み込むこと自体が怖い。そこで「試せる」ことは、難易度そのもの以上に安心感を生みます。結果として、慎重に地図を取り、危険を予測し、準備をして踏み込むというRPGの基本姿勢が、遊びの流れの中で自然に身につきます。

●語り草になる仕掛け:色の迷路と有名な合言葉

『ザ・ブラックオニキス』を象徴する話題として、終盤に関わる色の迷路と、それを示唆する合言葉(イロイッカイズツ)がしばしば挙げられます。 ここが面白いのは、単なる難問ではなく「それまでの探索の常識が通じにくい」ことで、プレイヤーの思考を切り替えさせる装置になっている点です。迷宮の攻略とは、敵を倒すだけでなく、世界のルールを発見することでもある――その体験を、強い印象として刻む仕掛けでした。

●当時の反響とその後:シリーズ化と“次の一歩”へ

本作の後には続編『ザ・ファイヤークリスタル』が登場し、魔法などの要素が導入されていきます。 この流れは、最初に“RPGの入口”を作り、次で遊びの幅を広げるという段階設計としても読み取れます。さらに、シリーズ第3作として『ザ・ムーンストーン』が計画されていたことも語られており、当時のBPSがこの系譜を長く育てようとしていた気配が残ります。 こうした広がりを含めて見ると、『ザ・ブラックオニキス』は単発のヒット作というより、日本のパソコンRPG史の中で「RPGが当たり前になる前に、当たり前の型を作った」起点に近い存在です。

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■ ゲームの魅力とは?

●「RPGってこういう遊び」を最短距離で体感させる、導入設計のうまさ

『ザ・ブラックオニキス』のいちばん大きな魅力は、遊びの骨格が非常に分かりやすいところにあります。迷宮を一歩ずつ進む→敵と出会う→勝てば成長して装備が更新できる→さらに奥へ挑む、という流れが途切れず続き、プレイヤーは「今やっていることが次の前進にどう繋がるか」を自然に理解できます。複雑な職業選択や大量の呪文体系、細かな状態異常の管理に先に迷わされるのではなく、まず“探索と戦闘と強化”の循環を身体で覚えさせる。その順番の正しさが、本作を“RPGの入口”として長く語らせる理由です。初めて触った人ほど、画面の情報を見ながら「なるほど、こうやって強くしていくのか」と腑に落ちる瞬間が早い。だからこそ、当時RPGに馴染みが薄かった層にも広がりやすかったわけです。

●ワイヤーフレームの3D表示が生む「自分で歩いている感」

いまの感覚だとシンプルな表現に見えるワイヤーフレームの3D表示も、当時の体験としては“世界が奥行きを持って立ち上がる”強いインパクトがありました。通路の曲がり角、行き止まり、開けた空間、階段の存在が、テキストや上から見たマップの記号ではなく、目の前の視界として迫ってきます。これにより、迷宮を進む行為が単なる数値の消化ではなく、「未知の空間を踏み込む」冒険の実感になります。さらに街まで同じ視点で描かれることで、拠点とダンジョンが“別画面の別世界”ではなく、地続きの生活圏としてつながっているように感じられる。買い物や治療も、単なるメニュー操作以上に「戻ってきた」という安心感を生むのが面白いところです。

●視覚的UIが強い:数字を読まなくても状況がつかめる

本作は、プレイヤーに理解を強要するのではなく、理解しやすい形で情報を渡そうとします。体力や成長の度合いがゲージ感覚で掴めるため、細かな計算をしなくても「今は危ない」「もう少し粘れそう」「帰って立て直そう」という判断がしやすい。パーティメンバーが並び、装備の雰囲気が見た目で分かるのも効いています。新しい剣を買う、鎧を更新する、盾を持つ――その変化が“強くなった気がする”ではなく、“強くなったのが見える”体験になるので、装備更新そのものがご褒美として成立します。RPGの楽しみの一つである「準備して挑む」快感を、UIの段階から支えているわけです。

●殴り合い主体の戦闘が、逆に読みやすく奥に残る

派手な魔法や特殊効果が少ないぶん、戦闘は基本的に武器で殴って勝ちを積み上げる形になります。ここが“単純すぎる”と感じる人もいますが、魅力として捉えるなら「負けた理由が分かりやすい」「勝てるようになった理由も分かりやすい」という点が光ります。装備が弱い、人数が足りない、回復資金が乏しい、突っ込みすぎた――原因が整理しやすいから、改善策が立てやすい。結果として、慎重な進軍、撤退の判断、稼ぎのルート作りなど、RPGの基礎体力が自然に鍛えられます。また、敵が集団で現れた時に“数の圧”を感じる演出があるため、単純な殴り合いでも緊張は生まれます。危険を背負って一歩進む感覚は、シンプルな戦闘とむしろ相性がいいのです。

●パーティ編成の楽しさ:自作キャラだけで固めなくていい自由

キャラクターを一から作る楽しみはもちろんありますが、本作の面白いところは「旅の途中で出会う存在を仲間にできる」方向にも重心がある点です。自分の理想だけで組むのではなく、その時点の戦力や状況に応じて補強できる。誰を誘うか、どのタイミングで入れ替えるか、装備をどう回すか。こうした判断が“パーティを運用するゲーム”としての気持ちよさを生みます。とくに序盤は資金も装備も心細く、戦える相手が限られます。そこで仲間が増えると、一気に探索の射程が広がる。この手応えが強いので、「次はもう一段奥へ行けるかもしれない」という前向きな気分が続きやすいのです。

●「地図を作りたくなる」迷宮構造:迷うこと自体が遊びになる

一人称視点の迷宮は、現在地を簡単に教えてくれる親切なガイドが常にあるわけではありません。だからこそ、プレイヤーは曲がり角を記憶し、メモを取り、少しずつ“自分の中の地図”を育てていきます。はじめは右も左も分からなかった場所が、何度も往復するうちに「ここを曲がると安全」「ここから先は危険」「この階段は近道」といった知識に変わる。未知が既知に変わっていく快感が、本作はとても強い。RPGの探索が好きな人ほど、この“踏破の実感”に取りつかれます。さらに終盤には、これまでの常識を揺さぶるような迷い方が用意されており、攻略の達成感をひときわ強くします。

●資金繰りと買い物が冒険の計画になる:装備更新が物語を動かす

本作では、良い装備を揃えることがそのまま生存率に直結します。だからこそ、お金を稼いで武具を整え、回復手段を確保し、次の遠征に備える――この準備の段階が、単なる作業ではなく“冒険の計画”として機能します。どこで稼ぐか、どこまで粘るか、薬に頼るか外科で済ませるか、銀行のような仕組みで資金管理をどうするか。こうした判断が積み重なると、プレイヤーは自分の冒険譚を自分で組み立てている感覚になります。「今日はここまで進めた」「この装備に変えたら安定した」「次はもっと奥へ」という日記のようなリズムが生まれ、長く遊び続けられる理由にもなります。

●“伝説の言葉”が残るゲーム性:話題が口コミで増幅するタイプ

『ザ・ブラックオニキス』は、プレイ体験そのものが人に話したくなる作りです。特定の局面で必要になるヒントや、迷宮のギミック、強烈な敵との遭遇など、「あそこ、どうした?」「そこまで行けた?」と語り合う余地が多い。RPG黎明期の空気として、攻略情報が今ほど整備されていない中で、体験の共有はそのまま盛り上がりになりました。ゲーム内の仕掛けが“言葉”として記憶され、象徴になっていくのは、単に難しいからではなく、そこに到達するまでの積み重ねが濃いからです。努力して踏破した人だけが理解できる合図があり、それがコミュニティの合言葉のように残っていく――この文化的な残り方まで含めて、本作の魅力と言えます。

●総合すると:シンプルさが、体験の濃さを支える

本作の面白さは、要素の少なさではなく“要素の焦点の合わせ方”にあります。探索の実感、戦闘の読みやすさ、成長の手応え、装備更新のご褒美、地図を作る楽しさ、仲間を運用する感覚。それらを一本の太い線でつなぎ、「次は何をすれば前へ進めるか」を常にプレイヤーに提示する。結果として、派手な演出がなくても、プレイヤーの頭の中に冒険の映像が残り、思い出として強く刻まれます。国産RPGの初期に生まれた作品でありながら、いま遊んでも“RPGの基本が気持ちいい”と感じられるのは、この設計が時代を越えて通用するからでしょう。

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■ ゲームの攻略など

●まず押さえる前提:この作品の攻略は「準備」と「撤退判断」が主役

『ザ・ブラックオニキス』の攻略で最初に意識したいのは、強い必殺技で押し切るタイプのRPGではない、という点です。戦闘は基本的に武器での攻撃が中心で、派手な切り札で逆転するよりも、装備更新・資金運用・探索ルートの確立・消耗の抑制が勝敗を分けます。言い換えるなら、迷宮に潜る前の段取りが、そのまま生存率になります。 ここで重要なのが「今日はどこまで行くか」を自分で決める姿勢です。奥へ行けば行くほど危険は増えますが、奥へ行かなければ強い敵にも会えず、強い装備も揃いにくい。このジレンマを、撤退と再挑戦のリズムで解くのが本作の醍醐味です。無理をしない撤退を“負け”ではなく“作戦”として扱えるようになると、途端に安定します。

●序盤のコツ:最初の数回は「稼ぎ場づくり」と「帰還ルートの暗記」

序盤は資金が乏しく、装備も心もとないため、いきなり遠征しても消耗が先に立ちます。そこでおすすめなのは、いきなり奥へ突っ込むよりも、まず短い距離を往復して、確実に戻れるルートを身体で覚えることです。 やるべきことは大きく2つ。ひとつは、比較的危険の少ない場所で戦い、最低限の武具更新に必要なお金を集めること。もうひとつは、街から迷宮へ出入りする導線を覚え、戻り道に迷わないことです。迷宮探索で怖いのは敵よりも、帰還できずに消耗し続ける状況なので、まずは帰れる自信を作る。これだけで難易度が体感的に下がります。

●パーティ運用:最初から理想形を狙わず、現地で整えていく発想

本作のパーティは、自分で作ったキャラクターだけで固める必要がありません。探索中の出会いを活かして隊を整えることで、序盤の弱さを補える場面が出てきます。 ここで大切なのは、全員を同じ方向性にしないことです。前に立つ役が打たれ強く、後ろの役が安定して攻撃を通せるように、装備の配分を意識するだけで戦闘が落ち着きます。片手武器と盾の組み合わせ、両手武器の攻撃力重視など、選んだ装備によって守り方が変わるので、誰が盾役になるかを決めておくと、全体の被害が読みやすくなります。 また、隊の誰かが伸び悩んだ時に、思い切って入れ替える判断も“攻略の技術”です。愛着だけで固定せず、遠征の成功率を優先する。これができると、探索が一気に前へ進みます。

●戦闘の基本:攻撃の割り振りで「無駄打ち」を減らす

戦闘が殴り合い中心だからこそ、重要になるのがターゲット選びです。複数人が同じ敵を狙っていると、途中で倒れて残りの攻撃が空振りになり、結果として敵の数を減らす速度が落ちます。 コツは、最初の数手で「確実に数を減らす」こと。硬そうな敵を全員で叩くより、倒しやすい敵を確実に落として、受ける攻撃回数自体を減らした方が被害が小さくなります。 さらに、危険を感じたら逃げる判断も早めに行うのが本作流です。勝てるかどうかの見極めは、戦術の巧さよりも、経験の蓄積で上達します。初期はとくに、深追いせず、撤退を学ぶ段階だと割り切ると安定します。

●回復と資金:薬に頼りすぎず、治療と買い物の優先順位を決める

攻略の軸は資金繰りです。強い装備は当然高価ですが、装備を買えば買うほど、回復手段に回せるお金が減る。逆に回復にお金を使いすぎると、装備更新が遅れて危険が増える。 ここで役立つのが、街に戻るタイミングの管理です。薬で粘って奥へ行くより、早めに戻って治療し、もう一度潜る方が結果的に安いこともあります。どちらが得かは、行動距離と危険度で変わるので、自分の稼ぎ場が安定してきたら、治療中心にして出費を平準化するのも手です。 また、お金を持ち歩く量にも意識を向けると安心感が増します。稼いだらまず安全に管理し、必要な分だけ持って出る。この“冒険資金”の考え方ができると、事故のダメージが小さくなります。

●セーブ運用:自由度の高さを「保険」ではなく「挑戦の道具」にする

本作は状況次第でセーブできるため、探索の試行錯誤と相性が良いです。ここで気をつけたいのは、怖くて頻繁に戻るためのセーブではなく、未知のルートを試すためのセーブとして使うこと。 おすすめは、分岐点や階段前など、戻るか進むかの判断が出る地点で区切っておく方法です。これにより、迷宮の情報収集がテンポよく進みます。 ただし、セーブの考え方はキャラクター単位で扱う場面があるため、合流や再編の都合で思わぬ手間が出ることもあります。安全な拠点で隊を整え、遠征前に準備を固めてから潜る。そうすると、セーブの自由度が“便利”から“強力”に変わります。

●マッピングの勧め:紙とペンが最強の装備になる

一人称迷宮の攻略で効くのは、結局のところ地図です。頭の中で覚えるだけでも進めますが、階層が増えるほど記憶が混線し、帰還ルートで事故が起きやすくなります。 地図を作る時は、最初から綺麗に描こうとしなくて大丈夫です。大事なのは、曲がり角、行き止まり、階段、特徴のある場所だけを最低限記録すること。細部は後から整えればいい。 そして地図の目的は「迷わない」ではなく「迷っても戻れる」状態を作ることです。迷っても、地図に戻れる地点があれば、探索は恐怖から好奇心に変わります。

●詰まりやすいポイント:後半の“ルール変更”に備える

中盤までは、迷宮の形を理解し、敵の強さに合わせて装備を更新していけば、じわじわ前へ進める作りになっています。ところが終盤に近づくと、単に敵が強いだけでなく、迷宮の性格そのものが変わったように感じる区間が出てきます。 この段階では、力押しよりも観察が大事です。床や壁、通路の雰囲気の変化、進行方向による違和感、特定の手順を踏むと状況が変わる気配。こうした手触りを拾えるかどうかが突破口になります。 特に、色や順序を意識させるような区間に入ったら、戦闘よりも探索手順を整理する方が近道です。戦って強くなる段階から、仕掛けを理解して抜ける段階へ、頭の使い方を切り替える。ここができると終盤が一気にほどけます。

●難易度の実感:理不尽さより「油断が命取り」タイプ

本作の難しさは、突然の強制的な詰みというよりも、じわじわと消耗して戻れなくなる“油断の積み重ね”にあります。 敵が強い場所に踏み込んだ時、逃げる判断が遅れる。帰還ルートを把握していないのに、好奇心で奥へ進む。回復資金を削って武器に全振りする。こうした判断ミスが連鎖すると、一気に状況が崩れます。 逆に言えば、慎重に準備し、戻る判断を早めにできれば、難易度はかなり穏やかになります。攻略情報を暗記するより、冒険のリズムを掴むことが最大の攻略法です。

●小ネタ的な楽しみ方:探索の目標を自分で増やす

本筋の目的は秘宝の獲得ですが、遊び方としては自分なりの目標を立てると面白さが長持ちします。例えば、稼ぎ場を一つ決めて装備更新のタイミングを最適化する、地図を完全に埋める、仲間の編成を変えて違う立ち回りを試す、無駄な消耗を減らして遠征回数を減らす、などです。 こうした目標は、現代のRPGでいうところの縛りプレイに近い楽しさも生みます。シンプルな仕組みだからこそ、少しの工夫が手応えとして返ってくる。攻略が進むほど、その良さが分かるタイプの作品です。

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■ 感想や評判

●当時の受け止められ方:RPGという言葉が“体験”として広がった

『ザ・ブラックオニキス』の評判を語るうえで外せないのは、作品そのものの出来だけでなく、登場した時代の空気です。1980年代前半の日本では、RPGは「一部の人が海外の情報で知っているもの」あるいは「パソコン雑誌で見かける未知のジャンル」くらいの距離感でした。そこで本作は、難解な専門性よりも“遊べば分かる”方向へ寄せ、迷宮探索の楽しさを手触りとして提示したため、「RPGとは何か」を説明ではなく体験として伝えた作品になりました。 だから感想も、単に「面白かった/つまらなかった」だけでなく、「こんな遊び方があるのか」「地図を作りながら進むのが新鮮」「育てた分だけ進める」という、ジャンル理解そのものを伴うものが多くなりやすい。RPGが一般化する前の時期に、プレイヤーの感覚を“RPG向け”に変えていった作品、という印象が強いです。

●雑誌・ランキングでの存在感:長く遊ばれ、話題が途切れにくかった

当時のコンピュータ雑誌の文化は、ランキングや読者投稿、攻略欄などによって作品の寿命が伸びやすい特徴がありました。『ザ・ブラックオニキス』は、そこで長く名前が挙がり続けるタイプのゲームだったと言われます。迷宮探索は一度で終わりにくく、装備を揃える・地図を整える・奥へ進むという反復が自然に生まれるため、クリアまでに時間がかかる人ほど、雑誌を読みながら情報を集め、また遊ぶ、という循環に入りやすい。結果として、プレイヤー間の会話が増え、人気が人気を呼ぶ形になりました。 さらに、コンテストや読者参加的な企画と結びつくこともあり、単体のゲームを超えて“事件”として記憶される要素があった点も、語り継がれる理由の一つです。

●プレイヤーの感想で目立つ「体験の鮮度」:3D迷宮を歩く驚き

評判でよく語られるのが、ワイヤーフレームで表現された3D空間の新鮮さです。いまの視点では素朴に見えても、当時は「画面の奥へ進んでいく」感覚自体が刺激で、迷宮に入った瞬間の緊張が強かった。 感想としては「何が起きているか最初は分からないが、慣れると面白い」という声が出やすいタイプです。最初の戸惑いが、そのまま未知の世界を踏み込む感覚に変わっていくため、「分かった瞬間に一気にハマる」という語られ方が多い。逆に、序盤の理解を越えられない人には、雰囲気が掴めず離脱しやすい面もあり、ここが評価の分かれ目になりやすいポイントです。

●「シンプルさ」への評価:分かりやすいからこそ、当時は革命だった

本作は、RPGの要素を意図的に絞り、戦闘も殴り合い中心で構成されています。この点については、肯定的な感想が目立ちます。理由は、当時の日本のプレイヤーにとっては、複雑なルールよりも「迷宮に潜って強くなり、装備を更新する」という基本循環を理解できることが、まず価値だったからです。 「魔法がないから単調」という声がある一方で、「迷わず遊び方を覚えられる」「数値より画面で状況が分かる」「準備して進む感覚が気持ちいい」という評価が強く、RPGの基礎体験を提供する作品として支持されました。いまの目で見ると“削ぎ落とし”ですが、当時としては“入口を作った”という意味で、シンプルさが武器になっていたわけです。

●難しさに対する感想:理不尽というより、油断が事故を呼ぶ

難易度についての評判は、「突然詰む」というより「調子に乗ると死ぬ」「迷うと戻れない」という種類の怖さが語られやすいです。 特に、帰還ルートを把握せずに奥へ進む、回復資金が足りないのに粘る、敵集団を軽く見て押し切ろうとする、といった“冒険者としての悪い癖”がそのまま事故に繋がります。そのため、感想も「慎重にやれば大丈夫」「準備が大事」「撤退判断が攻略」という方向に収束しがちです。 また、終盤に近づくにつれて、迷宮の性格が変わるような区間があり、ここで「急に難しくなった」「分からないと進めない」という声が出やすい反面、突破した人ほど「そこが忘れられない」「あの瞬間でゲームの印象が決まった」と語る傾向があります。

●有名な仕掛けへの反応:合言葉が“共有文化”になった

本作は、攻略の核心に関わる要素が“言葉”として記憶されるタイプの作品です。とくに終盤に関係する合言葉は、ただのヒントではなく、プレイヤー同士の間で「知ってる/知らない」が一種の通過儀礼のように働きました。 そのため評判の残り方も独特で、「あの言葉の意味が分かった時の快感」「気づけなくて詰まった」「友達に聞いて突破した」など、個人の経験とコミュニティの関係が絡んだ語られ方が多い。いまのように検索で即答が出る時代ではないからこそ、口コミの熱量が作品評価の一部になり、伝説化しやすかったとも言えます。

●移植で広がった評価:機種ごとの体験差が“語り”を増やした

『ザ・ブラックオニキス』は複数機種に展開され、プレイヤー層が分散しながらも広がっていきました。すると、同じ作品でも「この機種の操作感が好き」「表示が見やすい」「読み込みのテンポが違う」など、細かな体験差が評判の話題になります。 こうした差は、単に優劣というより“自分の遊んだ環境込みで思い出になる”種類のもので、作品の語りを多層化します。結果として、後年になっても「自分は○○版で遊んだ」という入口の違いが、思い出話として残りやすい。レトロPCゲームが長く愛される理由の一つが、この“環境と一体化した体験”ですが、本作はまさにそれが起きやすいタイトルでした。

●後年の再評価:完成形ではなく、起点としての偉さ

時代が進み、RPGが複雑化・洗練されると、本作のシンプルさは「物足りない」と感じられることもあります。ただ同時に、後年の評価では「国産RPGの原点」「RPG文化の火付け役」「初心者にRPGを教えた作品」という位置づけが強くなります。 現代のRPGの基準で見ると、物語の演出やシステムの多様性は控えめです。しかし、探索の緊張、装備更新の喜び、地図が埋まっていく快感、そして“分からないものが分かる瞬間”の強さは、むしろ今でも通用します。評判が残るのは、完成度だけでなく、体験が記憶に残る仕掛けをしっかり持っているからです。

●まとめとしての評判像:好きな人の語りが濃く、嫌いな理由もはっきりする

『ザ・ブラックオニキス』の評判は、万人向けに無難というより、「刺さる人には深く刺さる」タイプです。好きな人は、迷宮を歩いた感覚、地図を描いた手の記憶、装備が更新された瞬間の嬉しさ、終盤の仕掛けの衝撃まで含めて、具体的に語ります。 一方で合わない人は、単調に感じる戦闘、迷うストレス、情報不足の不安を理由に挙げやすい。つまり評価が割れるのではなく、“何が合う/合わないか”がはっきりしている作品です。だからこそ、40年近く経っても語られ方が薄まらず、今なお「国産RPGの入口」として名前が残り続けています。

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■ 良かったところ

●RPGの核心だけを磨いた潔さ:迷宮・戦闘・成長が一本の線でつながる

『ザ・ブラックオニキス』の良さとして最初に挙げられやすいのは、遊びの流れが非常に素直で、途中で迷子になりにくい点です。迷宮に入る→敵と遭遇する→勝てば経験が溜まり、資金も手に入る→装備を整えられる→さらに奥へ進める、という循環が一貫しており、プレイヤーが「今の行動が次の前進にどう役立つか」を理解しやすい。 要素が少ないから単純、というより“何を面白がってほしいか”が明確で、RPGの肝である「探索と成長の快感」に集中できる作りです。後年の作品はシステムが複雑になりがちですが、本作は複雑さで驚かせるのではなく、手触りで中毒性を作っている。そこが古典として強い部分です。

●視覚的で分かりやすいUI:ゲームが状況判断を助けてくれる

良かった点として語られやすいのが、状態把握のしやすさです。体力や成長度合いがゲージのように感覚的に把握できると、数字を読み込む負担が減り、「危ないから帰る」「まだ行ける」といった判断がスムーズになります。 また、装備の更新が見た目に反映されやすいことも、当時としては大きな魅力でした。剣を買った、鎧を変えた、盾を持った、という変化が“データ上の強化”ではなく“自分の分身が強くなった実感”として伝わる。プレイヤーが成長を喜べるポイントを、UIがちゃんと支えているのが強みです。RPG初心者が置いていかれない設計だという評価にもつながります。

●3D(ワイヤーフレーム)で歩く臨場感:未知の空間が“怖くて楽しい”に変わる

迷宮を歩く体験そのものが印象に残るのも、本作が評価される理由です。ワイヤーフレームであっても、一人称視点で曲がり角を曲がる、通路が伸びる、行き止まりにぶつかる、といった空間の手応えがあり、「自分がそこにいる」感覚が生まれます。 特にRPG初体験の人にとっては、迷宮が“文字情報”ではなく“景色”として迫ってくるので、探索の緊張が強い。怖いのに、先が見たい。だから一歩ずつ進める。この心理がうまく働くので、シンプルな仕組みでも冒険として成立します。街まで同じ視点で描かれることで、拠点と危険地帯の距離感が実感として繋がり、帰還した時の安心も大きいです。

●戦闘が読みやすい:負けの理由が分かり、改善の筋道が立つ

殴り合い中心の戦闘は派手さでは劣る一方で、「何が原因で苦戦しているのか」が見えやすいという利点があります。装備が弱い、人数が足りない、敵の数が多い、回復が追いつかない、撤退が遅れた――このどれかに整理できるため、改善策がはっきりします。 その結果、プレイヤーは攻略のために“知識を暗記する”より、“自分の判断を上達させる”方向へ進みます。これはRPGの面白さの根幹であり、「自分が成長している」感覚が残りやすい。上手くなった人ほど、序盤の恐さが薄れ、探索が計画的になっていく。この変化自体が、良いRPG体験として語られます。

●撤退と再挑戦のリズムが気持ちいい:冒険の計画を立てるゲーム

本作は、無謀な突撃を戒める一方で、撤退を“負け”として扱いません。戻って治療し、装備を整え、資金を管理して、再び潜る。そのサイクルが自然に生まれます。 ここが良いところで、プレイヤーは「今日はここまで」「次は装備を一段上げてから」「稼ぎ場を作って安定させる」といった計画を立てるようになります。つまり、迷宮の中だけがゲームではなく、街での買い物や準備が冒険の一部になる。RPGの醍醐味である“準備して挑む”が、システムの素朴さに反してしっかり味わえるのが強みです。

●地図を作る楽しさ:迷うことが学習に変わり、踏破が達成感になる

一人称迷宮の面白さは、迷うこと自体が遊びになる点にあります。最初は分からない通路が、何度も歩くうちに繋がりが見え、頭の中の地図が育つ。紙に書く人もいれば、記憶で覚える人もいますが、いずれにせよ“未知が既知に変わる快感”が強い。 そして、地図ができるほど探索は安全になり、さらに奥へ行ける。つまり、上達が攻略に直結します。RPGが好きな人ほど、この「少しずつ踏破していく」感覚を良かった点として挙げやすいです。後年の便利機能が増えたRPGでは得にくい、手作業の達成感が残ります。

●記憶に残る仕掛け:終盤の“別の頭の使い方”が強い印象を作る

良かったところとして語られやすいのが、終盤にかけて用意されている「それまでの常識が通じにくい区間」です。単に敵が強いだけではなく、迷宮の抜け方や手順の考え方が重要になり、プレイヤーは観察と整理を迫られます。 ここで印象的なのは、攻略のために必要なのが“強さ”だけではないこと。探索の経験や、手がかりを拾う注意力が突破口になります。だからこそ、突破した人ほど「あそこが忘れられない」と語り、作品全体の記憶が強化されます。RPGの面白さは戦闘だけではない、ということを体験で示す仕掛けとして評価されます。

●コミュニティで育つ面白さ:語り合うことで世界が広がる

当時のゲーム体験は、雑誌や友人との情報交換と強く結びついていました。本作は、迷宮の構造や有名な合言葉、強烈な敵との遭遇など、話題にしやすい要素が多く、「あそこどうした?」「どこまで行った?」と語り合う余地が大きい。 この“共有される面白さ”は、単に攻略情報が不足していたからではなく、体験そのものが人に伝えたくなる質感を持っていたからです。誰かの一言で突破口が見えたり、他人の失敗談で学べたりする。ゲームがコミュニケーションの中心になる時代に、非常に相性が良いタイトルでした。

●総合すると:古さより、芯の強さが残る「基礎体験の名作」

良かった点をまとめると、本作はRPGの基礎体験を、難解にせず、しかし薄味にもせず、しっかり手応えとして残すことに成功しています。探索の緊張、成長の喜び、装備更新の手触り、撤退と再挑戦の計画性、地図を作る達成感、終盤の印象的な仕掛け。 現代的な派手さはなくても、遊びの芯が太いので、好きな人の記憶に深く残る。国産RPGの黎明期において、この“芯の強さ”を示したこと自体が、最大の良かったところと言えるでしょう。

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■ 悪かったところ

●序盤の取っつきにくさ:3D表示が「新鮮」でも最初は戸惑いやすい

『ザ・ブラックオニキス』の弱点として語られやすいのは、初見の理解ハードルです。ワイヤーフレームの一人称視点は当時としては先進的で臨場感もありましたが、慣れていない人には「いま自分が何を見ているのか」「どこへ進めるのか」が直感的に掴みにくい場面があります。特に最初の数分で“世界の読み方”が分からないと、冒険のワクワクより先に戸惑いが勝ってしまう。 街も同じ視点で描かれることが、没入感としては長所ですが、逆に「店に入る」「目的の施設を見つける」といった基本動作が分かりづらいと感じる人もいます。説明書を読めば理解できるとしても、ゲーム単体で自然に誘導する作りではない部分があり、ここで離脱する層が出やすい点は欠点として挙げられます。

●戦闘の単調さ:殴り合い中心ゆえに“展開の幅”が出にくい

本作はシンプルさが売りですが、その裏返しとして「戦闘が似た展開になりやすい」という不満が出やすいです。魔法や特殊技、状態異常、敵の強い個性といった要素が少ないため、やることが攻撃と撤退判断に集約されます。 もちろん、装備更新や敵集団の圧で緊張は生まれますが、長時間プレイすると「また同じ形の殴り合いが続く」と感じる人もいます。特に、RPGに慣れてから遊ぶと、戦闘の駆け引きの少なさが物足りなさとして浮き上がりやすい。ここは好みが分かれますが、“単純で読みやすい”が“単調で飽きる”へ反転する可能性がある点は弱みです。

●成長・能力値の見えづらさ:育成の納得感が揺らぐことがある

キャラクターの成長が分かりやすい一方で、細かな能力値の把握や育成方針の決定は、現代のRPGと比べると不透明になりがちです。プレイヤーが「次に何を伸ばせばいいか」「このキャラはどの程度強いのか」を数値で整理しにくい場合があり、結果として“手応えはあるが、内訳はよく分からない”状態になりやすい。 この点は、初心者向けとしてはメリット(細かい最適化を要求しない)ですが、やり込もうとした時には欠点になります。育成の計画を立てたい人ほど、情報不足に不満を抱きやすいです。また、成長の振れ幅があると感じるプレイヤーもおり、「同じように遊んでいるのに差が出る」ことが納得できない、という声に繋がる場合があります。

●装備と経済の厳しさ:売却できない/稼ぎが安定しにくい感覚

本作は装備更新が重要ですが、資金繰りが窮屈に感じられることがあります。装備の買い替えが必要なのに、敵が常にお金を落としてくれるわけではなく、稼ぎが安定しない局面がある。すると「必要な強化に届かない」「稼ぎ作業が長引く」といったストレスが出やすいです。 さらに、装備を更新しても古い装備を売って資金回収できない(または制限が強い)ように感じる場面では、プレイヤーが“買ったら終わり”の重さを背負うことになります。慎重に計画を立てる楽しさにもなりますが、テンポを求める人には足かせになります。特に序盤は、回復費用との両立が難しく、資金不足がそのまま足踏み感に繋がりやすい点が不満として挙がりがちです。

●迷宮探索のストレス:地図を描く楽しさが、手間に変わることもある

地図を作る楽しさは本作の魅力ですが、逆に言うと「地図を作らないと進めにくい」「迷うと戻れない」というプレッシャーが強いことでもあります。方向感覚が苦手な人や、メモを取るプレイスタイルに馴染めない人にとっては、探索が快感よりも負担になりやすい。 また、迷宮の構造によっては、同じ場所を何度も往復することになり、そこで戦闘が挟まるとテンポが悪く感じられます。探索の緊張感が、長時間では疲労感に変わる。ここも好みですが、“没入できる人には最高、そうでない人には面倒”という割れ方をしやすい部分です。

●終盤の詰まりやすさ:ヒントの受け取り方が分からないと停滞する

本作の終盤には、これまでの常識とは違う頭の使い方を要求する区間があり、そこが強烈な印象を残す反面、「気づけないと進まない」タイプの詰まりを生みます。 突破できた人にとっては“忘れられない体験”になる一方、ヒントの意味を読み取れない人にとっては、試行錯誤が徒労に変わりやすい。いまのゲームのように、行き詰まった際の救済導線が手厚いわけではないため、ここで攻略情報に頼るか、諦めるか、という二択になりやすい点が欠点と言えます。 また、終盤は敵も強くなるため、探索の難しさと戦闘の厳しさが同時に来て、心理的な圧が高い。結果として「終盤だけ急に別ゲーに感じる」という感想が出ることもあります。

●物語演出の薄さ:ドラマを期待すると肩透かしになりやすい

『ザ・ブラックオニキス』は、探索体験を中心に据えた作品なので、物語の演出やキャラクターの掘り下げは控えめです。目的は明快でも、道中で大きなドラマが連続するタイプではないため、「ストーリーに引っ張られて遊びたい」層には物足りなく映ることがあります。 当時のRPGとしては自然な設計ですが、後年の物語重視RPGに慣れたプレイヤーが触れると、“冒険の理由”より“冒険そのもの”が主役である点が好みに合わない場合があります。つまり、世界観に浸るより、地図を埋める楽しさが中心。この割り切りが刺さらないと、淡々とした作業感が勝ってしまうことがあります。

●操作性・テンポの差:移植環境によって快適さが変わりやすい

複数機種に展開されたことは強みですが、その分、遊びやすさに差が出やすいのも弱点です。キー入力の感触、表示の見やすさ、読み込みの待ち、セーブ手段など、環境が違うだけでテンポの印象が変わります。 そのため、「この版は快適で好き」「この版はもっさりして辛い」といった評価差が生まれやすい。作品自体の良し悪しとは別に、遊んだ環境の記憶が不満として残ることもあります。レトロPCゲーム全般に言える部分ですが、本作はプレイ時間が長くなりがちなので、快適性の差が評価へ直結しやすいです。

●総合すると:不親切さと単調さが“古典の味”と表裏一体

悪かったところをまとめると、初見の分かりづらさ、戦闘の単調さ、育成情報の不透明さ、資金繰りの窮屈さ、地図作成の手間、終盤の詰まりやすさ、演出の淡さ、環境差によるテンポの違い――このあたりに集約されます。 ただし重要なのは、これらが単なる欠点ではなく、当時の設計思想と時代背景の裏返しでもある点です。親切さより探索の実感、派手さより手応え、物語より踏破の達成感。そこを魅力として受け取れる人には名作として残り、そこが合わない人には辛い、という評価の割れ方になります。 つまり、欠点がはっきりしているからこそ、ハマった人の熱量も濃くなる。『ザ・ブラックオニキス』は、その典型のような作品です。

[game-6]

■ 好きなキャラクター

●この作品における「キャラクターの好き」は、物語ではなく“旅の記憶”で決まる

『ザ・ブラックオニキス』で語られる「好きなキャラクター」は、現代のRPGのように濃密なドラマや会話劇で推しが生まれるというより、“冒険の中で一緒に生き残った相棒”としての愛着から生まれやすいのが特徴です。 なぜなら本作は、キャラクターの性格描写や専用イベントが前面に出るタイプではなく、迷宮を歩き、敵を倒し、危機を乗り越える体験の積み重ねが、キャラクターへの印象を作るからです。長い探索の中で「この前衛が何度も壁になってくれた」「このメンバー構成にしてから安定した」「奇跡的に全員生還できた」など、プレイヤーごとの“自分史”がそのまま推し理由になります。つまり、好きなキャラ=強いキャラ、という単純な話ではなく、好きなキャラ=自分の冒険を救った存在、になりやすいわけです。

●自作主人公枠:最初に作った1人は、必ず“看板”として残る

本作では、最初に最低1人はキャラクターを用意して旅を始めます。そのため、最初に作ったキャラクターは、良くも悪くもプレイヤーの分身であり、思い出の中心になりやすい。 好きな理由として多いのは、「初めて迷宮に入った時に一番前に立っていた」「何度も全滅の危機を耐えた」「装備更新で見た目が変わっていくのが嬉しかった」といった“歴史”の積み重ねです。序盤は特に弱く、少しの油断で倒れやすいからこそ、そこを越えて成長した時の感慨が強い。 また、本作は能力値を細かくいじるより、旅の結果としてキャラが育っていく手触りが強いので、最初のキャラが強くなった瞬間が、そのまま「RPGを理解した瞬間」になりやすい。結果として、最初の1人に強い愛着が残ります。

●前衛の“盾役”が人気:地味だが、最終的に一番頼れる

プレイヤーの推しとして語られやすいのが、パーティの前衛で踏ん張り続けた盾役です。本作の戦闘は殴り合い中心で、敵が集団で出てくることも多い。その中で、前衛が崩れると一気に事故が起きやすい。 だからこそ、「このキャラが倒れなかったから勝てた」「帰還できた」という記憶が強く残ります。派手さはないけれど、勝敗を決めるのは大抵ここ。好きな理由も、“見せ場”ではなく“信用”に寄ります。 装備更新で防具が整っていく過程も、盾役が一番分かりやすく効いてくるので、プレイヤーが「守りが固くなった」と実感しやすい。結果として、地味なはずの壁役が、最終的に一番好きになるパターンが生まれやすいのです。

●二刀流・両手武器の“火力役”が好きになる人:突破の快感を担う存在

逆に、好きなキャラとして挙げられやすいのが火力役です。盾を捨てて両手武器に寄せたキャラは、守りが薄くなる代わりに、敵を減らす速度に貢献します。本作では敵の数を減らすことがそのまま被害軽減に繋がりやすいので、「このキャラが早く倒してくれるから助かる」という印象が残ります。 特に中盤以降、敵が硬くなり、殴り合いが長引くと消耗が増えるため、火力役の存在感が増してきます。「あと一撃で倒し切れた」場面の記憶は鮮烈で、そこを作ったキャラが推しになる。 また、装備の見た目が変わることも相まって、「強い武器を買った時に一番“変化”が出る」のも火力役なので、視覚的な成長が好きな人ほどこの枠に愛着が湧きます。

●途中加入のNPCが推しになる:出会い方そのものがドラマになる

本作では、街や迷宮で出会う仲間を勧誘できるため、途中加入キャラが推しになるケースが珍しくありません。自作キャラよりも、偶然の出会いで加入した仲間の方が印象深いことすらあります。 理由は単純で、「困っている時に出会った」「戦力不足を一気に解決してくれた」「その加入で探索範囲が広がった」という体験が、キャラの価値を“物語”として刻むからです。名前も含めて偶然性が強く、「うちのパーティの伝説の仲間」として語れる余地が生まれます。 また、入れ替えが起きやすいゲームだからこそ、最後まで残ったNPCはそれだけで“選ばれた仲間”になります。育成の計画で選んだというより、旅の結果として残った相棒。この偶然性が、推しの理由として強く働きます。

●“装備でキャラが立つ”面白さ:推し=装備セットになることが多い

現代のRPGでは、推しキャラの魅力は性格や声、演出に寄りがちですが、『ザ・ブラックオニキス』では推しの魅力が「装備の組み合わせ」と一体化しやすいです。 「盾を捨てた両手武器マン」「防具を固めた不沈の壁」「回避重視で粘るタイプ」など、プレイヤーの運用思想がそのままキャラ像になります。だから推し理由も「この装備構成で戦線が安定した」「この武器を手に入れてから世界が変わった」という形になりやすい。 推しというより“自分の戦術の象徴”としてキャラが愛されるのが、本作ならではのキャラの立ち方です。

●終盤まで連れて行けたメンバーが推しになる:苦労を共有した相棒感

本作の終盤は、探索の厳しさや仕掛けの難しさが増していきます。その区間を一緒に越えたキャラには、自然と強い愛着が残ります。 「迷宮で迷っても崩れなかった」「強敵の群れを耐えた」「あの区間で全滅しなかった」――そういう瞬間を積み上げると、キャラは単なるデータではなく、苦労を共有した存在になります。 特に、終盤の“頭の使い方が変わる”ような区間では、戦闘だけでなく探索手順の整理が重要になり、そこで生き残ったキャラは「最後まで付き合ってくれた仲間」として記憶されやすい。推しが生まれる理由が、ドラマの台詞ではなく、プレイヤー自身の体験に根差しているのが、本作の良さでもあります。

●好きなキャラ談義が盛り上がるタイプ:人によって推しがバラける

本作は固定キャラの名場面で推しが決まるのではなく、各自の旅の経緯で推しが決まります。だから「みんな同じ推し」になりにくく、逆に語り合うと面白い。 ある人は「最初の自作キャラが相棒」、別の人は「偶然加入したNPCが英雄」、また別の人は「盾役こそ正義」と言う。推しの理由がそのまま攻略スタイルの違いにも繋がるので、好きなキャラ談義が“自分の冒険譚”の交換になります。 『ザ・ブラックオニキス』のキャラクターの魅力は、ゲーム内の台本ではなく、プレイヤーの手で編まれる――この構造そのものが、好きなキャラを生む仕組みとして評価されるポイントです。

[game-7]

●対応パソコンによる違いなど

●まず大前提:本作の「機種差」はグラフィックだけでなく、攻略手順そのものに影響する

『ザ・ブラックオニキス』は、複数の8ビット系パソコンへ展開された“同名タイトル”でありながら、単なる移植では終わらないタイプの作品です。理由はシンプルで、当時の各機種は画面モード・色の扱い・記憶媒体・ロード方式・キー入力の癖がバラバラで、同じゲームを同じ手触りに揃えるのが難しかったからです。 このため、見た目の鮮明さや表示速度の違いはもちろん、セーブのしやすさや探索テンポ、そして終盤で話題になりやすい“色の手がかり”の解釈まで変わってきます。実際、カラー迷路に関わる「色の順番」が機種によって異なることが知られており、PC-8801系はカラーコードの昇順、X1は降順、さらに別の並びを採る機種もある、という具合です。 つまり「同じ題名だから同じ攻略で通る」と思うと、最後の最後で噛み合わないことがある。ここが、本作の“機種別に語りが分岐する”面白さでもあります。

●PC-8801版:基準になりやすい“原点の手触り”

最初に出たPC-8801版は、本作のイメージを決めた基準点になりやすい存在です。ワイヤーフレームの3D表示、街と迷宮を同じ視点で歩き回る構造、装備が見た目に反映されていく分かりやすさなど、「ブラックオニキスといえばこれ」という体験がここにまとまっています。 また、先ほど触れた“色の順番”の考え方でも、PC-8801系はカラーコードの昇順が基準として語られやすく、後発機種のユーザーが攻略談義をするときに「PC-88基準だと…」という比較軸が生まれがちです。 操作面では、当時のPCゲームらしくキー入力中心で、慣れると素早く動かせる一方、初見では「どのキーが何をするか」を把握するまで少し時間がかかるタイプでもあります。ここは説明書文化の時代らしい部分です。

●PC-9801版:内容は近くても、遊び心地が“別物”になりやすい

PC-9801は同じNEC系統でもアーキテクチャが違い、画面解像度や表示の作法も異なります。そのため「中身はPC-8801版に近い」と言われることがあっても、プレイ感は環境で変わりやすい枠です。 特に、表示のくっきり感や文字の読みやすさ、ロードの体感、キーの配置などがプレイヤーの印象を左右します。結果として「同じ攻略なのに、体感の難しさが違う」といった声が出やすい。レトロPC作品ではよくある話ですが、本作は迷宮を長く歩くゲームなので、わずかなテンポ差が印象を大きく変えます。

●PC-6001系:色と画面モードの個性が“例の迷路”に直撃する

PC-6001系は、カラーパレットや画面モードの扱いが独特で、同じ“色”でも見え方・並び方の感覚が機種ごとにずれやすい土壌があります。終盤の仕掛けは“色の順番”を意識させるため、この差は見た目の好みでは済みません。 同じ言葉を手がかりにしても、PC-88基準の並びで動くと噛み合わない可能性がある。だからPC-6001で遊んだ人は、攻略の話題がどうしても「自分の機種の色順はこうだった」という方向に寄りやすく、ここが思い出話の濃いポイントになります(後年の語りでも“機種別の答え”が存在する、という話になりやすい)。

●X1版:同じ“色のキーワード”でも、順序が逆になることがある

X1版で象徴的なのは、カラー迷路の考え方がPC-88と一致しない可能性がある点です。具体的には、色の順番がPC-88のような昇順ではなく、降順で解釈される、という語られ方があり、同じ合言葉でも“進み方”が反転するイメージになります。 この違いは、攻略情報を横流ししにくい要因でもありました。当時は「友達の言う通りにやったのに通れない」→「そもそも機種が違う」→「色順が違う」という流れで真相に辿り着くことがあり、まさに“パソコンごとの文化差”がゲーム体験に混ざり込んでいた部分です。 また、X1は媒体の違い(テープかディスクか)でテンポが変わりやすく、同じX1でも「やけに待つ」「意外とサクサク」と印象が割れることがあります。これは攻略の難しさというより、集中力の削れ方に直結する差です。

●FM-7版:テープ版は構造が“一本道”になり、マップ感覚まで変わることがある

FM-7は本作の機種差で特に語りやすい枠です。理由は、媒体とロード方式の都合で、テープ版が一方通行的な作りになり、ディスク版や他機種と同じ感覚で戻り読み込みができない(=動線が固定されやすい)ため、結果としてマップや攻略の組み立てが違ってくる、という指摘があるからです。 これにより、同じ「撤退して整えて再挑戦」というリズムを作りたいのに、戻りの手間や手順が重く、遠征計画が“より慎重”になりがちです。逆に言えば、FM-7版のプレイヤーは「無駄な寄り道を減らす」「探索の区切りを強く意識する」方向に上達しやすく、同じゲームでも“プレイの流儀”が変わります。 さらにFM-7は色の扱いも独自になりやすく、色順の解釈が機種固有になる可能性が語られています。 ここも、終盤に向かうほど差が効いてきます。

●MSX版:発売元や環境の違いが入口を広げ、遊び方の作法も変えた

MSX版は、MSXという統一規格が広げたユーザー層に本作を届けたという意味で重要です。資料では、PC-88版が1984年1月、MSX版が翌年扱いで語られることがあり、展開のタイミングにも差が見られます。 MSXは機種間の互換性を掲げる一方、実機のキー配置や周辺環境、カセットテープ/ディスクなどの差が混ざるため、テンポや操作感が「同じMSXでも違う」と感じる人が出やすいのも特徴です。 そして本作の場合、MSXユーザーの間でもやはり“色の解釈”が話題になりやすい。画面の発色やパレット感覚が他機種と異なると、同じ色名で呼んでいても、プレイヤーの頭の中の順序がズレることがあります。終盤の謎に向けて、MSX版ならではの“見え方の記憶”が攻略談義に残りやすいのは、このあたりが理由です。

●MZ-2500版:情報が少ないぶん、“幻の体験談”として語られやすい

MZ-2500は当時としては高機能寄りの個性派で、移植作品も「実機で触った人の証言」が価値を持ちやすい領域です。一方で、現代に残る情報量が多いとは言いづらく、PC-88やMSXのように共通の語りが蓄積されにくい。そのため、MZ-2500版は「持っていた人の話がとにかく濃い」「細部が人によって違って聞こえる」といった、体験談中心の存在になりやすいです。 こうした“語りの希少性”も、レトロPC作品の魅力の一部で、本作が多機種に広がった証でもあります。

●共通して起きる差:媒体(FD/テープ)とセーブの手間が、難易度の印象を作る

本作の難しさは「敵が強い」だけでなく、「迷宮をどれだけ気持ちよく反復できるか」で変わります。そこで決定的に効くのが媒体です。ディスクでテンポ良く再挑戦できる環境と、テープで待ち時間や手順の制約が重い環境では、同じ攻略でも心理的負担が変わります。 FM-7テープ版が一方通行的になり、マップや攻略が違ってくる、という指摘は、まさにその象徴です。 そしてこの差は、単なる快適性ではなく、「今日はどこまで行くか」「撤退タイミングをどう切るか」というプレイ戦略そのものを変えてしまいます。 結果として、同じ『ザ・ブラックオニキス』でも、機種ごとに“上達の仕方”が違う。これが、移植作品として面白いところでもあります。

●(参考)家庭用への展開:同名でも別設計に近いケースがある

なお「同タイトルの家庭用機」まで含めて視野を広げると、ファミコン版は内容が大きく再設計され、『スーパーブラックオニキス』として別物に近い遊び方になった、と説明されることがあります。 つまり“ブラックオニキス体験”をそのまま移したのではなく、家庭用の遊び方へ作り替えた系統です。 このように、パソコン版の機種差は「環境差で手触りが変わる」範囲に収まりやすい一方、家庭用は「設計思想から違う」方向へ振れることもある。だからこそ、パソコン各版は“同じ冒険の別表情”として語られ、家庭用は“別解”として語られやすい、という立ち位置になります。

●まとめ:機種差を知るほど「例の謎」と「自分の冒険譚」が濃くなる

『ザ・ブラックオニキス』は、どの機種でも「迷宮を歩き、育て、装備を整え、秘宝へ向かう」芯は共通しています。ただし、色の順番の違い、媒体によるテンポ差、ロード方式の制約などが積み重なり、終盤の体験や攻略の組み立てが“機種の個性”として表に出てきます。 だから本作は、同じタイトルなのに人によって語りが食い違い、それが間違いではなく“環境の違い”として成立する。レトロPCゲームの醍醐味を、最も分かりやすく体現した一本と言えます。

[game-10]

●同時期に発売されたゲームなど

★『ダンジョン』

・販売会社:光栄(KOEI) ・販売された年:1983年 ・販売価格:5,200円(テープ版の定価例) ・具体的なゲーム内容: 『ザ・ブラックオニキス』と同じく「迷宮に挑み、少しずつ強くなっていく」遊びを、当時の国産パソコン向けに噛み砕いて提示した初期作のひとつ。プレイヤーはダンジョンに潜って未知の区画を広げ、危険と引き換えに報酬を得る、というRPG的な快感を覚えていく。まだ“RPGの常識”が国内で固まっていなかった頃だけに、操作や見せ方はできるだけ分かりやすく、まずは「探索して帰還する」こと自体が目的になる設計が強い。パーティ運用や装備更新よりも、迷宮の先に何があるかを確かめる好奇心が主燃料で、マップを自分の頭(あるいは紙)に刻む作業が、そのまま冒険の実感に直結する。後年の複雑な育成・スキル構成とは別方向の、“遊びの骨格だけで成立させる”時代らしい潔さが魅力だった。

■■■

★『ぱのらま島』

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1983年 ・販売価格:10,450円(定価例) ・具体的なゲーム内容: のちにファルコムが得意とする「物語性」と「見せ場作り」の芽を感じさせる、アドベンチャー寄りの作品。RPGが広く浸透する少し前、パソコンで“世界に入り込む”体験をどう成立させるかが試行錯誤されていた時期に、舞台設定やシーン運びでプレイヤーの想像力を誘うタイプのゲームとして注目されやすかった。一本道で答えをなぞるというより、画面上の手掛かりや反応を丹念に拾い、状況を整理して前へ進む感覚が強い。『ザ・ブラックオニキス』が「探索と戦闘」を軸に冒険の手触りを作ったのに対して、こちらは「発見と推理」で旅の物語を立ち上げる方向性。80年代前半のPCゲームが多様な“没入の形”を模索していたことを思い出させる一本。

■■■

★『ドアドア』

・販売会社:エニックス ・販売された年:1983年 ・販売価格:3,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: 短時間でルールが飲み込めて、しかも繰り返すほど上達が見える、初期PCの定番“アクション・パズル”の代表格。ステージ内を走り回り、追ってくる敵をドアに閉じ込めて状況を整理しながら、最終的なクリア条件へ向かう。発想としては単純でも、敵配置や自分の移動ルート次第で難度が激変し、「先読み」と「手順化」が勝負になる。RPGのように育成で解決するのではなく、プレイヤー自身の判断がそのまま結果に出るため、当時のパソコンゲームらしい“腕前が資産”の中毒性が強い。『ザ・ブラックオニキス』でRPGに触れた人が、別ジャンルでもPCゲームの面白さを探す入口になった、という意味でも同時代の空気を象徴している。

■■■

★『ロードランナー』

・販売会社:システムソフト(ライセンス元:Broderbund) ・販売された年:1983年 ・販売価格:6,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: 罠のように配置された地形と敵の巡回を読み切り、掘る・逃げる・誘導するを組み合わせて金塊を回収する、パズル性の高いアクション。単に反射神経だけで突破するのではなく、「敵を落とす穴をどこに掘るか」「回収ルートをどう最短化するか」など、計画性が強く求められる。ステージ制の分かりやすさと、失敗→再挑戦のテンポが良いので、当時のPCユーザーにも“毎日少しずつ進める”遊びとして定着しやすかった。RPGが長編体験だとすれば、こちらは一面ごとに完結する知的勝負。『ザ・ブラックオニキス』と同じ時代に、PCゲームが「頭を使う快感」を様々な形で提供していたことが伝わる。

■■■

★『信長の野望』

・販売会社:光栄(KOEI) ・販売された年:1983年(ディスク版の発売時期例) ・販売価格:6,800円(ディスク版の価格例) ・具体的なゲーム内容: “戦国の大名として国を動かす”という、当時としては異色のスケール感を、内政と合戦の繰り返しでゲーム化した歴史シミュレーションの原点級。兵糧や金、治安や外交といった数値のやり取りが中心で、派手な演出より「意思決定の積み重ね」が主役になる。プレイヤーは短期的な勝利より、数か月・数年先を読んだ布石で優位を作っていく必要があり、勝っている時ほど慎重さが要るのが面白いところ。『ザ・ブラックオニキス』が“地下迷宮の未知”を冒険の核にしたのに対し、『信長の野望』は“状況が変化する盤面”そのものが迷宮になる。80年代前半のPC市場が、RPGだけでなくシミュレーションにも強い土壌を育てていたことを示す代表作。

■■■

★『サンダーフォース』

・販売会社:テクノソフト ・販売された年:1984年1月 ・販売価格:4,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: PCのシューティングを“軽快に動かす”こと自体が驚きだった時代に、画面の広がりとスピード感で存在感を放った一作。単純な固定画面ではなく、スクロールする戦場の中で敵の配置や地形を読み、空中・地上の脅威を処理していく構成が熱い。武装の使い分けや安全地帯の見極めなど、アーケード的な即応力と、PCゲームらしいパターン化の両方が求められる。『ザ・ブラックオニキス』のようなRPGが“考える時間”を用意してくれる一方で、こうしたSTGは“考える暇がない状況で最適解を出す”面白さを提示した。ジャンルは違っても、当時のパソコンが「ゲーム機ではないのに、ここまで遊べる」と感じさせた象徴的な一本。

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★『ハイドライド』

・販売会社:T&E SOFT ・販売された年:1984年(PC-8801版の発売時期例) ・販売価格:7,480円(定価例) ・具体的なゲーム内容: 国産アクションRPGの流れを語るとき外せないタイトルで、フィールドを歩き回り、敵との距離感や接触で戦う“身体性”のあるRPG体験を広めた。コマンド選択よりも、移動の仕方やタイミングがそのまま生存率に直結するため、同じ敵でも「自分が上手くなった分だけ勝てる」手応えが強い。探索は地図の拡張だけでなく、危険地帯をどう抜けるか、回復の段取りをどう組むか、といった“行動計画”が鍵になる。『ザ・ブラックオニキス』がダンジョンRPGの入門として「分かりやすい仕組み」を整えたのに対し、『ハイドライド』はアクション性でRPGを日常の遊びに引き寄せた。80年代前半のPC RPGが、別の方向から同じ山を登っていたことがよく分かる。

[game-7]

★『ドラゴンスレイヤー』

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1984年 ・販売価格:4,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: RPGに“アクションの緊張感”を強く混ぜ、探索・戦闘・リスク管理をテンポ良く回す設計で人気を広げた作品。迷宮を前に進むだけでなく、敵の圧や状況変化に対応して身の振り方を変える必要があり、同じ場所でも挑戦するたびに体感が変わる。達成感の作り方が巧く、危険を越えてアイテムや情報を手に入れる流れが、プレイヤーの記憶に“冒険の節目”として残りやすい。『ザ・ブラックオニキス』が「まずRPGを理解させる」方向のシンプルさなら、『ドラゴンスレイヤー』は「RPGを遊び倒す」方向への刺激が強い。同時代に、国産RPGが一気に枝分かれしていった熱量を伝える一本。

★『夢幻の心臓』

・販売会社:クリスタルソフト ・販売された年:1984年3月(PC-88版の発売時期例) ・販売価格:ディスク版8,800円/テープ版4,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: “育成の伸び”と“探索の積み重ね”を長いスパンで味わわせる、骨太寄りの国産RPGとして語られやすい作品。プレイ体験の中心は、未知の領域を開いていくことと、危険を管理しながら戦力を整えていくことの反復で、進行に応じてプレイヤーの判断の重みが増していく。序盤は一歩が怖いのに、中盤以降は「どう効率よく安全圏を作るか」「どこで勝負に出るか」がテーマになり、遊びが段階的に変化する。『ザ・ブラックオニキス』の“分かりやすい入門性”よりも、RPGに慣れた層へ向けて密度を上げた感触があり、同じ1984年でも作品の狙いが違うのが面白い。

★『ボコスカウォーズ』

・販売会社:アスキー ・販売された年:1984年6月(発売時期例) ・販売価格:3,800円(定価例) ・具体的なゲーム内容: 一見するとコミカルだが、実際は“部隊を動かして戦線を押し上げる”戦術的な読み合いが詰まった異色作。王を中心に兵を前へ進め、敵軍を押し返しながら城を目指すが、こちらが強いだけでは勝てず、地形・隊列・接触の仕方で損害が大きく変わる。細かな操作の気持ちよさと、全体の状況判断が同時に求められるため、遊んでいるうちに独特の“セオリー”が体に染みるタイプ。『ザ・ブラックオニキス』のように数値と装備で強くなるRPGとは違い、プレイヤーの采配そのものが強さになる。同時代のPCゲームが、ジャンルの枠を超えて「考える面白さ」を押し出していたことを象徴する。

★『ザナドゥ』

・販売会社:日本ファルコム ・販売された年:1985年(PC-8801版の発売年) ・販売価格:7,800円(価格例) ・具体的なゲーム内容: 『ドラゴンスレイヤー』の流れを汲みつつ、アクション性と成長要素を強め、長編としての満足感を前面に出したARPGの大看板。装備やステータスで“できること”が増え、攻略の自由度が上がる一方で、危険地帯へ踏み込む順番や稼ぎ方の工夫が結果を大きく左右する。プレイヤーは探索と戦闘を繰り返しながら、自分の手で“勝てる状況”を作っていく感触を味わうことになる。『ザ・ブラックオニキス』が広めた「RPGの基礎体験」が、数年で「より大きな遊びの器」に拡張されていった、その到達点のひとつとして語りやすい。1984年の熱が1985年へ連なったことを示す、同時代の延長線上の代表作。

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4,820 円 (税込)
発売日 - メーカー NEC 型番 PC-98D63-VW(K) 備考 メディア:3.5インチFD(4枚組) 関連商品はこちらから NEC 

【中古】ロボクラッシュ98 PC-9801 5インチソフト

【中古】ロボクラッシュ98 PC-9801 5インチソフト
701 円 (税込) 送料込
ロボクラッシュ98 PC-9801 5インチソフトスリーブケース・外箱・印刷物・紙ケース・PCソフト(ゲームディスク1&2)あり。スリーブケースや外箱、印刷物に汚れ有り。特に記述の無い場合、帯や初回特典等は付属致しません。目立った汚れなどがあった場合は記載するようにしてお..

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 同梱特典オリジナルNEC PC-9800シリーズ版 DLCカード 付-PS4

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 同梱特典オリジナルNEC PC-9800シリーズ版 DLCカード 付-PS4
12,425 円 (税込)
PS4用 不朽の名作が現代に蘇る!

【中古】PC-9801 3.5インチソフト はいぱぁセキュリティーズ[3.5インチ版]

【中古】PC-9801 3.5インチソフト はいぱぁセキュリティーズ[3.5インチ版]
9,750 円 (税込)
発売日 - メーカー メビオ 型番 PS-46 JAN 4988110800467 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(7枚)・マニュアル 関連商品はこちらから メビオ 

【中古】PC-9801 3.5インチソフト 太閤立志伝 II[3.5インチFD版]

【中古】PC-9801 3.5インチソフト 太閤立志伝 II[3.5インチFD版]
4,880 円 (税込)
発売日 - メーカー KOEI(光栄) 型番 KN10791020 JAN 4988615005916 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(6枚)・マニュアル(2冊)・群雄割拠図 関連商品はこちらから 太閤立志伝  KOEI(光栄) 

【中古】PC-9801 3.5インチソフト ブラック・レインボウ

【中古】PC-9801 3.5インチソフト ブラック・レインボウ
4,590 円 (税込)
発売日 - メーカー ホビージャパン 型番 - JAN 4981932905235 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(3枚)・マニュアル・ワールドガイド・マップ・クイックリファレンス・魔法表 関連商品はこちらから ホビージャパン 

【中古】PC-9801 3.5インチソフト ファーランドストーリー 神々の遺産[HDD専用/3.5インチ版]

【中古】PC-9801 3.5インチソフト ファーランドストーリー 神々の遺産[HDD専用/3.5インチ版]
11,750 円 (税込) 送料込
発売日 - メーカー TGL 型番 - JAN 4935066103210 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(5枚)・マニュアル・サウンドトラックCD・ポスター 関連商品はこちらから ファーランドストーリー  TGL 
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