『Qバート』(パソコンゲーム)

【中古】北米版 ファミコン Q-Bert Qバート

【中古】北米版 ファミコン Q-Bert Qバート
5,500 円 (税込) 送料込
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【発売】:コナミ
【対応パソコン】:MSX
【発売日】:1986年
【ジャンル】:アクションゲーム

[game-ue]

■ 概要

● 「Qバート」という題材を、MSX向けに“別解”として作り直した作品

1986年にコナミからMSX向けに発売された『Qバート』は、同名のアーケード版(1982年)をそのまま家庭に移した“忠実移植”というより、シリーズの流れとMSXという環境に合わせて、遊びの芯を別の形で組み直したタイプの作品として語られやすい。そもそも『Qバート』は、立体的に見えるブロックの山(ピラミッド)を斜め方向に跳び回り、ブロックの色を塗り替えていくゲーム性で知られた。直感的なのに、操作が「斜め」固定であるがゆえに、慣れるまで身体感覚が追いつかない——その独特さが個性になり、同時に難しさにもなる。 そこへコナミがMSX版として出した1986年作は、見た目やタイトルで連想される“あのQバート”のイメージを借りつつ、実際の手触りは続編系のルール(キューブを回転させて面を揃える発想)に寄せた設計になっている。さらに主人公も小さなドラゴン風のキャラクターへ差し替えられており、当時のコナミMSX開発陣の“自分たちの舞台”としての色も濃い。結果として、アーケード版の名を知っている人ほど「思っていたのと違う!」となり、逆にMSXで初めて触れた人ほど「これはこれで完成されたパズルアクション」としてハマりやすい、そんな二面性を持った一本になった。

● MSX版の基本目的:ブロック“全体”ではなく、パターンを完成させる感覚

MSX版の核にあるのは、「ジャンプして色を付ける」だけで終わらない、盤面の“形”と“向き”を読ませるパズル性だ。ステージは立体的なキューブ群で構成され、各面(あるいはキューブの見え方)を変化させながら、指定された状態へ近づけていくのが大目標になる。ここが、オリジナルのピラミッド全塗り替えと比べて、プレイ中の意識が変わるポイントだ。 オリジナルは「通った場所を塗る」ことで“足跡”がそのまま攻略線になる。一方MSX版は、ジャンプの一手が盤面の状態をねじるように作用しやすく、目先の安全と、完成形までの段取りがしばしば衝突する。つまり、敵を避けるだけでは足りず、避けた結果として盤面が遠回りしてしまうこともある。ここに、アクションゲームとしての緊張感と、パズルゲームとしての“最短手順を探す面白さ”が同居する。ステージを重ねるほど、「反射神経」よりも「手順設計」の比重が増え、遊び味がだんだん“読み合い”に寄っていくのが特徴だ。

● 操作はシンプル、しかし判断は忙しい——MSXらしい“手元と頭”の両立

操作そのものは、基本的に方向入力+ジャンプのリズムで成立する。MSXはキーボード主体の環境でも遊ばれるが、当時のアクション寄りタイトルではジョイスティック運用も一般的だった。MSX版『Qバート』も、入力自体は複雑なコマンドを要求しない設計で、遊び手が悩むのは“押し方”ではなく“どこへ跳ぶか”の選択になる。 そしてこのゲームは、判断の材料が多い。敵の位置、こちらの足場、落下リスク、そして盤面の完成形までの残り工程。さらに、単に逃げるだけでは盤面が崩れていく(あるいは整わない)ことがあるため、「安全な一手」と「正しい一手」が一致しない局面が出てくる。ここが面白い。焦りながらも、手順を組み直す。危険を避けながら、狙った状態へ寄せていく。MSXのパズルアクションらしい、“瞬間判断+段取り”の同時進行がゲームの推進力になっている。

● 50ステージという“問題集”感:盤面パターンで難度を作る

MSX版は、ステージごとにキューブ配置(パターン)が異なる構成で、全50ステージが用意されているとされる。これは、単に量が多いというより、「盤面そのものが問題」「盤面ごとに解き方が変わる」という、問題集的な設計思想を感じさせる要素だ。 序盤は、状況変化を把握しやすい盤面で“ルール理解”が中心になる。ところが進むにつれて、見た目の密度や引っ掛けが増え、ジャンプの癖を把握していないと最短手順が崩れやすくなる。たとえば、盤面が広がることで移動距離が増え、敵の干渉時間が長くなる。あるいは、完成形へ寄せるために「一度は危険地帯へ踏み込む」必要が出る。こうした“盤面が要求する攻略姿勢”の違いが、ステージ差別化の中心になっている。 結果として、プレイヤーは単なる反復作業になりにくい。クリアのたびに「次はどんな盤面だろう」と構えることになり、攻略の面白さが“新問への挑戦”として立ち上がる。これは、家庭用環境でじっくり遊ばれやすいMSXという土俵に合った作り方だと言える。

● 2人同時対戦が本気:完成競争+押し落としの駆け引き

このMSX版が特にユニークなのは、対戦要素を“おまけ”にしなかった点だ。2人同時プレイでは、互いに異なるパターン(目的)を割り当てられ、先に自分の条件を満たすことで得点につながる。一方で、相手を盤面外へ押し落とすことでも優位を取れるような設計が語られており、単純なスコア勝負ではなく「邪魔をする/される」前提のゲームになる。 この対戦が面白いのは、パズルの“最短手順”が、そのまま対人戦での“安全策”にならないところだ。自分の完成だけを急ぐと、相手の進路と交差し、押し落とされる危険が増える。逆に妨害に寄りすぎると、盤面が進まず目的達成が遅れる。つまり、相手の位置取りを読んで、パズル手順をリアルタイムで折り曲げていく必要がある。 この“パズルを対戦用に歪める面白さ”は、同じタイトルを名乗りながらも、アーケード版の印象とは別の場所で独自性を作っているポイントだ。家庭で友人や兄弟と遊ぶシーンを想定すると、勝敗が「上手い下手」だけで決まりにくく、駆け引きや事故も含めて盛り上がりやすい。MSXでこういう方向性を真正面から出したのは、当時としてはなかなか攻めた作りだった、と感じる人も多いだろう。

● “移植”ではなく“再編集”だからこそ残った、MSX版ならではの存在感

まとめると、1986年コナミのMSX版『Qバート』は、名作アーケードの看板を背負いながらも、遊びの中身は続編的なメカニクスを土台にし、50の盤面パターンと対戦要素で“家庭用の長持ちする遊び”へ着地させた作品だと言える。 「Qバート=ピラミッド全塗り替え」という記憶だけで触れると戸惑う。しかし、盤面を読み、手順を組み、敵と相手(対戦時)まで含めて状況をさばく——そうした“忙しい頭の使い方”に乗れた瞬間、このゲームは急に面白くなる。タイトルが同じでも、狙っている快感が少し違う。そのズレを“裏切り”と取るか、“別料理”と取るかで評価が割れやすいのも、このMSX版の味わいだ。 だからこそ、当時のMSXユーザーの文脈で見ると、「コナミがMSXでやりたかったパズルアクションの一つの到達点」として、独特の存在感を残している。アーケードの影を踏みつつ、家庭での遊び方へ最適化していく——1980年代の移植文化の中でも、“タイトルを借りて別の完成度を作る”という意味で、印象に残りやすい一本である。

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■ ゲームの魅力とは?

● 「ジャンプ=盤面を回す」発想が生む、アクションとパズルの同居感

MSX版『Qバート』の面白さは、主人公が跳ねた“結果”として、盤面そのものの状態が変わっていくところにある。一般的なアクションゲームだと、ジャンプは障害物を避けるための手段になりやすい。ところが本作では、ジャンプした方向に応じて、足元のキューブが「向き」を変える(回転する)ため、移動がそのままパズル操作になる。つまり「安全な場所へ行く」ことと「正解へ近づく」ことが、常に同じボタンの押し方に結びついている。これが、ただ逃げるだけでも、ただ揃えるだけでも終わらない、独特の“忙しさ”を生む。盤面が思い通りに整っていく快感と、敵に追い込まれて手順が崩れる焦りが、同じジャンプの一手に詰まっているからだ。

● 目標が明確で気持ちいい:見本と同じ向きに揃えて「透明化」させる達成感

このゲームが分かりやすいのは、画面上に“こうしてね”という見本がはっきり提示され、そこに合わせていく遊びになっている点だ。各レベルには、揃えるべきキューブの向き(模様)が示され、プレイヤーはジャンプを繰り返して盤面のキューブの見え方を整えていく。狙い通りに合ったキューブは、状態が変わって「できた感」が目に見える。さらに、一定数をまっすぐ並べるとステージクリアにつながる仕組みがあり、ゴールが“ふわっとしたスコア稼ぎ”ではなく“形の完成”として示されるのが気持ちいい。後半になるほど要求が増えて、単に1本作るだけでは足りず、複数の列を成立させる必要が出てくるため、同じルールでも難しさの段階が作られている。

● 50面の「問題集」構造が、飽きにくさを作る

本作は“盤面の配置そのもの”が難度と個性を作っている。50ステージ用意されたレイアウトは、単に敵が強くなるだけでなく、そもそも「どう並べるのが効率的か」が盤面ごとに変わるようにできている。最初は、ルール理解と操作感の習得が中心になるが、慣れてくると「この盤面は外周から固めたほうがいい」「この形は中央に触る順番を工夫しないと戻される」といった、手順設計のゲームに変貌していく。アーケード由来の瞬間勝負っぽさを残しつつ、家庭用らしい“考える時間の長さ”も確保しているので、短時間プレイでも、腰を据えた攻略でも成立する。

● パワーアップで遊びが変わる:「2倍ジャンプ」が生むルート再設計の面白さ

本作には、状況をひっくり返すタイプの要素が用意されている。その代表が、パワーアップ中に使える「2倍ジャンプ」だ。通常の一手では届かない間合いへ飛べるようになると、逃げ道が増えるだけでなく、盤面を揃える手順そのものも短縮できる。ここがポイントで、パワーアップは“助かる”だけの救済で終わらない。むしろ「今のうちにどこを崩して、どこを整えるか」という、工程管理のスイッチになる。操作面でも、特定のキー(またはトリガー)を組み合わせて2倍ジャンプを出す作りになっており、プレイヤーは“必要な時だけ強い手”を切る判断を迫られる。緊急回避として使うか、最短手順のために温存するか——その迷いがそのまま面白さになる。

● 主人公が“アップ君”だからこそ出る、コナミMSXらしい軽妙さ

MSX版が印象に残りやすい理由の一つは、キャラクターの顔つきが独特だからだ。アーケードのQバートそのものではなく、コナミMSX開発側のマスコット的な存在として「アップ君」がプレイヤー役になっている。2P側にも別キャラクターが設定され、タイトルや雰囲気は海外ゲームの顔を借りながらも、中身は“コナミMSXの作品”としての色が強い。これによって、ゲームの手触りが硬派になりすぎず、少しコミカルで、繰り返し遊ぶ時のストレスが軽くなる。難しいのに、どこか肩の力が抜けたテンポがある。そうした空気感が、パズルアクションの反復に向いている。

● 2人同時プレイが熱い:協力ではなく“対戦”として成立している

本作の対戦は、ただ順番にスコアを比べるのではなく、同じ盤面で同時に動くタイプの遊びとして語られる。目標のパターンがプレイヤーごとに異なるため、同じ盤面でも「自分はここを整えたい」「相手はそこを触られると困る」という利害が噛み合わない。さらに、盤面上で相手の動きを邪魔して落下に追い込むような駆け引きも発生し、パズルが“対人ゲームの地形”として機能しはじめる。パズルアクションの対戦は、上手い人が一方的に勝ちやすくなりがちだが、本作は盤面の事故や読み違いも起きやすく、勝負が荒れるのが逆に楽しい。友人や兄弟と遊ぶと、攻略とは別の盛り上がり方をするタイプだ。

● 「1スロットのゲーム」以上に語られる、不思議な立ち位置も魅力の一部

MSX界隈では、本作が“単体で遊ぶ良作”である一方、別の文脈でも知られている。カートリッジを挿し方(スロット運用)によって追加機能が話題になりやすく、当時の遊び方の文化を背負ったタイトルとして言及されることがある。こうした周辺事情を含めて、MSXのコナミ作品らしい「道具としてのソフト」「環境込みで遊ぶソフト」という匂いが残っているのも面白い点だ。現代の感覚で単純に一本のゲームとして触れても、十分に“手順を組むアクションパズル”として完成しているが、当時の空気まで含めると、より立体的に味わえる。

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■ ゲームの攻略など

● まず最初に整理したい「このゲームの勝ち筋」:狙うのは“5つ並び”の完成

MSX版『Qバート』は、ただキューブをいじっているだけだと終わりが見えにくいけれど、ゴール自体は意外と明確で、「狙った状態になったキューブ(透明化する扱いのキューブ)を、一直線に5個そろえる」ことが基本の勝ち筋になる(縦・横・斜めのラインで成立する、と説明されることが多い)。 つまり攻略の発想は「盤面ぜんぶを完成形にする」よりも、「ラインを作れる場所を見つけ、そこへ寄せていく」方向に寄る。盤面が広いほど“完成させたい場所”を選べるように見えるが、実際は敵の圧と落下リスクがあるので、どこでもいいわけじゃない。安全に作れるライン候補を2〜3本イメージして、状況で切り替える——これが上達の近道になる。

● 操作の基本は「方向キーで移動」+「2倍ジャンプ」を必要な瞬間だけ差し込む

キー操作の骨格はシンプルで、方向キーで主人公を動かし、移動先に応じてキューブの向き(状態)を変化させていく。さらに、方向入力にスペースキーを組み合わせることで「2倍ジャンプ」が出せる、と案内されている。 ここで大事なのは、2倍ジャンプを“常用”しないこと。2倍ジャンプは便利だが、盤面を一気に飛び越えるぶん、狙っていないキューブを触ってしまったり、逆にライン候補の上を通過して工程が狂ったりしやすい。基本は通常移動で手順を作り、敵に詰められた時や、どうしても一手短縮したい時だけ2倍ジャンプを挟む、くらいの比率が安定する。

● 画面左上の“見本”を、手順の中心に置く:いま何を作っているか常に言語化する

本作は各レベルで「この向きに合わせてね」という見本(ターゲット)が示され、その見本と同じ向きになるようにキューブを揃えていくタイプ、と説明されている。 攻略のコツは、プレイ中に頭の中で実況することだ。たとえば「いまは“見本向き”を増やすターン」「ここはわざと崩して回り道するターン」「5つ並びの2個目を固定するターン」というふうに、“いま何をしているか”を言語化できると、敵が来た瞬間に判断が速くなる。逆に、なんとなく動いていると、敵に追われたときに盤面の意味が分からなくなり、焦りジャンプで事故る。

● ライン作りは「端から端へ」より「端+端の間を埋める」発想がうまくいく

5つ並びを作るとき、初心者ほど「端から一直線に作ろう」としがちだが、端へ寄るほど落下の危険が上がり、敵に押し込まれたときの逃げ道も減る。おすすめは“完成ラインの両端”をまず安全側で確保し、真ん中を埋める発想。 たとえば盤面の外周に近い位置でラインを作るなら、外周そのものを通路にせず、外周の一段内側を主戦場にする。これだけで落下事故が減り、敵が来ても内側へ逃げられる余裕が残る。「危ない場所ほど、短時間だけ触る」——これを徹底すると勝率が上がる。

● 盤面を触る順番のセオリー:まず“交通整理”してから“仕上げ”に入る

本作は、キューブを回すたび盤面が変わるので、最初から完成ラインを一気に仕上げに行くと、途中で敵に追われて工程が崩れやすい。そこで、序盤は“交通整理”を優先するのが強い。交通整理とは、次の2つを作る作業だ。 1)安全に周回できるルート(逃げ道)を確保する。2)ライン候補の近くに、見本向きのキューブを増やしておく。 この下準備ができると、敵が寄ってきてもルートを崩さずに済み、仕上げ工程(5つ並びの完成)だけに集中できる。逆に交通整理ができていない状態で仕上げに入ると、敵に押されて“崩れる場所”が増え、盤面の修復に時間がかかって泥沼になりやすい。

● 敵対応は「完全回避」より「時間を稼ぐ」:追いかけさせて、逆側で作業する

敵を倒すタイプのゲームではないので、攻略の基本は「敵と同じ側で戦わない」ことになる。敵が自分の近くに来たら、その場で粘って完成を狙うより、一度大きく距離を取って“盤面の反対側”へ逃げ、敵を追いかけさせる。その間に、別のライン候補を進める。これが実戦的だ。 重要なのは、敵を“引っ張る”ルートを作ること。一本道で逃げると詰むが、分岐を含む周回ルートがあれば、敵の進路が遅れ、時間が買える。交通整理が強い理由はここにもある。

● 2倍ジャンプの使いどころ:緊急脱出/工程短縮/敵の軌道ずらし

2倍ジャンプは「遠くへ行ける」だけではなく、使い方で性格が変わる。代表的には次の3つ。 ・緊急脱出:外周に追い詰められたとき、1手で内側へ戻す。落下の危険が高い局面ほど価値が出る。 ・工程短縮:ライン候補の“最後の1〜2個”を仕上げる際、余計なマスを踏まずに狙った位置へ入る。 ・敵の軌道ずらし:敵がこちらへ来るタイミングで、普段通らない距離に跳んで「追いかける時間」を伸ばす。 ただし、2倍ジャンプを多用すると盤面の意図しない箇所が変化し、作りかけラインが壊れやすい。あくまで“目的がある時だけ”に限定すると、強い道具になる。

● 2人同時プレイの攻略:勝つには「自分のライン」と「相手の邪魔」を同じ手でやる

2人同時プレイでは、プレイヤーごとに“狙うべきキューブの向き(ターゲット)”が異なり、同じ盤面を取り合う構造になる、と説明されている。 このモードで勝ちやすいのは、「相手を邪魔するためだけの行動」を減らし、“自分の工程が進むついでに相手の工程を壊す”動き。たとえば、自分の見本向きに寄せる移動が、相手にとっては逆向きに崩れる場所を選んで通る。これなら自分は得をして、相手は損をする。 逆に、妨害だけを狙うと自分の盤面が進まず、相手が別ラインへ逃げて勝ち筋を作ってしまう。対戦は感情で追い回すより、盤面の“価値が高い地点”(ライン候補になりやすい中心部、逃げ道の分岐点)を押さえ、相手の作業場所を狭めるほうが強い。

● 50ステージを攻略する学習法:同じ失敗を“分類”して減らす

本作は50面すべてが別レイアウト、と説明されることがあり、盤面暗記より“失敗パターンの管理”が効くタイプだ。 おすすめは、ミスを次の3種類に分けて対策すること。 A:落下事故(外周での判断ミス、2倍ジャンプの暴発)→外周は短時間だけ触る/2倍ジャンプは目的限定。 B:工程崩壊(仕上げ中に敵が来て混乱)→交通整理を終えてから仕上げに入る/ライン候補を複数持つ。 C:状況不明(自分が何を作っているか分からなくなる)→“今の目的”を言葉にする/見本を見直して工程をリセット。 ステージが進むほどレイアウトは変わっても、負け方の種類はだいたいこの3つに収束する。分類して潰していくと、攻略が目に見えて安定してくる。

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■ 感想や評判

● 「QバートなのにQバートじゃない」戸惑いが、最初の印象を決めやすい

MSX版『Qバート』の評判でまず語られやすいのは、タイトルから想像される内容と、実際のゲーム性がズレている点だ。アーケード版の“斜め跳びでピラミッドを塗り替える”イメージを期待して起動すると、主人公が別キャラクターで、遊びの中心も「盤面の向き(状態)を揃えてラインを作る」タイプのアクションパズルになっているため、初見で驚く人が出る。背景事情としては、MSX版がオリジナルの単純移植ではなく、続編側のアイデアを土台に再構成された、と整理されることが多い。だから“似ているのに別物”という感想が生まれやすく、ここをどう受け止めるかで評価が分かれる傾向がある。タイトルに引っ張られて混乱した人は「期待と違う」、先入観なしに触れた人は「よくできたアクションパズル」と感じやすい、そんな入り口の差がはっきり出る作品だ。

● 好意的な声:テンポの速い“考えるアクション”として手触りが良い

一方で、ゲームとしての出来を褒める意見も根強い。特に「動きが速くて、判断が忙しいのが楽しい」「パズルなのに反射神経も要求されて飽きにくい」といった、テンポ面の評価が目立つ。MSXのアクションパズルは、落ち着いた思考寄りになりがちな一方で、本作は敵が入り乱れる局面が多く、盤面の完成だけを見ていると簡単に追い詰められる。だから、盤面を読む力と“生き残るための瞬間判断”が同時に必要になる。その二重課題がうまく噛み合った時に、短いプレイでも濃い達成感が出る。レビュー系の文章でも、難しさはあるが遊びとして面白い、というニュアンスで語られることがある。

● グラフィック・見やすさの評価:盤面が「問題」として成立している

評判を支えるもう一つの要素が、盤面の見せ方だ。キューブが立体的に見える配置や、向きの変化が視覚的に追いやすい作りになっているため、「今どこをどう動かしたか」「どこが狙いの状態に近いか」を把握しやすい。パズルアクションは、画面がごちゃつくと“考える前に事故る”ゲームになりがちだが、本作は少なくともルール理解が進んだ後は、盤面を眺めて手順を組み立てる余地が残る。結果として、反射神経任せではなく「ここを揃えてから次へ」という計画プレイが成立し、攻略する楽しさが生まれやすい。50面というボリュームが語られるのも、こうした“盤面が問題集になる”タイプのゲームだからだ。

● 難易度への反応:理不尽というより「慣れが必要」、ただし序盤の壁は高め

難易度については、好みが割れやすい。肯定的に言う人は「コツが分かるほど安定する」「パターン認識と優先順位で突破できる」と捉える一方、否定的な感想では「何をすればいいか分かる前にやられる」「敵に追われると盤面の意味が崩壊して混乱する」という声が出がちだ。特に本作は、操作自体は単純でも、目的が“盤面の向きを揃えてラインを作る”ことだと理解するまでが第一関門になる。理解した後も、敵と落下の圧があるので、手順を組んでいる最中に状況が壊れて立て直しが必要になる。その“立て直し”に面白さを見いだせるかどうかが評価の分かれ目で、パズルだけを静かに解きたい人ほど疲れやすい。逆に、短いサイクルで失敗と改善を回せる人には刺さりやすい。

● 操作性への声:2倍ジャンプは便利だが、同時に事故の原因にもなりやすい

操作面では、方向移動に加えてスペースキー(またはショット)を組み合わせる2倍ジャンプが特徴として語られる。これがあることで、緊急回避や工程短縮ができて爽快、という意見がある一方、慣れないうちは「狙いと違う場所へ飛んで盤面を壊す」「外周へ飛び出して落下する」といった事故にも直結しやすい。つまり2倍ジャンプは、救済というより“上達すると強いが、下手に触ると痛い”タイプの道具で、使い分けを覚えるほどゲームが面白くなる反面、覚える前はストレス源になり得る。このあたりは、当時のMSXで遊んだ人の記録でも、操作説明とあわせて触れられがちだ。

● 対戦の評価:友達と遊ぶと“別ゲーム”になる、ただし相手を選ぶ

2人同時プレイについては、知っている人ほど推すことが多い。対戦では互いに違うターゲットを抱えながら同じ盤面に立つため、自分の工程を進める動きが相手の邪魔にもなりやすく、自然に駆け引きが生まれる。さらに相手を落下させる要素が語られることもあり、純粋なパズル勝負ではなく“盤面上の押し合い”の要素が加わる。その結果、1人プレイではストイックな攻略ゲームだったものが、2人だとワチャワチャした対戦アクションに化ける。ここが楽しいという声がある反面、相手がルールを理解していないと成立しにくく、初見同士だと混乱しやすいのも事実。だから「対戦こそ面白い」と「対戦はよく分からなかった」が同時に存在しやすい。

● メディア・資料での扱い:単体評価と“周辺機能の話題”が混ざりやすい不思議な立ち位置

MSX版『Qバート』は、ゲーム単体の出来とは別に、当時のコナミMSX作品の文化圏で語られることもある。具体的には、2スロット運用で別タイトルに追加機能が出る、といった周辺の話が残っており、結果として「本作そのものを遊んだ記憶」と「別用途で使った記憶」が混ざる人がいる。こうした“ゲーム外の文脈”があると、純粋な作品評価が埋もれやすい反面、レトロゲームとして振り返った時に「ちょっと変な伝説が付いている」面白さにもなる。実際、データベース系の解説でも、良作なのに別の目的で扱われた、というニュアンスで触れられる例がある。

● 総合すると:期待値の置き方で評価が変わるが、“アクションパズル”としては語り継がれやすい

まとめると、MSX版『Qバート』の感想は「タイトルの先入観で損をしやすい」一方で、「中身だけ見ればよくできたアクションパズル」として支持されやすい、という形に落ち着きやすい。主人公が別キャラクターである点や、続編ベースのルールである点は戸惑いの種だが、裏を返せば“同名タイトルの別料理”として個性になっている。盤面を読んで手順を組む面白さ、敵に追われて工程を崩される緊張、2倍ジャンプの使い分け、そして対戦の荒々しい駆け引き——それらが合わさって、「分かると面白い」を強い形で持っているタイプのゲームだ。だからこそ、当時リアルタイムで触れた人の回想でも、賛否込みで印象に残りやすい一本として語られ続けている。

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■ 良かったところ

● 「動く=盤面を変える」一体型のルールが、気持ち良い上達曲線を作っている

MSX版『Qバート』でまず評価されやすいのは、プレイヤーの移動そのものがパズル操作になっている点だ。方向入力で歩いた“向き”に応じてキューブが回転していく仕組みなので、ただ逃げる動き・ただ揃える動き、という分業が起きにくい。歩く=作業、逃げる=作業、追われながらでも“進捗”が発生しやすい設計になっている。だから最初は混乱しても、慣れてくると「危険回避のついでに盤面が整う」瞬間が増え、プレイのテンポが一段上がる。入力と目的が直結しているぶん、上達が体感しやすく、同じ面を繰り返しても“昨日より上手くなってる感”が出やすいのが強み。

● 50面の“レイアウト勝負”が、単調さを避けて長く遊ばせる

本作は、同じルールの繰り返しに見えて、ステージごとにキューブの配置が変わることで別の遊び味を作っている。資料では50ステージが用意されている、と整理されることが多く、これが家庭用としての満足感につながっている。 レイアウトが変わると、狙えるラインの作り方も、敵を引き回せるルートも変わる。結果として「この面は中央が危ないから外周寄りで組む」「この形は回り道しないと揃わない」といった、盤面ごとの“解法の個性”が出てくる。攻略メモを取りたくなるタイプのゲームで、単に反射神経だけで押し切れないところが、むしろ長所として働く。

● 2倍ジャンプが“救済”で終わらない:緊急脱出と工程短縮の両方に効く

方向入力にスペースキーを組み合わせる2倍ジャンプが用意されていて、これが遊びの幅を広げている。 単に遠くへ跳べるだけでなく、追い詰められた時の脱出手段になり、同時に「ここは踏まずに最短で入りたい」という工程短縮にも使える。つまり“ミスを帳消しにするだけの便利機能”ではなく、上手い人ほど使いどころが増えていく道具になっている。普通の移動だけでも成立するのに、2倍ジャンプがあることで「危険な局面を切り返す快感」「手順が研ぎ澄まされる快感」が追加され、プレイのメリハリが強くなる。

● 対戦がちゃんと面白い:同時プレイで盤面が“スポーツ化”する

2人同時プレイが搭載されている点を“良かったところ”に挙げる人は多い。対戦では、相手と同じ盤面に立ちながら、自分の狙いを進めつつ相手の進行を崩す駆け引きが生まれる。説明資料では体当たりで落とし合う緊迫感がある、といった触れられ方もされており、1人用のストイックな攻略とは違う盛り上がり方をする。 パズルゲームの対戦は、ともすると“作業の速さ比べ”になりがちだが、本作は盤面外への落下や、相手の進路を塞ぐ読み合いが入るため、瞬間の判断と位置取りで試合が動く。結果として、見ていても分かりやすい「うわ、今の危ない!」「そこで押すのか!」みたいなドラマが出やすい。対人戦の記憶が強く残るタイプの一本だ。

● 主人公差し替えが、意外と効いている:硬派になりすぎない“遊びやすさ”

MSX版は、アーケードのQバート本人ではなく、ドラゴン風のキャラクター(海外資料ではWrappyと説明される)を操作する内容として紹介されることが多い。 これが、結果的にゲームの空気を少し柔らかくしている。敵に追われてミスが続くゲームはストレスが溜まりやすいが、見た目がコミカルだと“もう一回”が押しやすい。かわいい見た目と難しめの内容のギャップが、レトロゲームらしい中毒性につながっている、という捉え方もできる。

● MSXらしい“環境込みの面白さ”がある:2スロット文化と相性が良い

当時のMSXは、本体にカートリッジスロットが複数ある環境が多く、ソフトを挿し替えながら遊ぶ文化があった。『Qバート』は、ゲーム内容そのものが良作寄りと評されつつも、別のコナミ作品と組み合わせた追加機能の話題で語られやすかった、という記録も残っている。 これは裏を返すと、MSXというプラットフォームの“道具っぽさ”と結びついたソフトだったということでもある。単体で完結する現代の遊び方とは違い、手元の環境や手持ちソフトの組み合わせまで含めて思い出されるタイトルは、当時の体験として印象に残りやすい。ゲームの評価が周辺事情に引っ張られる側面もあるが、レトロとして振り返ると“当時のMSXらしさ”が濃い、という意味でプラスに捉えられる。

● ROM 32KBでも成立する“密度”:ルールの芯が太いから、容量が小さくても満足できる

データ上の規模は大きくない(ROMのサイズ情報が記録されている)一方で、遊びの密度はしっかりしている。 理由は単純で、盤面を回転させるという核が強いからだ。敵の圧、落下の緊張、ライン完成の達成感、2倍ジャンプの切り返し、対戦の読み合い——このあたりが少ない要素で組まれているので、プレイ体験が薄くならない。ステージ数の多さも相まって、「起動して数分で満足」ではなく「少しずつ詰めたくなる」継続性を持っている。

● 総合:良い点が“攻略の楽しさ”に直結していて、思い出補正抜きでも触りやすい

本作の良かったところをまとめるなら、派手な演出や物量ではなく、プレイヤーの判断と上達がそのまま気持ち良さに変換される設計にある。操作は単純なのに、盤面の読み・ルートの組み立て・危険回避・道具(2倍ジャンプ)の判断が絡み、遊ぶほど「自分の工夫」が結果として返ってくる。そこに50面のレイアウト差と、対戦という別の遊び口が乗ることで、一本のカートリッジでも遊びの寿命が伸びる。先入観なしに“MSXのアクションパズル”として触れるほど、素直に面白さが立ち上がるタイプの作品だ。

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■ 悪かったところ

● タイトルの期待値が高すぎる問題:アーケード版の記憶と衝突しやすい

MSX版『Qバート』で“残念だった”と語られやすいのは、ゲーム内容そのものというより、看板が生む先入観とのズレだ。『Qバート』と聞けば、多くの人が連想するのは「ピラミッド状のブロックを斜めに跳び回って色を塗り替える」あの分かりやすい遊びである。ところがMSX版は、続編の要素を基にした“回転・整列”寄りのアクションパズルへ寄せられており、主人公も差し替えられているため、オリジナルの延長線を期待した人ほど戸惑いやすい。資料でも“続編をベースにしている”旨が説明されることが多く、ここが理解できるかどうかで納得感が変わる。 悪い意味で言うと、「名前が同じなのに別ゲーに感じる」。良い意味で言うと「別物として遊べば面白い」。ただ、購入前の情報が限られていた当時は、パッケージの印象だけで選ぶケースも多く、そこで“想像と違った”という不満が生まれやすかったのは否定しにくい。

● ルール理解までが急坂:面白さの中心に入る前に折れる人が出る

本作は、理解してしまえば「狙った向きに揃えてラインを作る」という筋が見えるが、その筋が見える前がやや厳しい。盤面が立体的に見えるぶん、キューブの向きの変化が“何を意味するのか”を掴むのに時間がかかる。さらに敵が同時に動くため、「じっくり眺めて把握する」余裕が少ない。結果として、初見でやられ続けると「何が正解なのか分からないまま終わる」感覚になりやすい。アクションパズルの難しさは歓迎される一方、導入の説明や段階的な学習が薄いと、好き嫌いが強く分かれる。 対策としては、序盤の面で“何を揃えるのか”だけ意識して、敵に追われたら一旦逃げる、という学習の切り分けが必要になるが、そこに至る前に投げてしまう人が出た、という不満系の語られ方は起こりやすい。

● 敵が絡むとパズルが壊れる感覚:工程が崩れたときの立て直しが重い

悪かった点として挙がりやすいのが、「考えている最中に邪魔されるストレス」だ。パズルとしては、盤面を見て手順を組みたい。ところが本作は、敵がプレイヤーを追い込み、落下リスクも常に付きまとう。すると、手順を作っている途中で逃げざるを得ず、その逃げのジャンプが盤面をさらに変えてしまう。 この“逃げた結果として盤面が遠ざかる”感覚が、好きな人にはスリルだが、苦手な人には徒労感になる。特に、あと少しでライン完成、という局面で追い詰められ、逃げたせいで仕上げ地点が崩れると、立て直しが長引いて気持ちが折れやすい。アクションが強めのパズルに共通する悩みではあるが、本作はジャンプそのものが盤面操作なので、立て直しのコストが体感的に重くなりやすい。

● 2倍ジャンプが“便利ゆえの事故”を生む:慣れるまでは味方になりにくい

スペースキーと方向入力の組み合わせで2倍ジャンプが可能、とされている点は魅力だが、悪い面もある。 それは、誤入力や判断ミスがそのまま落下事故につながりやすいこと。通常移動なら一段ずつ進むので、外周で危なくても“引き返す猶予”が残る。しかし2倍ジャンプは距離が出るぶん、着地点の選択を誤ると一気に崩れる。盤面の外へ飛び出して即ミス、という負け方は印象が強く、「便利機能が逆にストレス」という感想につながりやすい。 上達すると強い道具だが、上達するまでの間に“痛い体験”を積みやすいのが欠点になり得る。

● 対戦は人を選ぶ:ワチャワチャしすぎて、純粋な攻略の延長で遊べない場合がある

2人同時プレイは評価点にもなるが、裏返しとして“合わない人には合わない”要素でもある。対戦は、相手の邪魔や押し合いで勝負が大きく動くため、攻略的な最短手順を詰めたい人にとっては、運や事故が増えて落ち着かない。さらに、片方だけがルールを理解していると、もう片方が何をしているか分からず、ゲームになりにくい。 「対戦が面白い」と言われる一方で、「対戦は混乱した」「1人用の方が好き」という声が出やすいのは、このタイプのゲームの宿命でもある。

● 情報の混線:ゲームそのものより“周辺機能”の話が先に立ってしまう

MSX版『Qバート』は、作品単体の評価とは別に、MSXの2スロット運用や、他のコナミMSXタイトルとの組み合わせで話題になりやすい側面がある、と記録されている。 これは“面白い余談”でもある一方、純粋にゲームとしての魅力が語られにくくなる欠点にもなる。つまり、プレイしていない人が「何かの拡張用カートリッジみたいなもの?」と誤解しやすい。実際には単体で成立するゲームなのに、周辺エピソードが強すぎて印象が偏る——こういう“評判の歪み”は、レトロタイトルでは意外とダメージが大きい。

● 総合:欠点は“中身の粗さ”というより「入口の難しさ」と「期待値のズレ」に集中する

本作の悪かったところをまとめると、決定的に破綻しているというより、遊び手の期待や好みによって不満が出やすい構造にある。『Qバート』という名前の連想と違うこと、ルールが分かる前に敵が厳しいこと、工程が崩れたときの立て直しが重いこと、2倍ジャンプが慣れるまで事故りやすいこと、対戦が人を選ぶこと——これらが重なると、面白さへ到達する前に“合わない”となりやすい。 逆に言えば、ここを乗り越えて「これはMSXのアクションパズルだ」と割り切れた人には、欠点がそのままスリルに変わる。だから賛否が分かれやすいし、同時に語り継がれやすい作品にもなっている。

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■ 好きなキャラクター

● 主人公枠(プレイヤーキャラ)を好きになる理由:コミカルさと“やられやすさ”が同居している

MSX版『Qバート』でまず語られやすいのは、操作キャラクターの存在感だ。アーケード版のイメージで思い浮かべる“あの顔”ではなく、MSX版では別のマスコット的キャラ(資料によってはドラゴン風のキャラクターとして説明される)に置き換わっている、とされる。 ここが好みに刺さる人は、いわゆる「可愛いのに過酷」というギャップに惹かれやすい。見た目は軽やかで、動きも跳ねるようにコミカルなのに、ゲームの中身は盤面の読みと瞬間判断が噛み合わないとあっさり落ちる。だからこそ、同じステージを繰り返しているうちに、主人公に“勝手に感情移入が乗る”タイプの作りになっている。ミスをしても腹が立つより先に「今のは自分が悪い」「次は助けるからな」と思えてしまう——この感覚があると、難度が高めでも遊び続けられる。 好きになる理由の中心は、強さや格好良さではない。むしろ逆で、「危なっかしいのにやめられない」ところだ。外周で追い詰められて、ほんの一手の遅れで落下してしまう。2倍ジャンプで逆転できそうなのに、着地点を見誤って落ちる。そういう“惜しい死に方”が多いゲームだから、プレイヤーは自然と主人公を応援する気持ちになる。レトロゲームのキャラ愛は、設定の深さより「この動き、このやられ方、この場面」という体験の積み重ねで育つことが多いが、本作の主人公はまさにそれを獲得しやすい立ち位置にいる。

● 2Pキャラを好きになる理由:対戦の記憶とセットで“顔”として残りやすい

本作は2人同時プレイが語られやすいタイトルなので、2P側のキャラクターも“印象の残り方”が独特だ。対戦ゲームのキャラ人気は、性能や必殺技ではなく「勝った/負けた」「あそこで落とされた」「あの時助かった(と思ったら裏切られた)」という感情のピークと結びつく。MSX版の対戦は、同じ盤面を同時に動き、相手の動きが自分の工程を壊すこともあれば、逆に相手の邪魔をしながら自分のラインを作れることもある——そんな“盤面の取り合い”が起きやすい、と整理される。 その結果、2Pキャラは単なる色違いではなく、「あいつがいると試合が荒れる」「あの人が使うと嫌らしい動きをする」みたいに、プレイヤー本人の癖とキャラが一体化して記憶されやすい。友達同士のゲームで、キャラの人気が“性能”より“性格付け”で決まることがあるけれど、本作の2Pキャラはまさにそのタイプだ。相手を落とす動きが決まった瞬間の爽快さ、逆に落とされて悔しい瞬間の印象が強いので、後年振り返っても「2P側のあのキャラが忘れられない」と言われやすい。キャラ単体の造形より、対戦の熱量がキャラの魅力を増幅している。

● 追跡型の天敵が人気になりやすい理由:理不尽ではなく“読み合い”として怖い

敵キャラクターの中でも、追跡してくるタイプの存在は、嫌われ役になりがちな一方で“好き”と言われることも多い。理由は簡単で、プレイヤーの判断ミスを最も分かりやすく罰してくるからだ。安全に交通整理をして、逃げ道を確保していれば、追跡型が来てもいったん距離を取れる。逆に、仕上げを急いで外周に寄りすぎていたり、分岐のない場所に追い込まれていたりすると、追跡型が来た瞬間に詰む。つまり、敵が強いというより、自分の盤面運用の“穴”を見せられる。 このタイプの敵が好きだと言われるのは、「ちゃんと理由があって負けた」と納得しやすいからだ。もちろん腹は立つ。けれど、対策が見える。次はルートを確保してから仕上げよう、次は外周を長く走らないようにしよう、と学習が成立する。アクションパズルにおける良い敵は、ただ速いのではなく、プレイヤーに“より良いプレイ”を要求する存在だ。本作の追跡型は、盤面を読んで組み立てる遊びに対して、強制的に「計画と安全の両立」を突きつけてくる。そのプレッシャーが、ゲームの緊張を作り、同時に敵としてのキャラ立ちを生む。

● 盤面を“戻す/壊す”タイプの妨害役が印象に残る理由:努力が目に見えて消えるからこそドラマが出る

本作の面白さは「盤面を整えること」なのに、敵や状況によっては、その整えた成果が崩れていくことがある。ここに絡む妨害役は、プレイヤー体験として非常に強烈だ。なぜなら、“自分の努力”が視覚的に消えるから。ライン完成へ向けて、見本向きを増やし、あと1〜2個で揃うというところまで来たのに、妨害役のせいで状態がズレる。すると、ただミスでやられた時とは違う悔しさが出る。「自分は正しいことをしていたのに、状況に壊された」という感情が生まれるからだ。 この悔しさは、敵としての憎たらしさを強める一方、キャラクターの記憶定着にも直結する。レトロゲームの敵が語られる時、名前や設定より「こいつが来ると盤面が台無しになる」「こいつが出た瞬間に空気が変わる」という役割で覚えられることが多い。本作の妨害役も、まさにその枠だ。しかも、対策がゼロではない。妨害を見越して“完成ライン候補を複数持つ”“仕上げは短時間で済ませる”“交通整理を優先する”など、プレイの質を上げる方向に学習がつながる。嫌われるのに、どこか愛される——そんな敵の条件を満たしやすい。

● 落下を誘う“事故メーカー”が好きと言われる理由:怖さがゲームのアイデンティティになる

『Qバート』系の遊びで最も分かりやすい敗北は、敵に触れた瞬間というより「盤面の外へ落ちる」ことだ。特にMSX版は、盤面が立体的に見えるぶん、斜め方向の移動や2倍ジャンプの判断を誤ると、落下が一気に現実味を帯びる。落ちる敵、押してくる敵、追い込む敵——そうした“事故を作る役”は、プレイヤーの緊張を最大化する存在になる。 この手の敵が好きと語られるのは、ゲームの怖さが“反射神経だけの脅威”ではなく、空間認識と判断の脅威として成立しているからだ。落下を誘う敵がいると、プレイヤーは外周へ行く時の時間配分を変え、危ない場所は短時間で抜ける意識が生まれる。つまり、敵が攻略スタイルそのものを変える。ゲームの個性は、こういう“行動を縛る恐怖”から生まれることが多い。落下を誘う敵は、ただの嫌がらせではなく、本作を本作らしくしている装置でもある。だからこそ、思い出す時に真っ先に顔が浮かび、「あいつが来ると終わるんだよな」と笑いながら語られたりする。

● 総合すると:キャラの人気は設定より“役割の強さ”で決まり、本作はその役割がはっきりしている

MSX版『Qバート』のキャラクターが印象に残りやすいのは、各キャラが「盤面を整える」「盤面を壊す」「追い込む」「落とす」「対戦で荒らす」といった役割を強く持ち、プレイ体験の山場に必ず絡んでくるからだ。さらに、2人同時プレイの存在によって、キャラの記憶が“勝敗の感情”と結びつきやすい。これが、単体のビジュアル以上にキャラ愛を強くする。 だから本作の「好きなキャラクター」は、単に可愛い・格好いいという話だけでは終わらない。「このキャラのせいで崩された」「このキャラが来た時の切り返しが気持ちいい」「このキャラを使う友達の癖が忘れられない」——そういう、プレイの出来事そのものが“好き”の理由になる。レトロゲームのキャラ語りとして、とても本作らしい着地の仕方だと思う。

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●対応パソコンによる違いなど

● まず大前提:同じ「Qバート」でも、移植先ごとに“何を再現するか”が違う

『Qバート』は、見た目の分かりやすさ(立体に見えるブロック山、斜め跳び、敵に追われる緊張)と、ルールの芯の強さ(ジャンプの一手がそのまま盤面の進捗になる)が噛み合ったタイプのゲームだ。だからこそ、どの機種へ移す場合でも「全部そのまま」は難しく、移植側は必ず“優先順位”を決めることになる。たとえばアーケード版の魅力は、操作レスポンスの速さ、画面内の敵やギミックの密度、そして音や演出で煽られるテンションの高さにある。一方、家庭用やパソコン移植では、表示色・解像度・スプライト数・同時発音数・入力機器などの条件が変わり、結果として「見た目の再現」を重視する移植もあれば、「ルールの再現」を重視する移植も出てくる。さらに『Qバート』はシリーズ化しており、続編・派生の要素(盤面を“揃える/回転させる”寄りの発想)も存在するため、“どのQバートを持ってくるか”によって体験がガラッと変わる。ここが、同名タイトルが複数の手触りで語られやすい理由だ。

● アーケード版(原点)の特徴:速度と密度で“反射+判断”を押し付けてくる

アーケード版は、ゲームセンターの騒がしい空間で短時間に勝負を付ける前提があるので、基本的にテンポが速い。プレイヤーは斜め方向の移動制約の中で、敵を避けつつブロックを塗り替えていくが、危険は「敵に触れる」だけではなく「盤面外へ落ちる」ことでも発生する。これが心理的な圧になり、プレイの緊張が持続する。さらに、ギミック(盤面の戻し役、危険を増やす存在、救済になる足場など)が次々と絡んでくるため、単純な“パターン暗記”で終わりにくい。ここで大事なのは、アーケード版の気持ち良さが「巧くなったからクリアできる」だけでなく、「危険をかいくぐった一手が気持ちいい」という瞬間芸にも支えられている点だ。移植が難しいのは、まさにこの“瞬間の気持ち良さ”で、操作遅延や表示の間引きがあるだけで別物に感じやすい。

● 8bit家庭用(例:Atari 2600系など)にありがちな方向性:見た目より“成立”を優先する

初期の家庭用機への移植では、当時のハード制約の都合で、立体的な表現や細かな敵の動きをそのまま持ち込むのが難しいケースが多い。そこでよく起きるのが、「見た目の情報量を減らし、ルールの骨格だけ残す」アプローチだ。ブロックの立体感が弱くなったり、色数が少なくなったり、敵の種類や同時出現数が抑えられたりする代わりに、ゲームとしての“跳ぶ→盤面が進む→危険が迫る”という循環が成立することを重視する。こうした移植は、アーケードと同じ絵を期待すると物足りないが、逆に言えば“短い時間で何度も遊べる”家庭用の用途に噛み合うこともある。難度が調整されていたり、処理落ちが逆に攻略上の猶予になったりして、「この機種版のほうが遊びやすい」と言われることすらある。つまり、ハードの弱さが必ずしも欠点だけにならず、遊び味の変化として残るのが、レトロ移植の面白いところだ。

● NES/ファミコン系にありがちな方向性:視認性とテンポの両立で“遊びやすいQバート”を狙う

もう少し後の家庭用機では、色数や表示性能が上がり、立体的な盤面をそれっぽく描けるようになる。すると移植の優先順位は「成立」から「遊びやすさ」へ寄りやすい。たとえば、盤面の境界がはっきりするように線を強調したり、敵と自機の見分けがつきやすい配色にしたり、落下の危険を直感的に理解できるようにしたり、といった方向だ。音や効果音も家庭用として整えられ、アーケードの“騒がしさ”を家庭のテレビに合わせて再編集する。こうした版は、初見でもルールを掴みやすく、繰り返し遊ぶ導線が素直になりやすい一方、アーケードの尖った緊張感が丸くなっていると感じる人も出る。要するに、「当時の家庭で遊ぶなら、このくらいがちょうどいい」と「ゲーセンの圧が恋しい」が同居する評価になりやすい。

● コモドール64/PC/AT互換機などの“パソコン移植”にありがちな方向性:画面と音の解釈が版ごとの個性になる

パソコン系の移植は、同じ“パソコン”でも環境がバラバラなので、版ごとの個性が出やすい。表示解像度が高い環境では、盤面の描き込みやキャラのアニメーションで“それっぽさ”を補える一方、処理速度や入力遅延が一定でない場合は、操作感が印象を左右しやすい。また、サウンド面も機種差が大きく、単純なビープ音中心の版もあれば、独自の音色でリズムを付けた版もある。ここで面白いのは、パソコン移植が「長時間遊ぶ」前提に寄りやすい点で、ステージ構成を増やしたり、スコア以外の目標を作ったり、独自のアレンジを加えたりする余地が大きい。つまり、パソコン版の『Qバート』は“忠実再現”よりも“同系統のゲーム体験を別の形で提供する”方向へ振れやすい。その結果、同じタイトルでも「これはアクション寄り」「こっちはパズル寄り」というふうに、手触りの差が強調されやすい。

● そしてMSX版:最大の違いは「アーケード原作の再現」ではなく“続編系の発想”を主役にした点

MSX版『Qバート』が特別扱いされがちなのは、単に機種が違うからではなく、「同名タイトルに期待される中身」を大胆に組み替えているからだ。一般に広く知られているアーケード版の『Qバート』は“ブロックを塗る”感覚が中心だが、MSX版は盤面のキューブの向き(状態)を揃え、ラインとして完成させるような、アクションパズル色の強い構造で語られることが多い。主人公の見た目も別キャラクターになっている、と説明される場合があり、ここでも「再現」より「MSX向けの作り替え」を優先した姿勢が見える。さらに、ステージが多数用意されていることや、2人同時プレイに対応することなど、家庭での繰り返しプレイを強く意識した設計が目立つ。 この違いは、MSXのハード制約だけで説明できない。むしろ“MSXで遊ぶなら、短い反射勝負より、盤面を読みながら何度も挑む遊びが合う”という思想が前に出ている。アーケード版の緊張は、操作と速度に寄っているが、MSX版は「工程を組む面白さ」と「敵に邪魔されて崩れる焦り」を同居させ、考える要素を太くしている。だから、同じ『Qバート』でも、MSX版は“別のジャンル寄り”に感じやすい。

● MSXという土俵が生む体験:キーボード/ジョイスティック、そして“じっくり攻略”の相性

MSXは、キーボードで遊ぶ文化と、ジョイスティックで遊ぶ文化が混在していた。『Qバート』のように斜め移動や繊細な位置取りが要求されるゲームは、入力機器の相性が体感に直結する。ジョイスティックで直感的に動かすと、逃げの判断が速くなる一方、盤面を揃える工程が雑になりがちで、結果として“事故”も起きやすい。逆にキーボードだと、操作のスピードは落ちるが、手順の丁寧さが増えて“工程管理”がしやすい、という感じ方をする人もいる。どちらが正しいではなく、プレイヤーの性格で向きが変わるタイプだ。 また、MSX版は盤面パターンを積み重ねる攻略の面白さが強いので、「今日はこの面を安定させる」「次は2倍ジャンプの使い方を覚える」といった学習が成立しやすい。アーケード版のような一発勝負の熱さより、家庭での積み上げ型の面白さへ寄っているのが、MSX版の“対応機種による違い”を語るときの最大のポイントになる。

● まとめ:同名タイトルの比較で迷ったら、「何を遊びたいか」で選ぶのが正解

対応機種ごとの違いをひとことで言うなら、『Qバート』は“見た目の再現”より“遊びの芯の移し方”で個性が分かれるシリーズだということになる。アーケード版の緊張とテンポを求めるなら、速度と密度が保たれた版が向く。家庭用らしい遊びやすさを求めるなら、視認性と調整が整った版が合う。パソコン系の版は、環境ごとの解釈やアレンジを楽しむ視点が向いている。そしてMSX版は、原作のイメージを借りつつ“パズル寄りの別料理”として成立しているので、アーケードの再現を期待しすぎないほうが満足しやすい。 同じタイトル名でも、体験の重心が違う。それがレトロ移植の面白さであり、『Qバート』という題材が長く語られる理由でもある。

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●同時期に発売されたゲームなど

★『ザナドゥ シナリオII -The Resurrection of Dragon-』

・販売会社:日本ファルコム・販売された年:1986年・販売価格:5800円・具体的なゲーム内容: 前作『ザナドゥ』の“広い世界を探索しながら強くなっていく”感覚を土台にしつつ、シナリオ追加という形で遊びの寿命を伸ばしたタイプの作品。基本はアクションRPG寄りで、フィールド探索とダンジョン攻略、装備更新、敵との戦闘を繰り返しながら、少しずつ行動範囲と選択肢を増やしていく。シナリオIIは、ただ敵が強いだけの追加ではなく、プレイヤーに「どこへ行くか」「どの順番で育てるか」をもう一度考えさせる作りになっているのがミソで、同じシステムでも“次の一手”が変わる。短時間で終わるゲームではなく、地道に手応えを積み上げていく設計なので、当時のパソコンゲームらしい“攻略メモを取りながら遊ぶ面白さ”が濃い一本。

★『ロマンシア』

・販売会社:日本ファルコム・販売された年:1986年・販売価格:6800円・具体的なゲーム内容: 見た目はファンタジー冒険活劇でも、手触りはかなり“意地悪で面白い”アクション寄り。ステージを進めるたびに状況が悪化しやすく、やり直し前提で最適手順を探す設計が強い。敵や罠に対して正面から戦うよりも、「この場面は避ける」「このタイミングだけ突破する」「回復や解除を温存する」といった、判断の積み重ねが攻略の中心になる。難度が高いぶん、突破したときの達成感が大きく、パソコンで遊ぶ“ガチ攻略ゲーム”の代表格として語られやすい。軽快に見えて、実際は綿密な計画が必要というギャップが魅力。

★『グーニーズ』

・販売会社:コナミ・販売された年:1986年・販売価格:6800円・具体的なゲーム内容: 映画の世界観を借りたアクションとして分かりやすく、コナミらしい“テンポのよさ”が前に出たタイプ。探索要素とアクション要素が混ざり、進めるほどに行ける場所が増える作りなので、単純な面クリア型より“冒険している感”が強い。敵の配置やギミックの置き方が「慣れるとリズムで抜けられる」方向に調整されていて、反射神経だけに寄りすぎないのが遊びやすさにつながる。パソコン版らしく、家庭用とは違う手触り(難度や画面構成の差)を感じやすい点も、当時遊んだ人の思い出になりやすい。

★『ドルアーガの塔』

・販売会社:ナムコ・販売された年:1986年・販売価格:4500円・具体的なゲーム内容: “塔を登る”という分かりやすい目標の裏に、謎解き・試行錯誤・情報戦が詰まったアクションRPG寄りの作品。各フロアには「こうすると宝箱が出る」「この条件を満たすと道が開く」といった隠しルールがあり、気づけるかどうかで難度が大きく変わる。だから攻略は、腕前だけでなく観察力と発想が重要で、遊びながら「このフロアは何をさせたい?」と読み解くのが面白さになる。MSXで遊ぶと、じっくり考えながら進める“家庭のドルアーガ”になりやすく、友人同士で情報交換しながら攻略する楽しみも生まれやすい。

★『夢大陸アドベンチャー』

・販売会社:コナミ・販売された年:1986年・販売価格:4980円・具体的なゲーム内容: “アドベンチャー”の名の通り、物語や場面転換を楽しみながら進める方向性が強い作品で、入力や選択を通じて状況を切り開いていくタイプ。コナミ作品らしく、遊びの入口はとっつきやすく作られていて、難解な文章パズルというよりは「場面のヒントを拾って次へ進む」テンポ重視の体験になりやすい。パソコンアドベンチャーの魅力は、映画的な展開を“自分の手でめくる”ところにあるが、本作もその快感を狙った作りで、当時のMSXユーザーにとって「短い時間でも進んだ感がある」遊びになりやすい一本。

★『悪魔城ドラキュラ』

・販売会社:コナミ・販売された年:1986年・販売価格:5800円・具体的なゲーム内容: 探索とアクションが混ざった、いわゆる“城攻略”の面白さを前面に出した作品。敵を倒して進むだけでなく、城内の構造を把握し、どのルートで進むと安全か、どの装備・アイテムを優先するか、といった戦略が効いてくる。緊張感のある雰囲気作りも重要で、暗い通路、仕掛け、手強い敵の配置などが「次の部屋へ入るのが怖い」感覚を作り、そこを突破する快感に変わる。MSX2という土俵では、派手さより“手触りの濃さ”が印象に残りやすく、繰り返し挑戦しながら攻略ルートを固めていく遊びになる。

★『地球防衛軍』

・販売会社:アートディンク・販売された年:1986年・販売価格:9500円・具体的なゲーム内容: タイトルが示す通り、防衛・運用・戦略が主役のシミュレーション寄り。アクションの爽快感ではなく、「戦力をどう配置し、どの順で動かし、どんな目標を優先するか」を積み重ねるタイプで、考えた通りに戦況が動いたときの満足感が大きい。パソコンゲームの王道である“数字と判断”の面白さが濃く、遊ぶほどにプレイヤーの癖が出る。初見は情報量に圧倒されがちだが、理解が進むと「最初の準備が勝敗を決める」面白さが見えてきて、短い勝利より“じっくりした勝利”が気持ちいい作品になりやすい。

★『グラディウス』

・販売会社:コナミ・販売された年:1986年・販売価格:6800円・具体的なゲーム内容: 横スクロールシューティングの定番として知られる題材で、パソコンでも「自機を育てて押し切る」快感を狙った作り。最大のポイントはパワーアップの選択で、状況に応じて火力・防御・機動力のどれを伸ばすかがプレイ感を変える。上手い人ほど“最適解”を固定しがちだが、実際はミスや展開の揺れで選択が変わるため、その場で判断して立て直す力が求められる。覚えゲーに見えても、危ない場面での切り返しが面白く、繰り返し挑むほど「自分の成長」がはっきり出るタイプの一本。

★『シルフィード』

・販売会社:ゲームアーツ・販売された年:1986年・販売価格:6800円・具体的なゲーム内容: シューティングでも、ただ弾を避けるだけでなく、“見せ方”と“操作の気持ちよさ”で魅せる方向性が強い作品として語られやすい。敵の出方や画面演出がドラマを作り、プレイヤーは「危険を抜ける」だけでなく「演出の山場を越える」感覚で遊べる。パソコンでのシューティングは、機種ごとに表現が変わりやすいが、本作はその表現力を武器にしやすく、当時としては“映える”体験が売りになったタイプ。攻略面でも、攻撃の当て方や位置取りで生存率が変わり、派手さと硬派さの両方を楽しめる。

★『ウィザードリィII (Wizardry #2 – Knight of Diamonds)』

・販売会社:アスキー・販売された年:1986年・販売価格:9800円・具体的なゲーム内容: パーティを組み、迷宮を一歩ずつ進め、経験と装備を積み上げていく“硬派ダンジョンRPG”の代表格。IIは前作の流れを受けつつ、より厳しい探索・戦闘・資源管理が求められるため、プレイヤーは「安全第一で進む」「撤退を前提に稼ぐ」「呪文と装備の役割を明確にする」といった、作戦立てを強く意識することになる。派手なストーリーで引っ張るというより、迷宮そのものが物語になるタイプで、失敗の痛み(全滅やロスト)すらゲーム体験の一部として刻まれる。高価格帯でも支持されたのは、その分“長く遊べる濃度”が約束されていたからで、当時のパソコンRPGの象徴的存在。

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